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JP7585714B2 - チップ構成ウェハの製造方法 - Google Patents

チップ構成ウェハの製造方法 Download PDF

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JP7585714B2 JP2020180823A JP2020180823A JP7585714B2 JP 7585714 B2 JP7585714 B2 JP 7585714B2 JP 2020180823 A JP2020180823 A JP 2020180823A JP 2020180823 A JP2020180823 A JP 2020180823A JP 7585714 B2 JP7585714 B2 JP 7585714B2
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本発明は、炭化珪素(以下では、単にSiCという)で構成される加工ウェハを用いたチップ構成ウェハの製造方法に関するものである。
従来より、第1主面と第2主面とを有するSiCインゴットにレーザ光を照射してSiCインゴットからSiCウェハに分離する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、この方法では、SiCインゴットの第2主面の法線方向から第2主面にレーザ光を照射してSiCインゴット内に変質層を形成し、変質層を境界としてSiCインゴットからSiCウェハを分離している。なお、この場合、第2主面はC面で構成される。
特開2016-111143号公報
上記のようなSiCウェハを用いて半導体チップを形成する場合、半導体チップは、例えば、次のように形成される。すなわち、まず、SiCウェハ上にエピタキシャル膜を形成して加工ウェハを構成し、加工ウェハに対して半導体素子を形成する。その後、加工ウェハを所望の厚さに薄膜化してチップ構成ウェハを構成し、チップ構成ウェハをチップ単位に分割することで半導体チップが形成される。
この場合、加工ウェハを薄膜化してチップ構成ウェハを構成する際には、上記のSiCインゴットからSiCウェハを分離するように、加工ウェハにレーザ光を照射して変質層を形成し、変質層を境界として薄膜化する部分を分離することが考えられる。
ところで、半導体チップを形成する場合、半導体素子を形成し易くしたり、加工ウェハのハンドリング等をし易くするため、加工ウェハの外縁部にベベリング部を形成することが考えられる。しかしながら、ベベリング部が形成された加工ウェハにレーザ光を照射して変質層を形成しようとすると、ベベリング部では、レーザ光とベベリング部とが直交しないため、レーザ光が散乱してしまい、内部に適切に変質層が形成されない可能性がある。このため、ベベリング部が形成された加工ウェハでは、加工ウェハからチップ構成ウェハを分離し難くなる可能性がある。
本発明は上記点に鑑み、ベベリング部が形成された加工ウェハからチップ構成ウェハを分離し易くできるチップ構成ウェハの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1では、半導体素子が形成されるチップ構成ウェハの製造方法であって、第1主面(1a)および第1主面と反対側の第2主面(1b)を有し、SiCで構成されるSiCウェハ(1)を用意することと、SiCウェハの第1主面上に、SiCで構成されるエピタキシャル膜(2)を形成し、エピタキシャル膜側の面を一面(20a)とすると共にSiCウェハ側の面を他面(20b)とする加工ウェハ(20)を用意することと、加工ウェハの他面から当該加工ウェハの内部にレーザ光(L)を照射することにより、加工ウェハの面方向に沿った変質層(23)を形成することと、変質層を境界として加工ウェハを分離することにより、加工ウェハを、加工ウェハの一面側のチップ構成ウェハ(50)と、加工ウェハの他面側のリサイクルウェハ(60)とに分離することと、リサイクルウェハを再びSiCウェハとして利用することと、を行い、加工ウェハを用意することでは、当該加工ウェハの外縁部に、他面が一面よりも面積が大きくなるベベリング部(21)が形成されたものを用意する。
