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JPH08162443A - エッチング方法 - Google Patents

エッチング方法

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Publication number
JPH08162443A
JPH08162443A JP33016194A JP33016194A JPH08162443A JP H08162443 A JPH08162443 A JP H08162443A JP 33016194 A JP33016194 A JP 33016194A JP 33016194 A JP33016194 A JP 33016194A JP H08162443 A JPH08162443 A JP H08162443A
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JP
Japan
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gas
processing container
etching
frequency power
processing
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Application number
JP33016194A
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English (en)
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JP3469955B2 (ja
Inventor
Kiichi Hama
貴一 浜
Toshiaki Hongo
俊明 本郷
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Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP33016194A priority Critical patent/JP3469955B2/ja
Publication of JPH08162443A publication Critical patent/JPH08162443A/ja
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Publication of JP3469955B2 publication Critical patent/JP3469955B2/ja
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  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理容器内で、被処理基板上のITO(Indi
um Tin Oxide)に対してプラズマを用いたドライエッチ
ングしても、処理容器内のハイドロカーボンを除去し
て、処理容器内を汚染させない。 【構成】 LCD用ガラス基板Pを処理容器2内のサセ
プタ4上に載置し、CH4ガスとH2ガスとを導入して、
高周波アンテナ33に高周波電力を印加すると共に、サ
セプタ4にバイアス用の高周波電力を印加してLCD用
ガラス基板P上のITOに対してエッチングする。エッ
チング終了時に、プラズマを生成したまま導入ガスをO
2ガスに瞬時に切り替えると、ハイドロカーボンは酸素
ラジカルと結合して処理容器2から排気される。このと
きバイアス側の高周波電力を停止したり、高周波アンテ
ナ33側のラジオ周波電力の出力を上げると、処理容器
2内の隅々までクリーニングでき、また必要クリーニン
グ時間を短縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エッチング方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】LCDに用いられるITO(Indium tin
oxide)膜は、今日益々その需要が増大しているTFT
−LCDの透明な画素電極として重要な役割を果たして
いるが、このITO膜をエッチングするには、処理液へ
の浸漬等を伴わない、いわゆるドライエッチング方法よ
りも、塩酸や硝酸などの強酸系、さらにはフッ酸、臭化
水素酸、ヨウ化水素酸のなど酸を適宜混合した強酸系の
処理液に、ITO膜を形成した被処理基板を浸漬するウ
ェットエッチング方法が従来から一般的である。これは
現在提案されているドライエッチング方法では、エッチ
ングレートが高くとれず、そのためバッチ処理可能なウ
