JPH07157653A - ポリウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤及びその製造方法 - Google Patents
ポリウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤及びその製造方法Info
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- JPH07157653A JPH07157653A JP30671993A JP30671993A JPH07157653A JP H07157653 A JPH07157653 A JP H07157653A JP 30671993 A JP30671993 A JP 30671993A JP 30671993 A JP30671993 A JP 30671993A JP H07157653 A JPH07157653 A JP H07157653A
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- Japan
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- halogen
- polyurethane resin
- resin
- flame retardant
- retardant
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 (A)ポリウレタン系樹脂、(B)分子内に
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物及び
(C)フェノール樹脂、エポキシ基と反応し得る官能基
を有するリン、窒素、ホウ素系化合物の中から選ばれた
1種以上のノンハロゲン系難燃性化合物とを溶融反応し
てなるポリウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤とその
製造方法。 【効果】 ポリウレタン樹脂の特徴を維持したまま高度
な難燃性を付与する新規な難燃剤である。
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物及び
(C)フェノール樹脂、エポキシ基と反応し得る官能基
を有するリン、窒素、ホウ素系化合物の中から選ばれた
1種以上のノンハロゲン系難燃性化合物とを溶融反応し
てなるポリウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤とその
製造方法。 【効果】 ポリウレタン樹脂の特徴を維持したまま高度
な難燃性を付与する新規な難燃剤である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリウレタン樹脂用ノ
ンハロゲン系難燃剤とその製造方法に関するものであ
り、ポリウレタン樹脂に本発明のノンハロゲン系難燃剤
を添加することにより、ノンハロゲンであるにもかかわ
らず高度の難燃性を賦与することが可能となるものであ
る。
ンハロゲン系難燃剤とその製造方法に関するものであ
り、ポリウレタン樹脂に本発明のノンハロゲン系難燃剤
を添加することにより、ノンハロゲンであるにもかかわ
らず高度の難燃性を賦与することが可能となるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン樹脂は、強靭で耐摩耗性、
耐油性、耐溶剤性に優れ、ゴム弾性が有るので発泡体、
弾性体、塗料、接着剤、弾性繊維、合成皮革用素材とし
て広く用いられている。ポリウレタン樹脂は一般に燃焼
し易いポリマーであるため、難燃性が要求される家具、
敷物等の用途に用いるためにはなんらかの方法で難燃化
する必要がある。従来、ポリウレタンの難燃化にはハロ
ゲン系難燃剤、リン系難燃剤などが用いられてきた。し
かしハロゲン系難燃剤は難燃効果は高いが環境問題や燃
焼時の有害ガスの発生といった欠点を有しており、リン
系難燃剤は樹脂の耐熱性、引張強度、衝撃強度の低下等
の物性の低下や難燃剤がブリードをするなどの欠点を有
している。以上のことからポリウレタン樹脂とハロゲン
を含まない樹脂系難燃剤とのポリマーアロイによりポリ
ウレタン樹脂の難燃化を行うことができれば最も好まし
い。
耐油性、耐溶剤性に優れ、ゴム弾性が有るので発泡体、
弾性体、塗料、接着剤、弾性繊維、合成皮革用素材とし
て広く用いられている。ポリウレタン樹脂は一般に燃焼
し易いポリマーであるため、難燃性が要求される家具、
敷物等の用途に用いるためにはなんらかの方法で難燃化
する必要がある。従来、ポリウレタンの難燃化にはハロ
ゲン系難燃剤、リン系難燃剤などが用いられてきた。し
かしハロゲン系難燃剤は難燃効果は高いが環境問題や燃
焼時の有害ガスの発生といった欠点を有しており、リン
系難燃剤は樹脂の耐熱性、引張強度、衝撃強度の低下等
の物性の低下や難燃剤がブリードをするなどの欠点を有
している。以上のことからポリウレタン樹脂とハロゲン
を含まない樹脂系難燃剤とのポリマーアロイによりポリ
