JPH07308984A - タイヤ成型用ゴムシートおよびそれを用いたタイヤ成型方法 - Google Patents
タイヤ成型用ゴムシートおよびそれを用いたタイヤ成型方法Info
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- JPH07308984A JPH07308984A JP6105581A JP10558194A JPH07308984A JP H07308984 A JPH07308984 A JP H07308984A JP 6105581 A JP6105581 A JP 6105581A JP 10558194 A JP10558194 A JP 10558194A JP H07308984 A JPH07308984 A JP H07308984A
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Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Tyre Moulding (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 タイヤの成型に当り、未加硫ゴムシート間に
残留する空気の排出を円滑かつ容易なものとする。 【構成】 タイヤの成型に当って複数枚積層される未加
硫ゴムシート12, 13であって、内周側未加硫ゴムシート
11との接触面に、少なくとも一方の側端に開口する複数
本の溝2を設けるとともに、その未加硫ゴムシート12,
13の、前記各溝2と対応する位置に少なくとも一の貫通
孔3を設ける。
残留する空気の排出を円滑かつ容易なものとする。 【構成】 タイヤの成型に当って複数枚積層される未加
硫ゴムシート12, 13であって、内周側未加硫ゴムシート
11との接触面に、少なくとも一方の側端に開口する複数
本の溝2を設けるとともに、その未加硫ゴムシート12,
13の、前記各溝2と対応する位置に少なくとも一の貫通
孔3を設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、タイヤの成型時にお
ける未加硫ゴムシートの複数枚の積層に当り、それらの
ゴムシート間への空気の封じ込め残留を有効に防止する
ことができるタイヤ成型用ゴムシートおよびそれを用い
たタイヤ成型方法に関するものである。
ける未加硫ゴムシートの複数枚の積層に当り、それらの
ゴムシート間への空気の封じ込め残留を有効に防止する
ことができるタイヤ成型用ゴムシートおよびそれを用い
たタイヤ成型方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タイヤの成型時の、未加硫ゴムシート間
への空気の封じ込め残留を防止すべく、未加硫ゴムシー
トの積層の度毎にステッチング処理を施して、ゴムシー
ト間に残留する空気を外部へ押し出すことが従来から広
く一般に行われている。
への空気の封じ込め残留を防止すべく、未加硫ゴムシー
トの積層の度毎にステッチング処理を施して、ゴムシー
ト間に残留する空気を外部へ押し出すことが従来から広
く一般に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ステッ
チング処理のみによっては、残留空気の全てを完全に取
り除くことは実質的に不可能であるため、多くの場合
は、ステッチング処理を施してもなお、ゴムシート間に
封じ込められて残留する空気を、錐、ハンドナイフなど
の刺し込みによって抜き取ることを余儀なくされてい
た。
チング処理のみによっては、残留空気の全てを完全に取
り除くことは実質的に不可能であるため、多くの場合
は、ステッチング処理を施してもなお、ゴムシート間に
封じ込められて残留する空気を、錐、ハンドナイフなど
の刺し込みによって抜き取ることを余儀なくされてい
た。
【0004】そしてこのことは、図3に例示するよう
に、成型ドラムD上でのタイヤの成型に際して、インナ
ライナーIの、内周側部分Ii と外周側部分Io との間
に、耐サイドカット性を高めるべく機能するパッドゴム
Pのような介在層を設ける場合にとくに重大であり、こ
の場合には、図3(b) に示すように、パッドゴムPのそ
れぞれの側端面と隣接する部分に加え、図3(c) に示す
ように、そのパッドゴムPの重ね継ぎ端面と隣接する部
