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JP7378064B2 - 電動工具システム、電動工具システムの使用方法及びプログラム - Google Patents

電動工具システム、電動工具システムの使用方法及びプログラム Download PDF

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Description

本開示は一般に及び電動工具システムに関し、より詳細には、ベクトル制御されるモータを備える電動工具システム、この電動工具システムの使用方法、及び、この使用方法を実行するためのプログラムに関する。
特許文献1に記載のインパクト回転工具(電動工具システム)は、モータと、インパクト機構と、出力軸と、制御部と、トリガスイッチと、モータ駆動部と、を備える。インパクト機構は、ハンマを有し、モータ出力によって出力軸に打撃衝撃を加える。これにより、インパクト回転工具は、ねじの締め付けを行う。制御部は、トリガスイッチの操作量に応じた駆動指示をモータ駆動部に供給する。モータ駆動部は、制御部から供給される駆動指示によりモータの印加電圧を調整して、モータ回転数を調整する。
特開2017-132021号公報
本開示は、モータの制御の精度を高めることができる電動工具システム、電動工具システムの使用方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る電動工具システムは、モータと、制御部と、出力軸と、伝達機構と、を備える。前記モータは、固定子及び回転子を有する。前記回転子は、前記固定子に対して回転する。前記制御部は、前記モータをベクトル制御する。前記出力軸は、先端工具と連結される。前記伝達機構は、前記モータの動力を前記出力軸に伝達する。前記制御部は、第1取得部と、第2取得部と、指令値生成部と、を有する。前記第1取得部は、前記モータに流れるトルク電流に関連する値を取得する。前記第2取得部は、前記回転子の加速度に関連する値を取得する。前記指令値生成部は、前記第1取得部で取得された前記トルク電流に関連する値であるトルク電流取得値と、前記第2取得部で取得された前記加速度に関連する値である加速度取得値と、に基づいて、前記モータに供給する前記トルク電流の指令値及び励磁電流の指令値のうち少なくとも一方を算出する。前記指令値生成部は、前記トルク電流取得値を前記加速度取得値に基づいて補正する補正部と、前記補正部による補正が反映された状態で、前記トルク電流取得値に基づいて、前記モータに供給する前記トルク電流の前記指令値及び前記励磁電流の前記指令値のうち少なくとも一方を算出する算出部と、を有する。
本開示の別の一態様に係る電動工具システムは、モータと、制御部と、出力軸と、伝達機構と、を備える。前記モータは、固定子及び回転子を有する。前記回転子は、前記固定子に対して回転する。前記制御部は、前記モータをベクトル制御する。前記出力軸は、先端工具と連結される。前記伝達機構は、前記モータの動力を前記出力軸に伝達する。前記制御部は、第1取得部と、第2取得部と、指令値生成部と、を有する。前記第1取得部は、前記モータに流れるトルク電流に関連する値を取得する。前記第2取得部は、前記回転子の加速度に関連する値を取得する。前記指令値生成部は、前記第1取得部で取得された前記トルク電流に関連する値であるトルク電流取得値と、前記第2取得部で取得された前記加速度に関連する値である加速度取得値と、に基づいて、前記モータに供給する前記トルク電流の指令値及び励磁電流の指令値のうち少なくとも一方を算出する。前記指令値生成部は、前記トルク電流取得値と所定のトルク電流閾値とのうち少なくとも一方を前記加速度取得値に基づいて補正する補正部を有する。前記補正部による補正が反映された状態で、前記制御部は、前記トルク電流取得値が前記トルク電流閾値を超えると、前記回転子を停止させる。
本開示の一態様に係る電動工具システムの使用方法は、モータと、制御部と、出力軸と、伝達機構と、を備える前記電動工具システムの使用方法である。前記モータは、固定子及び回転子を有する。前記回転子は、前記固定子に対して回転する。前記制御部は、前記モータをベクトル制御する。前記出力軸は、先端工具と連結される。前記伝達機構は、前記モータの動力を前記出力軸に伝達する。前記電動工具システムの使用方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、指令値生成ステップと、を有する。前記第1取得ステップでは、前記モータに流れるトルク電流に関連する値を取得する。前記第2取得ステップでは、前記回転子の加速度に関連する値を取得する。前記指令値生成ステップでは、前記第1取得ステップで取得された前記トルク電流に関連する値であるトルク電流取得値と、前記第2取得ステップで取得された前記加速度に関連する値である加速度取得値と、に基づいて、前記モータに供給する前記トルク電流の指令値及び励磁電流の指令値のうち少なくとも一方を算出する。前記指令値生成ステップは、前記トルク電流取得値を前記加速度取得値に基づいて補正する補正ステップと、前記補正ステップによる補正が反映された状態で、前記トルク電流取得値に基づいて、前記モータに供給する前記トルク電流の前記指令値及び前記励磁電流の前記指令値のうち少なくとも一方を算出する算出ステップと、を含む。
本開示の別の一態様に係る電動工具システムの使用方法は、モータと、制御部と、出力軸と、伝達機構と、を備える前記電動工具システムの使用方法である。前記モータは、固定子及び回転子を有する。前記回転子は、前記固定子に対して回転する。前記制御部は、前記モータをベクトル制御する。前記出力軸は、先端工具と連結される。前記伝達機構は、前記モータの動力を前記出力軸に伝達する。前記電動工具システムの使用方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、指令値生成ステップと、を有する。前記第1取得ステップでは、前記モータに流れるトルク電流に関連する値を取得する。前記第2取得ステップでは、前記回転子の加速度に関連する値を取得する。前記指令値生成ステップでは、前記第1取得ステップで取得された前記トルク電流に関連する値であるトルク電流取得値と、前記第2取得ステップで取得された前記加速度に関連する値である加速度取得値と、に基づいて、前記モータに供給する前記トルク電流の指令値及び励磁電流の指令値のうち少なくとも一方を算出する。前記指令値生成ステップは、前記トルク電流取得値と所定のトルク電流閾値とのうち少なくとも一方を前記加速度取得値に基づいて補正する補正ステップを含む。前記使用方法は、前記補正ステップによる補正が反映された状態で、前記トルク電流取得値が前記トルク電流閾値を超えると、前記回転子を停止させる停止ステップを更に有する。
本開示の一態様に係るプログラムは、上記のいずれかの態様に係る電動工具システムの使用方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
本開示は、モータの制御の精度を高めることができるという利点がある。
