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JP7524734B2 - 絶縁電線及び情報伝送用ケーブル - Google Patents

絶縁電線及び情報伝送用ケーブル Download PDF

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JP7524734B2 JP2020194760A JP2020194760A JP7524734B2 JP 7524734 B2 JP7524734 B2 JP 7524734B2 JP 2020194760 A JP2020194760 A JP 2020194760A JP 2020194760 A JP2020194760 A JP 2020194760A JP 7524734 B2 JP7524734 B2 JP 7524734B2
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Description

本開示は、絶縁電線及び情報伝送用ケーブルに関する。
自動車の自動運転技術や運転アシスト機能のニーズに伴い、車載情報電線ではより一層の情報伝送の容量の増大及び高速化が求められている。伝送損失(伝送ロス)は、信号の周波数及び信号伝送ケーブルの絶縁層の誘電正接と正の相関を持つため、信号伝送の高速化のためには、絶縁層の誘電正接を低減し、伝送損失をより一層低減して、信号の伝送を安定的に行う必要がある。
従来技術においては、ヒンダードフェノール構造を有しないフェノール系の酸化防止剤を含有する電気絶縁材料を絶縁体層に用いることで、高周波数帯域における絶縁体層の誘電損失が小さく、高温環境下で使用しても長寿命を有する通信ケーブルが開示されている(特開2009-81132号公報参照)。
特開2009-81132号公報
本開示の一態様に係る絶縁電線は、1又は複数の線状の導体と、上記導体の外周面に積層される1又は複数の絶縁層とを備え、上記絶縁層がポリオレフィン及び酸化防止剤を含有し、上記酸化防止剤の含有量が上記ポリオレフィン100質量部に対して0.1質量部以上1.0質量部以下であり、上記酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤と、硫黄含有フェノール系酸化防止剤を除く硫黄系酸化防止剤とから構成され、上記フェノール系酸化防止剤が硫黄を含有しないレスヒンダードフェノール構造又は硫黄を含有しないセミヒンダードフェノール構造を有し、上記酸化防止剤における上記硫黄系酸化防止剤の含有率が50質量%超90質量%以下であり、上記レスヒンダードフェノール構造を有するフェノール系酸化防止剤が下記式(1)で表され、上記セミヒンダードフェノール構造を有するフェノール系酸化防止剤が下記式(2)で表される。
Figure 0007524734000001
図1は、本開示の一実施形態に係る絶縁電線の模式的横断面図である。 図2は、本開示の一実施形態に係るツイナックスケーブルの模式的横断面図である。 図3は、本開示の一実施形態に係る同軸ケーブルの模式的斜視図である。 図4は、図3の同軸ケーブルの模式的横断面図である。
[本開示が解決しようとする課題]
上述の従来技術では、絶縁層が酸化防止剤等の添加剤を含有すると誘電正接が大きくなるおそれがある。上記車載情報電線では、伝送線路として信号減衰に対して誘電正接の影響がより大きい。一方、車載情報電線等で用いる絶縁材料においては、耐熱性を備えつつ、電気的特性を向上することが望まれる。
本開示は、このような事情に基づいてなされたものであり、耐熱性を有するとともに、絶縁層の誘電正接の増大に対する抑制効果に優れる絶縁電線を提供することを目的とする。
[本開示の効果]
本開示によれば、耐熱性を有するとともに絶縁層の誘電正接の増大に対する抑制効果に優れる絶縁電線を提供することができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の一態様に係る絶縁電線は、1又は複数の線状の導体と、上記導体の外周面に積層される1又は複数の絶縁層とを備え、上記絶縁層がポリオレフィン及び酸化防止剤を含有し、上記酸化防止剤の含有量が上記ポリオレフィン100質量部に対して0.1質量部以上1.0質量部以下であり、上記酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤と、硫黄含有フェノール系酸化防止剤を除く硫黄系酸化防止剤とから構成され、上記フェノール系酸化防止剤が硫黄を含有しないレスヒンダードフェノール構造又は硫黄を含有しないセミヒンダードフェノール構造を有し、上記酸化防止剤における上記硫黄系酸化防止剤の含有率が50質量%超90質量%以下であり、上記レスヒンダードフェノール構造を有するフェノール系酸化防止剤が下記式(1)で表され、上記セミヒンダードフェノール構造を有するフェノール系酸化防止剤が下記式(2)で表される。
