(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、第1の実施の形態では遊技機の一つであるスロットマシンについて説明するが、その他の遊技機であってもよい。以下の説明において、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
図1に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)100は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体111と、当該筐体111の前面側開口を開閉する前面扉112とを備えている。筐体111には、回転自在な第1リール131、第2リール132および第3リール133がユニット化されたリールユニット130と、メダルの払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉112は、上扉112aと下扉112bとに分割されており、これら上扉112aおよび下扉112bはそれぞれ筐体111に対して開閉自在となっている。
上扉112aには、液晶ディスプレイ113、スピーカ114等の演出用の装置、および表示窓115が設けられている。液晶ディスプレイ113には、各種演出用の画像(動画、静止画)が表示される。スピーカ114からは、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)が出力される。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ113やスピーカ114の他にランプ(LED)等の電飾装置(照明装置)、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等を設けてもよい。
表示窓115の奥には、リールユニット130が、その一部が表示窓115の外から視認可能となるように配置されている。第1リール131、第2リール132、および第3リール133の外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配置されており、各リール131,132,133が停止すると、表示窓115を介して1リール当たり3個の連続する図柄が表示される。また、表示窓115には、各リール131,132,133の図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール131,132,133の表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施の形態の遊技機では、第1リール131の中段と、第2リール132の中段と、第3リール133の中段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施の形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。
スロットマシン100では、遊技開始に伴って各リール131,132,133が回転を開始するとともに当選役抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、各リール131,132,133が停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
下扉112bには、メダルを投入するメダル投入口121、クレジットされたメダルをベットするためのMAXベットボタン(ベットボタン)122、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー123、回転している各リール131,132,133を停止させるためのストップボタン124、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口125、払い出し口125から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿126等が設けられている。また、メダル投入口121の奥には、メダル投入口121から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサが設けられている。また、下扉112bには、演出ボタン128が設けられている。演出ボタン128は、例えばプッシュスイッチおよびロータリースイッチ(ジョグダイヤル)を備えており、押下操作および回転操作が可能に構成されている。演出ボタン128は、操作されると演出の態様が変化するようになっており、これにより、遊技の興趣が向上する。
スロットマシン100では、メダル投入口121にメダルが投入、または、MAXベットボタン122が操作されて規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー123の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー123が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール131,132,133が回転を開始し、各リール131,132,133の回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン124の操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン124が操作されると、操作されたストップボタン124に対応する各リール131,132,133が停止する。
スロットマシン100の内部には、主制御基板(メイン基板)と、副制御基板(サブ基板)とが設けられている。主制御基板は、MAXベットボタン122、スタートレバー123、ストップボタン124、メダルセンサ等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット130や、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、副制御基板は、主制御基板から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ113およびスピーカ114等の演出用の装置の制御を行う。
また、主制御基板と副制御基板とは電気的に接続されており、主制御基板から副制御基板へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御基板から主制御基板へは情報を送信できないようになっている。また、主制御基板や副制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
上扉112aの左側には、複数のシンボル部(例えばシンボル部101、シンボル部102、シンボル部103、シンボル部104およびシンボル部105:図2参照)を有する意匠部材150が設けられている。ただし、意匠部材150が設けられる位置はこの位置に限らず、前面扉112におけるいずれの位置であってもよい。例えば、液晶ディスプレイ113の上方(トップレンズ)に意匠部材150を設けてもよい。
本実施の形態では、シンボル部101~105は、前方側(遊技者側)に向かって突出している。また、シンボル部101~105は、それぞれの前面(先端面)の形状によって識別情報が表されている。識別情報とは、文字、図形、記号等である。以下、本実施の形態では、1つのシンボル部が1つの文字を表すものとするが、例えば1つのシンボル部が、2以上の文字を表すものであったり、文字と記号とを組み合わせたものを表すものであってもよい。
図2は、意匠部材150が設けられている部分を正面から見た図である。
シンボル部101~105は、一連の報知情報(文字列)となっている。本実施の形態では、シンボル部101~105によって「主役は○○」(「○○」はキャラクタの名称等を表す)という一連の報知情報が形成されている。具体的には、シンボル部101の先端面の形状によって「主」という1文字が表されている。また、シンボル部102の先端面の形状によって「役」という1文字が表されている。また、シンボル部103の先端面の形状によって、「は」という1文字が表されている。また、シンボル部104の先端面の形状によって「○」という1文字が表されている。また、シンボル部105の先端面の形状によって「○」という1文字が表されている。
シンボル部101~103は、左右方向に並ぶように設けられている。また、そのシンボル部101~103の下方に、シンボル部104、シンボル部105がこの順に上下方向に並ぶように設けられている。
シンボル部101~105は、識別情報(文字)の大きさが異なるものを含むようになっている。具体的には、シンボル部103の文字大きさが最も小さく形成され、シンボル部104の文字大きさが最も大きく形成されている。また、シンボル部101,102は文字大きさが同一であり、それらの文字大きさはシンボル部103より大きく、シンボル部104,105より小さくなるように形成されている。また、シンボル部105の文字大きさは、シンボル部101~103より大きく、シンボル部104より小さくなるように形成されている。すなわち、文字大きさは、(1)シンボル部103、(2)シンボル部101,102、(3)シンボル部105、(4)シンボル部104の順に大きくなっている。
図3は、左方から見た上扉112aの一部を示す概略図である。意匠部材150は、シンボル部101~105の突出の基準面となるベース面(ベース)151を有している。このベース面151は、前後方向に対して垂直な面となっている。シンボル部101~105は、それぞれの先端面(前面)が、ベース面151から前方に向かって突出するように形成されている。以下、突出量という場合、シンボル部101~105のベース面151からの突出量を指す。
このとき、シンボル部103の突出量L3が最も小さく形成され、シンボル部104の突出量L4が最も大きく形成されている。また、シンボル部101,102の突出量L1,L2は、シンボル部103の突出量L3より大きく、シンボル部104,105の突出量L4,L5より小さくなるように形成されている。また、シンボル部105の突出量L5は、シンボル部101~103の突出量L1~L3より大きく、シンボル部104の突出量L4より小さくなるように形成されている。すなわち、突出量は、(1)シンボル部103、(2)シンボル部101,102、(3)シンボル部105、(4)シンボル部104の順に大きくなっている。
このように、シンボル部101~105は、その文字大きさに差を設けるとともに、文字大きさに応じて突出量が異なるように形成されている。具体的には、シンボル部101~105は、文字(識別情報)の大きさが大きいほど、突出量が大きくなるように形成されている。これにより、立体的な視覚効果が生じて文字(識別情報)がより立体的に視認され、遊技者を惹きつけて斬新な印象を与え、遊技の興趣が向上する。具体的には、文字(識別情報)大きさの違いに加えて遊技者側への突出量も異なるため、大きい文字と小さい文字との強調度合いの差がより大きくなり、遊技者を一層惹きつける。本例のように、文字大きさが大きいものほど突出量が大きい場合、大きい文字がより手前に迫ってくるように感じられ、遊技者を惹きつける。
なお、本実施の形態では、シンボル部101~105とベース面151とが一体(一部材)となっているものを示したが、シンボル部101~105とベース面151とは別体(別部材)であってもよい。また、一連の報知情報をなすシンボル部101~105のベース面151は、1つの部材からなるものに限らず、複数の部材により構成されるものであってもよい。換言すると、ベース面151は、一体のものであっても複数からなるものであってもよい。さらに、ベース面151が複数からなる場合、所定のシンボル部のベース面と、当該所定のシンボル部とは異なる他のシンボル部のベース面との所定方向(例えば前後方向)における位置は、異なっていてもよい。具体的には、図3において、例えばシンボル部101~103のベース面151(第1ベース面とする)と、シンボル部104~105のベース面151(第2ベース面とする)とをそれぞれ設けてもよく、その場合に、第1ベース面と第2ベース面の前後方向における位置を異なるものとしてもよい。例えば前後方向において、第2ベース面の位置を第1ベース面の位置よりも約1~2mm程度前方または後方としてもよい。
また、本実施の形態では、シンボル部101~105を、文字(識別情報)の大きさが大きいほど、突出量が大きくなるように形成したが、文字(識別情報)の大きさが大きいほど、突出量が小さくなるように形成してもよい。すなわち図3において、突出量を、(1)シンボル部104、(2)シンボル部105、(3)シンボル部101,102、(4)シンボル部103の順に大きくしてもよい。この場合でも、立体的な視覚効果が生じて文字(識別情報)がより立体的に視認され、遊技者を惹きつけて斬新な印象を与え、遊技の興趣が向上する。この場合、文字(識別情報)大きさで協調度合いの差が付けられているとともに、文字大きさが小さい文字の突出量が大きいため、大きい文字より前方側(遊技者側)に小さい文字が迫ってくるように感じられ、大きい文字と小さい文字の両方が遊技者を惹きつける。
また、一連の報知情報をなす複数のシンボル部における少なくとも一部が、識別情報の大きさが大きいほど、突出量が段階的に大きくなるように、または突出量が段階的に小さくなるようにしてもよい。
また、一連の報知情報のうち、識別情報の大きさが最大のものが、突出量が最も大きくまたは突出量が最も小さく形成されていれば、当該識別情報とは大きさが異なる他の識別情報(識別情報の大きさが最大以外のもの)は、突出量が同様(同一または略同一)となっていてもよい。
この場合、文字(識別情報)大きさが最大のものが他の識別情報より前方側(遊技者側)に位置する、または、文字(識別情報)大きさが最大のものが他の識別情報より後方側に位置して視認されるため、立体的な視覚効果が生じて遊技者を惹きつける。
また、本実施の形態では、シンボル部101~105の先端面を、前後方向に対して垂直な面(平面)としたが、このシンボル部101~105の先端面は、傾斜面、曲面、凹凸を有する形状等であってもよい。なお、シンボル部101~105の先端面を平面以外の形状とする場合、シンボル部101~105の突出量は、先端面における最も前方の位置(最も突出している位置)(最頂部)で計測するものとする。
図4は、左方から見た上扉112aの一部を示す概略図であり、シンボル部101~105のそれぞれの先端面を、上下方向において、上方に向かうほど前方に突出する傾斜面とした変形例を示している。文字大きさは、(1)シンボル部103、(2)シンボル部101,102、(3)シンボル部105、(4)シンボル部104の順に大きくなっている。また、突出量は、(1)シンボル部103、(2)シンボル部101,102、(3)シンボル部105、(4)シンボル部104の順に大きくなっている。
このように、シンボル部101~105の先端面を傾斜面とした場合であっても、文字大きさが大きいほど、突出量が大きくなるように形成されている。これにより、文字がより立体的に視認され、遊技の興趣が向上する。
なお、図4では、シンボル部104とシンボル部105の関係において、シンボル部104の前面の最小突出部の突出量が、シンボル部105の最頂部の突出量より小さくなっているものとしたが、これに限らず、シンボル部104の最小突出部がシンボル部105の最頂部よりも前方に突出するようにしてもよい。
また、シンボル部101~105の文字大きさに応じて、ベース面151に対する先端面(傾斜面)の傾斜角度を変更してもよい。例えば、文字大きさが大きいものほど、先端面の傾斜角度を大きくしてもよい。また、シンボル部101~105のそれぞれの先端面が、異なる方向に傾斜するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、意匠部材150のシンボル部101~105が露出しているものとしたが、意匠部材150が、シンボル部101~105の周囲(前方および側方)を覆う透光性(透明樹脂)のカバー(図示せず)をさらに備えるように構成し、当該カバーの内部で、シンボル部101~105の文字大きさおよび突出量が、上述の関係となるように構成してもよい。当該カバーは、例えばねじ締め等により上扉112aに固定されている。この場合、カバーを介してシンボル部101~105が立体的に視認され、遊技の興趣が向上する。また、カバーを設けることで、各シンボル部を破損等から保護できるという効果を奏する。
また、シンボル部101~103を非透光性樹脂で形成し、シンボル部104およびシンボル部105を透光性樹脂で形成するとともに、シンボル部104およびシンボル部105の背面側に、発光体(LED)が配置された基板(図示せず)を設けてもよい。この場合、当該発光体から照射される光によって、シンボル部104およびシンボル部105が発光する。このように、文字の大きさが大きい程、突出量が大きくなるように形成し、さらに文字大きさが大きい文字を照明可能に構成することで、遊技の興趣がより向上する。なお、シンボル部101~103についても透光性樹脂で形成し、その背面側にLED基板を設け、照明可能としてもよい。また、例えば、各シンボル部の文字大きさに応じて照明輝度や発光色を変更するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、ベース面151を、前後方向に対して垂直な面としたが、これに限らず、ベース面151は前面扉112の傾斜面としてもよい。例えば、図1に示す、下扉112bにおけるMAXベットボタン122や演出ボタン128が設けられている傾斜面Fをベース面151してもよい。この傾斜面Fは、前後方向において、前方に向かうほど下方に傾斜している。この傾斜面Fをベース面151とする場合、傾斜面Fに対して垂直な方向にシンボル部101~105が突出することとなる。
また、意匠部材150は、ボタン(例えばMAXベットボタン122、演出ボタン128等)の押圧部に設けられているものとしてもよい。押圧部は、樹脂等により形成され、ばね等の付勢部材によって支持され、押し込み可能となっている部材である。この場合、押圧部は、例えば操作方向(押圧方向)に垂直または略垂直な面であるベース面151を有しており、このベース面151にシンボル部が形成される。シンボル部は、ベース面151に対して垂直な方向に向かって突出している。
ここで、意匠部材150をMAXベットボタン122の押圧部に設ける例について説明する。この場合、例えばシンボル部を6つ設け、第1シンボル部の先端面(上面)の形状を「M」という文字とし、第2シンボル部の先端面(上面)の形状を「A」という文字とし、第3シンボル部の先端面(上面)の形状を「X」という文字とし、第4シンボル部の先端面(上面)の形状を「B」という文字とし、第5シンボル部の先端面(上面)の形状を「E」という文字とし、第6シンボル部の先端面(上面)の形状を「T」という文字とする。そして、第1~第3シンボル部をこの順に左右方向に並べて上段とし、第4~第6シンボル部をこの順に左右方向に並べて下段として、2段に配置する。
このとき、第1~第3シンボル部(MAX)の文字大きさを、第4~第6シンボル部(BET)の文字大きさより大きく形成する。なお、第1~第3シンボル部の文字大きさは互いに同一であり、第4~第6シンボル部の文字大きさは互いに同一である。また、第1~第3シンボル部(MAX)の突出量を、第4~第6シンボル部(BET)の突出量より大きく形成する。これにより、第1~第6シンボル部がより立体的に視認され、遊技の興趣が向上する。
なお、各シンボル部が直接露出しないようにするために、各シンボル部の周囲(上面および側面)を覆う透光性(透明樹脂)のカバーを設け、カバーを介して各シンボル部が視認されるようにしてもよい。当該カバーは、例えば接着等により押圧部に固定されている。カバーを設けることで、各シンボル部を破損等から保護できるとともに、押圧部の操作時にシンボル部が直接指に触れないため、遊技者が快適に操作できる。
次に、意匠部材150を演出ボタン128の押圧部に設ける例について説明する。この場合、例えばシンボル部を4つ設け、第1シンボル部の先端面(上面)の形状を「P」という文字とし、第2シンボル部の先端面(上面)の形状を「U」という文字とし、第3シンボル部の先端面(上面)の形状を「S」という文字とし、第4シンボル部の先端面(上面)の形状を「H」という文字とする。第1~第4シンボル部は、この順に例えば左右方向に並ぶように(横一列に並ぶように)配置されている。
このとき、第1~第4シンボル部(PUSH)は、例えば両端から中央側に向かうほど、文字大きさが徐々に小さくなるように形成されている。また、第1~第4シンボル部は、両端から中央側に向かうほど、突出量が徐々に小さくなるように形成されている。換言すると、左右方向内側から外側に向かうにつれて文字大きさおよび文字突出量が段階的に大きくなっている。これにより、第1~第4シンボル部がより立体的に視認され、遊技の興趣が向上する。なお、第1~第4シンボル部が直接露出しないようにするために、第1~第4シンボル部の周囲を覆う透光性(透明樹脂)のカバーを設け、カバーを介して第1~第4シンボル部が視認されるようにしてもよい。また、第1~第4シンボル部を、例えば大きい文字と小さい文字とが交互となるように構成し、大きい文字の突出量が小さい文字の突出量より大きくなるように形成してもよい。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態では遊技機の一つであるパチンコ遊技機について説明するが、その他の遊技機であってもよい。
