JPH09172918A - スピニングリールのスプール支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】ドラッグノブを外さなくてもスプールの交換を
可能にすると共に、設定したドラッグ力を保持してスプ
ールの交換を行うことができるスピニングリールの支持
構造を提供する。 【解決手段】固定ドラッグ体２に筒状の回転ドラッグ体
３を遊転自在且つ軸方向へ着脱自在に取付け、且つ両ド
ラッグ体２，３の端部に相対する円盤状の抵抗板２Ａ，
３Ａを一体形成し、更に抵抗板２Ａ，３Ａの間にドラッ
グワッシャＷを挿入してドラッグ体Ｄを構成する。ドラ
ッグ体Ｄにおける回転ドラッグ体３の外周に、軸方向に
貫通孔５Ａを形成したスプール５を着脱可能に螺合し、
且つ貫通孔５Ａの最小径をドラッグノブ４の最大径より
も大径とし、更に固定ドラッグ体２と回転ドラッグ体３
とに亘って、回転ドラッグ体３の回転がスプール５を回
転ドラッグ体３から外す方向に回転するときには、回転
ドラッグ体３は固定ドラッグ体２にロックされ、回転ド
ラッグ体３に締付ける方向に回転するときには、回転ド
ラッグ体３は固定ドラッグ体２に対して回転するように
構成した逆転防止機構Ａを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はフロントドラッグ
機構を備えたスピニングリールにおけるスプールの支持
構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、フロントドラッグ機構を備えたス
ピニングリールにおけるスプールの支持構造は図５に示
す構造が一般的に知られている。その構造は、スプール
シャフト１０１に回転自在、且つ着脱自在に取付けたス
プール１０２の前面に凹部１０３を形成し、この凹部１
０３に多板状のドラッグワッシャ１０４を収納すると共
に、このドラッグワッシャ１０４は凹部１０３周面に取
付けたクリップリング１０５によって抜止めされてい
る。又、スプールシャフト１０１の先端にドラッグノブ
１０６を螺合し、このドラッグノブ１０６を回転させる
ことによってドラッグワッシャ１０４を押圧してドラッ
グ力を可変したり、取外してスプール１０２を脱着した
りするようになっている。

【０００３】ところで、ドラッグ機構はドラッグワッシ
ャの摩擦によってドラッグ力を働かせるため、使用して
いるうちにドラッグワッシャが磨耗してドラッグ力が働
かなくなってしまう。そのため磨耗したドラッグワッシ
ャを交換できるようになっている。上記した従来のスピ
ニングリールにおいてドラッグワッシャを交換する場合
は、スプールシャフトからドラグノブを取外すと共に、
スプールに収納したドラッグワッシャを抜止めしてある
クリップリングを取外し、ドラッグワッシャを交換する
ようになっている。しかしながら、クリップリングを取
外す作業は専用工具を使用してクリップリングを無くし
たり、壊したりしないように慎重に行わなければならな
いため、非常に面倒な作業であった。又、スプールを交
換する場合はドラッグノブを取外ずさないとスプールを
交換できないため、岩場や船上において交換作業を行う
際にドラッグノブを誤って紛失してしまうという恐れが
あった。

【０００４】本出願人は上記欠点を解消するため図６に
示すスピニングリールを開発した。この構造は、ハンド
ルの回転によって前後動するスプールシャフト２０１に
筒状の固定ドラッグ体２０２を固着すると共に、この固
定ドラッグ体２０２に筒状の回転ドラッグ体２０３を遊
転自在且つ軸方向へスライド自在に取付け、この両ドラ
ッグ体２０２、２０３の端部に相対する抵抗板２０４、
２０５を一体的に設けて、該抵抗板２０４、２０５の間
にドラッグワッシャ２０６を挿入し、上記スプールシャ
フト２０１の先端には筒状のドラッグノブ２０７を螺合
して、該ドラッグノブ２０７と回転ドラッグ体２０３先
端の間にスプリング２０８を弾圧装着し、更に上記回転
ドラッグ体２０３に軸方向に貫通孔を形成したスプール
２０９を着脱可能に螺合すると共に、スプール２０９に
おける貫通孔の最小径をドラッグノブ２０７の最大径よ
りも大きくして構成してある。

