以下、本発明に係る撮像システムの実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、本発明と直接の関連がない部分、つまり、撮像装置で発生した熱の伝達と放熱に直接の関係のない事項については、図示と説明を省略する。また、本発明に係る撮像システムを具現化したものを「システムカメラ」と称呼する。
<第1実施形態>
図1(a)は、第1実施形態に係るシステムカメラ100を略正面側(被写体側)から見た分解斜視図である。図1(b)は、システムカメラ100を略背面側から見た分解斜視図である。図2(a)は、システムカメラ100を略正面側から見た斜視図である、図2(b)は、システムカメラ100を略背面側から見た斜視図である。図2(c)は、放熱モジュール101が取り外された状態のシステムカメラ100を略正面側から見た分解斜視図である。
なお、説明の便宜上、図1に示すように互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸からなる座標系を規定する。Z軸は、システムカメラ100の撮影光軸と平行であり、被写体(不図示)に向かう方向を正方向とする。Y軸は、Z軸を水平方向と平行としたときに鉛直方向と平行となる軸であり、天に向かう方向を正の方向とする。X軸はY軸及びZ軸と直交する軸である。また、以下の説明では、Z軸正方向側を「正面側」、Z軸負方向側を「背面側」と称呼する。そして、システムカメラ100を構成する各ユニットにおける正面側の面を「前面」、背面側の面を「背面」、Y軸正方向側の面を「上面」、Y軸負方向側の面を「底面」、X軸と略直交する2つ面を「側面」とそれぞれ称呼する。
システムカメラ100は、カメラ本体102(撮像装置本体)、レンズユニット103(交換レンズ)、バッテリパック104(外部電源(バッテリモジュール))及び放熱モジュール101を有し、これらは以下の説明の通りにZ軸方向に接続可能となっている。なお、システムカメラ100を構成する各ユニット及び各モジュールの接続とは、各ユニット及び各モジュールの機能が実現されるように各ユニットが機械的に結合されることを指し、その際にユニットに応じて電気的に又は熱的に接続されることを含む。カメラ本体102とレンズユニット103は撮像装置を構成する。バッテリパック104及び放熱モジュール101は、カメラ本体102に着脱可能なアクセサリの一例である。そのため、システムカメラ100は、図2(a),(c)に示すように、放熱モジュール101が接続された状態と放熱モジュール101が接続されていない状態とを選択的に取ることができる。
カメラ本体102の前面には、レンズユニット103を接続するためのレンズマウント105が設けられており、撮影状況に合わせたレンズユニット103の接続が可能となっている。レンズユニット103を通してカメラ本体102に入射した光束は、カメラ本体102に内蔵された撮像センサ(不図示)の受光面に結像し、結像した光学像を撮像センサによって所定の画像信号へ変換される。カメラ本体102の背面には、放熱モジュール101やバッテリパック104と係合する係合凹部106と、バッテリパック104からの給電を受けるための電気接点部であるバッテリ端子107が設けられている。
先ず、図1(b)中に矢印126で示す、カメラ本体102とバッテリパック104を直接接続させるための構成について詳細に説明する。バッテリパック104は、繰り返し充電可能なバッテリセルを内包する。バッテリパック104の前面には、カメラ本体102の係合凹部106と係合する係合凸部108と、バッテリ端子107への給電を行うための電気接点部である給電端子109が設けられている。カメラ本体102の係合凹部106とバッテリパック104の係合凸部108は、略対向する一対の嵌合レールを略V字型に配置したメス型/オス型の係合構造を有する。よって、カメラ本体102とバッテリパック104では、Y軸方向でのスライドによって離合関係が切り替わり、Y軸負方向へのスライドにより嵌合し、Y軸正方向へのスライドにより離間する。
バッテリ端子107は、Y軸正方向に突出した接点ピン110を有する。給電端子109は、Y軸方向と平行に形成されて接点ピン110と嵌合可能な接点孔(不図示)を有する。接点ピン110と給電端子109の接点孔は、カメラ本体102とバッテリパック104のY軸方向での係合/離間に合わせて挿抜される。バッテリパック104の前面をカメラ本体102の背面に沿わせてY軸負方向にスライドさせると、係合凸部108と係合凹部106が嵌合すると共に給電端子109の接点孔にバッテリ端子107が挿入されて電気的な接続がなされる。
なお、係合凸部108の係合凹部106に対する嵌合突き当り近傍には、カメラ本体102に対するバッテリパック104のスライド動作を規制するロック機構(不図示)が設けられている。ロック機構によりバッテリパック104の位置が固定されるとカメラ本体102に対するバッテリパック104の接続が完了して図2(c)の状態となり、バッテリパック104からの給電により、カメラ本体102による撮像が可能となる。
バッテリパック104のスライド動作を規制するロック機構のロック解除は、カメラ本体102に設けられたロック解除ノブ111の操作によって行うことができる。ロック解除ノブ111を押すと、ロック機構が規制解除方向に作動し、バッテリパック104のY軸正方向へのスライド動作が可能となる。バッテリパック104をY軸正方向へスライドさせると、給電端子109からバッテリ端子107が抜けると共に、係合凹部106と係合凸部108が離間して、バッテリパック104がカメラ本体102から取り外される。
次に、放熱モジュール101が接続された状態でのシステムカメラ100について説明する。放熱モジュール101は、カメラ本体102とバッテリパック104との間に配置された状態で使用される。例えば、カメラ本体102での消費電力が大きく、発熱量の増加が懸念される撮影モードでの使用や、カメラ本体102の保証温度に対して発熱による昇温余裕が小さい使用環境下での使用では、カメラ本体102からの自然放熱だけでは放熱が不十分となる。放熱モジュール101は、カメラ本体102で発生した熱の放熱能力を高めて、カメラ本体102の内部温度の上昇を抑制する。
放熱モジュール101は、四隅に設けられた孔部113に挿通される4本のボルト112(一部不図示)によって、カメラ本体102に接続(締結固定)される。放熱モジュール101の前面114には、受熱部116、電気接点部118及び凹部119,120が設けられている。放熱モジュール101がカメラ本体102に接続されると、受熱部116はカメラ本体102の背面に設けられた第1の放熱部である後述の背面放熱部115に当接し、電気接点部118はカメラ本体102に設けられた拡張接点パッド117と接触する。凹部119,120はそれぞれ、放熱モジュール101をカメラ本体102に接続する際に、カメラ本体102の係合凹部106及びバッテリ端子107との干渉を避けるため部位である。
放熱モジュール101の背面121には、バッテリパック104の接続を可能とするために、カメラ本体102に設けられている係合凹部106及びバッテリ端子107と同等の係合凹部122及びバッテリ端子123が設けられている。係合凹部122は、係合凹部106と同一の部品であってもよいし、バッテリパック104の係合凸部108との互換性を保つことができれば別の構造でも構わない。バッテリ端子123は、バッテリ端子107と同一の構造でもよいし、これに限らず、バッテリパック104の給電端子109と機械的且つ電気的な互換性のある接続が可能であれば、別の構造でも構わない。なお、電気接点部118の各端子は、放熱モジュール101の内部において、バッテリ端子123の接点ピン124と電気的に接続されている。また、カメラ本体102の内部では、拡張接点パッド117の各パッドが、バッテリ端子107の接点ピン110と電気的に接続されている。
図1(b)に矢印127で示す、放熱モジュール101に対するバッテリパック104の接続は、前述のカメラ本体102に対するバッテリパック104の接続と同様に行うことができる。つまり、バッテリパック104のY軸負方向へのスライド動作によって、係合凹部122に係合凸部108が係合すると共に、給電端子109にバッテリ端子123が挿入されて電気的に接続される。そして、カメラ本体102に設けられたロック機構と同様に放熱モジュール101に設けられたロック機構(不図示)によって、バッテリパック104は、スライド動作が規制された状態となって放熱モジュール101に固定される。なお、放熱モジュール101に設けられたロック解除ノブ125の操作によって、バッテリパック104のスライド規制を解除することで、バッテリパック104を放熱モジュール101から取り外すことができる。
バッテリパック104が放熱モジュール101を介してカメラ本体102に接続された状態でのバッテリパック104からカメラ本体102への給電ルートは、次の通りとなる。すなわち、バッテリパック104の給電端子109から、放熱モジュール101のバッテリ端子123、内部導通路(不図示)及び電気接点部118、カメラ本体102の拡張接点パッド117を経て、カメラ本体102へ給電が行われる。こうして、放熱モジュール101の接続/非接続を問わず、バッテリパック104からのカメラ本体102への給電によるシステムカメラ100の駆動が可能となっている。
続いて、放熱モジュール101の構成について更に詳細に説明をする。図3(a)は放熱モジュール101を略正面側から見た分解斜視図である。図3(b)は、放熱モジュール101を略背面側からの見た分解斜視図である。放熱モジュール101は、正面側の前部ケース301と背面側の後部ケース302によって外観が構成され、内部にヒートシンク303が収納された構造を有する。前部ケース301には、電気接点部118と、ヒートシンク303の一面である受熱部116を露出させるための開口部304が設けられている。後部ケース302には、係合凹部122、バッテリ端子123、ロック解除ノブ125が設けられている。電気接点部118とバッテリ端子123の接点ピン124は、不図示の電線又はフレキシブルプリント基板等により、放熱モジュール101の内部において電気的に接続されている。
ヒートシンク303は、アルミダイカスト等の熱伝導性に優れる材料を用いて成形された放熱部材である。ヒートシンク303は、放熱モジュール101の外観に露出する受熱部116と、受熱部116の反対側(Z軸負方向側)に立設された多数の放熱フィン306を有する。放熱フィン306の周囲には、第1の通気口307と第2の通気口308を除いて隔壁309と蓋部材310とで遮蔽されることによって、ダクト状の空気流路が形成されている。第1の通気口307は、放熱モジュール101の側面(X軸方向)に向けて設けており、第2の通気口308は放熱モジュール101の天面(Y軸正方向)に向けて設けられている。
前部ケース301において第1の通気口307に対応する位置には、スリット状開口部311が設けられている。また、スリット状開口部312が形成されたリッドカバー313が、第2の通気口308の位置と対応するように前部ケース301に取り付けられている。本実施形態ではリッドカバー313を前部ケース301に取り付ける構成としているが、スリット状開口部312は前部ケース301又は後部ケース302に一体形成されていてもよい。また、スリット状開口部311は前部ケース301に一体形成されているが、後部ケース302に一体形成されていてもよい。
ヒートシンク303は、付勢ばね314によって前部ケース301に向けて、つまり、Z軸正方向に、付勢されている。これにより、放熱モジュール101をカメラ本体102に取り付けていない無負荷状態では、受熱部116は前面114から所定量(所定の長さ)だけ突出する。換言すれば、放熱モジュール101をカメラ本体102に接続したときに、受熱部116は背面放熱部115によって背面側へ押圧され、これにより受熱部116と背面放熱部115とは一定の加圧力で密着する。前部ケース301と後部ケース302により形成される空間内に上述した各種の部品が組み込まれた状態で、前部ケース301と後部ケース302が締結ビス305で締結されることにより、放熱モジュール101が構成されている。
図4は、カメラ本体102に放熱モジュール101及びバッテリパック104が接続されたシステムカメラ100での熱伝達経路(放熱経路)を説明する断面図である。なお、図4では、放熱に無関係の部材の図示を省略している。図5は、図4に示す矢視A-Aの断面図である。図4には、熱伝達経路が矢印171で、バッテリパック104からカメラ本体102への給電経路が矢印172で、それぞれ示されている。
カメラ本体102の背面には、カメラ本体102内部で発生した熱を放熱モジュール101へ伝達するための背面放熱部115が外観に露出するように配置されている。背面放熱部115は、銅やアルミニウム等の熱伝導性に優れた材料で形成されることが望ましい。カメラ本体102の内部では、撮像センサ、画像信号を高速処理するCPU(画像処理エンジン)、大容量の画像データを高速に記憶する記憶処理部や記憶媒体等の各種の発熱部(発熱源)から背面放熱部115への熱伝達経路が熱伝導性部材によって形成されている。各種の発熱部から背面放熱部115への熱伝達経路を形成する材料や構造等については、種々の周知技術が用いられ、ここでの説明を省略する。
