JP2632835B2 - スリット部を設けたクリップを有するエレクトロクロミック素子 - Google Patents
スリット部を設けたクリップを有するエレクトロクロミック素子Info
- Publication number
- JP2632835B2 JP2632835B2 JP62066497A JP6649787A JP2632835B2 JP 2632835 B2 JP2632835 B2 JP 2632835B2 JP 62066497 A JP62066497 A JP 62066497A JP 6649787 A JP6649787 A JP 6649787A JP 2632835 B2 JP2632835 B2 JP 2632835B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrode
- clip
- substrate
- ecd
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エレクトロクロミック素子の改良に関す
す。以下、エレクトロクロミックを「EC」の略称し、EC
素子を「ECD」と略称する。
す。以下、エレクトロクロミックを「EC」の略称し、EC
素子を「ECD」と略称する。
電圧を印加すると可逆的に電解酸化または還元反応が
起こり可逆的に着色する現象をエレクトロクロミズムと
言う。このような現象を示すエレクトロクロミック(以
下、ECと略称する)物質を用いて、電圧操作により着消
色するEC素子(以下、ECDと略す)を作り、このECDを光
量制御素子(例えば、防眩ミラー)や7セグメントを利
用した数字表示素子に利用しようとする試みは、20年以
上前から行われている。例えば、ガラス基板の上に透明
電極膜(陰極)、三酸化タングステン薄膜、二酸化ケイ
素のような絶縁膜、電極膜(陽極)を順次積層してなる
ECD(特開昭52−46098参照)が全固体型のECDとして知
られている。このECDに電圧を印加すると三酸化タング
ステン(WO3)薄膜が青色に着色する。その後、このECD
に逆の電圧を印加すると、WO3薄膜の青色が消えて無色
になる。この着色・消色する機構は詳しくは解明されて
いないが、WO3薄膜および絶縁膜(イオン導電層)中に
含まれる少量の水分がWO3の着色・消色を支配している
と理解されている。着色の反応式は下記のように推定さ
れている。
起こり可逆的に着色する現象をエレクトロクロミズムと
言う。このような現象を示すエレクトロクロミック(以
下、ECと略称する)物質を用いて、電圧操作により着消
色するEC素子(以下、ECDと略す)を作り、このECDを光
量制御素子(例えば、防眩ミラー)や7セグメントを利
用した数字表示素子に利用しようとする試みは、20年以
上前から行われている。例えば、ガラス基板の上に透明
電極膜(陰極)、三酸化タングステン薄膜、二酸化ケイ
素のような絶縁膜、電極膜(陽極)を順次積層してなる
ECD(特開昭52−46098参照)が全固体型のECDとして知
られている。このECDに電圧を印加すると三酸化タング
ステン(WO3)薄膜が青色に着色する。その後、このECD
に逆の電圧を印加すると、WO3薄膜の青色が消えて無色
になる。この着色・消色する機構は詳しくは解明されて
いないが、WO3薄膜および絶縁膜(イオン導電層)中に
含まれる少量の水分がWO3の着色・消色を支配している
と理解されている。着色の反応式は下記のように推定さ
れている。
陰極側: H2O→H++OH- WO3+nH++ne-→HnWO3 (無色透明) (青白) 陽極側: OH-→1/2H2O+1/4O2↑+1/2e- ところで、EC層を直接又は間接的に挟む一対の電極層
は、EC層の着消色を外部に見せるために少なくとも一方
は透明でなければならない。特に透過型のECDの場合に
は両方とも透明でなければならない。透明な電極材料と
しては、現在のところSnO2、In2O3、ITO(SnO2とIn2O3
との混合物)、ZnOなどが知られているが、これらの材
料は比較的透明度が悪いために薄くせねばならず、この
理由及びその他の理由からECDは基板例えばガラス板や
プラスチック板の上に形成するのが普通であり、このよ
うなECDの構造の一例を第4図に示す。
は、EC層の着消色を外部に見せるために少なくとも一方
は透明でなければならない。特に透過型のECDの場合に
は両方とも透明でなければならない。透明な電極材料と
しては、現在のところSnO2、In2O3、ITO(SnO2とIn2O3
との混合物)、ZnOなどが知られているが、これらの材
料は比較的透明度が悪いために薄くせねばならず、この
理由及びその他の理由からECDは基板例えばガラス板や
プラスチック板の上に形成するのが普通であり、このよ
うなECDの構造の一例を第4図に示す。
第4図に於いて、(A)は上部透明電極、(B)は下
部透明電極、(E)は還元着色性EC層(例えばWO3)、
(D)はイオン導電層、(C)は可逆的電解酸化層又は
酸化着色性EC層(例えば酸化又は水酸化イリジウム)を
それぞれ示し、基本的にはこの(A)〜(B)の積層構
造だけでECDが構成されるが、前述のとおり、これらのE
CDは基板(S)上に形成される。
部透明電極、(E)は還元着色性EC層(例えばWO3)、
(D)はイオン導電層、(C)は可逆的電解酸化層又は
酸化着色性EC層(例えば酸化又は水酸化イリジウム)を
それぞれ示し、基本的にはこの(A)〜(B)の積層構
造だけでECDが構成されるが、前述のとおり、これらのE
CDは基板(S)上に形成される。
(R)はECDの封止材例えばエポキシ樹脂であり、
(G)は保護用の封止基板である。
(G)は保護用の封止基板である。
このようなECDの電極(A)、(B)に外部電源を供
給するために、各々、取出し(電極)部が必要であり、
ここに外部配線(LA)、(LB)が、ハンダ付けにより接
続されていた。
給するために、各々、取出し(電極)部が必要であり、
ここに外部配線(LA)、(LB)が、ハンダ付けにより接
続されていた。
従来、取出し部は、上部電極及び下部電極と同種の材
料及び製法で形成され、そのため真空蒸着、イオンプレ
ーティング、スパッタリングなどの真空薄膜形成技術に
より形成された(イ)ITOその他の酸化物薄膜、又は
(ロ)Alその他の金属薄膜が使用されていた。
料及び製法で形成され、そのため真空蒸着、イオンプレ
ーティング、スパッタリングなどの真空薄膜形成技術に
より形成された(イ)ITOその他の酸化物薄膜、又は
(ロ)Alその他の金属薄膜が使用されていた。
しかしながら、(イ)、(ロ)いずれの場合にも取出
し部が非常に薄いので、ハンダ付けの作業効率が悪いと
