JPH0796779A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
自動変速機の制御装置Info
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- JPH0796779A JPH0796779A JP5241025A JP24102593A JPH0796779A JP H0796779 A JPH0796779 A JP H0796779A JP 5241025 A JP5241025 A JP 5241025A JP 24102593 A JP24102593 A JP 24102593A JP H0796779 A JPH0796779 A JP H0796779A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- range
- clutch
- automatic transmission
- engine
- torque
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
- Control Of Transmission Device (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 レーシングセレクトによりNレンジからDレ
ンジ又はRレンジにシフトした場合、あるいはNレンジ
からDレンジ又はRレンジにシフトした直後にアクセル
を踏み込んだ場合の、クラッチのすべりを有効に防止す
ることができる自動変速機の制御装置を提供する。 【構成】 エンジンCEと自動変速機ATとを備えたパ
ワープラントでは、NレンジからDレンジ又はRレンジ
にシフトされたときには、コントロールユニットCによ
って、所定時間だけエンジンCEの出力トルクが低下さ
せられ、これによってエンジン側から自動変速機側への
トルク供給量が低減され、レーシングセレクト時等、ラ
イン圧が低いときでも、該シフトで締結されるクラッチ
のすべりあるいは焼き付きの発生が防止され、該クラッ
チの耐久性が高められる。
ンジ又はRレンジにシフトした場合、あるいはNレンジ
からDレンジ又はRレンジにシフトした直後にアクセル
を踏み込んだ場合の、クラッチのすべりを有効に防止す
ることができる自動変速機の制御装置を提供する。 【構成】 エンジンCEと自動変速機ATとを備えたパ
ワープラントでは、NレンジからDレンジ又はRレンジ
にシフトされたときには、コントロールユニットCによ
って、所定時間だけエンジンCEの出力トルクが低下さ
せられ、これによってエンジン側から自動変速機側への
トルク供給量が低減され、レーシングセレクト時等、ラ
イン圧が低いときでも、該シフトで締結されるクラッチ
のすべりあるいは焼き付きの発生が防止され、該クラッ
チの耐久性が高められる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の制御装置
に関するものである。
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用の自動変速機にはトル
クコンバータと変速歯車機構とが直列に配設され、トル
クコンバータはエンジン出力軸のトルクを変速してター
ビンシャフトに伝達し、変速歯車機構は上記タービンシ
ャフトのトルクをさらに変速して駆動輪側に伝達するよ
うになっている。ここで、変速歯車機構は、通常、サン
ギヤ、リングギヤ、ピニオンギヤ等の複数のギヤを備え
た遊星歯車機構とされ、かかる変速歯車機構には所定の
ギヤへのトルクの伝達をオン・オフするクラッチ、ある
いは所定のギヤを固定(ブレーキオン)・解放(ブレーキ
オフ)するブレーキ等の各種油圧式摩擦締結要素が設け
られる。そして、これらの各摩擦締結要素に対して作動
油圧(作動油)を給排する油圧機構が設けられ、この油圧
機構によって各摩擦締結要素のオン・オフパターンが切
り替えられて変速が行われるようになっている。
クコンバータと変速歯車機構とが直列に配設され、トル
クコンバータはエンジン出力軸のトルクを変速してター
ビンシャフトに伝達し、変速歯車機構は上記タービンシ
ャフトのトルクをさらに変速して駆動輪側に伝達するよ
うになっている。ここで、変速歯車機構は、通常、サン
ギヤ、リングギヤ、ピニオンギヤ等の複数のギヤを備え
た遊星歯車機構とされ、かかる変速歯車機構には所定の
ギヤへのトルクの伝達をオン・オフするクラッチ、ある
いは所定のギヤを固定(ブレーキオン)・解放(ブレーキ
オフ)するブレーキ等の各種油圧式摩擦締結要素が設け
られる。そして、これらの各摩擦締結要素に対して作動
油圧(作動油)を給排する油圧機構が設けられ、この油圧
機構によって各摩擦締結要素のオン・オフパターンが切
り替えられて変速が行われるようになっている。
【0003】かかる自動変速機において、油圧機構のラ
イン圧ないしは作動油圧は、各摩擦締結要素での動力伝
達量等に応じた適正な圧でなければならず、ライン圧が
高すぎると動力損失の増加を招き、他方ライン圧が低す
ぎると摩擦締結要素にすべりが生じて摩擦プレートに異
常摩耗あるいは異常発熱が生じてしまう。このため、従
来の自動変速機においては、ライン圧は、コントロール
ユニットによって、運転状態(例えば、スロットル開
度、タービン回転数)に応じて制御されるようになって
いる。
イン圧ないしは作動油圧は、各摩擦締結要素での動力伝
達量等に応じた適正な圧でなければならず、ライン圧が
高すぎると動力損失の増加を招き、他方ライン圧が低す
ぎると摩擦締結要素にすべりが生じて摩擦プレートに異
常摩耗あるいは異常発熱が生じてしまう。このため、従
来の自動変速機においては、ライン圧は、コントロール
ユニットによって、運転状態(例えば、スロットル開
度、タービン回転数)に応じて制御されるようになって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の自動変速機においてレーシングセレクト時、すな
わちNレンジでエンジン回転数を高めておいてDレンジ
又はRレンジにシフトしたときには、スロットル開度は
それほど大きくはないのでライン圧ないし作動油圧が比
較的低いのにもかかわらず、該シフトによりに締結され
るクラッチに加えられる動力ないしはトルクが大きいの
で、締結に要する時間が長くなり、したがってプレート
間にすべりが生じ、該クラッチに焼き付きが生じるなど
してその耐久性が低下するといった問題がある。
従来の自動変速機においてレーシングセレクト時、すな
わちNレンジでエンジン回転数を高めておいてDレンジ
又はRレンジにシフトしたときには、スロットル開度は
それほど大きくはないのでライン圧ないし作動油圧が比
較的低いのにもかかわらず、該シフトによりに締結され
るクラッチに加えられる動力ないしはトルクが大きいの
で、締結に要する時間が長くなり、したがってプレート
間にすべりが生じ、該クラッチに焼き付きが生じるなど
してその耐久性が低下するといった問題がある。
【0005】具体的には、NレンジからDレンジへのシ
フト時にはフォワードクラッチが締結されて1速にセッ
トされることになるのでフォワードクラッチの耐久性を
低下させることになる。また、NレンジからRレンジへ
のシフト時にはリバースクラッチが締結されるので、リ
バースクラッチの耐久性を低下させることになる。
フト時にはフォワードクラッチが締結されて1速にセッ
トされることになるのでフォワードクラッチの耐久性を
低下させることになる。また、NレンジからRレンジへ
のシフト時にはリバースクラッチが締結されるので、リ
バースクラッチの耐久性を低下させることになる。
【0006】また、NレンジからDレンジ又はRレンジ
にシフトした直後にアクセルを踏み込んだ場合にも、ラ
イン圧ないしは作動油圧が低いのにもかかわらず、フォ
ワードクラッチ又はリバースクラッチに大きな動力ない
しはトルクが加えられるので、その耐久性が低下すると
いった問題がある。
にシフトした直後にアクセルを踏み込んだ場合にも、ラ
イン圧ないしは作動油圧が低いのにもかかわらず、フォ
ワードクラッチ又はリバースクラッチに大きな動力ない
しはトルクが加えられるので、その耐久性が低下すると
いった問題がある。
【0007】そこで、NレンジからDレンジへシフトし
たときには、変速歯車機構を3速を経由して1速にセッ
トするようにして、フォワードクラッチの耐久性を高め
るようにした自動変速機が提案されている(例えば、特
公平3−69018号公報参照)。けだし、3速ではフ
ォワードクラッチ、コーストクラッチ及び3−4クラッ