Figure 0007524734000002
(式(1)及び(2)中、R~Rはメチル基である。Rは置換基である。)
当該絶縁電線は、上記絶縁層が極性の低いポリオレフィンを含有することで、誘電正接を良好に低減することができる。また、上記絶縁層が硫黄含有フェノール系酸化防止剤を除く硫黄系酸化防止剤と、上記式(1)で表されるレスヒンダードフェノール構造又は上記式(2)で表されるセミヒンダードフェノール構造を有するフェノール系酸化防止剤とを含有し、上記硫黄系酸化防止剤の含有量が上記範囲であることで、ポリオレフィンの熱による劣化及び誘電正接の増大を抑制しつつ、絶縁層の高温環境下での耐久性である耐熱性を向上できる。従って、当該絶縁電線は、耐熱性を有するとともに、絶縁層の誘電正接の増大に対する抑制効果に優れる。
上記硫黄系酸化防止剤が下記式(3)又は下記式(4)で表されることが好ましい。
Figure 0007524734000003
(式(3)及び(4)中、Xは-S-又は-NH-、Rはアルキル基である。)
当該絶縁電線が上記式(3)又は下記式(4)で表される硫黄系酸化防止剤を含有することで、耐熱性をより向上することができる。
上記ポリオレフィンとしては、ポリプロピレンであることが好ましい。上記ポリオレフィンがポリプロピレンであることで、絶縁層の誘電正接の低減効果をさらに向上することができる。
上記絶縁層が金属害防止剤をさらに含有することが好ましい。上記絶縁層が金属害防止剤をさらに含有することで、金属害を抑制し、上記ポリオレフィンの酸化劣化を抑制できる。従って、上記絶縁層の誘電正接をより低減できる。ここで、「金属害」とは、一般に、接触する金属の触媒的な作用により、材料の酸化劣化が促進されることをいう。
周波数10GHzの高周波電界を印加した場合における上記絶縁層の誘電正接が2.7×10-4以下であることが好ましい。周波数10GHzの高周波電界を印加した場合における上記絶縁層の誘電正接が上記範囲であることで、伝送損失の低減効果を十分に向上できる。
本開示の別の一態様は、当該絶縁電線を1又は複数備える情報伝送用ケーブルである。
当該情報伝送用ケーブルは、当該絶縁電線を備えるので、耐熱性を有するとともに、絶縁層の誘電正接の増大に対する抑制効果に優れる。従って、当該情報伝送用ケーブルは、高温環境下での耐久性の向上及び伝送損失の低減を図ることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態に係る絶縁電線及び情報伝送用ケーブルについて、適宜図面を参照しつつ詳説する。
<絶縁電線>
当該絶縁電線は、1又は複数の線状の導体と、上記導体の外周面に積層され、1又は複数の絶縁層とを備える。図1は、本開示の一実施形態に係る絶縁電線の模式的横断面図である。図1に示すように、当該絶縁電線1は、線状の導体2と、この導体2の外周面に積層される1層の絶縁層3とを備える。
[導体]
導体2は、例えば断面が円形状の丸線とされるが、断面が正方形状の角線又は長方形状の平角線や、複数の素線を撚り合わせた撚り線であってもよい。
導体2の材質としては、導電率が高くかつ機械的強度が大きい金属が好ましい。このような金属としては、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、銀、軟鉄、鋼、ステンレス鋼等が挙げられる。導体2は、これらの金属を線状に形成した材料や、このような線状の材料にさらに別の金属で被覆した多層構造のもの、例えばニッケル被覆銅線、銀被覆銅線、銅被覆アルミニウム線、銅被覆鋼線等を用いることができる。
導体2の平均断面積の下限としては、0.01mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。一方、導体2の平均断面積の上限としては、10mmが好ましく、5mmがより好ましい。導体2の平均断面積が上記下限に満たないと、導体2に対する絶縁層3の体積が大きくなり、当該絶縁電線を用いて形成されるコイル等の体積効率が低くなるおそれがある。逆に、導体2の平均断面積が上記上限を超えると、誘電率を十分に低下させるために絶縁層3を厚く形成しなければならず、当該絶縁電線が不必要に大径化するおそれがある。なお、導体の「平均断面積」とは、任意の箇所の10本の導体の断面積を測定し、平均した値を意味する。
[絶縁層]
絶縁層3は、導体2の外周面に形成される。
上記絶縁層3は、ポリオレフィン及び酸化防止剤を含有する。