図5は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10を備えている。
前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の上部の左右および下部の左右には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカ14が設けられている。
前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側側面の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機の内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施の形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
上皿16の内側側面の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また、上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
上皿16の縁部の手前側には、演出操作装置26が設けられており、遊技者が演出操作装置26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。詳細には演出操作装置26は、押しボタンスイッチおよびロータリースイッチ(ジョグダイヤル)を内蔵しており、演出操作装置26を押下する操作と、演出操作装置26を回転させる操作を検出することができるようになっている。
図6は、図5で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。図6に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像等を表示する液晶ディスプレイ32と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。このディスプレイ枠34には意匠部材38が設けられている。なお、本実施の形態では、意匠部材38を液晶ディスプレイ32の上方に設けた場合を示すが、意匠部材38の位置はこれに限るものではない。
本実施の形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4か右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
ディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
ステージ44の中央部の下方には、第1始動入賞口46が設けられている。
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48の下方に、第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50には、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52が設けられている。
液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、第2始動入賞口50の下方に、大入賞口54が設けられている。この大入賞口54には、大入賞口54を塞ぐ可動部材を備える特別役物56が設けられている。特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入不可能な閉状態と、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(図6は閉状態を示している)。特別役物56は、大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において、所定条件下で開状態となるように制御される。
大入賞口54の下方には、大入賞通路58が下方に向かって設けられている。大入賞通路58の下端には、通常進入口62が設けられている。また、大入賞通路58の下方には、大入賞通路58の途中から下方に向かって分岐するように特定通路65が設けられている。この特定通路65には、特定通路65を塞ぐ可動部材を備える特定役物66が設けられている。特定役物66は、特定通路65に遊技球が進入不可能な閉状態と、特定通路65に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(図6は閉状態を示している)。特定役物66は、特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。特定通路65の下端には、特定進入口68が設けられている。また、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機の内部に回収するアウト口69が設けられている。
遊技球の発射装置は、図5で示したグリップユニット20の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動入賞口46に進入するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が進入するように、あるいは大入賞口54に遊技球が進入するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。本実施形態の遊技機は、メイン基板およびサブ基板を含む制御基板によって制御される。そして、メイン基板やサブ基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
メイン基板は、入力手段(第1始動入賞口センサ、通過ゲートセンサ、第2始動入賞口センサ、大入賞口センサ、通常進入口センサ、特定通路センサ、払出センサ等)からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、出力手段(状態表示駆動装置、普通役物駆動装置、特別役物駆動装置、特定役物駆動装置、払出装置等)の動作制御を行う。
サブ基板は、メイン基板から送られてくるコマンドや、演出操作装置26に対する操作を検出する演出操作センサからの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出装置(演出表示装置、音響装置、演出物駆動装置等)の動作制御を行う。
次に、意匠部材38について説明する。意匠部材38は、複数のシンボル部(例えばシンボル部101、シンボル部102、シンボル部103およびシンボル部104)を備えている。シンボル部101~104は、それぞれの先端面の形状によって文字(識別情報)が表されている。本実施の形態では、シンボル部101の先端面の形状によって「南」という1文字が表されている。また、シンボル部102の先端面の形状によって「国」という1文字が表されている。また、シンボル部103の先端面の形状によって「乙」という1文字が表されている。また、シンボル部104の先端面の形状によって「女」という1文字が表されている。シンボル部101~104は、「南国乙女」という一連の文字列を構成している。シンボル部101,102は、左右方向に並ぶように設けられ、シンボル部101とシンボル部102の間に、シンボル部103,104がこの順に上下方向に並ぶように設けられている。
図7は、意匠部材38を正面から見た図である。シンボル部101~104の識別情報(文字)の大きさを比較すると、シンボル部101,102は同一の文字大きさであり、文字大きさが最も小さくなるように形成されている。また、シンボル部104は文字大きさが最も大きくなるように形成されている。また、シンボル部103は文字大きさが、シンボル部101,102より大きく、シンボル部104より小さくなるように形成されている。すなわち、文字大きさは、(1)シンボル部101,102、(2)シンボル部103、(3)シンボル部104の順に大きくなっている。
図8は、図7で示したP方向から見た概略側面図であり、図9は、図7で示したQ方向から見た概略側面図である。
意匠部材38は、シンボル部101~104の突出の基準面となるベース面38aを有している。本実施の形態では、ベース面38aは、前後方向に対して垂直な面となっている。シンボル部101~104は、それぞれの先端面(前面)が、ベース面38aから前方に突出するように形成されている。以下、突出量という場合、シンボル部101~104のベース面38aからの突出量を指す。
図8および図9を参照しながらシンボル部101~104の突出量を比較すると、シンボル部101,102の突出量L1,L2が最も小さく、シンボル部104の突出量L4が最も大きく形成されている。また、シンボル部103の突出量L3は、シンボル部101,102の突出量L1,L2より大きく、シンボル部104の突出量L4より小さくなるように形成されている。すなわち、突出量は、(1)シンボル部101,102、(2)シンボル部103、(3)シンボル部104の順に大きくなっている。このように、シンボル部101~104は、文字大きさが大きいほど、突出量が大きくなるように形成されている。これにより、立体的な視覚効果が生じて文字がより立体的に視認され、遊技者を惹きつけて斬新な印象を与え、遊技の興趣が向上する。
なお、本実施の形態では、シンボル部101~104の先端面を、前後方向に対して垂直な面(平面)としたが、シンボル部101~104の前面は、傾斜面、曲面、凹凸を有する形状等であってもよい。このようにシンボル部101~104の前面を平面以外の形状とする場合、シンボル部101~104の突出量は、先端面における最も前方の位置(最頂部)で計測するものとする。また、本実施の形態では、ベース面38aを前後方向に対して垂直な面としたが、ベース面38aを例えば前後方向に対して傾斜した面とし、その傾斜面に垂直な方向にシンボル部101~104が突出するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、シンボル部101~104(意匠部材38)の前面側がガラスユニット8(図5参照)で覆われているものとしたが、例えばシンボル部101~104(意匠部材38)を前枠10(図5参照)に設け、露出するように構成してもよい。また、シンボル部101~104の一部または全てを照明可能に構成してもよく、さらに、例えば各シンボル部の文字大きさに応じて照明輝度や発光色を変更してもよい。
また、意匠部材38を演出操作装置26(図5参照)の押圧部に設けてもよい。この場合、例えばシンボル部を4つ設け、第1シンボル部の先端面(上面)の形状を「P」という文字とし、第2シンボル部の先端面(上面)の形状を「U」という文字とし、第3シンボル部の先端面(上面)の形状を「S」という文字とし、第4シンボル部の先端面(上面)の形状を「H」という文字とする。そして、第1~第4シンボル部を、この順に例えば左右方向に並べて(横一列に並べて)配置する。
このとき、第1~第4シンボル部を、例えば両端から中央側に向かうほど、文字大きさが徐々に小さくなるように形成する。また、第1~第4シンボル部を、両端から中央側に向かうほど、突出量が徐々に小さくなるように形成する。また、第1~第4シンボル部が直接露出しないようにするために、第1~第4シンボル部の周囲を覆う透光性(透明樹脂)のカバーを設け、カバーを介して第1~第4シンボル部が視認されるようにしてもよい。このように構成することで、演出操作装置26における第1~第4シンボル部がより立体的に視認され、遊技の興趣が向上する。
次に、サブ基板ユニット200について説明する。
図10(a)は、サブ基板ユニット200を背面側から見た図(平面図)である。図10(b)は、図10(a)に示すA-A線の概略断面図である。また、図11は、サブ基板210を背面側から見た図(平面図)である。なお、図11は、図10(a)において、サブ基板ケース220を取り外した状態である。
サブ基板ユニット200は、第1の実施の形態に係る液晶ディスプレイ113(図1参照)や、第2の実施の形態に係る液晶ディスプレイ32(図6参照)の背面側等に設けられる。以下、サブ基板ユニット200を用いて説明するが、図10に示す仕様は、メイン基板ユニット以外の液晶基板ユニット、LED基板ユニット、電源基板ユニットに適用することが可能である。
図10(a)および図10(b)に示すように、サブ基板ユニット200は、サブ基板210や、サブ基板210の背面側を覆うサブ基板ケース220等を備えている。このサブ基板ケース220は、例えば透明樹脂で形成され、上下方向断面が略凹形状となっている。
また、図11に示すように、サブ基板210には、電子部品が実装(配置)されている。本例では、電子部品としてIC217、抵抗218が実装されている。なお、図示は省略しているが、サブ基板210には電子部品としてコンデンサ等も実装されている。
図10(a)に示すように、サブ基板ケース220には、前後方向に貫通する複数の貫通孔221が設けられている。この複数の貫通孔221には、小径貫通孔222と大径貫通孔223とがある。小径貫通孔222は、サブ基板ケース220の内側(中央部側)に設けられている。一方、大径貫通孔223は、サブ基板ケース220の外側(外周端側)に設けられている。大径貫通孔223は、主として、サブ基板210における電子部品(チップ等)が配置されていない箇所(範囲)と対向する位置に設けられている。なお、コンデンサと対向する位置に、大径貫通孔223が設けられていてもよい。
また、サブ基板ケース220において、電子部品のうちIC217と対向する位置には、小径貫通孔222が設けられている箇所はあるが、大径貫通孔223が設けられている箇所はない。なお、図10(a)は、小径貫通孔222および大径貫通孔223の設け方の一例を示したものであって、孔の個数はこれに限定されるものではない。
図10(b)に示すように、小径貫通孔222は、前方側(基板側)から後方側(筐体側)に向かって孔径が徐々に小さくなるようにテーパー状に形成されている。小径貫通孔222は、最も小さい孔径(内径)が約2mm、最も大きい孔径(外径)が約3mmとなっている。また、左右方向に隣接する2つの孔の中心間の距離は、約5mmとなっている(図10(a)参照)。
図10(b)に示すように、大径貫通孔223は、前方側(基板側)から後方側(筐体側)に向かって孔径が徐々に大きくなるように逆テーパー状に形成されている。大径貫通孔223は、最も小さい孔径(内径)が約2mm、最も大きい孔径(外径)が約4mmとなっている。また、左右方向に隣接する2つの孔の中心間の距離は、約6mmとなっている(図10(a)参照)。なお、大径貫通孔223の最も小さい孔径(内径)は、約2mmより大きい約2.5mmとしてもよい。
小径貫通孔222は、前方側から後方側に向かうほど孔径が徐々に小さくなるテーパー状となっている。このため、サブ基板ケース220の内部の空気が小径貫通孔222を介して外側に放出され易くなっている。また、小径貫通孔222は基板のICと対向する位置に設けられることがあるが、当該テーパー状とすることで、後方側(背面側)からの器具等の差し込みによる不正防止対策ともなっている。
大径貫通孔223は、前方側から後方側に向かうほど孔径が徐々に大きくなる逆テーパー状となっている。このため、サブ基板ケース220の外側の空気が大径貫通孔223を介してサブ基板ケース220の内部に取り込まれ易くなっている。
次に、音量調整スイッチ300について説明する。図11に示すように、音量調整スイッチ300はサブ基板210に配置され、サブ基板210と電気的に接続されている。この音量調整スイッチ300は、第1の実施の形態に係るスピーカ114(図1参照)や、第2の実施の形態に係るスピーカ14(図5参照)等から出力される音の大きさ(音量)を調整するために設けられている。なお、以下、音量調整スイッチ300を用いて説明するが、本内容は音量調整スイッチ300を含む所定の調整スイッチ(ロータリスイッチ)に適用することができる。所定の調整スイッチという場合、音量調整スイッチ300、輝度調整スイッチ、演出切替スイッチ等が含まれるものとする。輝度調整スイッチは、遊技機の照明装置(電飾装置)等の発光輝度(明るさ)を調整可能とするために設けられている。また、演出切替スイッチは、ホール(遊技場)側で、演出に関する設定を変更可能とするために設けられている。演出に関する設定は、例えば演出内容の異なる4種類の状態(4種類の演出状態)が用意されている場合、4つの状態の中から1つの状態を選択することができる。なお、4つの状態の中に、例えば、特定の演出が出現する状態と、特定の演出が出現しない状態とが含まれるようにしてもよい。
図12(a)は音量調整スイッチ300を背面側から見た図(平面図)であり、図12(b)は音量調整スイッチ300のハウジング310を背面側から見た図(平面図)である。また、図13は、図10(a)に示すB-B線の概略断面図である。なお、図13においてハウジング310は断面としていない。また、図14は、音量調整スイッチ300を背面側から見た斜視図である。
図13に示すように、音量調整スイッチ300は、ハウジング310、軸部材320、および、つまみ330等を備えている。図12(b)に示すように、ハウジング310は、平面視正方形状(平面視四角形状)を有している。平面視とは、音量調整スイッチ300が配置されている側のサブ基板210の面を、当該面に対して垂直な方向から見ることをいう。ハウジング310は、例えば、はんだ付けによりサブ基板210に固定されている。ハウジング310における基板側とは反対側の面(上面)310aには、平面視円形状の孔311が設けられている。この孔311からは軸部材320(図13参照)が突出するようになっている。軸部材320は、その基端側がハウジング310の内部に収容された状態となっており、軸回りに回転可能となっている。この軸部材320の回転に伴い、例えばハウジング310の内部のロータ(図示せず)が回転するようになっている。
図12(b)に示すように、ハウジング310の上面310aには、孔311の周囲を囲むように、レベル表示部312が設けられている。このレベル表示部(所定の表示)312は、例えば、音量の大きさ(レベル)を表す0~9の数字が所定の間隔ごとに、環状となるように付されて形成されている。各数字は、数字の下部が孔311の中心(後述するつまみ330の中心)を向くようにして配置されている。なお、本実施の形態では、所定の表示を、音量の大きさ(レベル)を示す数字としたが、数字、文字(アルファベット)、記号等を含む符号であればよい。なお、輝度調整スイッチの場合、所定の表示として、例えば輝度(明るさ)を段階的に示す数字等が環状に付される。また、演出切替スイッチの場合、所定の表示として、例えば、各演出状態に対応した数字、文字(例えばアルファベット)が環状に付される。ここで、レベル表示部312の範囲の外周側(径方向外側)を規制する円(各数字の上部同士を結ぶ外接円)の直径を、レベル直径313と定義しておく。
図13に示すように、つまみ330は、一方の端部が塞がれ、他方の端部が開口した円筒形状を有している。つまみ330は、軸部材320に被せることができる内径を有している。つまみ330を軸部材320に被せた状態でつまみ330を回転させると、つまみ330と同期して軸部材320が回転するようになっている。また、つまみ330における開口側(ハウジング310側)の端部には、径方向外側に向かって突出した鍔状の鍔部331が設けられている。つまみ330は、例えば透明の樹脂や黒色樹脂等で形成されている。すなわち、つまみ330は、透明であってもよく、不透明であってもよい。
なお、上記の説明では、軸部材320とつまみ330とが別体となっている場合について説明したが、軸部材320とつまみ330とは一体に構成されているものであってもよい。換言すると、つまみ330という場合、軸部材320が含まれるものであってもよい。つまみ330は、ハウジング310に回転可能に支持されているといえる。また、ハウジング310の上面310aは、ハウジング310におけるつまみ330側の面といえる。
図12(a)に示すように、鍔部331は、つまみ330の軸方向から見て環状(平面視円形状)となるように設けられており、1箇所に軸方向から見てコ字状の切り欠き部331aが形成されている。この切り欠き部331aは、レベル表示部312の1つの数字(レベル)が視認可能となる大きさで形成されている。
また、図13において、図示を省略しているが、鍔部331の底面とハウジング310の上面310aとの間には、1.0mm未満の僅かな隙間が設けられている。このため、ハウジング310の上面310aに印刷されているレベル表示部312が削られて、レベル表示(数字)が不鮮明となってしまうことがない。すなわち、レベル表示の視認性の悪化を防止できる。また、当該隙間は1.0mm未満の僅かなものであるため、つまみ330を適正位置に設定した場合(切り欠き部331aの略真中にレベルが位置している場合)に、つまみ330の軸方向正面から見た場合でも軸方向に対して斜めから見た場合でも、切り欠き部331aの内側に位置するレベル表示(数字)の隣のレベル表示が視認されることがない。すなわち、2つのレベル表示が一度に視認されることがなく、現在の設定値を正確に把握することができる。
