JP3320137B2 - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置Info
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- JP3320137B2 JP3320137B2 JP10301793A JP10301793A JP3320137B2 JP 3320137 B2 JP3320137 B2 JP 3320137B2 JP 10301793 A JP10301793 A JP 10301793A JP 10301793 A JP10301793 A JP 10301793A JP 3320137 B2 JP3320137 B2 JP 3320137B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録ヘ
ッド、特に複数のノズルを有するオンデマンド型インク
ジェット記録ヘッドに関する。
ッド、特に複数のノズルを有するオンデマンド型インク
ジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、記録工程が
簡単であること、高速度で記録できること、カラー記録
が容易にできることなどの優れた特徴を有する。中で
も、記録信号に応じてインクを吐出するオンデマンド型
インクジェット記録方法は、記録に必要な時にのみイン
クを吐出するので、大がかりなインク回収装置などを必
要としないという利点を有し、広く利用されている。そ
の場合、記録速度を高めるためには、1つの記録ヘッド
に多数のノズルを設けるのが一般的である。
簡単であること、高速度で記録できること、カラー記録
が容易にできることなどの優れた特徴を有する。中で
も、記録信号に応じてインクを吐出するオンデマンド型
インクジェット記録方法は、記録に必要な時にのみイン
クを吐出するので、大がかりなインク回収装置などを必
要としないという利点を有し、広く利用されている。そ
の場合、記録速度を高めるためには、1つの記録ヘッド
に多数のノズルを設けるのが一般的である。
【0003】オンデマンド型インクジェット記録方式と
しては、ピエゾ素子により記録信号に応じてインクを加
圧して吐出するものと、ノズル内に設けたヒーターによ
り記録信号に応じてインクを発泡させて吐出する、いわ
ゆるバブルジェット方式(以下、バブルジェット方式と
称する。)が広く用いられている。特に、バブルジェッ
ト方式の場合、記録ヘッドの構造が簡単で、高密度にノ
ズルを配列することが容易であることから、多数のノズ
ルを一体に形成した記録ヘッドが広く用いられている。
しては、ピエゾ素子により記録信号に応じてインクを加
圧して吐出するものと、ノズル内に設けたヒーターによ
り記録信号に応じてインクを発泡させて吐出する、いわ
ゆるバブルジェット方式(以下、バブルジェット方式と
称する。)が広く用いられている。特に、バブルジェッ
ト方式の場合、記録ヘッドの構造が簡単で、高密度にノ
ズルを配列することが容易であることから、多数のノズ
ルを一体に形成した記録ヘッドが広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多数の
ノズルを一体に形成した記録ヘッドにおいては、いわゆ
るクロストークが生じるという問題がある。クロストー
クには、駆動のための電気信号に起因するものと、吐出
およびリフィルに伴うインクの圧力変動が他のノズルの
インクに伝播することに起因するものがある。
ノズルを一体に形成した記録ヘッドにおいては、いわゆ
るクロストークが生じるという問題がある。クロストー
クには、駆動のための電気信号に起因するものと、吐出
およびリフィルに伴うインクの圧力変動が他のノズルの
インクに伝播することに起因するものがある。
【0005】このうち、電気信号に起因するものに関し
ては、従来より数種の対策が考案され、実用上比較的影
響がないようにすることが可能となってきているが、イ
ンクの圧力変動に起因するものに関しては、十分に有効
な対策がないのが現状である。そのため特に、多数のノ
ズルを高密度で設けた記録ヘッドにおいては、クロスト
ークによる吐出不良のため、高い周波数で駆動すること
が困難である。また、低い周波数であっても、記録画像
にムラを生じる場合がある。
ては、従来より数種の対策が考案され、実用上比較的影
響がないようにすることが可能となってきているが、イ
ンクの圧力変動に起因するものに関しては、十分に有効
な対策がないのが現状である。そのため特に、多数のノ
ズルを高密度で設けた記録ヘッドにおいては、クロスト
ークによる吐出不良のため、高い周波数で駆動すること
が困難である。また、低い周波数であっても、記録画像
にムラを生じる場合がある。
【0006】例えばバブルジェット方式の記録ヘッドに
おいては、インクを発泡させ吐出させる際に、気泡の圧
力が、各ノズルにインクを供給する共通液室を通じて他
のノズルに伝わり、メニスカスを押し出す。この時、そ
のノズルを駆動すると、通常よりも大きい液滴が吐出す
る。
おいては、インクを発泡させ吐出させる際に、気泡の圧
力が、各ノズルにインクを供給する共通液室を通じて他
のノズルに伝わり、メニスカスを押し出す。この時、そ
のノズルを駆動すると、通常よりも大きい液滴が吐出す
る。
【0007】気泡が収縮する時には共通液室の圧力が低
下する。従って、他のノズルのメニスカスは引き込ま
れ、この時に駆動を行なうと、通常よりも小さな液滴が
吐出する。またこの時、リフィル途中のノズルは、リフ
ィルに要する時間が長くなり、次の吐出に異常を生じ
る。
下する。従って、他のノズルのメニスカスは引き込ま
れ、この時に駆動を行なうと、通常よりも小さな液滴が
吐出する。またこの時、リフィル途中のノズルは、リフ
ィルに要する時間が長くなり、次の吐出に異常を生じ
る。
【0008】この問題を解決する方法の一つとして、共
通液室を十分に大きくして圧力変動を生じないようにす
るなどの方法があるが、十分な効果を得るためには、そ
の共通液室を極めて大きくする必要があり、記録ヘッド
が大きくなってしまうという問題がある。また、ノズル
