JPH084571A - 暖機過程時の燃料噴射量補正方法 - Google Patents
暖機過程時の燃料噴射量補正方法Info
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Abstract
と。 【構成】 エンジン始動後、所定時間内であるとステッ
プ52で判断し、かつエンジン回転数NEが所定回転γ
1 以下に落ち込んだとステップ54、55で判断する
と、燃料性状が適していない(揮発性が悪い燃料を使用
している)としてステップ56にて暖機増量の増大を実
行するフラグXGLUG4を立て、このフラグが立って
いる始動後所定時間γ2 の間継続して、暖機増量補正係
数WGをステップ59にて、アイドルのON,OFFに
応じて設定して、暖機増量を増大させる。
Description
を備えた自動車等のエンジンに適用可能な暖機過程時の
燃料噴射補正方法に関する。
を濃混合気で対拠する方法として、1つに、エンジン冷
却水温に応じて燃料噴射量の始動後増量値を、それぞれ
AS1、AS2として決めて、その値を始動後経過時間
により徐々に減少させていく。ただしAS1は、高速に
減衰し、AS2は低速に減衰していくものである。ま
た、エンジン冷却水温に応じて増量補正する暖機増量
(WL)もある(図3参照)。
料に対して設定されているため、揮発性等が異なる他の
燃料を使用した場合には、燃料噴射量がエンジン状況に
応じて適切に調節されない。例えば、蒸発点が標準的な
特定の燃料よりも高いような粗悪燃料は、気化性が悪い
ため、このような燃料を使用すると、図3の実線に示す
ようにオーバリーンになる。そのため、始動後増量、暖
機増量では、十分な燃焼ができず、エンジン回転数が低
下して、エンジンストールしたり、ラフアイドル及び加
速時のバックファイア等が起こる原因になる。しかし、
このような粗悪燃料でも、エンジンの燃焼室及びバルブ
周り等の温度が十分に上昇すると、燃料の気化性がよく
なるため、エンジン回転が安定し、加速時のバックファ
イアも起こらなくなる。
するために、本発明の先行技術として、例えば、特開平
3ー61644号公報に示されように、実際のエンジン
回転数が所定量を超えて目標回転数を下回った場合に
は、エンジン冷却水温とエンジン回転数とに対応させた
増量補正係数で燃料噴射量を増量補正するのがある。
うな構成のものは、エンジン回転数が所定値より低下し
た場合に増量し、その後、エンジン回転数が上昇した場
合(目標回転数になった時)増量をやめるので、適正で
あった空燃比がリーンになり、そのため、エンジン回転
の落ち込み、ラフアイドルを発生するという問題があ
る。さらに、エンジン回転数によって増量値を設定して
いるため、一般にアイドル時と非アイドル時とでは、エ
ンジンの燃料要求量は異なるので、加速時に瞬間的なオ
ーバリーンにより運転性不良やバックファイアなどが起
こる可能性があるという問題がある。そこで、本発明
は、燃料性状に適した最適な燃料増量が可能なことを目
的とする。
ジン始動後、第1の所定期間β2内に所定エンジン回転
数γ1以下にエンジン回転数が落ち込んだ場合、燃料噴
射量に対する暖機増量を増大させ、この増大させる値を
エンジンの負荷状態によって変更すると共に、前記暖機
増量の増大をエンジン始動後第2の所定期間γ2まで継
続して反映させる暖機過程時の燃料噴射量補正方法を提
供するものである。
して説明する。図1に概略的に示したエンジン1は、自
動車に搭載されるもので、電子制御燃料噴射装置を備え
ている。電子制御燃料噴射装置は、エンジン1の吸気管
2に装着した燃料噴射弁3と、この燃料噴射弁3の作動
を制御する電子制御装置(ECU)4とを備えており、
燃料噴射弁3からエンジン1の燃焼室12に供給する燃
料の量を、各種センサ等の情報に基づいて電子制御装置
4により調節するようにしたものである。燃料噴射弁3
は、電磁コイルを内蔵しており、その電磁コイルに電子
制御装置4から燃料噴射信号aが印加されると、その印
加時間に相当する量の燃料をエンジン1の吸気ポート近
傍に噴射するようになっている。
スイッチ5からのアイドルON(アイドル時)又はOF
F(非アイドル時)信号bと、クランク角センサ6から
のエンジン回転信号cと、カムセンサ7からのエンジン
のカム位置の信号dと、TDC(上死点)センサ8から
のエンジンの基準気筒位置の信号eと、エンジン冷却水
温を検出する水温センサ9からの水温信号gと、吸気管
2の圧力を検出する圧力センサ10からの吸気圧信号f
等が入力されるようになっている。電子制御装置4の出
力側は、燃料噴射弁3に向けて燃料噴射信号aが出力さ
