JPH08217549A - セラミックスラリー組成物 - Google Patents
セラミックスラリー組成物Info
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- JPH08217549A JPH08217549A JP7021802A JP2180295A JPH08217549A JP H08217549 A JPH08217549 A JP H08217549A JP 7021802 A JP7021802 A JP 7021802A JP 2180295 A JP2180295 A JP 2180295A JP H08217549 A JPH08217549 A JP H08217549A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】可撓性を有し、かつ、水への溶解性が高く熱分
解性に優れたバインダを含むセラミックスラリー組成物
を提供する。 【構成】セラミック原料粉末と、アクリル酸エステルを
主成分とするモノマーから共重合させた水溶性の重合体
またはその塩と、水溶性のアルキレングリコールと、水
とからなる。そして、水溶性の重合体またはその塩は、
第1成分であるカルボン酸基含有不飽和モノマーと、第
2成分であるアルキル基中にポリアルキレンオキサイド
基を少なくとも1個有する、メタクリル酸アルキルエス
テルもしくはアクリル酸アルキルエステルと、第3成分
であるアルキル基中に水酸基を少なくとも1個有する、
メタクリル酸アルキルエステルもしくはアクリル酸アル
キルエステルと、第4成分である疎水性のアクリル酸エ
ステルとの共重合体またはその塩である。
解性に優れたバインダを含むセラミックスラリー組成物
を提供する。 【構成】セラミック原料粉末と、アクリル酸エステルを
主成分とするモノマーから共重合させた水溶性の重合体
またはその塩と、水溶性のアルキレングリコールと、水
とからなる。そして、水溶性の重合体またはその塩は、
第1成分であるカルボン酸基含有不飽和モノマーと、第
2成分であるアルキル基中にポリアルキレンオキサイド
基を少なくとも1個有する、メタクリル酸アルキルエス
テルもしくはアクリル酸アルキルエステルと、第3成分
であるアルキル基中に水酸基を少なくとも1個有する、
メタクリル酸アルキルエステルもしくはアクリル酸アル
キルエステルと、第4成分である疎水性のアクリル酸エ
ステルとの共重合体またはその塩である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックグリーンシ
ートを作製する際に用いられるセラミックスラリー組成
物にかかり、詳しくは、セラミック原料粉末をスラリー
化するために使用されるバインダ水溶液に関する。
ートを作製する際に用いられるセラミックスラリー組成
物にかかり、詳しくは、セラミック原料粉末をスラリー
化するために使用されるバインダ水溶液に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、積層セラミックコンデンサなどの
電子部品に対しては、小型・軽量・高密度化が強く求め
られている。このような要求に対応して、セラミック積
層体の製造においては、1層当りのセラミックグリーン
シート(以下、グリーンシートと称す)の厚みを薄くし
たり、さらなる多層化を押し進めたりすることが行なわ
れている。そのため、グリーンシートとしては、薄層化
してもポアなどが発生しない高品質のものが必要とされ
ている。
電子部品に対しては、小型・軽量・高密度化が強く求め
られている。このような要求に対応して、セラミック積
層体の製造においては、1層当りのセラミックグリーン
シート(以下、グリーンシートと称す)の厚みを薄くし
たり、さらなる多層化を押し進めたりすることが行なわ
れている。そのため、グリーンシートとしては、薄層化
してもポアなどが発生しない高品質のものが必要とされ
ている。
【0003】従来、グリーンシートの製造には、一般
に、ポリビニルブチラールなどのバインダをアルコー
ル、芳香族系溶剤などの有機溶剤に溶解し、これをセラ
ミック原料粉末と混合してスラリー状とした後、ドクタ
ーブレード法などにより一定厚みのグリーンシートとす
る方法が行なわれていた。
に、ポリビニルブチラールなどのバインダをアルコー
ル、芳香族系溶剤などの有機溶剤に溶解し、これをセラ
ミック原料粉末と混合してスラリー状とした後、ドクタ
ーブレード法などにより一定厚みのグリーンシートとす
