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JPH0841271A - アクリルゴム組成物 - Google Patents

アクリルゴム組成物

Info

Publication number
JPH0841271A
JPH0841271A JP12469295A JP12469295A JPH0841271A JP H0841271 A JPH0841271 A JP H0841271A JP 12469295 A JP12469295 A JP 12469295A JP 12469295 A JP12469295 A JP 12469295A JP H0841271 A JPH0841271 A JP H0841271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylic rubber
monomer
weight
monomer component
alkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP12469295A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3617120B2 (ja
Inventor
Yutaka Kobayashi
豊 小林
Masato Sakai
正人 坂井
Itsuki Umeda
逸樹 梅田
Yoji Mori
洋二 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority to JP12469295A priority Critical patent/JP3617120B2/ja
Publication of JPH0841271A publication Critical patent/JPH0841271A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3617120B2 publication Critical patent/JP3617120B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属部材に接触させた場合においても、当該
金属部材に固着されることがなく、当該金属部材を腐食
させることのない、金属に対して不活性な架橋組成物
(ゴム製品)を得ることができるアクリルゴム組成物を
提供すること。 【構成】 アルキルリン酸エステル、アルキルリン酸エ
ステル塩、アルキルエーテルリン酸エステルおよびアル
キルエーテルリン酸エステル塩からなる群より選ばれた
少なくとも1種の化合物が含有されているアクリルゴム
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリルゴムを原料ゴ
ムとする架橋可能なアクリルゴム組成物に関し、更に詳
しくは、当該組成物を架橋して得られる架橋組成物と金
属部材とを接触させた場合において、当該架橋組成物が
金属部材に固着されることがなく、当該架橋組成物が金
属部材を腐食させることのないアクリルゴム組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】アクリル酸アルキルエステルおよび/ま
たはアクリル酸アルコキシアルキルエステルを主成分と
するアクリルゴムは、耐熱性、耐油性、耐候性、圧縮永
久ひずみ性等が良好なゴムとして知られており、パッキ
ン、オイルシール、各種ホース等の用途に使用されてい
る。
【0003】しかし、例えばパッキン、Oリングなどの
シール材として用いられるアクリルゴムは、鋳鉄や軟鋼
等よりなる金属部材間に挟持されて例えば10〜40%
の圧縮状態に保持されるのであるが、このような状態で
一定時間の使用に供された後において、金属部材に圧着
されているアクリルゴムを剥がそうとしても、容易に金
属面から剥がすことができず、ゴム材の一部が金属面に
付着残留してしまう現象が生じる(以下、このような現
象を「固着」というものとする)。また、ホース材とし
て用いられるアクリルゴムにおいても、ホースが接続さ
れる金属パイプや締め付け金具などの金属部材に対して
固着が生じる、という問題がある。更に、これらの用途
に用いられるアクリルゴムは、これに接触する金属部材
を腐食させる、という問題もある。
【0004】従来において、アクリルゴムの金属に対す
る固着を防止し、アクリルゴムによる金属の腐食を抑制
するために、以下のような技術が紹介されている。 アクリルゴム材(架橋物)の表面に反応性シリコー
ン液を塗布して乾燥させることにより、アクリルゴム材
の表面にシリコーン被覆膜を形成する技術(特開平3−
17435号公報参照)。 アクリルゴム組成物中に過剰の可塑剤等の離型性配
合剤を添加し、アクリルゴム材の表面に当該離型性配合
