JPH07290643A - 樹脂被覆金属板、およびこれからなる絞りしごき缶または絞り缶 - Google Patents
樹脂被覆金属板、およびこれからなる絞りしごき缶または絞り缶Info
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- JPH07290643A JPH07290643A JP6083056A JP8305694A JPH07290643A JP H07290643 A JPH07290643 A JP H07290643A JP 6083056 A JP6083056 A JP 6083056A JP 8305694 A JP8305694 A JP 8305694A JP H07290643 A JPH07290643 A JP H07290643A
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Abstract
れ、金属板との密着性に優れるとともに耐衝撃性にも優
れ、さらにピンホールがなく、フレーバー性に優れるな
どの特性を有する樹脂が被覆された樹脂被覆金属板、お
よびこのような樹脂被覆金属板から形成された絞りしご
き缶または絞り缶を提供する。 【構成】本発明に係る樹脂被覆金属板は、金属板と、該
金属板片面上または両面上に設けられた樹脂組成物被膜
とからなり、該樹脂組成物被膜は、[A]飽和ポリエス
テル樹脂;50〜95重量部と、[B]ポリエステルエ
ラストマー;1〜30重量部と、[C]アイオノマー樹
脂;1〜25重量部とからなることを特徴としている。
本発明に係る絞りしごき缶または絞り缶は、上記のよう
な樹脂被覆金属板からなる。
Description
れからなる絞りしごき缶または絞り缶に関し、さらに詳
しくは特定の樹脂組成物が被覆されてなる樹脂被膜金属
板およびこれからなる絞りしごき缶または絞り缶に関す
る。
るいはアルミニウム板を絞りしごき加工または絞り加工
して得られる絞りしごき缶(以下DI缶という)または
絞り缶(以下DRD缶という)は、継ぎ目がなく諸物性
に優れており、広く用いられている。
は、金属板からの金属溶出による味の低下、フレーバー
の低下、内容物の変質およびピンホールの発生などを防
止するために、缶内面側に樹脂層を設けることがある。
このような缶内面側に樹脂層が設けられた缶およびこれ
を形成しうる樹脂被覆金属板としては、たとえば特開昭
51−130647号公報には、飽和ポリエステル層で
被覆された鋼板およびこれから得られる容器が提案され
ている。また特開平1−180336号公報には、ポリ
ブチレンテレフタレート層で被覆された鋼板が提案され
ており、特開平1−192545号公報、特開平2−5
7339号公報、特開平3−10835号公報には、特
定の飽和共重合ポリエステル層で被覆された鋼板および
これから得られる容器が提案されている。
る被覆用樹脂には、絞りしごき加工および絞り加工に追
従しうる優れた成形性が要求されると共に、鋼板から剥
離しないような優れた密着性が要求される。さらにこの
樹脂には、打缶時、缶詰工程および運搬時の衝撃に耐え
得るような優れた耐衝撃性が要求される。また、保存時
に腐食の原因となるピンホールがないとともに、飲料の
味に影響を及ぼさないすなわちフレーバー性に優れるこ
となどの特性が要求される。
樹脂は、このような要求を必ずしも満足するものではな
かった。たとえば、絞りしごき加工または絞り加工時に
樹脂被膜中にピンホールを生じることがあった。また製
缶後、乾燥、印刷、焼き付け等の工程において加熱され
た缶は、耐衝撃性が低下することがあった。
撃強度を改善するために、一般的に、飽和ポリエステル
樹脂に、ポリカーボネート、マレイン酸変性エチレンプ
ロピレンランダム共重合体などをそれぞれブレンドする
方法が知られている。しかしこれらの樹脂ブレンド物
は、いずれもアニール処理を行うと堅く、脆くなってし
まい、衝撃強度が充分とはいえない。
てなされたものであり、絞りしごきまたは絞り成形性に
優れ、金属板との密着性に優れるとともに耐衝撃性にも
優れ、さらにピンホールがなく、フレーバー性に優れる
などの特性を有する樹脂が被覆された樹脂被覆金属板、
およびこのような樹脂被覆金属板から形成された絞りし
ごき缶または絞り缶を提供することを目的としている。
と、該金属板片面上または両面上に設けられた樹脂組成
物被膜とからなり、該樹脂組成物被膜は、[A]飽和ポ
リエステル樹脂;50〜95重量部と、[B]ポリエス
テルエラストマー;1〜30重量部と、[C]アイオノ
マー樹脂;1〜25重量部とからなることを特徴として
