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JP7545044B2 - 半導体装置、半導体装置の製造方法及び電子装置 - Google Patents

半導体装置、半導体装置の製造方法及び電子装置 Download PDF

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JP7545044B2 JP2020169982A JP2020169982A JP7545044B2 JP 7545044 B2 JP7545044 B2 JP 7545044B2 JP 2020169982 A JP2020169982 A JP 2020169982A JP 2020169982 A JP2020169982 A JP 2020169982A JP 7545044 B2 JP7545044 B2 JP 7545044B2
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Description

本発明は、半導体装置、半導体装置の製造方法及び電子装置に関する。
窒化物半導体を用いた半導体装置が知られている。例えば、GaN(ガリウムナイトライド)をチャネル層(「電子走行層」とも称される)に用い、AlGaN(アルミニウムガリウムナイトライド)をバリア層(「電子供給層」とも称される)に用いた高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor;HEMT)が知られている。このようなHEMTに関し、GaNのチャネル層上に、一面内にGa面((0001)面)とN面((000-1)面)とを有するAlGaNのバリア層を設け、そのGa面にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を設け、N面にホール引き抜き電極を設ける技術が知られている。このほか、N面成長させたAlGaNのバリア層上に、N面成長させたGaNのチャネル層を設け、その上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を設ける技術、チャネル層上にAlGaNのバリア層を介してゲート電極を設ける技術が知られている。また、AlN(アルミニウムナイトライド)のバリア層上にGaNのチャネル層を設け、その上にAlNのバリア層を設けた構造を備えるHEMTも知られている。
特開2011-003652号公報 特開2006-269534号公報 米国特許第7544963号明細書
GaNのチャネル層をAlN等のバリア層で挟む構造を備えた半導体装置では、チャネル層とバリア層との間のバンドオフセットにより、チャネル層を輸送される電子の閉じ込めを強め、量子閉じ込め構造による電子移動度の向上の実現が期待される。しかし、このような量子閉じ込め構造では、電子濃度の高いチャネル層、電子濃度分布の広いチャネル層を得ることができず、十分に抵抗の低いチャネル層を備えた高性能の半導体装置を得ることができない場合がある。
1つの側面では、本発明は、低抵抗のチャネル層を備えた高性能の半導体装置を実現することを目的とする。
1つの態様では、(000-1)面の第1面を有し、第1窒化物半導体を含む第1バリア層と、前記第1バリア層の前記第1面に設けられ、GaNを含むチャネル層と、前記チャネル層の前記第1バリア層側とは反対側の第2面に設けられ、InGa1-xN(0<x<1)を含むスペーサ層と、前記スペーサ層の前記チャネル層側とは反対側の第3面に設けられ、第2窒化物半導体を含む第2バリア層と、前記チャネル層の、前記スペーサ層及び前記第2バリア層が設けられる側に設けられた第1電極及び第2電極とを有し、前記第1電極はショットキー電極又は絶縁膜を介して設けられた電極であり、前記第2電極はオーミック電極である半導体装置が提供される。
また、別の態様では、上記のような半導体装置の製造方法、上記のような半導体装置を備える電子装置が提供される。
1つの側面では、低抵抗のチャネル層を備えた高性能の半導体装置を実現することが可能になる。
半導体装置の例について説明する図である。 量子閉じ込め構造を有する半導体装置の第1の例について説明する図である。 量子閉じ込め構造を有する半導体装置の第2の例について説明する図(その1)である。 量子閉じ込め構造を有する半導体装置の第2の例について説明する図(その2)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の一例のエネルギーバンド構造について説明する図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の変形例について説明する図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その1)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その2)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その3)である。 第2実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その1)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その2)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その3)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その4)である。 第3の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。 第4の実施の形態に係る半導体パッケージの一例について説明する図である。 第5の実施の形態に係る力率改善回路の一例について説明する図である。 第6の実施の形態に係る電源装置の一例について説明する図である。 第7の実施の形態に係る増幅器の一例について説明する図である。
窒化物半導体を用いた半導体装置は、高い飽和電子速度やワイドバンドギャップ等の特徴を利用し、高耐圧、高出力デバイスとしての開発が行われている。窒化物半導体を用いた半導体装置としては、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor;FET)、例えば、HEMTについての報告が数多くなされている。HEMTの1つとして、AlGaNをバリア層、GaNをチャネル層として用いたHEMTが知られている。このようなHEMTでは、AlGaNの自発分極、及びGaNとの格子定数差に起因したひずみによってAlGaNに発生するピエゾ分極により、GaNに高濃度の二次元電子ガス(Two Dimensional Electron Gas;2DEG)が生成され、高出力デバイスが実現される。また、窒化物半導体を用いた半導体装置の更なる高性能化のため、AlNとGaNの大きなバンドオフセットによってキャリアとなる電子の閉じ込めを強め、電子移動度の向上を目指した、AlN/GaN/AlN量子閉じ込め構造を有する半導体装置も提案されている。
図1は半導体装置の例について説明する図である。図1(A)には半導体装置の第1の例の要部断面図を模式的に示している。図1(B)には半導体装置の第2の例の要部断面図を模式的に示している。
図1(A)に示す半導体装置1000は、HEMTの一例である。半導体装置1000は、チャネル層1010、バリア層1020、ゲート電極1030、ソース電極1040及びドレイン電極1050を有する。チャネル層1010には、例えば、GaNが用いられる。バリア層1020は、チャネル層1010上に設けられる。バリア層1020には、例えば、AlGaNが用いられる。ゲート電極1030、ソース電極1040及びドレイン電極1050には、それぞれ所定の金属が用いられる。ゲート電極1030は、ショットキー電極として機能するようにバリア層1020上に設けられる。ソース電極1040及びドレイン電極1050は、オーミック電極として機能するようにコンタクト層1060を通じてチャネル層1010のGaNに接続される。
一例として半導体装置1000は、チャネル層1010のGaNとバリア層1020のAlGaNとがヘテロ接合された、AlGaN/GaNヘテロ接合構造を有する。半導体装置1000では、バリア層1020のAlGaNの自発分極、及びチャネル層1010のGaNとの格子定数差に起因したひずみによってバリア層1020のAlGaNに発生するピエゾ分極により、チャネル層1010に2DEGが生成される。半導体装置1000の動作時には、ソース電極1040とドレイン電極1050との間に所定の電圧が供給され、ゲート電極1030に所定のゲート電圧が供給される。ソース電極1040とドレイン電極1050との間のチャネル層1010のGaNにキャリアの電子2000が輸送されるチャネルが形成され、半導体装置1000のトランジスタ機能が実現される。
しかし、半導体装置1000では、図1(A)のQ部に示すように、デバイス奥部を経由したリーク電流が発生する場合がある。このようなリーク電流の発生は、半導体装置1000の電子輸送効率の低下、半導体装置1000及びそれを用いた電子装置や電子機器の性能の低下、信頼性の低下を招く恐れがある。
一方、図1(B)に示す半導体装置1100は、量子閉じ込め構造を用いたHEMTの一例である。半導体装置1100は、バリア層1110、チャネル層1120、バリア層1130、ゲート電極1140、ソース電極1150及びドレイン電極1160を有する。バリア層1110及びバリア層1130には、例えば、AlNが用いられる。チャネル層1120は、バリア層1110とバリア層1130との間に設けられる。チャネル層1120には、例えば、GaNが用いられる。ゲート電極1140、ソース電極1150及びドレイン電極1160には、それぞれ所定の金属が用いられる。ゲート電極1140は、ショットキー電極として機能するようにバリア層1130上に設けられる。ソース電極1150及びドレイン電極1160は、オーミック電極として機能するようにコンタクト層1170を通じてチャネル層1120のGaNと接続される。
一例として半導体装置1100は、チャネル層1120のGaNがバリア層1110及びバリア層1130のAlNで挟まれた、AlN/GaN/AlN量子閉じ込め構造を有する。半導体装置1100の動作時には、ソース電極1150とドレイン電極1160との間に所定の電圧が供給され、ゲート電極1140に所定のゲート電圧が供給される。ソース電極1150とドレイン電極1160との間のチャネル層1120のGaNにキャリアの電子2000が輸送されるチャネルが形成され、半導体装置1100のトランジスタ機能が実現される。
