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JPH0894862A - 光伝送チューブ - Google Patents

光伝送チューブ

Info

Publication number
JPH0894862A
JPH0894862A JP7211191A JP21119195A JPH0894862A JP H0894862 A JPH0894862 A JP H0894862A JP 7211191 A JP7211191 A JP 7211191A JP 21119195 A JP21119195 A JP 21119195A JP H0894862 A JPH0894862 A JP H0894862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clad
optical transmission
core
rubber
transmission tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7211191A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Ishiharada
石原田  稔
Hideo Sugiyama
秀夫 杉山
Itsuo Tanuma
逸夫 田沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP7211191A priority Critical patent/JPH0894862A/ja
Publication of JPH0894862A publication Critical patent/JPH0894862A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 透明コア(2)と、該コア(2)よりも
低屈折率を有するクラッド(1)とを具備する光伝送チ
ューブにおいて、上記クラッド(1)の少なくともコア
と接する内面が加硫フッ素ゴムから形成されていると共
に、こ上記クラッド中に残存ハロゲン化合物のトラップ
剤が含有されていることを特徴とする光伝送チューブ。 【効果】 本発明の光伝送チューブは、長期間使用して
も光伝送特性の低下が可及的に防止されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素ゴムをクラ
ッド材として用いた光伝送チューブに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、透明コアとこのコアよりも低屈折率を有するクラッ
ドとからなる光伝送チューブが種々の光伝送用途に用い
られている。
【0003】この場合、コアとしては、固体状のもの及
び液体状のものが知られており、このコアを被覆するク
ラッドとしては、コアの種類に応じ、種々選択される
が、本発明者が検討した結果によると、コアとして液状
コア、特にシリコーンオイルを使用した場合、クラッド
としてはその少なくともコアと接する内面が膨潤性等の
点からフッ素ゴムであることが有効であることを知見し
た。
【0004】しかし、フッ素ゴムをクラッドとして用い
た場合、長期間使用しているうちに、光伝送特性が低下
することがわかり、このため長期間使用した後でも光伝
送特性の低下を防止するという新たな解決課題が生じ
た。
【0005】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、長期使用しても光伝送特性の低下が可及的
に防止されたフッ素ゴムをクラッド材とする光伝送チュ
ーブを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、フッ素ゴムをクラッド材に用いた光伝送チューブが
経時によりその光伝送特性が低下する原因は、クラッド
中の着色成分がコア中に溶出することにあることを見い
出すと共に、着色の少ないフッ素ゴムクラッドを得るた
め更に検討を進めた結果、クラッドの着色はフッ素ゴム
中の残存ハロゲン化合物により大きな影響を受けるこ
と、そしてクラッド中やこのクラッドを被覆した被覆材
層中に残存ハロゲン化合物のトラップ剤を含有させるこ
と、或いは外側に該トラップ剤を充填した保護管を配設
したり、クラッドの外周面に該トラップ剤のコーティン
グ層を形成することが有効であることを知見した。
【0007】特に、未加硫のフッ素ゴムを加硫する場
合、着色の点でパーオキサイド加硫が好ましく、またパ
ーオキサイド加硫を行う場合、分子内にハロゲン原子を
有するフッ素ゴムを使用し、パーオキサイドからのラジ
カルにより分子内ハロゲン原子を脱離させて高活性のラ
ジカルとなすことにより加硫を進行させるものであり、
この際分子内ハロゲン原子としては臭素原子よりヨウ素