る方法が行なわれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなスラリーの溶剤成分として、アルコールや芳香族系
溶剤などの各種有機溶剤を用いる方法は、これら溶剤に
よる火災の防止などの安全衛生対策を必要とし、このた
めグリーンシートの製造コストがアップするという問題
点を有していた。
うなスラリーの溶剤成分として、アルコールや芳香族系
溶剤などの各種有機溶剤を用いる方法は、これら溶剤に
よる火災の防止などの安全衛生対策を必要とし、このた
めグリーンシートの製造コストがアップするという問題
点を有していた。
【0005】そこで、上記問題点を解決するため、ポリ
ビニルアルコールなどの水溶性バインダが提案されてい
る。しかし、これら水溶性バインダは、溶解粘度が高い
ためスラリーとした場合の粘度が高くなる。このため、
スラリーの流動性が低下して分散性が悪くなり、均質な
薄層のグリーンシートを得ることができなかった。
ビニルアルコールなどの水溶性バインダが提案されてい
る。しかし、これら水溶性バインダは、溶解粘度が高い
ためスラリーとした場合の粘度が高くなる。このため、
スラリーの流動性が低下して分散性が悪くなり、均質な
薄層のグリーンシートを得ることができなかった。
【0006】上記水溶性バインダの欠点を解決するため
に、本発明者等は、カルボン酸基含有不飽和モノマー
(以下第1成分と称す)と、(メタ)アクリル酸エステ
ルモノマー(以下、第2成分と称す)と、アルキレング
リコールをアルキル基に有する(メタ)アクリル酸エス
テルモノマー(以下、第3成分と称す)、およびアルキ
ル基に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノ
マー(以下、第4成分と称す)とを原料とする共重合体
の塩からなるバインダを含むセラミックスラリー組成物
を提案した。
に、本発明者等は、カルボン酸基含有不飽和モノマー
(以下第1成分と称す)と、(メタ)アクリル酸エステ
ルモノマー(以下、第2成分と称す)と、アルキレング
リコールをアルキル基に有する(メタ)アクリル酸エス
テルモノマー(以下、第3成分と称す)、およびアルキ
ル基に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノ
マー(以下、第4成分と称す)とを原料とする共重合体
の塩からなるバインダを含むセラミックスラリー組成物
を提案した。
【0007】ところで、グリーンシートから積層セラミ
ックコンデンサなどを作製するためには、グリーンシー
トに内部電極を形成したり、任意の大きさに打ち抜いて
積み重ねたりする工程を必要とする。その際、グリーン
シート特性としては、ある一定以上の強度および可撓性
が必要となる。
ックコンデンサなどを作製するためには、グリーンシー
トに内部電極を形成したり、任意の大きさに打ち抜いて
積み重ねたりする工程を必要とする。その際、グリーン
シート特性としては、ある一定以上の強度および可撓性
が必要となる。
【0008】しかしながら、上記セラミックスラリー組
成系において、グリーンシートに強度を付与するのは容
易であるが、可撓性は付与しにくい。可撓性を付与した
い場合には、第2成分として、ガラス転移温度が低くな
るアクリル酸エステルを用いればよいが、アクリル酸エ
ステルは疎水性であり、添加量が多くなると共重合体が
水に不溶化してしまう。そこで、同じように第1成分、
第3成分および第4成分としてガラス転移温度の低いア
クリレート(メタクリレートでない)を用いれば可撓性
が得られるが、この場合には、熱分解温度が高くなって
しまい、脱バインダがしにくくなってしまうという問題
点を依然として有していた。
成系において、グリーンシートに強度を付与するのは容
易であるが、可撓性は付与しにくい。可撓性を付与した
い場合には、第2成分として、ガラス転移温度が低くな
るアクリル酸エステルを用いればよいが、アクリル酸エ
ステルは疎水性であり、添加量が多くなると共重合体が
水に不溶化してしまう。そこで、同じように第1成分、
第3成分および第4成分としてガラス転移温度の低いア
クリレート(メタクリレートでない)を用いれば可撓性
が得られるが、この場合には、熱分解温度が高くなって
しまい、脱バインダがしにくくなってしまうという問題
点を依然として有していた。
【0009】そこで、本発明の目的は、可撓性を有し、
かつ、水への溶解性が高く熱分解性に優れたバインダを
含むセラミックスラリー組成物を提供することにある。
かつ、水への溶解性が高く熱分解性に優れたバインダを
