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JPH055536Y2 - - Google Patents

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Publication number
JPH055536Y2
JPH055536Y2 JP10088686U JP10088686U JPH055536Y2 JP H055536 Y2 JPH055536 Y2 JP H055536Y2 JP 10088686 U JP10088686 U JP 10088686U JP 10088686 U JP10088686 U JP 10088686U JP H055536 Y2 JPH055536 Y2 JP H055536Y2
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JP
Japan
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clip
electrode
substrate
sealing
ecd
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JP10088686U
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、エレクトロクロミツク素子の改良に
関する。以下、エレクトロクロミツクを「EC」
と略称し、EC素子を「ECD」と略称する。
〔従来の技術〕
電圧を印加すると可逆的に電解酸化または還元
反応が起こり可逆的に着色する現象をエレクトロ
クロミズムと言う。このような現象を示すエレク
トロクロミツク(以下、ECと略称する)物質を
用いて、電圧操作により着消色するEC素子(以
下、ECDと略す)を作り、このECDを光量制御
素子(例えば、防眩ミラー)や7セグメントを利
用した数字表示素子に利用しようとする試みは、
20年以上前から行われている。例えば、ガラス基
板の上に透明電極層、三酸化タングステン薄膜と
二酸化ケイ素のような絶縁膜との2層膜(順は不
同)及び対向電極層を順次積層してなるECD(特
公昭52−46098参照)が全固体型ECDとして知ら
れている。このECDに電圧を印加すると三酸化
タングステン(WO3)薄膜が青色に着色する。
その後、このECDに逆の電圧を印加すると、
WO3薄膜の青色が消えて無色になる。この着
色・消色する機構は詳しくは解明されていない
が、WO3薄膜および絶縁膜(イオン導電層)中
に含まれる少量の水分がWO3の着色・消色を支
配していると理解されている。着色の反応式は下
記のように推定されている。
陰極側: H2O→H++OH- WO3+nH++ne-→HoWO3 (無色透明) (青色) 陽極側: OH-→1/2H2O+1/4O2↑+1/2e- ところで、EC層を直接又は間接的に挟む一対
の電極層は、EC層の着消色を外部に見せるため
に少なくとも一方は透明でなければならない。特
に透過型のECDの場合には両方とも透明でなけ
ればならない。透明な電極材料としては、現在の
ところSnO2,In2O3,ITO(SnO2とIn2O3との混
合物)、ZnOなどが知られているが、これらの材
料は比較的透明度が悪いために薄くせねばなら
ず、この理由及びその他の理由からECDは基板
例えばガラス板やプラスチツク板の上に形成する
のが普通であり、このようなECDの構造の一例
を第4図に示す。
第4図に於いて、Aは上部電極Al、Bは下部
透明電極、Eは還元着色性EC層(例えばWO3)、
Dはイオン導電層、Cは可逆的電解酸化層又は酸
化着色性EC層(例えば酸化又は水酸化イリジウ
ム)をそれぞれ示し、基本的にはこのA〜Bの積
層構造だけでECDが構成されるが、前述のとお
り、これらのECDは基板S上に形成される。
RはECDの封止材例えばエポキシ樹脂であり、
Gは保護用の封止基板である。
このようなECDの電極A,Bに外部電源を供
給するために、各々、取出し部が必要であり、取
出し部の少なくとも一部は封止基板によつて封止
