JPH0637832B2 - 三等分割セグメントによる小口径シールド工法および該工法の実施に使用するシールド掘進機 - Google Patents
三等分割セグメントによる小口径シールド工法および該工法の実施に使用するシールド掘進機Info
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Description
構築するシールド工法および当該シールド工法の実施に
使用するシールド掘進機に関するものである。
分割された中心角120°の弧状セグメントをシールド掘
進機内で環状に組立て、そのセグメントリングの内周に
開口するグラウトホールに裏込め注入管を接続し、セグ
メントリングの外周面と地山の内周面との間の環状空
隙、いわゆるテールボイドに豆砂利およびセメントミル
ク等の裏込め材を充填して内径が約1.5m程度以下の小口
径トンネルを構築する工法であり、切羽を主として無加
圧下で手掘または機械掘削するものである。
ールド掘進機内でセグメントを組立て可能とするため
に、テールボイドの半径方向寸法をセグメントの肉厚の
約1/2以上とする必要があり、通常はセグメントの肉厚
の同程度に設定している。その結果、一般的な多分割セ
グメントを用いるシールド工法とは異なり、三等分割セ
グメントによる小口径シールド工法ではテールボイドに
裏込め材を均一に充填し、かつ十分に硬化させることが
特に重要である。
は切羽の崩壊を防止するために切羽周辺の地下水を排除
する必要があり、そのために通常は薬液注入工法、圧気
工法またはポンプを使用する地下水排出工法等の補助工
法が併用されているが、いずれも施工が煩雑であって工
事の長期化および工費の増加につながることが問題点と
して指摘されている。
泥土加圧工法を併用する場合もある。泥土加圧工法は、
作泥材を切羽に供給して切羽圧力と平衡させるものであ
り、前述の補助工法と対比して遥かに経済的であり、施
工を簡便に行える利点を有している。しかるに、泥土加
圧工法を三等分割セグメントによる小口径シールド工法
と併用することは従来は困難と考えられていた。これ
は、三等分割セグメントによる小口径シールド工法で
は、シールド掘進機の機長が短いことと相俟ってテール
ボイドに裏込め材料を充填したときに、含水比の高い作
泥材および地下水による裏込め材料が硬化前に崩壊して
本来の裏込め機能を発揮しえなくなる傾向が認められる
ことに由来するものである。
合であってもテールボイド内に充填された裏込め材を硬
化に至るまで安定に維持し、本来的に必要とされる裏込
め機能を十分に発揮させうるシールド工法およびシール
ド掘進機を提案することにある。
されたセグメントを環状に組立て、そのセグメントリン
グの外周面と地山の内周面との間の環状空隙に裏込め材
を充填して小口径トンネルを構築するシールド工法に用
いるシールド掘進機において、トンネル軸線方向に摺動
しうるようにシールド掘進機のテールスキンプレート内
周面と、セグメントリング外周面との間に配置された環
状シール装置、並びに前記環状空隙に裏込め材を充填し
た後、前記シール装置をテールスキンプレートの内周面
およびセグメントリングの外周面の間で切羽から離間す
る軸線方向に向けて摺動させて裏込め材を圧接するアク
チュエータを具えることを特徴とする。
成のシール掘進機を使用すること、並びにシールド掘進
機のテール部内に三等分割セグメントを搬入して該セグ
メントを環状に組立ててセグメントリングを形成する工
程と、その直後にセグメントリングの外周面と地山の内
周面との間の環状空隙に裏込め材を充填する工程と、シ
ールド掘進機の前記シール装置をテールスキンプレート
の内周面およびセグメントリングの外周面の間で切羽か
ら離間する軸線方向に向けて摺動させて裏込め材を圧接
する工程とを含む一連の工程を反復することを特徴とす
るものである。
周面との間の環状空隙に充填される裏込め材を、当該空
隙内で軸線方向に可動としたシール装置により十分に圧
