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JP7319618B2 - 半導体発光装置 - Google Patents

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JP7319618B2
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Description

実施形態は、半導体発光装置に関する。
発光ダイオードなどの半導体発光素子には、高い発光効率が求められる。
特開2007-201040号公報
実施形態は、発光効率の高い半導体発光装置を提供する。
実施形態に係る半導体発光装置は、形の第1半導体層と、前記第1半導体層上に設けられた形の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を備える。前記発光層は、複数の量子井戸層と、前記複数の量子井戸層のそれぞれに隣接する障壁層と、を含む。前記複数の量子井戸層は、前記第1半導体層の材料の格子定数よりも大きい格子定数を有する材料を含み、前記第1半導体層から前記第2半導体層に向かう方向に並び、第1量子井戸層と、前記第2半導体層側において前記第1量子井戸層に隣接する第2量子井戸層と、を含む。前記障壁層は、前記第1量子井戸層と前記第2量子井戸層との間に設けられ、第1領域と、前記第1領域に接続されたp形の第2領域と、を含み、前記第2領域は、前記第1量子井戸層と前記第1領域との間に位置し、前記第1量子井戸層に接続され、前記第1領域と前記第2量子井戸層との間には設けられない。前記障壁層の前記第1領域は、前記量子井戸層の材料よりもバンドギャップが広く、前記第1半導体層の材料の格子定数よりも小さい格子定数を有する材料を含む。前記障壁層の前記第2領域は、前記第1領域の材料よりもバンドギャップが広い材料を含み、前記第1半導体層から前記第2半導体層に向かう前記方向において10ナノメートル以下の厚さを有し、2×10 17 cm -3 以下の濃度の炭素を含む
実施形態に係る半導体発光装置を示す模式断面図である。 実施形態に係る半導体発光装置の材料を示す模式図であり、GaAsに近い物性を有する直接遷移型バンド構造の混晶を示している。 実施形態に係る半導体発光装置の発光層のバンド構造を示す模式図である。 実施形態に係る半導体発光装置の特性を示すグラフである。 実施形態に係る半導体発光装置の特性を示す別のグラフである。
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。図面中の同一部分には、同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
図1(a)および(b)は、実施形態に係る半導体発光装置1を示す模式断面図である。図1(a)は、半導体発光装置1の構造を示す断面図である。図1(b)は、半導体発光装置1の発光層の構造を示す断面図である。半導体発光装置1は、例えば、発光ダイオード(LED)である。
図1(a)に示すように、半導体発光装置1は、半導体部100と、第1電極110と、第2電極120と、を備える。半導体部100は、第1電極110と第2電極120との間に設けられる。
半導体部100は、第1導電形の半導体基板10と、第1導電形の第1半導体層20と、発光層30と、第2導電形の第2半導体層40と、第2導電形の第3半導体層50と、を含む。第1半導体層20、発光層30、第2半導体層40および第3半導体層50は、半導体基板10上に順に積層される。半導体基板10は、例えば、n形GaAs基板である。
第1半導体層20は、例えば、n形AlGaAs層である。第1半導体層20は、半導体基板10の上に形成される。発光層30および第2半導体層40は、第1半導体層20上に積層される。発光層30は、第1半導体層20と第2半導体層40との間に設けられる。発光層30は、少なくとも1つの量子井戸を含む。第2半導体層40は、例えば、p形AlGaAs層である。
第3半導体層50は、第2半導体層40上に設けられる。第3半導体層50は、例えば、p形GaAs層である。
第1電極110は、半導体基板10の裏面上に設けられる。第1電極110は、半導体基板10に電気的に接続される。第1電極110は、例えば、ゲルマニウム(Ge)、ニッケル(Ni)、金(Au)などを含む金属層である。
第2電極120は、第3半導体層50上に設けられる。第2電極120は、第3半導体層50に電気的に接続される。第2電極120は、例えば、クロム(Cr)、金(Au)などを含む金属層である。