図1は、一実施形態に係る電動工具システムのブロック図である。 図2は、同上の電動工具システムの概略図である。 図3は、同上の電動工具システムの実験データを表すグラフである。 図4は、同上の電動工具システムの動作例を示すグラフである。 図5は、同上の電動工具システムの使用方法を示すフローチャートである。
以下、実施形態に係る電動工具システム1について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(1)概要
図1、図2に示すように、電動工具システム1は、モータ15と、制御部4と、出力軸21と、伝達機構18と、を備える。モータ15は、固定子14及び回転子13を有する。回転子13は、固定子14に対して回転する。制御部4は、モータ15をベクトル制御する。出力軸21は、先端工具28と連結される。伝達機構18は、モータ15の動力を出力軸21に伝達する。制御部4は、第1取得部60と、第2取得部47と、指令値生成部40と、を有する。第1取得部60は、モータ15に流れるトルク電流に関連する値を取得する。第2取得部47は、回転子13の加速度に関連する値を取得する。指令値生成部40は、第1取得部60で取得されたトルク電流に関連する値であるトルク電流取得値(電流測定値iq1)と、第2取得部47で取得された加速度に関連する値である加速度取得値α1と、に基づいて、モータ15に供給するトルク電流の指令値ciq1及び励磁電流の指令値cid1のうち少なくとも一方を算出する。
上記の電動工具システム1によれば、加速度取得値α1を用いずにトルク電流の指令値ciq1及び励磁電流の指令値cid1のうち少なくとも一方を算出する場合と比較して、モータ15の制御の精度を高めることができる。
モータ15は、ブラシレスモータである。特に、本実施形態のモータ15は、同期電動機であり、より詳細には、永久磁石同期電動機(PMSM(Permanent Magnet Synchronous Motor))である。モータ15は、永久磁石131を含む回転子13と、コイル141を含む固定子14と、を有している。回転子13は、回転動力を出力する回転軸16を有している。コイル141と永久磁石131との電磁的相互作用により、回転子13は、固定子14に対して回転する。
ベクトル制御は、モータ15のコイル141に供給される電流を、磁束を発生する電流成分(励磁電流)とトルク(回転力)を発生する電流成分(トルク電流)とに分解し、それぞれの電流成分を独立に制御するモータ制御方式の一種である。
電流測定値iq1は、ベクトル制御と、指令値ciq1、cid1の少なくとも一方の算出と、に用いられる。そのため、ベクトル制御のための回路の一部と指令値ciq1、cid1の少なくとも一方の算出のための回路の一部とを共有することができる。これにより、電動工具システム1に備えられる回路の面積及び寸法の低減、並びに、回路に要するコストの低減を図ることができる。
また、本実施形態の電動工具システム1において、制御部4は、第1取得部60と、第2取得部47と、補正部41と、を有する。補正部41は、第1取得部60で取得されたトルク電流に関連する値であるトルク電流取得値(電流測定値iq1)を、第2取得部47で取得された加速度に関連する値である加速度取得値α1に基づいて補正する。
上記の電動工具システム1によれば、補正部41が電流測定値iq1を補正しない場合と比較して、モータ15の制御の精度を高めることができる。
(2)電動工具システム
本実施形態の電動工具システム1は、出力軸21に打撃力を加えるためのインパクト機構17(図2参照)を有したインパクト工具である。電動工具システム1は、例えば、インパクトドライバ、ハンマドリル、インパクトドリル、インパクトドリルドライバ又はインパクトレンチとして用いられる。本実施形態では、代表例として、電動工具システム1がねじをねじ締めするためのインパクトドライバとして用いられる場合について説明する。ただし、電動工具システム1は、インパクト工具に限定されない。すなわち、電動工具システム1において、インパクト機構17は必須の構成ではない。また、電動工具システム1は、電動の鋸、かんな、ニブラ、ホールソー又はグラインダ等として用いられてもよい。
図2に示すように、電動工具システム1は、電源部32と、モータ15と、モータ回転測定部27と、伝達機構18と、出力軸21と、ソケット23と、先端工具28と、を備えている。また、電動工具システム1は、トリガスイッチ29と、制御部4と、を備えている。
出力軸21は、モータ15から伝達機構18を介して伝達された駆動力により回転する部分である。ソケット23は、出力軸21に固定されている。ソケット23には、先端工具28が着脱自在に取り付けられる。先端工具28は、出力軸21と一緒に回転する。電動工具システム1は、モータ15の駆動力で出力軸21を回転させることで、先端工具28を回転させる。すなわち、電動工具システム1は、先端工具28をモータ15の駆動力で駆動する工具である。先端工具28(ビットとも言う)は、例えば、ドライバビット又はドリルビット等である。各種の先端工具28のうち用途に応じた先端工具28が、ソケット23に取り付けられて用いられる。なお、出力軸21に直接に先端工具28が装着されてもよい。
なお、本実施形態の電動工具システム1はソケット23を備えることで、先端工具28を用途に応じて交換可能であるが、先端工具28が交換可能であることは必須ではない。例えば、電動工具システム1は、特定の先端工具28のみ用いることができる電動工具システムであってもよい。
本実施形態の先端工具28は、締付部材30(ねじ)を締める又は緩めるためのドライバビットである。より詳細には、先端工具28は、先端部280が+(プラス)形に形成されたプラスドライバビットである。すなわち、出力軸21は、ねじを締める又は緩めるためのドライバビットを保持し、モータ15から動力を得て回転する。以下では、電動工具システム1によりねじを締める場合について説明する。ねじの種類は特に限定されず、例えば、ボルト、ビス又はナットであってよい。
締付部材30は、頭部301と、円筒部302と、ねじ部303と、を有している。円筒部302の第1端に、頭部301がつながっている。円筒部302の第2端に、ねじ部303がつながっている。頭部301には、先端工具28に適合するねじ穴(例えば、+形の穴)が形成されている。ねじ部303には、ねじ山が形成されている。
先端工具28は、締付部材30と嵌合する。すなわち、先端工具28は、締付部材30の頭部301のねじ穴に挿入される。この状態で、先端工具28は、モータ15に駆動されて回転し、締付部材30を回転させる。すなわち、先端工具28は、締付部材30に締め付ける力(又は緩める力)を加える。
電源部32は、モータ15を駆動する電流を供給する。電源部32は、例えば、電池パックである。電源部32は、例えば、1又は複数の2次電池を含む。
伝達機構18は、遊星歯車機構25と、駆動軸22と、インパクト機構17と、を有している。伝達機構18は、モータ15の回転軸16の回転動力を出力軸21に伝達する。より詳細には、伝達機構18は、モータ15の回転軸16の回転動力を調整して、出力軸21の回転として出力する。
モータ15の回転軸16は、遊星歯車機構25に接続されている。駆動軸22は、遊星歯車機構25と、インパクト機構17と、に接続されている。遊星歯車機構25は、モータ15の回転軸16の回転動力を所定の減速比で減速して、駆動軸22の回転として出力する。