いう問題点があるほか、(イ)の場合には、特に電気抵
抗が比較的高いので、外部配線を直接ハンダ付けする
と、抵抗の低い外部配線と抵抗の高い取出し部とが一点
において接触しているため、外部配線から取出し部を通
じて電極全体に供給される電荷の供給速度が遅くなり、
応答性が悪いとか着色・消色ムラが生じるという問題点
があり、更に温水浸漬試験に供すると、外部配線が取出
し部から剥離するという問題点があった。(ロ)の場合
には、温水浸漬試験に供すると、取出し部が基板から剥
離するという問題点があった。
し部が非常に薄いので、ハンダ付けの作業効率が悪いと
いう問題点があるほか、(イ)の場合には、特に電気抵
抗が比較的高いので、外部配線を直接ハンダ付けする
と、抵抗の低い外部配線と抵抗の高い取出し部とが一点
において接触しているため、外部配線から取出し部を通
じて電極全体に供給される電荷の供給速度が遅くなり、
応答性が悪いとか着色・消色ムラが生じるという問題点
があり、更に温水浸漬試験に供すると、外部配線が取出
し部から剥離するという問題点があった。(ロ)の場合
には、温水浸漬試験に供すると、取出し部が基板から剥
離するという問題点があった。
そこで、これらの問題点を解決し、温水浸漬試験に供
しても剥離を生ぜず、しかも外部配線から取出し部を通
じて電極全体に供給される電荷の供給速度が遅くなく、
そのため応答性がよく、着色・消色ムラの生じないECD
を提供することを目的として、先に、本発明者らは、電
極の取出し部に第5図に示すような低抵抗の導電性クリ
ップを取り付け、これに外部配線を接続することを発明
し、昭和61年5月20日付で特許出願した(特願昭61−11
5349号)。この出願は、現時点でまだ公開されていない
ので、以下、先願と引用する。
しても剥離を生ぜず、しかも外部配線から取出し部を通
じて電極全体に供給される電荷の供給速度が遅くなく、
そのため応答性がよく、着色・消色ムラの生じないECD
を提供することを目的として、先に、本発明者らは、電
極の取出し部に第5図に示すような低抵抗の導電性クリ
ップを取り付け、これに外部配線を接続することを発明
し、昭和61年5月20日付で特許出願した(特願昭61−11
5349号)。この出願は、現時点でまだ公開されていない
ので、以下、先願と引用する。
ところで、ECDは、一般に外部環境の影響を受け易く
耐久性が劣るので、上部電極の上に封止材を適用(塗
布)し、その上に封止用ガラス板を載置する(封止材は
やがて硬化又は固化する)ことによりECDを封止するこ
とが行われている。
耐久性が劣るので、上部電極の上に封止材を適用(塗
布)し、その上に封止用ガラス板を載置する(封止材は
やがて硬化又は固化する)ことによりECDを封止するこ
とが行われている。
そこで、先願のECDにおいても、クリップを装着した
後、同様に封止しようとしたところ、クリップが邪魔を
してクリップに隠れた電極取出し部の封止材による封
止が十分に行われないこと、基板とクリップとの間に
十分な量の封止材が進入せず、クリップと基板との接着
力が弱いことなどの第1の問題点があった。
後、同様に封止しようとしたところ、クリップが邪魔を
してクリップに隠れた電極取出し部の封止材による封
止が十分に行われないこと、基板とクリップとの間に
十分な量の封止材が進入せず、クリップと基板との接着
力が弱いことなどの第1の問題点があった。
また、基板の端面が曲率を有する場合には、直線状の
クリップを基板端面に沿って曲げ難いという第2の問題
点があった。
クリップを基板端面に沿って曲げ難いという第2の問題
点があった。
従って、本発明の目的は、先願発明を改良して前記第
1の問題点又は第2の問題点を解決することにある。
1の問題点又は第2の問題点を解決することにある。
本発明は、共通に成膜した電極層に溝を設けて、上部
電極の電極取り出し部と、下部電極及び下部電極に連続
した下部電極の電極取り出し部とが隔離して形成されて
なる同一基板の上に、少なくともエレクトロクロミック
層及び上部電極を、上部電極が上部電極の電極取り出し
部と帯状に直接接触し、かつ上部電極及び下部電極が短
絡しないように積層してなるエレクトロクロミック素子
に於いて、 前記上部電極の電極取り出し部及び下部電極の電極取
り出し部を前記基板の辺に沿った帯状の異なる各領域と
なし、該各領域に重ねてコの字形の断面を有する略樋状
でバネ性を有する金属製クリップをそれぞれ取り付け、
これを介して外部配線を接続し、かつ、前記金属製クリ
ップの基板当接片に、スリット部(切り込み部)の最大
幅と該スリット部の設置間隔との比率が1/20〜1/2のう
ちの所定値となるように、複数のスリット部(切り込み
部)を設けたものである。
電極の電極取り出し部と、下部電極及び下部電極に連続
した下部電極の電極取り出し部とが隔離して形成されて
なる同一基板の上に、少なくともエレクトロクロミック
層及び上部電極を、上部電極が上部電極の電極取り出し
部と帯状に直接接触し、かつ上部電極及び下部電極が短
絡しないように積層してなるエレクトロクロミック素子
に於いて、 前記上部電極の電極取り出し部及び下部電極の電極取
り出し部を前記基板の辺に沿った帯状の異なる各領域と
なし、該各領域に重ねてコの字形の断面を有する略樋状
でバネ性を有する金属製クリップをそれぞれ取り付け、
これを介して外部配線を接続し、かつ、前記金属製クリ
ップの基板当接片に、スリット部(切り込み部)の最大
幅と該スリット部の設置間隔との比率が1/20〜1/2のう
ちの所定値となるように、複数のスリット部(切り込み
部)を設けたものである。
本願発明は、かかる構成を採用したことにより、「帯
状の電極取り出し部と樋状の金属製クリップとの接触面
積及び接触長さは、非常に大きなものとなり、両者の間
の電気抵抗は極めて小さくなる。しかも、金属製クリッ
プは非常に低抵抗であるので、金属製クリップ上(即
ち、樋状の金属製クリップの接触させた帯状の電極取り
出し部上)が略等電位となる。
状の電極取り出し部と樋状の金属製クリップとの接触面
積及び接触長さは、非常に大きなものとなり、両者の間
の電気抵抗は極めて小さくなる。しかも、金属製クリッ
プは非常に低抵抗であるので、金属製クリップ上(即
ち、樋状の金属製クリップの接触させた帯状の電極取り
出し部上)が略等電位となる。
従って、外部配線と金属製クリップが一点で接触させ
られても、外部配線から樋状の金属製クリップを接触さ
せた帯状の電極取り出し部を通じて、帯状の電極取り出
し部の長さ(基板辺に沿った方向)と同等またはそれ以
上の長さ(基板辺に沿った方向)を有する各電極(上下
の電極)への電荷の供給はスムーズであり、応答性がよ
くなり、かつ着色・消色ムラがなくなる。
られても、外部配線から樋状の金属製クリップを接触さ
