JPH08231330A - 重合性歯科材料 - Google Patents
重合性歯科材料Info
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- JPH08231330A JPH08231330A JP7327130A JP32713095A JPH08231330A JP H08231330 A JPH08231330 A JP H08231330A JP 7327130 A JP7327130 A JP 7327130A JP 32713095 A JP32713095 A JP 32713095A JP H08231330 A JPH08231330 A JP H08231330A
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Abstract
をもつ歯科修復材を与える歯科材料の提供。 【解決手段】 従来技術の歯科材料のレオロジ−的、並
びに光学的及び機械的達成目標の矛盾を解決する歯科材
料を提供するために、充填材として層状構造をもち大気
孔多孔性結晶性の珪酸を使用することにより従来の歯科
材料のように珪酸を多量充填することなく、柔らかいペ
−スト状で歯科修復材として歯牙処理中に安定性がよい
歯科材料を提供する。
Description
テルモノマ−もしくはアクリル酸エステルモノマ−[以
下、単に(メタ)アクリル酸エステルモノマ−と略記す
る]と、微粉末状の無機質充填材と重合触媒とを含む重
合性歯科材料に関する。
填材、歯冠、ブリツジ、外装材、インレ−、オンレ−及
び義歯ならびに固定用セメントの製造に特に適する。
料は何年も前から既知である。最初のこれらの材料は触
媒あるいは触媒と促進剤との系を添加すると口中の支配
的条件下で分単位の短時間内で硬化するメチルメタクリ
レ−トモノマ−とメチルメタクリレ−トポリマ−との混
合物であつた。
は珪酸アルミニウムのような微粉状充填材の添加により
改善されたが、変色を起こさない新規な触媒系の開発お
よびメチルメタクリレ−トに加えて、あるいは代わり
に、高級アルコ−ルメタクリル酸エステルの使用による
硬化収縮の減少により美的効果の改善が達成された。
エル・ボ−エン(Rafael L. Bowen)により開発され、米
国特許第 3 066 112号明細書に記載されている。 この歯
科材料は基本的には結合剤モノマ−としてビスフェノ−
ルとグリシジルアクリレ−トもしくはグリシジルメタク
リレ−トとの反応により造られたジメタクリレ−トもし
くはジアクリレ−ト[ジメタクリレ−トもしくはジアク
リレ−トを(メタ)アクリレ−トと略記する]と、無機
質充填材として微粉状の二酸化珪素、好適にはシラン処
理された二酸化珪素とを含む。ボ−エンにより知見され
たビス−[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイル
オキシプロポキシ)−フェニル]ジメチルメタン(これ
はまた Bis−GMA もしくはボ−エン・モノマ−と呼ばれ
る)は現在では大抵の市販歯科材料に含まれている。
て微粉状の無機質充填材を含む歯科材料−の他の例は米
国特許第 3 539 553号明細書に記載されている。この場
合には重合性結合剤は Bis−GMA、ビスフェノ−ルAジ
メタクリレ−ト、希釈用モノマ−特にトリエチレングリ
コ−ルジメタクリレ−トおよび必要に応じ少量のメタク
リル酸からなる混合物であり、この重合性結合剤は約6
5〜75重量%の例えば二酸化珪素、ガラス、酸化アル
ミニウムまたは石英からなる無機質充填材と共に使用さ
れる。この無機質充填材は約2〜85ミクロンの粒子寸
法であることができる。合成物質と充填材との結合を改
