JPH07224049A - 表面処理されたメラミンシアヌレート粉末およびその製造方法 - Google Patents
表面処理されたメラミンシアヌレート粉末およびその製造方法Info
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- JPH07224049A JPH07224049A JP6014380A JP1438094A JPH07224049A JP H07224049 A JPH07224049 A JP H07224049A JP 6014380 A JP6014380 A JP 6014380A JP 1438094 A JP1438094 A JP 1438094A JP H07224049 A JPH07224049 A JP H07224049A
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- Japan
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- melamine cyanurate
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- melamine
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D251/00—Heterocyclic compounds containing 1,3,5-triazine rings
- C07D251/02—Heterocyclic compounds containing 1,3,5-triazine rings not condensed with other rings
- C07D251/12—Heterocyclic compounds containing 1,3,5-triazine rings not condensed with other rings having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
- C07D251/26—Heterocyclic compounds containing 1,3,5-triazine rings not condensed with other rings having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with only hetero atoms directly attached to ring carbon atoms
- C07D251/40—Nitrogen atoms
- C07D251/54—Three nitrogen atoms
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Fireproofing Substances (AREA)
- Lubricants (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 マトリックスへの分散性が優れ、耐熱性が良
好でかつ嵩比重が大きいメラミンシアヌレート粉末の提
供およびその製造方法を提供する。 【構成】 メラミンとシアヌール酸の合計量100 重量部
に対して金属酸化物ゾルを金属酸化物換算にて0.1 〜10
重量部を存在させて、水媒体中にてメラミンとシアヌー
ル酸の中和反応を行った後、噴霧乾燥する。
好でかつ嵩比重が大きいメラミンシアヌレート粉末の提
供およびその製造方法を提供する。 【構成】 メラミンとシアヌール酸の合計量100 重量部
に対して金属酸化物ゾルを金属酸化物換算にて0.1 〜10
重量部を存在させて、水媒体中にてメラミンとシアヌー
ル酸の中和反応を行った後、噴霧乾燥する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属酸化物で表面処理
されたメラミンシアヌレートおよびその製造方法に関す
るものである。本発明のメラミンシアヌレート粉末は、
潤滑剤の添加剤や合成樹脂の難燃剤などに好適に利用さ
れる。
されたメラミンシアヌレートおよびその製造方法に関す
るものである。本発明のメラミンシアヌレート粉末は、
潤滑剤の添加剤や合成樹脂の難燃剤などに好適に利用さ
れる。
【0002】
【従来の技術】メラミンシアヌレートの製造方法として
は、メラミン水溶液とシアヌール酸水溶液とを混合して
メラミンシアヌレートを沈殿析出させる中和反応(特公
昭45-5595 号)やメラミンとシアヌール酸の固体分散液
