[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP3951420B2 - セラミックスラリー組成物 - Google Patents

セラミックスラリー組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP3951420B2
JP3951420B2 JP07002898A JP7002898A JP3951420B2 JP 3951420 B2 JP3951420 B2 JP 3951420B2 JP 07002898 A JP07002898 A JP 07002898A JP 7002898 A JP7002898 A JP 7002898A JP 3951420 B2 JP3951420 B2 JP 3951420B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
weight
soluble binder
carboxyl group
slurry composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP07002898A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11268959A (ja
Inventor
信 宮崎
幸司 木村
丈承 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP07002898A priority Critical patent/JP3951420B2/ja
Publication of JPH11268959A publication Critical patent/JPH11268959A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3951420B2 publication Critical patent/JP3951420B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックスラリー組成物、詳しくは、セラミックグリーンシートを作製する際に用いられるセラミックスラリー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミックグリーンシート(以下、グリーンシートという)を作製するには、セラミック原料粉末にバインダーおよび溶剤などを混合してスラリーを調製し、これをシート状に成形していた。
この種のバインダは、従来より、ポリビニルブチラールなどが使用され、アルコール系溶媒または芳香族系溶媒等の各種の有機溶媒を用いてスラリーを調製していた。しかし、有機溶媒を用いるために、爆発や火災を防ぐための防爆設備が必要であり、また、臭気の発生や毒性等の観点より人体に対する安全衛生対策を講ずる必要があった。そのため、グリーンシートの製造コストが高くなるという不具合を招いていた。
【0003】
そこで、ポリビニルアルコールなどの水溶性バインダーを使用して、水系のスラリーを調製することが種々提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、水系スラリーは、有機溶媒系スラリーに比べて分散性が悪く、そのため、水溶性バインダーよりも低分子量の分散剤を配合することが提案されている(特開昭59−121152号公報、特開昭61−46096号公報)。しかし、依然として有機溶媒系スラリーに比べて分散性が悪く、分散性の良好な水系スラリーの開発が望まれている。
【0005】
本発明の目的は、分散性、流動性が良好で、かつセラミックの成形性に優れ、高密度なグリーンシートを得ることができる水系のセラミックスラリー組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のセラミックスラリー組成物は、セラミック原料粉末と、水溶性バインダーと、分散剤とを含むセラミックスラリー組成物であって、前記水溶性バインダーが、カルボキシル基含有不飽和モノマーと、このカルボキシル基含有不飽和モノマーと共重合可能な反応性モノマーとが共重合した、共重合体組成中にカルボキシル基含有不飽和モノマーを0.5〜30重量%の割合で含む、数平均分子量が5000〜30万の共重合体であり、前記分散剤が、カルボキシル基含有不飽和モノマーと、このカルボキシル基含有不飽和モノマーと共重合可能な反応性モノマーとが共重合した、共重合体組成中にカルボキシル基含有不飽和モノマーを60〜99.9重量%の割合で含む、数平均分子量が500〜5万の共重合体であり、前記分散剤のカルボキシル基の少なくとも一部が、アンモニア水を用いることにより、アンモニアと塩を形成しており、前記水溶性バインダーの数平均分子量が、前記分散剤の数平均分子量より大きいことを特徴としている。
【0007】
また、前記水溶性バインダーのカルボキシル基の少なくとも一部は、アンモニアおよび/またはアミンと塩を形成していることが好ましい。
また、前記水溶性バインダーおよび前記分散剤の前記反応性モノマーが、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含んでいることが好ましい。
【0008】
た、前記セラミック原料粉末100重量部に対して、前記水溶性バインダーが、固形分として1〜25重量部、前記分散剤が、固形分として0.1〜5重量部の割合でそれぞれ含まれていることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のセラミックスラリー組成物は、セラミック原料粉末と、水溶性バインダーと、分散剤とを含んでいる。
