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JP7491962B2 - 車両の補強構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の補強構造に関する。
従来、車両の補強構造としては、サイドシルの剛性を向上させて、スライドドアのロアレールの荷重を支えることができるようにした車体構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の車体構造は、スライドドアのロアレールを収納するロアレール収納部の壁部に、サイドシルを補強する補強部材のフランジ部を車両前後方向に重ねて接合することで、サイドシルの剛性を向上させている。
国土交通省は、車両の安全基準を定めた「道路運送車両の保安基準」に、電柱などの側面衝突(以下、「側突」という。)の乗員保護基準を新設するなど改正をして公布、施行した。電柱などの側突の新設された乗員保護基準では、直径254mmの電柱を模したポールとの衝突速度が26km/hから32km/h、衝突角度が90度から75度に、引き上げて衝突試験を実施するように規定された。
このほか、この道路運送車両の保安基準」では、「ダミーにかかる衝撃の入力値が一定値以下であること」、「ドアが外れないこと」、「衝突後の燃料漏れが一定量以下であること」等を義務づけている。
特開2018-114918号公報
近年、社会的により安全な車が求められており、さらなる改良が望まれている。従来の車体構造等においては、側突時の速度等を引き上げてサイドシルの侵入量が増加した場合であっても、変形したサイドシルが、車幅方向内側に所望範囲以上に入り込み過ぎないように抑制できるようにすることが望ましい。
そこで、本発明は、側突時に衝突荷重を受けるサイドシルの衝突領域が車体内側に入り込み過ぎるのを抑えることができる車両の補強構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、車幅方向の車外側に向かって開口する開口部を有する断面略コ字状のサイドシルインナと、前記開口部を覆うように設けられるサイドシルアウタと、前記サイドシルインナと前記サイドシルアウタとに挟まれ、前記開口部を覆う補強部材と、を有するサイドシルを備えた車両の補強構造であって、前記サイドシルは、前記サイドシルの延設方向に沿って移動するスライドドアのロアレールを収納するレール収納部を支持しており、前記補強部材は、前記開口部の上下方向の両方の端部に接続した第1補強部と、前記レール収納部の前後方向の一方の端部にのみ接続した第2補強部と、前記開口部の下端部に設けられた前記第1補強部と、前記第2補強部との間に、前後方向に延びる前記サイドシルに対して斜めに形成された傾斜縁部と、を有し、前記第2補強部は、前記開口部の下端部よりも上方に配置され、前記傾斜縁部は、下側の前記第1補強部から前記第2補強部に向かうほど前記開口部の下端部から離れるように傾斜している
本発明は、側突時に衝突荷重を受けるサイドシルの衝突領域が車体内側に入り込み過ぎるのを抑えることができる車両の補強構造を提供することができる。
本発明の実施形態に係る車両の補強構造の一例を示す側面図である。 図1のA部拡大図である。 レール収納部を示す要部拡大斜視図である。 補強部材の設置状態を示す要部拡大斜視図である。 補強部材の拡大側面図である。 図2のVI-VI拡大第断面図である。 車両が側突したときの補強部材の状態を示す要部拡大側面図である。 車両が側突したときのタンク付近の状態を示す要部拡大底面図である。 車両が側突する前のサイドシルの平常時の状態と、車両が側突したときのサイドシルの侵入量と、を示す説明図である。
以下、図1~図9に基づき本発明の実施形態に係る車両Cの補強構造の一例を説明する。
なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図1に示す車両Cの進行方向を「前」、後退方向を「後」、鉛直上方側を「上」、鉛直下方側を「下」、車幅方向を「左」、「右」として説明する。
まず、本発明の実施形態に係る車両Cの補強構造が適用される車両Cについて説明する。
≪車両≫
