JPH0614030Y2 - 水冷式内燃機関 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、シリンダブロック及びシリンダヘッドを、ラ
ジエータとの間における冷却水の循環によって冷却する
ようにした水冷式の内燃機関に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、この種の水冷式内燃機関は、ラジエータにおい
て冷却された冷却水を、当該ラジエータにおけるロアー
タンクから冷却水ポンプによってシリンダブロックにお
ける冷却水ジャケット内に送り込み、この冷却水をシリ
ンダヘッドにおける冷却水ジャケット内に導いたのち、
冷却水アウトレットから前記ラジエータにおけるアッパ
タンクに戻すように強制循環させるようにしていること
は良く知られている。

この場合、従来の内燃機関では、当該内燃機関に対する
ラジエータを、前記内燃機関の前側端面（クランク軸方
向の両端部における両端面のうち出力側の後側端面とは
反対側の端面）の前方に配設し、このラジエータと、前
記内燃機関の前側端面に設けた冷却水ポンプ及び冷却水
アウトレットとをゴム管製の配管で接続するのが一般的
であったが、これでは、ラジエータと内燃機関との間
に、ゴム製の配管を配設するための広い空間を形成しな
ければならず、しかも、前記ゴム管製の配管を接続した
り、取り外したりする作業がきめて困難である等の問題
があった。

そこで、先行技術としての実公昭４９−４０１８７号公
報は、内燃機関における前側端面の前方にラジエータを
配設したものにおいて、前記内燃機関におけるクランク
軸と平行な長手側面に、前記ラジエータからのシリンダ
ブロックへの冷却水戻り配管を接続する一方、内燃機関
における後側端面に、シリンダヘッドからの冷却水アウ
トレットを設け、この冷却水アウトレットと前記ラジエ
ータとを、内燃機関の上面にクランク軸の方向に延びる
ように配設したゴム管製の冷却水出口配管にて接続する
ことを提案している。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この先行技術のように、内燃機関における前側
端面の前方に配設したラジエータと、内燃機関における
後側端面に設けた冷却水アウトレットとを繋ぐ冷却水出
口配管をゴム管にした場合、当該冷却水出口配管の外径
が大径になり、この大径の冷却水出口配管を、内燃機関
の上面にクランク軸の方向に延びるように配設すること
は、内燃機関の底面から当該ゴム製冷却水出口配管の上
面までの全高寸法が高くなるから、内燃機関を自動車に
搭載する場合に、自動車におけるエンジンルームを大き
くしなければならず、しかも、内燃機関の上面に、前記
ゴム管製の冷却水出口配管を長手方向に延びるように配
設することは、シリンダヘッドの上面における動弁機構
に対する点検等に際して、当該冷却水出口配管をその都
度取り外すようにしなければならないから、動弁機構に
対する点検の作業性を低下するばかりか、このゴム管製
の冷却水出口配管は、その途中に曲がりがないようにす
るために（途中に曲がりが存在すると、その部分に空気
が溜り、冷却水の流れを阻害する）内燃機関の上面に沿
って配設したものであるから、内燃機関の熱によって早
期に劣化し、換言すると、ゴム管製冷却水配管の耐久性
が急速に低下するのであり、その上、このゴム管製の冷
却水配管は、内燃機関の全長以上の長さになるので、可
成りのコストアップを招来するのであった。

本考案は、この先行技術が有する前記の問題を解消する
こをと目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するために本考案は、一方の長手側面に
吸気マニホールドを他方の長手側面に排気マニホールド
を備えた内燃機関における前側端面の前方に、ラジエー
タを配設し、該ラジエータのロアータンクからシリンダ
ブロックへの冷却水戻り配管を、シリンダブロックに接
続する一方、前記内燃機関における後側端面にシリンダ
ヘッドからの冷却水アウトレットを設け、該冷却水アウ
トレットと前記ラジエータのアッパタンクとを冷却水出
口配管を介して接続して成る水冷式内燃機関において、
前記冷却水出口配管のうち内燃機関に沿う部分を金属製
のパイプにて構成し、この金属製パイプを、前記内燃機
関の上面と前記排気マニホールドの間の部位に、内燃機
関における他方の長手側面に沿って延びるように配設す
る構成にした。

〔考案の作用・効果〕

このように構成すると、内燃機関における前側端面の前
方に配設したラジエータのアッパタンクと、内燃機関に
おける後側端面に設けた冷却水アウトレットとを繋ぐ冷
却水出口配管は、前記先行技術のように、内燃機関の上
面より上方に突出せず、内燃機関の上面より低い部位に
配設できるから、内燃機関の全高寸法が、前記冷却水出
口配管のために増大することを回避できると共に、内燃
機関の上面におけるシリンダヘッドカバーの取り外しに
際して、前記冷却水出口通路を取り外すことを必要とし
ない。

また、ラジエータのアッパタンクと内燃機関の後側端面
における冷却水アウトレットとを繋ぐ長い冷却水出口配
管のうち内燃機関に沿う部分を、前記のように、金属製
パイプにて構成したことにより、前記冷却水出口配管
を、排気マニホールドの上方に配設したものでありなが
ら、当該冷却水出口配管が、排気マニホールド及びシリ
ンダヘッドの熱によって損傷することを確実に防止する
ことができると共に、この冷却水出口配管に使用するゴ
ム管を、冷却水アウトレット及びラジエータとの接続部
のみに限ることができるから、冷却水出口配管に使用す
るゴム管の長さを大幅に短くできるのである。

