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JPH0774198B2 - N−置換マレイミド類の精製方法 - Google Patents

N−置換マレイミド類の精製方法

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Publication number
JPH0774198B2
JPH0774198B2 JP4077488A JP4077488A JPH0774198B2 JP H0774198 B2 JPH0774198 B2 JP H0774198B2 JP 4077488 A JP4077488 A JP 4077488A JP 4077488 A JP4077488 A JP 4077488A JP H0774198 B2 JPH0774198 B2 JP H0774198B2
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JP
Japan
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acid
reaction
substituted maleimides
washing
distillation
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JP4077488A
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武之 藤田
剛 入江
恭之 高柳
健 成田
雄也 矢野
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE3905872A priority patent/DE3905872A1/de
Priority to KR1019890002262A priority patent/KR910004790B1/ko
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はN−置換マレイミド類の精製法に関する。さら
に具体的には、本発明は無水マレイン酸とアミン類、あ
るいはそれから得られるマレイン酸モノアミド類を触媒
の存在下、有機溶媒中で脱水閉環イミド化して得られる
N−置換マレイミド類を含む反応混合物を洗浄及び蒸留
により精製する方法に関する。
N−置換マレイミド類は医薬、農薬、染料、高分子原
料、あるいはそれらの中間体としてその利用範囲は極め
て広い化合物である。
〔従来技術〕
従来、N−置換マレイミド類の精製法としては、反応液
を大量の冷水中へ注入し、析出する結晶を別し、この
結晶を更に多量の水や有機溶媒で洗浄する方法(Organi
c Synthesis Coll.V944(1973))、希薄な炭酸ナトリ
ウム水溶液などで中和、洗浄したのち有機層を分離し、
溶剤を留去する方法(特公昭55−46394号公報)、反応
後硫酸などの強酸で酸処理し、副生物を樹脂化して分離
したのち、水洗する方法(特開昭61−22065号公報及び
特開昭61−204166号公報)、希アルカリ水溶液で洗浄、
再度水洗したのち溶媒留去し、アルコール系溶媒から再
結晶する方法(特開昭60−100554号公報)などが提案さ
れている。しかし、上述のような方法では、脱水閉環イ
ミド化工程で発生する副生物が水に不溶性であるため洗
浄時に十分なる除去ができず、高純度のN−置換マレイ
ミド類を得ることは難しい。また、アルコールからの再
結晶法も、再結溶媒との副反応や重合併発が起るため、
高純度品を高収率で取得することは難しい。
他方、N−置換マレイミド類の精製法として蒸留による
精製法も行われている(特開昭60−112758号公報及び特
開昭60−112759号公報)。しかし、マレイミド類はエチ
レン性二重結合を有するモノマーのため蒸留時加熱され
ると重合しやすく、そのため蒸留収率も低下する。この
ような蒸留中の重合による収率低下を防止するため、安
定剤共存下での蒸留(特開昭61−229862号公報)やアル
カリ土類金属化合物で中和後蒸留する方法(特開昭62−
138468号公報)が提案されているが、未だ完全に重合を
防止することはできない。
このように、従来の精製技術は副生物等不純物の除去あ