上記絶縁層3は、極性の低いポリオレフィンを含有することで、誘電正接を良好に低減することができる。上記ポリオレフィンとしては、例えばポリプロピレン、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、リアクター型ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、動的架橋型ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレン(高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE))、エチレン-プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、エチレン-プロピレンゴム等を使用できる。「高密度ポリエチレン(HDPE)」とは、密度が0.942g/cm以上のポリエチレンをいう。「直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)」とは、密度が0.910g/cm以上0.930g/cm未満であって、エチレンとα-オレフィンとを共重合して得られるポリエチレンをいう。「低密度ポリエチレン(LDPE)」とは、密度が0.910g/cm以上0.930g/cm未満であって、高圧重合法によりエチレンを重合して得られるポリエチレンをいう。「超低密度ポリエチレン(VLDPE)」とは、密度が0.870g/cm以上0.910g/cm未満のポリエチレンをいう。「ポリメチルペンテン」としては、例えば4-メチル-1-ペンテンの単独重合体、4-メチル-1-ペンテンと3-メチル-1-ペンテン又は他のα-オレフィンとの共重合体が挙げられる。このα-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等が挙げられる。
上記ポリオレフィンとしては、これらの中でもポリプロピレンが好ましく、融点が140℃以上のポリプロピレンがより好ましい。ポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等が挙げられる。ホモポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体である。ランダムポリプロピレンは、例えばプロピレンとエチレンもしくは炭素数が4~20のα-オレフィンとの共重合体)が挙げられる。ブロックポリプロピレンは、ブロックポリプロピレンとは、主成分としてのホモポリプロピレン、並びに共重合体成分としてのランダム共重合体エラストマー及び任意成分であるエチレン重合体とからなる樹脂である。これらの中でもブロックポリプロピレンがより好ましい。上記ポリオレフィンがこのようなポリプロピレンであることで、絶縁層の誘電正接の低減効果及び耐熱性をより向上することができる。なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分を意味する。
上記絶縁層3におけるポリオレフィンの含有量の下限としては、95.0質量%が好ましく、98.0質量%がより好ましい。上記ポリオレフィンの含有量が上記下限に満たないと、上記絶縁層の誘電正接を良好に低減することが困難になるおそれがある。一方、ポリオレフィンの含有量の上限としては、99.9質量%が好ましく、99.5質量%がより好ましい。上記ポリオレフィンの含有量が上記上限を超えると、上記絶縁層における酸化防止剤等の含有量が不十分となり、上記絶縁層における耐熱性の向上効果が十分に高くならないおそれがある。
上記絶縁層3は、上記ポリオレフィン以外の樹脂を含有してもよい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂、フッ素ゴムなどを加工性改良剤として0.1質量%~5.0質量%の範囲で添加しても良い。
(酸化防止剤)
酸化防止剤は、絶縁層3の酸化を防止するものである。上記酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤と、硫黄含有フェノール系酸化防止剤を除く硫黄系酸化防止剤とから構成される。当該絶縁電線は酸化劣化しやすいポリオレフィンを含有するが、上記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤と、硫黄含有フェノール系酸化防止剤を除く硫黄系酸化防止剤とから構成されることで、絶縁層の耐熱性をさらに向上できる。
上記フェノール系酸化防止剤は、下記式(1)で表される硫黄を含有しないレスヒンダードフェノール構造又は下記式(2)で表される硫黄を含有しないセミヒンダードフェノール構造を有する。上記フェノール系酸化防止剤が上記式(1)で表される硫黄を含有しないレスヒンダードフェノール構造又は上記式(2)で表される硫黄を含有しないセミヒンダードフェノール構造を有することで、耐熱性を有するとともに、絶縁層の誘電正接の増大に対する抑制効果に優れる。
Figure 0007524734000004
上記式(1)及び(2)中、R~Rはメチル基である。Rは置換基である。