インパクト機構17は、出力軸21と連結されている。インパクト機構17は、遊星歯車機構25及び駆動軸22を介して受け取ったモータ15(回転軸16)の回転動力を出力軸21に伝達する。また、インパクト機構17は、出力軸21に打撃力を加える打撃動作を行う。
インパクト機構17は、ハンマ19と、アンビル20と、ばね24と、を備えている。ハンマ19は、駆動軸22にカム機構を介して取り付けられている。アンビル20はハンマ19に接触しており、ハンマ19と一体に回転する。ばね24は、ハンマ19をアンビル20側に押している。アンビル20は、出力軸21と一体に形成されている。なお、アンビル20は、出力軸21とは別体に形成されて出力軸21に固定されていてもよい。
出力軸21に所定の大きさ以上の負荷(トルク)がかかっていない場合には、インパクト機構17は、モータ15の回転動力により出力軸21を連続的に回転させる。すなわち、この場合には、カム機構により連結された駆動軸22とハンマ19とが一体に回転し、さらにハンマ19とアンビル20とが一体に回転するので、アンビル20と一体に形成された出力軸21が回転する。
一方で、出力軸21に所定の大きさ以上の負荷がかかった場合には、インパクト機構17は、打撃動作を行う。インパクト機構17は、打撃動作において、モータ15の回転動力をパルス状のトルクに変換して打撃力を発生する。すなわち、打撃動作では、ハンマ19は、駆動軸22との間のカム機構による規制を受けながら、ばね24に抗して後退する(つまり、アンビル20から離れる)。ハンマ19の後退によりハンマ19とアンビル20との結合が外れた時点で、ハンマ19は回転しながら前進して(つまり、出力軸21側へ移動して)アンビル20に回転方向の打撃力を加え、出力軸21を回転させる。つまり、インパクト機構17は、アンビル20を介して出力軸21に軸(出力軸21)周りの回転打撃を加える。インパクト機構17の打撃動作では、ハンマ19がアンビル20に回転方向の打撃力を加える動作が繰り返される。ハンマ19が前進と後退とを1回ずつ行う間に、打撃力が1回発生する。
トリガスイッチ29は、モータ15の回転を制御するための操作を受け付ける操作部である。トリガスイッチ29を引く操作により、モータ15のオンオフを切替可能である。また、トリガスイッチ29を引く操作の引込み量で、モータ15の回転速度を調整可能である。その結果として、トリガスイッチ29を引く操作の引込み量で、出力軸21の回転速度を調整可能である。上記引込み量が大きいほど、モータ15及び出力軸21の回転速度が速くなる。制御部4は、トリガスイッチ29を引く操作の引込み量に応じて、モータ15及び出力軸21を回転又は停止させ、また、モータ15及び出力軸21の回転速度を制御する。この電動工具システム1では、先端工具28がソケット23を介して出力軸21に連結される。そして、トリガスイッチ29への操作によってモータ15及び出力軸21の回転速度が制御されることで、先端工具28の回転速度が制御される。
モータ回転測定部27は、モータ15の回転角を測定する。モータ回転測定部27としては、例えば、光電式エンコーダ又は磁気式エンコーダを採用することができる。
電動工具システム1は、インバータ回路部51(図1参照)を備えている。インバータ回路部51は、モータ15に電流を供給する。制御部4は、インバータ回路部51と共に用いられ、フィードバック制御によりモータ15の動作を制御する。
(3)制御部
制御部4は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部4の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
図1に示すように、制御部4は、指令値生成部40と、電流制御部43と、第1の座標変換器44と、第2の座標変換器45と、第2取得部47と、を有している。また、電動工具システム1は、複数(図1では2つ)の電流センサ61、62を備えている。
複数の電流センサ61、62はそれぞれ、例えば、ホール素子電流センサ又はシャント抵抗素子を含んでいる。複数の電流センサ61、62は、電源部32(図2参照)からインバータ回路部51を介してモータ15に供給される電流を測定する。ここで、モータ15には、3相電流(U相電流、V相電流及びW相電流)が供給されており、複数の電流センサ61、62は、少なくとも2相の電流を測定する。図1では、電流センサ61がU相電流を測定して電流測定値i1を出力し、電流センサ62がV相電流を測定して電流測定値i1を出力する。
第2取得部47は、モータ回転測定部27で測定されたモータ15(回転子13)の回転角θ1を時間微分して、回転子13の角速度ω1を算出する。さらに、第2取得部47は、回転子13の角速度ω1を時間微分して、回転子13の角加速度(加速度取得値α1)を算出する。すなわち、第2取得部47は、回転子13の回転数に比例する物理量(角速度ω1)に基づいて加速度取得値α1を算出する。
第1取得部60は、2つの電流センサ61、62と、第2の座標変換器45と、を有している。第1取得部60は、モータ15に供給されるd軸電流(励磁電流)及びq軸電流(トルク電流)を取得する。すなわち、2つの電流センサ61、62で測定された2相の電流が第2の座標変換器45で変換されることで、d軸電流の電流測定値id1及びq軸電流の電流測定値iq1が算出される。
第2の座標変換器45は、複数の電流センサ61、62で測定された電流測定値i1、i1を、モータ回転測定部27で測定された回転子13の回転角θ1に基づいて座標変換し、電流測定値id1、iq1を算出する。すなわち、第2の座標変換器45は、3相電流に対応する電流測定値i1、i1を、磁界成分(d軸電流)に対応する電流測定値id1と、トルク成分(q軸電流)に対応する電流測定値iq1とに変換する。
指令値生成部40は、励磁電流の指令値cid1及びトルク電流の指令値ciq1を生成(算出)する。指令値cid1は、モータ15の励磁電流(d軸電流)の大きさを指定する指令値である。すなわち、制御部4は、モータ15のコイル141に供給される励磁電流(d軸電流)を指令値cid1に近づけるようにモータ15の動作を制御する。指令値ciq1は、モータ15のトルク電流(q軸電流)の大きさを指定する指令値である。すなわち、制御部4は、モータ15のコイル141に供給されるトルク電流(q軸電流)を指令値ciq1に近づけるようにモータ15の動作を制御する。
指令値生成部40は、補正部41と、算出部42と、を有している。補正部41は、電流測定値iq1(トルク電流取得値)を加速度取得値α1に基づいて補正する。補正部41は、補正後のトルク電流取得値である補正トルク電流iq2を出力する。補正部41が電流測定値iq1を補正して補正トルク電流iq2を求める処理の内容については、後述する。
算出部42は、指令値ciq1を算出する。算出部42は、例えば、トリガスイッチ29(図2参照)を引く操作の引込み量に応じて、まず、回転子13の角速度の指令値を算出する。すなわち、指令値生成部40は、上記引込み量が大きいほど、回転子13の角速度の指令値を大きくする。さらに、算出部42は、回転子13の角速度の指令値と、第2取得部47で算出された回転子13の角速度ω1と、の差分を小さくするように、指令値ciq1を算出する。