の不均一系中和反応(特公昭61-34430号)が知られてい
る。
は、メラミン水溶液とシアヌール酸水溶液とを混合して
メラミンシアヌレートを沈殿析出させる中和反応(特公
昭45-5595 号)やメラミンとシアヌール酸の固体分散液
の不均一系中和反応(特公昭61-34430号)が知られてい
る。
【0003】特開平5-310716号は、ポリビニルアルコー
ルおよび/またはセルロースエーテル類の存在下にてメ
ラミンシアヌレートを製造すると、これらにより表面処
理された、嵩比重が大きく樹脂への分散性が良好なメラ
ミンシアヌレートが得られることを開示しているが、30
0 ℃以上の成形温度が必要なマトリックス樹脂では、こ
れらの表面処理剤の耐熱性は比較的小さいので該樹脂が
変色するという問題があった。
ルおよび/またはセルロースエーテル類の存在下にてメ
ラミンシアヌレートを製造すると、これらにより表面処
理された、嵩比重が大きく樹脂への分散性が良好なメラ
ミンシアヌレートが得られることを開示しているが、30
0 ℃以上の成形温度が必要なマトリックス樹脂では、こ
れらの表面処理剤の耐熱性は比較的小さいので該樹脂が
変色するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】耐熱性の良好な表面処
理剤を使用して、しかもメラミンシアヌレートの形態と
しては、取り扱いやすさの点では、微粒子が凝集した粉
立ちの少ない嵩比重の大きい粉末で、種々のマトリック
スに混合したときには、微粒子までに微細に分散される
程度に弱く凝集しているメラミンシアヌレート粉末を得
るべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
理剤を使用して、しかもメラミンシアヌレートの形態と
しては、取り扱いやすさの点では、微粒子が凝集した粉
立ちの少ない嵩比重の大きい粉末で、種々のマトリック
スに混合したときには、微粒子までに微細に分散される
程度に弱く凝集しているメラミンシアヌレート粉末を得
るべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のメラ
ミンシアヌレート粉末は、金属酸化物にて表面処理され
た一次粒子が凝集した形態であることを特徴とする。こ
こで、多数の微粒子が凝集してメラミンシアヌレート粉
末の個々の粒子を構成するが、この微粒子のことを一次
粒子と称する。また、金属酸化物を一次粒子に固着させ
ることを表面処理と称する。そして、その製造方法は、
金属酸化物ゾルを存在させてメラミンとシアヌール酸を
水媒体中で反応させ、得られたメラミンシアヌレートの
水分散スラリーを噴霧乾燥することを特徴とする。
ミンシアヌレート粉末は、金属酸化物にて表面処理され
た一次粒子が凝集した形態であることを特徴とする。こ
こで、多数の微粒子が凝集してメラミンシアヌレート粉
末の個々の粒子を構成するが、この微粒子のことを一次
粒子と称する。また、金属酸化物を一次粒子に固着させ
ることを表面処理と称する。そして、その製造方法は、
金属酸化物ゾルを存在させてメラミンとシアヌール酸を
水媒体中で反応させ、得られたメラミンシアヌレートの
水分散スラリーを噴霧乾燥することを特徴とする。
【0006】本発明の原料であるメラミン粉末は、平均
粒径10〜100 ミクロンの市販品がそのまま使用できる。
もう一方の原料であるシアヌール酸粉末も、平均粒径10
〜100 ミクロンの市販品がそのまま使用できる。エノー
ル型をシアヌール酸、ケト型をイソシアヌール酸とそれ
ぞれ称するが、両者は互変異性体であり、本発明ではエ
ノール型とケト型いずれもをシアヌール酸と称する。
粒径10〜100 ミクロンの市販品がそのまま使用できる。
もう一方の原料であるシアヌール酸粉末も、平均粒径10
〜100 ミクロンの市販品がそのまま使用できる。エノー
ル型をシアヌール酸、ケト型をイソシアヌール酸とそれ
ぞれ称するが、両者は互変異性体であり、本発明ではエ
ノール型とケト型いずれもをシアヌール酸と称する。
【0007】メラミンシアヌレートを生成する中和反応
は、水存在下にてメラミンとシアヌール酸が等モルで反
応するが、メラミンシアヌレートの用途に支障がない限
り、メラミンとシアヌール酸のモル比は厳密に1:1で
なくてもよく、メラミンまたはシアヌール酸のいずれか
が過剰となってもよい。該反応に必要な水量は、本発明
では特に限定されないが、メラミンとシアヌール酸の合
計量100 重量部に対して、 400〜1000重量部が一般的で
ある。
は、水存在下にてメラミンとシアヌール酸が等モルで反
応するが、メラミンシアヌレートの用途に支障がない限
