JPH09160022A - 液晶電気光学装置 - Google Patents
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Abstract
及びその類似のモードのに最適な液晶電気光学装置の広
視野角化を図る。 【解決手段】 液晶電気光学装置1としてベンド配列の
液晶セル10に光学異方素子30を組み合わせたとき
に、光学異方素子30の屈折率楕円体の楕円係数Zとし
て、Z=(ndx −ndz )/(ndx −ndy )とし
たとき、 7≦Z≦10 (光学異方素子30の厚みdと光学異方素子30の屈折
率nの積kx,y,z方向成分をndx ,ndy ,nd
z とする。ndx ,ndy は光学異方素子の面内方向の
成分、ndz は厚み方向の成分を表す。)を満たす、液
晶セル10の液晶層13の視角特性を補償する光学異方
素子を配置する。
Description
係わり、特に高速応答の液晶電気光学装置に関する。
して、OCBモードが注目を集めている。
る。
2aが形成された2枚の基板51、52を主面が対向す
るように配置し、2枚の基板間に液晶層53が挟持され
た液晶セル50と、液晶セル50を狭持するように配置
された2枚の偏光板60と、偏光板60と液晶セル50
間に配置された光学異方素子70とを有している。
に、液晶層53の液晶分子のうち前記2枚の基板の一方
の基板51に接する複数の液晶分子53aからなる第1
の液晶層領域Aと、液晶層の液晶分子のうち2枚の基板
の他方の基板52に接する複数の液晶分子53bからな
る第2の液晶層領域Bと、液晶層53の液晶分子のうち
第1の液晶層領域Aと第2の液晶層領域Bとに挟まれた
複数の液晶分子からなる第3の液晶層領域Cとからな
る。電極に印加する電圧値を変えることにより、この液
晶層の液晶分子は、図2(a)、(b)、(c)に示す
ような配列状態をとる。
向方向が等しく、電圧無印加状態では図2(a)に示す
ようにスプレイ配列状態をとり、電極に電圧を印加する
と図2(b)に示すような第3の液晶層領域Cの一部の
液晶分子53c1が基板の法線方向とほぼ平行に配列して
いるベンド配列状態をとり、更に電圧を印加すると図2
(c)に示すような第3の液晶層領域Cの液晶分子53
c2、53c3が基板の法線方向とほぼ平行に配列している
状態をとる。OCBモ−ドは、この図2(b)(c)の
状態における各々の印加電圧間で表示を行い、電圧を制
御することにより液晶層における位相差を変化させて表
示する複屈折効果型の液晶表示モードであり、その応答
速度は、OCBモードに関する文献によれば、数msと
いう必要かつ十分な値が得られることが報告されてい
る。
は、液晶の上半分、下半分が常時ほぼ対称な形状となっ
ていることが特徴である。したがって、液晶分子が並ぶ
面(図2の紙面方向)に平行となるような視角(観察角
度)の範囲であれば、液晶の上半分、下半分がほぼ対称
な形状となり、この場合の液晶層の屈折率楕円体は球に
なり、この範囲であれば視角依存性がほとんど無くな
り、広い視野角が得られる。
視角に対しては、液晶層の屈折率楕円体が球にはならず
観察角度により屈折率楕円体が変形してしまい視角依存
を生じる。
て、厚さ方向の屈折率を最適化した二軸の光軸を有する
光学異方素子を附加することが報告されている(宮下
ら、Eurodisplay '93, pp149-152)。
には、高電圧側で黒とするノーマリーホワイトモード表
示が好ましい。これは、電圧を印加し液晶分子が図2
(c)に示すように第3の液晶層領域Cの液晶分子53
cがほぼ基板の法線方向に対して平行となる、すなわち
液晶分子がほぼ立ち上がった状態を黒表示に用いるもの
であり、この状態では液晶層の位相差が比較的小さな値
であるので、偏光板を直交して得られる黒の均一性が良
い。
角かつ高速応答を得るにはOCBモードのLCDが挙げ
られ、良好な黒表示を得るのにはノーマリホワイトモー
ド表示が好ましい。そして視角を補償するには液晶層の
屈折率楕円体を補償して球となるような光学異方素子を
選定することが重要となる。
OCBモード及びその類似のモードに最適な光学異方素
子を持つ液晶電気光学装置を提供することを目的とす
る。なお、OCBモードと類似のモードとは、液晶層5
3が、図2(b)に示すような第3の液晶層領域Cの一
部の液晶分子53c1が基板の法線方向とほぼ平行に配列
している配列状態を持ち、この配列状態の液晶層に更に
電圧をかけて図2(c)に示すような第3の液晶層領域
Cの液晶分子53c2、53c3が基板の法線方向とほぼ平
行に配列している状態を持つ液晶電気光学装置をいう。
例えば、OCBモードと同一の配向処理を施した液晶セ
ルにカイラル能を持たせた液晶を入れると、電圧無印加
時にはユニフォーム配列で180°ツイストの配列が得
られる。このような配列に対し、大きな電圧を印加する
と前述のベンド配列が容易に得られる。
置は、セル中央部にねじれ配向が存在する液晶セルを含
むベンド配向液晶セルと、このベンド配向液晶セルの視
角依存性を低減させる光学異方素子とを備えた液晶電気
光学装置において、前記光学異方素子は、Z=(ndx
−ndz )/(ndx −ndy )としたとき、7≦Z≦
10(ndx ,ndy ,ndz は、前記基板と前記光学
異方素子をほぼ平行に配置したときの前記基板の法線方
向における前記光学異方素子の厚み(単位:μm)と前
記光学異方素子との屈折率の積の総和のx,y,z方向
の屈折率成分を表す。nは屈折率、dは厚みであるが、
光学異方素子は複数枚で構成される場合があり、その総
和を表す。dx ,ndy は、前記光学異方素子の厚み方
向とほぼ垂直である面(xy面)の面内方向における前