車両は、車体側部1dに可動可能に支持されたドア(図示省略)と、ドアが開閉自在に配置されたドア開口部1aと、車体側部1dの略中央部に設けられたセンタピラー2と、ドア開口部1aの下枠部を形成するサイドシル3と、を有する。つまり、車両Cは、車体側部1dに、センタピラー2と、サイドシル3と、を有していればよく、その形式及び種類は特に限定されない。
≪車体≫
図1に示すように、車体1の左右両側の車体下部には、例えば、左右一対のサイドシル3と、左右一対のフロントピラー11と、等が略左右対称に設置されている。また、ドア開口部1aには、サイドシル3の延設方向に沿ってスライド移動して、ドア開口部1aを開閉するスライドドア(図示省略)が備えられている。車体1の下部は、略左右対称であるため、以下、車体1の左右の一方側を主に説明して、車体1の左右の他方側の説明を適宜省略する。
≪車両の補強構造≫
車両Cの補強構造は、側突時に衝突荷重F1(図8及び図9参照)を受けるサイドシル3の衝突領域が車体内側に入り込み過ぎるのを抑えるための車体構造である。車両Cの補強構造は、側突時のサイドシル3の侵入量C1(図9参照)を減らすために車体全体の剛性を上げるのではなく、サイドシル3の閉断面を潰して侵入量C1を減らすようにした構造である。
図4に示すように、車両Cの補強構造は、サイドシルインナ31と、サイドシルアウタ32(図3参照)と、サイドシルインナ31とサイドシルアウタ32との間に配置されてサイドシル3を補強する補強部材33と、を有するサイドシル3を備えて構成されている。前記侵入量C1(図9参照)を減らす手法としては、図5に示す補強部材33の後端部下側に形成された三角形状のカット部33kと、補強部材33に形成された複数の開口33hと、を切断している。これにより、補強部材33が脆弱になるので、サイドシル3は、側突時に、口開き変形が促進されるので、従来よりも潰れ易くなり、潰れることで衝突荷重F1(図8及び図9参照)を吸収するため、側突箇所の車幅方向内側への侵入量C1(図8及び図9参照)を減少させている。
サイドシル3の補強部材33が設置されていない箇所は、補強部材33が無いので、補強部材33がある箇所と比較して、側突時に、サイドシル3が口開き変形し易くなっているため、口開き変形することで、衝突荷重F1(図8及び図9参照)を吸収する構造になっている。
≪センタピラー≫
図1に示すように、センタピラー2は、前席側のドア開口部1aの後枠部、及び、後席側のドア開口部1aの前枠部を形成するフレーム部材である。図3及び図4に示すように、センタピラー2は、車外側に配置されるセンタピラーアウタ22と、車内側に配置されるセンタピラーインナ21と、を備えて構成されている。センタピラー2は、センタピラーアウタ22と、センタピラーインナ21と、を車幅方向に重ねて接合することで、上下方向に延びる閉断面を形成している。センタピラー2は、サイドシル3の中央部の接続部1bに垂直に接合されて、その接続部1bから上方に配置されたルーフサイドレール(図示省略)まで延設されている。
<センタピラーインナ>
図4に示すように、センタピラーインナ21は、センタピラー2の内側面を構成する部材である。センタピラーインナ21の下端部は、サイドシルインナ31の内側に接合されている。センタピラーインナ21は、横断面視して略凹部形状の金属製板部材から成る。
<センタピラーアウタ>
図2及び図3に示すように、センタピラーアウタ22は、センタピラー2の外側面を構成する部材である。センタピラーアウタ22の下端部は、サイドシルアウタ32の外面に接合されている。センタピラーアウタ22は、横断面視して略凹部形状の金属製板部材から成る。
≪サイドシル≫
図1に示すように、サイドシル3は、フロントピラー11の下端部からリヤホイールハウス12の前端までの間に、前後方向に延設されたフレーム部材である。図4または図6に示すように、サイドシル3は、車内側のサイドシルインナ31と、車外側のサイドシルアウタ32と、補強部材33と、バルクヘッド34と、ロアレール5と、レール収納部6と、を備えて成る。