また、図15は、つまみ330の切り欠き部331aが、隣り合う2つの符号の間(中央)となる位置(中間位置)に、位置している(停止している)状態を示している。より具体的には、一方の符号(例えば0)の中心部と、他方の符号(例えば1)の中心部との間(中間)となる位置に、切り欠き部331aが位置している。ここで、切り欠き部331aの最も径方向外側の端部(上端)における幅(間隔)を間隔X1とし、切り欠き部331aにおける径方向長さの中央部における幅(間隔)を間隔X2とし、切り欠き部331aの最も径方向内側の端部(下端)における幅(間隔)を間隔X3とする。また、隣り合う符号の中心部間の幅(間隔)を間隔Yとする。すなわち、隣り合う符号における一方の符号の中心と他方の符号の中心との間の距離を間隔Y(第1距離)とする。
間隔X2は、間隔Y以下または間隔Y未満となっている。このため、切り欠き部331aが中間位置に位置している場合に、隣り合う2つの符号(例えば0と1)の両方が、鍔部331に覆われるため、いずれも視認できない状態となる(認識不能となる)。なお、図示を省略するが、切り欠き部331aが中間位置に位置している場合に、一方(左側)の符号における右端と、他方(右側)の符号における左端との少なくとも一方が視認可能となっていてもよい。その場合でも、符号の大部分が鍔部331に覆われているため、符号の認識は困難となる。仮に、切り欠き部331aの幅X2が間隔Y(第1距離)よりも大きい場合、隣り合う2つの符号の間となる位置(中間位置)で切り欠き部331aを停止させた場合に、隣り合う2つの符号の両方について、それぞれの符号の大部分(半分以上)が同時に視認されることとなる。この場合、つまみ330の停止位置として不適切な停止位置であるにも関わらず、作業者が一方の符号のみを見て適切な停止位置である(音量を適切に設定できている)と判断(誤認)して、そのまま作業を終了してしまうおそれがある。すなわち、音量調整の作業が正確に行われない可能性がある。本例によれば、切り欠き部331aを中間位置で停止させた場合に、隣り合う2つの符号について、それぞれの符号の大部分を同時に視認することは困難となっている。したがって、作業者はつまみ330の停止位置が適切な位置(ポジション)でないことに容易に気付くことができる。そして、作業者は、つまみ330を適切な停止位置となるまで回転させ、音量調整の作業を正確に行うことができる。すなわち、つまみ330の設定ミスを防ぐことができる。
また、ハウジング310の符号(数字)は、鍔部331(切り欠き部331a)の径方向長さの中央よりも外側に対応する位置に付されている。すなわち、ハウジング310の符号は、鍔部331の径方向外側に対応する位置に寄せるようにして表記されている。このため、符号を鍔部331の径方向内側に対応する位置に設けた場合に比べて、つまみ330を指でつまんだ際であっても符号を見やすいという効果を奏する。
また、本例では、切り欠き部331aは、径方向外側に向かうほど間隔が大きくなるように設けられている。切り欠き部331aは、ハの字が拡がるように形成されているともいえる。切り欠き部331aにおけるハの字の開き角度を開放角度Z2(図57(b)参照)とする。図15に示すように、本例では、外側から内側に向かって間隔X1、間隔X2、間隔X3の順に、間隔が小さく(狭く)なっている。ただし、間隔X2の測定点(切り欠き部331aの内側の面の径方向長さの中央)が、間隔Yの測定点(符号の中心)よりも径方向内側となるように切り欠き部331aの開放角度Z2を形成している。換言すると、間隔Yの測定点が間隔X2の測定点よりも外側となっている。仮に、切り欠き部331aにおけるハの字の拡がりをより大きくした場合(開放角度Z2をより大きくした場合)、間隔X2の測定点が、間隔Yの測定点よりも外側に位置することとなる。
次に、図57を用いて、所定の符号の傾き角度と、切り欠き部331aの開放角度について説明する。図57(a)は、ハウジング310を正面側から見て符号(0および1)を傾けずに配置した場合(すなわち傾き角度0°とした場合)を示している。また、切り欠き部331aの開放角度を0°とした場合を示している。一方、図57(b)は、本例のように、切り欠き部331aを介して隣り合う符号(0および1)をそれぞれ傾けた場合を示している。符号(0および1)の傾き角度はZ1となっている。また、図57(b)は、本例のように、切り欠き部331aの開放角度をZ2とした場合を示している。本例では、切り欠き部331aが中間位置(本例では0と1との間)に位置している場合に、切り欠き部331aの開放角度Z2は、その切り欠き部331aの両側に位置する符号(隣り合う符号)のそれぞれの傾き角度Z1よりも小さくなっている。
また、符号は環状に(360°に亘って)付されているものに限らず、図58に示すように、所定の範囲に円弧状に付されているものであってもよい。所定の範囲とは、例えば円の1/3の範囲(約120°)である。図58は、ハウジング310を正面側から見た場合に、いわゆる時計10時から時計2時までの間に符号が付されている例を示している。この場合、つまみ330の回転可能角度を360°とせず、符号が付されている所定の範囲に対応する回転可能角度(例えば約120°)としてもよい。
また、図14に示すように、つまみ330の外周面には、軸方向に沿って設けられた縦溝332が、周方向に沿って所定の間隔ごとに複数設けられている。この縦溝332が複数設けられていることで、つまみ330を回転させる際に、指が滑ってしまうのを防止できる。また、つまみ330の先端面には、中心を通過する直径に沿って1つの横溝333が形成されている。この横溝333にマイナスドライバー等を挿入して回転させることで、つまみ330を直接つまむことなく回転させることができるようになっている。
また、図13に示すように、音量調整スイッチ300の背面側(図13では上側)に位置するサブ基板ケース(基板ケース)220には、ケース開口(開口)224が設けられている。このケース開口224は、平面視円形状(つまみ330と同心円)となっている。このケース開口224は、つまみ330の位置と対応(対向)する位置に、つまみ330の先端を突出させるため(つまみ330を挿通させるため)に設けられている。このケース開口224から突出したつまみ330を回転させることで、スピーカから出力される音の大きさ(音量)を調整できるようになっている。例えば、つまみ330を回転させ、切り欠き部331aを介して視認される数字を大きくすると、スピーカから出力される音量は大きくなる。なお、サブ基板ケース220は、例えば透明樹脂で形成されている。サブ基板ケース220の内部に収容(配置)されている部品を視認できるようにするためである。
本実施の形態では、サブ基板ケース220は、背面側(天面側)から基板側に向かって一段凹んだ窪み形状である凹部225を有している。ケース開口224は、凹部225の略中央部に設けられている。このように凹部225の内部でつまみ330が突出するようにすることで、指等がつまみ330に接触し難くなり、誤接触等によってつまみ330が回転するのを防止できる。
サブ基板210に配置(接続)されている部品には、電子部品、コネクタ、および音量調整スイッチ300等があり、音量調整スイッチ300が、サブ基板210の基板面から最も背面側(図13では上側)に突出している。また、サブ基板ケース220は、サブ基板210を背面側から覆うように、断面凹形状に形成されている。サブ基板ケース220における背板部226の天面226aは、音量調整スイッチ300の先端よりもさらに背面側(上方側)に位置するように形成されている。換言すると、音量調整スイッチ300(つまみ330)の先端は、サブ基板ケース220の天面226aよりも突出しないようになっている。なお、つまみ330のケース開口224からの出代は、例えば指でつまむことが可能な出代となっている。
組付け工程等において、サブ基板ユニット200を、サブ基板ケース220側を下として台等の上に載置する場合があるが、その場合でも、つまみ330がサブ基板ケース220の天面226aよりも突出していないため、音量調整スイッチ300に衝撃が加わらない。これにより、台等の上に置いた際に、音量調整スイッチ300の先端に力(衝撃)が加わり、音量調整スイッチ300が破損するのを防止できる。
なお、図13では、サブ基板ケース220の天面226aを、音量調整スイッチ300の先端よりも背面側(上面側)に位置するようにしつつ凹部225を設けているが、音量調整スイッチ300に対して衝撃が加わることのない構造となっていれば、凹部225は必ずしも設ける必要はない。その場合、背板部226にケース開口224を設けてもよい。
また、図13に示すように、鍔部331の上面と、サブ基板ケース220の基板側(内側)の面との間の隙間を長さLとする。この長さLは約1~2mmとなっている。長さLは、不正防止の観点から狭くしつつ、部品公差が最悪となった場合でも鍔部331とサブ基板ケース220とが干渉しない長さとなっている。この長さLを小さくすることにより、不正を防止することができる。
図31(a)は、別のサブ基板ユニット600を背面側から見た図である。図31(b)は、図31(a)に示すU-U線の概略断面図である。サブ基板210には、コンデンサ、抵抗等の電子部品(図示せず)、音量調整スイッチ300、コネクタCN、ディップスイッチDIP、リセットスイッチRE等が配置されている。ここで、サブ基板ケース220における天面226aの位置(高さ)は、サブ基板210に配置される背の高い電子部品(例えばコンデンサ)に合わせて決定されているが、スイッチ、コネクタ等が配置されている箇所については、それらを露出させる必要があるため、凹部225が設けられ、その凹部225に開口が形成されている。このとき、凹部225の開口から突出するスイッチやコネクタの先端は、サブ基板ケース220の天面226aよりも突出しないようになっている。なお、音量調整スイッチ300(つまみ330)の先端は、コネクタCNの先端よりも天面226a側に突出している。
組付け工程等において、サブ基板ユニット600を、サブ基板ケース220側を下として台等の上に載置する場合があるが、その場合でも、スイッチ(音量調整スイッチ300を含む)やコネクタCNがサブ基板ケース220の天面226aよりも突出していないため、スイッチやコネクタCNに衝撃が加わらない。これにより、台等の上に置いた際に、音量調整スイッチ300やコネクタCNの先端に力(衝撃)が加わり、音量調整スイッチ300やコネクタCNが破損するのを防止できる。
図32(a)は、図31(a)におけるS部の拡大図である。図32(b)は、図32(a)に示すW-W線の概略断面図である。以下、ハウジング310(上面310a)の1辺の寸法を、ハウジング310の1辺の長さ(1辺長さ)という。また、ハウジング310(上面310a)の対角線の寸法を、ハウジング310の対角線の長さ(対角線長さ)という。ハウジング310の対角線長さは、ハウジング310の1辺長さよりも長い。
ハウジング310の対角線長さは、ケース開口224の直径以上となっている(ハウジング310の対角線長さは、ケース開口224の直径よりも大きくなっている)。例えば、過度な力(負荷)がつまみ330に加えられた場合や、音量調整スイッチ300のサブ基板210に対する固定(接着)に経年劣化が生じた場合等に、音量調整スイッチ300がサブ基板210から外れてしまう破損が生じる場合である。そのような場合でも、ハウジング310の対角線長さがケース開口224の直径以上となっているため、ハウジング310がケース開口224に引っ掛かる。このため、音量調整スイッチ300が、ケース開口224を介してサブ基板ケース220の外部に飛び出る(排出される)のを防止できる。これにより、サブ基板ケース220の外部に排出された音量調整スイッチ300が紛失するのを防止できる。また、サブ基板ケース220の外部に排出された音量調整スイッチ300が他部品に影響を及ぼすのを防止できる。なお、ハウジング310の1辺長さが、ケース開口224の直径以上となるようにしてもよい。
また、ハウジング310の1辺長さは、鍔部331の直径以上となっている(ハウジング310の1辺長さが、鍔部331の直径よりも大きくなっている)。すなわち、鍔部331の直径は、ハウジング310の1辺の長さ以下となっている。換言すると、つまみ330の軸方向から見て、ハウジング310の外周端が、鍔部331の外周端よりも外側(径方向外側)に位置している。さらに換言すると、つまみ330の軸方向から見て、ハウジング310の外形が、鍔部331の外形より大きくなっている。
仮に、ハウジング310の外周端よりも鍔部331の外周端が外側に位置すると、つまみ330の軸方向から見た場合に、ハウジング310の端子部分が隠れて視認できず、ハウジング310の端子部分の接着(不良の有無)が確認できないという問題が生じるが、本例によればそのような問題が生じるのを防止できる。また、仮に、ハウジング310の外周端よりも鍔部331の外周端が外側に位置すると、ハウジング310近傍の基板上に記されている識別符号が隠れて視認できないという問題が生じるが、本例によればそのような問題が生じるのを防止できる。また、仮に、ハウジング310の外周端よりも鍔部331の外周端が外側に位置すると、音量調整スイッチ300が発する熱の放熱効果が低下してしまうという問題が生じるが、本例によればそのような問題が生じるのを防止できる。
また、鍔部331の直径は、ケース開口224の直径以下となっている。換言すると、ケース開口224の直径は、鍔部331の直径以上となっている。このようにケース開口224の直径を鍔部331の直径よりも大きくすると、レベル(数字)がより見易くなるという効果を奏する。
なお、図示は省略するが、鍔部331の直径を、ケース開口224の直径以上としてもよい。この場合、例えばつまみ330のみがハウジング310から外れた場合でも、つまみ330の鍔部331の直径がケース開口224の直径以上となっているため、つまみ330がケース開口224に引っ掛かる。このため、つまみ330が、ケース開口224を介してサブ基板ケース220の外側に飛び出る(排出される)のを防止できる。これにより、つまみ330の紛失を防止できる。なお、鍔部331の直径とケース開口224の直径とを、同一または略同一としてもよい。この場合でも、同様の効果を奏する。
本例によれば、少なくともケース開口224がハウジング310のサイズよりも小さくなっているため、音量調整スイッチ300が破損してサブ基板210から外れてしまった場合であっても、音量調整スイッチ300がケース開口224から外に排出されてしまうのを防止できる。
また、鍔部331の直径と、レベル直径313(図12(b)参照)(所定の表示の外接円の直径)とは、同一または略同一となっている。換言すると、レベル表示(例えば数字の0~9)の上部(上端)は、鍔部331の外周よりも内側に位置している。さらに換言すると、レベル直径313は、鍔部331の直径よりも小さい。このため、レベル表示(数字)の上部(上端)は、鍔部331の外周よりも外側にはみ出さないようになっている。鍔部331の外周と、所定の表示(数字)の上部とを揃えることで、数字等が鍔部331の外側に飛び出さないため設定値の誤認を防止できるとともに、数字等が内側に入り過ぎていないため、つまみ330をつまんだ際でも数字等を視認しやすいという効果を奏する。
また、ケース開口224の直径は、レベル直径313(図12(b)参照)と同一または略同一となっている。換言すると、つまみ330の軸方向から見た場合に、ケース開口224の直径は、サブ基板ケース220を介することなく、レベル(数字)を直接視認できる直径となっている。このため、サブ基板ケース220を介することなく数字を直接視認できるため、例えば、サブ基板ケース220での光の反射等によってレベルを視認し難くなることがなく、数字をより見やすくなる。これにより、調整を誤ってしまうのを防止できる。また、調整する際の負担を軽減できる。なお、ケース開口224の直径を、レベル直径313以上としてもよい。
また、本実施の形態では、サブ基板ケース220に、つまみ330を挿通させるための孔であるケース開口224を設けた。遊技機(例えばパチンコ遊技機)には、その背面側に、遊技に関する主要な処理を行う主制御基板、主制御基板からの指令を受けて各種装置を制御する副制御基板(例えばサブ基板210)、サブ基板ケース220やハーネスを一括して覆うようにして本体枠の背面に開閉(回転)自在に取り付けられたカバー(裏カバー)、遊技場の島設備から供給される多数の遊技球を貯留可能な貯留タンク等を備えているものがある。なお、主制御基板はカバー部材によって覆われており、不正行為が行われないように封印されている。
このような構成の場合、サブ基板ケース220のケース開口224に加え、サブ基板ケース220の外側を覆うカバー(裏カバー)における、音量調整スイッチ300(つまみ330)と対応(対向)する位置に特定の開口を設ける。ここで、特定の開口について説明する。裏カバーには、放熱等を行うために、例えば同じ形状の開口(例えば丸孔)が所定の間隔ごとに複数設けられている。特定の開口とは、それらの開口(他の開口という)とは異なる開口をいい、例えば、他の開口とは形状が異なっている。特定の開口としては、例えば、指を差し込むことはできないがマイナスドライバーを差し込むことができる幅で、上下方向に細長く形成された長孔がある。なお、特定の開口は、他の開口と形状が同じであるが、大きさ(幅、直径等)が異なるものであってもよい。特定の開口は、他の開口と異なる態様で設けられている開口ともいえる。また、特定の開口は、1つに限られるものではなく、2つ以上並べて設けられていてもよい。作業者は、マイナスドライバー等を、特定の開口を介して挿入し、つまみ330の横溝333(図14参照)に差し込んでつまみ330を回転させることができる。これにより、遊技機の背面側から、裏カバーを開けることなく(裏カバーを外すことなく)音量を調整することができる。なお、サブ基板ケース220を設けずに、裏カバーのみとし、裏カバーにおけるつまみ330と対応(対向)する位置に開口(特定の開口)を設けるようにしてもよい。
図33は、図31(a)に示すT-T線の概略断面図である。サブ基板ケース220の凹部225には、コネクタCNに対応(対向)する位置に、コネクタCNを挿通させるためのコネクタ用開口Kが設けられている。コネクタCNは、サブ基板ケース220をサブ基板210に取り付けた際に、その先端がコネクタ用開口Kよりも背面側(上側)に突出するようになっている。ただし、既述のとおり、このコネクタCNの先端は、サブ基板ケース220の天面226aよりは突出しないようになっている。
また、コネクタCNの外周面と、コネクタ用開口Kの内周面との間の隙間は、不正防止の観点等から小さく(狭く)形成されている。なお、本実施の形態では、当該隙間は、図13における、音量調整スイッチ300のつまみ330の外周面と、ケース開口224の内周面との隙間よりも小さくなっている。また、コネクタCNは、サブ基板ケース220をサブ基板210に覆い被せる際に、他の部品よりも先にコネクタ用開口Kの端部と当たる可能性がある部品である。コネクタCNは強度が弱いため、コネクタ用開口Kの端部が接触して力(衝撃)を受けると、欠ける等の破損をするおそれがある。
このような事情を踏まえ、本実施の形態では、コネクタ用開口Kにテーパーを設けている。すなわち、コネクタ用開口Kの内周面をテーパー面としている。具体的には、コネクタ用開口Kの直径が、天面226a側(上側)に向かうほど小さくなるように(徐々に窄まるように)、内周面がテーパー面となっている。これにより、サブ基板ケース220を取り付ける際に、仮に、コネクタ用開口Kの端部とコネクタCNとが接触したとしても、テーパー面が設けられているため、コネクタCNが破損するのを防止できる。また、コネクタ用開口Kの内周面をテーパー面とすることで、仮に配線が接触した場合であっても、配線が劣化、断線等するのを防止できる。
また、図13では、ケース開口224の内周面がつまみ330の軸方向と平行な面となっているものを示した。すなわち、ケース開口224にはテーパーが設けられていないものを示した。ケース開口224にテーパーが設けられていない理由としては、つまみ330の外周面とケース開口224の内周面との隙間が、コネクタCNとその開口との隙間より大きく確保されていることが挙げられる。ただし、ケース開口224にもテーパーを設けてもよい。すなわち、ケース開口224の内周面を、テーパー面としてもよい(ケース開口224の端部に面取りが設けられていてもよい)。なお、ケース開口224へのテーパーの設け方は2通りある。
図34(a)は、ケース開口224の直径が基板側(下側)に向かうほど小さくなるように、ケース開口224の内周面をテーパー面とした例を示している。このようにテーパーを設けることで、つまみ330をつまんだ際に、仮に指先がサブ基板ケース220に接触したとしても、テーパー面となっているため痛みを感じるのを防止できる。
図34(b)は、ケース開口224の直径が天面側(上側)に向かうほど小さくなるように、ケース開口224の内周面をテーパー面とした例を示している。このようにテーパーを設けることで、サブ基板ケース220をサブ基板210に覆い被せる際に、仮につまみ330の先端とサブ基板ケース220とが接触したとしても、テーパー面となっていることでサブ基板ケース220の位置が強制され、スムーズに嵌合させることができる。
図33では、他の部品よりも先に接触する可能性の高いコネクタ用開口Kにテーパーを設けたが、図34に示すように、さらに音量調整スイッチ300用の開口(ケース開口224)にテーパーを設けてもよい。なお、音量調整スイッチ300用の開口(ケース開口224)にはテーパーを設けずに、コネクタ用開口Kのみにテーパーを設けてもよい。また、コネクタ用開口Kにテーパーを設けずに、音量調整スイッチ300用の開口(ケース開口224)のみにテーパーを設けてもよい。