善するために充填材はシラン例えば3−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシランで予じめ処理され
る。
トもしくはアクリレ−トに加えて無機質充填材として約
0.01〜0.4ミクロンの粒子寸法をもつ微細な(高分
散性)二酸化珪素を含む歯科用材料(空洞充填材、固定
セメント用材料、封鎖用及び保護膜用素地、歯冠用及び
ブリツジ用材料、補綴用材料、義歯製造用素地)は既知
である。この材料では重合性モノマ−は Bis−GMA また
はビスフェノ−ルAの他の誘導体、またはヒドロキシア
ルキルメタクリレ−トとジイソシアネ−トとを、必要に
応じ、これらと共に短鎖メタクリレ−トモノマ−又は短
鎖ジアクリレ−トモノマ又はそれらの混合モノマ−を反
応させてなる反応生成物からなる。この微細な充填材を
含む材料から製造された歯科充填材等はその高光沢平滑
研磨性により、また自然の歯に似た透明性により優れて
いる。
に加工できる歯科材料ではメタクリル酸エステルに加え
て無機質充填材として沈殿または火炎中加水分解により
製造した、最大粒子寸法が0.07ミクロンの無定形珪酸
が、必要に応じて5ミクロン以下の粒子寸法の微粉状ガ
ラスと混合されて、使用されることは既知である。メタ
クリル酸エステルとしてはBis−GMA、2,2−ビス−
[p−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−プロ
パンジメタクリレ−トおよびトリエチレングリコ−ルジ
メタクリレ−トが挙げられる。
含有する慣用の歯科材料(これはハイブリツド複合材と
呼ぶ)は例えば国際特許出願WO 81/02254に
記載されている。この歯科材料は0.01〜0.04ミク
ロンの直径の疎水性二酸化珪素と2〜30ミクロンの直
径をもつガラス、例えばX線不透明性バリウム−または
ストロンチウム−含有ガラスからなる充填材混合物を含
む。重合性モノマ−としては Bis−GMA もしくはエトキ
シ化ビスフェノ−ルA−ジメタクリレ−トとトリエチレ
ングリコ−ルジメタクリレ−トとを使用する。この歯科
材料は歯科充填材として、及び例えば鋳造金冠の外装に
使用される。
材は、珪酸ゾルの超音波噴霧化により得られる球状珪酸
粒子をポリマ−生成に適した混合物中に導入することに
より製造される。0.1〜4ミクロンの直径をもち、必
要に応じシラン接着剤で変成した珪酸粒子を他の無機質
充填材と組合わせて使用できる。この複合材は特に歯冠
材及びブリツジ材として、またアマルガムの代わりの常
温硬化用歯科充填材として適する。この複合材の特異的
性質は下記の通りである:70%以上の充填材濃度でも
加工性が良好で容易に成型できる歯科材料である;不定
形の珪酸に比して球状の珪酸の添加によりチキソトロピ
−効果が小さい;2mm以上の層厚でも放射線に暴露す
ることにより完全に非粘着性に硬化する;材料の上側と
下側とが同じ大きさのミクロ硬さ値をもつ;高光沢性の
平滑な表面ができる。
0.01〜0.4ミクロンの粒子寸法の高分散性二酸化珪
素10〜90重量%含有合成材料からなる耐摩耗性高光
沢平滑性の外装を備えた合成材料義歯部材に関する。こ
の外装は高曲げ強さと高曲げ弾性率をもつ芯材を被覆
し、該芯材は0.7〜5ミクロンの平均粒子寸法の二酸
化珪素、リチウムアルミニウムシリケ−ト−ガラス及び
/又はストロンチウムアルミニウムシリケ−トガラスま
たは0.7〜10ミクロンの平均粒子寸法のバリウムア
ルミニウムシリケ−ト−ガラス60〜100重量%と、
0.01〜0.4ミクロンの平均粒子寸法の高分散二酸化
珪素0〜40重量%とからなる無機質充填材混合物30
〜90重量%を含む。この芯材と外装との合成材料は好
