JPH08217208A - 入出庫作業用クレーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】入出庫作業用クレーンの本体側と，昇降装置側
にはそれぞれ信号伝送用の光伝送装置８ａ及び８ｂを備
えるとともに、フォークモータ１２の駆動及び各種検出
器１１に必要な電源については、昇降装置側にバッテリ
９と，本体側にバッテリへの充電装置を備えることによ
り、昇降装置と機上制御盤間の信号線及び動力線を用い
ることなく、フォーク動作による荷物の積み込み及び卸
し作業を実現する。 【効果】昇降装置と本体側の機上制御盤間の信号線及び
動力線を不用とすることが可能となるため、従来必要で
あったケーブルのメンテ及び不具合時の交換作業が不要
となるほか、昇降装置の昇降動作の高速化さらには昇降
動作時の低騒音化等についても効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動倉庫に用いられる
入出庫作業用クレーン、即ち、入出庫ステーション又
は、棚との間の荷受け渡し手段を有する昇降装置を備え
たクレーンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の入出庫作業用クレーンでは、荷台
が荷台のガイドレールにそって昇降動作する場合には、
機上制御盤側からの制御信号及び電力の供給を受けるた
めの配線ケーブルを荷台とともに、昇降動作させる方式
が一般的である。この方式は荷台の昇降動作ごとに接続
ケーブルが繰返し屈曲されるため、どうしてもケーブル
の寿命に限度が有り、故障の原因や、メンテ交換等の必
要が生じてしまう。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この従来の入出庫作業
用クレーンの場合、昇降移動する荷台への電力の供給
も、機上制御盤間との信号の伝達も、いずれも接続され
たケーブルにより供給及び伝達され、しかもこのケーブ
ルはケーブルベア内で繰返し屈曲を受ける構造となって
いる。従ってこの方式では、ケーブルの寿命が問題とな
ってくる以外にケーブルベア等も必要となるため、高速
化，低騒音化等の障害となる。

【０００４】本発明の目的は、昇降移動する荷台へ電力
を供給するケーブルと，信号伝達用のケーブル及び、こ
れらのケーブルを収納して昇降動作させるためのケーブ
ルベアを無くすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の構成方法を用い
れば、昇降移動する荷台に接続するケーブルは信号及び
動力線とも不用となる。

【０００６】つまり、昇降移動やフォークを使用しての
荷物の受け渡し制御信号の受取り、及び各種検出器手段
からの検出信号の機上制御盤側への情報の伝達手段は、
昇降移動する荷台と昇降移動しない固定側にそれぞれ、
光伝送装置を備えることにより、必要な時に情報伝達を
実施することを可能としている。

【０００７】又、昇降移動する荷台に搭載された、フォ
ーク装置のフォークモータ電源や各種検出器手段への供
給電源及び、光伝送装置や荷台用のコントローラへの電
源供給用には、荷台にバッテリを備えるとともに、必要
時バッテリへの充電を可能とする充電装置の受け側を荷
台側に、供給側を固定側のそれぞれに対応して備えるこ
とにより、ケーブルによる電源供給を不用にしている。

【０００８】尚、昇降高さが異なる入庫・出庫ステーシ
ョンが複数個準備されている場合には、充電装置の供給
側をステーション位置に対応させて複数個準備すること
により、サイクルタイムを長くすることなく、棚との荷
物の受け渡し作業中及び棚への荷台の移動中以外は、全
て充電時間とすることが可能となる。