なお、上記では、コネクタCNおよび音量調整スイッチ300を突出させるための開口にテーパーを設ける場合を示したが、テーパーを設ける開口は、コネクタCNおよび音量調整スイッチ300の開口に限られるものではない。すなわち、サブ基板ケース220に形成された開口から突出(露出)する部品がある場合、その部品のための開口にテーパーを設けることができる。なお、このとき、その部品の外周面と開口の内周面との隙間が所定の隙間以下(狭い隙間)である場合に、テーパーを設けるというようにしてもよい。
次に、液晶ユニット500について説明する。
図16は、液晶ユニット500を前方から見た斜視図である。
この液晶ユニット500は、例えば、図1(第1の実施の形態)で示したMAXベットボタン122等が設けられている操作部の付近や、図5(第2の実施の形態)で示した演出操作装置26等が設けられている操作部の付近に設けられる。以下、液晶ユニット500を用いて説明するが、本内容は、液晶ユニット500に限らず、メイン基板ユニット以外のサブ基板ユニット、LED基板ユニット、電源基板ユニットに適用することが可能である。
図17は、液晶ユニット500の分解斜視図である。液晶ユニット500は、フレーム510、液晶保護シート520、液晶モジュール530、液晶ベース540、液晶制御基板(基板)550、および液晶カバー560等を備えている。
フレーム510は、矩形枠状の部材であり、液晶モジュール530の前面側外周部を覆うように形成されている。フレーム510は、例えば樹脂で形成されている。フレーム510は、液晶ベース540との間に、液晶保護シート520および液晶モジュール530を挟むようにして、液晶ベース540に固定部材により固定されている。固定部材としては、例えばネジ等がある。
液晶保護シート520は、液晶モジュール530の前面に配置される矩形板状の部材である。液晶保護シート520は、例えばPET素材やガラス素材により形成され、例えば無色透明となっている。
液晶モジュール530は、例えば透過型であり、矩形板状に形成されている。液晶モジュール530は、液晶層、偏光フィルタ、カラーフィルタ、ガラス基板、配向膜、透明電極およびバックライト等を備えて形成され、複数層構造となっている。図18は、液晶モジュール530を背面側(後方側)から見た斜視図である。液晶モジュール530は、FPC(配線手段)531を備え、このFPC531を介して液晶制御基板550と電気的に接続されるようになっている。本実施の形態では、この配線手段としてFPC(Flexible Printed Circuits)531を用いる。FPC531の材質は、例えばPETフィルムまたはポリイミドフィルムであり、フィルムには電気回路が配線されている。FPC531は、液晶モジュール530の一方の長辺における略中央部から背面側に向かって延出されている。
図17に戻り説明する。液晶ベース540は、略矩形板状の部材であり、その前面側で液晶モジュール530を保持するとともに、その背面側で液晶制御基板550を保持するように形成されている。液晶ベース540は、例えば樹脂で形成されている。また、液晶ベース540には、FPC531と対向する位置に、略矩形状の貫通孔541が設けられている。FPC531は、この貫通孔541を介して液晶ベース540の背面側(液晶制御基板550側)に導かれる。
液晶制御基板550は、複数の電子部品が実装(配置)された板状の部材である。図19は、液晶制御基板550を背面側から見た図(平面図)である。液晶制御基板550に実装される電子部品としては、抵抗(R)、IC、コンデンサ、コイル、ダイオード等がある。
図17に示すように、液晶カバー560は、略矩形板状の部材であり、液晶制御基板550の背面側を覆うように形成されている。液晶カバー560は、例えば樹脂で形成されている。液晶カバー560は、液晶ベース540との間に、液晶制御基板550を挟むようにして、液晶ベース540に固定部材により固定されている。固定部材としては、例えばネジ等がある。
図19に示すように、液晶制御基板550には、コネクタ551が実装されている。このコネクタ551は液晶制御基板550と電気的に接続されている。本実施の形態では、コネクタ551として、アングルタイプのコネクタを用いている。このコネクタ551は、FPC(配線手段)531(図18参照)と嵌合可能なFPC用のメスコネクタとなっている。図20は、液晶制御基板550を側方から見た図であるが、アングルタイプとは、液晶制御基板550に実装した際に、FPC531と嵌合(接続)する面E(嵌合面E)(開口面E)が、基板面と垂直となっているものを指す。これは、FPC531の挿抜方向が基板面と平行になっているともいえる。
図19に示すように、コネクタ551は、液晶制御基板550の外周側の端部ではなく、液晶制御基板550の内側(中央部側)に配置されている。このようにコネクタ551を液晶制御基板550の中央部側に設ける理由としては、例えば所定の長さを有するFPC531を用いることが挙げられる。仮に、所定の長さを有するFPC531を用いつつ、コネクタ551を液晶制御基板550の外周側の端部に設けた場合、FPC531の経路が液晶制御基板550の外側にはみ出してしまう。これは液晶ユニット500の大型化を招き、省スペース化(小型化)の妨げとなる。
図21は、FPC531をコネクタ551に嵌合させた状態を示しており、コネクタ551からFPC531が引き出されている(延出されている)。このとき、FPC531と液晶制御基板550とが対向する領域(範囲)が存在し、その領域ではFPC531と液晶制御基板550とが近接した状態となっている。仮に、その領域、すなわちFPC531の経路の直下となる位置に抵抗、IC等の電子部品が実装されている場合、FPC531と電子部品とが近接することとなる。この場合、電子部品から放出される熱によるFPC531の故障や、高温となった電子部品が故障するといった問題が生じる虞がある。
図22は、FPC531をコネクタ551から取り外した状態を示している。本実施の形態では、液晶制御基板550におけるFPC531の経路の直下となる位置、すなわち液晶制御基板550におけるFPC531と対向する領域(範囲)を、電子部品を配置しない(電子部品が実装されない)実装禁止領域Gとしている。このように実装禁止領域Gを設けることで、コネクタ551を液晶制御基板550の外周側の端部以外の箇所、例えば液晶制御基板550の中央部付近に配置する場合であっても、FPC531と電子部品とが近接することがない。これにより、電子部品から放出される熱によるFPC531の故障や、高温となった電子部品の故障といった問題が生じるのを防止できる。
実装禁止領域Gには電子部品が配置されておらず、また、スルーホール、配線パターン等が形成されていない。換言すると、実装禁止領域Gには電子部品が配置されておらず、加工が施されていない。このように実装禁止領域Gを形成することで、FPC531をコネクタ551に挿入する際に妨げとなるものがなく、作業性が向上する。また、加工が施されていないため、検査(品質管理)が容易となり、製造にかかる時間を短縮できる(すなわち生産性が向上する)。また、加工が施されていないため、製造にかかるコストを低減できる。
本実施の形態では、所定の長さを有するFPC531を用い、コネクタ551を液晶制御基板550の中央部側に配置する場合を示したが、例えば、より長さの短いFPC531を用いる場合、コネクタ551をより液晶制御基板550の外周側に配置することは可能である。本実施の形態において、液晶制御基板550の外周側の端部以外の箇所にコネクタ551を配置するというのは、コネクタ551の嵌合面E(図20参照)が液晶制御基板550の外周側面と同一面(つら)とはならず、嵌合面Eが液晶制御基板550の外周側面(外周端)より内側に位置していることをいい、実装禁止領域Gは、仮に電子部品を配置した場合に、少なくとも1つの電子部品(例えばチップ抵抗)を配置(搭載)することが可能な大きさとなっている。なお、電子部品としては、IC、抵抗、コンデンサ、LED等がある。
本実施の形態に係る液晶ユニット500は操作部の付近に設けられており、振動を受ける可能性があるが、実装禁止領域Gを設けていることにより、振動によりFPC531が動いた(振れた)場合でもFPC531が電子部品と接触せず、例えば液晶の画像乱れを防止できる。また、実装禁止領域Gを設けているため、FPC531と電子部品とが接触せず、電子部品がFPC531から力を受けて、液晶制御基板550から外れるのを防止できる。また、実装禁止領域Gを設けており電子部品が実装されていないため、作業者等がFPC531をコネクタ551に挿入する際にスムーズに差し込むことができ、作業性が向上する。
なお、図23に示すように、コネクタ551は軸回りに回転自在に支持された保持部552を備えるものとしてもよい。コネクタ551は、保持部552が開いた状態にてFPC531が差し込まれ、その状態で保持部552が閉じられると、FPC531とコネクタ551の嵌合がロックされる。
また、図17に示すように、液晶カバー560における、コネクタ551の保持部552と対向する位置に、壁状の凸部561を立設してもよい。凸部561は、コネクタ551の保持部552が開くのを防ぐために設けられる。なお、保持部552と凸部561との間には僅かな隙間が設けられている。この凸部561を設けることで、FPC531がコネクタ551から抜けてしまうのを確実に防止できる。
また、図23において、コネクタ551と電子部品T1(例えばIC)とは、コネクタ551の左端と、電子部品T1の右端とが同一直線上または略同一直線上の位置関係となるように配置されている。このとき、電子部品T1の右端と、FPC531の左端との間に微小な隙間が設けられている。このため、FPC531をコネクタ551に差し込む際に電子部品T1が妨げとならず、作業性が向上する。
本実施の形態では、配線手段の一例としてFPC531を用いる場合を示した。FPCは、フレキシブルプリント基板(フレキシブルプリント配線板)であり、絶縁性を有するフィルム上に複数の電気回路(配線)が形成されている。当該複数の配線を介して信号や電力を送ることができる。
図30は、FPC531を基板面側から見た図である。手前側に基板(不図示)が位置している。本実施の形態では、FPC531は、ベースフィルム(ポリイミド)の片面に銅箔層(回路)が接着され、接続部531aを除く部分(すなわちケーブル部531b)では、回路を覆うようにカバーフィルム(ポリイミド)が接着(圧着)されている。接続部531aはコネクタ551(図23参照)に接続される(差し込まれる)部分であり、端子(回路)が露出している。なお、端子には表面処理(例えばニッケルめっき)が施されていてもよい。また、接続部531a以外の部分がケーブル部531bであり、このケーブル部531bは基板と対向する。また、ケーブル部531bと対向する基板の領域は実装禁止領域G(図22参照)となっている。なお、配線手段をFPC531とする場合、ケーブル部531bの基板側の面であって、基板と対向しない領域(例えば図30の領域J)に、抵抗等の電子部品が実装されていてもよい。また、本実施の形態ではFPC531を単層(片側)FPCとしたが、両面FPCや多層FPCとしてもよい。
また、配線手段としてFFC(Flexible Flat Cable)を用いてもよい。FFCは、複数の配線(導体)が上下から接着剤を介して絶縁フィルム(例えばポリイミドフィルム)に挟まれて形成されている。この場合、コネクタ551としてFFC用のメスコネクタを用いればよい。なお、FFCを用いる場合も、コネクタ551に接続される部分である接続部531a(例えばFFC用のコネクタ)と、接続部531aを除く部分であるケーブル部531bとが、それぞれ設けられる。このケーブル部531bは基板と対向している。
FPCやFFCは、薄いシート状(フィルム状)のフラットケーブルということができる。フラットケーブルは所定の幅を有しているため、液晶制御基板550と対向する領域が形成されやすい。このため、実装禁止領域Gを設けることがより有効となる。
また、配線手段として、2本以上の複数の電線(配線)(ケーブル)が束となったハーネス(ワイヤーハーネス)を用いてもよい。当該ハーネスは、複数の電線(ケーブル部531b)の先端に、所定の極数を有する1つのオスコネクタ(接続部531a)が設けられている。その場合、コネクタ551として当該オスコネクタと嵌合可能なメスコネクタが用いられ、当該オスコネクタ(接続部531a)がコネクタ551に差し込まれる。このとき、ケーブル部531bは基板と対向している。
配線手段は、少なくとも2本の配線を有しているが、4本以上の配線を有していることがより好ましく、8本以上の配線を有していることがさらに好ましい。8本の配線を有している場合、1バイトの信号を送ることができる。
また、本実施の形態ではコネクタ551の一例としてアングルタイプのコネクタを用いる場合を示したが、ストレートタイプのコネクタ、すなわちFPC531の挿抜方向が基板面と垂直なっているコネクタ、換言すると嵌合面E(図20参照)が基板面と平行となっているコネクタを用いてもよい。
なお、コネクタ551をストレートタイプのコネクタとした場合、アングルタイプのコネクタの場合に比べてFPC(配線手段)531の曲げ量が大きくなり、FPC531にかかる応力が増大するため、例えば断線等の虞がある。これに対し、アングルタイプのコネクタでは曲げによる負荷が小さいため、そのような問題は生じない。また、ストレートタイプのコネクタとした場合、FPC531が基板から離れる方向に山なりに湾曲する。そのため、FPC531と干渉しないように液晶カバー560のサイズをより大きくしなければならない。すなわち、小型化(省スペース化)の妨げとなる。これに対し、アングルタイプのコネクタでは、FPC531がより基板に接近した位置を通過するため、そのような問題は生じない。また、アングルタイプのコネクタの場合、FPC531がより基板に接近するため、仮に基板に電子部品が配置されている場合には、電子部品との距離が小さくなる。このため、本実施の形態のように、実装禁止領域Gを設けることがより有効なものとなる。また、アングルタイプのコネクタを用いた場合、既述のとおり、コネクタ551の保持部552が開くのを防ぐ形状(液晶カバー560の凸部561)を設けることができる。このため、FPC531がコネクタ551から容易に外れないようにすることができる。
また、図示は省略するが、実装禁止領域Gには、少なくとも1つのスルーホール(ビアホール)を設けることができる。実装禁止領域Gにスルーホールを設けることで、ノイズに対する耐性が向上するという効果を得ることができる。また、実装禁止領域Gにスルーホールを設けることで、液晶制御基板550の前方側(遊技者側)の空間と液晶制御基板550の後方側(背面側)の空間との間の空気の通り道が形成され、両空間が連通し、放熱効果を得ることができる。例えば、液晶制御基板550の前方側の面(液晶ベース540側の面)(コネクタ551が実装されている面とは反対側の面)にも電子部品を実装することができる。その場合、液晶制御基板550の前方側でも熱が発生することとなるが、当該スルーホールを設けることで、熱が全体(後方側の空間を含む)に拡散されることとなり、液晶制御基板550の前方側の空間のみが高温となることによる電子部品の故障等を防止できる。
また、図示は省略するが、実装禁止領域Gには、少なくとも1つの配線パターンを設けることができる。このように実装禁止領域Gに配線パターンを設けることで、回路設計の自由度が増し、設計効率が向上する。また、実装禁止領域Gに配線パターンを設けない場合、基板のサイズをより大きくしなければ配線パターンを引けないという問題が生じる虞があるが、そのような大型化の問題の発生を防ぐことができる。
また、本実施の形態では、実装禁止領域Gを液晶制御基板550に設けたが、これに限らずその他の基板に設けてもよい。その他の基板とは、サブ基板210、LED基板、液晶基板、電源基板、サブ基板210からLED基板までを中継する中継基板等である。
次に、サブ基板ユニット200の端部の構成について説明する。
図24(a)は、サブ基板ユニット200を背面側から見た概略図(平面図)であり、図24(b)は、図24(a)に示すV-V線での概略断面図である。図24(c)は、サブ基板210を背面側から見た概略図(平面図)である。なお、図示を省略しているが、サブ基板210には、電子部品等が実装されている。電子部品としては、例えば、抵抗、IC、コンデンサ、コイル、ダイオード等がある。
サブ基板ケース220(以下、ケース220という)は、例えば透明樹脂で形成されており、上下方向断面が略凹形状を有している。また、図24(c)に示すように、サブ基板210には、コネクタ211が実装されている。コネクタ211は、アングルタイプのメスコネクタであり、サブ基板210と電気的に接続されている。
以下、サブ基板210の外周の4つの辺のうち、所定の1つの辺を端部(外周端)αとする。また、コネクタ211の開口部(開口面)(オスコネクタが挿入される面)を開口部βとする。本例では、コネクタ211の開口部βが、サブ基板210の端部α側を向き、開口部βと端部αとが互いに平行となっている。また、開口部βと端部αとの間には、所定の距離が確保されている。所定の距離とは、例えば約2~3mm程度である。また、サブ基板210の端部αと同じ側に位置する(端部αに対応する側の)、ケース220の1つの辺を端部(外周端)γとする。
図25は、サブ基板210の端部α、コネクタ211の開口部β、およびケース220の端部γの構成例を示す図である。図25(a)では、平面視において、コネクタ211の開口部βと、ケース220の端部γとが重なって一致した状態となっている。換言すると、ケース220の端部γが、コネクタ211の開口部βの直上に位置している。この状態は、コネクタ211がケース220の端部γよりも内側に位置しているともいえる。さらに換言すると、コネクタ211の上にはケース220が存在している。
図25(a)では、ケース220の端部γが直線となっているものを示したが、図25(b)に示すように、ケース220におけるコネクタ211と対向する位置に、コ字状の切り欠きを形成し、切り欠きの内側(内周端)(内周面)が端部γを構成するようにしてもよい。以下、ケース220にコ字状の切り欠きが設けられている場合、切り欠きの内側の端部であって、端部α、開口部βと平行な端部を端部γという。図25(b)に示す場合でも、平面視において、開口部βと端部γとが重なって一致した状態となっている。
図25(c)は、図25(b)に示す状態で、ハーネスのコネクタ(オスコネクタ)250をコネクタ211に嵌合させた状態を示している。コネクタ250はケース220の端部γよりも外側に位置している。換言すると、コネクタ250の上にケース220は存在していない。
このような端部の位置関係によれば、コネクタ211がケース220の端部γよりも内側に位置し、コネクタ211の上にケース220が存在しているため、作業者等は、平面視上側からコネクタ211に触れることはできない。これにより、コネクタ211に力(負荷)が加わることによるコネクタ211の破損や、コネクタ211がサブ基板210から外れてしまうのを防ぐことができる。
また、コネクタ(オスコネクタ)250がケース220の端部γより外側に位置しているため、作業者等は、平面視上側からコネクタ250には触れることができる。このため、コネクタ250の爪部(図示せず)を押してコネクタ211との嵌合を容易に解除することができ、作業性が向上する。また、図25(c)に示すように、コネクタ250の配線(ケーブル)側の端部(端面)を端部δとすると、端部δはサブ基板210の端部αよりも外側に飛び出ている。このため、作業者等はコネクタ250をよりつまみやすく、コネクタ250の抜き挿しがより容易となる。
次に、図26を用いて、サブ基板210の端部α、コネクタ211の開口部β、およびケース220の端部γの別の構成例について説明する。
本例では、平面視において、サブ基板210の端部αと、コネクタ211の開口部βと、ケース220の端部γとが、すべて重なって一致した状態となっている。換言すると、サブ基板210の端部αと、コネクタ211の開口部βと、ケース220の端部γとが同一直線上に位置している。
このような端部の位置関係によれば、コネクタ211がケース220の端部γよりも内側に位置し、コネクタ211の上にケース220が存在しているため、作業者等は、平面視上側からコネクタ211に触れることはできない。これにより、コネクタ211に力(負荷)が加わることによるコネクタ211の破損や、コネクタ211がサブ基板210から外れてしまうのを防ぐことができる。また、平面視において、サブ基板210の端部αとケース220の端部γとが一致しており、サブ基板210がケース220に覆われているため、サブ基板210に異物等が付着するのを防止できる。
また、コネクタ(オスコネクタ)250がケース220の端部γより外側に位置しているため、作業者等は、平面視上側からコネクタ250に触れることができる。このため、コネクタ250の爪部(図示せず)を押してコネクタ211との嵌合を容易に解除することができ、作業性が向上する。また、コネクタ250がサブ基板210の端部αよりも外側に飛び出ているため、作業者等はコネクタ250をよりつまみやすく、コネクタ250の抜き挿しがより容易となる。
