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JPH06336032A - インクジェット記録ヘッドの回復方法および回復装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの回復方法および回復装置

Info

Publication number
JPH06336032A
JPH06336032A JP12627393A JP12627393A JPH06336032A JP H06336032 A JPH06336032 A JP H06336032A JP 12627393 A JP12627393 A JP 12627393A JP 12627393 A JP12627393 A JP 12627393A JP H06336032 A JPH06336032 A JP H06336032A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording head
ink
nozzle
porous absorber
recovering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12627393A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumihiro Gotou
史博 後藤
Hiromitsu Hirabayashi
弘光 平林
Norifumi Koitabashi
規文 小板橋
Shigeyasu Nagoshi
重泰 名越
Hitoshi Sugimoto
仁 杉本
Miyuki Matsubara
美由紀 松原
Masaya Uetsuki
雅哉 植月
Yuji Akiyama
勇治 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP12627393A priority Critical patent/JPH06336032A/ja
Publication of JPH06336032A publication Critical patent/JPH06336032A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録ヘッドのノズル内の増粘インク、気泡、
紙粉などの粉状異物を取り除き、記録ヘッドを回復させ
るのに、無駄に捨てるインク量を少なくし、記録ヘッド
のワイピング動作も省略することができる、記録ヘッド
の回復方法および回復装置を提供する。 【構成】 記録ヘッドに多孔質吸収体を押し当てる方
法、または細管を記録ヘッドのノズル内に挿入する方法
により、記録ヘッド内のインクを多孔質吸収体または細
管の毛管力により引き出しそれと共に上記の異物などを
取り除く。また、多孔質吸収体に保持されるインクを速
やかに排出または蒸発させる装置も併せ備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置の記録ヘッドのノズル内の増粘インク、気泡、紙粉な
どの粉状異物の除去による記録ヘッドの回復方法および
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータやワープロ、複写機
などOA機器が広く普及しており、これらの記録装置の
記録方法が数多く開発されている。インクジェット記録
装置は、他の記録方法と比べて高精細化が容易でしかも
高速で静粛性に優れ、かつ安価であるという優れた特徴
を有する。
【0003】しかしながら、インクジェット記録装置は
インク液滴を記録ヘッドから吐出させ記録を行うという
方法であるため、記録ヘッド内のインクが水分などの蒸
発により増粘してしまうことや記録ヘッド内に紙粉など
の異物が混入してしまうことなどにより吐出エネルギー
の付与によっても吐出を行わない場合がある。そのよう
な場合、そうした吐出に適さないインクや紙粉などの異
物を急速に排出して記録ヘッド内のインクをリフレッシ
ュする手段として吸引ポンプなどが一般的に設けられて
いる。
【0004】この吸引に必要とされる吸引量は、インク
が記録ヘッド内に全くないような最悪の状態でも1回の
吸引回復により次からは正常な吐出が行えるように設定
されている。一般には記録ヘッド内の流路の内容積以上
をポンプにより吸引するように設定している。
【0005】このような構成をとることにより、インク
ジェット記録装置は常に安定した吐出を行い紙などの記
録媒体に常に良好な記録を行うように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例ではインクが記録ヘッド内に全くないという最悪の
状態を想定し、記録ヘッドチップのインク流路の内容積
以上の吸引量を吸引することにより1回の吸引回復動作
で記録ヘッドを正常な状態にすることを目的としている
ため、ノズル内の増粘インク、気泡、紙粉などの粉状異
物の除去のように少量のインクの吸引で記録ヘッドを正
常な状態に復帰できるようなものに対しても必要以上に
インクを吸引している。
【0007】その結果、無駄に捨ててしまうインクの量