半導体発光装置1は、第2半導体層40から第1半導体層20に順方向電流が流れるダイオードである。半導体発光装置1は、例えば、第2電極120と第1電極110との間に順方向電流を流すことにより、発光層30に電子と正孔とを注入し、その再結合により生じた光を外部に放出する。
図1(b)に示すように、発光層30は、第1半導体層20と第2半導体層40との間に設けられる。発光層30は、例えば、量子井戸層33と、障壁層35と、を含む。障壁層35は、量子井戸層33に隣接して設けられる。発光層30は、少なくとも1つの量子井戸層33を含む。この例では、発光層30は、4つの量子井戸層33を含む。量子井戸層33は、例えば、3元化合物半導体InGaAsを含む。
障壁層35は、例えば、第1領域35aと、第2領域35bと、を含む。第2領域35bは、量子井戸層33と第1領域35aとの間に設けられる。第2領域35bは、例えば、第1半導体層20から第2半導体層40へ向かう積層方向において、量子井戸層33の両側に位置する2つの第1領域35aのうちの1つと、量子井戸層33との間に設けられる。
例えば、積層方向において、第1領域35aの幅は、第2領域35bの幅よりも広い。第1領域35aは、例えば、3元化合物半導体GaAsPを含み、第2領域35bは、例えば、4元化合物半導体AlGaAsPを含む。
図2は、実施形態に係る半導体発光装置1の材料を示す模式図である。図2は、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、ヒ素(As)およびリン(P)を材料とする3-5族化合物半導体の格子定数とバンドギャップエネルギー(以下、バンドギャップ)との関係を示す図である。図2中に示す化合物半導体材料は、直接遷移型のバンド構造を有する。横軸は、格子定数(Å)であり、縦軸は、バンドギャップ(eV)である。
図2の中央にGaAsが示されている。GaAsから格子定数が大きくなる方向に、InGa1-xAsを示す線が記載されている。Inの組成比「x」が大きくなるにつれて、InGa1-xAsの格子定数が大きくなり、バンドギャップが狭くなる。
また、GaAsから格子定数が小さくなる方向に、GaAs1-yを示す線が記載されている。Pの組成比「y」が大きくなるにつれて、GaAs1-yの格子定数は小さくなり、バンドギャップが広くなる。
さらに、GaAsからバンドギャップが広くなる方向に、AlGa1-zAsを示す線が記載されている。Alの組成比「z」が大きくなるにつれて、AlGa1-zAsのバンドギャップが広くなる。AlGa1-zAsの格子定数は、Alの組成比「z」が大きくなるにつれて大きくなるが、その変化量は小さい。
量子井戸層33は、例えば、Inの組成比x=0.2のInGa1-xAsを含む。In0.2Ga0.8Asのバンドギャップは、約1.2eVであり、量子井戸層33は、シリコンフォトダイオードが感度を有する波長帯の光を放出する。In0.2Ga0.8Asの格子定数は、約5.73Åであり、GaAsの格子定数よりも大きい。
障壁層35の第1領域35aは、例えば、Pの組成比y=0.05のGaAs1-yを含む。GaAs0.950.05のバンドギャップは、約1,5eVであり、格子定数は、約5.64Åである。GaAs0.950.05の格子定数は、GaAsおよびIn0.2Ga0.8Asの格子定数よりも小さい。
障壁層35の第2領域35bは、例えば、AlGa1-zAs(0<z<1)またはAlGa1-zAs1-y(0<y<1、0<z<1)を含む。第2領域35bは、Alを加えた化合物半導体混晶を含み、第1領域35aのバンドギャップよりも広いバンドギャップを有する。
また、発光層30では、半導体基板10の材料と量子井戸層33の材料との間の格子定数の差に起因する結晶歪を、GaAs1-y混晶(0<y<1)と、AlGa1-zAs混晶(0<z<1)もしくはAlGa1-zAs1-y混晶(0<y<1、0<z<1)と、を含む障壁層35により補償する。
例えば、フォトカップラなどの光結合装置に用いられる発光ダイオードは、シリコンフォトダイオードが感度を有する1μm帯の波長を有する光を放出することが好ましい。1μm帯の発光ダイオードは、比較的安価なGaAs基板を用いて製作される。また、1μm帯の発光には、Inの組成比x=0.15~0.2を有するInGa1-xAs混晶を量子井戸層としたMQW(Multi-Quantum Well)が用いられる。しかしながら、そのようなInGaAs混晶は、GaAsの格子定数よりも大きな格子定数を有し、その差に起因した格子歪により、発光効率が低下する問題がある。