剤をブリードさせて被覆膜を形成する技術(特開平6−
88005号公報参照)。
【0005】上記の各技術は、アクリルゴムと金属との
間に被覆膜を形成して、両者が直接接触することを避け
るものであるが、アクリルゴム本来の特性である耐熱性
や耐油性などが損なわれる傾向があり、また上記の技
術では、シリコーン液の塗布工程および乾燥工程が必須
となり、製造コストの増加を招くので好ましくない。更
に上記の技術では、加工段階においてもブリードが生
じ、このため成形加工が困難になるという問題がある。
このように、アクリルゴムにおける金属に対する固着の
問題および金属腐食の問題を解決するために十分満足で
きる技術は提供されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基いてなされたものである。本発明の第1の目
的は、金属部材に圧縮状態で接触させた場合において
も、金属部材に固着されることのない架橋組成物を得る
ことができるアクリルゴム組成物を提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、金属部材に接触させた場合
においても、当該金属部材を腐食させることのない、金
属に対して不活性な架橋組成物を得ることができるアク
リルゴム組成物を提供することにある。本発明の第3の
目的は、アクリルゴム本来の良好な加工性や特性が維持
され、製造コストを増加させることのないアクリルゴム
組成物を提供することにある。本発明の第4の目的は、
パッキン、Oリング、オイルシール、ホースなど金属部
材と接触する用途に好適に用いることができ、機器のオ
ーバーフロー時において、交換が容易な架橋組成物を得
ることができるアクリルゴム組成物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のアクリルゴム組
成物は、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはア
クリル酸アルコキシアルキルエステルよりなる単量体成
分(a)70〜100重量%、塩素原子含有単量体、エ
ポキシ基含有単量体および分子中に2個以上の不飽和二
重結合を含有する単量体より選ばれる単量体成分(b)
0〜5重量%、これらと共重合可能な単量体成分(c)
0〜30重量%よりなり、単量体成分(a)、単量体成
分(b)および単量体成分(c)の合計が100重量%
となる単量体混合物を共重合して得られるアクリルゴム
と、下記一般式(1)で表されるアルキルリン酸エステ
ル、下記一般式(2)で表されるアルキルリン酸エステ
ル塩、下記一般式(3)で表されるアルキルエーテルリ
ン酸エステルおよび下記一般式(4)で表されるアルキ
ルエーテルリン酸エステル塩からなる群より選ばれた少
なくとも1種の化合物(以下、これらを「特定のリン酸
エステル系化合物」ともいう)とが含有されていること
を特徴とする。
【0008】
【化2】
【0009】本発明のアクリルゴム組成物においては、 単量体成分(b)が塩素原子含有単量体であるこ
と、 単量体成分(b)がエポキシ基含有単量体であるこ
と、 単量体成分(b)が含まれない単量体混合物を共重
合して得られるアクリルゴムが含有されていること、 上記一般式(1)〜(2)において、R1 で示され
るアルキル基の炭素原子数が5〜20、特に12〜20
であること、 上記の一般式(2)および一般式(4)において、
Mで示される金属原子がナトリウム原子であること、 組成物に添加含有される特定のリン酸エステル系化
合物のうち、モノエステル化合物〔上記一般式(1)〜
(4)におけるnが1である化合物〕の割合が50重量
%以上、特に60重量%以上であること、 単量体成分(b)が塩素原子含有単量体および/ま
たはエポキシ基含有単量体である場合において、架橋剤
としてトリアジンチオール化合物および/またはアミン
化合物が含有されていること、 架橋剤として有機過酸化物が含有されていること、 特定のリン酸エステル系化合物の含有割合が、アク
リルゴム100重量部に対して0.05〜100重量
部、更に0.3〜50重量部、特に0.3〜20重量部
であることが好ましい。
【0010】以下、本発明のアクリルゴム組成物につい
て具体的に説明する。本発明の組成物は、アクリルゴム
を原料ゴムとする組成物である。本発明の組成物を構成
するアクリルゴムは、アクリル酸アルキルエステルおよ
び/またはアクリル酸アルコキシアルキルエステルより
なる単量体成分(a)と、塩素原子含有単量体、エポキ
シ基含有単量体、分子中に2個以上の不飽和二重結合を
含有する単量体より選ばれる単量体成分(b)と、これ
らと共重合可能な単量体成分(c)とよりなる単量体混
合物を共重合することにより調製することができる。
【0011】単量体成分(a)であるアクリル酸アルキ
