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JPH0790217A - フッ素樹脂塗料用組成物 - Google Patents

フッ素樹脂塗料用組成物

Info

Publication number
JPH0790217A
JPH0790217A JP23677593A JP23677593A JPH0790217A JP H0790217 A JPH0790217 A JP H0790217A JP 23677593 A JP23677593 A JP 23677593A JP 23677593 A JP23677593 A JP 23677593A JP H0790217 A JPH0790217 A JP H0790217A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinylidene fluoride
meth
based copolymer
copolymer
fluorine
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Granted
Application number
JP23677593A
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English (en)
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JP2795600B2 (ja
Inventor
Yoshi Hirashima
佳 平島
Kazuhiko Maeda
一彦 前田
Kentaro Tsutsumi
憲太郎 堤
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP23677593A priority Critical patent/JP2795600B2/ja
Publication of JPH0790217A publication Critical patent/JPH0790217A/ja
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Anticipated expiration legal-status Critical
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フッ素樹脂の特徴である耐候性を保持したま
ま、長期間の屋外使用においても優れた外観を保つこと
のできる耐汚染性を有するフッ素樹脂塗料用組成物を提
供する。 【構成】 ヒドロキシ基含有のフッ素樹脂系共重合体
(A)100重量部、数平均分子量300〜16000
の範囲のフッ化ビニリデン系共重合体(B)0.1〜4
0重量部および(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
(C)0.1〜20重量部を混合したフッ素樹脂塗料用
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐汚染性の改良されたフ
ッ素樹脂塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来技術】従来から含フッ素共重合体の優れた耐候性
を利用したフッ素樹脂塗料が工業化されている。特に最
近になって硬化部位を持った溶剤可溶型の含フッ素共重
合体が合成され(たとえば特開昭57−34107号公
報、特開昭61−57609号公報など)、建築、自動
車、化学工業などの分野における耐候性塗料として数多
く応用されている。また、環境面を重視し有機溶媒の排
出量を抑えた水系や粉体型塗料も実用化されている。こ
れらの塗料樹脂の主成分はクロロトリフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレンあるいはフッ化ビニリデン
などのフッ素系モノマーであり、共重合成分としてビニ
ルエステル類やビニルエーテル類などの炭化水素系モノ
マーを使用することによって樹脂の溶剤への溶解性を増
大させたものである。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、これら
の溶剤可溶型フッ素樹脂塗料は、耐候性には優れている
ものの汚れ易いといった欠点があげられる。解決手段と
して、樹脂の表面硬度を増加させようとする試みが一般
的に行われている。この表面硬度を高めたフッ素樹脂塗
料は、カーボンブラックの付着テストやマジックインキ
による汚れテストでは耐汚染性の効果が発現するもの
の、実際の暴露試験ではやはり汚れ易く、明確な耐汚染
性の改善には至っていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、塗装され
たクロロトリフルオロエチレン系、テトラフルオロエチ
レン系およびフッ化ビニリデン系のフッ素樹脂塗膜の汚
れ試験を屋外暴露試験によって行ったところ、フッ素樹
脂の有する撥油性が、特に降雨時の汚れの吸着平衡状態
に大きく関与していることを見いだした。そこで、塗膜
の表面エネルギーを調節することで水と表面の相互作用
をコントロールすることを試みた結果、フッ素樹脂塗料
にフッ化ビニリデン系の低分子量体と(メタ)アクリル
酸エステル系共重合体を混合した組成物からなる塗料
が、特に水中での撥油性に優れ、表面に付着した汚れが
