<<実施形態1>>
以下、図面を用いて、本発明の実施形態1に係る遊技台(スロットマシン)について説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いてスロットマシン100の全体構成について説明する。図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
図1に示すスロットマシン100は、本発明の遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には(図示省略)、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110~112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110~112が構成されている(図25参照)。リール110~112上の図柄は、遊技者から見ると、各リール110~112の手前に設けられた図柄表示窓113から縦方向に概ね三つ表示され、合計九つの図柄が見えるようになっている。
そして、各リール110~112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組合せが変動することとなる。つまり、各リール110~112は、複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
スロットマシン100内部において各々のリール110~112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(インデックスセンサともいう。図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
リール110~112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのリールバックライト264(図6(a),図7参照。詳細は後述)が配置されている。また、リール110~112の下方には、スロットマシン100の各種状態を報知するための状態表示LED280(図3参照。詳細は後述)が配設されている。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。
演出ボタン156は、遊技者が操作可能な操作手段である。本実施形態では、遊技者による押下操作が可能なボタンで構成しており、各種演出に使用される。このような演出に用いられる操作手段は、ボタンに限定されず、例えば、レバーやタッチパネル等で構成してもよいし、操作手段を複数備えていてもよい。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン(停止ボタン)137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応付けられている。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作といい、最初の停止操作を第1停止操作(以下、「1停」や「第1停止」ともいう。)、次の停止操作を第2停止操作(以下、「2停」や「第2停止」ともいう。)、最後の停止操作を第3停止操作(以下、「3停」や「第3停止」ともいう。)という。
また、これらの停止操作に対応して停止されるリールを、順に第1停止リール、第2停止リール、第3停止リールという。さらに、回転中の各リール110乃至112を全て停止させるためにストップボタン137乃至139を停止操作する順序を、操作順序(または、押順)という。
ストップボタン137~139の操作順序(押順)は、左ストップボタン137を「左またはR」、中ストップボタン138を「中またはC」、右ストップボタン139を「右またはR」で表した場合、(1)左→中→右の操作順序(左中右またはLCR),(2)左→右→中の操作順序(左右中またはLRC),(3)中→左→右の操作順序(中左右またはCLR),(4)中→右→左の操作順序(中右左またはCRL),(5)右→左→中の操作順序(右左中またはRLC),(6)右→中→左の操作順序(右中左またはRCL)の6種類である。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。
この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
また、本体101の内部には、回転操作により、オンとオフに切り替え可能な設定キーや、押下操作により、設定変更を行うための操作(設定値変更操作)や、設定確認を行うための操作が可能な設定スイッチが設けられている。設定キーは、設定値(本例では設定1~設定6)の設定変更や設定確認を開始するための操作手段であり、設定スイッチは、複数の設定値のうちの一の設定値を設定可能な設定手段の一つである。
<入賞ライン>
次に、図2を用いて、入賞ラインについて説明する。図2は、スロットマシン100の入賞ラインの一例を示す図である。
図1を用いて説明したように、リール110~112上の図柄は、遊技者から見ると、各リール110~112の手前に設けられた図柄表示窓113から縦方向に概ね三つ表示され、合計九つの図柄が見えるようになっている。
具体的には、左リール110の上段(図に示す1の位置;図柄位置1ともいう)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(図に示す2の位置;図柄位置2ともいう)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(図に示す3の位置;図柄位置3ともいう)に表示される図柄を左リール下段図柄という。
また、中リール111の上段(図に示す4の位置;図柄位置4ともいう)に表示される図柄を中リール上段図柄、中リール111の中段(図に示す5の位置;図柄位置5ともいう)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(図に示す6の位置;図柄位置6ともいう)に表示される図柄を中リール下段図柄という。
また、右リール112の上段(図に示す7の位置;図柄位置7ともいう)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(図に示す8の位置;図柄位置8ともいう)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(図に示す9の位置;図柄位置9ともいう)に表示される図柄を右リール下段図柄という。
本実施形態では、入賞ラインとして、左リール中段図柄(図柄位置2)、中リール中段図柄(図柄位置5)および右リール中段図柄(図柄位置8)で構成される中段入賞ラインL1(以下、単に「入賞ラインL1」という場合がある。)のみが設けられている。
ここで、入賞ラインとは、図柄表示窓113を介して視認可能となる図柄の停止位置に設定されるラインであり、入賞役に対応する図柄組合せが表示されたか否か(揃ったか否か)が判定されるラインのことである。有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっている。
本実施形態のスロットマシン100は3枚賭け専用機であり、メダルの投入枚数が3枚未満のときは、どの入賞ラインも有効にはならず、メダルが3枚ベットされたときに入賞ラインL1が有効になる。入賞ラインが有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。
以下、図柄表示窓113のうち、入賞ラインL1上の図柄位置2、5、8を「入賞位置」、それ以外の図柄位置、つまり図柄位置1、3、4、6、7、9を「非入賞位置」と称する場合がある。すなわち、入賞位置とは、入賞ライン上にあり、かつ入賞役に対応する図柄組合せを構成する図柄が停止する位置をいう。
なお、入賞ラインの数については1ラインに限定されるものではない。例えば、入賞ラインL1に加えて、左リール上段図柄、中リール上段図柄および右リール上段図柄で構成される上段入賞ラインや、左リール下段図柄、中リール下段図柄および右リール下段図柄で構成される下段入賞ラインの計3ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、メダルの賭数に応じた数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
<状態表示LED>
次に、状態表示LED280について説明する。図3は、状態表示LED280の正面図であり、図4は、状態表示LED280を構成する部材を分解して示す分解斜視図である。
<状態表示LED/上段の表示部>
図3に示すように、状態表示LED280の上段には、メダル投入可能表示部124と、遊技開始表示部121と、再遊技表示部122と、メダル投入表示部129が配置されている。
メダル投入可能表示部124は、遊技者がメダルを投入可能になったことを報知するための表示部であり、遊技者がメダルを投入可能な状態になった場合に「INSERT」の文字列を点灯させる。
遊技開始表示部121は、規定枚数のメダルの投入があった場合に遊技の開始操作が可能な状態であることを報知するための表示部であり、遊技の開始操作が可能な状態になった場合に「START」の文字列を点灯させる。
再遊技表示部122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に報知するための表示部であり、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に「REPLAY」の文字列を点灯させる。
メダル投入表示部129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させるための表示部であり、メダルが1枚投入された場合に「1BET」の文字列を点灯させ、メダルが2枚投入された場合に「2BET」の文字列を点灯させ、メダルが3枚投入された場合に「3BET」の文字列を点灯させる。
図4に示すように、本例のメダル投入可能表示部124、遊技開始表示部121、再遊技表示部122、および、メダル投入表示部129は、いずれも、LED基板288(第一の基板)と、このLED基板288(第一の基板)の実装面において白色塗膜シルクが塗布された明色領域288a(第二の領域。明色の塗膜が形成されている領域)に配置された複数のLED286(第二の発光手段)と、この複数のLED286(第二の発光手段)からの光が通る矩形状の開口部284a(空間)が区画されたリフレクタ284(第一の区画部材)と、複数のLED286(発光手段)からの光が照射される文字シート282(第一の被照射部材)で構成されている。
ここで、本発明に係る「明色」とは、明度の高い色のことであり、例えば、白色、黄色、水色などが該当する。
メダル投入可能表示部124を構成する文字シート282には、「INSERT」という文字列からなる半透明の部材が配設されている。そして、メダル投入可能表示部124を構成する複数のLED286を点灯させると、遊技の開始操作が可能な状態であることを報知する「INSERT」という文字列が発光するように構成されている。
遊技開始表示部121を構成する文字シート282には、「START」という文字列からなる半透明の部材が配設されている。そして、遊技開始表示部121を構成する複数のLED286を点灯させると、遊技の開始操作が可能な状態であることを報知する「START」という文字列が発光するように構成されている。
再遊技表示部122を構成する文字シート282には、「REPLAY」という文字列からなる半透明の部材が配設されている。そして、再遊技表示部122を構成する複数のLED286を点灯させると、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を報知する「REPLAY」という文字列が発光するように構成されている。
メダル投入表示部129を構成する文字シート282には、「3BET」、「2BET」、「1BET」という文字列からなる半透明の部材が配設されている。そして、遊技メダル投入表示部129を構成する複数のLED286のうち、「3BET」の文字シート282に対応するLED286を点灯させると、メダルが3枚投入されたことを報知する「3BET」という文字列が発光するように構成され、「2BET」の文字シート282に対応するLED286を点灯させると、メダルが2枚投入されたことを報知する「2BET」という文字列が発光するように構成され、「1BET」の文字シート282に対応するLED286を点灯させると、メダルが1枚投入されたことを報知する「1BET」という文字列が発光するように構成されている。
<状態表示LED/下段の表示部>
図3に示すように、状態表示LED280の下段には、貯留枚数表示部125と、遊技情報表示部126と、払出枚数表示部127が配置されている。
貯留枚数表示部125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を、2桁の数値で表示するための表示部である。
払出枚数表示部127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を、2桁の数値で表示するための表示部である。
図4に示すように、本例の貯留枚数表示部125および払出枚数表示部127は、いずれも、LED基板288(第一の基板)と、このLED基板288(第一の基板)の実装面において白色塗膜シルクが塗布された明色領域288a(第二の領域。明色の塗膜が形成されている領域)に配置された複数のLED286(第二の発光手段)と、この複数のLED286(第二の発光手段)からの光が通る、矩形状の開口部284a(空間)と2桁の7セグメント表示器の形状からなる開口部284b(空間)が区画されたリフレクタ284(第一の区画部材)と、複数のLED286(発光手段)からの光が照射される文字シート282(第一の被照射部材)で構成されている。
貯留枚数表示部125を構成する文字シート282(第一の被照射部材)には、「CREDIT」という文字列からなる半透明の部材と、開口部284bに対応する2桁の7セグメント表示器の形状からなる半透明の部材が配設されている。そして、貯留枚数表示部125を構成する複数のLED286(第二の発光手段)のうち、「CREDIT」の文字シート282に対応するLED286(第二の発光手段)を点灯させると、「CREDIT」という文字列が発光するように構成され、2桁の7セグメント表示器に対応するLED286(第二の発光手段)を点灯させることで、電子的に貯留されているメダルの枚数を、2桁の数値で表示することが可能に構成されている。
払出枚数表示部127を構成する文字シート282(第一の被照射部材)には、「PAYOUT」という文字列からなる半透明の部材と、2桁の7セグメント表示器の形状からなる半透明の部材が配設されている。そして、払出枚数表示部127を構成する複数のLED286(第二の発光手段)のうち、「PAYOUT」の文字シート282に対応するLED286(第二の発光手段)を点灯させると、「PAYOUT」という文字列が発光するように構成され、2桁の7セグメント表示器に対応するLED286(第二の発光手段)を点灯させることで、遊技者に払出されるメダルの枚数を、2桁の数値で表示することが可能に構成されている。
遊技情報表示部126は、スロットマシン100の内部情報(例えば、設定値、エラーコード等)を、4桁の数値で表示するための表示器であり、押順ナビ演出を行うための指示モニタとしても利用される。
本例の遊技情報表示部126は、LED基板288(第一の基板)と、このLED基板288(第一の基板)の実装面において黒色塗膜レジストが塗布された暗色領域288b(第一の領域。暗色の塗膜が形成されている、図4において点線で示す領域)に配置された複数のLED286(第一の発光手段)と、この複数のLED286(第一の発光手段)からの光が通る4桁の7セグメント表示器の形状からなる開口部284c(空間)が区画されたリフレクタ284(第一の区画部材)と、複数のLED286(第一の発光手段)からの光が照射される文字シート282(第一の被照射部材)で構成されている。
また、本例の遊技情報表示部126は、開口部284cが開口部284bよりも小さいサイズの7セグメント表示器の形状となるように構成されている。また、遊技情報表示部126を構成する複数のLED286は、貯留枚数表示部125や払出枚数表示部127を構成する複数のLED286よりも密集して(隣接するLED同士の間隔が狭い)7セグメント表示器の形状をなすように構成されており、このようにして、遊技情報表示部126は、貯留枚数表示部125や払出枚数表示部127よりも小さい発光領域として構成されている。
ここで、本発明に係る「暗色」とは、明度の低い色のことであり、例えば、黒色、紺色、茶色、灰色、暗い青色などが該当する。
なお、LED基板288の塗膜と、暗色領域288bの塗膜が同じ色である場合には、開口部284cに対応する、LED基板288上の領域を、本願発明に係る「第一の領域」とする。一方、LED基板288の塗膜と、暗色領域288bの塗膜が異なる色である場合は、異なる色からなる暗色領域288bを、本願発明に係る「第一の領域」としてもよいし、開口部284cに対応する、LED基板288上の領域を、本願発明に係る「第一の領域」としてもよい。
遊技情報表示部126を構成する文字シート282(第一の被照射部材)には、開口部284cに対応する4桁の7セグメント表示器の形状からなる半透明の部材が配設されている。そして、遊技情報表示部126を構成する複数のLED286(第一の発光手段)を点灯させることで、スロットマシン100の内部情報(例えば、設定値、エラーコード等)や指示モニタ情報を、数値で表示することが可能に構成されている。
本例によれば、遊技情報表示部126を構成する複数のLED286(第一の発光手段)は、LED基板288(第一の基板)の実装面において黒色塗膜レジストが塗布された暗色領域288b(第一の領域。暗色の塗膜が形成されている領域)に配置されているため、外から入る光(外光)によってLED286(第一の発光手段)の一部が反射し、LED286(第一の発光手段)の消灯時に点灯しているかのように見えてしまうことを未然に防止することができ、正確な遊技情報を遊技者に提供することができ、遊技者に不利益を与えることを回避することができる。また、消灯時における微電流によるLED286(第一の発光手段)の微点灯(ゴースト点灯)を目立ちにくくすることができ、誤った表示によって遊技者に誤解を与えるような事態を回避することができる。
また、遊技情報表示部126を構成する複数のLED286(第一の発光手段)は、リールを停止可能な停止操作手段(例えば、ストップボタン137~139)に対する有利な操作態様に対応する情報(例えば、押し順)を報知する報知手段を構成する発光手段であるため、操作態様を報知していない状態において操作態様を報知しているかのような誤解が生じるのを未然に防止することができ、正確な情報を遊技者に提供することができ、遊技者に不利益を与えることを回避することができる。
また、遊技情報表示部126を構成する複数のLED286(第一の発光手段)は、エラーに対応する情報(例えば、エラーコード)を報知する報知手段を構成する発光手段であるため、エラーを報知していない状態においてエラーを報知しているかのような誤解が生じるのを未然に防止することができ、正確な情報を遊技者に提供することができ、遊技者に不利益を与えることを回避することができる。
遊技情報表示部126の複数のLED286(第一の発光手段)は、第一の状態(例えば、AT状態やエラー状態)において発光可能な発光手段であり、貯留枚数表示部125と払出枚数表示部127の複数のLED286(第二の発光手段)は、第二の状態(例えば、メダルの貯留や払出)において発光可能な発光手段であり、貯留枚数表示部125(第二の発光手段)と払出枚数表示部127を構成する複数のLED286(第二の発光手段)を、白色塗膜シルクが塗布された明色領域288a(第二の領域。明色の塗膜が形成されている領域)に配置している。
また、遊技中において、AT状態やエラー状態に移行する回数は、メダルの貯留や払出が行われる回数よりも相対的に少なく、第二の状態(メダルの貯留や払出)となる頻度は、第一の状態(AT状態やエラー状態)となる頻度よりも高い。
メダルの貯留や払出は1枚以上であるときはもちろんのこと、0枚のときであっても貯留枚数表示部125や払出枚数表示部127で「0」表示(「00」表示でもよい)がされており、換言すれば、貯留枚数表示部125や払出枚数表示部127は、遊技中または遊技が可能な状態においては何らかの点灯表示が継続して行われていると言える。
これに対して、AT状態やエラー状態は、遊技中または遊技が可能な状態において生じる特定の条件を契機に発生される状態であるため、AT状態やエラー状態は遊技中や遊技が可能な状態よりも頻度が低いと言える。また、AT状態やエラー状態であっても貯留枚数表示部125や払出枚数表示部127は継続して点灯表示される構成とすることで、発光頻度は、遊技情報表示部126よりも貯留枚数表示部125や払出枚数表示部127の方が高いといえる。
このため、遊技情報表示部126よりも発光頻度の高い(表示の更新頻度が高い)貯留枚数表示部125(第二の発光手段)や払出枚数表示部127のLED286(第二の発光手段)の視認性を高めることができ、遊技者の利便性を向上させることができる。
また、遊技情報表示部126は、貯留枚数表示部125と払出枚数表示部127との間に挟まれるようにして配置されており、遊技情報表示部126が配置される黒色塗膜レジストが塗布された暗色領域288b(第一の領域。暗色の塗膜が形成されている領域)は、貯留枚数表示部125が配置される白色塗膜シルクが塗布された明色領域288a(第二の領域。明色の塗膜が形成されている領域)と、払出枚数表示部127が配置される白色塗膜シルクが塗布された明色領域288a(第二の領域。明色の塗膜が形成されている領域)に両側を挟まれた領域となる。
本例によれば、暗色領域288b(第一の領域。暗色の塗膜が形成されている領域)の一方側の明色領域288a(第二の領域。明色の塗膜が形成されている領域)に配置されたLED286(第二の発光手段)が、暗色領域288b(第一の領域。暗色の塗膜が形成されている領域)の他方側の明色領域288a(第二の領域。明色の塗膜が形成されている領域)に配置されたLED286(第二の発光手段)に影響を及ぼすことを回避することができ、LED286(第二の発光手段)による報知を見やすくすることができる。
また、暗色領域288bと明色領域288aが隣接して配置されることで、暗色領域288b同士が隣接する場合に比べて、明色領域288aに配置されたLED286(第二の発光手段)によって、相対的に暗色領域288bに配置されたLED286(第一の発光手段)におけるゴースト点灯を目立ち難くできる。
また、状態表示LED280は、黒色塗膜レジストが塗布された暗色領域288b(第一の領域。暗色の塗膜が形成されている領域)と、白色塗膜シルクが塗布された明色領域288a(第二の領域。明色の塗膜が形成されている領域)を備えるため、状態表示LED280を制御する制御ドライバ(ソフトウェア)の内容を変更(プログラム変更)することなく、LED286が配置される基板に塗布する塗膜の色彩の変更(ハードウェア変更)だけで、LED286の発光態様(明るさ等)を変化させることができ、遊技台の仕様変更等が容易である。
なお、本例では、遊技情報表示部126を構成する複数のLED286(第一の発光手段)と、その他の表示部(メダル投入可能表示部124、遊技開始表示部121、再遊技表示部122、メダル投入表示部129、貯留枚数表示部125、払出枚数表示部127)を構成する複数のLED286(第二の発光手段)を同一のLED基板288(第一の基板)に実装する例を示したが、本発明はこれに限定されず、複数のLED286を複数の異なる基板に実装してもよい。
したがって、例えば、黒色塗膜レジストが塗布された暗色領域288b(第一の領域。暗色の塗膜が形成されている領域)を、或る基板に形成し、白色塗膜シルクが塗布された明色領域288a(第二の領域。明色の塗膜が形成されている領域)を、或る基板とは異なる別の基板に形成してもよい。
また、本例では、黒色塗膜レジストが塗布されたLED基板288の特定の領域を白色塗膜シルクで塗布している構成としたが、白色塗膜レジストが塗布されたLED基板において、特定の領域を黒色塗膜で塗布するようにしてもよい。
<状態表示LED/ユニット化>
図5は、リフレクタ284の熱カシメ部284dを含む、状態表示LED280の断面図である。
LED基板288は、内径w4のスルーホール288cと、リフレクタ284の熱カシメ部284dが挿入可能な内径w5(w5>w4)の挿通孔288dと、を有して構成される。このLED基板288の実装面には、幅w7,高さh4の複数のLED286が実装される。
リフレクタ284は、図4を用いて説明した複数種類の開口部284a~284cと、熱カシメ部284dと、を有して構成される。熱カシメ部284dは、リフレクタ284の厚み方向に延出形成された外径w5の棒状体からなる(図5には、加熱によって変形した後の熱カシメ部284dを示している)。
リフレクタ284の熱カシメ部284cを、LED基板288の挿通孔288dに挿入した後、熱カシメ部284dの先端部に熱を加えて軟化させ、加圧して潰すことで、熱カシメ部284dの先端部には、LED基板288の熱カシメ部284dの内径w5よりも大きな外径w6(w6>w5)を有する変形部284d2が形成される。
これにより、リフレクタ284は、LED基板288の実装面にカシメ固定され、リフレクタ284とLED基板288が一体化される。また、文字シート282は、リフレクタ284の開口部284a~284dを塞ぐようにして配置され、リフレクタ284の表面に貼付される。
すなわち、リフレクタ284(第一の区画部材)は、LED基板288(第一の基板)の実装面にカシメ固定され、文字シート282(第一の被照射部材)は、リフレクタ284(第一の区画部材)に取り付けられており、これにより、LED基板288(第一の基板)と、リフレクタ284(第一の区画部材)と、文字シート282(第一の被照射部材)は、ユニット化されている。
本例によれば、LED基板288(第一の基板)と、リフレクタ284(第一の区画部材)と、文字シート282(第一の被照射部材)は、ユニット化されているため、状態表示LED280の交換作業や、遊技台への組み込みを容易化することができ、作業効率を高めることができる。
なお、本例では、変形部284d2は、基板288の裏面よりも高さh5だけ突出した位置に形成されており、リフレクタ284とLED基板288に遊び(隙間)を持たせているが、変形部284d2をLED基板288の裏面に密着させてもよい。
<内部構造>
次に、図6を用いて、スロットマシン100の内部構造について説明する。図6(a)は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図であり、同図(b)は、スロットマシン100の側断面図である。
本体101は、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、内部に主制御基板600(第一の基板。詳細は後述する)を収納した主基板収納ケース640(図12参照。詳細は後述)が配置され、この主基板収納ケース640の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主基板収納ケース640及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側には、内部に副制御基板650(第二の基板。詳細は後述する)を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。
そして、下方には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置(図示省略)等が配設されている。電源装置は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。
前面扉102は、本体101の左側にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、リール前照明250(詳細は後述)、液晶表示装置157、上部スピーカ272、これらの液晶表示装置157、スピーカ272等を制御する演出制御ユニット160等を設けている。また、図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路265等を設けている。
<リール前照明>
次に、図6(a),(b)を用いて、リール前照明250について説明する。
リール前照明250は、各リール110~112のリール帯(図6(b)には中リール111のリール帯111aのみ図示)を前方側(前面)から照らす(照明する)発光手段であり、本例では、前面扉102の背面における図柄表示窓113の上部に、リール110~112のリール帯に対向するように配設されている。
本例のリール前照明250は、リール110~112のリール帯の前面に向けて光を出射可能な複数のLEDと、これらのLEDの前方に配置される有色透明(本例では、乳白色)のレンズカバーと、を有して構成されている。
なお、リール前照明のレンズカバーが無い場合、または、レンズカバーが無色透明の部材である場合には、LEDから出射される光がリール110~112のリール帯に粒状に映り込んでしまい(いわゆる「点光り」)、リール110~112の見栄えが悪くなってしまったり、LEDから出射される光がうまく広がらずにリール帯全体を均一に照らすことができず、リール110~112の視認性が悪くなってしまったりするおそれがあることから、有色透明の部材からなるレンズカバーでLEDの前方を覆うことが好ましい。