カメラ本体102の内部の各種の発熱部で発生した熱は、背面放熱部115へ伝わった後、背面放熱部115と接触する受熱部116へ伝わる。なお、本実施形態では、背面放熱部115がカメラ本体102背面の一部にのみ露出する構成としているが、背面放熱部115の形態は、受熱部116と接触することができる限りにおいてこの限りではない。例えば、背面放熱部115をカメラ本体102の背面においてより広い範囲で露出させた形態としてもよいし、逆に、適切な放熱性能が得られる限りにおいてより狭い範囲でさせた形態としてもよい。
本実施形態では、カメラ本体102に放熱モジュール101が接続された状態では、ヒートシンク303をカメラ本体102へ向けて押圧する付勢ばね314の作用によって、受熱部116は背面放熱部115に所定の押圧力で接触している。これにより、受熱部116と背面放熱部115との接触熱抵抗を低減させることができる。受熱部116に伝わった熱はヒートシンク303全体へ拡散し、放熱フィン306がその周囲の空気と熱交換を行う。放熱フィン306により温められた空気は、図5に矢印351で示すように、煙突効果によって放熱モジュール101の天面方向(Y軸正方向)に向かって流れ、スリット状開口部312(排熱部)を通って外部へ放出される。
熱せられた空気が外部へ放出されると放熱モジュール101の内部が負圧になり、外部に放出された空気と入れ替わるように、スリット状開口部311を通って空気が外部から放熱モジュール101の内部へ図5に矢印352で示すように流入する。放熱モジュール101の内部へ流入した空気は、矢印351の方向に流れながら放熱フィン306から熱を受け取って暖められ、前述の通りにスリット状開口部312から外部へ放出される。
以上の説明の通り、カメラ本体102に放熱モジュール101が接続された状態では、カメラ本体102で発生した熱は、放熱モジュール101によって外部に放熱される。つまり、放熱モジュール101が持つヒートシンク303によってカメラ本体102の放熱能力が高められることで、例えば、カメラ本体102を高消費電力の動作モードで使用しても、その発熱に対応することが可能となる。また、放熱モジュール101は、前面と背面のそれぞれにカメラ本体102及びバッテリパック104との係合構造を持ち、両者の間への挿入接続が可能な構成となっているため、放熱モジュール101はバッテリパック104の接続性を変えることはない。これにより、使用状況に応じた最適な放熱構成でシステムカメラ100を用いることが可能となる。
ここまで、カメラ本体102に放熱モジュール101を接続した形態での放熱構造を中心に説明した。一方、図2に示したように、システムカメラ100は、放熱モジュール101を接続せずに、バッテリパック104をカメラ本体102に直接接続した構成で使用することができる。放熱モジュール101を接続しない場合、カメラ本体102の内部で発生した熱により、カメラ本体102の内部温度及び外装部材の温度上昇が引き起こされるおそれがある。よって、カメラ本体102の温度上昇を抑制するために、カメラ本体102単独での放熱構造が重要となる。そこで次に、カメラ本体102単独での放熱構造について説明する。
図6は、カメラ本体102の外装部材(外装カバー)を非表示とした分解斜視図である。カメラ本体102は、正面側から背面側へ向けて順に配置された、レンズマウント105、NDユニット801、撮像素子回路基板802、基板保持部材804、メイン基板803、メイン放熱板807、背面放熱シート810及び背面放熱部115を備える。NDユニット801では、複数の濃度のNDフィルタが電動で入替可能となっている。撮像素子回路基板802(以下「サブ基板802」と記す)は、撮像センサ(不図示)を実装している。
メイン基板803は、基板保持部材804に保持されている。メイン基板803には、カメラ本体102の制御及びカメラ本体102に接続されたアクセサリ等を制御するための各種電子部品が実装されており、撮影時に特に発熱する発熱素子805が実装されている。発熱素子805には、例えば、画像処理を行う半導体デバイス(画像処理エンジン)が含まれる。発熱素子805は、温度が上昇すると性能が低下してしまうため、発熱素子805で発生した熱を外部へ逃がす必要がある。そこで、発熱素子805のパッケージ面には放熱シート806が密着配置され、且つ、放熱シート806はその背面側に配置されたメイン放熱板807と密着している。これにより、発熱素子805で発生した熱は、放熱シート806を通じてメイン放熱板807に伝わる。なお、メイン放熱板807には、アルミニウムや銅等の熱伝導率の大きい材質が好適に用いられる。
メイン放熱板807は、背面側に伝熱する第1の放熱面808と、側面側(X軸正方向側)に伝熱する第2の放熱面809を有する。メイン放熱板807の背面側には、第1の放熱面808と接続される背面放熱シート810を介して、背面放熱部115が配置されている。メイン放熱板807のX軸正方向側には、第2の放熱面809と接続される側面放熱シート811を介して、側面放熱板812が配置されている。
図7は、カメラ本体102の放熱構造を説明する断面図である。メイン基板803に実装された発熱素子805で発生した熱は、放熱シート806を介してメイン放熱板807に伝わる。メイン放熱板807に伝わった熱の伝導経路は、第1の放熱面808へ向かう第1の経路と、第2の放熱面809へ向かう第2の経路に分岐する。第1の経路で第1の放熱面808へ伝わった熱は、背面放熱シート810を介して背面放熱部115へ伝わる。このとき、カメラ本体102に放熱モジュール101が接続されている場合には、背面放熱部115へ伝わった熱は主に放熱モジュール101へ伝わって、前述の通りに放熱される。一方、カメラ本体102に放熱モジュール101が接続されていない場合には、背面放熱部115へ伝わった熱は、背面放熱部115から外気へ放熱される。第2の経路で第2の放熱面809へ伝わった熱は、側面放熱シート811を介して側面放熱板812に伝わり、更に第2の放熱部として機能する外装部材へ伝わった後に、外装部材から外気へ放熱される。
ところで、カメラ本体102に放熱モジュール101が接続されていない場合、カメラ本体102は、強制空冷による放熱を行うことができないため、自然放熱によって内部温度を下げる必要がある。一方で、カメラ本体102は、放熱モジュール101の接続を考慮して、放熱モジュール101への伝熱を行うために背面放熱部115の温度が上昇する構成になっている。そのため、放熱モジュール101が接続されずにバッテリパック104が接続された状態では、背面放熱部115からの放熱によってバッテリパック104の温度が上昇することが懸念される。
このような事情を考慮して、カメラ本体102では、背面放熱部115と発熱部との間で熱伝達経路を分岐させて側面放熱板812への伝熱を行うことにより、背面放熱部115の温度上昇とカメラ本体102の内部温度の上昇を抑制している。これにより、消費電力の小さい撮影モードであれば、放熱モジュール101を接続しなくとも、自然放熱によってカメラ本体102の内部温度の上昇を抑制することができる。また、メイン基板803に実装された発熱素子805の温度上昇を抑制することもできる。
次に、カメラ本体102に設けられている別の熱伝達経路について説明する。図8は、カメラ本体102を略底面側から見た斜視図である。前述の通り、カメラ本体102の背面側には、主にメイン基板803上で発生した熱を放熱するための背面放熱部115が設けられており、背面放熱部115との接触による伝熱、放熱が可能な放熱モジュール101の着脱が可能となっている。そして、カメラ本体102の底面側には、第3の放熱部となる底面放熱部851が設けられており、放熱モジュール(不図示)の着脱が可能となっている。サブ基板802に実装されている撮像センサ(不図示)は、撮影時に発熱する発熱部の1つであり、底面放熱部851は主に撮像センサで発生した熱(サブ基板802の熱)を放熱する機能を有する。なお、不図示であるが、カメラ本体102の上面側にはハンドルや表示装置の着脱が可能となっており、側面にはグリップや表示装置(EVF等)の着脱が可能となっている。そこで、カメラ本体102では、背面と底面側に対する放熱モジュールの着脱が可能な構成としている。カメラ本体102の底面に配置された底面放熱部851には、2カ所にリグ取付部852がX軸方向に所定の間隔で設けられている。リグ取付部852は、外側から締め込むことができる雌ネジとなっている。
図9は、カメラ本体102のフロントユニット400の分解斜視図である。図10は、カメラ本体102の断面図である。フロントユニット400は、レンズマウント105、NDユニット801、サブ基板802、センサプレート403、センサ放熱板406、センサ放熱シート407及びこれらを固定するためのフロントベース404を備える。撮像センサ402は、サブ基板802に実装されている。サブ基板802の背面にはセンサプレート403が配置され、サブ基板802はセンサプレート403に固定される。センサプレート403は、フロントベース404に固定される。
撮像センサ402は撮影時に発熱し、高温になると性能が低下することが知られている。そのため、撮像センサ402で発生した熱を速やかに外部に放熱する必要がある。そこで、サブ基板802の背面側には孔部が形成されており、この孔部に対応するようにセンサプレート403にも孔部が形成されている。これにより、サブ基板802とセンサプレート403が組み付けられた状態で、撮像センサ402は背面側から露出した状態となっている。撮像センサ402の背面側の露出部に密着するようにセンサ放熱シート407が配置され、更にセンサ放熱シート407がセンサ放熱板406に密着配置されている。これにより、撮像センサ402で発生した熱は効率よくセンサ放熱板406に伝達される。
センサ放熱板406に伝わった熱は、底面側伝熱面408へ伝達される。底面側伝熱面408の底面側には底面放熱シート409が密着配置され、底面放熱シート409はその底面側に配置された底面放熱部851と密着している。このように、撮像センサ402で発生した熱は、センサ放熱板406の底面側伝熱面408と底面放熱シート409を介して底面放熱部851へ伝わる。なお、底面放熱部851に放熱モジュールが接続されていない場合には、底面放熱部851から外気への放熱が行われる。一方、底面放熱部851に放熱モジュールが接続されている場合には、接続された放熱モジュールを通じて外気への放熱が行われる。
このように、内部に複数の発熱部を有するカメラ本体102では、各発熱部に対して放熱モジュールの接続が可能な構成となっている。これにより、例えば、撮像センサ402を効率よく冷却したい場合には底面放熱部851に、メイン基板803を冷却したい場合には背面放熱部115にそれぞれ放熱モジュールを接続することで、効率的な放熱を行うことが可能となる。その際、システムカメラ100を撮影モードや使用環境、消費電力等を考慮した最適な形態で使用することが可能となる。
また、背面放熱部115と底面放熱部851の両方に放熱モジュールを接続することにより、カメラ本体102の温度上昇の抑制効果を更に高めることができる。なお、カメラ本体102には外気への熱伝達経路が複数設けられているため、システムカメラ100を放熱モジュールが接続されていない形態で使用する場合であっても、カメラ本体102の内部温度が上昇し難い構成となっている。
次に、カメラ本体102の底部(底面放熱部851)に放熱モジュールの一例としてのリグを接続した形態について説明する。図11は、カメラ本体102に対するリグ500の接続方法を説明する模式図である。リグ500は、カメラ本体102の底面側に接続されるモジュールであり、システムカメラ100を肩に担いで撮影する際に用いられる。ユーザは、システムカメラ100が装着されたリグ500肩に乗せて撮影を行うことで、肩に掛かる負担が軽減された状態で、システムカメラ100を安定して保持することができる。
図12は、リグ500の分解斜視図である。リグ500は、基台501、パッド部502及び把持部503から構成されている。基台501は、リグ500を構成する種々の部材が取り付けられる土台であって、強固な構造を有しており、例えば、金属で形成されている。パッド部502は、リグ500の使用時にユーザの肩に当接する部材であって、基台501の下側に設けられており、表面が発泡ポリエチレン等の弾性があり、且つ、断熱性を有する材料で構成され、金属製のフレームを内包している。パッド部502は、基台501に対してパッド部固定ネジ504により固定されている。なお、パッド部502は、基台501に対してZ軸方向に摺動可能となっており、基台501に対して任意の位置で固定することが可能となっている。なお、パッド部502のZ軸方向での固定位置を移動させる構成には既知の技術を用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