【０００５】上記構成にしたスピニングリールによると
ドラッグワッシャを交換する場合、スプールを螺合した
回転ドラッグ体は固定ドラッグ体にスライド自在に取付
けられ、両ドラッグ体の間にドラッグワッシャが装着さ
れているため、ドラッグノブを回転させドラッグ調整体
をスプールシャフトから外してスプールを引抜けば、回
転ドラッグ体はスプールと一体になって引抜かれ、これ
によってドラッグワッシャが露出し、簡単にドラッグワ
ッシャを交換することができるようになった。又、スプ
ールを交換する場合、スプールは回転ドラッグ体に螺合
されているためドラッグノブを十分に締め付けてスプー
ルを回転させればスプールのみを取り外すことができる
ようになっていて、ドラッグノブの紛失を防げるように
なった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成にしたスピニングリールではドラッグワッシャを交換
する際の面倒さは解消できるが、スプールを交換する場
合、スプールが回転ドラッグ体に螺合されている締付け
力よりも、設定してあるドラッグ力が弱いと、スプール
を外す方向に回転させた時に、スプールの回転に伴って
固定ドラッグ体に対して回転ドラッグ体が回転してしま
い、スプールが空回りする状態になり、スプールを外す
ことができない。すなわち、ドラッグ力をスプールが回
転ドラッグ体に螺合されている締付け力よりも大きくし
なければスプールを外すことができないため、スプール
を交換する度にドラッグノブを十分に締付けてスプール
を外し、新たなスプールを取付けた後ドラッグ力の設定
を調整し直さなければならず、再度釣りを始めるまで時
間がかかってしまうという問題が生じてしまった。

【０００７】本発明は上記の従来の技術が有する問題点
を解決するためになされたもので、その目的とするとこ
ろは、ドラッグノブを外さなくてもスプールの交換を可
能にすると共に、設定したドラッグ力を保持してスプー
ルの交換を行うことができるスピニングリールの支持構
造を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】ハンドルの回転によって
前後動するスプールシャフトの外周に筒状の固定ドラッ
グ体を固着すると共に、この固定ドラッグ体に筒状の回
転ドラッグ体を遊転自在且つ軸方向へスライドして着脱
自在に取付け、且つ両ドラッグ体の端部に相対する円盤
状の抵抗板を一体形成し、更に該抵抗板の間にドラッグ
ワッシャを挿入してドラッグ体を構成し、上記ドラッグ
体における回転ドラッグ体先端とスプールシャフトの先
端に螺合したドラッグノブとの間にスプリングを弾圧装
着すると共に、上記ドラッグ体における回転ドラッグ体
の外周に、軸方向に貫通孔を形成したスプールを着脱可
能に螺合し、且つスプールにおける貫通孔の最小径をド
ラッグノブの最大径よりも大径とし、更に上記固定ドラ
ッグ体と回転ドラッグ体とに亘って、回転ドラッグ体の
回転がスプールを回転ドラッグ体から外す方向に回転す
るときに、回転ドラッグ体は固定ドラッグ体にロックさ
れ、回転ドラッグ体の回転がスプールを回転ドラッグ体
に締付ける方向に回転するときに、回転ドラッグ体は固
定ドラッグ体に対して回転するように構成した逆転防止
機構を備えた。上記逆転防止機構は、回転ドラッグ体の
回転が固定ドラッグ体に対して、スプールを回転ドラッ
グ体から外す方向に回転するときに、回転ドラッグ体は
固定ドラッグ体にロックされ、スプールを回転ドラッグ
体に締付ける方向に回転するときに、回転ドラッグ体は
固定ドラッグ体に対して回転する機構であればよく、具
体的にはラチェット機構、又は１方向クラッチのような
手段で達成できる。又、上記ラチェット機構は、回転ド
ラッグ体の抵抗板の固定ドラッグ体の抵抗板と対向する
面に、回転ドラッグ体の抵抗板と同軸心の筒体を一体形
成すると共に、該筒体の内径を固定ドラッグ体の径より
も若干大径とし、この筒体の端部に、筒体周方向に沿っ
て連続する軸方向の凹凸部を形成する一方、固定ドラッ
グ体の抵抗板に該凹凸部における凹部に係脱して回転ド
ラッグ体の回転を規制する長片状の係合板を取付け、こ
の係合板は軸線方向を中心として回動可能にすると共
に、係合板の一端部が常時係合凹部と係合するように付
勢され、他端部を抵抗板に設けた凸部に接触させ係合板
の回動を規制して構成する。又、上記ラチェット機構の
一部を構成する凹凸部における凸部の内周面に、先端縁
から内周に向けて傾斜する傾斜面を形成すると共に、こ
の傾斜面の基端部を上記係合板の先端よりも外側に位置
させた。又、逆転防止機構を１方向クラッチとし、該１
方向クラッチは固定ドラッグ体の筒状部外周面と回転ド
ラッグ体の筒状部内周面との間に挿入され、該１方向ク
ラッチを回転ドラッグ体と一体回転すると共に、着脱自
在とし、且つ固定ドラッグ体に対して着脱自在にした。