記光学異方素子の屈折率成分を表し、ndx ,ndy は
互いに垂直である。ndz は、前記光学異方素子の厚み
方向(z方向)の前記光学異方素子の屈折率成分を表
す。)となることを特徴とする液晶電気光学装置を提供
するものである。
配向液晶セルの液晶層は、液晶層の液晶分子のうち2枚
の基板の一方の基板に接する複数の液晶分子からなる第
1の液晶層領域と、液晶層の液晶分子のうち前記2枚の
基板の他方の基板に接する複数の液晶分子からなる第2
の液晶層領域と、液晶層の液晶分子のうち第1の液晶層
領域と第2の液晶層領域とに挟まれた複数の液晶分子か
らなる第3の液晶層領域とからなる。電極への第1の電
圧印加時では、液晶層は第3の液晶層領域の複数の液晶
分子のうちの一部の液晶分子の傾きが基板の法線方向と
略平行に配列し、電極への第2の電圧印加時では、液晶
層は前記第3の液晶層領域の前記複数の液晶分子はその
傾きが前記基板の法線方向と略平行に配列されている。
に対して傾いた方向における、前記第2の電圧印加時の
液晶層の、前記2枚の基板に狭持された液晶層の厚さ方
向成分の光学異方性を補償することを特徴とする。すな
わち、本発明のOCBモード及びOCBモードに類似し
たモードにおいては、第2の電圧印加時では基板付近の
液晶分子を除く液晶分子は基板の法線方向に対してほぼ
平行であるため、基板の法線方向、すなわち、液晶層の
厚さ方向の光学異方性成分に屈折率異方性が非常に大き
くなる。本発明では、、光学異方素子を配置して、基板
の法線方向に対して傾いた方向における、このような液
晶層の厚さ方向成分の液晶層の光学異方性を補償する。
に類似したモードの液晶電気光学装置を例にあげて図1
を用いて説明する。
数の液晶分子からなり、この液晶層13は、2枚の基板
の一方の基板、すなわち電極11aを持つ基板11に接
する複数の液晶分子13aからなる第1の液晶層領域A
と、2枚の基板の他方であり電極12aを持つ基板12
に接する複数の液晶分子13bからなる第2の液晶層領
域Bと、第1の液晶層領域と第2の液晶層領域とに挟ま
れた複数の液晶分子13cからなる第3の液晶層領域C
とからなる。そして、図1(a)は電圧を電極への電圧
無印加時の液晶分子の配列を示し、図1(b)は電極へ
の第1の電圧印加状態を示し、図1(c)は電極への第
2の電圧印加状態を示す。
た電圧駆動源40から電極11a、12aへの電圧無印
加時では、第3の液晶層領域Cの複数の液晶分子13c
は互いに略平行で、かつ一方の基板から他方の基板に向
かって前記基板の面内方向でねじれて配列している。
2aへの第1の電圧印加時では、第3の液晶層領域Cの
複数の液晶分子のうち層中央の一部の液晶分子13c1の
傾きが基板の法線方向と略平行に配列している。この第
1の電圧印加時とは、閾値電圧以上で液晶分子が基板の
法線方向と略平行、すなわち液晶分子が立ち上がり始め
た液晶セルの位相差の印加電圧による変化が急激である
状態より更に、液晶への印加電圧を大きくした時であ
る。
a、12aへの第2の電圧印加時では、第3の液晶層領
域の電極に接する側の複数の液晶分子13c2、13c3の
傾きが基板の法線方向と略平行に配列している。この第
2の電圧印加時は、第1の電圧印加時よりも更に電圧を
かけた状態であり、このとき第3の液晶層領域の液晶分
子13c2、13c3が前記基板の法線方向とほぼ平行に配
列している状態、すなわち液晶が立ち上がった状態とな
る。
びOCBモードでは、図1(b)、(c)に示すような
配列状態では、2枚の基板11、12間に液晶層13を
狭持した液晶層厚み方向で液晶層の上半分と下半分は液
晶層の中央付近を境にほぼ対称のベンド配列となってい
る。このため、図4に示すように液晶分子が厚み方向に
並ぶ平面40に対してほぼ平行となるような視角(観察
角度)の範囲であれば、液晶の上半分、下半分がほぼ対
称な形状となり、この場合の液晶層の光学異方性を表す
屈折率楕円体は球になり、この範囲であれば視角依存性
がほとんど無くなり、広い視野角が得られる。一方、図
4に示す平面40に対して平行でない視角に対しては、
液晶層の屈折率楕円体が球にはならず観察角度により屈
折率楕円体が変形してしまい視角依存を生じる。
補償することにより、より広い視角を得ることができる
ものである。
下記の屈折率楕円係数Z値をもつ2軸の光軸を有する負
の光学異方性を持つ光学異方素子を有する。
y )としたとき、7≦Z≦10 ここに、ndx ,ndy ,ndz は、基板と光学異方素
子をほぼ平行に配置したときの前記基板の法線方向にお
ける前記光学異方素子の厚み(単位:μm)と前記光学
異方素子との屈折率の積の総和のx,y,z方向の屈折
率成分を表す。ndx ,ndy は、前記光学異方素子の
厚み方向とほぼ垂直である面の面内方向における前記光
学異方素子の屈折率成分を表し、ndx ,ndy は互い
に垂直である。ndz は、前記光学異方素子の厚み方向
の前記光学異方素子の屈折率成分を表す。
合、これ等価な屈折率楕円体は図5に示すように nzLC >nxLC >nyLC で、図5の楕円体RLの各断面であるxz面、yz面、
xy面から明らかなように、例えると「ラグビーボー
ル」がy方向に圧縮された形状になる。
体RCは図6に示すように、図5と逆に「ラグビーボー
ル」の長軸方向zを他の2軸よりも圧縮し、かつ他の2
軸のうちy方向を長くした形状にするのが望ましい。
3の基板に接する領域A、Bの液晶分子13a、13b
の傾き、すなわちプレチルト角に依存する。
層の厚みが均一であることが望まれるが、均一にし得る
プレチルト角は高くなるに従い製作が難しく、高々8度
が限界である。したがってZ値はプレチルト角により変
化し、実現可能なプレチルト角の範囲では、 7≦Z≦10 となる。