硫黄を含有しないセミヒンダードフェノール構造を有する酸化防止剤としては、具体的には、トリエチレングリコールビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート](例えば、アデカ社製アデカスタブAO-70)、アデカ社製アデカスタブAO-80等)、ビス[3,3-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸]エチレン(例えばクラリアントケミカルズ社製Hostanox O3)、エチレンビス(オキシエチエレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート](例えば、BASFジャパン社製イルガノックス245)、「トリエチレングリコールビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート」(addivant社製Lowinox GP 45)、3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(例えば、住友化学社製スミライザーGA-80)が挙げられる。
硫黄を含有しないレスヒンダードフェノール構造を有する酸化防止剤としては、具体的には、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)(例えば、大内新興化学工業社製ノクラックNS-30、1,1,3-トリス-(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン(例えば、アデカ社製アデカスタブAO-30)が挙げられる。
上記硫黄系酸化防止剤としては、下記式(3)又は下記式(4)で表されることが好ましい。当該絶縁電線が上記式(3)又は下記式(4)で表される硫黄系酸化防止剤を含有することで、耐熱性をさらに向上することができる。
Figure 0007524734000005
上記式(3)及び(4)中、Xは-S-又は-NH-、Rはアルキル基である。
下記式(3)で表される硫黄系酸化防止剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール(例えば、三新化学社製サンセラーMなど)、2-メルカプトベンゾイミダゾール(例えば、住友化学社製スミライザーMB)が挙げられる。
下記式(4)で表される硫黄系酸化防止剤としては、チオジプロピオン酸ジステアリル(BASF社製イルガノックスPS802FL)、ペンタエリスリトールテトラキス-(3-ドデシルチオプロピオネート)(シプロ化成社製シーノックス412s)、ジドデシルチオジプロピオネート(シプロ化成社製シーノックスDL)、ジテトラデシルチオジプロピオネート(シプロ化成社製シーノックスDM)、ジオクタデシルチオジプロピオネート(シプロ化成社製シーノックスDS)等が挙げられる。
上記硫黄系酸化防止剤としては、これらの中でも、2-メルカプトベンゾチアゾール、ペンタエリスリトールテトラキス-(3-ドデシルチオプロピオネート)が絶縁層の誘電正接の低減効果及び耐熱性をさらに向上する観点から好ましい。
上記酸化防止剤における上記硫黄系酸化防止剤の含有率の下限としては、50質量%超であり、55質量%が好ましく、60質量%がより好ましい。上記硫黄系酸化防止剤の含有率が上記下限に満たないと、ポリオレフィンの熱による劣化及び誘電正接の増大に対する抑制効果を向上させることが困難になるおそれがある。一方、上記硫黄系酸化防止剤の含有率の上限としては、90質量%であり、85質量%が好ましく、80質量%がより好ましい。上記硫黄系酸化防止剤の含有率が上記上限を超えると、誘電正接の増大に対する抑制効果が低下し、当該絶縁電線の電気特性を損なうおそれがある。
上記絶縁層における酸化防止剤の含有量の下限としては、上記ポリオレフィン100質量部に対して0.1質量部であり、0.2質量部が好ましく、0.3質量部がより好ましい。上記酸化防止剤の含有量が上記下限に満たないと、ポリオレフィンの熱による劣化及び誘電正接の増大に対する抑制効果を向上させることが困難になるおそれがある。一方、酸化防止剤の含有量の上限としては、上記ポリオレフィン100質量部に対して1.0質量部であり、0.9質量部が好ましく、0.8質量部がより好ましい。上記酸化防止剤の含有量が上記上限を超えると、誘電正接の増大に対する抑制効果が低下し、当該絶縁電線の電気特性を損なうおそれがある。
(金属害防止剤)
上記絶縁層が金属害防止剤をさらに含有することが好ましい。金属害防止剤は、金属イオンをキレート形成により安定化し、金属イオンに起因する被覆材樹脂の劣化、いわゆる金属害を抑制する。上記絶縁層が金属害防止剤をさらに含有することで、金属害を抑制し、上記ポリオレフィンの酸化劣化を抑制できる。従って、上記絶縁層の誘電正接をより低減できる。本実施形態における金属害防止剤としては、銅害防止剤であることが好ましい。
上記金属害防止剤の融点の下限としては、200℃であり、220℃がより好ましい。上記金属害防止剤の融点の下限が、上記範囲であることで、絶縁層の誘電正接の低減効果及び金属害の抑制効果を良好にできる。