が多くなり、インクの使用効率が悪くなる。また、必要
以上に捨てるインクが多くなるためそのインクを保持す
るスペースを大きく取らなければならなかった。
【0008】したがって、本発明の目的は、記録ヘッド
に多孔質吸収体を押し当てる方法、または細管を記録ヘ
ッドのノズル内に挿入する方法により、記録ヘッド内の
インクを多孔質吸収体または細管の毛管力により引き出
し、それと共に記録ヘッドのノズル内の増粘インク、気
泡、紙粉などの粉状異物を取り除く方式により、無駄に
捨てるインクの量を少なくすることができるインクヘッ
ドの回復方法および回復装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のンクジェット記
録ヘッドの回復方法は、毛管力発生部材を記録ヘッドに
押圧しまたは記録ヘッドのノズル内に挿入し、記録ヘッ
ドのノズル内の増粘インク、気泡および紙粉などの粉状
異物を毛管力発生部材を通じて記録ヘッドから吸引除去
することを特徴としている。
【0010】なお、所定量の界面活性剤が含有されてい
るインクを使用するため、記録ヘッドのインク液室内に
おけるインク中の界面活性剤含有量が、所定の範囲内に
維持されるよう定期に検査、調整されることが望まし
い。
【0011】さらに、毛管力発生部材が、多孔質吸収体
であるか、あるいは細管であることが望ましい。
【0012】また、記録ヘッドに作用する多孔質吸収体
を介してポンプによりノズル内のインクを吸引し回復す
る方法、あるいはさらに多孔質吸収体に保持されるイン
クを急速に吸引または蒸発により排出する方法を併せ持
つことも望ましい。
【0013】本発明のインクジェット記録ヘッドの回復
装置は、多孔質吸収体を記録ヘッドに押圧する装置また
は細管を記録ヘッドのノズル口に挿入する装置と、記録
ヘッドのノズル内の増粘インク、気泡および紙粉などの
粉状異物を毛管力発生部材を通じて記録ヘッドから吸
引、除去する装置と、を有することを特徴としている。
【0014】
【作用】多孔質吸収体を記録ヘッドに押しつければ、毛
管力に従ってインクを記録ヘッドのノズル口から多孔質
吸収体側に移動させることとにより、吐出不良の原因で
ある増粘インク、気泡、紙粉などの粉状異物をインクと
共に記録ヘッド内から吸収体側に引き出し、吐出不良を
回復する。また、吸収体に保持されるインクを廃インク
タンクへ迅速に排出させる手段、あるいは吸収体に保持
されるインク水分を迅速に蒸発させる手段により、吸収
体を初期状態に近づけ短時間で繰り返し吸引回復動作を
行うことができる。また、1回の吸引量を少なくでき、
捨てるインク量を少なくすることができ、吸引後のワイ
ピングなどを省略できる。
【0015】なお、多孔質吸収体を用いずに、細管を記
録ヘッドのノズルに挿入して行う回復方法については、
ここでは説明を省略する。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0017】図1(a)は、本発明のインクジェット記
録ヘッドの回復方法の一実施例の構成モデル図であり、
図1(b)は、図1(a)の多孔質吸収体が記録ヘッド
に押し当てられた状態を示す回復動作説明図、図2
(a)は、本実施例が気泡を除去する場合の構成モデル
図であり、図2(b)は、図2(a)の回復動作説明
図、図3(a)は、図2(b)の多孔質吸収体を記録ヘ
ッドから引き離した直後の回復動作説明図であり、図3
(b)は、回復動作完了状態を示す回復動作説明図であ
る。
【0018】図1(a)は本発明の特徴を最もよく表す
図であり、同図において記録ヘッド1は記録ヘッド1の
ノズル3近傍がインク2で満たされている状態をモデル
的に4つのノズル3を用い表したものであり、ノズル内
のヒーターボード4、記録ヘッドのフェイス面5を示し
ている、記録ヘッドに作用する毛管力発生部材として、
この例では多孔質吸収体6を用いている。
【0019】吸引回復を行うとき、図1(b)のように
多孔質吸収体6を記録ヘッド1のフェイス面5に押し当
てる。これにより、多孔質吸収体はヘッドのフェイス面
に密着、さらには変形してノズル3内に侵入し、インク
2に接触する。多孔質吸収体に接触したインクは毛管力
により、記録ヘッド内から多孔質吸収体の方へ移動す
る。このインクの移動により、吐出不良の原因であるノ
ズル内の増粘インク、気泡、紙粉などの粉状異物をイン
クと共に記録ヘッド内から吸収体側へ引き出し、吐出不
良を回復する。
【0020】本実施例において図2(a)から図3
(b)にわたりノズル内に溜った気泡の除去の過程を示
す。図2(a)はノズル内に気泡7が溜った状態を表
し、このような状態であると気泡が溜ったノズルはヒー
ターに熱が加えられてもヒーターボードで膜沸騰が起こ
らず、そのノズルではインクの吐出は行わなくなってし
まう。そのため図2(b)に示すように多孔質吸収体を
記録ヘッドに押し当て、ノズル内のインクに接触させ多
孔質吸収体の毛管力によりインクを記録ヘッド側から吸
収体側へ移動させる。このインクの移動により、図2
(b)に示されるように気泡は多孔質吸収体に接触する
ような形になる。
【0021】次に図3(a)に示すように多孔質吸収体
を記録ヘッドから引き離すと、気泡は大気に連通し、ノ