気光学装置は、OCBモード及びそれと類似のモードの
ノーマリーホワイト表示に適している。これにより、基
板の法線方向に対して傾いた方向における、このような
液晶層の厚さ方向成分の液晶層の光学異方性を補償し
て、視角をより広くすることができる。この範囲内であ
れば、視角が広く、反転領域の非常に少ない、優れた表
示性能が得られる。Zの値が、7未満になると、反転領
域が広くなり、コントラスト比が良好な範囲も狭くな
る。また、10より大きくなると、再度反転領域が増加
する。
示モードOCB及びこれと類似した表示モードは、より
広い視野角を得るために先に述べた条件の光学異方素子
を使用する。更に、本発明では、光学異方素子のリタデ
ーションと液晶セルのリタデーションの関係を特定の条
件に設定することにより、駆動電圧を実用範囲内にし、
かつ、明るい表示ができることを見出した。
全て複屈折モードであり、その液晶セルの透過率Tは、
次式で表される。
の透過率を表す。Rは偏光板間に存在する光学異方体の
リタデーション値であり、λは光源波長である。
ラビング軸の向きに対して垂直である。この様な配置の
場合、総リタデーション値は、液晶セルのリタデーショ
ンRLCと光学異方素子のリタデーションRfxy のそれぞ
れのリタデーション値の差となり、式(1)中のパラメ
ータRは、 R=RLC−Rfxy −−−(2) となる。
過率は、液晶セルのリタデーションと光学異方素子の面
内方向のリタデーションの差により決まる。すなわち、
光学異方素子の面内方向のリタデーションは、ディスプ
レイの明るさに影響する。
される電圧によって変化する。液晶セルの電圧が変化
し、液晶セルのリタデーションと光学異方素子の面内方
向のリタデーションが等しくなったとき、総リタデーシ
ョンは零となり、黒の表示が得られる。
ーションは、黒表示が得られる電圧値に影響する。そこ
で、光学異方素子の面内方向リタデーションと光学異方
素子の面内方向リタデーションの比、すなわちリタデー
ション比Mとして次の様にMを定義し、これらの影響を
調べた。
である。
気光学特性への依存性を示す。Mの値が7.5以下にな
ると、透過率が低下するため、コントラスト比が下が
り、表示品位が劣化する。又、Mが18以上になると、
透過率が上がり表示品位は良くなるが、黒表示電圧が1
0V以上と高くなり過ぎ、消費電力の増加や高電圧印加
のための特殊な高耐圧集積回路が必要となり実用的でな
い。したがって、良好な明るさと実用的な黒表示電圧を
達成できるリタデーション比Mは、 7.5<M<18 である。
異方素子が、 0.022≦ndx −ndy ≦0.667 0.15<ndx −ndz <6.7 とするのが好ましい。これにより、液晶層の△nLC・d
LCの値が0.3μm以上5μm以下とした時に最適な光
学異方素子を有する液晶電気光学装置を得ることができ
る。
の偏光板の内、1枚を反射板とすることができる。
(ndx −ndy )の下限値は0.011となる。
の電圧印加時を液晶電気光学装置の表示のオン時とする
と、第1の電圧印加時では液晶層の配列状態が第3の液
晶層領域Cの複数の液晶分子のうち一部の液晶分子9a
の傾きが基板の法線方向と略平行に配列しているため、
高速応答の表示を得ることができる。
の電圧印加時と第2の電圧印加時の間で表示を行うこと
を特徴とする。これにより高速応答の表示を得ることが
できる。
圧印加時における第3の液晶層領域の前記基板の法線方
向と略平行に配列した液晶分子を中心にして、2枚の基
板間に挟持された液晶層の厚さ方向に、2枚の各々の基
板に向かって段階的に液晶分子の傾きが変化しているこ
とを特徴とする。
圧印加時の液晶層の厚さ方向における第3の液晶層領域
の中央部の液晶分子の傾きが基板の法線方向と略平行に
配列していることを特徴とする。
偏光板は各々の光学軸が直交するように配置されること
を特徴とする。このように設定し、かつ上記のように屈
折率楕円係数Z、リタデーション比Mの値を設定するこ
とにより、第2の電圧印加時で良好な黒表示を得ること
ができる。
比較した場合、どちらでも表示可能であるが、良好なコ
ントラスト比を得るためには良い黒を得るすなわち透過
率が低いことが必要となるので、偏光板が直交状態であ
ることがより好ましい。これは、偏光板が平行状態で黒
の場合は、波長分散の影響が出るためである。偏光板が
平行状態では、コントラスト比は低下すると考えられる
が、透過率を高くしやすい。
の配向処理方向のなす角を2等分する2等分線から45
°傾いた方向に設定することを特徴とする。これは、2
枚の偏光板を直交に配置した時でも平行に配置した時で
も、このように設定することにより最大透過率を得るこ
とができる。
的なOCBモードおよびOCBモードに類似のモードの
液晶層の配列状態を以下に示す。なお、2枚の偏光板の
うち1枚を反射板とした場合にも適用できる。この場
合、液晶セルに入射した光は液晶層厚の2倍の距離を通
過することとなるので、透過型に比べ液晶層厚を約半分
にでき、応答速度の更なる改善が期待できる。
の一方の基板から他方の基板に向かって配列する液晶層
の液晶分子は、電圧無印加時にスプレイ配列しているこ
とを特徴とする。すなわち、OCBモードに適用するこ
とができる。
様は、2枚の基板の一方の基板から他方の基板に向かっ
て配列する液晶層の液晶分子の前記基板内の面内方向の
ねじれ能θ0 が、θ0 =0°である。
発的なねじれ角を示し、一般にねじれ能はコレステリッ
ク液晶組成物の混合濃度により制御できる。
態様は、2枚の一方の基板から他方の基板に向かって配
列する液晶層の液晶分子の基板内の面内方向のねじれ能
θ0が、θ0 >0°であることを特徴とする。このよう
