以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)は本発明の電子機器の第1の実施形態であるレンズ交換式のデジタルビデオカメラを正面側から見た斜視図、図1(b)は図1(a)に示すデジタルビデオカメラを背面側から見た斜視図である。なお、本実施形態では、本発明の電子機器として、撮像装置の一例であるデジタルビデオカメラを例示するが、これに限定されない。
本実施形態のデジタルビデオカメラ(以下、カメラという。)は、図1に示すように、カメラ本体1の正面側に、不図示のレンズユニットが着脱可能に装着されるマウント部材2、及びマウント部材2等を覆う正面カバーユニット3が設けられている。カメラ本体1の正面側から見て左側には、左側カバーユニット4が設けられている。
左側カバーユニット4は、後述する第1ダクトユニット82(図2参照)に外気を取り込むための第2吸気口41、及び後述する第2ダクトユニット84(図2参照)に外気を取り込むための第1吸気口42が設けられている。また、左側カバーユニット4には、カメラ本体1を撮影時に把持するための不図示のグリップユニットが着脱可能に取り付けられるグリップ取り付け部43が設けられている。グリップユニットには、撮影の開始/停止操作を行うためのキー等が配置されている。
カメラ本体1の上面部には、上面カバーユニット5が設けられており、上面カバーユニット5には、不図示のハンドルや不図示の表示パネル等を取り付けるためのアクセサリ取り付けネジ部51が光軸方向に互いに離間して2箇所形成されている。また、上面カバーユニット5のカメラ本体1の背面側には、ビューファインダ52が設けられている。
カメラ本体1の正面側から見て右側には、右側カバーユニット6が設けられており、右側カバーユニット6には、右側操作キー61、電源ダイアル62、第1記録メディア63(図2参照)が設けられている。
右側操作キー61は、撮影時及び再生時に使用するキーであり、それぞれに機能の割り振りが可能となっている。機能の割り振りとしては、例えば、撮影の開始/停止、ピーキング、撮影画角の部分拡大、NDユニットのフィルタ濃度の切り替え、送風機の回転数の変更などがある。電源ダイアル62は、回動操作により、カメラ本体1の電源のオン/オフ切り替えが可能であり、電源オン状態では、レンズユニットを通過して不図示の撮像素子に結像した被写体光束が撮像素子により光電変換される。撮像素子で光電変換された画像信号は、後述するメイン回路基板83(図2参照)の画像処理部により画像データに変換され、ビューファインダ52や外部モニタ等に画像として表示される。
第1記録メディア63は、カメラにおけるメインの記録メディアであり、右側カバーユニット6には、第1記録メディア63を保護するための第1蓋部材64が開閉可能に設けられている。第1蓋部材64の開状態において、カメラ本体1に対して第1記録メディア63の挿抜が可能となる。第1記録メディア63は、右側カバーユニット6の面に対して略垂直方向に挿抜される。
また、第1蓋部材64の閉状態において、カメラ本体1に装着された第1記録メディア63へのアクセスが可能となり、撮像素子で撮像されてメイン回路基板83の画像処理部によりデジタル処理された画像データを記録することができる。本実施形態では、第1記録メディア63は、Cfast(登録商標)カード等のメモリカードであり、カメラ本体1に搭載される複数の記録メディアのうちで最も発熱する記録メディアである。また、右側カバーユニット6には、後述する送風機85(図2参照)により空気を外部へ排出するための排気口65が設けられており、排気口65は、カメラ本体1の光軸に対し上下略対称に配置されている。
カメラ本体1の背面側には、背面カバーユニット7が設けられており、背面カバーユニット7の下段には、カメラ本体1に電源を供給するバッテリ71が着脱可能に装着されるバッテリ室78が設けられている。背面カバーユニット7の中段には、背面操作キー72、入力音声の選択や音量レベルの設定を行うオーディオ操作キー73、データを記録可能な第2記録メディア74、及び第2記録メディア74を覆う第2蓋部材75が設けられている。
第2記録メディア74は、単独でデータを記録することが可能であり、第1記録メディア63と同時に同じデータを記録することも可能である。また、本実施形態では、第2記録メディア74が2つ配置されており、これに同時記録することも可能であり、記録メディアの選択をすることができる。
