JPH06122504A - 熱分解窒化ほう素容器 - Google Patents
熱分解窒化ほう素容器Info
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Abstract
温度分布コントロース性もよいことから、III-V族化合
物半導体単結晶引上げ用大型のルツボまたは真空蒸着、
分子線エピタキシー用のルツボなどに有用される熱分解
窒化ほう素容器の提供を目的とするものである。 【構成】 本発明の熱分解窒化ほう素容器は密度が1.90
〜2.05g/cm3 であることを特徴とするものである。
Description
特にはIII-V族化合物半導体単結晶育成時に使用する大
型のルツボ、または真空蒸着もしくは分子線エピタキシ
ー(MBE)などに使用するAl溶解用ルツボなどに適
した熱分解窒化ほう素容器に関するものである。
aAs単結晶やInP単結晶の引き上げには、成分元素
の揮発を防ぐために液体封止チョクラルスキー法(LE
C法)が採用されており、このLEC法では従来から石
英ルツボなどが使用されているが、この場合には結晶中
にSiが不純物として混入するという問題があることか
ら、通常はCrをドープして引き上げを行なうという方
法が採られている。
低下するために、このものはIC用基板として適さない
ものとなるので、これについては最近ノンドープの半導
体基板を得るために、それがIII-V族化合物で高純度の
ものが得られ、単結晶中に混入しても不純物レベルを形
成しない熱分解窒素ほう素(以下PBNと略記する)を
使用するということも提案されている。
層状の表面剥離が生じ易いために10〜15回の引き上げが
寿命とされていて、この寿命が短いことからGaAs単
結晶の工業的な量産に大きな障害となっており、これに
ついてはまた積層表面方向の熱伝導率が大きく、熱良伝
体であることから大型容器では容器内の温度分布コント
ロールが難しいという欠点があるが、これは従来公知の
PBNが密度が 2.1〜2.2 で理論密度2.25に近い高配向
度のものであることに起因するものである。
利、欠点を解決したPBN容器に関するものであり、こ
れは密度が1.90〜2.05g/cm3 であることを特徴とするも
のである。すなわち、本発明者らは表面剥離し難く、長
寿命で積層表面方向の熱伝導率が低いために、温度分布
コントロール性もよいPBN容器を開発すべく種々検討
した結果、これについてはハロゲン化ほう素、例えばB
Cl3 とアンモニアとを真空条件下に高温で反応させる
PBN製造条件を検討し、これをBCl3 1モルとNH
3 3モルとを1〜10Torrの真空下に 1,800〜1,900 ℃で
反応させると密度が1.90〜2.05g/cm3 のものとして得る
ことができ、このものは表面剥離性、熱伝導率、温度分
布コントロール性のよいものになるということを見出す
と共に、これについてはそのものの配向度がX線回折I
(002)/I(100) のピーク強度比(積層表面/積層成長
面)で5〜50のものとすることがよいことを確認して本
発明を完成させた。以下これをさらに詳述する。
度が1.90〜2.05g/cm3 であることを特徴とするものであ
るが、このものは剥離強度が大きく、熱伝導率も低く、
容器内の温度分布のコントロール性もよいので、III-V
族化合物半導体単結晶育成用の大型ルツボや真空蒸着
用、分子エピタキシー(MBE)用のAl溶解用ルツボ
などに好適に使用し得るという有利性をもつものとされ
る。
PBNがハロゲン化ほう素、例えば三塩化ほう素(BC
l3 )とアンモニア(NH3 )とを高真空下、高温で反
応させ、この反応生成物をカーボン基体上に析出させる
という方法で作られることはよく知られているところで
あるが、このPBNの密度と配向度との間には図1に示
した関係があり、その配向度をX線回折におけるI(002)
/I(100)のピーク強度比(積層表面/積層成長面)で5
〜50となるようにすれば、アルキメデス法により求めた
密度を1.90〜2.05g/cm3 とすることができことが見出さ
れ、このPBNの配向度、密度はこの反応温度、反応圧
力によって決まることから、このPBNの製造に当って