【０００９】上記の手段によれば、ドラッグ力の調整は
スプール先端に螺合されたドラッグノブを回転させる
と、ドラッグノブとドラッグ体における回転ドラッグ体
の間に弾圧装着したスプリングが付勢力を可変しながら
移動し、このスプリングの付勢力によってドラッグ力の
調節が行われる。スプールの交換をするときは、スプー
ルを回転ドラッグ体との螺合を緩める方向に回転させる
と、逆転防止機構によって回転ドラッグ体は固定ドラッ
グ体にロックされる。このためスプールの回転ドラッグ
体に対する締付け力よりもドラッグ力が弱い状態でセッ
トされていても、スプールは空回りすることなく回転ド
ラッグ体から外れる。取付けるときは上記した外す作業
の逆をすれば良い。

【００１０】ドラッグワッシャを交換するときは、スプ
ールシャフトに螺合してあるドラッグ調整体をドラッグ
力弱の方向へ回転させて、スプールシャフトから外し
て、回転ドラッグ体の順に引き抜くと、ドラッグワッシ
ャが露出して交換可能な状態となる。ドラッグワッシャ
を交換後、組立てるときは上記した作業の逆をすればよ
い。上記したスプールやドラッグワッシャを交換する作
業は、逆転防止機構をラチェット機構にしたもの、１方
向クラッチにしたものともに、同様の作業方法で可能で
ある。又、逆転防止機構をラチェット機構にしたものに
おいて、回転ドラッグ体を固定ドラッグ体に取り付ける
とき、固定ドラッグ体の筒体に形成したラチェット機構
を構成する凹凸部における凸部の内周面を傾斜面とし、
この傾斜面の基部が係合板の先端よりも外側に位置して
いるため、ラチェット機構の係合板の先端位置がラチェ
ット機構の凹部に合っていない場合でも、係合板の先端
が筒体の端面に接触することなく、ラチェット機構の凸
部における傾斜面に沿って案内される。又、逆転防止機
構を１方向クラッチにしたものにおいては、逆転防止機
構が一つのアッセンブリになっているため、リール自体
の構成が簡素化される。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図１乃至図４は実施の一例を示し、
図中１はスプールシャフトでハンドル（図示せず）の回
転によって前後動する周知の形態をなし、このスプール
シャフト１にドラッグ体Ｄを取付けると共に、先端には
ドラッグノブ４を螺合し、且つ該ドラッグノブとドラッ
グ体Ｄ先端の間にドラッグスプリングＳを弾圧装着し、
上記ドラッグ体Ｄにスプール５を着脱自在に螺合してあ
る。

【００１２】ドラッグ体Ｄはスプールシャフト１に筒状
の固定ドラッグ体２を固着すると共に、この固定ドラッ
グ体２に筒状の回転ドラッグ体３を回転自在且つ軸方向
へ着脱自在に取付け、且つ両ドラッグ体の端部には相対
する円盤状の抵抗板２Ａ，３Ａを一体形成し、更に該抵
抗板２Ａ，３Ａの間にドラッグワッシャＷを挿入して構
成してある。又、固定ドラッグ体２における抵抗板２Ａ
と回転ドラッグ体３の抵抗板３Ａとに亘って、回転ドラ
ッグ体３の回転がスプールを回転ドラッグ体３から外す
方向に回転するときに、回転ドラッグ体３は固定ドラッ
グ体２にロックされ、回転ドラッグ体３の回転がスプー
ルを回転ドラッグ体３に締付ける方向に回転するとき
に、回転ドラッグ体３は固定ドラッグ体２に対して回転
するようにして、逆転防止機構を構成するラチェット機
構Ｒが装備され、回転ドラッグ体２の回転を規制してい
る。