にねじれ能θ0 をθ0 >0°にすることにより、電圧無
印加時のスプレイ配向状態から第1の電圧印加時の第3
の液晶層領域の1部の複数の液晶分子の傾きが基板の法
線方向と略平行に配列している状態への移動時間がθ0
=0°であるときと比べ、格段に早くすることができ
る。
態様は、2枚の基板の一方の基板から他方の基板に向か
って配列する液晶層の液晶分子の基板内の面内方向のね
じれ能θ0 が、θ0 =90°で、かつプレチルト角が2
枚の基板で異なることを特徴とする。θ0 =90°のと
き、プレチルト角が2枚の基板で異ならせることによ
り、表示を可能とする。
態様は、2枚の基板の一方の基板から他方の基板に向か
って配列する液晶層の液晶分子の基板内の面内方向のね
じれ能θが、θ=180°であることを特徴とする。バ
ックフロー効果を考えた場合、ねじれ能が180°及び
その前後である175°〜185°であることが最も望
ましい。ここで、バックフロ−効果について説明する。
例えば電圧がかかっている時の中央近傍のやや立ち上が
った液晶分子は、電圧を切ることにより基板付近の寝て
いる状態の液晶分子に引き戻される。しかし、中央付近
の立ち上がった部分の液晶分子は、中央近傍の液晶分子
によって寝た状態になるのを妨げられ、戻りが遅くな
る。これをバックフロー効果という。ベンド配列の場
合、このバックフロー効果は無くなるが、液晶が180
°ねじれた状態を除いたねじれ状態が生じた場合、この
バックフロー効果が発生する。
への電圧無印加時では、前記第3の液晶層領域の複数の
液晶分子は互いに略平行で、かつ一方の基板から他方の
基板に向かって基板の面内方向でねじれて配列すること
を特徴とする。すなわち、OCBモードと類似のモード
であり、この場合でも本発明は適用可能である。この場
合、OCBモードと同様に表示領域にて高速応答が可能
となる。
ては、本発明の液晶電気光学装置は、2枚の基板の一方
の基板から他方の基板に向かって配列する液晶層の液晶
分子の基板内の面内方向のねじれ角θが、略90°また
は略270°であり、かつ液晶層のプレチルト角が前記
2枚の基板で異なることを特徴とする。この場合、ねじ
れ角θが、90°または270°の場合、液晶層の中央
付近の液晶分子が立ち上がった状態の領域では、二枚の
基板表面での液晶分子のプレチルト角が等しい場合、液
晶層の上半分と下半分での位相差の大きさが等しくな
り、しかもその方向が互いにほぼ90度となっている。
この為セル全体としての位相差はセルの上半分と下半分
が互いに補償する関係となる。このため、印加電圧を更
に増加させて液晶分子を駆動しても光学応答を変化させ
ることができない。これに対し、プレチルト角を2枚の
基板間で異ならせることにより、セルの上半分と下半分
とで配列が異なるために位相差が生じ、2枚の基板間で
プレチルト角が等しいセルの飽和電圧を印加したときで
も明の表示ができる。したがって、さらに、電圧を印加
することで、暗の表示が得られ、高速表示が可能にな
る。このようなセル全体としての位相差がセルの上半分
と下半分が互いに補償する関係となるねじれ角90°ま
たは270°の場合、そしてこのような関係となる傾向
の強いねじれ角90°を除く85°〜95°、ねじれ角
270°を除く265°〜275°の場合に、2枚の基
板のプレチルト角の大きさを変えることは有効である。
様は、液晶層が、第1の電圧印加時は電圧が無印加であ
ることを特徴とする。すなわち、電圧無印加時に第3の
液晶層領域の1部の複数の液晶分子の傾きが基板の法線
方向と略平行に配列している状態となっているものであ
り、OCBモードと類似のモードであり、この場合でも
本発明は適用可能である。
方素子について、以下に示す。
とも1枚の位相差板であることを特徴とする。
できない場合の光学異方素子の一態様は、1軸の光軸か
らなる2枚以上の位相差板の組み合わせからなり、少な
くとも2枚の位相差板の光軸が異なることを特徴とす
る。
Zの値の範囲が実現できない場合は、光学異方素子の一
態様は、1軸の光軸からなる少なくとも1枚の位相差板
と、2軸の光軸からなる少なくとも1枚の位相差板とか
らなることを特徴とする。
光学異方素子をほぼ平行に配置したときの基板の法線方
向に光学異方性が負である少なくとも1枚の位相差板と
からなることを特徴とする。
良く補償したい場合には、光学異方素子の他の態様は、
光学異方素子の光軸のねじれは、基板の面内方向また
は、基板の法線方向または基板の面内方向と法線方向の
両方の方向にねじれていることを特徴とする。
補償する、または、液晶層の基板の法線方向成分の光学
異方性を補償する。
は、1軸または2軸の光軸をもつ位相差板、負の位相差
板を単独あるいは組み合わせることにより、光学異方素
子として2軸の光軸をもつようにすれば良い。例えば、
1軸の光軸を有する位相差板を2枚以上組み合わせる場
合であれば、少なくとも2枚の位相差板の光軸が一致し
ないように配置して、光学異方素子として2軸の光軸を
持つようにする必要がある。
または、基板の法線方向または基板の面内方向と法線方
向の両方によるねじれを補償するように、光学異方素子
の光軸にねじれを持たせることにより、液晶層のねじれ
による光学的影響を補償することができる。この場合、
液晶層は、部分的あるいはほぼ全体的に、一方の基板か
ら他方の基板に向かって連続的にあるいは段階的に液晶
分子が、基板の面内方向あるいは法線方向あるいはその
両方の方向でねじれている場合を含む。
ある位相差板と光学特性上同等となるように、光学異方
素子の光軸にねじれを持たせることにより、液晶層の基
板の方線方向成分の光学異方性を補償することができ
る。この場合、光軸のねじれ角の大きい、例えば、光学
異方素子の光軸を基板の面内方向にねじった光軸により