原子の方が好適であることを見い出したが、いずれの場
合にあっても、残存ハロゲン化合物がフッ素ゴム中に残
存し、この残存ハロゲン化合物を除去することが着色防
止の点から有効であることを知見した。この場合、分子
内ハロゲン原子として、上述したように、着色の点では
ヨウ素原子の方が臭素原子よりも好適であるが、反応性
の点では臭素原子の方が優れており、分子内に臭素原子
を有するフッ素ゴムを加硫して得た加硫フッ素ゴムより
残存臭素化合物を除去することにより、着色の点で劣っ
た分子内臭素原子を有するフッ素ゴムを加硫した加硫フ
ッ素ゴムを光伝送チューブのクラッドとして効果的に使
用し得、上記のように残存ハロゲン化合物のトラップ剤
を用いることで光伝送チューブの光伝送特性が長期間に
亘り保持され、着色が防止された光伝送チューブが得ら
れることを知見した。
【0008】またこの場合、光透過性を低下させる原因
物質(着色物質)には上記フッ素ゴム中の残存ハロゲン
化合物のほかに、加硫剤や架橋助剤、各種添加剤の分解
物・未反応物、またクラッドをゴム弾性体とその内周面
に形成されたフッ素ゴムとにより形成した場合、このゴ
ム弾性体中の加硫剤や架橋剤、各種添加剤の分解物・未
反応物、更に高温での熱劣化物もあることを知見した
が、前記トラップ剤はこのような着色物質の捕捉にも有
効に作用し、光伝送特性が長期間に亘って有効に発揮す
ることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0009】従って、本発明は、(1)透明コアと、該
コアよりも低屈折率を有するクラッドとを具備する光伝
送チューブにおいて、上記クラッドの少なくともコアと
接する内面が加硫フッ素ゴムから形成されていると共
に、このクラッド中に残存ハロゲン化合物のトラップ剤
が含有されていることを特徴とする光伝送チューブ、
(2)透明コアと、該コアよりも低屈折率を有するクラ
ッドとを具備する光伝送チューブにおいて、上記クラッ
ドの少なくともコアと接する内面が加硫フッ素ゴムから
形成されていると共に、このクラッドを覆って被覆材層
が形成され、この被覆材層中に残存ハロゲン化合物のト
ラップ剤が含有されていることを特徴とする光伝送チュ
ーブ、(3)透明コアと、該コアよりも低屈折率を有す
るクラッドとを具備する光伝送チューブにおいて、上記
クラッドの少なくともコアと接する内面が加硫フッ素ゴ
ムから形成されていると共に、このクラッドの外側に直
接又は被覆材層を介して残存ハロゲン化合物のトラップ
剤を充填した保護管を配したことを特徴とする光伝送チ
ューブ、及び、(4)透明コアと、該コアよりも低屈折
率を有するクラッドとを具備する光伝送チューブにおい
て、上記クラッドの少なくともコアと接する内面が加硫
フッ素ゴムから形成されていると共に、このクラッドを
覆って残存ハロゲン化合物のトラップ剤のコーティング
層が形成されていることを特徴とする光伝送チューブを
提供する。
【0010】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の第1発明に係る光伝送チューブ1は、図1に示
したように、中空管状のクラッド2によりコア3を被覆
してなるものである(なお、4a,4bは封止栓である
が、コア3が固体の場合は必須ではない)が、本発明に
おいては、上記クラッド2の少なくともコア3と接する
内面を加硫フッ素ゴムにより形成したものである。この
場合、クラッド2は、その全体を加硫フッ素ゴムにて形
成してもよく、またクラッド主体を加硫フッ素ゴム以外
のゴム弾性体で形成し、その内面に加硫フッ素ゴム層を
形成してもよい。
【0011】本発明の第1発明においては、上記クラッ
ド、即ち加硫フッ素ゴム及び/又はゴム弾性体中に残存
ハロゲン化合物のトラップ剤を含有させたものである。
なお、残存ハロゲン化合物としては、ハロゲン分子、H
I、HBrなどがあり、原子、分子、イオンあるいは他
の原子や分子との化合物を示すが、主には分子状態ある
いは水素化された状態のものである。
【0012】ここで、フッ素ゴムとしては、ビニリデン
フルオライド(VDF)−ヘキサフルオロプロピレン
(HFP)二元共重合体、VDF−HFP−テトラフル
オロエチレン(TFE)三元共重合体等のVD系フッ素
ゴム、プロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴ
ム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル系フッ素ゴム、熱可塑性フッ素ゴムなどが
挙げられる。
【0013】本発明の光伝送チューブは、そのクラッド
材として上記フッ素ゴムの加硫物を使用するものである
が、この場合、未加硫のフッ素ゴムを架橋する方法とし
ては、特に制限されず、パーオキサイド加硫、電子線加