ルエステルとしては、例えばメチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロ
ピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチ
ルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート
などを挙げることができる。これらのうち、エチルアク
リレート、n−ブチルアクリレートが好ましい。
【0012】単量体成分(a)であるアクリル酸アルコ
キシアルキルエステルとしては、例えばメトキシメチル
アクリレート、エトキシメチルアクリレート、2−メト
キシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレ
ート、2−ブトキシエチルアクリレート、3−メトキシ
プロピルアクリレートなどを挙げることができる。これ
らのうち、2−メトキシエチルアクリレート、2−エト
キシエチルアクリレートが好ましい。
【0013】単量体成分(b)は、得られるアクリルゴ
ムに架橋点(活性塩素、エポキシ基、不飽和二重結合)
を導入するための架橋用モノマーである。
【0014】アクリルゴムに活性塩素を導入するための
塩素原子含有単量体としては、2−クロロエチルビニル
エーテル、2−クロロエチルアクリレート、2−クロロ
エチルメタクリレート、クロロ酢酸ビニル、クロロメチ
ルスチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどを挙げる
ことができる。
【0015】アクリルゴムにエポキシ基を導入するため
のエポキシ基含有単量体としては、グリシジル(メタ)
アクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリ
シジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテルなどを
挙げることができる。
【0016】アクリルゴムに不飽和二重結合を導入する
ために用いられる、分子中に2個以上の不飽和二重結合
を含有する単量体としては、ジビニルベンゼン、ブタジ
エン、イソプレン、ピペリレン、エチリデンノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、アリルアクリレート、アリ
ルメタクリレート、ビニルアクリレート、ビニルメタク
リレートアルキレングリコールジアクリレート、トリア
リルイソシアヌレート、アリルアルコール、アルキレン
グリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコー
ルジアクリレート、ポリアルキレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタ
ジエニルエチルアクリレート、ジシクロペンタジエニル
メタクリレートなどを挙げることができる。
【0017】単量体成分(c)としては、上記の単量体
成分(a)〜(b)と共重合可能なモノマーであれば特
に限定されるものではなく、例えばアクリロニトリル、
メタクリロニトリル、酢酸ビニル、マレイン酸ジメチ
ル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイ
ン酸ジオクチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチ
ル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル、イタコン
酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチ
ル、イタコン酸ジオクチル、スチレン、α−メチルスチ
レン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、
ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメ
タクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、エチルビニルエーテル、エチレン、アクリル酸
オリゴエステル類、アクリル酸オリゴエーテル類、ビニ
ル基、メタクリル基、アクリル基およびスチリル基から
なる群より選ばれた少なくとも1つの基を含有するシラ
ンまたはシリコーン化合物のビニル系、ビニリデン系、
ビニレン系、アクリル系などの不飽和化合物を例示する
ことができる。
【0018】単量体混合物(100重量%)中における
単量体成分(a)〜(c)の含有割合としては、単量体
成分(a)が70〜100重量%、単量体成分(b)が
0〜5重量%、単量体成分(c)が0〜30重量%とさ
れる。
【0019】本発明の組成物は、上記一般式(1)〜
(4)で表される、アルキルリン酸エステル、アルキル
