JPH0413396Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエンジンの燃料供給装置のアイドル回
転速度制御装置において、エンジンのアクセルが
開放されたことを検知するアイドルスイツチの構
造に関する。

エンジンのアクセルが開放され、エンジンが負
荷運転からアイドル運転に移行すると、エンジン
の燃料供給装置の操作レバーに当接し軸方向に進
退動してエンジンのアイドル回転速度を運転条件
に応じて適切に制御する駆動軸をそなえたアイド
ル回転速度制御装置が特開昭58−197433に開示さ
れている。この先行技術においては、燃料供給装
置の操作レバー自体と、アイドル回転速度制御装
置の駆動軸自体とによつて、アクセル開度を検知
するアイドルスイツチの接点部材を構成してい
る。即ち、この先行技術は、操作レバーと駆動軸
とから成る接点部材が外部に露出している外部接
点方式であるので、その接点箇所に異物や汚れや
エンジンルームの水蒸気等が付着して、接点機能
が果たせないという欠点があつた。

この欠点を克服するものとして、アイドルスイ
ツチの接点部材を外部に露出させないようにし
て、接点箇所に異物や汚れや水蒸気等が付着しな
いようにした内部接点方式が、既に実施されてい
る。

ここで、この従来の内部接点方式のアイドル回
転速度制御装置の構造を第２図に基いて説明す
る。第２図において、符号１は筐体、２は制御電
動部、３は電気絶縁材料からなるウオームギヤ軸
で、該軸の外周にはウオームギヤ４が設けられて
いて、該ウオームギヤ４は、前記制御電動機２の
回転軸に設けられているウオーム軸（図示は省略
してある）と噛合つている。前記ウオームギヤ軸
３には、めねじ５をそなえ、中空ロツドからなる
駆動軸６の外周に設けられているおねじ７と螺合
している。前記駆動軸６の一端（図で云えば右
端）部にはアイドルスイツチを構成する固定接点
部材８が圧入固定され、スプリング９を介して制
御回路１０に接続されている。１１はアイドルス
イツチを構成する接地側可動接点部材で筒状案内
部１２が一体に形成され、電気的絶縁物質からな
る筒状のスリーブ１３を介して摺動自在に前記駆
動軸６の外周面に案内されスプリング１４によつ
て前記筐体１と導通を保ち接地電位に保たれる。
１５は内部に環状の鍔部１６が形成されている電
気的絶縁物質からなるブツシユで前記筒状案内部
１２の内面に圧入固定され、該鍔部１６はスプリ
ング１７によつて前記２つの接点部材８及び１１
を引放す方向に付勢され、前記固定接点部材８の
鍔部１８に当接して接点間隙１９が一定に保たれ
ている（エンジンがアイドル運転でないとき）。
２０は前記筐体１と前記筒状案内部１２との間に
介在する電気的絶縁物質からなるブツシユで、鍔
付ブツシユ２１を筐体１に圧入することによつて
脱落が防止される。２２は防塵防水用の伸縮自在
のゴムなどの弾性材料からなるカバー、２３は前
記筐体１の端部部材で電気的絶縁物質からなり、
内部には筒状部２４が一体に形成され、該内端面
にワツシヤ２５を介して前記ウオームギヤ軸３の
内部に形成された段部２６の端面がスプリング２
７によつて押圧され前記ウオームギヤ軸３の軸方
向の位置ぎめが行なわれている。上述の構成にな
る従来例のアイドル回転制御装置の作用を説明す
る。エンジンを運転するアクセル開度すると図に
は示してないが燃料供給装置の操作レバー例えば
絞り弁レバーが、該絞り弁レバーの戻しばねの力
によつて絞り弁閉方向に回動して可動接点部材１
１の外端部に当りスプリング１７を圧縮して接点
間隙１９を閉じ、固定接点部材８が接地され、第
２図に鎖線で示す経路を通つて制御回路１０にア
イドル運転（アクセル開度）信号が入力されてア
イドル回転速度制御が開始される。制御回路１０
は該制御回路１０に入力されるエンジン回転速度
を始めとする各種のエンジン運転パラメータ信号
を演算して制御電動機２を正逆回転させる制御信
号を出力する。ウオーム軸とウオームギヤ４で互
に噛合つている。ウオームギヤ軸３が正逆回転
し、該ウオームギヤ軸３と互に螺合している駆動
軸６が、軸方向に進退動して例えば絞り弁を開閉
制御してエンジンのアイドル回転速度を制御す
る。アクセルが操作されて例えば絞り弁レバーが
可動接点部材１１の外端部から離れるとスプリン
グ１７によつて両接点部材８及び１１が引放され
てアイドル回転速度の制御が終了する。尚第２図
では駆動軸、６の初期位置を与えるための電気接
点は図示を省略してある。