せた帯状の電極取り出し部を通じて、帯状の電極取り出
し部の長さ(基板辺に沿った方向)と同等またはそれ以
上の長さ(基板辺に沿った方向)を有する各電極(上下
の電極)への電荷の供給はスムーズであり、応答性がよ
くなり、かつ着色・消色ムラがなくなる。
また、樋状の金属製クリップの基板当接片に、スリッ
ト部(切り込み部)の最大幅と該スリット部の設置間隔
との比率が1/20〜1/2のうちの所定値となるように、複
数のスリット部(切り込み部)を設けたので、曲率を有
する基板端面にも樋状の金属製クリップを容易かつ確実
に装着できる。」という効果を奏する。
ト部(切り込み部)の最大幅と該スリット部の設置間隔
との比率が1/20〜1/2のうちの所定値となるように、複
数のスリット部(切り込み部)を設けたので、曲率を有
する基板端面にも樋状の金属製クリップを容易かつ確実
に装着できる。」という効果を奏する。
第5図は、本発明で使用される金属製クリップの一例
を示す斜視図であり、このクリップは第6図に示すよう
に断面が略「コ」の字形を有する略樋状のものである。
を示す斜視図であり、このクリップは第6図に示すよう
に断面が略「コ」の字形を有する略樋状のものである。
このクリップは、取出し部と接触する断片H1と、基板
を押さえる断片H2と、両者を接続する連結板部H3とから
なる。そして断片H1と断片H2で、周辺部表面に取出し部
が形成された基板周辺部を挟み込む。
を押さえる断片H2と、両者を接続する連結板部H3とから
なる。そして断片H1と断片H2で、周辺部表面に取出し部
が形成された基板周辺部を挟み込む。
本発明の特徴とするスリット部HSは、第13〜15図に示
すように切り込み又は割りとも呼称できるもので、クリ
ップの上部断片H1と下部断片H2のそれぞれに設けられ
る。スリット部は、上下の断片H1とH2に対象的に設ける
必要は特にはない。しかし、第16図に示すように基板
(S)の端面が曲がっている場合には、このスリット部
がクリップを基板端面に沿って曲げることを可能又は容
易にするので、この場合には対象的に設けることが好ま
しい。
すように切り込み又は割りとも呼称できるもので、クリ
ップの上部断片H1と下部断片H2のそれぞれに設けられ
る。スリット部は、上下の断片H1とH2に対象的に設ける
必要は特にはない。しかし、第16図に示すように基板
(S)の端面が曲がっている場合には、このスリット部
がクリップを基板端面に沿って曲げることを可能又は容
易にするので、この場合には対象的に設けることが好ま
しい。
クリップが基板とその上に形成された電極取出し部を
挟み込んだ後、クリップが基板から外れないように、断
片H1と断片H2がしっかりと基板に噛み付いていることが
好ましい。そのため、クリップは、第6図に示すように
断片H1と断片H2との間が入口付近は狭く、連結板部H2に
近づくにつれ広くなる形状を有し、かつバネ性を有する
金属でできていることが好ましい。
挟み込んだ後、クリップが基板から外れないように、断
片H1と断片H2がしっかりと基板に噛み付いていることが
好ましい。そのため、クリップは、第6図に示すように
断片H1と断片H2との間が入口付近は狭く、連結板部H2に
近づくにつれ広くなる形状を有し、かつバネ性を有する
金属でできていることが好ましい。
スリット部は密に設けると、クリップが基板に噛み付
いている力が全体として弱くなるので、スリット部の空
間の間隔と、スリット部とスリット部との間の間隔との
比率を本発明のように1/2以下にすることが好ましい。
しかし、スリット部を疎に設けると、スリット部を設け
る本来の効果が減少することから、本発明のように1/20
以上にすることが好ましい。
いている力が全体として弱くなるので、スリット部の空
間の間隔と、スリット部とスリット部との間の間隔との
比率を本発明のように1/2以下にすることが好ましい。
しかし、スリット部を疎に設けると、スリット部を設け
る本来の効果が減少することから、本発明のように1/20
以上にすることが好ましい。
本発明のようにクリップを金属で作製すると、外部配
線をハンダ付けできるので好ましい。好ましいバネ性を
有する金属としては、リン青銅が挙げられるが、その外
ハガネ、ステンレス鋼、ベリリウム銅合金なども使用さ
れる。金属クリップは、少なくとも取出し部との接触面
に、比較的軟らかい金属例えばスズ、インジウム、ハン
ダ、それらの混合物、その他の導電性材料で被覆されて
いてもよい。そのようなクリップは、取出し部との接触
が最高となろう。なぜならば、一般には金属表面は顕微
鏡で見た場合微妙な凹凸があり、単に圧接しただけでは
取出し部との良好な接触が最高とはならないからであ
る。また、リン青銅やベリリウム銅のクリップにスズ、
クロム、金、銀、白金、パラジウムなどのメッキをする
と、耐蝕性が向上する。
線をハンダ付けできるので好ましい。好ましいバネ性を
有する金属としては、リン青銅が挙げられるが、その外
ハガネ、ステンレス鋼、ベリリウム銅合金なども使用さ
れる。金属クリップは、少なくとも取出し部との接触面
に、比較的軟らかい金属例えばスズ、インジウム、ハン
ダ、それらの混合物、その他の導電性材料で被覆されて
いてもよい。そのようなクリップは、取出し部との接触
が最高となろう。なぜならば、一般には金属表面は顕微
鏡で見た場合微妙な凹凸があり、単に圧接しただけでは
取出し部との良好な接触が最高とはならないからであ
る。また、リン青銅やベリリウム銅のクリップにスズ、
クロム、金、銀、白金、パラジウムなどのメッキをする
と、耐蝕性が向上する。
クリップは、長さに制限はないので、帯状の取出し部
に合わせて、最大で取出し部の長さと同一か又はほぼ同
一、或いは個々の事情により半分の長さ又は1/3の長さ
など、必要な長さのものを用いる。そうすれば、取出し
部とクリップとの接触面積は、非常に大きなものとな
り、両者の間の電気抵抗は少なくなり、またクリップは
低抵抗材料で作られるので、外部配線と一点で接続させ
られても、外部配線から取出し部を通じて電極への電荷
の供給はスムーズであり、応答性がよくなり、かつ着色
・消色ムラがなくなる。
に合わせて、最大で取出し部の長さと同一か又はほぼ同
一、或いは個々の事情により半分の長さ又は1/3の長さ
など、必要な長さのものを用いる。そうすれば、取出し
部とクリップとの接触面積は、非常に大きなものとな
り、両者の間の電気抵抗は少なくなり、またクリップは
低抵抗材料で作られるので、外部配線と一点で接続させ
られても、外部配線から取出し部を通じて電極への電荷
の供給はスムーズであり、応答性がよくなり、かつ着色
・消色ムラがなくなる。
またクリップは、取出し部を基板に対し常に押さえつ
けているので、仮に温水浸漬試験に供しても取り出し部