硫等のラジカル架橋法のほか、ポリアミン加硫、ポリオ
ール加硫を採用することができるが、ラジカル架橋法が
着色が少ない点から好適である。
【0014】ラジカル架橋法としては、パーオキサイド
加硫法が典型的なものとして挙げられるが、パーオキサ
イド加硫を行う場合、パーオキサイドとしては、ケトン
パーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアル
キルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パ
ーオキシエステル類等がある。
【0015】具体的には、2,5−ジメチルヘキサン−
2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパー
オキサイド、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブ
タン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタ
ン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキ
サン、t−ブチルパーオキシベンズエート、ベンゾイル
パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,4−
ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパー
オキシ)パレレート、ジクミルパーオキサイド、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベン
ゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサンなどが挙げられ、これらの中では分解
生成物の着色が少ないという点から、芳香環を含まない
脂肪族又は脂環式構造を有するパーオキサイド、例えば
2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ラ
ウロイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサンが好ましい。
【0016】上記パーオキサイドの使用量は適宜選定さ
れるが、フッ素ゴム100部(重量部、以下同様)に対
し好ましくは0.1〜10部、より好ましくは0.5〜
5部、更に好ましくは2〜4部である。パーオキサイド
の量が少なすぎると加硫が十分に行えず、ゴム物性が十
分発現できない上、未加硫のフッ素ゴムがコア中に溶出
することにより、コアでの光散乱及びコアとクラッドと
の界面での散乱が生じて光伝送特性を低下せしめる。ま
た、フッ素ゴム中の残存ハロゲンが高温で放出され、光
伝送特性を低下させる。逆に、パーオキサイドの量が多
いと、一般的にフッ素ゴムとパーオキサイドとの相溶性
は良くないため、パーオキサイドが凝集し、加硫の際に
発泡の原因となる。そのため、コアとクラッドとの界面
での光散乱が大きくなったり、特にシリコーンオイル等
の液状コアである場合、液状コアがクラッドに生じたピ
ンホールを通ってゴム弾性体に浸透し、これを膨潤させ
る場合が生じる。また、パーオキサイド分解物や未反応
物が多くなるため、光学特性を低下させる。
【0017】また、パーオキサイド加硫に際しては、フ
ッ素ゴムの架橋効率を上げるため、架橋助剤を配合する
ことが好ましい。架橋助剤としては、アクリロキシ基含
有化合物、メタクリロキシ基含有化合物、アリール基含
有化合物を添加することができる。この目的に供される
化合物としてはアクリル酸又はメタクリル酸誘導体、例
えばそのエステルを用いることができる。
【0018】エステルのアルコール残基としてはメチル
基、エチル基、ドデシル基、ステアリル基、ラウリル基
のような炭素数1〜20のアルキル基のほかに、シクロ
ヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル
基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル
基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基等を挙げる
ことができる。更に、エチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール等の多官能アル
コールとのエステルも同様に用いることができる。
【0019】また、アリール基含有化合物としてはジア
リルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエ
ート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌ
レートが好ましく用いられる。
【0020】これらの使用量はフッ素ゴム100部に対
し0.1〜20部、特に0.5〜5部とすることが好ま
しい。
【0021】ここで、パーオキサイド加硫を行う場合、
フッ素ゴムはその分子内にラジカル活性点としてハロゲ
ン原子を有するものが用いられる。これはパーオキサイ
ドからのラジカルにより分子内ハロゲン原子が脱離し、
高活性のラジカルになって例えば下式のように加硫が進
行する。なお、ハロゲン原子の位置としては、主鎖中、
側鎖、主鎖末端など、いずれにあってもよいが、特に主
鎖末端にあることが好ましい。
【0022】
【化1】
【0023】この分子内ハロゲン原子としては、反応性
が高い点から主に臭素が用いられているが、本発明者の
検討によると、分子内に臭素原子を有するフッ素ゴムは
着色が多く、このため加硫フッ素ゴム自体としては着色
が少ないという点から分子内にヨウ素原子を有するもの
がクラッド材として好適であるが、本発明においては、
トラップ剤の使用で残存ハロゲン化合物を除去し、着色
を低減させるので、分子内に臭素原子を有するフッ素ゴ
ムをも有効に使用することができる。
【0024】パーオキサイド加硫条件としてはパーオキ
サイド種により異なるが、例えばパーヘキサ25B
(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン)を用いた場合には、通常140〜160
℃で10分〜1時間の一次加硫ののち、二次加硫として
160〜200℃で1〜20時間行われる。加硫は、プ
レス、オーブン、オートクレーブなどが用いられ、オー
ブンやオートクレーブの場合には酸素による架橋阻害を
防ぐため、N2などの不活性ガスや水蒸気による置換、
真空引きなどが適宜必要となる。加硫温度及び時間につ
いては、温度が低すぎるか時間が短かすぎると、ゴムの
加硫が十分に進まないばかりか、接着も不十分になる場
合があり、高すぎるか長すぎるとチューブやゴムの分解
又は接着力(特にシランカップリング剤を用いた場合)
の低下が見られる場合がある。
【0025】電子線加硫の場合は、上記のようなパーオ
キサイドを用いず、電子線でラジカルを発生させ、トリ
アリルイソシアヌレート(TAIC)、α−TMPT、
TMPT等を用いて架橋させるもので、この場合0.5
〜20Mrad、好ましくは2〜10Mradの照射線
量とすることが好ましく、また窒素ガスなどの不活性ガ
ス雰囲気で行うことが好ましい。なお、架橋助剤の使用
量は上記と同様である。
【0026】なお、電子線加硫の場合も、用いる未加硫
フッ素ゴムは分子内、特に末端に臭素原子、ヨウ素原子
又は塩素原子を有するものが着色が少ない点で好まし
い。
【0027】本発明において、クラッドをゴム弾性体と
その内側に形成される加硫フッ素ゴムとの構成にする場
合、ゴム弾性体としては、例えばジメチルシリコーンゴ
ム、メチルフェニルシリコーンゴム、フルオロシリコー
ンゴム等のシリコーンゴム類、ブチルゴム、ハロゲン化
ブチルゴム、飽和型ブチルゴム等のブチルゴム類、EP
DM、アクリルゴム、ニトリルゴム、更にSBS、SE
BS、SIS等の熱可塑性エラストマーなどが使用さ
れ、これらの単層構成又は2層以上の複層構成とするこ
とができるが、シリコーンゴム系、ブチルゴム系、EP
DM系の加硫ゴムが好ましく、また熱可塑性エラストマ
ーも好ましい。これらの中では耐熱性等の点からシリコ
ーンゴム類が、また水蒸気などのガスバリヤー性の点か
らブチルゴム類やEPDM類が好適に用いられる。
【0028】本発明の第1発明では、上記加硫フッ素ゴ
ム及び/又はゴム弾性体に残存ハロゲン化合物のトラッ
プ剤を含有させるものであるが、上記残存ハロゲン化合
物のトラップ剤としては、ハロゲン化合物を捕捉する物
質であればいずれのものをも使用することができ、例え
ば活性炭、シリカ、シリカゲル、アルミナ、モレキュラ
ーシーブスその他のゼオライト系吸着剤などの吸着剤や
イオン交換樹脂、ハロゲンとの反応性の高い酸化マグネ
シウム、炭酸カルシウム、硝酸銀などの化合物を挙げる
ことができ、その1種を単独で又は2種以上を組み合せ
て使用することができる。
【0029】これらのトラップ剤は、上記残存ハロゲン
化合物以外に他の着色物質(黄変物質)、クラッド、そ
の他の光伝送チューブに含まれる成分、例えばパーオキ
サイド等の架橋剤、架橋助剤、その他の各種添加物の分
解物、未反応物、高温での熱劣化物などを捕捉し得る
が、このような各種着色物質を効果的に捕捉する点で、
モレキュラーシーブス等のゼオライト系吸着剤が好まし
い。なお、このゼオライト系吸着剤は水分の除去にも有
効に用いられる。
【0030】この場合、トラップ剤のフッ素ゴムやゴム
弾性体(クラッド)中への含有量は、0.01〜20重
量%とすることが好ましい。トラップ剤含有量が少なす
ぎると遊離ハロゲン低減効果が発揮されず、また多過ぎ