本発明で用いられるセラミック原料粉末としては、セラミックの原料として用いられる公知のものであれば特に限定されないが、たとえば、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、炭酸バリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、フェライト−マンガン等の酸化物系のセラミック原料粉末が挙げられる。これらは、単独または2種以上併用してもよい。また、これらのセラミック原料粉末は、その平均粒径が0.1〜1.0μmであることが好ましい。
【0010】
本発明で用いられる水溶性バインダーは、カルボキシル基含有不飽和モノマーと、このカルボキシル基含有不飽和モノマーと共重合可能な反応性モノマーとを共重合させたものである。
カルボキシル基含有不飽和モノマーとしては、カルボキシル基と重合性不飽和結合とを有する化合物であれば特に限定されないが、たとえば、(メタ)アクリル酸(本明細書においては、アクリル酸およびメタクリル酸の両者を含めて、(メタ)アクリル酸と言う。)などの不飽和1価カルボン酸、たとえば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和2価カルボン酸およびそのハーフエステル等が挙げられる。これらは、単独または2種以上併用してもよく、好ましくは、(メタ)アクリル酸である。
【0011】
また、このカルボキシル基含有不飽和モノマーと共重合可能な反応性モノマーとしては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、たとえば、メトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(n=2,3,4,8,24)などのオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレート、たとえば、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基を有する(メタ)アクリレートなどのアクリレート類、その他、たとえば、(メタ)アクリロニトリル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、スチレン、エチレン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは、単独または2種以上併用してもよい。好ましくは、アクリレート類、さらに好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、とりわけ、炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが共重合されていることが好ましい。(メタ)アクリレート類は、疎水性があるため、形成されたグリーンシートは吸湿しにくく、雰囲気湿度の影響を受けにくくなる。
【0012】
カルボキシル基含有不飽和モノマーと反応性モノマーとの共重合は、何ら制限なく公知の重合方法により行なうことができ、たとえば、溶液重合により行なうことが好ましく、常法に従い、70〜99.9%、好ましくは、90〜95%共重合させる。このようにして得られた水溶性バインダーは、その共重合体組成中に、上記カルボキシル基含有不飽和モノマーが、0.5〜30重量%、好ましくは、5〜10重量%の割合で含有されている。カルボキシル基含有不飽和モノマーが、0.5重量%よりも少ないと、バインダーの極性が小さく分散性が非常に悪い。一方、カルボキシル基含有不飽和モノマーが、30重量%を超えると、水溶性バインダーは自己凝集力が強くなりすぎて逆に分散性が低下する。また、カルボキシル基含有不飽和モノマーが少ない方が吸湿しにくく、雰囲気湿度による影響を受けにくい。
【0013】
また、得られた共重合体の数平均分子量(Mn)は、5000〜30万、好ましくは、3万〜10万である。分子量が5000より少ないと、水溶性バインダーの凝集力が弱く、グリーンシートのシート強度が小さくなってしまう。一方、分子量が30万を超えると、スラリーの粘度が高くなりすぎて分散不良を起こす。この数平均分子量は、標準物質としてポリスチレンを用いて、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によって求められるポリスチレン換算の数平均分子量である(なお、以下に述べる数平均分子量についても同様である)。
【0014】
また、得られた水溶性バインダーの共重合体には、アンモニアおよび/またはアミンを加えて、共重合体中のカルボキシル基の一部または全部を、アンモニアおよび/またはアミンの塩とすることが好ましい。アンモニアおよび/またはアミンの塩とすることで、水溶性が付与される。添加されるアミンは、1級、2級、3級または4級のいずれのアミンをも使用でき、たとえば、モノエタノールアミン(1級)、ジエタノールアミン(2級)、トリエタノールアミン(3級)などが挙げられ、使用の便宜性を考慮するとアンモニア水が好ましい。この場合、アンモニアおよび/またはアミンを加えた後のpHを、6〜9に調整することが好ましい。水溶性バインダーの水溶液をほぼ中性に保つと、セラミック原料粉末から水溶液中に溶出しやすいイオン性物質の溶解を防ぐことができる。
【0015】
また、上記水溶性バインダーと併用する本発明の分散剤は、カルボキシル基含有不飽和モノマーと、このカルボキシル基含有不飽和モノマーと共重合可能な反応性モノマーとを共重合させたものである。カルボキシル基含有不飽和モノマーおよび反応性モノマー、およびその好ましいもの、または、好ましい重合方法については、上記で例示したものと同様であり、この点、水溶性バインダーと同様の組成を有する共重合体が得られるが、共重合体組成中のカルボキシル基含有不飽和モノマーの割合が、60〜99.9重量%、好ましくは60〜80重量%であり、かつ、共重合体の数平均分子量が、500〜5万である点で水溶性バインダーと相違する。