図6に示すように、サイドシル3は、サイドシルインナ31と、サイドシルアウタ32と、を車幅方向に接合することで、縦断面視して略ロ字形状(閉断面を形成する形状)の中空構造を形成している。図4に示すように、サイドシル3は、サイドシル3の延設方向に沿って移動するスライドドア(図示省略)のロアレール5を収納するレール収納部6を支持している。サイドシルインナ31とサイドシルアウタ32(図6参照)との間には、サイドシル3を補強する補強部材33と、バルクヘッド34と、を備えている。
<サイドシルインナ>
図6に示すように、サイドシルインナ31は、サイドシル3の車室側を形成する内側半体である。サイドシルインナ31は、車幅方向の車外側に向かって開口する開口部31aを有する断面視で略コ字状(略ハット形状)の部材から成る。サイドシル3の前端と後端との間において、サイドシルインナ31の上端部には、サイドシルインナ上フランジ31bが形成され、サイドシルインナ31の下端部には、サイドシルインナ下フランジ31cが形成されている。
また、図4または図8に示すように、サイドシルインナ31には、センタピラーインナ21の下端部と、フロアパネル7の車幅方向外側端部と、フロアクロスメンバ8の車幅方向外側端部と、が接合されている。図4に示すように、サイドシルインナ31は、センタピラー2との接続部1b近傍から前側のコーナー部1cに亘って、サイドシルインナ上フランジ31b及びサイドシルインナ下フランジ31cに第1補強部33a,33bが接合されている。
<サイドシルアウタ>
図6に示すように、サイドシルアウタ32は、サイドシル3の車外側を形成する外側半体である。サイドシルアウタ32は、断面視で略コ字状(略ハット形状)の部材から成る。サイドシルアウタ32は、サイドシルインナ31の開口部31aを覆うように配置されている。サイドシルアウタ32の上端部には、サイドシルアウタ上フランジ32aが形成され、サイドシルアウタ32の下端部には、サイドシルアウタ下フランジ32bが形成されている。図2及び図3に示すように、サイドシルアウタ32のセンタピラーアウタ22との接続部1bには、荷重を分散させるためのV溝部32cが形成されている。
≪補強部材≫
図4に示すように、補強部材33は、サイドシル3を補強するための金属製板部材である。補強部材33は、特に、サイドシルインナ31とセンタピラー2との接続部1b近傍から車両前方にかけてのコーナー部1cに亘って配置されている。このため、コーナー部1cは、補強部材33によって補強されている。図6に示すように、補強部材33は、サイドシルインナ31とサイドシルアウタ32とに挟まれ、開口部31aを覆うようにして、センタピラー2とサイドシル3との連結部に配置されている。
図5に示すように、補強部材33は、正面視して略七角形の金属製板部材によって形成されている。補強部材33は、第1補強部33a,33bと、第2補強部33cと、傾斜縁部33dと、フランジ部33fと、開口33hと、カット部33kと、稜線33mと、を有している。
<第1補強部>
図5または図6に示すように、第1補強部33a,33bは、補強部材33において、サイドシルインナ31の開口部31aの上下方向の両方の端部に接続したフランジである。上側の第1補強部33aは、サイドシルインナ上フランジ31bとサイドシルアウタ上フランジ32aとで挟持されて接合されていることで、補強されている。また、下側の第1補強部33bは、サイドシルインナ下フランジ31cとサイドシルアウタ下フランジ32bとで挟持されて接合されていることで、補強されている。第1補強部33a,33bと補強部材33の本体との境界部位は、段差状に折り曲げて形成された稜線33mが前後方向にそれぞれ延設されて補強されている。また、図4に示すように、上側の第1補強部33aは、サイドシルインナ31とセンタピラー2との接続部1bの近傍から車両前方にかけてのコーナー部1cをサイドシルインナ31及びサイドシルアウタ32に接合して補強している。
このため、センタピラー2とサイドシル3との接続部1bは、補強部材33によって補強されて、所望の強度を得ることができるようになっている。
<第2補強部>
図4または図5に示すように、第2補強部33cは、レール収納部6の前後方向の一方の端部(側端部)にのみ接続して、レール収納部6に接合されるフランジである。第2補強部33cは、レール収納部6の前端部に突き当たった状態で接合されるように、平面視して補強部材33の後端部をL字状に折り曲げて形成されている。図5に示すように、第2補強部33cの上下方向の寸法L4は、第1補強部33a,33bの上下方向の寸法L3よりも小さく形成されている。