実現できる。
ト、ポリアリレートなど、また、光学異方素子として光
軸にねじれをもたせるために、コレステリック液晶ポリ
マー、ディスコティック液晶ポリマーなどの位相差板を
用いることができるが、上記の特性が得られるものであ
れば、これら材料に限定されない。
実施例を、液晶層の液晶分子が電圧無印加時に液晶分子
同志がほぼ平行に配列しており、2枚の基板の一方の基
板から他方の基板に向かって配列する前記液晶層の液晶
分子の基板内の面内方向のねじれ角θは、θ=180°
である場合を例に挙げて詳細に説明する。
本実施例の液晶電気光学装置1は、液晶セル10、この
液晶セル10を挟む2枚の偏光板20および液晶セルと
一方の偏光板で挟まれた光学異方素子30と、電圧駆動
源40とからなる。
された第1の基板11と、一主面に電極12aが形成さ
れた第2の基板12を電極が対向するように配置し、2
枚の基板11、12間に液晶層13を挟持している。こ
の装置はノーマリホワイト表示の液晶電気光学装置であ
る。光学異方素子30は、液晶層13の光学異方性を補
償している。
晶分子からなり、この液晶層13は、2枚の基板の一方
の基板11に接する複数の液晶分子13aからなる第1
の液晶層領域Aと、2枚の基板の他方の基板12に接す
る複数の液晶分子13bからなる第2の液晶層領域B
と、第1の液晶層領域と第2の液晶層領域とに挟まれた
複数の液晶分子13cからなる第3の液晶層領域Cとか
らなる。そして、図1(a)は電圧を電極への電圧無印
加時の液晶分子の配列を示し、図1(b)は電極への第
1の電圧印加状態を示し、図1(c)は電極への第2の
電圧印加状態を示す。
から電極11a、12aへの電圧無印加時では、第3の
液晶層領域Cの複数の液晶分子13cは互いに略平行
で、かつ一方の基板から他方の基板に向かって前記基板
の面内方向でねじれて配列している。
電圧印加時では、第3の液晶層領域Cの複数の液晶分子
のうち一部の液晶分子13c1の傾きが基板の法線方向と
略平行に配列している。この第1の電圧印加時とは、閾
値電圧以上で液晶分子が基板の法線方向と略平行、すな
わち液晶分子が立ち上がり始めた液晶セルの位相差の印
加電圧による変化が急激である状態より更に、液晶への
印加電圧を更に大きくした時である。
電圧印加時では、第3の液晶層領域の複数の液晶分子1
3c1、13c2、13c3の傾きが基板の法線方向と略平行
に配列している。この第2の電圧印加時は、第1の電圧
印加時よりも更に電圧をかけた状態であり、このとき第
3の液晶層領域の液晶分子13cが前記基板の法線方向
とほぼ平行に配列している状態、すなわち液晶が立ち上
がった状態となる。
液晶セル10を図3に示している。図に示すように、液
晶セル10は、ガラス基板の一主面に電極12aが形成
されたアレイ基板12とガラス基板の一主面上に電極1
1aが形成された対向基板11の2枚の基板を主面が対
向するように配置し、2枚の基板間にネマティック液晶
層13が挟持されてなる。
ス基板上にマトリクス状に複数の信号線(図示せず)お
よび複数の走査線(図示せず)が配設され、これらの交
点に対応してポリシリコンのTFT12bとこのTFT
に接続して形成された画素電極12aが形成されてお
り、これらの上に配向膜12cが形成されている。一
方、対向基板11は、ガラス基板上に前記アレイ基板1
1の各画素電極12aに対応して赤、緑、青の三原色か
らなるカラーフィルタ11bと、これら各色のカラーフ
ルタを区画するように形成されたブラックマトリクス1
1cが形成され、これらの上にITO電極11a、配向
膜11dが順次形成されている。
明する。
査線(図示せず)であるゲート線、信号線(図示せ
ず)、画素電極12aを形成した、画素数が縦480、
横640×3画素のアレイ基板12を形成した。
画素電極に対応して赤、緑、青の三原色からなるカラー
フィルタ11bと、これら各色のカラーフルタを区画す
るように形成されたブラックマトリクス11cとを形成
し、この上にITO電極11aを形成して対向基板11
を形成した。これら2枚のアレイ基板12、対向基板1
1上に各々配向膜12c、11dとしてとしてポリイミ
ド(SE-5211 、(株)日産化学社製。プレチルト角約5
゜)を80nmの厚さに塗布・形成した。ここで、画素
ピッチは縦0.33mm、横0.11mmである。続い
て前記配向膜を、走査線に平行かつ、2枚の基板11、
12上の各々の電極11a、12aが対向するように配
置したときに、2枚の基板のラビング方向RAが互いに
平行になるような方向にラビングした。
せず)として直径7.1μmの球状微粒子(ミクロパー
ルSP、(株)積水ファインケミカル製)を一方の基板
の主面に80個/mm2 の密度で散布した。もう一方の
対向基板11の有効表示領域の周辺部をエポキシ樹脂の
接着剤(XN-21 、三井東圧化学株式会社製)を、液晶注
入のための開口部を除いてスクリーン印刷法によって塗
布した。その後、アレイ基板12と対向基板11を前記
配向膜どうしを対向させた状態で重ね合わせ、加圧しな
がら加熱して接着し、セルギャップが7.1μmの液晶
セル10を作製した。
てネマティック液晶組成物(ZLI-1132、E.Merck 社製。
Δn=0.14)にカイラル剤(S811、E.Merck 社製)を添
加したものを真空注入法により注入し、注入後液晶の注
入口を紫外線硬化樹脂(UV-1000 、(株)ソニーケミカ
ル製)にて封止した。この時、カイラル剤の濃度は、液
晶のらせんピッチが約35μm となるように調整した。
この液晶セルのカラーフィルタ11bが形成された対向
基板11側に、光学異方素子30として、ポリカーボネ
ート製の光学異方素子である位相差板を、位相差板の屈