ズル内のインクがフェイス面からノズル内にかなり引っ
込んだ状態となる。その後ノズルの毛管力により、イン
クはフェイス面側に引き出され、図3(b)のようにノ
ズル内がインクで満たされた正常な状態に復帰し、この
後の吐出は安定したものになる。
【0022】特に複数色のインクを用い印字を行うカラ
ーインクジェット記録装置においては単色のインクジェ
ット記録装置に比べ、捨てるインクは複数倍になる。そ
のためカラーインクジェット記録装置においては廃イン
クの処理は極めて重要な問題であり、吸収体押しつけ吸
引による吸引回復方法は廃インクを極めて少なくするこ
とができるので従来の吸引回復方法に比べ非常に有利で
ある。
【0023】また、本実施例において多孔質吸収体に保
持されるインクを廃インクを保持するスペースに迅速に
排出する手段や、多孔質吸収体に保持されるインクの水
分を急速に蒸発させる手段を有することにより、多孔質
吸収体を初期状態に近づけることができ、短時間で繰り
返し吸引回復動作を行うことができる。多孔質吸収体に
保持されるインクを迅速に排出する手段としては、後述
の第2の実施例のように、多孔質吸収体と廃インクを保
持するスペースをつなぐポンプを用いることによりイン
クを廃インクを保持するスペースに排出することなどが
考えられる。また、多孔質吸収体に保持されるインクの
水分を急速に蒸発させる手段としては、図示してない
が、多孔質吸収体に対し送風するファンを持たせること
により蒸発を促進させることなどが考えられる。
【0024】さらには、吸引回復後の記録ヘッドのフェ
イス面に残るインク量を少なくすることができるので吸
引回復後のワイピング動作などを省略でき、ワイピング
部材などの寿命を延ばすことができる。
【0025】次に第2の実施例について説明する。
【0026】図4(a)は、第2の実施例であって、第
1の実施例に加えてポンプを用いた場合の構成モデル図
であり、図4(b)は、図4(a)の多孔質吸収体が記
録ヘッドに押し当てられた状態を示す回復動作説明図で
ある。
【0027】前述の実施例1においては、多孔質吸収体
を記録ヘッドに押し当てノズル内の増粘インク、気泡、
紙粉などの粉状異物を除去するものであったが、本実施
例は図4(a)に示すように吸引キャップ13にポンプ
14をつなげることにより、インク液室内の気泡なども
吸引できる構成とする。
【0028】インク液室内の気泡などを除去するような
吸引回復を行う場合、図4(b)のように吸引キャップ
を記録ヘッドに押し当てる。その際、多孔質吸収体6は
吸引キャップ内およびノズル内に押し込まれ、吸引キャ
ップと記録ヘッドとが密着するまで吸引キャップを記録
ヘッドに押し当てる。そしてポンプで負圧を発生させ、
吸引キャップ内の多孔質吸収体を介して記録ヘッド内の
インクを引き出す。
【0029】このような構成をとることによりインク液
室に気泡が充満しているような状態であっても液室内の
気泡を除去し、インクタンクからの新しいインクでイン
ク液室を満たすことができる。
【0030】したがって、実施例1に示したようにノズ
ル内の増粘インク、気泡、紙粉などの異物を毛管力によ
り除去するインク消費量の少ない回復とインク液室内の
気泡などをポンプが発生させた負圧により除去する回復
の2つの吸引回復を持つことにより状況に合わせた効果
的な吸引回復が行える。
【0031】次に、第3の実施例について説明する。
【0032】図5は、第3の実施例として、マルチノズ
ルの記録ヘッドに多孔質吸収体を回転させながら押し付
ける方式の場合であって、(a)は、多孔質吸収体の側
面図、(b)は、マルチノズル記録ヘッドの部分側面
図、(c)は、(b)の平面図である。
【0033】図5(a),(b),(c)に示すように
回転軸15の中心にノズル口に沿って多孔質吸収体を回
転させながら記録ヘッドに押し当て移動させることによ
り、マルチノズルのような幅のある記録ヘッドに対して
もノズル内の増粘インク、気泡、紙粉などの異物の除去
を行うことができる。この際の多孔質吸収体は記録ヘッ
ドのノズル部分のインクを十分に吸収できるものである
か、もしくは吸収しきれないものであってもノズル口と
別の場所に多孔質吸収体に吸引したインクを迅速に排出
する機構を持たせることなどの方法により全てのノズル
に対して同程度の吸引が行える。また、吸収体の移動速
度や押しつけ圧の調整により所望の吸引量を得ることが
できる。
【0034】次に、第4の実施例について説明する。
【0035】図6(a)は、第4の実施例で、毛管力発
生部材として細管を用いる方式の構成モデル図であり、
(b)は、(a)の細管がインク液室内に挿入された状
態を示す回復動作説明図である。
【0036】図6(a),(b)においてインク液室
8、溝天板9、ノズル口10、ノズル11が示されてお
り、毛管発生部材は外径がノズル径よりも小さい径で柔
軟性がありインクとの接触角が0度に近いような細管1
2である。
【0037】吸引回復を行うとき、図6(b)のように
細管12を記録ヘッドのノズル口10よりノズル11を
通してインク液室8まで到達させる。このときノズル口
が50μφであるとすると細管の外径が25μφである
としても細管を挿入するためには高い位置精度が必要で
ある。しかしながら、そのような位置精度を出すことは