図4に示すように、第2補強部33cは、第1補強部33a,33bから幅狭になりながらレール収納部6に向かって延びてレール収納部6に突き当たって接続されている。このため、補強部材33は、第1補強部33a,33bよりも後側の部分が、サイドシルインナ31及びサイドシルアウタ32の上フランジ及び下フランジから離間して接合されていない。よって、補強部材33の第1補強部33a,33bよりも後側の箇所は、第1補強部33a,33bがある箇所と比較して、剛性が弱く、サイドシルインナ31が側突時に口開き変形し易くなっている。
また、レール収納部6は、補強部材33の第2補強部33cに接合されていることで、ロアレール5及びスライドドア(図示省略)の荷重を、補強部材33によって支えてサイドシル3に伝達することが可能になっている。
<傾斜縁部>
図5に示すように、傾斜縁部33dは、下側の第1補強部33bと、第2補強部33cとの間に、前後方向に延びるサイドシル3に対して斜め後上がりに形成されている縁部である。傾斜縁部33dは、補強部材33に三角形のカット部33kをカットすることで形成されている。傾斜縁部33dは、サイドシルインナ31、サイドシルアウタ32等の部材に接合されていない。また、傾斜縁部33dに対向する上側の第1補強部33aと、フランジ部33fとの間もサイドシル3に接合されていない。このため、補強部材33は、傾斜縁部33d、カット部33k等の接合されていない箇所が形成されていることで、補強部材33の後側部分の強度が弱く、側突時に、第2補強部33c付近で、サイドシルインナ31が上下に開き易くなっている。
<フランジ部>
図5に示すように、フランジ部33fは、補強部材33の後側端部を横断面視して略L字状に折り曲げて形成されている。フランジ部33fは、側面視して鈍角に折り曲がった形状に形成されている。そのフランジ部33fの下側寄りの垂直に形成された部分(補強部材33の後端部)には、第2補強部33cが形成されている。補強部材33は、フランジ部33fの上端、及び、下側の第1補強部33bの後端から第2補強部33cに向かって上下方向の幅が徐々に狭くなるように形成されている。
<開口>
前記した開口33hは、補強部材33を打ち抜いて形成することで、補強部材33を軽量化するための肉抜き孔、あるいは、サイドシルインナ31をセンタピラーインナ21に接続する際、溶接トーチ(図示省略)を挿入して溶接するための孔である。開口33hは、補強部材33の複数個所に適宜な間隔で形成された大小の上下方向に長い長孔から成る。
<カット部>
カット部33kは、傾斜縁部33dの下側を切断することで、側突時にかかる応力を分散させて、側突時にサイドシルインナ31が口開き変形する口開き量L2(図7参照)を、側突前の口開き量L1(図4参照)よりも大きくするための部位である。カット部33kは、補強部材33の下端部の後側寄りの位置に形成されている。図4に示すように、補強部材33は、カット部33kの大きさを調整して、下側の第1補強部33bにおける接合部の接合範囲を制御することで、サイドシルインナ31の口開き変形を促進させて、口開き量L2(図7参照)を調整することが可能になっている。また、補強部材33は、カット部33kと複数の貫通孔が形成されていることで、小型軽量化されている。
<稜線>
図5に示すように、稜線33mは、第1補強部33a,33bを補強するための箇所である。稜線33mは、上側の第1補強部33aの下端部と、下側の第1補強部33bの上端部と、を段差状に折り曲げて形成されることによって補強されている。
≪バルクヘッド≫
図4に示すように、バルクヘッド34は、サイドシル3の中空部を前後に仕切る金属板製の補強部材である。バルクヘッド34は、サイドシル3の中空部内において、センタピラーインナ21の後端部から後方に離間して配置されている。バルクヘッド34は、衝突の際に、サイドシルインナ31とサイドシルアウタ32とが分離するのを防止する機能を果す。バルクヘッド34は、上側フランジ34aと、下側フランジ34bと、接合片34cと、仕切面34dと、を有している。