ェットエッチング方法よりもスループットが低くなるか
らである。
【0003】しかしながら、ウェットエッチング方法で
は、加工形状の制御や多層膜の連続エッチングが難しい
点があるため、いかにしてそのような処理液を使用しな
いドライエッチング方法でスループットを向上させるか
が問題となる。この点に関し、例えば処理容器内にCH
4ガスとH2ガスを導入して高密度のプラズマを当該処理
容器内に生成させると、高いエッチングレートが得ら
れ、しかも下地である例えば窒化シリコン(SiN)膜
との選択性も充分とれることが判明している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
前記したCH4がプラズマ中で解離すると、C22やC2
3などのハイドロカーボンが処理容器内に発生し、被
処理基板や処理容器内に付着してしまう。
【0005】被処理基板に付着したハイドロカーボンに
ついては、その後のアッシング処理によって除去可能で
あるが、処理容器内に付着したものについては、そのま
まではコンタミネーションの原因となり、またハイドロ
カーボン自体が導電性を有することから、次の被処理基
板の処理の際に、入力エネルギーが減少し、プラズマが
不安定となるおそれがある。そこで何らかの手段を講じ
る必要があるが、単純に処理ガス中に酸素を混合して、
当該酸素と前記ハイドロカーボンを結合させて除去しよ
うとすると、今度はエッチングレートが低下してしまう
ことが判明した。
【0006】従って、本発明ではそのようなハイドロカ
ーボンを除去しつつ、かつエッチングレートを低下させ
ないエッチング方法を提供して、前記問題の解決を図る
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1によれば、被処理基板上のITO(Indium
Tin Oxide)をエッチングする方法において、前記被処
理基板を処理容器内に搬入し、CH4、C24、C
26、C38、CH3OHの各ガスから選択される第1
の処理ガスと、H2、He、Cl2、HClの各ガスから
選択される第2の処理ガスとを前記処理容器内に導入す
ると共に、前記処理容器の外部に設けたアンテナに、ラ
ジオ周波電力を印加して前記処理容器内にプラズマを生
成させ、前記被処理基板を載置する電極にバイアス電位
を発生させる周波電力を印加して前記被処理基板のIT
Oに対してエッチングを行う第1の工程と、前記プラズ
マを持続したまま、前記各処理ガスに代えて前記処理容
器内にO2ガスを導入してこれをプラズマ化して前記被
処理基板の処理を行う第2の工程とを具備したすること
を特徴とする、エッチング方法が提供される。
【0008】また請求項2では、被処理基板上のITO
(Indium Tin Oxide)をエッチングする方法において、
前記被処理基板を処理容器内に搬入し、CH4、C
24、C26、C38、CH3OHの各ガスから選択さ
れる第1の処理ガスと、H2、He、Cl2、HClの各
ガスから選択される第2の処理ガスとを前記処理容器内
に導入すると共に、さらに前記処理容器の外部に設けた
アンテナにラジオ周波電力を印加して前記処理容器にプ
ラズマを生成させ、前記被処理基板を載置する電極にバ
イアス電位を発生させる周波電力を印加して前記被処理
基板のITOに対してエッチングを行う第1の工程と、
前記バイアス側の周波電力の印加を停止してかつプラズ
マを持続したまま、前記各処理ガスに代えて前記処理容
器内にO2ガスを導入してこれをプラズマ化して前記被
処理基板の処理を行う第2の工程とを具備したすること
を特徴とする、エッチング方法。
【0009】前記請求項1、2におけるアンテナの形状
は、単一の渦巻状、コイル状、あるいはループ状であっ
てもよく、いずれにしろラジオ周波電力を印加すること
により誘導される電界によって、プラズマを生成するも
のであればよい。またその配置場所となる処理容器の外
部とは、処理容器の例えば天板部分の外方のみならず、
処理容器における被処理基板よりも上方側部外方であっ
てもよい。
【0010】さらに請求項3に記載のエッチング方法
は、前記請求項1又は2における各エッチング方法にお
いて、前記第2の工程において処理容器内の減圧度を高
めることを特徴とするものである。
【0011】また請求項4に記載のエッチング方法は、
前記請求項1、2又は3に記載のエッチング方法におけ
る前記第2の工程において、アンテナに印加するラジオ
周波電力の出力を上げることを特徴とするものである。
【0012】そして請求項5に記載のエッチング方法
は、前記請求項1、2、3又は4における各エッチング
方法において、第1の工程のエッチングの際に導入した
処理ガスの流量よりも処理容器内に導入するO2ガスの
流量を多くしたことを特徴とするものである。