雨で流れ易く自浄性の高いことがわかり、実際の暴露試
験においても優れた耐汚染性が得られることを見出し、
本発明に至ったものである。
【0005】すなわち、本発明は、下記フッ素系共重合
体(A)100重量部、数平均分子量300〜1600
0の範囲のフッ化ビニリデン系共重合体(B)0.1〜
40重量部および(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体0.1〜20重量部を混合したフッ素樹脂塗料用組成
物である。
【0006】下記(a)、(b)、(c)を必須成分と
して共重合したフッ素系共重合体(A)。 (a)クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエ
チレン、フッ化ビニリデンのうちから選ばれた少なくと
も1種以上の含フッ素モノマー。
【0007】(b)(a)の含フッ素モノマーと共重合
可能なビニル系化合物。 (c)ヒドロキシ基含有のエチレン性不飽和結合性化合
物。 以下、特に指示する以外は「部」は「重量部」を表示す
る。
【0008】本発明のフッ素樹脂塗料用組成物は、フッ
素系共重合体(A)、フッ化ビニリデン系共重合体
(B)、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(C)
の3成分を必須とする混合物であって、その混合比はフ
ッ素系共重合体(A)の100部に対してフッ化ビニリ
デン系共重合体(B)の0.1から40部、(メタ)ア
クリル酸エステル系共重合体(C)の0.1から20部
である。フッ化ビニリデン系共重合体(B)が0.1部
以下ではフッ化ビニリデンの量が少なく水中での撥油性
が改善されず、40部以上では塗料化の際に顔料分散が
悪く、塗膜の光沢が低いなど塗料として好ましくない欠
点が発現してしまう。また、(メタ)アクリル酸エステ
ル系共重合体(C)の0.1部以下ではフッ素系共重合
体(A)とフッ化ビニリデン系共重合体(B)の相溶性
を向上させることができず、20部以上ではフッ素樹脂
塗料としての耐候性を低下させる。
【0009】フッ素系共重合体(A)は(a)、
(b)、(c)をそれぞれ25〜75モル%、10〜7
0モル%、3〜40モル%および必要に応じ他の共重合
成分を20モル%以下含有することができる。(a)が
25モル%以下では、フッ素樹脂の有する耐候性、耐薬
品性などが発揮できず、75モル%以上では硬化性、塗
膜の平滑性などの塗料としての基本物性に欠けるものと
なり好ましくない。(b)が10モル%以下では、溶剤
への溶解性が劣り、70モル%以上ではフッ素樹脂塗料
としての耐候性、耐薬品性などの特徴が見られない。
(c)が3モル%以下では充分な硬化性が得られず、4
0モル%以上では塗膜の耐水性などの強度に劣り好まし
くない。
【0010】フッ素系共重合体(A)に使用するビニル
化合物としては、一般式CH2=CHOC(=O)R1で表されるビニ
ルエステル、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、ピバリン酸(バーサチック5酸)ビニ
ル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、バーサチッ
ク9酸ビニル、バーサチック10酸ビニル、安息香酸ビ
ニルなど、一般式CH2=CHOR2で表されるビニルエーテ
ル、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエ
ーテルなど、一般式CH2=CHCH2OR3で表されるアリルエー
テル、例えば、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエ
ーテル、ベンジルアリルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、シクロヘキシルアリルエーテルなど、一般式CH
2=CR4COOR5で表される(メタ)アクリル酸エステル、例
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、一般式CH2=CHOSi(OR6)3で表されるビニル
シラン、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)
シラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルフェニ
ルジメトキシシランなどが挙げられる。上記各一般式に
おけるR1、R2、R3、R5は炭素数1〜22である直鎖状、
分岐状もしくは脂環式のアルキル基、芳香族基、エステ
ル結合やエーテル結合を含む基あるいはこれらの組み合
わせからなるものであり、またR4は水素またはメチル
基、R6は水素またはアルキル基である。ただし、Siに結
合した3個のR6は必ずしも同一である必要はない。
【0011】本発明のフッ素系共重合体(A)に使用す
るヒドロキシ基含有のエチレン性不飽和結合性化合物
は、前述のビニルエステル類、ビニルエーテル類、アリ
ルエーテル類、(メタ)アクリレート系化合物などであ
って、末端もしくは側鎖に1個あるいは多数のヒドロキ
シ基を有するものを始め、クロトン酸ヒドロキシエチル
などのクロトン酸変性の化合物、アリルアルコールなど
が好適に用いられる。具体的には、ヒドロキシアルキル
アリルエーテルとしては、例えば、2−アリロキシ−1
