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JPH11157007A - 成形加工用フィルム被覆金属板 - Google Patents

成形加工用フィルム被覆金属板

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Publication number
JPH11157007A
JPH11157007A JP32428497A JP32428497A JPH11157007A JP H11157007 A JPH11157007 A JP H11157007A JP 32428497 A JP32428497 A JP 32428497A JP 32428497 A JP32428497 A JP 32428497A JP H11157007 A JPH11157007 A JP H11157007A
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JP
Japan
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film
polyester
coated
polytrimethylene terephthalate
polyester film
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JP32428497A
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Akito Hamano
明人 濱野
Tadashi Okudaira
正 奥平
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼き付け塗装後も良好な耐衝撃性を有する成
形体が得られるフィルム被覆金属板を提供する。 【解決手段】 金属板の少なくとも片面に、ポリトリメ
チレンテレフタレートを主体とする、融点が190〜2
30℃、示差走査型熱量計で求めた結晶化度が90%以
下で無配向であるポリエステルフィルムが被覆されてい
ることを特徴とする成形加工用フィルム被覆金属板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムが加工前
の金属板に被覆された成形加工用金属板に関する。詳し
くは、製缶後の缶を落下させてもフィルムに亀裂が入り
にくいフィルム被覆金属板に関する。特に製缶後の缶に
硬化性樹脂層を焼き付け塗装した後に缶を落下させても
フィルムに亀裂が入りにくいフィルム被覆金属板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】金属を成形加工する方法として、例えば
製缶方法として絞り法、絞り再絞り法、絞り引っ張り曲
げ伸ばし法、絞りしごき法等がある。これらの金属成形
体には防食の目的で少なくとも表面に樹脂塗料を被覆す
るのが一般である。金属缶の場合、この被覆は製缶後に
スプレー塗装法などで一缶毎に塗装するために能率が悪
く、また塗料を高温で焼き付けるために多大なエネルギ
ーが必要であり、また有機溶剤の飛散による環境悪化の
問題がある。
【0003】このため近年このような欠点を解消するた
め、缶を成形する以前に金属板に予め塗料をコーティン
グしておく技術(プレコート技術)やフィルムをラミネ
ートしておく技術(プレラミネート技術)が開発されつ
つある。しかし、これらの技術においては、コートやラ
ミネートされた有機樹脂層は、製缶工程において過酷な
変形や熱履歴を受けるので製缶後に欠陥が生じやすく、
十分な耐食性を発揮させるのが困難であるため、現在も
当業者間で検討されている。
【0004】プレラミネート技術に適用するフィルムと
しては衛生性や保香性が優れていることからポリエステ
ル系のフィルムが検討されている。ここで使用されるポ
リエステル系フィルムは、予め延伸配向されていると製
缶時の変形に追従できないため、フィルムに亀裂が入
り、耐食性が悪化するとともに缶の外観も悪いものとな
る。その点非晶質無配向のポリエステル系フィルムを被
覆した場合は製缶時の変形に追従しやすく、製缶後もフ
ィルムに亀裂ができず良好な耐食性が得られるが、耐衝
撃性が悪く缶を落下させた後には亀裂が入りやすく防食
性を維持できない。
【0005】特に印刷しさらに熱硬化性塗料を焼き付け
た後や高温殺菌処理した後の缶はフィルムが脆化して落
下させるとフィルムに亀裂が発生しやすくなり問題であ
る。このためにポリエステル系フィルムの面配向度や結
晶化度を低めにコントロールする方法が検討されてい
る。低面配向フィルムは落下衝撃後でもフィルムの亀裂
は発生しにくくなり、かつ、変形の少ない成形加工なら
できる。しかし大きな変形を伴う成形加工を行うとフィ
ルムに亀裂が発生してしまう。このほかにフィルムを多
層化し衝撃を吸収する方法やポリエステル樹脂を改質す
る方法なども提案されているが上記問題を解決するには
至っていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、良好な
成形性を有し、かつ良好な耐衝撃性を有する被覆膜を持
った金属成形体が得られるフィルム被覆金属板を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低結晶化
度でかつ無配向のポリトリメチレンテレフタレート系フ
ィルムを金属板に被覆することによって、耐衝撃性の優
れた樹脂被覆金属成形体が得られるフィルム被覆金属板
を見出した。すなわち、本発明は、金属板の少なくとも
片面に、ポリトリメチレンテレフタレートを主体とする
融点が190〜230℃、示差走査型熱量計で求めた結
晶化度が90%以下で低結晶化度でかつ無配向であるポ
リエステルフィルムが被覆されていることを特徴とする
成形加工用フィルム被覆金属板である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される金属板としては鉄、鋼、ブリキ、テ
ィンフリースチール、黄銅、銅、アルミニウム、アルミ
ニウム合金またはそれらの表面処理物が挙げられる。表
面処理としては電気化学的処理、無機化学的処理、有機
化学的処理などがあり、クロメート処理、リン酸クロメ
ート処理、ジンククロメート処理、アルマイト処理、D
OS処理などが含まれる。
【0009】本発明の金属板の少なくとも片面とは、例
えば製缶後の缶内面側または缶外面側または内外両面い
ずれであってもかまわないことである。特に耐食性が強
く要求される面側にフィルムを被覆すると有効である。
【0010】本発明のポリトリメチレンテレフタレート
を主体とするポリエステルとは、トリメチレンテレフタ
レート単位を主体とするポリエステルで、ポリエステル
フィルム中のポリエステル全体に対してトリメチレンテ
レフタレート単位を75モル%以上含有する。共重合す
る段階は、重合初期、重合途中、重合後の押出し機中な
どのどの段階でもよいが少なくともナフタレート基が共
重合されており主な融点はポリエチレンテレフタレート
よりは低い190〜250℃の範囲である必要がある。
【0011】ナフタレンジカルボン酸基の共重合量は3
モル%より少ないと製缶後の耐落下衝撃性が不足する。
一方ナフタレンジカルボン酸基が多い場合、経済的でな
い、融点が下がり耐熱性が悪い、2軸延伸フィルムの製
膜性が悪い、などの弊害が生まれる。また、ガラス転移
温度が上がるため、製缶加工温度が低い場合には製缶加
工追従性が劣る可能性がある。本発明のポリエステルは
エチレンテレフタレート単位が75モル%以上であるエ
チレンテレフタレート単位を主体とするポリエステルで
ある必要がある。エチレンテレフタレート単位が75モ
ル%より少ない場合は、融点が下がり焼き付け塗装に対
する耐熱性が不足する。また、2軸延伸フィルムを得る
場合、製膜性も悪くなる。
【0012】本発明のポリエステルの融点は、ポリトリ
メチレンテレフタレートの融点230℃以下である。フ
ィルムを融着したり、溶融する場合に融点が低い方が作
業性や省エネルギーの点で好ましいので、他の共重合成
分を共重合してもよい。しかし、焼き付け塗装などに対
する耐熱性の点や2軸延伸フィルムを製造する際の製膜
性の点では融点は190℃以上である必要がある。
【0013】本発明のポリエステルは、テレフタル酸成
分とトリメチレングリコール成分(1、3−プロパンジ
オールともいう)をエステル交換法や直重法で縮重合し
て得られる。その他のジカルボン酸成分、ジオール成
分、オキシカルボン酸成分、トリカルボン酸成分を特許
請求の範囲内で共重合してもかまわない。その他のジカ
ルボン酸成分としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、マレイン酸、ダイマー酸、インダンジ
カルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
ジフェニルジカルボン酸、スルホイソフタル酸金属塩な
ど、その他のジオール成分としては、エチレングリコー
ル、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチル
グリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタ
ノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物、ポ
リエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
など、その他のオキシカルボン酸成分としては、オキシ
安息香酸など、その他のトリカルボン酸成分としてはト
リメリット酸、トリメチロールプロパンなどが挙げられ
る。該ポリエステルフィルムは、2種類以上のポリエス
テルをブレンドしたものでもかまわない。
【0014】該ポリエステルの分子量に関しては、還元
粘度で0.70〜1.4、特に0.8〜1.0が好適で
ある。すなわち、還元粘度が0.7以下の場合、製缶し
た缶の耐落下衝撃性が不足する。また、還元粘度が1.