この金属害防止剤としては、融点が200℃以上であれば特に限定されず、例えばヒドラジド系化合物、サリチル酸誘導体、フタル酸誘導体、トリアゾール系化合物の複合物、芳香族第二級アミン系化合物等が挙げられる。上記サリチル酸誘導体としては、例えばNN’-ビス[3-(3、5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン(製品名:イルガノックスMD1024、融点225℃)、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール(製品名:アデカスタブCDA-1、融点315℃~325℃)、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド(製品名:アデカスタブCDA-6、融点209℃~215℃)等が挙げられる。上記フタル酸誘導体としては、例えばイソフタル酸ビス(2-フェノキシプロピオニルヒドラジド)(製品名:CUNOX、融点225℃)等が挙げられる。上記トリアゾール系化合物の複合物としては、例えば2-ヒドロキシ-N-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルベンズアミドを主成分とする複合物(製品名:アデカスタブCDA-1M、融点214℃以上)等が挙げられる。上記芳香族第二級アミン系化合物としては、例えばN,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン(製品名:ノクラックWhite、融点225℃以上)等が挙げられる。
これらの中では、金属害の抑制効果をさらに向上する観点から、ヒドラジド系化合物、サリチル酸誘導体、フタル酸誘導体又はこれらの組み合わせが好ましく、NN’-ビス[3-(3、5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール及びイソフタル酸ビス(2-フェノキシプロピオニルヒドラジド)がより好ましい。また、上記金属害防止剤は、一種又は二種以上を使用することができる。
ポリオレフィン100質量部に対する金属害防止剤の含有量の下限としては、0.01質量部が好ましく、0.02質量部がより好ましく、0.03質量部がさらに好ましい。上記金属害防止剤の質量比が上記下限に満たないと、金属害の抑制効果を向上させることが困難になるおそれがある。一方、金属害防止剤の質量比の上限としては、1.0質量部が好ましく、0.9質量部がより好ましい。上記金属害防止剤の質量比が上記上限を超えると、上記絶縁層における添加剤が樹脂中から表面に析出して結晶化する、いわゆるブルームを生じ、上記絶縁層の品質を損なうおそれがある。
(その他の成分)
上記絶縁層は、上記ポリオレフィン及び酸化防止剤以外にその他の成分として、例えば難燃剤、難燃助剤、顔料、酸化防止剤等を含有してもよい。
上記難燃剤は、上記絶縁層に難燃性を付与するものである。難燃剤としては、例えば塩素系難燃剤、臭素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤が挙げられる。
難燃助剤は、上記絶縁層の難燃性をより向上させるものである。難燃助剤としては、三酸化アンチモン等が挙げられる。
顔料は、上記絶縁層を着色するものである。顔料としては、公知の種々のものを使用することができ、例えば酸化チタン等が挙げられる。
周波数10GHzの高周波電界を印加した場合における上記絶縁層の誘電正接の上限としては、2.7×10-4が好ましく、2.5×10-4がより好ましい。上記絶縁層の誘電正接の範囲が上記範囲であることで、伝送損失の低減効果を十分に向上できる。
上記絶縁層の比誘電率の上限としては、2.5が好ましく、2.3がより好ましい。上記比誘電率が上記上限を超える場合、誘電正接が大きくなりすぎ、伝送損失を十分に小さくできないおそれがあると共に、十分な伝送速度が得られないおそれがある。
上記「誘電正接」及び「比誘電率」は、それぞれJIS-R1641(2007)に準ずる方法に従って測定した値である。
絶縁層3の平均厚さの下限としては、50μmが好ましく、100μmがより好ましい。一方、絶縁層3の平均厚さの上限としては、1500μmが好ましく、1000μmがより好ましい。絶縁層3の平均厚さが上記下限に満たない場合、絶縁性が低下するおそれがある。逆に、絶縁層3の平均厚さが上記上限を超える場合、当該絶縁電線を用いて形成されるケーブル等の体積効率が低くなるおそれがある。なお、絶縁層の「平均厚さ」とは、任意の箇所の絶縁層の厚さを10点測定し、平均した値を意味する。
[絶縁電線の製造方法]
次に、当該絶縁電線の製造方法について説明する。当該絶縁電線は、絶縁層3が押出成型により形成される。この絶縁電線の製造方法は、絶縁層形成用樹脂組成物を上記導体2の外周面に押出被覆する工程(押出工程)を備える。上記絶縁層形成用樹脂組成物の構成は、上述の絶縁層と同様であるので説明を省略する。
<利点>