更に、背面カバーユニット7には、図中では蓋に覆われて不図示になっているが、SDI信号を出力するBNCコネクタ、映像出力用のHDMI(登録商標)コネクタ、電源供給用の電源コネクタ、音声出力用のヘッドフォンコネクタ等の外部インターフェイスが配置されている。また、背面カバーユニット7には、後述する第3ダクトユニット86に外気を取り込むための第3吸気口77がビューファインダ52の側部に位置して設けられている。
次に、図2を参照して、カメラ本体1の内部構造について説明する。図2は、カメラ本体1の分解斜視図である。図2では、各カバーユニット4~6の図示は省略している。
図2に示すように、カメラ本体1は、正面側にマウント部材2が配置され、マウント部材2の背面側には、NDユニット80が配置されている。本実施形態では、電動のNDユニット80を用いており、複数の濃度のNDフィルタが右側操作キー61の操作によって電動で入れ替え可能となっている。
NDユニット80の背面側には、撮像素子がセンサ回路基板に実装された、撮像素子ユニット81が配置されている。本実施形態では、撮像素子ユニット81を撮影時に発熱する第1熱源としている。撮像素子ユニット81の背面側には、第1ダクトユニット82が配置されており、詳細は後述するが、第1ダクトユニット82には、前述した第2吸気口41と排気口65とを接続する通風口が設けられている。撮像素子ユニット81で発生した熱を第1ダクトユニット82に伝熱することで撮像素子ユニット81を冷却している。ここで、マウント部材2、NDユニット80、撮像素子ユニット81、及び第1ダクトユニット82は、一体化されて正面カバーユニット3の一部を形成している。
第1ダクトユニット82の背面側には、メイン回路基板83が配置されている。メイン回路基板83は、カメラ本体1、及びカメラ本体1に接続されるアクセサリ等を制御する基板であり、メイン回路基板83上には複数の熱源が設けられている。本実施形態では、メイン回路基板83は、カメラ本体1で最も電力を消費し、発熱する基板である。本実施形態では、メイン回路基板83を第2熱源としている。
メイン回路基板83の背面側には、第2ダクトユニット84が配置されている。詳細は後述するが、第2ダクトユニット84には、前述した第1吸気口42と排気口65とを接続する通風路が設けられている。メイン回路基板83で発生した熱を第2ダクトユニット84に伝熱することでメイン回路基板83を冷却している。第2ダクトユニット84の背面側には、送風機85が配置されている。ここで、メイン回路基板83、第2ダクトユニット84、及び送風機85を一体化したユニットをメインユニットとする。
送風機85の背面側には、第3ダクトユニット86が配置され、第3ダクトユニット86の背面側には、記録メディア基板87が配置されている。記録メディア基板87には、第1記録メディア63をカメラ本体1と接続するコネクタが実装されている。詳細は後述するが、第3ダクトユニット86には、前述した第3吸気口77と排気口65とを接続する通風口が設けられている。
また、第1記録メディア63は、前述したように、データを記録する際に発熱するため、第1記録メディア63で発生した熱を第3ダクトユニット86に伝熱することで第1記録メディア63ひいては記録メディア基板87を冷却する。本実施形態では、記録メディア基板87を第3熱源としている。第3ダクトユニット86、及び記録メディア基板87は、背面カバーユニット7に固定されて背面カバーユニット7の一部を構成している。
次に、図3及び図4を参照して、送風機85により発生する空気の流れについて説明する。図3は、カメラ本体1の左右方向に沿う断面図である。図4は、カメラ本体1の光軸方向に沿う断面図である。なお、図3及び図4における矢印は、送風機85により発生する空気の流れを示している。
図3に示すように、送風機85が駆動されると、第1吸気口42から外部の空気がカメラ本体1内に取り込まれ、取り込まれた空気は、第2ダクトユニット84を通って送風機85に取り込まれる。同時に、第2吸気口41からも外部の空気がカメラ本体1内に取り込まれ、取り込まれた空気は、第1ダクトユニット82を通って送風機85に取り込まれる。更に同時に、図4に示すように、第3吸気口77からも外部の空気がカメラ本体1内に取り込まれ、取り込まれた空気は、第3ダクトユニット86を通って送風機85に取り込まれる。そして、3つの吸気口42,41,77からカメラ本体1内に取り込まれた空気が送風機85により排気口65を通じで外部に排出される。
ここで、撮像素子ユニット81、第1ダクトユニット82、メイン回路基板83、第2ダクトユニット84、記録メディア基板87は、それぞれが略平行に配置されて光軸に対して直交するように配置されている。また、第2吸気口41及び第1吸気口42と排気口65とは、カメラ本体1の左右方向に互いに対向して配置されている。