チの3つのクラッチが締結されるので、エンジン側から
各クラッチに加えられるトルクが軽減されるからであ
る。
たときには、変速歯車機構を3速を経由して1速にセッ
トするようにして、フォワードクラッチの耐久性を高め
るようにした自動変速機が提案されている(例えば、特
公平3−69018号公報参照)。けだし、3速ではフ
ォワードクラッチ、コーストクラッチ及び3−4クラッ
チの3つのクラッチが締結されるので、エンジン側から
各クラッチに加えられるトルクが軽減されるからであ
る。
【0008】しかしながら、例えば、特公平3−690
18号公報に開示されている自動変速機では、Nレンジ
からRレンジへのシフト時には、3速を経由させること
ができないので、リバースクラッチの耐久性を高めるこ
とができないといった問題がある。また、Nレンジから
Dレンジへのシフト時においても、各クラッチには依然
かなりのトルクが加えられるので、その耐久性を十分に
は高めることができないといった問題がある。
18号公報に開示されている自動変速機では、Nレンジ
からRレンジへのシフト時には、3速を経由させること
ができないので、リバースクラッチの耐久性を高めるこ
とができないといった問題がある。また、Nレンジから
Dレンジへのシフト時においても、各クラッチには依然
かなりのトルクが加えられるので、その耐久性を十分に
は高めることができないといった問題がある。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決するため
になされたものであって、レーシングセレクトによりN
レンジからDレンジ又はRレンジにシフトした場合、あ
るいはNレンジからDレンジ又はRレンジにシフトした
直後にアクセルを踏み込んだ場合の、各クラッチの耐久
性の低下を有効に防止することができる自動変速機の制
御装置を提供することを目的とする。
になされたものであって、レーシングセレクトによりN
レンジからDレンジ又はRレンジにシフトした場合、あ
るいはNレンジからDレンジ又はRレンジにシフトした
直後にアクセルを踏み込んだ場合の、各クラッチの耐久
性の低下を有効に防止することができる自動変速機の制
御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、図1に構成を示すように、第1の発明は、油圧制御
機構aにより給排される油圧によって継断されるクラッ
チbが設けられ、該クラッチbの継断に対応して変速特性
を切り替えるようになっている自動変速機cの制御装置
において、クラッチbの締結に際しては、該クラッチbに
供給される油圧が上昇するまではエンジンdからクラッ
チbへの動力供給を規制する動力供給規制手段eが設けら
れていることを特徴とする自動変速機の制御装置を提供
する。
め、図1に構成を示すように、第1の発明は、油圧制御
機構aにより給排される油圧によって継断されるクラッ
チbが設けられ、該クラッチbの継断に対応して変速特性
を切り替えるようになっている自動変速機cの制御装置
において、クラッチbの締結に際しては、該クラッチbに
供給される油圧が上昇するまではエンジンdからクラッ
チbへの動力供給を規制する動力供給規制手段eが設けら
れていることを特徴とする自動変速機の制御装置を提供
する。
【0011】第2の発明は、第1の発明にかかる自動変
速機の制御装置において、自動変速機cが少なくとも、
エンジンdから入力される動力の車輪側への伝達を停止
するニュートラルレンジと、上記動力を車輪側に伝達す
る走行レンジとを備えていて、動力供給規制手段eが、
ニュートラルレンジから走行レンジへの切り替えに際し
ては、切り替え直後にアクセル踏み込み量に応じてエン
ジンdの出力トルクを規制するようになっていることを
特徴とする自動変速機の制御装置を提供する。
速機の制御装置において、自動変速機cが少なくとも、
エンジンdから入力される動力の車輪側への伝達を停止
するニュートラルレンジと、上記動力を車輪側に伝達す
る走行レンジとを備えていて、動力供給規制手段eが、
ニュートラルレンジから走行レンジへの切り替えに際し
ては、切り替え直後にアクセル踏み込み量に応じてエン
ジンdの出力トルクを規制するようになっていることを
特徴とする自動変速機の制御装置を提供する。
【0012】第3の発明は、第2の発明にかかる自動変
速機の制御装置において、動力供給規制手段eが、ニュ
ートラルレンジから走行レンジへの切り替えに際して
は、エンジン回転数をクラッチ容量に応じて低下させる
ようになっていることを特徴とする自動変速機の制御装
置を提供する。
速機の制御装置において、動力供給規制手段eが、ニュ
ートラルレンジから走行レンジへの切り替えに際して
は、エンジン回転数をクラッチ容量に応じて低下させる
ようになっていることを特徴とする自動変速機の制御装
置を提供する。
【0013】第4の発明は、第2の発明にかかる自動変
速機の制御装置において、動力供給規制手段eが、ニュ
ートラルレンジから走行レンジへの切り替えに際して
は、切り替え後に所定時間だけエンジンdの出力トルク
を低下させる一方、上記所定時間を油温に応じて設定す
るようになっていることを特徴とする自動変速機の制御
装置を提供する。
速機の制御装置において、動力供給規制手段eが、ニュ
ートラルレンジから走行レンジへの切り替えに際して
は、切り替え後に所定時間だけエンジンdの出力トルク
を低下させる一方、上記所定時間を油温に応じて設定す
るようになっていることを特徴とする自動変速機の制御
装置を提供する。
【0014】第5の発明は、第2〜第4の発明のいずれ
か1つにかかる自動変速機の制御装置において、動力供
給規制手段eが、エンジン水温が低いときには、ニュー
トラルレンジから走行レンジへの切り替えに際して、エ
ンジンdの出力トルクを規制しないようになっているこ
とを特徴とする自動変速機の制御装置を提供する。
か1つにかかる自動変速機の制御装置において、動力供
給規制手段eが、エンジン水温が低いときには、ニュー
トラルレンジから走行レンジへの切り替えに際して、エ
ンジンdの出力トルクを規制しないようになっているこ
とを特徴とする自動変速機の制御装置を提供する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図2に示すように、自動車用のパワープラントは、トル
クを生み出す4気筒エンジンCEと、該エンジンCEの
出力トルクを変速する自動変速機ATとで構成されてい
る。そして、エンジンCEの各気筒においては、夫々、
独立吸気通路1から燃焼室2内に混合気が供給され、こ
の混合気がピストン(図示せず)によって圧縮された後点
火プラグ3によって着火・燃焼させられ、この後燃焼ガ
スが独立排気通路4を介して外部に排出されるようにな
っている。ここで、各独立吸気通路1に臨んで、夫々、
吸入空気中に燃料を噴射する燃料噴射弁5が設けられて
いる。また、各独立吸気通路1は上流側で1つの共通吸
気通路6に集合され、この共通吸気通路6には、アクセ
ルペダル(図示せず)と連動して開閉されるスロットル弁
7が介設されている。
図2に示すように、自動車用のパワープラントは、トル
クを生み出す4気筒エンジンCEと、該エンジンCEの
出力トルクを変速する自動変速機ATとで構成されてい
る。そして、エンジンCEの各気筒においては、夫々、
独立吸気通路1から燃焼室2内に混合気が供給され、こ
の混合気がピストン(図示せず)によって圧縮された後点
火プラグ3によって着火・燃焼させられ、この後燃焼ガ
スが独立排気通路4を介して外部に排出されるようにな
っている。ここで、各独立吸気通路1に臨んで、夫々、
吸入空気中に燃料を噴射する燃料噴射弁5が設けられて
いる。また、各独立吸気通路1は上流側で1つの共通吸
気通路6に集合され、この共通吸気通路6には、アクセ
ルペダル(図示せず)と連動して開閉されるスロットル弁
7が介設されている。
【0016】図3に示すように、自動変速機ATにはト
ルクコンバータTと変速歯車機構Gとが設けられ、トル
クコンバータTはエンジン出力軸8のトルクを変速して
タービンシャフト9に伝達し、変速歯車機構Gはタービ
ンシャフト9のトルクをさらに変速し、また後進段が選
択されているときには回転を逆転させて出力ギヤ10か
ら駆動輪側に出力するようになっている。なお、タービ
ンシャフト9はパイプ状に形成され、その中空部にはエ
ンジン出力軸8に連結されたポンプシャフト11が配設
され、このポンプシャフト11によってオイルポンプ1
2が回転駆動されるようになっている。
ルクコンバータTと変速歯車機構Gとが設けられ、トル