適にはBis−GMA、エトキシル化ビスフェノ−ルA−
ジアクリレ−トもしくは−ジメタクリレ−ト、トリエチ
レングリコ−ルジメタクリレ−ト、ドデカンジオ−ルジ
メタクリレ−ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト
と2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−
トとからなるジウレタンジメタクリレ−ト、ビス−(ア
クリロイルオキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.0
2.6]デカン及び/又はビス−(メタクリロイルオキシ
メチル)−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカンからな
るポリマ−である。この合成義歯部材は歯冠、ブリツ
ジ、インレ−等の供給に適する。
化用及び/又は光硬化用触媒に加えて、(A)二酸化珪
素からなる不定形球形粒子と1.50〜1.58の屈折率
と0.1〜1.0ミクロンの平均一次粒子寸法とをもつ周
期表I族、II族、III族およびIV族の少なくとも1種の
元素の酸化物20モル%までとの混合物と、(B)屈折
率1.50〜1.58をもち0.5〜5.0ミクロンの平均
一次粒子寸法の石英−、ガラスセラミツク−もしくはガ
ラス−粉末またはそれらの混合物との混合物とからなる
無機質充填材20〜90重量%と、必要に応じ不透明度
を高め粘度を調節するために、別の充填材を少量含むエ
チレン性不飽和モノマ−系重合性歯科材料に関し、この
歯科材料から造られた完成品は良好な透明性と重合性と
に優れる。
モノマ−とα−ジケトン/アミン系光重合触媒に加え
て、0.5〜1.5ミクロンの平均粒子寸法の珪酸バリウ
ムアルニウムガラス80〜90重量%と0.04〜0.0
6ミクロンの平均粒子寸法の二酸化珪素10〜20重量
%とからなる充填材混合物は既知である。この歯科材料
からX線不透明性、耐摩耗性で高光沢平滑性の歯科充填
材およびインレ−が容易に造られる。
冠、ブリツジ、また、いわゆる接着性ブリツジすなわち
粘着性ブリツジ[マリ−ランドブリツジ(Maryland−Br
uecken)]、外装殻等を歯牙本体と結合するために使用
される。例えば酸化亜鉛−リン酸亜鉛セメントのように
水硬プロセスの結合固まるセメントの外に重合により硬
化するセメントもまた使用量が増大している。重合性固
定用セメントはモノマ−トして通常アクリル酸エステル
もしくはメタクリル酸エステル、大抵微粉状無機質充填
材および重合開始触媒を含有する。
付ける接着剤は既知であり、この接着剤は結合剤樹脂、希
釈用モノマ−、少なくとも20重量%の量の無機質充填
材および可視光線を照射することにより重合を誘発する
光開始剤を含む。光開始剤としては例えばカンファ−キ
ノン、ベンジル、ビアセチル、9,10−フェナントレ
ンキノンおよびナフトキノンから選ばれたα−ジケトン
と、アミン特にジアルカノ−ルアミンまたはトリアルカ
ノ−ルアミンとの混合物が使用される。充填材としては
無機質ガラス、例えばバリウムアルミニウムシリケ−ト
ガラスおよびリチウムアルミニウムシリケ−トガラスが
好ましい。
剤がメタクリル酸エステルと0.04ミクロンまでの粒
子寸法のシラン処理ずみ二酸化珪素からなる無機質充填
材との外に、化学的常温重合触媒[自重合触媒(オ−ト
ポリメリゼ−シヨン)]も光重合触媒も含んでいる場合
に、接着性ブリツジの堅くて緻密で亀裂のない金属面と
歯牙エナメル質とが結合される。
4号(1989年)から低粘度の微粒子で充填された複
合セメントが既知であり、このセメントは2段階光重合
により硬化され、まず第1に黄色に呈色し最終硬化によ