るとクラッドの屈折率が高くなったり、フッ素ゴムの表
面平滑性が低下する。トラップ剤の粒径は適宜選定され
るが、10μm以下、特1μm以下が好ましい。
【0031】なお、捕捉されるハロゲンの状態は原子に
限定されるものではなく、イオン、分子あるいは他の原
子との結合状態でも良い。捕捉を促進するために、U
V,EBなどを照射して残存ハロゲン化合物をイオン化
あるいは他の活性な状態にしてトラップ剤との相互作用
を高めることができる。
【0032】本発明の光伝送チューブにおいて、コア材
としては特に制限はなく、クラッド材よりも屈折率が高
い固体、液状又は流動状の透明材料が用いられる。
【0033】この場合、固体透明材料としては、アクリ
ル系樹脂、メタクリル系樹脂が好ましく用いられ、例え
ばメチルアクリレート、メチルメタクリレート等のアル
キルアクリレート、アルキルメタクリレートのホモポリ
マーやコポリマー、これらのモノマーとこれに共重合可
能な透明ポリマーを得ることができる他のアクリレー
ト、メタクリレートを共重合したものを挙げることがで
きる。また、液状又は流動性の透明材料の具体例として
は、無機塩の水溶液、エチレングリコールやグリセリン
等の多価アルコール、ポリジメチルシロキサンやポリフ
ェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、ポリエ
ーテル、ポリエステル、流動パラフィン等の炭化水素、
三フッ化塩化エチレンオイル等のハロゲン化炭化水素、
トリス(クロロエチル)ホスフェートやトリオクチルホ
スフェート等の燐酸エステル類、ポリマーを適当な溶媒
で希釈したポリマー溶液が挙げられる。
【0034】これらの中では、液状又は流動状のコア、
特にシリコーンオイルが本発明の目的にとって有効であ
る。
【0035】また、封止栓はコア材が固体のものでも使
用され得るが、特にコア材が液状又は流動状のものであ
る場合に必要とするものであり、この場合、光の窓材と
して作用させる際は、封止栓を形成する材料は透明であ
ることが必要であり、かかる封止栓の材料として具体的
には、石英ガラス、パイレックスガラス、多成分ガラ
ス、サファイヤ、水晶などの無機ガラス、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ABS樹脂、アクリロニトリル・
スチレン共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル・EPDM・スチレン三元共重合体、
スチレン・メチルメタクリレート共重合体、メタクリル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリメチルペンテン、アリルジグ
リコールカーボネート樹脂、スピラン樹脂、アモルファ
スポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポ
リアリレート、ポリサルホン、ポリアリルサルホン、ポ
リエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ジアリルフタレー
ト、フッ素樹脂、ポリエステルカーボネート、シリコン
樹脂などの有機ガラスやプラスチック透明材料を挙げる
ことができる。この中でも石英ガラス、パイレックスガ
ラス、多成分ガラス等の無機ガラスは透明性のみなら
ず、耐熱性にも優れ、また化学的にも安定であるため、
その内側端面で接触するコア材や、その外側端面で接触
するガスや水分とも化学的に反応せず、長期的に優れた
性能をもたらすことができる。
【0036】ここで、窓材(封止栓)の屈折率はコアの
屈折率とほぼ等しいものを用いることが好ましい。ま
た、窓材(封止栓)の少なくとも光が入射する側の端面
に伝送しようとする光波長範囲に対する反射防止膜を設
けることが好ましい。更に、入射光に紫外線あるいは赤
外線が含まれる場合には、紫外線によるコアの劣化を防
いだり、赤外線よる温度上昇を防止するために、必要に
応じて紫外線及び/又は赤外線カット膜を窓材(封止
栓)の入射端面に設けることができる。窓材(封止栓)
自体がUV及び/又はIR吸収性を有するものを用いて
も良い。
【0037】なお、透明性を必要としない場合は、金属
やセラミックスなどを用いることができる。
【0038】また、図示していないが、封止栓でクラッ
ド端部を封止するに際し、熱収縮処理、接着処理、ホー
スバンド締結、ワイヤー素線による巻き上げ、形状記憶
合金による固定、スリーブ、O−リング、パッキングを
介しての締め付け等の機械的な締結を必要に応じて実施
することができる。中でも、ステンレススチール、アル
ミニウム、銅、真ちゅうなどの銅合金、スチール、T
i、Niなどの金属スリーブをクラッド外周部にこれを
覆って嵌合し、スリーブを圧縮変形させる加締め方法で