が高密度で並べられている場合には、ノズル同士が近い
ため、共通液室を大きくしても十分な効果が得られな
い。
通液室を十分に大きくして圧力変動を生じないようにす
るなどの方法があるが、十分な効果を得るためには、そ
の共通液室を極めて大きくする必要があり、記録ヘッド
が大きくなってしまうという問題がある。また、ノズル
が高密度で並べられている場合には、ノズル同士が近い
ため、共通液室を大きくしても十分な効果が得られな
い。
【0009】別の方法として、共通液室の中に弾性体、
多孔質体などを設け、これにより圧力変動を吸収すると
いうものがある。しかしながら、インクジェット記録ヘ
ッドは極めて小さいものであり、そのような柔らかい材
質を微細に加工して配置することは多くの困難を伴う。
また特に、多孔質体などは微細なゴミを発生しやすく、
ノズルを詰まらせるなどの問題を起こしやすい。
多孔質体などを設け、これにより圧力変動を吸収すると
いうものがある。しかしながら、インクジェット記録ヘ
ッドは極めて小さいものであり、そのような柔らかい材
質を微細に加工して配置することは多くの困難を伴う。
また特に、多孔質体などは微細なゴミを発生しやすく、
ノズルを詰まらせるなどの問題を起こしやすい。
【0010】さらに別の解決法として、共通液室から外
気に連通する孔を設け、この孔の部分のインクを表面張
力によって保持して、そのメニスカスの動きによってイ
ンクの圧力変動を吸収する方法がある。しかしながらこ
の方法で十分な効果を得るためには、孔の大きさを大き
くせざるを得なくなり、また各ノズルに対応して孔を設
けなければならないことから、共通液室のインクが蒸発
しやすい、振動などによりインクが漏れるなどの問題が
生じる。
気に連通する孔を設け、この孔の部分のインクを表面張
力によって保持して、そのメニスカスの動きによってイ
ンクの圧力変動を吸収する方法がある。しかしながらこ
の方法で十分な効果を得るためには、孔の大きさを大き
くせざるを得なくなり、また各ノズルに対応して孔を設
けなければならないことから、共通液室のインクが蒸発
しやすい、振動などによりインクが漏れるなどの問題が
生じる。
【0011】そこで本発明は、インクの圧力変動による
クロストークのない、高い周波数で駆動した場合でも吐
出の安定した、画像にムラを生じない、多数のノズルが
一体に形成されたオンデマンド型インクジェット記録ヘ
ッドを提供することを目的とする。
クロストークのない、高い周波数で駆動した場合でも吐
出の安定した、画像にムラを生じない、多数のノズルが
一体に形成されたオンデマンド型インクジェット記録ヘ
ッドを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のインク
吐出部が一体に形成され、しかも共通液室に連結された
構造を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記
共通液室が、前記インク吐出部と接続する前方の壁面
と、該前方の壁面と反対側の後方の壁面とを有し、該後
方の壁面に、該前方の壁面と反対方向に伸び、所定の間
隔をもって配列された複数の孔によって形成された、こ
れらの孔の配列方向に沿った断面が櫛形パターンをなす
構造が設けられており、かつ各孔内の壁面が撥インク性
であることを特徴とするインクジェット記録ヘッドおよ
びその記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置を
提供する。
吐出部が一体に形成され、しかも共通液室に連結された
構造を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記
共通液室が、前記インク吐出部と接続する前方の壁面
と、該前方の壁面と反対側の後方の壁面とを有し、該後
方の壁面に、該前方の壁面と反対方向に伸び、所定の間
隔をもって配列された複数の孔によって形成された、こ
れらの孔の配列方向に沿った断面が櫛形パターンをなす
構造が設けられており、かつ各孔内の壁面が撥インク性
であることを特徴とするインクジェット記録ヘッドおよ
びその記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置を
提供する。
【0013】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記
録を行なうインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録
装置において、優れた効果をもたらすものである。
中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記
録を行なうインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録
装置において、優れた効果をもたらすものである。
【0014】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式は所謂オンデマンド型、コンティニュアンス型のいず
れにも適用可能である。
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式は所謂オンデマンド型、コンティニュアンス型のいず
れにも適用可能である。
【0015】この記録方式を簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じるよ
うな急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆
動信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。こ
のように液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆
動信号に一対一対応した気泡を形成できるため、特にオ
ンデマンド型の記録法には有効である。この気泡の成
長、収縮により吐出孔を介して液体(インク)を吐出さ
せて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号を
パルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行な
われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出
が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号
としては、米国特許第4463359号明細書、同43
45262号明細書に記載されているようなものをが適
している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発
明の米国特許第4313124号明細書に記載されてい
る条件を採用すると、さらに優れた記録を行なうことが
できる。
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じるよ
うな急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆
動信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。こ
のように液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆
動信号に一対一対応した気泡を形成できるため、特にオ
ンデマンド型の記録法には有効である。この気泡の成
長、収縮により吐出孔を介して液体(インク)を吐出さ
せて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号を
パルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行な
われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出
が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号
としては、米国特許第4463359号明細書、同43
45262号明細書に記載されているようなものをが適
している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発
明の米国特許第4313124号明細書に記載されてい
る条件を採用すると、さらに優れた記録を行なうことが
できる。
【0016】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路または直角液流
路)の他に、米国特許第4558333号明細書、米国
特許第4459600号明細書に開示されているよう
に、熱作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つも
のも本発明に含まれる。
書に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路または直角液流
路)の他に、米国特許第4558333号明細書、米国
特許第4459600号明細書に開示されているよう
に、熱作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つも
のも本発明に含まれる。
【0017】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
【0018】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがあ
る。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示さ
れているような記録ヘッドを複数組み合わせることによ
ってフルライン構成にしたものや、一体的に形成された
一個のフルライン記録ヘッドであっても良い。
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがあ
る。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示さ
れているような記録ヘッドを複数組み合わせることによ
ってフルライン構成にしたものや、一体的に形成された
一個のフルライン記録ヘッドであっても良い。
【0019】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0020】また、本発明の記録装置に、記録ヘッドに
対する回復手段や、予備的な補助手段などを付加するこ
とは、本発明の記録装置を一層安定にすることができる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニン
グ手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいは
これとは別の加熱素子、あるいはこれらの組み合わせに
よる予備加熱手段、記録とは別の予備吐出モードを行な
う手段を付加することも安定した記録を行なうために有
効である。
対する回復手段や、予備的な補助手段などを付加するこ
とは、本発明の記録装置を一層安定にすることができる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニン
グ手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいは
これとは別の加熱素子、あるいはこれらの組み合わせに
よる予備加熱手段、記録とは別の予備吐出モードを行な
う手段を付加することも安定した記録を行なうために有
効である。
【0021】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色などの主流色のみを記録するモードだけではなく、記
録ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わ
せて構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複
色カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一
つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
色などの主流色のみを記録するモードだけではなく、記
録ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わ
せて構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複
色カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一
つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0022】以上、液体インクを用いて説明したが、本
発明では室温で固体状であるインクであっても、室温で
軟化状態となるインクであっても用いることができる。
上述のインクジェット装置ではインク自体を30℃以上
70℃以下の範囲内で温度調整を行なってインクの粘性
を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的
であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなす
ものであれば良い。
発明では室温で固体状であるインクであっても、室温で
軟化状態となるインクであっても用いることができる。
上述のインクジェット装置ではインク自体を30℃以上
70℃以下の範囲内で温度調整を行なってインクの粘性
を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的
であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなす
ものであれば良い。
【0023】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するかまたは、インクの蒸発防止を目的として放置
状態で固化するインクを用いることもできる。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化してインク液状として吐出するものや記録媒
体に到達する時点ではすでに固化し始めるものなどのよ
うな、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質
を持つインクの使用も本発明には適用可能である。
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するかまたは、インクの蒸発防止を目的として放置
状態で固化するインクを用いることもできる。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化してインク液状として吐出するものや記録媒
体に到達する時点ではすでに固化し始めるものなどのよ
うな、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質
を持つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0024】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部または貫通孔に液
状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体
に対して対向するような形態としても良い。
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部または貫通孔に液
状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体
に対して対向するような形態としても良い。
【0025】本発明において、上述した各インクに対し
て最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するも
のである。
て最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するも
のである。
【0026】図8は、本発明により得られた記録ヘッド
をインクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として
装着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を
示す外観斜視図である。
をインクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として
装着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を
示す外観斜視図である。
【0027】図において、20はプラテン24上に送紙
されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行な
うノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッジ
(IJC)である。16はIJC20を保持するキャリ
ッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆
動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された
2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能と
することにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往
復移動が可能となる。
されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行な
うノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッジ
(IJC)である。16はIJC20を保持するキャリ
ッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆
動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された
2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能と
することにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往
復移動が可能となる。
【0028】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行なう。このヘッド回復装置
26のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピ
ングに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜
の吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイ
ンク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送
を行ない、インクを吐出口より強制的に排出させること
によりノズル内の増粘インクを除去するなどの吐出回復
処理を行なう。また、記録終了時などにキャッピングを
施すことによりIJCが保護される。
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行なう。このヘッド回復装置
26のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピ
ングに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜
の吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイ
ンク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送
を行ない、インクを吐出口より強制的に排出させること
によりノズル内の増粘インクを除去するなどの吐出回復
処理を行なう。また、記録終了時などにキャッピングを
施すことによりIJCが保護される。
【0029】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード30はブレード保持部材30
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝動機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード30をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴ってIJC20の吐出面
における結露、濡れあるいは塵埃などを拭き取るもので
ある。
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード30はブレード保持部材30
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝動機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード30をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴ってIJC20の吐出面
における結露、濡れあるいは塵埃などを拭き取るもので
ある。
【0030】本発明のインクジェット記録ヘッドにおい
て特徴的な共通液室内面の撥インク性の面は、インクに
対してできるだけ大きい接触角を有することが望ましい
が、インクに対して90°以上の接触角を有していれば
効果を発揮する。インクとして水系インクを用いる場合
には、撥インク性の材料として、フッ素樹脂、シリコー
ンゴム、ポリエチレン樹脂などを用いることができる。
て特徴的な共通液室内面の撥インク性の面は、インクに
対してできるだけ大きい接触角を有することが望ましい
が、インクに対して90°以上の接触角を有していれば
効果を発揮する。インクとして水系インクを用いる場合
には、撥インク性の材料として、フッ素樹脂、シリコー
ンゴム、ポリエチレン樹脂などを用いることができる。
【0031】以下、水系インクを用いる場合を中心に説
明する。
明する。
【0032】撥水性の面は、共通液室のごく一部に設け
ることが望ましい。共通液室の壁面全体を撥水性とする
と、共通液室に気泡が溜りやすく、吐出部にインクを安
定して供給することが困難となる。また、撥水性の面
は、吐出部に接しない位置に設けることが望ましい。
ることが望ましい。共通液室の壁面全体を撥水性とする
と、共通液室に気泡が溜りやすく、吐出部にインクを安
定して供給することが困難となる。また、撥水性の面
は、吐出部に接しない位置に設けることが望ましい。
【0033】撥水性の面は、共通液室の内面の1つの面
に設けてもよいが、底面、側面、上面の複数の面に設け
ると、さらに有効である。
に設けてもよいが、底面、側面、上面の複数の面に設け
ると、さらに有効である。
【0034】共通液室の中に、撥水性の面を有する孔を
設けることも有効である。
設けることも有効である。
【0035】
【作用】インクジェット記録ヘッドの内部においては、
一般に、吐出に伴う圧力変動などにより、しばしばイン
ク中の溶存空気が気化し、微小な気泡が発生する。この
微小な気泡は、通常、インクと共に吐き出されるか、あ
るいはインクに再溶解することにより消失する。ところ
が前述のように、共通液室内に撥水性の面がある場合に
は、その部分に接した気泡は動きにくく、その位置に留
まる。一般に、微小な気泡は、表面張力によりその内部
の圧力が高く、そのために速やかに溶解する。ところ
が、撥水性の面に接した気泡は、形状が扁平になるた
め、曲率半径が大きく、表面張力の影響が小さくなり、
内部の圧力がさほど高くなく、短時間で溶解することは
ない。
一般に、吐出に伴う圧力変動などにより、しばしばイン
