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JPH07120764A - 液晶表示パネル及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示パネル及びその製造方法

Info

Publication number
JPH07120764A
JPH07120764A JP20978894A JP20978894A JPH07120764A JP H07120764 A JPH07120764 A JP H07120764A JP 20978894 A JP20978894 A JP 20978894A JP 20978894 A JP20978894 A JP 20978894A JP H07120764 A JPH07120764 A JP H07120764A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
display panel
surface tension
region
crystal display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20978894A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Iwai
義夫 岩井
Hideaki Mochizuki
秀晃 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP20978894A priority Critical patent/JPH07120764A/ja
Publication of JPH07120764A publication Critical patent/JPH07120764A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易に広視野角を実現する液晶表示パネルと
その製造方法を得る。 【構成】 一対の基板間に液晶物質を狭持してなる液晶
表示パネルにおいて、液晶物質107が正の誘電異方性
を有するカイラルネマチック相であり、画素を構成する
一対の基板上101、102には、表面張力が液晶物質
の表面張力よりも大きく、かつ未延伸状態の第1の配向
膜領域104と、前記第1の配向膜領域104の周囲に
は表面張力が液晶物質の表面張力よりも小さく、かつ未
延伸状態の第2の配向膜領域105が、それぞれ液晶物
質107と接した状態で形成される。基板間で第1の配
向膜領域が対向する領域では、液晶物質は捻れ平行配向
しており(108)、第2の配向膜領域が対向する領域
では、垂直配向または傾斜垂直配向している(10
9)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶の電気光学特性を利
用した液晶表示パネルとその製造方法に関し、特に液晶
表示パネルの視野角拡大と液晶分子の配向に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶の電気光学特性を利用した液
晶表示パネルは、大画面化、大容量化によりOA機器へ
の応用が盛んに進められている。現在一般に実用化され
ている液晶表示パネルの動作モードとして、2枚のガラ
ス基板間で液晶分子が90゜ねじれた配向状態を呈する
ツイステッドネマティック(TN)型、180゜〜27
0゜の捻れた配向状態を呈するスーパーツイステッドネ
マティック(STN)型がある。TN型は主としてアク
ティブマトリックス型液晶表示パネルに、STN型は単
純マトリックス型液晶表示パネルに用いられている。
【0003】アクティブマトリックス型液晶表示パネル
または小型サイズの液晶表示パネルに用いられるTN型
の場合、ガラス基板界面において液晶分子はガラス基板
に対してあるプレチルト角をもって一方向にかつ均一に
配向し、上下のガラス基板間で90゜捻れた状態を呈し
ている。90゜捻れ配向状態は、一般にガラス基板上に
形成されたポリイミド薄膜からなる配向膜をレーヨン布
等を用いて1方向にラビング処理し、上下基板間でその
方向が直交するよう配置することにより得られる。
【0004】図5はTN型液晶表示パネルの電圧印加状
態を示す斜視図である。図5において、501は液晶分
子、502は偏光子吸収軸、503はラビング方向であ
る。図5に示すようにTN型液晶パネルに電圧を印加す
ると、90゜捻れていた液晶分子501が、閾値電圧以
上で応答し始め、捻れ配向状態が解けてスプレイ配向状
態になり、液晶分子は分子長軸がガラス基板平面に対し
て立ち上がった状態になる。基板法線(Z軸)に対して
θ傾斜した位置で方位角φを変化させながら液晶分子を
観察した場合、液晶分子の分子長軸の向きは方位角方向
では一様でない。このため方位角方向により液晶分子の
見かけの屈折率異方性(Δn)が変化することになり、
液晶層の厚み(d)との積である複屈折量(Δnd)が
変化する。従って上下ガラス基板外面に吸収軸がラビン
グ方向に直交するように偏光板を配置し、−Z軸方向か
ら光を入射した場合、方位角方向の変化に伴い光の透過
強度が異なり、視野角の非対称性が発生する。この視野
角の非対称性は中間調表示の場合特に問題になり、視野
角方向によりコントラスト比が極端に低下したり、また
は表示画像が反転する等の表示品位の低下を招く。この
ためTN型液晶表示パネルでは、近年視野角の拡大を図
る取り組みが盛んに行われている。一例としてTN型液
晶表示パネルの画素を2つの配向状態の異なる領域に分
割して視野角のTN拡大を図る方式(例えばケ・タカト
リ,ケ・スミヨシ,ワイ・ヒライ,エス・カネコ:ジャ
パンディスプレイ’92,591頁,1992年;K.