いる。
ごき缶または絞り缶は、上記のような樹脂被覆金属板か
らなる。
板、およびこのような樹脂被覆金属板から形成された絞
りしごき缶または絞り缶について説明する。
と、この金属板片面上または両面上に設けられた樹脂組
成物被膜とからなる。本発明では、金属板として、一般
的に缶用途に用いられている従来公知の金属が広く用い
られ、具体的に、表面が公知の方法でSn(錫)メッキ
された鋼板(ブリキ)、錫無し鋼板(ティンフリースチ
ール、電解クロム酸処理鋼板)あるいはアルミニウム板
などが用いられる。
mm、好ましくは0.1〜2mmである。この金属板片
面上または両面上には、[A]飽和ポリエステル樹脂
と、[B]ポリエステルエラストマーと、[C]アイオ
ノマー樹脂とからなる樹脂組成物が被覆されている。
タル酸またはそのエステル誘導体(例えば低級アルキル
エステル、フェニルエステルなど)などのジカルボン酸
と、エチレングリコールまたはそのエステル誘導体(例
えばモノカルボン酸エステルエチレンオキサイドなど)
などのジヒドロキシ化合物とから誘導される構成単位か
ら形成されている。
酸および/または他のジヒドロキシ化合物から誘導され
る構成単位を40モル%以下の量で含有していてもよ
い。テレフタル酸以外のジカルボン酸としては、具体的
に、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカ
ルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバ
シン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪
族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂
環族ジカルボン酸などが挙げられる。
は、そのエステル誘導体として用いてもよい。またエチ
レングリコール以外のジヒドロキシ化合物としては、具
体的には、トリメチレングリコール(プロピレングリコ
ール)、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ールなどの脂肪族グリコール;シクロヘキサンジメタノ
ールなどの脂環族グリコール;ビスフェノール類、ハイ
ドロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェ
ニル)プロパンなどの芳香族ジオール類などが挙げられ
る。
テル誘導体として用いてもよい。また本発明で用いられ
る[A]飽和ポリエステル樹脂は、トリメシン酸、ピロ
メリット酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトール
などの多官能化合物から誘導される構成単位を少量、た
とえば2モル%以下の量で含んでいてもよい。
は、実質上線状であり、このことは該飽和ポリエステル
が、o-クロロフェノールに溶解することによって確認さ
れる。本発明で用いられる飽和ポリエステル樹脂は、o-
クロロフェノール中で25℃で測定した極限粘度[η]
は、通常0.5〜1.4dl/g、好ましくは0.5〜
1.3dl/g、さらに好ましくは0.6〜1.2dl/g
であることが望ましい。
和ポリエステルは、溶融成形性および絞りしごき成形性
に優れるとともに耐衝撃性などの機械的強度にも優れて
いて好ましい。
ル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が、通常50〜12
0℃、好ましくは60〜100℃であることが望まし
い。この(a) 飽和ポリエステル樹脂は、非晶性であって
も結晶性であってもよく、結晶性である場合には、結晶
融解温度(Tm)が、通常210〜265℃、好ましく
は220〜260℃であり、低温結晶化温度(Tcc)
が、通常110〜210℃、好ましくは120〜200
℃であることが望ましい。
しては、従来公知のポリエステルエラストマーが制限さ
れることなく用いられるが、このポリエステルエラスト
マーは、結晶性であって高融点を有するハードセグメン
トと、ソフトセグメントとを有する熱可塑性エラストマ
ーであって、このハードセグメントが(i) 芳香族ポリエ
ステルからなり、ソフトセグメントが(ii)ポリエーテル
または(iii) 脂肪族ポリエステルからなる[B-1]ポリ
エステル・ポリエーテルブロック共重合体または[B-
2]ポリエステル・ポリエステルブロック共重合体であ
ることが望ましい。
ーテルブロック共重合体または[B-2]ポリエステル・
ポリエステルブロック共重合体は、(i) 芳香族ポリエス