【００１３】固定ドラッグ体２は、筒状部２Ｂの外周面
から径方向にスプールシャフト１に軸方向と直行してピ
ンＰを貫通させて固着され、筒状部２Ｂの先端を断面小
判型に形成してあり、抵抗板２Ａの先端面にはラチェッ
ト機構Ｒの一部を構成する係合板Ｒ１が取付けられてい
る。上記係合板Ｒ１は、中心に円形の取付孔Ｒ１−１を
開孔してある長片状に形成され、該係合板Ｒ１の片側先
端を略方形にすると共に、もう一方を先端に向けて先細
り状にしてあり、更に内径が取付孔Ｒ１−１の径と同径
の筒体Ｒ１−２を取付孔Ｒ１−１と同軸線上に一体形成
してある。そしてこの係合板Ｒ１の取付孔にビスＢ等を
通して固定ドラッグ体２における抵抗板２Ａに、ドラッ
グ体Ｄの軸線方向を中心として回動するように取付け、
係合板Ｒ１の筒体Ｒ１−２にコイルスプリングＣを装着
すると共に、このコイルスプリングＣの一端を抵抗板２
Ａに設けた凸部２Ａ−１に引っ掛けて係合板Ｒ１の一端
部が常時周方向外側に向かうように付勢し、係合板Ｒ１
の他端部を抵抗板２Ａに設けた凸部２Ａ−１に接触させ
て係合板Ｒ１の回動を規制している。

【００１４】回転ドラッグ体３は、筒状部３Ｂの外周に
ねじ部３Ｃを設け、内周面にはスリーブ６を挿入すると
共に、ワッシャ３Ｄを挿入し、このワッシャ３Ｄは固定
ドラッグ体２の先端と回転不能、且つスライド自在に小
判係合してあり、抵抗板３Ａには該抵抗板３Ａの径と同
径の筒体３Ｅを一体形成すると共に、該筒体３Ｅの内径
は固定ドラッグ体２の抵抗板２Ａの径よりも若干大径と
し、且つ固定ドラッグ体２の抵抗板２Ａに被さるように
形成してあり、該筒体３Ｅの端部周囲面にはラチェット
機構Ｒの一部を構成する係合部Ｒ２を設けてある。又、
固定ドラッグ体２における抵抗板２Ａに相対して設けた
回転ドラッグ体３の抵抗板３Ａによって、ドラッグワッ
シャＷを押圧する。上記係合部Ｒ２は筒体３Ｅの周側面
に沿って連続する凹凸部Ｒ２−１，Ｒ２−２を形成し
て、該凹凸部Ｒ２−１，Ｒ２−２における凸部Ｒ２−２
の先端を内周に向けて傾斜する傾斜面Ｒ２−３にすると
共に、傾斜面Ｒ２−３の基部を係合板Ｒ１の先端よりも
外側に位置させている。

【００１５】回転ドラッグ体２の回転を規制するラチェ
ット機構Ｒは、上記した回転ドラッグ体３における係合
部Ｒ１に、固定ドラッグ体における係合板Ｒ２を係脱さ
せることによって、回転ドラッグ体３の回転を規制する
ようにしてあるもので、回転ドラッグ体３の回転がスプ
ール５を回転ドラッグ体３から外す方向に回転するとき
に、回転ドラッグ体３は固定ドラッグ体２にロックさ
れ、回転ドラッグ体３の回転がスプール５を回転ドラッ
グ体３に締付ける方向に回転するときに、回転ドラッグ
体３は固定ドラッグ体２に対して回転するようになって
いる。

【００１６】スプールシャフト１に螺合されたドラッグ
ノブ４は筒状に形成され、このドラッグノブ４の回転に
よって回転ドラッグ体３が固定ドラッグ体２の軸方向に
移動する。又、ドラッグノブ４の後端面から軸方向に向
けて螺合穴４Ａを囲むようにして溝部４Ｂを設けてあ
り、この溝部４ＢにドラッグスプリングＳが挿入してあ
る。このドラッグスプリングＳは、ドラッグノブ４の溝
部４Ａと前記した回転ドラッグ体３におけるワッシャ３
Ｄとの間に弾圧装着され、ドラッグノブ４の移動によっ
て回転ドラッグ体２を押圧するものである。尚、ドラッ
グスプリングＳはコイルスプリングに限定するものでは
なく、ドラッグノブ４の移動によって回転ドラッグ体３
を押圧する押圧力を可変できるものであればどのような
ものでも良い。