また、算出部42は、回転子13の角速度ω1と、補正トルク電流iq2と、電流制御部43で生成される指令値cvq1(後述する)と、に基づいて、指令値cid1を算出する。
本実施形態では、算出部42で算出される指令値cid1は、励磁電流の大きさを0にするための指令値である。ただし、算出部42は、常時励磁電流の大きさを0にするための指令値cid1を算出してもよいし、必要に応じて、励磁電流の大きさを0よりも大きく又は小さくするための指令値cid1を算出してもよい。励磁電流の指令値cid1が0より小さくなると、モータ15にマイナスの励磁電流(弱め磁束電流)が流れる。
電流制御部43は、算出部42で算出された指令値cid1と第2の座標変換器45で算出された電流測定値id1との差分に基づいて、指令値cvd1を生成する。指令値cvd1は、モータ15のd軸電圧の大きさを指定する指令値である。電流制御部43は、指令値cid1と電流測定値id1との差分を小さくするように指令値cvd1を決定する。
また、電流制御部43は、算出部42で算出された指令値ciq1と補正部41から出力された補正トルク電流iq2との差分に基づいて、指令値cvq1を生成する。指令値cvq1は、モータ15のq軸電圧の大きさを指定する指令値である。電流制御部43は、指令値ciq1と補正トルク電流iq2との差分を小さくするように指令値cvq1を生成する。
第1の座標変換器44は、指令値cvd1、cvq1を、モータ回転測定部27で測定されたモータ15の回転角θ1に基づいて座標変換し、指令値cv1、cv1、cv1を算出する。すなわち、第1の座標変換器44は、磁界成分(d軸電圧)に対応する指令値cvd1と、トルク成分(q軸電圧)に対応する指令値cvq1とを、3相電圧に対応する指令値cv1、cv1、cv1に変換する。指令値cv1はU相電圧に、指令値cv1はV相電圧に、指令値cv1はW相電圧に対応する。
制御部4は、インバータ回路部51をPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより、モータ15に供給される電力を制御する。これにより、インバータ回路部51は、指令値cv1、cv1、cv1に応じた3相電圧をモータ15に供給する。
モータ15は、インバータ回路部51から供給された電力(3相電圧)により駆動され、回転動力を発生させる。
この結果、制御部4は、モータ15のコイル141に流れる励磁電流が、算出部42で算出された指令値cid1に対応した大きさとなるように励磁電流を制御する。また、制御部4は、モータ15のコイル141に流れるトルク電流が、算出部42で算出された指令値ciq1に対応した大きさとなるようにトルク電流を制御する。
(4)補正処理
補正部41は、電流測定値iq1(トルク電流取得値)を加速度取得値α1に基づいて補正する。以下では、補正部41が電流測定値iq1を補正する処理の一例を説明する。
図3の線P1は、単位時間あたりの回転子13の回転数の変化量及び電流測定値iq1の関係の実測データである。なお、線P1は、補正部41が電流測定値iq1を補正する処理を行わない場合の実測データである。電動工具システム1の設計者は、図3の実測データに基づいて、次の[数1]を求める。[数1]は、図3の点線P2に対応する式である。[数1]は、単位時間あたりの回転子13の回転数の変化量と電流測定値iq1との関係を線形近似した式である。
[数1]y=0.944x+2.4565
ここで、yは、補正値である。xは、単位時間(ここでは、1秒)あたりの回転子13の回転数の変化量である。xは、加速度取得値α1(単位は、rad/s)を2πで割った値に等しい。
製造後の電動工具システム1のいずれかの構成、例えば、制御部4を構成するコンピュータシステムのメモリは、[数1]を記憶している。補正部41は、[数1]を用いて、補正値(y)を求める。
補正部41は、[数1]に加えて、[数2]を用いて、電流測定値iq1の補正後の値である補正トルク電流iq2を求める。
[数2]iq2=iq1-y
回転子13の回転数が一定に推移する場合には、電流測定値iq1も略一定に推移する。一方で、回転子13の回転数が変化することで、図3に示すように、単位時間あたりの回転子13の回転数の変化量に応じて電流測定値iq1が変化する。これは、トルク電流が、出力軸21にかかるトルクに応じた電流成分に加えて、回転子13の回転数を変化させるために必要な電流成分を含んでいるためである。
単位時間あたりの回転子13の回転数の変化量に応じて電流測定値iq1が変化することによって、モータ15の制御の精度が低下し得る。補正部41は、このような電流測定値iq1の変化を抑えるように、[数1]、[数2]により電流測定値iq1を補正し、補正後の値である補正トルク電流iq2を出力する。そして、補正部41による補正が反映された状態で、算出部42は、補正トルク電流iq2(補正後のトルク電流取得値)に基づいて、モータ15に供給するトルク電流の指令値ciq1及び励磁電流の指令値cid1のうち少なくとも一方を算出する。これにより、モータ15の制御の精度を高めることができる。
(5)クラッチ制御
制御部4は、モータ15の回転を電気的に制御する電子クラッチとして機能する。制御部4は、電子クラッチとしての機能の1つとして、条件に応じてモータ15を停止させる機能を有している。本実施形態では、補正部41による電流測定値iq1の補正が反映された状態で、制御部4は、補正トルク電流iq2(補正後のトルク電流取得値)がトルク電流閾値Th1(図4参照)を超えると、回転子13を停止させる。これにより、出力軸21に加えられるトルクが過大になる可能性を低減できる。すなわち、電動工具システム1の過負荷等の異常の発生を抑制できる。
ただし、制御部4は、モータ15の始動時点(回転子13の回転開始時点)から所定のマスク期間Tm1が経過するまでの間の補正トルク電流iq2(補正後のトルク電流取得値)を、モータ15の少なくとも一部の制御における無効な情報として処理する。具体的には、制御部4は、モータ15の始動時点からマスク期間Tm1が経過するまでの間に補正トルク電流iq2がトルク電流閾値Th1を超えても、回転子13を停止させない。そのため、マスク期間Tm1において補正トルク電流iq2がトルク電流閾値Th1を超えてモータ15を始動できなくなる可能性を低減できる。図4では、マスク期間Tm1の終了時点は、時点t1である。
図4は、電動工具システム1の正常動作時の動作例を示すグラフである。図4において、cN1は、回転子13の回転数の指令値である。つまり、指令値cN1は、算出部42で算出される回転子13の角速度の指令値を、回転数に換算した値である。なお、時点t21から時点t24までの時間における電流測定値iq1の図示を省略している。この時間では、モータ15の回転数N1の指令値cN1が略一定であり、回転数N1が略一定に推移するので、この時間における電流測定値iq1の大きさは、[数1]、[数2]より、「iq2+2.4565」と略等しい。
図4では、ユーザがトリガスイッチ29を引き込む操作を行うことにより、時点t0にモータ15が動作を開始する。その後、遅くとも時点t1から、時点t2頃まで、回転子13の回転数の指令値cN1が増え続ける。これに伴い、回転子13の回転数も増え続ける。
