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JPH0778089B2 - 複合材料の製造方法 - Google Patents

複合材料の製造方法

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Publication number
JPH0778089B2
JPH0778089B2 JP62316482A JP31648287A JPH0778089B2 JP H0778089 B2 JPH0778089 B2 JP H0778089B2 JP 62316482 A JP62316482 A JP 62316482A JP 31648287 A JP31648287 A JP 31648287A JP H0778089 B2 JPH0778089 B2 JP H0778089B2
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JP
Japan
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dispersion medium
monomer
composite material
composite
polymer compound
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JP62316482A
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昌弥 川角
昌郎 神崎
由継 小島
茜 岡田
外修己 上垣
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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Publication of JPH0778089B2 publication Critical patent/JPH0778089B2/ja
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Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G85/00General processes for preparing compounds provided for in this subclass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/44Polymerisation in the presence of compounding ingredients, e.g. plasticisers, dyestuffs, fillers

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyamides (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,機械的強度及び耐熱性に優れた複合材料の製
造方法に関し,更に詳しくはポリアミド等の高分子化合
物と粘土鉱物を構成する層状珪酸塩とがイオン結合を介
して互いに結合し,それらが均一に混合されている複合
材料を経済的,かつ効率的に製造する方法に関するもの
である。
〔従来の技術およびその問題点〕
従来より,有機高分子材料の機械的特性を改善する目的
で,炭酸カルシウムや粘土鉱物,雲母等の無機質材料の
添加・混合が検討されている。
その一つとして,本発明者らは,粘土鉱物の存在下でポ
リアミドモノマーを重合することにより,分子レベルで
ポリアミドと粘土鉱物を構成する層状珪酸塩とが複合す
ることにより機械的強度及び耐熱性に優れた複合材料が
得られることを見出した(特開昭62-74957号)。
この複合材料を製造する場合,以下の接触工程,混合工
程及び重合工程の3段階の工程により製造する。
