JPH09117431A - Mri用磁界発生装置 - Google Patents
Mri用磁界発生装置Info
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- Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
Abstract
界均一度を低下させることなく、渦電流の発生を低減し
て短時間で傾斜磁界が所定の強度に上昇し得る構成から
なり、残磁現象を低減して高感度で鮮明な画像を得るこ
とができ、加工、製造が容易で、機械的強度が高く組立
て作業性にすぐれた構成からなる磁極片の提供。 【解決手段】 空隙を形成して対向する一対の磁極片
を、複数枚の方向性けい素鋼板を磁極片の対向方向に積
層して一体化した複数個のブロック状磁極片用部材にて
所要形状に構成する。
Description
断層撮影装置(以下MRIという)等に用いられる磁界
発生装置の改良に係り、空隙を形成して対向する一対の
磁極片を、複数枚の方向性けい素鋼板を磁極片の対向方
向に積層して一体化した複数個のブロック状磁極片用部
材で構成し、空隙内の磁界均一度を損なうことなく、傾
斜磁界コイルによる磁極片内の渦電流、残磁現象の低減
を図ったMRI用磁界発生装置に関する。
生装置の空隙内に、被検者の一部または全部を挿入し
て、対象物の断層イメージを得てその組織の性質まで描
き出すことができる装置である。
隙は被検者の一部または全部が挿入できるだけの広さが
必要であり、かつ鮮明な断層イメージを得るために、通
常、空隙内の撮像視野内には、0.02〜2.0Tでか
つ1×10-4以下の精度を有する安定した強力な均一磁
界を形成することが要求される。
に示す如く、磁界発生源としてR−Fe−B系磁石を用
いた一対の永久磁石構成体(1)(1)の各々の一方端
に磁極片(2)(2)を固着して対向させ、他方端を継
鉄(3)にて連結し、磁極片(2)(2)間の空隙
(4)内に、静磁界を発生させる構成が知られている。
おける磁界分布の均一度を向上させるために、周辺部に
環状突起(5)を設けてあり、通常、電磁軟鉄、純鉄等
の磁性材料を削り出した板状のバルク(一体物)から構
成される(特開昭60−88407号公報)。
傾斜磁界コイル(6)は、空隙(4)内の位置情報を得
るために、通常X、Y、Zの3方向に対応する3組のコ
イル群からなるが、図示においては簡略して記載してい
る。この傾斜磁界コイル(6)に、パルス電流を印加す
ることによって台形波状に時間変化する所望方向の傾斜
磁界を発生することができる。
にパルス電流を流すと、磁極片(2)は前述した如く板
状のバルクから構成されるため、その電流の立上り、立
下がり時に磁界が急激に変化し磁極片(2)(2)に渦
電流が発生する。この渦電流は傾斜磁界コイル(6)に
て形成される磁界と反対方向の磁界を形成するため、傾
斜磁界が所定の強度に達するのに多くの時間を要する。
としてパーマロイ鋼板やアモルファス鋼板等の軟質磁性
薄膜を積層面が磁極面に対して垂直になるように積層し
た平板状の積層体を、その積層方向が互いに略90度異
なるよう二層に配置一体化した構成のものを用いた磁界
発生装置(特開昭61−203605号)、比抵抗の高
い磁性粉を用いた磁界発生装置(特開昭63−2590
7号)が提案されている。
構成においても、傾斜磁場コイル(GC)により形成さ
れる磁界により磁極片が磁化され、磁気ヒステリシス現
象(残磁現象)によりGCパルスを停止後も残磁によ
り、空隙内の均一度が乱れる問題がある。
片における上記現状に鑑み提案するもので、空隙内の磁
界均一度を低下させることなく、渦電流の発生を低減し
て短時間で傾斜磁界が所定の強度に上昇し得る構成から
なる磁極片の提供を目的とし、また、残磁現象を低減し
て高感度で鮮明な画像を得ることができる構成からなる
磁極片の提供を目的とし、さらに加工、製造が容易で、