制御部4は、マスク期間Tm1の終了時点である時点t1以降に、補正トルク電流iq2がトルク電流閾値Th1を超えると、回転子13を停止させる。図4では、時点t1以降に補正トルク電流iq2はトルク電流閾値Th1よりも小さく推移している。そのため、時点t3にユーザがトリガスイッチ29を引き込む操作をやめるまで、制御部4は回転子13を停止させない。時点t3にユーザがトリガスイッチ29を引き込む操作をやめることにより、指令値cN1が0[rpm]まで低下するので、回転子13の回転数が0[rpm]となる。すなわち、回転子13が停止する。
図4では、トルク電流閾値Th1は10[A]である。ここで、仮定として、トルク電流閾値Th1が7[A]である場合を想定すると、時点t23に補正トルク電流iq2がトルク電流閾値Th1を超えることにより、図4に一点鎖線で示すように、制御部4は、指令値cN1を0[rpm]にし、回転子13が停止する。
別の仮定として、補正トルク電流iq2ではなく電流測定値iq1がトルク電流閾値Th1(10[A])を超えるという条件を満たしたときに制御部4が回転子13を停止させる場合を想定する。この場合に、図4では、時点t1から時点t2までの間に上記条件が満たされ、制御部4は回転子13を停止させる。つまり、電動工具システム1が正常動作を行っている場合でも、制御部4が回転子13を誤って停止させる可能性がある。そこで、電動工具システム1の正常動作時に上記条件が満たされることを防ぐために、トルク電流閾値Th1をより大きい値に設定すると、今度は電動工具システム1に過負荷等の異常があるときに上記条件が満たされない可能性がある。
これに対して、本実施形態では、電流測定値iq1に代えて補正トルク電流iq2をトルク電流閾値Th1と比較する。少なくとも時点t1以降において、補正トルク電流iq2は、電流測定値iq1と比較して、回転子13の回転数(指令値cN1)の増加に伴う増加量が小さい。そのため、補正トルク電流iq2がトルク電流閾値Th1を超える可能性が小さい。結果として、電動工具システム1の正常動作時に制御部4が回転子13を誤って停止させる可能性を低減できる。
また、本実施形態では、回転子13の回転数の増加に伴う電流測定値iq1の増加を抑制しなくてよいので、電流測定値iq1の増加を抑制するための対策として、回転子13の回転数をゆっくり増加させる等のことを行わなくてよい。そのため、回転子13の回転数を早期に増加させられ、作業時間の短縮を図ることができる。
(変形例1)
以下、変形例1に係る電動工具システム1について、図4を用いて説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態では、補正部41は、電流測定値iq1(トルク電流取得値)を加速度取得値α1に基づいて補正する。これに対して、本変形例1では、補正部41は、トルク電流閾値Th1を加速度取得値α1に基づいて補正する。
補正部41は、例えば、実施形態で説明した[数1]と、次の[数3]と、を用いてトルク電流閾値Th1を補正する。
[数3]Th2=Th1+y
Th1は、補正前のトルク電流閾値である。Th2は、補正後のトルク電流閾値である。yは、[数1]により求められる補正値である。
補正部41による補正が反映された状態で、制御部4は、電流測定値iq1が補正後のトルク電流閾値Th2を超えると、回転子13を停止させる。ここで、本変形例1において電流測定値iq1から補正後のトルク電流閾値Th2を引いた値は、[数3]より、「iq1-Th1-y」である。実施形態において補正トルク電流iq2からトルク電流閾値Th1を引いた値は、[数2]より、「iq1-Th1-y」である。よって、制御部4が回転子13を停止させる条件は、実施形態と本変形例1とで同じである。
なお、[数1]、[数2]、[数3]を適宜変更することで、補正部41が電流測定値iq1(トルク電流取得値)とトルク電流閾値Th1との両方を補正するようにしてもよい。すなわち、補正部41は、電流測定値iq1(トルク電流取得値)とトルク電流閾値Th1とのうち少なくとも一方を加速度取得値α1に基づいて補正すればよい。
(変形例2)
以下、変形例2に係る電動工具システム1について、図4を用いて説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本変形例2の指令値生成部40(算出部42)は、少なくとも回転子13の回転開始時点から所定の期間が経過するまでの間において、電流測定値iq1(トルク電流取得値)と、加速度取得値α1と、に基づいて、モータ15に供給するトルク電流の指令値ciq1及び励磁電流の指令値cid1のうち少なくとも一方を算出する。ここで、上記所定の期間は、実施形態のマスク期間Tm1と一致するので、以下では、上記所定の期間をマスク期間Tm1と称す。また、指令値生成部40(算出部42)は、マスク期間Tm1の終了(時点t1)以降にも、電流測定値iq1(トルク電流取得値)と、加速度取得値α1と、に基づいて、モータ15に供給するトルク電流の指令値ciq1及び励磁電流の指令値cid1のうち少なくとも一方を算出する。
ここで、電動工具システム1の正常動作時にマスク期間Tm1においてトルク電流取得値がトルク電流閾値Th1を超える可能性を低減させるために、補正部41は、例えば、次のような処理を行う。すなわち、補正部41は、マスク期間Tm1において、トルク電流取得値(電流測定値iq1)に対して、第1の補正処理を行う。また、補正部41は、マスク期間Tm1の終了以降において、トルク電流取得値(電流測定値iq1)に対して、第2の補正処理を行う。第2の補正処理は、例えば、実施形態における電流測定値iq1を補正トルク電流iq2へと補正する処理と同じである。以下では、第1の補正処理について説明する。
第1の補正処理は、例えば、所定の式により電流測定値iq1を補正する処理である。第1の補正処理の具体例としては、電流測定値iq1を所定値で割る処理が挙げられる。上記所定値は、例えば、電流測定値iq1の実測データに基づいて予め求められている。なお、第1の補正処理は、電流測定値iq1に対して第2の補正処理をした後に電流測定値iq1を上記所定値で割る処理であってもよい。
マスク期間Tm1において補正後のトルク電流取得値(電流測定値iq1)がトルク電流閾値Th1を超えると、制御部4は、回転子13を停止させる。すなわち、本変形例2によれば、マスク期間Tm1の終了以降だけではなく、マスク期間Tm1にも、補正後のトルク電流取得値(電流測定値iq1)に応じて回転子13を停止させることができる。つまり、マスク期間Tm1において電動工具システム1の過負荷等の異常が生じた場合であっても、回転子13を停止させることができる。
(実施形態のその他の変形例)
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、上述の各変形例と適宜組み合わせて実現されてもよい。
電動工具システム1と同様の機能は、電動工具システム1の使用方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