【0013】
【作用】本発明は、請求項1〜5に記載のいずれのエッ
チング方法であっても、強酸系のエッチング処理液を使
用しないドライエッチングとなっている。そして請求項
1に記載のエッチング方法によれば、第1の工程のエッ
チング終了後に、処理容器内にプラズマを生成したま
ま、前記各処理ガスに代えて前記処理容器内にO2ガス
を導入してプラズマ化するので、それによって生じた酸
素ラジカルが、ハイドロカーボンと結合し、COやCO
2並びにH2Oとなって処理容器から排出される。
【0014】請求項2の場合には、エッチング終了後、
バイアス側の高周波の印加を停止して処理ガスに代えて
2ガスを導入してプラズマ化するので、酸素ラジカル
は処理容器内により拡散しやすくなり、その結果処理容
器内の隅々にまで酸素ラジカルが行き渡り、処理容器内
のハイドロカーボンを効果的に除去できる。また請求項
3の場合のように、前記第1工程のエッチング終了後に
処理容器内の減圧度を高めても、酸素ラジカルは処理容
器内により拡散しやすくなって、請求項2と同様な効果
が得られる。
【0015】請求項4の場合には、O2ガス導入の際、
プラズマを生成するためのアンテナに印加するラジオ周
波電力の出力を上げるので、酸素ラジカルをより多く発
生させることができ、それによって高速にてハイドロカ
ーボンの除去ができる。請求項5の場合も、処理容器内
に導入するO2ガスの流量を、エッチングの際に導入し
た処理ガスの流量よりも多くするので、酸素ラジカルを
より多く発生させることができ、それによって高速でハ
イドロカーボンの除去ができる。
【0016】
【実施例】以下、添付図面に基づき本発明の一実施例に
ついて説明すると、図1は、本実施例を実施するために
構成されたエッチング装置1の断面を模式的に示してお
り、このエッチング装置1における処理容器2は、導電
性材料、例えば表面が酸化処理されたアルミニウムなど
からなり、全体として略矩形の角筒状に成形され、かつ
接地されている。
【0017】前記処理容器2内には、セラミックなどの
絶縁材からなるサセプタ支持体3を介してサセプタ4が
設けられ、またこのサセプタ支持体3自体は、処理容器
2外部に設置された昇降装置5によって、上下動自在に
構成されている。
【0018】一方前記サセプタ4とほぼ対向する処理容
器2の上部には、例えば石英ガラスやセラミックからな
る絶縁材6が、処理容器2内を気密に閉塞するように設
置されている。
【0019】前記サセプタ支持体3とサセプタ4の間に
は、冷却ジャケット11が設けられており、処理容器2
外部に設けられている冷却水供給源(図示せず)から冷
却水導入管12を介して導入された冷却水は、この冷却
ジャケット11内を循環して冷却水排出管13から、排
出されるように構成されている。
【0020】また前記サセプタ4の下部には、加熱用の
ヒータ14が収容されており、処理容器2外部に設置さ
れている電源15からの供給電力を調整することによ
り、前記冷却ジャケット11からの冷熱の伝導を制御し
て、LCD用ガラス基板Pの被処理面の温度調節を行う
ことができるように構成されている。
【0021】さらに前記サセプタ4の内部には、処理容
器2外部に設けてあるガス源16から供給されるHeな
どの熱伝達ガス(バッククーリングガス)を流すための
流路17が形成されており、前記流路17を経た熱伝達
ガスは、サセプタ4内に多数形成されているガス溜18
部分に流れ、さらに当該ガス溜18から、より径小の吐
出路19を経て、サセプタ4上に載置されたLCD用ガ
ラス基板Pの裏面に吐出され、当該LCD用ガラス基板
Pの被処理面の温度調節が行われるように構成されてい
る。
【0022】なおサセプタ4上のLCD用ガラス基板P
自体は、機械的なクランプ機構(図示せず)によって、
その周縁部がクランプされてサセプタ4上で保持される
ようになっている。
【0023】前記サセプタ4には、整合装置31を介し
て高周波電源32が接続されており、エッチング処理時
には、周波数が数十kHz〜10MHz、好ましくは例
えば2MHzの高周波電力をサセプタ4に印加すること
により、プラズマとの間にバイアス電位を生じさせ、エ
ッチャントイオンを、LCD用ガラス基板Pの処理面に
効果的に引き寄せることが可能となっている。
【0024】一方前出絶縁材6の外壁面には導体、例え
ば銅板、アルミニウム、ステンレスなどを渦巻き状に形
成した、ラジオ周波数1MHz〜100MHzを印加す
るための高周波アンテナ33配置されている。この高周
波アンテナ33はプラズマを発生するためのアンテナ作
用を呈する機能が有ればよく、その形状は、コイル状、
ループ状であってもよく、また周波数が高くなると1タ
ーンでも良い。
【0025】そしてこの高周波アンテナ33の両端子、
