JP2006103998A - Iii族窒化物多結晶およびその製造方法ならびにiii族窒化物単結晶およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 酸素原子濃度の低いIII族窒化物多結晶およびIII族窒化物単結晶ならびにそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】 III族元素のハロゲン化物とNH3とを反応させて、酸素原子濃度が100ppm以下のIII族窒化物多結晶1を合成するIII族窒化物多結晶の製造方法。上記のIII族窒化物多結晶を原料として昇華法によりIII族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物単結晶の製造方法。上記製造方法により得られるIII族窒化物多結晶およびIII族窒化物単結晶。
【選択図】 図1
【解決手段】 III族元素のハロゲン化物とNH3とを反応させて、酸素原子濃度が100ppm以下のIII族窒化物多結晶1を合成するIII族窒化物多結晶の製造方法。上記のIII族窒化物多結晶を原料として昇華法によりIII族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物単結晶の製造方法。上記製造方法により得られるIII族窒化物多結晶およびIII族窒化物単結晶。
【選択図】 図1
Description
本発明は、III族窒化物多結晶およびその製造方法、ならびにIII族窒化物単結晶およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、酸素原子濃度の低いIII族窒化物多結晶およびIII族窒化物単結晶ならびにそれらの製造方法に関する。
AlN単結晶などのIII族窒化物単結晶は、発光素子、電子素子、半導体センサなどの半導体デバイスの基板などに用いられる。ここで、半導体デバイスの諸特性を向上させる観点から、III族窒化物単結晶中の不純物である酸素原子の濃度は低いことが好ましい。
AlN単結晶などのIII族窒化物単結晶を成長させる方法としては、昇華法、フラックス法、HVPE法などが適用される。特に、AlN単結晶の成長に関しては、高い結晶成長速度で結晶性の良い(すなわち、転位密度が低い)結晶が得られる観点から、昇華法が好ましく用いられる。
この昇華法によるAlN単結晶の成長は、AlN原料を高温で昇華させてAlガスとN2ガスとに分解し、AlガスとN2ガスからなる昇華ガスを低温部で再固化させることによって行なわれる。ここで、AlN原料としては、AlN粉末、Al粉末を焼結させたAlN焼結体などが用いられている(たとえば、特許文献1を参照)。
しかし、上記AlN粉末は比表面積がきわめて大きく表面が容易に酸化してしまうため、AlN粉末を原料として成長させたAlN単結晶に多量の酸素原子が混入する。また、上記AlN焼結体は一般的に多孔質であり比表面積が比較的大きく表面が容易に酸化してしまうためAlN焼結体を原料として成長させたAlNにも相当量の酸素原子が混入する。
したがって、半導体デバイスの基板などに適した酸素原子濃度が低いIII族窒化物単結晶およびその製造方法の開発が望まれていた。
特開平10−53495号公報
本発明は、酸素原子濃度の低いIII族窒化物多結晶およびIII族窒化物単結晶ならびにそれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、III族元素のハロゲン化物とNH3とを反応させて、酸素原子濃度が100ppm以下のIII族窒化物多結晶を合成するIII族窒化物多結晶の製造方法である。
本発明にかかるIII族窒化物多結晶の製造方法において、III族窒化物多結晶の厚さを1mm以上とすること、III族窒化物多結晶のかさ密度を理論密度の80%以上とすることができる。また、III族元素としてAlおよびGaの少なくともいずれかを含むIII族元素のハロゲン化物ガスとNH3ガスとの体積比率を1:1〜1:10として、合成温度を800℃〜1200℃とすることができる。
また、本発明は、上記のIII族窒化物多結晶の製造方法によって得られるIII族窒化物多結晶である。
また、本発明は、上記のIII族窒化物多結晶を原料として、III族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物単結晶の製造方法である。
本発明にかかるIII族窒化物単結晶の製造方法において、昇華法によりIII族窒化物単結晶を成長させることができる。
さらに、本発明は、上記のIII族窒化物単結晶の製造方法によって得られるIII族窒化物単結晶である。