実施形態に係る発光層30では、GaAsの格子定数よりも小さい格子定数を有するGaAs1-y混晶と、AlGa1-zAs混晶もしくはAlGa1-zAs1-y混晶と、を用いて障壁層35を形成することにより、そのような格子歪を補償し、発光効率を向上させることができる。
図3(a)および(b)は、実施形態に係る半導体発光装置1の発光層30のハンド構造を示す模式図である。図3(a)は、実施形態に係る発光層30のバンド構造を示す模式図である。図3(b)は、比較例に係る半導体発光装置2の発光層のバンド構造を示す模式図である。発光層30内に注入されるキャリアの分布は、電子および正孔のうちの有効質量が小さく拡散長が長い電子により支配される。このため、図3(a)および(b)には、伝導帯Ecを示している。
図3(a)に示すように、発光層30の伝導帯Ecは、量子井戸層33と障壁層35との間のバンドギャップの違いに起因したエネルギーバンドの不連続、所謂、量子井戸を含む。例えば、量子井戸層33と障壁層35の第2領域35bとの間のエネルギー障壁は、量子井戸層33と障壁層35の第1領域35aとの間のエネルギー障壁よりも高い。2つのエネルギー障壁の違いは、量子井戸層33のInGaAsのバンドギャップとAlGaAsもしくはAlGaAsP混晶のバンドギャップとの差、および、InGaAsのバンドギャップとGaAsP混晶のバンドギャップとの差に起因する。
例えば、半導体発光装置1に順バイアスを印加すると、電子は、第1半導体層20から第2半導体層40に向かって移動する。第1半導体層20から発光層30に注入される電子は、量子井戸に捉えられ、第2半導体層40から発光層30へ注入される正孔(図示しない)と再結合する。これにより、所定の波長を有する光が、発光層30から放出される。
図3(b)に示す半導体発光装置2において、発光層中の障壁層35は、第2領域35bを有しない。このため、電子の移動方向における量子井戸層33と障壁層35の第1領域35aとの間のエネルギー障壁が低くなる。したがって、伝導帯Ecの量子井戸に捉えられた電子のうちの一部は、正孔と再結合することなく放出される。
これに対し、実施形態に係る半導体発光装置1では、障壁層35の第2領域35bを設けることにより、量子井戸層33と障壁層35との間のエネルギー障壁が、発光装置2に比べて高くなる。このため、量子井戸層33から障壁層35への電子の放出が抑制される。これにより、半導体発光装置1の発光層30では、注入キャリアの閉じ込めがより有効になり、発光効率を向上させることができる。
図4は、実施形態に係る半導体発光装置1の特性を示すグラフである。図4は、量子井戸層33の積層方向の幅と、発光強度の関係を示している。横軸は、量子井戸層33の幅および層数を示している。ここで、量子井戸層33の全幅(井戸数×層厚)は一定である。縦軸は、フォトルミネッセンス強度(PL発光強度)である。
図4に示すように、量子井戸層33の幅を4ナノメートル(nm)よりも狭くすると、PL発光強度は低下する。一方、量子井戸層33の幅が4nm~10nmの範囲では、PL発光強度は、一定である。すなわち、量子井戸層33の積層方向の幅は、4nm以上であることが好ましい。
図5(a)および(b)は、実施形態に係る半導体発光装置1の特性を示す別のグラフである。図5(a)は、半導体発光装置1の発光効率を表すグラフである。図5(b)は、比較例に係る半導体発光装置2の発光効率を表すグラフである。縦軸は、発光効率であり、横軸は、電流密度である。
半導体発光装置1の発光層30において、量子井戸層33は、例えば、積層方向の厚さ5nmを有し、In0.2Ga0.8As混晶を含む。また、発光層30は、4つの量子井戸層33を含む。障壁層35の第1領域35aは、例えば、積層方向の厚さ13nmを有し、GaAs0.950.05を含む。第2領域35bは、例えば、積層方向の厚さ2nmを有し、Al0.1Ga0.9As0.950.05を含む。
半導体発光装置2では、量子井戸層33は、積層方向の厚さ5nmを有し、In0.2Ga0.8Asを含む。量子井戸層33は、4つ設けられる。障壁層35は、第2領域35bを含まず、第1領域35aは、例えば、積層方向の厚さ15nmを有し、GaAs0.950.05を含む。
半導体発光装置1では、発光層30の伝導帯Ecが比較的高いエネルギー障壁を有するため(図3(a)参照)、量子井戸層33へのキャリアの閉じ込めがより有効となり、量子井戸層33内のキャリア密度が高くなる。さらに、障壁層35の第2領域35bを量子井戸層33に接するように設けることにより、量子井戸層33にキャリアを効果的に閉じ込めることができる。