機械的強度が高く組立て作業性にすぐれた構成からなる
磁極片の提供を目的としている。
界発生装置において、上記目的を達成するために種々検
討した結果、空隙を形成して対向する一対の磁極片を、
複数枚の方向性けい素鋼板を磁極片の対向方向に積層し
て一体化した複数個のブロック状磁極片用部材にて所要
形状に構成することによって、加工、製造が容易で、磁
界強度および磁界均一度を低下させることなく、傾斜磁
場コイルによる渦電流、並びに残磁現象を低減できるこ
とを知見した。
向する一対の磁極片を有し該空隙に磁界を発生させるM
RI用磁界発生装置において、複数枚の方向性けい素鋼
板を磁化容易軸方向を揃えて磁極片の対向方向に積層し
て小ブロックとなし、この小ブロックの磁化容易軸方向
を相互に直交させて積層して一体化したブロック状磁極
片用部材を複数個用いて磁極片を形成したMRI用磁界
発生装置である。
数個のブロック状磁極片用部材を板状の磁性材ベース上
に配置して磁極片を形成することにより、磁極片全体の
機械的強度を向上させ、磁極片の取扱いを容易にするこ
とができ、また磁極片の空隙対向面側に直径方向のスリ
ットを一箇所以上設けた磁性材リングからなる環状突起
を配置することにより、さらに磁界均一度が向上するこ
とを知見した。
界発生装置は、空隙を形成して対向する一対の磁極片を
有して該空隙に磁界を発生させる構成であれば、後述す
る実施例に限定されることなく、いかなる構成にも適用
できる。すなわち、磁界発生源となる磁石構成体も永久
磁石に限定されることなく電磁石等の採用も可能であ
り、また磁石構成体に直接磁極片が配置される構成でな
くともよい。さらに、これらの磁石構成体と一対の磁極
片とを磁気的に接続して空隙に磁界を発生する磁路形成
用の継鉄の形状寸法等も要求される空隙の大きさ、磁界
強度、磁界均一度等種々の諸特性に応じて適宜選定すれ
ば良い。
構成体の永久磁石は、フェライト磁石、アルニコ系磁
石、希土類コバルト系磁石が使用できるが、特に、Rと
してNdやPrを中心とする資源的に豊富な軽希土類を
用い、B、Feを主成分として30MGOe以上の極め
て高いエネルギー積を示す、R−Fe−B系永久磁石を
使用することにより、著しく小型化することができる。
ロック状磁極片用部材を、複数枚のけい素鋼板を一対の
磁極片の対向方向に積層して一体化して形成したことを
特徴としている。使用されるけい素鋼板は、磁化容易軸
方向が圧延方向にあるいわゆる方向性けい素鋼板(JI
SC2553等)を使用する。
以上からなるが、磁極片の形状寸法、要求される諸特
性、組立作業性等を考慮して分割数を決定する。すなわ
ち、種々の分割数にて磁極片を縦横にあるいは直径方向
にと分割することにより、当該部材形状は種々の形状を
とることになり、積層するけい素鋼板は選定したブロッ
ク形状に磁極片の対向方向と直交する方向に積層組み立
てする際に、一定の該直交方向にのみ積層するため一定
形状とするほか、種々の該直交方向に積層するため種々
の形状とすることもできる。
板を所定方向に積層して一体化し1辺50mm〜200
mm程度の正方形板状に切断されたブロック状磁極片用
部材を40〜200ブロック程度用いて磁極片を形成す
るとよい。
鋼板の厚みは任意の厚みでよく、一般に入手し易いけい
素鋼板は0.35mm程度と薄いが、積層方向が一対の
磁極片の対向方向であることから非常に作業性良く積層
一体化できる。
形成されており、積層時に互いに電気的に絶縁されるこ
とになり、さらにこれらをブロック化する際に、絶縁性
樹脂を真空含浸することによって一体化するため、個々
のブロック状磁極片用部材(13)が電気的に絶縁され
ることになり、渦電流の発生防止効果が得られる。
磁極片用部材の厚さを調整することにより、後述の実施
例に示す如く、磁極片中央部に略円形凸状部や断面台形
状の突起部を設け、磁界均一度をさらに向上させること
ができる。
久磁石構成体の空隙対向面に配置してもよいが、後述す