り始めて確定的色調を呈する。このセメントはカンファ
−キノンを高割合量で含む2種の、最大吸収波長が可視
光の種々の波長に存する、光重合用開始剤系を含み、初
期硬化は470ナノメ−タ(nm)より大きい波長の光
りで行われ、最終硬化はほぼ470ナノメ−タの波長の
光りで行われる。歯牙の色調とは異なる最初のセメント
の呈色と、初期硬化後のマルチパンに似た硬さとにより
セメントは良く加工でき、余剰のセメントは迅速且つ安
全に歯牙本体を傷つけることなく除去できる。
とができる同様の固定用セメントはDE 41 10 611 A1 か
ら既知である。
材、歯冠、ブリツジ、外装、インレ−、オンレ−及び義
歯のような歯科修復材の製造用並びに歯科修復材及び自
然歯牙上への歯列矯正装置の固定用及び歯牙セラミツク
部品の修復に適した、(メタ)アクリル酸エステルモノ
マ−と微粉状無機質充填材とを含むペ−スト状重合性歯
科材料を見出すにある。本発明の歯科材料はペ−スト形
態の塊りとして柔らかく成型でき、しかも該塊りは成型
により歯科修復材の調製に際して該塊りに所与の形を持
続させる能力をもつ。この後者の性質は以下に安定性と
称する。従来の歯科材料に手を加えて加工するか歯科材
料から歯科修復材に加工する際し従来の歯科材料に安定
性が欠如していることは歯科修復材の歯科技術的調製に
際して重大な問題である。歯科材料から歯科技術的成形
及びと重合とにより造られた歯科修復材は高光沢平滑性
で、それらの摩耗と光学的及び機械的性質とは自然の歯
牙にほぼ等しいものでなければならない。
明による歯科材料は無機質充填材が、層状構造をもち微
粉状の結晶性珪酸5〜100重量%と極微細ガラス0〜
95重量%とからなることを特徴とする。この歯科材料
は該無機質充填材を20〜80重量%、好適には40〜
75重量%含有する。
な実施態様は全部が層状構造をもち且つ微粉状結晶性の
珪酸からなる充填材を40〜55重量%含むか、或いは
層状構造をもち且つ微粉状結晶性の珪酸を5〜50重量
%、好適には10〜30重量%と極微細ガラスを50〜
95重量%、好適には70〜90重量%とからなる充填
材を60〜75重量%含み、前者(全部が珪酸からなる
充填材)の実施態様は歯科材料を固定用セメントとして
使用する時に好適である。
法分布と約4ミクロンの平均粒子寸法とをもつ珪酸と、
0.1〜5ミクロンの粒子寸法分布と約0.7ミクロンの
平均粒子寸法とをもつガラスとを含む歯科材料が好適で
ある。層状構造をもつ珪酸としてはで例えば DE 34 00
130 A1 に記載のような層状構造をもつ合成珪酸が使用
される。珪酸及びガラスの粒子寸法はX線散乱光−遠心
分離法(Roentgen−Streulicht−Zentrifuge)により決
定した。珪酸とガラスとは共にシラン処理された形態、
例えば3−メタクリロイルオキシプロピル−トリメトキ
シシランで処理したものを使用するのが好適である。
折率をもち、また(メタ)アクリル酸エステル成分がそ
れに対応して選択された時に特に好結果をもたらすこと
が判明した。
−トガラスからなり、(メタ)アクリル酸エステル成分
が1.49〜1.50の屈折率と23℃で1500〜40
00ミリパスカル(mPa)の粘度とをもつモノマ−混
合物であることが好適である。
適なモノマ−混合物は下記のそれ自体既知のジ−または
ポリ−(メタ)アクリレ−トモノマ−から選択される:
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト
と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トとから造
られたジウレタンジ(メタ)アクリレ−ト、ビス−(ジ