ク中の溶存空気が気化し、微小な気泡が発生する。この
微小な気泡は、通常、インクと共に吐き出されるか、あ
るいはインクに再溶解することにより消失する。ところ
が前述のように、共通液室内に撥水性の面がある場合に
は、その部分に接した気泡は動きにくく、その位置に留
まる。一般に、微小な気泡は、表面張力によりその内部
の圧力が高く、そのために速やかに溶解する。ところ
が、撥水性の面に接した気泡は、形状が扁平になるた
め、曲率半径が大きく、表面張力の影響が小さくなり、
内部の圧力がさほど高くなく、短時間で溶解することは
ない。
【0036】図7にその説明図を示す。図7Aは、接触
角の小さい、親水性の面に接した気泡を表わし、図7B
は、接触角の大きい、撥水性の面に接した気泡を表わ
す。この図のように、気泡の体積が同等であれば、撥水
性の面に接した気泡の方が大きい曲率半径を有する。
角の小さい、親水性の面に接した気泡を表わし、図7B
は、接触角の大きい、撥水性の面に接した気泡を表わ
す。この図のように、気泡の体積が同等であれば、撥水
性の面に接した気泡の方が大きい曲率半径を有する。
【0037】インク内の微小な気泡は、記録ヘッドの使
用条件次第で、大量に蓄積して吐出に悪影響を及ぼす場
合がある。そのため従来より、加圧ポンプ、吸引ポンプ
などによってインクの一部をノズルより放出し、それと
ともに共通液室内の気泡を放出するという手法が行なわ
れている。それに対して、本発明の撥水性面のある共通
液室を有する記録ヘッドでは、クロストークを防止する
のに必要な最低限の気泡は、共通液室内の撥水性面に付
着して留まる。
用条件次第で、大量に蓄積して吐出に悪影響を及ぼす場
合がある。そのため従来より、加圧ポンプ、吸引ポンプ
などによってインクの一部をノズルより放出し、それと
ともに共通液室内の気泡を放出するという手法が行なわ
れている。それに対して、本発明の撥水性面のある共通
液室を有する記録ヘッドでは、クロストークを防止する
のに必要な最低限の気泡は、共通液室内の撥水性面に付
着して留まる。
【0038】
【実施例】(参考例1) 次に、図1に本発明のインクジェット記録ヘッドの1参
考実施態様の主要部を示す。この記録ヘッドは、ヒータ
ー5によりインクを加熱してインク内に発泡を起こさせ
て吐出する、いわゆるバブルジェット方式のものであ
る。
考実施態様の主要部を示す。この記録ヘッドは、ヒータ
ー5によりインクを加熱してインク内に発泡を起こさせ
て吐出する、いわゆるバブルジェット方式のものであ
る。
【0039】この記録ヘッドの作製は、シリコンウェハ
ーにヒーター5、電極、保護膜などをスパッタリングお
よびフォトリソグラフィー技術により形成してヒーター
ボード4を作製し、その上にネガ型ドライフィルム3に
よってノズル壁および液室の壁を形成し、その上に硝子
製の天板1を接合して、最後に周囲および吐出口部分を
切断することによって行なわれる。
ーにヒーター5、電極、保護膜などをスパッタリングお
よびフォトリソグラフィー技術により形成してヒーター
ボード4を作製し、その上にネガ型ドライフィルム3に
よってノズル壁および液室の壁を形成し、その上に硝子
製の天板1を接合して、最後に周囲および吐出口部分を
切断することによって行なわれる。
【0040】この図1では、分かりやすくするために天
板1を離した状態で描いてある。天板の下面は、共通液
室の容量を確保するために凹部が設けられており、その
部分にインクを供給するための貫通孔があり、さらにこ
の貫通孔にはフィルター2が取り付けてある。
板1を離した状態で描いてある。天板の下面は、共通液
室の容量を確保するために凹部が設けられており、その
部分にインクを供給するための貫通孔があり、さらにこ
の貫通孔にはフィルター2が取り付けてある。
【0041】この記録ヘッド主要部を支持体、電気実装
部品、インク供給系などと接続することによって、記録
ヘッドが完成される。
部品、インク供給系などと接続することによって、記録
ヘッドが完成される。
【0042】上記の作製工程においては、ヒーターボー
ド4にネガ型ドライフィルム3を接合する前に、ヒータ
ーボード上に撥水性の面6を形成する。撥水性の面とし
ては、その面にフッ素樹脂粉末をニッケルとともに共析
メッキすることによって、接触角が極めて小さい面を形
成することができる。また、フッ素樹脂系塗料、シリコ
ーン樹脂系塗料などを塗布してもよい。
ド4にネガ型ドライフィルム3を接合する前に、ヒータ
ーボード上に撥水性の面6を形成する。撥水性の面とし
ては、その面にフッ素樹脂粉末をニッケルとともに共析
メッキすることによって、接触角が極めて小さい面を形
成することができる。また、フッ素樹脂系塗料、シリコ
ーン樹脂系塗料などを塗布してもよい。
【0043】図2には、図1の記録ヘッドの主要部の断
面図を示す。この図に示したように、インクを記録ヘッ
ド内に供給したとき、撥水面6の位置に気泡8が留ま
る。これにより、インクの圧力変動は吸収され、クロス
トークは防止される。
面図を示す。この図に示したように、インクを記録ヘッ
ド内に供給したとき、撥水面6の位置に気泡8が留ま
る。これにより、インクの圧力変動は吸収され、クロス
トークは防止される。
【0044】(実施例1) 図3は、共通液室の、ノズルと反対側の壁の部分が、図
1のヘッドと異なって櫛形となった記録ヘッドの後方部
分を図示したものである。天板は図示していない。この
記録ヘッドでは、図のようにヒーターボード上にネガ型
ドライフィルム3によって櫛形のパターンが形成されて
おり、そこにフッ素樹脂系塗料が塗布されて撥水性とな
っている。この櫛形のパターンの間隔は5μm〜100
μmとし、長さは10μm〜500μmとするのが好ま
しいが、長さはさらに大きくてもよい。撥水性の塗料を
塗布するにあたっては、櫛形のパターンの内側の、共通
液室の内壁となる部分だけに塗布すればよいが、加工上
困難を伴うので、天板に接する部分も同時に塗布しても
支障はない。天板の櫛形パターンに対向する位置にも撥
水性の塗料を塗布しておく。
1のヘッドと異なって櫛形となった記録ヘッドの後方部
分を図示したものである。天板は図示していない。この
記録ヘッドでは、図のようにヒーターボード上にネガ型