【００１７】ドラッグ体Ｄに螺合されたスプール５は、
貫通孔６Ａの最小内径を前記したドラッグノブ４の最大
径よりも大径に形成すると共に、最小内径部の内周にね
じ部５Ｂを設けてあり、ドラッグ体Ｄに対して着脱自在
にしてある。又、スプール５前面には、リング状の基盤
４Ｃがあてがわれ、スプール５の前面に螺合したリング
状のリテーナ５Ｃによって基盤４Ｃの外周縁を回転自
在、且つ抜止めして保持することにより自由回転するよ
うに取付け、前記ドラッグノブ４の回動を妨げないよう
に構成してある。上記基盤４Ｃの前面には、ドラッグノ
ブ４の先端部球面に連続する円弧を描く２枚のガード板
４Ｄを先端に向けて突出させてあり、ドラッグノブ４を
挟んで対向する両ガード板４Ｄにより、ドラッグノブ４
に釣糸が絡むのを防止している。又、上記した基盤４Ｃ
の内径はドラッグノブ４の外径よりも若干大きくしてあ
り、スプール５とともに上記基盤４Ｃが自由に抜き差し
できるようになっている。

【００１８】上記のように構成したスピニングリールに
おいてスプール５の交換を行うには、スプール５６を回
転させ回転ドラッグ体３との螺合を外せば軸方向へ引き
抜くことができる。（図４）このとき回転ドラッグ体３
はラチェット機構Ｒにより固定ドラッグ体２にロックさ
れている。次に交換するスプールを回転ドラッグ体３に
捩込んで取付ける。

【００１９】又、ドラッグワッシャＷを交換する際に
は、ドラッグノブ４をドラッグ力弱の方向へ回転させる
とスプールシャフト１に螺合してあるドラッグノブ４が
スプールシャフト１から外れ、回転ドラッグ体３はスプ
ール５に螺合されているため、スプール５と一体に引き
抜かれ、ドラッグワッシャＷが露出し交換可能な状態と
なる。（図３）ドラッグワッシャＷを交換後、組立てる
ときは上記した作業の逆をすればよく、このときラチェ
ット機構Ｒの係合板Ｒ１の先端が位置がラチェット機構
Ｒの凹部Ｒ２−１に合っていない場合でも、係合板Ｒ１
の先端がラチェット機構Ｒの凸部Ｒ２−２における傾斜
面Ｒ２−３に沿って案内される。

【００２０】次に本発明の他の実施例について説明す
る。尚、第１実施例と重複する構成に付いての説明は省
略する。図５乃至図６は逆転防止機構Ａを１方向クラッ
チ７にしたものを示し、筒状に形成した１方向クラッチ
７が固定ドラッグ体２の筒状部２Ｂ外周面と回転ドラッ
グ体３の筒状部３Ｂ内周面との間に挿入されている。上
記１方向クラッチ７は回転ドラッグ体３内に小判係合し
て着脱自在に嵌込まれて一体回転すると共に、回転ドラ
ッグ体３の開孔部から出入れするようにしてある。又、
固定ドラッグ体２に対して軸方向に抜差自在にしてあ
る。上記１方向クラッチ７は、回転ドラッグ体３の回転
がスプール５を回転ドラッグ体３から外す方向に回転す
るときに、１方向クラッチ７の逆転防止機能が固定ドラ
ッグ体２に作用して回転ドラッグ体３は固定ドラッグ体
２にロックされ、回転ドラッグ体３の回転がスプール５
を回転ドラッグ体３に締付ける方向に回転するときに、
回転ドラッグ体３は固定ドラッグ体２に対して回転する
ようになっている。尚、固定ドラッグ体２における抵抗
板２Ａと回転ドラッグ体３の抵抗板３Ａとに亘って、ス
プール５の回転に節度を付与すると共に、クリック音を
発生させるラチェットｒを装備してある。

【００２１】

【発明の効果】本発明は上記構成にしたことにより以下
の効果を奏する。ドラッグノブを取り外さなくてもスプ
ールの螺合を外すことによってスプールの交換ができる
から、スプール交換時にドラッグノブを落として紛失し
てしまうことはない。又、逆転防止機構の作用により設
定したドラッグ力を保持したままスプールの交換ができ
るから、スプールを交換する度にドラッグ力を再度設定
する面倒が解消できる。又、逆転防止機構をラチェット
機構にしたものにおいて、回転ドラッグ体を固定ドラッ
グ体に取り付けるとき、ラチェット機構の係合板の先端
位置がラチェット機構の凹部に合っていない場合でも、
係合板の先端が筒体の端面に接触することなく、ラチェ
ット機構の凸部における傾斜面に沿って案内されるか
ら、回転ドラッグ体は固定ドラッグ体に対してスムース
嵌込むことができる。又、逆転防止機構を１方向クラッ
チにしたものにおいても、ラチェット機構にしたものと
同様の効果を得られる。更に、１方向クラッチが故障し
た場合でも、１方向クラッチ自体を交換すれば、即座に
対応できるという効果を得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す縦断面図。