イソシアネ−トメチル)−トリシクロデカンと2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレ−トとから造られたジウ
レタンジ(メタ)アクリレ−ト、デカンジオ−ルジ(メ
タ)アクリレ−ト、ドデカンジオ−ルジ(メタ)アクリ
レ−ト、トリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−
ト、ビス−[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイ
ルオキシプロポキシ)−フェニル]−ジメチルメタン ビス−[4−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキ
シプロポキシ)−フェニル]−ジメチルメタン トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロ−
ルプロパン、テトラ(メタ)アクリロイルオキシエトキ
シペンタエリスリト−ル、テトラ(メタ)アクリロイル
オキシイソプロポキシペンタエリスリト−ル及びヘキサ
(メタ)アクリロイルオキシエトキシジペンタエリスリ
ト−ル。
レ−トモノマ−からなる(メタ)アクリル酸エステル割
合が歯科修復材の耐摩耗性と機械的性質に有利に働くこ
とが判明した。30〜60重量%のポリ(メタ)アクリ
レ−トモノマ−からなるポリ(メタ)アクリル酸エステ
ル割合が好適である。
重合により、または光重合によつても硬化できる。
ンゾイル(ジベンゾイルペルオキシド)のような有機過
酸化物であり、常温重合用の好適な触媒は例えばレドツ
クス系触媒、好適には有機過酸化物とアミンとからなる
レドツクス系、及び光重合用の好適な触媒はGB1 408
265 B1 に記載のケトン/アミン系、 例えばカンファ−
キノン/アミンである。
その場合、歯科材料はケトン/アミン系触媒を0.1〜
0.5重量%、好適には0.1〜0.3重量%含有し、ア
ミンとしてはN,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N
−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジンお
よび4−ジメチルアミノ安息香酸のエステル、例えばエ
チルエステルおよびブトキシエチルエステルが特に有効
である。歯科材料には更に光活性化成分としてベンジル
アセタ−ルを好適には0.02〜0.1重量%の量で添加
することが好ましい。
ペ−スト形態の貯蔵性1成分材料として歯科材料の処方
が有効であることが判明した。常温重合をも付加して硬
化させる歯科材料は好適にはペ−スト状の2成分物質と
して存在し、その場合、1成分材料の処方に相当する一
方のペ−ストに(メタ)アクリル酸エステルと無機質充
填材とに加えて常温重合用触媒である過酸化物をも含む
他方のペ−ストを組み合わせるのが合目的的である。
に着色顔料、酸化防止剤、安定剤および他の慣用の添加
剤もが含まれる。
得るために、また球体最密充填の原理により可能な限り
充填材高含有量を達成するために、高温火成性の珪酸と
沈殿による珪酸とが微粉のために使用された。安定性を
得るためには歯科材料の柔軟な状態と乾燥状態の中間の
充填材含有量が得られるようにしなければならない。そ
の場合、従来の歯科材料は充填材が極めてぎつしりと充
填されていて、その歯科材料から得られた硬化した生成
物は、充填材粒子の周りのモノマ−のフイルムが極めて
薄く含有されているのに違いないから、硬くて脆いもの
となる。このようにして柔らかいペ−ストを調製しよう
とすると、微粒状のほぼ球形の珪酸粒子もそれ自体球体
として挙動する極微細に摩砕したガラス粒子も互いにす
れ違いに滑動して、歯科技術的成型に際して該成型によ