含むセラミックスラリー組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のセラミックスラリー組成物は、セラミック
原料粉末と、アクリル酸エステルを主成分とするモノマ
ーから共重合させた水溶性の重合体またはその塩と、水
溶性のアルキレングリコールと、水とからなる。
め、本発明のセラミックスラリー組成物は、セラミック
原料粉末と、アクリル酸エステルを主成分とするモノマ
ーから共重合させた水溶性の重合体またはその塩と、水
溶性のアルキレングリコールと、水とからなる。
【0011】また、アクリル酸エステルを主成分とする
モノマーから共重合させた水溶性の重合体またはその塩
は、第1成分であるカルボン酸基含有不飽和モノマー
と、第2成分であるアルキル基中にポリアルキレンオキ
サイド基を少なくとも1個有する、メタクリル酸アルキ
ルエステルもしくはアクリル酸アルキルエステルと、第
3成分であるアルキル基中に水酸基を少なくとも1個有
する、メタクリル酸アルキルエステルもしくはアクリル
酸アルキルエステルと、第4成分である疎水性のアクリ
ル酸エステルとの共重合体またはその塩を含むことを特
徴とする。
モノマーから共重合させた水溶性の重合体またはその塩
は、第1成分であるカルボン酸基含有不飽和モノマー
と、第2成分であるアルキル基中にポリアルキレンオキ
サイド基を少なくとも1個有する、メタクリル酸アルキ
ルエステルもしくはアクリル酸アルキルエステルと、第
3成分であるアルキル基中に水酸基を少なくとも1個有
する、メタクリル酸アルキルエステルもしくはアクリル
酸アルキルエステルと、第4成分である疎水性のアクリ
ル酸エステルとの共重合体またはその塩を含むことを特
徴とする。
【0012】この場合、アクリル酸エステルを主成分と
するモノマーから共重合させた重合体またはその塩は、
重合体あるいはその塩として水に可溶な組成であればい
ずれでもかまわない。そのなかで、(1)アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボン酸
基含有不飽和モノマー、(2)ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのアルキル基中にポ
リアルキレンオキサイド基を少なくとも1個有する、メ
タクリル酸アルキルエステルもしくはアクリル酸アルキ
ルエステル、(3)アルキル基中に水酸基を少なくとも
1個有する、メタクリル酸アルキルエステルもしくはア
クリル酸アルキルエステル、および(4)疎水性のアク
リル酸エステルの、(1)から(4)までの4成分を共
重合させた重合体またはその塩が望ましい。
するモノマーから共重合させた重合体またはその塩は、
重合体あるいはその塩として水に可溶な組成であればい
ずれでもかまわない。そのなかで、(1)アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボン酸
基含有不飽和モノマー、(2)ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのアルキル基中にポ
リアルキレンオキサイド基を少なくとも1個有する、メ
タクリル酸アルキルエステルもしくはアクリル酸アルキ
ルエステル、(3)アルキル基中に水酸基を少なくとも
1個有する、メタクリル酸アルキルエステルもしくはア
クリル酸アルキルエステル、および(4)疎水性のアク
リル酸エステルの、(1)から(4)までの4成分を共
重合させた重合体またはその塩が望ましい。
【0013】そして、(1)のカルボン酸含有不飽和モ
ノマーの配合量は、(1)から(4)までの4成分を全
量としてその1〜20wt%が適している。即ち、配合
量が1wt%未満ではグリーンシート中のセラミック原
料粉末の分散性が悪くなり、一方、20wt%を超える
とグリーンシートの吸湿性が大きくなってしまう。
ノマーの配合量は、(1)から(4)までの4成分を全
量としてその1〜20wt%が適している。即ち、配合
量が1wt%未満ではグリーンシート中のセラミック原
料粉末の分散性が悪くなり、一方、20wt%を超える
とグリーンシートの吸湿性が大きくなってしまう。
【0014】(2)のポリアルキレン部の重合度は少な
くとも3以上必要である。重合度が大きくなるほど共重
合体の側鎖が長くなるため、バインダの可撓性がでる。
ただし、重合度が40を超えると、共重合体としての分
子量が非常に大きくなってしまうため、水溶液の粘度が
バインダとして使用できないほど高くなってしまう。そ
のため、重合度としては、3〜40が望ましい。また、
これらの配合量としては、(1)から(4)までの4成