しかも、長い冷却水出口配管のうち内燃機関に沿う部分
を金属製パイプにて構成したことにより、この金属製パ
イプを支持することで、前記長い冷却水出口配管を、そ
の途中に曲がりがないように支持することが至極簡単に
できるのである。

従って本考案によると、内燃機関における前側端面の前
方に配設したラジエータのアッパタンクと、前記内燃機
関の後側端面に設けた冷却水アウトレットとを、内燃機
関の長手方向に沿う長い冷却水出口配管にて接続する場
合において、この長い冷却水出口配管によって、内燃機
関の全高寸法が増大することを防止でき、自動車におけ
るエンジンルームを小さくできると共に、シリンダヘッ
ドの上面における動弁機構に対する点検の作業を阻害す
ることがなく、且つ、この長い冷却水出口配管の耐久性
を向上できるのであり、しかも、前記長い冷却水出口配
管に使用するゴム管の長さを短くすることができ、且
つ、この長い冷却水出口配管に対する支持も至極簡単に
することができるので、コストを大幅に低減できる効果
を有する。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面について説明するに、図に
おいて符号１は、クランク軸と平行な左右両長手側面１
ａ，１ｂのうち一方の長手側面に吸気マニホールド２
を、他方の長手側面１ｂにヒートカバー４付き排気マニ
ホールド３を各々備えた内燃機関を、符号５は、前記内
燃機関１における前側端面１ｃの前方に配設したラジエ
ータを各々示す。

前記内燃機関１における一方の長手側面１ａには、冷却
水をシリンダブロックにおける冷却水ジャケットに送り
込むための冷却水ポンプ６が設けられ、この冷却水ポン
プ６の吸い込み側には、前記ラジエータ５におけるロア
タンク５ａからの冷却水戻り配管７が接続されている。

なお、この冷却水戻り配管７は、その途中における金属
製パイプ７ａと、該金属製パイプ７ａを前記ロアタンク
５ａ及び冷却水ポンプ６に接合するためのゴム管７ｂ，
７ｃとで構成されている。

前記内燃機関１における後側端面１ｄには、シリンダヘ
ッドにおける冷却水ジャケットからの冷却水アウトレッ
ト８を設け、この冷却水アウトレット８と、前記ラジエ
ータ５におけるアッパタンク５ｂとの間を、冷却水出口
配管９にて接続する。

そして、この冷却水出口配管９を、内燃機関１の長手方
向に沿う部分における金属製パイプ９ａと、該金属製パ
イプ９ａを前記冷却水アウトレット８及びアッパタンク
５ｂに対して接合するためのゴム管９ｂ，９ｃとで構成
し、前記冷却水出口配管９の金属製パイプ９ａを、前記
内燃機関１の上面と前記排気マニホールド３の間の部位
に、内燃機関１における他方の長手側面１ｂに沿って延
びるように配設した構成にする。

なお、前記冷却水出口配管９は、その途中における金属
製パイプ９ａを排気マニホールド３に対するヒートカバ
ー４、又はシリンダヘッド等に取り付けることによっ
て、第１図に示すように冷却水アウトレット８からラジ
エータ５におけるアッパタンク５ｂに向って上がり勾配
の傾斜状に構成されている。

この構成において、ラジエータ５において冷却された冷
却水は、ラジエータ５におけるロアタンク５ａから冷却
水戻り配管７を通り、冷却水ポンプ６にてシリンダブロ
ックにおける冷却水ジャケット内に送り込まれ、次い
で、シリンダヘッドにおける冷却水ジャケットに流入し
たのち、冷却水アウトレット８から冷却水出口配管９を
通ってラジエータ５におけるアッパタンク５ｂに戻るよ
うに強制的に循環する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は側面図、第２図
は平面図である。 １……内燃機関、１ａ……内燃機関の一方の長手側面、
１ｂ……内燃機関の他方の長手側面、１ｃ……内燃機関
の前側端面、１ｄ……内燃機関の後側端面、２……吸気
マニホールド、３……排気マニホールド、５……ラジエ
ータ、５ａ……ラジエータのロアタンク、５ｂ……ラジ
エータのアッパタンク、６……冷却水ポンプ、７……冷
却水戻り配管、８……冷却水アウトレット、９……冷却
水出口配管。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭61−151030（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−88829（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−122322（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−174320（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一方の長手側面に吸気マニホールドを他方
   の長手側面に排気マニホールドを備えた内燃機関におけ
   る前側端面の前方に、ラジエータを配設し、該ラジエー
   タのロアータンクからシリンダブロックへの冷却水戻り
   配管を、シリンダブロックに接続する一方、前記内燃機
   関における後側端面にシリンダヘッドからの冷却水アウ
   トレットを設け、該冷却水アウトレットと前記ラジエー
   タのアッパタンクとを冷却水出口配管を介して接続して
   成る水冷式内燃機関において、前記冷却水出口配管のう
   ち内燃機関に沿う部分を金属製のパイプにて構成し、こ
   の金属製パイプを、前記内燃機関の上面と前記排気マニ
   ホールドの間の部位に、内燃機関における他方の長手側
   面に沿って延びるように配設したことを特徴とする水冷
   式内燃機関。