−エタノール(エチレングリコールモノアリルエーテ
ル)、3−アリロキシ−1−プロパノール、4−アリロ
キシ−1−ブタノール、5−アリロキシ−1−ヘプタノ
ール、6−アリロキシ−1−ヘキサノール、3−アリロ
キシプロパン−1,2−ジオール、ジエチレングリコー
ルノアリルエール、トリエチレングリコールモノアリル
エーテル、シクロヘキサンジメタノールアリルエーテ
ル、グリセリンモノアリルエーテル等が挙げられる。ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテルとしては、例えば、ヒ
ドロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニ
ルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5
−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシ
ヘキシルビニルエーテル、エチレングリコールモノビニ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル等が挙
げられる。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと
しては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミ
ド、シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
【0012】また、本発明のフッ素系共重合体(A)に
は、側鎖にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、テ
トラメチレンオキシドなどがブロックまたはランダムに
結合したポリアルキレングリコールモノアリルエーテル
やポリアルキレングリコールモノビニルエーテルなどの
親水基を有する重合性化合物を使用することも可能であ
る。この場合はポリアルキレンオキシドのビニル化合物
やアリル化合物が好ましく採用される。これらの重合性
化合物中のエチレンオキシドの繰り返し数としては、塗
膜強度や耐水性の点から4から30程度が好ましい。こ
れらの化合物の側鎖末端には、アルキル基、ヒドロキシ
基、カルボキシル基、エポキシ基、アミド基、イソシア
ネート基、オキサゾリン基、ヒドラジン基、シラン基が
結合したものやビスフェノールA、フルオロアルキル
基、フェニル基、シロキサン、ポリシロキサン等で変性
したものが使用可能である。これらの化合物の共重合可
能な量としては、フッ素系共重合体(A)中の0.1〜
40モル%であるが、耐候性を低下させないためには
0.1〜25モル%程度が好適である。
【0013】フッ素系共重合体(A)の分子量は要求さ
れる塗膜の強度や柔軟性によって1000〜30000
の範囲で使用することができる。このとき1000以下
では塗膜の耐候性や柔軟性が低下し、また30000以
上では塗料化において高粘度となり取扱いにくい欠点が
生じるため好ましくない。
【0014】本発明に使用できるフッ化ビニリデン系共
重合体(B)はフッ化ビニリデンを主成分とする共重合
体であって、その共重合成分としてはトリフルオロエチ
レン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエ
チレン、ヘキサフルオロアセトン、ヘキサフルオロプロ
ピレンから選ばれた1種以上の含フッ素モノマーが使用
でき、その共重合比は1から50モル%の範囲である。
1モル%以下ではポリフッ化ビニリデン単独の性質が強
くなるため溶剤への溶解性が低く塗料化に不向きであ
り、50モル%以上ではフッ化ビニリデン量が少なくな
り耐汚染性が十分に改良できない。また分子量は数平均
で300から16000の範囲であることが必要であ
る。300以下ではフッ化ビニリデン連鎖数が少なく耐
汚染効果が低いばかりでなく揮発性が発現するため塗料
として適切ではなく、16000以上では溶剤への溶解
性が低くまたフッ素系共重合体(A)との相溶性が低下
するため望ましくない。ここで、数平均分子量はゲルパ
ーミェーションクロマトグラフィー法によって測定さ
れ、ポリスチレンを標準物質として換算したものであ
る。
【0015】また、フッ素系共重合体フッ化ビニリデン
系共重合体(B)としては、分子末端または側鎖末端に
ヒドロキシ基を含有したものを使用することも可能であ
る。この際、分子末端の場合は片末端もしくは両末端が
ヒドロキシ基であるものあるいはその混合体が使用可能
である。
【0016】フッ化ビニリデン系共重合体(B)の共重
合成分としては、物性を大きく変化させることのない範
囲で(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステルなど
を使用することもできる。
【0017】本発明に使用される(メタ)アクリル酸エ
ステル系共重合体(C)は、フッ素系共重合体(A)と
フッ化ビニリデン系共重合体(B)の相溶性を向上させ
る目的いわゆる相溶化剤として添加される。したがっ
て、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(C)の構
造は特に限定されることはなく、通常の(メタ)アクリ
ル樹脂、すなわち一般式CH2=CR7COOR8(R8は炭素数1〜
22である直鎖状、分岐状もしくは脂環式のアルキル