るいは蒸留時における重合併発の防止が十分でなく、収
率、製品純度の点に問題があり、工業的に実施する方法
としては未だ不十分なものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は従来法における問題点を解消すべくなされたも
ので、その目的は工業的に有利に実施することのできる
N−置換マレイミド類の精製方法を提供することにあ
り、さらに具体的には副生物等の不純物を十分に除去
し、かつ蒸留時の重合併発を防止し、高純度のN−置換
マレイミド類を高収率で得ることのできるN−置換マレ
イミド類の精製方法を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記目的を達成すべく鋭意研究の結果、N
−置換マレイミド類を含む反応混合物を洗浄後、リン酸
素酸類の共存下で蒸留することにより高純度なN−置換
マレイミド類が高収率で得られることを見出して本発明
に到達した。
本発明の要旨とするところを述べると、無水マレイン酸
と芳香族または脂肪族の第一アミン類とを反応させるこ
とよりなるN−置換マレイミド類を含む反応混合物を、
希アルカリ水溶液、水および希酸水溶液から選ばれた1
種以上で、1回以上洗浄したのち、得られる有機層をリ
ン酸素酸類の共存下で蒸留することを特徴とするN−置
換マレイミド類の精製方法である。
以下に本発明の実施態様について説明する。
本発明の出発原料である無水マレイン酸は如何なる供給
源から得られたものでもよく、市販の無水マレイン酸か
ら適当に選択されたものを用いるのが便利である。ま
た、マレイン酸を用いても同様に反応、精製は進行する
が、反応性、経済性などから得策とは言えない。
もう一方の原料である芳香族第一アミン類としては、例
えば、アニリン,ナフチルアミン,トルイジン,ジメチ
ルアニリン,クロロアニリン,ジクロロアニリン,ニト
ロアニリン,フェニレンジアミンなど、また脂肪族第一
アミン類としては、例えばメチルアミン,エチルアミ
ン,プロピルアミン,ブチルアミン,ベンジルアミン,
シクロヘキシルアミン,アリルアミン,エチレンジアミ
ンなどをそれぞれ挙げることができる。
前記第一アミン類と無水マレイン酸の使用量はモル比で
1:0.8〜1.5、好ましくは1:0.9〜1.2の範囲で使用され
る。本発明で使用されるN−置換マレイミド反応混合物
は上記の無水マレイン酸と第一アミン類、あるいはそれ
らを反応させて得られるマレイン酸モノアミド類を触媒
存在下、有機溶媒中で脱水閉環イミド化して得られる。
この時、使用される触媒としては、硫酸,亜硫酸,無水
硫酸,リン酸,亜リン酸,ポリリン酸,などの無機酸,
ベンゼンスルホン酸,トルエンスルホン酸,ベンゼンホ
スホン酸,トリクロル酢酸,トリフルオロ酢酸などの有
機酸,トリエチルアミン,ピリジン,ジメチルアニリ
ン,酢酸ナトリウムなどの有機塩基、及び強酸性イオン
交換樹脂,弱酸性イオン交換樹脂、弱塩基性イオン交換
樹脂などのイオン交換樹脂触媒などがあげられるが、好
ましくは硫酸,リン酸,ベンゼンスルホン酸,トルエン
スルホン酸,イオン交換樹脂などである。反応触媒とし
ては、N−置換マレイミド類を溶解し、水と共沸混合物
を作り、かつ不活性であり反応に関与しないものであれ
ば何でもよいが、好ましくはベンゼン,トルエン,キシ
レン,エチルベンゼン,クロルベンゼンなどがあげられ
る。有機溶媒の使用量は時に制限はないが、操作性、経
済性を勘案すると生成物の濃度が10〜60%程度になるよ
うに用いるのが好ましい。
また、有機溶媒として、上記の水共沸性溶媒に非プロト
ン性極性溶媒を混合して使用することもできる。非プロ
トン性極性溶媒として用いられるものはホルムアミド,N
−メチルホルムアミド,ジメチルホルムアミド,ジメチ
ルアセトアミド,ジメチルスルホキシド,スルホラン,
γ−ブチロラクトンおよびヘキサメチルホスホルアミド
などが挙げられる。非プロトン性極性溶媒の使用量は任
意であるが、通常、全溶媒量の2〜30%程度が好まし
い。
反応温度は通常50〜200℃の範囲、特に好ましくは70〜1
60℃の範囲である。
また、これらのN−置換マレイミド類の合成に際して、
ハイドロキノン,メトキシフェノール,t−ブチルカテコ
ール,フェノチアジン,チオ尿素,ヒドロキシキノリ
