JPH0625223A - 2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの製造法 - Google Patents
2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの製造法Info
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- JPH0625223A JPH0625223A JP18503492A JP18503492A JPH0625223A JP H0625223 A JPH0625223 A JP H0625223A JP 18503492 A JP18503492 A JP 18503492A JP 18503492 A JP18503492 A JP 18503492A JP H0625223 A JPH0625223 A JP H0625223A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ジアリルジスフィドを塩素化して得られる
2,5−ビス(クロルメチル)−1,4−ジチアンを精
製後、メルカプト化剤と反応させて分子内の塩素原子を
メルカプト基に変換することにより2,5−ビス(メル
カプトメチル)−1,4−ジチアンを製造する。 【効果】 2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4
−ジチアンを収率良く、高純度で工業的に製造すること
ができる。
2,5−ビス(クロルメチル)−1,4−ジチアンを精
製後、メルカプト化剤と反応させて分子内の塩素原子を
メルカプト基に変換することにより2,5−ビス(メル
カプトメチル)−1,4−ジチアンを製造する。 【効果】 2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4
−ジチアンを収率良く、高純度で工業的に製造すること
ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学レンズ用ウレタン
樹脂のモノマーとして有用である2,5−ビス(メルカ
プトメチル)−1,4−ジチアンの製造法に関する。
樹脂のモノマーとして有用である2,5−ビス(メルカ
プトメチル)−1,4−ジチアンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】2,5−ビス(メルカプトメチル)−
1,4−ジチアンが優れた光学特性を持つウレタン樹脂
用のモノマーであることは、特開平3−236386号
公報により公知である。その製造法としてはジアリルジ
スルフィドと臭素とを反応させて得られる2,5−ビス
(ブロモメチル)−1,4−ジチアンにチオ尿素を反応
させ、水酸化ナトリウム水溶液で加水分解し塩酸酸性に
することにより目的物を得る方法が記載されている。
1,4−ジチアンが優れた光学特性を持つウレタン樹脂
用のモノマーであることは、特開平3−236386号
公報により公知である。その製造法としてはジアリルジ
スルフィドと臭素とを反応させて得られる2,5−ビス
(ブロモメチル)−1,4−ジチアンにチオ尿素を反応
させ、水酸化ナトリウム水溶液で加水分解し塩酸酸性に
することにより目的物を得る方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら2,5−
ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアンを経由する
2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン
の製造法には次のような問題点がある。
ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアンを経由する
2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン
の製造法には次のような問題点がある。
【0004】1)ジアリルジスルフィドと臭素とを反応
させて2,5−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチア
ンを得る反応で十分の収率を維持するためには−20℃
以下の反応温度が必要であり、−20℃より高いと収率
が著しく低下する。 2)2,5−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアン
は熱的に不安定な液状化合物で工業的に精製を行うこと
が困難である。 3)2,5−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアン
を精製せずに2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,
4−ジチアンに変換した場合、収率及び純度が低い。
させて2,5−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチア
ンを得る反応で十分の収率を維持するためには−20℃
以下の反応温度が必要であり、−20℃より高いと収率
が著しく低下する。 2)2,5−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアン
は熱的に不安定な液状化合物で工業的に精製を行うこと
が困難である。 3)2,5−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアン
を精製せずに2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,
4−ジチアンに変換した場合、収率及び純度が低い。
【0005】より詳しく説明すれば、上記1)の反応温
度の点は工業的規模での生産を行う場合、本反応が発熱
反応であることを考えれば、反応温度の維持に多大のエ
ネルギーを必要とすると共に特殊な設備を要することに
なり好ましくない。上記2)の精製については、2,5
−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアンが低温でな
いと結晶化しないため工業的規模での再結晶はエネルギ
ー的に不利である一方、2,5−ビス(ブロモメチル)
−1,4−ジチアンは熱的に不安定であるため蒸留によ
る精製では回収率が著しく低下してしまう。上記3)の
収率,純度の点については、2,5−ビス(ブロモメチ
ル)−1,4−ジチアンを未精製のまま2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンに変換した場
合、多くの不純物を伴うことになり、2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアンの蒸留精製時に不
純物,熱分解物の混入が避けられない。また、2,5−
ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアンをチオ尿素と
反応して得られるイソチウロニウム塩を単離精製する方
法をとっても、不純物が多いためにイソチウロニウム塩
が十分に得られず収量が低下する。
度の点は工業的規模での生産を行う場合、本反応が発熱
反応であることを考えれば、反応温度の維持に多大のエ
ネルギーを必要とすると共に特殊な設備を要することに
なり好ましくない。上記2)の精製については、2,5
−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアンが低温でな
いと結晶化しないため工業的規模での再結晶はエネルギ
ー的に不利である一方、2,5−ビス(ブロモメチル)
−1,4−ジチアンは熱的に不安定であるため蒸留によ
る精製では回収率が著しく低下してしまう。上記3)の
収率,純度の点については、2,5−ビス(ブロモメチ
ル)−1,4−ジチアンを未精製のまま2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンに変換した場
合、多くの不純物を伴うことになり、2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアンの蒸留精製時に不
純物,熱分解物の混入が避けられない。また、2,5−
ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアンをチオ尿素と
反応して得られるイソチウロニウム塩を単離精製する方
法をとっても、不純物が多いためにイソチウロニウム塩
が十分に得られず収量が低下する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、2,5−
ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを収率良
くかつ高純度で工業的に製造する方法を見出し、本発明
を完成した。
題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、2,5−
ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを収率良
くかつ高純度で工業的に製造する方法を見出し、本発明
を完成した。
【0007】本発明はすなわち、ジアリルビスルフィド
を塩素化して得られる2,5−ビス(クロロメチル)−
1,4−ジチアン(下記化学式(I)で示す)を精製
後、メルカプト化剤と反応させて分子内の塩素原子をメ
ルカプト基に変換させることをを特徴とする2,5−ビ
ス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン(下記化学
式(II)で示す)の製造法である。
を塩素化して得られる2,5−ビス(クロロメチル)−
1,4−ジチアン(下記化学式(I)で示す)を精製
後、メルカプト化剤と反応させて分子内の塩素原子をメ
ルカプト基に変換させることをを特徴とする2,5−ビ
ス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン(下記化学
式(II)で示す)の製造法である。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】本発明法の中間体である2,5−ビス(ク
ロロメチル)−1,4−ジチアンは既知化合物であり、
ジアリルジスルフィドに塩素化剤を反応させることによ
り合成することができる。この反応は通常有機溶媒中で
行われ、有機溶媒としては、ハロゲン化炭化水素類(例
えばジクロロメタン,1,2−ジクロロエタン,モノク
ロロベンゼン),炭化水素類(例えばペンタン,ヘキサ
ン,デカリンで、ベンゼン等の活性な芳香環を持つもの
を除く),エステル類(例えば酢酸エチル),ケトン類
(例えばアセトン,メチルエチルケトン),エーテル類
(例えばジエチルエーテル,モノグライム)が好まし
く、これらのうちでハロゲン化炭化水素類,エステル類
が特に好ましい。
ロロメチル)−1,4−ジチアンは既知化合物であり、
ジアリルジスルフィドに塩素化剤を反応させることによ
り合成することができる。この反応は通常有機溶媒中で
行われ、有機溶媒としては、ハロゲン化炭化水素類(例
えばジクロロメタン,1,2−ジクロロエタン,モノク
ロロベンゼン),炭化水素類(例えばペンタン,ヘキサ
ン,デカリンで、ベンゼン等の活性な芳香環を持つもの
を除く),エステル類(例えば酢酸エチル),ケトン類
(例えばアセトン,メチルエチルケトン),エーテル類
(例えばジエチルエーテル,モノグライム)が好まし
く、これらのうちでハロゲン化炭化水素類,エステル類
が特に好ましい。
【0011】ジアリルジスルフィドと有機溶媒の量関係
は特に限定されないが、溶媒1リットル当りジアリルジ
スルフィドが0.01〜10モル、より好ましくは0.
1〜5モルの範囲である。
は特に限定されないが、溶媒1リットル当りジアリルジ
スルフィドが0.01〜10モル、より好ましくは0.
1〜5モルの範囲である。
【0012】本反応に用いられる塩素化剤としては塩化
スルフリル及び塩素ガスがあり、特に塩素ガスが副生物
もなく安価であるため好ましい。
スルフリル及び塩素ガスがあり、特に塩素ガスが副生物
もなく安価であるため好ましい。
【0013】ジアリルジスルフィドと塩素化剤との量関
係はジアリルスルフィド1モルに対して塩素化剤が0.
5〜5.0モルであることが好ましく、特に好ましくは
0.9〜1.5モルである。
係はジアリルスルフィド1モルに対して塩素化剤が0.