把持部503は、基台501の両側面に固定されている棒状の金属部材であり、高い強度を有している。把持部503において基台501に対する固定部の反対側となるグリップ503aには、ユーザが手で握りやすいように滑り止め等の加工が施されている。ユーザは、グリップ503aを握った状態で撮影を行い、その際に2カ所のグリップ503aをしっかりと把持することができることで、システムカメラ100を安定させて保持することができる。
図13(a)は、基台501に対してパッド部502を取り付けた状態を示す部分的な断面図である。基台501には、Y軸負方向に凸となる凸状固定部509が一体に形成されている。パッド部502を挟み込んで、パッド部固定ネジ504が凸状固定部509に対して締結されることにより、パッド部502は基台501に固定される。このとき、基台501とパッド部502とは、凸状固定部509では当接しているが、それ以外の部位ではY軸方向に空隙部510(隙間、空間)が形成される。
パッド部502は、撮影時にはシステムカメラ100の自重を受けて、弾性材料からなる表面近傍の弾性部が弾性変形するが、内部に金属製のフレームが入っているために全体としては大きく変形することなく、一定の範囲内で形状を維持する。パッド部502の底面は、図13(a)に示されるようにX軸方向から見ると、円弧状の凹形状となっている。この凹形状は、自然な形でユーザの肩に当接するように、人間工学に基づいて設計されており、システムカメラ100を安定して保持することができるようになっている。
図13(b)は、基台501の全体的な構成を示す斜視図である。基台501には、Z軸方向を長手方向としてY軸方向で開口する長孔状の開口部505が中央部に設けられており、また、開口部505のX軸方向の両側に受熱部506が設けられている。受熱部506のZ軸正方向側には、Z軸方向を長手方向とする一対の長孔507が、X軸方向の両側にX軸方向で対称となるように設けられている。
受熱部506は、アルミニウム等の熱伝導率の大きい金属で構成されている。受熱部506は、基台501のフロント部511(把持部503が結合されるZ軸正方向側の部位)と一体に成形されていてもよいし、フロント部511とは別体の部品であってもよい。受熱部506は、フロント部511に締結されているため、容易にフロント部511との間で熱の授受を行うことができる。開口部505のX軸方向の両側に設けられた2カ所の受熱部506のそれぞれに、Y軸正方向に突出したリグ凸部508が設けられている。リグ凸部508は、Z軸方向に移動可能であり、Z軸方向の任意の位置で固定可能となっている。なお、リグ凸部508のZ軸方向への移動機構には周知の技術を用いることができ、よって、詳細な機構の図示と説明を省略する。また、リグ凸部508の機能の詳細については後述する。
リグ500をカメラ本体102に対して取り付ける際には、不図示のリグ固定ネジを長孔507に貫通させ、カメラ本体102底面に設けられたリグ取付部852にねじ込み、基台501を挟み込んだ状態で締結する。その際、長孔507はZ軸方向を長手方向としているため、リグ500のカメラ本体102に対するZ軸方向での取付位置は、長孔507のZ軸方向長さの範囲内で調整することができる。
リグ500をカメラ本体102に取り付けた状態では、リグ500の受熱部506とカメラ本体102の底面放熱部851が接触する。なお、受熱部506と底面放熱部851を確実に接触させることができる限りにおいて、両者の構造は限定されない。例えば、受熱部506と底面放熱部851の一方又は両方を周囲よりも凸な形状とする等してもよい。撮影動作等によりカメラ本体102の内部で発生した熱の一部は底面放熱部851へ伝わった後、底面放熱部851と当接している基台501の受熱部506へ伝わり、更に基台501全体へと拡散して、基台501の表面から外気へ放熱される。これにより、カメラ本体102の内部温度の上昇を抑制することができる。
リグ500が接続された状態でのシステムカメラ100による撮影時には、ユーザは、リグ500とはパッド部502で接触しているだけであり、基台501とは接触していない。そして、パッド部502においてユーザと接触している部位は発泡ポリエチレン等の断熱性を有する弾性部材で構成されているため、基台501の表面温度が上昇しても、パッド部502からユーザへの伝熱は抑制される。よって、ユーザは、長時間の撮影を行う場合であっても、システムカメラ100及びリグ500から熱を受けて撮影を不快に感じるのを防ぐことができる。
また、カメラ本体102に対するリグ500の取り付け位置はZ軸方向において調整可能であり、また、基台501に対するパッド部502の取り付け位置もZ軸方向において調整可能である。よって、カメラ本体102の背面側に様々なアクセサリが接続された状態であっても、常にシステムカメラ100の重心の直下となる位置にパッド部502を取り付けることができる。これにより、ユーザはシステムカメラ100を肩で安定的に支えることができ、且つ、長時間撮影でのユーザにかかる負荷を軽減させることができる。
図14(a)は、カメラ本体102に複数の放熱モジュール520、バッテリパック104及びリグ500を取り付けた状態での熱伝達経路を説明する図である。図14(b)は、放熱モジュール520での熱伝達経路を説明する断面図である。なお、図14(a)では、リグ500をYZ断面で示し、その他を側面で示している。
放熱モジュール520は、図14(b)に示すように、Y軸方向を長手方向とする複数の放熱フィン522が形成されたヒートシンクを内蔵している。また、放熱モジュール520のY軸負方向端(底面)には第1の通気口523が形成されており、Y軸正方向端(上面)には第2の通気口524が形成されている。第1の通気口523と第2の通気口524は、外部と連通するスリット形状を有する。放熱モジュール101と同様に、放熱フィン522により暖められた空気は煙突効果によって第2の通気口524から排出され、これにより放熱モジュール520の内部が負圧となって、第1の通気口523から空気(外気)が放熱モジュール520の内部に流入する。
放熱モジュール520は、Z軸方向での接続互換性を有している。そして、図14(a)のようにカメラ本体102に複数の放熱モジュール520をZ軸方向に順次接続(連結)して更にバッテリパック104を接続した状態で、バッテリパック104からカメラ本体102への給電も可能となっている。つまり、放熱モジュール520は、放熱モジュール101と同様に、Z軸正方向側の装着面とZ軸負方向側の装着面のそれぞれに給電端子を有し、内部に給電端子間を接続する通電路を備えている。複数の放熱モジュール520を接続することにより高い放熱性能が得られ、カメラ本体102の内部での発熱量が増大した場合でも内部温度の上昇を抑制することができる。
特に、カメラ本体102はシステムを組むことを前提としているために最小限の機能しか有しておらず、ボディサイズは一般的にできる限り小さく設計される。そのため、リグ500と放熱モジュール520を同時に接続したシステムでは、リグ500の方がカメラ本体102の前後長(Z軸方向長さ)よりも大幅に長く設定されることになり、カメラ本体102のZ軸負方向側からリグ500が突出した形態となる。この状態でカメラ本体102の背面側に放熱モジュール520を接続した場合、放熱モジュール520の下側、つまり、第1の通気口523が設けられている底面(Y軸負方向側の面)をリグ500の基台501が覆う構成となる。
そこで図13を参照して説明したように、リグ500は基台501とパッド部502とは凸状固定部509でのみで接触しており、基台501のY軸負方向側に空隙部510が設けられている。また、基台501において開口部505は、Y方向において放熱モジュール520の第1の通気口523と対向する位置に設けられており、空隙部510と開口部505とは連通している。更に、図14(a)に示すように、Z軸方向において基台501とパッド部502との間には空間部が形成され、この空間部は空隙部510と連通している。よって、図14(a)に矢印551,552で示すように、空間部、空隙部510、開口部505、第1の通気口523、放熱モジュール520内部及び第2の通気口524を通る空気の流れを滞りなく生じさせることができる。
更に、カメラ本体102に対するリグ500の固定位置はZ軸方向で移動可能であり、且つ、開口部505はZ軸方向を長手方向とした十分な長さを有している。そのため、複数の放熱モジュール520が接続されたカメラ本体102がリグ500に取り付けられた状態でも、基台501の上面で開口部505の一部が外観に露出していれば、この開放部から開口部505を通じた第1の通気口523への空気の流入が可能である。よって、それぞれの放熱モジュール520への空気の流入が妨げられることはないため、放熱性能を確保することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態では、第1実施形態で説明した放熱モジュール101の変形例に係る放熱モジュールについて説明する。図15(a)は、第2実施形態に係るシステムカメラ600を略正面側から見た分解斜視図である。図15(b)は、システムカメラ600を略背面側から見た分解斜視図である。
システムカメラ600は、カメラ本体102、レンズユニット103、バッテリパック104及び放熱モジュール601を有する。なお、システムカメラ600の構成要素のうち、第1実施形態に係るシステムカメラ100の構成要素と同じもの(カメラ本体102、レンズユニット103及びバッテリパック104)については、同じ符号を付して説明を省略する。また、放熱モジュール601の構成要素のうち、第1実施形態で説明した放熱モジュール101の構成要素と同じものについては、同じ符号を付して、説明を省略する。
放熱モジュール601の前部ケース602には、カメラ本体102の係合凹部106及びバッテリ端子107のそれぞれに対応する係合凸部603及び給電端子604が設けられている。係合凸部603には、バッテリパック104の係合凸部108と同一の部品を用いてもよいし、係合凹部106との互換性が保たれる限りにおいて別の構造を採用しても構わない。給電端子604も、バッテリパック104の給電端子109と同一の部品を用いてもよいし、バッテリ端子107と機械的且つ電気的な接続での互換性が保たれる限りにおいて別の構造を採用しても構わない。
放熱モジュール601の後部ケース605には、放熱モジュール101と同様に、係合凹部122とバッテリ端子123が設けられている。なお、放熱モジュール601の内部において、給電端子604の各端子はそれぞれバッテリ端子123の接点ピン124と電気的に接続されている。
このように、放熱モジュール601には、カメラ本体102との係合構造に、バッテリパック104のカメラ本体102に対する係合構造と同じ構造が採用されている。そのため、放熱モジュール601は、4本のボルト112によるカメラ本体102に対する接続作業を必要とせず、カメラ本体102に対する放熱モジュール601及びバッテリパック104の着脱を同じ操作で行うことができる。よって、着脱操作性を向上させることができ、例えば、撮影現場等での放熱モジュール601の着脱を迅速且つ容易に行うことが可能となる。なお、放熱モジュールをシステムカメラに着脱可能な構成とする係合インタフェースの構成は特に限定されるものではなく、例えば、汎用インタフェースを利用した構成を採用すれば、様々なシステムカメラで放熱モジュールを共用することが可能となる。
<第3実施形態>
図16(a)は、第3実施形態に係るシステムカメラ700を略正面側から見た分解斜視図である。図16(b)は、システムカメラ700を略背面側から見た分解斜視図である。システムカメラ700は、カメラ本体702、レンズユニット103、レコーダモジュール703、バッテリアダプタモジュール704、バッテリパック104及び放熱モジュール701を有する。なお、システムカメラ700の構成要素のうち、第1実施形態に係るシステムカメラ100の構成要素と同じもの(レンズユニット103及びバッテリパック104)については、同じ符号を付して説明を省略する。また、カメラ本体702及び放熱モジュール701の構成要素のうち、第1実施形態で説明したカメラ本体102及び放熱モジュール101の構成要素と同じものについては、同じ符号を付して、説明を省略する。
カメラ本体702の正面側及び内部の構成は、カメラ本体102の正面側及び内部の構成に準ずるため、説明を省略する。カメラ本体702の背面側には、共通係合インタフェースが設けられている。共通係合インタフェースは、互換性を有するモジュール間接続機構であり、規格化された係合/被係合機構と電気的接続機構の組み合わせによって構成され、その詳細については後述する。なお、本実施形態では、係合/被係合機構を構成するインタフェースを、オス側インタフェース705、メス側インタフェース706と称呼する。カメラ本体702背面側は、メス側インタフェース706となっている。