【図２】図１における（２）−（２）線に沿う断面図。

【図３】スプールおよびドラッグワッシャを取外した状
態を示す斜視図。

【図４】スプールを取外した状態を示す斜視図。

【図５】本発明の他の実施例を示す縦断面図。

【図６】図５における（６）−（６）線に沿う断面図。

【図７】従来構造を示す断面図。

【図８】従来構造を示す断面図。

【符号の説明】

１・・・スプールシャフト Ｄ・・・ドラッグ体 ２
・・・固定ドラッグ体 ３・・・回転ドラッグ体 ２Ａ，３Ａ・・・抵抗板 Ｗ
・・・ドラッグワッシャ ４・・・ドラッグノブ ５・・・スプール Ａ・・・逆
転防止機構

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ハンドルの回転によって前後動するスプー
   ルシャフトの外周に筒状の固定ドラッグ体を固着すると
   共に、この固定ドラッグ体に筒状の回転ドラッグ体を遊
   転自在且つ軸方向へ着脱自在に取付け、且つ両ドラッグ
   体の端部に相対する円盤状の抵抗板を一体形成し、更に
   該抵抗板の間にドラッグワッシャを挿入してドラッグ体
   を構成し、上記ドラッグ体における回転ドラッグ体先端
   と、スプールシャフトの先端に螺合したドラッグノブと
   の間にスプリングを弾圧装着すると共に、上記ドラッグ
   体における回転ドラッグ体の外周に、軸方向に貫通孔を
   形成したスプールを着脱可能に螺合し、且つスプールに
   おける貫通孔の最小径をドラッグノブの最大径よりも大
   径とし、更に上記固定ドラッグ体と回転ドラッグ体とに
   亘って、回転ドラッグ体の回転がスプールを回転ドラッ
   グ体から外す方向に回転するときに、回転ドラッグ体は
   固定ドラッグ体にロックされ、回転ドラッグ体の回転が
   スプールを回転ドラッグ体に締付ける方向に回転すると
   きに、回転ドラッグ体は固定ドラッグ体に対して回転す
   るように構成した逆転防止機構を備えたスピニングリー
   ルのスプール支持構造。
2. 【請求項２】上記逆転防止機構をラチェット機構にした
   請求項１に記載のスピニングリールのスプール支持構
   造。
3. 【請求項３】上記ラチェット機構を、回転ドラッグ体の
   抵抗板の固定ドラッグ体の抵抗板と対向する面に、回転
   ドラッグ体の抵抗板と同軸心の筒体を一体形成すると共
   に、該筒体の内径を固定ドラッグ体の抵抗板径よりも若
   干大径とし、この筒体の端部に、筒体周方向に沿って連
   続する軸方向の凹凸部を形成する一方、固定ドラッグ体
   の抵抗板に該凹凸部における凹部に係脱して回転ドラッ
   グ体の回転を規制する長片状の係合板を取付け、この係
   合板は軸線方向を中心として回動可能にすると共に、係
   合板の一端部が常時係合凹部と係合するようにばねによ
   って付勢され、他端部を抵抗板に設けた凸部に接触させ
   ることによって係合板の回動を規制して構成するラチェ
   ット機構にした請求項１又は請求項２に記載のスピニン
   グリールのスプール支持構造。
4. 【請求項４】上記ラチェット機構の一部を構成する凹凸
   部における凸部の内周面に、先端縁から内周に向けて傾
   斜する傾斜面を形成すると共に、この傾斜面の基端部を
   上記係合板の先端よりも外側に位置させた請求項１乃至
   請求項３に記載のスピニングリールのスプール支持構
   造。
5. 【請求項５】上記逆転防止機構を１方向クラッチとし、
   該１方向クラッチは固定ドラッグ体の筒状部外周面と回
   転ドラッグ体の筒状部内周面との間に挿入され、該１方
   向クラッチは回転ドラッグ体と一体回転すると共に、着
   脱自在とし、且つ固定ドラッグ体に対して着脱自在にし
   た請求項１に記載のスピニングリールのスプール支持構
   造。