れるようになっている。圧力センサ10は、エンジンの
吸気圧に応じて電気信号を出力するように構成されたも
ので、吸気管2に形成したサージタンク11に取りつけ
てある。水温センサ9は、サーミスタ等を内蔵したもの
で構成されており、エンジン冷却水温に応じて電気信号
を出力するようになっている。アイドルスイッチ5は、
エンジン1のスロットル弁20の開度に連動してアイド
ルON、OFFに応じた電気信号を出力するようになっ
ている。また、電子制御装置4は、エンジン回転信号c
および吸気圧信号f等から吸入空気量を算出し、算出し
た吸入空気量に応じて燃料噴射の基本燃料噴射量TPを
演算すると共に、エンジン始動後には、エンジン冷却水
温によって決まる始動後増量補正係数AS1、AS2や
暖機増量補正係数WLで基本噴射量を増量補正するよう
にしてある。
は、図3に示すごとく、エンジン始動時のエンジン冷却
水温により初期値が決まり、その初期値が始動後に移行
してからあらかじめ設定された時間毎に高速で0まで減
衰されるようになっている。他方の始動後増量補正係数
AS2は、図3に示すごとく、一方の始動後増量補正係
数AS1よりもゆるやかに0まで減衰されるようになっ
ている。また、暖機増量補正係数WLはエンジン冷却水
温に対応する値(エンジン冷却水温が低い程、値が大き
くなる)をもっており、エンジン暖機時(水温が80℃
以上)では、補正係数が0になるようになっている。ま
た、電子制御装置4には、図2に概略的に示すようなプ
ログラムを所定時間ごとに実行するように設定してあ
る。まず、ステップ51では、水温センサ9からの水温
信号gに基づき、始動時水温THWSTAが所定範囲
(α1=ー12℃〜β1=30℃)内かを判断し、所定
範囲内であれば、ステップ52に進み、所定範囲内でな
ければ、ステップ57に進む。
時間CCASTが、所定範囲(α2=1sec〜第1の
所定期間:β2=5sec)内かを判断し、所定範囲内
であれば、ステップ53に進み、所定範囲内でなけれ
ば、ステップ57に進む。ステップ53では、自動変速
機のシフト状態を判断し、Pレンジを含むNレンジ(X
NSW=1)であれば、ステップ54に進み、L2、
3、Rレンジを含むDレンジ(XNSW=0)であれ
ば、ステップ57に進む。
が、所定回転数(γ1:例えば900rpm)以下かど
うかを判断し、所定回転数以下ならステップ55に進
み、所定回転数以下でなければ、ステップ57に進む。
ステップ55では、エンジン回転数NEの所定時間毎の
変化量DNEが負かどうか(エンジン回転数NEが上昇
しているか。または、下降しているか)を判断し、DN
Eが負(エンジン回転数NEが下降している)であれ
ば、ステップ56に進み、DNEが正(エンジン回転数
NEが上昇している)であれば、ステップ57に進む。
を増大する実行条件フラグXGLUG4を1にし、ステ
ップ57に進む。ステップ57では、増大実行フラグX
GLUG4が1か否かを判断し、1であると判断した場
合には、ステップ58に進み、1でないと判断した場合
には、ステップ60に進む。ステップ58では、エンジ
ン始動後の経過時間CCASTが第2の所定値(γ2:
例えば3分)以下であるかを判断し、所定値以下である
と判断した場合には、ステップ59に進み、所定値以下
でないと判断した場合には、ステップ60に進む。 ス
テップ59では、アイドルONの場合に、暖機増量を増
大させるための暖機増量補正係数WGをα3%(例えば
5%)に設定し、アイドルOFFの場合には、WGをア
イドルON時より大きなβ3%(例えば8%)に設定す
る。これらの値を燃料噴射量TAUに反映させる。具体
的には、補正係数AS1、AS2、WL、WGやエンジ
ン状況に応じて決まる各補正係数Kおよび無効噴射時間
Nで基本噴射量TPを補正して燃料噴射量TAUを次式
のように決定する。
L+WG)×K+N そして、燃料噴射量TAUに相当する時間だけ前記燃料
噴射弁3に開弁信号を供給して、燃焼室12へ燃料を供
給する。このような構成によると、図3の実線に示すよ
うに蒸発点が高い、すなわち揮発性が悪い燃料を使用す
れば、エンジン始動直後にオーバリーンになり、それに
より回転落ちになり、その時のエンジン回転数が所定回
転数より低ければ、暖機増量補正係数WG、始動後増量
補正係数AS1、AS2等によって基本噴射量TPが補
正されるため、燃料噴射量TAUが増大補正される。こ
のため、混合気の空燃比が適正な値に近付いて、エンジ
ンの回転落ち込みもそれ以上落ち込まず、適正な回転数
に上昇し、安定する。
で、燃料噴射量TAUの増大補正を中止すれば、適正で
あった混合気の空燃比も適正値からリーンになり、その