上記のように、本発明によれば、酸素原子濃度の低いIII族窒化物多結晶およびIII族窒化物単結晶ならびにそれらの製造方法を提供することができる。
本発明にかかるIII族窒化物多結晶の製造方法は、図1を参照して、III族元素のハロゲン化物とNH3とを反応させて、酸素原子濃度が100ppm以下のIII族窒化物多結晶1を合成する方法である。
III族元素のハロゲン化物とNH3とを反応させる方法、たとえばHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy;ハイドライド気相成長)法によりIII族元素のハロゲン化物ガス5とNH3ガス6とを反応させることにより、不純物である酸素原子の濃度が低いIII族窒化物多結晶1が容易に得られる。
また、酸素原子濃度が低いIII族窒化物多結晶を原料として用いることにより、酸素原子濃度が低いIII族窒化物結晶を成長させることができる。半導体デバイスの基板などに適した酸素原子濃度が10ppm未満のIII族窒化物単結晶の原料として用いることができるIII族窒化物多結晶であるという観点から、III族窒化物多結晶の酸素原子濃度は100ppm以下である。なお、結晶中の酸素原子濃度は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy;2次イオン質量分析法)法により測定することができる。
本発明にかかるIII族窒化物多結晶の製造方法において、III族窒化物多結晶の厚さは1mm以上とすることが好ましい。合成するIII族窒化物多結晶の厚さが小さいと、本多結晶への酸素原子の混入が多くなる。かかる観点から、III族窒化物多結晶の厚さは2mm以上とすることがより好ましい。
本発明にかかるIII族窒化物多結晶の製造方法において、III族窒化物多結晶のかさ密度を理論密度の80%以上とすることが好ましい。理論密度に対するかさ密度の割合が大きい程、多結晶は緻密体となり酸化され難くなるため、酸素原子濃度が低い多結晶となる。かかる観点から、III族窒化物多結晶のかさ密度を理論密度の90%以上とすることがより好ましく、95%以上とすることがさらに好ましい。ここで、かさ密度とは合成されたIII族窒化物多結晶の実際の密度をいい、理論密度とは合成されたIII族窒化物多結晶が本来有するべき理論的な密度をいう。たとえば、III族窒化物多結晶がAlN多結晶である場合は、AlN多結晶の理論密度は3.23g/cm3であるから、AlN多結晶のかさ密度は2.58g/cm3以上であることが好ましく、2.91g/cm3以上であることがより好ましく、3.07g/cm3以上であることがさらに好ましい。
さらに、本発明にかかるIII族窒化物多結晶の製造方法において、III族元素としてAlおよびGaの少なくともいずれか含むIII族元素のハロゲン化物ガスとNH3ガスとの体積比率を1:1〜1:10として、合成温度(具体的には、図1に示す合成室12においてIII族窒化物多結晶が合成される領域である高温部12bの温度をいう、以下同じ)を800℃〜1200℃とすることが好ましい。
III族元素としてAlおよびGaのいずれかを含むことにより、AlxGa1-xN(0≦x≦1)の組成を有するIII族窒化物多結晶が容易に得られる。
また、III族元素のハロゲン化物ガスとNH3ガスとのモル比を1:1〜1:10とし、合成温度を800℃〜1000℃とすることにより、かさ密度が理論密度の80%以上であり酸素濃度が100ppm以下であるIII族窒化物多結晶が容易に得られる。III族元素のハロゲン化物ガスに対するNH3ガスのモル比が1未満であるとかさ密度が低下し、10を超えると合成速度が低下する。合成温度が800℃未満であるとかさ密度が低下し、1200℃を超えると酸素濃度が高くなる。
ここで、図1を参照して、HVPE法によりIII族元素のハロゲン化物ガス5とNH3ガス6とを反応させることにより、酸素原子の濃度が100ppm以下のIII族窒化物多結晶を合成する方法を具体的に説明する。
HVPE法による結晶合成においては、たとえば、図1に示すようなHVPE装置10を用いる。このHVPE装置10は、反応容器11内にIII族窒化物多結晶1が合成される合成室12が設けられ、合成室12内には1以上の仕切り板12p、合成室12にIII族元素のハロゲン化物ガス5を導入するためのIII族元素ハロゲン化物ガス導入口11a、合成室12にNH3ガス6を導入するためのNH3ガス導入口11bが設けられている。また、反応容器11には、反応後のガスを排気するための排気口11cが設けられ、反応容器11の外側には、反応容器11を加熱するためのヒータ13が配設されている。