ウレタン樹脂の難燃化を行うことができれば最も好まし
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特性の低下
をほとんどまねくことなくポリウレタン樹脂の難燃性を
ノンハロゲンで向上させるノンハロゲン系難燃剤を提供
することである。
をほとんどまねくことなくポリウレタン樹脂の難燃性を
ノンハロゲンで向上させるノンハロゲン系難燃剤を提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはポリウレタ
ン樹脂の難燃化のため、ポリウレタン系樹脂(A)とフ
ェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物
(C)を単純にブレンドする方法について検討したが、
この方法では難燃性の改善効果が不十分であり、その上
ブリードが発生する、流動性が低下する、衝撃強度が低
下するなどの特性低下を招くという欠点を生じることが
分かった。そこで更に鋭意検討した結果、ポリウレタン
系樹脂(A)とフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン
系難燃性化合物(C)に、これらの両方と反応するエポ
キシ化合物(B)を添加し、溶融反応させることによ
り、難燃性を損なうこと無く、従来の欠点であったブリ
ード、流動性、耐衝撃性などが改善されることを見い出
し本発明を完成するに至った。即ち本発明は、(A)ポ
リウレタン系樹脂、(B)分子内に2個以上のエポキシ
基を有するエポキシ化合物及び(C)フェノール樹脂、
エポキシ基と反応し得る官能基を有するリン、窒素、ホ
ウ素系化合物の中から選ばれた1種以上のノンハロゲン
系難燃性化合物とを溶融反応してなることを特徴とする
ポリウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤とその製造方
法に関するものである。
ン樹脂の難燃化のため、ポリウレタン系樹脂(A)とフ
ェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物
(C)を単純にブレンドする方法について検討したが、
この方法では難燃性の改善効果が不十分であり、その上
ブリードが発生する、流動性が低下する、衝撃強度が低
下するなどの特性低下を招くという欠点を生じることが
分かった。そこで更に鋭意検討した結果、ポリウレタン
系樹脂(A)とフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン
系難燃性化合物(C)に、これらの両方と反応するエポ
キシ化合物(B)を添加し、溶融反応させることによ
り、難燃性を損なうこと無く、従来の欠点であったブリ
ード、流動性、耐衝撃性などが改善されることを見い出
し本発明を完成するに至った。即ち本発明は、(A)ポ
リウレタン系樹脂、(B)分子内に2個以上のエポキシ
基を有するエポキシ化合物及び(C)フェノール樹脂、
エポキシ基と反応し得る官能基を有するリン、窒素、ホ
ウ素系化合物の中から選ばれた1種以上のノンハロゲン
系難燃性化合物とを溶融反応してなることを特徴とする
ポリウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤とその製造方
法に関するものである。
【0005】本発明の(A)成分として用いられるポリ
ウレタン系樹脂は特に限定するものでなく市販されてい
るものであり、最も多く行われている製法は、ジイソシ
アナートと2価アルコールとの重付加反応であり、原料
の種類を変えることにより、ウレタンゴム、ウレタンフ
ォーム、ウレタン樹脂等さまざまな性質のものを作るこ
とができる。これらの中でゴム弾性を有するウレタンゴ
ムが最も好適に使用される。
ウレタン系樹脂は特に限定するものでなく市販されてい
るものであり、最も多く行われている製法は、ジイソシ
アナートと2価アルコールとの重付加反応であり、原料
の種類を変えることにより、ウレタンゴム、ウレタンフ
ォーム、ウレタン樹脂等さまざまな性質のものを作るこ
とができる。これらの中でゴム弾性を有するウレタンゴ
ムが最も好適に使用される。
【0006】本発明の(B)成分として用いられるエポ
キシ化合物は、ポリウレタン系樹脂(A)とフェノール
樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物(C)とを
つなぐ働きを有する重要な成分である。本発明のエポキ
シ化合物(B)は、特に限定するものでなく、市販され
ているものであり、分子内に2個以上のエポキシ基を有
するものであれば、いずれのものでも使用できる。具体
例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エ
ポキシ樹脂、エチレンとグリシジルメタアクリレートと
の共重合体あるいはエチレン・アクリル酸共重合体、エ
チレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリレー
ト共重合体、エチレン・メタクリレート酸共重合体とグ