即ち端子33aおよび端子33bは、整合装置34を介
してプラズマ生成用のラジオ周波電源35に接続されて
いる。したがって、例えば整合装置34などによって電
流の値を調整することにより、高周波アンテナ33を流
れる電流の大きさに応じた交番電界、即ちプラズマ密度
を調整することが可能となっている。また本実施例にお
いては、前記ラジオ周波電源35の周波数は、13.5
6MHzのものを用いた。もちろんプラズマ生成用の高
周波電源の周波数は、かかる周波数に限らず、必要に応
じて適宜選択できる。
【0026】次にこのエッチング装置1における給気、
排気系について説明すると、処理容器2におけるサセプ
タ4上方側面には、石英ガラスまたはセラミックスなど
からなるガス供給管41が取り付けら、さらにこのガス
供給管41は、バルブ42、43、44、及び対応する
マスフローコントローラ45、46、47を介して、そ
れぞれ処理ガス供給源48、49、50に接続されてい
る。そして処理ガス供給源48からはCH4ガスが、処
理ガス供給源49からはH2ガスが、処理ガス供給源5
0からはO2ガスが、夫々供給可能に構成され、前記バ
ルブ42、43、44、及びマスフローコントローラ4
5、46、47の制御によって、所望のガスを所望の流
量で、ガス供給管41を通じて処理容器2内に導入する
ことが可能である。
【0027】また前記処理容器2の底部には、ターボ分
子ポンプなどの排気手段(図示せず)に通ずる排気管5
1が設けられ、当該排気手段によってこの処理容器2内
は、所定の減圧度まで真空引きが可能である。
【0028】そして処理容器2における中央部側壁には
ゲートバルブ(図示せず)が設けられており、このゲー
トバルブを介して被処理基板であるLCD用ガラス基板
Pの搬入搬出を行うように構成されている。なお搬入搬
送時、プロセス時のサセプタ4の上下移動は、前出昇降
機構5の上下動によってなされる。
【0029】次に前記のように構成されたエッチング装
置1の制御系について説明すると、前出処理容器2の一
方の側壁には、石英ガラスなどの透明な材料から構成さ
れる透過窓52が取り付けられており、処理容器2内の
光を適宜の光学系機器53を介して光学センサ54で検
出し、処理容器2内から発生する発光スペクトルに関す
る信号を制御器55に送ることができるように構成され
ている。また前記処理容器2には処理容器2内の圧力な
どの諸条件の変化を検出するためのセンサ56が取り付
けられており、処理容器2内の圧力に関する信号を前記
制御器55に送ることができるように構成されている。
【0030】制御器55は、これらのセンサからのフィ
ードバック信号あるいは予め設定された設定値に基づい
て、プラズマ発生用のラジオ周波電源35、バイアス用
の高周波電源32、冷却水供給源(図示せず)、ヒータ
14の電源15、バッククーリング用のガス源16、ガ
ス給気系のバルブ42、43、44及びマスフローコン
トローラ45、46、47、さらには排気系の排気手段
(図示せず)などに送り、エッチングの際の所望の各種
条件を創出することが可能なように構成されている。
【0031】次に以上のように構成されたエッチング装
置1を用いて、本実施例にかかるエッチング方法につい
て説明する。まず別設の搬送アームなどの搬送手段(図
示せず)によってLCD用ガラス基板Pをサセプタ4上
に載置し、前記搬送手段の待避後、既述したクランプ機
構により、このLCD用ガラス基板Pをサセプタ4上に
保持させる。そして処理容器2内を所定の減圧度にまで
真空引きし、またLCD用ガラス基板Pの裏面およびサ
セプタ4の各接合部に伝熱用のバッククーリング用ガス
を供給しながら、冷却ジャケット11から冷熱を供給
し、LCD用ガラス基板Pの処理面を所望の温度に設定
する。
【0032】しかる後ガス供給管41から、CH4ガス
を例えば20sccm、H2ガスを80sccmの割合
で処理容器2内に導入し、さらに処理容器2内の減圧度
を20mTorrに設定する。そしてそのことがセンサ
56により検出された後、ラジオ周波電源35から高周
波アンテナ33に、周波数が13.56MHz、パワー
が例えば500Wの高周波電力が印加され、同時にバイ
アス用の高周波電源32から周波数が2MHz、パワー
が例えば300Wの高周波電力がサセプタ4に印加され
ると、前記CH4ガスの解離によって発生したエッチャ
ントイオンCH3が、LCD用ガラス基板P表面のIT
Oをエッチングしていく。即ち、 In+3CH3 → In(CH33 となって、ITOがエッチングされていくのである。か
かるエッチングが進行していくと、処理容器2内には、
前記反応過程でハイドロカーボン系の反応性生物である
例えばCH3、C22、C23、C24が発生する。
【0033】しかしながら、所定のエッチングが終了し