困難であるので細管を多数束ねてブラシ状にしてノズル
口に侵入する確率を高くすること、何回も挿入を試みる
ことによりノズル口に侵入する確率を高くすること、記
録ヘッドに吐出を行わないダミーノズルを設け、その口
径を吐出を行う吐出口径よりも大きくすることにより細
管の侵入確率を高くすることなどの方法により細管をノ
ズル口に挿入する。ここにおいて細管の先端部分で毛管
力が発生し、その毛管力により細管の先端部分に接触す
るインクを細管の中に引き込む。この場合の毛管力は細
管の内径を10μφ、インクの表面張力を30dyne
/cm、密度を1g/mlとすると約600mmAqと
なり、この力によりインクを移動させ吐出状態に影響を
与えるインク液室内のノズル近傍に存在する気泡を細管
の中に引き込み除去する。その結果、記録ヘッドは吐出
を正常に行える状態に回復する。
【0038】また、実施例2に示したようにポンプを連
結し、負圧を発生させることによりインク液室内に気泡
が充満しているような状態でもインク液室内をタンクか
らの新しいインクで満たすことができる。
【0039】最後に、多孔質吸収体の毛管現象に関連す
る要件などについて述べることとする。
【0040】第1の実施例で示した吸収体押し当て吸引
では、毛管現象を利用して吸引を行うものであるが、そ
のとき吸収体の吸引力すなわち毛管力が強い方が吸引力
も強くなりより一層の吸引効果を得ることができる。
【0041】毛管力は、液面に毛細管を立てたときの管
内外の液面の高さの差をh、管の半径をr、液体の密度
をρ、液体の表面張力をγ、接触角をθ、重力速度を
g、とすると、 h=2γcosθ/rρg となる。したがって、毛管力を強くし、吸収体押しつけ
吸引をより効果的に行うためには、インクの表面張力を
大きくすること、多孔質吸収体のポアサイズを小さくす
ること、インクと多孔質吸収体の接触角を小さくするこ
とが必要である。
【0042】しかしながら、一般的に知られている多孔
質吸収体はインクとの接触角が大きいため毛管力を強く
するには接触角を小さくすることが大変効果がある。そ
のため多孔質吸収体にインクの界面活性剤を含有させる
ことなどの方法により親水化処理をして、インクと多孔
質吸収体の接触角を小さくする。それにより毛管力を大
きくすることができ、大きな吸引力を得られる。その結
果としてノズル内のインクの流速が速くなるためより一
層の異物除去の効果がある。しかしながら、一般に界面
活性剤は記録ヘッドのフェイス面の親水性を劣化させる
など記録ヘッドに対する悪影響があるため、記録ヘッド
に悪影響を与えない例えばアセチレノールのような界面
活性剤を使用しなければならない。
【0043】また、圧縮などにより多孔質吸収体のポア
サイズを小さくすることでより強い吸引力を得ることが
できる。
【0044】以上述べた吸収体押し当てによる吸引で
は、毛管力を大きくした方がより一層のノズル内洗浄の
効果を得ることができる。そのため多孔質吸収体を親水
化処理することや圧縮することにより毛管力を大きくす
ることを考えた。
【0045】しかしながら、繰り返し使用した場合その
親水効果は、インクと共に界面活性剤が吸収体から流れ
出て減少するに伴い減衰する。その対策として、記録ヘ
ッドのインク室内におけるインク中の界面活性剤含有量
および多孔質吸収体の性能の維持のため、所定の経過時
間ごとに検査、調整することが肝要である。
【0046】図7のグラフはインク中の界面活性剤含有
量に対する多硬質吸収体の吸引力を示す。図7に見られ
るようにインク中の界面活性剤含有量をA%以上にする
ことにより多孔質吸収体の吸引力を常に一定量以上にす
ることができ、いつでも多孔質吸収体の吸引力を大きく
しておくことができる。このようにインクに界面活性剤
を入れることによる効果としては、繰り返し使用を考え
た場合でも多孔質吸収体吸引力は常に一定量以上である
ため吸引力の減衰が起こらず、常にあるレベル以上の吸
引力を得ることができる。
【0047】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録
を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装置
において、優れた効果をもたらすものである。
【0048】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0049】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0050】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。
【0051】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
においても本発明は有効である。
【0052】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を
一層有効に発揮することができる。
【0053】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。