ン,クペロン,N−ニトロソジフェニルアミンなどの重合
禁止剤を併用しても何らさしつかえない。
また、無水マレイン酸と芳香族または脂肪族の第一アミ
ン類とを反応させて得られるマレイン酸モノアミド類に
ついて、前述の脱水閉環イミド化反応を行う場合、マレ
イン酸モノアミド類は反応生成物から単離することな
く、脱水閉環処理することができる。このマレイン酸モ
ノアミド類の合成反応は有機溶媒中で行うのが好まし
い。有機溶媒としては、前述のものが用いられる。この
反応は特に触媒を用いることなく、約150℃以下の反応
温度で容易に進行する。反応温度としては室温から100
℃までが適当である。
このようにして得られたN−置換マレイミド類を含む反
応混合物は先ず洗浄したのち、リン酸素酸の共存下で蒸
留することにより精製する。
洗浄は希アルカリ水溶液、水または希酸水溶液の1種類
以上で、1回以上行う。好ましくは先ず希アルカリ水溶
液で洗浄し、次いで必要に応じて水および希酸水溶液で
再洗浄を1回以上行うのがよい。洗浄は分離後の水層の
pHが8〜0.5の範囲になるように行うのが好ましい。
希アルカリ水溶液での洗浄には、各種塩基性物質の水溶
液を用いることができるが、洗浄性、操作性、経済性な
どを勘案するとナトリウムまたはカリウムの水酸化物、
炭酸塩または炭酸水素塩の使用が好ましい。希アルカリ
水溶液の濃度は1〜20重量%の範囲のものを用いるのが
よい。
希酸水溶液での洗浄には、各種酸性物質の水溶液を用い
ることができるが、洗浄性、操作性、経済性などを勘案
すると硫酸,リン酸の使用が好ましい。希酸水溶液の濃
度はpH0.1〜5の範囲のものを用いるのがよい。これら
の洗浄液の使用量は特に制限はないが、反応混合物液量
の10〜100%程度が好ましい。洗浄温度は20〜90℃、好
ましくは30〜70℃である。
次いで、このような洗浄操作により得られた有機層をリ
ン酸素酸の共存下で蒸留を行う。ここで用いられるリン
酸素酸としては、リン酸,亜リン酸,次亜リン酸,メタ
リン酸,ピロリン酸,縮合リン酸,ポリリン酸などの無
機リン酸素酸およびフェニルホスホン酸,フェニルホス
フィン酸などの有機リン酸素酸であるが、好ましくはリ
ン酸,亜リン酸およびフェニルホスホン酸である。これ
らのリン酸素酸は、酸性塩の形でも同様に用いることが
できる。これらのリン酸素酸は洗浄終了後、蒸留に先だ
って添加される。その使用量はN−置換マレイミド類に
対し0.01〜10重量%好ましくは0.05〜5重量%の範囲で
ある。
蒸留は常圧ないし減圧下で行う。N−置換マレイミド類
は重合性を有するため、なるべく低温での蒸留が好まし
い。このため通常は圧力20mmHg以下の減圧下で、好まし
くは圧力10mmHg以下の減圧下で蒸留するのがよい。
以下、実施例により、本発明の構成および効果をさらに
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定
されるものでない。
実施例1 水分離器を付した還流冷却器、温度計、攪拌機および滴
下ロートを付した反応器に無水マレイン酸107.8g、キシ
レン400ml、ジメチルホルムアミド25ml、およびP−ト
ルエンスルホン酸5.0gを仕込み、攪拌下に加熱溶解させ
る。次いで、滴下ロートよりアニリン93.1gを1時間か
けて滴下し、次いで2時間溶媒還流下で反応させた。反
応中生成した水分は水分離器より除去する。反応終了
後、反応液(黄色透明液)をガスクロマトグラフィーに
より分析した所167.1gのN−フイェニルマレイミドの生
成が確認された(反応収率96.5%)。
次に、反応液を50℃まで冷却し、これに6%炭酸ナトリ
ウム水溶液200gを加えて洗浄し、水層を分離した。この
時水層のpHは6.9であった。得られた有機層は85%リン
酸0.5g添加した後、温度60〜110℃、圧力130〜20mmHgで
脱溶媒し、次いで160℃の浴温、圧力9mmHgの減圧度で3
時間かけて蒸留した。その結果160.6gのN−フェニルマ
レイミドが得られた(融点89〜90℃の黄色固体、収率9
2.7%、ガスクロマトグラフィーによる純度99.4%)。
この時の蒸留釜残量は7.3gであった。
比較例1 85%リン酸添加を行わなかった以外は実施例1と全く同
様の操作を行った所、81.6gのN−フェニルマレイミド
が得られた(融点88〜90℃の黄色固体、収率47.1%、ガ