次に、図27を用いて、サブ基板210の端部α、コネクタ211の開口部β、およびケース220の端部γの別の構成例について説明する。図27では、平面視において、コネクタ250の配線側の端部δと、サブ基板210の端部αとが重なって一致している。これはコネクタ250の端部δが、サブ基板210の外周側面とつらとなっているともいえる。
コネクタ250の配線側の端部δがサブ基板210の端部αより外側に飛び出ている場合、壁としての保護機能を果たすサブ基板210が存在しないため、例えばコネクタ250に指が当たる等、コネクタ250が力(外力)(衝撃)を受けやすいものであった。このため、コネクタ250が力を受けた場合に、コネクタ250とコネクタ211との嵌合が外れてしまうという問題や、コネクタ211がサブ基板210から外れてしまうという問題等が生じるおそれがあった。これに対し、図26に示すように、コネクタ250の配線側の端部δをサブ基板210の端部αと一致させた場合、コネクタ250がサブ基板210の端部αよりも外側に飛び出ていないため、指等が当たりにくく、コネクタ250は力を受けにくい。これにより、上記問題の発生を防ぐことができる。
次に、図28を用いて、サブ基板210の端部α、コネクタ211の開口部β、およびケース220の端部γの別の構成例について説明する。
図28(a)に示すように、コネクタ211における開口部βとは反対側(基板の内側)の端部(端面)を端部εとする。本例では、平面視において、ケース220の端部γが、端部εよりも内側(基板の内側)に位置している。すなわち、コネクタ211がケース220の端部γよりも外側(基板の外側)に位置しており、コネクタ211の上にケース220が存在していない。なお、図28(b)に示すように、平面視において、ケース220の端部γと、コネクタ211の端部εとを一致させてもよい。
このような端部の位置関係によれば、コネクタ211がケース220の端部γより外側(基板の外側)に位置しているため、作業者等は、コネクタ211の上部を押さえながら、コネクタ250をコネクタ211に挿入することができる。これにより、コネクタ250をコネクタ211に挿入する際の力(挿入力)によって、コネクタ211がサブ基板210から外れてしまうのを防止できる。特に、コネクタ211が挿入実装ではなく表面実装されている場合、表面実装されているコネクタは力を受けると基板から外れやすい(接着強度が低い)ため、本例のように構成することがより有効となる。
図24~図28では、1つのコネクタ211がサブ基板210に実装されている例を示したが、図29に示すように、複数のコネクタ211がサブ基板210に並設されるように構成してもよい。
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、図1(第1の実施の形態)で示したスロットマシン100のメイン裏箱基板ユニット700を用いて説明するが、本内容はパチンコ遊技機1(第2の実施の形態)に用いられるメイン系の基板ユニットにも適用することができる。
図35(a)は、図1で示したスロットマシン100の正面図であって、前面扉112(図1参照)を取り外した状態を示している。メイン裏箱基板ユニット700は、筐体(裏箱)111の内部であって、メイン基板ユニット400の隣(正面から見て右側)に配置されている。メイン基板ユニット400やメイン裏箱基板ユニット700を含むメイン系の基板ユニットはメイン系の基板(メイン基板)を備えており、不正防止の観点からケースに覆われている。
図35(b)は、メイン裏箱基板ユニット700と、そのメイン裏箱基板ユニット700を背面側から支持するブラケット799とを、正面側から見た分解斜視図である。メイン裏箱基板ユニット700は、基板ケース710(以下、単にケース710という)と、メイン裏箱基板720(以下、単に基板720という)とを備えている。基板720には、コンデンサ等の電子部品や、コネクタ(メスコネクタ)721等が配置(実装)されている。以下、基板720における電子部品やコネクタ721が配置されている面を部品配置面Zという。
ケース710は、箱状に形成され、背面側(基板720側)の面が開口している。ケース710は、部品配置面Zと対向する天板部711と、天板部711の外周に沿って天板部711と垂直に設けられた側板部712とを備えている。側板部712は、基板720が内部に配置されると、基板720の側面(外周面)と対向するようになっている。また、側板部712における天板部711側とは反対側の端部は、ケース開口部714(図39で示す)となっている。ケース710は断面凹形状を有しており、基板720を覆うことが可能に形成されている。換言すると、ケース710は、基板720を内側に配置(設置)可能に形成されている。また、ケース710は、透明樹脂で形成されており、正面側から内部の基板720を視認できるようになっている。
図35(b)に示すように、天板部711におけるコネクタ721と対応(対向)する位置には、コネクタ開口部713が形成されている。本実施の形態では、複数のコネクタ721が基板720に配置されており、その複数のコネクタ721に対応するようにして複数のコネクタ開口部713が設けられている場合を示す。ただし、コネクタ721およびコネクタ開口部713はそれぞれ少なくとも1つ設けられていればよい。コネクタ開口部713は、コネクタ721にオスコネクタ(図示せず)を嵌合可能とするために(すなわちコネクタ721を露出させるために)設けられている。
図36は、メイン裏箱基板ユニット700を正面側から見た図である。また、図37(a)は、図36に示すC-C線の概略断面図である。また、図37(b)は、図36に示すD-D線の概略断面図である。なお、図37(a)および図37(b)では、断面であることを示すハッチングを省略している。
図37(a)に示すように、コネクタ721の外周面(外周側面)(側面部)であって基板720の部品配置面Zと垂直な面を、コネクタ外周面721a(コネクタの側面部)とする。また、コネクタ開口部713の内周面(内面部)をコネクタ開口部内周面713aとする。コネクタ外周面721aとコネクタ開口部内周面713aとは互いに対向している。なお、コネクタ開口部内周面713aにテーパーが設けられている場合、コネクタ外周面721aとの隙間が最も狭くなる箇所(コネクタと最も接近する箇所)をコネクタ開口部内周面713aとする。なお、本実施の形態では、コネクタ721およびコネクタ開口部713がそれぞれ矩形状である場合を示すが、コネクタ721が正方形(平面視)である場合は、コネクタ開口部713は正方形となる。すなわち、コネクタ開口部713は、コネクタ721の外形に沿った形状であればよい。
図37(a)に示すように、コネクタ721の外形の長手方向寸法(左右方向寸法)を寸法AL1とする。また、コネクタ開口部713の長手方向寸法(左右方向寸法)(対向する一対のコネクタ開口部内周面713a間の寸法)を寸法BL1とする。また、図37(b)に示すように、コネクタ721の外形の短手方向寸法(上下方向寸法)を寸法AL2とする。また、コネクタ開口部713の短手方向寸法(上下方向寸法)(対向する一対のコネクタ開口部内周面713a間の寸法)を寸法BL2とする。
本実施の形態では、寸法BL1と寸法AL1との差(寸法BL1-寸法AL1)は約2mmとなっている。また、寸法BL2と寸法AL2との差(寸法BL2-寸法AL2)も約2mmとなっている。すなわち、所定方向のコネクタ開口部713の開口寸法と、それと同方向のコネクタ721の外形寸法との差M(寸法差M)(隙間M)(第1の差)は、約2mmとなっている。所定方向とは、コネクタ721の外周面(部品配置面Zと垂直な面)に沿う方向であって、互いに直交する2方向(第1の方向と第2の方向)である。本実施の形態では、所定方向とは、コネクタ721外周面の長手方向に沿う方向(図37(a)の方向)(第1の方向)と、コネクタ721外周面の短手方向に沿う方向(図37(b)の方向)(第2の方向)とがある。コネクタ721がコネクタ開口部713の中央に位置している状態では、コネクタ外周面721a(コネクタの側面部)とコネクタ開口部内周面713aとの間に、全周にわたって約1mmの隙間が形成されている。このようにコネクタ外周面721aとコネクタ開口部内周面713aとの間の隙間を小さく形成することで、器具等の差し込みが困難となり、不正を防止できるようになっている。
また、コネクタ外周面721aとコネクタ開口部内周面713aとの間(隙間)に対応する位置の基板720には、抵抗、コンデンサ等の電子部品は配置されていない。すなわち、コネクタ外周面721aとコネクタ開口部内周面713aとの隙間を介して、電子部品が視認されることはない。このため、仮に当該隙間を介して器具等を差し込まれた場合であっても、隙間の直下に電子部品が存在しないため、器具等が電子部品に接触することはない。これにより、不正に対する対策をより強化できる。
図38は、メイン裏箱基板ユニット700を背面側から見た図である。
ケース710の内側には基板720が配置されるが、基板720は、まずケース710の内側に配置される(仮置きされる)。次に、ケース710と基板720の両方に同軸に設けられている複数の取付孔MH(本実施の形態では4隅の4箇所)に、ねじ等(図示せず)を締め付けることによって、基板720がケース710に固定される。ここで、図37で説明したようにコネクタ外周面721aとコネクタ開口部内周面713aとの隙間は小さくなっている。そのため、基板720をケース710の内側に配置(仮置き)しただけの状態や、ねじ締めの工程において、仮に基板720の位置がずれた場合に、コネクタ外周面721aとコネクタ開口部内周面713aとが接触するおそれがある。コネクタ外周面721aとコネクタ開口部内周面713aとが接触した場合、コネクタ721の変形、破損や、コネクタ721が基板720から外れてしまうという問題が生じるおそれがある。このことは遊技機の品質低下につながる。
次に、そのような問題の発生を防ぐための構造について説明する。図39は、ケース710を背面側から見た斜視図である。以下、ケース710の側板部712の内周面を内周面712a(内面部)とする。この内周面712aは、ケース710の内側に配置された(ねじ締め前の)基板720の位置を規制する役割を果たす。本実施の形態では、内周面712aにさらに複数(7箇所)の位置規制部730(内面部)を設けている。位置規制部730が設けられている場合には、この位置規制部730が基板720の位置を規制する機能を担う。
位置規制部730は、リブ状に形成されている。本実施の形態の位置規制部730には、基板720の短手方向(左右方向)の動き(移動)を規制する位置規制部731a,731b,732a,732bと、基板720の長手方向(上下方向)の動き(移動)を規制する位置規制部733a,733b,733cとがある。位置規制部730は、天板部711側の部分がケース開口部714側の部分よりも内側に向かって突出するL字状に形成されている。位置規制部730は、基板720の部品配置面Zと接触(当接)する面を有する支持部730Aと、所定の隙間を介して基板720の外周面と対向する面を有する規制部730Bとを有している。
対向する一対の側板部712,712間の寸法という場合、位置規制部730が設けられている場合には、対向する一対の位置規制部730,730間の寸法を指し、位置規制部730が設けられていない場合には、対向する一対の側板部712,712(内周面712a,712a)間の寸法を指す。
図40(a)は、図38に示すH-H線の概略断面図である。図40(b)は、図38に示すI-I線の概略断面図である。なお、図40(a)および図40(b)では、断面であることを示すハッチングを省略している。
図40(a)に示すように、対向する一対の側板部712,712間の寸法、すなわち一対の位置規制部731a,731b間の寸法を寸法CL1とする。なお、図示を省略しているが、一対の位置規制部732a,732b間の寸法も寸法CL1となっている。また、基板720の左右方向(短手方向)の寸法を寸法DL1とする。図40(b)に示すように、対向する一対の側板部712,712間の寸法、すなわち一対の位置規制部733a,733b間の寸法(直線距離、最短距離)を寸法CL2とする。なお、図示を省略しているが、一対の位置規制部733a,733c間の寸法も寸法CL2となっている。また、基板720の上下方向(長手方向)の寸法を寸法DL2とする。
本実施の形態では、寸法CL1と寸法DL1との差(寸法CL1-寸法DL1)は約1mmとなっている。また、寸法CL2と寸法DL2との差(寸法CL2-寸法DL2)も約1mmとなっている。すなわち、所定方向の対向する一対の側板部712間のケース内側寸法と、それと同方向の基板720の外形寸法との差(寸法差N)(隙間N)(第2の差)は、約1mmとなっている。所定方向とは、基板720の外形(外周面)に沿う、互いに直交する2方向(平面視)である。本実施の形態では、基板720外形の短手方向に沿う方向(図40(a)の方向)(第1の方向)と、基板720外形の長手方向に沿う方向(図40(b)の方向)(第2の方向)とがある。基板720がケース710の中央に配置されている状態では、基板720の外周面(外周側面)(端面部)とケース710の側板部712(位置規制部730)(内面部)との隙間は、それぞれ約0.5mmとなっている。なお、本実施の形態では、寸法差Nを約1mmとしたが、この寸法差Nは約0.4mm~約1mmの範囲内で設定することができる。仮に寸法差Nが約0.4mmの場合、基板720の外周面とケース710の側板部712(位置規制部730)との隙間は、それぞれ約0.2mmとなる。
本実施の形態にあっては、ケース710は、基板720のコネクタ721が配置されている面と対向する天板部711と、天板部711の外周に沿って形成された側板部712と、天板部711のコネクタ721に対応する位置に形成されたコネクタ開口部713とを備え、所定方向のコネクタ開口部713の開口寸法と、それと同方向のコネクタ721の外形寸法との差を第1の差(寸法差M)とし、所定方向で(所定方向において)対向する一対の側板部712,712間のケース内側寸法と、それと同方向の基板720の外形寸法との差を第2の差(寸法差N)とすると、第1の差が第2の差よりも大きい。このため、ケース710の内側に基板720を配置した状態(ねじ締めをする前の状態)(ケース710と基板720を組み立てる際)や、ねじ締めの工程で仮に基板720の位置がずれた場合であっても、コネクタ外周面721aとコネクタ開口部内周面713aとが接触(当接)(干渉)するよりも先に、基板720の外周面とケース710の側板部712(内周面712a)とが接触(当接)する。このため、コネクタ721に応力(負荷)がかかることがなく、コネクタ721の変形、破損や、コネクタ721が基板720から外れるという問題の発生を防ぐことができる。これにより、遊技機の品質低下を防ぐことができる。
本実施の形態では寸法差Mを約2mmとする場合を示したが、寸法差M(第2の隙間)は寸法差N(第1の隙間)よりも大きい値となっていればよい。また、本実施の形態では、リブ形状の位置規制部730を設ける場合を示した。位置規制部730を設けた場合、リブとリブの間の寸法を管理すればよいため、面と面の間の寸法を管理する場合に比べて、寸法管理が容易となる。また、仮に基板720のガタつきが大きい場合には位置規制部730の部分の金型を調整(修正)すればよく、対策が容易で工期を短縮できる。なお、位置規制部730を設けることは、基板720のサイズが所定サイズよりも大きい場合に特に有効となる。面と面の間の寸法を管理することが困難となるためである。一方、基板720のサイズが所定サイズよりも小さい場合等、面と面の間の寸法を管理することとしても十分にその精度を確保できる場合には、位置規制部730を設ける必要はない。すなわち、対向する一対の側板部712,712間の寸法を寸法CL1、CL2とすればよい。
また、本実施の形態では、基板720の四方がケース710の側板部712によって囲われているものを示した。すなわち、基板720のすべての外周側面が、ケース710の側板部712と対向するものを示した。ただし、これに限らず、ケース710の4つの側板部712のうち、少なくとも1箇所の側板部712が設けられていなくてもよい。すなわち、ケース710の4つの側板部712のうち、少なくとも1箇所の側板部712が設けられておらず、開口していてもよい。その場合、例えば、ケース710の天板部711に位置決め用ボスが設けられ、その位置決め用ボスと対向する位置の基板720に、ボス孔が設けられている。そして、基板720をケース710の内部に配置する際に、位置決め用ボスをボス孔に挿入する。これにより、位置決め用ボスとボス孔との関係によっても基板720の位置が規制されることとなる。この場合、位置決め用ボスの直径とボス孔の内径との差(寸法差N)は例えば1mmであり、寸法差M(2mm)よりも小さくなっている。そのため、コネクタ外周面721aとコネクタ開口部内周面713aとが接触するよりも先に、位置決め用ボスの外周面と、ボス孔の内周面とが接触することとなる。
また、外形(サイズ)の異なる複数のコネクタ721が基板720に配置されている場合に、すべてのコネクタ721について、寸法差Mが同様(同等)となるようにしてもよい。この場合、仮にコネクタ外周面721aとコネクタ開口部内周面713aとが接触してしまう場合があったとしても、複数の箇所(すべてのコネクタ721)で、コネクタ外周面721aとコネクタ開口部内周面713aとが同時に接触することとなる。そのため、接触時の負荷(衝撃)が1つのコネクタ721に集中することなく複数のコネクタ721に分散される。これにより、コネクタ721の変形、破損を防止でき、コネクタ721が基板720から外れにくくなるという効果を奏する。
また、図36の右下に示すように、1つのコネクタ開口部713の内側に、複数(本実施の形態では2つ)のコネクタ721が並べて配置されていてもよい。コネクタ開口部713は、平面視において凹凸を有しているが、これは2つのコネクタ721(形状の異なるコネクタ)の外形に沿った形状となっているためである。2つのコネクタ721がコネクタ開口部713の中央に位置している状態では、コネクタ外周面721aとコネクタ開口部内周面713aとの間の隙間は、全周にわたって約1mm(両側で約2mmすなわち寸法差M)となっている。なお、本実施の形態では、外形(サイズ)の異なる2つのコネクタ721を1つのコネクタ開口部713の内側に配置したが、それらは同一形状であってもよい。また、2以上のコネクタ721が1つのコネクタ開口部713の内側に配置されていてもよい。また、隣り合う2つのコネクタ721の間の隙間は、2mm以下となっている。このように、コネクタ間の隙間を小さく形成することで、コネクタとコネクタの間に器具等の差し込むことが困難となり、不正に対する対策を強化できる。
上述ではメイン系の基板ユニット(メイン裏箱基板ユニット700)について説明した。次にサブ系の基板ユニットについて、図31で示したサブ基板ユニット600を用いて説明する。なお、本内容はパチンコ遊技機1(第2の実施の形態)に用いられるサブ系の基板ユニットにも適用することができる。
図31(b)で示したように、サブ基板ユニット600は、サブ基板210と、サブ基板210を覆うケース220とを有している。また、ケース220には、コネクタCNを露出させるための開口(コネクタ開口部とする)が設けられている。すなわち、コネクタCNの外周面とコネクタ開口部の内周面との間には隙間が形成されている。
サブ基板ユニット600では、所定方向のコネクタ開口部の寸法と、それと同方向のコネクタCNの外形寸法との差M(寸法差M)は、約4mmとなっている。すなわち、コネクタCNがコネクタ開口部の中央に位置している状態では、コネクタCNの外周面とコネクタ開口部の内周面との間に、全周にわたって約2mmの隙間が形成されている。また、ケース220は側板部を有しているが、所定方向の対向する一対の側板部間のケース内側寸法と、それと同方向のサブ基板210の外形寸法との差N(寸法差N)は、約1mmとなっている。すなわち、サブ基板210がケース220の中央に配置されている状態では、サブ基板210の外周面とケース220の内周面との隙間が、約0.5mmとなっている。なお、図31では、一方の方向(サブ基板ユニット600の長手方向)の寸法差Mおよび寸法差Nのみを示しているが、それと直交する方向も同様に寸法差Mおよび寸法差Nの関係となっている。
このように寸法差Mが寸法差Nよりも大きくなっているため、仮にサブ基板210の位置がずれた場合であっても、コネクタCNの外周面とコネクタ開口部の内周面とが接触するよりも先に、サブ基板210の外周面とケース220の内周面(側板部)とが接触する。このため、コネクタCNに応力(負荷)がかかることがなく、コネクタCNの変形、破損や、コネクタCNが基板210から外れるという問題の発生を防ぐことができる。
また、図13に示すように、サブ基板ユニットでは、音量調整スイッチ300のつまみ330が、ケース220に形成されたケース開口(音量調整開口部)224を介して突出している。このとき、つまみ330の直径と音量調整開口部224の内径との差M(寸法差M)(第3の隙間)は、約4mmとなっている。すなわち、つまみ330が音量調整開口部224の中央に位置している状態では、つまみ330の外周面と音量調整開口部224の内周面(内面部)との間に全周にわたって約2mmの隙間が形成されている。また、このとき、ケース220の位置(高さ)等によっては、音量調整開口部224の内周面と対向するのが、つまみ330の外周面ではなく、ハウジング310の外周面(外周側面)となる場合がある。その場合、ハウジング310は四角形(平面視)となっており、音量調整開口部224も同様に四角形(平面視)となっている。この場合にも、音量調整開口部の開口寸法とハウジング310の外形寸法との差M(寸法差M)(第3の隙間)は、約4mmとなっている。すなわち、ハウジング310が音量調整開口部224の中央に位置している状態では、ハウジング310の外周面と音量調整開口部224の内周面との間に、全周にわたって約2mmの隙間が形成されている。音量調整スイッチ300の側面部という場合、つまみ330の外周面(側面部)を指す場合と、ハウジング310の外周面(側面部)を指す場合とがある。