半導体装置1100では、チャネル層1120のGaNとバリア層1110及びバリア層1130のAlNとの間の大きなバンドオフセットにより、キャリアの電子2000の閉じ込めが強められ、デバイス奥部への電子2000の拡散が規制される。これにより、半導体装置1100では、デバイス奥部を経由したリーク電流の発生、それによる電子輸送効率の低下、半導体装置1100及びそれを用いた電子装置や電子機器の性能の低下、信頼性の低下が抑えられる効果が期待される。
しかしながら、量子閉じ込め構造を採用する半導体装置では、電子濃度の高いチャネル層、電子濃度分布の広いチャネル層を得ることができず、十分に抵抗の低いチャネル層を備えた半導体装置を実現することができない場合がある。この点について、図2~図4を参照して説明する。
図2は量子閉じ込め構造を有する半導体装置の第1の例について説明する図である。図2(A)には量子閉じ込め構造を有する半導体装置の第1の例の要部断面図を模式的に示している。図2(B)には量子閉じ込め構造を有する半導体装置の第1の例のエネルギーバンド構造を模式的に示している。尚、図2(B)において、Ecは伝導帯、Evは価電子帯、Efはフェルミ準位を表している。
図2(A)に示す半導体装置1200は、AlN/GaN/AlN量子閉じ込め構造を有するHEMTの一例である。半導体装置1200は、バリア層1210、チャネル層1220、バリア層1230、ゲート電極1240、ソース電極1250及びドレイン電極1260を有する。バリア層1210及びバリア層1230には、AlNが用いられる。チャネル層1220は、バリア層1210とバリア層1230との間に設けられる。チャネル層1220には、GaNが用いられる。ゲート電極1240、ソース電極1250及びドレイン電極1260は、例えば、バリア層1230上に設けられる。ゲート電極1240、ソース電極1250及びドレイン電極1260には、それぞれ所定の金属が用いられ、ゲート電極1240はショットキー電極として機能し、ソース電極1250及びドレイン電極1260はオーミック電極として機能する。
半導体装置1200において、バリア層1210は、その厚さ方向が[0001]方向のAlNの層であり、チャネル層1220のGaNが積層される側の面1210aが(0001)面、即ちIII族(Al)極性面となる層である。チャネル層1220は、その厚さ方向が[0001]方向となるようにAlNのバリア層1210の面1210a((0001)面)上に成長されたGaNの層であり、バリア層1230のAlNが積層される側の面1220aが(0001)面、即ちIII族(Ga)極性面となる層である。バリア層1230は、その厚さ方向が[0001]方向となるようにGaNのチャネル層1220の面1220a((0001)面)上に成長されたAlNの層であり、GaNのチャネル層1220側とは反対側の面1230aが(0001)面、即ちIII族(Al)極性面となる層である。
半導体装置1200は、III族(Al又はGa)極性面を利用したAlN/GaN/AlN量子閉じ込め構造を有する。半導体装置1200では、チャネル層1220のGaN上に、それよりも格子定数の小さいバリア層1230のAlNが設けられることで、バリア層1230にピエゾ分極が発生する。バリア層1230のAlNの自発分極、及びチャネル層1220のGaNとの格子定数差に起因してバリア層1230のAlNに発生するピエゾ分極により、バリア層1230との接合界面近傍のチャネル層1220に2DEG2100が生成される。フェルミ準位Efがチャネル層1220のGaNとバリア層1230のAlNとの接合界面の伝導帯Ecよりも上(高エネルギー側)となれば、バリア層1230との接合界面近傍のチャネル層1220に2DEG2100が生成される。半導体装置1200では、チャネル層1220のGaNが、バリア層1210及びバリア層1230のAlNで挟まれることで、キャリアの電子の閉じ込めが強められ、デバイス奥部への電子の拡散が規制される。
ところが、III族極性面を利用したAlN/GaN/AlN量子閉じ込め構造を有する半導体装置1200では、チャネル層1220の下地のバリア層1210に強い自発分極が発生し得る。この下地のバリア層1210に発生する強い自発分極により、図2(A)及び図2(B)に示すように、チャネル層1220のGaNの、下地のバリア層1210のAlNとの接合界面近傍には、二次元正孔ガス(Two Dimensional Hole Gas;2DHG)2110が生成される。半導体装置1200では、この2DHG2110により、チャネル層1220のGaNの、その面1220a側のバリア層1230のAlNとの接合界面近傍に生成される2DEG2100が消失してしまうことが起こり得る。このような2DHG2110による2DEG2100の消失は、チャネル層1220のGaNが薄くなるほど生じ易くなる。2DHG2110による2DEG2100の消失は、チャネル層1220のGaNの電子濃度の低下、それによる高抵抗化を招く恐れがある。
図3及び図4は量子閉じ込め構造を有する半導体装置の第2の例について説明する図である。図3(A)には量子閉じ込め構造を有する半導体装置の第2の例の要部断面図を模式的に示している。図3(B)及び図4には量子閉じ込め構造を有する半導体装置の第2の例のエネルギーバンド構造を模式的に示している。尚、図3(B)及び図4において、Ecは伝導帯、Evは価電子帯、Efはフェルミ準位を表している。
図3(A)に示す半導体装置1300は、AlN/GaN/AlN量子閉じ込め構造を有するHEMTの一例である。半導体装置1300は、バリア層1310、チャネル層1320、バリア層1330、ゲート電極1340、ソース電極1350及びドレイン電極1360を有する。バリア層1310及びバリア層1330には、AlNが用いられる。チャネル層1320は、バリア層1310とバリア層1330との間に設けられる。チャネル層1320には、GaNが用いられる。ゲート電極1340、ソース電極1350及びドレイン電極1360は、例えば、バリア層1330上に設けられる。ゲート電極1340、ソース電極1350及びドレイン電極1360には、それぞれ所定の金属が用いられ、ゲート電極1340はショットキー電極として機能し、ソース電極1350及びドレイン電極1360はオーミック電極として機能する。
半導体装置1300において、バリア層1310は、その厚さ方向が[000-1]方向のAlNの層であり、チャネル層1320のGaNが積層される側の面1310aが(000-1)面、即ちN極性面となる層である。チャネル層1320は、その厚さ方向が[000-1]方向となるようにAlNのバリア層1310の面1310a((000-1)面)上に成長されたGaNの層であり、バリア層1330のAlNが積層される側の面1320aが(000-1)面、即ちN極性面となる層である。バリア層1330は、その厚さ方向が[000-1]方向となるようにGaNのチャネル層1320の面1320a((000-1)面)上に成長されたAlNの層であり、GaNのチャネル層1320側とは反対側の面1330aが(000-1)面、即ちN極性面となる層である。
半導体装置1300は、N極性面を利用したAlN/GaN/AlN量子閉じ込め構造を有する。半導体装置1300では、チャネル層1320のGaNの、下地のバリア層1310のAlNとの接合界面近傍に、2DEG2200が生成される。図3(B)に示すように、フェルミ準位Efがチャネル層1320のGaNとその下地のバリア層1310のAlNとの接合界面の伝導帯Ecよりも上(高エネルギー側)となることで、下地のバリア層1310との接合界面近傍のチャネル層1320に2DEG2200が生成される。N極性面を利用したAlN/GaN/AlN量子閉じ込め構造を有する半導体装置1300では、チャネル層1320のGaNの、下地のバリア層1310のAlN側に2DEGが生成されるため、チャネル層1320の薄膜化が可能となる。
ところが、N極性面を利用したAlN/GaN/AlN量子閉じ込め構造を有する半導体装置1300では、チャネル層1320のGaNが、バリア層1310及びバリア層1330のAlNによって挟まれる。そのため、図4に示すように、バリア層1310及びバリア層1330のAlNに挟まれるチャネル層1320のGaNに、強い内部電界が生じる。その結果、2DEG2200が、チャネル層1320のGaNの、下地のバリア層1310のAlN側の接合界面近傍にしか生成されず、図4に示すように、チャネル層1320のGaNの電子濃度分布が、バリア層1310のAlN側に局在化した狭い分布となることが起こり得る。チャネル層1320のGaNの、バリア層1310のAlN側に局在化した電子濃度分布は、電子濃度の低下を招き、チャネル層1320の高抵抗化を招く恐れがある。
以上のような点に鑑み、ここでは以下に実施の形態として示すような構成を採用し、低抵抗のチャネル層を備えた高性能の半導体装置を実現する。
[第1の実施の形態]
図5は第1の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。図5には第1の実施の形態に係る半導体装置の一例の要部断面図を模式的に示している。
図5に示す半導体装置1Aは、量子閉じ込め構造を用いたHEMTの一例である。半導体装置1Aは、バリア層10、チャネル層20、スペーサ層30、バリア層40、ゲート電極50、ソース電極60及びドレイン電極70を有する。
バリア層10には、AlNが用いられる。バリア層10は、チャネル層20が設けられる側の面10aに、(000-1)面、即ちN極性面を有する。バリア層10には、例えば、AlN自立基板を用いることができる。このほか、バリア層10には、Si(シリコン)、SiC(シリコンカーバイド)、GaN等の下地基板上に、N極性面である面10aを有するAlNの層が形成されたものを用いることもできる。バリア層10は、チャネル層20が設けられる側の面10aがN極性面であるAlNを含むものであれば、単層構造を有するものであってもよいし、積層構造を有するものであってもよい。所定の下地基板上にN極性面を有するAlNの層を形成してバリア層10を得る場合、そのAlNの層は、有機金属気相成長(Metal Organic Chemical Vapor Deposition;MOCVD、若しくはMetal Organic Vapor Phase Epitaxy;MOVPE)法、又は分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy;MBE)法を用いて、下地基板上に形成される。バリア層10のAlNの厚さ([000-1]方向の厚さ)は、後述のようにチャネル層20に2DEG100を生成させるための自発分極及びピエゾ分極を発生させる観点から、200nm以上とされることが好ましい。尚、バリア層10は、「下地」又は「下地層」とも称される。
チャネル層20には、GaNが用いられる。チャネル層20は、バリア層10のAlNのN極性面である面10a上に設けられる。チャネル層20は、バリア層10側とは反対側の面20a、即ちスペーサ層30が設けられる側の面20aに、(000-1)面、即ちN極性面を有する。面20aにN極性面を有するチャネル層20は、MOVPE法又はMBE法を用いて、面10aにN極性面を有するバリア層10上に形成される。チャネル層20のGaNの厚さ([000-1]方向の厚さ)は、チャネル層20の薄膜化、後述のようなスペーサ層30によるチャネル層20の内部電界の緩和の観点から、20nm以下とされることが好ましい。