一態様に係る電動工具システム1の第1の使用方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、指令値生成ステップと、を有する。第1取得ステップでは、モータ15に流れるトルク電流に関連する値を取得する。第2取得ステップでは、回転子13の加速度に関連する値を取得する。指令値生成ステップでは、第1取得ステップで取得されたトルク電流に関連する値であるトルク電流取得値(電流測定値iq1)と、第2取得ステップで取得された加速度に関連する値である加速度取得値α1と、に基づいて、モータ15に供給するトルク電流の指令値ciq1及び励磁電流の指令値cid1のうち少なくとも一方を算出する。
別の一態様に係る電動工具システム1の第2の使用方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、補正ステップと、を有する。第1取得ステップでは、モータ15に流れるトルク電流に関連する値を取得する。第2取得ステップでは、回転子13の加速度に関連する値を取得する。補正ステップでは、第1取得ステップで取得されたトルク電流に関連する値であるトルク電流取得値(電流測定値iq1)を、第2取得ステップで取得された加速度に関連する値である加速度取得値α1に基づいて補正する。
実施形態の電動工具システム1では、上記第1の使用方法と上記第2の使用方法とが実行される。すなわち、図5に示すように、第1取得部60が電流測定値iq1を取得し(第1取得ステップST1)、第2取得部47が加速度取得値α1を取得する(第2取得ステップST2)。次に、補正部41は、電流測定値iq1を加速度取得値α1に基づいて補正する。すなわち、補正部41は、補正後の値である補正トルク電流iq2を算出する(補正ステップST3)。次に、算出部42は、少なくとも補正トルク電流iq2に基づいて、トルク電流の指令値ciq1及び励磁電流の指令値cid1を算出する(ステップST4)。指令値ciq1、cid1は、モータ15の制御に用いられ、電動工具システム1の動作中は、第1取得ステップST1~ステップST4が繰り返されて指令値ciq1、cid1が更新される。
補正ステップST3からステップST4までの処理が、上記第1の使用方法の指令値生成ステップに相当する。すなわち、指令値生成ステップでは、指令値生成部40は、電流測定値iq1及び加速度取得値α1の入力を受けて、トルク電流の指令値ciq1及び励磁電流の指令値cid1を算出する。
一態様に係るプログラムは、上記のいずれかの態様に係る電動工具システム1の使用方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
本開示における電動工具システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における電動工具システム1としての機能の一部が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、電動工具システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは電動工具システム1に必須の構成ではなく、電動工具システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、電動工具システム1の少なくとも一部の機能、例えば、指令値生成部40の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
指令値生成部40は、算出部42を有する一方で補正部41を有していなくてもよい。すなわち、指令値生成部40は、電流測定値iq1(トルク電流取得値)を必ずしも補正しなくてもよい。指令値生成部40(算出部42)は、補正トルク電流iq2の算出を経ずに、少なくとも電流測定値iq1と加速度取得値α1とに基づいて、トルク電流の指令値ciq1と励磁電流の指令値cid1とのうち少なくとも一方を算出してもよい。これにより、補正部41が補正トルク電流iq2の算出を行う場合と比較して、トルク電流の指令値ciq1と励磁電流の指令値cid1とのうち少なくとも一方を算出する処理を高速化できる可能性がある。
また、指令値生成部40は、補正部41を有する一方で算出部42を有していなくてもよい。指令値生成部40は、補正部41で求められた補正トルク電流iq2を、電動工具システム1の外部の構成に出力してもよい。
補正トルク電流iq2に基づいたモータ15の制御は、補正トルク電流iq2がトルク電流閾値Th1を超えると回転子13を停止させる制御に限定されない。制御部4は、補正トルク電流iq2に関する所定の条件に応じて、例えば、回転子13の回転数を増加又は減少させてもよい。
実施形態では、単位時間あたりの回転子13の回転数の変化量と電流測定値iq1との関係を、[数1]の通り線形近似した。ただし、線形近似に代えて、多項式近似、指数近似、対数近似、又は、累乗近似等が採用されてもよい。
実施形態の加速度取得値α1は、角加速度であるが、これに限定されず、加速度であってもよいし、回転数の2次導関数であってもよい。
また、実施形態の加速度取得値α1は、回転子13の加速度に関連する測定値であるが、回転子13の加速度に関連する指令値であってもよい。また、加速度取得値α1を、回転子13の速度の測定値と、回転子13の速度の指令値とに基づいて求めてもよい。
補正部41は、加速度取得値α1に加えて、回転子13の回転数又は角速度に基づいて電流測定値iq1(トルク電流取得値)を補正してもよい。例えば、回転子13の回転数又は角速度の大きさによって、[数1]の各係数を異ならせてもよい。
第2取得部47は、加速度取得値α1を自ら算出することで加速度取得値α1を取得する構成に限定されず、他の構成から加速度取得値α1を取得する構成であってもよい。
制御部4は、補正トルク電流iq2がトルク電流閾値Th1を超えると直ちに回転子13を停止させるのではなく、所定の待機時間が経過してから回転子13を停止させてもよい。また、制御部4は、補正トルク電流iq2がトルク電流閾値Th1を超えた状態が所定の判定時間継続してから、回転子13を停止させてもよい。
補正部41で補正に用いるパラメータを変更可能であってもよい。補正に用いるパラメータは、例えば、[数1]の各係数である。モータ15の仕様及びモータ15の経年変化等により、[数1]で表される関係(単位時間あたりの回転子13の回転数の変化量と電流測定値iq1との関係)が変化し得るので、変化に応じて[数1]の各係数を変更してもよい。電動工具システム1が備えるユーザインターフェースに対するユーザの操作によりパラメータが変更されてもよいし、モータ15の使用年数等に応じて補正部41が自動でパラメータを変更してもよい。
指令値生成部40は、トルク電流取得値として、電流測定値iq1に代えて指令値ciq1を用いてもよい。
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る電動工具システム(1)は、モータ(15)と、制御部(4)と、出力軸(21)と、伝達機構(18)と、を備える。モータ(15)は、固定子(14)及び回転子(13)を有する。回転子(13)は、固定子(14)に対して回転する。制御部(4)は、モータ(15)をベクトル制御する。出力軸(21)は、先端工具(28)と連結される。伝達機構(18)は、モータ(15)の動力を出力軸(21)に伝達する。制御部(4)は、第1取得部(60)と、第2取得部(47)と、指令値生成部(40)と、を有する。第1取得部(60)は、モータ(15)に流れるトルク電流に関連する値を取得する。第2取得部(47)は、回転子(13)の加速度に関連する値を取得する。指令値生成部(40)は、第1取得部(60)で取得されたトルク電流に関連する値であるトルク電流取得値(電流測定値iq1)と、第2取得部(47)で取得された加速度に関連する値である加速度取得値(α1)と、に基づいて、モータ(15)に供給するトルク電流の指令値(ciq1)及び励磁電流の指令値(cid1)のうち少なくとも一方を算出する。