クコンバータTはエンジン出力軸8のトルクを変速して
タービンシャフト9に伝達し、変速歯車機構Gはタービ
ンシャフト9のトルクをさらに変速し、また後進段が選
択されているときには回転を逆転させて出力ギヤ10か
ら駆動輪側に出力するようになっている。なお、タービ
ンシャフト9はパイプ状に形成され、その中空部にはエ
ンジン出力軸8に連結されたポンプシャフト11が配設
され、このポンプシャフト11によってオイルポンプ1
2が回転駆動されるようになっている。
【0017】トルクコンバータTは、エンジン出力軸8
と一体的に回転するポンプ13pと、タービンシャフト
9と一体的に回転しポンプ13pから吐出される作動油
によって回転駆動されるタービン13tと、タービン1
3tからポンプ13pに還流する作動油をポンプ13pの
回転を促進する方向に整流するステータ13sとで構成
され、ポンプ13pとタービン13tの回転差に応じた変
速比で、エンジン出力軸8のトルクを変速するようにな
っている。ここで、ステータ13sはステータ用ワンウ
ェイクラッチW1を介して固定部に連結されている。な
お、動力損失を低減して燃費性能を高めるために、所定
の運転領域でエンジン出力軸8とタービンシャフト9と
を直結させるロックアップクラッチ14が設けられてい
る。
と一体的に回転するポンプ13pと、タービンシャフト
9と一体的に回転しポンプ13pから吐出される作動油
によって回転駆動されるタービン13tと、タービン1
3tからポンプ13pに還流する作動油をポンプ13pの
回転を促進する方向に整流するステータ13sとで構成
され、ポンプ13pとタービン13tの回転差に応じた変
速比で、エンジン出力軸8のトルクを変速するようにな
っている。ここで、ステータ13sはステータ用ワンウ
ェイクラッチW1を介して固定部に連結されている。な
お、動力損失を低減して燃費性能を高めるために、所定
の運転領域でエンジン出力軸8とタービンシャフト9と
を直結させるロックアップクラッチ14が設けられてい
る。
【0018】変速歯車機構Gは普通のプラネタリギヤシ
ステムであって、この変速歯車機構Gには、タービンシ
ャフト9に遊嵌された比較的小径のスモールサンギヤ1
5と、このスモールサンギヤ15より後方(図3では左
側)でタービンシャフト9に遊嵌された比較的大径のラ
ージサンギヤ16と、スモールサンギヤ15と噛み合う
複数のショートピニオンギヤ17(1つのみ図示)と、前
部(図3では右側)がショートピニオンギヤ17と噛み合
い後部がラージサンギヤ16と噛み合うロングピニオン
ギヤ18と、さらにこのロングピニオンギヤ18と噛み
合うリングギヤ19と、ショートピニオンギヤ17とロ
ングピニオンギヤ18とを回転自在(自転)に支持するキ
ャリア20とが設けられている。この変速歯車機構Gで
は、変速段に応じてスモールサンギヤ15、ラージサン
ギヤ16又はキャリア20がトルク入力部となる一方、
どの変速段でもリングギヤ19がトルク出力部となる。
なお、リングギヤ19は出力ギヤ10に連結されてい
る。
ステムであって、この変速歯車機構Gには、タービンシ
ャフト9に遊嵌された比較的小径のスモールサンギヤ1
5と、このスモールサンギヤ15より後方(図3では左
側)でタービンシャフト9に遊嵌された比較的大径のラ
ージサンギヤ16と、スモールサンギヤ15と噛み合う
複数のショートピニオンギヤ17(1つのみ図示)と、前
部(図3では右側)がショートピニオンギヤ17と噛み合
い後部がラージサンギヤ16と噛み合うロングピニオン
ギヤ18と、さらにこのロングピニオンギヤ18と噛み
合うリングギヤ19と、ショートピニオンギヤ17とロ
ングピニオンギヤ18とを回転自在(自転)に支持するキ
ャリア20とが設けられている。この変速歯車機構Gで
は、変速段に応じてスモールサンギヤ15、ラージサン
ギヤ16又はキャリア20がトルク入力部となる一方、
どの変速段でもリングギヤ19がトルク出力部となる。
なお、リングギヤ19は出力ギヤ10に連結されてい
る。
【0019】そして、変速歯車機構G内でのトルク伝達
経路(動力伝達経路)を切り替えるために、すなわち変速
比あるいは回転方向を切り替えるために、複数のクラッ
チ及びブレーキが設けられている。具体的には、タービ
ンシャフト9とスモールサンギヤ15との間には、フォ
ワードクラッチ21と第1ワンウェイクラッチW2とが
直列に介設されるとともに、両クラッチ21,W2に対し
て並列にコーストクラッチ23が介設されている。そし
て、タービンシャフト9とキャリア20との間には3−
4クラッチ24が介設され、タービンシャフト9とラー
ジサンギヤ16との間にはリバースクラッチ25が介設
されている。また、ラージサンギヤ16とリバースクラ
ッチ25との間には、所定の変速段でラージサンギヤ1
6を固定するための、サーボピストンによって作動させ
られるバンドブレーキからなる2−4ブレーキ26が設
けられている。さらに、キャリア20と固定部との間に
は、所定の変速段でキャリア20を固定するローリバー
スブレーキ27と、キャリア20の反力を受け止める第
2ワンウェイクラッチW3とが並列に介設されている。
なお、以下では、適宜、これらのクラッチとブレーキと
を 「摩擦締結要素」 と総称する。
経路(動力伝達経路)を切り替えるために、すなわち変速
比あるいは回転方向を切り替えるために、複数のクラッ
チ及びブレーキが設けられている。具体的には、タービ
ンシャフト9とスモールサンギヤ15との間には、フォ
ワードクラッチ21と第1ワンウェイクラッチW2とが
直列に介設されるとともに、両クラッチ21,W2に対し
て並列にコーストクラッチ23が介設されている。そし
て、タービンシャフト9とキャリア20との間には3−
4クラッチ24が介設され、タービンシャフト9とラー
ジサンギヤ16との間にはリバースクラッチ25が介設
されている。また、ラージサンギヤ16とリバースクラ
ッチ25との間には、所定の変速段でラージサンギヤ1
6を固定するための、サーボピストンによって作動させ
られるバンドブレーキからなる2−4ブレーキ26が設
けられている。さらに、キャリア20と固定部との間に
は、所定の変速段でキャリア20を固定するローリバー
スブレーキ27と、キャリア20の反力を受け止める第
2ワンウェイクラッチW3とが並列に介設されている。
なお、以下では、適宜、これらのクラッチとブレーキと
を 「摩擦締結要素」 と総称する。
【0020】そして、各クラッチ21,23,24,25
と各ブレーキ26,27のオン・オフパターンを組み変
えることによって、表1に示すような各種レンジないし
変速段が得られるようになっている。以下、表1を参照
しつつ、各レンジないし変速段におけるトルク伝達経路
とその変速特性とを説明する。なお、各摩擦締結要素の
オン・オフは、コントロールユニットCによって制御さ
れる油圧制御機構FSによって切り替えられるようにな
っている(図2参照)。
と各ブレーキ26,27のオン・オフパターンを組み変
えることによって、表1に示すような各種レンジないし
変速段が得られるようになっている。以下、表1を参照
しつつ、各レンジないし変速段におけるトルク伝達経路
とその変速特性とを説明する。なお、各摩擦締結要素の
オン・オフは、コントロールユニットCによって制御さ
れる油圧制御機構FSによって切り替えられるようにな
っている(図2参照)。
【0021】
【表1】
【0022】(1)Pレンジ…すべての摩擦締結要素がオ
フされる。この場合、タービンシャフト9のトルクは出
力ギヤ10に伝達されない。 (2)Rレンジ…リバースクラッチ25とローリバースブ
レーキ27とがオンされ、他の摩擦締結要素はオフされ
る。第1,第2ワンウェイクラッチW2,W3はとくには作
用を及ぼさない。タービンシャフト9のトルクが、リバ
ースクラッチ25を介してラージサンギヤ16に入力さ
れ、ラージサンギヤ16とロングピニオンギヤ18とリ
ングギヤ19とが、この順に噛み合う固定的なギヤ列と
して機能する。この場合、ラージサンギヤ16に入力さ
れたトルクは、ラージサンギヤ16の歯数とリングギヤ
19の歯数とによって決定される減速比で変速され、出
力ギヤ10から出力される。このRレンジでは、リング
ギヤ19(出力ギヤ10)がラージサンギヤ16(タービ
ンシャフト9)と反対方向に回転し、駆動輪が後進方向
に駆動される。 (3)Nレンジ…Pレンジの場合と同様である。
フされる。この場合、タービンシャフト9のトルクは出
力ギヤ10に伝達されない。 (2)Rレンジ…リバースクラッチ25とローリバースブ
レーキ27とがオンされ、他の摩擦締結要素はオフされ