スクロマトグラフィーによる純度98.6%)。この時の蒸
留釜残量は88.6gであった。
実施例2〜3 蒸留操作の際、リン酸素酸として亜リン酸0.5gあるいは
フェニルホスホン酸1.0gを用いた以外は実施例1と同様
な操作を行った所、表1の結果を得た。
実施例4 実施例1と同様に脱水閉環イミド化反応及び希アルカリ
水溶液洗浄を行った後、得られた有機層を50℃に保ちpH
2に調節した希硫酸水溶液100gで再度洗浄し、水層を分
離した。この時の水層のpHは3.1であった。
次に、得られた有機層に85%リン酸0.2gを添加した後、
温度60〜110℃、圧力130〜20mmHgで脱溶媒し、次いで16
0℃の浴温、圧力9mmHgの減圧度で3時間かけて蒸留し
た。その結果163.1gのN−フェニルマレイミドが得られ
た(融点89〜90℃の黄色固体、収率94.2%、ガスクロマ
トグラフィーによる純度99.9%)。この時の蒸留釜残量
は1.8gであった。
実施例5〜6 第一アミンとしてo−クロロアニリン127.6gあるいはo
−トルイジン107.2gを用い、それぞれ蒸留圧力を変えた
以外は実施例1と同様な操作を行った所、表2の結果を
得た。
実施例7 実施例1と同様の反応装置に無水マレイン酸107.8g、ト
ルエン400ml、ジメルホルムアミド25mlおよびイオン交
換樹脂アンバーリスト15R(ローム&ハース社製)50gを
仕込み、攪拌下に加熱溶解させる。
次いで、滴下ロートよりn−ブチルアミン73.1gを1時
間かけて滴下し、次いで5時間溶媒還流下で反応させ
た。反応中生成した水分は水分離器より除去する。反応
終了後、60℃まで冷却し、触媒をロ別し、トルエンで洗
浄する。反応液(淡カッ色液)をガスクロマトグラフィ
ーにより分析した所、117.8gのN−n−ブチルマレイミ
ドの生成が確認された(反応収率76.9%)。
次に、反応液を60℃に保ち、6%炭酸ナトリウム水溶液
250gにより洗浄し、水層を分離した。この時水層のpHは
5.2であった。得られた有機層は60℃に保ち、pH1.5に調
節した希リン酸水溶液100gで再度洗浄し、水層を分離し
た。この時の水層のpH2.0であった。得られた有機層に8
5%リン酸0.4gを添加した後、温度60〜110℃、圧力130
〜20mmHgで脱溶媒し、次いで90℃の浴温、圧力6mmHgの
減圧度で3時間かけて蒸留した。その結果114.1gのN−
n−ブチルマレイミドが得られた(沸点86〜89℃/6mmHg
の無色透明液体、収率74.5%、ガスクロマトグラフィー
による純度99.2%)。この時の蒸留釜残量は4.5gであっ
た。
実施例8〜9 洗浄操作の際、洗浄液としてpH3の希硫酸水溶液200gあ
るいは水200gを用いた以外は実施例1と同様な操作を行
った所、表3の結果を得た。
〔発明の効果〕 本発明の精製法によれば、純度が約99%以上のN−置換
マレイミド類を精製収率が約95%以上で得ることができ
る。また、本発明は次のような利点を有するものであ
る。
i)蒸留収率が著しく向上する。
ii)蒸留中の重合併発を防止できる。
iii)蒸留後の釜残量を著しく低減できる。
iv)製品純度が向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成田 健 神奈川県横浜市鶴見区大黒町10番1号 日 東化学工業株式会社内 (72)発明者 矢野 雄也 神奈川県横浜市鶴見区大黒町10番1号 日 東化学工業株式会社内 審査官 星野 紹英

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水マレイン酸と芳香族または脂肪族の第
    一アミン類とを反応させることよりなるN−置換マレイ
    ミド類を含む反応混合物を、希アルカリ水溶液、水およ
    び希酸水溶液から選ばれた1種以上で1回以上洗浄した
    のち、得られる有機層をリン酸素酸類の共存下で蒸留す
    ることを特徴とするN−置換マレイミド類の精製方法。
JP4077488A 1988-02-25 1988-02-25 N−置換マレイミド類の精製方法 Expired - Lifetime JPH0774198B2 (ja)

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