上記の構成によれば、指令値生成部(40)が加速度取得値(α1)を用いずにトルク電流の指令値(ciq1)及び励磁電流の指令値(cid1)のうち少なくとも一方を算出する場合と比較して、モータ(15)の制御の精度を高めることができる。
また、第2の態様に係る電動工具システム(1)では、第1の態様において、指令値生成部(40)は、補正部(41)と、算出部(42)と、を有する。補正部(41)は、トルク電流取得値(電流測定値iq1)を加速度取得値(α1)に基づいて補正する。算出部(42)は、補正部(41)による補正が反映された状態で、トルク電流取得値に基づいて、モータ(15)に供給するトルク電流の指令値(ciq1)及び励磁電流の指令値(cid1)のうち少なくとも一方を算出する。
上記の構成によれば、トルク電流取得値(電流測定値iq1)を補正することで、モータ(15)の制御の精度を高めることができる。
また、第3の態様に係る電動工具システム(1)では、第1又は2の態様において、指令値生成部(40)は、補正部(41)を有する。補正部(41)は、トルク電流取得値(電流測定値iq1)と所定のトルク電流閾値(Th1)とのうち少なくとも一方を加速度取得値(α1)に基づいて補正する。補正部(41)による補正が反映された状態で、制御部(4)は、トルク電流取得値がトルク電流閾値を超えると、回転子(13)を停止させる。
上記の構成によれば、出力軸(21)に加えられるトルクが過大になる可能性を低減できる。
また、第4の態様に係る電動工具システム(1)では、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、制御部(4)は、回転子(13)の回転開始時点から所定のマスク期間(Tm1)が経過するまでの間のトルク電流取得値(電流測定値iq1)を、モータ(15)の少なくとも一部の制御における無効な情報として処理する。
上記の構成によれば、マスク期間(Tm1)におけるモータ(15)の制御の誤りを抑制できる。
また、第5の態様に係る電動工具システム(1)では、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、指令値生成部(40)は、少なくとも回転子(13)の回転開始時点から所定の期間(マスク期間Tm1)が経過するまでの間において、トルク電流取得値(電流測定値iq1)と、加速度取得値(α1)と、に基づいて、モータ(15)に供給するトルク電流の指令値(ciq1)及び励磁電流の指令値(cid1)のうち少なくとも一方を算出する。
上記の構成によれば、所定の期間(マスク期間Tm1)におけるモータ(15)の制御の精度を高めることができる。
また、第6の態様に係る電動工具システム(1)では、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、第2取得部(47)は、回転子(13)の回転数に比例する物理量に基づいて加速度取得値(α1)を算出する。
上記の構成によれば、加速度取得値(α1)を精度良く算出できる。
第1の態様以外の構成については、電動工具システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
また、第7の態様に係る電動工具システム(1)は、モータ(15)と、制御部(4)と、出力軸(21)と、伝達機構(18)と、を備える。モータ(15)は、固定子(14)及び回転子(13)を有する。回転子(13)は、固定子(14)に対して回転する。制御部(4)は、モータ(15)をベクトル制御する。出力軸(21)は、先端工具(28)と連結される。伝達機構(18)は、モータ(15)の動力を出力軸(21)に伝達する。制御部(4)は、第1取得部(60)と、第2取得部(47)と、補正部(41)と、を有する。第1取得部(60)は、モータ(15)に流れるトルク電流に関連する値を取得する。第2取得部(47)は、回転子(13)の加速度に関連する値を取得する。補正部(41)は、第1取得部(60)で取得されたトルク電流に関連する値であるトルク電流取得値(電流測定値iq1)を、第2取得部(47)で取得された加速度に関連する値である加速度取得値(α1)に基づいて補正する。
上記の構成によれば、補正部(41)がトルク電流取得値(電流測定値iq1)を補正しない場合と比較して、モータ(15)の制御の精度を高めることができる。
第7の態様に係る構成は、第1~第6の態様に係る構成と適宜組み合わせることが可能である。
また、第8の態様に係る電動工具システム(1)の使用方法は、モータ(15)と、制御部(4)と、出力軸(21)と、伝達機構(18)と、を備える電動工具システム(1)の使用方法である。モータ(15)は、固定子(14)及び回転子(13)を有する。回転子(13)は、固定子(14)に対して回転する。制御部(4)は、モータ(15)をベクトル制御する。出力軸(21)は、先端工具(28)と連結される。伝達機構(18)は、モータ(15)の動力を出力軸(21)に伝達する。電動工具システム(1)の使用方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、指令値生成ステップと、を有する。第1取得ステップでは、モータ(15)に流れるトルク電流に関連する値を取得する。第2取得ステップでは、回転子(13)の加速度に関連する値を取得する。指令値生成ステップでは、第1取得ステップで取得されたトルク電流に関連する値であるトルク電流取得値(電流測定値iq1)と、第2取得ステップで取得された加速度に関連する値である加速度取得値(α1)と、に基づいて、モータ(15)に供給するトルク電流の指令値(ciq1)及び励磁電流の指令値(cid1)のうち少なくとも一方を算出する。
上記の構成によれば、指令値生成ステップにおいて加速度取得値(α1)を用いずにトルク電流の指令値(ciq1)及び励磁電流の指令値(cid1)のうち少なくとも一方を算出する場合と比較して、モータ(15)の制御の精度を高めることができる。
また、第9の態様に係る電動工具システム(1)の使用方法は、モータ(15)と、制御部(4)と、出力軸(21)と、伝達機構(18)と、を備える電動工具システム(1)の使用方法である。モータ(15)は、固定子(14)及び回転子(13)を有する。回転子(13)は、固定子(14)に対して回転する。制御部(4)は、モータ(15)をベクトル制御する。出力軸(21)は、先端工具(28)と連結される。伝達機構(18)は、モータ(15)の動力を出力軸(21)に伝達する。電動工具システム(1)の使用方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、補正ステップと、を有する。第1取得ステップでは、モータ(15)に流れるトルク電流に関連する値を取得する。第2取得ステップでは、回転子(13)の加速度に関連する値を取得する。補正ステップでは、第1取得ステップで取得されたトルク電流に関連する値であるトルク電流取得値(電流測定値iq1)を、第2取得ステップで取得された加速度に関連する値である加速度取得値(α1)に基づいて補正する。