基、芳香族基、エステル結合やエーテル結合を含む基あ
るいはこれらの組み合わせからなるものであり、またR7
は水素またはメチル基である。)で示される(メタ)ア
クリル酸エステル系モノマーから選ばれた1種以上を含
むモノマーからなる共重合体である。すなわち、(メ
タ)アクリル酸エステル系モノマーは上記一般式の範囲
であれば特に限定されないが、たとえばメチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレ
ート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メ
タ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イ
ソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、イソデシルトリデシル(メタ)アク
リレート、トリデシル(メタ)アクリレート、フェノキ
シエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アク
リレートなどが好適に使用される。
【0018】また、本発明に使用できる(メタ)アクリ
ル酸エステル系共重合体(C)は、分子中にヒドロキシ
基を含有したものも使用可能である。この場合はフッ素
系共重合体(A)、フッ化ビニリデン系共重合体(B)
と硬化反応をすることでより強靭で耐候性の高い塗膜を
形成することができる。このヒドロキシ基の導入方法
は、含フッ素共重合体(A)の場合のヒドロキシ基の導
入方法と同様の、ヒドロキシ基を有するモノマーを重合
させる方法が選択できるが、重合の容易さの点からヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートの共重合が好適で
ある。ヒドロキシ基含有モノマーは特に限定されない
が、前述のビニルエステル類、ビニルエーテル類、アリ
ルエーテル類、(メタ)アクリレート系化合物であっ
て、末端もしくは側鎖に1個あるいは多数のヒドロキシ
基を有するものを始め、クロトン酸ヒドロキシエチルな
どのクロトン酸変性の化合物、アリルアルコールなども
好適に用いられる。具体的には、ヒドロキシアルキルア
リルエーテルとしては、例えば、2−アリロキシ−1−
エタノール(エチレングリコールモノアリルエーテ
ル)、3−アリロキシ−1−プロパノール、4−アリロ
キシ−1−ブタノール、5−アリロキシ−1−ヘプタノ
ール、6−アリロキシ−1−ヘキサノール、3−アリロ
キシプロパン−1,2−ジオール、ジエチレングリコー
ルノアリルエール、トリエチレングリコールモノアリル
エーテル、シクロヘキサンジメタノールアリルエーテ
ル、グリセリンモノアリルエーテル等が挙げられる。ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテルとしては、例えば、ヒ
ドロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニ
ルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5
−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシ
ヘキシルビニルエーテル、エチレングリコールモノビニ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル等が挙
げられる。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと
しては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミ
ド、シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート
等が挙げられる。これらのうち、特にアクリル酸エステ
ル類を1種以上含むことが好ましい。これらのヒドロキ
シル基含有のモノマーの含有量は、本発明のフッ素樹脂
塗料用組成物の調製時の相溶性を保つためには(メタ)
アクリル酸エステル系共重合体の原料モノマーの40モ
ル%以下が好ましい。
【0019】さらに、該必須成分を含む(メタ)アクリ
ル酸エステル系モノマーには、他のビニル化合物たとえ
ばスチレン、アクリロニトリル、アリル化合物などの通
常のアクリル樹脂改質モノマーを10モル%未満で添加
することもできる。
【0020】(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
(C)の分子量は要求される塗膜の強度や柔軟性によっ
て1000〜15000の範囲が好ましい。このとき1
000以下では塗膜の耐候性や柔軟性が低下し、また1
5000以上ではフッ素系共重合体(A)との相溶性が
低下するとともに塗料化において高粘度となり好ましく
ない。
【0021】これらの(メタ)アクリル酸エステル系共
重合体(C)は、フッ素系共重合体(A)と共通の有機
溶媒に溶解できる。本発明のフッ素系共重合体(A)、
フッ化ビニリデン系共重合体(B)(メタ)アクリル酸
エステル系共重合体(C)はいずれも顔料分散性などの
特性を改良するためにカルボン酸含有の不飽和結合性化
合物を導入することができる。このカルボン酸含有の不
飽和結合性化合物としてはビニル酢酸、アリル酢酸、ク
ロトン酸、ウンデシレン酸、(メタ)アクリル酸、無水