当該絶縁電線は、耐熱性を有するとともに、絶縁層の誘電正接の増大に対する抑制効果に優れる。
<情報伝送用ケーブル>
当該情報伝送用ケーブルは、1又は複数の当該絶縁電線を備える。当該情報伝送用ケーブルとしては、例えば差動伝送用ケーブル、同軸ケーブル等が挙げられる。
[差動伝送用ケーブル]
差動伝送用ケーブルは、差動信号を伝送するケーブルとして、高速での通信が求められる分野において好適に使用される。差動伝送用ケーブルとしては、例えばツイナックス構造を有するツイナックスケーブルが挙げられる。
図2は、当該情報伝送用ケーブルの一実施形態であるツイナックスケーブルの模式的横断面図である。図2に示すように、ツイナックスケーブル10は、一本当たりに第1の絶縁電線1a及び第2の絶縁電線1bからなる1対の絶縁電線を有するツイナックス構造を備える。第1の絶縁電線1aは、線状の導体2aと、この導体2aの外周面に積層される1層の絶縁層3aとを備える。第2の絶縁電線1bは、線状の導体2bと、この導体2bの外周面に積層される1層の絶縁層3bとを備える。第1の絶縁電線1a及び第2の絶縁電線1bは、当該絶縁電線が用いられている。また、ツイナックスケーブル10は、第3の導体であるトレイン線5と、絶縁電線1a、絶縁電線1b及びトレイン線5を覆うように配置されるシールドテープ30とを備える。
当該情報伝送用ケーブルとしてツイナックスケーブルを用いた場合、高精度かつ高速での信号伝送を効率よく行うことができる。またトレイン線5は接地されることにより、ツイナックスケーブル10における帯電を防止することができる。さらにシールドテープ30を含むことで、外部からの電磁ノイズの干渉を防ぎ、また、信号線対の各信号線間相互の干渉を低減することができる。
シールドテープ30は、ポリ塩化ビニル樹脂や難燃ポリオレフィン樹脂などの樹脂からなる絶縁フィルムの片面に導電層を設けたものである。シールドテープ30としては、例えば銅蒸着PETテープなどのテープ状体を用いることができる。シールドテープ30を含むことで、外部からの電磁ノイズの干渉を防ぎ、また、信号線対の各信号線間相互の干渉を低減することができる。本実施の形態においては、シールドテープ30は絶縁層3a、3bの外周側を被覆するように配置される。シールドテープ30は、第1の絶縁電線1aと第2の絶縁電線1bとトレイン線5とを包みながら第1の絶縁電線1aと第2の絶縁電線1bとの位置関係を相対的に固定するように第1の絶縁層3a及び第2の絶縁層3bの外周側に配置される。
[ツイナックスケーブルの製造方法]
当該情報伝送用ケーブルの一実施形態であるツイナックスケーブルの製造方法は、例えば、第1の絶縁電線と第2の絶縁電線とを束ね、第3の導体であるトレイン線を配置して、その外周にシールドテープを巻くことにより、ツイナックスケーブルが製造される。
[同軸ケーブル]
当該情報伝送用ケーブルの一実施形態である同軸ケーブルは、上述した当該絶縁電線と、上記絶縁電線の周面を被覆する外部導体と、上記外部導体の周面を被覆する外被層とを備え、上記絶縁電線が、1つの上記導体及びこの導体の周面を被覆する1つの上記絶縁層を含む。上記同軸ケーブルの実施形態について、図3及び図4を参照しつつ説明する。
図3及び図4の同軸ケーブル40は、導体2及びこの導体2の周面を被覆する絶縁層3を備える当該絶縁電線1、当該絶縁電線1の周面を被覆する外部導体45、並びに上記外部導体45の周面を被覆する外被層46を備える。すなわち、当該同軸ケーブル40は、断面形状において、導体2、絶縁層3、外部導体45及び外被層46が同心円状に積層された構成を有する。当該情報伝送用ケーブルが同軸ケーブル40であることで、細径化が可能となる。絶縁電線1、導体2及び絶縁層3は、図1の当該絶縁電線1と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
外部導体45は、アースとしての役割を果たし、他の回路からの電気的な干渉を防ぐためのシールドとして機能する。この外部導体45は、絶縁層3の外面を被覆している。外部導体45としては、例えば編組シールド、横巻きシールド、テープシールド、導電性プラスチックシールド、金属チューブシールド等が挙げられる。中でも、高周波シールド性の観点からは、編組シールド及びテープシールドが好ましい。なお、外部導体45として編組シールドや金属チューブシールドを使用する場合のシールド数は、使用するシールドや目的とするシールド性に応じて適宜決定すればよく、1重シールドであっても、2重シールドや3重シールド等の多重シールドであってもよい。
外被層46は、導体2や外部導体45を保護し、絶縁性の他、難燃性、耐候性等の機能を付与するものである。この外被層46は、熱可塑性樹脂を主成分として含むとよい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、発泡ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの中で、コスト及び加工容易性の観点から、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニルが好ましい。例示した上記材料は、単独で使用しても2種以上を併用してもよく、外被層46によって実現すべき機能に応じて適宜選択すればよい。