Takatori,K.Sumiyoshi,Y.Hi
rai,S.Kaneko:JAPAN DISPLA
Y′92,PP.591,(1992))が提案されて
いる。また、工程をより簡素化して、視野角を拡大する
アモルファス配向TN方式が提案されている(ワイ・ト
コ,ティー・スギヤマ,ケー・カトー,ワイ・イイム
ラ,エス・コバヤシ:エスアイディー 93 ダイジェ
スト,622頁,1993年;Y.Toko,T.Su
giyama,K.Katoh,Y.Iimura,
S.Kobayashi:SID 93 DIGES
T,PP.622,(1993))。この方式はラビン
グ処理を施さずに液晶分子をランダムに配向させること
で配向状態の異なる領域を多数形成し、これにより視野
角の拡大を図るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の1画素の配向領域を2分割する方式では、画素内で
液晶分子の配向方向を異ならせる為に、事前に配向膜に
ラビング処理を施した後に、フォトレジストの露光、エ
ッチングにより配向膜上にマスク領域を作製し、再度逆
方向にラビングした後、フォトレジストを剥離する工程
が必要になる。この場合、配向膜にフォトレジストの塗
布、現像、エッチング等の処理を施す過程で、イオン性
不純物の吸着などが発生し、配向膜の電気特性を大きく
劣化させる。また工程増による大幅なコストアップを招
くという課題がある。
【0006】一方アモルファス配向TN方式では、液晶
分子は基板界面からの配向規制力を受けない為に任意な
方向に連続的に配向する。このため、画素間で液晶分子
の配向方向が異なったり、または1画素以上に連続的に
配向する領域が出現し、画素間での視野角方向とそのサ
イズの不規則性により、電圧印加時の表示画面にザラツ
キ感が発生するという課題がある。
【0007】本発明は上記課題を解決し、配向膜の特性
を劣化させることなく視野角の拡大を図ると共にザラツ
キ感を低減させる液晶表示パネル及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決する手段】前記目的を達成するために、本
発明の液晶表示パネルは、一対の基板間に液晶物質を挟
持してなる液晶表示パネルにおいて、液晶物質は正の誘
電異方性を有するカイラルネマチック相であり、画素を
構成する前記一対の基板上には、表面張力が液晶物質の
表面張力よりも大きく、かつ未延伸状態の第1の配向膜
領域と、前記第1の配向膜領域の周囲には表面張力が液
晶物質の表面張力よりも小さく、かつ未延伸状態の第2
の配向膜領域が、それぞれ液晶物質と接した状態で形成
されていることを特徴とする。
【0009】前記構成においては、一対の基板間で第1
の配向膜領域が対向する領域では、液晶物質が捻れ平行
配向していることが好ましい。また前記構成において
は、一対の基板間で第2の配向膜領域が対向する領域で
は、液晶物質が垂直配向または傾斜垂直配向しているこ
とが好ましい。
【0010】また前記構成においては、画素内に垂直配
向または傾斜垂直配向領域が平行配向領域を取り囲む状
態で存在していることが好ましい。また前記構成におい
ては、平行配向領域の液晶物質の配向の連続性は、垂直
配向領域または傾斜垂直配向領域により分断されている
ことが好ましい。
【0011】また前記構成においては、液晶物質が垂直
配向または傾斜垂直配向した領域での液晶物質のプレチ
ルト角は、基板面に対して実質的に90度であることが
好ましい。
【0012】また前記構成においては、一対の基板間で
捻れ配向した領域の液晶物質の捻れ角が、実質的に90
度であることが好ましい。次に本発明の第1の液晶表示
パネルの製造方法は、一対の基板間に液晶物質を挟持し
てなる液晶表示パネルの製造方法であって、前記基板上
に液晶物質の表面張力よりも小さな表面張力を有する配
向膜を形成し、前記配向膜に部分的に紫外線を照射する
ことにより、前記配向膜の被照射部の表面張力が液晶物
質の表面張力よりも大きくなる領域を格子状に形成する