ここで、反応容器11および合成室12の材質は、特に制限はないが、III族窒化物多結晶への不純物の混入を低減する観点から、pBN(pyrolytic Boron Nitride:熱分解BN)、焼結BN、C、SiCなどを用いることが好ましい。また、仕切り板12pは、板状のIII族窒化物多結晶の合成を促進するために設けられるものであり、仕切り板12pの間隔は5mm〜20mm程度が好ましい。仕切り板12pの間隔が大きすぎるとIII族窒化物多結晶の合成が促進されず、間隔が小さすぎると薄いIII族窒化物多結晶しか得られなくなる。
図1を参照して、上記HVPE装置10を用いて、たとえば、以下のようにしてIII族窒化物多結晶1を合成することができる。反応容器11内に設けられた合成室12に、III族元素のハロゲン化物ガス5とHN3ガス6とを導入して、両者を反応させて、反応室12の高温部12bにおける側壁12wおよび/または仕切り板12p上にIII族窒化物多結晶1を成長させる。
ここで、III族元素のハロゲン化物ガス5とHN3ガス6とのモル比(体積比)を1:1〜1:10、合成室12の高温部12bにおける合成温度を800℃〜1200℃とすることにより、酸素原子濃度が100ppm以下のIII族窒化物多結晶が得られる。
なお、III族元素のハロゲン化物ガスおよびHN3ガスの導入に際しては、H2ガス、N2ガスまたはArガスなどのキャリアガスを用いることができる。III族元素のハロゲン化物ガスまたはNH3ガスに上記キャリアガスを加えることにより、III族元素のハロゲン化物ガスまたはNH3ガスの導入量を安定化させるとともに、III族元素のハロゲン化物ガスとNH3ガスとの反応性を調節することができる。
反応容器11内に設けられた合成室12へのIII族元素のハロゲン化物ガス5およびHN3ガス6の導入は、たとえば、反応容器11の内圧を0.01MPa〜1MPa程度に維持しながら、III族元素のハロゲン化物ガスの流量が0.1slm(標準状態のガスが1分間に1リットル流れる流量の単位、以下同じ)〜10slm程度、NH3ガスの流量が1.0slm〜10slm程度、キャリアガスの流量が1.0slm〜20slm程度となるように行なう。
HVPE法において、III族窒化物単結晶を成長させる場合には、多結晶化を防止するため、III族元素のハロゲン化物ガス5とHN3ガス6とのモル比(体積比)を1:10〜1:1000とする必要があり、III族元素のハロゲン化物ガスの供給量が少なくなり、結晶の成長速度が高くすることができなかった。
これに対し、HVPE法において、III族窒化物多結晶を成長させる場合には、III族元素のハロゲン化物ガス5とHN3ガス6とのモル比(体積比)を1:1〜1:10とすることにより、III元素のハロゲン化物ガスの供給量を多くすることができ、結晶の成長速度を高くすることができる。
本発明にかかるIII族窒化物多結晶は、上記のIII族窒化物多結晶の製造方法によって得られるIII族窒化物多結晶である。
本発明にかかるIII族窒化物単結晶の製造方法は、上記の製造方法によって得られた酸素原子濃度が100ppm以下のIII族窒化物多結晶を原料として、III族窒化物単結晶を成長させる方法である。酸素原子濃度が100ppm以下のIII族窒化物多結晶を原料として用いることにより、酸素原子濃度が10ppm未満のIII族窒化物単結晶を成長させることができる。
III族窒化物多結晶を原料として、III族窒化物単結晶を成長させる方法には、特に制限はないが、高い結晶成長速度で結晶性の良い(すなわち、転位密度が低い)結晶が得られる観点から、昇華法が好ましい。III族窒化物を構成するIII族元素としてBまたはAlが多く含まれる場合には、通常の昇華法でIII族窒化物単結晶の成長が可能であるが、III族窒化物を構成するIII族元素としてGaまたはInが多く含まれる場合には、窒素の乖離圧が高いため、通常の昇華法ではIII族窒化物単結晶の成長は困難となるため、NH3ガス気流下において昇華法が行なわれる。
ここで、本発明における昇華法とは、図2を参照して、III族窒化物単結晶3の原料となるIII族窒化物多結晶1を昇華させた後、種結晶2において再度固化させて、種結晶2上にIII族窒化物単結晶1を成長させる方法を言う。
昇華法による結晶成長においては、たとえば、図2に示すような高周波加熱方式の縦型の昇華炉20を用いる。この縦型の昇華炉20における反応容器21の中央部には、結晶成長容器22として開口部22dを有するBN製の坩堝が設けられ、坩堝の周りに坩堝の内部から外部への通気を確保するように加熱材24および断熱材25が設けられている。また、反応容器21の外側中央部には、結晶成長容器22を加熱するための加熱材24を加熱する高周波加熱コイル26が設けられている。