り造られた構造物及び形状に望ましくない流出物を生ず
る。
ミクロンの粒子寸法分布(微粒状高温火成珪酸もしくは
沈殿法により形成した珪酸の粒子寸法分布は0.01〜
0.4ミクロン)をもつ結晶性珪酸の使用により、その
大気孔多孔性層構造と薄片状表面形態とにより従来の歯
科材料のレオロジ−的並びに光学的及び機械的目標の矛
盾が解決された。本発明によるペ−スト形態の歯科材料
はその柔軟さないし柔軟−可塑性で非粘着性の固さを特
徴とし、また長い成型加工に際してその安定性を持ち続
ける。本発明の歯科材料は一様に配分でき、乾燥するこ
となく、また裂けることなく非常に薄く伸ばすこともで
き、良好に成形でき、剪断する機械的応力がなくなると
すぐに以前の安定性を示す。本発明の歯科材料から成形
され未だ重合により硬化してない成形品はその状態を保
持し最も細かい細部さえも流れ出すことはない。歯科修
復材及び歯列矯正装置を処理すべき歯牙に固定するセメ
ントとして該セメントは結合すべき互いの表面間の隙間
に容易に且つ一様に分散される。隙間からはみ出した過
剰のセメントは流れ落ちることはなく、流れ出したその
場所に剪断応力が無くなつた後もそのまま止まり、容易
に除去される。
の歯科材料よりも少なく保たれるから、従来の歯科材料
よりも多量の結合用ポリマ−が充填材粒子をより良好に
結合し、それにより本発明の歯科材料は可撓性で強靭と
なる。同時に、珪酸の大気孔多孔性の層状構造はモノマ
−あるいはポリマ−により珪酸を含浸させ、その結果均
質(層状構造をもたない)の1−40ミクロン寸法の充
填材粒子と異なつて高光沢性平滑性は損なわれない。こ
のことは本発明の歯科材料が一時的だけなく永続的に安
定性であるために必要とする充填材量がより少なく、柔
らかく成形できることを意味し、また本発明の歯科材料
から造られた歯科修復材は強靭な機械的性質(適度に高
い曲げ弾性率と同時に高曲強さ)をもち、珪酸の粗大性
にも拘わらず高光沢平滑性である。歯科修復材の強靭な
機械的性質により天然の歯のエナメル質の強靭な機械的
性質と同等で、接触摩擦に対する高耐摩耗性が得られ
る。ポリマ−の割合が高いために、またポリ(メタ)ア
クリレ−トモノマ−により生ずる高網目結合のために、
充填材粒子は歯科修復材の磨損にさらされる表面に明ら
かに長く残留する。接触摩擦に際し、細かく、硬くて非
弾性的ガラス粒子はより大きい寸法の、ポリマ−で含浸
された弾性をもち層状構造をもつ珪酸粒子で保護され
る。
れた硬化した歯科修復材は強靭な機械的性質ですぐれて
いる。特に、その衝撃強さ、曲げ強さ及び曲げ弾性率を
考えると本発明の歯科修復材は天然の歯牙に近似する。
その上、歯のエナメル質の耐摩耗強さに相当する耐摩耗
強さが達成される。歯科修復材は高光沢平滑性である。
顔料を含まないで得られた歯科材料の透明性は1mmの
層厚で約70%以上(歯のエナメル質の透明性は1mm
厚で70〜80%)であるから、天然の歯の透明さに似
た透明性に本発明の歯科材料の透明性を合わせることが
できる。本発明の歯科材料は美的な印象を与える外観と
非常に快適なかみ心地と与え、耐久性で負荷に耐え得
る。
冠、ブリツジ、外装材、インレ−、オンレ−及び義歯の
製作に適し、固定用セメントとしても適する。前記歯科
材料はまた損傷した歯のエナメル質部分の修復にも使用
され、工業的セラミツクの修復にも使用することもでき
る。
単に「例」という)を掲げて本発明による歯科材料に適
したモノマ−混合物に対する詳細な説明(例1〜7)
を、歯科材料の実施態様の例(例8〜15)を、また該
材料から造られた供試サンプルの製造例を記載する。供
試サンプルの性質を決定し、それらの性質を既知の複合
型(微粉ハイブリド)の重合性歯科材料の性質及び完全