スペーサ層30には、InGaNが用いられる。スペーサ層30は、チャネル層20のGaNのN極性面である面20a上に設けられる。スペーサ層30は、チャネル層20側とは反対側の面30a、即ちバリア層40が設けられる側の面30aに、(000-1)面、即ちN極性面を有する。面30aにN極性面を有するスペーサ層30は、MOVPE法又はMBE法を用いて、面20aにN極性面を有するチャネル層20上に形成される。スペーサ層30の厚さ([000-1]方向の厚さ)は、例えば、1nm程度に設定される。
バリア層40には、AlGaNが用いられる。バリア層40は、スペーサ層30のInGaNのN極性面である面30a上に設けられる。バリア層40は、スペーサ層30側とは反対側の面40aに、(000-1)面、即ちN極性面を有する。面40aにN極性面を有するバリア層40は、MOVPE法又はMBE法を用いて、面30aにN極性面を有するスペーサ層30上に形成される。バリア層40の厚さ([000-1]方向の厚さ)は、例えば、8nm程度に設定される。
一例として半導体装置1Aは、N極性面を利用したAlGaN/InGaN/GaN/AlN量子閉じ込め構造を有する。半導体装置1Aでは、チャネル層20のGaNの、下地のバリア層10のAlNとの接合界面近傍に、2DEG100が生成される。
ゲート電極50は、バリア層40のチャネル層20側とは反対側に設けられる。ゲート電極50は、例えば、バリア層40の面40a上に設けられる。ゲート電極50には、金属を用いることができる。例えば、ゲート電極50として、Ni(ニッケル)とその上に設けられたAu(金)とを有する金属電極が設けられる。ゲート電極50は、蒸着法等を用いて形成される。ゲート電極50は、例えば、ショットキー電極として機能する。ゲート電極50とバリア層40との間には、窒化物半導体が用いられたキャップ層(図示せず)が介在されてもよい。このほか、ゲート電極50とバリア層40との間には、酸化物、窒化物又は酸窒化物等が用いられたゲート絶縁膜(図示せず)が介在されてもよい。
ソース電極60及びドレイン電極70は、ゲート電極50の両側に設けられる。ソース電極60及びドレイン電極70には、金属を用いることができる。例えば、ソース電極60及びドレイン電極70として、Ta(タンタル)とその上に設けられたAlとを有する金属電極が設けられる。ソース電極60及びドレイン電極70は、蒸着法等を用いて形成される。ソース電極60及びドレイン電極70は、オーミック電極として機能する。ソース電極60及びドレイン電極70は、バリア層40及びスペーサ層30を貫通してチャネル層20と接続されてもよい。ソース電極60及びドレイン電極70は、バリア層40及びスペーサ層30或いは更にチャネル層20を貫通するように設けられるコンタクト層(図示せず)上に設けられてそのコンタクト層を通じてチャネル層20と接続されてもよい。
図6は第1の実施の形態に係る半導体装置の一例のエネルギーバンド構造について説明する図である。尚、図6において、Ecは伝導帯、Evは価電子帯、Efはフェルミ準位を表している。
上記のように、半導体装置1Aは、バリア層10のAlNの、N極性面の面10a上に、チャネル層20のGaNが設けられる。そのチャネル層20のGaNの、N極性面の面20a上に、スペーサ層30のInGaNが設けられる。そのスペーサ層30のInGaNの、N極性面の面30a上に、バリア層40のAlGaNが設けられる。このような量子閉じ込め構造を有する半導体装置1Aのエネルギーバンド構造は、図6に示すようなものとなる。
ここで、半導体装置1Aにおいて、バリア層10、チャネル層20、スペーサ層30及びバリア層40の各層の自発分極は、N極性面側(面10a,20a,30a,40a側)が正となるような向きに働く。バリア層10及びバリア層40には、自発分極と同じ向きのピエゾ分極が発生する。チャネル層20のGaNのN極性面(面20a)に設けられるスペーサ層30のInGaNには、それがチャネル層20のGaNと格子整合する場合、自発分極とは逆向きのピエゾ分極、即ちN極性面(面30a)側とは反対(チャネル層20)側が正となるような向きに働くピエゾ分極が発生する。これにより、図6に示すように、スペーサ層30のInGaNとチャネル層20のGaNとの界面のバンドが押し下げられ、チャネル層20のGaNの内部電界が緩和される。チャネル層20のGaNの内部電界が緩和されることで、上記図4(及び図3(B))に示したような強い内部電界が生じる場合に比べて、電子濃度分布がチャネル層20内に広がる分布となり、チャネル層20内の電子濃度が高くなる。半導体装置1Aでは、このようにスペーサ層30が設けられることでチャネル層20の内部電界が緩和され、それによって電子濃度分布がチャネル層20内に広げられ、チャネル層20内の電子濃度が高められることで、チャネル層20の低抵抗化が実現される。
一例として、シミュレーションによれば、上記図4(及び図3(B))に示したようなエネルギーバンド構造を有する、上記図3(A)に示したような半導体装置1300では、そのチャネル層1320のGaNのシート抵抗が、194Ω/□となる。これに対し、図6に示したようなエネルギーバンド構造を有する、図5に示したような半導体装置1Aでは、そのチャネル層20のGaNのシート抵抗が、53Ω/□となり、上記半導体装置1300の1/4程度に低減される。
半導体装置1Aによれば、N極性面を利用したAlGaN/InGaN/GaN/AlN量子閉じ込め構造により、GaNのチャネル層20のリーク電流の発生が効果的に抑えられる。更に、InGaNのスペーサ層30を設けることによるGaNのチャネル層20の内部電界の緩和により、チャネル層20の電子濃度分布が広げられ、電子濃度が高められ、チャネル層20が低抵抗化される。これにより、チャネル層20の電子輸送効率が高められる。電子閉じ込め性能に優れ、低抵抗のチャネル層20を備えた、高性能、高信頼性の半導体装置1Aが実現される。
半導体装置1Aにおいて、下地のバリア層10のAlNの厚さを薄くすると、十分な分極が得られず、チャネル層20のGaNに十分な2DEG100が生成されないことが起こり得る。チャネル層20のGaNに十分な2DEG100を生成させるためには、バリア層10のAlNの厚さを200nm以上にすることが好ましい。
半導体装置1Aにおいて、スペーサ層30のInGaNを設けてチャネル層20のGaNの内部電界を緩和させる効果は、チャネル層20のGaNの厚さが薄くなるほど強くなる。また、チャネル層20のGaNの内部電界は、その厚さが厚くなるほど弱まるため、チャネル層20のGaNが十分に厚い場合には、スペーサ層30のInGaNを設けることによるチャネル層20のGaNの内部電界の緩和効果は小さくなる。スペーサ層30のInGaNを設けることによる十分な内部電界の緩和効果を得るためには、チャネル層20のGaNの厚さを20nm以下にすることが好ましく、10nm以下にすることがより好ましい。
スペーサ層30のInGaNには、InGa1-xN(0<x<1)で表されるものを用いることができる。スペーサ層30のInGaNのIn(インジウム)組成xは、チャネル層20のGaNやバリア層40のAlGaNとの格子定数差、発生するピエゾ分極の大きさ等の観点から、好ましくは0<x≦0.2の範囲に設定される。In組成xが0.20を上回ると、スペーサ層30への電子のリークが発生して耐圧が低下したり、チャネル層20のGaNやバリア層40のAlGaNとの格子不整合が大きくなって適切なピエゾ分極が得られなくなったりする可能性があるためである。
図5及び図6には、バリア層10にAlNを用いる半導体装置1Aを例示したが、バリア層10には、チャネル層20のGaNに2DEG100を生成させることができるものであれば、AlNのほか、AlGaN等の窒化物半導体を用いることもできる。
また、図5及び図6には、バリア層40にAlGaNを用いる半導体装置1Aを例示したが、このバリア層40のAlGaNには、AlGa1-pN(0<p<1)で表されるものを用いることができる。バリア層40には、AlGaNのほか、AlN、InAlGaN(インジウムアルミニウムガリウムナイトライド)、InAlN(インジウムアルミニウムナイトライド)等の窒化物半導体を用いることもできる。即ち、バリア層40には、InAlGa1-(y+z)N(0≦y<1,0<z≦1,0<y+z≦1)で表されるものを用いることができる。
バリア層10及びバリア層40には、互いの構成元素群又はそれらの組成比が異なる窒化物半導体が用いられてもよいし、互いの構成元素群及びそれらの組成比が同じ窒化物半導体が用いられてもよい。
バリア層40に、AlGaNに代えて、別の窒化物半導体を用いた場合の例を図7に示す。
図7は第1の実施の形態に係る半導体装置の変形例について説明する図である。図7(A)及び図7(B)にはそれぞれ、第1の実施の形態に係る半導体装置の別例の要部断面図を模式的に示している。
図7(A)に示す半導体装置1Aaは、バリア層40にAlNが用いられた構成を有する点で、上記半導体装置1Aと相違する。半導体装置1Aaが有するような、AlN/InGaN/GaN/AlN量子閉じ込め構造によっても、上記半導体装置1Aと同様の効果を得ることができる。また、図7(B)に示す半導体装置1Abは、バリア層40にInAlGaNが用いられた構成を有する点で、上記半導体装置1Aと相違する。半導体装置1Abが有するような、InAlGaN/InGaN/GaN/AlN量子閉じ込め構造によっても、上記半導体装置1Aと同様の効果を得ることができる。
尚、ここでは図示を省略するが、バリア層40にInAlNを用い、InAlN/InGaN/GaN/AlN量子閉じ込め構造とした場合も、上記半導体装置1Aと同様の効果を得ることができる。
バリア層40の分極特性、耐圧特性等は、InAlGa1-(y+z)N(0≦y<1,0<z≦1,0<y+z≦1)で表される材料の、主にAl組成zによって変化し易い。Al以外のIn及びGaは、その組成の変化が分極特性に与える影響は比較的小さいものの、Alの存在によって生じるひずみを補償する性質を有する。バリア層40には、バリア層40に要求される分極特性、耐圧特性等に基づき、AlGaN、AlN、InAlGaN又はInAlNを用いることができる。
続いて、上記のような構成を含む半導体装置の形成方法について、図8~図10を参照して説明する。
図8~図10は第1の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図である。図8(A)、図8(B)、図9(A)、図9(B)、図10(A)及び図10(B)にはそれぞれ、第1の実施の形態に係る半導体装置形成の各工程の一例の要部断面図を模式的に示している。