ことを特徴とする。
【0013】次に本発明の第2の液晶表示パネルの製造
方法は、一対の基板間に液晶物質を挟持してなる液晶表
示パネルの製造方法であって、表面張力の異なる2種類
の配向膜材料を用い、基板上に一方の材料で表面張力の
大きい第1の配向膜を形成し、他方の材料で前記第1の
配向膜の周囲に表面張力の小さい第2の配向膜を格子状
に分離形成または格子状に積層形成することを特徴とす
る。
【0014】また前記液晶表示パネルまたはその製造方
法においては、第1の配向膜領域の表面張力が30dyn/
cm以上60dyn/cm以下であることが好ましい。また前記
液晶表示パネルまたはその製造方法においては、第2の
配向膜領域の表面張力が10dyn/cm以上20dyn/cm以下
であることが好ましい。
【0015】
【作用】前記本発明の液晶表示パネルによれば、一対の
基板間に液晶物質を挟持してなる液晶表示パネルにおい
て、液晶物質は正の誘電異方性を有するカイラルネマチ
ック相であり、画素を構成する一対の基板上には、表面
張力が液晶物質の表面張力よりも大きく、かつ未延伸状
態の第1の配向膜領域と、前記第1の配向膜領域の周囲
には表面張力が液晶物質の表面張力よりも小さく、かつ
未延伸状態の第2の配向膜領域が、それぞれ液晶物質と
接した状態で形成されていることにより、視野角の拡大
を図ると共にザラツキ感を低減させる液晶表示パネルを
達成できる。すなわち、ザラツキ感は、表示画面上での
輝度の連続した濃淡領域が、眼の解像力により認識でき
るサイズであるために発生するので、各々の濃淡領域サ
イズを眼の解像度以下に分割することでザラツキ感を低
減することができる。
【0016】一対の基板間で第1の配向膜領域が対向す
る領域では、液晶物質が捻れ平行配向しているという本
発明の好ましい例によれば、1画素内に液晶の配列方向
の異なる捻れ平行配向領域を複数存在させることによ
り、画素内での配向を分割し、視野角を拡大することが
可能になる。すなわち画素の配向分割により、画素を斜
め通過する光の透過率は平均化され、視野角特性の非対
称性が緩和され、視野角が拡大するとともに、分割画素
サイズの均一化によりザラツキ感を低減させることがで
きる。
【0017】また一対の基板間で第2の配向膜領域が対
向する領域では、液晶物質が垂直配向または傾斜垂直配
向しているという本発明の好ましい例によれば、上記と
同様に画素内での配向を分割し、視野角を拡大すること
が可能になる。
【0018】また画素内には、垂直配向または傾斜垂直
配向領域が平行配向領域を取り囲む状態で存在している
という本発明の好ましい例によれば、液晶配向の連続性
を分断し、ザラツキ感を低減することが可能になる。
【0019】また平行配向領域と垂直配向または傾斜垂
直配向領域間での、液晶分子のダイレクターの連続性が
分断されているという本発明の好ましい例によれば、よ
り効果的にザラツキ感を低減することができる。
【0020】また垂直配向または傾斜垂直配向した領域
での、液晶分子の基板面に対するプレチルト角が実質的
に90度であるという本発明の好ましい例によれば、よ
り効果的にザラツキ感を低減することができる。
【0021】また、一対の基板間で液晶物質の捻れ角
が、実質的に90度であるという本発明の好ましい例に
よれば、良好な光学特性を得ることができる。次に本発
明の第1の製造方法によれば、前記本発明の液晶表示パ
ネルを効率よく合理的に安定して製造できる。すなわ
ち、基板上に形成された、液晶に対して垂直配向作用を
有する配向膜に部分的に紫外線を照射するだけで、格子
状に平行配向領域を形成し、画素内に液晶の配列方向の
異なる複数の捻れ平行配向領域とその周囲に垂直配向領
域を格子状に形成することができる。
【0022】次に本発明の第2の製造方法によれば、前
記本発明の第一の製造方法と同様、前記本発明の液晶表
示パネルを効率よく合理的に安定して製造できる。すな
わち、基板上に液晶物質に対して平行配向作用を有する
極性高分子配向膜と、液晶物質に対して垂直配向作用を