分を全量としてその10〜70wt%が望ましい。即
ち、これらの配合量が10wt%未満では、グリーンシ
ートに可撓性がでず、多すぎるとグリーンシートが柔ら
かくなりすぎてしまう。
くとも3以上必要である。重合度が大きくなるほど共重
合体の側鎖が長くなるため、バインダの可撓性がでる。
ただし、重合度が40を超えると、共重合体としての分
子量が非常に大きくなってしまうため、水溶液の粘度が
バインダとして使用できないほど高くなってしまう。そ
のため、重合度としては、3〜40が望ましい。また、
これらの配合量としては、(1)から(4)までの4成
分を全量としてその10〜70wt%が望ましい。即
ち、これらの配合量が10wt%未満では、グリーンシ
ートに可撓性がでず、多すぎるとグリーンシートが柔ら
かくなりすぎてしまう。
【0015】(3)の配合量としては、(1)から
(4)までの4成分を全量としてその20〜70wt%
が望ましい。即ち、これらの配合量が20wt%未満で
は、バインダ成分となる共重合体の水溶性が低下し、7
0wt%を超えるとグリーンシートの伸び率が低下す
る。
(4)までの4成分を全量としてその20〜70wt%
が望ましい。即ち、これらの配合量が20wt%未満で
は、バインダ成分となる共重合体の水溶性が低下し、7
0wt%を超えるとグリーンシートの伸び率が低下す
る。
【0016】(4)疎水性のアクリル酸エステルは、特
に限定しないが、共重合体としたときに水に溶解しやす
いメチルアクリレートが一番適している。配合量として
は、(1)から(4)までの4成分を全量として5〜4
0wt%が適している。5wt%未満では可撓性が現れ
ない。40wt%を超えると水に溶解しにくくなり、ま
た、共重合体の熱分解性が悪くなる。他の配合種を工夫
し、水に対する溶解性を高めればメチルアクリレートは
最大で80wt%くらいまで配合することはできる。し
かし、熱分解性を悪くしないためには40wt%以下が
適している。
に限定しないが、共重合体としたときに水に溶解しやす
いメチルアクリレートが一番適している。配合量として
は、(1)から(4)までの4成分を全量として5〜4
0wt%が適している。5wt%未満では可撓性が現れ
ない。40wt%を超えると水に溶解しにくくなり、ま
た、共重合体の熱分解性が悪くなる。他の配合種を工夫
し、水に対する溶解性を高めればメチルアクリレートは
最大で80wt%くらいまで配合することはできる。し
かし、熱分解性を悪くしないためには40wt%以下が
適している。
【0017】また、水溶性の可塑剤としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、およびこれらの2量体、3量体の重
合物などいずれでもかまわない。そのなかで、特に可塑
効果の大きな、ジエチレングリコールやジプロピレング
リコールなどが望ましい。
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、およびこれらの2量体、3量体の重
合物などいずれでもかまわない。そのなかで、特に可塑
効果の大きな、ジエチレングリコールやジプロピレング
リコールなどが望ましい。
【0018】
【実施例】以下、本発明のセラミックスラリー組成物の
実施例を説明する。 (実施例)まず、炭酸バリウム(BaCO3 )および酸
化チタン(TiO2 )を1:1のモル比で秤量し、ボー
ルミルを用いて湿式混合した後、脱水乾燥させた。その
後、温度1100℃で2時間仮焼した後、粉砕してセラ
ミック原料粉末を得た。
実施例を説明する。 (実施例)まず、炭酸バリウム(BaCO3 )および酸
化チタン(TiO2 )を1:1のモル比で秤量し、ボー
ルミルを用いて湿式混合した後、脱水乾燥させた。その
後、温度1100℃で2時間仮焼した後、粉砕してセラ
ミック原料粉末を得た。
【0019】次に、以下の方法でアクリル酸エステルを
主成分とするモノマーから共重合させた水溶性の重合体
のアンモニウム塩を含むバインダ水溶液を得た。即ち、
還流冷却装置および窒素ガスバブリング装置を取り付け
た0.5リットルのセパラブルフラスコ中にイオン交換
水100g、イソプロピルアルコール100gおよび重
合開始剤としてα,α´−アゾビスイソブチロニトリル
1.6gを仕込んだうえで80℃に昇温しておいた。そ
の後、滴下ロートに入れたメタクリル酸10g、重合度
30のメトキシポリエチレングリコールメタクリレート
(例えば、共栄社化学株式会社製のライトエステル04
1MA)30gおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート40g、アクリル酸メチル20gを2時間かけて上