[同軸ケーブルの製造方法]
当該同軸ケーブル40は、当該絶縁電線1を外部導体45及び外被層46により被覆することで形成される。
外部導体45による被覆は、適用するシールド方法に応じた公知の方法により行うことができる。例えば、編組シールドは、チューブ状の編組内に絶縁電線1を挿入した後に編組を縮径させることで形成することができる。横巻きシールドは、例えば銅線等の金属線を絶縁層3に巻き付けることで形成することができる。テープシールドは、アルミニウムとポリエステルのラミネートテープ等の導電性のテープを絶縁層3の周囲に巻き付けることで形成することができる。
外被層46による被覆は、当該絶縁電線1の絶縁層3による導体2の被覆と同様の方法により行うことができる。また、上記熱可塑性樹脂等を絶縁電線1及び外部導体45の周面に塗布してもよい。
<利点>
当該情報伝送用ケーブルは、当該絶縁電線を備えるので、耐熱性を有するとともに、絶縁層の誘電正接の増大に対する抑制効果に優れる。従って、当該情報伝送用ケーブルは、高温環境下での耐久性の向上及び伝送損失の低減を図ることができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
当該絶縁電線は、絶縁層を発泡させてもよい。絶縁層を発泡させることで、誘電率を下げることができ、既定の特性インピーダンス(50Ω、100Ωなど)により薄肉の絶縁層で合わせることができ、ケーブルの細径化が可能になる。
当該情報伝送用ケーブルは、複数のツイナックスケーブルが、さらに外被によって被覆されている多芯ケーブルであってもよい。多芯ケーブルとすることで、ツイナックスケーブルと比較してさらに大容量の信号を伝送することができる。
導体は、複数の金属線を撚り合わせた撚線から形成することもできる。この場合、複数種の金属線を組み合わせてもよい。撚り数としては、一般に7本以上とされる。
当該絶縁電線は、導体に直接積層されるプライマー層を有していてもよい。このプライマー層としては、金属水酸化物を含有しないエチレン等の架橋性樹脂を架橋させたものを好適に用いることができる。このようなプライマー層を設けることによって、絶縁層及び導体の剥離性の経時低下を防いで結線作業の効率低下を防止できる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[絶縁層No.1~No.14]
主成分となるポリオレフィンとしてのポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製の「ノバテックEA9)及び下記に示す金属害防止剤を、含有量(質量部)が表1の通りとなるように混合して絶縁層用樹脂組成物を得た。上記絶縁層用樹脂組成物をプレス成形して得られるシート状の絶縁層No.1~No.14を作製した。プレス成形の条件は180℃にて5分間予備加熱した後、さらにその温度で加圧し、5分間保持した。
金属害防止剤として下記(K-3)で表されるN,N’-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン(富士フィルム和光純薬株式会社製「イルガノックスMD1024」、融点60℃~67℃)を用いた。
Figure 0007524734000006
硫黄を含有しないセミヒンダードフェノール構造を有するフェノール系酸化防止剤として、エチレンビス(オキシエチエレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート](例えば、BASFジャパン社製イルガノックス245)を用いた。
硫黄を含有しないレスヒンダードフェノール構造を有するフェノール系酸化防止剤として、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert.-ブチルフェノール)(大内新興化学工業社製「ノクラックNS-30」)を用いた。
また、ヒンダードフェノール構造を有するフェノール系酸化防止剤として、オクタデシル-3-(3,5-2-tert.-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネイト(BASFジャパン株式会社製「イルガノックス1076」)を用いた。
硫黄系酸化防止剤として、上記式(3)に該当する2-メルカプトベンゾチアゾール(三新化学工業社製「サンセラーM」)、上記式(4)に該当するチオジプロピオン酸ジステアリル(BASF社製イルガノックスPS802FL)を用いた。さらに、硫黄含有フェノール系酸化防止剤である酸化防止剤として4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)(住友化学社製スミライザーWX-R)を用いた。