有する非極性高分子を格子状に分離形成または積層形成
することにより、画素内に液晶の配列方向の異なる複数
の捻れ平行配向領域とその周囲に垂直配向領域を格子状
に形成することができる。
【0023】また第1の配向膜の表面張力が30dyn/cm
以上60dyn/cm以下であるという本発明の好ましい例に
よれば、より効果的に視野角を拡大し、ザラツキ感を低
減することができる。
【0024】前記第2の配向膜の表面張力が10dyn/cm
以上20dyn/cm以下であるという本発明の好ましい例に
よれば、より効果的に視野角を拡大し、ザラツキ感を低
減することができる。
【0025】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。図1は本実施例の液晶表示パネルの構成断面
図である。図1において、101、105はガラス基
板、102、106は透明電極、103は低表面張力領
域、104は高表面張力領域、107は液晶物質、10
8は捻れ平行配向した液晶分子モデル、109は垂直配
向した液晶分子モデルである。
【0026】本実施例では、画素を構成する一対の基板
上には、液晶物質の表面張力よりも大きい表面張力を有
する第1の配向膜領域がそれぞれ格子状に形成されてお
り、格子状に形成された第1の配向膜領域の間には、液
晶物質の表面張力よりも小さな配向膜領域が、碁盤線状
に形成されている。すなわち第1の配向膜領域は第2配
向膜領域により完全に包囲されており、一対の基板間で
はそれぞれ同一の配向膜領域同士が対向している状態に
ある。
【0027】液晶物質は、正の誘電異方性を有するカイ
ラルネマチック液晶であるので、その表面張力が配向膜
の表面張力よりも小さい領域では液晶物質は捻れ平行配
向し、配向膜の表面張力よりも大きい領域では液晶物質
は垂直配向または傾斜垂直配向する。すなわち、第1の
配向膜領域が対向する領域では液晶物質は捻れ平行配向
し、第2の配向膜領域が対向する領域では液晶物質は垂
直配向または傾斜垂直配向する。平行配向領域では、配
向膜は未延伸状態であるので、液晶物質に対する配向規
制力がなく、配向膜と液晶物質との界面では液晶物質の
ダイレクターは任意の方向をとりながら捻れ平行配向す
ることになる。このため、平行配向領域間では領域毎に
液晶物質の配列方向が異なり、視野角方向の異なる平行
配向領域が全方位で等確率に出現して、事実上1画素が
複数の領域に分割されることになり、1画素の視野角が
拡大することになる。更に周囲の垂直配向領域により平
行配向領域での液晶物質の配向連続性が完全分断される
ので、平行配向領域の大きさが完全に規定され、ザラツ
キ感が大きく低減する。
【0028】本実施例に用いる第1の配向膜としては、
極性高分子であるポリイミド、ポリアミド、ポリビニル
アルコールなどを用いることができ、第2の配向膜とし
ては、非極性高分子であるテトラフルオロエチレン、長
鎖アルキル基含有シランカプラ、長鎖アルキル含有ポリ
イミド、フッ素含有ポリイミドなどを使用できる。ガラ
ス基板の材料としては例えばソーダライムガラス、中性
ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等があげられる。
透明電極の材料としては、例えば酸化インジュウム・錫
(ITO)、酸化錫(SnO2)等があげられる。 液晶
物質としては例えばビフェニル系液晶化合物、フェニル
エステル系液晶化合物、フェニルシクロヘキサン系液晶
化合物、フェニルピリミジン系液晶化合物等があげられ
る。
【0029】以下に具体的実施例について説明する。 (実施例1)約300μm幅のストライプ状の透明電極
102を有するガラス基板101上に固形分濃度6重量
%の低表面張力のポリイミドワニス(SE−7511
L:日産化学工業株式会社製)を印刷形成し、70℃で
10分間仮硬化させた後、220℃で1時間本硬化焼成
することにより低表面張力ポリイミド配向膜103を形
成した。膜厚は約80nmであった。低表面張力ポリイ