なお、リール前照明250からリール帯までの最短距離L0と、後述するリールバックライト264からリール帯までの最短距離L1の関係は「最短距離L0<最短距離L1」となっており、リール前照明250の方がリールバックライト264よりもリール帯に近い位置関係となっている。
このように、リール前照明250はリール帯までの距離が近いことからも点光りしやすくなってしまうことから、レンズカバーを設けている。一方で、リールバックライト264はリール前照明250よりもリール帯までの距離を確保できており、LEDから出射される光が拡散する距離を有している点、また、後述するリフレクタ266によっても十分に光を拡散できているためレンズカバーは備えていない。
<リールバックライト>
次に、図6(b)と図7を用いて、リールバックライト264について説明する。
本例に係るスロットマシン100は、左リール110を備える左リール装置(図示省略)と、中リール111を備える中リール装置260(図6(b)参照)と、右リール112を備える右リール装置(図示省略)と、これらの3個のリール装置を内部に収容可能なリールフレーム262(図6(b)参照)と、を有して構成される。
なお、本例のスロットマシン100の左リール装置および右リール装置の構造は、中リール装置260の構造と同一であるため、ここでは、中リール装置260の説明を行い、左リール装置および右リール装置の説明は省略する。
中リール装置260は、中リール111と、この中リール111を回転駆動するリール駆動部(図示省略)と、中リール111のリール帯111a(第二の被照射部材)を後方側(背面)から照らす(照明する)リールバックライト264と、中リール111の回転位置を検知するためのリール検知部(図示省略)等を有して構成される。
中リール111は、複数種類の図柄が等間隔で印刷されたリール帯111aと、このリール帯111aの両側面を支持するリール枠111b等を有して構成される。リール帯111aは、矩形の帯状部材の長手方向の端部同士を接着して構成される平板リング状の部材である。
図7(a)は、リールバックライト264の正面図であり、同図(b)は、リールバックライト264の側面図であり、同図(c)は、リールバックライト264を構成する部材を分解して正面側から見た外観斜視図である。
リールバックライト264は、各リール110~112のリール帯を後方側(背面)から照らす(照明する)発光手段であり、本例では、リフレクタ266(第二の区画部材)と、このリフレクタ266の背面に着脱可能に取り付けられる照明基板268(第二の基板)と、リフレクタ266の側面に配設される化粧板270によって構成されている。
本例のリールバックライト264のリフレクタ266は、白色のプラスチックで形成されるが、リールバックライト264のリフレクタ266の材質は、特に限定されず、金属等であってもよいし、他の色の部材であってもよい。
リフレクタ266は、照明基板268(第二の基板)に実装された複数のLED268a(発光手段)からの光が通る空間が区画された部材であり、リフレクタ266には、光が通る空間として、正面側から背面側に通じる開口部266a~266cが縦方向に3つ並んで形成されている。
照明基板268には、この開口部266a~266cに対応する位置に、LED268a(発光手段)が6つずつ配置されている。LED268aは、照明基板268の実装面において白色塗膜シルクが塗布された明色領域268d(明色の塗膜が形成されている領域)に配置されている。
中リール装置260が備えるリフレクタ266の開口部266a~266cおよびLED268aは、中リール装置260に取り付けられた状態で、図柄表示窓113に停止表示する図柄位置(図2を用いて説明した図柄位置4~6の位置)に対応する位置に配置される。このような構造により、中リール111のリール帯111a(第二の被照射部材)の背面には、複数のLED268a(発光手段)からの光が照射される。
左リール装置(図示省略)が備えるリフレクタ266の開口部266a~266cおよびLED266aは、左リール装置に取り付けられた状態で、図柄表示窓113に停止表示する図柄位置(図2を用いて説明した図柄位置1~3の位置)に対応する位置に配置される。このような構造により、左リール110のリール帯(第二の被照射部材)の背面には、複数のLED268a(発光手段)からの光が照射される。
右リール装置(図示省略)が備えるリフレクタ266の開口部266a~266cおよびLED268aは、右リール装置に取り付けられた状態で、図柄表示窓113に停止表示する図柄位置(図2を用いて説明した図柄位置7~9の位置)に対応する位置に配置される。このような構造により、右リール112のリール帯(第二の被照射部材)の背面には、複数のLED268a(発光手段)からの光が照射される。
本例では、開口部266a~266cに対応する位置に、LED268aを6つずつ配置することにより、或る開口部から出射される光が、他の開口部から出射される光と干渉しないように構成されている。これにより、図柄表示窓113の複数の図柄位置のそれぞれに対して、光を均一に照射することができる。
例えば、全てのLED268aを点灯させることにより、遊技者に視認可能な図柄を背後から全て照らすことができる。また、LED268aの一部を点灯させることにより、遊技者に視認可能な図柄のうち、一部の図柄を背後から照らすことができる。なお、開口部やLEDの数や位置については、本例に限定されるものではない。
また、本例では、リフレクタ266において、上方の開口部266aの下面と、中央の開口部266bの上面および下面と、下方の開口部266cの上面に、所定の間隔ごとに複数のスリット(溝)266d~266gを設けている。これにより、LED268aから出射される光を前方に位置する図柄に均一に照射することができ、図柄の視認性を高めることができる。
また、上方の開口部266aの下面に設けているスリット266dと、中央の開口部266bの上面に設けているスリット266e、および、中央の開口部266bの下面に設けているスリット266fと、下方の開口部266cの上面に設けているスリット266gは、それぞれのスリットが形成された部位とスリットが形成されていない部位が上下方向において互い違いになるように(スリットの位置が開口部の仕切りの上下で一致しないように)配置している。このような構造により、隣接する開口部からスリットを介して出射される光同士が干渉しないように構成されている。
なお、リールバックライト264には、リフレクタ266やスリット(溝)266d~266gによって十分にかつ均一にリール帯を照らすことができているため、リール前照明250のようにレンズカバーは備えていないが、レンズカバーを備える構成としてもよく、これにより、リール帯を均一に照らせるようにでき、さらに、リール組立時や遊技台のメンテナンス時にリールバックライト264を直視することがないので、作業者の眩しさを軽減することができる。
<状態表示LEDとリールバックライトとの相違点>
次に、図3~図5を用いて説明した状態表示LED280と、図6と図7を用いて説明したリールバックライト264との相違点について説明する。
最初に、状態表示LED280とリールバックライト264の発光手段と被照射部材に着目すると、図6(b)に示す、リールバックライト264におけるLED268a(第二の発光手段)からリール帯(第二の被照射部材)までの最短距離L1は、図5に示す、状態表示LED280におけるLED286(第一の発光手段)から文字シート282(第一の被照射部材)までの最短距離L2よりも長い(L1>L2)。
次に、状態表示LED280とリールバックライト264の区画部材に着目すると、図6(a)に示す、リールバックライト264におけるリフレクタ266(第二の区画部材)の開口部266a~266c(区画された空間)の大きさ(開口面積)は、図4に示す、状態表示LED280におけるリフレクタ280(第一の区画部材)の開口部284a~284c(区画された空間)の大きさ(開口面積)よりも大きい。
本例によれば、リールバックライト264におけるLED268a(第二の発光手段)からリール帯(第二の被照射部材)までの最短距離L1は、状態表示LED280におけるLED286(第一の発光手段)から文字シート282(第一の被照射部材)までの最短距離L2よりも長く(L1>L2)、リールバックライト264におけるリフレクタ266(第二の区画部材)の開口部266a~266c(区画された空間)は、状態表示LED280におけるリフレクタ280(第一の区画部材)の開口部284a~284c(区画された空間)よりも大きく、LED268aは、照明基板268の実装面において白色塗膜シルクが塗布された明色領域268d(明色の塗膜が形成されている領域)に配置されているため、リール帯(第二の被照射部材)における点光りを抑制しながらリール帯(第二の被照射部材)の発光を目立たせることができる。
図8(a)は、状態表示LED280のLED基板288の正面図であり、同図(b)は、リールバックライト264の照明基板268の正面図である。
図8(a)に示すように、状態表示LED280のLED基板288(第一の基板)には、第一の被照射部材(文字シート282)への照射範囲や照射距離が小さい、複数のLED286が密集して配置され、LED基板288の実装面における空きスペースが限られていることから、LED基板288に実装されるLED286を識別するための識別情報(例えば、「LED1」という、部品名を示す文字や管理番号を示す数値等)や、LED286の配置場所を示す図形(例えば、四角枠)は印字されていない。
一方、図8(b)に示すように、リールバックライト264の照明基板268(第二の基板)には、第二の被照射部材(リール帯)への照射範囲や照射距離が大きい、複数のLED268aが所定の間隔を空けて配置され、照明基板268の実装面には比較的広い空きスペースがあることから、照明基板268に実装されるLED268aを識別するための識別情報268b(本例では、「LED1」~「LED6」という、部品名を示す文字や管理番号を示す数値)や、LED268aの配置場所を示す部品マーク268c(本例では、四角枠)が印字されている。
なお、照明基板268の実装面は、白色塗膜シルクが塗布された明色領域268dで構成されているのに対して、同じ実装面に印字された識別情報268bと部品マーク268cは、いずれも、白色とは異なる色(本例では、クリーム色)で印字されているため、識別情報268bと部品マーク268cを視認し易くすることができる上に、LED268aを正しい配置場所に実装することができる。
しかも、識別情報268bは、リフレクタ266(第二の区画部材)の開口部266a~266c(区画された空間)を通して正面側から視認可能な位置に印字されているため、LED268a(発光手段)に不具合が発生した場合に、当該不具合が発生したLED268a(発光手段)に対応する識別情報268bを容易に特定することができ、遊技店の店員等の利便性や、発光手段のメンテナンス性を高めることができる。
<状態表示LEDとリールバックライト/まとめ>
以上説明したように、本実施形態に係る遊技台(例えば、図1に示すスロットマシン100)は、複数の発光手段と、第一の基板(例えば、図4に示すLED基板288)と、を備えた遊技台であって、前記複数の発光手段は、第一の状態(例えば、AT状態(操作ナビを報知する状態)、エラー状態(エラーコードを報知する状態))において発光可能な第一の発光手段(例えば、図4に示す、遊技情報表示部126のLED286)を含み、前記第一の発光手段は、前記第一の基板の実装面における第一の領域に配置される発光手段であり、前記第一の領域は、暗色の塗膜が形成されている領域(例えば、図4に示す、黒色塗膜レジストが塗布された暗色領域288b)であり、前記暗色の塗膜は、緑色とは異なる暗色の塗膜である、ことを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係る遊技台によれば、第一の発光手段は、第一の基板の実装面において暗色の塗膜が形成されている領域に配置されているため、外から入る光(外光)によって第一の発光手段の一部が反射し、第一の発光手段の消灯時に点灯しているかのように見えてしまうことを未然に防止することができ、正確な遊技情報を遊技者に提供することができ、遊技者に不利益を与えることを回避することができる。また、消灯時における微電流による第一の発光手段の微点灯(ゴースト点灯)を目立ちにくくすることができ、誤った表示によって遊技者に誤解を与えるような事態を回避することができる。
遊技店の環境は様々であるが、店内の照明が明るい場合、店内照明によって各種表示器の表示が見え難くかったり、点灯していないにもかかわらず点灯しているように見えたりするおそれがあり、遊技者や遊技店員の誤認を招きかねないが、本実施形態に係る遊技台によれば、店内照明による反射等による表示器の表示の誤認を防ぐことができる。
また、リール(例えば、図1に示すリール110~112)を停止可能な停止操作手段(例えば、図1に示すストップボタン137~139)を備え、前記第一の状態は、前記停止操作手段に対する有利な操作態様(例えば、押し順)を報知する状態であり、前記第一の発光手段は、前記有利な操作態様に対応する情報を報知する報知手段を構成する発光手段であってもよい。
このような構成とすれば、操作態様を報知していない状態において操作態様を報知しているかのような誤解が生じるのを未然に防止することができ、正確な情報を遊技者に提供することができ、遊技者に不利益を与えることを回避することができる。
また、前記第一の状態は、エラーを報知する状態であり、前記第一の発光手段は、前記エラーに対応する情報(例えば、エラーコード)を報知する報知手段を構成する発光手段であってもよい。
このような構成とすれば、エラーを報知していない状態においてエラーを報知しているかのような誤解が生じるのを未然に防止することができ、正確な情報を遊技者に提供することができ、遊技者に不利益を与えることを回避することができる。
また、前記複数の発光手段は、第二の状態(例えば、メダルを貯留している状態、メダルを払い出ししている状態)において発光可能な第二の発光手段(例えば、図4に示す、貯留枚数表示部125や払出枚数表示部127のLED286)を含み、前記第二の発光手段は、前記第一の基板の実装面における第二の領域に配置される発光手段であり、前記第二の領域は、明色の塗膜が形成されている領域(例えば、図4に示す、白色塗膜シルクが塗布された明色領域288a)であり、前記第二の領域は、前記第一の領域よりも大きい領域であり、前記第二の領域は、前記第一の領域に隣接して形成されている領域であってもよい。
また、前記複数の発光手段は、第二の状態(例えば、メダルを貯留している状態、メダルを払い出ししている状態)において発光可能な第二の発光手段(例えば、図4に示す、貯留枚数表示部125や払出枚数表示部127のLED286)を含み、前記第二の発光手段は、前記第一の基板の実装面における第二の領域に配置される発光手段であり、前記第二の領域は、明色の塗膜が形成されている領域(例えば、図4に示す、白色塗膜シルクが塗布された明色領域288a)であり、前記第二の状態となる頻度は、前記第一の状態となる頻度よりも高いものあってもよい。
このような構成とすれば、発光頻度の高い(表示の更新頻度が高い)第二の発光手段の視認性を高めることができ、遊技者の利便性を向上させることができる。
また、前記第一の領域は、前記第二の領域に両側を挟まれた領域であるものであってもよい。
このような構成とすれば、第一の領域(暗色の塗膜が形成されている領域)の一方側の第二の領域(明色の塗膜が形成されている領域)に配置された発光手段が、第一の領域(暗色の塗膜が形成されている領域)の他方側の第二の領域(明色の塗膜が形成されている領域)に配置された発光手段に影響を及ぼすことを回避することができ、発光手段による報知を見やすくすることができる。
また、第一の区画部材(例えば、図4,図5に示すリフレクタ284)と、第一の被照射部材(例えば、図4,図5に示す文字シート282)と、を備え、前記第一の区画部材は、前記第一の基板に実装された前記複数の発光手段からの光が通る空間(例えば、図7(b)に示す開口部284a~284c)が区画された部材であり、前記第一の区画部材は、前記第一の基板にカシメ固定(例えば、図5に示す熱カシメ部284dで固定)され、前記第一の被照射部材は、前記第一の基板に実装された前記複数の発光手段からの光が照射される部材であり、前記第一の被照射部材は、前記第一の区画部材に取り付けられ、前記第一の基板と前記第一の区画部材と前記第一の被照射部材は、ユニット化されているものであってもよい。
このような構成とすれば、ユニット化された第一の基板と第一の区画部材と第一の被照射部材の交換作業や、遊技台への組み込みを容易化することができ、作業効率を高めることができる。
また、第二の基板(例えば、図6(b),図7(c)に示す照明基板268)と、第二の区画部材(例えば、図6(b),図7(c)に示すリフレクタ266)と、第二の被照射部材(例えば、図6(a)に示すリール帯111a、レンズカバー、パネル)と、を備え、前記第二の基板は、前記複数の発光手段(例えば、図7(c)に示すLED268a)が実装された基板であり、前記第二の区画部材は、前記第二の基板に実装された前記複数の発光手段からの光が通る空間(例えば、図7(b)に示す開口部266a~266c)が区画された部材であり、前記第二の被照射部材は、前記第二の基板に実装された前記複数の発光手段からの光が照射される部材であり、前記第二の基板に実装された前記複数の発光手段から前記第二の被照射部材までの最短距離(例えば、図6(b)に示す最短距離L1)は、前記第一の基板に実装された前記複数の発光手段(例えば、図5に示すLED286)から前記第一の被照射部材(例えば、図5に示す文字シート282)までの最短距離(例えば、図5に示す最短距離L2)よりも長く(L1>L2)、前記第二の区画部材における区画された空間(例えば、図7(b)に示す開口部266a~266c)(の開口部の面積)は、前記第一の区画部材における区画された空間(例えば、図7(b)に示す開口部284a~284c)(の開口部の面積)よりも大きく、前記第二の基板の実装面における前記複数の発光手段が配置される領域は、明色の塗膜(例えば、図8(b)に示す、白色塗膜シルクが塗布された明色領域268d)が形成されている領域であってもよい。
このような構成とすれば、第二の被照射部材における点光りを抑制しながら第二の被照射部材の発光を目立たせることができる。
また、前記第二の基板は、前記第二の区画部材に着脱可能な基板であり、前記第二の基板の実装面には、該実装面における前記複数の発光手段のそれぞれに対応する識別情報(例えば、図8(b)に示す識別情報268b)が表示され、前記識別情報は、前記第二の区画部材における区画された空間を通して視認可能であってもよい。
このような構成とすれば、発光手段に不具合が発生した場合に、当該不具合が発生した発光手段に対応する識別情報を容易に特定することができ、利便性やメンテナンス性を高めることができる。
<制御部>
次に、図9を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、主として遊技に関する制御を行う主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主として演出に関する制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器315aが出力するクロック信号を受信する度に0~65535の範囲で数値を導出する乱数値生成回路316(この回路には2つの乱数値生成回路を内蔵しているものとする)と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
乱数値生成回路316は、基本回路302で使用する乱数値を生成する。この乱数値生成回路316における乱数値の生成には、大別するとカウンタモードと乱数モードとの2種類の方法がある。カウンタモードでは、所定の時間間隔でカウントアップ(ダウン)する数値を取得して、その数値を乱数値として導出する。乱数モードには、さらに2つの方法がある。乱数モードにおける一つ目の方法は、乱数値の種を用いて所定関数(例えばモジュラス関数)による演算を行い、この演算結果を乱数値として導出する。二つ目の方法は、0~65535の範囲の数値がランダムに配列された乱数テーブルから数値を読み出し、その読み出した数値を乱数値として導出する。乱数値生成回路316では、各種センサ318からセンサ回路320に入力される信号に重畳しているホワイトノイズを利用して不規則な値を取得する。乱数値生成回路316は、こうして取得した値を、カウンタモードでカウントアップ(ダウン)させるカウンタの初期値として用いたり、乱数値の種として用いたり、あるいは乱数テーブルの読み出し開始位置を決定する際に用いる。
また、主制御部300には、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110の光学式センサ、リール111の光学式センサ、リール112の光学式センサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路316に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110の光学式センサ、リール111の光学式センサ、および、リール112の光学式センサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ336(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123)や、状態表示LED286のメダル投入可能表示部124、遊技開始表示部121、再遊技表示部122、メダル投入表示部129、貯留枚数表示部125、遊技情報表示部126、払出枚数表示部127を駆動する駆動回路328を備えている。
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路651にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、電源管理部(図示しない)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS-ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
また、第1副制御部400には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路424を設けており、駆動回路424には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路424は、CPU404からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第1副制御部400には、センサ回路426を設けており、センサ回路426には、入力インタフェースを介して、シャッタ163の位置を検知可能なシャッタセンサ428と、演出ボタン156の押下操作を検知可能な演出ボタンセンサ430と、を接続している。CPU404は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ428と演出ボタンセンサ430の状態を監視している。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157(以下、「液晶表示装置157」ともいう。)の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、VDP516(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP516には、バスを介してROM506、VRAM518が接続されている。VDP516は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<主制御基板>
次に、図10を用いて、主制御基板600(第一の基板)について説明する。図10(a)は、識別基板610を切り離す前の主制御基板600の平面図であり、同図(b)は、識別基板610を切り離した後の主制御基板600の平面図である。
主制御基板600は、本発明に係る「第一の基板」の一例である。したがって、本発明に係る「第一の基板」は、主制御部300を構成する基板に限定されず、図9を用いて説明した第1副制御部400や第2副制御部500等を構成する基板であってもよいし、遊技台に搭載される、その他の基板であってもよい。また、遊技台が「第一の基板」に相当する基板を複数備えていてもよい。
主制御基板600は、長方形形状の板状体からなる基材602と、この基材602の一方の面に形成されるパターン配線(図示省略)およびソルダーレジスト層604(以下、「レジスト層604」とも呼称し、第一のレジスト層に相当する)と、基材602の一方の面に実装される複数種類の部品606と、基材602の一方の面の所定領域(パターン配線やレジスト層604が形成されていない領域)に印刷される識別情報608と、この識別情報608と異なる識別情報622を有する識別基板610と、を有して構成される。また、基材602の端部からレジスト層604の端部までは間隙が設けられている。
本例によれば、識別情報608がパターン配線やレジスト層604が形成されていない領域に印刷されているため、レジスト層604に他の情報(部品名等)が印字等されている場合であっても、識別情報608の視認性を高めることができ、利便性を高めることができる。
主制御基板600の識別情報608は、遊技台の製造メーカを特定可能な情報を含む識別情報であり、本例では、識別情報608として、スロットマシン100の製造メーカ名(本例では、BBB社)と、主制御基板600の識別番号(本例では、XXX-YYY)が、基材602の一方の面に印刷されている。
なお、本発明に係る「識別情報」は、遊技台の製造メーカを特定可能な情報を含む識別情報であればよく、例えば、スロットマシン100の製造メーカ名だけでもよいし、スロットマシン100の製造メーカ名や主制御基板600の識別番号に加えて、主制御基板600の製造年月日等の情報を含む識別情報であってもよいし、二次元コードや記号等の文字以外の情報を含む識別情報であってもよい。
<主制御基板/基板収容凹部>
次に、主制御基板600の基板収容凹部612(第一の形状の凹部)について説明する。
主制御基板600の右側面(正面視右側の短辺)には、識別基板610を内部に収容可能な大きさの凹部であって、主制御基板600の右側の短辺から内方に向かって切り欠かれた正面視略逆コの字形状の基板収容凹部612(第一の形状の凹部)が形成されている。
基板収容凹部612(第一の形状の凹部)は、主制御基板600の右側の短辺から内方に向かって延びる2つの側壁612aと、この2つの側壁612aを繋ぐ底面612bで構成される。
底面612bの幅w1は、側壁612aの高さh1よりも長く(w1>h1)、底面612bと平行な方向(主制御基板600の短手方向)が、基板収容凹部612の長手方向であり、側壁612aと平行な方向(主制御基板600の長手方向)が、基板収容凹部612の短手方向である。
側壁612aの高さh1は、識別基板610の高さh2よりもやや高く、底面612bの幅w1は、識別基板610の幅w2よりもやや広い幅とされ、基板収容凹部612の内側空間には、識別基板610の全体が収容され、基板収容凹部612の底面612bと、識別基板610の対向する一辺は、破断部616を介して切断可能に連結されている。
識別基板610は、基板収容凹部612に収容された状態において、その上面(基板収容凹部612と反対側の面)が、基板収容凹部612が形成された面(主制御基板600の右側面)と、略面一となるように構成されている。
本例によれば、識別基板610は、主制御基板600の基板収容凹部612に収容されているとともに、この基板収容凹部612に収容された状態において、その上面が、主制御基板600の右側面と、略面一となるように構成されているため、主制御基板600の搬送時等において、識別基板610が他の部材等に触れることを防止することができ、利便性を高めることができる。
なお、本発明に係る「第一の形状の凹部」は、本例に係る基板収容凹部612に限定されず、例えば、底面612bの幅w1は、側壁612aの高さh1よりも短く(w1<h1)てもよいし、底面612bの幅w1は、側壁612aの高さh1と同じ(w1=h1)であってもよいし、矩形状以外の形状(例えば、曲面形状等)であってもよい。
<主制御基板/識別基板>
次に、主制御基板600の識別基板610について説明する。
識別基板610は、パターン配線やレジスト層が形成されていない基板であり、長方形形状の板状体からなる基材620と、この基材620の一方の面の所定領域(パターン配線やレジスト層が形成されていない領域)に印刷される識別情報622と、を有して構成される。
識別基板610の識別情報622は、遊技台の製造メーカを特定可能な情報を含む識別情報であり、本例では、識別情報622として、スロットマシン100の製造メーカ名(本例では、AAA社)と、主制御基板600の識別番号(本例では、XXX-YYY)が、基材620の一方の面に印刷されている。
なお、本発明に係る「識別情報」は、遊技台の製造メーカを特定可能な情報を含む識別情報であればよく、例えば、スロットマシン100の製造メーカ名だけでもよいし、スロットマシン100の製造メーカ名や主制御基板600の識別番号に加えて、主制御基板600の製造年月日等の情報を含む識別情報であってもよいし、二次元コードや記号等の文字以外の情報であってもよい。