まず,接触工程では,粘土鉱物と膨潤化剤を水等の分散
媒中で接触させ,ポリアミドモノマーの溶融温度以上の
温度でモノマーにより膨潤する性質を有する複合体を,
分散媒を含んだ状態で得る。その後,上記複合体から分
散媒を除去するために乾燥操作と,更に乾燥した複合体
を乳鉢等により微粉化する粉砕操作を行う。
上記乾燥・粉砕した複合体をポリアミドモノマーと混合
して混合物を得る混合工程を行う。
更に,重合工程において,上記混合物を加熱して混合物
中のポリアミドモノマーを重合させる。これにより,ポ
リアミド樹脂中に層状珪酸塩が分散した複合材料を得
る。
しかしながら,前記接触工程における乾燥・粉砕操作
は,大型の乾燥・粉砕設備,多大のエネルギー,及び多
くの時間等が必要となる。このため,この乾燥及び粉砕
の両操作により複合材料の製造コストの増加,及び生産
能力の低下を引き起こしてしまう。
また,混合工程において,前記複合体とポリアミドモノ
マーとの混合物の流動性がほとんどなくなり,均一な混
合物が得られず,したがって,最終的に得られる複合材
料も不均一なものとなる場合がある。
そこで,本発明者らは,上記問題点を解決すべく鋭意検
討した結果,本発明を成すに至ったものである。
〔発明の目的〕
本発明の目的は,複合材料の製造に必要な設備,エネル
ギー,時間等を省略化して複合材料を経済的かつ効率的
に製造すると共に,ポリアミド等の樹脂中の層状珪酸塩
の分散性が向上した複合材料を製造する方法を提供する
ことにある。
〔発明の構成〕
本発明の複合材料の製造方法は,陽イオン交換容量が50
〜200ミリ当量/100gの層状の粘土鉱物と膨潤化剤とを分
散媒の存在下で接触させて溶融状態の高分子化合物のモ
ノマーに膨潤する性質,または/及びモノマーと分散媒
との混合液に膨潤する性質を有する複合体とする接触工
程と,上記分散媒を含んだ状態の複合体と高分子化合物
のモノマーとを混合する混合工程と,該混合物中の高分
子化合物のモノマーを重合させる重合工程とからなるこ
とを特徴とするものである。
〔発明の作用および効果〕
本発明の複合材料の製造方法は,接触工程により得られ
た分散媒を含む複合体を,そのままの状態で混合工程に
移すため,従来の上記複合体の乾燥操作,粉砕操作を必
要とせず,経済的かつ効率的である。
また,本発明によれば,混合工程において,分散媒を含
んだ状態の複合体と高分子化合物モノマーとを混合する
ので,流動性を増す,あるいは流動性を付与することが
でき均一に混合しやすい。したがって,得られる複合材
料中での層状珪酸塩の分散性が向上する。また,それに
より,複合材料中の高分子化合物の分子量分布が狭くな
り,機械的強度,弾性率,耐熱性等の向上した複合材料
となる。
〔実施態様の説明〕
以下に,本発明の構成をより詳細に説明する。
まず,陽イオン交換容量が50〜200ミリ当量/100gの層状
の粘土鉱物と膨潤化剤とを分散媒の存在下で接触させる
(接触工程)。これにより,粘土鉱物に膨潤化剤を吸着
させて,溶融状態の高分子化合物のモノマーに膨潤する
性質,または/及びモノマーと分散媒との混合液に膨潤
する性質を有する複合体を得る。
ここで,この接触方法としては,所望の膨潤化剤を含む
分散媒中に粘土鉱物を浸漬した後,該粘土鉱物を洗浄し
て過剰なイオンを除去する方法,または,予め所定の膨
潤化剤で交換した陽イオン交換樹脂と粘土鉱物の分散媒
懸濁液を接触させてイオン交換する方法等がある。
また,粘土鉱物は,陽イオンの交換容量が50〜200ミリ
当量/100gと,反応させるモノマーとの接触面積が大き
い粘土鉱物である。具体的には,モンモリロナイト,サ
ポナイト,バイデライト,ノントロナイト,ヘクトライ
ト,スティブンサイト等のスメクタイト系粘土鉱物やバ
ーミキュライト,ハロイサイトなどがあり,天然のもの
でも合成されたものでもよい。
この層状の粘土鉱物は,層状珪酸塩により構成されてお
り,該層状珪酸塩が高分子材料に機械的特性および耐熱
性を付与する。該層状珪酸塩は層厚さが7〜12Åの珪酸
マグネシウム層または珪酸アルミニウム層より形成され