5〜5.0モルであることが好ましく、特に好ましくは
0.9〜1.5モルである。
【0014】反応温度は−50℃〜+30℃の範囲であ
り、通常特に低温を必要とすることはないが、+30℃
を越えると徐々に収率が低下してくるため好ましくな
い。特に好ましい範囲は−10℃〜+15℃である。
り、通常特に低温を必要とすることはないが、+30℃
を越えると徐々に収率が低下してくるため好ましくな
い。特に好ましい範囲は−10℃〜+15℃である。
【0015】ジアリルジスルフィドと塩素化剤を反応さ
せる際、必要に応じて触媒として炭酸カルシウム等のア
ルカリ又はアルカリ土類金属の炭素塩を用いても良い。
触媒の添加量は、ジアリルスルフィド1モルに対して
0.001〜0.5モル、更に好ましくは0.005〜
0.2モルである。本反応は、塩素化剤の導入後、通常
0.1〜24時間で終了する。
せる際、必要に応じて触媒として炭酸カルシウム等のア
ルカリ又はアルカリ土類金属の炭素塩を用いても良い。
触媒の添加量は、ジアリルスルフィド1モルに対して
0.001〜0.5モル、更に好ましくは0.005〜
0.2モルである。本反応は、塩素化剤の導入後、通常
0.1〜24時間で終了する。
【0016】この様にして得られた2,5−ビス(クロ
ロメチル)−1,4−ジチアンは熱的に十分安定な化合
物であり、蒸留,クロマトグラフィー等の通常の手段に
よって容易に精製できるが、特に蒸留により精製するこ
とが工業的に好ましい。前述のように蒸留で効率良く精
製できることが中間体として2,5−ビス(ブロモメチ
ル)−1,4−ジチアンを用いる方法と比較して大きな
特徴である。また2,5−ビス(クロロメチル)−1,
4−ジチアンの段階で精製することにより、2,5−ビ
ス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの収率及び
純度を向上させることができる。
ロメチル)−1,4−ジチアンは熱的に十分安定な化合
物であり、蒸留,クロマトグラフィー等の通常の手段に
よって容易に精製できるが、特に蒸留により精製するこ
とが工業的に好ましい。前述のように蒸留で効率良く精
製できることが中間体として2,5−ビス(ブロモメチ
ル)−1,4−ジチアンを用いる方法と比較して大きな
特徴である。また2,5−ビス(クロロメチル)−1,
4−ジチアンの段階で精製することにより、2,5−ビ
ス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの収率及び
純度を向上させることができる。
【0017】次に、2,5−ビス(クロロメチル)−
1,4−ジチアンにメルカプト化剤を反応させて、分子
内の塩素原子をメルカプト基に変換する方法について述
べる。すなわち2,5−ビス(クロロメチル)−1,4
−ジチアンから2,5−ビス(メルカプトメチル)−
1,4−ジチアンを製造するには、ハロゲン化アルキル
からアルキルチオールを合成する公知の方法を用いるこ
とができる。例えば以下の5つの方法が代表的に挙げら
れる。
1,4−ジチアンにメルカプト化剤を反応させて、分子
内の塩素原子をメルカプト基に変換する方法について述
べる。すなわち2,5−ビス(クロロメチル)−1,4
−ジチアンから2,5−ビス(メルカプトメチル)−
1,4−ジチアンを製造するには、ハロゲン化アルキル
からアルキルチオールを合成する公知の方法を用いるこ
とができる。例えば以下の5つの方法が代表的に挙げら
れる。
【0018】1)2,5−ビス(クロロメチル)−1,
4−ジチアンをチオ尿素と反応させてイソチウロニウム
塩とした後、塩基により加水分解して2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアンとする方法。 2)2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
を水硫化アルカリ金属塩と反応させる方法。 3)2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
をO−アルキルジチオ炭酸アルカリ金属塩と反応させて
O−アルキルジチオ炭酸エステルとした後、加水分解し
て2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチア
ンとする方法。 4)2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
をチオ硫酸ナトリウムと反応させブント(Bunte) 塩とし
た後、酸で分解して2,5−ビス(メルカプトメチル)
−1,4−ジチアンとする方法。 5)2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
をチオカルボン酸アルカリ金属塩と反応させチオカルボ
ン酸エステルとした後、塩基で分解して2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンとする方法。 その他公知の方法を用いることももちろん可能である。
以下、上記の代表的方法1)〜5)の各々について詳し
く述べる。
4−ジチアンをチオ尿素と反応させてイソチウロニウム
塩とした後、塩基により加水分解して2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアンとする方法。 2)2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
を水硫化アルカリ金属塩と反応させる方法。 3)2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
をO−アルキルジチオ炭酸アルカリ金属塩と反応させて
O−アルキルジチオ炭酸エステルとした後、加水分解し
て2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチア
ンとする方法。 4)2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
をチオ硫酸ナトリウムと反応させブント(Bunte) 塩とし
た後、酸で分解して2,5−ビス(メルカプトメチル)
−1,4−ジチアンとする方法。 5)2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
をチオカルボン酸アルカリ金属塩と反応させチオカルボ
ン酸エステルとした後、塩基で分解して2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンとする方法。 その他公知の方法を用いることももちろん可能である。
以下、上記の代表的方法1)〜5)の各々について詳し
く述べる。
【0019】まず第1の方法について述べる。2,5−
ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンとチオ尿素と
の反応は通常極性溶媒中で行われる。ここで用いられる
極性溶媒としては、水,アルコール類(例えばメチルア
ルコール,エチルアルコール)および非プロトン性極性
溶媒(例えばジメチルスルホキシド,N,N−ジメチル
ホルムアミド)が挙げられるが、好ましいのは水,アル
コール類および両者の混合溶媒である。
ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンとチオ尿素と
の反応は通常極性溶媒中で行われる。ここで用いられる
極性溶媒としては、水,アルコール類(例えばメチルア
ルコール,エチルアルコール)および非プロトン性極性
溶媒(例えばジメチルスルホキシド,N,N−ジメチル
ホルムアミド)が挙げられるが、好ましいのは水,アル
コール類および両者の混合溶媒である。
【0020】2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−
ジチアンと溶媒の量関係は特に限定はされないが、溶媒
1リットル当り2,5−ビス(クロロメチル)−1,4
−ジチアンが0,01モル〜10モルが好ましく、より
好ましくは0.1モル〜5モルである。2,5−ビス
(クロロメチル)−1,4−ジチアンとチオ尿素の量関
係は2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
1モルに対してチオ尿素が1.0〜10.0モル、より
好ましくは1.8モル〜3.0モルである。反応温度は
特に制限されないが、10℃から溶媒の還流温度が好ま
しく、通常は加熱還流下に行われる。本反応は、通常
0.5〜24時間で終了する。
ジチアンと溶媒の量関係は特に限定はされないが、溶媒
1リットル当り2,5−ビス(クロロメチル)−1,4
−ジチアンが0,01モル〜10モルが好ましく、より
好ましくは0.1モル〜5モルである。2,5−ビス
(クロロメチル)−1,4−ジチアンとチオ尿素の量関
係は2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
1モルに対してチオ尿素が1.0〜10.0モル、より
好ましくは1.8モル〜3.0モルである。反応温度は
特に制限されないが、10℃から溶媒の還流温度が好ま
しく、通常は加熱還流下に行われる。本反応は、通常
0.5〜24時間で終了する。
【0021】上記の方法により2,5−ビス(クロロメ
チル)−1,4−ジチアンとチオ尿素を反応させるとイ
ソチウロニウム塩が析出する。その後の操作はイソチウ
ロニウム塩を濾取する方法と濾取しない方法があるが、
操作の簡便さと収率の点から後者の方法が好ましい。
2,5−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアンを用
いるときはイソチウロニウム塩を単離・精製しておかな
いと2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチ
アンの純度が低下してしまうのに対し、本発明では2,
5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンで精製で
きるので、イソチウロニウム塩での精製は特に必要とし
ない。
チル)−1,4−ジチアンとチオ尿素を反応させるとイ
ソチウロニウム塩が析出する。その後の操作はイソチウ
ロニウム塩を濾取する方法と濾取しない方法があるが、
操作の簡便さと収率の点から後者の方法が好ましい。
2,5−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアンを用
いるときはイソチウロニウム塩を単離・精製しておかな
いと2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチ
アンの純度が低下してしまうのに対し、本発明では2,
5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンで精製で