また、図31(a)および図31(b)に示すように、サブ基板210には、平面視四角形状のリセットスイッチREが配置されている。ケース220には、リセットスイッチREと対応する位置に、平面視四角形状のリセットスイッチ開口部が形成されている。このとき、リセットスイッチREの外周面(外周側面)と、リセットスイッチ開口部の内周面とが対向する場合がある。この場合にも、リセットスイッチ開口部の開口寸法とリセットスイッチREの外形寸法との差M(寸法差M)は、約4mmとなっている。すなわち、リセットスイッチREがリセットスイッチ開口部の中央に位置している状態では、リセットスイッチREの外周面とリセットスイッチ開口部の内周面との間に、全周にわたって約2mmの隙間が形成されている。
このように、サブ基板ユニットにおいて、音量調整スイッチ300やリセットスイッチREにおいても、寸法差M(約4mm)が寸法差N(約1mm)よりも大きく形成されている。このため、仮にサブ基板210の位置がずれた場合であっても、つまみ330(またはハウジング310)と音量調整開口部224の内周面とが接触するよりも前に、サブ基板210の外周面とケース220の内周面(側板部)とが接触する。また、仮にサブ基板210の位置がずれた場合であっても、リセットスイッチREとリセットスイッチ開口部の内周面とが接触するよりも前に、サブ基板210の外周面とケース220の内周面(側板部)とが接触する。これにより、音量調整スイッチ300やリセットスイッチREが変形、破損するのを防止できる。また、音量調整スイッチ300やリセットスイッチREがサブ基板210から外れてしまうのを防止できる。
なお、リセットスイッチ開口部には、リセットスイッチ開口部を覆う蓋部がさらに設けられていてもよい。蓋部は、四角形状の板状部材であり、回転軸(一辺)がリセットスイッチ開口部付近(開口部の上側)の蓋支持部に回転可能に支持されている。蓋部の下側(回転軸側と反対側)をつまんで手前に引くことで、蓋部が回転して開いた状態となり、リセットスイッチREが表れる。このようにリセットスイッチREを覆う蓋部を設けることで、蓋部を開けない限り器具等を差し込むことができず、不正に対する対策をより強化できる。さらに、ケース220からサブ基板210側に突出し、リセットスイッチREの周囲(外側)を囲むように形成されたリブをさらに設けてもよい。このようにリブを設けることで、仮に蓋部を開けて器具を差し込んだとしても、リブの存在によって器具等の侵入が妨げられ、器具等がリセットスイッチREに接触しない。これにより、不正に対する対策をさらに強化できる。
次に、その他のサブ系の基板ユニットであるサブ裏箱スレーブ基板ユニット610について説明する。図35に示すように、サブ裏箱スレーブ基板ユニット610は、筐体(裏箱)111の内部における左側面に配置されている。図示は省略するが、サブ裏箱スレーブ基板ユニット610は、コネクタが配置された基板と、基板を覆うケースとを備えており、ケースには、コネクタを露出させるためのコネクタ開口部が設けられている。所定方向のコネクタ開口部の開口寸法と、それと同方向のコネクタの外形寸法との差M(寸法差M)は、約6mmとなっている。すなわちコネクタがコネクタ開口部の中央に位置している状態では、コネクタの外周面とコネクタ開口部の内周面との間に、全周にわたって約3mmの隙間が形成されている。また、ケースは側板部を有しており、所定方向の対向する一対の側板部間のケース内側寸法と、それと同方向の基板の外形寸法との差N(寸法差N)は、約1mmとなっている。すなわち基板がケースの中央に配置されている状態では、基板の外周面とケースの内周面との隙間は、約0.5mmとなっている。このように、サブ裏箱スレーブ基板ユニット610においても、寸法差M(約6mm)が寸法差N(約1mm)よりも大きくなるように形成されている。このため、コネクタの外周面とコネクタ開口部の内周面とが接触するよりも先に、基板の外周面とケースの内周面とが接触する。これにより、コネクタの変形、破損や、コネクタが基板から外れるという問題の発生を防ぐことができる。
ここで、メイン系の基板ユニットとサブ系の基板ユニットとで寸法差Mを比較した場合、サブ系の基板ユニットの寸法差M(約4mmまたは約6mm)は、メイン系の基板ユニットの寸法差M(約2mm)よりも大きくなっている。サブ系の基板ユニットの寸法差Mの最大値は、コネクタ幅(短い方の幅)をXmmとした場合に、2Xとなっている。例えばコネクタ幅が5mmの場合、寸法差Mの最大値は10mmとなる。このとき、コネクタ外周面とコネクタ開口部の内周面との隙間は全周にわたって5mmとなり、当該隙間に、もう1つのコネクタを配置することは困難となる。
メイン系では、基板をケースの内側に配置する際に、基板をケースの天板部に垂直な方向から降ろすように配置する構造とする必要がある。一方、サブ系では、基板をケースの内側に配置する際に、まず基板のいずれか1辺をケースの爪部等に引っ掛け(斜めに挿入し)、次に基板の反対側を押すようにして(弧を描くようにして)ケースに配置する構造とすることができる。そのような構造を採用した場合、サブ系ではコネクタ外周面とコネクタ開口部の内周面との隙間をメイン系よりも大きく確保することで、コネクタとケースとの干渉を回避している。
なお、本実施の形態では、基板を基板ケースにねじ締めするものとしたが、基板ケースを基板にねじ締めする構造としてもよい。また、基板を基板ケースに固定する固定部材としてねじを用いたが、ピン等を用いてもよい。ピンとしては、例えば、孔(基板と基板ケースに設けられた貫通孔)を通過する際には直径が小さくなるが、孔を通過した後に、両端部の直径が大きくなり、両端部に抜け止め部が形成されるものがある。そのようなピンを用いた場合、抜け止め部をつまんで直径を小さくしない限り、基板および基板ケースがピンから外れることはない。
図35に示すPO部、すなわち筐体(裏箱)111の内部の左下には電源スイッチが設けられている。なお、図35では、電源スイッチが蓋に覆われた状態を示している。ここで電源スイッチが基板に実装されているタイプであり、その基板がケースに覆われている場合について説明する。ケースには、電源スイッチを露出させるための電源開口部が設けられている。所定方向の電源開口部の開口寸法と、それと同方向の電源スイッチの外形寸法との差M(寸法差M)は、約6mmとなっている。すなわち、電源スイッチが電源開口部の中央に位置している状態では、電源スイッチの外周面と電源開口部の内周面との間に、全周にわたって約3mmの隙間が形成されている。また、ケースは側板部を有しており、所定方向の対向する一対の側板部間のケース内側寸法と、それと同方向の基板の外形寸法との差N(寸法差N)は、約1mmとなっている。すなわち基板がケースの中央に配置されている状態では、基板の外周面とケースの内周面(側板部)との隙間は、約0.5mmとなっている。このように、電源ユニットにおいても、寸法差M(約6mm)が寸法差N(約1mm)よりも大きくなるように形成されている。このため、電源スイッチの外周面と電源開口部の内周面とが接触するよりも先に、基板の外周面とケースの内周面とが接触する。これにより、電源スイッチの変形、破損や、電源スイッチが基板から外れるという問題の発生を防ぐことができる。
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、図1(第1の実施の形態)で示したスロットマシン100のリール照明基板ユニットを用いて説明するが、本内容はリール用の照明に限らず、スロットマシン100における他の照明装置(例えば上扉112aの照明装置)にも適用することができる。さらには、パチンコ遊技機1(第2の実施の形態)における各照明装置にも適用することができる。
図41(a)は、液晶表示装置LCDとリールユニットRUを一体の状態としたものを正面側から見た斜視図であり、図41(b)は同背面側から見た斜視図である。液晶表示装置LCDとリールユニットRUとの間には、図1で示したリール131~133に光を照射するための照明基板ユニット(詳細は後述する)が設けられている。液晶表示装置LCDは透過型の液晶モジュールを備えている。すなわち、リールの前方で演出等の画像が表示されるとともに、奥のリールが視認可能となっている。このようにリールの前方に透過液晶を設けた場合、奥のリールを視認可能とするためにリールを明るく照らす必要がある。すなわち、定められたスペース内で照明基板ユニットのLED基板に配置するLEDの数を多くする必要がある。しかし、LEDの数を多くするほど(基板に多数のLEDを密集させて配置するほど)、LEDの発光に伴う発熱量が大きくなり、LEDが破損するおそれがある。そこで、本実施の形態では、LED基板に多数のLEDを配置した場合でも、LEDが破損することのない構造としている。
図42に示すように、本実施の形態の照明基板ユニット80は、LED基板(基板)81、放熱シート82、および放熱板83等を備えている。照明基板ユニット80は、下方からのねじ締めにより、ベース部84の側部(下方側部)に固定されるようになっている。以下、ベース部84の下方に固定される照明基板ユニット80について説明するが、ベース部84の上方にも同等の構成を有する照明基板ユニットが配置されている。すなわち、リールには、上下からそれぞれ光が照射されるようになっている。
照明基板ユニット80は、左右対称に形成された一対の(2つの)LED基板81,81を備えている。LED基板81は、左右方向に延びる長尺板状に形成されている。また、LED基板81は、左右方向に沿って、所定の間隔毎に配置された複数のLED(光源)81aを備えている。また、LED基板81は、左右方向の外側端部に配置されたコネクタ81bを備えている。1つのLED基板81は、例えば21個から42個のLED81aを備えている。このLED81aの光はリールに照射される。なお、本実施の形態では、LED基板81を2つ並べて設けているが、1つとしてもよく、また2つ以上としてもよい。
また、照明基板ユニット80は、左右対称に形成された一対の(2つの)放熱シート82,82を備えている。放熱シート82は、LED基板81に対応する外形を有し、薄いシート状(例えば厚さ約1mm)に形成されている。なお、本実施の形態では、放熱シート82がLED基板81に対応する外形を有するものとしたが、放熱シート82は、少なくともLED基板81の複数のLED81aが配置されている位置に対向(対応)する位置に設けられていればよい。この放熱シート82は、LED基板81におけるLED配置面(基板の表面)とは反対側の面(基板の裏面)に接触(当接)している。放熱シート82は、熱伝導性を有するとともに絶縁性を有する材料で形成され、本実施の形態ではシリコンで形成されている。放熱シート82は、熱伝導シートと言うこともできる。放熱シート82は、放熱板83とLED基板81との間に挟まれるようにして保持されている。なお、本実施の形態では、放熱シート82を2つ並べて設けているが、1つとしてもよく、また2つ以上としてもよい。
次に、図43を用いて放熱板83について説明する。図43は、放熱板(板金)83を前方から見た斜視図である。放熱板83は、左右方向に延びる長尺状に形成され、放熱シート82と接触する平面部83aと、平面部83aの端部から放熱シート82側とは反対側(本例では下側)に向かって延びる側面部83bとを備えている。この放熱板83は金属で形成されており、本実施の形態ではアルミ製となっている。金属としては熱伝導性が高い材料がより好ましい。平面部83aと側面部83bは、金属製の板を折り曲げることによって形成されている。放熱板83を金属板の折り曲げのみによって形成できるようにすることで、製造に要する時間を短縮し、コストを下げることができる。また、本実施の形態では、側面部83bの両側から前方に向かって延びる凸部83cがさらに設けられている。放熱板83が側面部83bや凸部83cを備えていることで、放熱板83の面積(表面積)が大きくなっている。ヒートシンクとしての機能を担う放熱板83の面積を大きくすることによって、放熱板83の外部への放熱効果をさらに高めることができる。
図44を用いて、熱の流れについて説明する。(1)LED基板81のLED81aが発光することに伴い熱が発生する。(2)放熱シート82は、LED基板81側から熱を受けるとともに、その熱を放熱板83側に逃がす(伝導する)。(3)放熱板83は、放熱シート82から熱を受けるとともに、その熱を外部に放出する。放熱量は、放熱シート82および放熱板83の材質、面積によって変化するようになっている。
本実施の形態の照明基板ユニット80によれば、複数のLED81aが配置されたLED基板81と、LED基板81のLED81aが配置されている側の面とは反対側の面に接触し、熱伝導性を有する放熱シート82と、放熱シート82のLED基板81に接触する側の面とは反対側の面に接触する金属製の放熱板83とを備える。このため、LED基板81に複数のLED81aを配置し、LED81aからの発熱量が大きくなった場合でも、熱を速やかに発散させることができる。これにより、LED81aの破損を防ぐことができる。
なお、本実施の形態では、図43で示したように、放熱板83において側面部83bを平面部83aの片側(後方側)のみに設けた。ただし、これに限らず、側面部83bを平面部83aの両側(すなわち前方側と後方側)に対向するようにそれぞれ設けてもよい。すなわち、放熱板83を側方から見た場合に、略コ字状となるようにしてもよい。この場合でも金属板の折り曲げのみによって放熱板83を形成できる。放熱板83を、側方から見てコ字状となるように形成することで、放熱板83の面積をより大きくし、放熱効果をさらに高めることができる。なお、側面から見てコ字状とした場合に、対向する側面部83b,83b間を連結するリブを、左右方向に沿って所定の間隔毎に複数設けてもよい。この場合、放熱板83を折り曲げのみによって形成することは困難となるが、放熱板83の面積をより大きくすることができ、放熱効果をさらに高めることができる。
また、LED基板81に複数のスルーホール(スルーホールビア、ビアホール)をさらに設けてもよい。スルーホールは、LED81a配置面側(基板の表面側)の熱を、基板の裏面側(放熱シート82側)に通過させる機能を担う。スルーホールの数は、例えばLED81aの数よりも多く設ける。また、スルーホールを設ける位置は、熱を逃がすという観点から、LED81aの付近(LED81aの周囲)であることがより好ましい。例えば、1個のLEDの周囲に4個のスルーホールを設けてもよい(LED1個の4倍の数)。スルーホールを設ける場合、放熱シート82は、少なくともスルーホールが形成されている位置と対応(対向)する位置に設けられている。LED基板81と金属製の放熱板83との間に絶縁性を有する放熱シート82を介在させることで、LED基板81(スルーホールあり)と放熱板83とが直接接触して短絡するのを回避でき、スルーホールを設けることができる。
このようにLED基板81は複数のスルーホールを備え、複数のスルーホールに対応する位置に放熱シート82が配置されている。このため、LED基板81と放熱板83とが直接接触して短絡するのを回避しつつ、基板表面のLED81aの熱を、基板の裏面側(放熱シート82側)により移動させやすくすることができる。これにより、放熱効果がさらに高まり、LED81aの破損リスクをより低減できる。
また、スルーホールを設ける場合、直径をすべて同一としてもよいが、直径の異なるスルーホール、すなわち大径スルーホールと小径スルーホールを設けてもよい。例えば、LED81aの周囲のスルーホールは小径スルーホールとし、スルーホールの数を多くすることを優先させてもよい。ただし、その場合でも、LEDの付近に印字されている識別符号(例えば「LED10」という文字)とスルーホールとは重ならないようになっており、識別符号の視認性が確保されている。また、例えば、大径スルーホールを主にグランドライン用とし、小径スルーホールを主に信号ライン用としてもよい。
また、例えばリール照明用の場合、LED81aはいずれも白色のものが用いられ、全点灯または全消灯するように制御される。ただし、LED81aの仕様はこれに限らず、発光色および点灯数は、各照明装置ごとに適宜設定すればよい。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第5の実施の形態では遊技機の一つであるスロットマシンについて説明するが、その他の遊技機であってもよい。なお、本実施形態のスロットマシンにおいて、第1の実施の形態と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
図45に本実施形態の遊技機の上扉112a部分を示す。上扉112aには、液晶ディスプレイ813、および意匠部材150,150が設けられている。
液晶ディスプレイ(表示装置)813は、その表示領域(表示面)814に各種演出用の画像(動画、静止画)が表示されるようになっている。また、表示領域814は、第1表示領域814aと第2表示領域814bとを有している。第1表示領域814aは、液晶ディスプレイ813の正面視において、略下半分に横長の矩形状に形成されている。液晶ディスプレイ813は、透過型の液晶ディスプレイとなっており、第1表示領域814aの後方にある部材を視認可能な状態とすることができるようになっている。
第1表示領域814aの後方には、リールユニット130が、その一部が第1表示領域814aを介して視認可能となるように配置されている。そして、リール131,132,133が停止すると、第1表示領域814aを介して1リール当たり3個の連続する図柄が表示される。また、第1表示領域814aには、各リール131,132,133の図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール131,132,133の表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。
第1表示領域814aは、透明な状態と演出画像を表示した状態とを含む複数の状態を有している。そして、第1表示領域814aが透明な状態においては、リール131,132,133の図柄が視認可能な状態となる。また、第1表示領域814aが演出画像を表示した状態においては、リール131,132,133の前方に演出画像が表示されるなお、第1表示領域201が演出画像を表示した状態において、リール131,132,133の図柄は視認可能(視認容易)となっていてもよく、視認不可能(視認困難)となっていてもよい。このように第1表示領域814aは、リール131,132,133の図柄が視認可能で、かつ演出用の画像を表示可能な領域となっている。
第2表示領域814bは、液晶ディスプレイ813の表示領域814のうち、第1表示領域814aを除いた部分であり、本実施の形態では、第1表示領域814aより上側の広い横長矩形の領域、第1表示領域814aより下側の狭い横長矩形の領域および第1表示領域814aより左右側の縦長矩形の狭い領域によって構成されている。つまり、第2表示領域814bは、第1表示領域814aを囲むように配置されている。第2表示領域814bは、演出用の画像を表示可能となっており、第2表示領域814bと第1表示領域814aとにわたって一つのまとまりのある画像を表示することもできるようになっている。また、第2表示領域814bは、透明な状態を有さず、後方にある部材を透過させて視認可能とすることはできないようになっている。ただし、第2表示領域814bも透明な状態を有していてもよい。換言すると、表示領域814全体が第1表示領域814aとなっていてもよい
図45および図46に液晶ディスプレイ813と意匠部材150,150との位置関係を示す。ここで、図46は、液晶ディスプレイ813および意匠部材150,150を上方から見た断面図である。意匠部材150,150は、液晶ディスプレイ813を挟んで上扉112aの左右両側に配置されている。また、意匠部材150,150は、上下に長尺な略方形箱状となっている。また、意匠部材150,150は、上下方向の長さが液晶ディスプレイ813と略同一であり、液晶ディスプレイ813の左右の辺それぞれに沿って配置されている。また、意匠部材150,150は、その前面が、液晶ディスプレイ813よりも前方に位置するよう、前方に突出して配置されている。そして、左右の意匠部材150,150の間から表示領域814が見えるようになっている。換言すると、意匠部材150,150によって幅が画定される開口を介して表示領域814が見えるようになっている。また、左右の意匠部材150,150は、互いにほぼ左右対称の構造を有しており、その配置もほぼ左右対称となっている。
意匠部材は、遊技機の外観を装飾する部材である。本実施形態の遊技機においては、意匠部材150は、照明装置(サイドランプ)となっているが、発光しないものであってもよい。