記フラスコ中に滴下した。滴下終了後、重合開始剤の
α,α´−アゾビスイソブチロニトリルをさらに0.8
g添加し、さらに3時間あまり還流温度で加熱して完全
に反応させたうえで冷却した後、28wt%のアンモニ
ア水を21g投入しメタクリル酸を中和した。次に、エ
バポレータでイソプロピルアルコールを水と共沸させ、
イオン交換水100mlを2回加え、イソプロピルアル
コールを完全に除去して、固形分量が25〜40wt%
のバインダ水溶液を得た。
主成分とするモノマーから共重合させた水溶性の重合体
のアンモニウム塩を含むバインダ水溶液を得た。即ち、
還流冷却装置および窒素ガスバブリング装置を取り付け
た0.5リットルのセパラブルフラスコ中にイオン交換
水100g、イソプロピルアルコール100gおよび重
合開始剤としてα,α´−アゾビスイソブチロニトリル
1.6gを仕込んだうえで80℃に昇温しておいた。そ
の後、滴下ロートに入れたメタクリル酸10g、重合度
30のメトキシポリエチレングリコールメタクリレート
(例えば、共栄社化学株式会社製のライトエステル04
1MA)30gおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート40g、アクリル酸メチル20gを2時間かけて上
記フラスコ中に滴下した。滴下終了後、重合開始剤の
α,α´−アゾビスイソブチロニトリルをさらに0.8
g添加し、さらに3時間あまり還流温度で加熱して完全
に反応させたうえで冷却した後、28wt%のアンモニ
ア水を21g投入しメタクリル酸を中和した。次に、エ
バポレータでイソプロピルアルコールを水と共沸させ、
イオン交換水100mlを2回加え、イソプロピルアル
コールを完全に除去して、固形分量が25〜40wt%
のバインダ水溶液を得た。
【0020】次に、先に準備したセラミック原料粉末1
00重量部と、固形分濃度を25wt%に調整した上記
バインダ水溶液28重量部と、水溶性の可塑剤としての
ジエチレングリコール3重量部と、イオン交換水70重
量部とを、直径5mmのジルコニア製玉石とともにボー
ルミルに投入し、15時間湿式混合を行なってセラミッ
クスラリー組成物を得た。そして、このスラリー組成物
をドクターブレード法によりシート化して、約50μm
厚みのグリーンシートを作製した。
00重量部と、固形分濃度を25wt%に調整した上記
バインダ水溶液28重量部と、水溶性の可塑剤としての
ジエチレングリコール3重量部と、イオン交換水70重
量部とを、直径5mmのジルコニア製玉石とともにボー
ルミルに投入し、15時間湿式混合を行なってセラミッ
クスラリー組成物を得た。そして、このスラリー組成物
をドクターブレード法によりシート化して、約50μm
厚みのグリーンシートを作製した。
【0021】(従来例1)まず、以下の方法でバインダ
水溶液を得た。即ち、還流冷却装置を取り付けた0.5
リットルのセパラブルフラスコ中にイオン交換水100
g、イソプロピルアルコール100gを仕込み、80℃
に昇温しておいた。次に、重合開始剤としてα,α´−
アゾビスイソブチロニトリル1.6gを入れた後、滴下
ロートに入れたメタクリル酸5g、メトキシポリエチレ
ングリコールメタクリレート(例えば、共栄社化学株式
会社製のライトエステル041MA)15gおよび2−
ヒドロキシエチルメタクリレート20g、アクリル酸メ
チル60gを2時間かけて上記スラスコ中に滴下した。
滴下終了後、重合開始剤のα,α´−アゾビスイソブチ
ロニトリルをさらに0.8g添加し、さらに3時間あま
り還流温度で加熱して完全に反応させたうえで冷却した
後、28wt%のアンモニア水を10.5g投入しメタ
クリル酸を中和した。
水溶液を得た。即ち、還流冷却装置を取り付けた0.5
リットルのセパラブルフラスコ中にイオン交換水100
g、イソプロピルアルコール100gを仕込み、80℃
に昇温しておいた。次に、重合開始剤としてα,α´−
アゾビスイソブチロニトリル1.6gを入れた後、滴下
ロートに入れたメタクリル酸5g、メトキシポリエチレ
ングリコールメタクリレート(例えば、共栄社化学株式
会社製のライトエステル041MA)15gおよび2−
ヒドロキシエチルメタクリレート20g、アクリル酸メ
チル60gを2時間かけて上記スラスコ中に滴下した。
滴下終了後、重合開始剤のα,α´−アゾビスイソブチ
ロニトリルをさらに0.8g添加し、さらに3時間あま
り還流温度で加熱して完全に反応させたうえで冷却した
後、28wt%のアンモニア水を10.5g投入しメタ