そして、撮像素子ユニット81(第1熱源)の熱は、第1ダクトユニット82に伝熱されて放熱され、メイン回路基板83(第2熱源)の熱は、第2ダクトユニット84に伝熱されて放熱される。記録メディア基板87(第3熱源)の熱は、第3ダクトユニット86に伝熱されて放熱される。
また、撮像素子ユニット81(第1熱源)とメイン回路基板83(第2熱源)との間に第1ダクトユニット82が配置されているため、発熱量の大きいメイン回路基板83の熱が撮像素子ユニット81に伝わることを防ぐことができる。更に、メイン回路基板83(第2熱源)と記録メディア基板87(第3熱源)との間に第2ダクトユニット84が配置され、第2ダクトユニット84と記録メディア基板87との間に第3ダクトユニット86とが配置されている。このため、発熱量の大きいメイン回路基板83の熱が記録メディア基板87に伝わることを防ぐことができる。
このように、3つの熱源83,81,87で発生する熱を3つのダクトユニット84,82,86で分断することで、各熱源83,81,87で発生する熱を効率よく放熱して各熱源83,81,87で発生する熱による他の熱源への影響を軽減することができる。
次に、図5及び図6を参照して、第2ダクトユニット84の構造について説明する。図5は、第2ダクトユニット84の放熱構造を示す斜視図である。図6は、メイン回路基板83、第2ダクトユニット84、及び送風機85からなるメインユニットの分解斜視図である。
図5及び図6に示すように、第2ダクトユニット84は、第2ダクト201及びダクト蓋202を備え、第2ダクト201は、熱伝導率の高い金属部材等で形成され、第2ダクト201をダクト蓋202により塞ぐことで、空気が漏れない通風路を構成している。
メイン回路基板83に実装されている主要素子220(図7参照)と第2ダクト201が接するように光軸方向に重ねて配置することで、主要素子220の熱を金属部材等で形成された第2ダクト201へ伝熱することができる。なお、メイン回路基板83の主要素子220と第2ダクト201の間に放熱ゴム等を介装して第2ダクト201へ効率良く熱を伝達できるようにしてもよい。
図6に示すように、第2ダクト201の内部には、多数のフィン210が立設されている。本実施形態では、フィン210は、第2ダクト201と一体に成形しているが、フィン210をヒートシンクとして別体として第2ダクト201に固定してもよい。多数のフィン210を立設していることで、第2ダクトユニット84の内部に空気が流れる際、空気に触れる表面積を拡大できるため、より効率的に空気へ熱が伝達されて放熱される。この際、第2ダクト201及びダクト蓋202により第2ダクトユニット84内を流れる空気の流路を限定することにより、空気を効率的に流すことができ、放熱効果を高めることができる。
また、図5及び図6に示すように、ダクト蓋202は、通風路の一部を形成している。ダクト蓋202には、通風路の側面を形成するための蓋部251と、メイン回路基板83の底面側の熱を受熱する受熱部252とが設けられている。第2ダクト201の底面側には、ダクト穴部253が設けられており、そのダクト穴部253を受熱部252が貫通することにより、受熱部252が放熱シート254を介してメイン回路基板83と接触している。このため、メイン回路基板83の第1の面88の底面側の熱を蓋部251に伝熱することができる。受熱部252は、本発明の放熱板の一例に相当する。
これにより、第2ダクトユニット84が冷却されると、ダクト蓋202が冷却され、更にはメイン回路基板83の第1の面88の底面側が冷却される。即ち、メイン回路基板83の上部のみ通風路を設けることで、メイン回路基板83の第1の面88の底面側を冷却することができる。この結果、第2ダクト201の底面側には、通風路やフィンを設ける必要がなくなり、空いたスペースにバッテリ室78を配置することにより、カメラ本体1を小型化することができる。
図7(a)は、メイン回路基板83をカメラ本体1の背面側から見た図である。メイン回路基板83のカメラ本体1の背面側の面は、第2ダクトユニット84に光軸方向に対向する面であり、この面を第1の面88とする。
図7(a)に示すように、メイン回路基板83の第1の面88には、比較的発熱量の大きい主要素子220やコネクタ221などが実装されている。主要素子220は、画像処理ICやシステム制御IC等である。近年のカメラは、高画質化や高機能化に伴い消費電力が増大しており、メイン回路基板83に実装されている主要素子220は発熱し高温になる。高温になった主要素子220がそれぞれの保証温度を超えると、正常に動作することが困難になり、性能の悪化や故障の原因となる。