されることなく露出しており、この露出した取出
し部に外部配線LA,LBが例えばハンダ付けによ
り接続されていた。
従来、取出し部は、上部電極及び下部電極と同
種の材料及び製法で形成され、そのため真空蒸
着、イオンプレーテイング、スパツタリングなど
の真空薄膜形成技術により形成された(イ)ITOその
他の酸化物薄膜、又は(ロ)Alその他の金属薄膜が
使用されていた。
しかしながら、(イ)、(ロ)いずれの場合にも取出し
部が非常に薄いので、ハンダ付けの作業効率が悪
いという問題点があるほか、(イ)の場合には、特に
電気抵抗が比較的高いので、外部配線を直接ハン
ダ付けすると、抵抗の低い外部配線と抵抗の高い
取出し部とが一点において接触しているため、外
部配線から取出し部を通じて電極全体に供給され
る電荷の供給速度が遅くなり、応答性が悪いとか
着色・消色ムラが生じるという問題点があり、更
に温水浸漬試験に供すると、外部配線が取出し部
から剥離するという問題点があつた。(ロ)の場合に
は、温水浸漬試験に供すると、取出し部が基板か
ら剥離するという問題点があつた。
本考案者らの一部は、先にこれらの問題点を解
決ずべく研究した結果、取出し部に低抵抗の導電
性クリツプを取り付け、これに外部配線を接続す
ることを発明し、昭和61年5月20日付けで特許出
願した。この出願は、現時点でまだ公開されてお
らず、以下、先願という。
クリツプを使用すると、温水浸漬試験に供して
も剥離を生ぜず、しかも外部配線から取出し部を
通じて高抵抗電極全体に供給される電荷の供給速
度が速く、そのため応答性がよく、着色・消色ム
ラの生じないECDが得られる。
〔考案が解決しようとする問題点〕
しかしながら、先願発明のECDにあつても、
低抵抗電極(反射層と兼用されることもある)と
して使用される金属電極特にアルミニウム電極
は、非常に薄いことも原因して比較的腐食され易
く、従つて、寿命が短い、信頼性が低いという問
題点があつた。
〔問題点を解決するための手段〕
本考案者らは、金属電極の腐食の問題について
鋭意研究した結果、単にエポキシ樹脂などの封止
材で封止しても封止層が薄いので空気や水分など
の腐食性ガスが封止層を貫いて容易に侵入し、こ
れが腐食の原因となることを発見し、その侵入を
阻止するには、封止基板及び上述のクリツプを用
いて金属電極を封止することを着想し、実験した
ところ、それでも未だ十分ではなかつた。
そこで、この原因について研究したところ、金
属電極を基板と封止基板又はクリツプで挟むよう
に封止しても、金属電極の端面がそのまま空気中
に露出しているか、良くても薄い封止材で覆われ
ているに過ぎず、そのため容易に空気や水分など
の腐食性ガスが侵入することを発見し、侵入し難
くするには、金属電極を十分に大きな封止基板及
びクリツプで封止することにより、封止基板及び
クリツプが形成する封止領域よりも金属電極を内
側に形成し、それにより金属電極を端面から十分
に遠ざけ、以て端面からの侵入経路を十分に長く
し、腐食性ガスの侵入を困難にすることを着想
し、本考案を成すに至つた。
従つて、本考案は、「基板上に下部電極、エレ
クトロクロミツク層及び上部電極の少なくとも3
層を順に積層した後、各電極の取出し部の少なく
とも一部を除いて上面を封止基板で封止し、封止
されないで露出した取出し部にそれぞれ導電性ク
リツプを取り付け、これを介して外部配線を接続
してなるエレクトロクロミツク素子に於いて、 前記上部電極及び下部電極及びそれらの取出し
部のうち金属で形成されたもの又は部分を、前記
封止基板及びクリツプが形成する封止領域より内
側にしたことを特徴とするエレクトロクロミツク
素子」を提供する。
〔作用〕
第5図は、本考案で使用される導電性クリツプ
の一例を示す斜視図であり、このクリツプは第6
図に示すように断面が略「コ」の字形を有する略
樋状のものである。
このクリツプは、取出し部と接触する断片H1
と、基板を押さえる断片H2と、両者を接続する
連結板部H3とからなる。そして断片H1と断片H2
で、周辺部表面に取出し部が形成された基板周辺
部を挟み込む。従つて、挟み込んだ後、クリツプ