図5(a)に示すように、半導体発光装置1は、電流密度7A/cmにおいて、発光効率の最大値を有する。半導体発光装置1の発光ピーク波長は、950nm、動作電圧は、1.32Vである。
図5(b)に示す半導体発光装置2は、電流密度30A/cmにおいて、発光効率の最大値を有する。半導体発光装置2の発光効率の最大値は、半導体発光装置1の発光効率の最大値よりも低い。
例えば、フォトカップラで用いられる発光ダイオードの駆動電流7A/cmの動作条件下において、半導体発光装置1の発光効率は最大となる。また、半導体発光装置1の発光効率の最大値も、半導体発光装置2に比べて大きい。すなわち、障壁層35に第2領域35bを設けることにより、発光効率を向上させ、電力消費を低減することができる。
なお、半導体発光装置1の動作電圧は、半導体発光装置2に比べて、約0.02V上昇するが、上昇幅が小さく、発光効率の上昇を伴うことから、その実用性に与える影響は小さい。
また、本実施形態の変形例として、AlGa1-zAs1-yに代えて、障壁層35の第2領域35bにAlGa1-zAsを用いることもできる。
例えば、量子井戸層33として、積層方向の厚さ5nmのIn0.2Ga0.8As混晶を用い、その層数を4とする。また、障壁層35の第1領域35aとして、例えば、積層方向の厚さ13nmのGaAs0.950.05混晶を用い、第2領域35bとして、例えば、積層方向の厚さ2nmのAl0.1Ga0.9As混晶を用いる。これにより、数A/cmの電流密度において、発光効率の最大値を有する半導体発光装置を得ることができる。
上記のように、実施形態に係る半導体発光装置1では、GaAsP混晶を用いた障壁層35の一部を、Alを含む混晶系に置き換えることによりバンドギャップを広げ、キャリアの閉じ込め効果を向上させる。この際、GaAsP混晶による歪補償効果は維持される。
上記の化合物半導体混晶は、例えば、トリメチルインジウム(TMI)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、アルシン(AsH)、ホスフィン(PH)などを原料とする有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いて形成される。
MOCVD法では、例えば、原料ガスを加熱されたGaAs基板上に供給し、熱分解させることにより、所望の混晶を成長させることができる。例えば、GaAs基板上にInGaAs混晶を成長させた場合、両者の格子不整合に起因した格子歪を含む結晶が堆積される。InGaAs混晶が厚くなるにつれて、この格子歪は大きくなり、弾性変形の臨界点を超えると歪緩和を起こし、結晶欠陥が生じる。このような結晶欠陥は、例えば、発光ダイオードの発光特性を劣化させる。
本実施形態では、GaAs基板上においてInGaAs混晶とは逆の格子歪を生じさせるGaAsP混晶を形成することにより、両者の格子歪を補償する積層構造が用いられる。例えば、MQW構造の量子井戸層33としてInGaAs混晶を用いる場合、GaAsP混晶はInGaAs混晶よりもバンドギャップが広いことから、障壁層35として用いられる。これにより、MQW構造を含む発光層30の格子歪を抑制し、結晶欠陥を低減することができる。
さらに、障壁層35の一部として、GaAsP混晶よりもバンドギャップが広いAl系混晶を加えることにより、キャリアの閉じ込め効果を向上させ、発光効率をより向上させることができる。
しかしながら、MOCVD法を用いて、Al系混晶、例えば、AlGa1-zAs1-yもしくはAlGa1-zAsを成長する過程において、原料に含まれる炭素原子Cが、アルミニウム原子Alと結合し、結晶中に取り込まれる問題がある(参考文献:Van Deelen et al.,"Parameter study of intrinsic carbon doping of AlxGa 1-xAs by OCVD". Journal of Crystal Growth, 271 (3-4), pp. 376-384. (2004))。
例えば、炭素原子Cは、結晶中においてアクセプタとして働き、MQWのエネルギーバンド構造を変化させる可能性がある。AlGa1-zAs1-y結晶をSIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy)を用いて分析したところ、炭素原子Cの濃度は、約2×1017cm-3であった。この濃度は、結晶の導電形をp形とするのに十分であり、MQW中に複数のpn接合を形成する可能性がある。このため、pn接合近傍の障壁層における電子の再結合確率が高くなり、量子井戸における発光再結合に寄与するキャリアを減少させる。その結果、発光層の発光効率が低くなり、且つ、半導体発光装置の動作電圧を上昇させる懸念がある。また、炭素原子Cは、非発光再結合を促進するバンド間準位となる可能性もある。