レコーダモジュール703は、カメラ本体702が撮影した画像信号を所定のデータ形式で内蔵された不図示の記憶媒体に記憶する記憶装置である。カメラ本体702にレコーダモジュール703を着脱可能な構成としたのは、以下の理由による。すなわち、昨今では特に動画像の高解像度化が進み、ハイビジョン映像(FHD)は一般化し、4K映像や8K映像等の次世代映像の技術開発が進められている。また、より臨場感のある映像や高精細なスローモーション映像を得るために、映像信号を送信するためのフレームレートを標準的な60Pから120P又は240Pへハイフレームレート化する技術開発も進められている。このような次世代映像ではデジタルデータ量(映像ファイル容量)が膨大なものになるため、高速での書き込み/読み出しが可能で、記憶容量の大きい記憶媒体が求められ、また、データの高圧縮技術が求められている。ここで、カメラ本体702はコンパクトな構造のものが望ましいため、カメラ本体702に大型の記憶装置を内蔵させることは望ましいものではない。また、カメラ本体702に記憶装置を内蔵させた場合には将来の新規技術への対応が難しくなってしまうおそれがある。
このような問題は、カメラ本体702の内部に記憶装置を内蔵させることを妨げるものではない。しかし、本実施形態では、交換可能なレコーダモジュール703を接続可能な構成とすることで、目的に合った適切な記憶仕様(圧縮フォーマット、記憶媒体の種類)のレコーダモジュール703を選択して撮影を行うことを可能、且つ、容易としている。レコーダモジュール703の正面側はオス側インタフェース705、背面側はメス側インタフェース706となっている。
なお、システムカメラ700に採用されている共通係合インタフェースは、通信インタフェースと電力インタフェースを含む。上述した事情に鑑み、カメラ本体702及びレコーダモジュール703が備える通信インタフェースは、4K以上の解像度の画像データと60P以上のフレームレートの画像データの伝送が可能となっている。また、放熱モジュール701は、カメラ本体702とレコーダモジュール703の間に接続されることが多い。その場合、放熱モジュール701が備える通信インタフェースもまた、4K以上の解像度の画像データと60P以上のフレームレートの画像データの伝送が可能なものを備える必要がある。
放熱モジュール701は、消費電力の高い撮影モードでの使用や温度が高い環境での使用等のようにカメラ本体702の内部温度上昇が懸念される場合に、放熱能力を高めるためにカメラ本体702に接続される。放熱モジュール701の正面側はオス側インタフェース705、背面側はメス側インタフェース706、内部構造は放熱モジュール101に準ずるものとなっている。
バッテリアダプタモジュール704は、バッテリパック104と係合する係合凹部106とバッテリ端子107を背面側に備え、正面側にオス側インタフェース705を備えている。つまり、バッテリアダプタモジュール704は、バッテリパック104の係合インタフェースを共通係合インタフェースへ変換するアダプタである。
放熱モジュール701、レコーダモジュール703、バッテリアダプタモジュール704、バッテリパック104は、上述した共通係合インタフェースによって接続互換性を有するため、Z軸方向に順次接続することができる。また、共通係合インタフェースを備える他のモジュールの着脱も可能となる。例えば、画像信号又は制御信号を所定の伝送信号に変換して外部へ出力し或いは外部から入力する出入力モジュール、LCD等の表示デバイスを備える表示モジュール、使用者によるシステムカメラ700の操作手段として操作モジュール等を挙げることができる。他にも、システムカメラ700の把持を補助するハンドルモジュールやグリップモジュール、肩当てモジュール、システムカメラ700の姿勢を安定化するジンバルアダプタモジュール、重量バランスを調整するウエイトモジュール等を挙げることができる。
なお、システムカメラ700は、カメラ本体702に記憶装置が内蔵されている場合においてカメラ本体702の内蔵記憶装置による画像信号の記憶のみで対応可能な条件で撮影を行う際には、レコーダモジュール703を取り外したシステムとすることができる。また、低解像度撮影のような低消費電力モードで使用する場合等のカメラ本体702の発熱量が問題にならない場合には、放熱モジュール701を取り外したシステムとすることができる。いずれの場合でも、システムカメラ700を小型軽量化させて使用することが可能となる。
<第4実施形態>
図17は、本発明の第4実施形態に係るシステムカメラ900の分解斜視図である。システムカメラ900は、カメラ本体902、レンズユニット103、放熱モジュール901及びリグ500を有する。リグ500は、第1実施形態(図11等)で説明したものと同じであり、また、カメラ本体902に対してリグ500を着脱するための構成は第1実施形態での説明に準ずるため、ここでの説明を省略する。
図18(a)は、放熱モジュール901を略正面側から見た斜視図である。放熱モジュール901は、カメラ本体902に対してネジ等(不図示)によって着脱可能である。放熱モジュール901の前面913には、突出部911、受熱部914及び拡張接点パッド915が設けられている。拡張接点パッド915は、カメラ本体902と電気信号及び電源をカメラ本体902へ伝送する。突出部911の機能については、後述する。
図18(b)は、カメラ本体902を略背面側から見た斜視図である。カメラ本体902の背面側には、後部カバー920、背面放熱部921、拡張接点パッド922及び背面凹部923が設けられている。放熱モジュール901をカメラ本体902に接続した状態で、放熱モジュール901の拡張接点パッド915はカメラ本体902の拡張接点パッド922と接触する。突出部911は、カメラ本体902に設けられた背面凹部923と嵌合する。カメラ本体902の底面側には、底面放熱部924と、底面凹部925が設けられている。カメラ本体902にリグ500を接続する際に、底面凹部925はリグ凸部508と嵌合する。
図19(a)は、カメラ本体902のYZ断面図である。カメラ本体902の背面側に設けられた背面放熱部921は、背面付勢ばね929によって背面側に付勢されて、外装部材の一部をなす後部カバー920に当接している。カメラ本体902の底面側に配置されている底面可動放熱部946は、底面付勢ばね945によって底面側(Y軸負方向)に付勢されて、底面放熱部924に当接している。背面と底面とが交差する角部近傍には、X軸方向を軸方向とする回転軸部931を中心として回動可能なシーソー部930が配置されている。
シーソー部930は、カメラ本体902に対する放熱モジュール901及び/又はリグ500の接続状況に応じて、背面放熱部921と底面放熱部924の位置を調整する位置調整手段である。シーソー部930は、背面側に配置される第1腕部932と、底面側に配置される第2腕部933を有する。シーソー部930は、カメラ本体902に放熱モジュール901やリグ500が接続されていない状態では、図19(a)に示す中立位置にある。
カメラ本体902にレンズユニット103が接続された状態での撮像時等の使用時における放熱は、以下の通りに行われる。すなわち、図19(a)に示されるように、メイン基板926上で発生した熱は、放熱ゴム927を介して背面放熱板928へ伝わる。ここで、背面付勢ばね929は、例えば、金属からなり、高い熱伝導性を有する。そのため、背面放熱板928に伝わった熱は、背面付勢ばね929を介して背面放熱部921へ伝わる。背面放熱部921は背面付勢ばね929により後部カバー920に当接しているため、背面放熱部921から後部カバー920へ熱が伝わる。こうして、背面放熱部921と後部カバー920から外気への放熱が行われる。
一方、撮像センサ等からの熱が伝達された底面側基板942から放熱ゴム(不図示)等を介して底面側放熱板944へ熱が伝わる。ここで、底面付勢ばね945は、例えば、金属からなり、高い熱伝導性を有する。そのため、底面側放熱板944へ伝わった熱は、底面付勢ばね945を介して底面可動放熱部946に伝わる。底面可動放熱部946は底面付勢ばね945により底面放熱部924と当接しているため、底面可動放熱部946から底面放熱部924へ熱が伝わる。こうして、底面放熱部924から外気への放熱が行われる。更に、底面放熱部924から外装部材へ熱が伝わることで、外装部材から外気への放熱も行われる。このように、カメラ本体902は、複数の熱伝達経路を通じて、カメラ本体902全体に熱を分散させて外気へ放熱を行う構成となっている。
図19(b)は、カメラ本体902に放熱モジュール901が接続された状態を示すYZ断面図である。カメラ本体902に放熱モジュール901が接続されると、カメラ本体902の背面放熱部921と放熱モジュール901の受熱部914が当接する。これにより、背面放熱部921から受熱部914へ熱が伝わり、放熱モジュール901内での熱交換によって外気への放熱が行われる。放熱モジュール901内での熱交換は、例えば、放熱モジュール101内での熱交換と同様に行われ、ここでの説明を省略する。
また、カメラ本体902に放熱モジュール901が接続されると、放熱モジュール901の突出部911がカメラ本体902の背面凹部923に挿入される。これにより、矢印951で示すように、シーソー部930の第2腕部933が突出部911によってY軸正方向に押し上げられる。つまり、シーソー部930は回転軸部931を中心として図19(b)での時計まわり方向に回転し、その結果、第2腕部933により底面可動放熱部946がY軸正方向に持ち上げられることで、底面放熱部924への熱伝達経路が遮断される。これによりカメラ本体902の内部で発生する熱を効率的に放熱モジュール901へ伝達することが可能となることで、発熱量の大きくなる撮影条件であっても、問題なく撮影を続けることが可能になる。また、底面部への熱伝達経路が遮断されて外装部材への伝熱が抑制されることで、外装部材の温度上昇を抑制することができるため、カメラ本体902を把持したユーザが不快に感じるのを防ぐことができる。
図20は、カメラ本体902にリグ500が接続された状態を示すYZ断面図である。カメラ本体902にリグ500が接続されると、カメラ本体902の底面放熱部924がリグ500の受熱部506と接触し、これにより底面放熱部924から受熱部506への伝熱が生じて、リグ500から外気への放熱が行われる。リグ500による放熱について、第1実施形態で説明済みであるため、ここでの説明を省略する。
また、リグ500に設けられたリグ凸部508がカメラ本体902の底面凹部925に挿入されると、リグ凸部508がシーソー部930の第1腕部932に当接する。これにより、矢印952で示されるように、シーソー部930が回転軸部931を中心として反時計まわり方向に回動することで、第1腕部932が背面放熱部921を正面側へ動かす。その結果、背面放熱部921から後部カバー920への伝熱が抑制され、カメラ本体902の内部で発生する熱は効率的に底面放熱部924からリグ500へ伝達されて、リグ500から外気へ放熱されるようになる。
図21は、カメラ本体902に放熱モジュール901及びリグ500が接続された状態を示すYZ断面図である。カメラ本体902に放熱モジュール901とリグ500が接続された状態では、リグ凸部508と突出部911がそれぞれ弾性的に変形することにより、シーソー部930は中立位置に戻る。その結果、カメラ本体902内で発生した熱は、放熱モジュール901とリグ500へ伝達されて、外気へ放熱される。
上記説明の通り、第4実施形態では、放熱モジュール901やリグ500等がカメラ本体902に接続された場合に、カメラ本体902に対する接続位置に応じて熱伝達経路を切り替える。これにより、外装部材への伝熱を抑制することができ、また、発熱量の大きい撮影条件でも放熱を効率的に行ってカメラ本体902の内部温度が上昇するのを抑制することが可能になる。
なお、第4実施形態での上記構成では、リグ凸部508や突出部911によって機械的に熱伝達経路を変更したが、これに限られず、電気的に熱伝達経路を変更する構成や圧電素子等により熱伝達経路を変える構成としてもよい。また、カメラ本体902には、内部で発生した熱を各種の部材を介して伝達、放熱する構造を採用しているが、これに限れず、ファン等での送風による放熱方式を用い、放熱モジュール901やリグ500等の接続位置に応じて空気経路を遮断する構成としてもよい。
<第5実施形態>
図22(a)は、第5実施形態に係るシステムカメラ1000を略正面側から見た分解斜視図である。図22(b)は、システムカメラ1000を略背面側から見た分解斜視図である。システムカメラ1000は、レンズユニット103、カメラ本体1200、放熱モジュール1100及びバッテリパック1150を有する。図23(a)は、カメラ本体1200に放熱モジュール1100とバッテリパック1150を接続した状態を略背面側から見た斜視図である。図23(b)は、カメラ本体1200にバッテリパック1150を直接接続した状態を略背面側から見た斜視図である。
カメラ本体1200は、背面側の構成が第1実施形態で説明したカメラ本体102と異なるが、その他の構成はカメラ本体102と同じであり、ここではカメラ本体102と共通する構成についての説明は省略する。カメラ本体1200の背面の幅方向端(X軸方向端)には、Y軸方向を長手方向とする係合凹部1201が設けられており、係合凹部1201は各種モジュールの着脱に用いられる。カメラ本体1200の背面中央部には背面放熱部1202が設けられており、背面放熱部1202のX軸方向側には背面放熱部1202の表面よりも背面側に突出したレール部1203a,1203bが設けられている。レール部1203a,1203bと背面放熱部1202は、Y軸方向から見たときに重ならないように配置されている。レール部1203a,1203bには孔部が形成されており、それらの孔部からは電気接点部1204がZ軸負方向に突出している。
