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JPH06211117A - 車両旋転防止方法 - Google Patents

車両旋転防止方法

Info

Publication number
JPH06211117A
JPH06211117A JP589593A JP589593A JPH06211117A JP H06211117 A JPH06211117 A JP H06211117A JP 589593 A JP589593 A JP 589593A JP 589593 A JP589593 A JP 589593A JP H06211117 A JPH06211117 A JP H06211117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
vehicle
retarder
rear wheel
wheels
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP589593A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Totsuka
孝 戸塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP589593A priority Critical patent/JPH06211117A/ja
Publication of JPH06211117A publication Critical patent/JPH06211117A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 補助ブレーキ動作に伴う駆動輪ロックによる
車両旋転を防止する。 【構成】 駆動輪としての後輪が補助ブレーキとしての
リターダの動作に伴ってロックしたと判別すると、EC
U(15)のプロセッサは、リターダ駆動回路(13
0)を介するリターダ駆動制御出力の送出を中止する共
に、ABSバルブユニット(10L,10R)に内蔵の
リレーバルブを開弁させて前輪に制動力を瞬間的に加
え、車両旋転を未然に防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両旋転防止方法に関
し、特に、摩擦係数が小さい路面上を車両が走行してい
るときに補助ブレーキ装置の制動動作に伴って生じ易い
車両旋転を防止可能な車両旋転防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】駆動輪に伝達される駆動力を減少させる
ことによって制動力を発生するようにした補助ブレーキ
装置をトラック等の大型車両に搭載して、サービスブレ
ーキ装置の耐久性向上などを図ることが知られている。
従来たとえば、エンジンの排気管内に配した開閉弁によ
って排気管通路面積を減少させてエンジン排気圧を上昇
させることにより制動力を得るようにした排気ブレーキ
が、補助ブレーキとして公知である。又、プロペラシャ
フトと一体回転するロータの近傍に磁場を形成してロー
タの回転エネルギを熱エネルギとして放出させることに
より制動動作する電磁リターダや、エンジンの本体側に
設けたステータとエンジンのクランク軸側に設けたロー
タとの間に作動油を供給してロータの運動エネルギを吸
収することにより制動動作する油圧式リターダが知られ
ている。更に、パワータードも補助ブレーキとして公知
で、このパワータードは、エンジンへの燃料供給を遮断
すると共に、ピストン上昇時に燃焼室内に正圧が発生し
かつピストン下降時にシリンダ内に負圧が発生するよう
にバルブタイミングを調整することにより制動力を発生
させるようになっている。
【0003】上記各種補助ブレーキ装置は、ドライバに
よる補助ブレーキスイッチのオン操作に応じて制動力を
発生してサービスブレーキ装置の負担を軽減可能とする
点で有用である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両走
行中、特に荷物を積載していないトラックが凍結路など
の低摩擦係数の路面上を走行している場合において、補