はBCl3 1モルとNH3 3モルとを真空度が1〜10To
rr、好ましくは1〜5Torrで 1,800〜 1,900℃、好まし
くは 1,800〜 1,850℃という条件で反応させればよいと
いうことが判った。
が密度1.90〜2.05g/cm3 のもであることから、スタッド
法で求めた剥離強度が強いものとなり、この剥離強度は
密度の小さいほうが強いものとなるが、この密度と剥離
強度との関係については図2に示したとおりの結果が得
られており、例えば密度が1.90g/cm3 では剥離強度が12
5kg/cm2 となり、密度が2.05g/cm3 では剥離強度が50kg
/cm2となるので、このものは例えばこれをIII-V族化合
物半導体単結晶引上げルツボとして使用ときの1回の平
均減量が 0.2g/回となって、30回以上使用することがで
きる長寿命のものになるという有利性が与えられる。
2.05g/cm3 のものとされることからこれはレザーフラッ
シュ法で求めた積層表面方向の熱伝導率も低いものとな
り、この熱伝導率も密度の小さいほど熱伝導率の低いも
のとなるが、この密度と熱伝導率との関係については図
3に示したような結果が得られており、密度が1.90g/cm
3 では熱伝導率が 20w/m・kとなり、密度が2.05g/cm3 で
は熱伝導率が 50w/m・kとなるので、この範囲で実用性の
すぐれたものになるという有利性が与えられる。
〜2.05g/cm3 のものとなると温度分布コントロール性の
よいものとなるが、この密度が1.85g/cm3 のように1.90
g/cm3より小さいものであるとクラックが発生し易く、
短寿命となり、この密度が2.15g/cm3 のように2.05g/cm
3 より大きいものであると熱伝導度が高くなり、均熱化
傾向が強くなって、温度分布コントロール性がわるくな
るということが判かった。
cm3 以下のPBNからなるPBN容器は積層表面方向で
の引張り強度が弱くなり、したがって容器として安定に
長期間使用することができず、配向度が50以上で密度が
2.05g/cm3 以上のPBNからなるPBN容器では異方性
が強くなって面剥離強度が低下し、容器としての寿命が
短いものとなるが、配向度が5〜50で密度が1.90〜2.05
g/cm3 のPBNからなるPBN容器は剥離強度が強く、
熱伝導率も低く、温度分布コントロール性もよくなるの
で、III-V族化合物半導体の引上げ用の大型ルツボまた
は真空蒸着、分子線エピタキシー用のルツボとして使用
した時に作業性がよく、長寿命なものになるという有利
性が与えられる。
例中におけるライフテスト法、ルツボライフ、配向度、
剥離強度、単結晶収率、温度分布コントロール性はつぎ
の方法による結果を示したものである。
BN容器中に200gのB2 O3 を入れ、1,100 ℃まで昇温
して1時間保持したのち自然放冷した。これによると、
B2 O3 は1時溶けて再び固化するが、このときB2 O
3 は熱収縮してPBN容器内面を剥離するので、この内
面剥離後メタノールに10時間浸漬して付着しているB2
O3 を除去したのち、乾燥し、重量を測定してこれを重
量減少量とし、またこの際容器の底にクラックが生ずる
までの回数を求めてルツボライフとした。 (配向度)積層表面(a面)および積層成長面(c面)
のX線回析のピーク強度I 002、I 001を図4(a)、
(b)から測定し、下記の式により求める。
約6mmφの円盤に引張り棒を取りつけた鉄製の釘状の治
具(スタッド)1を熱分解窒化ほう素板2に2液型エポ
キシ樹脂接着剤(アラルダイト)3で約10μmの厚さに
張りつけ、80℃×1時間加熱して接着し、ついで室温で
図6(b)に示したようにこのスタッド1をオートグラ
フによって引上げ、窒化ほう素板2が剥離したときの値
を読み取り、これを5つのサンプルについて行なってそ
の平均値をスタッドの円盤の面積で除して剥離強度(kg
/cm2)とした。 (単結晶収率)容器を用いてLEC法により常法の条件
によって約6"φのGaAsの単結晶の引上げを行ない、
その際得られたブールの単結晶化率を求めて収率(%)
とした。
に示したようにPBN容器1を不活性ガス雰囲気に1気
圧で肉厚10mmの等方性緻密質カーボンサセプター2内に