意匠部材150は、左右方向内側の側面(内壁820)が、左右方向内側に向かって膨らんだ形状となっている。具体的には、内壁820は、前後方向における中央部が最も内側に位置するように膨らんだ形状となっており、これにより突出部822が形成されている。意匠部材150は、その内部に設けられた2種類のスピーカ830および照明用のLED基板(図示せず)と、これらを覆う外装部材832とを備えており、突出部822が形成されていることにより、スピーカおよびLED基板を収納するスペースが確保されている。
突出部822は、液晶ディスプレイ813よりも前方に位置しており、かつ表示領域814の外縁よりも左右方向内側に突出している。そして、一方の意匠部材150の突出部822の頂点から他方の意匠部材150までの距離W1(液晶ディスプレイ813の表示面に平行な平面における、一方の意匠部材150から他方の意匠部材159までの最短距離)は、液晶ディスプレイ813の表示領域814の左右方向の幅W2よりも短くなっている。そして、正面側から液晶ディスプレイ813を見た場合に、突出部822は、表示領域814の外縁よりも表示領域814側に入り込んだ状態となっている。
なお、突出部822は、意匠部材150の前後方向における中央部に形成されていなくてもよく、例えば、前後方向における前側に形成されていてもよい。換言すると、意匠部材150の前面が、左右方向において最も内側に突出するようになっていてもよい。この場合、意匠部材150の前面を大きくし、意匠部材150の存在感を高めることができる。
また、意匠部材150の内壁820は、突出部822(突出部822の頂点)から後方に向かうにつれて表示領域814の外側に向かう形状となっている。換言すると、意匠部材150の内壁820は、突出部822よりも後ろ側が、後方に向かうにつれて徐々に左右方向外側に向かう形状となっている。具体的には、内壁820は、突出部822の頂点よりも後ろ側に、後方に向かうにつれて左右方向外側に向かう傾斜面824を有している。
また、意匠部材150の内壁820の後端は、液晶ディスプレイ813の前面に当接あるいは近接している。また、この意匠部材150(内壁820)と液晶ディスプレイ813の前面との当接部(近接部)Pは、液晶ディスプレイ813の表示領域814よりも外側に位置している。本実施形態の遊技機においては、当接部Pは、表示領域814の外縁とほぼ面一となっており、左右の意匠部材150,150の当接部P間の距離は前記幅W2とほぼ同一となっている。
以上から明らかなように、意匠部材150は、その一部が、前後方向(表示領域814に垂直な方向)において表示領域814の一部と重なり合うようになっており、表示領域814の一部を覆った状態となっている。また、意匠部材150は、内壁820の後端(液晶ディスプレイ813の前面に当接する部分)が、前後方向(表示領域814に垂直な方向)において表示領域814と重ならないようになっており、表示領域814を覆わないようになっている。すなわち、意匠部材150の表示領域814を覆う部分(突出部822)と液晶ディスプレイ813との間には、表示領域814の端部を視認可能とする空間が形成されている。
遊技者等の視点における表示領域814の可視範囲(見える範囲)は、遊技者等の立ち位置によって、変わるようになっている。具体的には、前述のように、意匠部材150の一部が前後方向において表示領域814の一部と重なり合っているため、遊技機の正面側(表示領域814に垂直な方向)の無限遠から見た場合(換言すると遊技機の正面図(垂直投影図)において)、表示領域814はその一部が意匠部材150によって覆い隠され、遊技者から見えないようになっている(図45参照)。一方、所定の位置、具体的には遊技者のアイポイントQからは、遊技者が顔を上下左右に動かすことなく表示領域814の全体を視認することができるようになっている。ここで、遊技者のアイポイントQとは、椅子に座って遊技をするときの遊技者の目の位置を意味する。すなわち、遊技機の近くでは表示領域814の全体を視認することができる一方、遊技機の遠くでは表示領域814の全体を視認することができないようになっている。換言すると、顔を動かすことなく表示領域814の全体を視認できるか否かは、前後方向(表示面に垂直な方向)における遊技機と遊技者の目との距離が所定距離未満か所定距離以上かによって変わるようになっている。この距離は、遊技をする状態における遊技者が表示領域814の全体を視認することができるようにすることが望ましく、具体的には、例えば、前後方向における液晶ディスプレイ813(表示領域814)と遊技者の目との距離が50~90cm未満の場合に、遊技者が顔を上下左右に動かすことなく表示領域814全体を視認することができるようになっているとよい。換言すると、液晶ディスプレイ813からの距離が50~90cm未満である所定点Qから表示領域814の外縁までの直線上に意匠部材150の内壁820がかからないようになっているとよい。
また、遊技機の正面側の無限遠から見た場合であっても、特定の表示については、意匠部材150に覆い隠されないようになっている。ここで、特定の表示には、複数のストップボタン124の操作順序を指示(示唆)する表示(いわゆるアシストタイムにおいて表示される打順のナビ)、遊技機のメーカー名あるいはロゴの表示、遊技者が遊技にのめり込み過ぎてしまうことを防止するための表示(のめり込み防止表示:注意喚起表示)等が含まれる。なお、のめり込み防止表示とは、「パチンコ・スロットは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。」等の、遊技者に対する注意喚起をする文字の表示である。遊技機のメーカー名あるいはロゴの表示や、のめりこみ防止表示は所定期間遊技が行われなかった場合に表示されるデモ画面等において表示される。
なお、ここで挙げた特定の表示の全てを、無限遠から見た場合であっても視認可能とすることとしなくてもよい。また、遊技に関する数値の表示は、無限遠から見た場合に、各数値の一部あるいは全体が意匠部材150に覆い隠されるようになっていてもよい。ここで、遊技に関する数値の表示とは、遊技者が特定区間(特定期間)において行った遊技の回数に関する表示や、1回の遊技あるいは特定区間(特定期間)において払い出されたメダルの払い出し枚数に関する表示や、所定の遊技状態あるいは演出状態において実行可能な遊技の回数に関する表示や、所定の遊技状態あるいは演出状態において獲得可能なメダルの枚数に関する表示や、前述のナビの回数に関する表示や、演出に関するカウンタのカウント値の表示等が含まれる。
また、遊技機の正面側の無限遠から見た場合であっても、第1表示領域814aについては、意匠部材150に覆い隠されないようになっている。換言すると、表示領域814に垂直な方向の無限遠から見た場合であっても、リール131,132,133については、意匠部材150に覆い隠されないようになっており、リール131,132,133の図柄が視認可能となっている。
以上のように、本実施形態の遊技機は、演出画像を表示領域814に表示する液晶ディスプレイ813と、意匠部材150と、を備え、意匠部材150は、液晶ディスプレイ813よりも前方において表示領域814の外縁よりも内側に突出する突出部822を有するとともに、突出部822から後方に向かうにつれて表示領域814の外側に向かう形状となっており、表示領域814の全体が視認可能となっている。したがって、遊技者の視認可能な範囲を広くすることができ、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。また、遊技者の視認可能な領域を確保した上で意匠部材150を大型化することができるので、遊技機の装飾性を高めたり、意匠部材の内部に音の優れた大型のスピーカを配置したりすることができ、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、突出部822を有し表示領域814の全体を視認可能とする意匠部材150が、液晶ディスプレイ813の横に配置されるものとしたが、液晶ディスプレイの上または下に配置されるものであってもよい。また、本実施形態においては、透過型の液晶ディスプレイ813の場合を例に液晶ディスプレイと意匠部材150との関係を説明したが、第1の実施の形態に示すような透過型でない液晶ディスプレイ113等に対して本発明を適用してもよい。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。第5の実施の形態は、液晶ディスプレイ813と意匠部材150との関係について規定し、意匠部材を大型化しつつ液晶ディスプレイの視認性を確保したものであるが、第6の実施の形態は、意匠部材を大型化しつつ遊技領域を移動する遊技媒体の視認性を確保したものである。また、第6の実施の形態はパチンコ遊技機について説明したものである。本実施形態のパチンコ遊技機において、第2の実施の形態と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
本実施形態の遊技機では、図47に示すように、遊技領域4が左側に位置する左打ち領域4aと右側に位置する右打ち領域4bとに区画されており、遊技者が遊技球の発射強度を変化させることにより、異なる領域に遊技球を落下させることができるようになっている。
また、遊技領域4の上端部には、左打ち領域4aと右打ち領域4bとを繋ぐ遊技球通路840が設けられている。そして、所定の発射強度以上で発射装置から発射された遊技球は遊技球通路840を通過して右打ち領域4bに進む一方、所定の発射強度未満で発射装置から発射された遊技球は遊技球通路840を通過せずに左打ち領域4aに進むようになっている。
遊技球通路840は、外レール28と、この外レール28に沿って、外レール28よりも下方に設けられたレール841とによって形成されている。また、遊技球通路840は、外レール28の上端を含んで形成されている。また、遊技球通路840の幅は、最も狭い部分で、遊技球1個分の直径よりも長く、遊技球2個分の直径よりも短くなっている。また、この遊技球通路840の幅が最も狭くなる部分は、遊技球通路840の頂部、換言すると外レール28の上端(頂部)とレール841の当該上端に対向する部分によって形成される部分、さらに換言すると遊技領域4の上端に位置する部分となっている。
また、本実施形態の遊技機では、図48および図49に示すように、前枠10の上部に、左右方向に長尺な略方形箱状の意匠部材850が設けられている。また、意匠部材850は、左右方向の長さが前枠10の左右方向の長さの半分以上となっている。また、意匠部材850は、その前面が、遊技領域4およびガラスユニット8よりも前方に位置するよう、前方に突出して配置されている。
なお、本実施形態の遊技機においては、ガラスユニット8は、板面を平行にして前後方向に並べられた2枚の透明板(ガラス板)8a,8bを有している。
意匠部材850は、その内部に設けられた照明用のLED基板(図示せず)と、これを覆う外装部材851とを備えており、外装部材851の内側に、LED基板を収納するスペースが確保されている。また、外装部材851の意匠部材850前面を構成する部分には機種名等を表わすロゴが付されており、内部に設けられたLED基板によってロゴが光るようになっている。
なお、意匠部材850の内部にスピーカ等が設けられていてもよい。
意匠部材850の下面852は、前側部分が最も下方に位置している。また、当該前側部分は、水平面に略平行な平面853となっている。また、意匠部材850の下面852は、平面853の後端より後ろ側が、水平面に対して傾斜した傾斜面854となっている。そして、意匠部材850の下面852は、後側部分(傾斜面854部分)が、後方に向かうにつれて上方に向かう形状となっている。すなわち、意匠部材850は、後側部分よりも前側部分が下方に突出しており、突出部856が形成されている。また、意匠部材850の下面852(傾斜面854)の後端は、ガラスユニット8に当接または近接している。
なお、意匠部材850の下面852の後端の形状は、外レール28の形状に沿って形成されていてもよい。すなわち、下面852の後端が、正面から見た場合に上側に凸となるように湾曲した形状となっていてもよい。また、これに合わせて下面852(傾斜面854)の形状が上側に向けてくぼんだすり鉢状となっていてもよい。
図49は、図48のA-A線断面における要部の概略図であり、遊技領域4の上端(頂部:外レール28の上端)を通る上下方向および前後方向に平行な面で切った断面を示すものである。図49に示す断面は、レール841の上端(頂部)および意匠部材850の下面852の後端の上端(頂部)も通っている。
意匠部材850の下面852の後端は、遊技領域4の上端に対応する部分(遊技領域4上端の前方部分)において、遊技領域4の上端よりも下方に位置している。換言すると、意匠部材850の下面852の後端は、遊技球通路840の上面840aの上端よりも下方に位置している。また、意匠部材850の下面852の後端は、遊技球通路840の下面840bの上端よりも上方に位置している。また、意匠部材850の下面852の後端は、遊技領域4の上端に位置した状態の遊技球B(遊技球通路840の上面840aの上端に接した状態の遊技球)の下端よりも上方に位置している。より具体的には、当該状態の遊技球Bの中心(図49に一点鎖線Cで図示)よりも上方に位置している。
また、突出部856は、遊技領域4の上端に位置した状態の遊技球Bの中心よりも下方突出している。換言すると、突出部856の下端は、当該状態の遊技球Bの中心よりも下方に位置している。より具体的には、突出部856の下端は、当該状態の遊技球Bの下端よりも下方に位置している。また、突出部856は、遊技球通路840の下面840bの上端よりも下方に突出している。
以上から明らかなように、意匠部材850は、前後方向(遊技盤6およびガラスユニット8に垂直な方向)において、遊技領域4の上端に位置した状態の遊技球Bと重なり合うようになっており、当該状態の遊技球B全体を覆うようになっている。また、意匠部材850は、下面852の後端における遊技領域4の上端に対応する部分(遊技領域4上端の前方部分)が、前後方向(遊技盤6およびガラスユニット8に垂直な方向)において、遊技領域4の上端に位置した状態の遊技球Bの少なくとも下半分と重ならないようになっており、当該状態の遊技球の少なくとも下半分を覆わないようになっている。また、下面852の後側部分は、傾斜面854となっている。このため、遊技球が遊技領域4の上端に位置する場合であっても、遊技領域4を転がる遊技球を遊技者が容易に視認できるようになっている。ここで、所定の位置、具体的には遊技者のアイポイントからは、遊技者が顔を上下左右に動かすことなく当該状態の遊技球の少なくとも下半分が見えるようになっていることが好ましい。遊技者のアイポイントとは、椅子に座って遊技をするときの遊技者の目の位置を意味する。具体的には、例えば、前後方向におけるガラスユニット8と遊技者の目との距離が50~90cm未満の場合に、遊技者が顔を上下左右に動かすことなく当該状態の遊技球の少なくとも一部(下半分)を視認することができるようになっているとよい。換言すると、ガラスユニット8からの距離が50~90cm未満である所定点から遊技領域4の上端に位置する遊技球B(遊技球Bの中心よりも下側の部分)までの直線上に意匠部材850がかからないようになっているとよい。
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。本実施の形態は、スロットマシンやパチンコ遊技機等の遊技機の基板900に係る発明についてのものである。基板900は、メイン基板、サブ基板、遊技機端子板(外部端子板や遊技球等貸出装置接続端子板等)、あるいは他の実施の形態で示した各種基板等を含むいずれの基板であってもよい。
なお、外部端子板とは、遊技機を外部の電子機器(データ表示装置やホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板からは、遊技機の状態等を表す各種の外部情報信号が外部の電子機器に向けて出力されるようになっている。また、遊技球等貸出装置接続端子板は、遊技機を遊技媒体を貸し出す貸出装置に接続するためのものであり、この遊技球等貸出装置接続端子板を介して貸出装置との情報の送受信が可能となっている。
基板900には、図50に示すように、複数の電子部品901が実装されている。ここで、電子部品とは、例えば、IC、抵抗、コンデンサ、コイル、ダイオードまたはコネクタ等である。また、基板900には、複数のスルーホール(ビアホール)902が設けられている
また、基板900は、第1基板識別表示911と第2基板識別表示912との2つの基板識別表示を有している。ここで、基板識別表示とは、基板に関する情報を示すもの、具体的には各基板を識別可能とする表示であり、複数の文字や数字、記号等によって表されている。
第1基板識別表示911と第2基板識別表示912とは、同一の内容(情報)の表示となっている。具体的には、第1基板識別表示911と第2基板識別表示912とは、同一の文字列「ABC01」の表示となっている。
また、第1基板識別表示911は、エッチング加工により形成されたエッチング文字となっている。換言すると、第1基板識別表示911は、銅箔により形成された銅箔文字となっている。一方、第2基板識別表示912は、シルク印刷により形成されたシルク文字となっている。第1基板識別表示911と第2基板識別表示912とは、エッチング文字とシルク文字とで異なることから、光の反射率、散乱の仕方等が異なり、見え方が異なるようになっている。
基板900は、緑色の基板となっている。また、第1基板識別表示911は、エッチング文字であり基板900の配線パターンと同様に形成されているため、配線パターンと同じ色(同系色)、具体的には緑色となっている。また、第2基板識別表示912は、第1基板識別表示911および配線パターンと異なる色(同系色でない色)、具体的には白色となっている。
なお、第2基板識別表示912を、第1基板識別表示911や配線パターンと同系色としてもよい。
また、第1基板識別表示911と第2基板識別表示912とは、表示サイズが同一となっている。すなわち、第1基板識別表示911の文字列「ABC01」と第2基板識別表示912の文字列「ABC01」とは、大きさが同一となっている。なお、これらの表示サイズは完全に同一でなくてもよいが、視認したときに略同一とみなせる範囲(例えば、一方の表示に対して縦横の長さが±10%以内の差異)であることが好ましい。
また、第2基板識別表示912は、第1基板識別表示911を、基板900の短辺(図50における左右の辺)に対して平行に移動させた位置に配置されている。なお、第2基板識別表示922は、第1基板識別表示911を、基板900の長辺(図50における上下の辺)に対して平行に移動させた位置に配置してもよい。このように、第1基板識別表示911を面内において基板900のいずれかの辺に対して平行に移動させた位置に、第2基板識別表示912を配置することで、観測者が識別表示を確認したい場合に識別表示を容易に発見することができる。
また、第1基板識別表示911および第2基板識別表示912は、基板900の面内における周縁部に配置されている。換言すると、第1基板識別表示911および第2基板識別表示912は、基板900のいずれかの辺の近傍に、当該辺に沿って配置されている。
また、第1基板識別表示911と第2基板識別表示912とは、表示方向、すなわち文字列の方向が同一となっている。具体的には、第1基板識別表示911と第2基板識別表示912とは、図50において左から右に向かって読むように配置されているとともに、文字列の上下が図50の上下と一致している。
また、第1基板識別表示911の表示範囲と第2基板識別表示912の表示範囲とには、スルーホール902が設けられていない。具体的には、文字列「ABC01」の間にスルーホール902が存在しないようになっている。
また、基板900は、各電子部品901の近傍に各電子部品901を識別可能とする識別表示904を有している。具体的には、基板900には、6個の抵抗901が実装されており、各抵抗901の近傍には、各抵抗901を識別するための識別表示904として、「R1」~「R6」の文字列が記されている。また、基板900には、4個のコンデンサ901が実装されており、各コンデンサ901の近傍には、各コンデンサ901を識別するための識別表示904として、「C1」~「C4」の文字列が記されている。また、基板900には、2個のIC901が実装されており、各IC901の近傍には、各IC901を識別するための識別表示904として、「IC1」~「IC2」の文字列が記されている。また、基板900には、2個のコネクタ901が実装されており、各コネクタ901の近傍には、各コネクタ901を識別するための識別表示904として、「CN1」~「CN2」の文字列が記されている。
識別表示904は、全てシルク文字となっている。ただし、一部または全部の識別表示904がエッチング文字となっていてもよい。
第1基板識別表示911および第2基板識別表示912は、基板900に表示された他の識別表示よりも表示サイズが大きくなっている。具体的には、第1基板識別表示911および第2基板識別表示912は、どの識別表示904よりも表示サイズが大きくなっている。