放熱モジュール1100の前面のX軸方向端には、カメラ本体1200に設けられた係合凹部1201と係合する係合凸部1106が設けられている。放熱モジュール1100のカメラ本体1200に対する着脱は、係合凹部1201と係合凸部1106との係合/係合解除により行われる。また、放熱モジュール1100の前面1107には、Z軸正方向へ突出する受熱部1108が設けられており、放熱モジュール1100がカメラ本体1200に接続された状態では、受熱部1108は背面放熱部1202に当接する。X軸方向において受熱部1108と係合凸部1106との間には、前面1107から突出するように電気接点部1109が設けられている。なお、放熱モジュール1100の内部構成は、第1実施形態で説明した放熱モジュール101と同様であり、ここでの説明を省略する。放熱モジュール1100の内部では、第1実施形態と同様に受熱部1108と外気(空気)との熱交換が行われる。
放熱モジュール1100の背面には、カメラ本体1200の背面に設けられた係合凹部1201と同等の係合凹部1114と、電気接点部1204と同等の電気接点部1113が設けられている。
バッテリパック1150は、カメラ本体1200に電源を供給するモジュールである。バッテリパック1150の前面のX軸方向端には、放熱モジュール1100の係合凸部1106と同等の係合凸部1151が設けられている。これにより、バッテリパック1150は、カメラ本体1200の背面に対して着脱可能であり(図23(b))、また、放熱モジュール1100の背面に対しても着脱可能となっている(図23(a))。また、バッテリパック1150の前面には、放熱モジュール1100の電気接点部1109と同等の電気接点部1152が設けられている。バッテリパック1150がカメラ本体1200に接続された状態では、電気接点部1152は電気接点部1204と当接する。バッテリパック1150が放熱モジュール1100に接続された状態では、電気接点部1152は電気接点部1113と当接する。
なお、カメラ本体1200に放熱モジュール1100を接続せずにバッテリパック1150を直接接続した構成は、使用環境温度や撮影動作モードとの関係でカメラ本体1200の内部温度の上昇が保障温度に対して余裕のある場合の使用態様の1つである。
図24(a)は、カメラ本体1200に放熱モジュール1100とバッテリパック1150を接続した状態を示す断面図である。カメラ本体1200に放熱モジュール1100を接続した状態では、背面放熱部1202と受熱部1108が当接して、矢印1280で示すように、背面放熱部1202から受熱部1108へ熱が伝わる。放熱モジュール1100の内部では放熱モジュール101と同様の熱交換が行われ、これにより外気への放熱が行われる。
図24(b)は、カメラ本体1200にバッテリパック1150を接続した状態を示す断面図である。カメラ本体1200にバッテリパック1150を接続すると、カメラ本体1200の背面とレール部1203a,1203b及びバッテリパック1150の前面によって囲まれ、Y軸方向に開口した空洞部1220が形成される。カメラ本体1200の内部で発生した熱は背面放熱部1202へ伝わり、背面放熱部1202により空洞部1220内の空気へ放熱が行われる。空洞部1220内の空気の温度が上昇すると、煙突効果により、空洞部1220内に矢印1290で示す空気の流れが生じて、空洞部1220内の暖められた空気は空洞部1220のY軸正方向側の開口から放出される。そして、その代わりに、外気が空洞部1220のY軸負方向側の開口から空洞部1220へ流れ込む。こうして、外気への連続的な放熱が行われる。このとき、背面放熱部1202はバッテリパック1150とは直接には接触していないため、バッテリパック1150の温度上昇を抑制することができる。
図24(c)は、カメラ本体1200の背面図である。カメラ本体1200では、一方のレール部1203bは、他方のレール部1203aよりもY軸方向長さが短い。これにより、2本のレール部1203a,1203bのY軸方向長さが同じ場合には、矢印1252で示す方向に空気が流れる。これに対して、レール部1203a,1203bのY軸方向長さを異ならせることで、矢印1251,1253で示す方向での空気の流れが生じる。これにより、カメラ本体1200の底面や上面を覆うアクセサリがカメラ本体1200に接続されても、空洞部1220を塞ぐことなく、放熱を行うことが可能となる。但し、これに限定されるものではなく、2本のレール部1203a,1203bのY軸方向長さは同じであってもよい。
<第6実施形態>
図25(a)は、第6実施形態に係るシステムカメラ1300を略背面側から見た分解斜視図である。図25(b)は、システムカメラ1300を略正面側から見た分解斜視図である。システムカメラ1300は、カメラ本体1310と、放熱モジュール1350を有する。図26は、カメラ本体1310の分解斜視図である。
カメラ本体1310の背面には、後部カバー1313が取り付けられている。後部カバー1313は、複数の溝部1311aがY軸方向に沿うように形成された背面放熱部1311と、背面放熱部1311の表面を覆うように配置された保護部材1312とを有する。保護部材1312は、背面放熱部1311よりも熱伝導率の小さい材料、例えば、樹脂で形成されている。そして、保護部材1312には、複数の溝部1311aと対応するようにY軸方向に沿った長孔部1312aが形成されている。つまり、保護部材1312は、背面放熱部1311において複数の溝部1311aの間に形成される凸部(最外表面)を覆っている。後部カバー1313には、複数の空洞部1313aが背面放熱部1311の溝部1311aと連通するように形成されている。
図27は、カメラ本体1310に放熱モジュール1350が接続された状態を示す側面図である。図28(a)は、図27に示す矢視B-Bの断面図である。図28(b)は、図28(a)に示す領域Cの拡大図である。放熱モジュール1350の前面1352には、Y軸方向に沿った複数の凸形状部1351aが形成された受熱部1351が設けられており、凸形状部1351aは前面1352から突出している。カメラ本体1310に放熱モジュール1350が接続されると、複数の凸形状部1351aは、後部カバー1313に設けられた溝部1311a及び保護部材1312の長孔部1312aとが嵌合して、背面放熱部1311と受熱部1351が密着する。このとき、凸形状部1351aは、保護部材1312に設けられた長孔部1312aを挿通して、溝部1311aに当接している。その際、凸形状部1351aが溝部1311aと確実に当接するように、保護部材1312と前面1352との間にはクリアランスJ1が設けられている。また、同様の目的で、凸形状部1351aと溝部1311aには、接続方向となるZ軸方向に対して角度J2が設けられている。なお、放熱モジュール1350の内部構成は第1実施形態で説明した放熱モジュール101に準じており、受熱部1351は、放熱モジュール1350の内部に流入した空気へ放熱を行い、暖められた空気が放熱モジュール1350から排出される。
図29(a)は、カメラ本体1310の背面図である。図29(b)は、図29(a)に示す矢視D-Dの断面図である。保護部材1312の長孔部1312aは、背面放熱部1311の溝部1311aを介して後部カバー1313に設けられた空洞部1313aに連通している。こうしてカメラ本体1310には、長孔部1312a、溝部1311a及び空洞部1313aにより、外気(外部環境)と通じる空気流路が形成されている。
カメラ本体1310に放熱モジュール1350が接続されていない場合、カメラ本体1310の内部で発生して背面放熱部1311に伝わった熱は、矢印1380で示されるように、背面放熱部1311の溝部1311aから空気(流入)に伝達される。こうして暖められた空気(排出)は、空洞部1313aから排出される。よって、放熱モジュール1350が接続されない場合も、カメラ本体1310内部で発生した熱を効率よく外部へ放出して、カメラ本体1310の内部温度の上昇を抑制することが可能となっている。
また、図26に示したように、カメラ本体1310の背面放熱部1311は、樹脂製の保護部材1312で覆われている。そのため、ユーザが背面放熱部1311に対して直接触れることはなく、よって、ユーザが背面放熱部1311に触れて不快に感じるのを防ぐことができる。また、保護部材1312は熱伝導率が小さいため、放熱モジュール1350が接続されていない状態で背面放熱部1311が高温となっても保護部材1312の温度は上がり難く、よって、ユーザが触れても不快に感じ難いようになっている。
上記説明の通り、第6実施形態では、カメラ本体1310の背面に設けられた背面放熱部1311が高温となっても、背面放熱部1311からユーザを保護することができ、しかも、カメラ本体1310単体での効率のよい放熱が可能となっている。なお、カメラ本体1310では、保護部材1312は、樹脂製であるとしたが、熱を伝え難い性質であれば他の材質であってもよい。また、保護部材1312と後部カバー1313とが別部材となっている構成について説明したが、これらは一体的な部品であってもよい。
<第7実施形態>
図30(a)は、第7実施形態に係るシステムカメラ1400を正面上側から見た斜視図である。図30(b)は、システムカメラ1400を正面下側から見た斜視図である。図30(c)は、システムカメラ1400を略背面側から見た斜視図である。システムカメラ1400は、カメラ本体1410と放熱モジュール1450を有する。放熱モジュール1450は、ボルト1460によりカメラ本体1410へ取り付けられる。
図31(a)は、システムカメラ1400を略正面側から見た分解斜視図である。図31(b)は、システムカメラ1400を背面側から見た分解斜視図である。なお、図31(a),(b)では、カメラ本体1410の一部を分解して示している。
カメラ本体1410の上面と底面にはそれぞれ通気口1411が形成されており、通常は、底面の通気口1411は主に吸気口として機能し、上面の通気口1411は主に排気口として機能する。カメラ本体1410において放熱モジュール1450が着脱される背面には、後部カバー1430と放熱部1440が配置されている。放熱部1440は、金属等の熱伝導性の高い材料からなる付勢ばね1420によりZ軸負方向へ付勢され、且つ、Z軸方向で移動可能に配置されている。
後部カバー1430は、拡張接点パッド1437を有する。放熱モジュール1450においてカメラ本体1410に対する装着面となる前面には、受熱部1456と電気接点部1458が設けられている。電気接点部1458は、放熱モジュール1450がカメラ本体1410に接続されると、拡張接点パッド1437と接続される。
図32(a)は、システムカメラ1400の背面図である。図32(b)は、図32(a)に示す矢視E-Eの断面図である。カメラ本体1410の発熱部であるメイン基板1412(メイン基板1412に実装された電子部品)で発生した熱は、放熱ゴム1413を介して放熱板1414へ伝わる。放熱板1414に伝わった熱は、付勢ばね1420を介して放熱部1440へ伝わる。
ここで、放熱モジュール1450の受熱部1456は、付勢ばね1420による付勢力に抗して、放熱部1440をカメラ本体1410の内部へ(Z軸正方向へ)押圧してシフトさせた状態で放熱部1440と接触している。そのため、放熱部1440から後部カバー1430への伝熱が抑制され、放熱部1440からは主に放熱モジュール1450の受熱部1456へ熱が伝わる。放熱モジュール1450の内部構成は第1実施形態で説明した放熱モジュール101に準じており、受熱部1456は、放熱モジュール1450の内部に流入した空気へ放熱し、暖められた空気が放熱モジュール1450から排出される。
図33(a)は、カメラ本体1410の背面図である。図33(b)は、図33(a)に示す矢視F-Fの断面図である。放熱モジュール1450が接続されていない状態でのカメラ本体1410では、付勢ばね1420によりZ軸負方向へ付勢された放熱部1440は後部カバー1430に押し当てられている。これにより、メイン基板1412で発生した熱は、付勢ばね1420を介して放熱部1440へ伝わり、更に後部カバー1430へ伝わって、後部カバー1430から外気へ放熱される。
図34(a)は、カメラ本体1410の側面図である。図34(b)は、図34(a)に示す矢視G-Gの断面図である。カメラ本体1410の上面と底面には通気口1411が形成されているため、底面側の通気口1411からカメラ本体1410の内部へ、図33(b)及び図34(b)に矢印で模式的に示すように、空気が流入する。カメラ本体1410の内部に流入した空気は、放熱部1440や付勢ばね1420からの放熱を受けて暖められた後、図33(b)及び図34(b)に矢印で模式的に示すように、上面側の通気口1411から排出される。