【0054】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段などを付加することは本発明の効果を一層安定でき
るので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるい
はこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせに
よる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モ
ードを行うことも安定した記録を行うために有効であ
る。
【0055】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色などの主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによって
でもよいが、異なる色の複色カラー、または混色による
フルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は
極めて有効である。
【0056】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。
【0057】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、何れにしても熱エネルギーの記録信号に
応じた付与によってインクが液化し、インク液状として
吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固化
し始めるものなどのような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明では適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状ま
たは固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としてもよい。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
【0058】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、ワードプロセッサやコンピュータなどの情
報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設け
られるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さ
らには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採
るものであってもよい。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、毛管力
発生部材を記録ヘッドに押し付け、毛管力によりインク
を記録ヘッド側から多孔質吸収体側へ移動させることま
たは記録ヘッドのノズル内に挿入することにより、記録
ヘッドの吸引回復を行うため、従来行われてきたポンプ
のみによる吸引回復に比べ1回の吸引量が少なくなる。
そのため無駄なインクの消費がなくなりインクを有効に
使うことができる、また、捨てるインクが少なくなるの
で、捨てるインクを保持するスペースも小さくすること
ができる、さらにこのような吸引方法であると記録ヘッ
ドのフェイス面に残るインクの量が少なくなるため、吸
引後のワピングなどを省略でき、ワイピング部材などへ
の負荷を軽減することができるため、それらの部材の長
寿命化を図れるなどの長所を有するインク記録ヘッドの
回復方法および回復装置を提供することができる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のインクジェット記録ヘッド
の回復方法の一実施例の構成モデル図であり、(b)
は、(a)の多孔質吸収体が記録ヘッドに押し当てられ
た状態を示す回復動作説明図である。
【図2】(a)は、本実施例が気泡を除去する場合の構
成モデル図であり、(b)は、(a)の回復動作説明図
である。
【図3】(a)は、図2(b)の多孔質吸収体を記録ヘ
ッドから引き離した直後の回復動作説明図であり、
(b)は、回復動作完了状態を示す回復動作説明図であ
る。
【図4】(a)は、第2の実施例であって、第1の実施
例に加えてポンプを用いた場合の構成モデル図であり、
(b)は、(a)の多孔質吸収体が記録ヘッドに押し当
てられた状態を示す回復動作説明図である。
【図5】第3の実施例として、マルチノズルの記録ヘッ
ドに多孔質吸収体を回転させながら押し付ける方式の場
合であって、(a)は、多孔質吸収体の側面図、(b)
は、マルチノズル記録ヘッドの部分側面図、(c)は、
(b)の平面図である。
【図6】(a)は、第4の実施例で、毛管力発生部材と
して細管を用いる方式の構成モデル図であり、(b)
は、(a)の細管がインク液室内に挿入された状態を示
す回復動作説明図である。
【図7】多孔質吸収体の界面活性剤含有量と吸引力の関