る層状フィロ珪酸塩である。これらの層状珪酸塩は,同
形イオン置換等により負に帯電している。この負電荷の
密度や分布などによりその特性が異なるが,本発明で
は,負電荷一価当たりの層表面の占有面積が25〜200Å2
の層状珪酸塩であることが好ましい。
ここで,陽イオン交換容量を50〜200ミリ当量/100gとし
たのは,該容量が200ミリ当量/100gを越えた場合,その
鉱物の層間の結合力が強固なため分子レベルで分散させ
ることが困難となるからである。また,50ミリ当量/100g
未満の場合,膨潤化剤の交換吸着が充分に行えず,目的
とする複合材料を得ることが困難となるからである。
なお,この粘土鉱物は,ミキサー,ボールミル,振動ミ
ル,ピンミル,ジェットミル,叩解機等を用いて粉砕
し,予め所望の形状・大きさのものとしておくことが好
ましい。
また,膨潤化剤は,粘土鉱物の層間を拡げる役割および
粘土鉱物の層間に高分子化合物のモノマーを取り込む力
を与える役割を有するもので,アンモニウムイオン(-N
H3 +)基,トリメチルアンモニウムイオン(-N+(CH3)3
基,トリメチルホスホニウムイオン(P+(CH3)3)基,ジ
メチルスルホニウムイオン(S+(CH3)2)基等のオニウム
イオン基及び高分子化合物と反応して結合し得る官能基
(ビニル基,カルボキシル基,水酸基,エポキシ基,ア
ミノ基等)の双方を有するものであり,それらのうちの
1種または2種以上を用いる。高分子化合物がポリアミ
ドである場合は,X+-R-COOHで表されるカルボキシル基
を有するオニウムイオンを生成するものが好ましい。
(X+はアンモニウムイオン(NH3 +)等のオニウムイオン
であり,Rは,(CH2)nで表されるアルキレン鎖を含むアル
キレン基であり,その途中にフェニレン基 分枝 を含むビニレン基(−HC=CH−)等の結合が含まれても
よい。)具体的には,該膨潤化剤としては,4−アミノ−
n−酪酸イオン(NH3 +C3H6COOH),6−アミノ−n−カプ
ロン酸イオン(NH3 +C5H10COOH),8−アミノカプリル酸
イオン(NH3 +C7H14COOH),10−アミノデカン酸イオン
(NH3 +C9H18COOH),12−アミノドデカン酸イオン(NH3 +
C11H22COOH),14−アミノテトラデカン酸イオン(NH3 +C
13H26COOH),16−アミノヘキサデカン酸イオン(NH3 +C
15H30COOH),18−アミノオクタデカン酸イオン(NH3 +C
17H34COOH)等のイオンを有するものが挙げられ,これ
らの1種または2種以上を用いる。
また,高分子化合物が,ビニル系高分子である場合に
は,塩化メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウム
(CH2=C(CH3)COOCH2CH2N(CH3)3Cl),4−ビニルピリジ
ン塩酸塩 等のうちの1種または2種以上を用いるのがよい。
更に,分散媒は,層状珪酸塩を該分散媒中に分散させ
て,膨潤化剤との接触を容易にする役割を有するもので
あり,粘土鉱物,膨潤化剤及び高分子化合物のモノマー
の種類によって異なる。すなわち,粘土鉱物を均一に分
散させ,かつ膨潤化剤及び高分子化合物のモノマーとの
相容性のよいものが好ましい。該分散媒としては,水,
メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノ
ール,エチレングリコール,1,4−ブタンジオール,グリ
セリン,ジメチルスルホキシド,N,N−ジメチルホルムア
ミド,酢酸,ギ酸,ピリジン,アニリン,フェノール,
ニトロベンゼン,アセトニトリル,アセトン,メチルエ
チルケトン,クロロホルム,二硫化炭素,プロピレンカ
ーボネート,2−メトキシエタノール,エーテル,四塩化
炭素,n−ヘキサン等が挙げられ,それらのうちの1種ま
たは2種以上を用いる。例えば,粘土鉱物がモンモリロ
ナイトであり,高分子化合物がポリアミドの場合,水,
メタノール,エタノールのうち1種または2種以上を用
いることが好ましい。