クリル酸を中和した。
【0022】次に、エバポレータでイソプロピルアルコ
ールを水と共沸させ、イオン交換水100mlを2回加
え、イソプロピルアルコールを除去して、固形分量が2
5〜40wt%のバインダ水溶液を得た。
ールを水と共沸させ、イオン交換水100mlを2回加
え、イソプロピルアルコールを除去して、固形分量が2
5〜40wt%のバインダ水溶液を得た。
【0023】次に、実施例1と同じセラミック原料粉末
100重量部と、固形分濃度を25wt%に調整した上
記バインダ水溶液28重量部と、イオン交換水70重量
部とを、直径5mmのジルコニア製玉石とともにボール
ミルに投入し、15時間湿式混合を行なってセラミック
スラリー組成物を得た。そして、このスラリー組成物を
ドクターブレード法によりシート化して、約50μm厚
みのグリーンシートを作製した。
100重量部と、固形分濃度を25wt%に調整した上
記バインダ水溶液28重量部と、イオン交換水70重量
部とを、直径5mmのジルコニア製玉石とともにボール
ミルに投入し、15時間湿式混合を行なってセラミック
スラリー組成物を得た。そして、このスラリー組成物を
ドクターブレード法によりシート化して、約50μm厚
みのグリーンシートを作製した。
【0024】(従来例2)実施例と同じバインダ水溶液
を準備し、水溶性の可塑剤を添加せずセラミックスラリ
ー組成物を作製した後、実施例と同様の手順を経てシー
ト化して、約50μm厚みのグリーンシートを作製し
た。
を準備し、水溶性の可塑剤を添加せずセラミックスラリ
ー組成物を作製した後、実施例と同様の手順を経てシー
ト化して、約50μm厚みのグリーンシートを作製し
た。
【0025】(評価)上記実施例および従来例1、2で
作製したグリーンシートについて、シート引張り強度と
シート伸び率のシート特性と、脱バインダ温度の比較評
価を行なった。
作製したグリーンシートについて、シート引張り強度と
シート伸び率のシート特性と、脱バインダ温度の比較評
価を行なった。
【0026】シート特性は、グリーンシートの加工性能
を示す指標になるものであり、打ち抜きシートの両端を
引張り試験機のチャックによって固定したうえ、打ち抜
きシートを一定の速度(例えば10mm/分)で引張る
ことによって測定した。そして、打ち抜きシートが切断
される直前の最大引張り強度をシート強度(MPa/m
m2 )とし、打ち抜きシートが切断される直前のシート
の伸びを引張る前のチャック間隔(例えば、10mm)
で除してシート伸び率(%)を求めた。これらの値が大
きくなるほど、グリーンシートの加工性がよいことを示
す。
を示す指標になるものであり、打ち抜きシートの両端を
引張り試験機のチャックによって固定したうえ、打ち抜
きシートを一定の速度(例えば10mm/分)で引張る
ことによって測定した。そして、打ち抜きシートが切断
される直前の最大引張り強度をシート強度(MPa/m
m2 )とし、打ち抜きシートが切断される直前のシート
の伸びを引張る前のチャック間隔(例えば、10mm)
で除してシート伸び率(%)を求めた。これらの値が大
きくなるほど、グリーンシートの加工性がよいことを示
す。
【0027】また、脱バインダ温度は、JIS K 7
120に準拠して空気中雰囲気で示差熱重量(DTA/
TGA)分析を行ない、グリーンシート中の有機物の熱
分解温度を求め、これを脱バインダ温度とした。この脱
バインダ温度が低くなるほど熱分解性がよいことを示
し、焼結後のセラミック中への炭素の残留が抑えられ
る。以上の評価結果を表1に示す。
120に準拠して空気中雰囲気で示差熱重量(DTA/
TGA)分析を行ない、グリーンシート中の有機物の熱
分解温度を求め、これを脱バインダ温度とした。この脱
バインダ温度が低くなるほど熱分解性がよいことを示
し、焼結後のセラミック中への炭素の残留が抑えられ
る。以上の評価結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1によれば、本実施例のバインダ水溶液
よりなるセラミックスラリー組成物から得られたグリー
ンシートは、従来例2に比べてシート伸び率が大きくグ
リーンシートに可撓性がある。また、従来例1に比べて
バインダの熱分解温度が低いため脱バインダ温度が低く
なる。即ち、本実施例のセラミックスラリー組成物より
作製されるグリーンシートは、可撓性を付与しても、熱
分解温度が低くてすみ、バランスのとれた物性となって
いる。
よりなるセラミックスラリー組成物から得られたグリー
ンシートは、従来例2に比べてシート伸び率が大きくグ