リン酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステルお
よびアルキルエーテルリン酸エステル塩から選ばれた少
なくとも1種のリン酸エステル系化合物(リン酸モノエ
ステルまたはリン酸ジエステル)が添加含有されている
点に特徴を有する。
【0020】上記一般式(1)〔PO(OR1 n (O
H)3-n 〕で表されるアルキルリン酸エステルのうち、
金属に対する固着防止効果・金属腐食の防止効果が特に
優れていることからモノエステル(n=1)が好まし
い。なお、モノエステルとジエステル(n=2)との混
合物であってもよいが、金属に対する固着防止効果・金
属腐食の防止効果を低下させないために、特定のリン酸
エステル系化合物中のモノエステルの含有率は50重量
%以上であること、特に60重量%以上であることが好
ましい。また、アルキル基R1 における炭素原子数は3
〜30であることが、混練り加工性およびアクリルゴム
との相溶性の観点から好ましく、更に好ましくは5〜2
0であり、特に好ましくは12〜20とされる。
【0021】上記一般式(2)〔PO(OR1 n (O
H)3-n-m (OM)m 〕で表されるアルキルリン酸エス
テル塩のうち、金属に対する固着防止効果・金属腐食の
防止効果が特に優れていることからモノエステル〔n=
1、すなわち、PO(OR1)(OH)(OM)および
/またはPO(OR1 )(OM)2 〕が好ましい。な
お、モノエステルとジエステル〔n=2、すなわち、P
O(OR1 2 (OM)〕との混合物であってもよい
が、金属に対する固着防止効果・金属腐食の防止効果を
低下させないために、モノエステルの含有率は特定のリ
ン酸エステル系化合物中50重量%以上であること、特
に60重量%以上であることが好ましい。また、アルキ
ル基R1 における炭素原子数は3〜30であることが、
混練り加工性およびアクリルゴムとの相溶性の観点から
好ましく、更に好ましくは5〜20であり、特に好まし
くは12〜20とされる。また、Mで示される金属原子
としては、周期律表の第Ia族に属する元素を挙げるこ
とができ、特に好ましくはナトリウム原子である。
【0022】上記一般式(3)〔PO(OR2 OR3
n (OH)3-n 〕で表されるアルキルエーテルリン酸エ
ステルのうち、金属に対する固着防止効果・金属腐食の
防止効果が特に優れていることからモノエステル(n=
1)が好ましい。なお、モノエステルとジエステル(n
=2)との混合物であってもよいが、金属に対する固着
防止効果・金属腐食の防止効果を低下させないために、
モノエステルの含有率は特定のリン酸エステル系化合物
中50重量%以上であること、特に60重量%以上であ
ることが好ましい。また、アルキレン基R2 の炭素原子
数は1〜3であり、アルキル基R3 の炭素原子数は3〜
30であることが、混練り加工性およびアクリルゴムと
の相溶性の観点から好ましく、更に好ましくは5〜20
であり、特に好ましくは12〜20とされる。
【0023】上記一般式(4)〔PO(OR2 OR3
n (OH)3-n-m (OM)m 〕で表されるアルキルエー
テルリン酸エステル塩のうち、金属に対する固着防止効
果・金属腐食の防止効果が特に優れていることからモノ
エステル〔n=1、すなわち、PO(OR2 OR3
(OH)(OM)および/またはPO(OR2 OR3
(OM)2 〕が好ましい。なお、モノエステルとジエス
テル〔n=2、すなわち、PO(OR2 OR3 2 (O
M)〕との混合物であってもよいが、金属に対する固着
防止効果・金属腐食の防止効果を低下させないために、
モノエステルの含有率は特定のリン酸エステル系化合物
中50重量%以上であること、特に60重量%以上であ
ることが好ましい。また、Mで示される金属原子として
は、周期律表の第Ia族に属する元素を挙げることがで
き、特に好ましくはナトリウム原子である。また、アル
キレン基R2 の炭素原子数は1〜3であり、アルキル基
3 の炭素原子数は3〜30であることが、混練り加工
性およびアクリルゴムとの相溶性の観点から好ましく、
更に好ましくは5〜20であり、特に好ましくは12〜
20とされる。
【0024】本発明の組成物における特定のリン酸エス
テル系化合物の含有割合としては、アクリルゴム100
重量部に対して0.05〜100重量部とされ、好まし
くは0.3〜50重量部、更に好ましくは0.3〜20
重量部とされる。この割合が0.05重量部未満である
場合には、このような組成物を架橋して得られる架橋組
成物と、金属部材とを接触させた場合において、当該架
橋組成物の金属部材への固着防止効果、金属部材の腐食
防止効果を十分に発揮することができない。一方、この
割合が100重量部を超える場合には、組成物の混練加
工時における作業性が劣り、添加剤の分散不良などの問
題が生じるおそれがあるので好ましくない。