実施形態では、これらの不利益を回避するために、Al系混晶の積層方向の厚さを薄くして、炭素原子Cの含有量を低減する。例えば、動作電圧の上昇を0.10V以下に抑えるために、Al系混晶の厚さを10nm以下とすることが好ましい。また、発光効率への影響を抑制するために、Al系混晶の厚さを5nm以下とすることがより好ましい。
また、Al系混晶中の炭素濃度は、成長原料ガス中のTMI、TMG、TMAなどの3族原料と、AsHおよびPHなどの5族原料と、の比に依存する。例えば、原料ガス中の5族原料の割合が小さくなると、メタン(CH)として排出される炭素量が減少し、結晶中の炭素濃度が上昇する。したがって、MOCVDにおける5族原料の消費を抑制し、製造コストを低減するとしても、結晶中の炭素濃度が2×1017cm-3を超えないようにすることが好ましい。
実施形態は上記の例に限られるものでは無い。例えば、障壁層35のGaAs1-y混晶のPの組成比は、量子井戸層33のInGaAs混晶との格子歪補償を考慮した範囲において、膜厚と共に、適宜、調整可能である。また、Al混晶系のAl組成は、量子井戸へのキャリアの閉じ込め効果と動作電圧とを考慮したうえで、膜厚と共に、適宜、調整可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1、2…半導体発光装置、 10…半導体基板、 20…第1半導体層、 30…発光層、 33…量子井戸層、 35…障壁層、 35a…第1領域、 35b…第2領域、 40…第2半導体層、 50…第3半導体層、 100…半導体部、 110…第1電極、 120…第2電極、 Ec…伝導帯

Claims (4)

  1. 形の第1半導体層と、
    前記第1半導体層上に設けられた形の第2半導体層と、
    前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられ、複数の量子井戸層と、前記複数の量子井戸層のそれぞれに隣接した障壁層と、を含む発光層と、
    を備え、
    前記複数の量子井戸層は、前記第1半導体層の材料の格子定数よりも大きい格子定数を有する材料を含み、前記第1半導体層から前記第2半導体層に向かう方向に並び、第1量子井戸層と、前記第2半導体層側において前記第1量子井戸層に隣接する第2量子井戸層と、を含み、
    前記障壁層は、前記第1量子井戸層と前記第2量子井戸層との間に設けられ、第1領域と、前記第1領域に接続されたp形の第2領域と、を含み、
    前記第2領域は、前記第1量子井戸層と前記第1領域との間に位置し、前記第1量子井戸層に接続され、前記第1領域と前記第2量子井戸層との間には設けられず、
    前記障壁層の前記第1領域は、前記量子井戸層の材料よりもバンドギャップが広く、前記第1半導体層の材料の格子定数よりも小さい格子定数を有する材料を含み、
    前記障壁層の前記第2領域は、前記第1領域の材料よりもバンドギャップが広い材料を含み、前記第1半導体層から前記第2半導体層に向かう前記方向において10ナノメートル以下の厚さを有し、2×10 17 cm -3 以下の濃度の炭素を含む、半導体発光装置。
  2. 前記第1領域は、前記第1半導体層から前記第2半導体層に向かう前記方向の第1幅を有し、前記第2領域は、前記方向の第2幅を有し、前記第1幅は、前記第2幅よりも広い、請求項1記載の半導体発光装置。
  3. 前記複数の量子井戸層は、組成式InGa1-xAs(0<x<1)で表される3元混晶を含み、
    前記障壁層の前記第1領域は、組成式GaAs1-y(0<y<1)で表される3元混晶を含み、前記第2領域は、組成式AlGa1-zAs1-y(0<y<1、0<z<1)で表される4元混晶を含む、請求項1または2に記載の半導体発光装置。
  4. 前記複数の量子井戸層は、組成式InGa1-xAs(0<x<1)で表される3元混晶を含み、
    前記障壁層の前記第1領域は、組成式GaAs1-y(0<y<1)で表される3元混晶を含み、前記第2領域は、組成式AlGa1-zAs(0<z<1)で表される3元混晶を含む、請求項1または2に記載の半導体発光装置。
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