<評価>
以上のようにして得られた絶縁層No.1~No.14について、誘電正接及び比誘電率の測定並びに耐熱老化試験を行った。
(誘電正接及び比誘電率の測定)
得られたシート状の試料に対して、JIS-R1641(2007)に準ずる方法に従って、周波数10GHzの高周波電界を印加した場合における誘電正接(誘電性接)及び比誘電率を測定した。測定は3回行い、平均値を求めた。
(耐熱老化試験)
絶縁層No.1~No.14について、JASO D611規格に準拠して下記の手順で耐熱老化試験を実施した。シートをダンベル形状(JIS3号)に打ち抜き、160℃、180℃、200℃に設定した各恒温槽に入れ、引張伸びが100%を切るまでの時間を求め寿命とした。結果を基にアレニウスプロットを行い、10000時間の老化試験で引張伸びが100%となる温度を推定し、10000時間耐熱温度とし、105℃以上を合格とした。
誘電正接及び比誘電率の測定並びに耐熱老化試験の結果を表1に示す。
Figure 0007524734000007
上記表1の結果から、酸化防止剤の含有量が上記ポリオレフィン100質量部に対して0.1質量部以上1.0質量部以下であり、上記酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤と、硫黄含有フェノール系酸化防止剤を除く硫黄系酸化防止剤とから構成され、上記フェノール系酸化防止剤が上記式(1)で表されるレスヒンダードフェノール構造又は上記式(2)で表されるセミヒンダードフェノール構造を有し、上記酸化防止剤における上記硫黄系酸化防止剤の含有率が50質量%超90質量%以下であるNo.1~No.6の絶縁層は、誘電正接の増大に対する抑制効果は高く、耐熱老化試験における10000時間耐熱温度が105℃以上であった。一方、上記酸化防止剤における上記硫黄系酸化防止剤の含有率が50質量%以下又は90質量%超であるNo.7~No.12の絶縁層、並びに酸化防止剤として硫黄含有フェノール系酸化防止剤を含むNo.13~No.14の絶縁層は、誘電正接の増大に対する抑制効果が低いか、又は耐熱老化試験における10000時間耐熱温度が105℃未満であった。
以上のことから、当該絶縁電線は、耐熱性を有するとともに、絶縁層の誘電正接の増大に対する抑制効果に優れることがわかる。
1、1a、1b 絶縁電線
2、2a、2b 導体
3、3a、3b 絶縁層
5 トレイン線
10 ツイナックスケーブル
30 シールドテープ
40 同軸ケーブル
45 外部導体
46 外被層

Claims (5)

  1. 1又は複数の線状の導体と、
    上記導体の外周面に積層される1又は複数の絶縁層と
    を備え、
    上記絶縁層がポリオレフィン及び酸化防止剤を含有し、
    上記酸化防止剤の含有量が上記ポリオレフィン100質量部に対して0.1質量部以上1.0質量部以下であり、
    上記酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤と、硫黄含有フェノール系酸化防止剤を除く硫黄系酸化防止剤とから構成され、
    上記フェノール系酸化防止剤が硫黄を含有しないレスヒンダードフェノール構造又は硫黄を含有しないセミヒンダードフェノール構造を有し、
    上記酸化防止剤における上記硫黄系酸化防止剤の含有率が50質量%超90質量%以下であり、
    上記レスヒンダードフェノール構造を有するフェノール系酸化防止剤が下記式(1)で表され、
    上記セミヒンダードフェノール構造を有するフェノール系酸化防止剤が下記式(2)で表され
    上記硫黄系酸化防止剤が下記式(3)又は下記式(4)で表される絶縁電線。
    Figure 0007524734000008
    (式(1)及び(2)中、R~Rはメチル基である。Rは置換基である。)
    Figure 0007524734000009
    (式(3)及び(4)中、X は-S-又は-NH-、R はアルキル基である。)
  2. 上記ポリオレフィンがポリプロピレンである請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 上記絶縁層が金属害防止剤をさらに含有する請求項1又は請求項2に記載の絶縁電線。
  4. 周波数10GHzの高周波電界を印加した場合における上記絶縁層の誘電正接が2.7×10-4以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の絶縁電線。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の絶縁電線を1又は複数備える情報伝送用ケーブル。
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