【0025】本発明の組成物は架橋可能な組成物であ
り、本発明の組成物には、通常、架橋剤が含有されてい
る。斯かる架橋剤としては、組成物中における架橋点
(活性塩素、エポキシ基、不飽和二重結合)の有無、架
橋点の種類によって異なる。
【0026】塩素原子含有単量体〔単量体(b)〕に由
来する活性塩素を含有するアクリルゴムを架橋するため
の架橋剤としては、 トリアジンチオール系化合物−
ジチオカルバミン酸塩類、 トリアジンチオール系化
合物−チウラム類、 トリアジンチオール系化合物−
ジチオカルバミン酸塩類−チウラム類、 金属石鹸−
硫黄などの組合せを挙げることができる。
【0027】ここに、トリアジンチオール系化合物の具
体例としては、トリアジントリチオール、1−メチル−
3,5−メルカプトトリアジン、1−(N,N−ジメチ
ルアミノ)−3,5−メルカプトトリアジンなどが挙げ
られる。ジチオカルバミン酸塩類化合物の具体例として
は、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、
ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛などが挙げられる。
チウラム類の具体例としては、テトラメチルチウラムジ
スルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テト
ラブチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラ
ムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド
などが挙げられる。金属石鹸の具体例としては、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸
ナトリウム、オレイン酸カリウムなどが挙げられる。
【0028】アクリルゴム100重量部に対する架橋剤
の添加量としては、上記〜の架橋系において、トリ
アジンチオール系化合物0.01〜10重量部、ジチオ
カルバミン酸塩類および/またはチウラム類0.01〜
10重量部とされ、また、上記の架橋系において、金
属石鹸0.1〜20重量部、硫黄0.01〜10重量部
とされる。
【0029】エポキシ基含有単量体〔単量体(b)〕に
由来するエポキシ基を含有するアクリルゴムを架橋する
ための架橋剤の具体例としては、安息香酸アンモニウ
ム、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン
カルバメートなどのアミン化合物などを挙げることがで
き、アクリルゴム100重量部に対する当該架橋剤の添
加量は0.01〜10重量部とされる。
【0030】本発明の組成物は、有機過酸化物によって
も架橋することができる。斯かる有機過酸化物として
は、半減期が1分間となるときの温度が130〜200
℃の範囲にあることが好ましい。好ましい有機過酸化物
の具体例としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、n
−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルバレレート、t−ブ
チルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシク
ロヘキシル)プロパン、1,1−ジ−t−ブチルパーオ
キシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどを挙
げることができ、アクリルゴム100重量部に対する当
該架橋剤の添加量は0.1〜20重量部とされる。
【0031】有機過酸化物による架橋を行う場合には、
架橋助剤を併用することが好ましい。斯かる架橋助剤の
具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、メタフェ
ニレンビスマレイミドなどを挙げることができ、アクリ
ルゴム100重量部に対する当該架橋剤の添加量は0.
1〜20重量部とされる。
【0032】本発明のアクリルゴム組成物には、上述し
た特定のリン酸エステル系化合物や架橋剤が必須成分と
して含まれるが、これら以外に、各種のゴム用配合剤が
含まれていてもよい。斯かるゴム用配合剤としては、例
えば補強剤、充填剤、老化防止剤、安定剤、加硫遅延
剤、可塑剤、架橋助剤、滑剤などを挙げることができ
る。
【0033】本発明のアクリルゴム組成物を製造するた
めに、アクリルゴム、特定のリン酸エステル系化合物、
架橋剤およびゴム用配合剤を混合・混練する方法として
は、バンバリー型ミキサー、加圧ニーダー、オープンロ
ールなどを使用する従来公知の方法を採用することがで
きる。また、加硫方法としても、通常のゴム配合物に適
用されるプレス加硫、射出成形加硫、熱空気加硫、蒸気