【0016】
水溶性バインダーがカルボキシル基含有不飽和モノマーを0.1〜30重量%含んでいるのに対し、分散剤にカルボキシル基含有不飽和モノマーを、それよりも多い60〜99.9重量%含ませることにより、分散剤をセラミック原料粉末に強く吸着させて、水溶性バインダーがセラミック原料粉末に吸着することを少なくすることができる。この場合、カルボキシル基含有不飽和モノマーが60重量%より少ないと、分散剤の親水性が低下し、セラミック原料粉末に吸着しにくくなる。一方、カルボキシル基含有不飽和モノマーが99.9重量%を超えると、疎水性がなくなり、分散剤としての凝集力が強くなりすぎてセラミック原料粉末の種類によっては分散不良を引き起こす。また、分散剤に少なくとも疎水性を持たせておくことで、水溶性バインダーとある程度の親和力でもって結合でき、良好な分散性を得ることができる。さらに、分散剤は、後述するようにセラミックスラリー組成物の中でも添加量が少ないため、水溶性バインダーのように雰囲気湿度の影響を受けにくく、耐湿性の観点からカルボキシル基含有不飽和モノマーを減少させる必要はない。
【0017】
また、分散剤の共重合体の数平均分子量(Mn)は、500〜5万、好ましくは1000〜1万である。500より少ないと、セラミック原料粉末の表面に十分に吸着せず分散性が低下する。一方、5万を超えると水溶性バインダーの数平均分子量に近くなり、セラミック原料粉末に対する吸着力が弱くなる。
さらに、分散剤は、水溶性バインダーの数平均分子量よりも相対的に小さいことが好ましい。分散剤の数平均分子量が、水溶性バインダーの数平均分子量と同等かあるいはそれよりも大きいと、分散剤がセラミック原料粉末に吸着し、その外側に水溶性バインダーが結合するという好ましい構造が形成できない場合がある。
【0018】
また、得られた分散剤の共重合体中のカルボキシル基の一部または全部は、アンモニア水を用いることにより、アンモニアとを形成し、水溶性付与され。この場合も上記水溶性バインダーと同様にpHを6〜9に調整することが好ましい。
【0019】
そして、本発明のセラミックスラリー組成物は、上記水溶性バインダーおよび分散剤を任意の割合で配合し、必要により水を加えてスラリーとして得る。好ましくは、セラミック原料粉末100重量部に対して水溶性バインダーを固形分として1〜25重量部、さらに好ましくは5〜15重量部用いるのが良く、また、分散剤を固形分として好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.2〜1.0重量部用いるのが良い。
【0020】
さらに、その目的など必要に応じて、たとえば、ポリエチレングリコールやグリセリン等の水溶性可塑剤や、消泡剤、帯電防止剤などの分散剤以外の公知の成形助剤を併用してもよい。
【0021】
【実施例】
以下、本発明のセラミックスラリー組成物の実施例を説明する。
実施例
まず、炭酸バリウム(BaCO3 )および酸化チタン(TiO2 )を1:1のモル比で秤量し、ボールミルを用いて湿式混合した後、脱水乾燥させた。その後、温度1000℃で2時間仮焼した後、粉砕してセラミック原料粉末を得た。
【0022】
次に、以下の方法で表1ないし3に示す試料番号1ないし65の組成をもつ水溶性バインダーおよび分散剤を得た。攪拌機、温度計、還流コンデンサー、滴下ロートおよびガス導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコにエタノール200g、純水200g、重合開始剤アゾビス(4−シアノ吉草酸)2gを仕込み、窒素ガス気流下において70℃に昇温した。次いで、表1ないし3に示す割合でアクリル酸およびアクリル酸メチルを滴下ロートにより2時間かけて滴下し、1時間保温の後、2時間還流して重合を完結させた。得られた共重合体をアンモニア水で中和し、さらに、蒸留によりエタノールを留去して水溶性バインダーを得た。
【0023】
溶媒としてテトラヒドロフラン、標準物質としてポリスチレンを用いてGPCにより数平均分子量を測定した。結果を表1ないし3に示す。
同様な装置を用い、エタノール400g、重合開始剤アゾビス(4−シアノ吉草酸)8gを仕込み、窒素ガス気流下において70℃に昇温した。次いで、表1ないし3に示す割合でアクリル酸およびアクリル酸メチルを滴下ロートにより2時間かけて滴下し、1時間保温の後、2時間還流して重合を完結させた。得られた共重合体をアンモニア水で中和し、さらに、蒸留によりエタノールを留去して分散剤を得た。GPCよる数平均分子量を表1ないし3に示す。
【0024】
次に、先に準備したセラミック原料粉末100重量部と、可塑剤としてジエチレングリコール2重量部と、純水70重量部と、表1ないし3に示す割合における試料番号1ないし65の水溶性バインダーおよび分散剤(固形分)をそれぞれ加え、直径5mmのジルコニア製玉石650重量部とともにボールミルに投入し、20時間湿式混合を行なって試料番号1ないし65にそれぞれ対応するセラミックスラリー組成物を得た。そして、各セラミックスラリー組成物をドクターブレード法により厚さ約30μmのグリーンシートに成形し、次いで乾燥温度80℃で30分間乾燥し、グリーンシートの成形物を得た。
【0025】
参考例1
実施例で準備したセラミック原料粉末100重量部と、クラレ製ポリビニルアルコール(PVA−117)を固形分で7重量部と、可塑剤としてジエチレングリコール2重量部と、純水70重量部とを、直径5mmのジルコニア製玉石650重量部とともにボールミルに投入し、20時間湿式混合を行なってセラミックスラリー組成物を得た。そして、このセラミックスラリー組成物をドクターブレード法により厚さ約30μmのグリーンシートに成形し、次いで乾燥温度80℃で30分間乾燥し、グリーンシートの成形物を得た。