助ブレーキを不用意に利かせると、車両の走行安定性が
損なわれることがある。すなわち、走行路面と車輪との
間に生じる摩擦抵抗は、主に走行路面状態に応じて変化
し、低μ路では小さくなる。このため、低μ路にあって
は、補助ブレーキにより駆動輪に加えられる制動力が、
走行路面と駆動輪間に生じる摩擦抵抗を上回ることがあ
り、この場合は駆動輪がロックすることになる。そし
て、後輪駆動車では、駆動輪としての後輪がロックする
と、車両旋転に至ることもある。
【0005】補助ブレーキの制動動作による車両旋転を
防止するには、補助ブレーキを非作動化すれば良いが、
ドライバ側で補助ブレーキの作動を路面状態に応じてオ
ンオフすることは実際には困難で、安全上の問題もあ
る。又、補助ブレーキの制動動作により後輪が一旦ロッ
クしてから補助ブレーキの作動を単に解除したのでは、
補助ブレーキ作動に伴う後輪ロックによる車両旋転を阻
止できない。
【0006】そこで、本発明は、前輪ロックまたは双輪
ロックによっては車両旋転が生じないことに着目して、
摩擦係数が小さい路面上を車両が走行しているときに補
助ブレーキ装置の制動動作に伴って生じ易い車両旋転を
防止可能な車両旋転防止方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の車両旋転防止方
法は、駆動輪としての後輪がロックしたときに後輪ロッ
クが補助ブレーキ装置の制動動作に伴って生じたのか否
かを判別し、補助ブレーキ動作に伴って後輪ロックが生
じたときには、非駆動輪としての前輪に制動力を加える
ことを特徴とする。
【0008】好ましくは、制動力印加を、後輪ロック発
生時から補助ブレーキ装置の制動動作が解除されるまで
行う。
【0009】
【作用】車両走行中、駆動輪としての後輪がロックした
か否かを、アンチスキッドブレーキシステム分野などで
公知の方法で判別する。そして、後輪ロックを検出する
と、後輪ロックが補助ブレーキ装置の制動動作に伴って
生じたのか否かを判別する。例えば、後輪ロック状態が
検出される一方で、後輪のブレーキが非作動状態にある
と、補助ブレーキ動作により後輪がロックしたと判別す
る。そして、斯かる判別結果を得たときは、好ましくは
後輪ロック発生時から補助ブレーキ動作が解除されるま
での間、非駆動輪としての前輪に制動力を加える。
【0010】即ち、補助ブレーキ動作による後輪ロック
を検出すると、前輪に瞬間的に制動力を加える。換言す
れば、後輪ロック検出時点で双輪ロック状態を積極的に
作り出す。結果として、後輪ロックによる車両旋転が未
然に防止される。その一方で、この双輪ロック状態はそ
の後直ちに解消され、従って、車両の走行安定性,操縦
性などを損なうことはない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例による車両旋転防止
方法が適用される車両について説明する。本実施例方法
の適用対象車両は、例えば、後輪駆動式のバス,トラッ
ク等の大型車両であって、電気制御式のエアブレーキシ
ステムと、エアブレーキ用の3チャンネル式アンチスキ
ッドブレーキシステム(ABS)と、補助ブレーキ装置
としての油圧式リターダとを備えている。
【0012】図1を参照すると、エアブレーキシステム
において、フロント及びリアブレーキ用のエアタンク
1,2は、管路20,21を介してブレーキブレーキバ
ルブ3に夫々接続されている。ブレーキバルブ3は、一
方では、管路22及びその分岐管路22L,22Rを介
して、後述のアンチスキッドブレーキシステムのABS
バルブユニット10L,10Rに夫々内蔵された左右前
輪のリレーバルブ(図示略)に接続され、他方では、管
路23を介してABSバルブユニット11に内蔵された
左右後輪に共通のリレーバルブ(図示略)に接続されて
いる。
【0013】左右前輪用の2つのリレーバルブは、一方
では、管路24及びその分岐管路24L,24Rを介し
てエアタンク1に夫々接続され、他方では、管路26
L,26Rを介して左右前輪のブレーキチャンバ7,
7’に夫々接続されている。又、後輪用のリレーバルブ
は、一方では、管路25を介してエアタンク2に接続さ
れ、他方では、管路27を介して左右後輪のリアブレー
キチャンバ8,8’に接続されている。