加硫などを採用することができる。加硫温度は、通常1
50℃以上とされる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。なお、以下におい
て、「部」は「重量部」を意味するものとする。
【0035】特定のリン酸エステル系化合物としては、
以下の特定化合物A〜Eを用いた。なお、『アルキル基
(R1 )を構成する炭素原子数』および『アルキル基
(R 3 )を構成する炭素原子数』は、核磁気共鳴分析法
による測定値であり、『モノエステル(n=1)含有割
合』は赤外線分光分析法による測定値である。
【0036】 特定化合物A アルキルリン酸エステル〔PO(OR1 n (OH)3-n 〕 「フォスファノールML200」〔東邦化学工業(株)製〕 アルキル基(R1 )を構成する炭素原子数 :12 モノエステル(n=1)含有割合 :67重量% 特定化合物B アルキルエーテルリン酸エステル〔PO(OR2 OR3 n (OH)3-n 〕 「フォスファノールGF820E」〔東邦化学工業(株)製〕 アルキル基(R3 )を構成する炭素原子数 :18 モノエステル(n=1)含有割合 :60重量% 特定化合物C アルキルリン酸エステルナトリウム塩 〔PO(OR1 n (OH)3-n-m (ONa)m 〕 「SLP−N」〔日光ケミカルズ社製〕 アルキル基(R1 )を構成する炭素原子数 :12 モノエステル(n=1)含有割合 :67重量% 特定化合物D アルキルエーテルリン酸エステルナトリウム塩 〔PO(OR2 OR3 n (OH)3-n-m (ONa)m 〕 「フォスファノールGF518」〔東邦化学工業(株)製〕 アルキル基(R3 )を構成する炭素原子数 :18 モノエステル(n=1)含有割合 :48重量% 特定化合物E アルキルエーテルリン酸エステル〔PO(OR2 OR3 n (OH)3-n 〕 「フォスファノールGF810E」〔東邦化学工業(株)製〕 アルキル基(R3 )を構成する炭素原子数 :20 モノエステル(n=1)含有割合 :45重量%
【0037】<実施例1〜5>活性塩素系極超耐寒タイ
プのアクリルゴム「JSR AREX411」(日本合
成ゴム(株)製)100部と、カーボンブラック「シー
スト116」(東海カーボン(株)製)60部と、ステ
アリン酸を1部と、老化防止剤「ノクラックCD」(大
内新興化学(株)製)2部とをバンバリーミキサーで混
練り後、得られたコンパウンドをオープンロールに移し
た。このオープンロールにて、加硫剤であるトリアジン
トリチオール「ジスネットF」(三協化成製)0.8部
と、加硫促進剤BZ「ノクセラーBZ」(大内新興化学
(株)製)2.0部と、表1に示す特定のリン酸エステ
ル系化合物とを添加して混練りすることにより本発明の
組成物1〜5を製造した。
【0038】<実施例6>アクリルゴムとして、活性塩
素系超耐寒タイプのアクリルゴム「JSR AREX3
10」(日本合成ゴム(株)製)100部を用いたこと
以外は実施例1と同様にして本発明の組成物6を製造し
た。
【0039】<実施例7>アクリルゴムとして、活性塩
素系超耐寒タイプのアクリルゴム「JSR AREX3
10」(日本合成ゴム(株)製)100部を用いたこと
以外は実施例3と同様にして本発明の組成物7を製造し
た。
【0040】<比較例1>特定化合物Aを添加しなかっ
たこと以外は実施例1と同様にして比較用の組成物C1
を製造した。
【0041】<比較例2>特定化合物Aを添加しなかっ
たこと以外は実施例6と同様にして比較用の組成物C2
を製造した。
【0042】<実施例8〜10>エポキシ系超耐寒タイ
プのアクリルゴム「JSR AREX320」(日本合
成ゴム(株)製)100部と、カーボンブラック「シー
スト116」(東海カーボン(株)製)60部と、ステ
アリン酸を1部と、老化防止剤「ノクラックCD」(大
内新興化学(株)製)2部とをバンバリーミキサーで混
練り後、得られたコンパウンドをオープンロールに移し
た。このオープンロールにて、加硫剤である安息香酸ア
ンモニウム「バルノックAB」(大内新興化学(株)
製)1.5部と、表1に示す特定のリン酸エステル系化
合物とを添加して混練りすることにより本発明の組成物
8〜10を製造した。
【0043】<比較例3>特定化合物Aを添加しなかっ
たこと以外は実施例8と同様にして比較用の組成物C3
を製造した。
【0044】<比較例4>特定化合物Aに代えて、トリ
ス(ノニルフェニル)フォスファイト1.5部を添加し
たこと以外は実施例1と同様にして比較用の組成物C4
を製造した。
【0045】<比較例5>特定化合物Aに代えて、トリ
オクチルフォスフェート(TOP)10部を添加したこ
と以外は実施例1と同様にして比較用の組成物C5を製
造した。
【0046】<実施例11〜13>過酸化物架橋用超耐
寒タイプのアクリルゴム「JSR AREX290」