ドライフィルム3によって櫛形のパターンが形成されて
おり、そこにフッ素樹脂系塗料が塗布されて撥水性とな
っている。この櫛形のパターンの間隔は5μm〜100
μmとし、長さは10μm〜500μmとするのが好ま
しいが、長さはさらに大きくてもよい。撥水性の塗料を
塗布するにあたっては、櫛形のパターンの内側の、共通
液室の内壁となる部分だけに塗布すればよいが、加工上
困難を伴うので、天板に接する部分も同時に塗布しても
支障はない。天板の櫛形パターンに対向する位置にも撥
水性の塗料を塗布しておく。
【0045】図4には、図3の記録ヘッドの主要部の断
面図を示した。この図のヘッドでは、櫛形のパターンの
部分は撥水面よりなる孔状形状となっていることから、
インクが入り込みにくく、その部分に気泡が溜る。この
気泡により、インクの圧力変動が吸収され、クロストー
クが防止される。
面図を示した。この図のヘッドでは、櫛形のパターンの
部分は撥水面よりなる孔状形状となっていることから、
インクが入り込みにくく、その部分に気泡が溜る。この
気泡により、インクの圧力変動が吸収され、クロストー
クが防止される。
【0046】このヘッドは図1のものに比べて複雑な形
状を有しているが、気泡の溜る部分が孔状となっている
ので、溜った気泡が移動しにくいだけでなく、容量の大
きい気泡が形成されるので、特に、多数のノズルを設け
た記録ヘッドを高速で駆動する場合に適している。な
お、この場合には、気泡が孔状の部分に溜っているが、
この孔は貫通していないので、インクの蒸発などの問題
を生じることはない。
状を有しているが、気泡の溜る部分が孔状となっている
ので、溜った気泡が移動しにくいだけでなく、容量の大
きい気泡が形成されるので、特に、多数のノズルを設け
た記録ヘッドを高速で駆動する場合に適している。な
お、この場合には、気泡が孔状の部分に溜っているが、
この孔は貫通していないので、インクの蒸発などの問題
を生じることはない。
【0047】(参考例2) 図5には、本発明の記録ヘッドの別の参考実施態様を示
した。この記録ヘッドでは、図1のヘッドと比較して、
天板に2つの貫通孔が設けられている。その貫通口の一
方はインク供給口であり、チューブ接続部11を介して
インク供給チューブ12に接続されている。他方の貫通
口は撥水性多孔質体10によって塞がれており、この多
孔質体の部分がインクの圧力変動を吸収する。
した。この記録ヘッドでは、図1のヘッドと比較して、
天板に2つの貫通孔が設けられている。その貫通口の一
方はインク供給口であり、チューブ接続部11を介して
インク供給チューブ12に接続されている。他方の貫通
口は撥水性多孔質体10によって塞がれており、この多
孔質体の部分がインクの圧力変動を吸収する。
【0048】撥水性多孔質体の素材としては、フッ素樹
脂、ポリエチレン樹脂、シリコーンゴムなどが挙げられ
る、この多孔質体は、インクとの親和性が小さく、接触
角が大きいため、インクを吸収したり透過することはな
いが、空気は透過する。従って、この撥水性多孔質体1
0のインクに接している面には、常に微小な空気泡が形
成されている。
脂、ポリエチレン樹脂、シリコーンゴムなどが挙げられ
る、この多孔質体は、インクとの親和性が小さく、接触
角が大きいため、インクを吸収したり透過することはな
いが、空気は透過する。従って、この撥水性多孔質体1
0のインクに接している面には、常に微小な空気泡が形
成されている。
【0049】図6には、図5の記録ヘッドの断面図を示
した。この図からわかる通り、形成される気泡8はノズ
ルの後端から離れており、それが吐出に悪影響を及ぼす
ことはない。また、これらの気泡8は、撥水性多孔質体
10に接していることから、それが過剰に大きくなって
も、インクを加圧することによって容易に多孔質体10
を通して外気中に放出される。なおこの場合、撥水性多
孔質体10を通してインク成分が蒸発するのを防止する
ために、気体の透過を完全に阻止しない程度に多孔質体
10に覆いを設けることも有効である。
した。この図からわかる通り、形成される気泡8はノズ
ルの後端から離れており、それが吐出に悪影響を及ぼす
ことはない。また、これらの気泡8は、撥水性多孔質体
10に接していることから、それが過剰に大きくなって
も、インクを加圧することによって容易に多孔質体10
を通して外気中に放出される。なおこの場合、撥水性多
孔質体10を通してインク成分が蒸発するのを防止する
ために、気体の透過を完全に阻止しない程度に多孔質体
10に覆いを設けることも有効である。
【0050】以上、水系のインクを用いる場合について
述べたが、それ以外の例えば、油性インク、前述のよう
な常温で固体であり加熱によって溶融して吐出されるイ
ンクなどを用いる場合でも、その使用インクに対して撥
インク性のある接触角の大きい面を共通液室内に設ける
ことによって、同様の性能を有する記録ヘッドを得るこ
とができる。
述べたが、それ以外の例えば、油性インク、前述のよう
な常温で固体であり加熱によって溶融して吐出されるイ
ンクなどを用いる場合でも、その使用インクに対して撥
インク性のある接触角の大きい面を共通液室内に設ける
ことによって、同様の性能を有する記録ヘッドを得るこ
とができる。
【0051】さらに上記では、バブルジェット方式の記
録ヘッドについて述べたが、例えばピエゾ素子を用いて
吐出を行なうものなどの、他方式のインクジェット記録
ヘッドにおいても、さらに、ノズル構造を有していなく
とも複数の吐出部を一体に形成した構造のインクジェッ
ト記録ヘッドであればそれに対しても、上記の手法を適
用することができる。
録ヘッドについて述べたが、例えばピエゾ素子を用いて
吐出を行なうものなどの、他方式のインクジェット記録
ヘッドにおいても、さらに、ノズル構造を有していなく
とも複数の吐出部を一体に形成した構造のインクジェッ
ト記録ヘッドであればそれに対しても、上記の手法を適
用することができる。
【0052】
【発明の効果】本発明により、インクの圧力変動による
クロストークの起こらない、高い周波数で駆動しても吐
出の安定した、作成される画像にムラの生じない、イン
クジェット記録ヘッドを得ることができる。