これによれば、レーザ光を照射して加工ウェハの内部に変質層を形成する際、加工ウェハの他面の面積が一面の面積以下とされている場合と比較して、レーザ光が加工ウェハの端部の直近まで照射され易くなる。したがって、変質層を加工ウェハの端部まで形成し易くでき、加工ウェハからチップ構成ウェハを分離し易くできる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態における半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Aに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Bに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Cに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Dに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Eに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Fに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Gに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Hに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Iに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Fの工程で形成されたリサイクルウェハに厚さ用エピタキシャル膜を形成して構成した加工ウェハの断面図である。 図1Aに示すSiCウェハの平面図である。 図1Cに示す加工ウェハのベベリング部を示す断面模式図である。 図1Eの加工ウェハにレーザ光を照射する際の経路を示す模式図である。 図1Eの加工ウェハにレーザ光を照射した際の変質層を示す平面模式図である。 図1Eの加工ウェハにレーザ光を照射した際の変質層を示す断面模式図である。 図1Eの加工ウェハにレーザ光を照射した際の変質層と、ベベリング部の形状との関係を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態における半導体チップ100の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
まず、図1Aに示されるように、第1主面1aおよび第2主面1bを有し、バルクウェハ状とされているSiCウェハ1を用意する。なお、SiCウェハ1の厚みは、任意であるが、例えば、325~525μm程度とされる。
本実施形態のSiCウェハ1は、6インチの六方晶単結晶ウェハとされ、図1Aおよび図2に示されるように、全体が略円板状とされている。そして、本実施形態のSiCウェハ1は、第2主面1bの面積が第1主面1aの面積よりも大きくされ、第1主面1aと第2主面1bとを繋ぐ側面1cが湾曲面とされている。なお、SiCウェハ1は、Si面が第1主面1aとされ、C面が第2主面1bとされており、後述する図1Eの工程において第2主面1b側からレーザ光Lが照射されるため、第2主面1bが鏡面加工等によって鏡面とされている。鏡面加工は、例えば、グラインダーを用いた研磨や、CMP(Chemical Mechanical Polishingの略)等の研磨によって行われる。
また、SiCウェハ1は、第1主面1aから第2主面1bに至るc軸(すなわち、<0001>方向)10と、c軸10に直交するc面({0001}面)11とを有している。本実施形態では、c軸10は、第1主面1aに対する垂線12に対して傾いており、c面11と第1主面1aとが所定のオフ角αを有する状態となっている。オフ角は、例えば、4°程度とされる。但し、オフ角αは、これに限定されるものではなく、製造される半導体素子等に応じて適宜設定され、例えば、10°未満の範囲で適宜設定される。
さらに、SiCウェハ1は、結晶方位を示すオリエンテーションフラット13が形成されている。本実施形態のオリエンテーションフラット13は、垂線12からc軸10に向かう方向をオフ方向Aとすると、オフ方向Aと平行となるように形成されている。
また、このSiCウェハ1は、後述する図1Fの工程で形成されるリサイクルウェハ60を再利用することでも用意される。このため、必要に応じ、SiCウェハ1の第2主面1b等に、酸化膜等で構成される保護膜を形成してもよい。
次に、図1Bに示されるように、SiCウェハ1の第1主面1a上に、エピタキシャル膜2を形成することにより、一面20a、一面20aと反対側の他面20b、一面20aと他面20bとを繋ぐ側面20cを有する加工ウェハ20を用意する。そして、加工ウェハ20の一面20a側には、後述する半導体素子が形成されるチップ形成領域RAが構成される。