折率が大きい方向をラビング方向に直交するように配置
した。
基板と前記光学異方素子をほぼ平行に配置したときの前
記基板の法線方向における前記光学異方素子の厚み(単
位:μm)と前記光学異方素子との屈折率の積の総和を
表す。ndx ,ndy は、前記光学異方素子の厚み方向
とほぼ垂直である面の面内方向における前記光学異方素
子の屈折率成分を表し、ndx ,ndy は互いに垂直で
ある。ndz は、前記光学異方素子の厚み方向の前記光
学異方素子の屈折率成分を表す。
電工製)を、光学軸がラビング方向に対して45゜でか
つ2枚の偏光板の光学軸が互いに直交するように貼り付
けた。位相差板には、フィルムをx軸方向に延伸した
後、y軸方向に延伸して2軸とした位相差板の面内方向
の位相差の値が100nm(ndx とndy との差が
0.1)である位相差板を用い、第2の電圧印加状態の
時の前記液晶セルの位相差を補償するように配置、すな
わち2枚の偏光板の光学軸が互いに直交し、かつ位相差
板の屈折率が大きい方向をラビング方向に直交するよう
に配置した。そして、この光学異方素子はリタデーショ
ン比をMとしたとき、 M=ΔnLC・dLC/(ndx −ndy ) から、M=10になるようにした。
前記液晶層の屈折率異方性をΔnLCとする。
圧無印加時では、第3の液晶層領域Cの複数の液晶分子
は互いに略平行で、かつ一方の基板から他方の基板に向
かって前記基板の面内方向で180°ねじれて配列して
いる。
Cの複数の液晶分子のうち第3の液晶層領域Cの中央部
の液晶分子13c1の傾きが基板の法線方向と略平行に配
列し、液晶分子13c1を中心にして、2枚の基板間に挟
持された液晶層13の厚さ方向に、液晶分子13c2、1
3c3のように、2枚の各々の基板11、12に向かって
段階的に液晶分子の傾きが変化している。
の複数の液晶分子13cの傾きが基板の法線方向と略平
行に配列している。
加時の間で電圧駆動源40によりオン、オフ駆動して表
示を行った。本実施例の場合、セルの実効的な位相差が
おおよそ0.26μmとなる電圧を駆動電圧の最小値と
して使用した。第1の電圧印加を2.4V、第2の電圧
印加を6.5Vとして表示を行った。
対して透過率が単調に減少する電気光学特性が得られ、
正面でのコントラスト比は100以上が得られ、視角も
広かった。応答速度は階調間での差はほとんど無く、約
5msと高速であり、動きのある画像を表示しても輪郭
がぼやけることなど無く良好な表示が得られた。なお、
図7〜図10は等コントラストを表す図であり、円の中
心を基板の法線方向を観察方向の基準とした時の観察方
向によるコントラストを表し、斜線部分は反転領域を示
す。図7〜図10において、円の中心から外側に向かっ
て同心円状に円が大きくなるにしたがって、基板の方線
方向と観察方向とのなす角度が大きくなり、円の中心と
円上のある任意の点を結んだ線の方向(アジマス)が基
板の面内方向における観察方向を表す。
0)、この曲線(50)で囲まれた領域がコントラスト
比50以上、曲線(10)で囲まれた領域がコントラス
ト比50〜10、曲線(1)で囲まれた領域がコントラ
スト比1〜10である。
Zの値を7として、実施例1と同一の部材と条件でTF
T−LCDを作製した。この結果を図8に示す。こうし
て得られたLCDは視角を振っても良好な表示が得られ
た。
Zの値を1(1軸位相差板1枚使用)として、実施例1
と同一の部材と条件でTFT−LCDを作製した。この
結果を図7に示す。こうして得られたLCDは視角を振
ったときに反転領域が非常に広く、また、コントラスト
の低下も著しかった。
Zの値を12(1軸位相差板1枚使用)として、実施例
1と同一の部材と条件でTFT−LCDを作製した。こ
の結果を図10に示す。こうして得られたLCDは視角
を振ったときに反転領域が非常に広く、また、コントラ
ストの低下も著しかった。
らに好ましくは8≦Z≦10となるような光学異方素子
を用いることにより、視角依存性の少ない液晶光学素子
を得ることができる。
無印加時に液晶分子同志がほぼ平行に配列しており、2
枚の基板の一方の基板から他方の基板に向かって配列す
る前記液晶層の液晶分子の基板内の面内方向のねじれ角
θは、θ=180°である場合を例に挙げて説明した
が、ノーマリホワイトモード表示のOCBモード及びそ
の類似のモードにも適用でき、同様の効果を得ることが
できる。
値を変化させた場合の印加電圧(横軸)と透過率(縦
軸)との関係を図11に示す。
子を、位相差板の面内方向における位相差の値が400
nmの1軸位相差板と、位相差板の面内方向における位
相差の値が500nmの1軸位相差板の2枚を、光軸が
直交するように重ね合わせ、Z=9,M=10となるよ
うに光学異方素子を作製した以外は、実施例1と同一の
部材と条件でTFT−LCDを作製した。こうして得ら
れたLCDは視角は視角特性が改善されていた。
子を、位相差板の面内方向における位相差の値が100
nmの1軸位相差板1枚と負の位相差板(ndx ,nd
y >ndz )を組み合わせて、光学異方素子としてZ値
が9となるように作製した以外は、実施例1と同一の部
材と条件でTFT−LCDを作製した。こうして得られ
たLCDは視角は視角特性が改善されていた。
直径を5.3μmとし、セルギャップを5.3μmとし
た以外は、実施例1と同様Zの値が9の光学異方素子を
用い、同一の部材と条件でM=7.4のTFT−LCD
を作製した。こうして得られたLCDは透過率が低く、
表示品位が損なわれがちであった。
直径を13μmとし、セルギャップを13μmとした以
外は、実施例1と同一の部材と条件でM=18.2のT
FT−LCDを作製した。こうして得られたLCDは最