【０００９】

【作用】自動倉庫設備で、入出庫作業用クレーンは、入
出庫ステーションや棚との間で、荷物の受け渡しをする
装置であるため、目的とする入出庫ステーションと棚間
を移動する機能、つまり入出庫作業用クレーンをラック
の番地方向に走行移動させる機能と、荷台を目的とする
入出庫ステーション及び棚の高さまで、段方向に上昇さ
せたり下降させたりする昇降機能、さらに入出庫ステー
ション及び棚から、荷物を入出庫作業用クレーンに積み
込んだり、逆に、クレーンから入出庫ステーション及び
棚に荷物を卸したりするフォーク機能と、クレーンの荷
台上に積み込まれた荷物の荷姿が正常かどうか、チェッ
クする検出手段や、フォーク装置のフォークの位置検出
手段等の各種の検出手段が必要となる。この内、入出庫
作業用クレーン全体をラックの番地方向に走行移動させ
る機能と荷台を入出庫ステーション及び棚の段方向に、
昇降移動させる機能は、入出庫作業用クレーンの本体側
に備えられるものであるが、荷台に荷物を積み込んだ
り、荷台から荷物を卸したりするフォーク装置と、各種
の検出器手段は、昇降移動が繰返される荷台側に備える
ことが必要となる。従来この荷台側とクレーンの本体側
との間は、専用ケーブルにより接続され、信号の伝達及
び電力の供給が実現されていたが、この方式では、どう
してもケーブルベアに収納されて繰返し屈曲されるケー
ブルの寿命により、ケーブル交換等の作業が必要となっ
てくるためできるなら、ケーブルを使用しない入出庫作
業用クレーンの構成方法が要望される。これに対して、
本発明による構成方法の場合には昇降移動する荷台側と
昇降移動しない本体側のそれぞれに、光伝送装置を据え
付けることにより、機上制御盤から出力されたフォーク
モータのオン，オフ制御信号を荷台側に伝送するととも
に、荷台上に取り付けられた各種の検出器手段のセンサ
出力信号を荷台側から機上制御盤側へ取り込むことが可
能となる。

【００１０】又、昇降移動する荷台に搭載された、フォ
ーク装置のフォークモータ用電源や各種検出器手段への
供給電源及び、前述の光伝送装置や荷台用に備えるコン
トローラへの電源供給用には、荷台に専用のバッテリを
備えるとともに、さらに必要時、バッテリへの充電を可
能とする充電装置を、荷台側，本体側のそれぞれに対応
して備えることにはケーブル接続による電源供給を不用
にしている。

【００１１】

【実施例】以下に、本発明の一実施例を図１に基づいて
説明する。図１で、１は入出庫作業用クレーン、２は入
出庫作業用クレーン１を棚の番地方向に走行移動させる
ための走行レール、３は入出庫作業用クレーンの昇降装
置を棚の段方向に上昇及び下降させるために必要となる
昇降ガイドを併用したポスト、４は荷物を載荷して昇降
移動する荷台、５は入出庫ステーション及び棚との間で
荷物の受け渡しを実施するためのフォーク装置、６はフ
ォーク装置５により積み込まれた荷物、７は入出庫作業
用クレーン１に搭載された機上制御盤、８ａは荷台４側
に取り付けられた光伝送装置、８ｂは入出庫作業用クレ
ーンの本体側に取り付けられた光伝送装置、９は荷台上
に取り付けられたフォーク装置５及び各種検出器手段に
電源を供給するためのバッテリ、１０はバッテリ９に充
電するための充電装置である。この構成によれば、機上
制御盤７からの制御信号や荷台４から機上制御盤７側へ
の信号の伝達は、光伝送装置８ａ及び８ｂにより可能で
あり、又、フォークモータ及び各種検出器手段等で必要
となる電源用として、バッテリ９を備えているため、従
来機上制御盤７と荷台上に取り付けられた各機器との間
で接続されていた、ケーブルベア配線を不用とすること
が可能となる。

【００１２】尚、バッテリ９は充電機能を備えることに
より電圧低下による交換の必要は無く、充電装置１０か
ら充電可能時は常に充電を受けることが可能となる。

【００１３】次に本発明における入出庫作業用クレーン
の構成方法と，従来方法との違いを、図２，図３を用い
て説明する。図２は従来の構成例であり、機上制御盤７
と、荷台上に取り付けられている、各種の検出器手段１
１とフォークモータ１２との間の信号の伝達及び電源の
供給は、ケーブルベア内に配線した専用のケーブルによ
り行われる方法である。これに対して、図３は、本発明
における構成方法を示したものである。フォークモータ
１２のオン／オフ制御及び、回転方向の切替えは、機上
制御盤７の制御コントローラ１５からの制御信号を光伝
送装置、８ｂ，８ａを用いての光伝送手段により荷台４
上のコントローラ１３に伝送するとともに、コントロー
ラ１３に取り込まれた指示命令によりフォークモータ１
２の切替回路１４を切替えることにより可能となる。

【００１４】又、各種検出器手段により検出される各種
の状態信号は、コントローラ１３により送信データに変
換された後、８ａ，８ｂを用いての光伝送手段により機
上制御盤７に取り込まれ、荷台４の昇降位置，フォーク
装置５にてフォーク上に取り込んだ荷物の荷姿異常等の
チェック等に使用される。