密しうる構成としたので、含水比の高い軟弱地盤におい
てもセグメントリングの外面全周にわたって均一かつ緻
密で高強度の裏込め材層を形成することができる。した
がって、特にテールボイドを比較的大きめに設定する三
等分割セグメントによる小口径シールド工事を軟弱地盤
で実施するに際して従来は不可避的と考えられていた弊
害、すなわち地中からの過度の水分の浸透による裏込め
材層の硬化前の崩壊を未然に防止することができ、三等
分割セグメントによる小口径シールド工事に泥土加圧工
法を併用して所要の小口径トンネルを経済的に施工する
ことが可能となるものである。
ド掘進機10を示すものである。この掘進機10は、切羽圧
力と掘削土の圧力とを平衡させて切羽の機械掘削を行う
泥土加圧方式のものであって、それぞれ円筒状をなす前
側部分11および後側部分12を具え、これら両部分11,12
を複数の方向修正ジャッキ13により相互に屈曲可能に結
合した構成を有している。
け、この隔壁14に地山Aを掘削するためのカッタ15およ
びコピーカッタ16と、これらカッタ15,16の駆動モータ1
7とを取付ける。前側部分11には、さらに、切羽におい
てカッタ15,16により掘削された土砂の排出に供するス
クリューコンベヤ18を配置する。このスクリューコンベ
ヤ18は、その土砂取込み端がカッタ15の背面および隔壁
14の前面の間のスペースに開口するように隔壁14を貫通
させる。
の作業に供するスペースを有し、かつ、スキンプレート
の内周に複数本のシールドジャッキ19のシリンダ19aを
固定したものである。シールドジャッキ19のロッド19b
には、組立てられたセグメントリング20の端面に推力を
負荷するプレスリング21を固定する。後側部分12には、
さらに、テールスキンプレート22と、その内周面および
セグメントリング20の外周面の間の環状間隙、いわゆる
テールボイド内に摺動可能に配置された環状シール装置
23と、テールボイド内に裏込め材を充填した後にシール
装置23を切羽から離間する方向に向けて摺動させて裏込
め材を圧接するアクチュエータ24とを設ける。
連結され、このロッド19aにより軸線方向の推力が負荷
される通常の構成を有するものとする。シールドジャッ
キ19からプレスリング21に推力を適正に伝達可能とする
ため、本例においては、第5図に示すようにロッド19a
の先端に球状凸部25を形成すると共に、プレスリング21
の端面には上記凸部25に対応する球状凹部26を形成す
る。これら凸部25および凹部26を相互に球面嵌合させ、
何らかの理由によりロッド19aの軸線がプレスリング21
の軸線に対して正確には直交しない作動条件下において
も、もっぱら軸線方向の推力をロッド19aからプレスリ
ング21に伝達可能とする。なお、プレスリング21の端面
には、凹部26からの凸部25の抜けを防止して両者を嵌合
状態に保持する保持リング27を固定する。プレスリング
21は、相互に軸線方向に対向させて配置された一対のリ
ング部材、すなわちシールドジャッキ19側の第1リング
部材21aと、セグメントリング20側の第2リング部材21b
とにより構成する。両リング部材21a,21bの各対向端面
にそれぞれ凹部28および凸部29を設け、その凹部28内に
環状のスラスト軸受部材30を配置して凸部29と突合わせ
ることにより、両リング部材21a,21bを相対的に回動可
能とする。さらに、第1リング部材21aの端面に保持リ
ング32を固定し、この保持リング32を第2リング部材21
bに設けた凸部29の背面と係合させてリング部材21,21b
の相対的な軸線方向変位を阻止する。
面には、ゴムまたはプラスチック等の適宜の材料からな
る緩衝リング33(いわゆるティンバーリング)をねじ結
合し、この緩衝リング33を軸線方向推力の作用下で圧縮
変形させることにより、セグメントリング20の切羽側端
面全面に推力を均一に負荷し、セグメントリング20の端
面における不所望の局所的応力集中およびこれに起因す
るセグメントリング20の損傷を防止しうる構成とする。