【0014】ブレーキバルブ3の直ぐ下流側において管
路22,23には両管路の内圧(エア圧)を表す電気信
号を送出するための圧力センサ13,14が接続され、
両圧力センサは、プロセッサ,メモリ,入出力回路など
からなる電子コントロールユニット(ECU)15に接
続されている。ECU15は、圧力センサ出力信号を取
り込んで、これに対応するリレーバルブ制御信号を左右
前輪及び後輪のリレーバルブに送出するようになってい
る。
【0015】各リレーバルブは、ブレーキバルブ3から
制御信号として供給される信号圧(エア圧)と、ECU
15から制御信号として供給される電気信号との双方に
応動自在にされている。即ち、各リレーバルブは、ブレ
ーキバルブ3からの信号圧を遮断して電気信号に優先的
に応動する電気コントロールブレーキ(EBS)を構成
する一方、電気系の失陥時にはブレーキバルブ3からの
信号圧に応動する完全エアブレーキを構成するようにな
っている。
【0016】上記構成において、ブレーキペダル4が踏
み込まれると、ペダル踏み込み量に応じてブレーキバル
ブ3が作動して、エアタンク1,2の空気圧がバルブ3
を介して管路22,23に供給され、これにより両管路
の内圧が上昇し、この内圧上昇が圧力センサ13,14
により検出され、圧力センサ出力がECU15に印加さ
れる。ECU15は、左右前輪および後輪のリレーバル
ブに圧力センサ出力に対応する制御信号を送出し、これ
に応動するリレーバルブを介して、エアタンク1,2か
らの空気圧が、フロントブレーキチャンバ7,7’およ
びリアブレーキチャンバ8,8’に供給され、これによ
り、ブレーキチャンバ7〜8’が作動して車両の前輪お
よび後輪に制動力が加えられる。一方、ドライバによる
ブレーキペダル4の踏み込み操作が解除されると、ブレ
ーキバルブ3と左右前輪及び後輪のリレーバルブとの間
のエアがバルブ3から排出されて、前輪及び後輪の制動
が解除される。
【0017】電気系統に故障が生じてECU15から各
リレーバルブに制御信号が送出されなくなった場合、リ
レーバルブは、ブレーキバルブ3からの信号圧に応動す
る。即ち、ブレーキペダル4の踏み込み操作に応じてブ
レーキバルブ3からリレーバルブに信号圧が供給される
と、信号圧に対応する圧力の圧縮空気がエアタンク1,
2からブレーキチャンバ7〜8’にリレーバルブを介し
て供給され、前輪及び後輪に制動力が加わる。
【0018】次に、車両に搭載される3チャンネル式ア
ンチスキッドブレーキシステムは、プロセッサ,メモ
リ,入出力回路などからなり電気制御式ブレーキシステ
ムのECU15との間で信号授受可能に構成されたAB
Sコントローラ31を備え、該コントローラには、左前
輪,右前輪および後輪の車輪速度VFL,VFR及びVRを
夫々検出するための車輪速センサ32,33及び34
と、車速Vを検出するための車速センサ35が接続され
ている。
【0019】ABSコントローラ31は、車輪速センサ
32〜34からの出力信号VFL,VFR及びVRならびに
車速センサ35からの出力信号Vに基づいて左前輪,右
前輪及び後輪のスリップ率を算出し、算出スリップ率に
応じた信号レベルのABS信号a1〜a3を左前輪,右
前輪及び後輪のABSバルブユニット10L,10R及
び11に供給するようになっている。ABS信号a1〜
a3は、その信号レベルに応じて、ブレーキチャンバ7
〜8’に圧縮空気を込める増圧信号、又はブレーキチャ
ンバ7〜8’から圧縮空気を抜く減圧信号として機能す
るもので、車輪のスリップ率が所定値以上になると、コ
ントローラ31から減圧信号が送出される。
【0020】詳細な図示を省略するが、ABSバルブユ
ニット10L,10R及び11の各々には、ABS信号
a1,a2又はa3に応動するソレノイドバルブが内蔵
され、各該ソレノイドバルブは、減圧信号としてのAB
S信号に応じて、ブレーキチャンバ7〜8’の対応する
ものから圧縮空気を抜くように作動するようになってい
る。
【0021】更に、車両には油圧式リターダが補助ブレ
ーキ装置として搭載されている。図2及び図3に例示す
るように、油圧式リターダ103は、ディーゼルエンジ
ン101とトランスミッション104との間でクランク
軸102と同軸に配され、詳しくは、フライホイール1