る板状の磁性材ベース上に配置することにより、磁極片
全体の機械的な強度を向上させ、取扱いやすく磁気回路
の組立作業を容易にすることができる。さらに、板状の
磁性材ベースを敷設してブロック状磁極片用部材で磁極
片を構成し、空隙対向面の周縁部に軟鉄材等からなる磁
性材リングを配置して環状突起を形成することが磁界均
一度の向上に好ましい。
材との厚み比を最適化することにより、磁極片に要求さ
れる磁界強度の均等化と渦電流および残磁現象の防止効
果が最大限に発揮され、さらに、複数個のブロック状磁
極片用部材からなる磁極片の機械的強度の補強を行うこ
とができ、所要の強度を得るべく磁性材ベースの厚みを
適宜選定する必要がある。
鉄、低炭素鋼などが好ましく、磁極片の周縁部に配置す
る磁性材リングも磁性材ベースと同様な材質を用いるこ
とができ、磁性材ベースの周縁部に載置する他、直接ブ
ロック状磁極片用部材上面に載置することができる。
軽減する目的で、環状突起に1つ以上のスリットを設け
て分割することが望ましく、さらに、磁性材ベースと環
状突起間、磁性材ベースとブロック状磁極片用部材間を
電気的に絶縁することが望ましい。
極片の一実施例を図面に基づいて詳述する。図1に示す
磁極片(10)は、円板状軟鉄からなる磁性材ベース
(11)と、磁性材ベース(11)の周辺部に周設され
た断面矩形の軟鉄製の磁性材リング(12)と、磁性材
ベース(11)上面に敷設した複数個のブロック状磁極
片用部材(13)とからなる。ブロック状磁極片用部材
(13)は通常合成樹脂接着材にて磁性材ベース(1
1)に固着される。
た断面矩形の軟鉄製の磁性材リング(12)は、磁極片
(10)の外周部側の高さを他より高くして、磁束を所
要空隙に集中させかつ均一度を向上させる環状突起を形
成するためのものであり、磁性材ベース(11)との間
に絶縁材を介在させてボルト止めしてあり、さらに磁性
材リング(12)を周方向に分割(図では8個に分割)
することで直径方向のスリット(16)を設けて、渦電
流の影響を低減する構成である。
如く構成されている。すなわち、第2図に示すブロック
状磁極片用部材(13A)は方向性けい素鋼板を用いた
場合を示すもので、予め同一方向に方向性を示す複数枚
の方向性けい素鋼板を、その厚さ方向に積層一体化した
小ブロック(13a)(13b)(図中イ、ロは磁化容
易軸方向を示す)を作成し、その後磁界均一度を向上さ
せるため各磁化容易軸方向が互いに90°異なるように
して積層した所定厚さのブロック状磁極片用部材(13
A)からなる。
(13)は図示の如く略円板状を形成するように配置す
るが、磁極片(10)の空隙対向面の中央部には所要直
径の円形凸状部(14)を形成するため、ブロック状磁
極片用部材(13)の厚みが異なるものを用いており、
当該円形凸状部で磁界均一度を向上させることができ
る。また、磁性材ベース(11)の中心部に、軟鉄製の
コア部(15)を設けているが、これは傾斜磁界コイル
を装着するための基台を構成している。
MRI用磁界発生装置に用いると、けい素鋼板は飽和磁
束密度(Bs)が高く、空隙の磁界均一化が達成しやす
く、また保磁力(Hc)(ヒステリシス損)の小さな電
気的に絶縁されている薄板を複数枚積層した構成である
ことから、傾斜磁場コイルにGCパルスが印加されても
磁極に発生する渦電流は低減され、残磁現象を低減させ
ることも可能となる。
MGOeを有するR−Fe−B系永久磁石を用い、下記
性状の軟鉄からなる磁性材ベース上に下記性状の方向性
けい素鋼板を用い図2に示す構成としたブロック状磁極
片用部材を設け、軟鉄からなる環状突起(スリットは4
箇所とした)を設けた一対の磁極片の対向間距離を50
0mmに設定した。
片をベース部と同軟鉄のバルク材で構成し、磁界発生装
置を組み立てた。
一度と磁界強度、傾斜磁場コイルによる渦電流の低減効
果とともに、GCパルスにより生じる残留磁気を測定し