が基板から剥がれる危険もない。ただ、クリップを取り
つけるときに、取出し部を破損する恐れがあるので、取
出し部はそれ自身強靭なITOその他の酸化物計電極材料
でできていることが好ましい。もっとも、取り付け作業
に細心の注意を払えば、破損の恐れは解消される。
けているので、仮に温水浸漬試験に供しても取り出し部
が基板から剥がれる危険もない。ただ、クリップを取り
つけるときに、取出し部を破損する恐れがあるので、取
出し部はそれ自身強靭なITOその他の酸化物計電極材料
でできていることが好ましい。もっとも、取り付け作業
に細心の注意を払えば、破損の恐れは解消される。
クリップの全体の形状は、先にほぼ樋状と述べたが、
ECDの形状に合わせて、長さ方向に湾曲していてもよ
い。例えばECDが矩形の基板を持っていても基板が全体
に円柱の円周面に沿ってR(アール)を持っている場合
や、基板が矩形ではなく円を2本の平行な直線で切り落
としたときに得られる第7図に示すごとく形状や第8図
に示すごときテレビ画面の形状を持っている場合には、
クリップはそのような基板の周辺部の形状に適合する形
状を持つこともある。
ECDの形状に合わせて、長さ方向に湾曲していてもよ
い。例えばECDが矩形の基板を持っていても基板が全体
に円柱の円周面に沿ってR(アール)を持っている場合
や、基板が矩形ではなく円を2本の平行な直線で切り落
としたときに得られる第7図に示すごとく形状や第8図
に示すごときテレビ画面の形状を持っている場合には、
クリップはそのような基板の周辺部の形状に適合する形
状を持つこともある。
ECDが全固体薄膜タイプの場合には、基板を除くECDそ
れ自身の厚さは、非常に薄く(例えば、0.01mm以下)、
それに対してクリップは材料の関係から、一般に0.05〜
2mmと厚いので、ECDに取りつけた場合、第9図に示すよ
うに、ECDに比べ、クリップの断片H1は厚くなり、従っ
てECDの表示部と断片H1との境に段差が生じる。そこ
で、この段差を利用して封止用ガラスの位置決めを行な
うと、位置決め作業が楽に正確にできる。
れ自身の厚さは、非常に薄く(例えば、0.01mm以下)、
それに対してクリップは材料の関係から、一般に0.05〜
2mmと厚いので、ECDに取りつけた場合、第9図に示すよ
うに、ECDに比べ、クリップの断片H1は厚くなり、従っ
てECDの表示部と断片H1との境に段差が生じる。そこ
で、この段差を利用して封止用ガラスの位置決めを行な
うと、位置決め作業が楽に正確にできる。
この位置決め作業を更に楽に正確にするために、第10
図に示すようにクリップの断片H1の先端を垂直に立てて
当接片H4を設けてもよい。クリップが長さ方向に湾曲し
ている場合には、予め当接片H4のところどころに楔状の
スリット(割り)を入れておくと湾曲させ易い。また、
当接片H4は断片H1の先端の縁全体に立てなくとも部分的
でもよい。
図に示すようにクリップの断片H1の先端を垂直に立てて
当接片H4を設けてもよい。クリップが長さ方向に湾曲し
ている場合には、予め当接片H4のところどころに楔状の
スリット(割り)を入れておくと湾曲させ易い。また、
当接片H4は断片H1の先端の縁全体に立てなくとも部分的
でもよい。
第9図に示すように、封止用ガラスの末端がクリップ
に当接しており、その間に隙間が存在しないと、取出し
部がAlのような腐食されやすい金属でできているときに
は、取出し部は腐食され難い。仮に隙間が存在すると、
取出し部をエポキシ樹脂のごとき封止材で封止しあって
も封止材を突き抜けてやって来る水分の影響で取出し部
を腐食され易い。しかし、封止材を封止用ガラス及びク
リップが覆って外界との接触を断つと、取出し部は腐食
され難い。従って、電極をAlのような腐食されやすい金
属で形成する場合にも、取出し部又はその周辺部だけを
わざわざ腐食に強いITOその他の酸化物系材料に変える
必要がなくなり、ECDの製造コストを低下させる。
に当接しており、その間に隙間が存在しないと、取出し
部がAlのような腐食されやすい金属でできているときに
は、取出し部は腐食され難い。仮に隙間が存在すると、
取出し部をエポキシ樹脂のごとき封止材で封止しあって
も封止材を突き抜けてやって来る水分の影響で取出し部
を腐食され易い。しかし、封止材を封止用ガラス及びク
リップが覆って外界との接触を断つと、取出し部は腐食
され難い。従って、電極をAlのような腐食されやすい金
属で形成する場合にも、取出し部又はその周辺部だけを
わざわざ腐食に強いITOその他の酸化物系材料に変える
必要がなくなり、ECDの製造コストを低下させる。
本発明に使用される金属製クリップは、エレクトロク
ロミック素子の周辺部の遮蔽材又は装飾材を兼用してい
てもよい。特に基板側からECDを見ることになる防眩ミ
ラー(反射光量が電気的に制御可能なもの)の場合に
は、なるべく表示部の面積を大きくして周辺部を細くす
ることが美観上好ましいので兼用することは有利であ
る。
ロミック素子の周辺部の遮蔽材又は装飾材を兼用してい
てもよい。特に基板側からECDを見ることになる防眩ミ
ラー(反射光量が電気的に制御可能なもの)の場合に
は、なるべく表示部の面積を大きくして周辺部を細くす
ることが美観上好ましいので兼用することは有利であ
る。
クリップをECDに取りつける時期は、封止前でも後で
もよいが、封止前に取り付け、封止用ガラスに封止材料
を塗布したものをECDと張り合わせ、その上で封止材を
硬化させると、封止材がスリット部を通じて基板端面と
クリップとの隙間に進入し、その隙間を埋ける(第11図
参照)。そうすると、封止後にクリップを取りつけたた
め封止材が隙間を埋めないときに比べ、外部の水分の取
出し部への進入が封止材のために困難になるので、取出
し部が腐食されにくくなる。また、隙間に進入した封止
材が基板とクリップを接着することになるのでクリップ
が基板から外れにくくなる利点も得られる。
もよいが、封止前に取り付け、封止用ガラスに封止材料
を塗布したものをECDと張り合わせ、その上で封止材を
硬化させると、封止材がスリット部を通じて基板端面と
クリップとの隙間に進入し、その隙間を埋ける(第11図
参照)。そうすると、封止後にクリップを取りつけたた
め封止材が隙間を埋めないときに比べ、外部の水分の取
出し部への進入が封止材のために困難になるので、取出
し部が腐食されにくくなる。また、隙間に進入した封止
材が基板とクリップを接着することになるのでクリップ
が基板から外れにくくなる利点も得られる。
クリップがハンダ付け可能な材料でできている場合に
は、外部配線をクリップに接続するとき、ハンダ付けす
ればよいが、ハンダ付けに変えて圧着又は圧締により接
続してもよい。