テルと、(ii)ポリエーテルまたは(iii) 脂肪族ポリエス
テルとを、公知の方法により共縮合させて得られる。
・ポリエーテルブロック共重合体または[B-2]ポリエ
ステル・ポリエステルブロック共重合体を形成している
(i)芳香族ポリエステルセグメントは、芳香族ジカルボ
ン酸とジヒドロキシ化合物とから誘導される構成単位か
らなっている。
テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルジカルボン酸などが挙げられる。これら
は、2種以上の組み合わせであってもよい。
に、エチレングリコール、トリメチレングリコール(プ
ロピレングリコール)、テトラメチレングリコール、ペ
ンタメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,
2-ジメチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、ドデカメチレングリコールなどの脂肪族ジヒ
ドロキシ化合物、p-キシレングリコールなどの芳香族ジ
ヒドロキシ化合物、シクロヘキサンジメタノールなどの
脂環族ジヒドロキシ化合物が挙げられる。これらは、2
種以上の組み合わせであってもよい。
レフタル酸と1種のアルキレングリコールとのホモポリ
エステルであってもよく、ジカルボン酸成分とジヒドロ
キシ成分とのいずれか一方が2種以上からなるか、ある
いは両成分がそれぞれ2種以上からなる共重合ポリエス
テルであってもよい。
・ポリエーテルブロック共重合体および[B-2]ポリエ
ステル・ポリエステルブロック共重合体を形成している
(i)芳香族ポリエステルセグメントは、ジカルボン酸成
分を100モル%とするときに、テレフタル酸を50モ
ル%以上の量で含有するジカルボン酸成分と、炭素数2
〜10のアルキレングリコールからなるジヒドロキシ成
分とから形成されていることが好ましい。
ック共重合体を形成する(ii)ポリエーテルセグメント
は、分子量が300〜6000のポリ(アルキレンオキ
サイド)グリコールから形成される。このようなポリ
(アルキレンオキサイド)グリコールとしては、具体的
に、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリブチレングリコールなどが挙げられる。
ブロック共重合体を形成する(iii)脂肪族ポリエステル
セグメントは、脂肪族ジカルボン酸成分と、炭素数2〜
10のアルキレングリコールとから誘導される構成単位
からなる。
アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカル
ボン酸などが挙げられる。炭素数2〜10のアルキレン
グリコールとしては、具体的には、上記に(i) 芳香族ポ
リエステルセグメントを形成するジヒドロキシ化合物と
して示したものが挙げられる。
従来公知のアイオノマー樹脂が広く用いられるが、この
アイオノマー樹脂は、エチレンとα,β-不飽和カルボ
ン酸との共重合体中のカルボキシル基の一部または全部
が金属陽イオンで中和されたイオン性塩である。
炭素数3〜8の不飽和カルボン酸、具体的には、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マ
レイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸
モノメチルエステルなどが挙げられる。
の共重合体中のカルボキシル基を中和する金属陽イオン
としては、具体的に、Na+ 、K+ 、Li+ 、Zn+ 、
Zn ++、Mg++、Ca++、Co++、Ni++、Mn++、P
b++、Cu++などの1〜2価の金属陽イオンが挙げられ
る。また金属陽イオンで中和されてない残余のカルボキ
シル基の一部は、低級アルコールでエステル化されてい
てもよい。
脂は、上述のようにエチレンと不飽和カルボン酸との共
重合体の金属塩であるが、金属塩を形成するためのエチ
レン・不飽和カルボン酸との共重合体は、エチレンから
誘導される構成単位を、80〜99モル%、好ましくは
85〜98モル%であり、不飽和カルボン酸から誘導さ
れる構成単位(カルボキシル基を有する構成単位)を1
〜20モル%、好ましくは2〜15モル%の量で含有し
ている。
脂では、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体中の
カルボキシル基の一部または全部が、具体的には15〜
100%のカルボキシル基が中和されている。この中和