り、メラミンとシアヌール酸のモル比は厳密に1:1で
なくてもよく、メラミンまたはシアヌール酸のいずれか
が過剰となってもよい。該反応に必要な水量は、本発明
では特に限定されないが、メラミンとシアヌール酸の合
計量100 重量部に対して、 400〜1000重量部が一般的で
ある。
【0008】本発明で使用する金属酸化物ゾルとして
は、シリカ、アルミナ、酸化アンチモン、チタニア、酸
化すず、ジルコニアなどの各種のヒドロゾルまたはオル
ガノゾルが例示されるが、望ましいゾルは、数nmから数
10nmの粒径をもつシリカ、アルミナまたは酸化アンチモ
ンのヒドロゾルである。金属酸化物濃度は10〜30重量%
が常用されるが、場合によっては希釈または濃縮して使
用もできる。それらの添加量は、メラミンシアヌレート
100 重量部当たり、金属酸化物換算にて0.1 〜10重量
部、好ましくは0.3 〜8 重量部であり、さらに好ましく
は、0.5 〜5 重量部である。これらは、メラミン、シア
ヌール酸とともに水媒体中に該反応の当初から分散させ
るか、該反応の途中あるいは該反応の終了後で噴霧乾燥
前に分散させるかのいずれの方法も採用できるが、該反
応の当初から添加するのが簡便でより有効である。
は、シリカ、アルミナ、酸化アンチモン、チタニア、酸
化すず、ジルコニアなどの各種のヒドロゾルまたはオル
ガノゾルが例示されるが、望ましいゾルは、数nmから数
10nmの粒径をもつシリカ、アルミナまたは酸化アンチモ
ンのヒドロゾルである。金属酸化物濃度は10〜30重量%
が常用されるが、場合によっては希釈または濃縮して使
用もできる。それらの添加量は、メラミンシアヌレート
100 重量部当たり、金属酸化物換算にて0.1 〜10重量
部、好ましくは0.3 〜8 重量部であり、さらに好ましく
は、0.5 〜5 重量部である。これらは、メラミン、シア
ヌール酸とともに水媒体中に該反応の当初から分散させ
るか、該反応の途中あるいは該反応の終了後で噴霧乾燥
前に分散させるかのいずれの方法も採用できるが、該反
応の当初から添加するのが簡便でより有効である。
【0009】該中和反応は、通常、常圧下にて室温から
100 ℃以下で攪拌下で実施されるが、反応速度等の点か
ら50〜100 ℃、好ましくは70〜100 ℃で実施される。反
応時間は、通常1 〜2 時間の範囲である。このようにし
て得られたメラミンシアヌレートの水分散スラリーを通
常の噴霧乾燥器にて乾燥すると、金属酸化物が固着した
0.3 〜3 ミクロン程度の一次粒子が多数凝集した平均粒
径数十から百ミクロン程度のメラミンシアヌレート粉末
が得られる。
100 ℃以下で攪拌下で実施されるが、反応速度等の点か
ら50〜100 ℃、好ましくは70〜100 ℃で実施される。反
応時間は、通常1 〜2 時間の範囲である。このようにし
て得られたメラミンシアヌレートの水分散スラリーを通
常の噴霧乾燥器にて乾燥すると、金属酸化物が固着した
0.3 〜3 ミクロン程度の一次粒子が多数凝集した平均粒
径数十から百ミクロン程度のメラミンシアヌレート粉末
が得られる。
【0010】
【作用】本発明で使用する金属酸化物ゾルは、乾燥時に
メラミンシアヌレート一次粒子の表面に金属酸化物微粒
子として固着する。その際、金属酸化物微粒子が一次粒
子間の弱いバインダーとなり嵩比重の大きなメラミンシ
アヌレート粉末を形成するが、それと同時に、一次粒子
に固着した金属酸化物微粒子の、例えばシリカあるいは
酸化アンチモンは負電荷に、アルミナは陽電荷をそれぞ
れ持っているので、一次粒子同志は静電的に相互に反発
しあう。従って、マトリックスに微分散できる程度に一
次粒子が弱く凝集したメラミンシアヌレート粉末を形成
すると考えられる。また、該メラミンシアヌレート粉末
自体も静電的に相互に反発しあうと考えられる。なお、
金属酸化物は、言うまでもなく無機質であり本質的に耐
熱性があるので、金属酸化物にて表面処理されたメラミ
ンシアヌレート粉末も耐熱性が良好となる。
メラミンシアヌレート一次粒子の表面に金属酸化物微粒
子として固着する。その際、金属酸化物微粒子が一次粒
子間の弱いバインダーとなり嵩比重の大きなメラミンシ
アヌレート粉末を形成するが、それと同時に、一次粒子
に固着した金属酸化物微粒子の、例えばシリカあるいは
酸化アンチモンは負電荷に、アルミナは陽電荷をそれぞ
れ持っているので、一次粒子同志は静電的に相互に反発
しあう。従って、マトリックスに微分散できる程度に一
次粒子が弱く凝集したメラミンシアヌレート粉末を形成
すると考えられる。また、該メラミンシアヌレート粉末
自体も静電的に相互に反発しあうと考えられる。なお、