ミド配向膜103の表面張力は、約15dyn/cmである。
対向するガラス基板105上には約300μm幅のスト
ライプ状の透明電極106が形成されており、その上に
上記と同様の方法で低表面張力ポリイミド配向膜103
を全面に形成した。
【0030】次にガラス基板105上または低表面張力
ポリイミド配向膜103上にプラスチックからなる球状
のスペーサ(ミクロパール:積水ファイン株式会社製)
を均一に分散させた。スペーサの球径は5μmである。
ガラス基板101の周辺部に熱硬化型のシール材(スト
ラクトボンド:三井東圧化学株式会社製)を液晶注入口
を設けて印刷形成し、ストライプ状の透明電極102、
106が直交するようにガラス基板101、105を張
り合わせ、所定の温度でシール材を完全硬化させ、液晶
セルを作製した。
【0031】次に、上記により作製した液晶セル上に3
0μmピッチの格子状パターンを有するフォトマスクを
置き、フォトマスク上部より超高圧水銀ランプにより紫
外線を10分間照射した。フォトマスクの開口部は25
μm幅、遮光部は5μm幅である。紫外線照射部分の配
向膜の表面張力は、40dyn/cm程度に変化していた。ガ
ラス基板101、105上には紫外線照射部により低表
面張力ポリイミド配向膜103が変性し、25μm角の
高表面張力領域104が格子状に形成されていた。
【0032】次に屈折率異方性が0.134であるネマ
チック液晶に右捻れのカイラル物質(R−1011:メ
ルク製)を添加し、セルギャップdに対してその自発捻
れピッチpの値がd/p=0.25、即ちガラス基板間
で約90゜捻れるように濃度調整した。この様な条件で
作製したカイラルネマチック液晶106を40℃に加温
した状態で液晶セルに真空注入法により注入した。カイ
ラルネマチック液晶106が完全に充填された後、液晶
セルを徐冷して、液晶注入口を封止樹脂により封口し
て、液晶表示パネルを作製した。
【0033】上記液晶表示パネルのガラス基板101、
105の表面に偏光板をその偏光軸が互いに直交するよ
うに張り付け、ガラス基板105より光を入射し、ガラ
ス基板101上方より観察した。300μm角の画素内
には、30μmピッチの間隔で光透過部分と遮光部分が
格子状に形成されているのが確認された。
【0034】図2は1画素内での液晶の配向状態を表し
たものである。カイラルネマチック液晶の表面張力は2
6〜30dyn/cm程度であるから、低表面張力配向膜が対
向した領域では、液晶が垂直配向し、約5μm幅の垂直
配向領域121が形成されている。高表面張力領域が対
向した領域では、紫外線照射により配向膜の表面張力が
カイラルネマチック液晶の表面張力よりも大きいので、
液晶は捻れ平行配向し、25μm角の捻れ平行配向領域
122が形成されている。配向膜は未延伸状態であるの
で、配向膜と液晶の界面付近では配向規制力に方向性が
なく、液晶はその自由エネルギーが極小になるように捻
れ配向し、界面付近での液晶のダイレクターは等確率に
任意方向を向く。このため隣接する捻れ平行配向領域で
の液晶の配列方向は異なり、1画素内には液晶の配列方
向の異なる25μm角の平行配向領域が格子状に発生し
ている。垂直配向領域121では、液晶はガラス基板面
に対してプレチルト角が実質的に90度であり、ガラス
基板間で液晶が実質的に垂直に配向している。このため
平行配向領域122での液晶の配向の連続性は、垂直配
向領域121により完全に分断されており、隣接する平
行配向領域に連続することはなく、平行配向領域122
の大きさは均一になる。垂直配向領域での液晶のプレチ
ルト角が、90度よりもかなり小さい場合には、平行配
向領域での液晶の配向連続性を分断する効果が小さくな
るので、プレチルト角は実質的に90度が好ましい。ま
た、透過率の測定から平行配向領域122では、液晶は
ガラス基板間でほぼ90度捻れ配向しているのが確認さ
れた。光学特性面から液晶の捻れ角は、約90度が好ま
しい。
【0035】次に2V、60Hzの矩形波電圧を印加し
たところ、1画素内の各平行配向領域内では、液晶は捻