図7(b)は、メイン回路基板83をカメラ本体1の正面側から見た図である。メイン回路基板83のカメラ本体1の正面側の面は、第1ダクトユニット82に光軸方向に対向する面であり、この面を第2の面89とする。図7(b)に示すように、メイン回路基板83の第2の面89には、第1の面88に実装された主要素子220に比べて比較的発熱量の小さい電子部品が実装されている。
図8(a)は第2ダクト201をフィン210側から見た図、図8(b)は図8(a)のA部拡大図である。図8に示すように、フィン210は、流路方向に対して上流側(図の右側)から下流側(左側)に向けて配置された少なくとも第1列のフィン230と第2列のフィン231とを備え、複数の列を成すフィンにより構成されている。第1列のフィン230、及び第2列のフィン231は、それぞれ流路方向に対して平行に配置されている。これにより、第2ダクトユニット84の内部を流れる空気の圧力損失を極力抑え、放熱に必要な空気の流量を確保している。
また、第1列のフィン230、及び第2列のフィン231は、流路方向に対して垂直方向に一定の間隔(ピッチ)で複数配置されており、第1列のフィン230と第2列のフィン231は、それぞれ同ピッチである。さらに、第2列のフィン231は、第1列のフィン230に対して流路方向に対して垂直方向に半ピッチ分オフセットした位置に配置されている。
図9は、フィン210の間を流れる空気の温度境界層を説明するイメージ図である。前述したように、第2ダクトユニット84のフィン210の間を流路方向に空気が流れる。まず、第1列のフィン230の間を空気が流れる際、第1列のフィン230から空気へ熱が伝えられるため、暖められた空気の層が領域aのように下流に向かって徐々に厚くなるように形成される。第1列のフィン230の間の領域bには、比較的暖められていない空気が流れている。
次に、第2列のフィン231の間を空気が流れていく。そこで、第1列のフィン230に対して半ピッチ分オフセットした位置にある第2列のフィン231の上流側端には領域bの暖められていない空気が触れる。これにより、フィン210の下流側に立設している第2列のフィン231も比較的暖められていない空気と触れることができ、空気への熱伝達を促すことができる。さらに、第2列のフィン231の上流側端に空気が当たることにより、その部分においては空気の流れが乱流化する。
乱流は、層流と比較して熱伝達率が高いため、放熱効果が上がる。したがって、本実施形態のフィン構造によれば、冷気(比較的暖められていない空気)の利用と、空気の乱流化の効果によって、下流側の放熱量が大きくなり、結果として全体の放熱性能が上げることができる。
図10は、メイン回路基板83と第2ダクト201の部分拡大図である。第2ダクトユニット84では、フィン210の全体に一様に空気が触れることで、フィン210から空気へと安定して熱を伝えることができる。そのため、前述したように、フィン210は一定のピッチで並んで複数配列されている。それにより、全ての流路において流路断面積を略一定にすることができ、流量分布が一定になり全てのフィンに空気が行き渡る。
本実施形態では、フィン210は、第1列のフィン230と第2列のフィン231で構成され、前述したように、第1列のフィン230と第2列のフィン231が半ピッチ分オフセットされている。このため、第2列のフィン231が第1列のフィン230に比べて半ピッチ分下方にずれて配置されている。
そこで、図10に示すように、半ピッチ分下方にずれた第2列のフィン231の上方に位置する第2ダクト201の上辺外形部にずれ量に応じた切り欠き部241を形成して第2ダクト201の流路断面積が一定になるようにしている。これにより、本実施形態のように半ピッチ分オフセットされたフィン210の構成においても流路断面積を一定にすることができ、放熱性能が高められる。
また、第2ダクト201の一部を切り欠いたことで、比重の高い金属部材で形成された第2ダクト201の小型化・軽量化にも寄与する。さらに、第2ダクト201の切り欠か部241に形成される光軸方向のスペース(領域B)に、メイン回路基板83のコネクタ221を配置することができ、メイン回路基板83の小型化、ひいてはカメラ本体1の小型化が可能となる。
図11は、撮像素子の放熱ユニット101をカメラ本体1の正面側から見た分解斜視図である。図11に示すように、撮像素子の放熱ユニット101は、マウント部材2、撮像素子ユニット81、第1ダクトユニット82、メイン回路基板83、第2ダクトユニット84、及び送風機85を有する。なお、図11では、NDユニット80の図示は省略している。