が基板から外れないように、断片H1と断片H2
しつかりと基板にかみついていることが好まし
い。そのため、クリツプは、第6図に示すように
断片H1と断片H2との間が入口付近は狭く、連結
板部H3に近づくにつれ広くなる形状を有し、か
つバネ性を有する金属でできていることが好まし
い。金属はハンダ付けも良好に実施できるので好
ましい。好ましいバネ性を有する金属としては、
リン青銅が挙げられるが、その外ハガネなども使
用される。金属クリツプは、少なくとも取出し部
との接触面に、比較的軟らかい金属例えばスズ、
インジウム、ハンダ、それらの混合物、その他の
導電性材料で被覆されていてもよい。そのような
クリツプは、取出し部との接触が最高となろう。
なぜならば、一般には金属表面は顕微鏡で見た場
合微妙な凹凸があり、単に圧接しただけでは取出
し部との良好な接触が最高とはならないからであ
る。またリン青銅のクリツプにスズめつきする
と、耐蝕性が向上する利点もある。
クリツプの長さlは、金属製取出し部より十分
に長くする。クリツプ全体の形状は、先にほぼ樋
状と述べたが、ECDの形状に合わせて、長さ方
向に湾曲していてもよい。例えばECDが矩形の
基板を持つていても基板が全体に円柱の円周面に
沿つてR(アール)を持つている場合や、基板が
矩形ではなく円を2本の平行な直線で切り落とし
たきに得られる第7図に示すごとく形状や第8図
に示すごときテレビ画面の形状を持つている場合
には、クリツプはそのような基板の周辺部の形状
に適合する形状を持つこともある。
ECDが全固体薄膜タイプの場合には、基板を
除くECDそれ自身の厚さは、非常に薄く(例え
ば、0.01mm以下)、それに対してクリツプは材料
の関係から、一般に0.05〜2mmと厚いので、ECD
に取りつけた場合、第9図に示すように、ECD
に比べ、クリツプの断片H1は厚くなり、従つて
ECDの表示部と断片H1との境に段差が生じる。
そこで、この段差を利用して封止基板の位置決め
を行なうと、位置決め作業が楽に正確にできる。
この位置決め作業を更に楽に正確にするため
に、第10図に示すようにクリツプの断片H1
先端を垂直に立てて当接片H4を設けてもよい。
クリツプが長さ方向に湾曲している場合には、予
め当接片H4のところどころに楔状のスリツト
(割り)を入れておくとと湾曲させ易い。また、
当接片H4は断片H1の先端の縁全体に立てなくと
も部分的でもよい。
第9図に示すように、本考案では、封止基板の
左右末端がクリツプに当接しており、その間に隙
間が存在しない。仮に隙間が存在すると、取出し
部をエポキシ樹脂のごとき封止材で封止してあつ
ても封止材を突き抜けてやつて来る空気や水分な
どの腐食性ガスの影響で取出し部は腐食される。
しかし、取出し部を含めて金属電極を封止基板及
びクリツプが覆うように封止すると、取出し部は
腐食され難い。従つて、電極をAlのような腐食
されやすい金属で形成する場合にも、取出し部又
はその周辺部だけをわざわざ腐食に強いITOその
他の酸化物系材料に変える必要がなくなり、
ECDの製造コストが低下する。
本考案で使用される導電性クリツプは、エレク
トロクロミツク素子の周辺部の遮蔽材又は装飾材
を兼用していてもよい。特に基板側からECDを
見ることになる防眩ミラー(反射光量が電気的に
コントロールされるもの)の場合には、なるべく
表示部の面積を大きくして周辺部を細くすること
が美観上好ましいので、兼用することは有利であ
る。
クリツプをECDに取りつける時期は、封止前
でも後でもよいが、封止前に取り付け、封止基板
に封止材を塗布したものをECDと張り合わせ、
その上で封止材を硬化させると、封止材が取出し
部と断片H1との間の目に見えない微小な隙間を
通じて進入し、基板端面とクリツプとの間の比較
的大きな隙間を埋める(第11図参照)。そうす
ると、封止後にクリツプを取りつけたため封止材
が隙間を埋めないときに比べ、外部の水分の取出
し部への進入が封止材のために困難になるので、
取出し部が腐食されにくくなる。また、隙間に進
入した封止材が基板とクリツプを接着することに
なるのでクリツプが基板から外れにくくなる利点
も得られる。
クリツプがハンダ付け可能な材料でできている