<主制御基板/破断部>
次に、主制御基板600の破断部616について説明する。
図10(a)に示すように、破断部616は、主制御基板600の基材602と、識別基板610の基材620の連結部分に、所定間隔で複数のスリット(ミシン目)を形成した部位であり、識別基板610を、主制御基板600の基材602から切り離すことを容易にするための部位である。
破断部616を人の手によって(または、ペンチ等の工具を用いて)切断することで、図10(b)に示すように、識別基板610を、主制御基板600の基材602から切り離すことが可能である。
図10(a)を用いて説明したように、識別基板610を切り離す前の主制御基板600は、主制御基板600の識別情報618(スロットマシン100の製造メーカ名:BBB社)と、識別基板610の識別情報622(スロットマシン100の製造メーカ名:AAA社)の2種類の識別情報を有するため、遊技台の製造メーカを特定することができない。
しかしながら、図10(b)に示すように、識別基板610を主制御基板600の基材602から切り離すことによって、主制御基板600には、識別情報618(スロットマシン100の製造メーカ名:BBB社)だけが残存することになり、主制御基板600(第一の基板)は、破断部616が切断されることで遊技台の製造メーカ(本例では、BBB社)が特定可能となる基板である。
系列会社を複数有する場合は、各系列会社分の基板を製造すると、その分、製造コストがかかってしまうが、本例によれば、一の基板製品部分において1社以上の会社名を表記しておき、各系列会社にて遊技台を製造・組み立てをする段階で、自社の会社名だけを残したり、不要な会社名を削除したりできるようにして製造コストの削減を図りつつ、組み立て時や点検時に不具合が生じない遊技台を提供することができる。
なお、本発明に係る「破断部」の形状等は、本例に限定されず、例えば、スリットは一つであってもよいし、スリット(ミシン目)に代えて、Vカットを採用してもよい。すなわち、識別基板を主制御基板の基材から切り離すことが可能な部位であればよい。
<主制御基板/アダプタ収容凹部>
次に、主制御基板600のアダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部)について説明する。
主制御基板600の左側面(正面視左側の短辺)には、一または複数のアダプタ624を内部に収容可能な大きさを有する凹部であって、主制御基板600の左側の短辺から内方に向かって切り欠かれた正面視略コの字形状のアダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部)が形成されている。
アダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部)は、主制御基板600の左側の短辺から内方に向かって延びる2つの側壁614aと、この2つの側壁614aを繋ぐ底面614bで構成される。
底面614bの幅w3は、側壁614aの高さh3よりも長く(w3>h3)、底面614bと平行な方向(主制御基板600の短手方向)が、アダプタ収容凹部614の長手方向であり、側壁614aと平行な方向(主制御基板600の長手方向)が、アダプタ収容凹部614の短手方向である。
アダプタ収容凹部614の底面614bには、所定の間隔を空けて、光ファイバ等のコネクタ等が接続可能なアダプタ624が2つ配設されている。
なお、本発明に係る「第二の形状の凹部」は、本例に係るアダプタ収容凹部614に限定されず、例えば、底面614bの幅w3は、側壁614aの高さh3よりも短く(w3<h3)てもよいし、底面614bの幅w3は、側壁614aの高さh3と同じ(w3=h3)であってもよいし、矩形状以外の形状(曲面形状等)であってもよい。
<主制御基板/基板収容凹部とアダプタ収容凹部>
主制御基板600における基板収容凹部612(第一の形状の凹部)とアダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部)の形状を比較すると、図10(b)に示すように、基板収容凹部612の側壁612aの高さh1は、アダプタ収容凹部614の側壁614aの高さh3よりも高く(h1>h3)、基板収容凹部612の底面612bの幅w1は、アダプタ収容凹部614の底面614bの幅w3よりも狭く(w1<w3)、基板収容凹部612とアダプタ収容凹部614は、互いの形状が異なっている。
本例によれば、形状が異なる凹部を備えるという特徴点を有するため、基板の識別が容易になるとともに、基板の向きを正しく認識することが可能となり、基板の取付時等における作業性を高めることができ、基板の取り付けミスを未然に防止することができる。
遊技台の製造工程においては、基板製品となった状態のものを各種基板ケースで覆い、遊技台内に設置・固定・取付がなされている。しかしながら、基板製品は外形が類似しているものが多く、遊技台の製造・組み立て時において取り付けミスが生じたり、取り付けミスまでは至らないものの、取り付ける基板を迷ってしまい作業時間を費やしてしまったりすることがあるが、本例によれば、基板の見分けをつきやすくして、遊技台の製造組み立て時における工程を簡素化することができる。
また、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の側壁612aの高さh1は、アダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部)の側壁614aの高さh3よりも高く(h1>h3)、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の底面612bは、アダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部)の底面614bよりも、主制御基板600の内方に位置するため、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)に収容される識別基板610の切断が容易となり、作業性を高めることができる。
次に、主制御基板600の基板収容凹部612(第一の形状の凹部)とレジスト層604(第一のレジスト層)の位置関係と、アダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部)とレジスト層604(第一のレジスト層)の位置関係に着目すると、図10(b)に示すように、基板収容凹部612の底面612b(第一の形状の破断面)からレジスト層604の端部までの最短距離x1は、アダプタ収容凹部614の底面614bからレジスト層604の端部までの最短距離x2よりも長く(x1>x2)なるように構成している。
換言すれば、主制御基板600においては、基板収容凹部612とレジスト層604の第一の方向(主制御基板600の長手方向)における最短距離x1が、アダプタ収容凹部614とレジスト層604の第一の方向(主制御基板600の長手方向)における最短距離x2よりも長く(x1>x2)なるように構成している。
本例によれば、主制御基板600の基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の底面612b(第一の形状の破断面)からレジスト層604(第一のレジスト層)までの最短距離x1は、アダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部)の底面614bからレジスト層604(第一のレジスト層)までの最短距離x2よりも長い(x1>x2)ため、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)からレジスト層までのクリアランス(作業空間)を確保することができ、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)に形成された破断部616の切断が容易となり、作業性を高めることができる上に、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の周辺に指を掛けて切断作業を行ったり、工具を用いて切断作業を行ったりした場合であっても、指や工具がレジスタ層やパターン配線に触れてしまうことを回避することができ、主制御基板の破損等を未然に防止することができる。
また、このように、破断部616を備えていない箇所(例えば、アダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部))におけるレジスト層604の端部までの最短距離x2よりも、破断部616を備えている箇所におけるレジスト層604の端部までの最短距離x1を長くすることで、破断部616からの切断時の応力や歪みによってレジスト層やパターン配線に亀裂が生じにくくすることができる。
また、本例では、破断部616からの切断時の応力や歪みによってレジスト層やパターン配線に亀裂が生じにくくするために、図10(b)に示すように、基板収容凹部612の底面612b(第一の形状の破断面)からレジスト層604の端部までの最短距離x1は、主制御基板600の長辺(長辺そのものも当該基板の断面と言える)の一方からレジスト層604の端部までの最短距離z1よりも長く(x1>z1)なるように構成しているが、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)からレジスト層604までのクリアランス(作業空間)を確保するために、基板収容凹部612の底面612b(第一の形状の破断面)からレジスト層604の端部までの最短距離x1は、主制御基板600の長辺の一方からレジスト層604の端部までの最短距離z1よりも短く(x1<z1)なるように構成してもよい。このような構成は、本実施形態に限らず、第二の形状の凹部を備えていない基板にも適用できる。
また、本例では、破断部616からの切断時の応力や歪みによってレジスト層やパターン配線に亀裂が生じにくくするために、図10(b)に示すように、基板収容凹部612の底面612b(第一の形状の破断面)からレジスト層604の端部までの最短距離x1は、主制御基板600の短辺の一方からレジスト層604の端部までの最短距離z2よりも長く(x1>z2)なるように構成しているが、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)からレジスト層604までのクリアランス(作業空間)を確保するために、基板収容凹部612の底面612b(第一の形状の破断面)からレジスト層604の端部までの最短距離x1は、主制御基板600の短辺(短辺そのものも当該基板の断面と言える)の一方からレジスト層604の端部までの最短距離z2よりも短く(x1<z2)なるように構成してもよい。このような構成は、本実施形態に限らず、第二の形状の凹部を備えていない基板にも適用できる。
また、本例では、主制御基板600の基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の側壁612aからレジスト層604(第一のレジスト層)の端部までの最短距離y1は、アダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部)の側壁614aからレジスト層604(第一のレジスト層)の端部までの最短距離y2よりも長く(y1>y2)なるように構成している。
換言すれば、基板収容凹部612とレジスト層604の第二の方向(主制御基板600の短手方向)における最短距離y1が、アダプタ収容凹部614とレジスト層604の第二の方向(主制御基板600の短手方向)における最短距離y2よりも長く(y1>y2)なるように構成している。
本例によれば、主制御基板600の基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の側壁612aからレジスト層604(第一のレジスト層)までの最短距離y1は、アダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部)の側壁614aからレジスト層604(第一のレジスト層)までの最短距離y2よりも長い(y1>y2)ため、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)からレジスト層までのクリアランス(作業空間)を確保することができ、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)に形成された破断部616の切断が容易となり、作業性を高めることができる上に、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の周辺に指を掛けて切断作業を行ったり、工具を用いて切断作業を行ったりした場合であっても、指や工具がレジスタ層やパターン配線に触れてしまうことを回避することができ、主制御基板の破損等を未然に防止することができる。
また、このように、破断部616を備えていない箇所(例えば、アダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部))におけるレジスト層604の端部までの最短距離y2よりも、破断部616を備えている箇所におけるレジスト層604の端部までの最短距離y1を長くすることで、破断部616からの切断時の応力や歪みによってレジスト層やパターン配線に亀裂が生じにくくすることができる。
なお、本例では、第一の方向(主制御基板600の長手方向)および第二の方向(主制御基板600の短手方向)の両方向において、基板収容凹部612からレジスト層604までの最短距離を、アダプタ収容凹部614からレジスト層604までの最短距離よりも長くしたが、本発明はこれに限定されず、第一の方向(主制御基板600の長手方向)および第二の方向(主制御基板600の短手方向)のいずれか一方の方向にのみ適用してもよい。
<主制御基板/部品>
次に、主制御基板600に実装される部品606について説明する。
主制御基板600に実装される部品606としては、上述のアダプタ収容凹部614に配設されたアダプタ624のほか、抵抗、コンデンサ、コイル等の受動部品606a(606a1,606a2)、コネクタ606b、IC606c等が挙げられる。
図10(b)に示す例では、主制御基板600の基板収容凹部612の近傍には、複数の受動部品606a(606a1,606a2)やIC606c等が配設されている。
複数の受動部品606aのうちの一の受動部品606a1(第一の受動部品)の長手方向は、基板収容凹部612の長手方向と同じ方向であり、複数の受動部品606aのうちの一の受動部品606a2(第二の受動部品)の長手方向は、基板収容凹部612の長手方向と異なる方向であって、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の長手方向に直交する方向である。
本例によれば、複数の受動部品606aのうちの一の受動部品606a1(第一の受動部品)の長手方向は、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の長手方向(識別基板610の長手方向)と同じ方向であるため、破断部616を切断する際に基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の長手方向に加わる応力が、主制御基板600(第一の基板)に実装される受動部品606a1(第一の受動部品)に与える影響を低減することができ、受動部品606a1(第一の受動部品)の破損を防止することができる。
また、図10(b)に示す例では、主制御基板600のアダプタ収容凹部614の近傍にも、複数の受動部品606a(606a1,606a2)やIC606c等が配設されている。
なお、これらの受動部品は、図10に示すように本体部の両端からリードが延出しているアキシャル部品である。また、本実施形態や後述する変形例において、受動部品の位置関係について述べているが、これに限らず、受動部品に含まれるアキシャル部品であったり、能動部品に含まれる制御ICであったりしてもよく、当該部品において長手方向と短手方向が存在するような部品が含まれる。
ここで、基板収容凹部612と受動部品606a1の位置関係と、アダプタ収容凹部614と受動部品606a2の位置関係に着目すると、基板収容凹部612から受動部品606a1までの最短距離x3は、アダプタ収容凹部614から受動部品606a2までの最短距離x4よりも長く(x3>x4)なるように構成している。
本例によれば、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)から受動部品606a1(第一の受動部品)までの最短距離x3は、アダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部)から受動部品606a2(第二の受動部品)までの最短距離x4よりも長い(x3>x4)ため、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)から受動部品606a1(第一の受動部品)までのクリアランス(作業空間)を確保することができ、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)に形成された破断部616の切断が容易となり、作業性を高めることができる上に、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の周辺に指を掛けて切断作業を行ったり、工具を用いて切断作業を行ったりした場合であっても、指や工具が受動部品606a1(第一の受動部品)に触れてしまうことを回避することができ、受動部品606a1(第一の受動部品)の破損等を未然に防止することができる。
なお、基板収容凹部612から受動部品606a1までの最短距離x3が、アダプタ収容凹部614から受動部品606a2までの最短距離x4よりも短く(x3<x4)なるように構成してもよく、このような構成とすれば、破断部を有する端部から近い部品は、切断時にストレスがかかる方向に対して、部品の長手方向が直交することになるため、部品の破損を防ぐことができる。
また、基板収容凹部612の長手方向と受動部品606a2の長手方向は、異なる方向であり、基板収容凹部612から受動部品606a2までの最短距離x3´は、基板収容凹部612から受動部品606a1までの最短距離x3よりも長く(x3´>x3)なるように構成している。また、これらの最短距離は「x3<x4<x3´」となっており、基板収容凹部612からアダプタ収容凹部614近傍の受動部品606a2までの最短距離αは、x3´よりも長い距離を介していることが図10より見取れており、基板にかかるストレス方向と平行になっている部品は、破断部から遠い箇所に配置されている。なお、最短距離x3´は底面612bの仮想延長線上における当該基板の長辺と平行な線の距離であるが、基板収容凹部612から受動部品606a2に向けた斜めの線における距離としてもよい。
本例によれば、受動部品606a2(第二の受動部品)の長手方向は、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)と異なる方向であり、受動部品606a2(第二の受動部品)は、破断部616を切断する際に基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の長手方向に加わる応力の影響を受けやすいが、受動部品606a2(第二の受動部品)を、受動部品606a1(第一の受動部品)よりも、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)から遠い位置に配置することで、受動部品606a2(第二の受動部品)の破損を防止することができる。
つまり、破断部616を切断する際の基板におけるストレスがかかる方向(図10においては主制御基板600の長手方向)と、部品の長手方向が同じ方向である場合には、破断部616から遠ざけて配置することで、部品の破損を防ぐことができる。
<主制御基板/破断面>
次に、主制御基板600の破断面について説明する。
主制御基板600の基材602の外縁や、識別基板610の基材620の外縁には、それぞれの基板を成形する際にルーター加工等による破断によって生じたバリ(図示省略。以下、「成形時バリ」と称する場合がある。)が形成されており、主制御基板600(第一の基板)と識別基板610は、それぞれ、成形時バリが生じた破断面(第三の形状の破断面)を有する基板である。
一方、図10(b)に示すように、識別基板610を、主制御基板600の基材602から切り離した場合、主制御基板600の基材602と、識別基板610の基材620には、それぞれ、破断部616が2つに破断(分離)された際に生じるバリ(以下、「破断時バリ」と称する場合がある。)632が形成される(残存する)。すなわち、切り離した後の主制御基板600と識別基板610は、それぞれ、成形時バリが生じた破断面(第三の形状の破断面)に加えて、破断時バリ632が生じた破断面(第一の形状の破断面)を有する基板となる。
破断時バリ632は、破断部616をスリット(ミシン目)で2つに破断(分離)した際に残存するバリであり、複数の凸部632a(第一の凸部)で構成される。この破断時バリ632の凸部632aは、成形時バリよりも凹凸が大きなバリであり、成形時バリが生じた破断面(第三の形状の破断面)は、破断時バリ632が生じた破断面(第一の形状の断面)よりも粗い凹凸(形状の大きな凹凸)を有する。
破断時バリ632が生じた破断面(第一の形状の破断面)は、識別基板610を主制御基板600の基材602から切り離した場合に、主制御基板600の本体側に残存する破断面であることから、成形時バリが生じた破断面(第三の形状の破断面)よりも主制御基板600の内方に位置する破断面である。
本例によれば、破断時バリ632が生じた破断面(第一の形状の破断面)は、成形時バリが生じた破断面(第三の形状の破断面)よりも内方に位置するため、第一の形状の凹部からレジスト層までのクリアランス(作業空間)を確保することができ、第一の形状の凹部に形成された破断部の切断が容易となり、作業性を高めることができる。また、粗い破断面が主制御基板の内方に位置するため、粗い破断面が主制御基板の外方に露出している場合に比べ安全性を高めることができる。
<副制御基板(第二の基板)>
次に、図11を用いて、副制御基板650(第二の基板)について説明する。図11は、副制御基板650の平面図である。
副制御基板650は、本発明に係る「第二の基板」の一例である。したがって、本発明に係る「第二の基板」は、第1副制御部400を構成する基板に限定されず、図9を用いて説明した主制御部300や第2副制御部500等を構成する基板であってもよいし、遊技台に搭載される、その他の基板であってもよい。また、遊技台が「第二の基板」に相当する基板を複数備えていてもよい。
副制御基板650は、長方形形状の板状体からなる基材652と、この基材652の一方の面に形成されるパターン配線(図示省略)およびレジスト層654(第二のレジスト層)と、基材652の一方の面に実装される複数種類の部品656とを有して構成される。
<副制御基板/破断面>
次に、副制御基板650の破断面について説明する。
副制御基板650の基材652の長手方向および短手方向の各辺の一部には、基材652を成形する際にルーター加工等による破断によって生じたバリ658(以下、「成形時バリ658」と称する場合がある。)が形成されており、副制御基板650(第二の基板)は、成形時バリ658が生じた第一の破断面650a(第二の形状の破断面)と、成形時バリ658が生じていない第二の破断面650bと、を有する基板である。
なお、副制御基板650は、主制御基板600が備える識別基板610に相当する基板や、主制御基板600が備える破断部616に相当する破断部を備えない基板である。
副制御基板650の成形時バリ658は、副制御基板650の基材652を成形する際にルーター加工等による破断によって生じたバリであり、複数の凸部658a(第二の凸部)で構成される。この成形時バリ658は、図10を用いて説明した主制御基板600(第一の基板)の破断時バリ632(主制御基板600の破断部616をスリット(ミシン目)で2つに破断(分離)した際に残存するバリ)よりも凹凸が小さなバリであり、成形時バリ658が生じた破断面660(第二の形状の破断面)は、破断時バリ632が生じた破断面(第一の形状の断面)よりも細かい凹凸(形状の小さな凹凸)を有する。
ここで、主制御基板600の基板収容凹部612とレジスト層604の位置関係と、副制御基板650の第一の破断面650aとレジスト層654の位置関係に着目すると、図10(b)に示す、主制御基板600の基板収容凹部612の底面612bからレジスト層604までの最短距離x1は、図11に示す、副制御基板650の第一の破断面650aからレジスト層654までの最短距離x5よりも長く(x1>x5)なるように構成している。
本例によれば、主制御基板600の基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の底面612b(第一の形状の破断面)からレジスト層604(第一のレジスト層)までの最短距離x1は、副制御基板650の第一の破断面650a(第二の形状の破断面)からレジスト層654(第二のレジスト層)までの最短距離x5よりも長い(x1>x5)ため、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)からレジスト層までのクリアランス(作業空間)を確保することができ、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)に形成された破断部616の切断が容易となり、作業性を高めることができる上に、基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の周辺に指を掛けて切断作業を行ったり、工具を用いて切断作業を行ったりした場合であっても、指や工具がレジスタ層やパターン配線に触れてしまうことを回避することができ、主制御基板の破損等を未然に防止することができる。
また、図11に示すように、副制御基板650の第一の破断面650aからレジスト層654までの最短距離x5は、第二の破断面650bからレジスト層654までの最短距離x6よりも長く(x5>x6)なるように構成している。このような構成とすれば、基板成形時に捨て板や隣り合った基板を分離させる際に、レジスト層に亀裂を生じにくくすることができる。
<主基板収納ケース>
次に、図12と図13を用いて、主基板収納ケース640(642,644)の構成について説明する。
図12は、主基板収納ケース640と主制御基板600を示した分解斜視図であり、図13(a)は、主制御基板600を収容した状態の主基板収納ケース640を基板収容体642側から見た平面図である。
また、図13(b)は、同図(a)におけるA-A線に沿う断面図であり、同図(c)は、同図(b)に対応する従来の基板の構造を示した断面図である。
図12に示すように、主基板収納ケース640は、底面が略矩形の角皿状である基板収容体642(収容体)と、この基板収容体642の内部の空間を覆うように配置される蓋体644と、を組み合わせて構成される箱体となっている。
この主基板収納ケース640の内部の空間には、主制御基板600が、ネジ646によって基板収容体642に固定された状態で収納される。基板収容体642および蓋体644は、それぞれ透光性の樹脂から構成されており、主基板収納ケース640の内部に収納された主制御基板600を、主基板収納ケース640を通して外部から視認することが可能となっている。
基板収容体642の下側縁には、門型のヒンジ部642bが2箇所に設けられている。そして、蓋体644の下側縁には、このヒンジ部642bと係合するフック状のフック部644aが2箇所に設けられ、上側縁の左右両端部には、基板収容体642の上側縁と係止する係止舌片644bがそれぞれ設けられている。
従って、主基板収納ケース640を組み立てる場合には、まず、蓋体644のフック部644aを基板収容体642のヒンジ部642bに係合させ、次に、ヒンジ部642bを中心に蓋体644を揺動させて基板収容体642と蓋体644を組み合わせるとともに、蓋体644の係止舌片644bを、基板収容体642の上側縁の係止孔に係止させることで、蓋体644を基板収容体642に固定する。
図12に示すように、基板収容体642の内側空間の正面視左側における、主制御基板600のアダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部)に対応する位置には、2つのリブ642a(凸部)が形成されており、図13(a)に示すように、この2つのリブ642aは、主制御基板600を基板収容体642に収容した状態では、それぞれが、主制御基板600のアダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部)の2つの側壁614aに嵌合される。
本例によれば、主基板収納ケース640は、主制御基板600(第一の基板)のアダプタ収容凹部614(第二の形状の凹部)に嵌合(当接)可能なリブ642aを備えるため、主制御基板600(第一の基板)の収容時には、主制御基板600(第一の基板)を正しい位置に正しい向きで収容することができ、基板の取り付けミス等を防止することができる上に、主制御基板600(第一の基板)の収容後は、主制御基板600(第一の基板)を確実に保持することができるため、アダプタ624からのコネクタの挿抜時等における主制御基板600(第一の基板)のガタツキを抑えることができる。