を正確に芯出し可能とするため、第5図に示すように複
数の寄せ金具34をセグメントリング20の先端部に向けて
突出するように第2リング部材21bの外周部にねじ結合
する。寄せ金具34には、セグメントリング20の案内面と
してのテーパ状内周面34aを形成する(第6図参照)。
すなわち、寄せ金具34は、セグメントリング20の端面に
プレスリング21を押圧する際にその内周面34aにおいて
セグメントリング20と係合し、セグメントリング20をプ
レスリング21に対して軸線が一致する適正芯出し位置ま
で案内する機能を発揮するものである。なお、寄せ金具
34は、第4図に示すように3個1組として120°の等角
度間隔で配置するのが望ましい。
て芯出しするため、第7〜9図に示すように、支持ロー
ラ組立体40をプレスリング21の下端部に設けることがで
きる。この支持ローラ組立体40はテールスキンプレート
22の内面に沿って転動するローラ41と、ローラ41を回動
可能に支持するブラケット42と、ブラケット42をテール
スキンプレート22の内面に向けて付勢するコイルばね43
とを具える構成とする。このコイルばね43は、下端をブ
ラケット42の上端部に形成された凸部42aにねじ結合さ
れた受け金具44に当接させ、上端を調整ねじ45に当接さ
せる。調整ねじ45のねじ込み量を加減するとブラケット
42に作用するばね43の付勢力が調整されるので、プレス
リング21の自重とコイルばね43の圧縮反力とを、プレス
リング21の軸線がシールド掘進機10の軸線と正確に整列
する位置で平衡させうることは言うまでもない。
22の内周面と、セグメントリング20の外周面との間に配
置されたシール装置23の具体的構成につき、第10図〜第
13図の実施例を参照して説明する。
キンプレート22の内周面に沿う内筒47の遊端に配置し、
この内筒47は前述したアクチュエータ24に連結する。す
なわち、シール装置23は、アクチュエータ24の作動に際
してテールスキンプレート22の内周面に沿って軸線方向
移動を行い、テールボイドに充填された裏込め材を後述
する態様で圧密する機能も発揮するものである。
延在する一対の端壁48a,48bと、これら端壁を相互に連
結する周壁48cとを有する外側保持部材48を一体の延長
部として設ける。端壁48a,48bの内径は、セグメントリ
ング20の外径より若干大きめに設定する。周壁48cの外
周面とテールスキンプレート22の内周面との間に環状の
外側シール部材としてのシールリング49を配置して保持
部材48とテールスキンプレート22との間の隙間50を封鎖
可能とする。さらに、外側保持部材48の端壁48a,48bお
よび周壁48cにより限定されるスペースをセグメントリ
ング20の外周面に向けて開口させ、このスペース内には
半径方向外側に向けて延在する一対の端壁51a,51bと、
これら端壁を相互に連結する周壁51cとを有する内側保
持部材51を配置する。内側保持部材51の端壁51a,51bの
外径は、外側保持部材48の周壁48cの内径より若干小さ
め、例えば20mm程度に設定する。周壁51cの内周面とセ
グメントリング20の外周面との間に環状の内側シール部
材としてのシールリング52を配置して周壁51cとセグメ
ントリング20との間の隙間53を封鎖可能とする。外側お
よび内側のシールリング49,52は充分な軸線方向長さを
もってそれぞれテールスキンプレート22およびセグメン
トリング20に面接触させる。
の外周面との間の半径方向の間隔は、必ずしも全周にわ
たって一定ではない。それ故、前述したとおり外側保持
部材48の端壁48a,48bおよび周壁48cの間のスペース内に
保持部材51を配置し、外側保持部材48の端壁48a,48bの
内径をセグメントリング20の外径より若干大きめに設定
すると共に内側保持部材51の端壁51a,51bの外径を外側
保持部材48の周壁48cの内径より若干小さめに設定し、
テールスキンプレート22の内周面とセグメントリング20