金属酸化物は、言うまでもなく無機質であり本質的に耐
熱性があるので、金属酸化物にて表面処理されたメラミ
ンシアヌレート粉末も耐熱性が良好となる。
【0011】該金属酸化物の添加量がメラミンシアヌレ
ート100 重量部当たり金属酸化物換算にて5 、8 、10重
量部と増加するに従い、メラミンシアヌレート粉末の嵩
比重などの特性向上の程度が次第に小さくなり、10重量
部を越えると一次粒子の表面に固着しないで遊離の金属
酸化物が存在する問題が生ずる。該金属酸化物の量がメ
ラミンシアヌレート100 重量部当たり金属酸化物換算に
て0.5 、0.3 、0.1 重量部と減少するに従い、メラミン
シアヌレート一次粒子への表面処理効果が小さくなる。
ート100 重量部当たり金属酸化物換算にて5 、8 、10重
量部と増加するに従い、メラミンシアヌレート粉末の嵩
比重などの特性向上の程度が次第に小さくなり、10重量
部を越えると一次粒子の表面に固着しないで遊離の金属
酸化物が存在する問題が生ずる。該金属酸化物の量がメ
ラミンシアヌレート100 重量部当たり金属酸化物換算に
て0.5 、0.3 、0.1 重量部と減少するに従い、メラミン
シアヌレート一次粒子への表面処理効果が小さくなる。
【0012】
【実施例】以下に実施例、比較例および参考例をもって
本発明を更に詳細に説明する。 実施例1 攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた反応器に、
攪拌しながら水900kg、シリカヒドロゾル(SiO2 濃度:1
4.4%, Al2O3 濃度:0.57%, 粒径:5nm ) 7.0kg、平均粒径
40ミクロンで比表面積0.8 m2/gのメラミン粉末50kgお
よび平均粒径50ミクロンで比表面積0.6 m2/gのシアヌ
ール酸粉末51.2kgを入れた後、85℃で2時間加熱混合を
行い、スラリー粘度1300mPa ・ s をもつ水分散スラリー
を得た。次に、アシザワニロアトマイザー社製の噴霧乾
燥器にて入口温度270 ℃の条件で乾燥したところ、得ら
れたメラミンシアヌレート粉末の嵩比重は0.38であっ
た。 実施例2 実施例1のシリカヒドロゾルの代わりに、アルミナゾル
520(日産化学工業株式会社製,Al2O3 濃度:20.9%, 粒
径: 10〜20nm , pH:4.03)5.0kgを使用した他は、実施例
1と同様にしてメラミンシアヌレート粉末を得た。スラ
リー粘度は1340mPa ・ s であり、メラミンシアヌレート
粉末の嵩比重は0.25であった。 実施例3 実施例1と別のシリカヒドロゾルとして、スノーテック
スC(日産化学工業株式会社製,SiO2濃度:20 〜21%,粒
径:10 〜20nm)5.0kgを使用した他は、実施例1と同様に
してメラミンシアヌレート粉末を得た。スラリー粘度は
960mPa ・ sであり、メラミンシアヌレート粉末の嵩比重
は0.28であった。 実施例4 実施例1のシリカヒドロゾルの代わりに、酸化アンチモ
ンゾルA-1510N(日産化学工業株式会社製,Sb205 濃度:1
3%, 粒径:50nm ) 7.0kg を使用し、水量は900kg の代わ
りに620kg とした他は、実施例1と同様にしてメラミン
シアヌレート粉末を得た。スラリー粘度は1720mPa ・ s
であり、メラミンシアヌレート粉末の嵩比重は0.38であ
った。 比較例1 金属酸化物ヒドロゾルを全く添加せずに、実施例1と同
様にしてメラミンシアヌレート粉末を得た。スラリー粘
度は1250mPa ・ s であり、メラミンシアヌレート粉末の
嵩比重は0.18と著しく小さく、粉末流動性が乏しく粉立
ちが目立った。 参考例1 実施例1 〜4 および比較例1で得られたメラミンシアヌ
レート粉末について、まず粉末自体の耐熱性として400
℃で10分放置したときの目視による着色を比較観察し
た。
本発明を更に詳細に説明する。 実施例1 攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた反応器に、
攪拌しながら水900kg、シリカヒドロゾル(SiO2 濃度:1
4.4%, Al2O3 濃度:0.57%, 粒径:5nm ) 7.0kg、平均粒径
40ミクロンで比表面積0.8 m2/gのメラミン粉末50kgお
よび平均粒径50ミクロンで比表面積0.6 m2/gのシアヌ
ール酸粉末51.2kgを入れた後、85℃で2時間加熱混合を
行い、スラリー粘度1300mPa ・ s をもつ水分散スラリー
を得た。次に、アシザワニロアトマイザー社製の噴霧乾
燥器にて入口温度270 ℃の条件で乾燥したところ、得ら
れたメラミンシアヌレート粉末の嵩比重は0.38であっ