は、外部配線をクリップに接続するとき、ハンダ付けす
ればよいが、ハンダ付けに変えて圧着又は圧締により接
続してもよい。
圧着又は圧締の方法としては、例えば(1)単にクリ
ップ末端(特に断片H3)と基板との間に剥き出しにした
外部配線を挟み込む方法、その変形例としてクリップの
長さ方向の途中に穴又は溝又はスリット(割り)を開
け、この穴又は溝を通じて剥き出しにした外部配線の先
端を差入れて、クリップ(特に断片H3)と基板との間に
挟み込む方法、その変形例としてクリップの長さ方向の
途中に2ヵ所の穴又は溝又はスリット(割り)を開け、
第1の穴又は溝又はスリット(割り)から剥き出しにし
た外部配線の先端を差入れて第2の穴又は溝又はスリッ
ト(割り)から差し出し、剥き出しにした外部配線をク
リップ(特に断片H3)と基板との間に挟み込む方法、
(2)長めのクリップを用い、ECDからなみ出したクリ
ップに、剥き出しにした外部配線の先端を差入れた後、
クリップを押しつぶす方法、(3)クリップの長さ方向
の途中又は末端に第12図に示すように例えば断面がほぼ
逆「J」の字形の圧着片H5を設け、これの間に剥き出し
にした外部配線(LA)の先端を圧着する方法などが挙げ
られる。尚、圧着片H5は、断片H1の一部を取り曲げて作
成してもよい。
ップ末端(特に断片H3)と基板との間に剥き出しにした
外部配線を挟み込む方法、その変形例としてクリップの
長さ方向の途中に穴又は溝又はスリット(割り)を開
け、この穴又は溝を通じて剥き出しにした外部配線の先
端を差入れて、クリップ(特に断片H3)と基板との間に
挟み込む方法、その変形例としてクリップの長さ方向の
途中に2ヵ所の穴又は溝又はスリット(割り)を開け、
第1の穴又は溝又はスリット(割り)から剥き出しにし
た外部配線の先端を差入れて第2の穴又は溝又はスリッ
ト(割り)から差し出し、剥き出しにした外部配線をク
リップ(特に断片H3)と基板との間に挟み込む方法、
(2)長めのクリップを用い、ECDからなみ出したクリ
ップに、剥き出しにした外部配線の先端を差入れた後、
クリップを押しつぶす方法、(3)クリップの長さ方向
の途中又は末端に第12図に示すように例えば断面がほぼ
逆「J」の字形の圧着片H5を設け、これの間に剥き出し
にした外部配線(LA)の先端を圧着する方法などが挙げ
られる。尚、圧着片H5は、断片H1の一部を取り曲げて作
成してもよい。
外部配線のクリップへの接続時期は、接続がハンダ付
けの場合、ECDに取りつける前に行なうことが好まし
い。そうすれば、ECDがハンダ付けの熱を受けず、熱に
よる損傷の危険がなくなる。
けの場合、ECDに取りつける前に行なうことが好まし
い。そうすれば、ECDがハンダ付けの熱を受けず、熱に
よる損傷の危険がなくなる。
外部配線とクリップとの接続部は、物理的、化学的に
弱いので、封止することが好ましい。この封止は、ECD
の封止と同時に行なうと、別の封止工程が不要になるの
で特に好ましい。
弱いので、封止することが好ましい。この封止は、ECD
の封止と同時に行なうと、別の封止工程が不要になるの
で特に好ましい。
一方、本発明に於けるECDの積層構造は、特にどれと
限定されるものではないが、固体型ECDの構造として
は、例えば電極層/EC層/イオン導電層/電極層のよ
うな4層構造、電極層/還元着色型EC層/イオン導電
層/可逆的電解酸化層ないし酸化着色型EC層/電極層の
ような5層構造があげられる。
限定されるものではないが、固体型ECDの構造として
は、例えば電極層/EC層/イオン導電層/電極層のよ
うな4層構造、電極層/還元着色型EC層/イオン導電
層/可逆的電解酸化層ないし酸化着色型EC層/電極層の
ような5層構造があげられる。
透明電極の材料としては、例えばSnO2、In2O3、ITOな
どが使用される。このような電極層は、一般には真空蒸
着、イオンプレーティング、スパッタリングなどの真空
薄膜形成技術で形成される。(還元着色性)EC層として
は一般にWO3、MoO3などが使用される。
どが使用される。このような電極層は、一般には真空蒸
着、イオンプレーティング、スパッタリングなどの真空
薄膜形成技術で形成される。(還元着色性)EC層として
は一般にWO3、MoO3などが使用される。
イオン導電層としては、例えば酸化ケイ素、酸化タン
タル、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸
化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、フッ
化マグネシウムなどが使用される。これらの物質薄膜は
製造方法により電子に対して絶縁体であるが、プロトン
(H+)およびヒドロキシイオン(OH-)に対しては良導
体となる。EC層の着色消色反応にはカチオンが必要とさ
れ、H+イオンやLi+イオンをEC層その他に含有させる必
要がある。H+イオンは初めからイオンである必要はな
く、電圧が印加されたときにH+イオンが生じればよく、
従ってH+イオンの代わりに水を含有させてもよい。この
水は非常に少なくて十分であり、しばしば、大気中から
自然に侵入する水分でも着消色する。
タル、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸
化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、フッ
化マグネシウムなどが使用される。これらの物質薄膜は
製造方法により電子に対して絶縁体であるが、プロトン
(H+)およびヒドロキシイオン(OH-)に対しては良導
体となる。EC層の着色消色反応にはカチオンが必要とさ
れ、H+イオンやLi+イオンをEC層その他に含有させる必
要がある。H+イオンは初めからイオンである必要はな
く、電圧が印加されたときにH+イオンが生じればよく、
従ってH+イオンの代わりに水を含有させてもよい。この
水は非常に少なくて十分であり、しばしば、大気中から
自然に侵入する水分でも着消色する。
EC層とイオン導電層とは、どちらを上にしても下にし
てもよい。さらにEC層に対して間にイオン導電層を挟ん
で可逆的電解酸化層(ないし酸化着色型EC層)又は触媒
層を配設してもよい。このような層としては、例えば酸
化ないし水酸化イリジウム、同じくニッケル、同じくク
ロム、同じくパナジウム、同じくルテニウム、同じくロ
ジウムなどがあげられる。これらと物質は、イオン導電
層又は透明電極中に分散されていても良いし、それらを
分散していてもよい。不透明な電極層は、反射層と兼用
していてもよく、例えば金、銀、アルミニウム、クロ
ム、スズ、亜鉛、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、ス