なお、本実施形態では、エピタキシャル膜2は、n型エピタキシャル層とされる。n型エピタキシャル層は、後述する拡散層等の一面側素子構成部分22が形成される部分であり、例えば、厚さが10μm程度とされる。以下では、加工ウェハ20のうちのエピタキシャル膜2側の面を加工ウェハ20の一面20aとし、加工ウェハ20のうちのSiCウェハ1側の面を加工ウェハ20の他面20bとし、一面20aと他面20bとを繋ぐ面を側面20cとする。
また、加工ウェハ20としては、外縁部である側面20c側にベベリング部21が形成されたものを用意する。具体的には、ベベリング部21は、図3に示されるように、加工ウェハ20の一面20aと他面20bとの間の中心を通り、加工ウェハ20の面方向に沿った面を水平仮想面Kとすると、水平仮想面Kを基準として、一面20a側の部分と他面20b側の部分とが非対称となるように形成されている。より詳しくは、ベベリング部21は、加工ウェハ20の他面20bの面積が一面20aの面積よりも大きくなるように形成されている。言い換えると、ベベリング部21は、一面20aとベベリング部21との境界を通り、水平仮想面Kに直交する面を第1直交仮想面K1とし、他面20bとベベリング部21との境界を通り、水平仮想面Kに直交する面を第2直交仮想面K2とすると、第2直交仮想面K2の方が第1直交仮想面K1より加工ウェハ20の外縁部に位置するように形成されている。さらに言い換えると、ベベリング部21は、水平仮想面Kより他面20b側の部分の曲率が、水平仮想面Kより一面20a側の部分の曲率より大きくなるように形成されている。本実施形態では、例えば、水平仮想面Kと側面20cとの交差する部分と、第1直交仮想面K1との間の長さを長さdとすると、長さdが100μm以上となるようにベベリング部21が形成されている。
なお、このような加工ウェハ20は、例えば、次のように用意される。すなわち、例えば、SiCウェハ1を用意する際、上記のように、第1主面1aが第2主面1bよりも面積が大きく、側面1cが湾曲したものを用意する。これにより、SiCウェハ1の第1主面1a上にエピタキシャル膜2を形成した際にエピタキシャル膜2の形状が下地となるSiCウェハ1の形状を引き継ぐため、他面20bの面積が一面20aの面積よりも大きくなるように形成された加工ウェハ20が用意される。また、このような加工ウェハ20は、例えば、SiCウェハ1の第1主面1a上にエピタキシャル膜2を形成した後、適宜エッチング等の形状調整処理を行って上記ベベリング部21を形成することで用意される。
次に、図1Cに示されるように、一般的な半導体製造プロセスを行い、各チップ形成領域RAに、ゲート電極14や、図示しない拡散層、表面電極、配線パターン、パッシベーション膜等の半導体素子における一面側素子構成部分22を形成する工程を行う。なお、ここでの半導体素子は、種々の構成のものが採用され、例えば、パワーデバイス等が採用される。その後、必要に応じ、加工ウェハ20の一面20a側に、レジスト等で構成される表面保護膜を形成する。
続いて、図1Dに示されるように、加工ウェハ20の一面20a側に保持部材30を配置する。保持部材30は、例えば、基材31と粘着剤32とを有するダイシングテープ等が用いられる。基材31は、製造工程中に反り難い材料で構成され、例えば、ガラス、シリコン基板、セラミックス等で構成される。粘着剤32は、粘着力を変化させることができる材料で構成され、例えば、温度や光によって粘着力が変化するものが用いられる。この場合、粘着剤32は、例えば、紫外線硬化樹脂、ワックス、両面テープ等で構成される。但し、粘着剤32は、後述する図1Gの他面側素子構成部分25を形成する際等にも粘着力を維持する材料で構成される。
次に、図1Eに示されるように、加工ウェハ20の他面20bに対する法線方向からレーザ光Lを照射し、加工ウェハ20の他面20bから所定深さHとなる位置に、加工ウェハ20の面方向に沿った変質層23を形成する。本実施形態では、変質層23を形成する際の所定深さHは、後述するチップ構成ウェハ50のハンドリングのし易さや後述する半導体チップ100の耐圧等に応じて設定され、例えば、チップ構成ウェハ50の厚さが100μm程度となるように、200~370μm程度とされる。なお、ここでの深さとは、他面20bから一面20aに沿った方向の長さであり、他面20bの法線方向である深さ方向に沿った長さのことである。