また、上述の通り、主制御基板600の基板収容凹部612とアダプタ収容凹部614は、形状が異なっており、基板収容凹部612の底面612bの幅w1は、アダプタ収容凹部614の底面614bの幅w3よりも狭い(w1<w3)ため、2つのリブ642aは、主制御基板600の基板収容凹部612の2つの側壁614aには、嵌合できない構造となっている。
本例によれば、基板収容体642(収容体)の2つのリブ642aは、主制御基板600の基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の2つの側壁614aには、嵌合できないため、主制御基板600の収容時には、主制御基板600を正しい位置に正しい向きで収容することができ、基板の取り付けミス等を防止することができる。
一方、図12に示すように、基板収容体642の内側空間の正面視右側における、主制御基板600の基板収容凹部612(第一の形状の凹部)に対応する位置には、リブ等が配設されておらず、図13(a)に示すように、主制御基板600を基板収容体642に収容した状態では、主制御基板600の基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の上方および下方に空隙(何も配設されていない空間、以下「空隙領域」とも言う)が形成されるように構成されている。
このため、図13(b)に示すように、主基板収納ケース640の基板収容体642および蓋体644のいずれの側からも、基板収容凹部612を介して、主制御基板600に配設された部品(例えば、IC606c)を視認可能である。
なお、IC606cは基板収容凹部612(第一の形状の凹部)の近傍に配置された部品である。また、IC606cは、チップ本体部をソケット部に嵌合させることが可能な部品でもある。また、IC606cは、空隙領域からその短辺側を視認可能であるが、IC606cを縦向きに配置して長辺側から視認できるようにしてもよく、なお、この場合は空隙領域からIC606cの長辺全体を視認可能に基板収容凹部612(第一の形状の凹部)が形成されてもよいし、IC606cが配設されてもよいし、IC606cの長辺側の一部から視認できるようにしてもよい。
また、IC606cと基板収容凹部612(第一の形状の凹部)との間には他の部品が配置されていないようにしてもよく、このようにすることで、空隙領域からのIC606cの視認性を阻害しないようにできる。なお、IC606cと基板収容凹部612(第一の形状の凹部)との間には他の部品が配置される場合には、該他の部品は、IC606cよりも背が低い部品であることで、空隙領域からの視認性を確保できる。なおこの場合、識別基板610を破断させたときに他の部品が破損する可能性があるが、IC606cの破損は防ぐことができ、他の部品が破損されたことで不良基板であることを識別することができる。
本例によれば、基板の視認が容易となり、基板に不正部品が取り付けられた際に不正部品の発見が容易になるとともに、基板に実装された部品等を収容体に収容された状態で確認することができ、メンテナンス性や作業性を高めることができる。
<主制御基板/まとめ>
以上説明したように、本実施形態に係る遊技台(例えば、図1に示すスロットマシン100)は、第一の基板(例えば、図10に示す主制御基板600)を備えた遊技台であって、前記第一の基板は、第一の形状の凹部(例えば、図10に示す基板収容凹部612)を有する基板であり、前記第一の基板は、第二の形状の凹部(例えば、図10に示すアダプタ収容凹部614)を有する基板であり、前記第一の形状の凹部と前記第二の形状の凹部は、異なる形状である、ことを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係る遊技台によれば、基板(第一の基板)が、形状が異なる凹部を備えるという特徴点を有するため、基板の識別が容易になるとともに、基板の向きを正しく認識することが可能となり、基板の取付時等における作業性を高めることができ、基板の取り付けミス等を未然に防止することができる。このようにして、取り付けミス等が抑制された遊技台を提供することができる。
遊技台の製造工程においては、基板製品となった状態のものを各種基板ケースで覆い、遊技台内に設置・固定・取付がなされている。しかしながら、基板製品は外形が類似しているものが多く、遊技台の製造・組み立て時において取り付けミスが生じたり、取り付けミスまでは至らないものの、取り付ける基板を迷ってしまい作業時間を費やしてしまったりすることがあるが、本実施形態に係る遊技台によれば、基板の見分けをつきやすくして、遊技台の製造組み立て時における工程を簡素化することができる。
また、収容体(例えば、図13(b)に示す基板収容体642)を備え、前記収容体は、前記第一の基板を収納可能な収容体であり、前記第一の基板を前記収容体に収納した状態において、前記第一の形状の凹部(例えば、図13(b)に示す基板収容凹部612)を介して該第一の基板に配設された部品(例えば、図13(b)に示すIC606c)を視認可能であってもよい。
このような構成とすれば、基板(第一の基板)の視認が容易となり、不正部品が取り付けられた際に不正部品の発見が容易になるとともに、基板に実装された部品等を収容体に収容された状態で確認することができ、メンテナンス性や作業性を高めることができる。このようにして、メンテナンス性能が向上された遊技台を提供することができる。
また、収容体(例えば、図13(a)に示す基板収容体642)を備え、前記収容体は、前記第一の基板を収納可能な収容体であり、前記収容体は、内部に凸部(例えば、図13(a)に示すリブ642a)を備え、前記凸部は、前記第二の形状の凹部(例えば、図13(a)に示すアダプタ収容凹部614)に嵌合可能であって、前記第一の形状の凹部(例えば、図13(a)に示す基板収容凹部612)に嵌合不能な部位であってもよい。
このような構成とすれば、基板(第一の基板)の収容時には、基板を正しい位置に正しい向きで収容することができ、作業ミスを防止することができる上に、基板の収容後は、基板を確実に保持することができるため、コネクタ挿抜時等における基板のガタツキを抑えることができる。このようにして、組み立て時や点検時における操作性が向上された遊技台を提供することができる。
また、前記第一の基板は、破断部(例えば、図10(a)に示す破断部616)が切断されることで前記遊技台の一の製造メーカが特定可能となる基板であり、前記第一の形状の凹部は、前記破断部が形成される部位であってもよい。
系列会社を複数有する場合は、各系列会社分の基板を製造すると、その分、製造コストがかかってしまうが、このような構成とすれば、一の基板製品部分において1社以上の会社名を表記しておき、各系列会社にて遊技台を製造・組み立てをする段階で、自社の会社名だけを残したり、不要な会社名を削除したりできるようにして製造コストの削減を図りつつ、組み立て時や点検時に不具合が生じない遊技台を提供することができる。
また、前記第一の基板は、複数の部品(例えば、図10に示す、抵抗、コンデンサ、コイル等の受動部品606)を有する基板であり、前記複数の部品のうちの一の部品は、前記第一の形状の凹部の近傍に配設された第一の部品(例えば、図10(b)に示す受動部品606a1)であり、前記第一の形状の凹部(例えば、図10(b)に示す基板収容凹部612)の長手方向と前記第一の部品の長手方向は、同じ方向であってもよい。
このような構成とすれば、破断部を切断する際に第一の形状の凹部の長手方向に加わる応力が、第一の基板に実装される第一の受動部品に与える影響を低減することができ、第一の受動部品の破損を防止することができる。このようにして、部品の破損による不具合が抑制された遊技台を提供することができる。
また、前記第一の基板は、複数の部品(例えば、図10に示す、抵抗、コンデンサ、コイル等の受動部品606、長細い部品、本体部から端子が突出している部品)を有する基板であり、前記複数の部品のうちの一の部品は、前記第一の形状の凹部の近傍に配設された第一の部品(例えば、図10(b)に示す受動部品606a1)であり、前記複数の部品のうちの一の部品は、前記第二の形状の凹部の近傍に配設された第二の部品(例えば、図10(b)に示す受動部品606a2)であり、前記第一の形状の凹部から前記第一の部品までの最短距離(例えば、図10(b)に示す最短距離x3)は、前記第二の形状の凹部から前記第二の部品までの最短距離(例えば、図10(b)に示す最短距離x4)よりも長いものであってもよい。
このような構成とすれば、第一の形状の凹部から第一の受動部品までのクリアランス(作業空間)を確保することができ、第一の形状の凹部に形成された破断部の切断が容易となり、作業性を高めることができる上に、第一の形状の凹部の周辺に指を掛けて切断作業を行ったり、工具を用いて切断作業を行ったりした場合であっても、指や工具が第一の受動部品に触れてしまうことを回避することができ、第一の受動部品の破損等を未然に防止することができる。このようにして、部品の破損による不具合が抑制されるとともに、作業者の安全性が向上された遊技台を提供することができる。
また、前記第一の形状の凹部の長手方向と前記第二の部品の長手方向は、異なる方向であり、前記第一の形状の凹部から前記第二の部品までの最短距離(例えば、図10(b)に示す最短距離α)は、前記第一の形状の凹部から前記第一の部品までの最短距離(例えば、図10(b)に示す最短距離x3)よりも長いものであってもよい。
このような構成とすれば、第二の受動部品の長手方向は、第一の形状の凹部と異なる方向であり、第二の受動部品は、破断部を切断する際に第一の形状の凹部の長手方向に加わる応力の影響を受けやすいが、第二の受動部品を、第一の受動部品よりも、第一の形状の凹部から遠い位置に配置することで、第二の受動部品の破損を防止することができる。このようにして、部品の破損による不具合が抑制された遊技台を提供することができる。
また、前記第一の基板は、レジスト(例えば、図10に示すレジスト層604)を有する基板であり、前記第一の基板は、識別情報(例えば、図10に示す識別情報608)が所定領域に表示された基板であり、前記識別情報は、前記遊技台の一の製造メーカを特定可能な情報を含む識別情報であり、前記所定領域は、前記レジストが形成されていない領域であってもよい。
このような構成とすれば、レジスト層に他の情報が印字等されている場合であっても、識別情報の視認性を高めることができ、利便性を高めることができる。
また、前記所定領域は、パターン配線が形成されていない領域であってもよい。
このような構成とすれば、他の情報が印字等されている場合であっても、識別情報の視認性を高めることができ、利便性を高めることができる。
<主制御基板と副制御基板/まとめ>
以上説明したように、本実施形態に係る遊技台(例えば、図1に示すスロットマシン100)は、第一の基板(例えば、図10に示す主制御基板600)と、第二の基板(例えば、図11に示す副制御基板650)と、を備えた遊技台であって、前記第一の基板は、第一の形状の破断面(例えば、図10(b)に示す、破断時バリ632が生じた破断面)を有する基板であり、前記第二の基板は、第二の形状の破断面(例えば、図11に示す第一の破断面650a)を有する基板であり、前記第一の形状の破断面と前記第二の形状の破断面は、異なる形状である、ことを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係る遊技台によれば、第一、第二の基板の識別が容易になり、基板の取付時等における作業性を高めることができ、基板の取り付けミス等を未然に防止することができる。このようにして、取り付けミス等が抑制された遊技台を提供することができる。
遊技台の製造工程においては、基板製品となった状態のものを各種基板ケースで覆い、遊技台内に設置・固定・取付がなされている。しかしながら、基板製品は外形が類似しているものが多く、遊技台の製造・組み立て時において取り付けミスが生じたり、取り付けミスまでは至らないものの、取り付ける基板を迷ってしまい作業時間を費やしてしまったりすることがあるが、本実施形態に係る遊技台によれば、基板の見分けをつきやすくして、遊技台の製造組み立て時における工程を簡素化することができる。
また、前記第一の基板は、第一のレジスト(例えば、図10に示すレジスト層604)を有する基板であり、前記第二の基板は、第二のレジスト(例えば、図11に示すレジスト層654)を有する基板であり、前記第二の形状の破断面は、第二の凸部(例えば、図11に示す凸部658a)を有する破断面であり、前記第一の形状の破断面は、前記第二の凸部よりも大きい第一の凸部(例えば、図10(b)に示す凸部632a)を有する破断面であり、前記第一の形状の破断面から前記第一のレジストまでの最短距離(例えば、図10(b)に示す最短距離x1)は、前記第二の形状の破断面から前記第二のレジストまでの最短距離(例えば、図11に示す最短距離x5)よりも長い(遠い)ものであってもよい。
このような構成とすれば、第一の形状の凹部からレジスト層までのクリアランス(作業空間)を確保することができ、第一の形状の凹部に形成された破断部の切断が容易となり、作業性を高めることができる上に、第一の形状の凹部の周辺に指を掛けて切断作業を行ったり、工具を用いて切断作業を行ったりした場合であっても、指や工具がレジスタ層やパターン配線に触れてしまうことを回避することができ、主制御基板の破損等を未然に防止することができる。このようにして、部品の破損による不具合が抑制された遊技台を提供することができる。
また、前記第一の基板は、破断部(例えば、図10(a)に示す破断部616)が切断されることで前記遊技台の一の製造メーカが特定可能となる基板であり、前記第二の基板は、前記破断部を備えない基板であり、前記第一の形状の破断面は、前記破断部が切断されることで形成される破断面であってもよい。
系列会社を複数有する場合は、各系列会社分の基板を製造すると、その分、製造コストがかかってしまうが、このような構成とすれば、一の基板製品部分において1社以上の会社名を表記しておき、各系列会社にて遊技台を製造・組み立てをする段階で、自社の会社名だけを残したり、不要な会社名を削除したりできるようにして製造コストの削減を図りつつ、組み立て時や点検時に不具合が生じない遊技台を提供することができる。
また、前記第一の基板は、第三の形状の破断面(例えば、成形時バリが生じた破断面)を有する基板であり、前記第三の形状の破断面は、前記第一の基板の成形時に形成される破断面であり、前記第一の形状の破断面は、前記第三の形状の破断面よりも粗い破断面であり、前記第一の形状の破断面は、前記第一の基板において、前記第三の形状の破断面よりも内方に位置する破断面であってもよい。
このような構成とすれば、第一の形状の凹部からレジスト層までのクリアランス(作業空間)を確保することができ、第一の形状の凹部に形成された破断部の切断が容易となり、作業性を高めることができる。また、粗い破断面が基板の内方に位置するため、安全性を高めることができる。このようにして、部品の破損による不具合が抑制されるとともに、作業者の安全性が向上された遊技台を提供することができる。
また、前記第二の形状の破断面は、前記第二の基板の一または複数の辺の一部を構成する破断面であってもよい。
このような構成とすれば、第二の基板の形状を簡素化することができ、回路設計の自由度を向上させることができる。
また、前記第一の基板は、第一のレジスト(例えば、図10に示すレジスト層604)を有する基板であり、前記第一の基板は、識別情報(例えば、図10に示す識別情報608)が所定領域に表示された基板であり、前記識別情報は、前記遊技台の一の製造メーカを特定可能な情報を含む識別情報であり、前記所定領域は、前記第一のレジストが形成されていない領域であってもよい。
このような構成とすれば、レジスト層に他の情報が印字等されている場合であっても、識別情報の視認性を高めることができ、利便性を高めることができる。
また、前記所定領域は、パターン配線が形成されていない領域であってもよい。
このような構成とすれば、他の情報が印字等されている場合であっても、識別情報の視認性を高めることができ、利便性を高めることができる。
また、本実施形態に係る遊技台(例えば、図1に示すスロットマシン100)は、第一の基板(例えば、図10に示す主制御基板600)を備えた遊技台であって、前記第一の基板は、所定の形状の断面部(例えば、図10(a)に示す破断部616)を有する基板であり、前記第一の基板は、特定の形状の断面部(例えば、成形時バリ、凹部、凸部、主制御基板600の長辺の断面、短辺の断面)を有する基板であり、前記第一の基板は、第一のレジスト(例えば、図10に示すレジスト層604)を有する基板であり、前記第一の基板は、前記所定の形状の断面部から前記第一のレジストまでの最短距離が第一の距離(例えば、図10(b)に示す最短距離x1)である基板であり、前記第一の基板は、前記特定の形状の断面部から前記第一のレジストまでの最短距離が第二の距離(例えば、図10(b)に示す最短距離z1)である基板であり、前記第一の基板は、破断部が切断されることで前記遊技台の一の製造メーカが特定可能となる基板であり、前記所定の形状の断面部は、前記破断部が切断されることで形成される断面部であり、前記所定の形状の断面部と前記特定の形状の断面部は、異なる形状であり、前記第一の距離は、前記第二の距離よりも長い距離である、ことを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係る遊技台によれば、破断部を切断する際に、基板に対して加わる応力によって基板において生じる歪を低減することができ、基板や、基板に実装された部品等の破損を防止することができる。このようにして、部品の破損による不具合が抑制された遊技台を提供できる。
遊技台の製造工程においては、基板製品となった状態のものを各種基板ケースで覆い、遊技台内に設置・固定・取付がなされている。しかしながら、基板製品は外形が類似しているものが多く、遊技台の製造・組み立て時において取り付けミスが生じたり、取り付けミスまでは至らないものの、取り付ける基板を迷ってしまい作業時間を費やしてしまったりすることがあるが、本実施形態に係る遊技台によれば、基板の見分けをつきやすくして、遊技台の製造組み立て時における工程を簡素化することができる。
また、前記第一の基板は、第一の辺(例えば、長辺)を有する基板であり、前記第一の基板は、前記第一の辺に沿って前記所定の形状の断面部を有する基板であり、前記第一の辺は、前記第一の基板においてストレスが作用する方向と平行な辺であってもよい。
このような構成とすれば、破断部を切断する際に、基板に対して加わる応力によって基板において生じる歪を低減することができ、基板や、基板に実装された部品等の破損を防止することができる。
<変形例1に係る主制御基板>
次に、図14を用いて、変形例1に係る主制御基板670(第一の基板)について説明する。図14(a),(b)は、変形例1に係る主制御基板670の平面図である。
変形例1に係る主制御基板670は、長方形形状の板状体からなる基材672と、この基材672の一方の面に形成されるパターン配線(図示省略)およびレジスト層674(第一のレジスト層)と、基材672の一方の面に実装される複数種類の部品676と、基材672の一方の面の所定領域(パターン配線やレジスト層674が形成されていない領域)に印刷される識別情報678と、この識別情報678と異なる識別情報692を有する識別基板680と、を有して構成される。
図10を用いて説明した主制御基板600では、主制御基板600の右側面(正面視右側の短辺)に基板収容凹部612(第一の形状の凹部)が形成されている例を示したが、変形例に係る主制御基板670では、主制御基板670の下側面(正面視下側の長辺)に、主制御基板600の基板収容凹部612(第一の形状の凹部)と同形状の基板収容凹部682(第一の形状の凹部)が形成されている。また、主制御基板600の上側面(正面視上側の長辺)には、主制御基板600のアダプタ収容凹部614と同形状のアダプタ収容凹部684が形成されている。
なお、主制御基板は、アダプタ収容凹部684が形成されていなくても適用できる。また、本発明に係る「第一の基板」は、主制御基板ではなく、周辺基板(演出用基板)や中継基板であってもよい。
本例によれば、主制御基板670(第一の基板)の長辺に基板収容凹部682(第一の形状の凹部)が形成されているため、破断部696を切断する際に、識別基板680から主制御基板670(第一の基板)の基材672に対して加わる応力によって主制御基板670(第一の基板)の基材672において生じる歪を低減することができ、主制御基板670(第一の基板)の基材672や、主制御基板670(第一の基板)の基材672に実装された部品等の破損を防止することができる。
変形例においては、主制御基板670のストレスのかかる方向は長手方向であり、基板収容凹部682は長手方向に沿って設けられており、ストレスのかかる方向と平行する方向に配置される。一方で、破断部の切断時にはストレスのかかる方向とは異なる方向に力が働くことになるので、破断部の切断時に基材672の歪みを抑制することができる。
また、主制御基板670(第一の基板)を主基板収納ケース(例えば、図12に示す基板収容体642)から無理に取り外そうとした場合に、短辺に基板収容凹部が形成されている主制御基板(例えば、図10(a)に示す主制御基板600)に比べ、主制御基板670の方が破損しやすくなるため、不正行為等の痕跡を残すことができ、防犯性を高めることができる。
なお、本例では、識別情報678を基板収容凹部682の近傍に配置する例を示したが、本発明に係る「所定領域」は、本例に限定されず、基板収容凹部682から所定の距離を空けた領域(例えば、図14(a)において符号Aで示す、基板収容凹部682との間にレジスト層674を挟んだ領域)に配置してもよい。
本例によれば、識別基板680の識別情報692との距離が離れるため、2種類の識別情報(識別情報678、識別情報692)を容易に見分けることができ、作業ミス等を低減することができる。
<変形例1に係る主制御基板/部品>
次に、変形例1に係る主制御基板670に実装される部品676について説明する。
変形例1に係る主制御基板670に実行される部品676としては、抵抗、コンデンサ、コイル等の受動部品676a(676a1,676a2)やIC676c等が挙げられる。
図14(a),(b)に示す例では、主制御基板670の基板収容凹部682(第一の形状の凹部)の近傍には、複数の受動部品676a(676a1,676a2)やIC676c等が配設されている。
複数の受動部品676aのうちの一の受動部品676a1(第一の受動部品)の長手方向は、基板収容凹部682の長手方向と同じ方向であり、複数の受動部品676aのうちの一の受動部品676a2(第二の受動部品)の長手方向は、基板収容凹部682の長手方向と異なる方向であって、基板収容凹部682の長手方向に直交する方向である。
本例によれば、複数の受動部品676aのうちの一の受動部品676a1(第一の受動部品)の長手方向は、基板収容凹部682(第一の形状の凹部)の長手方向と同じ方向であるため、破断部を切断する際に第一の形状の凹部の長手方向に加わる応力が、第一の基板に実装される第一の受動部品に与える影響を低減することができ、第一の受動部品の破損を防止することができる。
また、図14(a),(b)に示す例では、主制御基板670のアダプタ収容凹部684の近傍にも、複数の受動部品676a(676a1,676a2)やIC676c等が配設されている。
複数の受動部品676aのうちの一の受動部品676a2(第二の受動部品)の長手方向は、アダプタ収容凹部684の長手方向と異なる方向であって、アダプタ収容凹部684の長手方向に直交する方向である。
ここで、図14(a)において、主制御基板670の基板収容凹部682と受動部品676a1の位置関係と、アダプタ収容凹部684と受動部品676a2の位置関係に着目すると、基板収容凹部682から受動部品676a1までの最短距離y3は、アダプタ収容凹部684から受動部品676a2までの最短距離y4よりも長く(y3>y4)なるように構成している。
本例によれば、基板収容凹部682(第一の形状の凹部)から受動部品676a1(第一の受動部品)までの最短距離y3は、アダプタ収容凹部684(第二の形状の凹部)から受動部品676a2(第二の受動部品)までの最短距離y4よりも長い(y3>y4)ため、基板収容凹部682(第一の形状の凹部)から受動部品676a1(第一の受動部品)までのクリアランス(作業空間)を確保することができ、基板収容凹部682(第一の形状の凹部)に形成された破断部の切断が容易となり、作業性を高めることができる上に、基板収容凹部682(第一の形状の凹部)の周辺に指を掛けて切断作業を行ったり、工具を用いて切断作業を行ったりした場合であっても、指や工具が受動部品676a1(第一の受動部品)に触れてしまうことを回避することができ、受動部品676a1(第一の受動部品)の破損等を未然に防止することができる。
また、アダプタ収容凹部684(第二の形状の凹部)から受動部品676a2(第二の受動部品)までの最短距離y4としたが、アダプタ収容凹部が無く、該主制御基板670における受動部品676a2(第二の受動部品)と最も近い長辺からの最短距離をy4´(図14(b)参照)とした場合でも、「y3>y4´」としてもよく、つまり、「破断部から第一の受動部品までの距離>破断部を備えない辺から第二の受動部品までの距離」である場合には、第一の受動部品を基板収容凹部の長手方向と同じ方向で配置してもよい。なお、「y3<y4(y4´)」の場合であっても、第一の受動部品を基板収容凹部の長手方向と同じ方向で配置することで、破断部の切断時の応力による部品の破損を防ぐことができる。
また、図14(b)において、主制御基板670の基板収容凹部682と受動部品676a2の位置関係と、アダプタ収容凹部684と受動部品676a2の位置関係に着目すると、基板収容凹部682から受動部品676a2までの最短距離y5は、アダプタ収容凹部684から受動部品676a2までの最短距離y4よりも長く(y5>y4)なるように構成している。
また、図14(a)、(b)において、第二の受動部品として受動部品674a4や676a5のように基板の短辺に沿って配置された受動部品でもよく、短辺の端部から受動部品674a4、676a5までの最短距離y7も「y3>y7」としてもよく、これらの関係は受動部品676a2と同様である。また、基板収容凹部682から受動部品674a4、676a5までの最短距離γとすると、「y3<γ」となり、これらの関係も受動部品676a2と同様である。
本例によれば、基板収容凹部682(第一の形状の凹部)から受動部品676a2(第二の受動部品)までの最短距離y5は、アダプタ収容凹部684(第二の形状の凹部)から受動部品676a2(第二の受動部品)までの最短距離y4よりも長い(y5>y4)ため、基板収容凹部682(第一の形状の凹部)から受動部品676a2(第二の受動部品)までのクリアランス(作業空間)を確保することができ、基板収容凹部682(第一の形状の凹部)に形成された破断部の切断が容易となり、作業性を高めることができる上に、基板収容凹部682(第一の形状の凹部)の周辺に指を掛けて切断作業を行ったり、工具を用いて切断作業を行ったりした場合であっても、指や工具が受動部品676a2(第二の受動部品)に触れてしまうことを回避することができ、受動部品676a2(第二の受動部品)の破損等を未然に防止することができる。
また、アダプタ収容凹部684(第二の形状の凹部)から受動部品676a2(第二の受動部品)までの最短距離y4としたが、アダプタ収容凹部が無く、該主制御基板670における受動部品676a2(第二の受動部品)と最も近い長辺からの最短距離をy4´とした場合でも、「y5>y4´」としてもよい。つまり、y4(y4´)よりも遠い距離を確保して受動部品を基板収容凹部の長手方向に直交する方向で配置すれば、破断部の切断時における応力による影響を低減させて部品の破損を防ぐことができる。
また、図14(a)における、主制御基板670の基板収容凹部682と受動部品676a1の位置関係と、同図(b)における、基板収容凹部682と受動部品676a2の位置関係に着目すると、同図(b)に示す、基板収容凹部682から受動部品676a2までの最短距離y5は、同図(a)に示す、基板収容凹部682から受動部品676a1までの最短距離y3よりも長く(y5>y3)なるように構成している。
本例によれば、受動部品676a2(第二の受動部品)の長手方向は、基板収容凹部682(第一の形状の凹部)と異なる方向であり、受動部品676a2(第二の受動部品)は、破断部696を切断する際に基板収容凹部682(第一の形状の凹部)の長手方向に加わる応力の影響を受けやすいが、受動部品676a2(第二の受動部品)を、受動部品676a1(第一の受動部品)よりも、基板収容凹部682(第一の形状の凹部)から遠い位置に配置することで、受動部品676a2(第二の受動部品)の破損を防止することができる。
なお、基板収容凹部682から受動部品676a2(第二の受動部品)までの最短距離y5の間に受動部品676a1(第一の受動部品)やIC、集合抵抗等の他の部品を配置して、破断部切断時の応力が第二の受動部品に影響しにくくなるようにしてもよく、この場合「他の部品」は第二の受動部品よりも大きい部品であることが好ましい。
また、図14(a)における受動部品676a3、同図(b)における受動部品676a1のように、基板収容凹部682の側方(破断時バリ632を備えない辺の側)に配置される場合は、破断時バリ632を備える辺側に配置されている受動部品(図14(a)における受動部品676a1や受動部品676a2)よりも基板収容凹部682に近い位置に配置してもよく、破断する際の応力の影響を受けにくい位置に配置されているためクリアランスを考慮する必要がなく、基板設計時の自由度を高めることができる。