【0026】
参考例2
実施例で準備したセラミック原料粉末100重量部と、積水化学工業製ポリビニルブチラール(BMS)を固形分で7重量部と、可塑剤としてフタル酸ジブチル2重量部と、トルエン40重量部と、トルエン40重量部と、エタノール40重量部と、直径5mmのジルコニア製玉石650重量部とともにボールミルに投入し、20時間湿式混合を行なってセラミックスラリー組成物を得た。そして、このセラミックスラリー組成物をドクターブレード法により厚さ約30μmのグリーンシートに成形し、次いで乾燥温度80℃で30分間乾燥し、グリーンシートの成形物を得た。
【0027】
グリーンシートの評価
上記実施例の試料番号1ないし65および比較例1および2で作製したグリーンシートについて、成形密度、シート引張り強度、シート伸び率、および湿中放置によるシート強度変化率を測定した。結果を表1ないし3に示す。なお、測定方法はそれぞれ以下の方法による。
1)成形密度: 成形したグリーンシートを50mm×70mmの大きさを有する角型として打ち抜き、平均厚み測定により体積を求め、測定した重量から除して算出した。分散性が優れる場合は成形密度の値が大きくなる。
2)シート強度および伸び率: 上記の打ち抜いたグリーンシートの両端をチャックに固定して(チャック間隔30mm)、引張り試験機を用いて一定速度(10mm/分)で引っ張り、シートが切断される直前の最大値を、シート強度(MPa)および伸び率(%)として求めた。なお、シート伸び率(%)は、シート伸びをチャック間隔で除して算出された数値をもって表わした。グリーンシートの均質性やバインダーの強靱性の指標となり、強度および伸び率がともに大きいものが望ましい。
3)湿中放置によるシート強度変化率: 上記の打ち抜いたグリーンシートを40℃、95%の恒温高湿度槽に24時間放置後、さらに、23℃±2℃、40〜60%RHに1時間放置して、シート強度を測定し、初期の強度に対する相対強度(初期100%に対しての強度%)を求めた。雰囲気湿度により強度が変化しないものが望ましい。
【0028】
【表1】
Figure 0003951420
【0029】
【表2】
Figure 0003951420
【0030】
【表3】
Figure 0003951420
【0031】
表1ないし表3によれば、実施例において本発明の範囲にある試料番号1ないし65(本発明の範囲外である試料番号1、2、9、16、20、26、27、34、40、48、61、63、65を除く)は、従来の水溶性バインダーである参考例1に比べ、分散性が向上しており、また、雰囲気湿度による強度の劣化が少ないことがわかる。また、これらは、有機溶媒系バインダーである参考例2とほぼ同等の性能が得られていることがわかる。
【0032】
【発明の効果】
本発明のセラミックスラリー組成物は、水系スラリーの分散性安定性に優れ、流動性が良好であり、かつセラミックの成形性に優れ、高密度なグリーンシートを得ることができる。また、得られたグリーンシートは吸湿しにくく、雰囲気湿度による影響を受けて強度が低下することも少なく、有機溶媒系スラリーとほぼ同等の成形密度、強度および伸び率が得られる。

Claims (5)

  1. セラミック原料粉末と、水溶性バインダーと、分散剤とを含むセラミックスラリー組成物であって、
    前記水溶性バインダーは、カルボキシル基含有不飽和モノマーと、このカルボキシル基含有不飽和モノマーと共重合可能な反応性モノマーとが共重合した、共重合体組成中にカルボキシル基含有不飽和モノマーを0.5〜30重量%の割合で含む、数平均分子量が5000〜30万の共重合体であり、
    前記分散剤は、カルボキシル基含有不飽和モノマーと、このカルボキシル基含有不飽和モノマーと共重合可能な反応性モノマーとが共重合した、共重合体組成中にカルボキシル基含有不飽和モノマーを60〜99.9重量%の割合で含む、数平均分子量が500〜5万の共重合体であり、
    前記分散剤のカルボキシル基の少なくとも一部が、アンモニア水を用いることにより、アンモニアと塩を形成しており、
    前記水溶性バインダーの数平均分子量が、前記分散剤の数平均分子量より大きいことを特徴とする、セラミックスラリー組成物。
  2. 前記水溶性バインダーのカルボキシル基の少なくとも一部が、アンモニアおよび/またはアミンと塩を形成している、請求項1に記載のセラミックスラリー組成物。
  3. 前記水溶性バインダーおよび前記分散剤の前記反応性モノマーが、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含んでいる、請求項1または2に記載のセラミックスラリー組成物
  4. 前記水溶性バインダーは、前記セラミック原料粉末100重量部に対して、固形分として1〜25重量部の割合で含まれている、請求項1ないしのいずれかに記載のセラミックスラリー組成物。
  5. 前記分散剤は、前記セラミック原料粉末100重量部に対して、固形分として0.1〜5重量部の割合で含まれている、請求項1ないしのいずれかに記載のセラミックスラリー組成物。