以下、変質層23を形成する工程について具体的に説明する。変質層23を形成する場合には、まず、レーザ光Lを発振するレーザ光源、レーザ光Lの光軸(すなわち、光路)の向きを変えるように配置されたミラー、およびレーザ光Lを集光するための集光用レンズ(すなわち、集光光学系)、変位可能なステージ等を有するレーザ装置を用意する。そして、変質層23を形成する際には、加工ウェハ20をステージに載置し、レーザ光Lを加工ウェハ20の他面20bから照射してレーザ光の集光点が所定深さHとなるようにしつつ、レーザ光Lの集光点が加工ウェハ20の面方向に沿って相対的に走査されるように、ステージ等の位置を調整する。
さらに、詳しくは、変質層23を形成する場合には以下のようにする。すなわち、図4に示されるように、オフ方向AをY方向とし、Y方向と直交しつつ、加工ウェハ20の一面20aと平行な面方向をX方向とすると、レーザ光LがX方向に沿って走査された後、Y方向にずらされて再びX方向に沿って走査されるようにする。これにより、加工ウェハ20の内部では、図5および図6に示されるように、レーザ光Lが照射されることでSiCがアモルファスSiとアモルファスCに分離し、分離後のアモルファスCに効率的にレーザ光Lが吸収されることで改質層23aが形成される。また、改質層23aからc面11に沿って伝搬するクラック23bが形成される。これにより、加工ウェハ20の内部に、改質層23aとクラック23bとで形成される変質層23が形成される。
なお、図6は、図5中のVI-VI線に沿った断面模式図である。また、レーザ光LのY方向にずらされる量(すなわち、インデックス量)は、c面方向に伝搬して形成されるクラック23bの幅に基づいて設定される。例えば、本実施形態では、改質層23aの片側に形成されるクラック23bの幅をW1とした場合、Y軸方向のインデックス量をWとすると、W1≦W≦2×W1を満たすように形成される。
本実施形態では、例えば、変質層23を形成する際には、レーザ出力が2.0W、送り速度が785mm/s、加工時間が15分程度とされる。但し、これらの条件は1例であり、本発明者らは、例えば、レーザ出力を2.0Wより高い場合や低い場合においても、各条件を調整することにより、適切に変質層23が形成されることを確認している。
ここで、加工ウェハ20は、ベベリング部21が形成されている。このため、上記のように加工ウェハ20の他面20bからレーザ光Lを照射した際、ベベリング部21では、レーザ光が散乱等することにより、内部に適切に変質層23が形成されない可能性がある。
このため、本実施形態では、上記のように、加工ウェハ20の他面20bの面積が一面20aの面積よりも大きくなるようにベベリング部21が形成されている。したがって、加工ウェハ20の他面20bの面積が一面20aの面積以下となるようにベベリング部21が形成されている場合と比較して、レーザ光Lを加工ウェハ20の外縁部の直近まで照射し易くできる。したがって、変質層23を加工ウェハ20の外縁部まで形成し易くできる。
そして、本実施形態では、さらに、ベベリング部21および深さHは、図7に示されるように、変質層23が第2直交仮想面K2と交差しないように調整される。言い換えると、ベベリング部21および深さHは、深さ方向において、深さHより、他面20bとベベリング部21との境界から側面20cまでの深さhが短くなるように調整されている。なお、他面20bとベベリング部21との境界から側面20cまでの深さhとは、言い換えると、第2直交仮想面K2における加工ウェハ20の内部に位置する部分の長さのことである。これにより、変質層23が形成される部分と対向する部分に他面20bが位置することになるため、変質層23が形成される部分に対して十分にレーザ光Lを集光させることができる。
次に、図1Fに示されるように、加工ウェハ20の他面20b側に補助部材40を配置する。なお、補助部材40は、例えば、保持部材30と同様に、基材41と、粘着力を変化させることのできる粘着剤42とで構成される。この場合、補助部材40における基材は、例えば、ガラス、シリコン基板、セラミックス等で構成され、補助部材40における粘着剤42は、例えば、紫外線硬化樹脂、ワックス、両面テープ等で構成される。そして、保持部材30および補助部材40を把持して加工ウェハ20の厚さ方向に引張力等を印加し、変質層23を境界(すなわち、分岐の起点)としてチップ構成ウェハ50とリサイクルウェハ60とに分離する。
なお、以下では、チップ構成ウェハ50のうちの一面側素子構成部分22が形成されている側の面を一面50aとし、チップ構成ウェハ50のうちの分離された面側を他面50bとし、リサイクルウェハ60のうちの分離された面側を一面60aとして説明する。また、図1F以降の各図では、チップ構成ウェハ50の他面50bおよびリサイクルウェハ60の一面60aに残存する変質層23等を適宜省略して示している。