ここで、付勢ばね1420は、図34(b)に示されるように、X軸方向において所定の間隔でずらして配置されている。これにより、カメラ本体1410の内部へ底部の通気口1411から流入した空気は、複数の付勢ばね1420へ効果的に触れることができるため、冷却効率を高めることが可能となっている。なお、付勢ばね1420の配置は、全ての付勢ばね1420に空気が効果的に触れ易い配置であればよく、図34(b)に示す配置形態に限定されるものではない。通気口1411を流れる空気による放熱効果は、放熱モジュール1450の接続の有無に関係なく得ることができるが、特に、放熱モジュール1450が接続されていない使用状態での放熱に重要な役割を果たす。
なお、放熱部1440は、後部カバー1430の外表面よりもZ軸正方向に一段下がった位置で外観に露出するように配置されている。そのため、カメラ本体1410の内部からの伝熱によって温度が上昇した放熱部1440に対してユーザは不用意には触れ難く、これにより、ユーザが放熱部1440に触れて不快に感じるのを防ぐことができる。また、カメラ本体1410にバッテリパック等の他のアクセサリが接続されている場合に、放熱部1440がアクセサリに直接接触することがない。そのため、アクセサリの温度上昇を抑制することが可能になることによって、アクセサリの動作に異常が生じるのを抑制して、アクセサリの信頼性を担保することができる。更に、放熱モジュール1450が接続されていない状態では、付勢ばね1420によって放熱部1440が後部カバー1430に当接して、後部カバー1430の開口が放熱部1440によって密閉される構造となっている。そのため、カメラ本体1410の内部への外部からの塵埃等の侵入を防止することができる。
上記説明の通り、第7実施形態によれば、カメラ本体1410に放熱モジュール1450が接続されていない状態であっても、カメラ本体1410の内部で発生した熱が、後部カバー1430又は通気口1411から放熱される。これにより、カメラ本体1410の内部温度の上昇を抑制することができる。
<第8実施形態>
図35(a)は、第8実施形態に係るシステムカメラ1500を正面上側から見た斜視図である。図35(b)は、システムカメラ1500を略底面側から見た斜視図である。システムカメラ1500は、レンズユニット103、カメラ本体1510及び放熱モジュール1550を有する。図36(a)は、システムカメラ1500を略背面側から見た分解斜視図である。図36(b)は、システムカメラ1500を略正面側から見た分解斜視図である。なお、図36(a),(b)では、レンズユニット103の図示を省略している。
放熱モジュール1550は、ボルト1560によりカメラ本体1510に対して接続可能である。カメラ本体1510の背面には、背面放熱部1540と、カメラ本体1510の外装部一部を構成する後部カバー1530が配置されており、後部カバー1530には拡張接点パッド1537が設けられている。放熱モジュール1550は、底面通気口1555と、上面通気口1557と、受熱部1556と、電気接点部1559を備えている。放熱モジュール1550がカメラ本体1510に接続された状態で、受熱部1556は背面放熱部1540と接触し、電気接点部1559は拡張接点パッド1537と接触する。
図37(a)は、システムカメラ1500の背面図である。図37(b)は、図37(a)に示す矢視H-Hの断面図である。なお、図37(b)では、放熱に実質的に関与しない部品等の図示を省略している。カメラ本体1510の内部に配置されているメイン基板1512は、発熱部となる複数の半導体素子等を実装しており、カメラ本体1510の内部での発熱部となっている。メイン基板1512で発生した熱は、矢印1580で示されるように放熱ゴム1513を介して背面放熱部1540へ伝えられる。背面放熱部1540に伝わった熱は、矢印1590で示されるように、放熱モジュール1550の受熱部1556へ伝わる。
図38(a)は、放熱モジュール1550の側面図である。図38(b)は、図38(a)に示す矢視I-Iの断面図である。放熱モジュール1550の内部には、Y軸方向を長手方向とする放熱フィン1558が設けられており、受熱部1556から放熱フィン1558へ熱が伝わる構造となっている。放熱モジュール1550は、第1実施形態で説明した放熱モジュール101と同様に、煙突効果により、放熱フィン1558へ伝わった熱を外気へ放出される。すなわち、放熱モジュール1550では、底面通気口1555から放熱モジュール1550の内部へ流入した空気が、放熱フィン1558からの熱を受けて暖められて、上面通気口1557から排出される。こうして、カメラ本体1510の内部で発生した熱が放熱モジュール1550から排出されることにより、カメラ本体1510の内部温度の上昇が抑制される。
図39(a)は、カメラ本体1510へ保護ユニット1570を取り付けた状態を略正面側から見た斜視図である。図39(b)は、カメラ本体1510へ保護ユニット1570を取り付けた状態を略背面側から見た斜視図である。カメラ本体1510に放熱モジュール1550が接続されていない状態では、カメラ本体1510の背面に拡張接点パッド1537や背面放熱部1540が露出した状態となるため、これらを保護するため保護ユニット1570を接続することが望ましい。また、放熱モジュール1550が接続されていない状態でカメラ本体1510を使用すると、局所的に高温となる背面放熱部1540が露出した状態となるため、ユーザを背面放熱部1540から保護する必要もある。一方で、ユーザに不快感を与えることなく、メイン基板1512から背面放熱部1540に伝わった熱を放熱する必要もある。そこで、保護ユニット1570は、以下に説明するように、背面放熱部1540の熱をカメラ本体1510の外装部材に伝えて、外装部材から外気へ放熱することが可能な構造を有している。
図40(a)は、保護ユニット1570を略正面側から見た斜視図である。図40(b)は、保護ユニット1570を略背面側から見た斜視図である。保護ユニット1570の前面には、金属等の熱伝導率の大きい材料で形成された受熱部1571となっており、保護ユニット1570の背面側は樹脂等の断熱性の高い(熱伝導率の小さい)材料で形成された断熱部1572となっている。受熱部1571は、カメラ本体1510に保護ユニット1570が接続された状態で背面放熱部1540と接触する受熱面1573(第1の接触面)と、カメラ本体1510の後部カバー1530と接触する熱拡散面1574(第2の接触面)を有する。
図41(a)は、カメラ本体1510に保護ユニット1570を取り付けた状態での背面図である。図41(b)は、図41(a)に示す矢視K-Kの断面図である。カメラ本体1510に保護ユニット1570を直接接続した場合、メイン基板1512で発生した熱は、矢印1580で示されるように放熱ゴム1513を介して背面放熱部1540へ伝えられる。背面放熱部1540に伝わった熱は、矢印1590で示されるように保護ユニット1570の受熱面1573の受熱部1571へ伝わる。受熱面1573へ伝わった熱は、矢印1595で示すように熱拡散面1574からカメラ本体1510の後部カバー1530へ伝わる。これにより、後部カバー1530から外気への放熱を行うことが可能となる。また、カメラ本体1510に保護ユニット1570が接続されている状態では、受熱部1571の温度が上昇しても、外観に広く露出する断熱部1572の温度上昇は抑制される。よって、ユーザが受熱部1571に直接触れるリスクを軽減することができる。
なお、保護ユニット1570としてカメラ本体1510の背面のほぼ全体を覆うものについて説明したが、拡張接点パッド1537が露出する構成として、保護ユニット1570が接続された状態で更にバッテリパックの接続が可能な構成としてもよい。
保護ユニット1570は、カメラ本体1510の底面部に対しても着脱可能な構造となっている。図42は、カメラ本体1510の底面部に保護ユニット1570が接続された状態を示す側面図である。図42に示すように、カメラ本体1510に接続された放熱モジュール1550の底面と保護ユニット1570の上面との間には空間1585が形成されるようになっている。よって、放熱モジュール1550の底面に設けられた底面通気口1555が保護ユニット1570によって塞がれることがないため、放熱モジュール1550での放熱性能が低下することはない。なお、保護ユニット1570をカメラ本体1510の底部に接続した状態とすることで、カメラ本体1510の底面部の損傷を防止すると共に放熱モジュール1550の使用時における保護ユニット1570の紛失を防止することも可能になる。
上記説明の通り、第8実施形態では、カメラ本体1510に対して保護ユニット1570の着脱を可能とし、保護ユニット1570が接続された状態ではカメラ本体1510の内部で発生した熱を後部カバー1530から放熱可能な構成としている。これにより、カメラ本体1510の内部温度の上昇を抑制することができる。また、カメラ本体1510の背面に放熱モジュール1550を接続し、カメラ本体1510の底面に保護ユニット1570を接続した構成とした場合でも、放熱モジュール1550による放熱性能を低下させることがない。
<第9実施形態>
図43(a)は、第9実施形態に係るシステムカメラ7000を略正面側から見た分解斜視図である。図43(b)は、システムカメラ7000を略背面側から見た分解斜視図である。システムカメラ7000は、レンズユニット103、カメラ本体7100及び放熱モジュール7200から構成されている。
カメラ本体7100の前面には、レンズユニット103を接続するためのレンズマウント7101が配置されている。レンズマウント7101は、レンズ電気接点部7102とレンズ着脱ノブ7103を有する。レンズ電気接点部7102は、レンズユニット103の着脱を検知して、カメラ本体7100とレンズユニット103との間の通信を制御する。レンズ着脱ノブ7103は、レンズユニット103の着脱を行うための操作部材である。なお、レンズマウント7101は、第1実施形態で説明したレンズマウント105と実質的に同一である。カメラ本体7100の内部であってレンズマウント7101の略背面側となる位置には、撮像素子(不図示)と、撮像素子から出力される映像信号(画像信号)を所定のフォーマットの信号に変換するセンサ基板(不図示)が配置されている。
カメラ本体7100の背面には、モジュール接続ユニット7111、係合孔7112、外部接続端子群7113及び電源端子7114が設けられている。モジュール接続ユニット7111は、カメラ本体7100と放熱モジュール7200とを電気的に接続すると共に熱的に接続するユニットであり、詳細は後述する。係合孔7112は、カメラ本体7100と放熱モジュール7200とを機械的に固定するための部位である。外部接続端子群7113は、不図示の外部装置を接続するためのインタフェースである。電源端子7114は、ACアダプタ等やバッテリパックを接続するためのインタフェースである。
カメラ本体7100の右側面(X軸正方向側の面)には、操作ボタン群7106、RECボタン7107、電源スイッチ7108、記憶媒体収納蓋7110が設けられている。操作ボタン群7106は、ユーザの操作によってカメラ本体7100に所定の動作を実行させる操作手段である。記憶媒体収納蓋7110を開けた状態で、カメラ本体7100に対する不図示のメモリカード等の記憶媒体の着脱が可能となる。
放熱モジュール7200の前面には、第1接続ユニット7201と係合爪7202が設けられている。第1接続ユニット7201は、カメラ本体7100と放熱モジュール7200とを電気的、熱的に接続するためのユニットである。係合爪7202は、カメラ本体7100と放熱モジュール7200とを機械的に固定するための部材である。なお、係合爪7202は、放熱モジュール7200の内部に配置された付勢部材(不図示)によって、下方(Y軸負方向)に付勢されている。
放熱モジュール7200の上面(Y軸正方向側)には、ファン7203と、ファン7203の駆動によって放熱モジュール7200内の空気を外部に放出するための排気口7204が設けられている。放熱モジュール7200の両側面(X軸正・負方向の各面)には、吸気口7205とロック解除レバー7206が設けられている。ファン7203の駆動によって、外部から吸気口7205を通じて空気が放熱モジュール7200に流入する。ロック解除レバー7206は、係合爪7202を上方(Y軸正方向)へ持ち上げるための部材である。放熱モジュール7200の背面には、第2接続ユニット7207が配置されると共に係合孔7208が設けられている。第2接続ユニット7207は、放熱モジュール7200の背面に接続可能なバッテリパックやレコーダモジュール等の各種のモジュールを機械的及び/又は電気的に接続するためのユニットである。係合孔7208は、係合孔7112と同様に、放熱モジュール7200の背面に接続される各種モジュールを放熱モジュール7200に対して機械的に固定するための部位である。
図44は、カメラ本体7100が備えるモジュール接続ユニット7111とその周辺部の構成を示す分解斜視図である。図45(a)は、モジュール接続ユニット7111とその周辺の第1の側面図(X軸正方向へ向かう視点での側面図)である。図45(b)は、モジュール接続ユニット7111とその周辺の第2の側面図(X軸負方向へ向かう視点での側面図)である。図46は、図45(b)に示す矢視L-Lの断面図である。図47は、モジュール接続ユニット7111とその周辺部の背面図である。