きるので、イソチウロニウム塩での精製は特に必要とし
ない。
【0022】イソチウロニウム塩を分解して2,5−ビ
ス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを得るに
は、通常塩基を用いる。好ましい塩基としては、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸
化ナトリウム,水酸化カルシウム),アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム)
およびアミン(例えばアンモニア水,トリエチルアミ
ン,アニリン)が挙げられるが、これらのうちでアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が特に好まし
い。ここで用いられる塩基の使用量は、2,5−ビス
(クロロメチル)−1,4−ジチアン1モルに対して
1.0〜4.0モルが好ましく、より好ましくは1.6
〜2.2モルである。
ス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを得るに
は、通常塩基を用いる。好ましい塩基としては、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸
化ナトリウム,水酸化カルシウム),アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム)
およびアミン(例えばアンモニア水,トリエチルアミ
ン,アニリン)が挙げられるが、これらのうちでアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が特に好まし
い。ここで用いられる塩基の使用量は、2,5−ビス
(クロロメチル)−1,4−ジチアン1モルに対して
1.0〜4.0モルが好ましく、より好ましくは1.6
〜2.2モルである。
【0023】本反応の溶媒としては水,アルコール類
(例えばエチルアルコール),両者の混合溶媒および非
プロトン性極性溶媒(例えばジメチルスルホキシド,
N,N−ジメチルホルムアミド)が好ましいが、特に好
ましいのは水,アルコール類およびそれらの混合溶媒で
ある。溶媒の使用量は特に限定されないが、溶媒1リッ
トル当りイソチウロニウム塩が0.01〜10モルが好
ましく、より好ましくは0.1モル〜5モルである。本
反応の反応温度は特に限定されないが、通常は溶媒の還
流温度で行われる。本反応は通常0.5〜24時間で終
了し、鉱酸で酸性にして2,5−ビス(メルカプトメチ
ル)−1,4−ジチアンを単離する。
(例えばエチルアルコール),両者の混合溶媒および非
プロトン性極性溶媒(例えばジメチルスルホキシド,
N,N−ジメチルホルムアミド)が好ましいが、特に好
ましいのは水,アルコール類およびそれらの混合溶媒で
ある。溶媒の使用量は特に限定されないが、溶媒1リッ
トル当りイソチウロニウム塩が0.01〜10モルが好
ましく、より好ましくは0.1モル〜5モルである。本
反応の反応温度は特に限定されないが、通常は溶媒の還
流温度で行われる。本反応は通常0.5〜24時間で終
了し、鉱酸で酸性にして2,5−ビス(メルカプトメチ
ル)−1,4−ジチアンを単離する。
【0024】次に第2の方法について述べる。本法は
2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンと水
硫化アルカリ金属塩を反応させて直接2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアンを製造する反応で
ある。
2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンと水
硫化アルカリ金属塩を反応させて直接2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアンを製造する反応で
ある。
【0025】ここで用いられる水硫化アルカリ金属塩と
しては水硫化ナトリウムおよび水硫化カリウムが好まし
い。2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
と水硫化アルカリ金属塩の量関係は2,5−ビス(クロ
ロメチル)−1,4−ジチアン1モルに対して水硫化ア
ルカリ金属塩が2.0〜20.0モルであることが好ま
しく、より好ましくは3.0〜10.0モルである。
しては水硫化ナトリウムおよび水硫化カリウムが好まし
い。2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
と水硫化アルカリ金属塩の量関係は2,5−ビス(クロ
ロメチル)−1,4−ジチアン1モルに対して水硫化ア
ルカリ金属塩が2.0〜20.0モルであることが好ま
しく、より好ましくは3.0〜10.0モルである。
【0026】本反応に用いられる溶媒としては、水,ア
ルコール類(例えばメチルアルコール,エチルアルコー
ル),両者の混合溶媒および非プロトン性極性溶媒(例
えばジメチルスルホキシド,N,N−ジメチルホルムア
ミド)が好ましいが、これらのうちで特に好ましのは
水,アルコール類および両者の混合溶媒である。2,5
−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンと溶媒の量
関係は特に限定はされないが、溶媒1リットル当り2,
5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンが0.0
1モル〜10モルが好ましく、特に好ましくは0.1モ
ル〜5モルである。また本反応ではスルフィドの生成を
抑えるため、水硫化アルカリ金属塩の溶液を硫化水素で
飽和にしておくのが好ましい。反応温度は特に制限され
ないが、10℃から溶媒の還流温度が好ましく、通常は
加熱還流下に行う。本反応は、通常0.1〜24時間で
終了し、鉱酸で酸性にして2,5−ビス(メルカプトメ
チル)−1,4−ジチアンを単離する。
ルコール類(例えばメチルアルコール,エチルアルコー
ル),両者の混合溶媒および非プロトン性極性溶媒(例
えばジメチルスルホキシド,N,N−ジメチルホルムア
ミド)が好ましいが、これらのうちで特に好ましのは
水,アルコール類および両者の混合溶媒である。2,5
−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンと溶媒の量
関係は特に限定はされないが、溶媒1リットル当り2,
5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンが0.0
1モル〜10モルが好ましく、特に好ましくは0.1モ
ル〜5モルである。また本反応ではスルフィドの生成を
抑えるため、水硫化アルカリ金属塩の溶液を硫化水素で
飽和にしておくのが好ましい。反応温度は特に制限され
ないが、10℃から溶媒の還流温度が好ましく、通常は
加熱還流下に行う。本反応は、通常0.1〜24時間で
終了し、鉱酸で酸性にして2,5−ビス(メルカプトメ
チル)−1,4−ジチアンを単離する。
【0027】次に第3の方法について述べる。O−アル
キルジチオ炭酸アルカリ金属塩のアルキル基として好適
なものの例としては、炭素数1〜6の直鎖状,分岐鎖状
または環状のアルキル基が挙げられるが、特に好ましい
のは直鎖状のアルキル基である。また、O−アルキルジ
チオ炭酸アルカリ金属塩のアルカリ金属として好適なも
のの例としては、ナトリウムおよびカリウムが挙げられ
る。
キルジチオ炭酸アルカリ金属塩のアルキル基として好適
なものの例としては、炭素数1〜6の直鎖状,分岐鎖状
または環状のアルキル基が挙げられるが、特に好ましい
のは直鎖状のアルキル基である。また、O−アルキルジ
チオ炭酸アルカリ金属塩のアルカリ金属として好適なも
のの例としては、ナトリウムおよびカリウムが挙げられ
る。
【0028】2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−
ジチアンとO−アルキルジチオ炭酸アルカリ金属塩との
反応は通常有機溶媒中で行われる。ここで用いられる有
機溶媒としては、ケトン類(例えばアセトン,メチルエ
チルケトン),エーテル類(例えばジエチルエーテル,
モノグライム),アルコール類(例えばメチルアルコー
ル,エチルアルコール)および非プロトン性極性溶媒
(例えばジメチルスルホキシド,N,N−ジメチルホル
ムアミド)等が挙げられるが、これらのうちで好ましい
のはケトン類およびアルコール類である。2,5−ビス
(クロロメチル)−1,4−ジチアンと溶媒の量関係は
特に限定はされないが、溶媒1リットル当り2,5−ビ
ス(クロロメチル)−1,4−ジチアンが0.01モル
〜10モルが好ましく、特に好ましくは0.1モル〜5
モルである。
ジチアンとO−アルキルジチオ炭酸アルカリ金属塩との
反応は通常有機溶媒中で行われる。ここで用いられる有
機溶媒としては、ケトン類(例えばアセトン,メチルエ
チルケトン),エーテル類(例えばジエチルエーテル,
モノグライム),アルコール類(例えばメチルアルコー
ル,エチルアルコール)および非プロトン性極性溶媒
(例えばジメチルスルホキシド,N,N−ジメチルホル
ムアミド)等が挙げられるが、これらのうちで好ましい
のはケトン類およびアルコール類である。2,5−ビス
(クロロメチル)−1,4−ジチアンと溶媒の量関係は
特に限定はされないが、溶媒1リットル当り2,5−ビ
ス(クロロメチル)−1,4−ジチアンが0.01モル
〜10モルが好ましく、特に好ましくは0.1モル〜5
モルである。
【0029】2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−
ジチアンとO−アルキルジチオ炭酸アルカリ金属塩の量
関係は2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチア
ン1モルに対してO−アルキルジチオ炭酸アルカリ金属
塩が1.0〜10.0モルであることが好ましく、より
好ましくは1.8〜3.0モルである。反応温度は特に
限定されないが、10℃から溶媒の還流温度が好まし
く、通常は加熱還流下に行われる。本反応は、通常0.
5〜24時間で終了する。本法により2,5−ビス(ク
ロロメチル)−1,4−ジチアンとO−アルキルジチオ
炭酸アルカリ金属塩を反応させるとO−アルキルジチオ
炭酸エステルが生成する。
ジチアンとO−アルキルジチオ炭酸アルカリ金属塩の量
関係は2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチア
ン1モルに対してO−アルキルジチオ炭酸アルカリ金属
塩が1.0〜10.0モルであることが好ましく、より
好ましくは1.8〜3.0モルである。反応温度は特に
限定されないが、10℃から溶媒の還流温度が好まし
く、通常は加熱還流下に行われる。本反応は、通常0.