この接触工程により得られる複合体は,溶融状態の高分
子化合物のモノマーに膨潤する性質,または/及び上記
モノマーと分散媒との混合液に膨潤する性質を有する。
ここで,膨潤とは,溶融状態のモノマー,あるいはモノ
マーと分散媒との混合液が粘土鉱物の層間に浸入して,
層を押し拡げることである。
膨潤の駆動力となるのは,複合体中のオニウムイオン
と,溶融状態のモノマーあるいはモノマーと分散媒との
混合液との親和力であると考えられる。
この接触工程により得られた分散媒を含んだ状態の複合
体をそのまま混合工程に用いてもよいが,吸引ロ過法,
遠心分離法,デカンテーション法等により分散媒を一部
除去してもよい。この分散媒を一部除去する場合,複合
体中の分散媒の量は,複合体100重量部に対して100〜30
00重量部とするのが好ましい。該分散媒の含有量が100
重量部未満の場合,下記混合工程において,複合体と高
分子化合物モノマーとの混合が均一に行いにくい。ま
た,3000重量部を越える場合は,重合工程における複合
材料からの分散媒の留出に時間がかかり過ぎる。
次に,前記接触工程により得られた,分散媒を含んだ状
態の複合体と高分子化合物のモノマーとを混合する(混
合工程)。
ここで,高分子化合物のモノマーは,重合することによ
り高分子化合物となり,複合材料の基体をなすものであ
る。
該高分子化合物としては,ポリアミド樹脂,ビニル系高
分子化合物,熱硬化性樹脂,ポリエステル樹脂,ポリイ
ミド樹脂,ポリフェニレンサルフィド,ポリアセター
ル,ポリフェニレンオキシド,ポリカーボネート,ポリ
スルホン,ポリエーテルスルホン,フッ素樹脂,ゴム
等,あらゆる種類の高分子化合物が挙げられ,それらの
うちの1種または2種以上を用いる。
具体的には,ポリアミドモノマーとしては,6−アミノ−
n−カプロン酸,12−アミノドデカン酸等のアミノ酸,
ヘキサメチレンジアミンのアジピン酸塩等のナイロン
塩,カプロタクタム,ブチロラクタム,カプリルラクタ
ム,ドデカノラクタム等のラクタム等である。
ビニル系高分子化合物のモノマーとしては,エチレン,
プロピレン,ブタジエン,塩化ビニル,塩化ビニリデ
ン,スチレン,アクリル酸,メタクリル酸,t−ブチルア
クリルアミド,アクリロニトリル,ノルボルナジエン,N
−ビニルカルバゾール,ビニルピリジン,ビニルピロリ
ドン,1−ブテン,イソブテン,シアン化ビニリデン,4−
メチルペンテン−1,酢酸ビニル,ビニルイソブチルエー
テル,メチルビニルケトン,フェニルビニルケトン,フ
ェニルビニルスルフィド,アクロレイン等がある。
また,熱硬化性樹脂のモノマーとしては,フェノール樹
脂,エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,アルキド
樹脂,フラン樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂,ポリウレ
タン樹脂,アニリン樹脂等のモノマーである。
更に,フッ素樹脂のモノマーとしては,テトラフルオロ
エチレン,クロロトリフルオロエチレン等である。
また,分散媒を含んだ状態の複合体と高分子化合物のモ
ノマーとの混合は,撹拌機等による機械的混合により行
う。
前記混合工程で得られた混合物をそのまま重合工程に用
いてもよいが,混合物中の分散媒を留出させて用いても
よい。分散媒を留出させるためには,混合物を窒素気流
中に加熱する方法があり,例えば分散媒が水の場合に
は,120〜220℃に加熱するのがよい。
次に,前記混合工程で得られた混合物中の高分子化合物
のモノマーを重合して複合材料を得る(重合工程)。
モノマーの重合方法,条件等はモノマーの種類等により
異なる。また,必要に応じて,各種重合触媒,重合促進
剤等を添加してもよい。
ここで,各工程における分散媒の含有量は,接触工程で
加えた分散媒の量と各工程において留出した分散媒の量
とを定量して求める方法,あるいは反応系から反応物を
一部採取して,IR法等により直接定量する方法等があ
る。
このようにして得られた複合材料は,高分子化合物と,