た。 実施例2 実施例1のシリカヒドロゾルの代わりに、アルミナゾル
520(日産化学工業株式会社製,Al2O3 濃度:20.9%, 粒
径: 10〜20nm , pH:4.03)5.0kgを使用した他は、実施例
1と同様にしてメラミンシアヌレート粉末を得た。スラ
リー粘度は1340mPa ・ s であり、メラミンシアヌレート
粉末の嵩比重は0.25であった。 実施例3 実施例1と別のシリカヒドロゾルとして、スノーテック
スC(日産化学工業株式会社製,SiO2濃度:20 〜21%,粒
径:10 〜20nm)5.0kgを使用した他は、実施例1と同様に
してメラミンシアヌレート粉末を得た。スラリー粘度は
960mPa ・ sであり、メラミンシアヌレート粉末の嵩比重
は0.28であった。 実施例4 実施例1のシリカヒドロゾルの代わりに、酸化アンチモ
ンゾルA-1510N(日産化学工業株式会社製,Sb205 濃度:1
3%, 粒径:50nm ) 7.0kg を使用し、水量は900kg の代わ
りに620kg とした他は、実施例1と同様にしてメラミン
シアヌレート粉末を得た。スラリー粘度は1720mPa ・ s
であり、メラミンシアヌレート粉末の嵩比重は0.38であ
った。 比較例1 金属酸化物ヒドロゾルを全く添加せずに、実施例1と同
様にしてメラミンシアヌレート粉末を得た。スラリー粘
度は1250mPa ・ s であり、メラミンシアヌレート粉末の
嵩比重は0.18と著しく小さく、粉末流動性が乏しく粉立
ちが目立った。 参考例1 実施例1 〜4 および比較例1で得られたメラミンシアヌ
レート粉末について、まず粉末自体の耐熱性として400
℃で10分放置したときの目視による着色を比較観察し
た。
【0013】次に、ナイロン6 ( 東レ株式会社製アミラ
ンCM-1007 ) 100 重量部に対し、これらのメラミンシア
ヌレート粉末を 8重量部添加し、2 軸押出機で230 ℃に
て混練し、水冷してコンパウンドを得た。80℃で真空乾
燥を10時間行いた後、射出成形機にて試験片を作成し、
UL-94 に準じた難燃性( 試験片厚さ:3.2mm) およびASTM
D-638に準じた引張試験(23 ℃) における破断時の伸び
率を測定した。また、コンパウンドをスライドガラス間
にはさみ260 ℃にて熱圧縮し、光学顕微鏡により分散状
態を比較観察した。これらの結果をまとめて表1に示
す。
ンCM-1007 ) 100 重量部に対し、これらのメラミンシア
ヌレート粉末を 8重量部添加し、2 軸押出機で230 ℃に
て混練し、水冷してコンパウンドを得た。80℃で真空乾
燥を10時間行いた後、射出成形機にて試験片を作成し、
UL-94 に準じた難燃性( 試験片厚さ:3.2mm) およびASTM
D-638に準じた引張試験(23 ℃) における破断時の伸び
率を測定した。また、コンパウンドをスライドガラス間
にはさみ260 ℃にて熱圧縮し、光学顕微鏡により分散状
態を比較観察した。これらの結果をまとめて表1に示
す。
【0014】表1から、本発明のメラミンシアヌレート
は、耐熱性と難燃性に関して比較例1と遜色のなく、伸
び率が優れていることがわかる。表面処理された一次粒
子からなるメラミンシアヌレートは、一次粒子まで微分
散されている反映であると考えられる。樹脂への分散状
態の観察結果からも支持される。 表 1 項 目 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 粉末の耐熱性 無変化 無変化 無変化 無変化 無変化 難燃性 V-0 V-0 V-0 V-0 V-0 伸び率(%) 28.9 26.9 32.8 30.0 18.1 分散状態 良好 良好 良好 良好 凝集粒子あり
は、耐熱性と難燃性に関して比較例1と遜色のなく、伸
び率が優れていることがわかる。表面処理された一次粒
子からなるメラミンシアヌレートは、一次粒子まで微分
散されている反映であると考えられる。樹脂への分散状
態の観察結果からも支持される。 表 1 項 目 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 粉末の耐熱性 無変化 無変化 無変化 無変化 無変化 難燃性 V-0 V-0 V-0 V-0 V-0 伸び率(%) 28.9 26.9 32.8 30.0 18.1 分散状態 良好 良好 良好 良好 凝集粒子あり
【0015】
【発明の効果】金属酸化物にて表面処理された一次粒子
からなる本発明のメラミンシアヌレート粉末は、耐熱性
が良好で嵩比重が大きく、粉末同志が凝集することもな
く流動性が良好である。樹脂や潤滑剤などのマトリック