れ配向状態からスプレイ配向状態に変形し始め、液晶層
中(バルク)に変形の不連続性に伴うディスクリネーシ
ョンラインが垂直配向領域121との境界部に発生し
た。この時、1画素内には、視野角方向123の異なる
約100個の領域(ドメイン)が存在していた。電圧を
上昇しても、各ドメインは安定に存在していた。垂直配
向領域121の液晶は、電場に対して全く応答せず、安
定に存在していた。
【0036】図3に本実施例での、等コントラスト曲線
の視野角依存性の測定結果を示す。図中の130、13
1はそれぞれコントラスト比が10:1、20:1の等
コントラスト曲線である。本実施例の場合、等コントラ
スト曲線はやや歪んだ円形をしており、従来の画素分割
されていないTN方式または、画素2分割TN方式と比
較して、かなり視野角特性が対称になっていることが確
認できた。
【0037】アモルファス配向TN方式に比べ、本実施
例では平行配向領域が一定の大きさに規定され連続的に
つながることがなく、しかも細分化されているので、斜
め方向から見た場合、ザラツキ感がなく、非常に良好な
表示を得ることができた。
【0038】従来提案されている配向分割方式を用いる
ことなく、未延伸状態の低表面張力配向膜に紫外線を格
子状に照射することにより容易に画素分割が可能にな
り、視野角特性とザラツキ感が大きく改善されているこ
とが確認できた。
【0039】本実施例では、液晶セルの状態で紫外線を
格子状に照射したが、ガラス基板を貼合わせる前に照射
してもよい。また平行配向領域を正方形の格子状にした
が、低表面張力領域の周囲に高表面張力領域が出現する
様な形状であれば、同様の結果が得られ、その形状は円
形、多角形でもよい。
【0040】また本実施例は単純マトリックス型液晶表
示パネルの場合であるが、アクティブマトリックス型液
晶表示パネルでも全く同様の結果が得られる。 (実施例2)図4に本実施例の液晶表示パネルの画素内
の断面図を示す。図4において201、202はガラス
基板、206はストライプ状の透明電極、203は低表
面張力領域、204は高表面張力領域、205はカイラ
ルネマチック液晶、208は捻れ平行配向した液晶分子
モデル、209は垂直配向した液晶分子モデルである。
ガラス基板201、202上には、300μm幅のスト
ライプ状の透明電極206が形成されており、実施例1
と同様の低表面張力ポリイミドワニスをそれぞれのガラ
ス基板上に全面に印刷し、70℃で10分間仮硬化させ
た後、220℃で1時間焼成して、低表面張力ポリイミ
ド配向膜203を形成した。低表面張力ポリイミド配向
膜203の表面張力は約15dyn/cmであり、カイラルネ
マチック液晶の表面張力よりも小さい。
【0041】次に、低表面張力ポリイミド配向膜203
上に、格子状のパターンを持つ凸版を用いて、高表面張
力ポリイミドワニス(SE−7311:日産化学工業株
式会社製)を印刷し、230℃で1時間焼成し、高表面
張力ポリイミド配向膜204を格子状に積層形成した。
高表面張力ポリイミド配向膜204は50μm角の大き
さで約60μmピッチの間隔で格子状に形成されてい
る。上記処理を施したガラス基板201、202を低表
面張力ポリイミド配向膜203同士が対向するように貼
合わせた後、実施例1と同様のカイラルネマチック液晶
205を注入した。
【0042】300μm角の画素内には、約25個の液
晶の配列方向の異なる平行配向領域とその周囲に垂直配
向領域が発生し、電圧印加に対しても各平行配向領域で
ドメインは安定に存在していた。本実施例でも、1画素
が複数の微小画素に分割されて、視野角が拡大するとと
もに、垂直配向領域により個々の平行配向領域の大きさ
が規定されるので、ドメインサイズの不均一性によるザ
ラツキ感は大きく緩和されることが確認された。
【0043】本実施例では、積層形成により2種類の配
向膜を形成したが、部分印刷方式による分離形成、また
はフォトリソグラフィーによる分離形成を用いても十分