セラミツク(ガラス−及び長石ベ−ス)の性質と比較し
た。本発明による実施形態では無機質充填材として層状
構造をもつ微粉状結晶性珪酸(比表面積50〜60m2/
g、屈折率1.43)と極微細に摩砕したバリウムアル
ミニウムボロシリケ−トガラス(SiO255重量%、
BaO25重量%、Al2O310重量%、B2O310重
量%からなり、1.53の屈折率をもつ)とを使用し
た。
た。表2にそれら混合物の屈折率と粘度(23℃)とを
記載する。
の歯科材料の供試サンプルを所与の金属でできた解放中
空成形型中で180秒または360秒間に亙り光重合装
置中で光照射した。使用した光重合装置は例えば光重合
性歯冠およびブリツジ材の光硬化用として既知であるド
イツ国、ヘレウス・クルツア−有限会社(Firma Heraeu
s Kulzer GmbH)のデンタコロアXS(Dentacolor X
S)である。こうして得られた供試サンプルを透明性、
耐摩耗性、衝撃強さ、曲げ強さ及び曲げ弾性率の決定に
使用した。
び曲げ弾性率の決定 透明性の決定には国際標準化機構(ISO)の規定10
477に従い20×1mm寸法の供試サンプルと比色装
置とを使用し、黒色のバツクグラウンドと白色のバツク
グラウンド上で測定した。これらの値の差を透明性の尺
度として使用した。
d.)第100巻(1990)、953〜960頁に記載
の咀嚼シミュレ−タ(Kausimulator)で決定した。摩耗
の測定には直径10mmで厚さ2mmの供試サンプルを
180秒間照射し炭化珪素エメリ−紙で研磨して造り、
セラミツクの円柱体を歯牙対向ダイとして使用した。
453の規定により15×10×3mm寸法の供試サ
ンプルについて、曲げ強さと曲げ弾性率とはISO 1
0477の規定に従い25×2×2mm寸法の供試サン
プルの3点曲げ試験で確認した。
び曲げ弾性率の得られた値と、それらと比較するための
既知の歯科材料(微粉ハイブリツド、完全セラミツク)
の対応する値とを歯のエナメル質部と象牙質部に対する
既知の若干の値と共に表3に記載する。
使用することにより、従来の歯科充填材料よりも少量の
珪酸の充填により柔らかいペ−スト状の塊りに形成で
き、しかも歯科修復材の調製に際して所与の形を保持す
る能力(すなわち安定性)をもち、強靭な機械的性質と
高光沢平滑性で天然の歯に似た透明性の歯科修復材を提
供できる歯科材料を提供することができる。
Claims (15)
- 【請求項1】 メタクリル酸エステルモノマ−もしくは
アクリル酸エステルモノマ−、微粉状無機質充填材及び
重合触媒を含有する重合性歯科材料において、該無機質
充填材が5〜100重量%の層状構造をもつ微粉状結晶
性珪酸及び0〜95重量%の極微粉ガラスからなること
を特徴とする、重合性歯科材料。 - 【請求項2】 重合性歯科材料が20〜80重量%の無
機質充填材を含む請求項1に記載の重合性歯科材料。 - 【請求項3】 重合性歯科材料が40〜75重量%の無
機質充填材を含む請求項1または2に記載の重合性歯科
材料。 - 【請求項4】 無機質充填材が40〜55重量%まで重
合性歯科材料に含まれ、且つその全部が層状構造をもつ
微粉状結晶性珪酸からなる、請求項1ないし3のいずれ
か1項に記載の重合性歯科材料。 - 【請求項5】 無機質充填材60〜75重量まで重合性
歯科材料に%含まれ、且つ5〜50重量%の層状構造を
もつ微粉状結晶性珪酸と50〜95重量%の極微粉ガラ
スとの混合物からなる請求項1ないし3のいずれか1項
に記載の重合性歯科材料。 - 【請求項6】 混合物が10〜30重量%の層状構造を
もつ微粉状結晶性珪酸と70〜90重量%の極微粉ガラ
スからなる請求項5に記載の重合性歯科材料。 - 【請求項7】 層状構造をもつ微粉状結晶性珪酸が1〜