分にもまた、比較的多量の空気Ai が残留することにな
るため、それらの残留空気を十分に抜き取ることができ
ない不都合があった。
に、成型ドラムD上でのタイヤの成型に際して、インナ
ライナーIの、内周側部分Ii と外周側部分Io との間
に、耐サイドカット性を高めるべく機能するパッドゴム
Pのような介在層を設ける場合にとくに重大であり、こ
の場合には、図3(b) に示すように、パッドゴムPのそ
れぞれの側端面と隣接する部分に加え、図3(c) に示す
ように、そのパッドゴムPの重ね継ぎ端面と隣接する部
分にもまた、比較的多量の空気Ai が残留することにな
るため、それらの残留空気を十分に抜き取ることができ
ない不都合があった。
【0005】この発明は、従来技術の有するこのような
問題点を解決することを課題として検討した結果なされ
たものであり、この発明の目的は、複数枚の未加硫ゴム
シートの積層に際して、それらのゴムシート間への空気
の閉じ込め残留を、錐、ハンドナイフなどの刺し込みを
全く不要ならしめてなお、極めて効果的に防止すること
ができるタイヤ成型用ゴムシートおよびそれを用いたタ
イヤ成型方法を提供するにある。
問題点を解決することを課題として検討した結果なされ
たものであり、この発明の目的は、複数枚の未加硫ゴム
シートの積層に際して、それらのゴムシート間への空気
の閉じ込め残留を、錐、ハンドナイフなどの刺し込みを
全く不要ならしめてなお、極めて効果的に防止すること
ができるタイヤ成型用ゴムシートおよびそれを用いたタ
イヤ成型方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明のタイヤ成型用
ゴムシートは、タイヤの成型に当って複数層積層される
未加硫ゴムシートであって、内周側未加硫ゴムシートと
の接触面に、少なくとも一方の側端、好ましくは両方の
側端に開口する複数本の溝を、たとえば相互に平行に設
けるとともに、その未加硫ゴムシートの、前記各溝と対
応する位置に少なくとも一の貫通孔を設けたものであ
る。
ゴムシートは、タイヤの成型に当って複数層積層される
未加硫ゴムシートであって、内周側未加硫ゴムシートと
の接触面に、少なくとも一方の側端、好ましくは両方の
側端に開口する複数本の溝を、たとえば相互に平行に設
けるとともに、その未加硫ゴムシートの、前記各溝と対
応する位置に少なくとも一の貫通孔を設けたものであ
る。
【0007】ここで好ましくは、それぞれの溝の周方向
ピッチを40〜70mmの範囲とし、また好ましくは、前記貫
通孔の、溝中心線上での間隔を70〜100mm の範囲とす
る。
ピッチを40〜70mmの範囲とし、また好ましくは、前記貫
通孔の、溝中心線上での間隔を70〜100mm の範囲とす
る。
【0008】また、この発明のタイヤ成型方法は、内周
側未加硫ゴムシートの外周側に、少なくとも一枚の未加
硫ゴムシートを積層して生タイヤを成型するに際して、
内周側未加硫ゴムシートに対する、外周側未加硫ゴムシ
ートの一枚もしくは複数枚の積層毎のステッチング処理
により、内外ゴムシート間に残留する空気を、上記溝の
作用下で、未加硫ゴムシートの少なくとも一方の側方へ
排出するとともに、上記貫通孔の作用下で、未加硫ゴム
シートの半径方向外方へも排出するものである。
側未加硫ゴムシートの外周側に、少なくとも一枚の未加
硫ゴムシートを積層して生タイヤを成型するに際して、
内周側未加硫ゴムシートに対する、外周側未加硫ゴムシ
ートの一枚もしくは複数枚の積層毎のステッチング処理
により、内外ゴムシート間に残留する空気を、上記溝の
作用下で、未加硫ゴムシートの少なくとも一方の側方へ
排出するとともに、上記貫通孔の作用下で、未加硫ゴム
シートの半径方向外方へも排出するものである。
【0009】
【作用】このタイヤ成型用の未加硫ゴムシートでは、そ
れを内周側未加硫ゴムシートに積層してステッチング処
理、すなわち、ステッチングロールによるロールがけを
施すことにより、内外の未加硫ゴムシート間に残留する
空気を、積層側未加硫ゴムシートの内周面に位置する溝
内へ流入させるとともに、その溝を経て積層側未加硫ゴ
ムシートの側端から円滑に排出することができる他、そ
の溝内への流入空気を、未加硫ゴムシートに、溝と対応
させて設けた貫通孔を経て、それの半径方向外方へ、少
ない流動抵抗の下で、多量にかつ円滑に排出することも