場合には、外部配線をクリツプに接続するとき、
ハンダ付けすればよいが、クリツプが金属ででき
ている場合には、ハンダ付けに変えて圧着又は圧
締により接続してもよい。
圧着又は圧締の方法としては、金属製のクリツ
プを使用した場合には、例えば(1)単にクリツプ末
端(特に断片H3)と基板との間に剥き出しにし
た外部配線を挟み込む方法、その変形例としてク
リツプの長さ方向の途中に穴又は溝又はスリツト
(割り)を開け、この穴又は溝を通じて剥き出し
にした外部配線の先端を差入れて、クリツプ(特
に断片H3)と基板との間に挟み込む方法、その
変形例としてクリツプの長さ方向の途中に2カ所
の穴又は溝又はスリツト(割り)を開け、第1の
穴又は溝又はスリツト(割り)から剥き出しにし
た外部配線の先端を差入れて第2の穴又は溝又は
スリツト(割り)から差し出し、剥き出しにした
外部配線をクリツプ(特に断片H3)と基板との
間に挟み込む方法、(2)長めのクリツプを用い、
ECDからはみ出したクリツプに、剥き出しにし
た外部配線の先端を差入れた後、クリツプを押し
つぶす方法、(3)クリツプの長さ方向の途中又は末
端に第12図に示すように例えば断面がほぼ逆
「J」の字形の圧着片H5を設け、これの間に剥き
出しにした外部配線LAの先端を圧着する方法な
どが挙げられる。尚、圧着片H5は、断片H1の一
部を折り曲げて作成してもよい。
外部配線のクリツプへの接続時期は、接続がハ
ンダ付けの場合、ECDに取りつける前に行なう
ことが好ましい。そうすれば、ECDがハンダ付
けの熱を受けず、熱による損傷の危険がなくな
る。
外部配線とクリツプとの接続部は、物理的、化
学的に弱いので、封止することが好ましい。この
封止は、ECDの封止と同時に行なうと、別の封
止工程が不要になるので特に好ましい。
一方、本考案に於けるECDの積層構造は、特
にどれと限定されるものではないが、固体型
ECDの構造としては、例えば電極層/EC層/
イオン導電層/電極層のような4層構造、電極
層/還元着色型EC層/イオン導電層/可逆的電
解酸化層ないし酸化着色型EC層/電極層のよう
な5層構造があげられる。
透明電極の材料としては、例えばSnO2,In2
O3,ITOなどが使用される。このような電極層
は、一般には真空蒸着、イオンプレーテイング、
スパツタリングなどの真空薄膜形成技術で形成さ
れる。(還元着色性)EC層としては一般にWO3
MoO3などが使用される。
イオン導電層としては、例えば酸化ケイ素、酸
化タンタル、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸
化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、
酸化ランタン、フツ化マグネシウムなどが使用さ
れる。これらの物質薄膜は製造方法により電子に
対して絶縁体であるが、プロトン(H+)および
ヒドロキシイオン(OH-)に対しては良導体と
なる。EC層の着色消色反応にはカチオンが必要
とされ、H+イオンやLi+イオンをEC層その他に
含有させる必要がある。H+イオンは初めからイ
オンである必要はなく、電圧が印加されたときに
H+イオンが生じればよく、従つてH+イオンの代
わりに水を含有させてもよい。この水は非常に少
なくて十分であり、しばしば、大気中から自然に
侵入する水分でも着消色する。
EC層とイオン導電層とは、どちらを上にして
も下にしてもよい。さらにEC層に対して間にイ
オン導電層を挟んで可逆的電解酸化層(ないし酸
化着色型EC層)又は触媒層を配設してもよい。
このような層としては、例えば酸化ないし水酸化
イリジウム、同じくニツケル、同じくクロム、同
じくバナジウム、同じくルテニウム、同じくロジ
ウムなどがあげられる。これらの物質は、イオン
導電層又は透明電極中に分散されていても良い
し、それらを分散していてもよい。不透明な電極
層は、反射層と兼用していてもよく、例えば金、
銀、アルミニウム、クロム、スズ、亜鉛、ニツケ
ル、ルテニウム、ロジウム、ステンレスなどの金
属が使用される。
以下、第1〜3図を引用して本考案を実施例に
より詳細に説明する。