JP07002898A 1998-03-19 1998-03-19 セラミックスラリー組成物 Expired - Lifetime JP3951420B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07002898A JP3951420B2 (ja) 1998-03-19 1998-03-19 セラミックスラリー組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07002898A JP3951420B2 (ja) 1998-03-19 1998-03-19 セラミックスラリー組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11268959A JPH11268959A (ja) 1999-10-05
JP3951420B2 true JP3951420B2 (ja) 2007-08-01

Family

ID=13419744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07002898A Expired - Lifetime JP3951420B2 (ja) 1998-03-19 1998-03-19 セラミックスラリー組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3951420B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3823759B2 (ja) 2000-06-29 2006-09-20 株式会社村田製作所 セラミックスラリー組成物の製造方法
JP4817633B2 (ja) * 2004-09-28 2011-11-16 京セラ株式会社 セラミックスラリの調製方法およびセラミックスの製法
WO2009014091A1 (ja) * 2007-07-23 2009-01-29 Sanyo Chemical Industries, Ltd. セラミック押出成形用分散剤
CN113045293A (zh) * 2019-12-26 2021-06-29 惠州比亚迪电子有限公司 一种陶瓷造粒粉及其制备方法、陶瓷材料和手机背板
FI20215233A1 (en) * 2021-03-03 2022-09-04 Kemira Oyj BINDER FORMULATION FOR A LITHIUM ION BATTERY CATHODE
WO2024095663A1 (ja) * 2022-10-31 2024-05-10 日本ゼオン株式会社 誘電体層用スラリー組成物、誘電体層、及びコンデンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11268959A (ja) 1999-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3823759B2 (ja) セラミックスラリー組成物の製造方法
AU601517B2 (en) Moldable medical adhesive
JPH0672759A (ja) セラミックス成形用バインダー
JP3951420B2 (ja) セラミックスラリー組成物
US20050206049A1 (en) Water-soluble acrylic binder, method for producing the same, ceramic slurry composition, method for producing the same, monolithic ceramic electronic part and method for manufacturing the same
JP2750932B2 (ja) セラミック成形用バインダーの製造方法
JPH05294712A (ja) セラミックス成形用バインダー
JP4449087B2 (ja) セラミックスラリー、およびセラミックグリーンシート、ならびにセラミックスラリーの流動性調整方法
JPH11263669A (ja) セラミックスラリー組成物
US20210226301A1 (en) Method of producing slurry for secondary battery functional layer
JP4581341B2 (ja) セラミックグリーンシート成形用バインダおよびその製造方法
JPH06313004A (ja) 低分子量水溶性重合体の製造方法
JPH10167836A (ja) セラミック成形用バインダー樹脂
JPH01111769A (ja) セラミックグリーンシートの製造方法
EP1847581A1 (en) Solid adhesive agent and raw material composition for the same
JP2954960B2 (ja) セラミックス成形用バインダー
JP2691384B2 (ja) セラミックス成形用添加剤
JP2691380B2 (ja) セラミックス成形用バインダー
JP2021059669A (ja) スラリー組成物
JPH07101778A (ja) セラミックスラリー組成物
JPH0733533A (ja) セラミックグリーンシート用添加剤
JPS63162565A (ja) セラミツクス成形用バインダ−
JPH07133160A (ja) セラミックスラリー組成物
JP3080665B2 (ja) セラミックス成形用バインダー
JP3355694B2 (ja) セラミックスラリー組成物及びそれを用いたグリーンシート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061017

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100511

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140511

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term