マレイン酸などのビニル系、アリル系、アクリル系モノ
マーが使用できる。
【0022】以上の多成分からなる含フッ素共重合体
(A)、フッ化ビニリデン系共重合体(B)または(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体(C)の重合方法に
おいては、通常のラジカル重合法が採用でき、その重合
形態としては溶液重合、懸濁重合、乳化重合が可能であ
る。かかる重合工程の温度は、用いるラジカル重合開始
剤によるが、通常0〜130℃である。溶媒としては、
例えば水、t−ブタノール、エチルアルコールなどのア
ルコール系、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの飽和炭
化水素系、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
系、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフ
ルオロエタンなどのフッ素系、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル系などが使用でき
る。前記ラジカル開始剤としては、例えばジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオ
キシジカーボネート(パーロイルNPP、日本油脂
(株)商品名)、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジ
カーボネートなどのジカーボネート類、またはn−ヘプ
タフルオロブチリックパーオキシド、ラウロイルパーオ
キシピバレート、t−ブチルオキシネオデカノエートな
どのジアシルパーオキシド類、ジーt−ブチルパーオキ
シド(パーブチルD、日本油脂(株)商品名)、t−ブ
チルクミルパーオキシドなどのアルキルパーオキシド類
など、t−ブチルパーオキシピバレート(パーブチルP
V、日本油脂(株)商品名)、t−ブチルパーオキシネ
オデカノエートなどのパーオキシエステル類などの通常
のラジカル開始剤が使用できる。ただし、(メタ)アク
リル酸エステル系モノマーは一般に重合反応が激しく、
分子量が大きくなりがちである。したがって、その重合
方法としては、ラジカル開始剤濃度や仕込条件、重合温
度制御などに加えてメルカプタン系化合物、塩素系や臭
素系などのハロゲン系化合物、アルコール系化合物など
の連鎖移動剤を添加した一般的な分子量調節法を採用す
ることも可能である。
【0023】また、ヒドロキシ基含有のフッ化ビニリデ
ン系共重合体の製造方法としては例えば次の2つの方法
が挙げられる。第1の方法は、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコー
ル類を重合溶媒としたフッ化ビニリデン系モノマーのラ
ジカル重合による方法である。この際、ラジカル開始剤
は前述のフッ素系共重合体(A)などの製造で用いるも
のが使用できる。フッ化ビニリデンの重合は、連鎖移動
が起こり易く、溶媒すなわちアルコールへの連鎖移動が
停止反応につながり、生成重合体中にヒドロキシ基が導
入される。また、ヒドロキシ基含有のフッ化ビニリデン
系共重合体中の両末端ヒドロキシ基の数は、前述のアル
コール溶媒での重合の際に2−メルカプトエタノールや
2,2’−ジチオジエタノールなどの連鎖移動しやすい
化合物を添加することで増加させることができる。
【0024】第2の方法は、フッ化ビニリデンまたは他
の含フッ素モノマーとの共重合の場合に前述のヒドロキ
シアルキルアリルエーテル、グリセリンモノアリルエー
テルなどのヒドロキシ基含有のアリルエーテル系化合
物、あるいはアリルアルコールなどを適量共重合させる
方法である。この方法では、前述のフッ素系共重合体
(A)などの重合法と同様に、通常のラジカル重合によ
って製造できる。
【0025】このようにして製造されたフッ化ビニリデ
ン系共重合体(B)は、その分子量や共重合成分の量や
種類に依存するものの各種の有機溶剤たとえば芳香族
系、エステル系、エーテル系、ケトン系などの単独もし
くは混合溶媒に可溶となる。
【0026】本発明のフッ素樹脂塗料用組成物の溶剤と
しては、芳香族系、エステル系、エーテル系、ケトン系
などの単独もしくは混合溶媒が挙げられる。いずれの溶
剤を使用する場合も通常の塗料と同様に塗料化が可能で
あり、顔料や染料を適宜添加することができる。
【0027】また、本発明のフッ素樹脂塗料用組成物は
通常硬化剤とともに使用するが、用途によって、他の添
加剤、たとえば紫外線吸収剤、光安定剤、防錆剤、分散
剤、防カビ剤などを添加することができる。
【0028】以下、本発明を実施例によって具体的に説
明するが、これに限定されるものではない。
【0029】
【実施例】
参考例1(フッ素系共重合体(A)の製造例) 電磁撹拌機付きの内容量2リットルのSUS製オートク
レーブに酢酸ビニル120g、ピバリン酸ビニル95
g、エチレングリコールモノアリルエーテル120g、
ビニル酢酸5.5g、キシレン320g、パーロイルN
PP(日本油脂製)6g、ハイドロスーパーセル(セラ
イト社製)8gを仕込み、窒素ガスで脱気置換を3回繰
り返し脱気した後、クロロトリフルオロエチレン380
gを仕込み、45℃で20時間重合を行った。重合終了
後、内容物を取り出し、ろ過してフッ素系共重合体(A