また、このような基板収容凹部は、1つの遊技台において、複数の基板で備えている場合がある。この場合、或る基板(例えば、図10(b))において基板収容凹部から距離m1(距離x3)を介して受動部品A(受動部品616a1)が配置され、他の基板(図14(b))において基板収容凹部から距離m1よりも長い距離m2(y5)を介して受動部品B(受動部品676a2)が配置されているとき、受動部品Aは該受動部品Aの長手方向と基板収容凹部の長手方向が一致するように配置され、受動部品Bは距離m1よりも長い距離m2が確保されているため該受動部品Bの長手方向と基板収容凹部の長手方向が直交するように配置してもよく、基板設計時に一律に受動部品の配置方向を限定しないことで基板設計の自由度を確保できる。また、他の基板は、或る基板よりも基板に実装される部品数が少ない基板であって、基板実装面の面積を十分に確保できる場合は、受動部品を基板収容凹部から離して配置してもよく、基板収容凹部を備える基板であっても、基板に実装する部品点数が少ない場合は受動部品の配置向きを考慮することなく基板設計をすることができ、基板設計時に一律に受動部品の配置方向を限定しないことで基板設計の自由度を確保できる。また、基板によって、基板収容凹部から受動部品までの距離と配置方向を異ならせることで、いずれの基板であるかの識別を容易にすることができる。
<変形例1に係る主制御基板/まとめ>
以上説明したように、本実施形態に係る遊技台(例えば、図1に示すスロットマシン100)は、第一の基板(例えば、図14に示す主制御基板670)を備えた遊技台であって、前記第一の基板は、第一の形状の凹部(例えば、図14に示す基板収容凹部682)を有する基板であり、前記第一の基板は、破断部(例えば、図14(a)に示す破断部696)が切断されることで前記遊技台の一の製造メーカが特定可能となる基板であり、前記第一の形状の凹部は、前記破断部が形成される部位であり、前記第一の形状の凹部は、前記第一の基板における長辺に沿って形成されている、ことを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係る遊技台によれば、基板(第一の基板)の長辺に第一の形状の凹部が形成されているため、破断部を切断する際に、基板に対して加わる応力によって基板において生じる歪を低減することができ、基板や、基板に実装された部品等の破損を防止することができる。このようにして、部品の破損による不具合が抑制された遊技台を提供できる。
また、主基板収納ケースから基板を無理に取り外そうとした場合に、長辺に第一の形状の凹部が形成されている主制御基板に比べて、主制御基板が破損しやすいため、不正行為等の痕跡を残すことができ、防犯性を高めることができる。
遊技台の製造工程においては、基板製品となった状態のものを各種基板ケースで覆い、遊技台内に設置・固定・取付がなされている。しかしながら、基板製品は外形が類似しているものが多く、遊技台の製造・組み立て時において取り付けミスが生じたり、取り付けミスまでは至らないものの、取り付ける基板を迷ってしまい作業時間を費やしてしまったりすることがあるが、本実施形態に係る遊技台によれば、基板の見分けをつきやすくして、遊技台の製造組み立て時における工程を簡素化することができる。
また、前記第一の基板は、複数の部品(例えば、図10に示す、抵抗、コンデンサ、コイル等の受動部品606や、図14(a)に示す、抵抗、コンデンサ、コイル等の受動部品676)を有する基板であり、前記複数の部品のうちの一の部品は、前記第一の形状の凹部の近傍に配設された第一の部品(例えば、図10(b)に示す受動部品606a1や、図14(a)に示す受動部品676a1)であり、前記第一の形状の凹部の長手方向と前記第一の部品の長手方向は、前記第一の基板の長辺に沿う方向であってもよい。
このような構成とすれば、破断部を切断する際に第一の形状の凹部の長手方向に加わる応力が、第一の基板に実装される第一の受動部品に与える影響を低減することができ、第一の受動部品の破損を防止することができる。このようにして、部品の破損による不具合が抑制された遊技台を提供できる。
また、前記第一の基板は、前記長辺とは別の或る辺を有する基板であり、前記第一の基板は、複数の部品(例えば、図10に示す、抵抗、コンデンサ、コイル等の受動部品606や、図14(a)に示す、抵抗、コンデンサ、コイル等の受動部品676)を有する基板であり、前記複数の部品のうちの一の部品は、前記第一の形状の凹部の近傍に配設された第一の部品(例えば、図10(b)に示す受動部品606a1や、図14(a)に示す受動部品676a1)であり、前記複数の部品のうちの一の部品は、前記或る辺の近傍に配設された第二の部品(例えば、図10(b)に示す受動部品606a2や、図14(a)に示す受動部品676a2)であり、前記第一の形状の凹部から前記第一の部品までの最短距離(例えば、図10(b)に示す最短距離x3や、図14(a)に示す最短距離y3)は、前記或る辺から前記第二の部品までの最短距離(例えば、図10(b)に示す最短距離x4や、図14(a)に示す最短距離y4)よりも長い(x3>x4、y3>y4)ものであってもよい。
このような構成とすれば、第一の形状の凹部から第一の受動部品までのクリアランス(作業空間)を確保することができ、第一の形状の凹部に形成された破断部の切断が容易となり、作業性を高めることができる上に、第一の形状の凹部の周辺に指を掛けて切断作業を行ったり、工具を用いて切断作業を行ったりした場合であっても、指や工具が第一の受動部品に触れてしまうことを回避することができ、第一の受動部品の破損等を未然に防止することができる。このようにして、部品の破損による不具合が抑制された遊技台を提供できる。
また、前記第一の形状凹部の長手方向と前記第二の部品の長手方向は、異なる方向であり、前記第一の形状の凹部から前記第二の部品までの最短距離(例えば、図10(b)に示す最短距離x3´や、図14(a)に示す最短距離β,γ)は、前記第一の形状の凹部から前記第一の部品までの最短距離(例えば、図10(b)に示す最短距離x3や、図14(a)に示す最短距離y3)よりも長い(x3´>x3、β>y3、γ>y3)ものであってもよい。なお、「第一の形状の凹部から第二の部品までの最短距離」は、仮想延長線上における基板の短辺と平行な線の距離でもよいし、第一の形状の凹部から第二の部品までの斜めの線における距離でもよい。
このような構成とすれば、第二の受動部品の長手方向は、第一の形状の凹部と異なる方向であり、第二の受動部品は、破断部を切断する際に第一の形状の凹部の長手方向に加わる応力の影響を受けやすいが、第二の受動部品を、第一の受動部品よりも、第一の形状の凹部から遠い位置に配置することで、第二の受動部品の破損を防止することができる。このようにして、部品の破損による不具合が抑制された遊技台を提供できる。
また、収容体(例えば、図13(b)に示す基板収容体642)を備え、前記収容体は、前記第一の基板を収納可能な収容体であり、前記第一の基板を前記収容体に収納した状態において、前記第一の形状の凹部(例えば、図13(b)に示す基板収容凹部612)を介して該第一の基板に配設された部品(例えば、図13(b)に示すIC606c)を視認可能であってもよい。
このような構成とすれば、基板の視認が容易となり、不正部品が取り付けられた際に不正部品の発見が容易になるとともに、基板に実装された部品等を収容体に収容された状態で確認することができ、メンテナンス性や作業性を高めることができる。
また、前記第一の基板は、レジスト層(例えば、図10に示すレジスト層604)を有する基板であり、前記第一の基板は、識別情報(例えば、図10に示す識別情報608)が所定領域に表示された基板であり、前記識別情報は、前記遊技台の一の製造メーカを特定可能な情報を含む識別情報であり、前記所定領域は、前記レジスト層が形成されていない領域であってもよい。
このような構成とすれば、レジスト層に他の情報が印字等されている場合であっても、識別情報の視認性を高めることができ、利便性を高めることができる。
また、前記所定領域は、パターン配線が形成されていない領域であってもよい。
このような構成とすれば、他の情報が印字等されている場合であっても、識別情報の視認性を高めることができ、利便性を高めることができる。
<変形例2に係る主制御基板>
次に、図15(a)を用いて、変形例2に係る主制御基板690(第一の基板)について説明する。図15(a)は、変形例2に係る主制御基板690の平面図である。
図10を用いて説明した主制御基板600では、識別基板610を切り離すことによって、主制御基板600に識別情報618(スロットマシン100の製造メーカ名:BBB社、主制御基板の識別番号:XXX-YYY)だけを残存させることで、遊技台の製造メーカが特定可能となる例を示した。
しかしながら、本発明に係る「第一の基板」はこれに限定されず、例えば、本変形例2に係る主制御基板690のように、識別基板692を切り離すことなく、レーザー刻印等によって、主制御基板690の識別情報694(スロットマシンの製造メーカ名:BBB社、主制御基板の識別番号:XXX-YYY)に取り消し線を施す等の方法で、遊技台の製造メーカが特定可能となるように構成してもよい。
<変形例3に係る主制御基板>
次に、図15(b)を用いて、変形例3に係る主制御基板696(第一の基板)について説明する。図15(b)は、変形例3に係る主制御基板696の平面図である。
図10を用いて説明した主制御基板600では、主制御基板600に識別情報618(スロットマシン100の製造メーカ名:BBB社、主制御基板の識別番号:XXX-YYY)を印刷する例を示した。
しかしながら、本発明に係る「第一の基板」はこれに限定されず、例えば、本変形例3に係る主制御基板696のように、主制御基板696から切り離しが可能な識別基板698を複数備え、一方の識別基板698に、第一の識別情報(スロットマシンの製造メーカ名:AAA社、主制御基板の識別番号:XXX-YYY)を印刷し、他方の識別基板698に、第二の識別情報(スロットマシンの製造メーカ名:BBB社、主制御基板の識別番号:XXX-YYY)を印刷し、いずれか一方を切り離すように構成してもよい。
<図柄配列>
次に、図25を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、図25は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では、9種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0~19の20コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0~19は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号0のコマには「スイカ図柄」、中リール111の番号1のコマには「ベル図柄」、右リール112の番号0のコマには「リプレイ図柄」がそれぞれ配置されている。
<基板延焼対策>
以下、図16~図24を用いて、本例に係るスロットマシンの基板延焼対策について説明する。
<基板延焼対策/基板>
図16(a)は、本例に係る基板700を電源層710側から見た平面図であり、同図(b)は、同図(a)におけるX-X線に沿う、基板700の部分断面図である。なお、説明の都合上、図16(b)においては、基板700における導体層、絶縁層、および、基材の厚みを誇張して示している。
本例に係るスロットマシンは、図16(a)に示す基板700(或る基板)を備える。この基板700は、図16(a),(b)に示すように、ベースとなる基材(コア)702と、この基材702の上に積層されるGND層(第二の導体層)706と、このGND層706の上に絶縁層708を介して積層される電源層(第一の導体層)710と、この電源層710の上に塗布されるソルダレジスト713と、ソルダレジスト713に印刷されるシルク715と、電源層710の上に実装される部品712(LEDドライバIC714,モータドライバIC716,受動部品718,コネクタ720,LED721等。以下、これらを総称して「部品」という。)と、を有して構成される。
なお、図16(b)では、基材(コア)702の両面に導体層や絶縁層を実装する両面実装基板の例を示したが、本願発明は、これに限定されず、基材(コア)702の片面のみに導体層や絶縁層を実装する片面実装基板であってもよい。また、以降では、説明の都合上、基板700の一方側の構造についてのみ説明するとともに、図面においては、ソルダレジスト713やシルク715等の図示は省略する。
換言すれば、基板700(或る基板)は、絶縁層708を挟んで一方面側に電源層(第一の導体層)710が構成され、絶縁層708を挟んで基材702側にGND層(第二の導体層)706が構成された基板である。
なお、本発明に係る「或る基板」は、少なくとも、複数の導体層と、絶縁層と、基材を有して構成された基板であればよく、例えば、電源層710とGND層706の位置を入れ替えた基板、すなわち、絶縁層708を挟んで一方面側(上側)にGND層(第二の導体層)706が構成され、絶縁層708を挟んで基材側(下側)に電源層(第一の導体層)710が構成された基板であってもよいし、3層以上の導体層を有する基板であってもよいし、導体層、絶縁層、基材に加えて、他の種類の層を備えた基板であってもよい。また、本発明に係る「或る基板」は、基材702を挟んでさらに導体層と絶縁層を有する両面実装基板であってもよい。
また、本発明に係る「或る基板」の用途等も、特に限定されず、例えば、本発明に係る「或る基板」として、図10を用いて説明した主制御基板600や、図11を用いて説明した副制御基板650のほか、電源制御を行う電源基板や、払出制御を行う払出制御基板等を適用してもよい。
<基板延焼対策/部品>
次に、基板700に実装された部品712について説明する。
基板700の電源層710には、図16(a)に示すように、複数の部品712が実装(配置)されている。
なお、本例では、電源層710にのみ部品712を実装し、GND層706をGNDプレーン層(部品を実装していないGND層)とする例を示したが、本発明に係る「或る基板」は、少なくとも一方面に複数の部品が配置された基板であればよく、例えば、GND層706にのみ部品を実装し、電源層710を電源プレーン層(部品を実装していない電源層)としてもよいし、電源層710とGND層706の両方に部品を実装してもよい。また、3層以上の導体層を有する基板とした場合には、少なくとも一つの層に複数の部品が配置された基板であればよい。
本発明に係る「部品」は、特に限定されないが、本例の電源層710には、LEDやダイオード等の発光デバイス(図示省略),LEDを駆動するLEDドライバIC714(図17(a)を用いて後述する),モータ(図示省略)を駆動するモータドライバIC716(図17(b)を用いて後述する)等の能動部品や、抵抗,コンデンサ,コイル等の受動部品718や、コネクタ720等の機構部品が実装されている。
なお、本発明に係る「能動部品」は、発光デバイスやドライバICに限定されず、例えば、ダイオード,トランジスタ,フォトダイオード等の受光デバイス,磁気センサ等の各種センサ等であってもよい。
<基板延焼対策/部品/LEDドライバ>
図17(a)は、LEDドライバIC714の端子配置図である。
LEDドライバIC714は、端子番号1~6に配置されたアドレス入力端子A0~A5と、端子番号7,20,33に配置されたグランド端子GNDと、端子番号8~19,21~32に配置された定電流出力端子XOUT0~XOUT23と、端子番号34に配置された外付け抵抗接続端子REXTと、端子番号35に配置されたリセット信号入力端子RESETと、端子番号36に配置されたシリアルクロック入力端子SCLKと、端子番号37に配置されたシリアルデータ入力端子SDAと、端子番号38に配置された電源端子VCCと、を有して構成される。
LEDドライバIC714の電源端子VCC(端子番号38)は、基板700の電源層710の電源配線パターン711(図19等を用いて後述する)に半田付けされ、電源層710の電源配線パターン711と電気的に接続される。
グランド端子GND(端子番号7,20,33)は、絶縁層708に形成されたビアを介して、GND層706のGND配線パターン706a(図19等を用いて後述する)に半田付けされ、GND層706のGND配線パターン706aと電気的に接続される。
定電流出力端子XOUT0~XOUT23(端子番号8~19,21~32)は、いずれも出力端子であり、本例では、図示しないLEDに電気的に接続され、LEDを駆動する出力端子として機能する。
<基板延焼対策/部品/モータドライバ>
図17(b)は、モータドライバIC716の端子配置図である。
モータドライバIC716は、端子番号2,3に配置された電源端子VMAと、端子番号4,5に配置されたブリッジA出力1端子AOUT1と、端子番号6,7に配置されたブリッジAグランド出力端子ISENAと、端子番号8,9に配置されたブリッジA出力2端子AOUT2と、端子番号10,11に配置されたブリッジB出力2端子BOUT2と、端子番号12,13に配置されたブリッジBグランド出力端子ISENBと、端子番号14,15に配置されたブリッジB出力1端子BOUT1と、端子番号16,17に配置された電源端子VMBと、端子番号20に配置されたグランド端子GNDと、端子番号21に配置されたレギュレータ出力端子V3P3OUT端子と、端子番号22~35に配置された各種の制御信号端子と、端子番号36に配置されたリセット信号入力端子RESET等を有して構成される。
モータドライバIC716の電源端子VMA(端子番号2,3)や電源端子VMB(端子番号16,17)は、基板700の電源層710の電源配線パターン711に半田付けされ、電源層710の電源配線パターン711と電気的に接続される。
グランド端子GND(端子番号20)は、絶縁層708に形成されたビアを介して、GND層706のGND配線パターン706aに半田付けされ、GND層706のGND配線パターン706aと電気的に接続される。
ブリッジA出力1端子AOUT1(端子番号4,5)、ブリッジAグランド出力端子ISENA(端子番号6,7)、ブリッジA出力2端子AOUT2(端子番号8,9)、ブリッジB出力2端子BOUT2(端子番号10,11)、ブリッジBグランド出力端子ISENB(端子番号12,13)、および、ブリッジB出力1端子BOUT1(端子番号14,15)は、いずれも出力端子であり、本例では、図示しないモータに電気的に接続され、モータを駆動する出力端子として機能する。
<基板延焼対策/電源層>
次に、基板700の電源層710について説明する。
図18(a)は、基板700の電源層710の電源配線パターンの一例を示すパターン図であり、図19(a)は、図18(a)において符号Aで示す部分を拡大して示す、電源層710の部分拡大図である。
基板700の電源層(第一の導体層)710には、図19(a)に拡大して示すように、複数の電源配線パターン(第一の配線パターン)711(711a~711g)と、これらの電源配線パターン711(711a~711g)に電気的に接続されたパッド,ランド,ビア等が形成されている。
電源配線パターン711aは、第1電源ライン711a1と、この第1電源ライン711a1の一端を基端として分岐する2つの第2電源ライン711a2および第3電源ライン711a3を有して構成される。
電源配線パターン711aの第1電源ライン711a1の下方には、電源配線パターン711bが近接して形成されており、電源配線パターン711aの第1電源ライン710a1と、電源配線パターン711bには、これらの電源配線パターンを跨ぐように配設される部品(抵抗、コンデンサ、ダイオード等)が実装されるパッド722が複数、形成されている。
電源配線パターン711bは、所定の電圧(本例では、DC24v)の電源に接続されている。電源配線パターン711aの第1電源ライン711a1は、パッド722に実装される部品を介して、電源配線パターン711bに電気的に接続されているため、電源配線パターン711bと同一の電圧(本例では、DC24v)の電源ラインとして機能する。
電源配線パターン711aの第2電源ライン711a2および第3電源ライン711a3の間には、電源配線パターン711cが近接して形成されており、第2電源ライン710a2および第3電源ライン711a3と、電源配線パターン711cには、これらの電源配線パターンを跨ぐように配設される部品(抵抗、コンデンサ、ダイオード等)が実装されるパッド724が複数、形成されている。
電源配線パターン711cは、パッド724に実装される部品を介して、電源配線パターン711aの第2電源ライン711a2および第3電源ライン711a3に電気的に接続されているため、電源配線パターン711a,711bと同一の電圧(本例では、DC24v)の電源ラインとして機能する。
図19(a)において左側に配置された電源配線パターン711d、中央に配置された電源配線パターン711e、右側に配置された電源配線パターン711f,711gは、所定の電圧(本例では、DC5v)の電源に、直接、または、間接的に(部品を介して)接続されており、DC5vの電源ラインとして機能する。
なお、本発明に係る「第一の配線パターン」は、電源配線パターンに限定されず、例えば、本発明に係る「第一の導体層」をGND層と定義した場合には、本発明に係る「第一の配線パターン」は、GND配線パターンとなる。また、本発明に係る「電源配線パターン」に供給される電源の電圧値は、本例に限定されないことは言うまでもない。
<基板延焼対策/GND層>
次に、基板700のGND層706について説明する。
図18(b)は、基板700のGND層706のGND配線パターン706aを示すパターン図であり、図19(b)は、図18(b)において符号Bで示す部分を拡大して示す、GND層706の部分拡大図である。
基板700のGND層(第二の導体層)706は、図16(b),図19(b)に示すように、いわゆるグランドベタ(ベタ配線パターン)で構成されたGND配線パターン706aと、このGND配線パターン706aが形成されていない(抜かれた)パターン抜き(ベタ抜き)706bで構成されている。
本例に係る基板700のGND配線パターン706aは、グランドベタ(ベタ配線パターン)で構成されているため、基板700のノイズ耐性(電流容量)を担保することができる。
なお、本発明に係る「第二の配線パターン」は、GND配線パターンに限定されず、例えば、本発明に係る「第二の導体層」を電源層と定義した場合には、本発明に係る「第二の配線パターン」は、電源配線パターンとなる。
<基板延焼対策/GND層/非重畳領域と重畳領域>
次に、基板700の非重畳領域NOEと重畳領域OEについて説明する。
図19(c)は、同図(a)に示す電源層710と同図(b)に示すGND層706を重ね合わせて示すパターン図である。
基板700の非重畳領域NOEは、図16(b)に示すように、基板700の厚さ方向において電源配線パターン711とGND配線パターン706aとが重畳していない領域のことであり、本例では、電源配線パターン711が形成され、かつGND配線パターン706aが形成されていない(パターン抜き706bで構成された)第一の非重畳領域NOE1と、電源配線パターン711とGND配線パターン706aの両方が形成されていない第二の非重畳領域NOE2で構成されている。
なお、本発明に係る「非重畳領域」は、基板の厚さ方向において第一の配線パターンと第二の配線パターンとが重畳していない領域であればよく、例えば、基板の厚さ方向において電源配線パターン711が形成され、GND配線パターン706aが形成されていない領域であってもよいし、電源配線パターン711とGND配線パターン706aの両方が形成されていない第二の非重畳領域NOE2の無い領域であってもよい。
一方、重畳領域OEは、図16(b)に示すように、基板700の厚さ方向において電源配線パターン711とGND配線パターン706aとが重畳している領域のことである。
なお、「重畳領域」は、基板の厚さ方向において第一の配線パターンと第二の配線パターンとが重畳している領域であればよく、例えば、基板の厚さ方向において電源配線パターンと信号配線パターンが形成されている領域であってもよいし、基板の厚さ方向においてGND配線パターンと信号配線パターンが形成されている領域であってもよい。
<基板延焼対策/非重畳領域と部品の位置関係>
次に、図20を用いて、基板700の非重畳領域NOEと、電源層710に実装される部品(LEDドライバIC714、モータドライバ716)との位置関係について説明する。
図20(a)は、GND層706のパターン抜き706bと、電源層710に実装されるLEDドライバIC714およびモータドライバ716との位置関係を示した平面図である。なお、図20(a)において、LEDドライバIC714およびモータドライバ716は、図17(a)、(b)に示す方向とは上下方向反対に実装されている。
図17(a)を用いて説明したように、LEDドライバ714の電源端子VCC(端子番号38)は、基板700の電源層710の電源配線パターン711に半田付けされ、電源層710の電源配線パターン711と電気的に接続される。
図20(b)は、同図(a)に拡大して示すLEDドライバ714におけるY-Y線に沿う断面図である。
図20(b)に示すように、LEDドライバ714の電源端子VCC(端子番号38)が接続される電源配線パターン711の下層のGND層706には、GND配線パターン706aが形成されておらず、パターン抜き706bで構成されている。
すなわち、LEDドライバ714の電源端子VCC(端子番号38)が実装される領域は、基板700の厚さ方向において電源配線パターン711とGND配線パターン706aとが重畳していない非重畳領域NOE(本例では、電源層710の電源配線パターン711が形成され、GND層706のGND配線パターン706aが形成されていない領域)である。
本例によれば、絶縁層を挟んで配設された電源配線パターン711(第一の配線パターン)とGND配線パターン706a(第二の配線パターン)を基板の厚さ方向において重畳させない非重畳領域NOEを設けることで、例えば、部品の端子等からの発火によって基板の絶縁層の一部が炭化導電路となってしまい、絶縁層によって絶縁されていた上層と下層の配線パターン同士で短絡が発生するような事態を未然に防止することができ、遊技台からの発火を防ぐことで、安全性の高い遊技台を提供することができる。
一方、LEDドライバ714の他の端子が接続される導体層の下層のGND層706は、ベタ配線パターンとされている。
本例によれば、GND配線パターンをベタ配線パターンで形成することが可能となり、設計を簡素化することができる上に、基板のノイズ耐性を向上することができる。
なお、LEDドライバ714のグランド端子GND(端子番号7,20,33)が接続されるGND配線パターン706aの上層の電源層710を、電源配線パターン711が形成されていないパターン抜きで構成することで、LEDドライバ714のグランド端子GND(端子番号7,20,33)が実装される領域を、基板700の厚さ方向において電源配線パターン711とGND配線パターン706aとが重畳していない非重畳領域NOE(GND層706のGND配線パターン706aが形成され、電源層710の電源配線パターン711が形成されていない領域)としてもよい。
図17(b)を用いて説明したように、モータドライバIC716の電源端子VMA(端子番号2,3)や電源端子VMB(端子番号16,17)は、基板700の電源層710の電源配線パターン711に半田付けされ、電源層710の電源配線パターン711と電気的に接続される。
図20(c)は、同図(a)に拡大して示すモータドライバ716におけるZ-Z線に沿う断面図である。
図20(c)に示すように、モータドライバ716の電源端子VMA(端子番号2)が接続される電源配線パターン710の下層のGND層706は、GND配線パターン706aが形成されておらず、パターン抜き706bで構成されている。
すなわち、モータドライバドライバ716の電源端子VMA(端子番号2)が実装される領域は、基板700の厚さ方向において電源配線パターン711とGND配線パターン706aとが重畳していない非重畳領域NOE(本例では、電源層710の電源配線パターン711が形成され、GND層706のGND配線パターン706aが形成されていない領域)である。
本例によれば、絶縁層を挟んで配設された電源配線パターン711(第一の配線パターン)とGND配線パターン706a(第二の配線パターン)を基板の厚さ方向において重畳させない非重畳領域NOEを設けることで、例えば、部品の端子等からの発火によって基板の絶縁層の一部が炭化導電路となってしまい、絶縁層によって絶縁されていた上層と下層の配線パターン同士で短絡が発生するような事態を未然に防止することができ、遊技台からの発火を防ぐことで、安全性の高い遊技台を提供することができる。
なお、図示は省略するが、モータドライバ716の電源端子VMA(端子番号3)、電源端子VMB(端子番号16,17)が接続される電源配線パターン711の下層のGND層706も、GND配線パターン706aが形成されておらず、パターン抜き706bで構成されている。
また、グランド端子GND(端子番号20)が接続されるGND配線パターン706aの上層の電源層710は、電源配線パターン711が形成されていないパターン抜きで構成されている。
また、図17(b)を用いて説明したように、モータドライバIC716のブリッジA出力1端子AOUT1(端子番号4,5)、ブリッジAグランド出力端子ISENA(端子番号6,7)、ブリッジA出力2端子AOUT2(端子番号8,9)、ブリッジB出力2端子BOUT2(端子番号10,11)、ブリッジBグランド出力端子ISENB(端子番号12,13)、および、ブリッジB出力1端子BOUT1(端子番号14,15)は、いずれも、図示しないモータに電気的に接続され、モータを駆動する出力端子である。