さらに、反応容器21の端部には、反応容器21の結晶成長容器22の外側にN2ガスおよび/またはNH3ガスを流すためのガス導入口21aおよびガス排気口21cと、結晶成長容器22の下面(III族窒化物多結晶1側)および上面(種結晶2側)の温度を測定するための放射温度計27が設けられている。なお、結晶成長容器22は大部分が、加熱材24および断熱材25で覆われているが、温度測定孔25e、開口部25dにより放射温度計27による結晶成長容器22の下面および上面の温度を測定することが可能となる。
図2を参照して、上記縦型の昇華炉20を用いて、たとえば、以下のようにしてIII族窒化物単結晶3を作製することができる。結晶成長容器22の上部に種結晶2を、結晶成長容器22の下部にIII族窒化物単結晶の原料となるIII族窒化物多結晶1を収納し、反応容器21内にN2ガスを流しながら、高周波加熱コイル26を用いて加熱材24を加熱し、結晶成長容器22内の温度を上昇させて、結晶成長容器22のIII族窒化物多結晶1側の温度を、種結晶2側の温度よりも高く保持することによって、III族窒化物多結晶1からIII族窒化物元素窒化物を昇華させて、結晶成長容器22の上部に配置された種結晶2上で、III族窒化物を再度固化させてIII族窒化物単結晶3を成長させる。
III族窒化物単結晶の成長温度(具体的には、III族窒化物単結晶の成長界面における温度をいう、以下同じ)には、結晶成長ができる温度範囲内であれば特に制限はないが、AlN単結晶を成長させる場合には、1800℃以上2400℃以下であることが好ましい。結晶成長温度が1800℃未満であると単結晶が成長せず、2400℃を超えると結晶成長容器22である坩堝の劣化が著しくなる。具体的には、種結晶2側の温度を2000℃程度、III族窒化物多結晶1側の温度を2100℃程度として、III族窒化物単結晶3の成長を行なうのが好ましい。また、単結晶成長中、反応容器21内の結晶成長容器22の外側にN2ガスを、反応容器21の内圧が0.01MPa〜0.1MPa程度、ガス流量が0.01slm〜10slm程度になるように流し続けることにより、III族窒化物単結晶3への不純物の混入を低減することができる。
なお、結晶成長容器22内部の昇温中は、結晶成長容器22の種結晶2側の温度をIII族窒化物多結晶1側の温度よりも高くすることにより、昇温中に種結晶2の表面をエッチングにより清浄するとともに、昇温中に種結晶2および結晶成長容器22内部から放出された不純物を、開口部22dを通じて除去することができ、III族窒化物単結晶3への不純物の混入をより低減することができる。
また、III族元素としてGaまたはInが多く含まれるIII族窒化物単結晶を成長させる場合は、単結晶成長中、反応容器21内の結晶成長容器22の外側にNH3ガスを、反応容器21の内圧が0.1MPa〜1MPa、ガス流量が0.1slm〜10slm程度になるように流し続けて、結晶成長容器22の開口部22dから原料であるIII族窒化物多結晶1にNH3ガスを供給することにより、Ga原子またはIn原子を含むIII族窒化物多結晶1においてN原子の乖離によって生じたGa原子またはIn原子がHN3ガスと反応してGaNまたはInNとして原料であるIII族窒化物多結晶に補填されるため、結晶性のよい単結晶の成長が容易となる。
種結晶2には、特に制限はないが、多結晶化を発生させずにIII族窒化物単結晶を成長させる観点から、原料であるIII族窒化物多結晶と同種類のIII族窒化物単結晶を用いることが好ましい。
本発明にかかるIII族窒化物単結晶は、上記のIII族窒化物単結晶の製造方法によって得られるIII族窒化物単結晶である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
(実施例1)
本実施例は、HVPE法により、AlN多結晶を合成した実施例である。HVPE法によるAlN多結晶の合成は、図1を参照して、以下のようにして行なった。
本実施例は、HVPE法により、AlN多結晶を合成した実施例である。HVPE法によるAlN多結晶の合成は、図1を参照して、以下のようにして行なった。
HVPE装置10のpBN製の反応容器11内に設けられたpBN製の合成室12に、反応容器11の内圧を0.1MPaに維持しながら、1slmのAlCl3ガス5と5slmのNH3ガス6とを導入し、合成室12において500℃の低温部12aでAlCl3ガスとNH3ガスとを混合した後、1000℃の高温部12bにおける側壁12w面上および2枚の仕切り板12p(pBN製、幅100mm×長さ1000mm)の上面上および下面上にAlN多結晶1を成長させた。ここで、側壁12w−仕切り板12p間、仕切り板12p相互間の間隔は10mmとした。