5〜24時間で終了する。本法により2,5−ビス(ク
ロロメチル)−1,4−ジチアンとO−アルキルジチオ
炭酸アルカリ金属塩を反応させるとO−アルキルジチオ
炭酸エステルが生成する。
【0030】O−アルキルジチオ炭酸エステルを分解し
て2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチア
ンを得るには、酸または塩基を用いる。通常用いる酸と
しては鉱酸(例えば塩酸,硫酸,硝酸)が挙げられる。
ここで用いられる酸の使用量は、2,5−ビス(クロロ
メチル)−1,4−ジチアン1モルに対して0.01〜
2.0モルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5
モルである。また、通常用いる塩基としてはアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸化ナ
トリウム,水酸化カルシウム),アルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の炭酸塩(例えば炭酸カリウム),アミ
ン(例えばアンモニア水,トリエチルアミン,アニリ
ン)が挙げられる。ここで用いられる塩基の使用量は、
2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン1モ
ルに対して1.0〜4.0モルが好ましく、より好まし
くは1.6〜2.2モルである。
て2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチア
ンを得るには、酸または塩基を用いる。通常用いる酸と
しては鉱酸(例えば塩酸,硫酸,硝酸)が挙げられる。
ここで用いられる酸の使用量は、2,5−ビス(クロロ
メチル)−1,4−ジチアン1モルに対して0.01〜
2.0モルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5
モルである。また、通常用いる塩基としてはアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸化ナ
トリウム,水酸化カルシウム),アルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の炭酸塩(例えば炭酸カリウム),アミ
ン(例えばアンモニア水,トリエチルアミン,アニリ
ン)が挙げられる。ここで用いられる塩基の使用量は、
2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン1モ
ルに対して1.0〜4.0モルが好ましく、より好まし
くは1.6〜2.2モルである。
【0031】本反応の溶媒としては水,アルコール類
(例えばエチルアルコール),両者の混合溶媒および非
プロトン性極性溶媒(例えばジメチルスルホキシド,
N,N−ジメチルホルムアミド)が好ましいが、特に好
ましいのは水,アルコール類および両者の混合溶媒であ
る。溶媒の使用量は特に限定されないが、溶媒1リット
ル当りO−アルキルジチオ炭酸エステルが0.01〜1
0モルが好ましく、より好ましくは0.1モル〜5モル
である。O−アルキルジチオ炭酸エステルを分解する時
の温度は特に限定されないが0℃から溶媒の還流温度が
好ましく、より好ましくは50℃〜溶媒の還流温度であ
る。本反応は、通常0.1〜24時間で終了し、酸を用
いた場合にはそのまま、塩基を用いた場合には酸で酸性
にして2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジ
チアンを単離する。
(例えばエチルアルコール),両者の混合溶媒および非
プロトン性極性溶媒(例えばジメチルスルホキシド,
N,N−ジメチルホルムアミド)が好ましいが、特に好
ましいのは水,アルコール類および両者の混合溶媒であ
る。溶媒の使用量は特に限定されないが、溶媒1リット
ル当りO−アルキルジチオ炭酸エステルが0.01〜1
0モルが好ましく、より好ましくは0.1モル〜5モル
である。O−アルキルジチオ炭酸エステルを分解する時
の温度は特に限定されないが0℃から溶媒の還流温度が
好ましく、より好ましくは50℃〜溶媒の還流温度であ
る。本反応は、通常0.1〜24時間で終了し、酸を用
いた場合にはそのまま、塩基を用いた場合には酸で酸性
にして2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジ
チアンを単離する。
【0032】次に第4の方法について述べる。2,5−
ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンとチオ硫酸ナ
トリウムとの反応は通常極性溶媒中で行われる。ここで
用いられる極性溶媒としては、水,アルコール類(例え
ばメチルアルコール,エチルアルコール)および非プロ
トン性極性溶媒(例えばジメチルスルホキシド,N,N
−ジメチルホルムアミド)が挙げられるが、水,アルコ
ール類および両者の混合溶媒が好ましく、特に好ましい
のは水とアルコール類の混合溶媒である。
ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンとチオ硫酸ナ
トリウムとの反応は通常極性溶媒中で行われる。ここで
用いられる極性溶媒としては、水,アルコール類(例え
ばメチルアルコール,エチルアルコール)および非プロ
トン性極性溶媒(例えばジメチルスルホキシド,N,N
−ジメチルホルムアミド)が挙げられるが、水,アルコ
ール類および両者の混合溶媒が好ましく、特に好ましい
のは水とアルコール類の混合溶媒である。
【0033】2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−
ジチアンと溶媒の量関係は特に限定はされないが、溶媒
1リットル当り2,5−ビス(クロロメチル)−1,4
−ジチアンが0.01モル〜10モルが好ましく、特に
好ましくは0.1モル〜5モルである。2,5−ビス
(クロロメチル)−1,4−ジチアンとチオ硫酸ナトリ
ウムとの量関係は2,5−ビス(クロロメチル)−1,
4−ジチアン1モルに対してチオ硫酸ナトリウムが1.
0〜10.0モルであることが好ましく、より好ましく
は1.8〜3.0モルである。反応温度は特に限定され
ないが、10℃から溶媒の還流温度が好ましく、通常は
加熱還流下に行われる。本反応は、通常0.5〜24時
間で終了する。
ジチアンと溶媒の量関係は特に限定はされないが、溶媒
1リットル当り2,5−ビス(クロロメチル)−1,4
−ジチアンが0.01モル〜10モルが好ましく、特に
好ましくは0.1モル〜5モルである。2,5−ビス
(クロロメチル)−1,4−ジチアンとチオ硫酸ナトリ
ウムとの量関係は2,5−ビス(クロロメチル)−1,
4−ジチアン1モルに対してチオ硫酸ナトリウムが1.
0〜10.0モルであることが好ましく、より好ましく
は1.8〜3.0モルである。反応温度は特に限定され
ないが、10℃から溶媒の還流温度が好ましく、通常は
加熱還流下に行われる。本反応は、通常0.5〜24時
間で終了する。
【0034】本法により2,5−ビス(クロロメチル)
−1,4−ジチアンとチオ硫酸ナトリウムを反応させる
とBunte 塩が生成する。Bunte 塩を分解して2,5−ビ
ス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを得るに
は、通常鉱酸(例えば塩酸,硫酸,硝酸)等の酸が用い
られる。ここで用いられる酸の使用量は、2,5−ビス
(クロロメチル)−1,4−ジチアン1モルに対して
1.0〜4.0モルが好ましく、より好ましくは1.6
〜2.2モルである。本反応の溶媒としては水,アルコ
ール類(例えばエチルアルコール),両者の混合溶媒お
よび非プロトン性極性溶媒(例えばジメチルスルホキシ
ド,N,N−ジメチルホルムアミド)が好ましいが、特
に好ましいのは水,アルコール類および両者の混合溶媒
である。溶媒の使用量は特に限定されないが、溶媒1リ
ットル当りBunte 塩が0.01〜10モルが好ましく、
より好ましくは0.1モル〜5モルである。本反応の反
応温度は0℃から溶媒の還流温度が好ましく、より好ま
しくは20℃〜70℃である。本反応は、通常0.1〜
24時間で終了し、酸性のまま2,5−ビス(メルカプ
トメチル)−1,4−ジチアンを単離する。
−1,4−ジチアンとチオ硫酸ナトリウムを反応させる
とBunte 塩が生成する。Bunte 塩を分解して2,5−ビ
ス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを得るに
は、通常鉱酸(例えば塩酸,硫酸,硝酸)等の酸が用い
られる。ここで用いられる酸の使用量は、2,5−ビス
(クロロメチル)−1,4−ジチアン1モルに対して
1.0〜4.0モルが好ましく、より好ましくは1.6
〜2.2モルである。本反応の溶媒としては水,アルコ
ール類(例えばエチルアルコール),両者の混合溶媒お
よび非プロトン性極性溶媒(例えばジメチルスルホキシ
ド,N,N−ジメチルホルムアミド)が好ましいが、特
に好ましいのは水,アルコール類および両者の混合溶媒
である。溶媒の使用量は特に限定されないが、溶媒1リ
ットル当りBunte 塩が0.01〜10モルが好ましく、
より好ましくは0.1モル〜5モルである。本反応の反
応温度は0℃から溶媒の還流温度が好ましく、より好ま
しくは20℃〜70℃である。本反応は、通常0.1〜
24時間で終了し、酸性のまま2,5−ビス(メルカプ
トメチル)−1,4−ジチアンを単離する。
【0035】次に第5の方法について述べる。チオカル
ボン酸アルカリ金属塩のチオカルボン酸として好適なも
のの例としては、炭素数1〜8の直鎖状,分岐鎖状ある
いは環状の飽和もしくは不飽和チオカルボン酸が挙げら
れるが、特に好ましいのは炭素数2〜4の飽和チオカル
ボン酸およびチオ安息香酸である。また、チオカルボン
酸アルカリ金属塩のアルカリ金属として好適なものの例
としてはナトリウムおよびカリウムが挙げられる。
ボン酸アルカリ金属塩のチオカルボン酸として好適なも
のの例としては、炭素数1〜8の直鎖状,分岐鎖状ある
いは環状の飽和もしくは不飽和チオカルボン酸が挙げら
れるが、特に好ましいのは炭素数2〜4の飽和チオカル
ボン酸およびチオ安息香酸である。また、チオカルボン
酸アルカリ金属塩のアルカリ金属として好適なものの例
としてはナトリウムおよびカリウムが挙げられる。
【0036】2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−
ジチアンとチオカルボン酸アルカリ金属塩との反応は通
常有機溶媒中で行われる。ここで用いられる有機溶媒と
しては、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロホルム,
ジクロロエタン),ケトン類(例えばアセトン,メチル
エチルケトン),エーテル類(例えばジエチルエーテ
ル,モノグライム),アルコール類(例えばメチルアル
コール,エチルアルコール)および非プロトン性極性溶
媒(例えばジメチルスルホキシド,N,N−ジメチルホ
ルムアミド)等が挙げられるが、これらのうちで好まし
いのはケトン類およびアルコール類である。2,5−ビ
ス(クロロメチル)−1,4−ジチアンと溶媒の量関係
は特に限定はされないが、溶媒1リットル当り2,5−
ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンが0.01モ
ル〜10モルが好ましく、特に好ましくは0.1モル〜
5モルである。
ジチアンとチオカルボン酸アルカリ金属塩との反応は通
常有機溶媒中で行われる。ここで用いられる有機溶媒と
しては、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロホルム,
ジクロロエタン),ケトン類(例えばアセトン,メチル
エチルケトン),エーテル類(例えばジエチルエーテ
ル,モノグライム),アルコール類(例えばメチルアル
コール,エチルアルコール)および非プロトン性極性溶
媒(例えばジメチルスルホキシド,N,N−ジメチルホ
ルムアミド)等が挙げられるが、これらのうちで好まし
いのはケトン類およびアルコール類である。2,5−ビ
ス(クロロメチル)−1,4−ジチアンと溶媒の量関係
は特に限定はされないが、溶媒1リットル当り2,5−
ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンが0.01モ
ル〜10モルが好ましく、特に好ましくは0.1モル〜
5モルである。
【0037】2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−
ジチアンとチオカルボン酸アルカリ金属塩の量関係は
2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン1モ
ルに対してチオカルボン酸アルカリ金属塩が1.0〜1
0.0モルであることが好ましく、より好ましくは1.