4以上の場合、原料の重合、フィルムの製膜、ラミネー
ト板の製造のコストが上がり経済的でない。なお、還元
粘度は、フェノール/テトラクロルエタンの重量比6/
4の混合溶媒を用い、溶液濃度が0.4g/dl、温度
30℃で測定した値である。
【0015】本発明の金属板に被覆されたポリエステル
フィルムは低結晶化度かつ無配向であることが必要であ
る。該ポリエステルフィルムが低結晶化度であるとは以
下の方法で求めた結晶化度が90%以下である必要があ
る。すなわち、フィルムを示差走査型熱量計(DSC)
で測定し次式で計算した結晶化度である。(結晶化度)
%={1−(冷結晶化の発熱量)/(融解の吸熱量)}
×100該ポリエステルが無配向であるとは、屈折率か
ら求めた面配向係数(Nx+Ny)/2−Nzが0.0
1以下であることである。
【0016】本発明の非晶質無配向のポリエステルフィ
ルムの金属板への被覆方法としては、(1)2軸延伸し
たフィルムを金属板に融着または接着した後、溶融し急
冷固化する方法(2)未延伸フィルムを融着または接着
する方法(3)押出しラミネート方式で直接金属板に融
着する方法が挙げられる。
【0017】特に(1)の方法は、(2)(3)に比べ
て厚み斑の少ない薄いフィルムを金属板に被覆できるの
で好適であり、厚み斑の少ないフィルム被覆金属板は、
特に絞りしごき加工に好適である。該2軸延伸フィルム
は、公知の方法で製膜し延伸され製造される。例えば、
(1)Tダイより溶融押し出しした未延伸のシートをロー
ル式延伸機で縦方向に延伸した後、テンター式延伸機で
横方向に延伸する方法(逐次2軸延伸法)、(2)未延
伸シートをテンター式同時二軸延伸機で縦横同時に延伸
する方法(同時2軸延伸法)、や(3)チューブ状に溶
融押し出ししたシートを気体の圧力で膨張させ延伸する
方法(インフレーション法)などによって製造される。
【0018】2軸延伸フィルムを金属板へ融着する方法
としては、該フィルム軟化点以上に暖められた金属板に
フィルムを圧着する方法などが挙げられる。金属板に積
層された該フィルムは2軸配向性を残しているので、さ
らに該フィルムを完全に溶融させて配向を無くした後、
急冷固化すると非晶質無配向のポリエステル被覆層が得
られる。該フィルムを完全に溶融するための加熱方法と
しては、熱風加熱、ロール加熱、通電加熱、誘電加熱、
高周波加熱などが、急冷固化する方法としては水中浸せ
き、冷風吹き付けなどの方法が挙げられる。
【0019】本発明の樹脂フィルムは、製造工程におい
て共押し出し法やコーティング法によって複層化されて
いてもよいが、主ポリエステル層は本特許の範囲内のポ
リエステルであり、本特許のフィルムの厚さは、8〜5
0μm、特に10〜20μmが好ましい。本発明のフィ
ルムは、用途によっては接着性や濡れ性を良くするため
にコロナ処理やコーティング処理や火炎処理が行われて
もよい。
【0020】本発明のポリエステルフィルムは、公知の
添加剤を必要に応じて含有させることができる。例え
ば、白色顔料、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、
酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤、な
どを含有させてもよい。
【0021】本発明のフィルム被覆金属板は、例えば絞
り法(DR法)により作られる浅絞り缶(DR缶)、絞
り再絞り缶(DRD法)により作られる深絞り缶(DR
D缶)、絞り引っ張り曲げ伸ばし法(DTR法)により
作られる薄肉化絞り缶(DTR缶)、絞りしごき法(D
I法)により作られる絞りしごき缶(DI缶)などに使
用される。特に、加工時に大きな変形を受けるために配
向したフィルムを積層した場合にはフィルムがその変形
に追従できない絞りしごき缶(DI缶)に使用される。
【0022】一般に成形加工後の缶は外面に印刷がさ
れ、さらに表面の耐擦傷性を上げるために熱硬化性のト
ップクリア塗料が焼き付け塗装される。さらに内容物に
よってはレトルト処理が行われる。こうした製缶後の熱
履歴によってポリエステルフィルムは脆化するため衝撃
が加わった場合フィルムに亀裂が入りやすくなる、特に
低結晶化度かつ無配向のポリエステルフィルムは製缶加
工性は良いが、熱履歴による脆化が著しく缶に落下衝撃