る。第1,第2ワンウェイクラッチW2,W3はとくには作
用を及ぼさない。タービンシャフト9のトルクが、リバ
ースクラッチ25を介してラージサンギヤ16に入力さ
れ、ラージサンギヤ16とロングピニオンギヤ18とリ
ングギヤ19とが、この順に噛み合う固定的なギヤ列と
して機能する。この場合、ラージサンギヤ16に入力さ
れたトルクは、ラージサンギヤ16の歯数とリングギヤ
19の歯数とによって決定される減速比で変速され、出
力ギヤ10から出力される。このRレンジでは、リング
ギヤ19(出力ギヤ10)がラージサンギヤ16(タービ
ンシャフト9)と反対方向に回転し、駆動輪が後進方向
に駆動される。 (3)Nレンジ…Pレンジの場合と同様である。
【0023】(4)Dレンジ1速…フォワードクラッチ2
1がオンされ、他の摩擦締結要素はオフされる。第1,
第2ワンウェイクラッチW2,W3は通常ロック状態とな
るが、コースティング時には空転する。タービンシャフ
ト9のトルクが、フォワードクラッチ21と第1ワンウ
ェイクラッチW2とを介してスモールサンギヤ15に入
力され、スモールサンギヤ15とショートピニオンギヤ
17とロングピニオンギヤ18とリングギヤ19とが、
この順に噛み合う固定的なギヤ列として機能する。この
場合、スモールサンギヤ15に入力されたトルクは、ス
モールサンギヤ15の歯数とリングギヤ19の歯数とに
よって決定される減速比で変速され、出力ギヤ10から
出力される。リングギヤ19(出力ギヤ10)はスモール
サンギヤ15(タービンシャフト9)と同一方向に回転
し、駆動輪が前進方向に駆動される。なお、このDレン
ジ1速では、第1ワンウェイクラッチW2の作用によ
り、エンジンブレーキは得られない。
1がオンされ、他の摩擦締結要素はオフされる。第1,
第2ワンウェイクラッチW2,W3は通常ロック状態とな
るが、コースティング時には空転する。タービンシャフ
ト9のトルクが、フォワードクラッチ21と第1ワンウ
ェイクラッチW2とを介してスモールサンギヤ15に入
力され、スモールサンギヤ15とショートピニオンギヤ
17とロングピニオンギヤ18とリングギヤ19とが、
この順に噛み合う固定的なギヤ列として機能する。この
場合、スモールサンギヤ15に入力されたトルクは、ス
モールサンギヤ15の歯数とリングギヤ19の歯数とに
よって決定される減速比で変速され、出力ギヤ10から
出力される。リングギヤ19(出力ギヤ10)はスモール
サンギヤ15(タービンシャフト9)と同一方向に回転
し、駆動輪が前進方向に駆動される。なお、このDレン
ジ1速では、第1ワンウェイクラッチW2の作用によ
り、エンジンブレーキは得られない。
【0024】(5)Dレンジ2速…フォワードクラッチ2
1と2−4ブレーキ26とがオンされ、他の摩擦締結要
素はオフされる。第1ワンウェイクラッチW2は通常ロ
ック状態となるが、コースティング時には空転し、第2
ワンウェイクラッチW3は常時空転する。ラージサンギ
ヤ16が固定されるので、ロングピニオンギヤ18が、
自転しつつラージサンギヤ16まわりを公転する。した
がって、基本的には上記Dレンジ1速の場合と同様の経
路でトルクが伝達されるが、リングギヤ19の回転がロ
ングピニオンギヤ18の公転分だけ高くなり、Dレンジ
1速よりは減速比が小さくなる。このDレンジ2速で
は、第1ワンウェイクラッチW2の作用によりエンジン
ブレーキは得られない。
1と2−4ブレーキ26とがオンされ、他の摩擦締結要
素はオフされる。第1ワンウェイクラッチW2は通常ロ
ック状態となるが、コースティング時には空転し、第2
ワンウェイクラッチW3は常時空転する。ラージサンギ
ヤ16が固定されるので、ロングピニオンギヤ18が、
自転しつつラージサンギヤ16まわりを公転する。した
がって、基本的には上記Dレンジ1速の場合と同様の経
路でトルクが伝達されるが、リングギヤ19の回転がロ
ングピニオンギヤ18の公転分だけ高くなり、Dレンジ
1速よりは減速比が小さくなる。このDレンジ2速で
は、第1ワンウェイクラッチW2の作用によりエンジン
ブレーキは得られない。
【0025】(6)Dレンジ3速…フォワードクラッチ2
1とコーストクラッチ23と3−4クラッチ24とがオ
ンされ、他の摩擦締結要素はオフされる。第1ワンウェ
イクラッチW2はとくには作用を及ぼさず、第2ワンウ
ェイクラッチW3は常時空転する。スモールサンギヤ1
5とキャリア20とが、コーストクラッチ23とタービ
ンシャフト9と3−4クラッチ24とを介して互いにロ
ックされるので、変速歯車機構Gが直結状態となる。し
たがって、タービンシャフト9のトルクが変速されずに
出力ギヤ10から出力される。なお、直結状態にあるの
でエンジンブレーキが得られるのは当然である。
1とコーストクラッチ23と3−4クラッチ24とがオ
ンされ、他の摩擦締結要素はオフされる。第1ワンウェ
イクラッチW2はとくには作用を及ぼさず、第2ワンウ
ェイクラッチW3は常時空転する。スモールサンギヤ1
5とキャリア20とが、コーストクラッチ23とタービ
ンシャフト9と3−4クラッチ24とを介して互いにロ
ックされるので、変速歯車機構Gが直結状態となる。し
たがって、タービンシャフト9のトルクが変速されずに
出力ギヤ10から出力される。なお、直結状態にあるの
でエンジンブレーキが得られるのは当然である。
【0026】(7)Dレンジ4速…フォワードクラッチ2
1と3−4クラッチ24と2−4ブレーキ26とがオン
され、他の摩擦締結要素はオフされる。第1,第2ワン
ウェイクラッチW2,W3は常時空転する。タービンシャ
フト9のトルクが、3−4クラッチ24を介してキャリ
ア20に入力され、このキャリア20のトルクは、順
に、ロングピニオンギヤ18とリングギヤ19とを介し
て出力ギヤ10に伝達される。2−4ブレーキ26によ
ってラージサンギヤ16が固定されているので、ロング
ピニオンギヤ18は、自転しつつラージサンギヤ16ま
わりを公転する。したがって、リングギヤ19の回転数
は、キャリア20の回転数(タービンシャフト回転数)よ
り、ロングピニオンギヤ18の自転分だけ高くなり、変
速歯車機構Gはオーバードライブ(増速)状態となる。
1と3−4クラッチ24と2−4ブレーキ26とがオン
され、他の摩擦締結要素はオフされる。第1,第2ワン
ウェイクラッチW2,W3は常時空転する。タービンシャ
フト9のトルクが、3−4クラッチ24を介してキャリ
ア20に入力され、このキャリア20のトルクは、順
に、ロングピニオンギヤ18とリングギヤ19とを介し
て出力ギヤ10に伝達される。2−4ブレーキ26によ
ってラージサンギヤ16が固定されているので、ロング
ピニオンギヤ18は、自転しつつラージサンギヤ16ま
わりを公転する。したがって、リングギヤ19の回転数
は、キャリア20の回転数(タービンシャフト回転数)よ
り、ロングピニオンギヤ18の自転分だけ高くなり、変
速歯車機構Gはオーバードライブ(増速)状態となる。
【0027】(8)2レンジ1速…Dレンジ1速の場合と
同様である。 (9)2レンジ2速…フォワードクラッチ21とコースト
クラッチ23と2−4ブレーキ26とがオンされ、他の
摩擦締結要素はオフされる。第1ワンウェイクラッチW
2はとくには作用を及ぼさず、第2ワンウェイクラッチ
W3は空転する。この場合、トルク伝達経路及び変速特
性は、基本的にはDレンジ2速の場合と同様であるが、
第1ワンウェイクラッチW2が機能しないので、エンジ
ンブレーキが得られる。
同様である。 (9)2レンジ2速…フォワードクラッチ21とコースト
クラッチ23と2−4ブレーキ26とがオンされ、他の
摩擦締結要素はオフされる。第1ワンウェイクラッチW
2はとくには作用を及ぼさず、第2ワンウェイクラッチ
W3は空転する。この場合、トルク伝達経路及び変速特
性は、基本的にはDレンジ2速の場合と同様であるが、
第1ワンウェイクラッチW2が機能しないので、エンジ
ンブレーキが得られる。
【0028】(10)2レンジ3速…Dレンジ3速の場合
と同様である。 (11)1レンジ1速…フォワードクラッチ21とコース
トクラッチ23とローリバースブレーキ27とがオンさ
れ、他の摩擦締結要素はオフされる。第1,第2ワンウ
ェイクラッチW2,W3はとくには作用を及ぼさない。こ
の場合、トルク伝達経路及び変速特性は、基本的にはD
レンジ1速の場合と同様であるが、第1,第2ワンウェ
イクラッチW2,W3が機能しないので、エンジンブレー
キが得られる。 (12)1レンジ2速…2レンジ2速の場合と同様であ
る。
と同様である。 (11)1レンジ1速…フォワードクラッチ21とコース