該高分子化合物中に均一に分散した層状の珪酸塩とから
なり,該層状珪酸塩は層厚さが7〜12Åで珪酸塩の層間
距離が30Å以上であり,高分子化合物の高分子鎖の一部
と層状珪酸塩とがイオン結合してなるものである。
ここで,高分子化合物中の珪酸塩の含有量は,高分子化
合物100重量部に対して0.05〜150重量部であることが好
ましい。これは,該含有量が0.05重量部未満の場合,珪
酸塩が少なすぎるため充分な補強効果が得られないから
である。また,150重量部を越えた場合,高分子化合物の
成分が少ないため層状化合物粉体が得られるに過ぎず,
これを成形体として利用することが困難だからである。
この複合材料は,負に帯電した粘土鉱物の構成単位であ
る層状珪酸塩と,膨潤化剤中に存在したアンモニウムイ
オン(NH3 +)基またはトリメチルアンモニウムイオン
(-N+(CH3)3)基等のオニウムイオン基がイオン結合
し,これらの基は高分子化合物の主鎖や側鎖に共有結合
で結合された構造を有している。
また,本発明により得られた複合材料は,直接射出成形
や加熱加圧成形などで成形して利用してもよい。また,
上記の重合反応を所定の型中で進行させて成形体を得て
もよい。
〔実施例〕
以下,本発明の実施例を説明する。
実施例1 100gの山形県産モンモリロナイト(陽イオン交換容量11
9ミリ当量/100g,負電荷一価当たりの占有面積106Å2
を1.75lの水に分散し,これに51.2gの12−アミノドデカ
ン酸と6mlの濃塩酸を加え,80℃で60分間撹拌した。更
に,十分水洗した後,ブフナーロートを用いて吸引ロ過
をし,含水状態の複合体を得た。含水複合体の一部を採
取し,水分量を測定したところ,第1表に示す割合であ
った。
次に,反応器として撹拌装置付きのオートクレーブを用
い100gのε−カプロラクタムと上記の含水複合体を第1
表に示す割合で加えた。撹拌下,窒素気流下にて,180℃
に昇温し,水を留出した。モノマー100重量部に対する
水分量が0.5重量部となったところで,オートクレーブ
を密閉し,250℃で2時間加熱した。更に再度,窒素気流
下にて250℃で3〜12時間加熱を続け,複合材料(No.1
〜4)を製造した。
また,比較のため,上記と同様にして得た含水複合体を
室温で48時間凍結乾燥し,乳鉢にて粉砕した。次に,上
記と同様なオートクレーブに100gのε−カプロラクタム
と第1表に示す割合の上記粉砕した複合体とを加え,さ
らに0.5gの水を添加して密閉状態,250℃で2時間加熱し
た。更に,窒素気流下にて250℃で3〜5時間ε−カプ
ロラクタムを重合し,比較用複合材料(No.C1〜C3)を
製造した。
上記7種類の複合材料をハンマーミルにより粉砕し,熱
水洗浄した後,真空乾燥した。
得られた複合材料中のポリアミドの数平均分子量Mn及び
分子量分布の尺度であるMw/Mn(Mwは重量平均分子量)
をGPC法により求めた。
また,粉末X線法により珪酸塩の層間距離を測定した。
なお,12−アミノドデカン酸とモンモリロナイトとの複
合体の層間距離は16Åである。
更に,接触工程から重合工程終了までの平均所要時間を
計測した。結果を第1表に示す。
次に,得られた複合材料のNo.1,2,3,C1,C2,C3について
試験片に成形し,引張試験,熱変形試験を行った(ASTM
準拠)。結果を第2表に示す。
比較例においては反応系のマクロな不均一性のため,生
成ポリアミドの分子量分布は広く,また数平均分子量も
低いのに対し,本実施例のものでは,反応系が均一であ
ることを反映して比較的分子量分布は狭く,また数平均
分子量も高いものであった。
また,比較例においては,珪酸塩の層間距離は30Å以下
の部分が存在する場合があり,珪酸塩が不均一に分散し
ているのに対して,本実施例のものでは,珪酸塩が均一
に分散しており,分子レベルでの分散が達成されてい
た。更に,全工程の所要時間については,本実施例で
は,比較例に比べて1/5〜1/6に短縮できることがわか
る。
また,第2表より明らかなごとく本実施例にかかる複合