モジュール接続ユニット7111は、Z軸正方向に向かって順番に配置される、電気接点部ホルダ7122、接点部保護部材7119、電気接点部7120が実装された接点部基板7121、接点部放熱板7124及び接点部放熱ゴム7125aを有する。接点部保護部材7119と接点部基板7121は、接点部保護部材7119の中空部7119aに電気接点部7120が挿入された状態で、電気接点部ホルダ7122にネジ止めして固定される。接点部放熱板7124は、Z軸投影上で接点部基板7121を覆うように(Z軸方向から見たときに接点部基板7121と重なるように)、電気接点部ホルダ7122にネジ止めして固定される。接点部放熱板7124において接点部基板7121と対面する面の反対側の面(Z軸正方向側の面)には、接点部放熱ゴム7125aが貼り付けられている。
カメラ本体7100の内部には、カメラ本体7100の動作を制御するためのメイン基板7128と、メイン基板7128に実装された各種の電子部品等で発生する熱を放熱するためのメイン基板放熱板7129が配置されている。メイン基板7128には、主要な発熱部となる第1のCPU7130と第2のCPU7131が実装されている。第1のCPU7130と第2のCPU7131はそれぞれ、メイン基板放熱板7129への伝熱を行うためのメイン基板放熱ゴム7132と接触する。
メイン基板放熱板7129、メイン基板放熱ゴム7132及びメイン基板7128は、この順番でZ軸に沿ってZ軸正方向へ向けて、互いに略平行に配置される。メイン基板放熱ゴム7132と接点部放熱ゴム7125aとは、Z軸方向においてメイン基板放熱板7129を挟んで対向する位置に配置される。また、接点部基板7121とメイン基板7128とは、ワイヤやフレキシブル基板(不図示)等によって電気的に接続されており、映像信号の送受信や電源電力の供給等が行われる。
第1のCPU7130と第2のCPU7131で発生した熱は、メイン基板放熱ゴム7132とメイン基板放熱板7129を介して接点部放熱ゴム7125aへ伝わり、更に接点部放熱板7124を介して電気接点部ホルダ7122へ伝わる。電気接点部ホルダ7122の接点部接触面7122aはカメラ本体7100の外観に露出するが、背面カバー7123の外表面である背面7123bや、接点部接触面7122aを囲む凸状の四角枠部7123eよりも内側(Z軸正方向側)で露出している。
ここで、接点部接触面7122aは、電気接点部7120を囲む四角枠形状を有しており、カメラ本体7100の周囲の外気へ放熱を行うことが可能となっている。また、第1のCPU7130及び第2のCPU7131で発生した熱は、メイン基板放熱ゴム7132とメイン基板放熱板7129と放熱ゴム7125bを介して側面カバー7118へ伝わり、側面カバー7118から外気への放熱を行うことが可能となっている。
なお、電気接点部ホルダ7122は例えばアルミニウムダイカストのような熱伝導率の大きい材料で形成されており、これにより、接点部放熱板7124に伝わった熱を効率よく外気へ放出することが可能となっている。一方、背面カバー7123や接点部保護部材7119は熱伝導率の小さい樹脂材料等で形成されており、電気接点部ホルダ7122からの熱が伝わり難く、温度上昇が抑制される構成となっている。
続いて、放熱モジュール7200及びその周辺部の構成について説明する。図48は、放熱モジュール7200の分解斜視図である。図49(a)は、放熱モジュール7200を構成する第1接続ユニット7201及びその周辺部の構成を示す側面図である。図49(b)は、図49(a)に示す矢視M-Mの断面図である。図50は、放熱モジュール7200の背面図である。
第1接続ユニット7201は、前面からZ軸負方向に向かって順に、前面接点部ホルダ7222、前面電気接点部7220が実装された前面接点部基板7221、ヒートシンク7223及び放熱板7224が、互いに略平行に配置されて構成されている。前面接点部ホルダ7222は、中空部7222eに前面電気接点部7220が挿通された状態で、ヒートシンク7223にネジ止めして固定される。また、前面接点部基板7221も、ヒートシンク7223にネジ止めして固定される。
第1接続ユニット7201には、ヒートシンク7223と放熱板7224により、空気の吸入口7231と排出口7232を有するダクト状の空気流路が形成されている。吸入口7231は、吸気口クッション7227を介して前カバー7228に形成されている吸気口7205と連通する。また、排出口7232は、ファン7203及び排気口クッション7226を介して、放熱モジュール7200の外観に現れている排気口7204と連通する。ファン7203が駆動すると、空気が吸気口7205から放熱モジュール7200の内部に流入し、ヒートシンク7223との間で熱交換が行われた後、排気口7204から外部へ排出される。ヒートシンク7223は、熱交換効率を高めるために、空気が流れる方向であるY軸方向に延在する複数のフィン部7223aを有する。
前面接点部ホルダ7222の前接触面7222a(図51(a)参照)は、外観に露出し、また、凸状の四角枠部7228eの先端よりも内側(Z軸負方向側)に位置する。前接触面7222aは、前面電気接点部7220を囲む四角枠形状を有する。また、前面接点部ホルダ7222とヒートシンク7223は、例えば、アルミニウムダイカストのような熱伝導率の大きい材料で形成されており、ネジ止め固定されている両者間で伝熱可能な構造となっている。一方、前カバー7228は、熱伝導率の小さい樹脂材料等で形成されており、前面接点部ホルダ7222からの熱が伝わり難く、よって、温度上昇が抑制される構成となっている。
第2接続ユニット7207は、モジュール接続ユニット7111と同様の構造を有している。第2接続ユニット7207は、Z軸負方向に向かって順に配置された、背面接点部ホルダ7242、背面接点部保護部材7239、背面電気接点部7240を実装した背面接点部基板7241、背面接点部放熱板7244及び背面接点部放熱ゴム7245を有する。背面接点部保護部材7239の中空部7239aに背面電気接点部7240が挿入された状態で、背面接点部保護部材7239及び背面接点部基板7241は背面接点部ホルダ7242にネジ止めして固定される。背面接点部放熱板7244は、Z軸投影上で背面接点部基板7241を覆うように、背面接点部ホルダ7242にネジ止めして固定される。背面接点部放熱板7244において背面接点部基板7241と対面する面の反対側には、背面接点部放熱ゴム7245が貼り付けられている。
背面接点部接触面7242aは、放熱モジュール7200の外観に露出するが、背面カバー7229の背面や背面接点部接触面7242aを囲む凸状の四角枠部7229eよりも内側(Z軸正方向)に位置する。なお、背面接点部ホルダ7242は、例えば、アルミニウムダイカストのような熱伝導率の大きい材料で形成されている。一方、背面カバー7229の背面や背面接点部保護部材7239は、熱伝導率の小さい樹脂材料等で形成されている。前面接点部基板7221と背面接点部基板7241とは、ワイヤ又はフレキシブル基板(不図示)等によって電気的に接続されており、映像信号の送受信や電源電力の供給等が行われる。
こうして、放熱モジュール7200の第1接続ユニット7201と第2接続ユニット7207との間で電気的な接続が行われる。よって、放熱モジュール7200の背面側にレコーダモジュール等の別のモジュールを接続した場合に、別のモジュールをカメラ本体7100に電気的に接続することができる。
次に、カメラ本体7100に放熱モジュール7200が接続された状態での放熱構造について説明する。図51(a)は、カメラ本体7100に放熱モジュール7200が接続される前の状態を示す部分的な断面図であり、カメラ本体7100の背面側と放熱モジュール7200の正面側のZX断面(Y軸と直交する面)が示されている。図51(b)は、カメラ本体7100に放熱モジュール7200が接続された状態を部分的な断面図であり、カメラ本体7100の背面側と放熱モジュール7200の正面側のZX断面(Y軸と直交する面)が示されている。なお、図51(a),(b)での断面位置は、図46の断面位置と同じである。
カメラ本体1700の接点部接触面7122aは、接点部保護部材7119と凸状の四角枠部7123eよりも正面側で露出している。また、放熱モジュール7200の前接触面7222aは、凸状の四角枠部7228eの先端よりも背面側で露出している。カメラ本体7100に放熱モジュール7200を接続する場合、カメラ本体7100のモジュール接続ユニット7111と放熱モジュール7200の第1接続ユニット7201とをZ軸方向で対面させる。そして、放熱モジュール7200をカメラ本体7100に押し込むと、背面カバー7123の凹部傾斜面7123dと前カバー7228の凸部傾斜面7228dによってカメラ本体7100と放熱モジュール7200のX軸方向及びY軸方向の位置がガイドされる。これにより、カメラ本体7100と放熱モジュール7200の大凡の位置が決まる。
その後、モジュール接続ユニット7111の電気接点部7120と第1接続ユニット7201の前面電気接点部7220とが嵌合し、接点部接触面7122aと前接触面7222aとが接触する。このとき、凸状の四角枠部7228eは、電気接点部ホルダ7122と背面カバー7123とで形成される凹領域7133に位置する。そして、カメラ本体7100の係合孔7112と放熱モジュール7200の係合爪7202とが係合することで、カメラ本体7100と放熱モジュール7200は接続される。
ここで、カメラ本体7100の電気接点部7120と放熱モジュール7200の前面電気接点部7220とはフローティング構造を有している。こうして、電気接点部ホルダ7122や前面接点部ホルダ7222の寸法ばらつきや、電気接点部7120と前面電気接点部7220のそれぞれの実装ズレを吸収して、カメラ本体7100と放熱モジュール7200を接続することが可能となっている。
メイン基板7128に実装された第1のCPU7130と第2のCPU7131で発生した熱は、メイン基板放熱ゴム7132を介してメイン基板放熱板7129へ伝わる。メイン基板放熱板7129に伝わった熱は、多くが接点部放熱ゴム7125aを介して接点部放熱板7124と電気接点部ホルダ7122へ伝わり、一部が放熱ゴム7125bを介して側面カバー7118へ伝わる。電気接点部ホルダ7122に伝わった熱は、接点部接触面7122aから前接触面7222aへ伝わり、前面接点部ホルダ7222からヒートシンク7223へ伝わる。ヒートシンク7223に伝わった熱の放熱については、説明済みである。
このように、カメラ本体7100に放熱モジュール7200を接続することにより、メイン基板7128上で発生した熱は、放熱モジュール7200の内部へ伝達された後、外気へ放出される。これにより、カメラ本体7100の内部温度の上昇を抑制することができる。なお、システムカメラ7000では、接点部接触面7122aと前接触面7222aは最外観に突出(露出)していないため、ユーザの手や指は放熱モジュール7200の着脱時に高温になった接点部接触面7122aや前接触面7222aに触れ難い。これにより、ユーザが温度の高い部分に触れて不快に感じるのを防ぐことができる。
また、カメラ本体7100を低負荷(内部での発熱量が小さい状態)で使用する場合、メイン基板7128上で発生した熱は、メイン基板放熱ゴム7132、メイン基板放熱板7129、放熱ゴム7125bを介して、側面カバー7118から外部へ放熱される。つまり、カメラ本体7100を低負荷で使用する際には、放熱モジュール7200を接続しなくとも構わない構造となっている。これにより、カメラ本体7100を大型化させることなく(高い放熱性能を持たせることを必要とすることなく)、高負荷で使用する場合には放熱モジュール7200を接続することで十分な放熱性能が得られるシステムを提供することができる。
<第10実施形態>
図52は、第10実施形態に係るシステムカメラを構成するカメラ本体7400及び放熱モジュール7500の略正面側斜視図である。図53は、放熱モジュール7500の分解斜視図である。図54(a)は、カメラ本体7400に放熱モジュール7500が接続される前の状態を示す部分的な断面図であり、カメラ本体7400の背面側と放熱モジュール7500の正面側のZX断面(Y軸と直交する面)が示されている。図54(b)は、カメラ本体7100に放熱モジュール7200が接続された状態を部分的な断面図であり、カメラ本体7100の背面側と放熱モジュール7200のZX断面(Y軸と直交する面)が示されている。なお、図54(a),(b)での断面位置はそれぞれ、図51(a),(b)の断面位置と同じである。
カメラ本体7400は、第9実施形態で説明したカメラ本体7100とは、背面カバーの構成のみが異なっている。具体的には、カメラ本体7100の背面カバー7123には凹部傾斜面7123dが設けられているが、カメラ本体7400の背面カバー7402には凹部傾斜面7123dが設けられていない。カメラ本体7400のその他の構成は、カメラ本体7100の構成と同様であるため、その説明を省略する。