上述した従来例の内部接点方式のアイドル回転
速度制御装置には又次に示す問題点がある。

(1) 駆動軸６の外周面と筒状案内部１２の内面は
電気的絶縁ブツシユ１３を介して相互間の摺動
運動が行われるので、２つの接点部材８及び１
１を以て構成する電気接点の開閉の際に摩擦抵
抗を行なわない様に若干のクリアランスが与え
られている。従つて、ウオーム軸とウオームギ
ヤ４との噛合わせ箇所に塗布したグリスやその
噛合わせ箇所の磨耗によつて発生する粉末が、
前記クリアランスを通つて電気接点に侵入す
る。この結果、外部接点方式ほどではないにし
ても、電気接点の接触が妨げられ、接点機能が
果たせないという欠点を克服することが出来な
いものであつた。

(2) 電気接点構成がユニツト化されていないため
組立の際、固定接点部材８側の外端面即ち接点
部に手垢が付着して接点機能を損なうおそれが
あり、従つて取扱に注意を必要として工数の増
加を招く。

(3) 筐体１に対する駆動軸６の位置が変化する
と、可動接点部材１１１に及ぼすスプリング１
４の付勢力が変化する。従つて、電気接点を閉
じる際に可動接点部材１１１に加えるべき力の
大きさが、駆動軸６の位置に応じて変化する。
本考案は、アクセルが開度されたことを検知す
る電気接点の接触箇所を密閉して、その接触箇
所に異物や水等の侵入を防いで、電気接点の接
触不良の発生を防止するようにしたアイドル回
転速度制御装置のアイドルスイツチの構造を提
供することを目的とする。

以下、本考案に係るアイドルスイツチの構造
の実施例を第１図に基いて説明する。第１図に
おいて、アイドル回転速度制御装置が制御回路
によつて駆動される構成部分は、前述の従来例
（第２図）と同一であるので、制御回路１０、
制御電動機２、及びそれらによつて駆動される
構成部材の作用については、その説明を省略す
る。

第１図において、駆動軸６の一方の先端は筐
体１の先端とほぼ面位置となつており、この駆
動軸６の先端部に形成したねじ部１２２に固定
接点部材１０８が螺合され、この固定接点部材
１０８が駆動軸６から脱落しないようにするた
めに、回り止め金具１２３が用いられる。即
ち、固定接点部材１０８は筐体１の外側に突出
するように取付けられる。

この固定接点部材１０８は、前記筐体１とは
絶縁された状態で、駆動軸６を経由して制御回
路１０に導通している。この固定接点部材１０
８における可動接点部材１１１（後述する）と
の接触箇所の接点箇所を囲むように、筒状のア
イドルスイツチケース１２０が絶縁部材１２１
を介在させて固定接点部材１０８にカシメ等に
よつて固定される。この絶縁部材１２１は、固
定接点部材１０８と筒状のアイドルスイツチケ
ース１２０との固定箇所を密閉するように設定
される。

このアイドルスイツチケース１２０を固定接
点部材１０８に固定する際に、そのアイドルス
イツチケース１２０の筒状の内部に、固定接点
部材１０８に対して進退可能な可動接点部材１
１１と、その可動接点部材１１１を固定接点部
材１０８との接触位置から離す方向に付勢する
ばね１１７と、その可動接点部材１１１を所定
の直線方向に沿つて移動させるための案内部材
１１８と、その案内部材１１８の内側に備えら
れその案内部材１１８と前記固定接点部材１０
８との間を絶縁する絶縁ブツシユ１１９とが備
えられる。