ため、エンジン回転の落ち込み、ラフアイドルが発生す
る。また、アイドルONの増量値のまま、この状態で、
スロットル弁20の開度を大きくする(アクセルペダル
を踏むと)すなわち過渡時には、揮発性が悪い燃料を使
用しているため、アイドルON状態よりアイドルOFF
状態の方がさらにリーンになる。これを防ぐため、アイ
ドルOFFで暖機増量補正係数WGの値を大きくする。
そのことによって、過渡時のオーバリーンによるバック
ファイアなどの不具合を防ぐことができる。その後、始
動後から設定時間γ2経過、すなわちエンジン冷却水温
が高くなると、たとえ蒸発点の高い燃料でも燃料の気化
性は、良くなるため、燃料噴射量TAUに特別な増大補
正は、必要なくなる。また、標準的な燃料が使用された
場合には、蒸発点の高い燃料を使用した場合のようにオ
ーバリーンによる、始動直後の回転落ち込みが起こらな
いため、特別な増大補正は、行われないことになる。
ステップ59においてエンジン負荷状態としてアイドル
ONとOFFとでWGの値を変えるようにしたが、その
代わりに、図4に示すごとく、エンジン負荷である吸気
管圧力に応じてWGを変化させる(エンジン負荷が大き
い程、WGの値を大きくするようにしてもよい。また、
図6に示すごとく、ステップ57でXLUG4が1でな
いと判断された後にステップ61〜63を追加し、始動
後の経過時間CCASTが第3の所定値γ3(第1の所
定期間β2より長く、第2の所定期間γ2より短かい、
例えば30secに設定されている)以下のときに、図
5に示すごとく、単位時間におけるエンジン回転数NE
の変化量DNEに応じて暖機増量を変化させる(DNE
の変化量が負の方向に対して大きくなる程、すなわち、
エンジン回転数の落ち込み量が多くなる程、暖機増量が
多くなるような)暖機増量補正係数WG2を付加して、
燃料噴射量TAUを次式により決定するようにしてもよ
い。
L+WG+WG2)×K+N また、図2、図6のステップ52、58、61において
は、始動後の経過期間を時間で判別するようにしたが、
エンジン回転回数(クランク角信号のカウント値)によ
り判別するようにしてもよい。
エンジン始動後、第1の所定期間β2内に所定エンジン
回転数γ1以下になった場合に、燃料噴射量を増大補正
するから、標準的な燃料使用して、エンジンを始動した
場合、回転落ち込みはないが(通常、始動後増量補正係
数、暖機増量補正係数を公差を考えてそうなるように適
合してある)蒸発点の高い燃料を使用した場合のみ、エ
ンジン回転落ち込みが発生するのに対応して、すなわ
ち、燃料性状により増量値を変えることができる。
(実施例では、アイドルON、OFFにより増量値を変
更する)から、一般に負荷状態によりエンジン要求値
は、異なるが、蒸発点の高い燃料使用時では、なおさら
であり、これにより、ラフアイドルや過渡時等のオーバ
リーンによるバックファイア等を防ぐことが可能であ
る。さらに、増大値の反映は、始動後第2の所定期間γ
2まで継続させるから、蒸発点の高い燃料でもエンジン
冷却水温が高くなれば、気化性が良くなるため、特別な
増量補正は、不要になり、かつ、暖機増量の増大により
エンジン回転数が適正な値に上昇して安定しても、始動
後第2の所定期間γ2まで暖機増量の増大が継続される
から、暖機増量の停止によるエンジン回転の落ち込み
や、ラフアイドルの発生を防止することができる。
る。
ある。
る。
の特性図である。
正係数の特性図である。
ローチャートである。
Claims (5)
- 【請求項1】 エンジン始動後、第1の所定期間β2内
に所定エンジン回転数γ1以下にエンジン回転数が落ち
込んだ場合、燃料噴射量に対する暖機増量を増大させ、
この増大させる値をエンジンの負荷状態によって変更す
ると共に、前記暖機増量の増大をエンジン始動後第2の
所定期間γ2まで継続して反映させる暖機過程時の燃料
噴射量補正方法。 - 【請求項2】 エンジン始動直後のエンジン回転数降下
度合に応じて前記暖機増量を変更する、請求項1記載の
暖機過程時の燃料噴射量補正方法。 - 【請求項3】 前記増大させる値はエンジンの負荷が大
きい程、大きな値に設定される請求項1または2記載の
暖機過程時の燃料噴射量補正方法。 - 【請求項4】 前記負荷状態はエンジンのアイドル時と
非アイドル時である請求項1または2または3記載の暖
機過程時の燃料噴射量補正方法。 - 【請求項5】 前記第2の所定期間γ2は前記第1の所
定期間β2より長く設定されている請求項1〜4のうち
いずれか1つに記載の暖機過程時の燃料噴射量補正方
法。
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