−1)の塗料ワニスとした。このとき生成した樹脂の数
平均分子量は6200であった。
【0030】同様に、電磁撹拌機付きの内容量2リット
ルのSUS製オートクレーブに酢酸ビニル95g、ベオ
パー9(昭和シェル石油製)を200g、エチレングリ
コールモノアリルエーテル80g、ポリエチレングリコ
ールモノアリルエーテル(平均分子量750)120
g、ビニル酢酸5.5g、酢酸ブチル320g、パーブ
チルPV(日本油脂製)5g、ハイドロスーパーセル8
gを仕込み、窒素ガスで脱気置換を3回繰り返し脱気し
た後、クロロトリフルオロエチレン380gを仕込み、
55℃で24時間重合を行った。重合終了後、内容物を
取り出し、ろ過してフッ素系共重合体(A−2)の塗料
ワニスとした。このとき生成した樹脂の数平均分子量は
6100であった。
【0031】同様に、電磁撹拌機付きの内容量2リット
ルのSUS製オートクレーブに酢酸ビニル90g、ベオ
パー9(昭和シェル石油製)を200g、ヒドロキシブ
チルビニルエーテル140g、ウンデシレン酸8.8
g、酢酸ブチル320g、パーブチルPV(日本油脂
製)5g、ハイドロスーパーセル8gを仕込み、窒素ガ
スで脱気置換を3回繰り返し脱気した後、クロロトリフ
ルオロエチレン380gを仕込み、55℃で24時間重
合を行った。重合終了後、内容物を取り出し、ろ過して
フッ素系共重合体(A−3)の塗料ワニスとした。この
とき生成した樹脂の数平均分子量は5800であった。
【0032】同様に、電磁撹拌機付きの内容量2リット
ルのSUS製オートクレーブにエチルビニルエーテル1
90g、シクロヘキシルビニルエーテル140g、ヒド
ロキシブチルビニルエーテル70g、ウンデシレン酸
8.8g、キシレン320g、パーロイルNPP(日本
油脂製)6g、ハイドロスーパーセル8gを仕込み、窒
素ガスで脱気置換を3回繰り返し脱気した後、クロロト
リフルオロエチレン380gを仕込み、45℃で22時
間重合を行った。重合終了後、内容物を取り出し、ろ過
してフッ素系共重合体(A−4)の塗料ワニスとした。
このとき生成した樹脂の数平均分子量は7300であっ
た。
【0033】同様に、電磁撹拌機付きの内容量2リット
ルのSUS製オートクレーブに酢酸ビニル20g、アリ
ルアルコール30g、酢酸エチル320g、パーロイル
FB−5(日本油脂製)25g、ハイドロスーパーセル
8gを仕込み、窒素ガスで脱気置換を3回繰り返し脱気
した後、テトラフルオロエチレン80g、フッ化ビニリ
デン280を仕込み、50℃で24時間重合を行った。
重合終了後、内容物を取り出し、ろ過してフッ素系共重
合体(A−5)の塗料ワニスとした。このとき生成した
樹脂の数平均分子量は9700であった。
【0034】参考例2(フッ化ビニリデン系共重合体
(B)の製造例) 電磁撹拌機付きの内容量2リットルのSUS製オートク
レーブにキシレンを100g、酢酸エチル280g、パ
ーブチルD(日本油脂製)を15g仕込み、窒素ガスで
脱気置換を3回繰り返し脱気した後、クロロトリフルオ
ロエチレン50g、フッ化ビニリデン260gを仕込
み、150℃で24時間重合を行った。重合終了後、内
容物を取り出し、ろ過後、溶媒を蒸発させた後、酢酸ブ
チルを70g添加して均一混合し、フッ化ビニリデン系
共重合体(B−1)の塗料ワニスとした。このとき生成
した樹脂の数平均分子量は320であった。
【0035】同様に、電磁撹拌機付きの内容量2リット
ルのSUS製オートクレーブに酢酸エチルを200g、
パーロイルNPP(日本油脂製)を14g仕込み、窒素
ガスで脱気置換を3回繰り返し脱気した後、トリフルオ
ロエチレン195g、フッ化ビニリデン165gを仕込
み、70℃で20時間重合を行った。重合終了後、内容
物を取り出し、ろ過してフッ化ビニリデン系共重合体
(B−2)の塗料ワニスとした。このとき生成した樹脂
の数平均分子量は8600であった。
【0036】同様に、電磁撹拌機付きの内容量2リット
ルのSUS製オートクレーブに酢酸エチルを200g、
ラジカル重合開始剤としてパーロイルFB−5(日本油
脂製)を40g仕込み、窒素ガスで脱気置換を3回繰り
返し脱気した後、ヘキサフルオロアセトン200g、フ
ッ化ビニリデン210gを仕込み、60℃で20時間重
合を行った。重合終了後、内容物を取り出し、ろ過して
フッ化ビニリデン系共重合体(B−3)の塗料ワニスと
した。このとき生成した樹脂の数平均分子量は1500
0であった。
【0037】同様に、電磁撹拌機付きの内容量2リット
ルのSUS製オートクレーブにアリルアルコール28
g、酢酸エチルを380g、パーブチルD(日本油脂
製)を15g仕込み、窒素ガスで脱気置換を3回繰り返
し脱気した後、ヘキサフルオロプロピレン120g、テ
トラフルオロエチレン30g、フッ化ビニリデン200
gを仕込み、150℃で20時間重合を行った。重合終
了後、内容物を取り出し、ろ過後、溶媒を蒸発させた
後、酢酸ブチルを200g添加して均一混合しフッ化ビ
ニリデン系共重合体(B−4)の塗料ワニスとした。こ
のとき生成した樹脂の数平均分子量は2300であっ
た。
【0038】同様に、電磁撹拌機付きの内容量2リット
ルのSUS製オートクレーブにメチルアルコールを20
0g、パーブチルNPP(日本油脂製)を15g仕込
み、窒素ガスで脱気置換を3回繰り返し脱気した後、ヘ
キサフルオロプロピレン120g、トリフルオロエチレ
ンを60g、フッ化ビニリデン250gを仕込み、90
℃で10時間重合を行った。重合終了後、内容物を取り