トクラッチ23とローリバースブレーキ27とがオンさ
れ、他の摩擦締結要素はオフされる。第1,第2ワンウ
ェイクラッチW2,W3はとくには作用を及ぼさない。こ
の場合、トルク伝達経路及び変速特性は、基本的にはD
レンジ1速の場合と同様であるが、第1,第2ワンウェ
イクラッチW2,W3が機能しないので、エンジンブレー
キが得られる。 (12)1レンジ2速…2レンジ2速の場合と同様であ
る。
【0029】再び、図2に示すように、自動変速機AT
には、変速歯車機構Gの各摩擦締結要素をオン・オフさ
せる油圧制御機構FSが設けられている。詳しくは図示
していないが、油圧制御機構FSは、該油圧制御機構F
Sのライン圧(元圧)を制御するライン圧制御部、トルク
コンバータT及びロックアップクラッチ14への油圧の
供給を制御するトルコン制御部、各部に油圧を供給し又
はこれをリリースする多数の油圧通路からなる油圧通路
網、セレクトレバーのセレクト操作に対応してシフトさ
れ作動油圧の供給経路を切り替えるマニュアルバルブ、
マニュアルバルブの位置と車両の運転状態(例えば、車
速とスロットル開度)とに応じてシフトされる複数のシ
フトバルブ、所定の摩擦締結要素への油圧の供給ないし
リリースを緩衝させるための複数のアキュムレータ、所
定の摩擦締結要素への油圧の供給又はリリースのタイミ
ングを調整する複数のタイミングバルブ、油圧通路網の
所定の部分の流動抵抗を調節するための多数のオリフィ
ス及びワンウェイバルブ等で構成されている。
には、変速歯車機構Gの各摩擦締結要素をオン・オフさ
せる油圧制御機構FSが設けられている。詳しくは図示
していないが、油圧制御機構FSは、該油圧制御機構F
Sのライン圧(元圧)を制御するライン圧制御部、トルク
コンバータT及びロックアップクラッチ14への油圧の
供給を制御するトルコン制御部、各部に油圧を供給し又
はこれをリリースする多数の油圧通路からなる油圧通路
網、セレクトレバーのセレクト操作に対応してシフトさ
れ作動油圧の供給経路を切り替えるマニュアルバルブ、
マニュアルバルブの位置と車両の運転状態(例えば、車
速とスロットル開度)とに応じてシフトされる複数のシ
フトバルブ、所定の摩擦締結要素への油圧の供給ないし
リリースを緩衝させるための複数のアキュムレータ、所
定の摩擦締結要素への油圧の供給又はリリースのタイミ
ングを調整する複数のタイミングバルブ、油圧通路網の
所定の部分の流動抵抗を調節するための多数のオリフィ
ス及びワンウェイバルブ等で構成されている。
【0030】そして、セレクトされたレンジ(P,R,N,
D,2,1レンジ)と車両の運転状態とに応じて、油圧制
御機構FSによって、各摩擦締結要素にかかる作動油圧
が制御され、変速歯車機構Gの変速段の切り替えが行わ
れるようになっている。ここで、2−4ブレーキ26
は、アプライポートとリリースポートとを備えたサーボ
ピストンタイプのバンドブレーキであって、アプライポ
ートのみに油圧がかけられているときにオン(ブレーキ
作動)され、両ポートともに油圧がかけられているとき
又はともに油圧がリリースされているときにはオフ(ブ
レーキ解放)される。その他の摩擦締結要素はすべて油
圧がかけられたときにオン(締結)され、油圧がリリース
されたときにオフ(解放)される。
D,2,1レンジ)と車両の運転状態とに応じて、油圧制
御機構FSによって、各摩擦締結要素にかかる作動油圧
が制御され、変速歯車機構Gの変速段の切り替えが行わ
れるようになっている。ここで、2−4ブレーキ26
は、アプライポートとリリースポートとを備えたサーボ
ピストンタイプのバンドブレーキであって、アプライポ
ートのみに油圧がかけられているときにオン(ブレーキ
作動)され、両ポートともに油圧がかけられているとき
又はともに油圧がリリースされているときにはオフ(ブ
レーキ解放)される。その他の摩擦締結要素はすべて油
圧がかけられたときにオン(締結)され、油圧がリリース
されたときにオフ(解放)される。
【0031】油圧制御機構FSは、マイクロコンピュー
タからなるコントロールユニットCによって制御される
ようになっている。具体的には、油圧制御機構FSに
は、シフトバルブを制御するための3つのオン・オフソ
レノイドバルブ31,32,33、トルクコンバータTの
ロックアップクラッチ14を制御するための2つのソレ
ノイドバルブ34,35及びライン圧を制御するための
デューティソレノイドバルブ36が設けられ、これらの
ソレノイドバルブ31〜36はコントロールユニットC
によって制御されるようになっている。すなわち、コン
トロールユニットCは、オン・オフソレノイドバルブ3
1〜33を介して変速歯車機構Gの変速段をセレクトさ
れたレンジと運転状態とに応じて切り替え、デューティ
ソレノイドバルブ36を介して運転状態に応じてライン
圧を制御し、かつソレノイドバルブ34,35を介して
トルクコンバータTのロックアップ制御を行うようにな
っている。
タからなるコントロールユニットCによって制御される
ようになっている。具体的には、油圧制御機構FSに
は、シフトバルブを制御するための3つのオン・オフソ
レノイドバルブ31,32,33、トルクコンバータTの
ロックアップクラッチ14を制御するための2つのソレ
ノイドバルブ34,35及びライン圧を制御するための
デューティソレノイドバルブ36が設けられ、これらの
ソレノイドバルブ31〜36はコントロールユニットC
によって制御されるようになっている。すなわち、コン
トロールユニットCは、オン・オフソレノイドバルブ3
1〜33を介して変速歯車機構Gの変速段をセレクトさ
れたレンジと運転状態とに応じて切り替え、デューティ
ソレノイドバルブ36を介して運転状態に応じてライン
圧を制御し、かつソレノイドバルブ34,35を介して
トルクコンバータTのロックアップ制御を行うようにな
っている。
【0032】なお、コントロールユニットCは特許請求
の範囲に記載された「動力供給規制手段」を含む、エンジ
ンCE及び自動変速機ATの総合的な制御装置であっ
て、スロットルセンサ41によって検出されるスロット
ル開度、水温センサ42によって検出されるエンジン水
温、回転数センサ43によって検出されるエンジン回転
数、タービンセンサ44によって検出されるタービン回
転数、油温センサ45によって検出されるATF油温、
インヒビタ46から出力されるレンジ信号等を制御情報
として、前記の各制御のほか、エンジンCE及び自動変
速機ATの各種制御を行うようになっている。
の範囲に記載された「動力供給規制手段」を含む、エンジ
ンCE及び自動変速機ATの総合的な制御装置であっ
て、スロットルセンサ41によって検出されるスロット
ル開度、水温センサ42によって検出されるエンジン水
温、回転数センサ43によって検出されるエンジン回転
数、タービンセンサ44によって検出されるタービン回
転数、油温センサ45によって検出されるATF油温、
インヒビタ46から出力されるレンジ信号等を制御情報
として、前記の各制御のほか、エンジンCE及び自動変
速機ATの各種制御を行うようになっている。
【0033】しかしながら、コントロールユニットによ
るエンジンあるいは自動変速機の一般的な制御は、よく
知られており、またかかる一般的な制御は本願発明の要
旨とするところでもないのでその説明を省略し、以下で
は本願発明の要旨にかかる、Nレンジから走行レンジ
(Dレンジ、Rレンジ)へのシフト時におけるトルクダウ
ン制御についてのみ説明する。すなわち、エンジンCE
と自動変速機ATとからなるパワートレインにおいて
は、Nレンジから、Dレンジ又はRレンジへのシフトに
際しては、基本的には、対応するクラッチに供給される
油圧が十分に上昇するまでは、エンジン側から自動変速
機側への動力ないしはトルクの供給を抑制(トルクダウ
ン)し、上記シフトの際に締結されるクラッチに入力さ
れる動力ないしはトルクを小さくして、該クラッチのす
べりを防止しその耐久性を高めるといったトルクダウン
制御を行うようにしている。
るエンジンあるいは自動変速機の一般的な制御は、よく
知られており、またかかる一般的な制御は本願発明の要
旨とするところでもないのでその説明を省略し、以下で
は本願発明の要旨にかかる、Nレンジから走行レンジ
(Dレンジ、Rレンジ)へのシフト時におけるトルクダウ
ン制御についてのみ説明する。すなわち、エンジンCE
と自動変速機ATとからなるパワートレインにおいて
は、Nレンジから、Dレンジ又はRレンジへのシフトに
際しては、基本的には、対応するクラッチに供給される
油圧が十分に上昇するまでは、エンジン側から自動変速
機側への動力ないしはトルクの供給を抑制(トルクダウ
ン)し、上記シフトの際に締結されるクラッチに入力さ
れる動力ないしはトルクを小さくして、該クラッチのす
べりを防止しその耐久性を高めるといったトルクダウン
制御を行うようにしている。
【0034】以下、図4に示すフローチャートに従っ
て、適宜図2〜図3を参照しつつ、NレンジからDレン
ジへシフトする場合を例にとって、上記トルクダウン制
御の制御方法を説明する。制御が開始されると、まずス
テップ#1で、レンジ信号SIG(t)、スロットル開度t
vo(t)、エンジンエンジン回転数Ne(t)、ATF油温tem
p(t)等の各種情報が制御情報として読み込まれる。
て、適宜図2〜図3を参照しつつ、NレンジからDレン
ジへシフトする場合を例にとって、上記トルクダウン制
御の制御方法を説明する。制御が開始されると、まずス
テップ#1で、レンジ信号SIG(t)、スロットル開度t
vo(t)、エンジンエンジン回転数Ne(t)、ATF油温tem
p(t)等の各種情報が制御情報として読み込まれる。
【0035】次に、ステップ#2でレンジ信号SIG
(t)がDレンジであるか否かが判定される。ここで、S
IG(t)がDレンジではないと判定された場合は(N
O)、トルクダウンを行う必要がないので、以下の全ス
テップ(ステップ#3〜ステップ#8)をスキップしてス
テップ#1に復帰する。他方、ステップ#2でレンジ信
号SIG(t)がDレンジであると判定された場合は(YE
S)、さらにステップ#3で前回のレンジ信号SIG(t
−Δt)がNレンジであったか否かが判定される。ここ
で、SIG(t−Δt)がNレンジであったと判定された場
合は(YES)、今回でNレンジからDレンジへのシフト
が行われたことになる。
(t)がDレンジであるか否かが判定される。ここで、S
IG(t)がDレンジではないと判定された場合は(N
O)、トルクダウンを行う必要がないので、以下の全ス
テップ(ステップ#3〜ステップ#8)をスキップしてス
テップ#1に復帰する。他方、ステップ#2でレンジ信
号SIG(t)がDレンジであると判定された場合は(YE
S)、さらにステップ#3で前回のレンジ信号SIG(t
−Δt)がNレンジであったか否かが判定される。ここ
で、SIG(t−Δt)がNレンジであったと判定された場
合は(YES)、今回でNレンジからDレンジへのシフト
が行われたことになる。
【0036】このように、NレンジからDレンジにシフ
トされたときには、基本的には、フォワードクラッチ2
1の耐久性の低下を防止するため、エンジンCEの出力
トルクを低下させるようにしている。本実施例では、燃
料噴射弁5の全部又は一部からの燃料噴射を停止させる
ことによって、エンジンCEの出力トルクないしは回転
数を低下させるようにしている。なお、点火装置30を
介して点火プラグ3の点火時期をリータド(遅角)させる
ことによって、エンジンCEの出力トルクないしは回転
数を低下させるようにしてもよい。
トされたときには、基本的には、フォワードクラッチ2
1の耐久性の低下を防止するため、エンジンCEの出力
トルクを低下させるようにしている。本実施例では、燃
料噴射弁5の全部又は一部からの燃料噴射を停止させる
ことによって、エンジンCEの出力トルクないしは回転
数を低下させるようにしている。なお、点火装置30を
介して点火プラグ3の点火時期をリータド(遅角)させる
ことによって、エンジンCEの出力トルクないしは回転
数を低下させるようにしてもよい。
【0037】また、本実施例では、NレンジからDレン
ジにシフトされてトルクダウンが開始されたときには、
所定時間(以下、これをトルクダウン時間という)を経過
したときに該トルクダウンを解除するようにしている。
ここで、トルクダウン時間は、スロットル開度tvo(t)、
エンジン回転数Ne(t)及びATF油温temp(t)に応じて
設定するようにしている。すなわち、スロットル開度が
大きいときほど、あるいはエンジン回転数が高いときほ
どシフト直前におけるエンジンCEの出力トルクが大き
いので、トルクダウン時間をより長くして自動変速機側
に入力されるトルクをより強力に抑制するようにしてい
る。また、ATF油温が低いときには、その粘性が高く
したがってフォワードクラッチ21への油圧ないし作動
油の供給が遅れるのでトルクダウン時間を長くし、自動
変速機側に入力されるトルクをより強力に抑制するよう
にしている。
ジにシフトされてトルクダウンが開始されたときには、
所定時間(以下、これをトルクダウン時間という)を経過
したときに該トルクダウンを解除するようにしている。
ここで、トルクダウン時間は、スロットル開度tvo(t)、
エンジン回転数Ne(t)及びATF油温temp(t)に応じて
設定するようにしている。すなわち、スロットル開度が
大きいときほど、あるいはエンジン回転数が高いときほ
どシフト直前におけるエンジンCEの出力トルクが大き
いので、トルクダウン時間をより長くして自動変速機側
に入力されるトルクをより強力に抑制するようにしてい
る。また、ATF油温が低いときには、その粘性が高く
したがってフォワードクラッチ21への油圧ないし作動
油の供給が遅れるのでトルクダウン時間を長くし、自動
変速機側に入力されるトルクをより強力に抑制するよう
にしている。
【0038】具体的には、ステップ#4で、タイマに、
スロットル開度tvo(t)とエンジン回転数Ne(t)と油温te
mp(t)とに応じて設定されるトルクダウン時間が初期値
としてセットされる。このタイマは、NレンジからDレ
ンジへのシフトが行われてトルクダウンが開始された
後、トルクダウン時間が経過したか否かを判定するため
のタイマである。なお、トルクダウン時間(初期値)は、
スロットル開度、エンジン回転数及び油温をパラメータ
としてマップ化されてコントロールユニットCのメモリ
内に記憶されているので、このステップ#4では、上記
マップから初期値(トルクダウン時間)が読み取られるこ
とになる。
スロットル開度tvo(t)とエンジン回転数Ne(t)と油温te
mp(t)とに応じて設定されるトルクダウン時間が初期値
としてセットされる。このタイマは、NレンジからDレ
ンジへのシフトが行われてトルクダウンが開始された
後、トルクダウン時間が経過したか否かを判定するため
のタイマである。なお、トルクダウン時間(初期値)は、
スロットル開度、エンジン回転数及び油温をパラメータ
としてマップ化されてコントロールユニットCのメモリ
内に記憶されているので、このステップ#4では、上記
マップから初期値(トルクダウン時間)が読み取られるこ
とになる。
【0039】他方、ステップ#3で前回のレンジ信号S
IG(t−Δt)がNレンジではないと判定された場合は
(NO)、前回よりも前にすでにDレンジにシフトされて
いて、現在Dレンジ状態が継続されていることになる。
このため、タイマのカウントを続行するために、ステッ
プ#5でタイマのカウント値tAがΔtだけデクリメント
される。なお、Δtは、このトルクダウン制御ルーチン
を1回実行するのに要する時間である。
IG(t−Δt)がNレンジではないと判定された場合は
(NO)、前回よりも前にすでにDレンジにシフトされて
いて、現在Dレンジ状態が継続されていることになる。
このため、タイマのカウントを続行するために、ステッ
プ#5でタイマのカウント値tAがΔtだけデクリメント
される。なお、Δtは、このトルクダウン制御ルーチン
を1回実行するのに要する時間である。
【0040】ステップ#4又はステップ#5が実行され
た後は、いずれもステップ#6で、タイマのカウント値
tAが0未満であるか否か、すなわちトルクダウン時間
を経過しているか否かが判定される。ここで、tA≧0
であると判定された場合は(NO)、Dレンジへのシフト
後まだトルクダウン時間が経過していないので、ステッ
プ#7でトルクダウン要求信号がセットされてトルクダ
ウンが継続され、この後ステップ#1に復帰する。他
方、ステップ#6で、tA<0であると判定された場合
は(YES)、すでにトルクダウン時間が経過しているの
で、ステップ#8でトルクダウン要求信号がリセットさ
れてトルクダウンが解除され、この後ステップ#1に復
帰する。
た後は、いずれもステップ#6で、タイマのカウント値
tAが0未満であるか否か、すなわちトルクダウン時間
を経過しているか否かが判定される。ここで、tA≧0
であると判定された場合は(NO)、Dレンジへのシフト
後まだトルクダウン時間が経過していないので、ステッ
プ#7でトルクダウン要求信号がセットされてトルクダ
ウンが継続され、この後ステップ#1に復帰する。他
方、ステップ#6で、tA<0であると判定された場合
は(YES)、すでにトルクダウン時間が経過しているの
で、ステップ#8でトルクダウン要求信号がリセットさ
れてトルクダウンが解除され、この後ステップ#1に復
帰する。
【0041】図5に、かかるトルクダウン制御を行った
場合において、時刻t1でNレンジからDレンジにシフト
されたときのレンジ信号(G1)、トルクダウン要求信号
(G2)及びエンジンCEの出力トルク(G3)の、時間に対
する変化特性を示す。なお、図5では、時刻t2でトルク
ダウンが解除されている。したがって、この場合のトル
クダウン時間は(t2−t1)である。
場合において、時刻t1でNレンジからDレンジにシフト
されたときのレンジ信号(G1)、トルクダウン要求信号
(G2)及びエンジンCEの出力トルク(G3)の、時間に対
する変化特性を示す。なお、図5では、時刻t2でトルク
ダウンが解除されている。したがって、この場合のトル
クダウン時間は(t2−t1)である。
【0042】このように、NレンジからDレンジにシフ
トされたときには、運転状態に応じてエンジンCEの出
力トルクが抑制されるので、変速機側(クラッチ)に入力
されるトルクが小さくなり、ライン圧が十分に上昇して
いない場合でもフォワードクラッチ21にすべりあるい
は焼き付きが発生せず、その耐久性が有効に高められ
る。
トされたときには、運転状態に応じてエンジンCEの出
力トルクが抑制されるので、変速機側(クラッチ)に入力
されるトルクが小さくなり、ライン圧が十分に上昇して
いない場合でもフォワードクラッチ21にすべりあるい
は焼き付きが発生せず、その耐久性が有効に高められ
る。
【0043】なお、図4に示すフローチャートでは、N
レンジからDレンジへのシフトの場合を例にとっている
が、NレンジからRレンジへのシフトの場合も、同様の
トルクダウン制御を行うことにより、リバースクラッチ
25でのすべりあるいは焼き付きの発生を防止すること
ができ、その耐久性が有効に高められる。
レンジからDレンジへのシフトの場合を例にとっている
が、NレンジからRレンジへのシフトの場合も、同様の
トルクダウン制御を行うことにより、リバースクラッチ
25でのすべりあるいは焼き付きの発生を防止すること
ができ、その耐久性が有効に高められる。
【0044】ところで、図4のフローチャートには示さ
れていないが、かかるトルクダウン制御において、さら
に次のような制御を加えるのが好ましい。すなわち、図
4に示すフローチャートでは、NレンジからDレンジに
シフトされたときには、必ずトルクダウンが行われるよ
うになっているが、アクセル踏み込み量が所定値以上の
場合、あるいはスロットル開度の増加速度が所定値以上
の場合にのみトルクダウンを行うようにするのが好まし
い。換言すれば、アクセル踏み込み量あるいはスロット
ル開度の増加速度が小さいときには、トルクダウンをキ
ャンセルするわけである。けだし、アクセル踏み込み量
あるいはスロットル開度の増加速度が小さいときには、
エンジン側から自動変速機側に入力される動力ないしは
トルクがもともと小さいので、フォワードクラッチ21
でのすべりが発生しにくいからである。また、このよう
にすることによりDレンジ(Rレンジ)へのシフト後の加
速性を高めることができる。
れていないが、かかるトルクダウン制御において、さら
に次のような制御を加えるのが好ましい。すなわち、図
4に示すフローチャートでは、NレンジからDレンジに
シフトされたときには、必ずトルクダウンが行われるよ
うになっているが、アクセル踏み込み量が所定値以上の
場合、あるいはスロットル開度の増加速度が所定値以上
の場合にのみトルクダウンを行うようにするのが好まし
い。換言すれば、アクセル踏み込み量あるいはスロット
ル開度の増加速度が小さいときには、トルクダウンをキ
ャンセルするわけである。けだし、アクセル踏み込み量
あるいはスロットル開度の増加速度が小さいときには、
エンジン側から自動変速機側に入力される動力ないしは
トルクがもともと小さいので、フォワードクラッチ21
でのすべりが発生しにくいからである。また、このよう
にすることによりDレンジ(Rレンジ)へのシフト後の加
速性を高めることができる。
【0045】また、水温センサ42によって検出される
エンジン水温が低いとき、すなわちエンジン冷機時に
は、NレンジからDレンジ(Rレンジ)にシフトされても
エンジンCEの出力トルクを抑制しないように、すなわ
ちトルクダウン制御を停止するのが好ましい。けだし、
エンジン冷機時にかかるトルクダウン制御を行うと、失
火あるいはエンストが起こるおそれがあるからである。
したがって、このようにすることにより、エンジン冷機
時の失火あるいはエンストを確実に防止することができ
る。
エンジン水温が低いとき、すなわちエンジン冷機時に
は、NレンジからDレンジ(Rレンジ)にシフトされても
エンジンCEの出力トルクを抑制しないように、すなわ
ちトルクダウン制御を停止するのが好ましい。けだし、
エンジン冷機時にかかるトルクダウン制御を行うと、失
火あるいはエンストが起こるおそれがあるからである。
したがって、このようにすることにより、エンジン冷機
時の失火あるいはエンストを確実に防止することができ
る。
【0046】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、クラッチに
供給される油圧が上昇するまではエンジンからクラッチ
への動力供給が規制されるので、Nレンジから、所定の
クラッチが締結されるDレンジ又はRレンジにシフトさ
れたような場合には、クラッチに入力される動力ないし
はトルクが小さくなり、該クラッチの作動油圧(ライン
圧)が十分に上昇していないときにも、クラッチのすべ
りあるいは焼き付きが発生せず、該クラッチの耐久性が
高められる。
供給される油圧が上昇するまではエンジンからクラッチ
への動力供給が規制されるので、Nレンジから、所定の
クラッチが締結されるDレンジ又はRレンジにシフトさ
れたような場合には、クラッチに入力される動力ないし
はトルクが小さくなり、該クラッチの作動油圧(ライン
圧)が十分に上昇していないときにも、クラッチのすべ
りあるいは焼き付きが発生せず、該クラッチの耐久性が
高められる。
【0047】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、Nレンジか
ら走行レンジ(Dレンジ、Rレンジ)へのシフト時には、
アクセル踏み込み量に応じてエンジンの出力トルクが規
制されるので、該シフト時において締結されるクラッチ
の耐久性が一層有効に高められる。
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、Nレンジか
ら走行レンジ(Dレンジ、Rレンジ)へのシフト時には、
アクセル踏み込み量に応じてエンジンの出力トルクが規
制されるので、該シフト時において締結されるクラッチ
の耐久性が一層有効に高められる。
【0048】第3の発明によれば、基本的には第2の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、Nレンジか
ら走行レンジ(Dレンジ、Rレンジ)へのシフト時には、
エンジン回転数がクラッチ容量に応じて低下させられる
ので、該シフトによって締結されるクラッチに入力され
る動力ないしはトルクが有効に低減され、該クラッチの
耐久性がより一層有効に高められる。
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、Nレンジか
ら走行レンジ(Dレンジ、Rレンジ)へのシフト時には、
エンジン回転数がクラッチ容量に応じて低下させられる
ので、該シフトによって締結されるクラッチに入力され
る動力ないしはトルクが有効に低減され、該クラッチの
耐久性がより一層有効に高められる。
【0049】第4の発明によれば、基本的には第2の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、Nレンジか
ら走行レンジ(Dレンジ、Rレンジ)へのシフト時には、
油温に応じてエンジンのトルクダウン時間が設定される
ので、油温が低くしたがって油圧の伝達が悪いときに
は、トルクダウン時間を長くすることによりトルクダウ
ン制御の精度を高めることができ、該シフトによって締
結されるクラッチの耐久性をなお一層有効に高めること
ができる。
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、Nレンジか
ら走行レンジ(Dレンジ、Rレンジ)へのシフト時には、
油温に応じてエンジンのトルクダウン時間が設定される
ので、油温が低くしたがって油圧の伝達が悪いときに
は、トルクダウン時間を長くすることによりトルクダウ
ン制御の精度を高めることができ、該シフトによって締
結されるクラッチの耐久性をなお一層有効に高めること
ができる。
【0050】第5の発明によれば、基本的には第2〜第
4の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、エンジン水温が低いとき、すなわちエンジ
ン冷機時には、Nレンジから走行レンジ(Dレンジ、R
レンジ)へシフトされても、エンジン出力が規制されな
いので、失火あるいはエンストの発生が防止される。
4の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、エンジン水温が低いとき、すなわちエンジ
ン冷機時には、Nレンジから走行レンジ(Dレンジ、R
レンジ)へシフトされても、エンジン出力が規制されな
いので、失火あるいはエンストの発生が防止される。
【図1】 請求項1〜請求項5に対応する第1〜第5の
発明の構成を示すブロック図である。
発明の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明にかかる制御装置を備えたパワープラ
ントのシステム構成図である。
ントのシステム構成図である。
【図3】 図2に示すパワープラントの自動変速機の動
力伝達構造を示すスケルトン図である。
力伝達構造を示すスケルトン図である。
【図4】 トルクダウン制御の制御方法を示すフローチ
ャートである。
ャートである。
【図5】 NレンジからDレンジへのシフト時における
レンジ信号、トルクダウン要求信号及びエンジントルク
の、時間に対する変化特性を示す図である。
レンジ信号、トルクダウン要求信号及びエンジントルク
の、時間に対する変化特性を示す図である。
AT…自動変速機 CE…エンジン FS…油圧制御機構 C…コントロールユニット G…変速歯車機構 21…フォワードクラッチ 23…コーストクラッチ 24…3−4クラッチ 25…リバースクラッチ 42…水温センサ 45…油温センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠塚 浩 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 油圧制御機構により給排される油圧によ
って継断されるクラッチが設けられ、該クラッチの継断
に対応して変速特性を切り替えるようになっている自動
変速機の制御装置において、 クラッチの締結に際しては、該クラッチに供給される油
圧が上昇するまではエンジンからクラッチへの動力供給
を規制する動力供給規制手段が設けられていることを特
徴とする自動変速機の制御装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載された自動変速機の制御
装置において、 自動変速機が少なくとも、エンジンから入力される動力
の車輪側への伝達を停止するニュートラルレンジと、上
記動力を車輪側に伝達する走行レンジとを備えていて、 動力供給規制手段が、ニュートラルレンジから走行レン
ジへの切り替えに際しては、切り替え直後にアクセル踏
み込み量に応じてエンジンの出力トルクを規制するよう
になっていることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 【請求項3】 請求項2に記載された自動変速機の制御
装置において、 動力供給規制手段が、ニュートラルレンジから走行レン
ジへの切り替えに際しては、エンジン回転数をクラッチ
容量に応じて低下させるようになっていることを特徴と
する自動変速機の制御装置。 - 【請求項4】 請求項2に記載された自動変速機の制御
装置において、 動力供給規制手段が、ニュートラルレンジから走行レン
ジへの切り替えに際しては、切り替え後に所定時間だけ
エンジンの出力トルクを低下させる一方、上記所定時間
を油温に応じて設定するようになっていることを特徴と
する自動変速機の制御装置。 - 【請求項5】 請求項2〜請求項4のいずれか1つに記
載された自動変速機の制御装置において、 動力供給規制手段が、エンジン水温が低いときには、ニ
ュートラルレンジから走行レンジへの切り替えに際し
て、エンジンの出力トルクを規制しないようになってい
ることを特徴とする自動変速機の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5241025A JPH0796779A (ja) | 1993-09-28 | 1993-09-28 | 自動変速機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5241025A JPH0796779A (ja) | 1993-09-28 | 1993-09-28 | 自動変速機の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0796779A true JPH0796779A (ja) | 1995-04-11 |
Family
ID=17068216
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5241025A Pending JPH0796779A (ja) | 1993-09-28 | 1993-09-28 | 自動変速機の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0796779A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007046630A (ja) * | 2005-08-08 | 2007-02-22 | Denso Corp | 自動変速機の制御装置 |
JP2009092207A (ja) * | 2007-10-11 | 2009-04-30 | Honda Motor Co Ltd | 無段変速機の制御装置 |
JP2009167889A (ja) * | 2008-01-15 | 2009-07-30 | Daihatsu Motor Co Ltd | 内燃機関の制御方法 |
JP2009167864A (ja) * | 2008-01-15 | 2009-07-30 | Daihatsu Motor Co Ltd | 車両の制御方法 |
JP2010018174A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Toyota Motor Corp | ハイブリッド自動車およびその制御方法 |
WO2012176323A1 (ja) * | 2011-06-23 | 2012-12-27 | トヨタ自動車 株式会社 | 車両の駆動制御装置 |
WO2012176322A1 (ja) * | 2011-06-23 | 2012-12-27 | トヨタ自動車 株式会社 | 車両の駆動制御装置 |
CN103133158A (zh) * | 2011-12-02 | 2013-06-05 | 丰田自动车株式会社 | 用于车辆的驱动控制装置 |
JP2016142161A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | ダイハツ工業株式会社 | 車両用制御装置 |
DE102021101751A1 (de) | 2020-02-07 | 2021-08-12 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Fahrzeugsteuergerät und verfahren zu der steuerung eines fahrzeugs |
-
1993
- 1993-09-28 JP JP5241025A patent/JPH0796779A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11378182B2 (en) | 2020-02-07 | 2022-07-05 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle controller and method of controlling vehicle |
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