の外周面との間隔の円周方向における変化に対応させて
内側保持部材51を外側保持部材48に対して半径方向に相
対変位可能な構成としたものである。
方向に相対変位可能とする場合、端壁48a,48bはそれぞ
れ端壁51a,51bと摺動接触させるのが望ましい。これら
の摺動接触部分で不可避的に生じる僅かな隙間53a,53b
に起因するシール性能の劣化を解消するため、少なくと
も圧密側の隙間53aを封鎖する中間シール部材54を設け
る。この中間シール部材54は、外周部分を外側保持部材
48の圧密側の端壁48aの端面に、また内周部分を内側保
持部材51の圧密側の端壁51aの端面にそれぞれ固着して
外側保持部材48に対する内側保持部材51の半径方向変位
に追従変形可能とした弾性シール材料により構成するも
のである。外側シール部材49,内側シール部材52および
中間シール部材54を設けた上記構成の環状シール装置23
によれば、裏込め材が充填されるテールボイドとシール
ド掘進機10内との間で満足すべきシール性能が達成さ
れ、テールボイドからの水分のシールド機内への侵入を
的確に阻止しうる利点が得られる。
本例のシール装置は第10図の実施例によるものと同様の
構成を有しており、したがって対応する要素には同一の
参照符号を付して重複記載を省略する。
された内筒47の遊端に外側および内側の保持部材48,51
を配置したものである。本例においては、外側および内
側の保持部材48,51に設けるシール部材をそれぞれシー
ルリップ49,52により構成する。外側の保持部材48に設
けるシールリップ49は、内周側の基端部を保持部材48の
端壁48aにねじ結合し、外周側のリップ部をテールスキ
ンプレート22の内周面にシール接触させる。同様に、内
側の保持部材51に設けるシールリップ52は、外周側の基
端部を保持部材51の端壁51aにねじ結合し、内周側のリ
ップ部をセグメントリング20の外周面にシール接触させ
る。
ある。本例のシール装置は第10図および第11図の実施例
を組み合わせた構成を有しており、対応する要素には同
一の参照符号を付して重複記載を省略する。
された内筒47の遊端に外側および内側の保持部材48,51
を配置したものである。本例では、外側の保持部材48に
おけるシール部材を、端壁48aに取付けたシールリップ4
9aと、周壁48cに取付けたシールリング49bとから構成
し、シールリング49bは外周面の軸線方向における断面
形状を鋸歯状に形成してテールスキンプレート22の内周
面に線接触させる。同様に、内側の保持部材51における
シール部材は、端壁51aに取付けたシールリップ52aと、
周壁51cに取付けたシールリング52bとから構成し、シー
ルリング52bは内周面の軸線方向における断面形状を鋸
歯状に形成してセグメントリング20の外周面に線接触さ
せる。
いずれもシールリップおよびシールリングを組合わせた
構成を有するため、テールスキンプレート22の内周面側
およびセグメントリング20の外周面側でそれぞれ二重シ
ール構造を形成し、テールボイドとシールド掘進機10内
との間でより確実なシール機能を発揮させることが可能
となる。
る装置の実施例を示すものである。
23に組合わせたものであって、シール装置23を軸線方向
に貫通させて外側の保持部材48に固定されたシリンダ71
と、シリンダ71内を摺動するピストン72と、ピストン72
を駆動する駆動ロッド73と、駆動ロッド73をシリンダ71
内で往復移動させるアクチュエータ74およびその出力ロ
ッド75とから構成する。シリンダ71は保持部材48におけ
る切羽側の端壁48bから切羽に向けて延在させ、その開
口端はテールボイド側の端壁48aからテールボイド内に
僅かに突出させる。シリンダ71には、裏込め材をシリン
ダ71内に注入するための注入管76と、洗浄水をシリンダ
71および裏込め材注入管76内に注入するための注入管77
とを接続する。裏込め材注入管76は、裏込め材運搬台車
78(第1図参照)上に載置された裏込め材漕79および貯