材料は,比較例のものに比べて,強度,弾性率,耐熱性
が優れていることがわかる。
実施例2 粘土鉱物として合成サポナイト(陽イオン交換容量100
ミリ当量/100g,負電荷一価当たりの占有面積126Å2
を,また分散媒としてエタノールを用いた以外は実施例
1と同様にして分散媒を含んだ状態の複合体を形成し
た。この複合体中の分散媒の量を第3表に示す。
次に,上記分散媒を含んだ状態の複合体をε−カプロラ
クタム100重量部に対して50重量部添加した以外は,実
施例1と同様にして複合材料(試料No.5)を製造した。
また,比較のため,上記分散媒を含んだ状態の複合体を
120℃で24時間真空乾燥して,使用した以外は,上記と
同様にして複合材料(試料No.C4)を製造した。
得られた複合材料のX線回折を測定したところ,試料N
o.5では,サポナイトの(001)面に由来するピーク(d
(001)=18.5Å)が消失しており,サポナイト層が分
子レベルで分散していることを確認した。それに対して
試料No.C4では,わずかにサポナイトの(001)面に対応
するピークが見られ,一部層が拡がっていない部分(30
Å以下)が存在した。
また,実施例1と同様にして測定した珪酸塩の層間距
離,引張弾性率,熱変形温度,及び全工程所要時間を第
3表に示す。
第3表より明らかなごとく,本実施例にかかる複合材料
は,比較例のものに比べて,弾性率及び耐熱性が優れて
いることが分る。また,全工程の所要時間については,
本実施例では,比較例に比べて1/2以下に短縮できるこ
とがわかる。
実施例3 粘土鉱物として山形県産モンモリロナイトと,膨潤化剤
として末端ビニル基を有するアンモニウム塩である を,更に分散媒として水−N,N−ジメチルホルムアミド
(DMF) 混合溶媒(体積比で1:1)を用いた以外は,実施例1と
同様にして分散媒を含んだ複合体を形成した。この分散
媒を含んだ複合体中の分散媒の量は,複合体5重量部に
対して分散媒95重量部であった。
上記分散媒を含んだ複合体100重量部に,ビニル系高分
子化合物モノマーとしてのメチルメタクリレート(MM
A)100重量部と,ラジカル重合開始剤としての過硫酸カ
リウム0.5重量部を混合し,白色の均一な混合物を得
た。これを60℃において5時間加熱撹拌した。
得られた粘稠な液体から分散媒をできるだけ除去した
後,これをメタノール中に滴下し,ポリメチルメタクリ
レートの再沈を行い,複合材料(試料No.6)を製造し
た。
得られた複合材料は,IR,NMR,元素分析により,ポリメチ
ルメタクリレート中にモンモリロナイトを5.7%含有し
た複合材料であることが判明した。X線回折の結果はモ
ンモリロナイトの(001)面のピークが完全に消失し,
ポリマー中へモンモリロナイトの一層一層が均一に分散
していることを示していた。GPC(ゲル浸透クロマトグ
ラム)による分子量測定では,数平均分子量Mn=9.15×
104,重量平均分子量Mw=3.80×105であった。また,溶
融粘度は,2300Pa・s(220℃,剪断速度=370s-1)であ
り,射出成形が可能であった。これはガラス転移温度
(Tg)以上250℃まで,成形形状を保っていた。
また,比較のため,上記分散媒を含んだ複合体を水洗
後,120℃で48時間真空乾燥し,乾燥物を粉砕したものを
使用した以外は,上記と同様にして複合材料(試料No.C
5)を製造した。なお,上記の乾燥した複合体は,MMAに
は膨潤せず,沈澱した。これを撹拌しながら重合したと
ころ,不均一のままて固化した。X線回折測定により,
この複合材料の(001)面のピークが2θ=6.2°(d=
16.5Åに対応)に検知され,モンモリロナイト層はほと
んど拡がっていないことが判明した。また,この複合材
料の成形体は,ガラス転移温度以上になると容易に変形
し,その形状を保持することができなくなった。
更に,比較のため,上記試料No.C5と同様に真空乾燥
し,粉砕した複合体5重量部に,水−DMF混合溶媒(体
積比1:1)95重量部を加えた以外は,上記と同様にして