封止栓をクラッドに固定することが好適である。
【0039】本発明においては、図2に示したように、
この光伝送チューブを保護する目的で適宜な被覆材5で
クラッド2を被覆することもできる。被覆材としてはプ
ラスチック、エラストマー、金属、ガラス、無機材料の
中から選定することができる。
【0040】具体的には、ポリアミド、エポキシ樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、フ
ッ素樹脂、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、塩酸ゴム、天
然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ク
ロロプレンゴム、アクリルゴム、EPDM、フッ素ゴム
等の高分子材料をコーティング、押し出し成形、或いは
テープ状材料の巻き付け、熱収縮処理などによりクラッ
ドに被覆することができる。
【0041】また、SUS、アルミ、銅、鉄などの金属
材料、或いは上記の高分子材料をパイプ状、蛇腹管状、
螺旋ワイヤー状に成形したものの中にコアを被覆したク
ラッドを挿入しても良い。更には金属材料をクラッド外
周へ鍍金、蒸着、スパッタなどによりめっきすることで
金属膜を被覆することもできる。
【0042】これらの被覆材は単体或いは他の材料との
複合体として用いることもできる。
【0043】なお、上記の被覆材は光伝送チューブの保
護だけでなく、遮光或いは所用部分だけを発光させる目
的で設けることもできる。例えば上記被覆材の所用部分
に穴を開けたり、透明にするとその部分から光が外に漏
れ多数のスポット状或いはライン状の発光体とすること
ができる。
【0044】ここで、本発明の第2発明は、上記被覆材
層5中に上記トラップ剤を含有させたものである。この
場合、トラップ剤の種類は上記と同様であり、またトラ
ップ剤の含有量は、光伝送上の不利がないので多量に含
有させることもでき、従って被覆材層5中1〜100重
量%、好ましくは1〜50重量%、更に好ましくは1〜
30重量%とすることができる。
【0045】更に、本発明の第3発明は、図3に示して
あるように、クラッド1を取りまいて保護管6を配設
し、この保護管6内に上記トラップ剤7を充填したもの
である。この場合、クラッド2に図2のように被覆材を
被覆し、これを覆って保護管6を配設し、その内部にト
ラップ剤7を充填するようにしてもよい。なお、図中8
は保護管6の取付部材(口金)である。
【0046】また、本発明の第4発明は、図4に示した
ように、クラッド2の外周面に上記トラップ剤のコーテ
ィング層9を形成したものである。この場合、このコー
ティング層9を覆って被覆材層5を形成することが好ま
しい。
【0047】このような第2、第3及び第4発明によっ
ても本発明の目的を達成することができる。
【0048】なおこの場合、加硫フッ素ゴム中には、ト
ラップ剤を配合することは必須ではないが、加硫フッ素
ゴム中にトラップ剤を含有させたものを使用することが
より好ましい。
【0049】
【実施例】以下、実験例及び実施例を示し、本発明を更
に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限さ
れるものではない。
【0050】〔実験例〕フッ素ゴムとして、末端にヨウ
素原子を有するVDF−HFP二元共重合体(ダイエル
G901)及び末端に臭素原子を有するVDF−HFP
二元共重合体(バイトンVTR7085)をそれぞれ使
用し、その100部に2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン1.5部、トリアリ
ルイソシアヌレート4部、及び表1に示すトラップ剤を
配合し、混練してフッ素ゴム組成物を調製した。
【0051】このゴム組成物を1mm厚のシートの形状
に成形し、一次加硫として160℃,30分でプレス加
硫したのち、二次加硫としてオーブン中180℃,5時
間でパーオキサイド加硫を行った。
【0052】次に、上記加硫ゴムの透過率を測定した。
この場合、ヨウ素原子末端共重合体のものは波長500
nm、臭素原子末端共重合体のものは波長400nmに
おける透過率の測定を行った。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】〔実施例1〕実験No.3のフッ素ゴム組
成物を用い、これを内径10mm、外径12mm、長さ
1mのチューブ状に成形し、加硫した。
【0055】このチューブにシリコーンオイルを充填
し、両端にパイレックスガラス製の封止栓(直径10m
m×長さ20mm)を装着し、光伝送チューブを作成し
た。
【0056】〔実施例2〕実験No.7のフッ素ゴム組
成物を用い、これを内径10mm、外径12mm、長さ
1mのチューブ状に成形し、加硫した。