できる。かくして、このゴムシートによれば、未加硫ゴ
ムシート間に残留する空気を、それがそこに封じ込めら
れるより先に、極めて効率的に排出することができるの
で、錐、ハンドナイフなどを用いた、封じ込め空気の事
後的な抜き取りが全く不要となる。
れを内周側未加硫ゴムシートに積層してステッチング処
理、すなわち、ステッチングロールによるロールがけを
施すことにより、内外の未加硫ゴムシート間に残留する
空気を、積層側未加硫ゴムシートの内周面に位置する溝
内へ流入させるとともに、その溝を経て積層側未加硫ゴ
ムシートの側端から円滑に排出することができる他、そ
の溝内への流入空気を、未加硫ゴムシートに、溝と対応
させて設けた貫通孔を経て、それの半径方向外方へ、少
ない流動抵抗の下で、多量にかつ円滑に排出することも
できる。かくして、このゴムシートによれば、未加硫ゴ
ムシート間に残留する空気を、それがそこに封じ込めら
れるより先に、極めて効率的に排出することができるの
で、錐、ハンドナイフなどを用いた、封じ込め空気の事
後的な抜き取りが全く不要となる。
【0010】そしてこのことは、内外の未加硫ゴムシー
ト間に、図3で述べたような介在層を配設する場合もま
た同様であり、その介在層の側端面隣接部分および重ね
継ぎ端面隣接部分に残留することになる空気は、ステッ
チング処理によって、未加硫ゴムシートに設けた溝内へ
強制的に流入させられることから、その溝を経て、また
は、貫通孔を経て残留空気の十分なる排出が行われるこ
とになる。
ト間に、図3で述べたような介在層を配設する場合もま
た同様であり、その介在層の側端面隣接部分および重ね
継ぎ端面隣接部分に残留することになる空気は、ステッ
チング処理によって、未加硫ゴムシートに設けた溝内へ
強制的に流入させられることから、その溝を経て、また
は、貫通孔を経て残留空気の十分なる排出が行われるこ
とになる。
【0011】ところで、ここにおけるステッチング処理
は、未加硫ゴムシートに形成した全ての溝が完全に押し
潰され、また、貫通孔が、内周側に位置する未加硫ゴム
シートによって完全に充填閉塞されるまで継続すること
が好ましいが、凹凸程度の多少の残りは、成型後の拡張
移動及び加硫時のブラダー圧力によるゴム流れによって
補完される。
は、未加硫ゴムシートに形成した全ての溝が完全に押し
潰され、また、貫通孔が、内周側に位置する未加硫ゴム
シートによって完全に充填閉塞されるまで継続すること
が好ましいが、凹凸程度の多少の残りは、成型後の拡張
移動及び加硫時のブラダー圧力によるゴム流れによって
補完される。
【0012】以上のようなゴムシートにおいて、溝の周
方向ピッチは40〜70mmとすることが好ましく、それが40
mm未満では、穴開きだらけのシートになって取扱いづら
く、充填閉塞ステッチングの工数がかかりすぎる一方、
70mmを越えると、間隔が空きすぎてエアーベント効果が
低下する。
方向ピッチは40〜70mmとすることが好ましく、それが40
mm未満では、穴開きだらけのシートになって取扱いづら
く、充填閉塞ステッチングの工数がかかりすぎる一方、
70mmを越えると、間隔が空きすぎてエアーベント効果が
低下する。
【0013】またここで、貫通孔の溝中心上での間隔は
70〜100mm とすることが好ましく、それが70mm未満で
は、穴数が多くなりすぎ、100mm を越えると、残留空気
の十分な排出が困難になるおそれがある。
70〜100mm とすることが好ましく、それが70mm未満で
は、穴数が多くなりすぎ、100mm を越えると、残留空気
の十分な排出が困難になるおそれがある。
【0014】なお、ここにおけるそれぞれの貫通孔の、
タイヤ周方向での配置は、未加硫ゴムシートの局部的な
伸びを防止すべく千鳥状とすることが好ましい。
タイヤ周方向での配置は、未加硫ゴムシートの局部的な
伸びを防止すべく千鳥状とすることが好ましい。
【0015】そしてまた、この発明の方法では、内周側
未加硫ゴムシートに対する外周側未加硫ゴムシートの一
枚もしくは複数枚の積層毎にステッチング処理を施し
て、内外ゴムシート間に残留する空気を、側方および半
径方向外方の双方へ排出することで、多量の空気の円滑
な排出を担保することができ、従って、内外のゴムシー
ト間に介在層が存在すると否とにかかわらず、残留空気
を十分に除去することができる。
未加硫ゴムシートに対する外周側未加硫ゴムシートの一