本例では、これらの出力端子が接続される信号配線パターンの下層のGND層706も、GND配線パターン706aが形成されておらず、パターン抜き706bで構成されている。
すなわち、本発明に係る「非重畳領域」は、基板の厚さ方向において第一の配線パターンと第二の配線パターンとが重畳していない領域であればよく、例えば、基板の厚さ方向において信号配線パターン(第一の配線パターン)が形成され、GND配線パターン(第二の配線パターン)が形成されていない領域であってもよいし、基板の厚さ方向においてGND配線パターン(第一の配線パターン)が形成され、信号配線パターン(第二の配線パターン)が形成されていない領域であってもよい。
また、基板の厚さ方向において信号配線パターン(第一の配線パターン)が形成され、電源配線パターン(第二の配線パターン)が形成されていない領域であってもよいし、基板の厚さ方向において電源配線パターン(第一の配線パターン)が形成され、信号配線パターン(第二の配線パターン)が形成されていない領域であってもよい。
一方、モータドライバ716の電源端子、GND端子、および、出力端子以外の端子(例えば、リセット信号入力端子RESET(端子番号36)等の入力端子や、各種の制御信号端子(端子番号22~35)等)が接続される導体層の下層のGND層706は、ベタ配線パターンとされている。
本例によれば、GND配線パターンをベタ配線パターンで形成することが可能となり、設計を簡素化することができる上に、基板のノイズ耐性を向上することができる。
また、本例では、図20(a)に示すように、基板700において、複数(本例では、6つ)のLEDドライバ714と、複数(本例では、2つ)のモータドライバ716が、それぞれ所定の間隔を空けて離間して配設されていることから、それぞれのLEDドライバ714とモータドライバ716に形成された非重畳領域NOEも、基板700において離間して形成されている。
電源配線パターンやGND配線パターンをベタ配線パターンで形成することで、基板のノイズ耐性を向上することができるが、非重畳領域においてはベタ配線パターンが抜かれることから、ある程度のノイズ耐性の低下は避けることができない。しかしながら、ベタ配線パターンが抜かれている箇所が連続して設けられるとノイズ耐性が著しく低下してしまうことから、非重畳領域を離間して形成することで、電源配線パターンやGND配線パターンをベタ配線パターンで形成したことによるノイズ耐性を著しく低下させないようにすることができる。
なお、ドライバの出力端子や電源端子の本数が多ければ、非重畳領域としてのパターン抜き706bの面積は大きくなっていく。つまり、発熱・発火のおそれがある端子(特定端子)が多い第一のドライバ(第一の能動部品)の近傍の非重畳領域は、発熱・発火のおそれがある端子(特定端子)が第一のドライバよりも少ない第二のドライバ(第二の能動部品)の近傍の非重畳領域よりも大きい領域となる。
また、図18(a)、図20における点描箇所はビアホールx1、ビアホールx2、ビアホールx3を示しており、この部分にはGND配線パターンは敷設されていない(なお、実施形態においてはビア、スルーホールを包含して「ビアホール」と呼称している)。ビアホールx1やビアホールx2は、LEDドライバ714とモータドライバ716の出力端子や電源端子の近傍に設けられたビアホールであり、ビアホールx1はモータドライバ716に接続される配線パターンの延長線上に配設されており、ビアホールx2はLEDドライバ714に接続される配線パターンと隣接するパターンの延長線上に配設されている。そして、ビアホールx1、x2に対応するGND配線パターンの非敷設部分と、延焼対策として形成されたパターン抜き706bは連続して形成されている。このように、ドライバ近傍に位置するビアホールx1、x2に対応するGND配線パターンの非敷設部分と、延焼対策としてのパターン抜きを連続して形成することで、連続して形成しなかった場合よりも炭化導電路が肥大化してしまっても延焼対策として効果を発揮でき、万が一、基板が延焼してしまっても局所的なものにできる。
一方、LEDドライバ714とモータドライバ716とは離れて設けられたビアホールx3においてはパターン抜き706bと連続しておらず、LEDドライバ714やモータドライバ716と接続される配線パターンの延長線上にも配設されておらず、LEDドライバ714やモータドライバ716と接続される配線パターンと隣接する配線パターンの延長線上にも配設されていない。
<基板延焼対策/従来の問題点と本願発明の概念>
次に、従来の問題点と本願発明の概念について説明する。
図21(a)は、従来の遊技台の基板における問題点を模式的に示した概念図である。なお、図21、図22では、説明を簡素化するため、基板における電源層、絶縁層、および、GND層以外の図示を省略している。
スロットマシンに代表される遊技台には、様々な基板が設けられている。これらの基板には、能動部品や受動部品が配設されており、能動部品や受動部品は、その駆動が大きくなった際の発熱態様が異なっている。
具体的には、受動部品は、受動部品自体が高温となっていく一方で、能動部品は、最も高温となる部分は出力端子付近であり、図21(a-2)に示すように、IC(部品)の端子付近が高温になるとショート(火花)を伴う虞があり、この場合、発生した火花によって基板の絶縁層がえぐられる(破壊される)ことがある。
図21(a-3)に示すように、基板の絶縁層が破壊された結果、IC(部品)の端子付近の配線パターンの炭化が進んで絶縁層の一部が炭化導電路となってしまい、絶縁層によって絶縁されていた上層と下層の配線パターン同士(本例では、上層の電源層と下層のGND層)で短絡が発生し、引火を誘発するおそれがある。
図21(b)は、本願発明の基板の概念を模式的に示した図である。
本願発明の基板は、図21(b―1)に示すように、基板700の厚さ方向において電源配線パターン711とGND配線パターン706aとが重畳していない非重畳領域NOE(本例では、電源層710の電源配線パターン711が形成され、GND層706のGND配線パターン706aが形成されていない領域)を有する点に特徴がある。
本願の基板は、このような非重畳領域NOEを有することから、図21(b-2)に示すように、IC(部品)の端子付近が高温になって火花が発生し、同図(b-3)に示すように、発生した火花によって基板の絶縁層708が破壊された場合であっても、非重畳領域NOEは、GND配線パターン706aが形成されていない領域(パターン抜き706bが施された領域)であることから、絶縁層708によって絶縁されていた上層と下層の配線パターン同士(本例では、上層の電源層710と下層のGND層706)で短絡が発生するような事態を未然に防止することができ、遊技台からの発火を防ぐことで、安全性の高い遊技台を提供することができる。
なお、本例では、非重畳領域NOEとして、「電源層の電源配線パターンが形成され、GND層のGND配線パターンが形成されていない領域」の例を示したが、「GND層のGND配線パターンが形成され、電源層の電源配線パターンが形成されていない領域」であってもよいし、「電源層の電源配線パターンとGND層のGND配線パターンの両方が形成されていない領域」を含む領域であってもよい。
<基板延焼対策/非重畳領域(実施例1)>
図22(a)は、実施例1に係る非重畳領域NOEと、炭化導電路の想定最大領域CEを示した平面図であり、同図(b)は、同図(a)におけるA-A線に沿う断面図である。
図22(a)、(b)に示すように、基板700の非重畳領域NOEは、基板700において想定される炭化導電路の想定最大領域CEを少なくとも含む大きさの領域である必要がある。換言すれば、図22(b)に示すように、基板700の厚さ方向において、電源層710の電源配線パターン711と、炭化導電路の想定最大領域CEと、GND層706のGDN配線パターン706aが重ならないようにする必要がある。
図22(c)は、基板700の非重畳領域NOEが、炭化導電路の想定最大領域CEの全てを含んでいない場合の例を示した平面図であり、同図(d),(d´)は、同図(c)におけるB-B線に沿う断面図である。
図22(c)、(d)に示すように、基板700の非重畳領域NOEが、炭化導電路の想定最大領域CEの全てを含まない大きさの領域であった場合、同図(d´)に示すように、発生した火花によって基板700の絶縁層708が破壊され、想定最大領域CEの炭化導電路が形成された結果、絶縁層708によって絶縁されていた電源層710とGND層706で短絡が発生し、引火を誘発するおそれがある。
なお、炭化導電路の想定最大領域CEは、基板に実装される部品の構造や特性等によっても異なり、例えば、本体と端子で構成される部品であっても、本体と端子の接合部が最も発熱しやすく高温になりやすい部位であれば、炭化導電路の想定最大領域CEは、この接合部を中心とした範囲となるが、本体内部の回路と端子の内部接続部が最も発熱しやすく高温になりやすい部位であれば、炭化導電路の想定最大領域CEは、この内部接続部を中心とした範囲となる。
すなわち、本発明に係る「非重畳領域」は、各部品において最も発熱しやすく高温になりやすい部位の近傍に位置する領域であることが好ましい。また、部品の端子の太さが太い場合には、その分、炭化導電路の想定最大領域が大きくなるため、非重畳領域の範囲も大きくする必要がある。
<基板延焼対策/非重畳領域(他の実施例)>
図23(a)は、実施例2に係る非重畳領域NOE2を示した平面図である。
本実施例は、電源層710に実装される部品712(本例では、DIP型IC)の全体を含むように、非重畳領域NOE2(本例では、高さH2、幅W2の矩形状の領域)を形成した例である。なお、図中では電源端子はICの短手方向における一方側の下方よりに配置されているが、図23(a)に示す例においては、電源端子が短手方向の両側かつ上方および下方に分散して配置されている場合に好適といえる。
なお、基板700の非重畳領域NOE2は、基板700において想定される炭化導電路の想定最大領域CEを少なくとも含む大きさの領域であればよいが、部品712や電源配線パターン711の近傍においても炭化導電路が形成されるおそれがあることから、電源層710の電源配線パターン711の平均幅をw1、最大幅をw2、電源配線パターン711の水平方向の最大長さをw3とした場合、非重畳領域NOE2の幅W2は、いずれよりも長く、「電源配線パターン711の平均幅w1<電源配線パターン711の最大幅w2<電源配線パターン711の水平方向の最大長さw3<非重畳領域NOE2の幅W2」の関係にあることが好ましい。
また、同様の理由から、電源配線パターン711の垂直方向の最大長さをh1とした場合、非重畳領域NOE2の高さH2は、それよりも長く、「電源配線パターン711の垂直方向の最大長さh1<非重畳領域NOE2の高さH2」の関係にあることが好ましい。
本例によれば、非重畳領域NOE2は、炭化導電路の想定最大領域CEを少なくとも含む大きさの領域であり、基板の厚さ方向において、電源層710の電源配線パターン711と、炭化導電路の想定最大領域CEと、GND層706のGDN配線パターン706aが重なることが無いため、絶縁層によって絶縁されていた上層と下層の配線パターン同士(本例では、上層の電源層と下層のGND層)で短絡が発生するような事態を未然に防止することができ、遊技台からの発火を防ぐことで、安全性の高い遊技台を提供することができる。
その上、非重畳領域NOE2は、部品712の全体や電源配線パターン711を含む大きさの領域であるため、部品712や電源配線パターン711の近傍において炭化導電路が形成されたとしても、絶縁層によって絶縁されていた上層と下層の配線パターン同士(本例では、上層の電源層と下層のGND層)で短絡が発生するような事態を未然に防止することができ、遊技台からの発火を防ぐことで、安全性の高い遊技台を提供することができる。
図23(b)は、実施例3に係る非重畳領域NOE3を示した平面図である。
本実施例は、電源層710に実装される部品712(本例では、DIP型IC)の短手方向一方側の全ての端子を含むように、非重畳領域NOE3(本例では、高さH3、幅W3の矩形状の領域)を形成した例である。なお、図中では電源端子はICの短手方向における一方側の下方よりに配置されているが、図23(b)に示す例においては、電源端子が短手方向の一方側に配置されている場合に好適といえる。
本例によれば、非重畳領域NOE3は、炭化導電路の想定最大領域CEを少なくとも含む大きさの領域であり、基板の厚さ方向において、電源層710の電源配線パターン711と、炭化導電路の想定最大領域CEと、GND層706のGDN配線パターン706aが重なることが無いため、絶縁層によって絶縁されていた上層と下層の配線パターン同士(本例では、上層の電源層と下層のGND層)で短絡が発生するような事態を未然に防止することができ、遊技台からの発火を防ぐことで、安全性の高い遊技台を提供することができる。
その上、非重畳領域NOE3は、電源配線パターン711を含む大きさの領域であるため、電源配線パターン711の近傍において炭化導電路が形成されたとしても、絶縁層によって絶縁されていた上層と下層の配線パターン同士(本例では、上層の電源層と下層のGND層)で短絡が発生するような事態を未然に防止することができ、遊技台からの発火を防ぐことで、安全性の高い遊技台を提供することができる。
また、本例によれば、実施例2に係る非重畳領域NOE2よりも、非重畳領域NOE3の大きさを小さくすることができ、その分、GND層706のGND配線パターン706aの領域を増やすことができ、基板のノイズ耐性(電流容量)を高めることができる。
図23(c)は、実施例4に係る非重畳領域NOE4を示した平面図である。
本実施例は、電源層710に実装される部品712(本例では、DIP型IC)の長手方向一方側の複数の端子を含むように、非重畳領域NOE4(本例では、高さH4、幅W4の矩形状の領域)を形成した例である。なお、図中では電源端子はICの短手方向における一方側の下方よりに配置されているが、図23(c)に示す例においては、電源端子が長手方向の一方側に配置されている場合に好適といえる。
本例によれば、非重畳領域NOE4は、炭化導電路の想定最大領域CEを少なくとも含む大きさの領域であり、基板の厚さ方向において、電源層710の電源配線パターン711と、炭化導電路の想定最大領域CEと、GND層706のGDN配線パターン706aが重なることが無いため、絶縁層によって絶縁されていた上層と下層の配線パターン同士(本例では、上層の電源層と下層のGND層)で短絡が発生するような事態を未然に防止することができ、遊技台からの発火を防ぐことで、安全性の高い遊技台を提供することができる。
その上、非重畳領域NOE4は、電源配線パターン711を含む大きさの領域であるため、電源配線パターン711の近傍において炭化導電路が形成されたとしても、絶縁層によって絶縁されていた上層と下層の配線パターン同士(本例では、上層の電源層と下層のGND層)で短絡が発生するような事態を未然に防止することができ、遊技台からの発火を防ぐことで、安全性の高い遊技台を提供することができる。
また、本例によれば、実施例2に係る非重畳領域NOE2よりも、非重畳領域NOE4の大きさを小さくすることができ、その分、GND層706のGND配線パターン706aの領域を増やすことができ、基板のノイズ耐性(電流容量)を高めることができる。
図24(a)は、実施例5に係る非重畳領域NOE5を示した平面図であり、同図(b)は、同図(a)における電源配線ラインの配線パターンを変更した例を示した平面図である。
本例の基板は、部品712に第一の電圧(例えば、DC24v)の電力を供給可能な第一の電源配線パターン711xと、部品712に第二の電圧(例えば、DC5v)の電力を供給可能な第二の電源配線パターン711yを備えている。
図24(a)、(b)に示す例では、第一の電源配線パターン711xと第二の電源配線パターン711yを含むように、非重畳領域を形成している点は共通するが、同図(b)に示す例では、第一の電源配線パターン711xを第二の電源配線パターン711yに寄せて配置していることから、図24(a)に示す非重畳領域NOE5(本例では、高さH5、幅W5の矩形状の領域)よりも、同図(b)に示す非重畳領域NOE5´(本例では、高さH5、幅W5´(W5´<W5)の矩形状の領域)の方が領域の大きさが小さくなっている。
図24(b)に示す例によれば、部品712に異なる電源の電力を供給する第一の電源配線パターン711xと第二の電源配線パターン711yを近接して配置しているため、同図(a)に示す非重畳領域NOE5よりも、非重畳領域NOE5´の大きさを小さくすることができ、その分、GND層706のGND配線パターン706a(ベタ配線パターン)の領域を増やすことができ、基板のノイズ耐性(電流容量)を高めることができる。
<基板延焼対策/まとめ>
以上説明したように、本実施形態に係る遊技台(例えば、図1に示すスロットマシン100、パチンコ機、封入式遊技機、メダルレススロットマシン)は、遊技が可能な遊技台であって、前記遊技台は、或る基板(例えば、図16(a)に示す基板700)を備えるものであり、前記或る基板は、少なくとも、複数の導体層と、絶縁層(例えば、図16(b)に示す絶縁層708)と、基材(例えば、図16(b)に示す基材702)を有して構成された基板であり、前記或る基板は、少なくとも一方面に複数の部品が配置された基板であり、前記複数の導体層のうちの一つは、第一の配線パターン(例えば、図19(a)に示す電源配線パターン710a~710g)を有する第一の導体層(例えば、図16(b)に示す電源層710)であり、前記複数の導体層のうちの一つは、第二の配線パターン(例えば、図19(b)に示すGND配線パターン706a)を有する第二の導体層(例えば、図16(b)に示すGND層706)であり、前記或る基板は、前記絶縁層を挟んで前記一方面側に前記第一の導体層が構成された基板であり、前記或る基板は、前記絶縁層を挟んで前記基材側に前記第二の導体層が構成された基板であり、前記或る基板は、該或る基板の厚さ方向において前記第一の配線パターンと前記第二の配線パターンとが重畳していない非重畳領域(例えば、図16(b)に示す非重畳領域NOE)を有する基板である、ことを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係る遊技台によれば、絶縁層を挟んで配設された第一の配線パターンと第二の配線パターンを基板の厚さ方向において重畳させない非重畳領域を設けることで、例えば、基板に損傷(運搬途中での破損やヒビ割れ等のキズ)が生じた場合、当該箇所の抵抗が大きくなることで発熱や炭化が促進されて短絡の可能性があり、このような事態が生じても配線パターンを重畳させないことで被害の拡大を抑止することができる。また、部品の端子等からの発火によって基板の絶縁層の一部が炭化導電路となってしまい、絶縁層によって絶縁されていた上層と下層の配線パターン同士で短絡が発生するような事態を未然に防止することができ、遊技台からの発火を防ぐことで、安全性の高い遊技台を提供することができる。
また、前記複数の部品のうちの一つは、或る部品(例えば、図20(a)に示すLEDドライバ714、モータドライバ716)であり、前記非重畳領域は、前記或る部品の近傍(例えば、図20(a)に示すLEDドライバ714の長手方向一方側、図20(a)に示すモータドライバ716の短手方向一方側、図23(a)に示す部品712の全体を含む領域、図23(b)に示す部品712の短手方向一方側、図23(c)に示す部品712の長手方向一方側)に位置するものあってもよい。
このような構成とすれば、或る部品が短絡した場合であっても、或る部品の近傍を非重畳領域にすることで、絶縁層によって絶縁されていた上層と下層の配線パターン同士で短絡が発生するような事態を未然に防止することができる。
また、前記或る部品は、特定の能動部品(例えば、図20(a)に示すLEDドライバ714、モータドライバ716、発光デバイス、ダイオード,トランジスタ,フォトダイオード等の受光デバイス,磁気センサ等の各種センサ)であってもよい。
このような構成とすれば、能動部品は受動部品に比べて短絡が発生し易く、短絡によって生じた火花によって基板がえぐられ、基板の絶縁層の一部が炭化導電路となってしまうおそれがあるが、能動部品の近傍を非重畳領域にすることで、絶縁層によって絶縁されていた上層と下層の配線パターン同士で短絡が発生するような事態を未然に防止することができる。
また、前記或る基板における前記特定の能動部品以外の部品(例えば、抵抗等の受動部品、高温時にスパークする可能性が低い部品)が配置される領域は、該或る基板の厚さ方向において前記第一の配線パターンと前記第二の配線パターンとが重畳する重畳領域であってもよい。
このような構成とすれば、重畳領域については電源配線パターンやGND配線パターンをベタ配線パターンで形成することが可能となり、基板のノイズ耐性を向上することができる。
また、前記非重畳領域(例えば、図16(b)に示す非重畳領域NOE)は、前記第一の配線パターンまたは前記第二の配線パターンのいずれか一方(例えば、図16(b)に示す電源配線パターン711)が形成された領域であり、該第一の配線パターンまたは該第二の配線パターンのいずれか他方(例えば、図16(b)に示すGND配線パターン706a)が形成されていない領域であってもよい。
このような構成とすれば、第一の配線パターンと第二の配線パターンを物理的に離間させることができ、絶縁層によって絶縁されていた上層と下層の配線パターン同士で短絡が発生するような事態を未然に防止することができる。
また、前記第一の配線パターンは、電源配線パターンまたはGND配線パターンのいずれか一方(例えば、図16(b)に示す電源配線パターン711)であり、前記第二の配線パターンは、前記電源配線パターンまたは前記GND配線パターンのいずれか他方(例えば、図16(b)に示すGND配線パターン706a)であってもよい。
このような構成とすれば、電源配線パターンとGND配線パターンを物理的に離間させることができ、絶縁層によって絶縁されていた電源配線パターンとGND配線パターンで短絡が発生するような事態を未然に防止することができる。
また、前記第一の配線パターンは、信号配線パターン(例えば、図17(b)や図20(c)に示す、モータドライバIC716の出力端子が接続される信号ライン)またはGND配線パターン(例えば、図16(b)に示すGND配線パターン706a)のいずれか一方であり、前記第二の配線パターンは、前記信号配線パターンまたは前記GND配線パターンのいずれか他方であってもよい。
このような構成とすれば、信号配線パターンとGND配線パターンを物理的に離間させることができ、絶縁層によって絶縁されていた信号配線パターンとGND配線パターンで短絡が発生するような事態を未然に防止することができる。
また、前記第一の配線パターンは、信号配線パターン(例えば、図17(b)や図20(c)に示す、モータドライバIC716の出力端子が接続される信号ライン)または電源配線パターン(例えば、図16(b)に示す電源配線パターン711)のいずれか一方であり、前記第二の配線パターンは、前記信号配線パターンまたは前記電源配線パターンのいずれか他方であってもよい。
このような構成とすれば、信号配線パターンと電源配線パターンを物理的に離間させることができ、絶縁層によって絶縁されていた信号配線パターンと電源配線パターンで短絡が発生するような事態を未然に防止することができる。
また、前記或る基板は、前記第一の配線パターンおよび前記第二の配線パターンの少なくとも一方(例えば、図19(b)や図20(a)~(c)に示すGND配線パターン706a)がベタ配線パターンで構成された基板であり、前記或る基板は、前記特定の能動部品(例えば、図17や図20(a)に示すLEDドライバ714、モータドライバ716)が複数配置されている基板(例えば、図20においては、複数のLEDドライバ714同士(同種のIC)が離間して配置されている、複数のモータドライバ716同士(同種のIC)が離間して配置されている、LEDドライバ714とモータドライバ716(異種のIC)が離間して配置されている)であり、前記或る基板は、それぞれの前記特定の能動部品に対応して前記非重畳領域が形成されている基板であり、前記或る基板は、それぞれの前記非重畳領域が離間して形成されている基板であってもよい。
電源配線パターンやGND配線パターンをベタ配線パターンで形成することで、基板のノイズ耐性を向上することができるが、非重畳領域においてはベタ配線パターンが抜かれることから、ある程度のノイズ耐性の低下は避けることができない。しかしながら、ベタ配線パターンが抜かれている箇所が連続して設けられるとノイズ耐性が著しく低下してしまうことから、非重畳領域を離間して形成することで、電源配線パターンやGND配線パターンをベタ配線パターンで形成したことによるノイズ耐性を著しく低下させないようにすることができる。
<図柄配列>
次に、図25を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、図25は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では、9種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0~19の20コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0~19は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号0のコマには「スイカ図柄」、中リール111の番号1のコマには「ベル図柄」、右リール112の番号0のコマには「リプレイ図柄」がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図26を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、図26は、入賞役の種類、条件装置の名称,各入賞役に対応する図柄組合せ,払出数,備考を示す図である。
スロットマシン100の入賞役には、特別役(特別役1、特別役2)と、一般役(再遊技役1~3、小役1~小役5)等がある。なお、入賞役の種類は、これらの役に限定されるものではなく、任意に採用することができ、図26においては、一部の入賞役の図示を省略している。
<入賞役の種類/特別役>
本実施形態における入賞役のうち、特別役1および特別役2は、遊技者に所定の利益が付与される特別遊技状態に移行する役である。また、再遊技役は、新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役(再遊技が付与される役)である。これらの入賞役は「作動役」と呼ばれる場合がある。
また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが入賞ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1、特別役2、および再遊技役への入賞が含まれる。
特別役1および特別役2は、内部当選により遊技状態が特別役1・2内部当選状態(RT3)に移行し、入賞により遊技状態が特別役1・2遊技状態(RT4)に移行する入賞役である。なお、特別役1・2遊技状態(RT4)において規定枚数(例えば200枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態は再遊技低確率状態(RT1)に移行する。なお、各遊技状態(RT1~RT4)については後述する。
特別役1(BB)に対応する図柄組合せは、「セブン1図柄-セブン1図柄-セブン1図柄」または「セブン2図柄-セブン2図柄-セブン2図柄」であり、特別役2(RB)に対応する図柄組合せは、「BAR図柄-BAR図柄-BAR図柄」である。
特別役1または特別役2に内部当選すると、この内部当選した役に対応する特別役内部当選フラグがオンに設定される(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)。このフラグは、その内部当選した役に入賞するまでオンの状態が維持され、次回以降の遊技においてもその内部当選した役に入賞しやすい状態となる。すなわち、特別役1または特別役2に内部当選した遊技においては、その特別役に入賞しなくとも、次回以降の遊技でその特別役に内部当選した状態となり、特別役に対応する図柄組合せが、揃って入賞しやすい状態になる。
<入賞役の種類/再遊技役>
再遊技役1~3は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。対応する図柄組合せは、図7に示す通りである。なお、再遊技役は、遊技者がメダルを投入することなく、次回の遊技を行うことができる役であればよい。したがって、例えば、再遊技役に入賞すると次回遊技でメダルの投入が自動的に投入(メダル投入枚数記憶領域にメダル投入枚数が再設定)されるものであってもよいし、再遊技役に入賞した遊技で投入されたメダルを、そのまま次回の遊技に持ち越して使用できるものであってもよい。
<入賞役の種類/小役>
小役1~小役5は、入賞により所定数のメダルが払い出される(払出枚数がある)入賞役である。
小役1(スイカ)は、入賞により、「スイカ図柄-スイカ図柄-スイカ図柄」の図柄組合せが入賞ラインに停止表示され、5枚のメダルが払い出される入賞役である。