リシジルメタアクリレートとの3元共重合体、エポキシ
化スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共
重合体、エポキシ化スチレン−エチレン・イソプレン−
スチレンブロック共重合体等が挙げられる。これらの中
でもエポキシ当量が170〜300の範囲のビスフェノ
ールA型液状樹脂が好適に使用される。
キシ化合物は、ポリウレタン系樹脂(A)とフェノール
樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物(C)とを
つなぐ働きを有する重要な成分である。本発明のエポキ
シ化合物(B)は、特に限定するものでなく、市販され
ているものであり、分子内に2個以上のエポキシ基を有
するものであれば、いずれのものでも使用できる。具体
例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エ
ポキシ樹脂、エチレンとグリシジルメタアクリレートと
の共重合体あるいはエチレン・アクリル酸共重合体、エ
チレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリレー
ト共重合体、エチレン・メタクリレート酸共重合体とグ
リシジルメタアクリレートとの3元共重合体、エポキシ
化スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共
重合体、エポキシ化スチレン−エチレン・イソプレン−
スチレンブロック共重合体等が挙げられる。これらの中
でもエポキシ当量が170〜300の範囲のビスフェノ
ールA型液状樹脂が好適に使用される。
【0007】本発明の(C)成分として用いられる難燃
性良好な樹脂であるフェノール樹脂は、特に限定するも
のでなく市販されているものであり、フェノール、ホル
マリンに酸系触媒を添加して反応させ、樹脂化して得ら
れる非熱反応性のノボラック型フェノール樹脂、あるい
はフェノール、ホルマリンにアルカリ系触媒を添加して
反応させ、樹脂化して得られる熱反応性のレゾール型フ
ェノール樹脂のいずれでもよいが、これらのなかで、非
熱反応性のノボラック型フェノール樹脂が特に好まし
い。本発明の(C)成分として用いられるエポキシ基と
反応し得る官能基を有するリン、窒素、ホウ素系化合物
は、特に限定するものでなく一般に市販されているもの
であり、官能基としては、例えば水酸基、カルボキシル
基、酸無水物基、アミノ基を有するものが好適に使用さ
れる。化合物の具体例としては、ポリリン酸、ポリリン
酸アンモニウム、アミノ基、水酸基、又はカルボキシル
基含有リン酸エステル等のリン系化合物、ホウ酸、ホウ
酸亜鉛等のホウ素系化合物、メラミンあるいはメラミン
シアヌレート化合物、メラミンリン酸塩、メラミンボレ
ート等のメラミン系誘導体、グアニジンあるいはスルフ
ァミン酸グアニジン、リン酸グアニジン等のグアニジン
系誘導体等が挙げられる。これらのノンハロゲン系難燃
性化合物は、単独あるいは2種以上組み合わせて用いら
れる。
性良好な樹脂であるフェノール樹脂は、特に限定するも
のでなく市販されているものであり、フェノール、ホル
マリンに酸系触媒を添加して反応させ、樹脂化して得ら
れる非熱反応性のノボラック型フェノール樹脂、あるい
はフェノール、ホルマリンにアルカリ系触媒を添加して
反応させ、樹脂化して得られる熱反応性のレゾール型フ
ェノール樹脂のいずれでもよいが、これらのなかで、非
熱反応性のノボラック型フェノール樹脂が特に好まし
い。本発明の(C)成分として用いられるエポキシ基と
反応し得る官能基を有するリン、窒素、ホウ素系化合物
は、特に限定するものでなく一般に市販されているもの
であり、官能基としては、例えば水酸基、カルボキシル
基、酸無水物基、アミノ基を有するものが好適に使用さ
れる。化合物の具体例としては、ポリリン酸、ポリリン
酸アンモニウム、アミノ基、水酸基、又はカルボキシル
基含有リン酸エステル等のリン系化合物、ホウ酸、ホウ
酸亜鉛等のホウ素系化合物、メラミンあるいはメラミン
シアヌレート化合物、メラミンリン酸塩、メラミンボレ
ート等のメラミン系誘導体、グアニジンあるいはスルフ
ァミン酸グアニジン、リン酸グアニジン等のグアニジン
系誘導体等が挙げられる。これらのノンハロゲン系難燃
性化合物は、単独あるいは2種以上組み合わせて用いら
れる。
【0008】本発明で用いられる(A)、(B)、
(C)成分の反応を促進する触媒(D)は特に限定する
ものでなく市販されているものであり、例えば、イミダ
ゾール類ではジメチルイミダゾール、アミン類及びその
誘導体ではジアザビシクロウンデセン、ジメチルベンジ
ルアミン、有機ホスフィン類及びその誘導体ではトリフ
ェニルホスフィン等が挙げられる。
(C)成分の反応を促進する触媒(D)は特に限定する
ものでなく市販されているものであり、例えば、イミダ
ゾール類ではジメチルイミダゾール、アミン類及びその
誘導体ではジアザビシクロウンデセン、ジメチルベンジ
ルアミン、有機ホスフィン類及びその誘導体ではトリフ
ェニルホスフィン等が挙げられる。