水漕80に仕切り弁81,ポンプ82および切換え弁83を経て
接続し、洗浄水注入管77は同じく台車78上に載置された
給水漕84に仕切り弁85およびポンプ86を経て接続する。
そして、シリンダ71内でピストン72が第14図に実線で示
す裏込め材充填位置にあるときにシリンダ71の開口端が
裏込め材注入管76と連通すると共に裏込め材注入管76と
洗浄水注入管77との連通が遮断され、また、ピストン72
が想像線で示す洗浄位置にあるときにはシリンダ71の開
口端が閉鎖され裏込材注入管76とテールボイドとの連通
が遮断されると共に、裏込め材注入管76が洗浄水注入管
77と連通する配置とするものである。
偏平な断面形状に形成し(第15図参照)、これに対応し
てピストン72も偏平な断面形状に形成する。駆動ロッド
73を往復移動させるためのアクチュエータ74は、シリン
ダ71に対し円周方向に並設されるよう外側保持部材47の
端壁47bに固定し、その出力ロッド75を駆動ロッド73に
連結する。すなわち、アクチュエータ74の出力ロッド75
と駆動ロッド73とは相互にU字状をなして結合されるこ
とになり、その結果としてテールボイドの狭いスペース
内に裏込め材充填装置70をコンパクトに配置することが
できる。
ール工事における各作業工程と関連させて説明すれば、
次のとおりである。
3個1組として搬入し、これらセグメント20A,20B,20C
を環状に組立て単位セグメントリング22を形成する。
ると、先ず、第18図に示すようにテールスキンプレート
22内の内筒47の底部に配置した支持部材90,91上にイン
バートセグメント20Aを載置する。さらに、第19図に示
すようにサイドセグメント20B,20Cの各一端をインバー
トセグメント20Aの両端と突き合わせ、各他端を内筒47
の内周に仮止めしてから第20図に示すように両サイドセ
グメント20B,20Cを突き合わせて単位セグメントリング
を形成する。その作業の詳細については、特公昭54−14
859号公報等に開示されているとおりである。
示すようにプレスリング21をセグメントリング20の前端
面と係合させた状態で第16図に示すようにシールドジャ
ッキ19のロッド19aをセグメントの軸線方向長さに相当
する所定のストロークだけ伸長させる。その反力で掘進
機前部のカッタ15,16が切羽に押し付けられて地山を掘
削しながら掘進機10が第16図に示すように単位ストロー
クだけ前進する。
内周に固定されたアクチュエータ24も前進することは、
言うまでもない。したがって、掘進機10の前進にもかか
わらずシール装置23をセグメントリング20の外周面に対
する一定の位置に保持して裏込め材の硬化前の崩壊を積
極的に阻止するのが望ましい。そのためにアクチュエー
タ24をシールドジャッキ19と同調作動させ、アクチュエ
ータのロッド24aをシールドジャッキ19の作動ストロー
クに対応するストロークだけテールボイド側に向けて押
し出すのが有利である。
の間の環状間隙に裏込め材を充填する。すなわち、先ず
アクチュエータ24を作動させてロッド24aを引込め、シ
ール装置23をセグメントリング20に対し切羽側に向けて
軸線方向に変位させる。その結果、既に硬化している裏
込め材とシール装置23との間に新たな裏込め材を充填す
るスペースが形成される。この状態でアクチュエータ74
を作動させてピストン72を裏込め材注入管76および洗浄
水注入管77の間の押込み位置(第14図における実線位
置)まで移動させて裏込め材注入管76をシリンダ開口部
と連通させ、ポンプ82により漕79内の所定量の裏込め材
を注入管76およびシリンダ71を経てテールボイド内に圧
送・充填する。
ピストン72をシリンダ71の先端における洗浄位置(第14
図における想像線位置)まで移動させ、同時に、注入管
76に介挿した弁83を切換えてシリンダ71と貯水漕80とを
連通させる。ポンプ86により給水漕84内の洗浄水を注入
管77を経てシリンダ71内に注入してシリンダ71および裏