大電圧を6Vまでしかかけれれなかった(これ以上の電
圧ではTFT素子が破壊されるため)ため、十分に黒く
することができず、表示品位が損なわれがちであった。
2軸の光軸を有する位相差板を1枚以上用いる、1軸の
光軸を有する位相差板を2枚以上用いる、2軸あるいは
1軸の光軸を有する位相差板と負の位相差板を併用する
ことなどで得られる。また、Mの値を7.5<M<18
とすることにより表示品位の良い液晶光学素子を得るこ
とができる。
ち1枚を反射板にかえ、スペーサの直径を3.6μmと
し、セルギャップを3.6μmとし、位相差板の面内方
向における位相差の値が50nmである2軸の位相差板
を用いた以外は、実施例1と同一の部材と条件でZ=
9、M=10のTFT−LCDを作製した。こうして得
られたLCDを駆動したところ、視角特性が良好で、明
るい表示が得られた。
子を、ねじれ位相差板2枚を組み合わせて作製した。具
体的には、コレステリック液晶ポリマーからなる基板の
面内方向に光軸のねじれ角が10°で面内方向の位相差
が100nmの位相差板1枚と、基板の面内方向に光軸
のねじれ角が650°で面内方向の位相差が零の位相差
板1枚の2枚を組み合わせて作製した。この光学異方素
子は、全体には光軸のねじれが基板の面内方向に660
°ねじれている。
を与えたことにより、高コントラストが得られ、また、
光軸のねじれ角が650°の位相差板を用いることによ
り、光学特性上負の位相差板を有したものと同じ効果を
得、視角特性が良好となった。
子をねじれ位相差板1枚と、負の位相差板1枚とを組み
合わせて作製した。すなわち、、コレステリック液晶ポ
リマーからなる基板の 方向に光軸のねじれ角が10
°の位相差板1枚と、基板と光学異方素子をほぼ平行に
配置したときの基板の法線方向に光学異方性が負である
負の位相差板を組み合わして、光学異方素子全体でZ=
9となるように光学異方素子を作製した。
を与えたことにより、高コントラストが得られ、負の位
相差板であることから、視角特性が良好となった。
子を、2軸のねじれのない位相差板1枚とねじれ位相差
板1枚を組み合わせて作製した。すなわち、コレステリ
ック液晶ポリマーからなるねじれ位相差板1枚と2軸位
相差板との組み合わせで、光学異方素子全体でZ=9と
なるように光学異方素子を作製した。これにより、視角
特性が良好となった。
光学装置は、パソコン、ワープロ等に用いる液晶表示素
子やビデオプロジェクタのライトバルブ、3D−TVに
使用するメガネに用いる高速液晶シャッタ等に広く応用
することができる。
ードまたは類似のモードの液晶セルに組み合わせる光学
異方素子が2軸、かつ負の光学異方性を有し、楕円係数
Zを7以上10以下に設定したものであるから、上記モ
ードのノーマリーホワイト表示に適した視角特性の良好
な液晶電気光学装置を得ることができる。
液晶セルの電圧無印加時の液晶分子の配列状態を示す断
面図、(b)は液晶セルの第1の電圧印加時の液晶分子
の配列状態を示す断面図、(c)は液晶セルの第2の電
圧印加時の液晶分子の配列状態を示す断面図、
セルを説明するもので、(a)は液晶セルの電圧無印加
時の液晶分子の配列状態を示す断面図、(b)は液晶セ
ルの第1の電圧無印加時の液晶分子の配列状態を示す縦
断面図、(c)は液晶セルの第2の電圧無印加時の液晶
分子の配列状態を示す縦断面図、
面図、
する図、
説明する図、
図、
性を示す図、
性を示す図、
す図、
加電圧−透過率曲線図。
Claims (23)
- 【請求項1】 セル中央部にねじれ配向が存在する液晶
層を含むベンド配向液晶セルと、このベンド配向液晶セ
ルの視角依存性を低減させる少なくとも一つの光学異方
素子とを備えた液晶電気光学装置において、前記光学異
方素子は、Z=(ndx −ndz )/(ndx −ndy
)としたとき、7≦Z≦10(ndx ,ndy ,ndz
は、前記基板と前記光学異方素子をほぼ平行に配置し
たときの前記基板の法線方向における前記光学異方素子
の厚み(単位:μm)と前記光学異方素子との屈折率の
積の総和のx,y,z方向の屈折率成分を表す。ndx
,ndy は、前記光学異方素子の厚み方向とほぼ垂直
である面の面内方向における前記光学異方素子の屈折率
成分を表し、ndx ,ndy は互いに垂直である。nd
z は、前記光学異方素子の厚み方向の前記光学異方素子
の屈折率成分を表す。)となることを特徴とする液晶電
気光学装置。 - 【請求項2】 一主面に電圧が印加される電極を有する
2枚の基板を前記主面が対向するように配置し、この2
枚の基板間に液晶層が挟持された液晶セルと、前記液晶
セルを挟持するように配置された2枚の偏光板と、前記
偏光板と前記液晶セル間に配置された光学異方素子と、
前記電極に接続され前記液晶層に電圧を印加する駆動手
段とを備え、前記液晶層は、前記液晶層の液晶分子のう
ち前記2枚の基板の一方の基板に接する複数の液晶分子
からなる第1の液晶層領域と、前記液晶層の液晶分子の
うち前記2枚の基板の他方の基板に接する複数の液晶分
子からなる第2の液晶層領域と、前記液晶層の液晶分子
のうち前記第1の液晶層領域と前記第2の液晶層領域と
に挟まれた複数の液晶分子からなる第3の液晶層領域と
からなり、前記電極への第1の電圧印加時では、前記第
3の液晶層領域の前記複数の液晶分子のうち一部の液晶
分子はその傾きが前記基板の法線方向と略平行に配列
し、前記電極への第2の電圧印加時では、前記第3の液
晶層領域の前記複数の液晶分子はその傾きが前記基板の
法線方向と略平行に配列されているノ一マリーホワイト
表示モードの液晶電気光学装置において、且つ前記光学
異方素子は、 Z=(ndx −ndz )/(ndx −ndy ) としたとき、7≦Z≦10(ndx ,ndy ,ndz は