8〜3.0モルである。反応温度は特に限定されない
が、10℃から溶媒の還流温度が好ましく、通常は加熱
還流下に行われる。本反応は、通常0.5〜24時間で
終了する。
ジチアンとチオカルボン酸アルカリ金属塩の量関係は
2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン1モ
ルに対してチオカルボン酸アルカリ金属塩が1.0〜1
0.0モルであることが好ましく、より好ましくは1.
8〜3.0モルである。反応温度は特に限定されない
が、10℃から溶媒の還流温度が好ましく、通常は加熱
還流下に行われる。本反応は、通常0.5〜24時間で
終了する。
【0038】本法により2,5−ビス(クロロメチル)
−1,4−ジチアンとチオカルボン酸アルカリ金属塩を
反応させるとチオカルボン酸エステルが生成する。チオ
カルボン酸エステルを分解して2,5−ビス(メルカプ
トメチル)−1,4−ジチアンを得るには、通常塩基を
用いる。ここで用いられる塩基としてはアルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリ
ウム,水酸化カルシウム),アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の炭酸塩(例えば炭酸カリウム),アミン
(例えばアンモニア水,トリエチルアミン,アニリン)
が挙げられる。ここで用いられる塩基の使用量は、2,
5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン1モルに
対して1.0〜4.0モルが好ましく、より好ましくは
1.6〜2.2モルである。チオカルボン酸エステルを
分解する時の温度は特に限定されないが、0℃から溶媒
の還流温度が好ましく、より好ましくは20℃〜50℃
である。本反応は、通常0.1〜24時間で終了し、酸
で酸性にして2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,
4−ジチアンを単離する。
−1,4−ジチアンとチオカルボン酸アルカリ金属塩を
反応させるとチオカルボン酸エステルが生成する。チオ
カルボン酸エステルを分解して2,5−ビス(メルカプ
トメチル)−1,4−ジチアンを得るには、通常塩基を
用いる。ここで用いられる塩基としてはアルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリ
ウム,水酸化カルシウム),アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の炭酸塩(例えば炭酸カリウム),アミン
(例えばアンモニア水,トリエチルアミン,アニリン)
が挙げられる。ここで用いられる塩基の使用量は、2,
5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン1モルに
対して1.0〜4.0モルが好ましく、より好ましくは
1.6〜2.2モルである。チオカルボン酸エステルを
分解する時の温度は特に限定されないが、0℃から溶媒
の還流温度が好ましく、より好ましくは20℃〜50℃
である。本反応は、通常0.1〜24時間で終了し、酸
で酸性にして2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,
4−ジチアンを単離する。
【0039】上記の1)〜5)の方法により得られた
2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン
は、溶媒抽出,クロマトグラフィー,蒸留等の通常の手
段により容易に精製され、目的とする光学レンズ用ウレ
タン樹脂に適した純度で得られる。
2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン
は、溶媒抽出,クロマトグラフィー,蒸留等の通常の手
段により容易に精製され、目的とする光学レンズ用ウレ
タン樹脂に適した純度で得られる。
【0040】
【作用及び発明の効果】一般に求核置換によりハロゲン
原子をメルカプト基に変換する反応においては、ハロゲ
ン原子の脱離基としての活性の点から臭素原子の方が塩
素原子より好ましいとされており、塩素原子の場合は副
生成物による収率の低下,反応速度の低下が認められる
場合が多い。しかしながら、2,5−ビス(クロロメチ
ル)−1,4−ジチアンおよび2,5−ビス(ブロモメ
チル)−1,4−ジチアンの場合、両者とも反応はハロ
ゲン原子がβ位にある硫黄原子により分子内求核置換を
受けた環状エピスルフォニウム塩を中間体として経由し
ていると考えられる。
原子をメルカプト基に変換する反応においては、ハロゲ
ン原子の脱離基としての活性の点から臭素原子の方が塩
素原子より好ましいとされており、塩素原子の場合は副
生成物による収率の低下,反応速度の低下が認められる
場合が多い。しかしながら、2,5−ビス(クロロメチ
ル)−1,4−ジチアンおよび2,5−ビス(ブロモメ
チル)−1,4−ジチアンの場合、両者とも反応はハロ
ゲン原子がβ位にある硫黄原子により分子内求核置換を
受けた環状エピスルフォニウム塩を中間体として経由し
ていると考えられる。
【0041】従ってハロゲン原子が臭素原子であろうと
塩素原子であろうとこの中間体を経由する限り、同様の
反応性と収率で反応が進行するものと予想される。実
際、チオ尿素等のメルカプト化剤と2,5−ビス(クロ
ロメチル)−1,4−ジチアンとの反応で2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを得る反応は
十分短時間のうちに終了し、収率も2,5−ビス(ブロ
モメチル)−1,4−ジチアンの場合と殆ど変わらなか
った。その上、2,5−ビス(クロロメチル)−1,4
−ジチアンを用いて2,5−ビス(メルカプトメチル)
−1,4−ジチアンを製造する方法は、2,5−ビス
(ブロモメチル)−1,4−ジチアンを用いて2,5−
ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを製造す
る方法に比較して、以下の様な大きな工業的利点をもた
らすことができる。
塩素原子であろうとこの中間体を経由する限り、同様の
反応性と収率で反応が進行するものと予想される。実
際、チオ尿素等のメルカプト化剤と2,5−ビス(クロ
ロメチル)−1,4−ジチアンとの反応で2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを得る反応は
十分短時間のうちに終了し、収率も2,5−ビス(ブロ
モメチル)−1,4−ジチアンの場合と殆ど変わらなか
った。その上、2,5−ビス(クロロメチル)−1,4
−ジチアンを用いて2,5−ビス(メルカプトメチル)
−1,4−ジチアンを製造する方法は、2,5−ビス
(ブロモメチル)−1,4−ジチアンを用いて2,5−
ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを製造す
る方法に比較して、以下の様な大きな工業的利点をもた
らすことができる。
【0042】1)ジアリルジスルフィドと塩素化剤の反
応は、臭素との反応のような−20℃以下の低温を維持
する必要はなく、+30℃以下に反応温度をを抑制すれ
ばほぼ同様の収率で2,5−ビス(クロロメチル)−
1,4−ジチアンが得られる。そして反応温度を上げる
ことにより副生成物が変化するが、2,5−ビス(クロ
ロメチル)−1,4−ジチアンの精製および2,5−ビ
ス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの収率,純
度への影響は認められないので、2,5−ビス(ブロモ
メチル)−1,4−ジチアンの場合のようにハロゲン化
の際に多大のエネルギーと特殊な装置を必要としない。
従って2,5−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチア
ンを経由する2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,
4−ジチアンの製造方法で挙げた前述の第1の欠点を克
服できる。 2)2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
は2,5−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアンに
比べてはるかに熱的に安定であり、2,5−ビス(ブロ
モメチル)−1,4−ジチアンでは不向きな蒸留による
精製が可能である。従って2,5−ビス(ブロモメチ
ル)−1,4−ジチアンを経由する2,5−ビス(メル
カプトメチル)−1,4−ジチアンの製造方法が挙げた
前述の第2の欠点を克服できる。 3)2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
で精製できるので、2,5−ビス(ブロモメチル)−
1,4−ジチアンを用いた場合に比べて夾雑物が少な
く、メルカプト化剤との反応で2,5−ビス(メルカプ
トメチル)−1,4−ジチアンに変換した場合の収率,
純度が共に良い。また、イソチウロニウム塩を単離する
場合でもその純度および単離収率が良い。従って2,5
−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアンを用いる
2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン
の製造方法で挙げた前述の第3の欠点を克服できる。 4)臭素に比べて塩素化剤は安価であり、従って2,5
−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンをより
安価に製造できる。 以上のように、本発明法によれば、光学レンズ用ウレタ
ン樹脂のモノマーとして有用である2,5−ビス(メル
カプトメチル)−1,4−ジチアンを、特殊な設備を用
いずに収率良くかつ高純度で工業的に製造することがで
きる。
応は、臭素との反応のような−20℃以下の低温を維持
する必要はなく、+30℃以下に反応温度をを抑制すれ
ばほぼ同様の収率で2,5−ビス(クロロメチル)−
1,4−ジチアンが得られる。そして反応温度を上げる
ことにより副生成物が変化するが、2,5−ビス(クロ
ロメチル)−1,4−ジチアンの精製および2,5−ビ