係グラフである。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 インク 3,11 ノズル 4 ヒーターボード 5 フェイス面 6,16 多孔質吸収体 7 気泡 8 インク液室 9 溝天板 10 ノズル口 12 細管 13 吸引キャップ 14 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名越 重泰 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松原 美由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 植月 雅哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 秋山 勇治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録ヘッドの回復方法に
    おいて、毛管力発生部材を記録ヘッドに押圧しまたは記
    録ヘッドのノズル内に挿入し、前記記録ヘッドのノズル
    内の増粘インク、気泡および紙粉などの粉状異物を前記
    毛管力発生部材を通じて前記記録ヘッドから吸引除去す
    ることを特徴とする、インクジェット記録ヘッドの回復
    方法。
  2. 【請求項2】 所定量の界面活性剤が含有されているイ
    ンクを使用するため、記録ヘッドのインク液室内におけ
    るインク中の界面活性剤含有量が、所定の範囲内に維持
    されるよう随時検査、調整される、請求項1記載のイン
    クジェット記録ヘッドの回復方法。
  3. 【請求項3】 前記毛管力発生部材が多孔質吸収体であ
    る、請求項1または2記載のインクジェット記録ヘッド
    の回復方法。
  4. 【請求項4】 前記毛管力発生部材が細管である、請求
    項2記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
  5. 【請求項5】 記録ヘッドに作用する前記多孔質吸収体
    を介してポンプによりノズル内のインクを吸引し回復す
    る、請求項3記載のインクジェット記録ヘッドの回復方
    法。
  6. 【請求項6】 前記多孔質吸収体に保持されるインクを
    急速に吸引または蒸発により排出する、請求項3または
    5記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
  7. 【請求項7】 インクジェット記録ヘッドの回復装置に
    おいて、多孔質吸収体を前記記録ヘッドに押圧する装置
    または細管を前記記録ヘッドのノズル口に挿入する装置
    と、前記記録ヘッドのノズル内の増粘インク、気泡およ
    び紙粉などの粉状異物を前記毛管力発生部材を通じて前
    記記録ヘッドから吸引、除去する装置と、を有すること
    を特徴とする、インクジェット記録ヘッドの回復装置。
  8. 【請求項8】 前記多孔質吸収体を記録ヘッドに押圧す
    る装置は、直方体状の多孔質吸収体のキャップを押動さ
    せる装置、または円板形状の多孔質吸収体を回転させつ
    つ多数のノズル口の上を順次押圧する装置である、請求
    項7記載のインクジェット記録ヘッドの回復装置。
  9. 【請求項9】 前記細管を多数のノズル口に同時に挿入
    する装置は、弾力性を有する多数の細管の束を把握、挿
    入することができる装置である、請求項7記載のインク
    ジェット記録ヘッドの回復装置。
  10. 【請求項10】 ノズル内の増粘インク、気泡および紙
    粉などの粉状異物を記録ヘッドから吸引、除去する装置
    は、ポンプである、請求項7記載のインクジェット記録
    ヘッドの回復装置。
  11. 【請求項11】 多孔質吸収体に保持されるインクを急
    速に吸引または蒸発により排出する装置としてポンプま
    たはファンをさらに有する、請求項7記載のインクジェ
    ット記録ヘッドの回復装置。
  12. 【請求項12】 前記記録ヘッドが、インク吐出用の熱
    エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えている
    ことを特徴とする、請求項7記載のインクジェット記録
    ヘッドの回復装置。
  13. 【請求項13】 前記記録ヘッドが、前記電気熱変換体
    によって印加される熱エネルギーにより、インクに生ず
    る膜沸騰を利用して吐出口からインクを吐出させること
    を特徴とする、請求項12記載のインクジェット記録ヘ
    ッドの回復装置。
JP12627393A 1993-05-27 1993-05-27 インクジェット記録ヘッドの回復方法および回復装置 Pending JPH06336032A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011011383A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Canon Inc 液体吐出装置

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