クロストークの起こらない、高い周波数で駆動しても吐
出の安定した、作成される画像にムラの生じない、イン
クジェット記録ヘッドを得ることができる。
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの1実施態
様を示す概略図である。
様を示す概略図である。
【図2】図1の記録ヘッドの断面図である。
【図3】本発明のインクジェット記録ヘッドの別の実施
態様を示す概略図である。
態様を示す概略図である。
【図4】図3の記録ヘッドの断面図である。
【図5】本発明のインクジェット記録ヘッドのさらに別
の実施態様を示す概略図である。
の実施態様を示す概略図である。
【図6】図5の記録ヘッドの断面図である。
【図7】インク中の気泡が平面に接する状態を示す図で
あり、Aは、平面が親水性の面である場合の図、Bは、
平面が撥水性の面である場合の図である。
あり、Aは、平面が親水性の面である場合の図、Bは、
平面が撥水性の面である場合の図である。
【図8】本発明に係わるインクジェット記録ヘッドを備
えた記録装置の1例を示す斜視図である。
えた記録装置の1例を示す斜視図である。
1 天板 2 フィルター 3 ネガ型ドライフィルム 4 ヒーターボード 5 ヒーター 6 撥水面 7 ノズル 8 気泡 9 支持体 10 撥水性多孔質体 11 チューブ接続部 12 インク供給チューブ 13 インク 16 キャリッジ 17 駆動モータ 18 駆動ベルト 19A,19B ガイドシャフト 20 インクジェットヘッドカートリッジ 22 クリーニング用モータ 23 伝動機構 24 プラテン 26 キャップ部材 30 ブレード 30A ブレード保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/05 B41J 2/055 B41J 2/175
Claims (4)
- 【請求項1】 複数のインク吐出部が一体に形成され、
しかも共通液室に連結された構造を有するインクジェッ
ト記録ヘッドにおいて、 前記共通液室が、前記インク吐出部と接続する前方の壁
面と、該前方の壁面と反対側の後方の壁面とを有し、該
後方の壁面に、該前方の壁面と反対方向に伸び、所定の
間隔をもって配列された複数の孔によって形成された、
これらの孔の配列方向に沿った断面が櫛形パターンをな
す構造が設けられており、かつ各孔内の壁面が撥インク
性であることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項2】 インク吐出エネルギー発生素子が電気エ
ネルギーを与えることによって発熱し、インクに状態変
化を生ぜしめて吐出を行なわせるための電気熱変換体で
ある、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項3】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐
出口が複数設けられているフルラインタイプのものであ
ることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット
記録ヘッド。 - 【請求項4】 記録媒体の被記録面に対向してインクを
吐出するためのインク吐出口が設けられている請求項1
に記載の記録ヘッドと、該記録ヘッドを載置するための
部材とを少なくとも具備するインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10301793A JP3320137B2 (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10301793A JP3320137B2 (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06312513A JPH06312513A (ja) | 1994-11-08 |
JP3320137B2 true JP3320137B2 (ja) | 2002-09-03 |
Family
ID=14342884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10301793A Expired - Fee Related JP3320137B2 (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3320137B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6742883B1 (en) | 1997-03-28 | 2004-06-01 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Ink jet head capable of reliably removing air bubbles from ink |
US20020030715A1 (en) | 2000-07-07 | 2002-03-14 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Ink jet recording device |
JP4741761B2 (ja) * | 2001-09-14 | 2011-08-10 | キヤノン株式会社 | インクジェット記録ヘッド、該インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法 |
JP4872294B2 (ja) * | 2005-09-29 | 2012-02-08 | 大日本印刷株式会社 | 微粒子含有インク用インクジェットヘッド |
-
1993
- 1993-04-28 JP JP10301793A patent/JP3320137B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06312513A (ja) | 1994-11-08 |
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