まず、図8(A)に示すように、N極性面((000-1)面)の面10aを有する下地のバリア層10上([000-1]方向)に、MOVPE法を用いて、チャネル層20、スペーサ層30及びバリア層40が順次成長される。ここでは、バリア層10として、N極性面の面10aを有するAlN自立基板が用いられ、その面10a上に、GaNのチャネル層20、InGaNのスペーサ層30及びAlGaNのバリア層40が成長される場合を例にする。例えば、AlN自立基板のバリア層10のN極性面の面10a上に、厚さ20nmのGaNのチャネル層20が成長され、その上に、厚さ1nmのInGaNのスペーサ層30が成長され、その上に、厚さ8nmのAlGaNのバリア層40が成長される。バリア層10のAlN自立基板のN極性面の面10a上に成長されるチャネル層20のGaNは、N極性面の面20aを有するように成長される。チャネル層20のGaNのN極性面の面20a上に成長されるスペーサ層30のInGaNは、N極性面の面30aを有するように成長される。スペーサ層30のInGaNのN極性面の面30a上に成長されるバリア層40のAlGaNは、N極性面の面40aを有するように成長される。チャネル層20のGaNの、バリア層10のAlN自立基板との接合界面近傍に、2DEG100が生成される。
尚、バリア層10には、AlNのほか、AlGaN等を用いることもできる。また、バリア層40には、AlGaNのほか、AlN、InAlGaN、InAlN等を用いることもできる。
MOVPE法を用いた各層の成長において、GaNの成長には、Ga源であるトリメチルガリウム(Tri-Methyl-Gallium;TMGa)とNH(アンモニア)との混合ガスが用いられる。InGaNの成長には、In源であるトリメチルインジウム(Tri-Methyl-Indium;TMIn)とTMGaとNHとの混合ガスが用いられる。AlGaNの成長には、Al源であるトリメチルアルミニウム(Tri-Methyl-Aluminum;TMAl)とTMGaとNHとの混合ガスが用いられる。尚、AlNを成長する場合には、TMAlとNHとの混合ガスが用いられ、InAlGaNを成長する場合には、TMInとTMAlとTMGaとNHとの混合ガスが用いられ、InAlNを成長する場合には、TMInとTMAlとNHとの混合ガスが用いられる。成長する窒化物半導体に応じて、TMAl、TMGa、TMInの供給と停止(切り替え)、供給時の流量(他原料との混合比)が適宜設定される。成長圧力は、1kPa~100kPa程度、成長温度は600℃~1500℃程度とされる。
図8(A)に示すようなバリア層10、チャネル層20、スペーサ層30及びバリア層40の積層構造2の形成後、フォトリソグラフィ技術を用いて、素子間分離領域を形成する領域に開口部を有するマスク(図示せず)が形成される。そして、塩素系ガスを用いたドライエッチング、又はAr(アルゴン)等のイオン注入によって、積層構造2の所定の領域に、素子間分離領域(図示せず)が形成される。素子間分離領域の形成後、マスクは除去される。
次いで、積層構造2上に、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、保護膜(図示せず)が形成される。保護膜の形成には、原子層堆積(Atomic Layer Deposition;ALD)法、スパッタ法等が用いられてもよい。保護膜には、例えば、Si、Al、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニウム)、Ti(チタン)、Ta及びW(タングステン)の少なくとも1種を含む酸化物、窒化物又は酸窒化物が用いられる。例えば、保護膜として、SiO(酸化シリコン)が形成される。形成された保護膜上に、フォトリソグラフィ技術を用いて、ソース電極60及びドレイン電極70を形成する領域に開口部を有するマスク(図示せず)が形成され、塩素系ガスを用いたドライエッチングが行われる。このエッチングにより、マスクの開口部から露出する保護膜が除去され、更にその下のバリア層40、スペーサ層30及びチャネル層20の一部が除去される。その後、残存するマスク及び保護膜は積層構造2上から除去される。これにより、図8(B)に示すような、積層構造2の、ソース電極60及びドレイン電極70を形成する領域に、チャネル層20に達する凹部2a及び凹部2bが形成された状態が得られる。
次いで、図9(A)に示すように、積層構造2に形成された凹部2a及び凹部2bにそれぞれ、ソース電極60及びドレイン電極70が形成される。その際は、まず、フォトリソグラフィ技術、蒸着技術及びリフトオフ技術を用いて、ソース電極60及びドレイン電極70を形成する領域、即ち積層構造2の凹部2a及び凹部2bにそれぞれ、電極用金属が形成される。例えば、電極用金属として、厚さ20nmのTaと厚さ200nmのAlとの積層体が形成される。その後、窒素雰囲気中、400℃~1000℃、例えば、550℃で熱処理が行われ、電極用金属のオーミック接続が確立される。これにより、図9(A)に示すような、積層構造2の凹部2a及び凹部2bにそれぞれソース電極60及びドレイン電極70が形成された状態が得られる。
次いで、図9(B)に示すように、ソース電極60及びドレイン電極70が形成された積層構造2上に、パッシベーション膜80が形成される。例えば、プラズマCVD法を用いて、厚さ2nm~500nm、例えば、厚さ100nmのパッシベーション膜80が形成される。パッシベーション膜80の形成には、ALD法、スパッタ法等が用いられてもよい。パッシベーション膜80には、例えば、Si、Al、Hf、Zr、Ti、Ta及びWの少なくとも1種を含む酸化物、窒化物又は酸窒化物が用いられる。例えば、パッシベーション膜80として、SiN(窒化シリコン)が形成される。これにより、図9(B)に示すような、ソース電極60及びドレイン電極70が形成された積層構造2上に、パッシベーション膜80が形成された状態が得られる。
次いで、図10(A)に示すように、ゲート電極50を形成する領域のパッシベーション膜80が除去され、バリア層40の一部が露出される。その際は、まず、フォトリソグラフィ技術を用いて、ゲート電極50を形成する領域に開口部を有するマスク(図示せず)が形成され、ドライエッチングが行われる。このエッチングにより、マスクの開口部から露出するパッシベーション膜80が除去される。パッシベーション膜80のエッチングは、例えば、フッ素系又は塩素系ガスを用いたドライエッチングによって行われる。このほか、パッシベーション膜80のエッチングは、フッ酸やバッファードフッ酸等を用いたウェットエッチングによって行われてもよい。パッシベーション膜80のエッチング後、マスクは除去される。これにより、図10(A)に示すような、ゲート電極50を形成する領域のパッシベーション膜80が除去されてバリア層40の一部が露出された状態が得られる。
その後、フォトリソグラフィ技術、蒸着技術及びリフトオフ技術を用いて、パッシベーション膜80から露出するバリア層40上に、電極用金属、例えば、厚さ30nmのNiと厚さ400nmのAuとの積層体が形成され、ゲート電極50が形成される。ゲート電極50は、ショットキー電極として機能する。これにより、N極性面を利用した量子閉じ込め構造を有する半導体装置1Acが形成される。
尚、半導体装置1Acのゲート電極50、ソース電極60及びドレイン電極70に用いる金属の種類及び層構造は上記の例に限定されるものではなく、それらの形成方法も上記の例に限定されるものではない。ゲート電極50、ソース電極60及びドレイン電極70にはそれぞれ、単層構造が用いられてもよいし、積層構造が用いられてもよい。ソース電極60及びドレイン電極70の形成時には、それらの電極用金属の形成によってオーミック接続が実現されるようであれば、必ずしも上記のような熱処理が行われることを要しない。ゲート電極50の形成時には、その電極用金属の形成後、更に熱処理が行われてもよい。
ここでは、半導体装置1Acにショットキー電極として機能するゲート電極50を設ける例を示したが、ゲート電極50とバリア層40との間に、酸化物、窒化物又は酸窒化物等が用いられたゲート絶縁膜を設け、MIS(Metal Insulator Semiconductor)型ゲート構造としてもよい。また、ゲート電極50とバリア層40との間には、GaN等の窒化物半導体が用いられたキャップ層を設けてもよい。
[第2の実施の形態]
図11は第2実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。図11には第2の実施の形態に係る半導体装置の一例の要部断面図を模式的に示している。
図11に示す半導体装置1Bは、量子閉じ込め構造を用いたHEMTの一例である。半導体装置1Bは、バリア層10、チャネル層20、スペーサ層30、バリア層40、バリア層90、ゲート電極50、ソース電極60及びドレイン電極70を有する。半導体装置1Bでは、チャネル層20の面20a上のうち、ソース電極60とゲート電極50との間には、スペーサ層30及びバリア層40が設けられ、ゲート電極50とドレイン電極70との間には、バリア層90が設けられる。半導体装置1Bは、このような構成を有する点で、上記第1の実施の形態で述べた半導体装置1A等と相違する。
半導体装置1Bにおいて、そのバリア層10及びチャネル層20にはそれぞれ、上記第1の実施の形態で半導体装置1A等について述べたバリア層10及びチャネル層20と同様のものを用いることができる。即ち、バリア層10には、例えば、チャネル層20が設けられる側の面10aにN極性面を有するAlNが用いられる。チャネル層20には、GaNが用いられる。チャネル層20は、バリア層10のAlNのN極性面の面10a上に設けられ、スペーサ層30が設けられる側の面20aにN極性面を有する。半導体装置1Bでは、上記半導体装置1A等と同様に、チャネル層20のGaNの、バリア層10のAlNとの接合界面近傍に、2DEG100が生成される。
半導体装置1Bにおいて、そのスペーサ層30及びバリア層40にはそれぞれ、上記第1の実施の形態で半導体装置1A等について述べたスペーサ層30及びバリア層40と同様のものを用いることができる。即ち、スペーサ層30には、InGaNが用いられる。スペーサ層30は、チャネル層20のGaNのN極性面の面20a上に設けられ、バリア層40が設けられる側の面30aにN極性面を有する。バリア層40には、例えば、AlGaNが用いられる。バリア層40は、スペーサ層30のInGaNのN極性面の面30a上に設けられ、スペーサ層30側とは反対側の面40aにN極性面を有する。
半導体装置1Bにおいて、バリア層90には、例えば、AlNが用いられる。バリア層90は、チャネル層20のGaNのN極性面の面20a上に設けられ、チャネル層20側とは反対側の面90aにN極性面を有する。バリア層90は、MOVPE法又はMBE法を用いて、面20aにN極性面を有するチャネル層20上に形成される。