仕切面34dは、サイドシルインナ31内を前後に区画するように配置されたバルクヘッド本体である。
上側フランジ34aは、仕切面34dの外周縁から上方向に延設されて、サイドシルインナ上フランジ31bに接合される突出片である。
下側フランジ34bは、仕切面34dの外周縁から下方向に延設されて、サイドシルインナ下フランジ31cに接合される突出片である。
接合片34cは、仕切面34dの外周部を前後方向に折曲形成されて、サイドシルインナ31の内壁に接合される突出片である。
≪レール収納部≫
図4に示すように、レール収納部6は、車外側を開放して縦断面視してハット形状に形成すると共に、前側の一部を車室内に位置するフロアパネル7(図8参照)の下側方向へ突出させて袋状に形成されている。このレール収納部6の内側面上側には、スライドドアのロアレール5が敷設されている。そして、このロアレール5に沿ってガイドローラ(図示省略)を転動させて、スライドドア(図示省略)は、車両前後方向にスライド移動して、ドア開口部1aを開閉するように構成されている。
≪フロアパネル、フロアフレーム及びフロアクロスメンバ≫
図8に示すフロアパネル7は、車室のフロア面を形成する金属製板部材である。フロアパネル7は、左右のサイドシル3間に架設されている。
フロアフレーム9は、フロアパネル7を下側から保持する縦断面視して略ハット形状の金属製フレーム部材である。フロアフレーム9は、例えば、前端側がフロントサイドフレーム(図示省略)の後部に連結され、後端側がフロアクロスメンバ8に連結されている。
フロアクロスメンバ8は、左右のサイドシル3間に架設された縦断面視して略ハット形状の金属製フレーム部材である。フロアクロスメンバ8は、燃料タンクTの前後に、車幅方向に延設された二本の部材から成る。
≪燃料タンク≫
燃料タンクTは、例えば、左右のサイドシル3間に適宜な間隔を介在して配置されている。燃料タンクTは、前端部を前側のフロアクロスメンバ8に固定し、後端部を後側のフロアクロスメンバ8に固定すると共に、前後のフロアクロスメンバ8に架設されたタンク保持バンド部材Taによって保持されている。
[車両の補強構造の作用]
本実施形態に係る車両Cの補強構造は、基本的に以上のように構成されるものである。次に、図1~図9を参照しながら本発明の実施形態に係る車両Cの補強構造の作用を、車両Cが電柱を模したポールに側突した場合を例に挙げて、特許文献1に記載された車体構造と比較しながら説明する。
図4に示すように、サイドシルインナ31とセンタピラー2との接続部1b近傍から車両前方にかけてのコーナー部1cは、補強部材33が接合されて補強されている。このため、センタピラー2とサイドシル3との連結部は、補強部材10によって補強されて、所望の強度を有している。
その補強部材33は、上下の第1補強部33a,33bがサイドシルインナ31とサイドシルアウタ32(図6参照)とに挟まれた状態で接合されて、開口部31aの上下を繋ぐように配置されて、コーナー部1cの下方のサイドシル3を部分的に補強している。
また、補強部材33は、上下の第1補強部33a,33bから後端の第2補強部33cに向かって徐々に上下方向の幅が狭くなるように形成されて、後端の第2補強部33cがレール収納部6に接合されて、レール収納部6を保持している。
図5に示すように、補強部材33は、下側の第1補強部33bから後端の第2補強部33cに亘って、三角形状のカット部33kを切断することで、傾斜縁部33dが形成されて、補強部材33全体が小型化されている。
また、補強部材33は、傾斜縁部33dが形成されていることで、図6に示すように、補強部材33の下側の後側部分にサイドシルインナ31及びサイドシルアウタ32に溶接されていない。このため、補強部材33は、傾斜縁部33dがサイドシルインナ31及びサイドシルアウタ32によって支持されていないため、補強部材33の後端部寄りの部分が脆弱状態になっている。その結果、サイドシルインナ31の開口部31aの上下方向への開きが拘束されていない。
通常時、センタピラー2の下方のサイドシルインナ31は、口開き量L1(上下方向の長さ)が図4に示す長さになっている。