小役2(チェリー)は、入賞により、「チェリー図柄-ANY-ANY」の図柄組合せが入賞ラインに停止表示され、2枚のメダルが払い出される入賞役である。なお、「チェリー図柄-ANY-ANY」の図柄組合せは、左リール110の図柄が「チェリー図柄」であればよく、中リール111と右リール112の図柄は、どの図柄でもよいことを示している。
以降では、これらの小役1(スイカ)と小役2(チェリー)を、総称して「レア役」という場合があるが、レア役は、これらの入賞役に限定されるものではなく、いずれか一方の入賞役であってもよいし、他の入賞役を加えてもよい。
なお、後述するAT状態においてレア役に当選すると、ゲーム数を上乗せしたり、セット数を上乗せしたりする抽選が実行されるように(抽選に当選しやすく)なっている。一方、ED状態においてレア役に当選しても、ゲーム数を上乗せしたり、セット数を上乗せしたりする抽選が実行されないようになっている。
小役3(押順ベル)は、小役3a~小役3fの6種類の入賞役で構成される。本例では、抽選により、所定の確率(本例では約1/6。全設定共通)で、小役3a~小役3fのいずれかの入賞役に内部当選し、ストップボタン137~139による停止操作の操作順序(押順)が、内部当選した入賞役に対応すると一致した場合に入賞し、12枚のメダルが払い出される。
小役4(共通ベル)は、ストップボタン137~139による停止操作の操作順序(押順)や操作タイミングに関わらず、「ベル図柄-ベル図柄-ベル図柄」の図柄組合せが入賞ライン上に停止表示され、12枚のメダルが払い出される入賞役である。
小役5(1枚役)は、ストップボタン137~139による停止操作の操作順序(押順)や操作タイミングに関わらず、「リプレイ図柄-リプレイ図柄-ブランク1図柄」の図柄組合せが入賞ライン上に停止表示され、1枚のメダルが払い出される入賞役である。
<RT系の遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100におけるRT系の遊技状態の種類および変遷について説明する。
<再遊技低確率状態(RT1)>
再遊技低確率状態(RT1)は、スロットマシン100の電源投入直後等に最初に設定されるデフォルトのRT系の遊技状態(以下、「通常遊技状態」ともいう。)であって、遊技者にとって他の遊技状態よりも相対的に不利な遊技状態である。
本例では、この再遊技低確率状態(RT1)において、再遊技役2(昇格リプレイ1)または再遊技役3(昇格リプレイ2)に入賞した場合に、後述する再遊技高確率状態(RT2)に移行する。また、この再遊技低確率状態(RT1)において、特別役1あるいは特別役2に内部当選した場合に、後述する特別役1・2内部当選状態(RT3)に移行する。
<再遊技高確率状態(RT2)>
再遊技高確率状態は、再遊技の内部当選確率が再遊技低確率状態(RT1)よりも高い遊技状態である。
本例では、この再遊技高確率状態(RT2)において、特別役1あるいは特別役2に内部当選した場合に、後述する特別役1・2内部当選状態(RT3)に移行する。
<特別役1・2内部当選状態(RT3)>
特別役1・2内部当選状態(RT3)は、特別役1あるいは特別役2に対応する内部当選フラグがオンに設定された状態であり、遊技者が所定のタイミングで停止操作をすることで、このフラグに対応する特別役に対応する図柄組み合わせを表示させることができる遊技状態である。
本例では、この特別役1・2内部当選状態(RT3)において、特別役1または特別役2に入賞した場合に、後述する特別遊技状態(RT4)に移行する。
<特別遊技状態(RT4)>
特別遊技状態(RT4)は、全ての遊技状態中で最も遊技者に有利な遊技状態である。本例では、特別遊技状態(RT4)において、規定枚数(例えば200枚)が払い出された場合に再遊技低確率状態(RT1)に移行する。
なお、本例では、特別遊技状態(RT4)の終了条件は、特に限定されず、例えば、所定役に内部当選した場合や、所定回数(例えば、8回)の入賞があった場合や、所定回数(例えば、6回)の遊技が行われた場合であってもよい。
<AT系の遊技状態の遷移>
次に、AT系の遊技状態について説明する。
AT系の遊技状態は、低ナビ状態と高ナビ状態に大別される。低ナビ状態とは、操作ナビが実行される確率が低い状態であり、通常モード,非有利区間,または、通常区間ともいう。高ナビ状態とは、低ナビ状態よりも操作ナビが実行される確率が高い状態であり、ATモード,有利区間ともいう。
ここで、操作ナビとは、メダル獲得や有利な遊技状態を維持するために、ストップボタン137~139の停止操作態様(例えば、正解操作順序や停止操作のタイミング)を報知する演出をいい、例えば、押順役(例えば、小役3(押順ベルLCR))の正解操作順序を報知する演出(例えば、「左→中→右」の文字を表示する演出)等が該当する。
操作ナビの操作内容に従った停止操作を行った場合、遊技者に有利な結果がもたらされるので、高ナビ状態は、低ナビ状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。ここで、有利とは、具体的には、所定期間の遊技を行ったときに遊技者が賭け数として遊技台に使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合、いわゆる払出率(出玉率)が有利なことをいう。
なお、本例では、低ナビ状態を、操作ナビの実行確率が低い状態、高ナビ状態を、低ナビ状態よりも操作ナビの実行確率が高い状態としたが、低ナビ状態を、操作ナビを実行しない状態、高ナビ状態を、操作ナビを実行する状態としてもよい。
AT系の各遊技状態は、細分化されて管理されており、これを演出状態と呼ぶ。詳しくは、低ナビ状態の演出状態は、通常遊技状態、高ナビ状態の演出状態は、ノーマル状態、確定告知状態、ジャッジ状態、引き戻し状態、AT1状態、AT2状態、ED(エンディング)状態を備えている。なお、AT1状態、AT2状態、およびED状態が、原則として出玉の増える状態である。
本実施形態では、低ナビ状態の通常遊技状態において或る条件が成立した場合(例えば、ハズレ以外の入賞役に入賞した場合)に、高ナビ状態のノーマル状態に移行する。その後は、例えば、確定告知状態→AT1状態→ジャッジ状態の順番で移行し、このジャッジ状態から、引戻し状態を経由して通常遊技状態またはAT2状態に移行するルートや、ジャッジ状態から、直接、AT2状態に移行するルート等がある。
AT状態(AT1状態、AT2状態)とは、所定回数(例えば、1セット30ゲーム)のAT遊技が可能な状態であり、低ナビ状態の通常遊技状態や高ナビ状態のノーマル状態等よりも、遊技者にとって有利な状態である。
このAT遊技では、AT遊技の開始遊技で、AT遊技を継続するか否かのセット継続抽選(例えば、当選確率1/4の抽選)が実行され、このセット継続抽選に当選すると、さらに所定回数(本例では、1セット30ゲーム)のATゲームが付与され、AT状態が延長される。また、AT状態において通常遊技状態への移行条件が成立した場合(本例では、AT状態における全ての遊技を消化した場合)に、次回の遊技から通常遊技状態に移行する。
また、高ナビ状態の残りゲームが所定のゲーム数(例えば、20ゲーム)以下になると、ED状態に移行し、このED状態では、高ナビ状態の終了を示唆するED(エンディング)演出が実行される。
なお、ED状態への移行条件は、高ナビ状態の残りゲームが所定のゲーム数(例えば、20ゲーム)以下になることに限らず、例えば、所定のゲーム数が20ゲーム以上でも以下でも良いし、「獲得枚数+獲得予定差枚数>2000」であることでも良い。
<主制御部メイン処理>
まず、図27を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図27に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS102では、賭け数設定/スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルが投入されたことを示す投入コマンドの送信準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS103へ進む。
ステップS103では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する入賞ライン確定処理を行う。
ステップS104では、乱数発生回路316で発生させた乱数を取得し、入賞役内部抽選処理を行う。入賞役内部抽選処理では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これと取得した乱数値とを用いて内部抽選を行うとともに、この内部抽選の結果を示す内部抽選コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがオンになる。
ステップS105では、入賞役内部抽選処理の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択するリール停止データ選択処理を行う。なお、このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。また、ステップS105では、選択されたリール停止データに関する情報を含んだリール停止データコマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS106では、スタートレバー操作に基づいて、上述したAT系の遊技状態の制御に関する演出状態制御処理を実行する。ステップS107では、演出用処理を実行する。この演出用処理では、各種演出の制御等を行う。
ステップS108では、リール回転開始処理が実行され、全リール110~112の回転を開始させる。
ステップS109では、リール停止制御処理を行う。リール停止制御処理では、ストップボタン137~139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させるために、リール停止データの停止テーブルを参照し、停止テーブルに設定された引込みコマ数に従ってリール110~112の何れかを停止させる。全リール110~112が停止するとステップS110へ進む。なお、このステップS109では、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン137~139に関する停止ボタン受付コマンド(詳しくは、第1停止操作に対しては、停止ボタン受付1コマンド、第2停止操作に対しては、停止ボタン受付2コマンド、第3停止操作に対しては、停止ボタン受付3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンド(詳しくは、第1停止リールに対しては、リール停止1コマンド、第2停止操作に対しては、リール停止2コマンド、第3停止操作に対しては、リール停止3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS110では、入賞判定を行う入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、有効化された入賞ライン上に、何らかの入賞役に対応する図柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル-ベル-ベル」が揃っていたならば小役3(ベル)に入賞したと判定される。また、このステップS110では、入賞判定の結果を示す入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。
ステップS111では、メダル付与処理を行う。メダル付与処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
ステップS112では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、RT系の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件又は終了条件の成立により、遊技状態を移行させる。また、現在のRT系の遊技状態を示す情報を含む遊技状態コマンドを送信するための準備を行う。
ステップS113では、上述したAT系の遊技状態の制御に関する演出状態制御処理を実行する。ステップS114では、高ナビ状態の終了に関する高ナビ状態終了処理を実行する。
以上により一遊技が終了する。以降、ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図28のステップS206)において送信される。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図28を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS202では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS203では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS204では、各種遊技処理が実行され、割込みステータスに応じた処理が実行される。ステップS2005では、タイマ更新処理を行う。より具体的には、各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS206では、コマンド設定送信処理を行い、送信準備されていた各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS207では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路651に出力する。
ステップS208では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS203において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ339、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS209では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS211に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS210に進む。
ステップS210では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS2001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図27に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS211では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図27に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部の処理>
次に、図29を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図29(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図29(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図29(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図29(a)を用いて、第1副制御部400のメイン処理について説明する。
電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この処理で、内部当選の結果を表す情報である内部当選情報を記憶させるための領域と、遊技状態を表す情報であるRT更新情報を記憶させるための領域が、それぞれRAM408に設けられる。
ステップS302では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS3003の処理に移行する。ステップS303では、タイマ変数に0を代入する。ステップS304では、主制御部300から受信した各コマンドに対応する処理であるコマンド処理が実行される。
ステップS305では、演出制御処理を行う。ここでは、RAM408内に設けられた演出予約領域内にある演出予約情報に従って、演出の準備を行う。この準備には例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS306では、ステップS305の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS305で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。ステップS307では、ステップS305の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS305で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS308では、ステップS3005の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS305で読み出した演出データの中にシャッタ163への命令がある場合には、この命令を駆動回路424に出力する。ステップS309では、ステップS305の処理結果に基づいて第2副制御部500にコマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS305で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信するコマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS302へ戻る。
次に、図29(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図29(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS501では、図29(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS302において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS302において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS502では、ステップS309で設定された第2副制御部500へのコマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第2副制御部の処理>
次に、図30を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図30(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。図30(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図30(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。図30(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、図30(a)のステップS601では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理や、VRAM536内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS602では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS603の処理に移行する。ステップS4003では、タイマ変数に0を代入する。ステップS604では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS605では、演出制御処理を行う。具体的には、ステップS604で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。例えば、背景画像に関する画像制御を行う演出データをROM506から読み出す処理を実行する。また、これ以外の演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS606では、ステップS605の処理結果に基づいて画像制御処理(詳しくは後述)を行う。例えば、ステップS605で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行う。例えば、表示画像(報知画像、背景画像)に関する画像制御が実行される。この画像制御処理が終了すると、ステップS602へ戻る。
次に、図30(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
コマンド受信割込処理のステップS701では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図30(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS801では、図30(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS602において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS602において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS802では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図30(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS606の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
ステップS901では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS902では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS903に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS903では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS901でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、透過度など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS904では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS905では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS906に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS906では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<内部当選役の抽選値>
図31(a)は、スロットマシン100の内部当選役の抽選値の一例を示した図である。
内部当選役の当選確率は、各々の内部当選役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(本実施形態では65536)で除した値で求められる。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の内部当選役やハズレを対応付けしている。
入賞役内部抽選処理では、内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、いずれかの内部当選役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部当選役を決定する。実際には、この抽選データは少なくとも1つの内部当選役の当選確率を異ならせた設定1~設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
なお、設定値については、内部当選役の当選確率を各設定値で共通とする一方で、ATの当選確率(ATへの移行のしやすさ)を設定1~設定6で異ならせてもよく、例えば、設定1では或る内部当選役が決定された場合のAT抽選確率を確率Aとする一方で、設定6では或る内部当選役が決定された場合のAT抽選確率を確率Aよりも高い確率Bとするようにしてもよい。
図31(a)に示す例では、抽選データの範囲(抽選値)をアルファベットで示している。リプレイ4~リプレイ7には、いずれも(g)が示されているが、これは抽選値が同じであることを表す。例えば、(g)=3000/65535である。1枚役1~1枚役8には、いずれも(m)が示されているが、これも抽選値が同じであることを表す。ベルCLR1~ベルRCL3には、いずれも(n)が示されているが、これも抽選値が同じであることを表す。
アルファベットで示す抽選値の関係は、(a)+(b)+(c)+(d)<(e)+(f)+(g)+(h)+(i)+(j)+(k)+(l)+(m)+(n)の関係になる。なお、スイカ役やチェリー役は、抽選値が小さなレア役になる。
<押し順役>
図31(b)は、内部当選役のうち、共通ベルと押し順役の操作内容ごとの表示態様と払出枚数を示す表である。
押し順役とは、停止操作の内容(本実施形態では、第1停止操作から第3停止操作までの操作順序)に応じて入賞役(リール110~112の表示態様)が異なる内部当選役をいう。
なお、本実施形態では、(1)左中右(第1停止リールを左リール110、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを右リール112とする停止操作)の停止操作をLCR操作、(2)左右中(第1停止リールを左リール110、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを中リール111とする停止操作)の停止操作をLRC操作、(3)中左右(第1停止リールを中リール111、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを右リール112とする停止操作)の停止操作をCLR操作、(4)中右左(第1停止リールを中リール111、第2停止リールを右リール112、第3停止リール
を左リール110とする停止操作)の停止操作をCRL操作、(5)右左中(第1停止リールを右リール112、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを中リール111とする停止操作)の停止操作をRLC操作、(6)右中左(第1停止リールを右リール112、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを左リール110とする停止操作)の停止操作をRCL操作と表記する場合がある。
例えば、入賞役内部抽選において押し順ベル_CLR1~3が内部当選した場合であって、(1)LCR操作又はLRC操作が行われた場合には、ハズレまたは1枚役の入賞となり、0枚又は1枚のメダルが払い出され、(2)CLR操作が行われた場合には、ベルに入賞し、9枚のメダルが払い出され、(3)CRL操作が行われた場合には、1枚役に入賞し、1枚のメダルが払い出され、(4)RLC操作又はRCL操作が行われた場合には、ハズレまたは1枚役の入賞となり、0枚又は1枚のメダルが払い出される。
つまり、押し順ベル_CLR1~3は、CLR操作が行われた場合にベルに入賞し、最大数のメダル払出しが行われる。以下、押し順役に内部当選した場合において、最大数のメダルが払い出されるときの操作内容を「正解の操作」と表記する場合がある。本実施形態では、正解の操作とは、第1停止操作から第3停止操作までの操作順序が正解であることをいう。
同様にして、押し順ベル_CRL1~3は、CRL操作が正解の操作であり、CRL操作の場合、ベルに入賞し、9枚のメダルが払い出される。また、押し順ベル_RLC1~3は、RLC操作が正解の操作であり、RLC操作の場合、ベルに入賞し、9枚のメダルが払い出され、押し順ベル_RCL1~3は、RCL操作が正解の操作であり、RCL操作の場合、ベルに入賞し、9枚のメダルが払い出される。
一方、例えば、入賞役内部抽選において共通ベルが内部当選した場合、操作内容に関わらず、ベルに入賞し、9枚のメダルが払い出される。以下、上述した押し順ベル_CLR1~3、押し順ベル_CRL1~3、押し順ベル_RLC1~3および押し順ベル_RCL1~3を総称して「押し順ベル」という。なお、これら「押し順ベル」のうち、押し順ベル_CLR1~3および押し順ベル_CRL1~3を説明の便宜上「中第一ベル」と呼び、押し順ベル_RLC1~3および押し順ベル_RCL1~3を「右第一ベル」と呼ぶことがある。また、共通ベルの払い出し枚数については押し順ベルと同数の9枚としたが、これに限らず、押し順ベルよりも少ない枚数であってもよく、共通ベルの枚数を減らすことで、通常状態のメダル払出を抑制することができる。