半導体装置1Bにおいて、ゲート電極50、ソース電極60及びドレイン電極70にはそれぞれ、上記第1の実施の形態で半導体装置1A等について述べたゲート電極50、ソース電極60及びドレイン電極70と同様のものを用いることができる。即ち、ゲート電極50、ソース電極60及びドレイン電極70には、それぞれ所定の金属が用いられ、ゲート電極50はショットキー電極として機能し、ソース電極60及びドレイン電極70はオーミック電極として機能する。
尚、ゲート電極50とバリア層90との間には、GaN等の窒化物半導体が用いられたキャップ層(図示せず)が介在されてもよく、また、酸化物、窒化物又は酸窒化物等が用いられたゲート絶縁膜(図示せず)が介在されてもよい。ソース電極60は、バリア層40及びスペーサ層30を貫通してチャネル層20と接続されてもよく、また、バリア層40及びスペーサ層30或いは更にチャネル層20を貫通するように設けられるコンタクト層(図示せず)を通じてチャネル層20と接続されてもよい。ドレイン電極70は、バリア層90を貫通してチャネル層20と接続されてもよく、また、バリア層90或いは更にチャネル層20を貫通するように設けられるコンタクト層(図示せず)を通じてチャネル層20と接続されてもよい。
ここで、一般にHEMTでは、ゲート電極とドレイン電極との間のチャネル層に生成される2DEGの濃度が高いと、耐圧が低下するという問題がある。ソース電極からドレイン電極までの領域の2DEG濃度を低下させると、耐圧は高められるものの、オン抵抗が上昇してしまう。オン抵抗の上昇を抑えつつ耐圧を高めるための手法の1つとして、ソース電極とゲート電極との間のチャネル層に生成される2DEGの電子濃度は増大させ、ゲート電極とドレイン電極との間のチャネル層に生成される2DEGの電子濃度は減少させることが考えられる。
そこで、半導体装置1Bでは、チャネル層20の面20a上のうち、ソース電極60とゲート電極50との間には、スペーサ層30を介してバリア層40を設け、ゲート電極50とドレイン電極70との間には、直接バリア層90を設ける構成が採用される。
即ち、ソース電極60とゲート電極50との間には、GaNのチャネル層20のN極性面の面20a上に、InGaNのスペーサ層30を介して、AlGaNのバリア層40が設けられる。これにより、ソース電極60とゲート電極50との間では、スペーサ層30のInGaNによってチャネル層20のGaNの内部電界が緩和され、チャネル層20に生成される2DEG100の電子濃度分布が広げられ、電子濃度が増大される。一方、ゲート電極50とドレイン電極70との間には、GaNのチャネル層20のN極性面の面20a上に、スペーサ層30のInGaNを介さずに、AlNのバリア層90が設けられる。これにより、ゲート電極50とドレイン電極70との間では、InGaNによるチャネル層20のGaNの内部電界の緩和が抑えられ、チャネル層20に生成される2DEG100の電子濃度分布の広がり、電子濃度の増大が抑えられる。上記のような構成を有する半導体装置1Bによれば、耐圧の向上とオン抵抗の低減との両立が実現される。
半導体装置1Bでは、N極性面を利用した量子閉じ込め構造により、GaNのチャネル層20のリーク電流の発生が効果的に抑えられる。更に、ソース電極60とゲート電極50との間では、InGaNのスペーサ層30を設けることによるGaNのチャネル層20の内部電界の緩和により、チャネル層20の電子濃度分布が広げられ、電子濃度が高められ、チャネル層20が低抵抗化される。ゲート電極50とドレイン電極70との間では、InGaNによるチャネル層20のGaNの内部電界の緩和が抑えられ、チャネル層20の電子濃度分布の広がり、電子濃度の増大が抑えられ、高耐圧化される。電子閉じ込め性能に優れ、ソース側は低抵抗化され、ドレイン側は高耐圧化された、高性能、高信頼性の半導体装置1Bが実現される。
半導体装置1Bにおいて、スペーサ層30及びバリア層40は、ソース電極60からゲート電極50までの領域に設けられ、バリア層90は、ゲート電極50からドレイン電極70までの領域に設けられる。ここで、スペーサ層30及びバリア層40は、例えば、図11に示すように、ソース電極60の直下から、ゲート電極50のソース電極60側のエッジ(「ソース側エッジ」と言う)52までの領域に設けられる。バリア層90は、例えば、図11に示すように、ゲート電極50の直下から、ドレイン電極70の直下までの領域に設けられる。これにより、上記のようなソース側の低抵抗化とドレイン側の高耐圧化が実現される。
尚、チャネル層20の面20a上に設けられるバリア層90は、ドレイン電極70側からソース電極60側に向かって延びる方向の末端91が、ゲート電極50のドレイン電極70側のエッジ(「ドレイン側エッジ」と言う)51とソース側エッジ52との間に位置するように設けられることが好ましい。バリア層90の末端91が、ゲート電極50のソース側エッジ52とソース電極60との間に位置する場合には、ソース側のスペーサ層30によるチャネル層20の内部電界の緩和、それによるソース側の低抵抗化の効果が低減され得るためである。
図11には、バリア層10にAlNを用いる半導体装置1Bを例示したが、バリア層10には、チャネル層20のGaNに2DEG100を生成させることができるものであれば、AlNのほか、AlGaN等の窒化物半導体を用いることもできる。
また、図11には、バリア層40にAlGaNを用いる半導体装置1Bを例示したが、バリア層40には、AlGaNのほか、AlN、InAlGaN、InAlN等の窒化物半導体、即ち、InAlGa1-(y+z)N(0≦y<1,0<z≦1,0<y+z≦1)で表されるものを用いることができる。
また、図11には、バリア層90にAlNを用いる半導体装置1Bを例示したが、バリア層40には、AlNのほか、AlGaN、InAlGaN、InAlN等の窒化物半導体、即ち、InAlGa1-(m+n)N(0≦m<1,0<n≦1,0<m+n≦1)で表されるものを用いることができる。
バリア層10、バリア層40及びバリア層90には、互いの構成元素群又はそれらの組成比が異なる窒化物半導体が用いられてもよいし、互いの構成元素群及びそれらの組成比が同じ窒化物半導体が用いられてもよい。
続いて、上記のような構成を含む半導体装置の形成方法について、図12~図15を参照して説明する。
図12~図15は第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図である。図12(A)、図12(B)、図13(A)、図13(B)、図14(A)、図14(B)、図15(A)及び図15(B)にはそれぞれ、第2の実施の形態に係る半導体装置形成の各工程の一例の要部断面図を模式的に示している。
まず、図12(A)に示すように、N極性面((000-1)面)の面10aを有する下地のバリア層10上([000-1]方向)に、MOVPE法を用いて、チャネル層20、スペーサ層30及びバリア層40が順次成長される。ここでは、バリア層10として、N極性面の面10aを有するAlN自立基板が用いられ、その面10a上に、GaNのチャネル層20、InGaNのスペーサ層30及びAlGaNのバリア層40が成長される場合を例にする。例えば、AlN自立基板のバリア層10のN極性面の面10a上に、厚さ20nmのGaNのチャネル層20が成長され、その上に、厚さ1nmのInGaNのスペーサ層30が成長され、その上に、厚さ4nmのAlGaNのバリア層40が成長される。バリア層10のAlN自立基板のN極性面の面10a上に成長されるチャネル層20のGaNは、N極性面の面20aを有するように成長される。チャネル層20のGaNのN極性面の面20a上に成長されるスペーサ層30のInGaNは、N極性面の面30aを有するように成長される。スペーサ層30のInGaNのN極性面の面30a上に成長されるバリア層40のAlGaNは、N極性面の面40aを有するように成長される。チャネル層20のGaNの、バリア層10のAlN自立基板との接合界面近傍に、2DEG100が生成される。
尚、バリア層10には、AlNのほか、AlGaN等を用いることもできる。また、バリア層40には、AlGaNのほか、AlN、InAlGaN、InAlN等を用いることもできる。
MOVPE法を用いた各層の成長において、GaNの成長には、TMGaとNHとの混合ガスが用いられる。InGaNの成長には、TMInとTMGaとNHとの混合ガスが用いられる。AlGaNの成長には、TMAlとTMGaとNHとの混合ガスが用いられる。尚、AlNを成長する場合には、TMAlとNHとの混合ガスが用いられ、InAlGaNを成長する場合には、TMInとTMAlとTMGaとNHとの混合ガスが用いられ、InAlNを成長する場合には、TMInとTMAlとNHとの混合ガスが用いられる。成長する窒化物半導体に応じて、TMAl、TMGa、TMInの供給と停止(切り替え)、供給時の流量(他原料との混合比)が適宜設定される。成長圧力は、1kPa~100kPa程度、成長温度は600℃~1500℃程度とされる。
図12(A)に示すようなバリア層10、チャネル層20、スペーサ層30及びバリア層40の積層構造3の形成後、その積層構造3上に、例えば、プラズマCVD法を用いて、保護膜(図示せず)が形成される。保護膜の形成には、ALD法、スパッタ法等が用いられてもよい。保護膜には、例えば、Si、Al、Hf、Zr、Ti、Ta及びWの少なくとも1種を含む酸化物、窒化物又は酸窒化物が用いられる。例えば、保護膜として、SiOが形成される。形成された保護膜上に、フォトリソグラフィ技術を用いて、ソース電極60を形成する領域、及びゲート電極50を形成する領域からドレイン電極70を形成する領域までに開口部を有するマスク(図示せず)が形成され、塩素系ガスを用いたドライエッチングが行われる。このエッチングにより、マスクの開口部から露出する保護膜が除去され、更にその下のバリア層40及びスペーサ層30の一部が除去され、チャネル層20が露出される。その後、残存するマスク及び保護膜は積層構造3上から除去される。これにより、図12(B)に示すような、積層構造3の、ソース電極60を形成する領域とゲート電極50を形成する領域との間に、スペーサ層30及びバリア層40が形成された状態が得られる。
次いで、図13(A)に示すように、積層構造3上に、MOVPE法を用いて、バリア層90が成長される。バリア層90は、積層構造3の上面に露出するチャネル層20上、及びチャネル層20上にスペーサ層30を介して形成されたバリア層40上に、成長される。ここでは、AlGaNのバリア層90が成長される場合を例にする。例えば、厚さ4nmのAlGaNのバリア層90が成長される。チャネル層20のGaNのN極性面の面20a上に成長されるバリア層90のAlGaNは、N極性面の面90aを有するように成長される。スペーサ層30上のバリア層40は、バリア層90を成長させる際、比較的熱に弱く高温の熱に曝されると脱離し易いInを含むInGaNのスペーサ層30を保護する保護膜としての機能を有する。
尚、バリア層90には、AlGaNのほか、AlN、InAlGaN、InAlN等を用いることもできる。
図13(A)に示すようなバリア層90の形成後、フォトリソグラフィ技術を用いて、素子間分離領域を形成する領域に開口部を有するマスク(図示せず)が形成される。そして、塩素系ガスを用いたドライエッチング、又はAr等のイオン注入によって、積層構造3の所定の領域に、素子間分離領域(図示せず)が形成される。素子間分離領域の形成後、マスクは除去される。
次いで、積層構造3上に、例えば、プラズマCVD法を用いて、保護膜(図示せず)が形成される。保護膜の形成には、ALD法、スパッタ法等が用いられてもよい。保護膜には、例えば、Si、Al、Hf、Zr、Ti、Ta及びWの少なくとも1種を含む酸化物、窒化物又は酸窒化物が用いられる。例えば、保護膜として、SiOが形成される。形成された保護膜上に、フォトリソグラフィ技術を用いて、ソース電極60及びドレイン電極70を形成する領域に開口部を有するマスク(図示せず)が形成され、塩素系ガスを用いたドライエッチングが行われる。このエッチングにより、マスクの開口部から露出する保護膜が除去され、更にその下のバリア層40、スペーサ層30、バリア層90及びチャネル層20の一部が除去される。その後、残存するマスク及び保護膜は積層構造3上から除去される。これにより、図13(B)に示すような、積層構造3の、ソース電極60及びドレイン電極70を形成する領域に、チャネル層20に達する凹部3a及び凹部3bが形成された状態が得られる。
次いで、図14(A)に示すように、積層構造3に形成された凹部3a及び凹部3bにそれぞれ、ソース電極60及びドレイン電極70が形成される。その際は、まず、フォトリソグラフィ技術、蒸着技術及びリフトオフ技術を用いて、ソース電極60及びドレイン電極70を形成する領域、即ち積層構造3の凹部3a及び凹部3bにそれぞれ、電極用金属が形成される。例えば、電極用金属として、厚さ20nmのTaと厚さ200nmのAlとの積層体が形成される。その後、窒素雰囲気中、400℃~1000℃、例えば、550℃で熱処理が行われ、電極用金属のオーミック接続が確立される。これにより、図14(A)に示すような、積層構造3の凹部3a及び凹部3bにそれぞれソース電極60及びドレイン電極70が形成された状態が得られる。
次いで、図14(B)に示すように、ソース電極60及びドレイン電極70が形成された積層構造3上に、パッシベーション膜80が形成される。例えば、プラズマCVD法を用いて、厚さ2nm~500nm、例えば、厚さ100nmのパッシベーション膜80が形成される。パッシベーション膜80の形成には、ALD法、スパッタ法等が用いられてもよい。パッシベーション膜80には、例えば、Si、Al、Hf、Zr、Ti、Ta及びWの少なくとも1種を含む酸化物、窒化物又は酸窒化物が用いられる。例えば、パッシベーション膜80として、SiNが形成される。これにより、図14(B)に示すような、ソース電極60及びドレイン電極70が形成された積層構造3上に、パッシベーション膜80が形成された状態が得られる。
次いで、図15(A)に示すように、ゲート電極50を形成する領域のパッシベーション膜80が除去され、バリア層90の一部が露出される。その際は、まず、フォトリソグラフィ技術を用いて、ゲート電極50を形成する領域に開口部を有するマスク(図示せず)が形成され、ドライエッチングが行われる。このエッチングにより、マスクの開口部から露出するパッシベーション膜80が除去される。パッシベーション膜80のエッチングは、例えば、フッ素系又は塩素系ガスを用いたドライエッチングによって行われる。このほか、パッシベーション膜80のエッチングは、フッ酸やバッファードフッ酸等を用いたウェットエッチングによって行われてもよい。パッシベーション膜80のエッチング後、マスクは除去される。これにより、図15(A)に示すような、ゲート電極50を形成する領域のパッシベーション膜80が除去されてバリア層90の一部が露出された状態が得られる。
その後、フォトリソグラフィ技術、蒸着技術及びリフトオフ技術を用いて、パッシベーション膜80から露出するバリア層90上に、電極用金属、例えば、厚さ30nmのNiと厚さ400nmのAuとの積層体が形成され、ゲート電極50が形成される。ゲート電極50は、ショットキー電極として機能する。これにより、N極性面を利用した量子閉じ込め構造を有する半導体装置1Baが形成される。
尚、半導体装置1Baのゲート電極50、ソース電極60及びドレイン電極70に用いる金属の種類及び層構造は上記の例に限定されるものではなく、それらの形成方法も上記の例に限定されるものではない。ゲート電極50、ソース電極60及びドレイン電極70にはそれぞれ、単層構造が用いられてもよいし、積層構造が用いられてもよい。ソース電極60及びドレイン電極70の形成時には、それらの電極用金属の形成によってオーミック接続が実現されるようであれば、必ずしも上記のような熱処理が行われることを要しない。ゲート電極50の形成時には、その電極用金属の形成後、更に熱処理が行われてもよい。
ここでは、半導体装置1Baにショットキー電極として機能するゲート電極50を設ける例を示したが、ゲート電極50とバリア層90との間に、酸化物、窒化物又は酸窒化物等が用いられたゲート絶縁膜を設け、MIS型ゲート構造としてもよい。また、ゲート電極50とバリア層90との間には、GaN等の窒化物半導体が用いられたキャップ層を設けてもよい。
以上、第1及び第2の実施の形態について説明した。
尚、上記第1及び第2の実施の形態で述べた半導体装置1A,1Aa,1Ab,1Ac,1B,1Baでは、ゲート電極50とドレイン電極70との間隔を、ゲート電極50とソース電極60との間隔よりも広くした、いわゆる非対称構造を採用してもよい。非対称構造が採用されることで、ゲート電極50とドレイン電極70との間の電界の緩和、耐圧の向上が図られる。
また、上記第1の実施の形態で述べた半導体装置1A等と、上記第2の実施の形態で述べた半導体装置1B等とは、共通の基板上、例えば、AlN自立基板等の共通のバリア層10上に混載されてもよい。
[第3の実施の形態]
図16は第3の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。図16(A)及び図16(B)にはそれぞれ、第3の実施の形態に係る半導体装置の一例の要部断面図を模式的に示している。
図16(A)に示す半導体装置1Cは、ショットキーバリアダイオード(Schottky Barrier Diode;SBD)の一例である。半導体装置1Cは、バリア層10、チャネル層20、スペーサ層30、バリア層40、カソード電極110(オーミック電極)及びアノード電極120(ショットキー電極)を有する。
半導体装置1Cのバリア層10、チャネル層20、スペーサ層30及びバリア層40には、上記第1の実施の形態で半導体装置1A等について述べたバリア層10及びチャネル層20と同様のものを用いることができる。即ち、バリア層10には、チャネル層20が設けられる側の面10aにN極性面を有するAlN、AlGaN等が用いられる。チャネル層20には、GaNが用いられる。チャネル層20は、バリア層10のN極性面の面10a上に設けられ、スペーサ層30が設けられる側の面20aにN極性面を有する。チャネル層20のGaNの、バリア層10との接合界面近傍に、2DEG100が生成される。スペーサ層30には、InGaNが用いられる。スペーサ層30は、チャネル層20のGaNのN極性面の面20a上に設けられ、バリア層40が設けられる側の面30aにN極性面を有する。バリア層40には、AlGaN、AlN、InAlGaN、InAlN等が用いられる。バリア層40は、スペーサ層30のInGaNのN極性面の面30a上に設けられ、スペーサ層30側とは反対側の面40aにN極性面を有する。
半導体装置1Cのカソード電極110及びアノード電極120には、それぞれ所定の金属が用いられる。カソード電極110は、オーミック電極として機能するようにバリア層40上に設けられ、アノード電極120は、ショットキー電極として機能するようにバリア層40上に設けられる。
半導体装置1Cによれば、N極性面を利用した量子閉じ込め構造により、GaNのチャネル層20のリーク電流の発生が効果的に抑えられる。更に、InGaNのスペーサ層30を設けることによるGaNのチャネル層20の内部電界の緩和により、チャネル層20の電子濃度分布が広げられ、電子濃度が高められ、チャネル層20が低抵抗化される。これにより、順方向バイアス印加時のチャネル層20の電子輸送効率が高められる。電子閉じ込め性能に優れ、低抵抗のチャネル層20を備え、SBDとして機能する、高性能、高信頼性の半導体装置1Cが実現される。
また、図16(B)に示す半導体装置1Dは、SBDの別の例である。半導体装置1Dは、チャネル層20上に、スペーサ層30及びバリア層40に加えて、バリア層90が設けられた構成を有する点で、上記半導体装置1C(図16(A))と相違する。半導体装置1Dにおいて、スペーサ層30及びバリア層40は、チャネル層20上の、カソード電極110寄りの領域に設けられ、バリア層90は、チャネル層20上の、アノード電極120寄りの領域に設けられる。
半導体装置1Dのバリア層90には、上記第2の実施の形態で半導体装置1B等について述べたバリア層90と同様のものを用いることができる。即ち、バリア層90には、AlGaN、AlN、InAlGaN、InAlN等が用いられる。バリア層90は、チャネル層20のGaNのN極性面の面20a上に設けられ、チャネル層20側とは反対側の面90aにN極性面を有する。
一般にSBDでは、逆方向バイアス印加時に、ショットキー接続されるアノード電極側に電界が集中し易い。
そこで、半導体装置1Dでは、チャネル層20の面20a上のうち、カソード電極110寄りの領域には、スペーサ層30を介してバリア層40を設け、アノード電極120寄りの領域には、直接バリア層90を設ける構成が採用される。これにより、カソード電極110寄りの領域では、スペーサ層30のInGaNによってチャネル層20のGaNの内部電界が緩和され、2DEG100の電子濃度分布が広げられ、電子濃度が増大される。カソード電極110寄りの領域においてチャネル層20のGaNの内部電界が緩和され、2DEG100の電子濃度分布が広げられ、電子濃度が増大されることで、チャネル層20の高抵抗化が抑えられる。一方、アノード電極120寄りの領域では、InGaNによるチャネル層20のGaNの内部電界の緩和が抑えられ、2DEG100の電子濃度分布の広がり、電子濃度の増大が抑えられる。アノード電極120寄りの領域においてチャネル層20のGaNの内部電界の緩和が抑えられ、2DEG100の電子濃度分布の広がり、電子濃度の増大が抑えられることで、逆方向バイアス印加時のアノード電極120側の電界が緩和される。これにより、逆方向耐圧の高いSBDが実現される。
電子閉じ込め性能に優れ、低抵抗のチャネル層20を備え、逆方向耐圧の高いSBDとして機能する、高性能、高信頼性の半導体装置1Dが実現される。
尚、第3の実施の形態で述べた半導体装置1C,1Dはそれぞれ、上記第1の実施の形態で述べた半導体装置1A等や上記第2の実施の形態で述べた半導体装置1B等と共通の基板上、例えば、AlN自立基板等の共通のバリア層10上に混載されてもよい。
以上、第1~第3の実施の形態で述べたような構成を有する半導体装置1A,1Aa,1Ab,1Ac,1B,1Ba,1C,1D等は、各種電子装置に適用することができる。一例として、上記のような構成を有する半導体装置を、半導体パッケージ、力率改善回路、電源装置及び増幅器に適用する場合について、以下に説明する。
[第4の実施の形態]
ここでは、上記のような構成を有する半導体装置の、半導体パッケージへの適用例を、第4の実施の形態として説明する。
図17は第4の実施の形態に係る半導体パッケージの一例について説明する図である。図17には第4の実施の形態に係る半導体パッケージの一例の要部平面図を模式的に示している。
図17に示す半導体パッケージ200は、ディスクリートパッケージの一例である。半導体パッケージ200は、例えば、上記第1の実施の形態で述べた半導体装置1A、半導体装置1Aが搭載されたリードフレーム210、及びそれらを封止する樹脂220を含む。
半導体装置1Aは、リードフレーム210のダイパッド210a上にダイアタッチ材等(図示せず)を用いて搭載される。半導体装置1Aには、上記ゲート電極50と接続されたパッド50a、ソース電極60と接続されたパッド60a及びドレイン電極70と接続されたパッド70aが設けられる。パッド50a、パッド60a及びパッド70aはそれぞれ、Al等のワイヤ230を用いてリードフレーム210のゲートリード211、ソースリード212及びドレインリード213に接続される。ゲートリード211、ソースリード212及びドレインリード213の各一部が露出するように、リードフレーム210とそれに搭載された半導体装置1A及びそれらを接続するワイヤ230が、樹脂220で封止される。
例えば、上記第1の実施の形態で述べた半導体装置1Aが用いられ、このような構成を有する半導体パッケージ200が得られる。ここでは、半導体装置1Aを例にしたが、HEMTとして機能する他の半導体装置1Aa,1Ab,1Ac,1B,1Ba等、或いはSBDとして機能する半導体装置1C,1D等が混載された半導体装置1Aa,1Ab,1Ac,1B,1Ba等を用いて、同様に高性能の半導体パッケージを得ることが可能である。
上記のように、半導体装置1A,1Aa,1Ab,1Ac等では、N極性面を利用した量子閉じ込め構造により、GaNのチャネル層20のリーク電流の発生が効果的に抑えられる。更に、InGaNのスペーサ層30によるGaNのチャネル層20の内部電界の緩和により、広い電子濃度分布、高い電子濃度が実現され、チャネル層20が低抵抗化される。電子閉じ込め性能に優れ、低抵抗のチャネル層20を備えた、高性能、高信頼性のHEMTが実現される。また、半導体装置1B,1Ba等では、ソース電極60とゲート電極50との間については半導体装置1A等と同様の構成が採用される一方、ゲート電極50とドレイン電極70との間についてはスペーサ層30を介さずにバリア層90を設ける構成が採用される。これにより、ゲート電極50とドレイン電極70との間では、スペーサ層30によるチャネル層20の内部電界の緩和が抑えられ、チャネル層20の電子濃度分布の広がり、電子濃度の増大が抑えられ、高耐圧化される。電子閉じ込め性能に優れ、ソース側は低抵抗化され、ドレイン側は高耐圧化された、高性能、高信頼性のHEMTが実現される。このような優れた特性を有する半導体装置1A,1Aa,1Ab,1Ac,1B,1Ba等が用いられ、高性能、高信頼性の半導体パッケージ200が実現される。
また、SBDとして機能する半導体装置1C,1D等を用いてディスクリートパッケージを得ることもできる。上記のように、半導体装置1C,1D等では、順方向バイアス印加時又は逆方向バイアス印加時のSBDの特性の向上が図られる。このような優れた特性を有する半導体装置1C,1D等が用いられ、高性能、高信頼性の半導体パッケージが実現される。
[第5の実施の形態]
ここでは、上記のような構成を有する半導体装置の、力率改善回路への適用例を、第5の実施の形態として説明する。
図18は第5の実施の形態に係る力率改善回路の一例について説明する図である。図18には第5の実施の形態に係る力率改善回路の一例の等価回路図を示している。
図18に示す力率改善(Power Factor Correction;PFC)回路300は、スイッチ素子310、ダイオード320、チョークコイル330、コンデンサ340、コンデンサ350、ダイオードブリッジ360及び交流電源370(AC)を含む。
PFC回路300において、スイッチ素子310のドレイン電極と、ダイオード320のアノード端子及びチョークコイル330の一端子とが接続される。スイッチ素子310のソース電極と、コンデンサ340の一端子及びコンデンサ350の一端子とが接続される。コンデンサ340の他端子とチョークコイル330の他端子とが接続される。コンデンサ350の他端子とダイオード320のカソード端子とが接続される。また、スイッチ素子310のゲート電極には、ゲートドライバが接続される。コンデンサ340の両端子間には、ダイオードブリッジ360を介して交流電源370が接続され、コンデンサ350の両端子間から直流電源(DC)が取り出される。
例えば、このような構成を有するPFC回路300のスイッチ素子310に、HEMTとして機能する上記半導体装置1A,1Aa,1Ab,1Ac,1B,1Ba等が用いられる。
上記のように、半導体装置1A,1Aa,1Ab,1Ac等では、N極性面を利用した量子閉じ込め構造、InGaNのスペーサ層30により、電子閉じ込め性能に優れ、低抵抗のチャネル層20を備えた、高性能、高信頼性のHEMTが実現される。また、半導体装置1B,1Ba等では、InGaNのスペーサ層30を、ソース電極60とゲート電極50との間には設け、ゲート電極50とドレイン電極70との間には設けないことで、ドレイン側が高耐圧化された、高性能、高信頼性のHEMTが実現される。このような優れた特性を有する半導体装置1A,1Aa,1Ab,1Ac,1B,1Ba等が用いられ、高性能、高信頼性のPFC回路300が実現される。
また、PFC回路300のダイオード320やダイオードブリッジ360には、SBDとして機能する上記半導体装置1C,1D等が用いられてもよい。上記のように、半導体装置1C,1D等では、順方向バイアス印加時又は逆方向バイアス印加時のSBDの特性の向上が図られる。このような優れた特性を有する半導体装置1C,1D等が用いられ、高性能、高信頼性のPFC回路300が実現される。
[第6の実施の形態]
ここでは、上記のような構成を有する半導体装置の、電源装置への適用例を、第6の実施の形態として説明する。
図19は第6の実施の形態に係る電源装置の一例について説明する図である。図19には第6の実施の形態に係る電源装置の一例の等価回路図を示している。
図19に示す電源装置400は、一次側回路410及び二次側回路420、並びに一次側回路410と二次側回路420との間に設けられるトランス430を含む。
一次側回路410には、上記第5の実施の形態で述べたようなPFC回路300、及びPFC回路300のコンデンサ350の両端子間に接続されたインバータ回路、例えば、フルブリッジインバータ回路440が含まれる。フルブリッジインバータ回路440には、複数(ここでは一例として4つ)のスイッチ素子441、スイッチ素子442、スイッチ素子443及びスイッチ素子444が含まれる。
二次側回路420には、複数(ここでは一例として3つ)のスイッチ素子421、スイッチ素子422及びスイッチ素子423が含まれる。
例えば、このような構成を有する電源装置400の、一次側回路410に含まれるPFC回路300のスイッチ素子310、及びフルブリッジインバータ回路440のスイッチ素子441~444に、HEMTとして機能する上記半導体装置1A,1Aa,1Ab,1Ac,1B,1Ba等が用いられる。例えば、電源装置400の、二次側回路420のスイッチ素子421~423には、シリコンを用いた通常のMIS型電界効果トランジスタが用いられる。
上記のように、半導体装置1A,1Aa,1Ab,1Ac等では、N極性面を利用した量子閉じ込め構造、InGaNのスペーサ層30により、電子閉じ込め性能に優れ、低抵抗のチャネル層20を備えた、高性能、高信頼性のHEMTが実現される。また、半導体装置1B,1Ba等では、InGaNのスペーサ層30を、ソース電極60とゲート電極50との間には設け、ゲート電極50とドレイン電極70との間には設けないことで、ドレイン側が高耐圧化された、高性能、高信頼性のHEMTが実現される。このような優れた特性を有する半導体装置1A,1Aa,1Ab,1Ac,1B,1Ba等が用いられ、高性能、高信頼性の電源装置400が実現される。
また、一次側回路410に含まれるPFC回路300のダイオード320やダイオードブリッジ360には、上記第5の実施の形態で述べたように、SBDとして機能する上記半導体装置1C,1D等が用いられてもよい。上記のように、半導体装置1C,1D等では、順方向バイアス印加時又は逆方向バイアス印加時のSBDの特性の向上が図られる。このような優れた特性を有する半導体装置1C,1D等が用いられ、高性能、高信頼性のPFC回路300が実現される。そのようなPFC回路300が用いられ、高性能、高信頼性の電源装置400が実現される。
[第7の実施の形態]
ここでは、上記のような構成を有する半導体装置の、増幅器への適用例を、第7の実施の形態として説明する。
図20は第7の実施の形態に係る増幅器の一例について説明する図である。図20には第7の実施の形態に係る増幅器の一例の等価回路図を示している。
図20に示す増幅器500は、デジタルプレディストーション回路510、ミキサー520、ミキサー530及びパワーアンプ540を含む。
デジタルプレディストーション回路510は、入力信号の非線形歪みを補償する。ミキサー520は、非線形歪みが補償された入力信号SIと交流信号とをミキシングする。パワーアンプ540は、入力信号SIが交流信号とミキシングされた信号を増幅する。増幅器500では、例えば、スイッチの切り替えにより、出力信号SOをミキサー530で交流信号とミキシングしてデジタルプレディストーション回路510に送出することができる。増幅器500は、高周波増幅器、高出力増幅器として使用することができる。
このような構成を有する増幅器500のパワーアンプ540に、HEMTとして機能する上記半導体装置1A,1Aa,1Ab,1Ac,1B,1Ba等が用いられる。
上記のように、半導体装置1A,1Aa,1Ab,1Ac等では、N極性面を利用した量子閉じ込め構造、InGaNのスペーサ層30により、電子閉じ込め性能に優れ、低抵抗のチャネル層20を備えた、高性能、高信頼性のHEMTが実現される。また、半導体装置1B,1Ba等では、InGaNのスペーサ層30を、ソース電極60とゲート電極50との間には設け、ゲート電極50とドレイン電極70との間には設けないことで、ドレイン側が高耐圧化された、高性能、高信頼性のHEMTが実現される。このような優れた特性を有する半導体装置1A,1Aa,1Ab,1Ac,1B,1Ba等が用いられ、高性能、高信頼性の増幅器500が実現される。
また、増幅器500にダイオードが用いられる場合、そのダイオードには、半導体装置1C,1D等のSBDが用いられてもよい。上記のように、半導体装置1C,1D等では、順方向バイアス印加時又は逆方向バイアス印加時のSBDの特性の向上が図られる。このような優れた特性を有する半導体装置1C,1D等が用いられ、高性能、高信頼性の増幅器500が実現される。
上記半導体装置1A,1Aa,1Ab,1Ac,1B,1Ba,1C,1D等を適用した各種電子装置(上記第4~第7の実施の形態で述べた半導体パッケージ200、PFC回路300、電源装置400及び増幅器500等)は、各種電子機器又は電子装置に搭載することができる。例えば、コンピュータ(パーソナルコンピュータ、スーパーコンピュータ、サーバ等)、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、センサ、カメラ、オーディオ機器、測定装置、検査装置、製造装置といった、各種電子機器又は電子装置に搭載することが可能である。
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) (000-1)面の第1面を有し、第1窒化物半導体を含む第1バリア層と、
前記第1バリア層の前記第1面に設けられ、GaNを含むチャネル層と、
前記チャネル層の前記第1バリア層側とは反対側の第2面に設けられ、InGa1-xN(0<x<1)を含むスペーサ層と、
前記スペーサ層の前記チャネル層側とは反対側の第3面に設けられ、第2窒化物半導体を含む第2バリア層と
を有することを特徴とする半導体装置。
(付記2) 前記第1窒化物半導体は、AlNであることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3) 前記第2窒化物半導体は、InAlGa1-(y+z)N(0≦y<1,0<z≦1,0<y+z≦1)であることを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置。
(付記4) 前記チャネル層の[000-1]方向の厚さは、20nm以下であることを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。
(付記5) 前記第1バリア層の[000-1]方向の厚さは、200nm以上であることを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の半導体装置。
(付記6) 前記第2バリア層の前記チャネル層側とは反対側に設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極の両側に設けられ、前記チャネル層と接続されるソース電極及びドレイン電極と
を有し、
前記スペーサ層及び前記第2バリア層は、前記ソース電極から前記ドレイン電極までの領域に設けられることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の半導体装置。
(付記7) 前記チャネル層の前記第2面に設けられ、第3窒化物半導体を含む第3バリア層と、
前記第3バリア層の前記チャネル層側とは反対側に設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極の両側に設けられ、前記チャネル層と接続されるソース電極及びドレイン電極と
を有し、
前記スペーサ層及び前記第2バリア層は、前記ソース電極から前記ゲート電極までの領域に設けられ、
前記第3バリア層は、前記ゲート電極から前記ドレイン電極までの領域に設けられることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の半導体装置。
(付記8) 前記第3窒化物半導体は、InAlGa1-(m+n)N(0≦m<1,0<n≦1,0<m+n≦1)であることを特徴とする付記7に記載の半導体装置。
(付記9) 前記第3バリア層の、前記ドレイン電極から前記ソース電極に向かう方向の末端は、前記ゲート電極の、前記ドレイン電極側のエッジから前記ソース電極側のエッジまでの領域に位置することを特徴とする付記7又は8に記載の半導体装置。
(付記10) (000-1)面の第1面を有し、第1窒化物半導体を含む第1バリア層の、前記第1面に、GaNを含むチャネル層を形成する工程と、
前記チャネル層の前記第1バリア層側とは反対側の第2面に、InGa1-xN(0<x<1)を含むスペーサ層を形成する工程と、
前記スペーサ層の前記チャネル層側とは反対側の第3面に、第2窒化物半導体を含む第2バリア層を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記11) (000-1)面の第1面を有し、第1窒化物半導体を含む第1バリア層と、
前記第1バリア層の前記第1面に設けられ、GaNを含むチャネル層と、
前記チャネル層の前記第1バリア層側とは反対側の第2面に設けられ、InGa1-xN(0<x<1)を含むスペーサ層と、
前記スペーサ層の前記チャネル層側とは反対側の第3面に設けられ、第2窒化物半導体を含む第2バリア層と
を有する半導体装置を備えることを特徴とする電子装置。
1A,1Aa,1Ab,1Ac,1B,1Ba,1C,1D,1000,1100,1200,1300 半導体装置
2,3 積層構造
2a,2b,3a,3b 凹部
10,40,90,1020,1110,1130,1210,1230,1310,1330 バリア層
10a,20a,30a,40a,90a,1210a,1220a,1230a,1310a,1320a,1330a 面
20,1010,1120,1220,1320 チャネル層
30 スペーサ層
50,1030,1140,1240,1340 ゲート電極
51 ドレイン側エッジ
52 ソース側エッジ
60,1040,1150,1250,1350 ソース電極
70,1050,1160,1260,1360 ドレイン電極
80 パッシベーション膜
91 末端
100,2100,2200 2DEG
110 カソード電極
120 アノード電極
200 半導体パッケージ
210 リードフレーム
210a ダイパッド
211 ゲートリード
212 ソースリード
213 ドレインリード
220 樹脂
230 ワイヤ
50a,60a,70a パッド
300 PFC回路
310,421,422,423,441,442,443,444 スイッチ素子
320 ダイオード
330 チョークコイル
340,350 コンデンサ
360 ダイオードブリッジ
370 交流電源
400 電源装置
410 一次側回路
420 二次側回路
430 トランス
440 フルブリッジインバータ回路
500 増幅器
510 デジタルプレディストーション回路
520,530 ミキサー
540 パワーアンプ
1060,1170 コンタクト層
2000 電子
2110 2DHG

Claims (7)

  1. (000-1)面の第1面を有し、第1窒化物半導体を含む第1バリア層と、
    前記第1バリア層の前記第1面に設けられ、GaNを含むチャネル層と、
    前記チャネル層の前記第1バリア層側とは反対側の第2面に設けられ、InGa1-xN(0<x<1)を含むスペーサ層と、
    前記スペーサ層の前記チャネル層側とは反対側の第3面に設けられ、第2窒化物半導体を含む第2バリア層と
    前記チャネル層の、前記スペーサ層及び前記第2バリア層が設けられる側に設けられた第1電極及び第2電極と
    を有し、
    前記第1電極はショットキー電極又は絶縁膜を介して設けられた電極であり、前記第2電極はオーミック電極であることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記チャネル層の[000-1]方向の厚さは、20nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1バリア層の[000-1]方向の厚さは、200nm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記第2バリア層の前記チャネル層側とは反対側に設けられたゲート電極と、
    前記ゲート電極の両側に設けられ、前記チャネル層と接続されるソース電極及びドレイン電極と
    を有し、
    前記ゲート電極は前記第1電極であり、前記ソース電極又は前記ドレイン電極は前記第2電極であり、
    前記スペーサ層及び前記第2バリア層は、前記ソース電極から前記ドレイン電極までの領域に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 前記チャネル層の前記第2面に設けられ、第3窒化物半導体を含む第3バリア層と、
    前記第3バリア層の前記チャネル層側とは反対側に設けられたゲート電極と、
    前記ゲート電極の両側に設けられ、前記チャネル層と接続されるソース電極及びドレイン電極と
    を有し、
    前記ゲート電極は前記第1電極であり、前記ソース電極又は前記ドレイン電極は前記第2電極であり、
    前記スペーサ層及び前記第2バリア層は、前記ソース電極から前記ゲート電極までの領域に設けられ、
    前記第3バリア層は、前記ゲート電極から前記ドレイン電極までの領域に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。
  6. (000-1)面の第1面を有し、第1窒化物半導体を含む第1バリア層の、前記第1面に、GaNを含むチャネル層を形成する工程と、
    前記チャネル層の前記第1バリア層側とは反対側の第2面に、InGa1-xN(0<x<1)を含むスペーサ層を形成する工程と、
    前記スペーサ層の前記チャネル層側とは反対側の第3面に、第2窒化物半導体を含む第2バリア層を形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. (000-1)面の第1面を有し、第1窒化物半導体を含む第1バリア層と、
    前記第1バリア層の前記第1面に設けられ、GaNを含むチャネル層と、
    前記チャネル層の前記第1バリア層側とは反対側の第2面に設けられ、InGa1-xN(0<x<1)を含むスペーサ層と、
    前記スペーサ層の前記チャネル層側とは反対側の第3面に設けられ、第2窒化物半導体を含む第2バリア層と
    前記チャネル層の、前記スペーサ層及び前記第2バリア層が設けられる側に設けられた第1電極及び第2電極と
    を有し、
    前記第1電極はショットキー電極又は絶縁膜を介して設けられた電極であり、前記第2電極はオーミック電極である半導体装置を備えることを特徴とする電子装置。
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