た時点で、CH4ガス、H2ガスの導入を停止すると同時
に、処理容器2内に導入するガス種を切り替えて今度は
処理容器2内にO2ガスを、例えば100sccm導入
する。さらに同時にバイアス用の高周波電源32の印加
は停止し、一方プラズマ生成を担っているラジオ周波電
源35からの高周波アンテナ33への印加はそのままに
する。かかる高周波電力、の印加、導入ガス種の切り替
えをタイムチャートで示すと、図2の実線部分のように
なる。なおかかる切り替えは、可能な限り短い方がよ
い。従って、バルブ42、43、44は、なるべく処理
容器2に近接して設置する方がよい。
【0034】以上のプロセスを経ると、エッチング終了
後に導入されたO2ガスがプラズマによって解離し、そ
れによって生じたO*(酸素ラジカル)が、前記したハ
イドロカーボンと結合し、その結果CO、CO2、H2
となって、排気管51から処理容器2外へと排気される
のである。
【0035】このことを、O2ガスを導入しない場合と
比較するため、実際に発明者らが実験したデータを、図
3、図4に示す。なおプラズマ発生条件、即ちプラズマ
生成用の13.56MHzのパワーは500W、バイア
ス用の2MHzのパワーは300W、減圧度は20mT
orr、CH4ガスの流量は20sccm、H2ガスの流
量は80sccmに各々設定した。
【0036】まず図3は、前記プラズマ発生条件の下
で、下地がSiNのITOに対してエッチングした場合
の処理容器2内の残留物質の分析結果を示しており、横
軸は物質の種類、縦軸はその量を振幅値で示している。
これによると、ハイドロカーボンである、CH3、C2
2、C23、C24が処理容器2内に残留していること
がわかる。
【0037】次にプラズマ発生条件は同一にして、エッ
チング終了後にバイアス用の2MHzの高周波の印加を
停止し、またプラズマ生成用の13.56MHzの高周
波電力のパワーを170Wに落とし、さらには導入ガス
をO2ガスに切り替えて、O2ガスを33sccm導入し
て、例えば20秒間クリーニングすると、図4に示した
結果が得られた。
【0038】これによると、前記したCH3、C22
23、C24などのハイドロカーボンは検出されず、
2O、CO、CO2、O2など、ハイドロカーボンとO
とが結合した物質が多量に検出された。従ってこのこと
により、処理容器2内のハイドロカーボンが除去された
ことが確認できる。
【0039】なお既述した図2のタイムチャートにおけ
る実線部分で示したプロセスでは、エッチング終了後、
プラズマ生成用のラジオ周波電力の出力は、そのままで
あったが、図2のタイムチャートにおける破線部分で示
したように、エッチング終了後に高周波アンテナ33に
印加するプラズマ生成用のラジオ周波電力の出力を上げ
れば、それに伴ってプラズマ密度も高くなり、その結果
発生する酸素ラジカルの量も増大するので、結局O2
スの導入時間も、図2のタイムチャートにおける破線部
分で示したように短くて済む。従って、スループットを
向上させることができる。
【0040】同様な観点から、O2ガスの導入量を多く
しても酸素ラジカルの量を増大させることができるの
で、やはりスループットを向上させることができる。も
ちろん両方法を併用すれば、さらにクリーニング時間を
短縮させて、より一層スループットを向上させることが
可能である。
【0041】また以上に説明した実施例のプロセスにお
いては、CH4ガス、H2ガスの処理ガスをO2ガスと同
時に導入せず、CH4ガス、H2ガスの導入を停止して処
理容器内のガスの導入をO2ガスに切り替える構成を採
っているので、肝心のエッチングレートは高い水準を維
持できる。
【0042】発明者らがこの点についても実験したとこ
ろ、次のような結果が得られた。即ちまず前記したプラ
ズマ発生条件と同一の条件でSiN上のITOをエッチ
ングするたにあたり、CH4ガス、H2ガスの他に、O2
ガスを同時に導入することにして当該O2ガスの流量を
変えてみたところ、CH3、C22、C23、C24
どのハイドロカーボンの捻出は減少したが、図5に示し
た結果が得られた。それによればO2ガスの導入量に従
って、エッチングレートが大きく低下していることがわ
かる。これでは、高いスループットが得られない。
【0043】一方前記エッチング装置1を用いて、CH
4ガス、H2ガス導入の際に、O2ガスを導入せずエッチ
ングしたところ、例えば図6〜図10に示したエッチン
グレートの特性が得られた。
【0044】即ちエッチングレートのバイアス依存特性
については、図6のグラフに示した通りであり、プラズ
マ生成用の13.56MHzの高周波電力を500Wに
固定し、CH4ガスを20sccm、H2ガスを80sc
cm、減圧度を20mTorrに設定して、バイアス電