【００１５】尚、荷台４に搭載される各機器が必要とす
る電源は、バッテリ９にて供給することが可能であり、
しかもバッテリ９は、充電装置１０を利用することによ
り充電が可能な構成となっている。

【００１６】次に本発明の構成方法における入出庫作業
用クレーン１の動作例について説明する。上位コントロ
ーラから、入出庫作業用クレーン１に、入庫あるいは出
庫等の産業指示が出されると、機上制御盤７内に設置さ
れたクレーンの制御用コントローラ１５より、走行装
置，昇降装置に指示が出され、クレーンを作業の対象と
する入庫・出庫ステーションあるいは、ラック内の目的
棚に移動させるとともに、荷物の受け渡しをするための
荷台４を積み込み用及び卸し用の停止位置まで昇降させ
て待機させる。目的位置に荷台が到達するタイミングに
合わせて、クレーンの制御コントローラ１５から光伝送
装置８ｂ及び８ａを経由して荷台４側のコントローラ１
３に制御信号が送信され、この制御信号により、最終的
に、荷物の積み込み動作あるいは卸し動作を行う、フォ
ーク装置のモータ制御が行われ、荷台４に荷物を積み込
んだり、荷台４から入出庫ステーションあるいは棚上に
荷物を卸すことが可能となる。又、荷台４に搭載された
バッテリ９は常時荷台４上に取り付けられた光伝送装置
８ａ，荷台側コントローラ１３，各種検出器手段１１，
フォークモータに、及び切替回路１４へ電源を供給す
る。このバッテリ９は、入出庫作業用クレーン１の本体
側に備え付けられた充電装置１０により、充電すること
ができる。この充電装置１０は、入出庫ステーションと
の間で荷台４が荷物の受け渡しを行うことができる高さ
に合わせて取り付けることにより、入出庫ステーション
との間で荷物の受け渡しを行う状態やクレーンの走行状
態では常にバッテリ９を充電し続けることが可能であ
り、荷台４が棚との間で荷物の受け渡しを実施する状態
時のみ、充電が中断することになる。尚、クレーンに作
業指示が無い、待機状態では、荷台４を入出庫ステーシ
ョンの高さに停止させておくことにより、充電装置１０
による充電が可能とすることができるので、バッテリ９
は入出庫作業用クレーン１の稼働時間の半分以上の時間
帯を充電中とすることができるため、入出庫作業用クレ
ーン１のサイクルタイムを特に長くすることは不要であ
る。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、入出庫作業用クレーン
の昇降装置側に１台と、本体側に１台の光伝送装置を備
えること、さらに昇降装置に必要な電源供給用のバッテ
リを備えるとともに、本体側にバッテリへの充電装置を
備えることにより、昇降装置と，本体側の機上制御盤間
の信号線及び動力線を不要とすることが可能となるた
め、昇降装置の昇降動作の高速化、さらには、昇降動作
時の低騒音化等についても効果がある。

【００１８】又、本発明の構成方法によれば、ケーブル
レスにしたことにより、ケーブルと棚に格納された荷物
の干渉等の問題については、対策の必要性が無くなるほ
か、スタッカクレーン本体側との組立て作業についても
簡単化することが可能となるため、スタッカクレーンの
組立調整期間を短縮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】入出庫作業用クレーンの構成法の説明図。

【図２】入出庫作業用クレーンの従来の制御構成の説明
図。

【図３】入出庫作業用クレーンの本発明の制御構成の説
明図。

【符号の説明】

７…機上制御盤、８ａ，８ｂ…光伝送装置、９…バッテ
リ、１０…充電装置、１１…検出器、１２…フォークモ
ータ、１３…コントローラ、１４…切替回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】入庫・出庫ステーションと，入庫・出庫棚
   間を走行及び昇降移動し、フォーク機構により荷物の受
   け渡しを行う入出庫作業クレーンにおいて、昇降装置に
   搭載された、フォーク装置のモータへのコントロール信
   号や各種検出器手段からのセンサ取り込み信号を入出庫
   作業クレーンの機上制御盤側との間で入出力するため
   の、光電送装置手段を備え、フォークモータ駆動及び各
   種検出器に必要な電源供給用のバッテリ及びバッテリへ
   の充電装置を備えることにより、前記昇降装置と，機上
   制御盤間の信号線及び動力線を用いることなく、前記昇
   降装置のフォーク動作及び上昇・下降動作等を制御でき
   るようにしたことを特徴とする入出庫作業用クレーン。