可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明した通り、前記本発明の液晶表
示パネルによれば、一対の基板間に液晶物質を挟持して
なる液晶表示パネルであって、液晶物質は正の誘電異方
性を有するカイラルネマチック相であり、画素を構成す
る一対の基板上には、表面張力が液晶物質の表面張力よ
りも大きく、かつ未延伸状態の第1の配向膜領域と、前
記第1の配向膜領域の周囲には表面張力が液晶物質の表
面張力よりも小さく、かつ未延伸状態の第2の配向膜領
域が、それぞれ液晶物質と接した状態で形成されている
ことにより、視野角の拡大を図ると共にザラツキ感を低
減させる液晶表示パネルを提供できる。
【0045】一対の基板間で第1の配向膜領域が対向す
る領域で、液晶物質が捻れ平行配向していると、1画素
内に液晶の配列方向の異なる捻れ平行配向領域を複数存
在させ、画素内での配向を分割し、視野角を拡大するこ
とができる。また一対の基板間で第2の配向膜領域が対
向する領域で、液晶物質が垂直配向または傾斜垂直配向
していると、上記と同様に画素内での配向を分割し、視
野角を拡大することができる。また画素内には、垂直配
向または傾斜垂直配向領域が平行配向領域を取り囲む状
態で存在していると、液晶配向の連続性を分断し、ザラ
ツキ感を低減することができる。また平行配向領域と垂
直配向または傾斜垂直配向領域間での、液晶分子のダイ
レクターの連続性が分断されていると、より効果的にザ
ラツキ感を低減することができる。また垂直配向または
傾斜垂直配向した領域での、液晶分子の基板面に対する
プレチルト角が実質的に90度であると、より効果的に
ザラツキ感を低減することができる。また一対の基板間
で液晶物質の捻れ角が、実質的に90度であると、良好
な光学特性を得ることができる。
【0046】次に本発明の第1の製造方法によれば、前
記本発明の液晶表示パネルを効率よく合理的に安定して
製造できる。すなわち、基板上に形成された、液晶に対
して垂直配向作用を有する配向膜に部分的に紫外線を照
射するだけで、格子状に平行配向領域を形成し、画素内
に液晶の配列方向の異なる複数の捻れ平行配向領域とそ
の周囲に垂直配向領域を格子状に形成することができ
る。
【0047】次に本発明の第2の製造方法によれば、前
記本発明の第1の製造方法と同様、前記本発明の液晶表
示パネルを効率よく合理的に安定して製造できる。すな
わち、基板上に液晶物質に対して平行配向作用を有する
極性高分子配向膜と、液晶物質に対して垂直配向作用を
有する非極性高分子を格子状に分離形成または積層形成
することにより、画素内に液晶の配列方向の異なる複数
の捻れ平行配向領域とその周囲に垂直配向領域を格子状
に形成することができる。
【0048】前記液晶表示パネルまたはその製造方法に
おいて、第1の配向膜の表面張力が30dyn/cm以上60
dyn/cm以下であると、より効果的に視野角を拡大し、ザ
ラツキ感を低減することができる。また前記第2の配向
膜の表面張力が10dyn/cm以上20dyn/cm以下である
と、より効果的に視野角を拡大し、ザラツキ感を低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の液晶表示パネルの断面図で
ある。
【図2】本発明の液晶表示パネルの1画素内の微視的な
配向状態を示した上視図である。
【図3】本発明の液晶パネルの視野角特性を示した図で
ある。
【図4】本発明の実施例2の液晶表示パネルの断面図で
ある。
【図5】TN型液晶パネルの電圧印加状態での斜視図で
ある。
【符号の説明】 101 ガラス基板 102 透明電極 103 低表面張力ポリイミド配向膜 104 高表面張力領域 105 ガラス基板 106 透明電極 107 カイラルネマチック液晶 108 捻れ平行配向した液晶分子モデル 109 垂直配向した液晶分子モデル 121 垂直配向領域 122 平行配向領域 123 視野角方向 130 コントラスト比が10:1の等コントラスト曲
線 131 コントラスト比が20:1の等コントラスト曲