位を発生させるための2MHzの高周波電力の出力を上
げていくと、それに伴ってほぼリニアにエッチングレー
トが向上し、500W時では、毎分約1200オングス
トロームの高速エッチングが得られている。
【0045】次にCH4ガスを20sccm、H2ガスを
80sccm、減圧度を20mTorrに設定して、バ
イアス電位を発生させるための2MHzの高周波を30
0Wに固定したまま、今度はプラズマ生成用の13.5
6MHzの高周波電力の出力を上げていくと、それに伴
ってエッチングレートが向上し、1000W時では、毎
分約900オングストロームの高速エッチングが得られ
ている。
【0046】次にプロセス圧力の依存特性についてみる
と、CH4ガスを60sccm、H2ガスを120scc
m、プラズマ生成用の13.56MHzの高周波電力を
150W、バイアス電位を発生させるための2MHzの
高周波電力の出力を600Wに設定して、プロセス圧力
の減圧度を変化させると、図8に示したように20mT
orr付近で最大になり、毎分約900オングストロー
ムの高速エッチングが得られている。
【0047】次にCH4ガスとH2ガスとの分圧特性につ
いてみると、プラズマ生成用の13.56MHzの高周
波電力を150W、バイアス電位を発生させるための2
MHzに設定し、プロセス圧力を30mTorrに固定
したまま、CH4ガスとH2ガスとの分圧比を変化させて
いくと、図9に示したように、約50%の分圧時に毎分
約1000オングストロームを越える高速エッチングレ
ートが得られている。
【0048】そしてCH4ガスの分圧比を30%に設定
し、プラズマ生成用の13.56MHzの高周波電力を
150W、バイアス電位を発生させるための2MHzに
設定し、プロセス圧力を30mTorrに固定したま
ま、CH4ガスとH2ガスの合計流量を増加させていく
と、図10に示したように、流量が多いほど、高いエッ
チングレートが得られた。
【0049】以上のように、CH4ガスとH2ガスの導入
時にO2ガスを導入しなければ、いずれも高いエッチン
グレートが得られることが確認できた。従って、本発明
によれば、エッチング終了時にCH4ガス、H2ガスとO
2ガスとを切り替えるようにして導入しているので、高
速エッチングが可能であり、しかも処理容器内のハイド
ロカーボンを除去することが可能である。
【0050】なお前出エッチング装置1においては、処
理容器2内の環境を監視している光学センサ54、セン
サ56からのフィードバック信号あるいは予め設定され
た値に基づいて、制御器55より高周波電源32、35
に制御信号が送って、これらを制御することが可能であ
るから、常にレシピに応じた最適な処理条件を得ること
ができる。しかもセンサ光学54によってプラズマ状態
を監視しているので、エッチング終了時を自動的に判断
して、バイアス側の高周波電源の停止や、プラズマ生成
用のラジオ周波電源35の出力の増大、さらには処理容
器2内に導入するガス種の切り替え、流量の調節等を自
動的にかつ好適に実施できるものである。
【0051】
【発明の効果】請求項1〜5に記載のエッチング方法
は、エッチング処理液を使用しないドライエッチングで
あるからまず、その加工形状の制御や多層膜の連続エッ
チングが可能である。しかもエッチング終了後、処理容
器から被処理基板を搬出せずに、そのまま連続して被処
理基板はもちろんのこと、処理容器内のハイドロカーボ
ンを除去することができる。従って、スループットが良
好で、しかもエッチングレートを高く維持しつつかつ処
理容器内の汚染を防止することが可能である。特に請求
項2、3の場合には、処理容器内の隅々まで、ハイドロ
カーボンの除去を効果的に実施できる。また請求項4、
5によれば、ハイドロカーボンの除去がより高速で実施
できるので、スループットはさらに向上している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を実施するためのエッチング装
置の断面を模式的に示した説明図である。
【図2】実施例のプロセスのタイミングチャート図であ
る。
【図3】O2ガスを導入しない場合の処理容器内の残留
物質のスペクトルを示すグラフである。
【図4】エッチング終了時にO2ガスを導入した場合の
処理容器内の残留物質のスペクトルを示すグラフであ
る。
【図5】ITOのエッチングレートのO2依存特性を示
すグラフである。
【図6】ITOのエッチングレートのバイアス電力依存
特性を示すグラフである。
【図7】ITOのエッチングレートのプラズマ生成用高
周波電力依存特性を示すグラフである。
【図8】ITOのエッチングレートのプロセス圧力依存
特性を示すグラフである。
【図9】ITOのエッチングレートのCH4/(CH4
2)分圧依存特性を示すグラフである。