その後、図1Gに示されるように、一般的な半導体製造プロセスを行い、チップ構成ウェハ50の他面50bに、裏面電極を構成する金属膜24等の半導体素子における他面側素子構成部分25を形成する工程を行う。
なお、この他面側素子構成部分25を形成する工程の前に、必要に応じて、CMP(chemical mechanical polishingの略)法等でチップ構成ウェハ50の他面50bを平坦化する工程を行うようにしてもよい。図1Gは、チップ構成ウェハ50の他面50bを平坦化した場合の図を示している。また、他面側素子構成部分25を形成する工程を行った後、必要に応じて、金属膜24とチップ構成ウェハ50の他面50bとをオーミック接触とするため、レーザアニール等の加熱処理等を行うようにしてもよい。
その後、図1Hに示されるように、チップ構成ウェハ50の他面50b側、つまり金属膜24側に支持部材70を配置する。支持部材70は、例えば、ダイシングテープ等で構成されるが、保持部材30と同様に、基材71と、粘着力を変化させることのできる粘着剤72とで構成されていてもよい。保持部材70を基材71と粘着剤72とで構成する場合、基材71は、例えば、ガラス、シリコン基板、セラミックス等で構成され、粘着剤72は、例えば、紫外線硬化樹脂、ワックス、両面テープ等で構成される。
次に、図1Iに示されるように、保持部材30における粘着剤32の粘着力を弱まらせ、チップ構成ウェハ50のうちの一面50a側に貼り付けてある保持部材30を剥離する。例えば、粘着剤32が紫外線硬化樹脂で構成されている場合には、紫外線を照射して保持部材30を剥離する。
続いて、図1Jに示されるように、ダイシングソーもしくはレーザダイシング等により、チップ構成ウェハ50をチップ単位に個片化することで、各半導体チップ100を構成する。この際、本実施形態では、チップ構成ウェハ50をチップ単位に分割しつつも、支持部材70の基材71については切断されること無く繋がったままの状態となるように、ダイシング深さを調整している。
その後の工程については図示しないが、支持部材70をエキスパンドし、ダイシングカットした部分にて各半導体チップ100の間隔を広げる。その後、加熱処理や光を照射する等して粘着剤72の粘着力を弱まらせ、半導体チップ100をピックアップする。これにより、半導体チップ100が製造される。
また、図1Fの工程で構成されたリサイクルウェハ60は、SiCウェハ1として再び上記図1A以降の工程を行うのに利用される。これにより、SiCウェハ1は、半導体チップ100を構成するのに複数回利用されることができる。この場合、SiCウェハ1は、リサイクルウェハ60のうちの分離された側の一面60aが平坦面となると共に、変質層23が残存しないように、研磨装置を用いたCMP法やドライエッチング等で一面60aが処理されることが好ましい。また、リサイクルウェハ60(すなわち、SiCウェハ1)の厚さが薄くなってきた場合には、図1Kに示されるように、SiCウェハ1の厚さを確保するための厚さ用エピタキシャル膜3を形成してSiCウェハ1とし、当該SiCウェハ1上にエピタキシャル膜2を形成して加工ウェハ20としてもよい。なお、厚さ用エピタキシャル膜3は、例えば、n型エピタキシャル層で構成される。また、厚さ用エピタキシャル膜3を形成した場合、ベベリング部21を形成するための形状調整処理は、厚さ用エピタキシャル膜3を形成した後に行ってもよいし、エピタキシャル膜2を形成した後に行ってもよい。厚さ用エピタキシャル膜3を形成した後に形状調整処理を行う場合には、エピタキシャル膜2を形成した際にエピタキシャル膜2が厚さ用エピタキシャル膜3の形状を引き継ぐことにより、上記ベベリング部21が形成される。
以上説明した本実施形態によれば、加工ウェハ20の他面20bの面積が一面20aの面積よりも大きくなるようにベベリング部21が形成されている。したがって、レーザ光Lを照射して加工ウェハ20の内部に変質層23を形成する際、加工ウェハ20の他面20bの面積が一面20aの面積以下とされている場合と比較して、レーザ光Lが加工ウェハ20の外縁部の直近まで照射され易くなる。したがって、変質層23を加工ウェハ20の外縁部まで形成し易くでき、加工ウェハ20からチップ構成ウェハ50を分離し易くできる。