本実施形態では、LCR操作又はLRC操作(順押し又は順挟み)を正解とする押し順ベルは存在せず、CLR操作又はCRL操作(中押し)及びRLC操作又はRCL操作(逆押し又は逆挟み)を正解とする押し順ベルが存在する仕様となっている。すなわち、偏りベルと称される仕様である。偏りベルとすることで、通常状態(非AT状態)の出玉を下げてAT状態での出玉を高めることができる。なお、偏りベルとは、左第1停止よりも左第1停止以外の押し順の方が、遊技にとって有利である(例えば、払出枚数が多い、あるいは当選確率が高くなっている)仕様である。
なお、内部当選役(条件装置)が1枚役1~8及びリプレイ1~7の場合の操作内容ごとの表示態様と払出枚数は、図31(b)に示す通りである。同図(b)中の「S青7/BAR」は、「青セブン1図柄」がシングル(1ライン)の入賞ラインで揃うか「BAR図柄」が揃うかを意味している。「フェイク」とは、狙うべき図柄が報知されて目押しを行っても、報知された図柄が揃わないことを意味している。「リプレイ(桃7/W青7フェイク)」は、桃セブン図柄を狙え、あるいはダブル(2ライン)の入賞ラインで青セブン図柄を狙えといった報知がなされるが、目押ししてもリプレイ図柄が揃うことを意味している。
<当選役データ>
続いて、主制御部300のROM306に記憶されている当選役データについて説明する。
図32は、主制御部300のROM306に記憶されている当選役データを示す図である。
図32に示す左側の当選役情報は、図31(a)に示した当選役情報と同じである。押し順役であるベル(押し順ベル)は、停止操作態様(押し順)が異なる4パターン(CLR、CRL、RLC、RCL)が用意されている。さらに、パターンごとに3つの役(1~3)が用意されている。
すなわち、同じ押し順でそれぞれ3つずつ役が用意されている。同じ押し順の役では、遊技者の利益は同じであるが、3つずつ用意しておくことで、出目を多彩にすることができる。例えば、1つの押し順に対して1つの役だけであると、特定の押し順である場合に特定の出目しか表示されず単調になってしまうところ、1つの押し順に対して複数の役を設けることで、同じ押し順でも役が表示される形を異ならすことができて出目が単調になるのを防ぐことができる。
各当選役には、当選役と1対1で対応した「00」~「34」といった自然数の連続番号(当選役番号)が付されている。
これまでの説明では、非有利区間から有利区間への移行は、ハズレ以外の役に当選することで移行していた。すなわち、リプレイ3に対応付けられた「01」以上の役に内部当選すると有利区間に移行することになる。
有利区間を備えた遊技台では、有利区間の移行処理においてさらなる工夫が求められており、ここでの例では、リプレイ1に対応付けられた「04」以上の役に内部当選すると有利区間に移行する。「04」以上の当選役番号、すなわち「04」~「34」の範囲に属する当選役番号が有利区間番号である。一方、「04」未満の当選役番号、すなわち「01」~「03」の範囲に属する当選役番号が非有利区間番号になる。このように、有利区間への移行が許容される役と許容されない役とを分けて当選役番号を定めることで、後述する有利区間移行処理において簡素な処理で実現することができる。
図32に示す当選役データには、左側の当選役情報の他に小役グループの情報とレア役グループの情報も含まれている。
小役グループの情報には、押し順役のうちの、全ての押し順ベル役と1枚役7と1枚役8からなる押し順役グループが含まれている。この押し順役グループに含まれない小役は、小役ごとに連続番号(自然数)が付されている。
すなわち、小役と1対1で対応した「01」~「21」の小役番号が付されている。このため、小役番号で小役を識別することができる。一方、押し順役グループでは、そのグループ全体にグループ番号(「00」)が付され、各ベル役や1枚役ごとには番号が付されていない。
このため、グループ番号で押し順役といった種類は識別することができるが、小役(押し順ベル_CLR、押し順ベル_CRL、押し順ベル_RLC、押し順ベル_RCL、1枚役7、1枚役8)を区別することができず、停止操作態様(押し順)は識別することができない。すなわち、グループ番号では、押し順役であるか否かはわかるが、いずれが正確の操作(遊技者にとって最も有利になる場合がある操作態様)であるかまではわからない。また、押し順役であることは特定できても、いずれの種類の押し順役であるか(ベル_CLR1であるか、ベル_CRL1であるか等)は特定できない情報とも言える。
AT状態では、主制御部300は、第1副制御部400に内部当選コマンドを送信する場合に、当選役情報(当選役番号)を含めて送信し、第1副制御部400のCPU404は、その当選役情報(当選役番号)を用いてAT演出等の演出に関する抽選を行う。また、主制御部300は、当選役情報(当選役番号)の代わりに、あるいは一緒に、押し順が分かる情報を第1副制御部400のCPU404に送信するようにしてもよい。
一方、通常状態(非AT状態)では、第1副制御部400のCPU404は、AT演出を行う必要がなく、当選役番号の「00」~「34」の35個を参照するよりも、「00」~「21」の22個を参照する方が、処理が速くなり、プログラム容量も小さくて済む。
このため、主制御部300は、第1副制御部400に、内部当選コマンドを送信する場合に、通常状態(非AT状態)では、当選役情報(当選役番号)は含めず、小役グループの情報を含めて送信し、第1副制御部400のCPU404は、小役グループの情報を用いて演出抽選等(例えば、示唆演出の実行可否抽選や、期待度の報知演出等)の処理を行う。
また、第1副制御部400のCPU404は、小役グループの情報から新たな情報(小役グループの情報をさらにグループ化しているが、押し順役・リプレイ・共通ベル・チェリー・スイカ・チャンス目を識別する情報)を生成し、該新たな情報で演出抽選や演出処理を行ってもよく、このような仕様であっても、小役グループの情報を用いていると言える。
レア役グループは、小役グループをさらにグループ化したものであり、その情報は、弱レア役のグループ、強レア役のグループ、レア役ではないグループ(その他のグループ)に分けられた情報である。弱レア役のグループには、そのグループ全体に固有のグループ番号(「01」)が付され、レア役(スイカ、弱チェリー)ごとには番号が付されていない。強レア役のグループには、そのグループ全体に固有のグループ番号(「02」)が付され、レア役(強チェリー、チャンス目)ごとには番号が付されていない。その他のグループには、そのグループ全体に固有のグループ番号(「03」)が付され、役ごとには番号が付されていない。
したがって、グループ番号によって、レア役であるかレア役でないかの区別がすることができ、さらに、弱レア役や強レア役といったレア役の種類も識別することができる。しかしながら、グループ番号では、小役までは識別することはできず、どの図柄を目押しすればよいかまではわからない。主制御部300のCPU304は、役抽選結果に応じてAT抽選や後述する高確率状態への移行抽選を行う場合に、「リプレイ?→ベル?→弱チェリー?→強チェリー→スイカ?→チャンス目?」のような抽選処理を行うよりも、「その他?→弱レア役?→強レア役?」の抽選処理を行う方が処理が軽くなるため、レア役グループを用いて抽選処理を行う場合もある。
このように、或る遊技状態においては小役グループを参照して特典に関する処理を行い、他の遊技状態においてはレア役グループを参照して特典に関する処理を行うようにしてもよく、遊技状態に応じた処理を行うことでプログラムの処理負荷が軽減された遊技台を提供することができる。
また、第1副制御部400のCPU404における抽選処理においても同様であり、主制御部300は、内部当選コマンドにレア役グループの情報を含めて第1副制御部400に内部当選コマンドを送信する場合もある。
主制御部300は、AT状態へ移行させるかを決定するAT抽選、高確率状態への移行抽選、CZへ移行させるかを決定するCZ抽選を、当選役情報を用いて行ってもよいが、小役グループを用いて行ってもよいし、レア役グループを用いてもよいし、抽選対象に応じて小役グループを用いたり、レア役グループを用いたりしてもよい。
例えば、AT抽選が、強チェリーに当選した場合のみ当り(AT状態へ移行)であれば、主制御部300のCPU304は小役グループを用いて抽選処理を行うことができ、強チェリーあるいはチャンス目に当選した場合のみ当り(AT状態へ移行)であれば、主制御部300のCPU304はレア役グループを用いて抽選処理を行うことができる。
また他の例として、通常遊技におけるAT抽選では各小役グループに対してAT抽選確率が定められているようにして、どの当選役であっても期待感を得られるようにする(いわゆる、引き損の防止)場合には小役グループを参照して抽選を行う一方で、CZではレア役に当選すればAT状態への移行に大きく期待ができるように、例えば弱レア役当選時は50%、強レア役当選時は100%、その他では1%でAT抽選するようにメリハリのあるCZとする場合にはレア役グループを参照して抽選を行うようにすることができる。
なお、以上説明した、当選役番号、小役番号およびグループ番号は、プログラム上では2進数や16進数で表されている(以下の説明においても同様)。
<有利区間移行処理>
図33(a)は、主制御部300のCPU304が実行する有利区間移行処理のフローチャートであり、同図(b)は、同図(c)に示す有利区間移行処理のプログラムに対応するフローチャートであり、同図(c)は、有利区間移行処理のプログラムの一例である。
この有利区間移行処理は、図27に示す入賞役内部抽選処理(ステップS105)の中で、当選役が決定された後に実行される。
まず、CPU304は、ステップS253において、当該遊技における当選役に対応付けられた、図32に示す「00」~「34」のいずれかの当選役番号(当選役情報)をレジスタ(例えば、Aレジスタ)にセットするロード命令(例えば、LDQ A,(Low vdTousen(当選役情報)))を実行する。
続くステップS254では、レジスタに設定した当選役番号と、リプレイ1に対応付けられた当選役番号を比較する比較命令(例えば、CP Replay1)を実行し、当選役番号が、リプレイ1に対応付けられた当選役番号である「04」以上であるか否かを判定する(ステップS251)。
続くステップS255では、比較命令の実行直後のキャリーフラグの成否に応じて有利区間への移行判定処理を行い、キャリーフラグ=1(当選役情報が4未満)であれば、有利区間へ移行せずに、サブルーチンを呼び出す呼び出し命令(例えば、CALLF SetModeNomal)を実行し、通常モードを設定する。
本例によれば、当選役情報のように符号を持たない数値の場合、キャリーフラグの成否に応じた処理をするだけで済むので比較命令を用いることで簡素な命令を用いつつ処理負荷を軽減することができる。
当選役に対応付けられた当選役番号が「04」以上であれば、遊技状態を有利区間に設定する(ステップS252)。ここで、AT抽選の当選確率が相対的に高い高確率状態と、相対的に低い低確率状態とがあり、有利区間中に、低確率状態から高確率状態に移行したり、高確率状態から低確率状態に移行したりする。
また、天井ゲーム数が、第1のゲーム数(例えば、1000ゲーム)に設定される場合と、第2のゲーム数(例えば、500ゲーム)に設定される場合とがある。高確率状態の移行タイミングと天井ゲーム数を組み合わせた複数種類の有利区間が用意されており、ステップS252で設定する有利区間は、これら複数種類の有利区間の中から抽選で選択された有利区間になる。
一方、当選役に対応付けられた当選役番号が「04」未満であれば、有利区間移行処理は終了になり、非有利区間が継続される。
以上説明したように、主制御部300のCPU304は、当選役が、「04」~「34」の範囲に属する当選役か、すなわち、当選役に対応した当選役番号が4以上であるかの判定を行うだけですむ。これは、プログラム命令的には、非有利区間継続の場合に、所定のレジスタ(例えば、Aレジスタ)に当選役番号を設定し、所定のレジスタの内容とリプレイ1の内容(「04」)とを比較し、当選役番号が4未満で終了という簡単なプログラムですみ、当選役ごとに有利区間移行役か否かを判定するよりも、プログラムの容量を減らすことができる。また、有利区間移行役でない役を確実に排除することができる。
なお、有利区間移行処理のプログラムは、図33(c)に示すプログラムに限定されるものではない。図33(d)は、有利区間移行処理のプログラムの他の一例である。
図33(d)に示すRCPQ命令(RCPQ C,(Low vbTousen),Replay1)は、図33(c)を用いて説明したLDQ命令、CP命令、RET命令を一つにした命令であり、図33(b)のステップS253~S255の処理を、一つの命令で行うことができる。
本例によれば、プログラムの実行時間を短縮することができ、遊技を円滑に進行させることができる上に、プログラムコードを簡素化し、プログラム容量を減らすことができ、限られたROM容量を有効に活用することができる。
<指示モニタ設定処理>
図34(a)は、主制御部300のCPU304が実行する指示モニタ設定処理のフローチャートであり、同図(b)は、同図(c)に示す指示モニタ設定処理のプログラムに対応するフローチャートであり、同図(c)は、指示モニタ設定処理のプログラムの一例である。
この指示モニタ設定処理は、図27に示す入賞役内部抽選処理(ステップS105)の中で、当選役が決定された後に実行される。
指示モニタを備えた遊技台では、指示モニタに関する処理においてさらなる工夫が求められており、まず、CPU304は、当選役が、図32に示す小役グループの押し順役のグループに属する役か否かを判定する(ステップS261)。プログラム命令的には、当選役が対応する小役グループの番号(「01」~「21」の小役番号か「00」のグループ番号)が、押し順役のグループに対応付けたグループ番号「00」であるか否かを判定する判定命令(例えば、RTQ NZ,(Low vdGroupTousen))を実行して判定を行う(ステップS271)。
CPU304は、当選役番号では、「00」~「34」といった35個の番号を参照しなければならないが、小役グループでは、22個の番号を参照するだけですみ処理速度が速くなる。また、プログラムの容量も小さくなる。
当選役が押し順役のグループに属していなければ、この指示モニタ設定処理は終了する。一方、当選役が押し順役のグループ(小役グループの「00」)に属していれば、ステップS272において、現在の遊技状態が、AT状態であるか否かを判定する判定命令(例えば、RCPQ C,(Low,Mode),ModeAT)を実行し、現在の遊技状態が、AT状態であるか否かを判定する(ステップS262)。
スロットマシン100の各種遊技状態のうち、通常ステージには「01(ModeNomal)」、CZには「02(ModeCZ)」、引き戻しゾーンには「03」、ボーナス状態には「04(ModeBonus)」、AT通常状態には「05(ModeAT)」、上乗せゾーンには「06」、エンディング状態には「07(ModeED)」といった遊技状態番号が付与されている。
CPU304のレジスタ(例えば、Cレジスタ)には、現在の遊技状態を表す遊技状態番号がセットされている。ステップS262(ステップS272)では、そのレジスタにセットされている遊技状態番号が「05(ModeAT)」以上であるか否かを判定し、「05(ModeAT)」未満であれば、この指示モニタ設定処理は終了し、「05(ModeAT)」以上であれば、ステップS263において指示情報値を算出する。すなわち、現在の遊技状態がAT状態であればステップS263に進む。
ステップS263では、ステップS261で用いた小役グループの情報ではなく、当選役情報(当選役番号)を用いて処理を行う。具体的には、ステップS273では、当選役情報をレジスタ(本例では、Aレジスタ)にセットするロード命令(例えば、LDQ A,(Low vdTousen(当選役情報)))を実行し、ステップS274では、レジスタ(Aレジスタ)にセットされた当選役情報を3で除算する命令(例えば、DIV E,A,3)を実行し、除算した結果の商の値を指示情報値として決定する。
例えば、ベル_CLR2に当選していた場合は、当選役番号「22」を3で除算し、商の値が「7」であるため、この「7」を指示情報値として決定する。ここで用いる"3"は、同じ押し順の役で用意してある役の数に相当する。すなわち、出目を多彩にするために同じ押し順の役でも3つ用意したことにより当選役番号も3つあり、これら3つの当選役番号につき共通な処理にするために3で除算し、余りは考慮せず、商の値を指示情報値として決定する。こうすることで、簡素な処理になっている。
このように、算出結果であるレジスタの値を指示情報値とすることで、押し順に対応した指示情報を示す値をデータテーブルとして備えることがないのでメモリ容量の節約に寄与でき、また、該データテーブルを呼び出したり、参照したりすることもないので処理容量の節約にも寄与する。
続くステップS275では、レジスタ(Aレジスタ)の値を指示モニタ情報に設定するロード命令(例えば、LDQ (Low,vdNavi)を実行し、算出された指示情報値に基づいて指示モニタ情報を設定し(ステップS264)、この指示モニタ設定処理は終了する。指示モニタとして機能する遊技情報表示部126には、設定された指示モニタ情報が表示される。
なお、CPU304は、AT抽選や、AT抽選の当選確率が相対的に高い高確率状態の抽選等にも、上述した処理速度の速さとプログラム容量の小ささから、小役グループの情報やレア役グループの情報を用いて処理する。
<指示モニタ設定処理/変形例1>
図35(a)は、変形例1に係る指示モニタ設定処理のフローチャートであり、同図(b)は、変形例1に係る指示モニタ設定処理のプログラムの一例である。
変形例1に係る指示モニタ設定処理は、図34(b)を用いて説明した指示モニタ設定処理のステップS273とステップS274の間に、ステップS276を追加し、ステップS274とステップS275の間に、ステップS277を加えた処理である。以下、ステップS276以降の処理について説明する。
ステップS276では、当選役情報がセットされたレジスタ(Aレジスタ)の値から、ベル_CLR1の当選役番号(本例では、21)を減算する減算命令(例えば、SUB bell CLR1)を実行し、押し順に対応する当選役番号21~32を、0~11に変換し、1枚役に対応する当選役番号33~34を、12~13に変換する。
続くステップS274では、レジスタ(Aレジスタ)にセットされた当選役情報を3で除算する命令(例えば、DIV E,A,3)を実行し、変換後の押し順の当選役番号0~11を、0~3に変換し、変換後の1枚役の当選役番号12~13を、4に変換する。
続くステップS277では、レジスタ(Aレジスタ)の値に1を加算して加算結果が4を超える場合にはレジスタ(Aレジスタ)に0を設定する命令(例えば、ICPLD A,4)を実行し、ステップS275では、レジスタ(Aレジスタ)の値を指示モニタ情報に設定するロード命令(例えば、LDQ (Low,vdNavi)を実行し、算出された指示情報値に基づいて指示モニタ情報を設定する。
これにより、当選役が押し順の場合には、指示モニタに1~4のいずれかが表示され、当選役が1枚役の場合には、指示モニタに0が表示されるため、指示モニタにナビが発生した時点で7揃いやベル確定とならないように、フェイクの1枚役ナビを作ることができる。例えば、ベルを引くことが重要なゲーム性の場合に、指示モニタが作動しないと遊技性が低下してしまうおそれがあるが、フェイク用の1枚役ナビを加えることで、「ナビ発生=ベル」とは限らないので、ナビ発生時に遊技者に期待感を与えることができる。
<当選役データ(別例)>
図36は、図32に示す当選役データの別例を示す図である。以下、図32に示す当選役データとの相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する場合がある。
図36(a)には、当選役データの別例1が示されている。この別例1でも、当選役情報は、図32に示す当選役データの当選役情報と同じである。すなわち、図32に示す当選役情報と同じ35個の当選役(小役)が同じ順番で並んでおり、当選役と1対1で対応した「00」~「34」といった自然数の連続番号(当選役番号)が付されている。
この別例1における35個の当選役(小役)のうちの、共通ベルと押し順役の操作内容ごとの表示態様と払出枚数の関係は、図31(b)に示す関係と同じである。
別例1では、リプレイ2に対応付けられた「05」以上の役に内部当選すると有利区間に移行する。「05」以上の当選役番号、すなわち「05」~「34」の範囲に属する当選役番号が有利区間番号である。一方、「05」未満の当選役番号、すなわち「01」~「04」の範囲に属する当選役番号が非有利区間番号になる。
別例1における小役グループの情報は、図32に示す当選役データにおける小役グループの情報の押し順役グループと同じ押し順役グループの他、別の押し順役であるリプレイ群のグループも設けられている。押し順役グループにもリプレイ群のグループにも含まれない小役は、小役と1対1で対応した「01」~「04」と、「06」~「16」の小役番号が付されている。このため、小役番号で小役を識別することができる。
一方、リプレイ群のグループでは、そのグループ全体に固有のグループ番号(「05」)が付され、リプレイ役ごとには番号が付されていない。このため、グループ番号でリプレイ役といった役の種類は識別することができるが、各リプレイ役を区別することができず、停止操作態様(押し順)は識別することができない。
別例1では、有利区間に移行させないリプレイ1もリプレイ群(「05」)にグループ化されているため、図33に示す有利区間移行処理では、小役グループではなく当選役情報を参照した方が都合がよい。
なお、別例1の当選役データにも、図示省略したが、図32に示す当選役データにおけるレア役グループと同じレア役グループが含まれている。
図36(b)には、当選役データの別例2が示されている。この別例2でも、当選役情報は、図32に示す当選役データの当選役情報と同じである。すなわち、図32に示す当選役情報と同じ35個の当選役(小役)が同じ順番で並んでおり、当選役と1対1で対応した「00」~「34」といった自然数の連続番号(当選役番号)が付されている。
この別例2における35個の当選役(小役)のうちの、共通ベルと押し順役の操作内容ごとの表示態様と払出枚数の関係は、図31(b)に示す関係と同じである。
別例2では、押し順ベル_CLR1に対応付けられた「21」以上の役に内部当選すると有利区間に移行する。「21」以上の当選役番号、すなわち「21」~「34」の範囲に属する当選役番号が有利区間番号である。一方、「21」未満の当選役番号、すなわち「01」~「20」の範囲に属する当選役番号が非有利区間番号になる。
別例2における小役グループの情報には、押し順役のうちの、全ての押し順ベル役と1枚役6と1枚役7と1枚役8からなる押し順役グループが含まれている。この押し順役グループに含まれない小役は、小役ごとに連続番号(自然数)が付されている。すなわち、小役と1対1で対応した「01」~「20」の小役番号が付されている。このため、小役番号で小役を識別することができる。
一方、押し順役グループでは、そのグループ全体にグループ番号(「00」)が付され、各ベル役や1枚役ごとには番号が付されていない。このため、グループ番号で押し順役といった種類は識別することができるが、小役(押し順ベル_CLR、押し順ベル_CRL、押し順ベル_RLC、押し順ベル_RCL、1枚役6、1枚役7、1枚役8)を区別することができず、停止操作態様(押し順)は識別することができない。すなわち、グループ番号では、いずれが正確の操作(遊技者にとって最も有利になる場合がある操作態様)であるかはわからない。
別例2でも、有利区間に移行させない1枚役6も押し順役フループ(「00」)にグループ化されているため、図33に示す有利区間移行処理では、小役グループではなく当選役情報を参照した方が都合がよい。
なお、別例2の当選役データにも、図示省略したが、図32(a)に示す当選役データにおけるレア役グループと同じレア役グループが含まれている。
<指示モニタ設定処理/変形例2>
次に、左第1停止以外の押し順ベルの数が、左第1停止の押し順ベルよりも多い場合の例について説明する。
図37(a)は、図32に示す当選役データの別例を示す図であり、同図(b)は、図38(a)に示す指示モニタ設定処理におけるレジスタ値の変化を示した図である。また、図38(a)は、変形例2に係る指示モニタ設定処理のフローチャートであり、同図(b)は、変形例2に係る指示モニタ設定処理のプログラムの一例である。
図38(a)に示す変形例2に係る指示モニタ設定処理は、図35(a)を用いて説明した指示モニタ設定処理のステップS276~S277の処理に代えて、ステップS276,S280~S284の処理を適用した処理である。以下、ステップS276以降の処理について説明する。
ステップS276では、当選役情報がセットされたレジスタ(Aレジスタ)の値から、図37(a)に示すベル_LCR1の当選役番号(本例では、12)を減算する減算命令(例えば、SUB A,12)を実行し、図37(a)に示す、押し順に対応する当選役番号12~41を、図37(b)(1)に示す数値0~29に変換する。
続くステップS274では、レジスタ(Aレジスタ)にセットされた当選役情報を3で除算する命令(例えば、DIV E,A,3)を実行し、図37(b)(1)に示す数値0~29を、同図(b)(2)に示す数値0~9に変換する。そして、次のステップS280では、レジスタ(Eレジスタ)の値に1を設定するロード(LD)命令(例えば、LD E,1)を実行した後、次のステップS281へ進む。
続くステップS281では、ステップS274の除算結果(商)が2以上であるか否かを判定し、除算結果に応じて予め定めたモジュール(サブルーチン)にジャンプするジャンプ(JCP)命令(例えば、JCP C,A,2,***(後述する「ADD A,E」のモジュール名))を実行し、商が2以上の場合にはステップS282に進み、商が2未満の場合にはステップS284に進む。
ステップS274の除算結果(商)が2未満の場合に進むステップS284では、レジスタ(Aレジスタ)の値に、レジスタ(Eレジスタ)に格納された数値である1を加算する加算(ADD)命令(例えば、ADD A,E)を実行し、図37(b)(2)に示す数値0~1を、同図(b)(5)に示す数値1~2に変換した後に、ステップS275に進む。
一方、ステップS274の除算結果(商)が2以上の場合に進むステップS282では、レジスタ(Eレジスタ)に1を加算する加算(INC)命令(例えば、INC E)を実行し、続くS283では、レジスタ(Aレジスタ)の値を2で除する除算(右ビットシフト)命令(例えば、RRA命令)を実行し、図37(b)(2)に示す数値2~9を、同図(b)(4)に示す数値1~4に変換する。
続くステップS284では、レジスタ(Aレジスタ)の値に、レジスタ(Eレジスタ)に格納された数値である2を加算する加算(ADD)命令(例えば、ADD A,E)を実行し、図37(b)(4)に示す数値1~4を、同図(b)(5)に示す数値3~6に変換した後に、ステップS275に進む。
なお、ステップS284の処理は、処理の実行時におけるEレジスタの値をAレジスタに加算する処理として共通して「ADD A,E」を行っている。ステップS281の処理の後のステップS284の処理の実行時点では、Eレジスタの値は1であるためAレジスタにはEレジスタの値である1が加算される。一方で、ステップS283の処理の後のステップS284の処理の実行時点では、ステップS282にてさらにEレジスタに1が加算されているのでEレジスタの値は2となっており、AレジスタにはEレジスタの値である2が加算される。
ステップS275では、レジスタ(Aレジスタ)の値を指示モニタ情報に設定する命令(例えば、LDQ命令)を実行し、算出された指示情報値に基づいて指示モニタ情報を設定する。
これにより、当選役が押し順ベルの場合には、指示モニタに1~6のいずれかが表示される。本例では、左第1停止以外の押し順ベルの数(本例では、中第1停止と右第1停止がそれぞれ12種類)が、左第1停止の押し順ベルの数(本例では、6種類)よりも多く、押し順ベルの数が均等ではないが、押し順毎にまとめてベルを配置することで、商を参照した指示情報の設定が可能となり、余りを参照した指示情報の設定よりも制御を簡便にすることができる。
また、余りを参照した場合、均等ではない押し順ベルを作ると余りだけでは指示情報を特定できず、結果として商も参照することになり、参照すべきレジスタが増えてしまいメモリ容量を圧迫してしまう恐れがあるが、本例では、商のみを参照することで参照すべきレジスタを1つにできるため、余りを参照する方法よりもメモリ容量を圧迫しないようにすることができ、限られたメモリ容量を有効活用することができる。
なお、本例では、左第1停止以外の押し順ベルの数が、左第1停止の押し順ベルよりも多い場合について説明したが、中第1停止以外の押し順ベルの数が、中第1停止の押し順ベルよりも多い場合や、右第1停止以外の押し順ベルの数が、右第1停止の押し順ベルよりも多い場合にも適用可能である。
なお、本発明に係る遊技台は、封入式遊技機に適用することもできる。ここで、「封入式遊技機」は、遊技機内に封入された遊技球を循環使用するものである。また、主制御部、第1副制御部、および第2副制御部をワンチップで構成してもよいし、主制御部と第1副制御部で双方向の通信が可能に構成してもよい。また、主制御部と第1副制御部で双方向の通信を可能とする一方で、第1副制御部から第2副制御部への通信は一方向の通信としてもよい。
また、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。また、実施例に記載した複数の構成のうち、1つの構成に記載している内容を、他の構成に適用することでより遊技の幅を広げられる場合がある。