スへの分散は一次粒子まで微分散されるので、マトリッ
クスの機械的特性は良好である。しかもその製造方法は
反応時に金属酸化物ゾルを少量混合するだけでよく簡便
である。
からなる本発明のメラミンシアヌレート粉末は、耐熱性
が良好で嵩比重が大きく、粉末同志が凝集することもな
く流動性が良好である。樹脂や潤滑剤などのマトリック
スへの分散は一次粒子まで微分散されるので、マトリッ
クスの機械的特性は良好である。しかもその製造方法は
反応時に金属酸化物ゾルを少量混合するだけでよく簡便
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真道 益夫 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内
Claims (6)
- 【請求項1】 金属酸化物にて表面処理された一次粒子
からなるメラミンシアヌレート粉末。 - 【請求項2】 金属酸化物がシリカ、アルミナまたは酸
化アンチモンである請求項1記載のメラミンシアヌレー
ト粉末。 - 【請求項3】 金属酸化物の量が、メラミンシアヌレー
ト100 重量部に対して0.1 〜10重量部である請求項1ま
たは請求項2記載のメラミンシアヌレート粉末。 - 【請求項4】 金属酸化物ゾルを存在させてメラミンと
シアヌール酸を水媒体中で反応させ、得られたメラミン
シアヌレートの水分散スラリーを噴霧乾燥することを特
徴とするメラミンシアヌレート粉末の製造方法。 - 【請求項5】 金属酸化物ゾルは、シリカゾル、アルミ
ナゾルまたは酸化アンチモンゾルである請求項4記載の
メラミンシアヌレート粉末の製造方法。 - 【請求項6】 金属酸化物ゾルの量が、メラミンとシア
ヌール酸の合計量100 重量部に対して、金属酸化物換算
にて0.1 〜10重量部である請求項4または請求項5記載
のメラミンシアヌレート粉末の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6014380A JP2751815B2 (ja) | 1994-02-08 | 1994-02-08 | 表面処理されたメラミンシアヌレート粉末およびその製造方法 |
US08/377,341 US5510059A (en) | 1994-02-08 | 1995-01-24 | Surface-treated melamine cyanurate powder and process for its production |
EP95101432A EP0666259B1 (en) | 1994-02-08 | 1995-02-02 | Surface-treated melamine cyanurate powder and process for its production |
DE69503267T DE69503267T2 (de) | 1994-02-08 | 1995-02-02 | Oberflächenbehandeltes Melamincyanurat-Pulver und Verfahren zu seiner Herstellung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6014380A JP2751815B2 (ja) | 1994-02-08 | 1994-02-08 | 表面処理されたメラミンシアヌレート粉末およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07224049A true JPH07224049A (ja) | 1995-08-22 |
JP2751815B2 JP2751815B2 (ja) | 1998-05-18 |
Family
ID=11859446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6014380A Expired - Fee Related JP2751815B2 (ja) | 1994-02-08 | 1994-02-08 | 表面処理されたメラミンシアヌレート粉末およびその製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5510059A (ja) |
EP (1) | EP0666259B1 (ja) |
JP (1) | JP2751815B2 (ja) |
DE (1) | DE69503267T2 (ja) |
Cited By (6)
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