出し、ろ過後、溶媒を蒸発させた後、酢酸ブチルを16
0g添加して均一混合し、フッ化ビニリデン系共重合体
(B−5)の塗料ワニスとした。このとき生成した樹脂
の数平均分子量は4800であった。
【0039】同様に、電磁撹拌機付きの内容量2リット
ルのSUS製オートクレーブにメチルアルコールを20
0g、2,2’−ジチオジエタノールを18g、パーロ
イルNPP(日本油脂製)を15g仕込み、窒素ガスで
脱気置換を3回繰り返し脱気した後、フッ化ビニリデン
310gを仕込み、90℃で10時間重合を行った。重
合終了後、内容物を取り出し、ろ過後、溶媒を蒸発させ
た後、酢酸ブチルを120g添加して均一混合し、フッ
化ビニリデン系共重合体(B−6)の塗料ワニスとし
た。このとき生成した樹脂の数平均分子量は2800で
あった。
【0040】実施例1 参考例1で製造したフッ素系共重合体(A−1)100
部に対して、参考例2で製造したフッ化ビニリデン系共
重合体(B−1)を40部、パラロイドB−44(ロー
ム・アンド・ハース社製メタクリル酸メチル系共重合
体)を10部の割合で均一に混合した。この際の混合比
はそれぞれの樹脂の固形分(ワニスの130℃での加熱
残分、以下、同じ。)の比とした。つづいて、白色顔料
(酸化チタン)を樹脂固形分の総量100部に対して5
0部の割合で混合し、分散用ボールミルで均一になるよ
うに分散させ、フッ素樹脂塗料の主剤とした。分散状態
は安定で10日間後も何の変化も示さなかった。ここで
最終的な主剤の固形分比を52重量%になるように酢酸
ブチルで調整した。
【0041】次に、前記塗料の主剤100部に対して、
あらかじめ1:1に混合したコロネートHX(日本ポリ
ウレタン工業製)/キシレン溶液を17部添加した。以
上によって作製した常温硬化型フッ素樹脂塗料を150
mm×70mm×0.8mmのアルミニウム板に約40
ミクロンの厚みにスプレー塗装した。
【0042】塗装し、ついで1日常温で乾燥させた後、
アルミニウム板の屋外暴露による汚れ試験を6ヶ月間行
った。その結果を、表1に示す。判定はJIS−Z87
30(色差表示方法)に従い、暴露前後の色差(△E)
を測定することで行った。以上の結果は、表1に示す。
また、塗装したアルミニウム板を地面に対し90°に
保持して6カ月間暴露し、雨スジの付着を観察した。そ
の結果、雨スジはほとんど見られなかった。
【0043】
【表1】
【0044】汚染性評価方法 屋外暴露試験による△
Eによる(試験場所:埼玉県川越市、試験期間:6か月
間、試験点数:3点の平均) 実施例2〜16 実施例1と同様にして参考例1および2で製造したフッ
素系共重合体(A)100部に対してフッ化ビニリデン
系共重合体(B)、(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体(C)を表1に示すように混合した。この際の混合
比はそれぞれの樹脂の固形分比とした。ここで、パラロ
イドB−66はメタクリル酸メチル−メタクリル酸ブチ
ル共重合体、パラロイドB−72はメタクリル酸エチル
系共重合体、パラロイドAT−63はヒドロキシ基およ
びカルボキシル基含有のメタクリル酸メチル系共重合体
で水酸基価=43、酸価=32であり、これらはすべて
ローム・アンド・ハース社製である。つづいて、白色顔
料(酸化チタン)を実施例1に従って混合し、分散用ボ
ールミルで均一になるように分散させ、フッ素樹脂塗料
の主剤とした。分散状態は安定で10日間後も何の変化
も示さなかった。ここで最終的な主剤の固形分比を52
重量%になるように酢酸ブチルで調整した。
【0045】次に、前記塗料の主剤100部に対して、
あらかじめ1:1に混合したコロネートHX(日本ポリ
ウレタン工業製)/キシレン溶液を17部添加した。た
だし、実施例4、5に関しては、コロネートHX/酢酸
エチル溶液(1:1 稀釈)を17部使用した。
【0046】以上によって調製した常温硬化型フッ素樹
脂塗料を150mm×70mm×0.8mmのアルミニ
ウム板に約40ミクロンの厚みにスプレー塗装した。塗
装し、ついで1日常温で乾燥させた後、アルミニウム板
の屋外暴露による汚れ試験を6ヶ月間行った。その結果
を、表1に示す。判定は実施例1と同様にJIS−Z8
730(色差表示方法)に従い、暴露前後の色差(△
E)を測定することで行った。
【0047】また、塗装したアルミニウム板を地面に対
し90°に保持して6カ月間暴露し、雨スジの付着を観
察した。その結果、すべてのアルミニウム板において雨
スジはほとんど見られなかった。
【0048】比較例1〜5 実施例1と同様にして参考例1および2で製造したフッ
素系共重合体(A)100部に対してフッ化ビニリデン
系共重合体(B)、(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体(C)を表1に示すように混合した。比較例1はフ
ッ素系共重合体(A)のみ、比較例2はフッ素系共重合
体(A)とフッ化ビニリデン系共重合体(B)のみ、比
較例3、4は3成分の混合系であるがフッ化ビニリデン
系共重合体(B)あるいは(C)の混合比の多い場合、
比較例5はフッ素系共重合体(A)と(メタ)アクリル
酸エステル系共重合体(C)のみである。
【0049】つづいて、白色顔料(酸化チタン)を実施
例1に従って混合し、分散用ボールミルで均一になるよ
うに分散させ、フッ素樹脂塗料の主剤とした。ここで最
終的な主剤の固形分比を52重量%になるように酢酸ブ