【0009】本発明のポリウレタン樹脂用ノンハロゲン
系難燃剤は、(A)ポリウレタン系樹脂、(B)分子内
に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物及び
(C)フェノール樹脂及び/又はエポキシ基と反応し得
る官能基を有するリン、窒素、ホウ素系のノンハロゲン
系難燃性化合物とを溶融反応してなることを特徴とする
ポリウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤に関するもの
であり、好ましくはポリウレタン系樹脂(A)とフェノ
ール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物(C)
の配合比率が重量比で80:20〜20:80であり、
エポキシ化合物(B)とフェノール樹脂及び/又はノン
ハロゲン系難燃性化合物(C)の配合比率が当量比(B
/C)で0.05〜2で配合し、溶融反応してなること
を特徴とするポリウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤
に関するものであり、更に好ましくは,(A),
(B),(C)成分間の反応を促進する触媒0.01〜
5重量部配合し、加圧ニーダーやバンバリーミキサー等
で150℃〜250℃、10分〜30分間溶融反応する
ことにより得られる。本発明のポリウレタン樹脂用ノン
ハロゲン系難燃剤において、ポリウレタン系樹脂(A)
とフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合
物(C)とを80:20〜20:80の比率で配合する
ことが好ましい。(C)成分のフェノール樹脂及び/又
はノンハロゲン系難燃性化合物の割合が80wt%を上
回ると流動性、耐衝撃性、機械特性の改善が不十分とな
る傾向にあり、20wt%を下回ると難燃性の改善効果
が不十分となる傾向にある。又、エポキシ化合物(B)
とフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合
物(C)の配合比率は、当量比(B/C)で0.05〜
2で配合することが好ましく、当量比が0.05未満で
はポリウレタン系樹脂(A)とフェノール樹脂及び/又
はノンハロゲン系難燃性化合物(B)とをつなぐ働きが
不十分となり、ブリードが発生する傾向にあり、当量比
が2を越えると、難燃性が不十分となる傾向にある。
(A)、(B)、(C)間の反応を促進する触媒が0.
01重量部を下回ると反応を促進する効果が不十分とな
る傾向にあり、5重量部を越えてもその効果はあまり変
わらない。
系難燃剤は、(A)ポリウレタン系樹脂、(B)分子内
に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物及び
(C)フェノール樹脂及び/又はエポキシ基と反応し得
る官能基を有するリン、窒素、ホウ素系のノンハロゲン
系難燃性化合物とを溶融反応してなることを特徴とする
ポリウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤に関するもの
であり、好ましくはポリウレタン系樹脂(A)とフェノ
ール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物(C)
の配合比率が重量比で80:20〜20:80であり、
エポキシ化合物(B)とフェノール樹脂及び/又はノン
ハロゲン系難燃性化合物(C)の配合比率が当量比(B
/C)で0.05〜2で配合し、溶融反応してなること
を特徴とするポリウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤
に関するものであり、更に好ましくは,(A),
(B),(C)成分間の反応を促進する触媒0.01〜
5重量部配合し、加圧ニーダーやバンバリーミキサー等
で150℃〜250℃、10分〜30分間溶融反応する
ことにより得られる。本発明のポリウレタン樹脂用ノン
ハロゲン系難燃剤において、ポリウレタン系樹脂(A)
とフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合
物(C)とを80:20〜20:80の比率で配合する
ことが好ましい。(C)成分のフェノール樹脂及び/又
はノンハロゲン系難燃性化合物の割合が80wt%を上
回ると流動性、耐衝撃性、機械特性の改善が不十分とな
る傾向にあり、20wt%を下回ると難燃性の改善効果
が不十分となる傾向にある。又、エポキシ化合物(B)
とフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合
物(C)の配合比率は、当量比(B/C)で0.05〜
2で配合することが好ましく、当量比が0.05未満で
はポリウレタン系樹脂(A)とフェノール樹脂及び/又
はノンハロゲン系難燃性化合物(B)とをつなぐ働きが
不十分となり、ブリードが発生する傾向にあり、当量比
が2を越えると、難燃性が不十分となる傾向にある。
(A)、(B)、(C)間の反応を促進する触媒が0.