【図10】ITOのエッチングレートのCH4+H2Oの
合計流量依存特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エッチング装置 2 処理容器 4 サセプタ 6 絶縁材 32 高周波電源 35 ラジオ周波電源 33 高周波アンテナ 42、43、44 バルブ 45、46、47 マスフローコントローラ 48、49、50 処理ガス供給源 51 排気管 55 制御器 P LCD用ガラス基板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理基板上のITO(Indium Tin Oxi
    de)をエッチングする方法において、前記被処理基板を
    処理容器内に搬入し、CH4、C24、C26、C
    38、CH3OHの各ガスから選択される第1の処理ガ
    スと、H2、He、Cl2、HClの各ガスから選択され
    る第2の処理ガスとを、前記処理容器内に導入すると共
    に、前記処理容器の外部に設けたアンテナに、ラジオ周
    波電力を印加して前記処理容器内にプラズマを生成さ
    せ、前記被処理基板を載置する電極にバイアス電位を発
    生させる周波電力を印加して前記被処理基板のITOに
    対してエッチングを行う第1の工程と、プラズマを持続
    したまま、前記各処理ガスに代えて前記処理容器内にO
    2ガスを導入してプラズマ化して前記被処理基板の処理
    を行う第2の工程とを具備したすることを特徴とする、
    エッチング方法。
  2. 【請求項2】 被処理基板上のITO(Indium Tin Oxi
    de)をエッチングする方法において、前記被処理基板を
    処理容器内に搬入し、CH4、C24、C26、C
    38、CH3OHの各ガスから選択される第1の処理ガ
    スと、H2、He、Cl2、HClの各ガスから選択され
    る第2の処理ガスとを、前記処理容器内に導入すると共
    に、前記処理容器の外部に設けたアンテナにラジオ周波
    電力を印加して前記処理容器にプラズマを生成させ、前
    記被処理基板を載置する電極にバイアス電位を発生させ
    る周波電力を印加して前記被処理基板のITOに対して
    エッチングを行う第1の工程と、前記バイアス側の周波
    電力の印加を停止してかつプラズマを持続したまま、前
    記各処理ガスに代えて前記処理容器内にO2ガスを導入
    してプラズマ化して前記被処理基板の処理を行う第2の
    工程とを具備したすることを特徴とする、エッチング方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第2の工程において処理容器内の減
    圧度を高めることを特徴とする、請求項1又は2に記載
    のエッチング方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の工程においてアンテナに印加
    するラジオ周波電力の出力を上げることを特徴とする、
    請求項1、2又は3に記載のエッチング方法。
  5. 【請求項5】 前記処理容器内に導入するO2ガスの流
    量は、第1の工程において導入した処理ガスの流量より
    も多くすることを特徴とする、請求項1、2、3又は4
    に記載のエッチング方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6258728B1 (en) * 1998-05-22 2001-07-10 Micron Technology, Inc. Plasma etching methods
JP2010003872A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Kaneka Corp 酸化亜鉛膜のドライエッチング方法
JP2010016207A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Sumitomo Heavy Ind Ltd プラズマ処理方法及び処理装置
JP2013179127A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 電子デバイスの製造方法及び薄膜トランジスタ
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CN112424925A (zh) * 2018-08-31 2021-02-26 玛特森技术公司 从氮化钛表面去除氧化物

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