〔実施例〕
矩形のガラス基板Sの表面全体にITO電極層を
形成し、次にフオトエツチングによりパターニン
グして上部電極A用の予備取出し部Fpと、それか
ら離れた下部電極Bと、下部電極Bに一連に続く
取出し部B1を形成した(第2〜3図参照)。尚、
場合により、予備取出し部Fpはなくともよく、ま
たITOをマスク蒸着することにより直接にこれら
のパターンを形成してもよい。
次に酸化イリジウムと酸化スズとの混合物から
なる可逆的電解酸化層C、酸化タンタル層D及び
酸化タングステン層Eを順に形成した。
その後上部電極A及び取出し部FとしてAlを
マスク蒸着し、この時Alは既に基板S上に形成
された予備取出し部Fpのほぼ全体を被覆するよう
に形成した。マスク蒸着したAlパターンのうち
予備取出し部Fpの上に乗つている部分が上部電極
の取出し部Fを構成する。
Al電極は、基板Sの外郭線よりも内側に形成
し、かつ第14図に示すように封止基板及びクリ
ツプが形成する封止領域(1点鎖線で示す)より
も内側に形成しなければならない。これにより腐
食性ガスの端面(基板端面、封止基板端面及びク
リツプ端面)からAl電極への侵入経路を十分に
長くとり、Al電極の腐食防止する。
次に、予めリン青銅製の導電性クリツプHを2
本用意し、これにそれぞれ外部配線LA又はLB
ハンダ付け又は導電性接着剤にて接続した。
このクリツプHを基板の短辺側にそれぞれ装着
し、これによりクリツプの断片H1が取出し部F,
B1を圧着するようにした。
最後にエポキシ樹脂封止材Rを多めに塗布した
封止用ガラス板GをECDの上に重ね合わせ、対
向する2本のクリツプの間に封止基板Gを納め
た。2本のクリツプHの間隔とガラス板Gの長さ
をほぼ一致させてあるので、クリツプの間にガラ
ス板Gを納めることでガラス板Gの位置決めは、
容易にかつ素早くできた。この状態でのクリツプ
Hと封止基板GとAl上部電極AとAl取出し部F
との位置を第14図に示す。これにより、Al電
極が封止基板及びクリツプで封止され、かつAl
電極端面が封止基板端面及びクリツプ端面から十
分に離れていることが一層理解されよう。
封止材Rが硬化するまで放置すると、余分の封
止材Rが取出し部、クリツプの一部と外部配線接
続部を覆い、かつ基板Sとクリツプとの隙間を埋
め、それらを封止した。これによりクリツプは基
板に確固として接着され、外すことはできなかつ
た。
こうして、本実施例のECDを作製した。この
ECDの垂直断面を第1図に示す。この図は、一
部をデホルメしてあり、正確な寸法比を有しな
い。
このECDに駆動電源Suから着色電圧(+
1.35V)を印加すると、基板S側から入射させた
波長633nmの光Lに対し、反射率が15%に減少し
(10秒後)、この反射率は電圧印加を止めても、し
ばらく保たれた。今度は消色電圧(−1.35V)を
印加すると、同じく反射率は65%に回復した(10
秒後)。
従つて、本実施例のECDは、自動車その他の
妨眩ミラーとして有用で、後ろから接近する自動
車の強いライトがミラーに当たつたとき、電圧を
印加して反射率を落とせば、ドライバーは眩しく
なくなる。
尚、この実施例では、上部電極、下部電極とも
取出し部は基板の短辺側にそれぞれ1カ所設けた
が、端末部にも取出し部を設け、両方から電荷を
供給してもよい。この場合には、一方の電極の取
出し部を基板の両短辺側に設け、他方の電極の取
出し部を基板の両短辺側に設け、他方の電極の取
出し部を基板の両長辺側に設け、クリツプは基板
の4辺全部に設けることになる。
また、この実施例では、ITO取出し部B1につ
いても、Al取出し部Fと同様にクリツプHを取
りつけて封止したが、ITOは腐食に強いので極端
な場合にはクリツプHから露出していてもよい。
とにかく、腐食し易い金属電極の端面が基板、封
止基板及びクリツプの各端面から十分に離れてい
ればよい。
〔考案の効果〕
以上の通り、本考案によれば、ECDの電極の
取出し部に予め導電性クリツプを取り付け、これ
を介して外部配線を接続したとき、腐食され易い
金属電極を封止基板及びクリツプが形成する封止
領域より内側に形成し、これにより金属電極の端