(日本合成ゴム(株)製)100部と、カーボンブラッ
ク「シースト116」(東海カーボン(株)製)60部
と、ステアリン酸を1部と、老化防止剤「ノクラックC
D」(大内新興化学(株)製)2部とをバンバリーミキ
サーで混練り後、得られたコンパウンドをオープンロー
ルに移した。このオープンロールにて、加硫剤である有
機過酸化物「パーカドックス14/40」(化薬アクゾ
製)2.5部と、架橋助剤「バルノックPM」(大内新
興化学(株)製)2.5部と、表2に示す特定のリン酸
エステル系化合物とを添加して混練りすることにより本
発明の組成物11〜13を製造した。
【0047】<比較例6>特定化合物Aを添加しなかっ
たこと以外は実施例11と同様にして比較用の組成物C
6を製造した。
【0048】<実施例14〜16>過酸化物架橋用標準
タイプのアクリルゴム「JSR AR102X」(日本
合成ゴム(株)製)100部と、カーボンブラック「シ
ースト116」(東海カーボン(株)製)60部と、ス
テアリン酸を1部と、老化防止剤「ノクラックCD」
(大内新興化学(株)製)2部とをバンバリーミキサー
で混練り後、得られたコンパウンドをオープンロールに
移した。このオープンロールにて、加硫剤である有機過
酸化物「パーカドックス14/40」(化薬アクゾ製)
2.5部と、架橋助剤「バルノックPM」(大内新興化
学(株)製)2.5部と、表2に示す特定のリン酸エス
テル系化合物とを添加して混練りすることにより本発明
の組成物14〜16を製造した。
【0049】<比較例7>特定化合物Aを添加しなかっ
たこと以外は実施例14と同様にして比較用の組成物C
7を製造した。
【0050】<組成物の架橋>以上のようにして得られ
た本発明の組成物1〜16および比較用の組成物C1〜
C7の各々について、170℃で20分間のプレス加硫
を行い、更に後加硫として175℃のオーブン内に4時
間放置することにより、JIS K6301の圧縮永久
ひずみ試験用試験片と同一形状の架橋された成形物を得
た。
【0051】<実験例>上記のようにして得られた成形
物を、2枚のJIS鋳鉄板(FC200)によって挟
み、圧縮永久ひずみ試験用の圧縮装置で25%圧縮し、
この状態で圧力容器内のエンジンオイル中に浸漬し、圧
力容器を密封後、140℃の条件下で放置した。100
時間経過後、試験片を取り出し、金属板に付着している
成形物(ゴム)を剥がし、そのときに要した荷重を測定
するとともに、剥離後の金属表面におけるゴムの残留の
有無、金属表面の腐食状態を観察した。結果を表1〜2
に併せて示す。なお、組成物1および組成物C4〜C5
により得られた成形物については、表3に示す浸漬条件
(温度・時間)によって浸漬し、測定および観察を行っ
た。結果を表3に併せて示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明のアクリルゴム組成物によれば、
アクリルゴム本来の良好な特性を有し、しかも、金属に
対して不活性な架橋組成物を得ることができる。これに
より、当該架橋組成物を金属部材に接触させた場合にお
いても、当該架橋組成物が金属部材に固着されることが
なく、また、当該架橋組成物によって金属部材が腐食す
ることはない。従って、本発明のアクリルゴム組成物に
よれば、ガスケット、パッキン、Oリング、オイルシー
ル、ホース、ダイヤフラムなど、金属部材と接触する用
途に好適に用いることができ、機器のオーバーフロー時
において、交換が容易な架橋組成物を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 洋二 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸アルキルエステルおよび/ま
    たはアクリル酸アルコキシアルキルエステルよりなる単
    量体成分(a)70〜100重量%、塩素原子含有単量
    体、エポキシ基含有単量体および分子中に2個以上の不
    飽和二重結合を含有する単量体より選ばれる単量体成分
    (b)0〜5重量%、これらと共重合可能な単量体成分
    (c)0〜30重量%よりなり、単量体成分(a)、単
    量体成分(b)および単量体成分(c)の合計が100
    重量%となる単量体混合物を共重合して得られるアクリ
    ルゴムと、 下記一般式(1)で表されるアルキルリン酸エステル、
    下記一般式(2)で表されるアルキルリン酸エステル
    塩、下記一般式(3)で表されるアルキルエーテルリン
    酸エステルおよび下記一般式(4)で表されるアルキル
    エーテルリン酸エステル塩からなる群より選ばれた少な
    くとも1種の化合物とが含有されていることを特徴とす
    るアクリルゴム組成物。 【化1】
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