テンレスなどの金属が使用される。
てもよい。さらにEC層に対して間にイオン導電層を挟ん
で可逆的電解酸化層(ないし酸化着色型EC層)又は触媒
層を配設してもよい。このような層としては、例えば酸
化ないし水酸化イリジウム、同じくニッケル、同じくク
ロム、同じくパナジウム、同じくルテニウム、同じくロ
ジウムなどがあげられる。これらと物質は、イオン導電
層又は透明電極中に分散されていても良いし、それらを
分散していてもよい。不透明な電極層は、反射層と兼用
していてもよく、例えば金、銀、アルミニウム、クロ
ム、スズ、亜鉛、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、ス
テンレスなどの金属が使用される。
以下、第1〜3図を引用して本発明を実施例により詳
細に説明する。
細に説明する。
〔実施例1〕 縦9cm×横15cm×厚さ1.8mmの長方形のガラス基板を用
意し、このガラス基板(S)の表面全体に厚さ0.3μm
のITO電極層を形成し、次にフォトエッチングまたはレ
ーザーカッティングにより上部電極(A)用の取出し部
(F)と、下部電極(B)との間に溝を形成した。取出
し部(F)とそれより隔離した矩形の下部電極(B)と
それに連続して続く下部電極の取出し部(B1)を形成し
た(第2〜3図参照)。尚、ITOをマスク蒸着すること
により直接にこれらのパターンを形成してもよい。
意し、このガラス基板(S)の表面全体に厚さ0.3μm
のITO電極層を形成し、次にフォトエッチングまたはレ
ーザーカッティングにより上部電極(A)用の取出し部
(F)と、下部電極(B)との間に溝を形成した。取出
し部(F)とそれより隔離した矩形の下部電極(B)と
それに連続して続く下部電極の取出し部(B1)を形成し
た(第2〜3図参照)。尚、ITOをマスク蒸着すること
により直接にこれらのパターンを形成してもよい。
次に酸化イリジウムと酸化スズとの混合物からなる厚
さ0.1μmの可逆的電解酸化層(C)、厚さ0.6μmの酸
化タンタル層(D)及び厚さ0.6μmの酸化タングステ
ン層(E)を順に形成した。
さ0.1μmの可逆的電解酸化層(C)、厚さ0.6μmの酸
化タンタル層(D)及び厚さ0.6μmの酸化タングステ
ン層(E)を順に形成した。
次に上部電極(A)として厚さ0.1μmのAlを蒸着
し、この時Alは既に基板(S)上に形成された取出し部
(F)と一端が接触するように形成した。
し、この時Alは既に基板(S)上に形成された取出し部
(F)と一端が接触するように形成した。
他方、長さl=8.5cm×幅4.4mm×厚さ0.1mmのリン青
銅の板を2枚用意し、これを第17に示すように幅方向に
折り曲げてクリップを作製した。寸法は、第17図に示す
通り断片H1、H2の幅が1.1mm、連結板部H3の幅が2.2mm
で、開口部の幅が1.6mmである。そして、断片H1、H2に
第18図に示す通り、幅(隙間)が0.9mmのスリット部HS
を7.8mmごとに長さ方向に繰り返し設けた。スリット部
は、断片H1、H2について対象的に設け、そして、断片H1
の上に外部配線(LA)又は(LB)をハンダ付け又は導電
性接着剤にて接続した。
銅の板を2枚用意し、これを第17に示すように幅方向に
折り曲げてクリップを作製した。寸法は、第17図に示す
通り断片H1、H2の幅が1.1mm、連結板部H3の幅が2.2mm
で、開口部の幅が1.6mmである。そして、断片H1、H2に
第18図に示す通り、幅(隙間)が0.9mmのスリット部HS
を7.8mmごとに長さ方向に繰り返し設けた。スリット部
は、断片H1、H2について対象的に設け、そして、断片H1
の上に外部配線(LA)又は(LB)をハンダ付け又は導電
性接着剤にて接続した。
このクリップは、このクリップ(H)を基板の短辺側
にそれぞれ装着し、これによりクリップの断片H1が取出
し部(F)、(B1)を圧着するようにした。
にそれぞれ装着し、これによりクリップの断片H1が取出
し部(F)、(B1)を圧着するようにした。
尚、この金属製クリップ(H)の形状及び寸法は、封
止用ガラス板(G)の位置決めとECD周辺の非表示部の
マスキングができるように設定してある。
止用ガラス板(G)の位置決めとECD周辺の非表示部の
マスキングができるように設定してある。
最後にエポキシ樹脂封止材(R)を多めに塗布した封
止用ガラス板(G)をECDの上に重ね合わせ、対向する
2本のクリップの間にガラス板(G)を納めた。2本の
クリップの間隔とガラス板(G)の長さをほぼ一致させ
てあるので、クリップの間にガラス板(G)を納めるこ
とでガラス板(G)の位置決めは、容易にかつ素早くで
きた。
止用ガラス板(G)をECDの上に重ね合わせ、対向する
2本のクリップの間にガラス板(G)を納めた。2本の
クリップの間隔とガラス板(G)の長さをほぼ一致させ
てあるので、クリップの間にガラス板(G)を納めるこ
とでガラス板(G)の位置決めは、容易にかつ素早くで
きた。
封止材(R)が硬化するまで放置すると、余分の封止
材(R)が取出し部、クリップの一部、外部配線接続部
を覆い、かつ基板(S)とクリップとの隙間を埋め、そ
れらを封止した。これによりクリップは基板に確固とし
て接着され、外すことはできなかった。
材(R)が取出し部、クリップの一部、外部配線接続部
を覆い、かつ基板(S)とクリップとの隙間を埋め、そ
れらを封止した。これによりクリップは基板に確固とし
て接着され、外すことはできなかった。
こうして、本実施例のECDを作製した。このECDの垂直
断面を第1図に示す。この図は一部をデホルメしてあ
り、正確な寸法比を有しない。
断面を第1図に示す。この図は一部をデホルメしてあ
り、正確な寸法比を有しない。
このECDに駆動電源(Su)から着色電圧(+1.35V)を
印加すると、基板(S)側から入射させた波長633nmの
光に対し、反射率が16%に減少し(11秒後)、この反射
率は電圧印加を止めても、しばらく保たれた。今度は消
色電圧(−1.35V)を印加すると、同じく反射率は66%
に回復した(11秒後)。
印加すると、基板(S)側から入射させた波長633nmの
光に対し、反射率が16%に減少し(11秒後)、この反射
率は電圧印加を止めても、しばらく保たれた。今度は消
色電圧(−1.35V)を印加すると、同じく反射率は66%
に回復した(11秒後)。
従って、本実施例のECDは、自動車その他の防眩ミラ
ーとして有用で、後ろから接近する自動車の強いライト
がミラーに当たったとき、電圧を印加して反射率を落と
せば、ドライバーは眩しくなくなる。
ーとして有用で、後ろから接近する自動車の強いライト
がミラーに当たったとき、電圧を印加して反射率を落と