【0057】このチューブにシリコーンオイルを充填
し、両端にパイレックスガラス製の封止栓(直径10m
m×長さ20mm)を装着し、光伝送チューブを作成し
た。
【0058】〔実施例3〕シリカゲルを30phr含有
してなる内径10mm、外径12mmのジメチルシリコ
ーンチューブの内面に実験No.7のフッ素ゴム層50
μmを形成し、これを加硫して、上記と同様に光伝送チ
ューブを作成した。
【0059】〔実施例4〕実施例1の光チューブをステ
ンレス製スパイラル管(内径14mm、外径16mm)
で被覆した。クラッド材とスパイラル管の空間部に平均
粒径1μmのアルミナを10g分散させた。
【0060】上で得られた光伝送チューブは、コアが実
質的に着色することもなく、長期に亘り良好な光伝送特
性を有していた。
【0061】
【発明の効果】本発明の光伝送チューブは、長期間使用
しても光伝送特性の低下が可及的に防止されたものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光伝送チューブの一例を示す一部省略
断面図である。
【図2】本発明の光伝送チューブの他の例を示す一部省
略断面図である。
【図3】本発明の光伝送チューブの別の例を示す一部省
略断面図である。
【図4】本発明の光伝送チューブの更に別の例を示す一
部省略断面図である。
【符号の説明】
1 光伝送チューブ 2 クラッド 3 コア 4a,4b 封止栓 5 被覆材層 6 保護管 7 トラップ剤 8 取付部材 9 コーティング層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明コア(2)と、該コア(2)よりも
    低屈折率を有するクラッド(1)とを具備する光伝送チ
    ューブにおいて、上記クラッド(1)の少なくともコア
    と接する内面が加硫フッ素ゴムから形成されていると共
    に、上記クラッド中に残存ハロゲン化合物のトラップ剤
    が含有されていることを特徴とする光伝送チューブ。
  2. 【請求項2】 透明コア(2)と、該コア(2)よりも
    低屈折率を有するクラッド(1)とを具備する光伝送チ
    ューブにおいて、上記クラッド(1)の少なくともコア
    と接する内面が加硫フッ素ゴムから形成されていると共
    に、このクラッド(1)を覆って被覆材層(4)が形成
    され、この被覆材層(4)中に残存ハロゲン化合物のト
    ラップ剤が含有されていることを特徴とする光伝送チュ
    ーブ。
  3. 【請求項3】 クラッド中に残存ハロゲン化合物のトラ
    ップ剤が含有された請求項2記載の光伝送チューブ。
  4. 【請求項4】 透明コア(2)と、該コア(2)よりも
    低屈折率を有するクラッド(1)とを具備する光伝送チ
    ューブにおいて、上記クラッド(1)の少なくともコア
    と接する内面が加硫フッ素ゴムから形成されていると共
    に、このクラッド(1)の外側に直接又は被覆材層
    (4)を介して残存ハロゲン化合物のトラップ剤を充填
    した保護管(5)を配したことを特徴とする光伝送チュ
    ーブ。
  5. 【請求項5】 クラッド中に残存ハロゲン化合物のトラ
    ップ剤が含有された請求項4記載の光伝送チューブ。
  6. 【請求項6】 透明コアと、該コアよりも低屈折率を有
    するクラッドとを具備する光伝送チューブにおいて、上
    記クラッドの少なくともコアと接する内面が加硫フッ素
    ゴムから形成されていると共に、このクラッドを覆って
    残存ハロゲン化合物のトラップ剤のコーティング層が形
    成されていることを特徴とする光伝送チューブ。
  7. 【請求項7】 上記トラップ剤のコーティング層を覆っ
    て被覆材層が形成された請求項6記載の光伝送チュー
    ブ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6091878A (en) * 1997-11-20 2000-07-18 Rohm And Haas Company Flexible light pipe for side-lit applications
US6280059B1 (en) 1997-10-02 2001-08-28 Hamamatsu Photonics K.K. Spotlight source apparatus
US6519401B1 (en) 1998-10-28 2003-02-11 3M Innovative Properties Company Light fibers and methods for producing the same

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