リーンシートに可撓性がある。また、従来例1に比べて
バインダの熱分解温度が低いため脱バインダ温度が低く
なる。即ち、本実施例のセラミックスラリー組成物より
作製されるグリーンシートは、可撓性を付与しても、熱
分解温度が低くてすみ、バランスのとれた物性となって
いる。
【0030】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
セラミックスラリー組成物によれば、可撓性を有し、か
つ、熱分解性に優れたバインダを含むセラミックスラリ
ー組成物を得ることができる。
セラミックスラリー組成物によれば、可撓性を有し、か
つ、熱分解性に優れたバインダを含むセラミックスラリ
ー組成物を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 セラミック原料粉末と、アクリル酸エス
テルを主成分とするモノマーから共重合させた水溶性の
重合体またはその塩と、水溶性のアルキレングリコール
と、水とからなるセラミックスラリー組成物。 - 【請求項2】 アクリル酸エステルを主成分とするモノ
マーから共重合させた水溶性の重合体またはその塩は、
第1成分であるカルボン酸基含有不飽和モノマーと、第
2成分であるアルキル基中にポリアルキレンオキサイド
基を少なくとも1個有する、メタクリル酸アルキルエス
テルもしくはアクリル酸アルキルエステルと、第3成分
であるアルキル基中に水酸基を少なくとも1個有する、
メタクリル酸アルキルエステルもしくはアクリル酸アル
キルエステルと、第4成分である疎水性のアクリル酸エ
ステルとの共重合体またはその塩を含むことを特徴とす
る請求項1記載のセラミックスラリー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7021802A JPH08217549A (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | セラミックスラリー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7021802A JPH08217549A (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | セラミックスラリー組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08217549A true JPH08217549A (ja) | 1996-08-27 |
Family
ID=12065198
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7021802A Pending JPH08217549A (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | セラミックスラリー組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08217549A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005060208A (ja) * | 2002-11-08 | 2005-03-10 | Murata Mfg Co Ltd | 水溶性アクリルバインダおよびその製造方法、セラミックスラリー組成物およびその製造方法、ならびに積層セラミック電子部品およびその製造方法 |
WO2010024188A1 (ja) * | 2008-08-27 | 2010-03-04 | 株式会社村田製作所 | セラミック成形体および積層型セラミック電子部品の製造方法 |
-
1995
- 1995-02-09 JP JP7021802A patent/JPH08217549A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005060208A (ja) * | 2002-11-08 | 2005-03-10 | Murata Mfg Co Ltd | 水溶性アクリルバインダおよびその製造方法、セラミックスラリー組成物およびその製造方法、ならびに積層セラミック電子部品およびその製造方法 |
WO2010024188A1 (ja) * | 2008-08-27 | 2010-03-04 | 株式会社村田製作所 | セラミック成形体および積層型セラミック電子部品の製造方法 |
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