込め材注入管76内を洗浄すると共に使用済みの洗浄水を
注入管76を経て貯水漕80内に排出する。洗浄水を所定時
間にわたって流すことにより、シリンダ71および注入管
76内の裏込め材が充分に除去され、裏込め材が内壁面に
付着した状態で固化するのを確実に阻止することができ
る。
図に示す位置から更に伸長させ、シール装置23をテール
ボイド側に押し出して裏込め材を圧密する。この圧密に
より、裏込め材に含まれていた過剰の水分を排除して地
山Aに吸収させることができ、その結果として裏込め材
の硬化前の崩壊を防止して緻密な裏込め硬化材層を形成
することが可能となる。
および組立、掘進機の前進並びに裏込め材の充填および
圧密を反復することにより所望のトンネルが順次に構築
されることは勿論である。
ば、セグメントリングの外周面と地山の内周面との間の
環状空隙に充填される裏込め材を、当該空隙内で軸線方
向に可動としたシール装置によって十分に圧密する構成
としたので、含水比の高い軟弱地盤においてもセグメン
トリングの外面全周にわたって均一かつ緻密で高強度の
裏込め材層を形成することができ、地中からの過度の水
分の浸透による裏込め材層の硬化前の崩壊を未然に防止
することが可能となり、したがって三等分割セグメント
による小口径シールド工事に泥土加圧工法を併用して所
要の小口径トンネルを経済的に施工しうる利点が得られ
るものである。
環状シール装置に組込み、裏込め充填に際してセグメン
ト内周のグラウトホールに対する注入管の接続作業を不
要とすると共に環状シール装置による圧密を可能として
いるが、従来と同様に裏込め材をセグメント内周のグラ
ウトホールからテールボイドに充填し、シール装置にも
っぱらシール機能および裏込め材の圧密機能を発揮させ
る構成としても差支えないことは、言うまでもない。
縦断面図、 第2図は第1図のII−II線に沿う横断面図、 第3図は第1図のIII−III線に沿う横断面図、 第4図は第1図のIV−IV線に沿う横断面図、 第5図は上記実施例のシールド掘進機に設けるプレスリ
ングの要部を示す部分縦断面図、 第6図はプレスリングに設ける寄せ金具を示す斜視図、 第7図はプレスリングに設けた支持ローラ組立体を示す
縦断面図、 第8図は第7図のVIII−VIII線に沿う横断面図、 第9図は支持ローラ組立体を示す斜視図、 第10図は上記実施例のシールド掘進機に設ける環状シー
ル装置の一例を示す縦断面図、 第11図は環状シール装置の他の実施例を示す縦断面図、 第12図は環状シール装置の更に他の実施例を示す縦断面
図、 第13図は上記実施例のシールド掘進機に設ける裏込め材
充填装置を示す縦断面図、 第14図は第13図のXIV−XIV線に沿う縦断面図、 第15図は第13図のXV−XV線に沿う横断面図、 第16図および第17図はシールドジャッキの作動に伴うプ
レスリングの移動の前後を示す縦断面図、 第18図〜第20図は三等分割セグメントの組立要領を示す
略図である。 A……地山 10……シールド掘進機 15,16……切羽 20……セグメントリング 22……テールスキンプレート 23……環状シール装置 24……アクチュエータ 49,52……シール部材 70……裏込め材充填手段 71……シリンダ 76……裏込め材注入管 77……洗浄水注入管
Claims (10)
- 【請求項1】三等分割されたセグメントを環状に組立
て、そのセグメントリングの外周面と地山の内周面との
間の環状空隙に裏込め材を充填して小口径トンネルを構
築するシールド工法に用いるシールド掘進機において: トンネル軸線方向に摺動しうるようにシールド掘進機の
テールスキンプレート内周面と、セグメントリング外周
面との間に配置された環状シール装置;並びに 前記環状空隙に裏込め材を充填した後、前記シール装置
をテールスキンプレートの内周面およびセグメントリン
グの外周面の間で切羽から離間する軸線方向に向けて摺
動させて裏込め材を圧密するアクチュエータ;を具える