が加わった場合にフィルムに亀裂が入りやすくなるのが
一般である。しかし、本特許のポリエステルフィルムは
低結晶化度かつ無配向にもかかわらず、焼き付け塗装後
やレトルト処理後でも耐衝撃性が良好で落下衝撃を加え
てもフィルムに亀裂が入りにくく、缶の耐食性が良好で
ある。
【0023】
【実施例】以下、本発明の内容および効果を実施例によ
って説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り
以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の
実施例、比較例における物性の評価方法は以下の通りで
ある。
【0024】(評価方法) (1)融点 製缶前のフィルム被覆ティンフリー鋼板から剥がしたポ
リエステルフィルムを理学電機社製外熱型示差走査型熱
量計(DSC)で測定し、融解の吸熱ピーク温度を融点
とした。サンプルは10mg,昇温速度は20℃/分で
ある。
【0025】(2)製缶前のフィルムの結晶化度 製缶前のフィルム被覆ティンフリー鋼板から剥がしたポ
リエステルフィルムを理学電機社製外熱型示差走査型熱
量計(DSC)で測定し、50℃から180℃に現れる
発熱ピークから冷結晶化の発熱量を求め、150℃から
280℃に現れる吸熱ピークから吸熱量を測定し、融解
の吸熱量に対する冷結晶化の発熱量から次式で計算し
た。 (結晶化度)%={1−(冷結晶化の発熱量)/(融解
の吸熱量)}×100
【0026】(3)面配向係数 アタゴ社製偏光板付きの屈折率計で流れ方向、幅方向、
厚み方向の屈折率Nx、Ny、Nzを測定し、下式で面
配向係数を求めた。封入液はジヨードメタン、光源はナ
トリウムランプを使用した。 (面配向係数)=(Nx+Ny)/2−Nz
【0027】(4)還元粘度 還元粘度は、ウベローデ型粘度管で、フェノール/テト
ラクロルエタンの重量比6/4の混合溶媒に、チップま
たはフィルムを溶液濃度0.4g/dlで溶解し、温度
30℃で測定した値である。
【0028】(5)缶の作製 フィルム被覆ティンフリー鋼板を絞り比2.3で絞り加
工して絞り缶を作製した。
【0029】(6)缶のERV 作製した絞り缶に50mlの1重量%食塩水を満たし、
エナメルレーターでERV(エナメルレイティング値)
を測定した。測定条件は、電圧が直流6ボルト、缶底外
側に金属露出部を作りそこを陽極に接続した。通電時間
は30秒で30秒後の電流値を測定した。電流がたくさ
ん流れるほど絶縁体であるフィルムに欠陥が存在し、金
属が露出しているため腐食が起こりやすい。製缶直後の
ERV値は10mA以下であることが望ましい。
【0030】(7)熱処理前の缶の落下衝撃後のERV 作製した絞り缶に水50mlを満たし缶底を下向きにし
て1mの高さより落下させた後、水を除去して(6)と
同様にして食塩水を満たしてERVを測定した。熱処理
前の缶の落下衝撃後のERV値は10mA以下が望まし
い。
【0031】(8)熱処理後のERV 絞り缶を焼き付け処理条件に対応する200℃、15分
間熱処理を行った後、(7)と同様に落下衝撃を加えた
後のERVを測定した。熱処理ごの缶の落下衝撃後のE
RV値は10mA以下が望ましい。
【0032】(ポリエステル樹脂の作製)エステル交換
法によって、還元粘度が0.90のイソフタル酸成分を
5モル%共重合したポリトリメチレンテレフタレート
(a)のチップを溶融重縮合によって得た。但し、比較
例用に還元粘度0.68のポリエチレンテレフタレート
(b)及びイソフタル酸成分を10モル%共重合した還
元粘度0.69のポリエチレンテレフタレート(c)を
用いた。全てのポリエステルには平均粒径が1.8μm
のシリカゲル微粉末をフィルム中に0.6重量%含有す
るように添加し、分散させた。
【0033】(2軸延伸フィルムの作製)イソフタル酸
共重合ポリトリメチレンテレフタレート(a)のチップ
を真空乾燥し水分率0.01重量%以下にした後、押出
機でTダイより260℃で溶融押出しして、30℃の冷
却ロールに引き取り、未延伸シートを得た後、直ちにロ
ール式延伸機で縦方向に65℃で3.2倍延伸し、更に
テンター式延伸機で横方向に75℃で3.5倍延伸した
後、5%緩和させつつ180℃で熱固定し、厚さ15μ
mの延伸フィルムを得た。比較例として用いたポリエチ
レンテレフタレート(b)及びイソフタル酸成分を10
モル%共重合したポリエチレンテレフタレート(c)
は、押出し温度280℃、縦方向延伸温度90℃、横方
向延伸温度100℃、熱固定温度210℃で製膜した。
【0034】実施例1、比較例1〜3 (フィルム被覆アルミニウム板の作製)ポリエステル樹
脂(a)、(b)、(c)の2軸延伸フィルムを、それ
ぞれ厚み0.2mmのティンフリー鋼板の両面にロール
ラミネーターで融着させた。ティンフリー鋼板は室温で
供給し、ゴムロール温度は180〜250℃、通過速度
は25〜100cm/分、ゲージ圧力は6Kg/cm
2、ティンフリー鋼板の幅は20cm。2軸延伸フィル
ムを融着させたティンフリー鋼板を熱風オーブン中で2
00〜270℃で30〜90秒間加熱し完全に溶融させ
た後、熱風オーブンより取り出し、5秒以内に15〜2
5℃の水に浸け、固化した。
【0035】ポリエステル樹脂(a)から作成されたフ
ィルム被覆アルミニウム板を実施例1、ポリエステル樹
脂(b)から作成されたフィルム被覆アルミニウム板を
比較例1、ポリエステル樹脂(c)から作成されたフィ
ルム被覆アルミニウム板を比較例2とした。また、アル
ミニウム板にポリエステル樹脂(a)から作成された2
軸延伸フィルムを融着させた後、溶融、急冷の低結晶質
無配向化処理を行わずに得たフィルム被覆アルミニウム
板を比較例3とした。
【0036】ティンフリー鋼板に被覆された絞り加工前
のフィルムの特性と絞り加工後の缶の評価結果を表1に
示した。表1に示したとおり、本発明のフィルム被覆金
属板より製缶した缶は、フィルムに欠陥が少なくERV
値が低い。また、落下衝撃を加えてもERV値が低く、
フィルムに亀裂や欠陥ができにくい。さらに、焼き付け
塗装と同様の熱履歴を受けた後で落下衝撃を加えてもE
RV値が低く、フィルムに亀裂や欠陥ができにくい。
【0037】一方、本発明の範囲外であるポリエチレン
テレフタレート及びイソフタル酸共重合ポリエチレンテ
レフタレートを用いた比較例1と2では、熱処理後の缶
の落下衝撃後のERV値が高く、焼き付け塗装後の缶の
耐衝撃性が劣ることが予想される。比較例3では、絞り
加工を行い絞り缶を得ようとしたが、フィルムの剥離が
多く、製缶直後のERV値も高かった。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】低結晶化度かつ無配向のポリトリメチレ
ンテレフタレート系樹脂層を金属板に積層することによ
って、成形加工によって得た缶の金属露出部が少なく、
さらに缶を落下させ変形した後でも金属露出部が少な
く、また缶を焼き付け塗装を行った後に落下させ変形し
た後でも、金属露出部の少ない缶が得られる成形加工用
フィルム被覆金属板を提供することができる。また、積
層する方法として、まずポリトリメチレンテレフタレー
ト系樹脂の2軸配向フィルムを金属板に積層した後、溶
融し、さらに急冷固化して低結晶質無配向のポリエステ
ルフィルムを被覆した金属板よって、均一な成形加工に
好適なフィルム被覆金属板を提供できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の少なくとも片面に、ポリトリメ
    チレンテレフタレートを主体とする、融点が190〜2
    30℃、示差走査型熱量計で求めた結晶化度が90%以
    下で無配向であるポリエステルフィルムが被覆されてい
    ることを特徴とする成形加工用フィルム被覆金属板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリエステルフィルム
    が、2軸延伸されたフィルムを積層した後、溶融して無
    配向にした後、急冷固化された、示差走査型熱量計で求
    めた結晶化度が90%以下で無配向のポリエステルフィ
    ルムであることを特徴とする成形加工用フィルム積層金
    属板。
  3. 【請求項3】 製缶成形加工後に少なくとも1層の熱硬
    化性樹脂層が積層されることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の成形加工用フィルム被覆金属板。
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