複合材料(試料No.C6)を製造した。なお,上記複合体
は,水−DMF混合溶媒及びモノマーに膨潤し,重合反応
はほぼ均一に進行した。得られた複合材料は,X線回折測
定によると,モンモリロナイトの(001)面に由来する
ピークがほとんど消失しており,モンモリロナイト層は
ほぼ均一に分散していると考えられる。
上記3種類の複合材料について,実施例1と同様にして
測定した珪酸塩の層間距離,引張弾性率,及び全工程所
要時間を第4表に示す。
第4表より明らかなごとく,本実施例にかかる複合材料
は,比較例のものに比べて,弾性率が優れていることが
わかる。また,全工程の所要時間についても,本実施例
では,比較例に比べて約1 /5に短縮できることがわかる。
実施例4 粘土鉱物としてバーミキュライト(陽イオン交換容量14
0ミリ当量/100g,負電荷一価当たりの占有面積90.1Å2
を用い,このバーミキュライト100gを1.75lの水中に分
散し,これに51.2gの12−アミノドデカン酸と6mlの濃塩
酸を加え,80℃で24時間撹拌した。更に,十分水洗した
後,ブフナーロートを用い吸引ロ過をし,含水状態の複
合体を得た。含水複合体の一部を採取し,水分量を測定
したところ複合体20重量部に対し,水80重量部であっ
た。
この含水複合体25重量部に熱硬化性樹脂モノマーとして
のエピクロルヒドリン70重量部とビスフェノールA30重
量部を加え,さらに40%NaOH水溶液30重量部を添加して
120℃で3時間撹拌した。
得られた複合材料(試料No.7)は,X線回折の結果,バー
ミキュライト(001)面が全く消失し,バーミキュライ
ト層が均一に分散していることが判明した。
また,比較のため,上記含水複合体を真空乾燥して,熱
硬化性樹脂のモノマーと混合した以外は,上記と同様に
して複合材料(試料No.C7)を製造した。この複合材料
は,X線回折の結果,わずかにバーミキュライトの(00
1)面に対応するピークが見られ,一部層が十分に拡が
っていない部分(30Å以下)が存在することが判明し
た。
上記2種類の複合材料に,ジアミノジフェニルスルホン
30重量部を加えて混合し,これを200℃にて圧縮成形し
た。
この成形品の珪酸塩の層間距離,熱変形温度,アイゾッ
ト耐衝撃値,及び全工程所要時間を測定した。その結果
を第5表に示す。
第5表より明らかなごとく,本実施例にかかる複合材料
は,比較例のものに比べて,耐熱性,耐衝撃性に優れて
いることがわかる。また,全工程の所要時間について
も,本実施例では,比較例に比べて短縮できることがわ
かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 KAH (72)発明者 上垣 外修己 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 審査官 城所 宏 (56)参考文献 特開 昭64−11157(JP,A) 特開 昭51−109998(JP,A) 特開 昭62−74957(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽イオン交換容量が50〜200ミリ当量/100g
    の層状の粘土鉱物と膨潤化剤とを分散媒の存在下で接触
    させて溶融状態の高分子化合物のモノマーに膨潤する性
    質,または/及びモノマーと分散媒との混合液に膨潤す
    る性質を有する複合体とする接触工程と,上記分散媒を
    含んだ状態の複合体と高分子化合物のモノマーとを混合
    する混合工程と,該混合物中の高分子化合物のモノマー
    を重合させる重合工程とからなることを特徴とする複合
    材料の製造方法。
  2. 【請求項2】上記混合工程は,複合体100重量部に対し
    て100〜3000重量部の分散媒を含んだ状態の複合体と高
    分子化合物のモノマーとを混合する特許請求の範囲第
    (1)項記載の複合材料の製造方法。
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