06と、エンジンブロック105に螺着固定したフライ
ホイールハウジング107との間に介在している。リタ
ーダ103は、フライホイールハウジング107側に設
けたステータ110と、クランク軸102に取り付けた
ロータ111とを備えている。フライホイールハウジン
グ107は、内周縁において、ロータ111のハブ11
1aに液密に摺接している。リターダハウジング108
は、外周縁がフライホイールハウジング107に螺着固
定され、内周縁がシール112を介してロータハブ11
1aに液密に摺接している。
【0022】リターダ103は、例えば内接ギヤポンプ
からなるオイルポンプ115を更に備え、ロータ111
内に収納されたポンプハウジング本体116は、シール
部材を介してロータ111に嵌合すると共に、ベアリン
グを介してロータボス111aにより回転自在に支持さ
れている。ポンプハウジング本体116内に収納された
外歯車119は、入力軸であるロータハブ111aに外
嵌固定されてロータ111と一体に回転可能になってい
る。ステータ凹部110bに軸方向に摺動自在に嵌合す
る側板120とステータ110の端壁との間には、リタ
ーンスプリングと、リターダ駆動回路130(図1)に
接続したソレノイドとからなる電磁クラッチ121が配
されている。オイルポンプ115の吸入口は、ステータ
110に設けた作動油供給路に接続され、吐出口はリタ
ーダ103内に開口し、リターダ外周部には作動油排出
路が接続されている。作動油供給路はオイルタンクに接
続され、作動油排出路は切換弁、リリーフ弁等を介して
オイルタンクに接続されている。
【0023】上記構成において、ドライバによりリター
ダスイッチ140(図1)がオン操作されると、このス
イッチ操作に応動するECU15からリターダ駆動回路
130にローレベル制御出力が送出され、これにより電
磁クラッチ121のソレノイドが消勢されてクラッチ1
21がオフとなる。この場合、オイルポンプ側板120
がリターンスプリングのばね力によりポンプハウジング
本体116の端面に圧接され、オイルポンプ115がポ
ンプとして機能する。即ち、ロータ111と共に回転す
る外歯車119によりオイルタンクから作動油が吸い込
まれて、リターダ103内に充満し、これにより、ロー
タ111の回転エネルギが作動油により吸収されて、リ
ターダ103が作動する。一方、リターダスイッチ14
0がオフ操作されて電磁クラッチ121のソレノイドが
付勢されると、ソレノイドにオイルポンプ側板120が
吸着してポンプハウジング本体116の端面から離隔
し、この結果、オイルポンプ115の吸入口と吐出口と
が連通してポンプ機能が解除され、リターダ103が非
作動化される。
【0024】以下、図1に示すECU15の車両旋転防
止動作について説明する。車両のイグニッションキーが
オン操作されると、ECU15のプロセッサは、図示し
ないリレーバルブ開閉制御ルーチンに平行して図4に示
す車両旋転防止ルーチンを周期的に実行する。例えば、
プロセッサは、ECU15に内蔵の割り込みタイマ(図
示略)から所定周期で送出される割り込み信号が発生す
る毎に車両旋転防止ルーチンの実行を開始する。
【0025】即ち、割り込み信号が発生すると、ECU
15のプロセッサは、後輪ロックが生じたか否かを先ず
判別する(ステップS1)。このため例えば、プロセッ
サは、ABSコントローラ31から送出されるABS信
号a3が減圧信号レベルにあるか否かを判別し、ABS
信号a3が減圧信号レベルをとっていれば後輪ロック状
態にあると判別する。そして、プロセッサは、後輪ロッ
ク状態にないことをステップS1で判別すると、実質的
な制御動作を行うことなしに、今回の割り込み信号に対
応する今回ループでの車両旋転防止ルーチンを終了す
る。
【0026】一方、後輪ロック状態にあるとステップS
1で判別すると、プロセッサは、後輪ブレーキが非作動
状態にあるか否かを更に判別する(ステップS2)。こ
のため例えば、プロセッサは、後輪のリレーバルブを開
弁動作させるための制御信号が該プロセッサから後輪リ
レーバルブに送出されているかを判別し、この種の制御
信号が送出されていなければ後輪ブレーキが非作動状態
にあると判別する。