図7または図8に示すように、車両Cは、電柱を模したポールに側突した場合、サイドシル3が、ポールによって車幅方向位置側方向に衝突荷重F1がかかり、衝突荷重F1によって押圧されて圧潰される。
図7に示すように、サイドシルインナ31の補強部材33の第1補強部33a,33bが接合されたコーナー部1cは、補強部材33によって開口部31aが覆われた状態になっているので、側突に対する剛性が向上されている。つまり、車両Cのポールに側突する箇所は、補強部材33で補強されている。
補強部材33の第1補強部33a,33bの後側部分は、第1補強部33a,33bからレール収納部6に向かって幅狭で、脆弱な傾斜縁部33d(カット部33k(図5参照))が形成されている。このため、側突時に、上下の第1補強部33a,33bよりも後側の部分(傾斜縁部33d)は、図9に示すように、上下方向に長くなるように、口開き変形することで、側突時にかかる応力を分散させることができるため、適度な接地点横剛性、ねじり剛性及び曲げ剛性を保つことができる。
図7に示すように、サイドシルインナ31の補強部材33よりも後側部分は、補強部材33が無いため、口開き変形が促進されて、補強部材33がある箇所よりも大きく口開き変形して衝突荷重F1(図8参照)を吸収する。サイドシルインナ31の口開き量L2は、特許文献1に記載の略台形形状の補強部材の口開き量よりも大きい。
このように、サイドシルインナ31は、側突時の口開き量L2が大きくなるように潰れ易くしたことで、側突時に口開き変形して衝突荷重F1を吸収する。このため、図8及び図9に示すように、側突時の車幅方向内側への侵入量C1を、特許文献1に記載のサイドシルの侵入量よりも小さくすることができる。
以上のように本発明は、図4あるいは図6に示すように、車幅方向の車外側に向かって開口する開口部31aを有する断面略コ字状のサイドシルインナ31と、開口部31aを覆うように設けられるサイドシルアウタ32と、サイドシルインナ31とサイドシルアウタ32とに挟まれ、開口部31aを覆う補強部材33と、を有するサイドシル3を備えた車両Cの補強構造であって、サイドシル3は、サイドシル3の延設方向に沿って移動するスライドドア(図示省略)のロアレール5を収納するレール収納部6を支持しており、補強部材33は、開口部31aの上下方向の両方の端部に接続した第1補強部33a,33bと、レール収納部6の前後方向の一方の端部にのみ接続した第2補強部33cと、を有する。
かかる構成によれば、本発明の車両C(図1参照)の補強構造は、図6に示すように、サイドシルインナ31とサイドシルアウタ32とに挟まれ、サイドシルインナ31の開口部31aを覆う補強部材33を有して補強されている。このため、補強部材33は、側突時に衝突荷重F1を受けるサイドシル3の衝突領域が車体内側に入り込み過ぎるのを抑えることができる。
図4に示すように、補強部材33は、サイドシルインナ31の開口部31aの上下方向の両端部に接続した第1補強部33a,33bと、レール収納部6の前後方向の一方の端部にのみ接続した第2補強部33cと、を有している。このように補強部材33は、第2補強部33cをサイドシルインナ31に接続していないので、サイドシルインナ31が上下方向に変形し易くなっている。このため、補強部材33は、側突時のサイドシルインナ31の口開き変形を促進して衝突荷重F1を吸収することができるため、図8に示すように、側突時の車幅方向内側への侵入量C1を減少させて、変形したサイドシル3が、車幅方向内側に所望範囲以上に入り込み過ぎないように抑制することができる。
また、図4に示すように、第2補強部33cは、第1補強部33a,33bからレール収納部6に向かって幅狭になりながら延びてレール収納部6に突き当たって接続されている。
かかる構成によれば、図4に示す補強部材33は、第2補強部33cによって、レール収納部6に接続されている。このため、補強部材33は、ロアレール5及びスライドドア(図示省略)を支えているレール収納部6をしっかりと保持することができる。また、補強部材33は、第1補強部33a,33bからレール収納部6に向かって幅狭に形成されていることで、面積が小さくなっているため、軽量化を図ることができる。