納め、これをその外側から内径190mm φのカーボン製ヒ
ーター3で容器内の中心温度が 1,400℃になるように加
熱し、そのときヒーター3とPBN容器1との位置関係
xを操作し、PBN容器内面の温度(開口部付近TO と
底部側部TB )の差を調べた。
カーボン型をセットし、ここにBCl3 1モルとNH3
3モルを導入し、1〜5Torrの圧力に 1,800〜1,850 ℃
で反応させて内径 150mmφ、長さ 200mm、厚さ1mmのP
BN容器を作り、そのものの密度、配向度、剥離強度、
熱伝導度、ルツボライフ、GaAsの単結晶収率をしら
べたところ、表1に示したとおりの結果が得られた。
を15Torrとし、1,780℃で反応させた場合(比較例1)
および圧力は 0.5Torrとしたが温度を 1,920〜 1,950℃
として反応させた場合(比較例2〜4)において得られ
た内径 150mmφ、長さ 200mm、厚さ1mmのPBN容器の
密度、配向度、剥離強度、熱伝導度、ルツボライフおよ
びGaAsの単結晶収率をしらべたところ、表1に併記
したとおりの結果が得られた。なお、表1から密度と配
向度の関係、密度と剥離強度との関係、および密度と熱
伝導率との関係をしらべたところ、図1、図2、図3に
示すとおりの結果が得られた。
についてのライフテストを行なったところ、実施例1〜
3のものは平均減少量が 0.2g/回〜 0.3g/回で寿命も30
回以上であったけれども、比較例1のものは2回目でク
ラックが入って以下使用不能となり、比較例2〜4のも
のは平均減少量が 0.7g/回と多くなり、7回目〜12回目
にクラックが発生した。
いての温度分布コントロール性をしらべたところ、図4
(b)に示したように実施例1〜3(図中の)および
比較例1(図中の)のものは最大温度差が大きいため
に温度分布コントロールは容易であったが、比較例2〜
4のもの(図中の)は好ましい最大温度差が容器の大
きさによって異なり、容器が大きく大きくなると最大温
度差が小さくなるために均熱化傾向が強くなり、温度コ
ントロールは難しくなるということが確認された。ただ
し、比較例1の場合はルツボライフが2回と小さいもの
であった。
れは前記したように密度が1.90〜2.05g/cm3 であること
を特徴とするものであるが、このものは配向度が5〜50
であり、剥離強度が50〜125kg/cm2 と大きく、熱伝導率
も 50w/m・k以下であり、加熱時における容器内の最大温
度差が制御されるので、III-V族化合物半導体単結晶の
大型育成用ルツボや真空蒸着または分子線エピタキシー
などに使用するルツボとして有用とされるという有利性
をもつものになる。
グラフを示したものである。
剥離強度との関係グラフを示したものである。
熱伝導率との関係グラフを示したものである。
性を調査する装置の縦断面、(b)は実施例、比較例で
得られたPBN容器の温度分布コントロール性のグラフ
を示したものである。
(b)は(c面)のX線回析チャートのグラフの一例を
示したものである。
…カーボン製ヒーター。
Claims (5)
- 【請求項1】密度が1.90〜2.05g/cm3 であることを特徴
とする熱分解窒化ほう素容器。 - 【請求項2】配向度がX線回折[I(002)/I(100)]のピ
ーク強度比(積層表面/積層成長面)で5〜50である請
求項1に記載した熱分解窒化ほう素容器。 - 【請求項3】剥離強度が50〜125kg/cm2 である請求項1
に記載した熱分解窒化ほう素容器。 - 【請求項4】積層表面方向の熱伝導率が 50w/m・k以下で
ある請求項1に記載した熱分解窒化ほう素容器。 - 【請求項5】加熱時における容器内の最大温度差が制御
されている請求項1に記載した熱分解窒化ほう素容器。
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1993
- 1993-06-23 JP JP5152016A patent/JP2934120B2/ja not_active Expired - Fee Related
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