【0027】ステップS1での後輪ロック状態の検出に
続いて後輪ブレーキが作動状態にあるとステップS2で
判別すると、プロセッサは、実質的な制御動作を行うこ
となしに、今回ループでの車両旋転防止ルーチンを終了
する。この様に、後輪ブレーキの作動に伴って後輪ロッ
ク状態が発生すると、ABSコントローラ31により通
常のABS制御が実行されることになる。即ち、ABS
バルブユニット11のソレノイドがABSコントローラ
31によって駆動制御されて、後輪のブレーキチャンバ
8及び8’から圧縮空気が抜かれて後輪制動力が低減さ
れ、これにより後輪ロック状態が解消されることにな
る。
【0028】一方、後輪ブレーキが非作動状態にあると
ステップS2で判別すると、プロセッサは、後輪ロック
状態がリターダ103の作動により発生したもので、こ
のまま放置すれば後輪ロックにより車両旋転を生じるお
それがあると判別して、リターダスイッチ140がオン
状態にある場合にも、リターダ駆動回路130へのロー
レベル制御出力の送出を強制的に中止し(ステップS
3)、次に、ABSバルブユニット10L,10Rに夫
々内蔵された左右前輪のリレーバルブに対して両該バル
ブを開弁作動させるための制御信号を送出すると共に
(ステップS4)、ECU15に内蔵の、制動力印加時
間を計時するためのタイマをリスタートさせる(ステッ
プS5)。このときタイマにセットされる所定時間Δt
は、駆動回路130へのローレベル制御出力の送出を中
止してからリターダ103が実際に非作動化されるまで
に要する時間に略等しくなるように予め設定され、EC
U15の所定メモリ領域に格納されている。
【0029】次いで、ECU15のプロセッサは、制動
力印加開始時から所定時間Δtが経過したときに送出さ
れるタイマ出力の有無を判別することにより、所定制動
力印加時間Δtが経過したか否かを判別する(ステップ
S6)。所定制動力印加時間Δtが未だ経過していない
とステップS6で判別すると、プロセッサは、所定時間
Δtの経過に待機する。その後、所定時間Δtが経過し
てタイマ出力が送出されると、プロセッサは、リターダ
103が非作動化されてリターダの作動による後輪ロッ
ク状態が解消されたものと判別して、左右前輪のリレー
バルブに対する制御信号の送出を終了し(ステップS
7)、これにより今回ループでの車両旋転防止ルーチン
を終了する。
【0030】上述のように、補助ブレーキとしてのリタ
ーダ103の作動による後輪ロック状態が検出される
と、後輪ロック発生時からリターダが非作動化されるま
での間、前輪に制動力が瞬間的に加えられて、後輪ロッ
ク検出時点で双輪ロック状態が積極的に作り出され、後
輪ロックによる車両旋転が未然に防止される。その一方
で、この双輪ロック状態はその後直ちに解消され、車両
の走行安定性,操縦性などが損なわれることがない。従
って、低μ路を走行しているときの、リターダ等の補助
ブレーキの制動動作に伴って生じ易い車両旋転が確実に
防止可能となる。
【0031】本発明の車両旋転防止方法は、上記実施例
に限定されるものではなく、種々に変形可能である。例
えば、上記実施例では、本発明をバス,トラック等の大
型車両に適用したが、本発明は乗用車を含む各種車両に
適用可能である。又、実施例では、電子制御式のエアブ
レーキシステムを搭載した車両について説明したが、エ
アオーバハイドロリック式ブレーキシステムやその他の
ブレーキシステムを搭載した車両に対しても本発明方法
を適用可能である。又、本発明方法の適用対象車両に
は、油圧式リターダ以外の補助ブレーキ装置を搭載可能
である。
【0032】また、近年、発進時或は急加速時における
駆動輪のスリップを防止して発進時の走行安定性などを
向上させるためのトラクションコントロールシステム或
はアンチスピンレギュレータ(ASR)を車両に装備す
ることが知られているが、この種の車両にも本発明方法
を適用可能である。この場合、例えば、ブレーキシステ
ムの通常の制動ラインと並列に車両旋転防止用の追加制
動ラインを付設すると共に、両制動ラインをダブルチェ
ックバルブにより非駆動輪側のブレーキチャンバに接続
し、補助ブレーキ装置の作動による駆動輪ロックを検出
したときに、追加制動ラインの途中に設けた開閉バルブ