ス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの収率,純
度への影響は認められないので、2,5−ビス(ブロモ
メチル)−1,4−ジチアンの場合のようにハロゲン化
の際に多大のエネルギーと特殊な装置を必要としない。
従って2,5−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチア
ンを経由する2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,
4−ジチアンの製造方法で挙げた前述の第1の欠点を克
服できる。 2)2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
は2,5−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアンに
比べてはるかに熱的に安定であり、2,5−ビス(ブロ
モメチル)−1,4−ジチアンでは不向きな蒸留による
精製が可能である。従って2,5−ビス(ブロモメチ
ル)−1,4−ジチアンを経由する2,5−ビス(メル
カプトメチル)−1,4−ジチアンの製造方法が挙げた
前述の第2の欠点を克服できる。 3)2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
で精製できるので、2,5−ビス(ブロモメチル)−
1,4−ジチアンを用いた場合に比べて夾雑物が少な
く、メルカプト化剤との反応で2,5−ビス(メルカプ
トメチル)−1,4−ジチアンに変換した場合の収率,
純度が共に良い。また、イソチウロニウム塩を単離する
場合でもその純度および単離収率が良い。従って2,5
−ビス(ブロモメチル)−1,4−ジチアンを用いる
2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン
の製造方法で挙げた前述の第3の欠点を克服できる。 4)臭素に比べて塩素化剤は安価であり、従って2,5
−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンをより
安価に製造できる。 以上のように、本発明法によれば、光学レンズ用ウレタ
ン樹脂のモノマーとして有用である2,5−ビス(メル
カプトメチル)−1,4−ジチアンを、特殊な設備を用
いずに収率良くかつ高純度で工業的に製造することがで
きる。
【0043】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。
明する。
【0044】実施例1 ジアリルジスルフィド146g(1.0mol)をジク
ロロメタン1000mlに溶解し、氷浴中で内温を3〜
10℃に保ちながら塩素(75g,1.05mol)を
2.5時間かけて導入した。さらに20℃で3時間攪拌
した後、ジクロロメタンを減圧下留去し、橙色液体を2
20g得た。この橙色液体を減圧下蒸留し、2,5−ビ
ス(クロロメチル)−1,4−ジチアンを沸点110℃
/0.3Torrの留分として156.8g得た。(収率7
2.2%)。ガスクロマトグラフィー分析により純度は
97.3%で、定量値から蒸留による分解率は5%以下
であった。
ロロメタン1000mlに溶解し、氷浴中で内温を3〜
10℃に保ちながら塩素(75g,1.05mol)を
2.5時間かけて導入した。さらに20℃で3時間攪拌
した後、ジクロロメタンを減圧下留去し、橙色液体を2
20g得た。この橙色液体を減圧下蒸留し、2,5−ビ
ス(クロロメチル)−1,4−ジチアンを沸点110℃
/0.3Torrの留分として156.8g得た。(収率7
2.2%)。ガスクロマトグラフィー分析により純度は
97.3%で、定量値から蒸留による分解率は5%以下
であった。
【0045】この2,5−ビス(クロロメチル)−1,
4−ジチアン156.8g(0.72mol)をエチル
アルコール220mlに加え、チオ尿素109.7g
(1.44mol)を加えて還流下3時間攪拌した。析
出したイソチウロニウム塩を濾取し、乾燥後水150m
lに分散させて20%水酸化ナトリウム水溶液290g
を加えて3時間還流させた。6N塩酸で酸性(pH3)
とし、ベンゼン350mlで抽出後、減圧下ベンゼンを
留去し、130.5gの残渣を得た。この残渣を減圧蒸
留し、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジ
チアンを沸点145℃/0.2Torrの留分、無色透明な
液体として99.7g得た(2,5−ビス(クロロメチ
ル)−1,4−ジチアンからの収率65.2%)。ガス
クロマトグラフィー分析による純度は99.8%であ
り、光学レンズ用のモノマーとして十分の純度であっ
た。
4−ジチアン156.8g(0.72mol)をエチル
アルコール220mlに加え、チオ尿素109.7g
(1.44mol)を加えて還流下3時間攪拌した。析
出したイソチウロニウム塩を濾取し、乾燥後水150m
lに分散させて20%水酸化ナトリウム水溶液290g
を加えて3時間還流させた。6N塩酸で酸性(pH3)
とし、ベンゼン350mlで抽出後、減圧下ベンゼンを
留去し、130.5gの残渣を得た。この残渣を減圧蒸
留し、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジ
チアンを沸点145℃/0.2Torrの留分、無色透明な
液体として99.7g得た(2,5−ビス(クロロメチ
ル)−1,4−ジチアンからの収率65.2%)。ガス
クロマトグラフィー分析による純度は99.8%であ
り、光学レンズ用のモノマーとして十分の純度であっ
た。
【0046】実施例2 実施例1と同様にして得た2,5−ビス(クロロメチ
ル)−1,4−ジチアン155.9g(0.72mo
l)をエチルアルコール220mlに加え、チオ尿素1
09.3g(1.44mol)を加えて還流下3時間攪
拌した。さらに20%水酸化ナトリウム水溶液285g
を加えて3時間還流させた。6N塩酸で酸性(pH4)
とし、ベンゼン350mlで抽出後、減圧下ベンゼンを
留去し、142.3gの残渣を得た。この残渣を減圧蒸
留し、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジ
チアンを沸点142℃/0.2Torrの留分、無色透明な
液体として113.7g得た(2,5−ビス(クロロメ
チル)−1,4−ジチアンからの収率74.6%)。ガ
スクロマトグラフィー分析による純度は99.6%であ
り、光学レンズ用のモノマーとして十分の純度であっ
た。
ル)−1,4−ジチアン155.9g(0.72mo
l)をエチルアルコール220mlに加え、チオ尿素1
09.3g(1.44mol)を加えて還流下3時間攪
拌した。さらに20%水酸化ナトリウム水溶液285g
を加えて3時間還流させた。6N塩酸で酸性(pH4)
とし、ベンゼン350mlで抽出後、減圧下ベンゼンを
留去し、142.3gの残渣を得た。この残渣を減圧蒸
留し、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジ
チアンを沸点142℃/0.2Torrの留分、無色透明な
液体として113.7g得た(2,5−ビス(クロロメ
チル)−1,4−ジチアンからの収率74.6%)。ガ
スクロマトグラフィー分析による純度は99.6%であ
り、光学レンズ用のモノマーとして十分の純度であっ
た。
【0047】実施例3 ジアリルジスルフィド146g(1.0mol)を1,
2−ジクロロエタン1000mlに溶解し、炭酸カルシ
ウム1.3gを加えて氷浴中で内温を3 ℃〜10℃に保
ちながら塩化スルフリル148.5g(1.1mol)
を1時間かけて滴下した。さらに20℃で3時間攪拌し
た後、1,2−ジクロロエタンを減圧下留去し、橙色液
体を220g得た。この橙色液体を減圧蒸留し、2,5
−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンを沸点11
0℃/0.3Torrの留分として152.7g得た(収率
70.3%)。ガスクロマトグラフィー分析による純度
は96.8%であった。
2−ジクロロエタン1000mlに溶解し、炭酸カルシ
ウム1.3gを加えて氷浴中で内温を3 ℃〜10℃に保
ちながら塩化スルフリル148.5g(1.1mol)
を1時間かけて滴下した。さらに20℃で3時間攪拌し
た後、1,2−ジクロロエタンを減圧下留去し、橙色液
体を220g得た。この橙色液体を減圧蒸留し、2,5
−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンを沸点11
0℃/0.3Torrの留分として152.7g得た(収率
70.3%)。ガスクロマトグラフィー分析による純度
は96.8%であった。
【0048】この2,5−ビス(クロロメチル)−1,
4−ジチアン152.7g(0.70mol)を水20
0mlに加え、チオ尿素106.6g(1.40mo
l)を加えて還流下3時間攪拌した。さらに20%水酸
化ナトリウム水溶液281gを加えて3時間還流させ
た。6N塩酸で酸性(pH3.5)とし、ベンゼン33
0mlで抽出後、減圧下ベンゼンを留去し、125.8
gの残渣を得た。この残渣を減圧蒸留し、2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを沸点142
℃/0.2Torrの留分、無色透明な液体として102.
0g得た(2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジ
チアンからの収率67.7%)。ガスクロマトグラフィ
ー分析による純度は99.5%であり、光学レンズ用の
モノマーとして十分の純度であった。
4−ジチアン152.7g(0.70mol)を水20
0mlに加え、チオ尿素106.6g(1.40mo
l)を加えて還流下3時間攪拌した。さらに20%水酸
化ナトリウム水溶液281gを加えて3時間還流させ
た。6N塩酸で酸性(pH3.5)とし、ベンゼン33
0mlで抽出後、減圧下ベンゼンを留去し、125.8
gの残渣を得た。この残渣を減圧蒸留し、2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを沸点142
℃/0.2Torrの留分、無色透明な液体として102.
0g得た(2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジ
チアンからの収率67.7%)。ガスクロマトグラフィ
ー分析による純度は99.5%であり、光学レンズ用の
モノマーとして十分の純度であった。
【0049】実施例4 実施例1と同様にして得た2,5−ビス(クロロメチ
ル)−1,4−ジチアン157.2g(0.72mo
l)を、硫化水素を飽和させたエチルアルコール200
mlに加え、水硫化ナトリウム220.8g(3.95
mol)を加え、さらに硫化水素を飽和させた後、硫化
水素をゆっくり流しながら還流下3時間攪拌した。析出
した塩化ナトリウムを濾別し、ベンゼン320mlで抽
出後、減圧下ベンゼンを留去し、140.6gの残渣を
得た。この残渣を減圧蒸留し、2,5−ビス(メルカプ
トメチル)−1,4−ジチアンを沸点142℃/0.2
Torrの留分、無色液体として81.4g得た(2,5−
ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンからの収率5
2.9%)。ガスクロマトグラフィー分析による純度は
99.2%であり、光学レンズ用のモノマーとして十分
の純度であった。
ル)−1,4−ジチアン157.2g(0.72mo
l)を、硫化水素を飽和させたエチルアルコール200
mlに加え、水硫化ナトリウム220.8g(3.95
mol)を加え、さらに硫化水素を飽和させた後、硫化
水素をゆっくり流しながら還流下3時間攪拌した。析出
した塩化ナトリウムを濾別し、ベンゼン320mlで抽
出後、減圧下ベンゼンを留去し、140.6gの残渣を
得た。この残渣を減圧蒸留し、2,5−ビス(メルカプ
トメチル)−1,4−ジチアンを沸点142℃/0.2
Torrの留分、無色液体として81.4g得た(2,5−
ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンからの収率5
2.9%)。ガスクロマトグラフィー分析による純度は
99.2%であり、光学レンズ用のモノマーとして十分
の純度であった。
【0050】実施例5 実施例1と同様にして得た2,5−ビス(クロロメチ
ル)−1,4−ジチアン155.6g(0.72mo
l)をアセトン300mlに加え、キサントゲン酸カリ
ウム(O−エチルジチオ炭酸カリウム)230.7g
(1.44mol)を加えて還流下3時間攪拌した。1
0%水酸化ナトリウム水溶液580gを加えて70℃で
6時間攪拌した後、6N塩酸で酸性(pH1)とし、ベ
ンゼン350mlで抽出後、減圧下ベンゼンを留去し、
145.1gの残渣を得た。この残渣を減圧蒸留し、
2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン
を沸点145℃/0.3Torrの留分、無色液体として1
08.9g得た(2,5−ビス(クロロメチル)−1,
4−ジチアンからの収率71.6%)。ガスクロマトグ
ラフィー分析による純度は99.4%であり、光学レン
ズ用のモノマーとして十分の純度であった。
ル)−1,4−ジチアン155.6g(0.72mo
l)をアセトン300mlに加え、キサントゲン酸カリ
ウム(O−エチルジチオ炭酸カリウム)230.7g
(1.44mol)を加えて還流下3時間攪拌した。1
0%水酸化ナトリウム水溶液580gを加えて70℃で
6時間攪拌した後、6N塩酸で酸性(pH1)とし、ベ
ンゼン350mlで抽出後、減圧下ベンゼンを留去し、
145.1gの残渣を得た。この残渣を減圧蒸留し、
2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン
を沸点145℃/0.3Torrの留分、無色液体として1
08.9g得た(2,5−ビス(クロロメチル)−1,
4−ジチアンからの収率71.6%)。ガスクロマトグ
ラフィー分析による純度は99.4%であり、光学レン
ズ用のモノマーとして十分の純度であった。
【0051】実施例6 実施例1と同様にして得た2,5−ビス(クロロメチ
ル)−1,4−ジチアン153.9g(0.71mo
l)を水250mlとメチルアルコール150mlの混
合溶媒に加え、チオ硫酸ナトリウム224.5g(1.
42mol)を加えて還流下3時間攪拌した。6N塩酸
でpH1とした後、還流下に3時間攪拌し、ベンゼン2
50mlで抽出、減圧下ベンゼンを留去し、136.5
gの残渣を得た。この残渣を減圧蒸留し、2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを沸点145
℃/0.3Torrの留分、無色液体として98.5g得た
(2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンか
らの収率65.4%)。ガスクロマトグラフィー分析に
よる純度は99.6%であり、光学レンズ用モノマーと
して十分の純度であった。
ル)−1,4−ジチアン153.9g(0.71mo
l)を水250mlとメチルアルコール150mlの混
合溶媒に加え、チオ硫酸ナトリウム224.5g(1.
42mol)を加えて還流下3時間攪拌した。6N塩酸
でpH1とした後、還流下に3時間攪拌し、ベンゼン2
50mlで抽出、減圧下ベンゼンを留去し、136.5
gの残渣を得た。この残渣を減圧蒸留し、2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを沸点145
℃/0.3Torrの留分、無色液体として98.5g得た
(2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアンか
らの収率65.4%)。ガスクロマトグラフィー分析に
よる純度は99.6%であり、光学レンズ用モノマーと
して十分の純度であった。
【0052】実施例7 実施例1と同様にして得た2,5−ビス(クロロメチ
ル)−1,4−ジチアン156.5g(0.72mo
l)をアセトン300mlに加え、チオ酢酸ナトリウム
141.3g(1.44mol)を加えて還流下3時間
攪拌した。20%水酸化ナトリウム水溶液290gを加
えて70℃で6時間攪拌した。6N塩酸で酸性(pH
2)とし、ベンゼン350mlで抽出後、減圧下ベンゼ
ンを留去し、142.6gの残渣を得た。この残渣を減
圧蒸留し、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4
−ジチアンを沸点145℃/0.3Torrの留分、無色液
体として110.7g得た。(2,5−ビス(クロロメ
チル)−1,4−ジチアンからの収率72.3%)。ガ
スクロマトグラフィー分析による純度は99.5%であ
り、光学レンズ用のモノマーとして十分の純度あった。
ル)−1,4−ジチアン156.5g(0.72mo
l)をアセトン300mlに加え、チオ酢酸ナトリウム
141.3g(1.44mol)を加えて還流下3時間
攪拌した。20%水酸化ナトリウム水溶液290gを加
えて70℃で6時間攪拌した。6N塩酸で酸性(pH
2)とし、ベンゼン350mlで抽出後、減圧下ベンゼ
ンを留去し、142.6gの残渣を得た。この残渣を減
圧蒸留し、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4
−ジチアンを沸点145℃/0.3Torrの留分、無色液
体として110.7g得た。(2,5−ビス(クロロメ
チル)−1,4−ジチアンからの収率72.3%)。ガ
スクロマトグラフィー分析による純度は99.5%であ
り、光学レンズ用のモノマーとして十分の純度あった。
【0053】比較例1 ジアリルジスルフィド22.9g(0.157mol)
をジクロロメタン780mlに溶解し、−78℃で臭素
25.0g(0.157mol)を1時間かけて滴下し
た。さらに−20℃で8時間攪拌した後、ジクロロメタ
ンを減圧下留去し、黄緑色液体を62.4g得た。これ
にエチルアルコール100mlに加え、チオ尿素25.
1g(0.314mol)を加えて還流下1.5時間攪
拌した。析出したイソチウロニウム塩を濾取し乾燥した
ところ28.7gであった(収率40.0%)。
をジクロロメタン780mlに溶解し、−78℃で臭素
25.0g(0.157mol)を1時間かけて滴下し
た。さらに−20℃で8時間攪拌した後、ジクロロメタ
ンを減圧下留去し、黄緑色液体を62.4g得た。これ
にエチルアルコール100mlに加え、チオ尿素25.
1g(0.314mol)を加えて還流下1.5時間攪
拌した。析出したイソチウロニウム塩を濾取し乾燥した
ところ28.7gであった(収率40.0%)。
【0054】得られたイソチウロニウム塩を水73ml
に分散させて、還流下15%水酸化ナトリウム水溶液3
4gを1時間かけて滴下し、さらに1時間還流した。6
N塩酸で酸性とし、ベンゼン100mlで抽出し、減圧
下ベンゼンを留去して8.3gの残渣を得た。この残渣
を減圧蒸留し、2,5−ビス(メルカプトメチル)−
1,4−ジチアンを沸点140℃/0.2Torrの留分、
無色液体として6.5g得た。ジアリルジスルフィドか
らの収率は19.5%と低かった。ガスクロマトグラフ
ィー分析による純度は99.5%であった。
に分散させて、還流下15%水酸化ナトリウム水溶液3
4gを1時間かけて滴下し、さらに1時間還流した。6
N塩酸で酸性とし、ベンゼン100mlで抽出し、減圧
下ベンゼンを留去して8.3gの残渣を得た。この残渣
を減圧蒸留し、2,5−ビス(メルカプトメチル)−
1,4−ジチアンを沸点140℃/0.2Torrの留分、
無色液体として6.5g得た。ジアリルジスルフィドか
らの収率は19.5%と低かった。ガスクロマトグラフ
ィー分析による純度は99.5%であった。
【0055】比較例2 ジアリルジスルフィド22.9g(0.157mol)
をジクロロメタン780mlに溶解し、−78℃で臭素
25.0g(0.157mol)を1時間かけて滴下し
た。さらに−20℃で8時間攪拌した後、ジクロロメタ
ンを減圧下留去し、黄緑色液体を63.5g得た。これ
にエチルアルコール100mlに加え、チオ尿素25.
1g(0.314mol)を加えて還流下1.5時間攪
拌した。さらに20%水酸化ナトリウム水溶液62.8
gを加えて3時間還流させた。6N塩酸で酸性(pH
3.5)とし、ベンゼン100mlで抽出後、減圧下ベ
ンゼンを留去し、18.3gの残渣を得た。この残渣を
減圧蒸留し、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,
4−ジチアンを沸点142℃/0.2Torrの留分、無色
透明な液体として9.6g得た(ジアリルジスルフィド
からの収率28.8%)。ガスクロマトグラフィー分析
による純度は91.8%であり、純度,収率共に低いも
のであった。
をジクロロメタン780mlに溶解し、−78℃で臭素
25.0g(0.157mol)を1時間かけて滴下し
た。さらに−20℃で8時間攪拌した後、ジクロロメタ
ンを減圧下留去し、黄緑色液体を63.5g得た。これ
にエチルアルコール100mlに加え、チオ尿素25.
1g(0.314mol)を加えて還流下1.5時間攪
拌した。さらに20%水酸化ナトリウム水溶液62.8
gを加えて3時間還流させた。6N塩酸で酸性(pH
3.5)とし、ベンゼン100mlで抽出後、減圧下ベ
ンゼンを留去し、18.3gの残渣を得た。この残渣を
減圧蒸留し、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,
4−ジチアンを沸点142℃/0.2Torrの留分、無色
透明な液体として9.6g得た(ジアリルジスルフィド
からの収率28.8%)。ガスクロマトグラフィー分析
による純度は91.8%であり、純度,収率共に低いも
のであった。
【0056】比較例3 ジアリルジスルフィド45.8g(0.314mol)
をジクロロメタン780mlに溶解し、内温を−20〜
−10℃に保ちながら臭素50.0g(0.314mo
l)を1.5時間かけて滴下した。さらに0℃で8時間
攪拌した後、ジクロロメタンを減圧下留去し、褐色液体
を120.6g得た。これにエチルアルコール200m
lに加え、チオ尿素50.2g(0.628mol)を
加えて還流下1.5時間攪拌した。析出したイソチウロ
ニウム塩を濾取し乾燥したところ、36.8gであっ
た。(収率25.6%)
をジクロロメタン780mlに溶解し、内温を−20〜
−10℃に保ちながら臭素50.0g(0.314mo
l)を1.5時間かけて滴下した。さらに0℃で8時間
攪拌した後、ジクロロメタンを減圧下留去し、褐色液体
を120.6g得た。これにエチルアルコール200m
lに加え、チオ尿素50.2g(0.628mol)を
加えて還流下1.5時間攪拌した。析出したイソチウロ
ニウム塩を濾取し乾燥したところ、36.8gであっ
た。(収率25.6%)
【0057】得られたイソチウロニウム塩を水90ml
に分散させて、還流下15%水酸化ナトリウム水溶液4
4gを1時間かけて滴下し、さらに1時間還流した。6
N塩酸で酸性とし、ベンゼン100mlで抽出し、減圧
下ベンゼンを留去して9.8gの残渣を得た。この残渣
を減圧蒸留し、2,5−ビス(メルカプトメチル)−
1,4−ジチアンを沸点140℃/0.2Torrの留分、
無色液体として8.1g得た(ジアリルジスルフィドか
らの収率12.1%)。ガスクロマトグラフィー分析に
よる純度は97.9%であり、純度,収率共に低いもの
であった。
に分散させて、還流下15%水酸化ナトリウム水溶液4
4gを1時間かけて滴下し、さらに1時間還流した。6
N塩酸で酸性とし、ベンゼン100mlで抽出し、減圧
下ベンゼンを留去して9.8gの残渣を得た。この残渣
を減圧蒸留し、2,5−ビス(メルカプトメチル)−
1,4−ジチアンを沸点140℃/0.2Torrの留分、
無色液体として8.1g得た(ジアリルジスルフィドか
らの収率12.1%)。ガスクロマトグラフィー分析に
よる純度は97.9%であり、純度,収率共に低いもの
であった。
【0058】比較例4 比較例1と同様にして得た黄緑色液体(粗2,5−ビス
(ブロモメチル)−1,4−ジチアン)61.3gを減
圧下で蒸留しようと試みたところ、蒸留中に分解した。
赤色留分11.3gが得られたが、ガスクロマトグラフ
ィー分析による2,5−ビス(ブロモメチル)−1,4
−ジチアンの純度は57.8%と低いものであった。
(ブロモメチル)−1,4−ジチアン)61.3gを減
圧下で蒸留しようと試みたところ、蒸留中に分解した。
赤色留分11.3gが得られたが、ガスクロマトグラフ
ィー分析による2,5−ビス(ブロモメチル)−1,4
−ジチアンの純度は57.8%と低いものであった。
【0059】比較例5 比較例1と同様にして得た黄緑色液体(粗2,5−ビス
(ブロモメチル)−1,4−ジチアン)61.9gをア
セトン100mlに加え、チオ酢酸ナトリウム30.8
g(0.314mol)を加えて還流下3時間攪拌し
た。20%水酸化ナトリウム水溶液63gを加えて70
℃で6時間攪拌した後、6N塩酸で酸性(pH3)と
し、ベンゼン100mlで抽出後、減圧下ベンゼンを留
去し、8.2gの残渣を得た。この残渣を減圧蒸留し、
2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン
を沸点145℃/0.3Torrの留分、無色液体として
5.8g得た(ジアリルジスルフィドからの収率17.
4%)。ガスクロマトグラフィー分析による純度は9
3.8%であり、純度,収率共に低いものであった。
(ブロモメチル)−1,4−ジチアン)61.9gをア
セトン100mlに加え、チオ酢酸ナトリウム30.8
g(0.314mol)を加えて還流下3時間攪拌し
た。20%水酸化ナトリウム水溶液63gを加えて70
℃で6時間攪拌した後、6N塩酸で酸性(pH3)と
し、ベンゼン100mlで抽出後、減圧下ベンゼンを留
去し、8.2gの残渣を得た。この残渣を減圧蒸留し、
2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン
を沸点145℃/0.3Torrの留分、無色液体として
5.8g得た(ジアリルジスルフィドからの収率17.
4%)。ガスクロマトグラフィー分析による純度は9
3.8%であり、純度,収率共に低いものであった。
Claims (10)
- 【請求項1】 ジアリルジスルフィドを塩素化して得ら
れる2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
を精製後、メルカプト化剤と反応させて分子内の塩素原
子をメルカプト基に変換することを特徴とする2,5−
ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの製造
法。 - 【請求項2】 ジアリルジスルフィドの塩素化を有機溶
媒中において−50℃〜+30℃で塩素化剤と反応させ
て行うことを特徴とする請求項1に記載の2,5−ビス
(メルカプメメチル)−1,4−ジチアンの製造法。 - 【請求項3】 塩素化剤が塩化スルフリルである請求項
2に記載の2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4
−ジチアンの製造法。 - 【請求項4】 塩素化剤が塩素ガスである請求項2に記
載の2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチ
アンの製造法。 - 【請求項5】 2,5−ビス(クロロメチル)−1,4
−ジチアンの精製を蒸留により行う請求項1に記載の
2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン
の製造法。 - 【請求項6】 メルカプト化剤としてチオ尿素を使用す
ることを特徴とする請求項1に記載の2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアンの製造法。 - 【請求項7】 メルカプト化剤として水硫化アルカリを
使用することを特徴とする請求項1に記載の2,5−ビ
ス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの製造法。 - 【請求項8】 メルカプト化剤としてO−アルキルジチ
オ炭酸アルカリ金属塩を使用することを特徴とする請求
項1に記載の2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,
4−ジチアンの製造法。 - 【請求項9】 メルカプト化剤としてチオ硫酸ナトリウ
ムを使用することを特徴とする請求項1に記載の2,5
−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの製造
法。 - 【請求項10】 メルカプト化剤としてチオカルボン酸
アルカリ金属塩を使用することを特徴とする請求項1に
記載の2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジ
チアンの製造法。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP18503492A JP3223586B2 (ja) | 1992-07-13 | 1992-07-13 | 2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの製造法 |
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ID=16163633
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JP18503492A Expired - Fee Related JP3223586B2 (ja) | 1992-07-13 | 1992-07-13 | 2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの製造法 |
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KR20200004689A (ko) | 2018-07-04 | 2020-01-14 | 에스케이씨 주식회사 | 광학 재료용 티올 화합물의 제조방법 |
WO2019209046A3 (ko) * | 2018-04-25 | 2020-03-12 | 에스케이씨 주식회사 | 보관안정성이 개선된 폴리티올의 제조방법 |
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-
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- 1992-07-13 JP JP18503492A patent/JP3223586B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN112004797B (zh) * | 2018-04-25 | 2023-03-10 | Skc株式会社 | 具有改善的储存稳定性的多元硫醇的制备方法 |
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