枚もしくは複数枚の積層毎にステッチング処理を施し
て、内外ゴムシート間に残留する空気を、側方および半
径方向外方の双方へ排出することで、多量の空気の円滑
な排出を担保することができ、従って、内外のゴムシー
ト間に介在層が存在すると否とにかかわらず、残留空気
を十分に除去することができる。
【0016】
【実施例】以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1はこの発明のゴムシートを例示する平面図
であり、これは、所定の幅を有する帯状体1にそれの仮
想中心線を堺としてV字状に折れ曲がる複数本の溝2を
相互に等ピッチで形成して、それらの各溝2の両端をと
もに帯状体1の側端に開口させ、そして、各溝2と対応
する位置に複数の貫通孔3を設けたものである。
明する。図1はこの発明のゴムシートを例示する平面図
であり、これは、所定の幅を有する帯状体1にそれの仮
想中心線を堺としてV字状に折れ曲がる複数本の溝2を
相互に等ピッチで形成して、それらの各溝2の両端をと
もに帯状体1の側端に開口させ、そして、各溝2と対応
する位置に複数の貫通孔3を設けたものである。
【0017】ここで、各溝2の深さは、残留空気の円滑
な排出をもたらすべく、0.1mm 以上とすることが好まし
く、その幅は、閉塞ステッチングに手間がかかりすぎる
のを防ぐため、2mm以下とすることが好ましい。また、
それぞれの溝2の周方向ピッチは、前述したように40〜
70mmの範囲とすることが好ましい。
な排出をもたらすべく、0.1mm 以上とすることが好まし
く、その幅は、閉塞ステッチングに手間がかかりすぎる
のを防ぐため、2mm以下とすることが好ましい。また、
それぞれの溝2の周方向ピッチは、前述したように40〜
70mmの範囲とすることが好ましい。
【0018】ところで、この例では、各溝2の、仮想幅
方向線分に対する角度を、30°としているが、それを、
30°未満もしくは30°を越える値とすることも可能であ
る。
方向線分に対する角度を、30°としているが、それを、
30°未満もしくは30°を越える値とすることも可能であ
る。
【0019】さらに、ここにおけるそれぞれの貫通孔3
は、これもまた前述したように、溝中心上で70〜100mm
の間隔をおいて配設することが好ましく、各貫通孔3の
孔径は4mm以下とすることが好ましい。
は、これもまた前述したように、溝中心上で70〜100mm
の間隔をおいて配設することが好ましく、各貫通孔3の
孔径は4mm以下とすることが好ましい。
【0020】加えて、それぞれの貫通孔3の、タイヤ周
方向での配置は、図示のような千鳥状配置とすること
が、帯状体1の幅方向の、貫通孔を形成した特定部分で
のそれの極端な延びを防止する上で好ましい。
方向での配置は、図示のような千鳥状配置とすること
が、帯状体1の幅方向の、貫通孔を形成した特定部分で
のそれの極端な延びを防止する上で好ましい。
【0021】図2は、以上のように構成してなるゴムシ
ートの、インナライナーへの適用例を示す部分展開斜視
図である。11はA層と一般的に呼ばれるシール性を主た
る目的とするゴムシートであり、このA層は図では一層
のみ示しているが、大型のタイヤでは三層もしくはそれ
以上積層して形成される。ゴムシート11(A層)が成型
ドラム上にまず配設され、次いでその外周に、B層と一
般的に呼ばれる、A層とカーカス層との接着を主たる目
的とするゴムシート12, 13が配設される。
ートの、インナライナーへの適用例を示す部分展開斜視
図である。11はA層と一般的に呼ばれるシール性を主た
る目的とするゴムシートであり、このA層は図では一層
のみ示しているが、大型のタイヤでは三層もしくはそれ
以上積層して形成される。ゴムシート11(A層)が成型
ドラム上にまず配設され、次いでその外周に、B層と一
般的に呼ばれる、A層とカーカス層との接着を主たる目
的とするゴムシート12, 13が配設される。
【0022】ここでは、ゴムシート11を、溝も貫通孔も
有しない従来通りのものとする一方、それの外周に積層
する中間層のゴムシート12および、この中間層ゴムシー
ト12のさらに外周に積層する最外層のゴムシート13のそ
れぞれを、図1で述べたような溝2および貫通孔3を有
するものとする。なお、この例ではB層を二層とした
が、大型のタイヤでは三層以上が積層されて形成され
る。
有しない従来通りのものとする一方、それの外周に積層