01重量部を下回ると反応を促進する効果が不十分とな
る傾向にあり、5重量部を越えてもその効果はあまり変
わらない。
【0010】このように本発明のポリウレタン樹脂用ノ
ンハロゲン系難燃剤は、ポリウレタン樹脂の特性の低下
をほとんど招くこと無く難燃性を向上する効果を有して
いるが、その理由として、(A)成分のポリウレタン系
樹脂と(C)成分のフェノール樹脂及び/又はノンハロ
ゲン系難燃性化合物とをつなぐ働きを有する(B)成分
のエポキシ化合物を、好ましくはポリウレタン系樹脂
(A)に少量ずつ添加して予め溶融反応させた後を配合
し更にフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性
化合物(C)と溶融反応させることにより生成した化合
物が、一分子中にポリウレタン樹脂に親和性を有する成
分及びフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性
化合物に親和性を有する成分を有しているため、熱可塑
性樹脂中に難燃性良好な(B)成分のフェノール樹脂及
び/又はノンハロゲン系難燃性化合物がミクロ分散する
ことが可能になったためと考えられる。本発明のポリウ
レタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤には、更に用途、目
的に応じて他の配合剤、例えば酸化防止剤、光安定剤、
顔料、染料、離型剤、可塑剤、補強剤、増量剤を添加す
ることができる。又、本発明のポリウレタン樹脂用ノン
ハロゲン系難燃剤は、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウム等の無機系難燃剤と併用して用いることが好ま
しい。
ンハロゲン系難燃剤は、ポリウレタン樹脂の特性の低下
をほとんど招くこと無く難燃性を向上する効果を有して
いるが、その理由として、(A)成分のポリウレタン系
樹脂と(C)成分のフェノール樹脂及び/又はノンハロ
ゲン系難燃性化合物とをつなぐ働きを有する(B)成分
のエポキシ化合物を、好ましくはポリウレタン系樹脂
(A)に少量ずつ添加して予め溶融反応させた後を配合
し更にフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性
化合物(C)と溶融反応させることにより生成した化合
物が、一分子中にポリウレタン樹脂に親和性を有する成
分及びフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性
化合物に親和性を有する成分を有しているため、熱可塑
性樹脂中に難燃性良好な(B)成分のフェノール樹脂及
び/又はノンハロゲン系難燃性化合物がミクロ分散する
ことが可能になったためと考えられる。本発明のポリウ
レタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤には、更に用途、目
的に応じて他の配合剤、例えば酸化防止剤、光安定剤、
顔料、染料、離型剤、可塑剤、補強剤、増量剤を添加す
ることができる。又、本発明のポリウレタン樹脂用ノン
ハロゲン系難燃剤は、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウム等の無機系難燃剤と併用して用いることが好ま
しい。
【0011】
【実施例】以下実施例により、本発明を説明するが、こ
れは単なる例示であり、本発明はこれに限定されるもの
ではない。引張り試験はJIS K7311、酸素指数
はASTM−D2863、燃焼試験はUnderwriters Lab
oratories 社の安全標準UL94(○は燃焼時間10秒
以内、△は燃焼時間10秒以上、×は全焼する)によっ
て測定した結果である。又、成形外観については試験片
の表面を目視で観察して評価した。 *ノンハロゲン系難燃剤の製造例(イ〜ト) (A)成分のポリウレタン系樹脂を所定量加圧ニーダー
に投入し、その後(B)成分のエポキシ化合物を、ポリ
ウレタン系樹脂(A)に少量ずつ所定量になるまで添加
して160〜200℃、5〜10分間予め溶融反応させ
た後、更にフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難
燃性化合物(C)を加えて更に160〜200℃、10
〜15分間溶融反応させることによりノンハロゲン系難
燃剤イ〜トを得た。反応の有無については、反応前後で
のエポキシ基の赤外吸収スペクトルピーク強度の相違よ
り確認した。その配合を表1に示す。
れは単なる例示であり、本発明はこれに限定されるもの
ではない。引張り試験はJIS K7311、酸素指数
はASTM−D2863、燃焼試験はUnderwriters Lab
oratories 社の安全標準UL94(○は燃焼時間10秒