度は、好ましくは20〜80%、さらに好ましくは30
〜70%であり、このような中和度の[C]アイオノマ
ー樹脂から形成される組成物は、溶融押出性に優れてい
る。
は、具体的には、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸
などの不飽和モノカルボン酸との共重合体あるいはエチ
レンとマレイン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン
酸との共重合体中のカルボキシル基の一部または全部が
ナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウ
ム、カルシウムなどの1価または2価の金属イオンで中
和されたアイオノマー樹脂が挙げられる。
はメタクリル酸の共重合体(カルボキシル基を有する構
成単位が2〜15モル%)中のカルボキシル基の30〜
70%が、Naなどの1価の金属イオンで中和されたも
のが好ましく用いられる。
ミラン”(商品名:三井デュポンポリケミカル社製)な
どの市販品を使用することができる。樹脂組成物 本発明において、金属板上に被覆される樹脂組成物は、
上記のような[A]飽和ポリエステル樹脂と[B]ポリ
エステルエラストマーと[C]アイオノマー樹脂との合
計は100重量部としたときに、[A]飽和ポリエステ
ル樹脂を50〜95重量部、好ましくは60〜90重量
部の量で、[B]ポリエステルエラストマーを1〜30
重量部、好ましくは1〜20重量部の量で、[C]アイ
オノマー樹脂を1〜25重量部、好ましくは5〜20重
量部の量で含有している。
エステルエラストマーと[C]アイオノマー樹脂とを上
記のような量で含有する樹脂組成物からなる被膜は、耐
衝撃性に優れるとともに金属板への密着性に優れ、押し
出し成形および絞りしごきまたは絞り加工に追従しうる
優れた成形性を示し、絞りしごきまたは絞り加工後にピ
ンホールのない均一な被膜を形成する。
物において、[B]ポリエステルエラストマーの量が1
重量部未満であると、[A]飽和ポリエステル樹脂と
[C]アイオノマー樹脂とが十分に相溶しないため、ピ
ンホール、ゲルなどが発生した被膜が形成されることが
あり、また被膜の衝撃強度が不十分なことがある。一方
[B]ポリエステルエラストマーの量が30重量部を超
えると、ピンホールを生じることなく樹脂被膜を形成す
ることができるが、フレーバー性が著しく低下してしま
う。
部未満であると、金属板との密着性に劣り、耐衝撃強度
にも劣る被膜が形成されることある。一方[C]アイオ
ノマー樹脂の量が25重量部を超えると、他の成分との
相溶性が低下してしまい、また押出成形時にサージング
が発生してしまうので、均一膜厚のフィルムが形成され
にくい。
脂組成物は、上記のような量の各成分[A]、[B]お
よび[C]から形成されているが、特に
5であることが望ましい。なお上記で示される重量比が
0.05未満であると、被膜は金属板に対する密着性、
衝撃強度に劣ることがあり、一方0.3を超えるとフレ
ーバー性が著しく低下することがあり、また押出成形時
にゲルが発生することがある。
物を金属板片面上または両面上に公知の複合材積層方法
により被覆して製造することができ、被覆方法は特に限
定されない。具体的には、たとえば下記のように行われ
る。
ポリエステルエラストマーと[C]アイオノマー樹脂と
を、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサー、V形
ブレンダーなどにより混合した後、さらに押出機、ニー
ダーバンバリーミキサーなどで溶融混合し、次いで先端
にTダイを有する押出機あるいはギヤーポンプで定量的
に押し出すことにより金属板上に被覆することができ
る。
ポリエステルエラストマーと[C]アイオノマー樹脂と
を、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサー、V形
ブレンダーなどにより混合した後、直接Tダイを有する
押出機あるいはギヤーポンプで定量的に押し出すことに
より金属板上に被覆することもできる。
ポリエステルエラストマーと[C]アイオノマー樹脂と
からなる樹脂組成物を一旦フィルムにした後、このフィ
ルムと金属板と貼り合わせてもよい。
るに際しては、押出機から溶融状態で押し出されて金属
板上に被覆された樹脂組成物は、急冷して樹脂組成物の
結晶化を防止することが好ましい。
は、通常5〜500μm、好ましくは10〜100μ
m、特に好ましくは20〜60μmであることが望まし
い。本発明に係る樹脂被覆金属板は、上記のように金属