ところで、加工ウェハ20の外縁部までレーザ光Lを照射する場合、レーザ光Lを照射する前にベベリング部21を除去するエッジトリミングを行うことにより、加工ウェハ20の側面20cを一面20aに対して直交するようにすることも考えられる。しかしながら、この方法では、加工ウェハ20の面積が小さくなる。特に、本実施形態では、変質層23を境界として加工ウェハ20をチップ構成ウェハ50とリサイクルウェハ60とに分離し、分離したリサイクルウェハ60を再度SiCウェハ1として利用する。このため、ベベリング部21を除去する方法では、チップ構成ウェハ50を形成する度にSiCウェハ1の面積が小さくなり、製造される半導体チップ100が徐々に少なくなってしまう。
これに対し、本実施形態では、ベベリング部21の形状を調整するのみでよいため、SiCウェハ1の面積が小さくなることを抑制できる。このため、本実施形態では、半導体チップ100を製造する度にSiCウェハ1が小さくなることを抑制しつつ、好適に加工ウェハ20からチップ構成ウェハ50とリサイクルウェハ60(すなわち、SiCウェハ1)とに分離できる。
(1)本実施形態では、ベベリング部21は、水平仮想面Kより他面20b側の部分の曲率が、水平仮想面Kより一面20a側の部分の曲率より大きくなるように形成されている。これにより、他面20bの面積が一面20aの面積よりも大きくなる加工ウェハ20を容易に構成できる。
(2)本実施形態では、ベベリング部21および深さHは、深さ方向において、深さHより、他面20bとベベリング部21との境界から側面20cまでの深さhが短くなるように調整されている。このため、変質層23が形成される部分と対向する部分に他面20bが位置することになるため、変質層23が形成される部分に対して十分にレーザ光Lを集光させることができる。したがって、変質層23が加工ウェハ20の側面20cまで形成されないことを抑制できる。
(他の実施形態)
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
さらに、上記各実施形態において、図1Bのエピタキシャル膜2を形成する工程では、SiCウェハ1の第2主面1b側にもエピタキシャル膜が形成されるようにしてもよい。これによれば、リサイクルウェハ60として所定以上の厚さを残し易くなり、再利用できる回数の増加を図ることができる。
1 SiCウェハ
1a 第1主面
1b 第2主面
2 エピタキシャル膜
20 加工ウェハ
20a 一面
20b 他面
21 ベベリング部
50 チップ構成ウェハ
60 リサイクルウェハ

Claims (3)

  1. 半導体素子が形成されるチップ構成ウェハの製造方法であって、
    第1主面(1a)および前記第1主面と反対側の第2主面(1b)を有し、炭化珪素で構成される炭化珪素ウェハ(1)を用意することと、
    前記炭化珪素ウェハの第1主面上に、炭化珪素で構成されるエピタキシャル膜(2)を形成し、前記エピタキシャル膜側の面を一面(20a)とすると共に前記炭化珪素ウェハ側の面を他面(20b)とする加工ウェハ(20)を用意することと、
    前記加工ウェハの他面から当該加工ウェハの内部にレーザ光(L)を照射することにより、前記加工ウェハの面方向に沿った変質層(23)を形成することと、
    前記変質層を境界として前記加工ウェハを分離することにより、前記加工ウェハを、前記加工ウェハの一面側のチップ構成ウェハ(50)と、前記加工ウェハの他面側のリサイクルウェハ(60)とに分離することと、
    前記リサイクルウェハを再び前記炭化珪素ウェハとして利用することと、を行い、
    前記加工ウェハを用意することでは、当該加工ウェハの外縁部に、前記他面が前記一面よりも面積が大きくなるベベリング部(21)が形成されたものを用意するチップ構成ウェハの製造方法。
  2. 前記加工ウェハを用意することでは、前記一面と前記他面との間の中心を通り、当該加工ウェハの面方向に沿った面を仮想面(K)とすると、前記仮想面の端部と前記他面との間に位置する部分の曲率が、前記仮想面の端部と前記一面との間に位置する部分の曲率より大きくなる前記ベベリング部が形成された前記加工ウェハを用意する請求項1に記載のチップ構成ウェハの製造方法。
  3. 前記加工ウェハを用意することでは、前記他面から前記一面に沿った方向を深さ方向とすると、深さ方向において、前記他面から前記変質層を形成する部分の深さ(H)より、前記他面と前記ベベリング部との境界から、前記一面と前記他面との間を繋ぐ側面(20c)までの深さ(h)が短くされている請求項1または2に記載のチップ構成ウェハの製造方法。
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