ことを特徴とするシールド掘進機。 - 【請求項2】請求項1記載のシールド掘進機において、
前記シール装置を、テールスキンプレート内周面および
セグメントリング外周面の間の連続シール性を確保しつ
つ半径方向に相対変位可能とした第1および第2のシー
ル部材を含むものとし、第1のシール部材をテールスキ
ンプレート内周面にシール接触させると共に第2のシー
ル部材をセグメントリング外周面にシール接触させるこ
とを特徴とするシールド掘進機。 - 【請求項3】請求項2記載のシールド掘進機において、
テールスキンプレート内周面に対する前記第1のシール
部材の接触部分を、少なくとも1つの線接触部分として
形成したことを特徴とするシールド掘進機。 - 【請求項4】請求項2記載のシールド掘進機において、
セグメントリング外周面に対する前記第2のシール部材
の接触部分を、少なくとも1つの線接触部分として形成
したことを特徴とするシールド掘進機。 - 【請求項5】請求項1〜3のいずれか一項に記載のシー
ルド掘進機において、前記環状空隙に対する裏込め材充
填手段を、シールド掘進機内より環状シール装置を貫通
して延在して前記環状間隙内に開口する裏込め材注入シ
リンダと、該シリンダに接続された裏込め材注入管とを
含むものとすることを特徴とするシールド掘進機。 - 【請求項6】請求項4記載のシールド掘進機において、
前記注入シリンダを、その円筒方向の幅が半径方向の厚
さより大きい扁平断面構造としたことを特徴とするシー
ルド掘進機。 - 【請求項7】請求項4または5記載のシールド掘進機に
おいて、前記シリンダに洗浄水注入管を接続し、さら
に、裏込め材注入管からの裏込め材を前記環状空隙内に
押込む押込み位置と、裏込め材注入管および前記環状間
隙の間の連通が遮断され、かつ裏込め材注入管および洗
浄水注入管が相互に連通する洗浄位置との間で変位可能
なピストンを前記シリンダ内に配置したことを特徴とす
るシールド掘進機。 - 【請求項8】請求項1〜6のいずれか一項に記載のシー
ルド掘進機を使用しながら小口径トンネルを構築するシ
ールド工法であって、 シールド掘進機のテール部内に三等分割セグメントを搬
入し、該セグメントを環状に組立ててセグメントリング
を形成する工程と; 該セグメントリングの外周面と地山の内周面との間の環
状間隙に裏込め材を充填する工程と; シールド掘進機の環状シール装置をテールスキンプレー
ト内周面およびセグメントリング外周面の間で切羽から
離間する軸線方向に向けて摺動させて裏込め材を圧密す
る工程とを含む一連の工程を反復することを特徴とする
小口径シールド工法。 - 【請求項9】請求項1〜6のいずれか一項に記載のシー
ルド掘進機を使用しながら小口径トンネルを構築するシ
ールド工法であって、 シールド掘進機のテール部内に三等分割セグメントを搬
入し、該セグメントを環状に組立ててセグメントリング
を形成する工程と; 前記裏込め材充填手段におけるピストンを前記押し込み
位置まで変位させ、裏込め材注入管からの裏込め材をセ
グメントリングの外周面と地山の内周面との間の前記環
状空隙内に押込んで該空隙に裏込め材を充填する工程
と; シールド掘進機の前記シール装置をテールスキンプレー
ト内周面およびセグメントリング外周面の間で切羽から
離間する軸線方向に向けて摺動させて裏込め材を圧密す
る工程と; 前記裏込め材充填手段におけるピストンを前記洗浄位置
まで変位させて洗浄水注入管を裏込め材注入管に連通さ
せ、洗浄水注入管から注入される洗浄水により前記シリ
ンダおよび裏込め材注入管内を洗浄する工程とを含む一
連の工程を反復することを特徴とする小口径シールド工
法。 - 【請求項10】請求項8または9記載の小口径シールド
工法において、三等分割セグメントを、環状シール装置
の半径方向内側領域から外れたシールド掘進機のテール
部内領域において環状に組立ててセグメントリングを形
成することを特徴とする小口径シールド工法。
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