上記の構成によれば、補正ステップにおいてトルク電流取得値(電流測定値iq1)を補正しない場合と比較して、モータ(15)の制御の精度を高めることができる。
また、第10の態様に係るプログラムは、第8又は9の態様に係る電動工具システム(1)の使用方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
上記の構成によれば、モータ(15)の制御の精度を高めることができる。
上記態様に限らず、実施形態に係る電動工具システム(1)の種々の構成(変形例を含む)は、方法及びプログラムにて具現化可能である。
1 電動工具システム
4 制御部
13 回転子
14 固定子
15 モータ
18 伝達機構
21 出力軸
28 先端工具
40 指令値生成部
41 補正部
42 算出部
47 第2取得部
60 第1取得部
iq1 電流測定値(トルク電流取得値)
ciq1 トルク電流の指令値
cid1 励磁電流の指令値
Th1 トルク電流閾値
Tm1 マスク期間(所定の期間)
α1 加速度取得値

Claims (8)

  1. 固定子及び前記固定子に対して回転する回転子を有するモータと、
    前記モータをベクトル制御する制御部と、
    先端工具と連結される出力軸と、
    前記モータの動力を前記出力軸に伝達する伝達機構と、を備え、
    前記制御部は、
    前記モータに流れるトルク電流に関連する値を取得する第1取得部と、
    前記回転子の加速度に関連する値を取得する第2取得部と、
    前記第1取得部で取得された前記トルク電流に関連する値であるトルク電流取得値と、前記第2取得部で取得された前記加速度に関連する値である加速度取得値と、に基づいて、前記モータに供給する前記トルク電流の指令値及び励磁電流の指令値のうち少なくとも一方を算出する指令値生成部と、を有し、
    前記指令値生成部は、
    前記トルク電流取得値を前記加速度取得値に基づいて補正する補正部と、
    前記補正部による補正が反映された状態で、前記トルク電流取得値に基づいて、前記モータに供給する前記トルク電流の前記指令値及び前記励磁電流の前記指令値のうち少なくとも一方を算出する算出部と、を有する、
    電動工具システム。
  2. 固定子及び前記固定子に対して回転する回転子を有するモータと、
    前記モータをベクトル制御する制御部と、
    先端工具と連結される出力軸と、
    前記モータの動力を前記出力軸に伝達する伝達機構と、を備え、
    前記制御部は、
    前記モータに流れるトルク電流に関連する値を取得する第1取得部と、
    前記回転子の加速度に関連する値を取得する第2取得部と、
    前記第1取得部で取得された前記トルク電流に関連する値であるトルク電流取得値と、前記第2取得部で取得された前記加速度に関連する値である加速度取得値と、に基づいて、前記モータに供給する前記トルク電流の指令値及び励磁電流の指令値のうち少なくとも一方を算出する指令値生成部と、を有し、
    前記指令値生成部は、前記トルク電流取得値と所定のトルク電流閾値とのうち少なくとも一方を前記加速度取得値に基づいて補正する補正部を有し、
    前記補正部による補正が反映された状態で、前記制御部は、前記トルク電流取得値が前記トルク電流閾値を超えると、前記回転子を停止させる、
    電動工具システム。
  3. 前記制御部は、前記回転子の回転開始時点から所定のマスク期間が経過するまでの間の前記トルク電流取得値を、前記モータの少なくとも一部の制御における無効な情報として処理する、
    請求項1又は2に記載の電動工具システム。
  4. 前記指令値生成部は、少なくとも前記回転子の回転開始時点から所定の期間が経過するまでの間において、前記トルク電流取得値と、前記加速度取得値と、に基づいて、前記モータに供給する前記トルク電流の前記指令値及び前記励磁電流の前記指令値のうち少なくとも一方を算出する、
    請求項1又は2に記載の電動工具システム。
  5. 前記第2取得部は、前記回転子の回転数に比例する物理量に基づいて前記加速度取得値を算出する、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の電動工具システム。
  6. 固定子及び前記固定子に対して回転する回転子を有するモータと、
    前記モータをベクトル制御する制御部と、
    先端工具と連結される出力軸と、
    前記モータの動力を前記出力軸に伝達する伝達機構と、を備える電動工具システムの使用方法であって、
    前記モータに流れるトルク電流に関連する値を取得する第1取得ステップと、
    前記回転子の加速度に関連する値を取得する第2取得ステップと、
    前記第1取得ステップで取得された前記トルク電流に関連する値であるトルク電流取得値と、前記第2取得ステップで取得された前記加速度に関連する値である加速度取得値と、に基づいて、前記モータに供給する前記トルク電流の指令値及び励磁電流の指令値のうち少なくとも一方を算出する指令値生成ステップと、を有し、
    前記指令値生成ステップは、
    前記トルク電流取得値を前記加速度取得値に基づいて補正する補正ステップと、
    前記補正ステップによる補正が反映された状態で、前記トルク電流取得値に基づいて、前記モータに供給する前記トルク電流の前記指令値及び前記励磁電流の前記指令値のうち少なくとも一方を算出する算出ステップと、を含む、
    電動工具システムの使用方法。
  7. 固定子及び前記固定子に対して回転する回転子を有するモータと、
    前記モータをベクトル制御する制御部と、
    先端工具と連結される出力軸と、
    前記モータの動力を前記出力軸に伝達する伝達機構と、を備える電動工具システムの使用方法であって、
    前記モータに流れるトルク電流に関連する値を取得する第1取得ステップと、
    前記回転子の加速度に関連する値を取得する第2取得ステップと、
    前記第1取得ステップで取得された前記トルク電流に関連する値であるトルク電流取得値と、前記第2取得ステップで取得された前記加速度に関連する値である加速度取得値と、に基づいて、前記モータに供給する前記トルク電流の指令値及び励磁電流の指令値のうち少なくとも一方を算出する指令値生成ステップと、を有し、
    前記指令値生成ステップは、前記トルク電流取得値と所定のトルク電流閾値とのうち少なくとも一方を前記加速度取得値に基づいて補正する補正ステップを含み、
    前記使用方法は、
    前記補正ステップによる補正が反映された状態で、前記トルク電流取得値が前記トルク電流閾値を超えると、前記回転子を停止させる停止ステップを更に有する、
    電動工具システムの使用方法。
  8. 請求項6又は7に記載の電動工具システムの使用方法を、1以上のプロセッサに実行させるための、
    プログラム。
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