筒状のアイドルスイツチケース１２０の一端
（固定接点部材１０８に固定する箇所とは反対
側）には、筒状の内側に張出した鍔部１１５が
一体に形成され、この鍔部１１５がばね１１７
によつて付勢される可動接点部材１１１の移動
を阻止するためのストツパとなつている。可動
接点部材１１１は、鍔部１１５の位置よりアイ
ドルスイツチケース１２０の外側に突出してい
る突出部分１１１ａを有する。

アイドルスイツチケース１２０に一端を接触
し、筐体１に他端を接触するように導体のばね
１１４が備えられている。このばね１１４は、
アイドルスイツチケース１２０と筐体１との接
続を確実にする。

可動接点部材１１１の突出部分１１１ａの外
周と前記筐体１とにわたつて、第２図に示した
従来例と同様、筒状でジヤバラ状のカバー２２
が取付けられる。即ち、このカバー２２と可動
接点部材１１１の連結箇所、並びにこのカバー
２２と筐体１の連結箇所は、密封状態に保たれ
る。一方を可動接点部材１１１の突出部分１１
１ａで閉じ、他方を筐体１で閉じた状態の筒状
のカバー２２の内部空間内には、前記固定接点
部材１０８やアイドルスイツチケース１２０や
ばね１１４や可動接点部材１１１の一部分が収
容される。

本考案では、その筒状のカバー２２は、筒の
途中において、アイドルスイツチケース１２０
の外周と接触し、その接触位置で密封状態を保
つように設定されている。このカバー２２が、
可動接点部材１１１の突出部分１１１ａの外周
での密閉筒所とアイドルスイツチケース１２０
の外周での密閉箇所とを設けることによつて、
筒状のアイドルスイツチケース１２０の一端
（固定接点部材１０８に固定する箇所とは反対
側）の内側の密閉状態が保たれる。一方、前述
したように、アイドルスイツチケース１２０に
おける固定接点部材１０８と固定する側の筒状
の内部は、絶縁部材１２１によつて密閉されて
いる。この結果、固定接点部材１０８と可動接
点部材１１１との接触箇所は、筒状のアイドル
スイツチケース１２０内部に、絶縁部材１２１
とカバー２２とによつて密閉される。

ここで、電気接点に関係する部材のうち主な
導電性材料と絶縁部材とを区別する。主な導電
性材料は、駆動軸６、固定接点部材１０８、案
内部材１１８、可動接点部材１１１、ばね１１
７、アイドルスイツチケース１２０、ばね１１
４及び筐体１であり、主な絶縁材料は、絶縁ブ
ツシユ１１９、絶縁部材１２１及びカバー２２
である。

ここにおいて、ばね１１７の付勢力が作用し
て、可動接点部材１１１が固定接点部材１０８
と接触しない状態（第１図の状態）にある時、
可動接点部材１１１と接続状態にある導電性材
料は、ばね１１７、案内部材１１８、アイドル
スイツチケース１２０、ばね１１４、筐体１と
なる。しかし、これらの導電性材料は、絶縁ブ
ツシユ１１９や絶縁部材１２１等に阻まれて、
固定接点部材１０８や駆動軸６とは接触しない
ようになつている。

アクセル１２５はリンク１２６を介して、燃
料供給装置の操作レバー１２４（絞り弁レバ
ー）１２４と連結されている。この操作レバー
１２４には、戻しばね１２７によつてアクセル
１２５の踏込みに抗する力１２９が働いてお
り、前記可動接点部材１１１の突出部分１１１
ａに接触する方向に付勢されている。ここで、
アクセル１２５が開放されると、戻しばね１２
７によつて可動接点部材１１１が押され、可動
接点部材１１１と固定接点部材１０８とが接触
する。この可動接点部材１１１と固定接点部材
１０８との接触によつて、固定接点部材１０
８、可動接点部材１１１、ばね１１７、案内部
材１１８、アイドルスイツチケース１２０、ば
ね１１４、筐体１が導通される。

一方、可動接点部材１１１と固定接点部材１
０８とが接触しない状態においては、固定接点
部材１０８は絶縁部材１２１を介してアイドル
スイツチケース１２０とは絶縁されているの
で、固定接点部材１０８が筐体１と導通される
ことはない。

