JPH0551665U - プリンタ装置のインクリボン巻き取り機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単一のモータによりインクリボンの巻き取り
と印字トラックの切り替えとを行うプリンタ装置におい
て、印字トラック切り替え動作時のインクリボンのたる
み発生を防止する。 【構成】 モータからインクリボン巻き取り軸までの動
力伝達系を２つ設け、各々の伝達系には同一方向のみの
回転を伝達する一方向クラッチを有するギア４及びギア
９を設け、かつギア４とギア９とは、モータの回転軸に
固定したギア１の回転方向に対し、一方は同一方向に回
転し、他方は反対方向に回転するようギア７を設ける。
これにより、モータの回転方向が時計方向であっても、
反時計方向であっても、インクリボン巻き取り軸を固定
したギア２は、同一方向に回転するので、インクリボン
上の印字トラック切り替え動作中においてもインクリボ
ンの巻き取り動作が行われてインクリボンのたるみの発
生を防ぐ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プリンタ装置のインクリボン巻き取り機構に関し、特にインクリボ ン巻き取りと印字トラックの切り替えとを単一のモータで切替え駆動するインク リボン巻き取り機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のインクリボン巻き取り機構は、例えば図２に示すようにモータの回転軸 Ｍに固定したギア１からインクリボンの巻き取り軸への動力伝達系として、ギア １と噛み合い、一方向クラッチ（図示略）により軸３と結合するギア４と、軸３ に固定し、インクリボンの巻き取り軸に直結したギア２と噛み合うギア５とを有 している。

【０００３】 モータを時計方向に回転すると、ギア１は同様に時計方向に回転し、ギア４は 反時計方向に回転する。ギア４に設けた一方向クラッチにより、ギア４の回転は 、軸３に伝達される場合と伝達されない場合とがあるが、ここではギア４の反時 計方向の回転が軸３に伝達されるものとする。軸３の反時計方向の回転は、ギア ５を介してギア２に伝達されるので、インクリボンの巻き取り軸は時計方向に回 軸される。

【０００４】 なお、ここでは、インクリボンは、時計方向の回転により巻き取られるものと する。また、ギア１は、ギア６により、インクリボン上の印字トラックの切替え 機構に結合されるが、この機構中には、上記ギア４と軸３とギア５と同様の構成 を設けるため、ギア１の時計方向の回転は、印字トラックの切り替え機構には伝 達されない。

【０００５】 この結果、モータが時計方向に回転すると、印字トラックの切り替え動作は行 われず、インクリボンの巻き取り動作のみが行われる。一方、モータを反時計方 向に回転すると、上記と逆の伝達により、インクリボンの巻き取り動作は停止し たままで、印字トラックの切り替え動作が行われることになる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

この従来のインクリボンの巻き取り機構では、印字トラックの切り替え中は、 インクリボンの巻き取り動作が停止しているため、インクリボンにたるみが生じ やすく、印字トラックの切り替え動作後に、このたるみを除去する動作が必要で あるという問題点があった。

【０００７】 本考案の目的は、印字トラック切り替え動作時のインクリボンのたるみ発生を 防止するプリンタ装置のインクリボン巻き取り機構を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案によるプリンタ装置のインクリボン巻き取り 機構においては、モータの回転をインクリボンの巻き取り軸に伝達する第１の動 力伝達系と第２の動力伝達系とを有し、インクリボンの巻き取りと、インクリボ ン上の印字トラックの切り替えとを、単独のモータで駆動し、かつ、このモータ の単一回転方向を切り替えることにより、前記の巻き取り動作と印字トラック切 り替え動作とを切り替えるプリンタ装置であって、 第１の動力伝達系と第２の動力伝達系とは、モータの回転方向に対するインク リボンの巻き取り軸に伝える回転方向を異にし、各々の動力伝達系は、インクリ ボンの巻き取り軸に同方向回転を伝達する一方向クラッチを有するものである。