チルで調整した。
【0050】次に、前記塗料の主剤100部に対して、
あらかじめ1:1に混合したコロネートHX(日本ポリ
ウレタン工業製)/酢酸ブチル溶液を17部添加した。
以上によって作製した常温硬化型フッ素樹脂塗料を15
0mm×70mm×0.8mmのアルミニウム板に約4
0ミクロンの厚みにスプレー塗装した。
【0051】塗装し、ついで1日常温で乾燥させた後、
アルミニウム板の屋外暴露による汚れ試験を6ヶ月間行
った。その結果を、表1に示す。判定は実施例1と同様
にJIS−Z8730(色差表示方法)に従い、暴露前
後の色差(△E)を測定することで行った。
【0052】この結果、比較例1、2および5は耐汚染
性が改良されなかった。比較例3および4は耐汚染性の
改良は見られたが、塗膜表面の光沢が低かった。 比較例6 参考例2と同様に、電磁撹拌機付きの内容量2リットル
のSUS製オートクレーブに酢酸エチルを200g、パ
ーロイルFB−5(日本油脂製)を20g仕込み、窒素
ガスで脱気置換を3回繰り返し脱気した後、ヘキサフル
オロアセトン200g、フッ化ビニリデン210gを仕
込み、45℃で20時間重合を行った。重合終了後、内
容物を取り出し、ろ過してフッ化ビニリデン系共重合体
(B−7)の塗料ワニスとした。このとき生成した樹脂
の数平均分子量は18000であった。
【0053】次に、実施例1と同様にしてフッ素系共重
合体(A)100部に対してフッ化ビニリデン系共重合
体(B−7)、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
としてパラロイドB−44を表1に示すように混合し
た。
【0054】つづいて、白色顔料(酸化チタン)を実施
例1に従って混合し、分散用ボールミルで均一になるよ
うに分散させ、フッ素樹脂塗料の主剤とした。ここで最
終的な主剤の固形分比を52重量%になるように酢酸ブ
チルで調整した。
【0055】次に、実施例1と同様にコロネートHX/
酢酸ブチル溶液を17部添加し、アルミニウム板に約4
0ミクロンの厚みにスプレー塗装した。塗膜表面は光沢
が低く樹脂(A)とフッ化ビニリデン系共重合体(B)
の相溶性が低いことがわかった。
【0056】次に、塗装し、ついで1日常温で乾燥させ
た後、アルミニウム板の屋外暴露し耐汚染試験を6ヶ月
間行った。その結果を、表1に示す。判定は実施例1と
暴露前後の色差(△E)を測定することで行った。
【0057】この結果、十分な耐汚染性の改良は見られ
なかった。
【0058】
【発明の効果】本発明のフッ素樹脂塗料用組成物から調
製された塗料を用いた塗膜は実施例の結果を示す表1か
ら明らかなように、耐汚染性および耐候性に優れ、長期
の屋外使用においても優れた外観を保つことができると
いう効果を奏する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記フッ素系共重合体(A)100重量
    部、数平均分子量300〜16000の範囲のフッ化ビ
    ニリデン系共重合体(B)0.1〜40重量部および
    (メタ)アクリル酸エステル系共重合体(C)0.1〜
    20重量部を混合したフッ素樹脂塗料用組成物。下記
    (a)、(b)、(c)を必須成分として共重合したフ
    ッ素系共重合体(A)。 (a)クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエ
    チレン、フッ化ビニリデンのうちから選ばれた少なくと
    も1種以上の含フッ素モノマー。 (b)(a)の含フッ素モノマーと共重合可能なビニル
    系化合物。 (c)ヒドロキシ基含有のエチレン性不飽和結合性化合
    物。
  2. 【請求項2】(b)のビニル系化合物がビニルエステル
    類および/またはビニルエーテル類である請求項1記載
    のフッ素樹脂塗料用組成物。
  3. 【請求項3】(c)のエチレン性不飽和結合性化合物が
    側鎖にアルキレンオキシド構造単位を有することを特徴
    とする請求項1記載のフッ素樹脂塗料用組成物。
  4. 【請求項4】フッ化ビニリデン系共重合体(B)が、フ
    ッ化ビニリデン50〜99モル%、トリフルオロエチレ
    ン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
    レン、ヘキサフルオロアセトン、ヘキサフルオロプロピ
    レンから選ばれた1種以上の含フッ素モノマー1〜50
    モル%を含むモノマーを共重合させた重合体であること
    を特徴とする請求項1記載のフッ素樹脂塗料用組成物。
  5. 【請求項5】フッ化ビニリデン系共重合体(B)が、分
    子末端もしくは側鎖末端にヒドロキシ基を含有するフッ
    化ビニリデン系共重合体であることを特徴とする請求項
    1記載のフッ素樹脂塗料用組成物。
  6. 【請求項6】(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
    (C)が、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エ
    ステル系共重合体であることを特徴とする請求項1記載
    のフッ素樹脂塗料用組成物。
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