以上のように、本考案に係るアイドル回転速度
制御装置のアイドルスイツチの構造によれば、次
のような利点を得ることが出来る。

(1) 可動接点部材１１１と固定接点部材１０８と
が接触する接点箇所は、筒状のアイドルスイツ
チケース１２０の内部に納められ、しかもその
筒状のアイドルスイツチケース１２０の両端は
完全に密閉されているので、動力伝達手段であ
るウオーム軸とウオームギヤ４との噛合わせ箇
所に塗布したグリスやその噛合わせ箇所の摩耗
によつて発生する粉末が電気接点に侵入した
り、エンジンルーム内の水蒸気や塵埃が電気接
点に付着したりすることがなく、アイドルスイ
ツチの確実な作動を確保し、しかも長い寿命を
得ることができる。

(2) アイドルスイツチがアセンブリ部品としてユ
ニツト化されているので、アイドル回転速度制
御装置の組立工数を低減することができる。ま
た、ユニツト化されているので、電気接点部に
触るおそれが無くなり、不良の発生率を減らす
ことができる。

(3) 可動接点部材１１１を付勢するばね１１７
は、駆動軸６の変位とは無関係の状態にあるの
で、可動接点部材１１１の接点開閉操作を同一
の状態で行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るアイドル回転速度制御装
置のアイドルスイツチの構造の一実施例を示す断
面図、第２図は内部接点方式のアイドルカイテン
制御装置の従来例を示す断面図である。 １……筐体、２……制御電動機、６……駆動
軸、１０……制御回路、２２……カバー、１０８
……固定接点部材、１１１……可動接点部材、１
１４……ばね、１１７……ばね、１２０……アイ
ドルスイツチケース、１２１……絶縁部材、１２
４……燃料供給装置の操作レバー、１２５……エ
ンジンのアクセル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 エンジンのアクセル１２５が開放されたことを
   検知する信号とエンジンの各種運転パラメータ信
   号とを入力演算して制御信号を出力する制御回路
   １０と、その制御信号によつて作動させられる電
   動機２と、その制御電動機２の運動が電力伝達手
   段を介して伝えられて軸方向に進退動してエンジ
   ンの燃料供給装置の操作レバー１２４を回動制御
   する駆動軸６とを有するアイドル回転速度制御で
   あつて、アクセル１２５が開放されたことを検知
   するものであつて制御回路１０と通じる筐体１と
   制御回路１０と通じる前記駆動軸６との間を接続
   させるための電気接点を有し、エンジンのアクセ
   ル１２５の開放時に前記燃料供給装置の操作レバ
   ー１２４が接触して前記電気接点が閉じられるよ
   うにしたアイドル回転速度制御装置において、 前記電気接点を構成するものであつて前記駆動
   軸６の一端に固定される固定接点部材１０８と、 その固定接点部材１０８と協同して電気接点を
   構成するものであつて固定接点部材１０８に接触
   または離れる方向に移動可能で前記操作レバー１
   ２４の働きによつて固定接点部材１０８に接触す
   る可動接点部材１１１と、 その可動接点部材１１１と前記固定接点部材１
   ０８との接触箇所を覆うためのものであつて前記
   固定接点部材１０８に取付ける筒状で導体のアイ
   ドルスイツチケース１２０と、 そのアイドルス
   イツチケース１２０と固定接点部材１０８との取
   付け箇所に介在しそれら両者の間を密閉かつ絶縁
   する絶縁部材１２１と、 一端を可動接点部材１１１に他端をアイドルス
   イツチケース１２０に電気的に接続するものであ
   つて可動接点部材１１１を固定接点部材１０８か
   ら離す方向に付勢するためのばね１１７と、 一端をアイドルスイツチケース１２０に他端を
   筐体１に接続する接続部材１１４と、 前記可動接点部材１１１と前記アイドルスイツ
   チケース１２０との間を密閉に覆うためのカバー
   ２２とを有し、 可動接点部材１１１と固定接点部材１０８との
   接触箇所をアイドルスイツチケース１２０と固定
   接点部材１０８と絶縁部材１２１と可動接点部材
   １１１とカバー２２とによつて密閉するように
   し、 可動接点部材１１１と固定接点部材１０８とが
   接触した際に、駆動軸６と固定接点部材１０８と
   アイドルスイツチケース１２０と筐体１とが接続
   するようにしたことを特徴とするアイドル回転速
   度制御装置アイドルスイツチ構造。