板と、この片面上または両面上に設けられた樹脂組成物
被膜とからなり、優れた耐衝撃性を有するとともに絞り
しごきおよび絞り成形性などの成形性に優れ、成形時に
被膜中にピンホールを生じることなく均一に加工され
る。またこの樹脂組成物は、金属板との密着性にも優
れ、成形時の加工追従性に優れるため、外観に優れた缶
が得られる。
は、上記のような樹脂被覆鋼板が、樹脂組成物被膜が内
面側になるように絞りしごき加工または絞り加工されて
形成される。
RD缶)を製造する方法は、公知の各種の方法が採用で
きる。最も一般的な方法としては、樹脂被覆鋼板をしご
きポンチを用いて一段階もしくは数段階しごき加工する
ことにより製造することができる。
な条件下に行うことができる。 プランク径 …120〜150mm 絞り条件 …1段絞り比 H/D=20〜40/70
〜95mmφ 2段絞り比 H/D=30〜60/50〜80mmφ 絞りしごき径…3段アイアニング 50〜80mmφ 総しごき率 …60〜80%
金属板との密着性に優れており、絞りしごき成形性また
は絞り成形性に優れ、成形加工時の樹脂の追随性に優れ
ており、外観に優れた缶を形成しうる。
缶は、打缶、缶詰工程および運搬時の衝撃に耐え得る優
れた耐衝撃性を有しており、製缶後、乾燥、印刷、焼き
付けなどの工程において加熱されても、優れた耐衝撃性
を保持している。
は、ピンホールがなく、内容物の長期保存性に優れると
ともに内容物の香り、フレーバー性などの保存性にも優
れている。
が、本発明はこれら実施例により限定されるものではな
い。
樹脂と、ポリエステルエラストマーと、アイオノマー樹
脂とを、表1に示す量で押出機に供給し、樹脂組成物を
得た。
っきが施された鋼板(板厚み0.30mm、硬度T−1
相当)の片面のSnめっき層上に、上記のような樹脂組
成物を、押出Tダイを用いて30μmの厚みで被覆し
た。このときのTダイでの樹脂溶解温度は265〜30
0℃であり、被覆時の鋼板温度は、150〜200℃で
あった。またTダイで樹脂が被覆された鋼板は、10秒
以内に100℃以下まで急冷した。
粘度[dl/g]と、この飽和ポリエステル樹脂とポリエ
ステルエラストマーとアイオノマー樹脂とからなる樹脂
組成物のTg(ガラス転移温度)、Tm(融点)、Tcc
(低温結晶化温度)、QTcc(冷却結晶化熱量)、QT
m(融解熱量)を、表1中に示す。
は、示差熱分析計(Perkin Elmer-7型)を用いて10℃
/分の昇温速度で測定した。冷結晶化熱量[J/g]
は、示差熱分析計(Perkin Elmer-7型)を用いて10℃
/分の昇温速度で測定したときに観察される結晶化によ
る発熱量であり、融解熱量[J/g]は示差熱分析計
(Perkin Elmer-7型)を用いて10℃/分の昇温速度で
測定したときに観察される樹脂の融解による吸熱量であ
る。
板を、缶内面が樹脂被覆面となるようにして下記のよう
な成形条件で、絞りしごき加工を行って絞りしごき缶
(DI缶)を製造した。得られたDI缶の内面を洗浄
し、210℃のオーブン中で約2分間乾燥した。さらに
缶外面に塗装、焼き付けを行なった。
験、耐衝撃性試験、密着性試験、フレーバー性評価、押
出ラミネート成形性評価を行った。結果を表2に示す。
>得られたDI缶について、以下のような硫酸銅試験を
行ってピンホールの有無を試験した。
(CuSO4・7H2O)50g/リットルを含むCuの
化学メッキ液を入れて10分間放置し、液を除去、水洗
した後、析出したCuを観察した。缶内面の樹脂層に欠
如(ピンホール)があれば、欠如部から鉄が溶出して、
Cuが置換メッキされる。
熱される状態を想定して、以下のように樹脂被覆鋼板を
加熱した後、衝撃後電流試験を行った。
ンで加熱した後、常温まで冷却し、樹脂組成物を被覆し
ていない鋼板側から30cmの高さから2.0kgの鉄球を
落とした。凸状に膨らんだ側が上面となるように鋼板を
底面にして、鋼板の端に柔らかいゴム状の樹脂で壁を形
成した後、凸状に膨らんだ側に1.0%食塩水を入れ、
鋼板を陽極とし、膨らみの近くに設置した白金を陰極と
して+6Vの電圧をかけたときに流れる電流値(mA)
を測定した。
に評価した。常温の樹脂被覆鋼板を、クエン酸1.5重
量%、食塩1.5重量%水溶液(UCC液)に24時間
浸した後、フィルムのはがれた長さを測定し、その長さ
(mm)で評価した。
し、0.5〜2.0を△とし、2.0〜を×とした。 <フレーバー性の評価>上記のようにして得られたDI
缶に、5%エタノール、20ppm リモネン溶液を充填
し、20℃で、10分間放置した。リモネンのフィルム
への吸着量を上層がホモポリエチレンテレフタレートで
形成されているときを100として比較した。フレーバ
ー性の評価基準は下記のとおりである。
物をTダイ押出ラミネート(樹脂温度265〜300
℃)した際の、成形性について評価した。
向で安定しない(サージング)。
脂組成物に代えた以外は、実施例と同様にして樹脂被覆
鋼板を得た。原料としての飽和ポリエステル樹脂の固有
粘度[dl/g]と、樹脂組成物のTg、Tm、Tc、Q
Tc、QTmを、表1に示す。
実施例1と同様にして缶内面が樹脂被覆面となるように
してそれぞれ絞りしごき加工して、絞りしごき缶(DI
缶)を製造した。得られたDI缶について、実施例1と
同様にして試験、評価を行った。結果を表2に示す。
ステル TA…テレフタル酸、IA…イソフタル酸(ジカルボン
酸成分を100モル%とする) *2)2種以上のジヒドロキシ成分を含む共重合ポリエ
ステル EG…エチレングリコール、CHDM…シクロヘキサン
ジメタノール(ジヒドロキシ化合物成分を100モル%
とする) *3)ホモPET;テレフタル酸とエチレングリコール
とのホモポリエステル [B]ポリエステルエラストマー *4)ハイトレル4057(東レデュポン社製);ポリ
エステル・ポリエーテルブロック共重合体 ポリエステルセグメント;酸成分/テレフタル酸、イソ
フタル酸、グリコール成分/1,4-ブタンジオール、 ポリエーテルセグメント;ポリブチレンオキサイド、 *5)デカン2酸共重合ポリエステル; ポリエステル・ポリエステルブロック共重合体 酸成分/テレフタル酸、デカン2酸、グリコール成分/
1,4-ブタンジオール、[C]アイオノマー樹脂 *6)アイオノマー樹脂;ハイミラン1707(三井デ
ュポンケミカル社製、Naタイプ) *7)アイオノマー樹脂;ハイミラン1706(三井デ
ュポンケミカル社製、Znタイプ)
Claims (6)
- 【請求項1】金属板と、 該金属板片面上または両面上に設けられた樹脂組成物被
膜とからなり、 該樹脂組成物被膜は、[A]飽和ポリエステル樹脂;5
0〜95重量部と、[B]ポリエステルエラストマー;
1〜30重量部と、[C]アイオノマー樹脂;1〜25
重量部とからなることを特徴とする樹脂被覆金属板。 - 【請求項2】前記[B]ポリエステルエラストマーは、 [B-1](i) テレフタル酸を50モル%以上含有するジ
カルボン酸成分と、炭素数2〜10のアルキレングリコ
ールとから誘導される芳香族ポリエステルセグメント
と、(ii)分子量が300〜6000のポリ(アルキレン
オキサイド)グリコールからなるポリエーテルセグメン
トとからなるポリエステル・ポリエーテルブロック共重
合体であるか、または [B-1](i) テレフタル酸を50モル%以上含有するジ
カルボン酸成分と、炭素数2〜10のアルキレングリコ
ールとから誘導される芳香族ポリエステルセグメント
と、(iii) 脂肪族ジカルボン酸成分と、炭素数2〜10
のアルキレングリコールとから誘導される脂肪族ポリエ
ステルセグメントとからなるポリエステル・ポリエステ
ルブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に
記載の樹脂被覆金属板。 - 【請求項3】前記の[A]、[B]および[C]は、 【数1】 いることを特徴とする請求項1に記載の樹脂被覆金属
板。 - 【請求項4】前記[C]アイオノマー樹脂は、エチレン
とα,β-不飽和カルボン酸との共重合体中のカルボキ
シル基の一部または全部が1価または2価の金属陽イオ
ンで中和されたイオン性塩であることを特徴とする請求
項1に記載の樹脂被覆金属板。 - 【請求項5】金属板が、鋼板あるいはアルミニウム板で
あることを特徴とする請求項1に記載の樹脂被覆金属
板。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂被覆
金属板を、樹脂被膜面が内面側になるように絞りしごき
成形または絞り成形してなる絞りしごき缶または絞り
缶。
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JP08305694A JP3300527B2 (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | 樹脂被覆金属板、およびこれからなる絞りしごき缶または絞り缶 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1994
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