前記基板と前記光学異方素子をほぼ平行に配置したとき
の前記基板の法線方向における前記光学異方素子の厚み
(単位:μm)と前記光学異方素子との屈折率の積の総
和のx,y,z方向の屈折率成分を表す。ndx ,nd
y は、前記光学異方素子の厚み方向とほぼ垂直である面
の面内方向における前記光学異方素子の屈折率成分を表
し、ndx ,ndy は互いに垂直である。ndz は、前
記光学異方素子の厚み方向の前記光学異方素子の屈折率
成分を表す。)となることを特徴とする液晶電気光学装
置。 - 【請求項3】 前記光学異方素子が、 8≦Z≦10 であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶
電気光学装置。 - 【請求項4】 前記第1の電圧印加時を前記液晶電気光
学装置の表示のオン時とすることを特徴とする請求項2
に記載の液晶電気光学装置。 - 【請求項5】 前記第1の電圧印加時と第2の電圧印加
時の間で表示を行うことを特徴とする請求項2に記載の
液晶電気光学装置。 - 【請求項6】 前記第1の電圧印加時における前記第3
の液晶層領域の前記基板の法線方向と略平行に配列した
液晶分子を中心にして、前記2枚の基板間に挟持された
前記液晶層の厚さ方向に、前記2枚の各々の基板に向か
って段階的に液晶分子の傾きが変化していることを特徴
とする請求項2に記載の液晶電気光学装置。 - 【請求項7】 前記第1の電圧印加時の前記液晶層の厚
さ方向における前記第3の液晶層領域の中央部の液晶分
子の傾きが前記基板の法線方向と略平行に配列している
ことを特徴とする請求項2に記載の液晶電気光学装置。 - 【請求項8】 前記光学異方素子が、前記液晶セルのリ
タデーションと光学異方素子の面内方向のリタデーショ
ンの比Mを M=ΔnLC・dLC/(ndx −ndy ) としたとき、 7.5<M<18 (前記液晶層の厚み(単位:μm)をdLC、前記液晶層
の屈折率をΔnLCとする)となることを特徴とする請求
項1または2に記載の液晶電気光学装置。 - 【請求項9】 前記2枚の偏光板の内、1枚が反射板で
あることを特徴とする請求項2に記載の液晶電気光学装
置。 - 【請求項10】 前記2枚の偏光板は各々の光学軸が直
交するように配置したことを特徴とする請求項2に記載
の液晶電気光学装置。 - 【請求項11】 前記偏光板の光学軸を、前記2枚の基
板の各々の配向処理方向のなす角を2等分する2等分線
から45゜傾いた方向に設定することを特徴とする請求
項2に記載の液晶電気光学装置。 - 【請求項12】 前記電極への電圧無印加時では、前記
第3の液晶層領域の前記複数の液晶分子は互いに略平行
で電極表面に対し3°〜8°傾いており、かつ前記液晶
分子は一方の基板から他方の基板に向かって前記基板の
面内方向でねじれ、ねじれ角180°で配列し、液晶の
ねじれ能は10°以上360°以下であることを特徴と
する請求項2に記載の液晶電気光学装置。 - 【請求項13】 前記光学異方素子は、1軸の光軸から
なる2枚以上の位相差板の組み合わせからなり、前記少
なくとも2枚の位相差板の光軸が異なることを特徴とす
る請求項2、請求項8、請求項12のいずれかに記載の
液晶電気光学装置。 - 【請求項14】 前記光学異方素子は、1軸の光軸から
なる少なくとも1枚の位相差板と、2軸の光軸からなる
少なくとも1枚の位相差板とからなることを特徴とする
請求項2、請求項8、請求項12のいずれかに記載の液
晶電気光学装置。 - 【請求項15】 前記光学異方素子は、前記基板と前記
光学異方素子をほぼ平行に配置したときの前記基板の法
線方向に光学異方性が負である少なくとも1枚の位相差
板であることを特徴とする請求項2、請求項8、請求項
12のいずれかに記載の液晶電気光学装置。 - 【請求項16】 前記光学異方素子の光軸が前記基板の
面内方向にねじれていることを特徴とする請求項2、請
求項8、請求項12のいずれかに記載の液晶電気光学装
置。 - 【請求項17】 前記光学異方素子の光軸が前記基板の
法線方向にねじれていることを特徴とする請求項2、請
求項8、請求項12のいずれかに記載の液晶電気光学装
置。 - 【請求項18】 前記光学異方素子の光軸が前記基板の
面内方向にねじれかつ前記基板の法線方向にもねじれて
いることを特徴とする請求項2、請求項8、請求項12
のいずれかに記載の液晶電気光学装置。 - 【請求項19】 前記光学異方素子の光軸のねじれが、
液晶層のねじれを補償することを特徴とする請求項2、
請求項8、請求項12のいずれかに記載の液晶電気光学
装置。 - 【請求項20】 前記光学異方素子の光軸のねじれが、
第1の電圧印加時と第2の電圧印加時との間でとる前記
液晶層の配列状態における前記液晶層のねじれを補償す
ることを特徴とする請求項2、請求項8、請求項12の
いずれかに記載の液晶電気光学装置。 - 【請求項21】 前記光学異方素子の光軸のねじれが、
第1の電圧印加時にとる前記液晶層の配列状態における
前記液晶層のねじれを補償することを特徴とする請求項
2、請求項8、請求項12のいずれかに記載の液晶電気
光学装置。 - 【請求項22】 前記光学異方素子の光軸のねじれが、
前記液晶層の前記基板の法線方向成分の光学異方性を補
償することを特徴とする請求項2、請求項8、請求項1
2のいずれかに記載の液晶電気光学装置。 - 【請求項23】前記光学異方素子は、ポリカーボネイ
ト、ポリアリレート、コレステリック液晶ポリマー、デ
ィスコテイック液晶ポリマーのいずれかからなることを
特徴とする請求項12に記載の液晶電気光学装置。
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