次に、放熱モジュール7500の構成について説明する。前面接点部ホルダ7505の外観に露出する前接触面7505aは、放熱面接触防止部材7501の露出部7501aよりも内側(Z軸負方向側)に位置している。放熱面接触防止部材7501は、Z軸方向に移動可能に配設されており、Z軸負方向へ向けて押圧されると、前接触面7505aよりもZ軸負方向側となる位置に収納されるようになっている。具体的には、放熱面接触防止部材7501には、ヒートシンク7502のボス7502aと係合する孔部7501bが設けられている。圧縮バネ7503が、ヒートシンク7502と放熱面接触防止部材7501との間においてボス7502aに支持されるように配置されている。放熱面接触防止部材7501には、前面接点部ホルダ7505を覆う中空部7501cが設けられている。前カバー7504には、放熱面接触防止部材7501の露出部7501aが貫通可能な開口部7504aが設けられている。これらの構成により、放熱面接触防止部材7501は、当接面7501dが前カバー7504の当接面7504bに当接する位置まで圧縮バネ7503によりZ軸正方向に付勢される。この付勢力に逆らって放熱面接触防止部材7501がZ軸負方向に押圧されると、圧縮バネ7503が縮み、当接面7501eがヒートシンク7502の当接面7502bに接触する位置まで押し込まれる。
図54(a)に示すように、カメラ本体7400において、電気接点部ホルダ7401の接点部接触面7401aは背面カバー7402よりも内側(Z軸正方向側)で外観に露出している。また、カメラ本体7400に対する放熱モジュール7500の着脱の前後では、放熱モジュール7500の前面接点部ホルダ7505の前接触面7505aは放熱面接触防止部材7501よりも背面側(Z軸負方向側)で外観に露出している。図54(b)に示すように、カメラ本体7400に放熱モジュール7500が接続された状態では、電気接点部7120と前面電気接点部7220とが電気的且つ機械的に接続される。このとき、前述の構成により、放熱面接触防止部材7501の露出部7501aが背面カバー7402によってZ軸負方向に押圧される。これにより、前接触面7505aが放熱面接触防止部材7501よりも正面側に突出した状態となって接点部接触面7401aに接触することで、カメラ本体7400の熱を放熱モジュール7500に伝えることが可能になる。
なお、カメラ本体7400と放熱モジュール7500の接続方法、カメラ本体7400から放熱モジュール7500への伝熱の態様、放熱モジュール7500による外気への放熱の態様については、第9実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、第10実施形態では、放熱モジュール7500における前面接点部ホルダ7505の周囲に退避機構を設けたが、カメラ本体7400における電気接点部ホルダ7401の周囲に退避機構を設けてもよい。また、カメラ本体7400と放熱モジュール7500の双方に同様の退避機構を設けてもよい。
上記説明の通り、第10実施形態でも第9実施形態と同様に、カメラ本体7400に対する放熱モジュール7500の着脱の前後で、ユーザが温度の上昇した前面接点部ホルダ7505や電気接点部ホルダ7401に触れるのを防ぐことができる。また、第10実施形態でも上記の各実施形態と同様に、カメラ本体7400で発生した熱を放熱モジュール7500から効率的に排出することができる。
<第11実施形態>
図55(a)は、第10実施形態に係るシステムカメラを構成するカメラ本体7600及び放熱モジュール7700の略正面側斜視図である。図55(b)は、第10実施形態に係るシステムカメラを構成するカメラ本体7600及び放熱モジュール7700の略背面側斜視図である。図56(a),(b)は、放熱モジュール7500の分解斜視図であり、各図は放熱モジュール7500を見る方向が異なっている。図57(a)は、放熱モジュール7500の可動モジュール7710が非ロック位置にあるときの可動モジュール7710及びその周辺の構造を説明する側面図である。図57(b)は、放熱モジュール7500の可動モジュール7710がロック位置にあるときの可動モジュール7710及びその周辺の構造を説明する側面図である。
図58(a)は、カメラ本体7600に放熱モジュール7700が接続される前の状態を示す部分的な断面図であり、カメラ本体7600の背面側と放熱モジュール7700の正面側のZX断面(Y軸と直交する面)が示されている。図58(b)は、カメラ本体7600に放熱モジュール7700が接続された状態を部分的な断面図であり、カメラ本体7100の背面側と放熱モジュール7200のZX断面(Y軸と直交する面)が示されている。なお、図58(a),(b)での断面位置はそれぞれ、図51(a),(b)の断面位置と同じである。図59は、カメラ本体7600に放熱モジュール7700が接続された状態での背面図である。図60(a)は、図59に示す矢視N1-N1の断面図である。図60(b)は、図59に示す矢視N2-N2の断面図である。
第11実施形態が前述した第9実施形態と大きく相違する点は、カメラ本体7600に対する放熱モジュール7700の着脱機構と、放熱モジュール7700に可動モジュール7710が設けられている点である。以下、これらの相違点を中心に、カメラ本体7600と放熱モジュール7700の構成について説明する。なお、カメラ本体7600及び放熱モジュール7700の各構成部品等であって、第9実施形態で説明したカメラ本体7100及び放熱モジュール7200と共通する部品等については、図55乃至図60において同じ符号を付して重複する説明を省略する。
図55(b)に示すように、カメラ本体7600の背面カバー7602には、放熱モジュール7700を固定するための係合部7602aが設けられている。また、図55(a)に示すように、放熱モジュール7700の前カバー7703には、係合部7602aと係合する被係合部7703aが設けられている。係合部7602aと被係合部7703aは、図59及び図60に示すように、放熱モジュール7700をカメラ本体7600に対してY軸正方向側からY軸負方向側へスライドさせることによって係合可能な構造となっている。
係合部7602aと被係合部7703aが係合し、且つ、ロックノブ7701が非ロック位置にある状態では、カメラ本体7600に対して放熱モジュール7700をY軸正方向へは移動させることは可能であるが、X軸方向とZ軸方向への移動が規制される。つまり、カメラ本体7600に対する放熱モジュール7700の着脱は、ロックノブ7701が非ロック位置にある状態で行うことができる。
ロックノブ7701は、放熱モジュール7700のX軸負方向側の側面に設けられており、Z軸方向にスライド可能である。図55(a)に示すように、ロックノブ7701が非ロック位置(Z軸負方向側)にあるとき、前面接点ホルダ7702の接触面7702aは、前カバー7703よりも背面側(Z軸負方向側)で外観に露出している。一方、図55(b)に示すように、カメラ本体7600の電気接点部ホルダ7601の接点部接触面7601aは、背面カバー7602より内側(Z軸正方向側)で外観に露出している。よって、ロックノブ7701が非ロック位置にある状態では、前述の通りにして、カメラ本体7600に対する放熱モジュール7700の着脱を行うことができる。この状態では、図58(a)に示すように、放熱モジュール7700の前面接点ホルダ7702の接触面7702aは、カメラ本体7600の電気接点部ホルダ7601の接点部接触面7601aと接触していない。
ロックノブ7701を非ロック位置からZ軸正方向にスライドさせると、ロックノブ7701はロック位置に移動する。係合部7602aと被係合部7703aとが係合して放熱モジュール7700がカメラ本体7600に接続された状態で、ロックノブ7701を非ロック位置からロック位置へスライドさせる。すると、放熱モジュール7700の内部に配置された可動モジュール7710がロックノブ7701と一体的にZ軸正方向側に移動する。なお、可動モジュール7710の構成の詳細については後述する。これにより、図58(b)に示すように、前面接点ホルダ7702の接触面7702aが電気接点部ホルダ7601の接点部接触面7601aと接触し、電気接点部ホルダ7601から前面接点ホルダ7702への伝熱が可能となる。なお、カメラ本体7600から放熱モジュール7700への伝熱の態様、放熱モジュール7700での放熱の態様については、第9実施形態と同様のため、説明を省略する。
また、このとき、図60(a)に示されるように、前面接点ホルダ7702に形成された抜け止め凸部7702bと電気接点部ホルダ7601に形成された抜け止め凹部7601bとが係合する。これにより、カメラ本体7600に対して放熱モジュール7700がY軸方向に抜けてしまうことを防止することができる。つまり、可動モジュール7710がロック位置に移した状態では、カメラ本体7600に対する放熱モジュール7700のX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向での動きが規制される。更に、ロックノブ7701が非ロック位置からロック位置へ移動すると、カメラ本体7600の電気接点部7120と放熱モジュール7700の前面電気接点部7220とが機械的且つ電気的に接続される。
続いて、放熱モジュール7700の構成について、図56及び図57を中心に参照して説明する。図56に示すように、可動モジュール7710は、Z軸負方向に向かって順に配置された、前面接点ホルダ7702、前面電気接点部7220が実装された前面接点部基板7221、ヒートシンク7704、ファン7203及び放熱板7224で構成されている。ヒートシンク7704に設けられたバネ掛け部7704aには、トーションバネ7705の一方の端部が取り付けられている。トーションバネ7705の他方の端部は、前カバー7703のバネ取付部7703cに取り付けられる。前カバー7703には、前面接点ホルダ7702が貫通可能な開口部7703bが設けられている。
図57では、ロック位置/非ロック位置を説明するために前カバー7703を不図示としている。ロックノブ7701が背面側(Z軸負方向側)に操作されると、トーションバネ7705の背面側への付勢力がヒートシンク7704のバネ掛け部7704aを介してヒートシンク7704(可動モジュール7710)へ伝わる。これにより、前面接点ホルダ7702が前カバー7703の背面側に隠れる。ロックノブ7701が正面側(Z軸正方向側)に操作されると、トーションバネ7705の正面側(Z軸正方向側)への付勢力がヒートシンク7704のバネ掛け部7704aを介してヒートシンク7704(可動モジュール7710)へ伝わる。これにより、前面接点ホルダ7702が前カバー7703より正面側に突出する。
放熱モジュール7700は、背面熱伝導モジュール7720を有する。図56に示すように、背面熱伝導モジュール7720は、Z軸負方向に向かって順に配置された、背面接点部放熱板7244、背面電気接点部7240が実装された背面接点部基板7241、背面接点部保護部材7239及び背面接点部ホルダ7242を備える。放熱モジュール7700の背面側に更に発熱部を内包するモジュールが接続された場合、そのモジュールで発生した熱は、背面接点部ホルダ7242を介して背面熱伝導モジュール7720へ伝わる。ここで、放熱モジュール7700では、可変性熱伝導シート7706によって可動モジュール7710と背面熱伝導モジュール7720とが接続されている。よって、背面熱伝導モジュール7720から可動モジュール7710へ伝熱が可能となっている。
上記説明の通り、第11実施形態では、カメラ本体7600の電気接点部ホルダ7601の接点部接触面7601aは、背面カバー7602より内側で外観に露出している。また、放熱モジュール7700では、前面接点ホルダ7702が、非使用時には内部に退避する一方でカメラ本体7600に接続された状態でカメラ本体7600側へ突出する。このような構成により、カメラ本体7600に対する放熱モジュール7700の着脱の前後で、ユーザが温度の上昇した電気接点部ホルダ7601や前面接点ホルダ7702に触れるのを防ぐことができる。また、前面接点ホルダ7702と電気接点部ホルダ7601の接続と、カメラ本体7600に対する放熱モジュール7700のロックをロックノブ7701の1回の操作で行うことができることで、操作性が向上する。更に、第11実施形態でも上記の各実施形態と同様に、カメラ本体7600で発生した熱を放熱モジュール7700から効率的に排出することができる。加えて、放熱モジュール7700の背面側にモジュールが接続された場合に、そのモジュールで発生する熱を放熱モジュール7700に伝達させて放熱することができる。
なお、第11実施形態では、放熱モジュール7700に可動モジュール7710を設けた。これに限らず、カメラ本体7600に、電気接点部ホルダ7601を背面カバー7602から退避させる機構を持たせてもよい。更に、放熱モジュール7700に前面接点ホルダ7702の退避機構を持たせ、且つ、カメラ本体7600に電気接点部ホルダ7601の退避機構を持たせた構成としてもよい。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。例えば、上記の実施形態では、カメラ本体の背面側と底面側に放熱可能なモジュールを着脱可能な構成としたが、これに限られず、側面や上面に放熱可能なモジュールを着脱可能な構成としてもよい。