た。その結果、実施例1、比較例とも空隙中心から半径
200mm内の計測空間での測定値で、磁界均一度;3
0ppm、磁界強度;0.2 Tを得た。傾斜磁場コイ
ルによる渦電流は、この発明による実施例1の場合、比
較例に対して1/3以下に低減された。GCパルスによ
り生じる残留磁気は、この発明による実施例1の場合、
比較例に対して1/2以下に低減された。
厚さ25mmとした。また、種々の磁極片用部材の磁性
材ベース上配置後の厚さ(最大厚さ)は25mmとし
た。ただし方向性及び無方向性けい素鋼板の厚さは0.
35mmを採用した。磁性材ベース部は、純鉄、Hc=
80A/m、Bs=2.0T、ρ=1×10-7Ω・mで
ある。方向性けい素鋼板は、Hc=4.8A/m、Bs
=1.8T、ρ=48×10-8Ω・mである。
数枚のけい素鋼板を磁極片の対向方向に積層して一体化
したブロック状磁極片用部材を複数個用いた構成からな
る磁極片を、MRI用磁界発生装置に用いると、空隙の
磁界が均一化され、傾斜磁場コイルによる渦電流の低減
の効果とともに、GCパルスにより生じる残磁を低減さ
せる効果がある。また、けい素鋼板の積層方向が磁極片
対向方向と同方向であることから積層一体化作業が極め
て容易となる利点を有している。
の一実施例を示す上面図と横断面図である。
面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 空隙を形成して対向する一対の磁極片を
有し該空隙に磁界を発生させるMRI用磁界発生装置に
おいて、複数枚の方向性けい素鋼板を磁化容易軸方向を
揃えて磁極片の対向方向に積層して小ブロックとなし、
この小ブロックの磁化容易軸方向を相互に直交させて積
層して一体化したブロック状磁極片用部材を複数個用い
て磁極片を形成したMRI用磁界発生装置。 - 【請求項2】 請求項1において、複数個のブロック状
磁極片用部材を板状の磁性材ベース上に配置して磁極片
を形成し、磁極片の空隙対向面側に直径方向のスリット
を一箇所以上設けた磁性材リングからなる環状突起を配
置したMRI用磁界発生装置。
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Related Parent Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6498488B2 (en) | 2000-11-20 | 2002-12-24 | Hitachi Medical Corporation | Magnetic resonance imaging apparatus |
EP1447676A2 (en) * | 2003-02-12 | 2004-08-18 | GE Medical Systems Global Technology Company LLC | Circular pole piece and mri system |
JP2005131410A (ja) * | 2003-10-31 | 2005-05-26 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | 磁気共鳴イメージング・システム向けの極片を製作するためのシステム及び方法 |
-
1996
- 1996-08-05 JP JP08223058A patent/JP3073933B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005131410A (ja) * | 2003-10-31 | 2005-05-26 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | 磁気共鳴イメージング・システム向けの極片を製作するためのシステム及び方法 |
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