上記AlN多結晶を10時間成長させ冷却後取り出すと、最大厚さが3.5mmの板状である乳白色のAlN多結晶1が6つ(6つのAlN多結晶の全体質量は870g)得られた。得られたAlN多結晶のかさ密度は、3.15g/cm3〜3.20g/cm3(平均:3.18g/cm3)であり、理論密度3.23g/cm3に対して97.5%〜99.1%(平均:98.4%)となり、おおよそ密なAlN多結晶であった。また、このAlN多結晶のSIMS法により測定された酸素原子濃度は10ppmであり、不純物の少ないAlN多結晶であった。
(実施例2)
本実施例は、実施例1で合成したAlN多結晶を種結晶および原料として、昇華法によりAlN単結晶を成長させた実施例である。昇華法によるAlN単結晶の成長は、図2を参照して、以下のようにして行なった。
本実施例は、実施例1で合成したAlN多結晶を種結晶および原料として、昇華法によりAlN単結晶を成長させた実施例である。昇華法によるAlN単結晶の成長は、図2を参照して、以下のようにして行なった。
結晶成長容器であるTa製の坩堝22の下部にAlN多結晶1を収納し、坩堝22の上部にAlN種結晶2を配置した。ここで、AlN種結晶2は平坦に加工されており、このAlN種結晶2の裏面に種結晶保護材23であるBN材が密着するように配置して、種結晶保護材23によってAlN種結晶2の裏面からのAlNの昇華を防止した。
次に、反応容器21内にN2ガスを流しながら、高周波加熱コイル26を用いて坩堝22内の温度を上昇させた。坩堝22内の昇温中は、坩堝22のAlN種結晶2側の温度をAlN多結晶1側の温度よりも高くして、昇温中にAlN種結晶2の表面をエッチングにより清浄するとともに、昇温中にAlN種結晶2および坩堝22内部から放出された不純物を、開口部22dを通じて除去した。
次に、坩堝22のAlN種結晶2側の温度を1850℃、AlN多結晶1側の温度を1900℃にして、AlN多結晶1からAlNガスを昇華させて、AlN種結晶2上で、昇華したAlNガスを再度固化させてAlN単結晶3を成長させた。なお、坩堝の昇温中および単結晶の生成中は、反応容器21内にN2ガスを流すことにより、反応容器21の内圧を2.66×104Pa〜9.31×104Pa(200Torr〜700Torr)に制御した。得られたAlN単結晶の酸素原子濃度は、SIMS法の測定限界である0.1ppm未満であった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
1 III族窒化物多結晶、2 種結晶、3 III族窒化物単結晶、5 III族元素のハロゲン化物ガス、6 NH3ガス、10 HVPE装置、11,21 反応容器、11a III族のハロゲン化物ガス導入口、11b NH3ガス導入口、11c 排気口、12 合成室、12a 低温部、12b 高温部、12p 仕切り板、12w 側壁、13 ヒータ、20 昇華炉、21a ガス導入口、21c ガス排気口、22 結晶成長容器、22d,25d 開口部、23 種結晶保護材、24 加熱材、25 断熱材、25e 温度測定孔、26 高周波加熱コイル、27 放射温度計。
Claims (8)
- III族元素のハロゲン化物とNH3とを反応させて、酸素原子濃度が100ppm以下のIII族窒化物多結晶を合成するIII族窒化物多結晶の製造方法。
- 前記III族窒化物多結晶の厚さを1mm以上とする請求項1に記載のIII族窒化物多結晶の製造方法。
- 前記III族窒化物多結晶のかさ密度を理論密度の80%以上とする請求項1または請求項2に記載のIII族窒化物多結晶の製造方法。
- III族元素としてAlおよびGaの少なくともいずれかを含むIII族元素のハロゲン化物ガスとNH3ガスとのモル比を1:1〜1:10として、合成温度を800℃〜1200℃とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のIII族窒化物多結晶の製造方法。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載のIII族窒化物多結晶の製造方法によって得られるIII族窒化物多結晶。
- 請求項5に記載のIII族窒化物多結晶を原料として、III族窒化物単結晶を成長させるIII族窒化物単結晶の製造方法。
- 昇華法により前記III族窒化物単結晶を成長させる請求項6に記載のIII族窒化物単結晶の製造方法。
- 請求項6または請求項7に記載のIII族窒化物単結晶の製造方法によって得られるIII族窒化物単結晶。
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