40ミクロンの粒子寸法分布と約4ミクロンの平均粒子
寸法とをもつ請求項1ないし6のいずれか1項に記載の
重合性歯科材料。 - 【請求項8】 ガラスが0.1〜5ミクロンの粒子寸法
分布と約0.7ミクロンの平均粒子寸法をもつ請求項
1、2、3、5、6または7に記載の重合性歯科材料。 - 【請求項9】 ガラスが1.46〜1.53の屈折率をも
つ請求項1、2、3、5、6、7または8に記載の重合
性歯科材料。 - 【請求項10】 ガラスがバリウムアルミニウムボロシ
リケ−トガラスである請求項1、2、3、5、6、7、
8または9に記載の重合性歯科材料。 - 【請求項11】 微粉状珪酸及び極微粉ガラスがシラン
処理されてなる請求項1ないし10のいずれか1項に記
載の重合性歯科材料。 - 【請求項12】 重合性歯科材料がメタクリル酸エステ
ルモノマ−もしくはアクリル酸エステルモノマ−とし
て、 2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト
と2−ヒドロキシエチルメタクリレ−トもしくは2−ヒ
ドロキシエチルアクリレ−トとからなるジウレタンジメ
タクリレ−トもしくはジウレタンジアクリレ−ト;ビス
−(ジイソシァネ−トメチル)−トリシクロデカンと2
−ヒドロキシエチルメタクリレ−トもしくは2−ヒドロ
キシエチルアクリレ−トとかなるジウレタンジメタクリ
レ−トもしくはジウレタンジアクリレ−ト;デカンジオ
−ルジメタクリレ−トもしくはデカンジオ−ルジアクリ
レ−ト;ドデカンジオ−ルジメタクリレ−トもしくはド
デカンジオ−ルジアクリレ−ト;トリエチレングリコ−
ルジメタクリレ−トもしくはトリエチレングリコ−ルジ
アクリレ−ト;ビス−[4−(2−ヒドロキシ−3−メタ
クリロイルオキシプロポキシ)−フェニル]−ジメチルメ
タンもしくはビス−[4−(2−ヒドロキシ−3−アク
リロイルオキシプロポキシ)−フェニル]ジメチルメタ
ンからなる群から選ばれた少なくとも1種のジメタクリ
レ−トモノマ−もしくはジアクリレ−トモノマ−と、 トリメタクリロイルオキシエトキシトリメチロ−ルプロ
パンもしくはトリアクリロイルオキシエトキシトリメチ
ロ−ルプロパン;テトラメタクリロイルオキシエトキシ
ペンタエリスリト−ルもしくはテトラアクリロイルオキ
シエトキシペンタエリスリト−ル;テトラメタクリロイ
ルオキシイソプロポキシペンタエリスリト−ルもしくは
テトラアクリロイルオキシイソプロポキシペンタエリス
リト−ル;及びヘキサメタクリロイルオキシエトキシジ
ペンタエリスリト−ルもしくはヘキサアクリロイルオキ
シエトキシジペンタエリスリト−ルからなる群から選ば
れた少なくとも1種のポリメタクリレ−トモノマ−もし
くはポリアクリレ−トモノマ−とを含む請求項1ないし
11のいずれか1項に記載の重合性歯科材料。 - 【請求項13】 メタクリル酸エステルモノマ−もしく
はアクリル酸エステルモノマ−の内5〜60重量%がポ
リメタクリル酸エステルモノマ−もしくはポリアクリル
酸エステルモノマ−からなる請求項12に記載の重合性
歯科材料。 - 【請求項14】 メタクリル酸エステルモノマ−もしく
はアクリル酸エステルモノマ−の内30〜60重量%が
ポリメタクリル酸エステルモノマ−もしくはポリアクリ
ル酸エステルモノマ−からなる請求項13に記載の重合
性歯科材料。 - 【請求項15】 請求項1ないし14に記載の歯科材料
を、歯の充填材、歯冠、ブリツジ、外装、インレ−、オ
ンレ−及び義歯のそれぞれ製造、固定用セメントとし
て、歯科セラミツク部品の修復用として、その他の補
綴,保存及び予防処理用材料としての使用法。
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