以内、△は燃焼時間10秒以上、×は全焼する)によっ
て測定した結果である。又、成形外観については試験片
の表面を目視で観察して評価した。 *ノンハロゲン系難燃剤の製造例(イ〜ト) (A)成分のポリウレタン系樹脂を所定量加圧ニーダー
に投入し、その後(B)成分のエポキシ化合物を、ポリ
ウレタン系樹脂(A)に少量ずつ所定量になるまで添加
して160〜200℃、5〜10分間予め溶融反応させ
た後、更にフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難
燃性化合物(C)を加えて更に160〜200℃、10
〜15分間溶融反応させることによりノンハロゲン系難
燃剤イ〜トを得た。反応の有無については、反応前後で
のエポキシ基の赤外吸収スペクトルピーク強度の相違よ
り確認した。その配合を表1に示す。
【0012】 使用した原料は、A成分としてはウレタンエラストマー
[PUE:日本ミラクトラン(株)製 ミラクトラン
E375MNAT]、B成分としてはエポキシ化合物
[油化シェル(株)製 エピコート 828 エポキシ当
量189g/eq]、C成分としてはフェノールノボラ
ック樹脂[PN:住友デュレズ(株)製 PR−5147
0 水酸基当量 105g/eq]、リン酸グアニジン
[(株)三和ケミカル製 アピノン−301 アミン当量
108g/eq]及びメラミンル、D成分の触媒とし
てはトリフェニルフォスフィン[TPP]である。
[PUE:日本ミラクトラン(株)製 ミラクトラン
E375MNAT]、B成分としてはエポキシ化合物
[油化シェル(株)製 エピコート 828 エポキシ当
量189g/eq]、C成分としてはフェノールノボラ
ック樹脂[PN:住友デュレズ(株)製 PR−5147
0 水酸基当量 105g/eq]、リン酸グアニジン
[(株)三和ケミカル製 アピノン−301 アミン当量
108g/eq]及びメラミンル、D成分の触媒とし
てはトリフェニルフォスフィン[TPP]である。
【0013】(実施例1〜6)ポリウレタン樹脂[PU
E:日本ミラクトラン(株)製 ミラクトラン E19
8]にノンハロゲン系難燃剤イ〜ハ、水酸化マグネシウ
ム等を所定量配合し、二軸混練機で混練して実施例の組
成物を試作した。その配合及び評価結果を表2に示す。
E:日本ミラクトラン(株)製 ミラクトラン E19
8]にノンハロゲン系難燃剤イ〜ハ、水酸化マグネシウ
ム等を所定量配合し、二軸混練機で混練して実施例の組
成物を試作した。その配合及び評価結果を表2に示す。
【0014】(比較例1〜9)ポリウレタン樹脂[PU
E:日本ミラクトラン(株)製 ミラクトラン E37
5MNAT]にフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン
系難燃性化合物、ノンハロゲン系難燃剤ニ〜ト、水酸化
マグネシウム等を所定量配合し、二軸混練機で混練して
比較例の組成物を試作した。その配合及び評価結果を表
3、4に示す。
E:日本ミラクトラン(株)製 ミラクトラン E37
5MNAT]にフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン
系難燃性化合物、ノンハロゲン系難燃剤ニ〜ト、水酸化
マグネシウム等を所定量配合し、二軸混練機で混練して
比較例の組成物を試作した。その配合及び評価結果を表
3、4に示す。
【0015】
【0016】
【発明の効果】表から明らかなように、本発明のノンハ
ロゲン系難燃剤は、ポリウレタン樹脂の特徴を維持した
まま高度な難燃性を付与する新規な難燃剤である。
ロゲン系難燃剤は、ポリウレタン樹脂の特徴を維持した
まま高度な難燃性を付与する新規な難燃剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63/00 NJV
Claims (7)
- 【請求項1】 ポリウレタン系樹脂(A)、分子内に2
個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)及び
フェノール樹脂及び/又はエポキシ基と反応し得る官能
基を有するリン、窒素、ホウ素系化合物の中から選ばれ
た1種以上のノンハロゲン系難燃性化合物(C)とを溶
融反応してなることを特徴とするポリウレタン樹脂用ノ
ンハロゲン系難燃剤。 - 【請求項2】 ポリウレタン系樹脂(A)とフェノール
樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物(C)の配
合比率が重量比で80:20〜20:80であり、エポ
キシ化合物(B)とフェノール樹脂及び/又はノンハロ
ゲン系難燃性化合物(C)の配合比率が当量比(B/
C)で0.05〜2である請求項1記載のポリウレタン
樹脂用ノンハロゲン系難燃剤。 - 【請求項3】 ポリウレタン系樹脂(A)、エポキシ化