【０００９】

【作用】

モータの正回転による回転力は、第１動力伝達系を介してインクリボン巻き取 り軸に伝えられ、逆回転による回転力は、第２動力伝達系を介してインクリボン 巻き取り軸に伝えられ、モータの正逆いずれの方向の回転に対しても、インクリ ボン巻き取り軸は一方向に回転してインクリボンのたるみは生じない。

【００１０】

【実施例】

次に本考案について図面を参照して説明する。図１は本考案の一実施例のイン クリボンの巻き取り機構の平面図である。ギア１は、モータの回転軸に固定し、 ギア４は、ギア１と噛み合い、また一方向クラッチ（図示略）により反時計方向 の回転を軸３に伝達するものである。

【００１１】 軸３には、ギア５を固定しており、ギア５は、時計方向の回転によりインクリ ボンを巻き取る軸を固定したギア２に噛み合う。ギア４，５及び軸３は、インク リボン巻き取り軸第１動力伝達系を形成するものである。

【００１２】 また、ギア９，ギア１０，軸８は、インクリボン巻き取り軸第２動力伝達系を 構成するものであり、構成上は、各々ギア４，ギア５，軸３に対応している。第 ２動力伝達系では、ギア１の回転は、ギア７を介してギア９へ伝達される。なお 、ギア６は、ギア１と噛み合うインクリボンの印字トラックの切り替え機構の一 部である。

【００１３】 モータを時計方向に回転する場合に、第１動力伝達系のギア４は、反時計方向 に回転するため、軸３を介してギア５が反時計方向に回転し、ギア２は、時計方 向に回転する。このとき、ギア７を介してギア９は時計方向に回転し、また、ギ ア１０は、ギア２に噛み合っているため、軸８は反時計方向に回転するが、ギア ９と軸８との間には一方向クラッチがあるため、各々独立して空転する。

【００１４】 なお、ギア６を含む印字トラックの切り替え機構中には、ギア１の時計方向の 回転は伝達せずギア１の反時計方向の回転のみ伝達する手段を設けるため、モー タの時計方向の回転により、インクリボンの巻き取り動作のみを行うことになる 。

【００１５】 一方、モータを反時計方向に回転する場合は、ギア６により印字トラックの切 り替え機構を駆動すると共に、ギア７により第２動力伝達系であるギア９は反時 計方向の回転を行うため、ギア１０を介してギア２は時計方向のインクリボン巻 き取り動作を行う。

【００１６】 このとき、第１動力伝達系では、ギア４は時計方向に、ギア５及び軸３は、反 時計方向に回転するが、ギア４に設けた一方向クラッチにより、各々空転するこ とになる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、インクリボン上の印字トラックを切り替 える動作中もインクリボンの巻き取り動作を行うようにしたので、印字トラック の切り替えによるインクリボンのたるみが発生しないという結果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例のインクリボンの巻き取り機
構の平面図である。

【図２】従来のインクリボン巻き取り機構を示す図であ
る。

【符号の説明】

１ ギア ２ ギア ３ 軸 ４ ギア ５ ギア ６ ギア ７ ギア ８ 軸 ９ ギア １０ ギア

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータの回転をインクリボンの巻き取り
   軸に伝達する第１の動力伝達系と第２の動力伝達系とを
   有し、インクリボンの巻き取りと、インクリボン上の印
   字トラックの切り替えとを、単独のモータで駆動し、か
   つ、このモータの単一回転方向を切り替えることによ
   り、前記の巻き取り動作と印字トラック切り替え動作と
   を切り替えるプリンタ装置であって、 第１の動力伝達系と第２の動力伝達系とは、モータの回
   転方向に対するインクリボンの巻き取り軸に伝える回転
   方向を異にし、各々の動力伝達系は、インクリボンの巻
   き取り軸に同方向回転を伝達する一方向クラッチを有す
   ることを特徴とするプリンタ装置のインクリボン巻き取
   り機構。