を開弁動作させるようにする。斯かる構成によれば、サ
ービスブレーキ系の通常の制動作動時には通常の制動ラ
イン及びダブルチェックバルブを介して非駆動輪側ブレ
ーキチャンバにブレーキ圧が供給される一方、補助ブレ
ーキ作動に伴う駆動輪ロック時には、追加制動ライン及
びダブルチェックバルブを介して非駆動輪側ブレーキチ
ャンバにブレーキ圧が供給されて、双輪ロック状態が瞬
間的に確立され、これにより後輪ロックによる車両旋転
が防止可能となる。
【0033】更に、上記実施例では、後輪ブレーキが非
作動状態にあると図4のステップS2で判別したとき
に、後輪ロック状態がリターダ103の作動により発生
したと判別するようにしたが、リターダスイッチ140
のオンオフ状態に基づいて斯かる判別を行っても良い。
【0034】
【発明の効果】上述のように、本発明の車両旋転防止方
法は、駆動輪としての後輪がロックしたときに後輪ロッ
クが補助ブレーキ装置の制動動作に伴って生じたのか否
かを判別し、補助ブレーキ動作に伴って後輪ロックが生
じたときには、非駆動輪としての前輪に制動力を加える
ようにしたので、摩擦係数が小さい路面上を車両が走行
しているときに補助ブレーキ装置の制動動作に伴って生
じ易い車両旋転を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による車両旋転防止方法が適
用される車両のブレーキシステムを主に示す図である。
【図2】図1のブレーキシステムを装備した車両に搭載
される油圧式リターダの搭載部位を示す概略図である。
【図3】図2の油圧式リターダを詳細に示す断面図であ
る。
【図4】図1の電子コントロールユニットが実行する車
両旋転防止ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
3 ブレーキバルブ 4 ブレーキペダル 7,7’,8,8’ ブレーキチャンバ 10L,10R,11 ABSバルブユニット 15 電子コントロールユニット(ECU) 31 ABSコントローラ 32,33,34 車輪速センサ 35 車速センサ 103 油圧式リターダ 121 電磁クラッチ 130 リターダ駆動回路 140 リターダスイッチ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動輪としての後輪がロックしたときに
    前記後輪ロックが補助ブレーキ装置の制動動作に伴って
    生じたのか否かを判別し、前記補助ブレーキ動作に伴っ
    て前記後輪ロックが生じたときには、非駆動輪としての
    前輪に制動力を加えることを特徴とする車両旋転防止方
    法。
  2. 【請求項2】 前記制動力印加を、前記後輪ロック発生
    時から前記補助ブレーキ装置の制動動作が解除されるま
    で行うことを特徴とする請求項1の車両旋転防止方法。
JP589593A 1993-01-18 1993-01-18 車両旋転防止方法 Withdrawn JPH06211117A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005538882A (ja) * 2002-08-12 2005-12-22 クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 車両の圧縮空気式ブレーキ装置用の圧力調整モジュール

Cited By (2)

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JP2005538882A (ja) * 2002-08-12 2005-12-22 クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 車両の圧縮空気式ブレーキ装置用の圧力調整モジュール
JP4763288B2 (ja) * 2002-08-12 2011-08-31 クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 車両の圧縮空気式ブレーキ装置用の圧力調整モジュール

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