する中間層のゴムシート12および、この中間層ゴムシー
ト12のさらに外周に積層する最外層のゴムシート13のそ
れぞれを、図1で述べたような溝2および貫通孔3を有
するものとする。なお、この例ではB層を二層とした
が、大型のタイヤでは三層以上が積層されて形成され
る。
【0023】ここでこの例では、最内層ゴムシート11の
外周に中間層ゴムシート12を積層した場合、および、そ
の中間層ゴムシート12の外周に最外層ゴムシート13を積
層した場合のそれぞれにおいて、ステッチング処理を施
して、それぞれのゴムシーシ12, 13に形成した各溝2を
完全に押し潰すとともに、各貫通孔3を、内周側のゴム
シートによって完全に充填閉塞することにより、ゴムシ
ート11, 12間およびゴムシート12, 13の間それぞれに残
留する空気を、それの残留量の多少にかかわらず、それ
ぞれの溝2の作用下で、ゴムシート12, 13 の両側端縁
から外方へ円滑に排出し、併せて、各ゴムシート12, 13
の貫通孔3の作用下で、半径方向外方へ直接的に、より
円滑に排出して、それぞれのゴムシート間への在留空気
のほぼ完全な排出を実現する。ここではB層についての
み本発明を適用したが、A層についても適用できる。
外周に中間層ゴムシート12を積層した場合、および、そ
の中間層ゴムシート12の外周に最外層ゴムシート13を積
層した場合のそれぞれにおいて、ステッチング処理を施
して、それぞれのゴムシーシ12, 13に形成した各溝2を
完全に押し潰すとともに、各貫通孔3を、内周側のゴム
シートによって完全に充填閉塞することにより、ゴムシ
ート11, 12間およびゴムシート12, 13の間それぞれに残
留する空気を、それの残留量の多少にかかわらず、それ
ぞれの溝2の作用下で、ゴムシート12, 13 の両側端縁
から外方へ円滑に排出し、併せて、各ゴムシート12, 13
の貫通孔3の作用下で、半径方向外方へ直接的に、より
円滑に排出して、それぞれのゴムシート間への在留空気
のほぼ完全な排出を実現する。ここではB層についての
み本発明を適用したが、A層についても適用できる。
【0024】そして、これらのことを、インナライナー
の外周側部分の形成に当ってまた同様に行うことによ
り、インナライナーへの残留空気の封じ込めを極めて効
果的に防止することができる。
の外周側部分の形成に当ってまた同様に行うことによ
り、インナライナーへの残留空気の封じ込めを極めて効
果的に防止することができる。
【0025】ところで、図に示すところでは、最内層の
ゴムシート11および中間層のゴムシート12の外周面にも
また、少なくとも一方の側端に開口する複数本の溝を設
けることもでき、このことによれば、残留空気の排出を
より一層円滑に、かつ迅速に行うことができる。なお図
示例ではV字状に折曲させている溝2を直線状に延びる
傾斜溝、幅方向溝などとすることもでき、また、これら
のいずれにあっても、各溝の一端を、交互に、または定
常的に、ゴムシートの一側端だけに開口させることもで
きる。
ゴムシート11および中間層のゴムシート12の外周面にも
また、少なくとも一方の側端に開口する複数本の溝を設
けることもでき、このことによれば、残留空気の排出を
より一層円滑に、かつ迅速に行うことができる。なお図
示例ではV字状に折曲させている溝2を直線状に延びる
傾斜溝、幅方向溝などとすることもでき、また、これら
のいずれにあっても、各溝の一端を、交互に、または定
常的に、ゴムシートの一側端だけに開口させることもで
きる。
【0026】ちなみに、この発明に係るゴムシートを用
いて上述したようにしてインナライナーを形成した場合
には、従来は、ステッチング処理の後に行っていた5〜
6分間の別個の空気抜き作業が全く不要となり、タイヤ
の全成型時間(70分)に対して、作業時間を7〜8.5 %
短縮することができた。
いて上述したようにしてインナライナーを形成した場合
には、従来は、ステッチング処理の後に行っていた5〜
6分間の別個の空気抜き作業が全く不要となり、タイヤ
の全成型時間(70分)に対して、作業時間を7〜8.5 %
短縮することができた。
【0027】しかも、製品タイヤについて、ゴム層間へ
の封じ込め残留空気の有無を調べたところ、従来タイヤ
では、全数の20.0%に空気の残留が認められたのに対
し、この発明に係るゴムシートを用いたタイヤでは、0.