本実施形態の遊技機によれば、遊技機に設けられた所定の基板900は、第1基板識別表示911と第2基板識別表示912とを有し、第1基板識別表示911はエッチング文字となっており、第2基板識別表示912はシルク文字となっているので、一方の基板識別表示が見えにくくなる場合でも、他方の基板識別表示を見やすくすることができる。すなわち、エッチング文字とシルク文字とでは、光の反射率、散乱の仕方等が異なるので、遊技機が設置されている遊技店等の環境(照明等の状態)等によって一方の基板識別表示の視認性が低下する場合でも、他方の基板識別表示の視認性の低下が抑えられ、識別表示を容易に確認することができる。また、特に遊技機筐体(第1の実施の形態の遊技機における筐体111等)の側板(内側面)に設けられる基板については、覗き込むようにして基板識別表示を確認する必要があることや、基板識別表示が基板上の部品の陰に位置したりすることがあることから、基板識別表示が見えにくくなることがあるが、本実施形態の遊技機においては、2つの基板識別表示を有しているので、基板識別表示を視認することが容易となる。
(第8の実施の形態)
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。本実施の形態は、スロットマシンやパチンコ遊技機等の遊技機の基板に係る発明についてのものである。基板としては、メイン制御基板、サブ制御基板、LED基板、液晶基板、電源基板、中継基板、遊技機端子板(外部端子板や遊技球等貸出装置接続端子板等)、等がある。
基板は、複数の電子部品を実装(配置)可能に形成されている。複数の電子部品としては、コネクタ、IC、抵抗、コンデンサ、コイル、ダイオード、インダクタ、トランジスタ、スイッチ等がある。また、基板には、複数のスルーホール(ビアホール)が設けられている。また、基板は、例えば緑色の基板となっている。
基板は、各電子部品が配置される箇所(位置)の近傍に、各電子部品を識別可能とする識別表示(識別情報)を有している(識別表示としての文字列が記されている)。識別表示は、電子部品に関する情報を示すもので、複数の符号(文字、数字、記号等)によって表されている。また、識別表示は、シルク印刷により形成されたシルク文字となっており、例えば白色となっている。
本実施形態において、複数の電子部品には、量産時に実装される電子部品(量産時実装部品)と、量産時には実装されない部品(量産時未実装部品)とがある。量産時とは、市場に提供する製品を多量に生産する際をいう。
図56に示すように、量産時未実装部品としては(1)開発時にのみ用いられ、量産時(量産開始時)には実装されない開発用部品、(2)機能(仕様)の追加等が決定された場合に実装される電子部品であって、量産時(量産開始時)には実装されない機能拡張用部品、(3)遊技機を市場へ提供するために行われる所定の試験において用いられ、量産時(量産開始時)には実装されない試験用部品、等がある。なお、上記(2)の機能の追加としては、例えば表示装置としての液晶ユニット(例えばサブ液晶)を追加することがある。
本実施形態では、識別表示には、量産時実装部品に対応する第1識別表示と、量産時未実装部品に対応する第2識別表示とがある。そして、第1識別表示と第2識別表示とは識別可能となっている。換言すると、第1識別表示と第2識別表示とは、異なる表示態様となっている。以下、具体的に説明する。
まず、基板をサブ制御基板1000とする場合について説明する。図51は、サブ制御基板1000を示している。なお、図51は量産時の状態を示しており、量産時未実装部品は破線で示している。基板1000には、複数のスルーホール1000aが設けられている。基板1000は、所定の電子部品としてのコネクタ1001,1002,1003,1004,1005,1006を実装可能となっている。コネクタ1001,1002,1003は、量産時実装部品である。コネクタ1001の近傍には、コネクタ1001に対応する第1識別表示「CN1」の文字列が記されている。この第1識別表示「CN1」のうち「CN」はコネクタ(電子部品)を表す文字列であり、「1」は何番目のコネクタ(電子部品)であるかを表す符号(以下、符号部という)である。また、コネクタ1002の近傍には、コネクタ1002に対応する第1識別表示「CN2」の文字列が記されている。また、コネクタ1003の近傍には、コネクタ1003に対応する第1識別表示「CN3」の文字列が記されている。本実施形態では、量産時実装部品に対応する第1識別表示は「CN1」から順番に、符号部の番号(数字)が1ずつ繰り上がるようになっている。なお、符号部は通し番号ともいえる。また、例えば「CN1」は、情報を伝えるため一定の規則に基づいて作られた記号の体系的な組合せ(すなわち符号)ともいえる。よって、CN1、CN2、…は、続きの符号(続きの情報)(連続性のある情報)となっているといえる。
コネクタ1004,1006は、量産時未実装部品のうちの開発用部品である。また、コネクタ1005は、量産時未実装部品のうちの機能拡張用部品である。コネクタ1004の配置位置の近傍には、コネクタ1004に対応する第2識別表示「CN501」の文字列が記されている。また、コネクタ1005の配置位置の近傍には、コネクタ1005に対応する第2識別表示「CN502」の文字列が記されている。また、コネクタ1006の配置位置の近傍には、コネクタ1006に対応する第2識別表示「CN503」の文字列が記されている。本実施形態では、量産時未実装部品に対応する第2識別表示は「CN501」から順番に、符号部の番号(数字)が1ずつ繰り上がるようになっている。
また、基板1000は所定の電子部品としての複数のIC1011,1012,1013,1014を実装可能となっている。IC1011,1012は量産時実装部品である。また、IC1013,1014は量産時未実装部品である。量産時実装部品に対応する第1識別表示は「IC1」から順番に表記され、量産時未実装部品に対応する第2識別表示は「IC501」から順番に表記されている。
また、基板1000は所定の電子部品としての複数の抵抗1021,1022,1023,1024を実装可能となっている。抵抗1021,1022は量産時実装部品である。また、抵抗1023,1024は量産時未実装部品である。量産時実装部品に対応する第1識別表示は「R1」から順番に表記され、量産時未実装部品に対応する第2識別表示は「R501」から順番に表記されている。
また、基板1000は所定の電子部品としての複数のコンデンサ1031,1032,1033,1034を実装可能となっている。コンデンサ1031,1032は量産時実装部品である。また、コンデンサ1033,1034は量産時未実装部品である。量産時実装部品に対応する第1識別表示は「C1」から順番に表記され、量産時未実装部品に対応する第2識別表示は「C501」から順番に表記されている。
また、基板1000は所定の電子部品としての複数のLED1041,1042,1043,1044を実装可能となっている。LED1041,1042は量産時実装部品である。LED1043,1044は量産時未実装部品である。量産時実装部品に対応する第1識別表示は「LED1」から順番に表記され、量産時未実装部品に対応する第2識別表示は「LED501」から順番に表記されている。
また、基板1000は所定の電子部品としての複数のスイッチ1051,1052,1053,1054を実装可能となっている。スイッチ1051,1052は量産時実装部品である。また、スイッチ1053,1054は量産時未実装部品である。量産時実装部品に対応する第1識別表示は「SW1」から順番に表記され、量産時未実装部品に対応する第2識別表示は「SW501」から順番に表記されている。
なお、図示を省略するが、コイル、インダクタ、トランジスタ等のその他の電子部品についても、第1識別表示および第2識別表示が上記と同様となっており、両者が識別可能となっている。
このように、量産時実装部品に対応する第1識別表示(第1識別情報)と、量産時未実装部品に対応する第2識別表示(第2識別情報)とは、符号部(数字)の起算点(数え始める最初の数字)が異なっている。具体的には、第1識別表示は「1」から始まり、第2識別表示は「501」から始まっている。第1識別表示は「CN1」から連続するように表記され、第2識別表示は「CN501」から連続するように表記されている。このように、第1識別表示と第2識別表示とは表示態様が異なり、続きの符号(続きの情報)(連続性のある情報)となっていない(識別可能となっている)。このため、基板1000おける識別表示を見て、量産時実装部品であるか量産時未実装部品であるかを(すなわち部品の種別を)容易に識別することができる。
量産時実装部品であるか量産時未実装部品であるかを容易に識別できるため、開発段階において基板の評価を行う際や、出荷前に基板の検査を行う際等に、作業の効率を向上させることができる。また、基板に電子部品を実装する際の誤組付けを防ぐことができる。
なお、本実施形態では、量産時未実装部品に対応する第2識別表示の符号部(数字の部分)を500番台としたが、例えば該当電子部品の量産時実装部品の数が少ない場合(例えば50以下)、当該符号部を100番台としてもよい。すなわち当該符号部の起算点を101としてもよい。また、符号部を1000番台(起算点を1001)としてもよい。量産時未実装部品に対応する第2識別表示と、量産時実装部品に対応する第1識別表示とで文字数(桁数)が異なっている場合、例えば量産時未実装部品に対応する第2識別表示の方が、量産時実装部品に対応する第1識別表示よりも文字数が多くなっている場合、より両者を識別しやすくなる。
また、量産時未実装部品に対応する第2識別表示の符号部は、アルファベットであってもよい。例えば量産時未実装のコネクタが複数ある場合、それらの第2識別表示はCNA、CNB、CNC、…という順で表記されていてもよい。さらにその場合、CNZの次をCNAAとしてもよい。同じ「CN」が付されている部品(コネクタ)について、「CN」の後が数字である場合は量産時実装部品であり、「CN」の後がアルファベットである場合は量産時未実装部品であるため、容易に識別できる。
また、量産時未実装部品に対応する第2識別表示における電子部品を表す文字の部分を所定の文字(例えばP)で固定(統一)してもよい。その場合、量産時未実装部品は電子部品の種類を問わずに、P1、P2、P3、…という順で第2識別表示が表記されることとなる。「P」が付されているものは量産時未実装部品であるため、容易に識別できる。
また、量産時実装部品に対応する第1識別表示および量産時未実装部品に対応する第2識別表示はそれぞれ連番になっているものとするが、一部に欠番があってもよい。
ここで、図56に示すように、量産時実装部品には、遊技機の制御に用いられる第1部品と、所定時(検査時)にのみ用いられる第2部品(検査用部品)とがある。検査用部品には、基板(例えばメイン制御基板)の制御手段(制御装置)の正当性を判段するための検査に用いられる照合端子がある。照合端子は、所定の情報を出力可能な端子であり、検査端末と接続可能となっている。なお、照合端子は、通常は検査端末と接続されておらず、検査時にのみ検査端末に接続される。また、照合端子から出力される所定の情報としては、制御装置(マイコン)のIDや入賞に関する情報等がある。
次にメイン制御基板について説明する。図52は、メイン制御基板1020を示している。なお、図52は量産時の状態を示しており、量産時未実装部品は破線で示している。
メイン制御基板1020には、複数のスルーホール1020aが設けられている。また、メイン制御基板1020は、所定の電子部品としての複数のコネクタ1021,1022,1023,1024,1025を実装可能となっている。コネクタ1021,1022,1023,1024は量産時実装部品であり、コネクタ1025は、量産時未実装部品(試験用部品)である。コネクタ1021~1023は図56で示した第1部品であり、コネクタ1024は図56で示した第2部品(検査用部品:照合端子)である。なお、図示を省略しているが、メイン制御基板1020にはその他にも電子部品が実装されている。
コネクタ1021(第1部品)の近傍には、コネクタ1021に対応する第1識別表示「CN1」の文字列が記されている。また、コネクタ1022(第1部品)の近傍には、コネクタ1022に対応する第1識別表示「CN2」の文字列が記されている。また、コネクタ1023(第1部品)の近傍には、コネクタ1023に対応する第1識別表示「CN3」の文字列が記されている。また、コネクタ1024(第2部品:検査用部品)の近傍には、コネクタ1024に対応する第1識別表示「CN4」の文字列が記されている。この第2部品(検査用部品)に対応する第1識別表示は、第1部品に対応する第1識別表示に続くように(後続するように)(連番となるように)表記されている。具体的には、第2部品に対応する第1識別表示の符号部(番号)は、第1部品に対応する第1識別表示のうちの最も大きい符号部(番号)の次の番号となっている。なお、第2部品(検査用部品)に対応する第1識別表示を所定の文字列(例えば「CNS」)で固定してもよい。
また、コネクタ1025の配置位置の近傍には、コネクタ1025に対応する第2識別表示「CN501」の文字列が記されている。
図53は、図52で示したメイン制御基板1020におけるコネクタ1021(26極)が実装されている箇所の部分拡大図である。なお、コネクタ1021は図示を省略している。メイン制御基板1020は、コネクタ1021の近傍に記された、コネクタ1021の各端子を識別可能とする端子識別表示を有している。端子識別表示には、何番目の端子であるかを符号(数字)で表す第1端子識別表示と、何番目の端子であるかを所定の記号(例えばドット)で表す第2端子識別表示とがある。本実施形態では、コネクタ1021における四隅の端子の近傍に第1端子識別表示が記されている。具体的には、1ピンの近傍に第1端子識別表示「1」が記され、2ピンの近傍に第1端子識別表示「2」が記され、25ピンの近傍に第1端子識別表示「25」が記され、26ピンの近傍に第1端子識別表示「26」が記されている。また、コネクタ1021における所定数のピンごと(5ピンごと)に第2端子識別表示が記されている。具体的には、5ピンの近傍、10ピンの近傍、15ピンの近傍、20ピンの近傍、および25ピンの近傍に第2端子識別表示としてのドット表示がそれぞれ記されている。
このように端子識別表示(第1端子識別表示および第2端子識別表示)を設けることで、例えばコネクタにおける調査したい端子をすぐに特定することができ、作業の効率を向上させることができる。なお、上記ではコネクタ1021を用いて説明したが、これに限らず、他のコネクタの近傍にも同様の端子識別表示を設けることができる。
(第9の実施の形態)
次に本発明の第9の実施の形態について説明する。
本実施の形態の遊技機は、基本的に第8の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第8の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
図54は本実施形態に係る基板1030(メイン制御基板1030)を示す図である。なお、図54は量産時の状態を示しており、量産時未実装部品は破線で示している。
メイン制御基板1030には、複数のスルーホール1030aが設けられている。また、メイン制御基板1030は、所定の電子部品としての複数のコネクタ1031,1032,1033,1034,1035,1036を実装可能となっている。コネクタ1031,1032,1033,1034は量産時実装部品であり、コネクタ1035,1036は、量産時未実装部品(試験用部品)である。コネクタ1031~1033は図56で示した第1部品であり、コネクタ1034は図56で示した第2部品(検査用部品:照合端子)である。なお、図示を省略しているが、メイン制御基板1030にはその他にも電子部品が実装されている。
コネクタ1034(第2部品:検査用部品)の近傍には、コネクタ1034に対応する識別表示「CN1」の文字列が記されている。また、コネクタ1031(第1部品)の近傍には、コネクタ1031に対応する識別表示「CN2」の文字列が記されている。また、コネクタ1032(第1部品)の近傍には、コネクタ1032に対応する識別表示「CN3」の文字列が記されている。また、コネクタ1033(第1部品)の近傍には、コネクタ1033に対応する識別表示「CN4」の文字列が記されている。また、コネクタ1035の配置位置の近傍には、コネクタ1035に対応する識別表示「CN5」の文字列が記されている。また、コネクタ1036の配置位置の近傍には、コネクタ1036に対応する識別表示「CN6」の文字列が記されている。
本実施形態では、第2部品(検査用部品)に対応する識別表示は「CN1」から順番に表記されている。また、第1部品に対応する識別表示は、第2部品に対応する識別表示に続くように(後続するように)順番に表記されている。具体的には、第1部品に対応する識別表示のうちの最も小さい符号部(番号)は、第2部品に対応する識別表示のうちの最も大きい符号部(番号)の次の番号となっている。
また、試験用部品(量産時未実装部品)に対応する識別表示は、第1部品に対応する識別表示に続くように(後続するように)順番に表記されている。具体的には、試験用部品に対応する識別表示のうちの最も小さい符号部(番号)は、第1部品に対応する識別表示のうちの最も大きい符号部(番号)の次の番号となっている。
本実施形態では、第2部品(量産時実装部品)、第1部品(量産時実装部品)、試験用部品(量産時未実装部品)の順に、識別表示が連続するように付されている。換言すると、量産時実装部品から順に識別表示が付与され、量産時実装部品の後に続くようにして、量産時未実装部品の識別表示が付与されている。また、量産時実装部品の中でも、第2部品(検査用部品)の符号部がより小さい値となっている。
本実施形態によれば、所定の電子部品(例えばコネクタ)に対応する識別表示について、符号部(番号)が比較的小さい値であるものは量産時実装部品であり、符号部(番号)が比較的大きい値であるものは量産時未実装部品であると判断することができる。また、識別表示における符号部が最も小さいものが検査用部品(照合端子)であるため、検査用部品を特定しやすいという効果が得られる。
(第10の実施の形態)
次に本発明の第10の実施の形態について説明する。
本実施の形態の遊技機は、基本的に第8の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第8の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
図55は、本実施形態に係る基板1040(メイン制御基板1040)を示す図である。なお、図55は量産時の状態を示しており、量産時未実装部品は破線で示している。
メイン制御基板1040には、複数のスルーホール1040aが設けられている。また、メイン制御基板1040は、所定の電子部品としての複数のコネクタ1041,1042,1043,1044,1045,1046を実装可能となっている。コネクタ1041,1042,1043,1044は量産時実装部品であり、コネクタ1045,1046は、量産時未実装部品(試験用部品)である。コネクタ1041~1043は図56で示した第1部品であり、コネクタ1044は図56で示した第2部品(検査用部品:照合端子)である。また、なお、図示を省略しているが、メイン制御基板1040にはその他にも電子部品が実装されている。
コネクタ1041(第1部品)の近傍には、コネクタ1041に対応する識別表示「CN1」の文字列が記されている。また、コネクタ1042(第1部品)の近傍には、コネクタ1042に対応する識別表示「CN2」の文字列が記されている。また、コネクタ1043(第1部品)の近傍には、コネクタ1043に対応する識別表示「CN3」の文字列が記されている。また、コネクタ1044(第2部品:検査用部品)の近傍には、コネクタ1044に対応する識別表示「CN4」の文字列が記されている。また、コネクタ1045の配置位置の近傍には、コネクタ1045に対応する識別表示「CN5」の文字列が記されている。また、コネクタ1046の(配置位置の)近傍には、コネクタ1046に対応する識別表示「CN6」の文字列が記されている。
本実施形態では、第1部品に対応する識別表示は「CN1」から順番に表記されている。また、第2部品(検査用部品)に対応する識別表示は、第1部品に対応する識別表示に続くように(後続するように)表記されている。具体的には、第2部品に対応する識別表示のうちの最も小さい符号部(番号)は、第1部品に対応する識別表示の符号部のうちの最も大きい符号部(番号)の次の番号となっている。
また、試験用部品(量産時未実装部品)に対応する識別表示は、第2部品に対応する識別表示に続くように(後続するように)順番に表記されている。具体的には、試験用部品に対応する識別表示のうちの最も小さい符号部(番号)は、第2部品に対応する識別表示の符号部のうちの最も大きい符号部(番号)の次の番号となっている。
本実施形態では、第1部品(量産時実装部品)、第2部品(量産時実装部品)、試験用部品(量産時未実装部品)の順に、識別表示が連続するように付されている。換言すると、量産時実装部品から順に識別表示が付与され、量産時実装部品の後に続くようにして、量産時未実装部品の識別表示が付与されている。また、量産時実装部品の中でも、第1部品の符号部がより小さい値となっている。
本実施形態によれば、所定の電子部品(例えばコネクタ)に対応する識別表示について、符号部(番号)が比較的小さい値であるものは量産時実装部品であり、符号部(番号)が比較的大きい値であるものは量産時未実装部品であると判断することができる。また、第1部品は最も数が多い部品であるが、例えば第1部品としての抵抗が50個実装される場合、その識別表示がR1~R50となり、部品の数と識別表示の符号部との間にずれが生じない。よって、管理がより容易となる。