合物(B)及びフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン
系難燃性化合物(C)の混合物100重量部に対し、
(A)又は(C)と(B)との反応を促進するイミダゾ
ール類、アミン類及びその誘導体、有機ホスフィン類及
びその誘導体の中から選ばれた少なくとも1種以上の触
媒(D)を0.01〜5重量部添加し、溶融反応してな
ることを特徴とする請求項1又は2記載のポリウレタン
樹脂用ノンハロゲン系難燃剤。 - 【請求項4】 ポリウレタン系樹脂(A)がポリウレタ
ン系エラストマーである請求項1、2又は3記載のポリ
ウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤。 - 【請求項5】 エポキシ化合物(B)が、エポキシ当量
が170〜300の範囲のビスフェノールA型液状樹脂
である請求項1、2、3又は4記載のポリウレタン樹脂
用ノンハロゲン系難燃剤。 - 【請求項6】 フェノール樹脂及び/又はノンハロゲン
系難燃性化合物(C)が、フェノールノボラック樹脂、
アミノ基、水酸基、カルボキシル基の中から選ばれた官
能基を有するリン酸エステル又はポリリン酸塩、ホウ
酸、ホウ酸亜鉛、メラミン、メラミン系誘導体、グアニ
ジン、グアニジン系誘導体の中から選ばれた少なくとも
1種以上の化合物である請求項1、2、3、4又は5記
載のポリウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤。 - 【請求項7】 ポリウレタン系樹脂(A)にエポキシ化
合物(B)を少量ずつ添加して予め溶融反応させた後フ
ェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物
(C)を配合し更に溶融反応させることを特徴とするポ
リウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30671993A JPH07157653A (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | ポリウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30671993A JPH07157653A (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | ポリウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07157653A true JPH07157653A (ja) | 1995-06-20 |
Family
ID=17960479
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30671993A Pending JPH07157653A (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | ポリウレタン樹脂用ノンハロゲン系難燃剤及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07157653A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007297640A (ja) * | 1995-11-27 | 2007-11-15 | 3M Co | 感圧接着剤組成物及びテープ |
KR20120101978A (ko) * | 2009-06-26 | 2012-09-17 | 다우 글로벌 테크놀로지스 엘엘씨 | 에폭시화 노볼락 함유 열가소성 조성물 |
JP2012530801A (ja) * | 2009-06-18 | 2012-12-06 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 色の安定なハロゲンフリー難燃性組成物 |
JP2013514391A (ja) * | 2009-12-18 | 2013-04-25 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 電線及びケーブル用途のためのハロゲン不含難燃剤組成物 |
CN109401191A (zh) * | 2018-09-17 | 2019-03-01 | 天津慧瑞科技有限公司 | 一种磷-氮-硼高阻燃柔韧型环氧树脂组合物及其制备方法 |
-
1993
- 1993-12-07 JP JP30671993A patent/JPH07157653A/ja active Pending
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