せば、ドライバーは眩しくなくなる。
この実施例では、上部電極、下部電極とも取出し部は
基板の短辺側にそれぞれ1ヵ所設けたが、端末部にも取
出し部を設け、両方から電荷を供給してもよい。この場
合には、一方の電極の取出し部を基板の両短辺側に設
け、他方の電極の取出し部を基板の両長辺側に設け、ク
リップは基板の4辺全部に設けることになる。
基板の短辺側にそれぞれ1ヵ所設けたが、端末部にも取
出し部を設け、両方から電荷を供給してもよい。この場
合には、一方の電極の取出し部を基板の両短辺側に設
け、他方の電極の取出し部を基板の両長辺側に設け、ク
リップは基板の4辺全部に設けることになる。
〔実施例2〕 基板として第8図に示すように、縦の辺が曲率を有す
る基板を用い、実施例1を繰り返した。
る基板を用い、実施例1を繰り返した。
この場合、クリップはスリット部を設けたため基板の
縦の辺に沿って湾曲させることができるので、クリップ
を基板に装着させる際にそのように湾曲させた。
縦の辺に沿って湾曲させることができるので、クリップ
を基板に装着させる際にそのように湾曲させた。
以上の通り、本発明によれば、ECDの電極の取出し部
に予め金属製クリップを取り付け、これを介して外部配
線を接続するので、(1)ECDの応答性が良好になり、
着色・消色ムラを生ぜず、(2)外部配線の接続作業性
が良好になり、(3)温水浸漬試験に供しても基板から
取出し部が剥離したり外部配線との接続部が剥離するこ
ともなくなり、ECDの信頼性が向上するという先願発明
の効果の外に、スリット部を設けたことによりスリッ
ト部の上から塗布された封止材がスリット部を通してク
リップの内部に進入し易く、そのため電極取出し部の封
止が十分になり、ECDの耐久性が向上する。同一の理
由から基板とクリップとの接着力が向上し、クリップが
外れ難くなる、一般にクリップは長く、しかも上下の
断片H1、H2は薄いため断片H1、H2が長手方向に湾曲又は
波うつ傾向があり、そのため取出し部と断片H1との間に
所々隙間があいて、接触抵抗が高くなったり、クリップ
が基板に噛みつく力(装着している力)が弱くなるとこ
ろ、所々にスリット部を設けたので、断片H1、H2が長手
方向に湾曲又は波うつ傾向がなくなり、そのため接触抵
抗が低くなり、またクリップが基板に噛みつく力(装着
している力)が高くなる、基板端面が曲率を有してい
ても、基板に沿ってクリップを曲げることが可能又は容
易になり、そのため取出し部と断片H1との接触面積が多
くなり接触抵抗が低下するほか、基板との密着がよく、
密着強度、外観、封止作業性が向上するなどの効果があ
る。
に予め金属製クリップを取り付け、これを介して外部配
線を接続するので、(1)ECDの応答性が良好になり、
着色・消色ムラを生ぜず、(2)外部配線の接続作業性
が良好になり、(3)温水浸漬試験に供しても基板から
取出し部が剥離したり外部配線との接続部が剥離するこ
ともなくなり、ECDの信頼性が向上するという先願発明
の効果の外に、スリット部を設けたことによりスリッ
ト部の上から塗布された封止材がスリット部を通してク
リップの内部に進入し易く、そのため電極取出し部の封
止が十分になり、ECDの耐久性が向上する。同一の理
由から基板とクリップとの接着力が向上し、クリップが
外れ難くなる、一般にクリップは長く、しかも上下の
断片H1、H2は薄いため断片H1、H2が長手方向に湾曲又は
波うつ傾向があり、そのため取出し部と断片H1との間に
所々隙間があいて、接触抵抗が高くなったり、クリップ
が基板に噛みつく力(装着している力)が弱くなるとこ
ろ、所々にスリット部を設けたので、断片H1、H2が長手
方向に湾曲又は波うつ傾向がなくなり、そのため接触抵
抗が低くなり、またクリップが基板に噛みつく力(装着
している力)が高くなる、基板端面が曲率を有してい
ても、基板に沿ってクリップを曲げることが可能又は容
易になり、そのため取出し部と断片H1との接触面積が多
くなり接触抵抗が低下するほか、基板との密着がよく、
密着強度、外観、封止作業性が向上するなどの効果があ
る。
第1図は、本発明の実施例1にかかるECD概略垂直断面
図である。 第2図は、前記実施例1にかかる電極の形成された基板
(S)の概略平面図である。 第3図は、第2図の矢視断面図である。 第4図は、従来のECDの概略垂直断面図である。 第5図は、先願発明のクリップの一例を示す概略斜視図
である。 第6図は、第5図の導電性クリップの概略断面図であ
る。 第7図は、基板の一例を示す概略平面図である。 第8図は、実施例2に使用した基板の概略平面図であ
る。 第9図は、第1図よりも実際に近い寸法比で表した本発
明のECDの一例を示す概略断面図である。 第10図は、他の例の導電性クリップの概略断面図であ
る。 第11図は、基板と導電性クリップとの隙間に封止材が進
入した様子を示す説明図である。 第12図は、更に別の例の導電性クリップの概略断面図で
ある。 第13〜15図は、本発明の実施例にかかるクリップの概略
斜視図である。 第16図は、曲率を有する基板に本発明の実施例にかかる
クリップを装着した様子を説明する概略斜視図である。 第17図は、実施例1に使用したクリップの寸法を説明す
るための概略断面図である。 第18図は、実施例1に使用したクリップのスリット部の
寸法を説明するための概略斜視図である。 (主要部分の符号の説明) S……基板 A……上部電極 B……下部電極 B1……下部電極の取出し部 E……還元着色性EC層又はWO3層 F……上部電極の取出し部 H……導電性クリップ HS……スリット部 G……封止用ガラス板 R……封止材 LA、LB……外部配線
図である。 第2図は、前記実施例1にかかる電極の形成された基板
(S)の概略平面図である。 第3図は、第2図の矢視断面図である。 第4図は、従来のECDの概略垂直断面図である。 第5図は、先願発明のクリップの一例を示す概略斜視図
である。 第6図は、第5図の導電性クリップの概略断面図であ
る。 第7図は、基板の一例を示す概略平面図である。 第8図は、実施例2に使用した基板の概略平面図であ
る。 第9図は、第1図よりも実際に近い寸法比で表した本発
明のECDの一例を示す概略断面図である。 第10図は、他の例の導電性クリップの概略断面図であ
る。 第11図は、基板と導電性クリップとの隙間に封止材が進
入した様子を示す説明図である。 第12図は、更に別の例の導電性クリップの概略断面図で
ある。 第13〜15図は、本発明の実施例にかかるクリップの概略
斜視図である。 第16図は、曲率を有する基板に本発明の実施例にかかる
クリップを装着した様子を説明する概略斜視図である。 第17図は、実施例1に使用したクリップの寸法を説明す