また、図4に示すように、第1補強部33a,33bは、サイドシルインナ31とセンタピラー2との接続部1bの近傍から車両前方にかけてのコーナー部1cを補強している。
かかる構成によれば、補強部材33は、第1補強部33a,33bにより、サイドシルインナ31とセンタピラー2との接続部1bからコーナー部1cを補強していることで、センタピラー2とサイドシル3との接続箇所の強度を向上させてしっかりと固定させることができる。
また、図4に示すように、補強部材33は、開口部31aの下端部に設けられた第1補強部33bと、第2補強部33cとの間に、前後方向に延びるサイドシル3に対して斜めに形成された傾斜縁部33dを有し、傾斜縁部33dは、サイドシルインナ31のサイドシルインナ下フランジ31c(下フランジ)及びサイドシルアウタ32のサイドシルアウタ下フランジ32b(下フランジ)から上下方向に離間している。
かかる構成によれば、補強部材33は、第1補強部33bと、第2補強部33cとの間に、サイドシルインナ下フランジ31c及びサイドシルアウタ下フランジ32bから上下方向に離間している傾斜縁部33dを有している。このため、補強部材33は、図9に示すように、傾斜縁部33dがサイドシルインナ31及びサイドシルアウタ32に接合されていないので、側突時に、傾斜縁部33dを形成した箇所が変形して衝突荷重F1を吸収することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
例えば、前記実施形態では、本発明の一例として乗用車を例に挙げて説明したが、センタピラー2と、サイドシル3とを有した車両Cであればよく、作業車等であってもよい。
1 車体
1b 接続部
1c コーナー部
2 センタピラー
3 サイドシル
5 ロアレール
6 レール収納部
31 サイドシルインナ
31a 開口部
31c サイドシルインナ下フランジ(下フランジ)
32 サイドシルアウタ
32b サイドシルアウタ下フランジ(下フランジ)
33 補強部材
33a,33b 第1補強部
33c 第2補強部
33d 傾斜縁部
C 車両
L3 第1補強部の上下方向の寸法
L4 第2補強部の上下方向の寸法

Claims (4)

  1. 車幅方向の車外側に向かって開口する開口部を有する断面略コ字状のサイドシルインナと、
    前記開口部を覆うように設けられるサイドシルアウタと、
    前記サイドシルインナと前記サイドシルアウタとに挟まれ、前記開口部を覆う補強部材と、
    を有するサイドシルを備えた車両の補強構造であって、
    前記サイドシルは、前記サイドシルの延設方向に沿って移動するスライドドアのロアレールを収納するレール収納部を支持しており、
    前記補強部材は、
    前記開口部の上下方向の両方の端部に接続した第1補強部と、
    前記レール収納部の前後方向の一方の端部にのみ接続した第2補強部と、
    前記開口部の下端部に設けられた前記第1補強部と、前記第2補強部との間に、前後方向に延びる前記サイドシルに対して斜めに形成された傾斜縁部と、
    を有し、
    前記第2補強部は、前記開口部の下端部よりも上方に配置され、
    前記傾斜縁部は、下側の前記第1補強部から前記第2補強部に向かうほど前記開口部の下端部から離れるように傾斜している
    車両の補強構造。
  2. 前記補強部材は、前記第1補強部と前記第2補強部との間が、前記第1補強部から前記レール収納部に向かって幅狭になりながら延びており、
    前記第2補強部は、前記レール収納部に突き当たって接続されている
    請求項1に記載の車両の補強構造。
  3. 前記第1補強部は、前記サイドシルインナとセンタピラーとの接続部の近傍から車両前方にかけてのコーナー部を補強している
    請求項1または請求項2に記載の車両の補強構造。
  4. 前記傾斜縁部は、前記サイドシルインナの下フランジ及び前記サイドシルアウタの下フランジから上下方向に離間している
    請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の車両の補強構造。
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