1 %に空気の残留があるにとどまった。
の封じ込め残留空気の有無を調べたところ、従来タイヤ
では、全数の20.0%に空気の残留が認められたのに対
し、この発明に係るゴムシートを用いたタイヤでは、0.
1 %に空気の残留があるにとどまった。
【0028】
【発明の効果】以上に述べたように、この発明によれ
ば、ゴムシート間に残留する空気をそれの量の多少にか
かわらず、溝および貫通孔を介して円滑かつ迅速に、し
かもほぼ完全に排出することができ、従って、封じ込め
残留空気の事後的な抜取り作業を全く不要ならしめてお
な、空気の封じ込め残留のおそれを大きく低減させるこ
とができる。
ば、ゴムシート間に残留する空気をそれの量の多少にか
かわらず、溝および貫通孔を介して円滑かつ迅速に、し
かもほぼ完全に排出することができ、従って、封じ込め
残留空気の事後的な抜取り作業を全く不要ならしめてお
な、空気の封じ込め残留のおそれを大きく低減させるこ
とができる。
【図1】この発明のゴムシートを例示する平面図であ
る。
る。
【図2】発明シートの積層状態を例示する部分展開斜視
図である。
図である。
【図3】空気の残留状態を例示する図である。
1 帯状体 2 溝 3 貫通孔 11, 12, 13 ゴムシート
Claims (4)
- 【請求項1】 タイヤの成型に当って複数枚積層される
未加硫ゴムシートであって、内周側未加硫ゴムシートと
の接触面に、少なくとも一方の側端に開口する複数本の
溝を設けるとともに、その未加硫ゴムシートの、前記各
溝と対応する位置に少なくとも一の貫通孔を設けてなタ
イヤ成型用ゴムシート。 - 【請求項2】 前記溝の周方向ピッチを40〜70mmの範囲
としてなる請求項1記載のタイヤ成型用ゴムシート。 - 【請求項3】 前記貫通孔の、溝中心上での間隔を70〜
100mm の範囲としてなる請求項1もしくは2記載のタイ
ヤ成型用ゴムシート。 - 【請求項4】 内周側未加硫ゴムシートの外周側に、少
なくとも一枚の未加硫ゴムシートを積層して生タイヤを
成型するに際し、 内周側未加硫ゴムシートに対する、外周側未加硫ゴムシ
ートの一枚もしくは複数枚の積層毎に、内外ゴムシート
間に残留する空気を、未加硫ゴムシートの少なくとも一
方の側方へ排出するとともに、その未加硫ゴムシートの
半径方向外方側へも排出することを特徴とするタイヤ成
型方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6105581A JPH07308984A (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | タイヤ成型用ゴムシートおよびそれを用いたタイヤ成型方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6105581A JPH07308984A (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | タイヤ成型用ゴムシートおよびそれを用いたタイヤ成型方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07308984A true JPH07308984A (ja) | 1995-11-28 |
Family
ID=14411474
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6105581A Pending JPH07308984A (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | タイヤ成型用ゴムシートおよびそれを用いたタイヤ成型方法 |
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1994
- 1994-05-19 JP JP6105581A patent/JPH07308984A/ja active Pending
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