面を基板端面、封止基板端面及びクリツプ端面よ
り十分に離して封止し、以て端面から侵入する腐
食性ガスの金属電極への到達を困難にしたので、
寿命が長くなり、信頼性が高まる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の実施例にかかるECDの概
略垂直断面図である。第2図は、前記実施例にか
かるITO電極パターンの形成された基板Sの概略
平面図である。第3図は、第2図の矢視断面図で
ある。第4図は、従来のECDの概略垂直断面図
である。第5図は、導電性クリツプの一例を示す
斜視図である。第6図は、第5図の導電性クリツ
プの断面図である。第7図は、基板の一例を示す
平面図である。第8図は、基板の一例を示す平面
図である。第9図は、第1図よりも実際に近い寸
法比で表した本考案のECDの一例を示す概略断
面図である。第10図は、他の例の導電性クリツ
プの断面図である。第11図は、基板と導電性ク
リツプとの隙間に封止材が進入した様子を示す説
明図である。第12図は、更に別の例の導電性ク
リツプの断面図である。第13図は、本考案の実
施例で、最後に上部電極A及びその取出し部Fと
してAlをマスク蒸着した様子を示す概略平面図
である。想像線(2点鎖線)は封止基板Gを表わ
し、基板の両側にクリツプHが用意されている。
第14図は、実施例のECDに於いて、Al電極パ
ターンAlと、クリツプHと封止基板Gとの位置
関係を示す説明図である。 主要部分の符号の説明、S……基板、A……上
部電極、B……下部電極、B1……下部電極の取
出し部、E……還元着色性EC層又はWO3層、F
……上部電極の取出し部、Fp……上部電極の予備
取出し部、H……導電性クリツプ、G……封止基
板(ガラス板)、R……封止材、LA,LB……外部
配線、Al……アルミニウム電極(金属電極の一
種)、K……封止領域。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 基板上に下部電極、エレクトロクロミツク層
    及び上部電極の少なくとも3層を順に積層した
    後、各電極の取出し部の少なくとも一部を除い
    て上面を封止基板で封止し、封止されないで露
    出した取出し部にそれぞれ導電性クリツプを取
    り付け、これを介して外部配線を接続してなる
    エレクトロクロミツク素子に於いて、 前記上部電極及び下部電極及びそれらの取出
    し部のうち金属で形成されたもの又は部分を、
    前記封止基板及びクリツプが形成する封止領域
    より内側にしたことを特徴とするエレクトロク
    ロミツク素子。 2 前記導電性クリツプが、ほぼコの字形の断面
    を有するほぼ樋状の金属からなることを特徴と
    する実用新案登録請求の範囲第1項記載のエレ
    クトロクロミツク素子。 3 前記金属がアルミニウムからなることを特徴
    とする実用新案登録請求の範囲第1項記載のエ
    レクトロクロミツク素子。
JP10088686U 1986-07-01 1986-07-01 Expired - Lifetime JPH055536Y2 (ja)

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JP10088686U JPH055536Y2 (ja) 1986-07-01 1986-07-01

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JPH055536Y2 true JPH055536Y2 (ja) 1993-02-15

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JP10088686U Expired - Lifetime JPH055536Y2 (ja) 1986-07-01 1986-07-01

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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