るための概略断面図である。 第18図は、実施例1に使用したクリップのスリット部の
寸法を説明するための概略斜視図である。 (主要部分の符号の説明) S……基板 A……上部電極 B……下部電極 B1……下部電極の取出し部 E……還元着色性EC層又はWO3層 F……上部電極の取出し部 H……導電性クリップ HS……スリット部 G……封止用ガラス板 R……封止材 LA、LB……外部配線
Claims (1)
- 【請求項1】共通に成膜した電極層に溝を設けて、上部
電極の電極取り出し部と、下部電極及び下部電極に連続
した下部電極の電極取り出し部とが隔離して形成されて
なる同一基板の上に、少なくともエレクトロクロミック
層及び上部電極を、上部電極が上部電極の電極取り出し
部と帯状に直接接触し、かつ上部電極及び下部電極が短
絡しないように積層してなるエレクトロクロミック素子
に於いて、 前記上部電極の電極取り出し部及び下部電極の電極取り
出し部を前記基板の辺に沿った帯状の異なる各領域とな
し、該各領域に重ねてコの字形の断面を有する略樋状で
バネ性を有する金属製クリップをそれぞれ取り付け、こ
れを介して外部配線を接続し、かつ、前記金属製クリッ
プの基板当接片に、切り込み部の最大幅と該切り込み部
の設置間隔との比率が1/20〜1/2のうちの所定値となる
ように、複数の切り込み部を設けたことを特徴とするエ
レクトロクロミック素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62066497A JP2632835B2 (ja) | 1987-03-20 | 1987-03-20 | スリット部を設けたクリップを有するエレクトロクロミック素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62066497A JP2632835B2 (ja) | 1987-03-20 | 1987-03-20 | スリット部を設けたクリップを有するエレクトロクロミック素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63231478A JPS63231478A (ja) | 1988-09-27 |
JP2632835B2 true JP2632835B2 (ja) | 1997-07-23 |
Family
ID=13317509
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62066497A Expired - Lifetime JP2632835B2 (ja) | 1987-03-20 | 1987-03-20 | スリット部を設けたクリップを有するエレクトロクロミック素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2632835B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100813470B1 (ko) * | 2001-11-27 | 2008-03-13 | 삼성전자주식회사 | 도전 부재 및 이를 갖는 액정 표시 장치 |
CN116300238A (zh) * | 2023-03-24 | 2023-06-23 | 光羿智能科技(苏州)有限公司 | 一种电致变色器件及后视镜 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57124869U (ja) * | 1981-01-27 | 1982-08-04 | ||
JPS6068521U (ja) * | 1983-10-17 | 1985-05-15 | 日立マクセル株式会社 | エレクトロクロミツク表示素子 |
JPS62161227U (ja) * | 1986-04-03 | 1987-10-14 |
-
1987
- 1987-03-20 JP JP62066497A patent/JP2632835B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63231478A (ja) | 1988-09-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3425693B2 (ja) | Ecミラーの電極構造 | |
EP0356099B1 (en) | Electrochromic device | |
US4878743A (en) | Automotive mirror using electrochromic element | |
JPWO2003032068A1 (ja) | 全固体型エレクトロクロミック素子 | |
JP3534288B2 (ja) | 調光ガラスおよびその製造方法 | |
JP2632835B2 (ja) | スリット部を設けたクリップを有するエレクトロクロミック素子 | |
JPH055536Y2 (ja) | ||
JPH083593B2 (ja) | 金属製クリップを備えたエレクトロクロミック素子 | |
JPH0522919Y2 (ja) | ||
JPS62143032A (ja) | 調光体 | |
JP2510894Y2 (ja) | Sus製クリツプを有するec素子 | |
JPS63276035A (ja) | Ec素子用電極パタ−ンの製造方法 | |
JPH0820648B2 (ja) | 端面に取出し電極部を設けたec素子 | |
JPH0740977Y2 (ja) | 導電性クリップ端子を有するエレクトロクロミック素子 | |
JP2701578B2 (ja) | 樹脂封止素子の製造方法 | |
JP2505006Y2 (ja) | エレクトロクロミック素子 | |
JPH0631452Y2 (ja) | スリット部及び外部配線接続部を設けた長尺のクリップを装着したエレクトロクロミック素子 | |
JPH0631451Y2 (ja) | Ecdミラ−の電極構造 | |
JP2567786Y2 (ja) | エレクトロクロミック素子 | |
JP2827247B2 (ja) | 均一着色するエレクトロクロミック素子 | |
JP2600830B2 (ja) | 耐候性を増したエレクトロクロミック素子 | |
JPH0525099B2 (ja) | ||
JP2722505B2 (ja) | 封止されたエレクトロクロミック素子の製造方法 | |
JP2936186B2 (ja) | エレクトロクロミック素子の製造方法 | |
JP2936185B2 (ja) | エレクトロクロミック素子の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |