JPH05207597A

JPH05207597A - 音場再生装置

Info

Publication number: JPH05207597A
Application number: JP4014619A
Authority: JP
Inventors: Masaharu Matsumoto; 正治松本; Hiroko Numazu; 浩子沼津; Mitsuhiko Serikawa; 光彦芹川; Akihisa Kawamura; 明久川村
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1992-01-30
Filing date: 1992-01-30
Publication date: 1993-08-13

Abstract

(57)【要約】【目的】実際に後方（または側方）にスピーカを配置
せずに、前方のスピーカのみで同様のサラウンド効果を
得る。【構成】視聴者の前方に配置された２個以上のスピ−
カ４，６を使用し、入力信号から作成された残響や反射
音等のサラウンド信号が視聴者の側方または後方から来
るように視聴者の側方または後方の頭部伝達関数をＦＩ
Ｒフィルタ１１、１４により実現する。更に、側方また
は後方から来るサラウンド信号を遅延器１５，３２，３
３により一定時間だけ遅延させることにより側方または
後方から音が鳴っているという定位感を与えることがで
き、側方または後方に実際にスピ−カを配置させて音を
放射した場合と同様の臨場感のある音響効果を得ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＡＶ（オ−ディオ・ビ
ジュアル）機器において、臨場感のある音響再生を行う
音場再生装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、映像・音響分野においてはＶＴＲ
の普及により映画を家庭で楽しむために大画面及び臨場
感のある音響再生が望まれ、これに対応するハ−ドウエ
アの開発が望まれている。特にＶＴＲの映画ソフトの音
響では、映画館で行われているように、側方または後方
（あるいはこれらを組み合わせたもの）にスピ−カを配
置して再生を行うドルビ−・サラウンド方式が普及して
いる。

【０００３】また、現在開発が行われているハイビジョ
ンの音響再生方式は、前方３ｃｈ、後方１ｃｈの３−１
方式４チャンネル・ステレオ再生が採用される公算が大
きい。

【０００４】（図７）は、従来の、臨場感のある音響再
生を行う音場再生装置のブロック図である。

【０００５】（図７）において、１は入力された２つの
信号から後方から再生されるべきサラウンド信号（入力
された信号が通常の部屋に於いてスピーカから放射され
た場合に生じる残響音や反射音を指す）と呼ばれる残響
音や反射音等の信号Ｓ(t)（tは連続的な時間を表し、信
号が時間関数であることを示している、以下同様）を作
成するサラウンド作成回路、２は視聴者から見てＬｃｈ
から再生されるべき信号ＭL(t) 、３は視聴者から見て
Ｒｃｈから再生されるべき信号ＭR(t)（これらＭL(t)と
ＭR(t)は、通常ステレオ信号と呼ばれるものを指してい
る。また先に述べたサラウンド信号Ｓ(t)に対してこれ
らをメイン信号とも呼ぶ）、４は視聴者から見てＬｃｈ
に配置されたスピ−カ、５は視聴者から見てセンタ−に
配置されたスピ−カ、６は視聴者から見てＲｃｈに配置
されたスピ−カ、７はＬｃｈとＲｃｈから再生される信
号をある比率で加算する加算器、８は視聴者、９，１０
はサラウンド信号Ｓ(t)を再生する視聴者の後方に配置
されたスピ−カである。

【０００６】以上のように構成された音場再生装置の動
作を図面を用いて説明する。まず、（図７）の構成にお
いて、通常ＶＴＲ等から再生される２ｃｈ信号ＭL(t)
、ＭR(t) がサラウンド作成回路１に入力され、それら
の差や和等の演算を行うことにより残響または反射音等
のサラウンド信号Ｓ(t)が作成され、メイン信号ＭL(t)
、ＭR(t)、サラウンド信号Ｓ(t)がそれぞれスピ−カ
４，６，９，１０から再生される。また、ＭL(t)とＭR
(t)を加算器７により加算した信号はスピ−カ５から再
生される。また、サラウンド作成回路１の代わりにドル
ビ−・サラウンド・プロセッサなどと呼ばれるデコ−ダ
を使用することにより、ドルビ−・サラウンド用にエン
コ−ドして２ｃｈに記録された映画等の音響信号から、
画面に最適に作成された後方から再生されるサラウンド
信号Ｓ(t)と前方センタ−から再生される信号が得ら
れ、サラウンド信号Ｓ(t) はスピ−カ９，１０から、セ
ンタ−信号はスピ−カ５から再生される場合もある。サ
ラウンド信号Ｓ(t)は、例えば画面に写し出された部屋
の周囲の音（音声の反射音や、残響音）や、視聴者がそ
の画面中にいるとした場合の視聴者の後方で鳴るべき音
として付加される。

【０００７】以上のように、通常前方２個のスピ−カを
使用した２ｃｈステレオ再生方式と比較し、これまでは
前方から聞こえていた音や聞こえなかった音が後方から
サラウンド音が付加されることにより、臨場感のある音
響再生が可能となる。また、このシステムでは前方にセ
ンタ−・スピ−カを配置し、メイン信号であるＭL(t)と
ＭR(t)を適当なレベルで加算して再生することにより、
前方の音像の定位を明確にしている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では、サラウンド信号Ｓ(t)を再生するため
の後方等のスピ−カが必要ということと、またこのスピ
−カを置くスペ−スが必要であることから一般の家庭で
は、ほとんどこのシステムは使用されないといった課題
があった。

【０００９】本発明は、上記問題点に鑑みて成されたも
ので、後方等に置かれるサラウンド信号用スピ−カを使
用せずに、このスピ−カを使用した場合と同様の臨場感
のある音響再生が可能な音場再生装置を提供するもので
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の音場再生装置は、入力された信号から残響音
や反射音等のサラウンド信号を作成するサラウンド作成
手段と、前方に配置された２個以上のスピ−カと、後方
または側方の頭部伝達関数を実現する２個以上の演算手
段と、信号をある一定時間だけ遅延させる複数の遅延手
段と、２個以上の加算手段とから構成されている。

【００１１】

【作用】この構成により、視聴者の前方に配置された２
個以上のスピ−カを使用し、サラウンド作成手段により
作成された残響音や反射音が視聴者の側方または後方か
ら聞こえるように視聴者の頭部伝達関数を２個以上の演
算手段により実現し、遅延手段により側方または後方に
定位させる音をある一定時間だけ遅延させ、加算手段に
より演算手段または遅延手段の出力信号を加算して再生
することにより実際に側方または後方にスピ−カを配置
せずに、実際に配置した場合と同様の臨場感のある音響
効果が得られる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。

【００１３】（図１）は、本発明の第１の実施例におけ
る音場再生装置のブロック図である。（図１）におい
て、１１,１４は視聴者に対して左側方または左後方に
音が定位するよう視聴者の頭部伝達関数を時間領域でデ
ィジタル処理を行い実現するＦＩＲフィルタであり、ｈ
_L(n) ，ｈ_R(n) はＦＩＲフィルタのタップ係数、１２，
１３は視聴者に対して右側方または右後方に音が定位す
るよう視聴者の頭部伝達関数を時間領域でディジタル処
理を行い実現するＦＩＲフィルタ、１５，１６，１７，
１８はＤＲＡＭなどを使用した循環メモリで構成される
ような入力されたディジタル信号をある時間だけ遅延さ
せる遅延器で、τ₁，τ₂は遅延器の遅延時間を示してい
る。また、１９，２０は複数の入力信号を任意の割合で
加算する加算器、２１は入力されるアナログ信号をディ
ジタル信号に変換するＡ／Ｄコンバ−タ、２２，２３，
２４，２５はディジタル信号をアナログ信号に変換する
Ｄ／Ａコンバ−タで、その他の（図７）で示したものと
同じ機能のものは同じ符号で示している。

【００１４】まず、前方に置かれたスピ−カ４，６を用
いて視聴者の左側方に音を定位させる方法について（図
２）を用いて説明を行う。（図２）においてｈ₁(t)
は、スピ−カ４と視聴者８の左耳の位置（正確にはスピ
ーカ４にインパルスを入力した時の鼓膜の位置での応答
であるが、測定を行う場合は耳道入口の位置で行う、以
下同様）における頭部伝達関数（以下、インパルス応答
と呼ぶ）、ｈ₂₍t)は、スピ−カ４と視聴者８の右耳の位
置におけるインパルス応答、ｈ₃(t)は、スピ−カ６と視
聴者８の左耳の位置におけるインパルス応答、ｈ₄(t)
は、スピ−カ６と視聴者８の右耳の位置におけるインパ
ルス応答、２６は視聴者の左後方に配置されたスピ−
カ、ｈ₅(t)は、スピ−カ２６と視聴者８の左耳の位置に
おけるインパルス応答、ｈ₆(t)は、スピ−カ２６と視聴
者８の右耳の位置におけるインパルス応答である。その
他の（図１）、（図７）と同様の機能のものについて
は、同じ符号で示した。

【００１５】このような構成において、信号Ｓ(t)をス
ピ−カ２６から放射した場合、視聴者８の耳に到達する
音は、左耳Ｌ(t)では

【００１６】

【数１】

【００１７】右耳Ｒ(t)では

【００１８】

【数２】

【００１９】と表される（実際は、スピ−カ自信の伝達
関数などが掛け合わされることとなるが、これは無視す
ることとする、またスピ−カ等の伝達関数がｈ₅(t)、ｈ
₆(t)に含まれていると考えても良い）。

【００２０】また、インパルス応答及び信号Ｓ(t)を時
間が離散的なディジタル信号として考え、それぞれＬ(t) → Ｌ(n) Ｒ(t) → Ｒ(n) ｈ₅(t) → ｈ₅(n) ｈ₆(t) → ｈ₆(n) Ｓ(t) → Ｓ(n) （ｎは実際はｎＴで、Ｔはサンプリング時間を表すが一
般的にＴを省略して表記する。また、ｎは０以上の整数
である。）と表すと、式（数１）、（数２）は次のよう
になる。

【００２１】

【数３】

【００２２】

【数４】

【００２３】ここでＮは、インパルス応答ｈ₅(n)、ｈ
₆(n)の長さである。また、同様に信号Ｓ(t)がスピ−カ
４、６から放射されて、視聴者８に到達する音は、左耳
Ｌ’(t)では

【００２４】

【数５】

【００２５】右耳Ｒ’(t)では

【００２６】

【数６】

【００２７】と表され、同様に

【００２８】

【数７】

【００２９】となる。頭部伝達関数が等しければ音が同
方向から聞こえるということを前提にする（この前提は
一般的に正しい）と、

【００３０】

【数８】

【００３１】より

【００３２】

【数９】

【００３３】

【数１０】

【００３４】より

【００３５】

【数１１】

【００３６】となるように、ｈ_L(n)，ｈ_R(n)を決定すれ
ば良い。例えば、（数９）、（数１１）を周波数領域の
表現で書き直すと、畳込み演算が乗算に代わり、後はそ
れぞれのインパルス応答をＦＦＴして伝達関数にしたも
のになる。ＦＩＲフィルタの伝達関数２つ以外は測定に
より得られることからＦＩＲフィルタの伝達関数をこの
２つの式から求めることができる。

【００３７】このようにして決定されたｈ_L(n)，ｈ_R(n)
を用い、信号Ｓ(n)とスピ−カ４から出力される信号に
はｈ_L(n) と、スピ−カ６から出力される信号にはｈ
_R(n)とを畳み込み、放射することにより視聴者８は実際
に後方のスピ−カ２６を鳴らさなくても、後方から音が
鳴っていると感じさせることが可能となる。

【００３８】実際に畳込み演算を行うのはＦＩＲフィル
タ１１，１４のである。このＦＩＲフィルタの基本的な
構成を（図３）に示す。（図３）において、２７は信号
を入力する入力端子、２８は信号を時間τだけ遅延させ
る遅延素子、２９はタップ係数と呼ぶ値と入力信号の乗
算を行う乗算器、３０は入力信号を加算する加算器、３
１は信号を出力する出力端子である。通常このようなＦ
ＩＲフィルタは乗加算を高速に行うＤＳＰや専用ＬＳＩ
が用いられる。乗算器２９には（図３）のようにインパ
ルス応答ｈ(n)（ｎ：０〜Ｎ−１）がタップ係数として
設定され、遅延素子２８にはアナログ信号をディジタル
信号に変換する際のサンプリング周波数に対応する遅延
時間が設定され、入力される信号に対してそれぞれ乗加
算と遅延を繰り返すことにより、（数３）、（数４）で
示したような畳込み演算を実行する。これは、ディジタ
ル信号の場合であるので、実際はこのＦＩＲフィルタの
前にアナログ信号をディジタル信号に変換するＡ／Ｄコ
ンバ−タ、及び後ろにディジタル信号をアナログ信号に
変換するＤ／Ａコンバ−タが必要であるが（図２）では
省略している。

【００３９】次に（図１）を用いて本実施例についてそ
の動作を説明する。通常ＶＴＲ等から再生される２ｃｈ
信号Ｍ_L(t) 、Ｍ_R(t) がサラウンド作成回路１に入力さ
れそれらの差や和等の演算を行うことにより残響または
反射音等のサラウンド信号Ｓ(t)が作成され、Ａ／Ｄコ
ンバ−タ２１によりこのサラウンド信号Ｓ(t) がディジ
タル信号Ｓ(n) に変換される。このＳ(n) を上で説明を
行ったようなインパルス応答ｈ_L(n)，ｈ_R(n)をタップ係
数として持つＦＩＲフィルタ１１，１４に入力し、畳込
み演算を行う。また、この（図１）ではＦＩＲフィルタ
１２，１３にタップ係数として設定されているインパル
ス応答は、実際は左側方または左後方に定位するように
求められた左用インパルス応答ｈ_L(n)と右用インパルス
応答ｈ_R(n)を逆にしたものである。このように左側方
（または後方）のデータを逆に設定することにより視聴
者に対して右側に音を定位させることが可能である。ま
た、ここではこのように右側に定位させるためのインパ
ルス応答を逆にして設定する方法を示したが、実際に右
側に音を定位させるようなインパルス応答を用いて設定
しても良い。

【００４０】このようにして、それぞれ左側、右側に音
が定位するよう処理を行ったあと、遅延器１５〜１８に
より左側、右側それぞれ異なる遅延時間で音が視聴者に
到達するように信号の遅延を行う。このように、左右に
時間差を与えることにより側方または後方の定位感（こ
こでいう定位感とは側方または後方で鳴っているという
漠然とした感覚を指し、通常使われているような明確な
音像の定位を指してはいない、以下同様）を明確にする
ことが可能となる。通常サラウンド信号はモノラル信号
であるので、逆に左右同時に音を提示した場合、音像が
その中間に定位してしまう。そのために、この遅延器１
５〜１８が必要である。また、左右の遅延時間の差は約
１０ｍｓｅｃ程度が良い。また、メイン信号Ｍ_L(t)，Ｍ
_R(t)とサラウンド信号の遅延差は約２０ｍｓｅｃ程度が
良い。

【００４１】遅延器１５〜１８の出力信号はＤ／Ａコン
バ−タ２２〜２５に入力され、ディジタル信号からアナ
ログ信号に変換されそれぞれメイン信号Ｍ_L(t)，Ｍ_R(t)
ともに加算器１９，２０に入力されて加算され、スピ−
カ４，６から放射される。加算器１９，２０におけるメ
イン信号Ｍ_L(t)，Ｍ_R(t)と処理されたサラウンド信号Ｓ
(t)の加算の割合を変化させることにより臨場感と自然
さまたは視聴者の好みの調整が可能となる。

【００４２】このように、側方または後方から音が来る
ようサラウンド信号を処理し、更に左右から出力される
サラウンド信号Ｓ(t)に時間遅延差を設けることによ
り、前方スピ−カのみで、サラウンド信号を側方または
後方から来るよう再生可能であり、メイン信号との組合
せで、より臨場感のある音響再生が可能となる。

【００４３】（図４）は本発明の第２の実施例における
音場再生装置のブロック図である。（図４）において、
３２，３３は遅延器で、τ₃ はその遅延時間で他の（図
１）と同様の機能のものには同じ符号で示した。

【００４４】以下、（図４）を用いて本実施例について
その動作を説明する。まず、サラウンド信号Ｓ(t)はＡ
／Ｄコンバ−タ２１に入力され、ディジタル信号Ｓ(n)
に変換され、遅延器１５に入力される。遅延器１５では
メイン信号Ｍ_L(t)，Ｍ_R(t)に対して例えば約２０ｍｓｅ
ｃ遅らせる。遅延器１５の出力信号は２つに分岐され、
それぞれ視聴者８の左側方または左後方に音を定位させ
るインパルス応答を持つＦＩＲフィルタ１１，１４に入
力される。ＦＩＲフィルタ１１，１４で処理された信号
はそれぞれ２つに分岐され、一方の信号はτ₃ 時間（例
えば１０ｍｓｅｃ）だけ遅延させるために遅延器３２，
３３に入力される。遅延器３２，３３の出力信号及びＦ
ＩＲフィルタ１１，１４から出力された他の信号はそれ
ぞれＤ／Ａコンバ−タ２２〜２５に入力され、ディジタ
ル信号からアナログ信号へ変換される。Ｄ／Ａコンバ−
タ２２，２４及びメイン信号Ｍ_L(t)は加算器１９に入力
されてスピ−カ４から、Ｄ／Ａコンバ−タ２５，２３及
びメイン信号Ｍ_R(t)は加算器２０に入力されスピ−カ６
から放射される。これにより、第１の実施例と同様にメ
イン信号は通常どおり前方から再生され、そして左側方
（または後方）と右側方（または後方）に遅延時間が異
なったサラウンド信号が再生されることとなり、第１の
実施例と同様の効果が得られる。但し、これは、左側と
右側の音の位置が対称の場合であるが、このような構成
をとることにより、ＦＩＲフィルタの個数を減らすこと
ができ、同じ効果を簡単な構成で実現可能となる。

【００４５】なお、以上の実施例では前方に配置するス
ピーカを２個としたが、２個以上のスピーカを使用して
側方または後方から音が来るように構成しても良い。
（図５）は、３個のスピーカを用い左後方から音が来る
ようにする方法を説明する図である。（図５）において
３４はＦＩＲフィルタ、ｈ_C(t)はＦＩＲフィルタ３４に
設定されているタップ係数（時間関数のインパルス応
答）、３５は視聴者に対して中央に配置したスピーカ、
ｈ_CL(t)、ｈ_CR(t)は中央に配置されたスピーカと視聴者
の左右の耳の間のインパルス応答で、その他、（図１）
等と同じ機能を有するものには同じ符号で示した。

【００４６】（図５）の構成は、２個のスピーカで実施
する場合を説明した（図２）の構成のものに、ＦＩＲフ
ィルタ３４と試聴者の中央に配置したスピーカ３５を加
えた形となっている。この構成で、視聴者の前方に配置
された３個のスピーカを鳴らした場合、２個の場合と同
様に左耳では（ディジタル形式で表すと）

【００４７】

【数１２】

【００４８】右耳では

【００４９】

【数１３】

【００５０】と表され、Ｌ(n) ＝Ｌ’(n) Ｒ(n) ＝Ｒ’(n) となるようにそれぞれのＦＩＲフィルタ１１，３４，１
４のタップ係数ｈ_L(n)、ｈ_C(n)、ｈ_R(n)を決定すれば良
い。これの決定は、例えばマルチチャンネル適応制御ア
ルゴリズム等を使用して行う。このように３個のスピー
カを使用した場合、２個のスピーカの場合と比較してサ
ービスエリアの広い制御が可能となる。

【００５１】（図６）は本発明の第３の実施例を示すブ
ロック図である。（図６）において、３６はＦＩＲフィ
ルタ、３７は遅延器、３８はＤ／Ａコンバータ、３９は
加算器、４０は視聴者に対して中央に配置したスピーカ
で、その他（図１）等に示したものと同じ機能を有する
ものには同じ符号で示した。

【００５２】（図５）で説明したような原理を用い、ｈ
_L(n)、ｈ_R(n)、ｈ_C(n)の組み合わせにより、前方に配置
されたスピーカ４，４０，６を使用し、左右の側方また
は後方から音が来るようにすることができる。以下の動
作及び効果については第１、第２の実施例と同様で、セ
ンタースピーカを配置することにより先に述べたように
サービスエリアの点を向上させることが可能である。

【００５３】なお、使用するスピーカ及びＦＩＲフィル
タの個数を増加させることにより、サービスエリアの拡
大を図ることが可能となるが、規模が大きくなるという
欠点が生じる。

【００５４】

【発明の効果】以上のように、本発明は、視聴者の側方
または後方から入力信号から作られたサラウンド信号が
来るように、視聴者の前方に配置された２個以上のスピ
−カにより視聴者の側方または後方の頭部伝達関数を実
現させ、更に左右の側方または後方から来る音に時間差
を与えることにより定位感を得ることができ、メイン信
号との組み合わせにより側方または後方に実際にスピ−
カを配置させて音を放射した場合と同様の臨場感のある
音響効果を得ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例におけるブロック図であ
る。

【図２】前方に配置されたスピーカにより側方または後
方に音を定位させる方法を説明した図である。

【図３】ＦＩＲフィルタを説明した図である。

【図４】本発明の第２の実施例におけるブロック図であ
る。

【図５】３個のスピーカを使用した場合の制御方法を説
明する図である。

【図６】本発明の第３の実施例におけるブロック図であ
る。

【図７】従来の音場再生装置のブロック図である。

【符号の説明】

１サラウンド作成回路２Ｌｃｈ信号３Ｒｃｈ信号４Ｌｃｈスピーカ６Ｒｃｈスピーカ８視聴者１１，１２，１３，１４ＦＩＲフィルタ１５，１６，１７，１８，３２，３３遅延器１９，２０加算器２１Ａ／Ｄコンバータ２２，２３，２４，２５Ｄ／Ａコンバータ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者川村明久大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】入力された信号からその信号を通常の部
屋においてスピーカから放射した場合の残響音や反射音
と同様の信号を作成するサラウンド作成手段と、視聴者
の前方に配置された２個以上のスピ−カと、これらのス
ピ−カから放射される音が視聴者の側方または後方から
来るよう視聴者の側方または後方の頭部伝達関数を実現
する２個以上の演算手段と、側方または後方から来る音
をある一定時間だけ遅延させる複数の遅延手段と、該演
算手段または遅延手段の出力信号を加算する２個以上の
加算手段を具備する音場再生装置。
【請求項２】頭部伝達関数を実現する演算手段は、人
間の頭部伝達関数を時間関数であるインパルス応答でタ
ップ係数として持つＦＩＲフィルタで構成されているこ
とを特徴とする請求項１記載の音場再生装置。