線 201 ガラス基板 202 ガラス基板 203 低表面張力ポリイミド配向膜 204 高表面張力ポリイミド配向膜 205 カイラルネマチック液晶 206 ストライプ状の透明電極 208 捻れ平行配向した液晶分子モデル 209 垂直配向した液晶分子モデル 501 液晶分子 502 偏光子吸収軸 503 ラビング方向

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板間に液晶物質を挟持してなる
    液晶表示パネルにおいて、液晶物質は正の誘電異方性を
    有するカイラルネマチック相であり、画素を構成する前
    記一対の基板上には、表面張力が液晶物質の表面張力よ
    りも大きく、かつ未延伸状態の第1の配向膜領域と、前
    記第1の配向膜領域の周囲には表面張力が液晶物質の表
    面張力よりも小さく、かつ未延伸状態の第2の配向膜領
    域が、それぞれ液晶物質と接した状態で形成されている
    ことを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 【請求項2】 一対の基板間で第1の配向膜領域が対向
    する領域では、液晶物質は捻れ平行配向している請求項
    1に記載の液晶表示パネル。
  3. 【請求項3】 一対の基板間で第2の配向膜領域が対向
    する領域では、液晶物質は垂直配向または傾斜垂直配向
    している請求項1に記載の液晶表示パネル。
  4. 【請求項4】 画素内には垂直配向または傾斜垂直配向
    領域が平行配向領域を取り囲む状態で存在している請求
    項1に記載の液晶表示パネル。
  5. 【請求項5】 平行配向領域での液晶物質の配向の連続
    性は、垂直配向領域または傾斜垂直配向領域により分断
    されている請求項2に記載の液晶表示パネル。
  6. 【請求項6】 液晶物質が垂直配向または傾斜垂直配向
    した領域での液晶物質のプレチルト角は、基板面に対し
    て実質的に90度である請求項3または4に記載の液晶
    表示パネル。
  7. 【請求項7】 一対の基板間で捻れ配向した領域の液晶
    物質の捻れ角が、実質的に90度である請求項2に記載
    の液晶表示パネル。
  8. 【請求項8】 一対の基板間に液晶物質を挟持してなる
    液晶表示パネルの製造方法において、前記基板上に液晶
    物質の表面張力よりも小さな表面張力を有する配向膜を
    形成し、前記配向膜に部分的に紫外線を照射することに
    より、前記配向膜の被照射部の表面張力が液晶物質の表
    面張力よりも大きくなる領域を格子状に形成することを
    特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  9. 【請求項9】 一対の基板間に液晶物質を挟持してなる
    液晶表示パネルの製造方法において、表面張力の異なる
    2種類の配向膜材料を用い、基板上に一方の材料で表面
    張力の大きい第1の配向膜を形成し、他方の材料で前記
    第1の配向膜の周囲に表面張力の小さい第2の配向膜を
    格子状に分離形成または格子状に積層形成することを特
    徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  10. 【請求項10】 第1の配向膜領域の表面張力は30dy
    n/cm以上60dyn/cm以下である請求項1または2に記載
    の液晶表示パネル、または請求項9に記載の液晶表示パ
    ネルの製造方法。
  11. 【請求項11】 第2の配向膜領域の表面張力は10dy
    n/cm以上20dyn/cm以下である請求項1または3に記載
    の液晶表示パネル、または請求項9に記載の液晶表示パ
    ネルの製造方法。
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