図12(a)はマウント部材2及び撮像素子ユニット81をカメラ本体1の正面側から見た分解斜視図、図12(b)は図12(a)の背面側から見た分解斜視図である。
図12に示すように、撮像素子ユニット81は、撮像素子111、撮像素子111が実装されるセンサ回路基板115、及びセンサ回路基板115が固定される素子固定部材120を有する。撮像素子111のカメラ本体1の正面側の面は、撮像面112とされ、背面側の面は、熱伝導面113とされている。素子固定部材120は、カメラ本体1の正面側の面は、素子接着面121とされ、背面側の面は、熱伝導面122とされている。素子接着面121には、撮像素子111の熱伝導面113が接着される。これにより、撮像素子111で発生する熱が素子接着面121を介して素子固定部材120に伝わる。
マウント部材2のカメラ本体1の正面側には、レンズユニットが着脱可能に装着されるレンズマウント面171が設けられ、マウント部材2のカメラ本体1の背面側には、素子固定部材120が固定される。マウント部材2は、カメラ本体1の正面カバーユニット3に固定される。
図13(a)は撮像素子ユニット81と第1ダクトユニット82とをカメラ本体1の正面側から見た分解斜視図、図13(b)は図13(a)の背面側から見た分解斜視図である。図14は、撮像素子ユニット81と第1ダクトユニット82の組立体の要部断面図である。
図13に示すように、第1ダクトユニット82は、素子放熱部材140、保持部材150、弾性部材160、放熱部材190、及び導電部材180を備える。素子放熱部材140は、熱伝導面141、熱伝達面142、及び当接面143を有する。
熱伝導面141は、素子放熱部材140のカメラ本体1の正面側に配置され、素子固定部材120の熱伝導面122に当接し固定される。これにより、素子固定部材120に伝わる撮像素子111の熱が熱伝導面141を介して素子放熱部材140に伝わる。熱伝達面142は、素子放熱部材140のカメラ本体1の正面側に配置され、当接面143は、素子放熱部材140の外周部の全周に突設される。
保持部材150は、図13(b)及び図14に示すように、爪部151a~151f、第1当接面152、第2当接面153、吸気口154a、吸気口154b、排気口155(図16参照)を有する。保持部材150は、カメラ本体1に固定され、爪部151a~151fは、保持部材150の全周に突設される。第1当接面152は、保持部材150の全周に光軸と平行に設けられ、第2当接面153は、保持部材150の全周に光軸と垂直に設けられている。
吸気口154a及び吸気口154bは、第1ダクトユニット82に空気を送り込む開口部であり、左側カバーユニット4の第2吸気口41に対応して設けられ、左側カバーユニット4に当接する。排気口155は、第1ダクトユニット82から空気を送り出す開口部であり、排気口155は、第2ダクトユニット84に連通している。
弾性部材160は、爪係り部161a~161f、第1当接部162と、第2当接部163、第3当接部164、及びたわみ部165を有する。爪係り部161a~161fは、弾性部材160の全周に突設され、保持部材150の爪部151a~151fに係合される。
第1当接部162は、保持部材150の第1当接面152に圧接され、第2当接部163は、保持部材150の第2当接面153に圧接される。第3当接部164は、素子放熱部材140の当接面143に当接する。たわみ部165は、第1当接部162と第3当接部164との間に配設される。よって、弾性部材160は、保持部材150に対して、光軸方向、及び光軸中心に向かう方向(径方向内方)に圧接される。ただし、弾性部材160は、素子放熱部材140に対して光軸中心に向かう方向に当接しているだけなので、光軸方向には移動可能である。
図15は、マウント部材2と撮像素子ユニット81と第1ダクトユニット82の光軸方向に沿う要部断面図である。図15において、レンズマウント面171から撮像面112までの光軸方向の距離をフランジバック長と呼ぶ。このフランジバック長が変化すると、撮像素子111の撮像面112も変化し、ユーザが意図する映像を撮影できない。本実施形態では、このフランジバック長の変化を抑えるため、弾性部材160を素子放熱部材140と保持部材150との間に介在させている。
左側カバーユニット4に当接する吸気口154a及び吸気口154bを含む保持部材150と、正面カバーユニット3にマウント部材2と撮像素子ユニット81を介して固定される素子放熱部材140とでは、その固定方法が異なる。このため、カメラ本体1に衝撃が加わったときには、保持部材150と素子放熱部材140とでは、異なる挙動を示す。
例えば、素子放熱部材140に対して、保持部材150が光軸とは直交する方向に動く場合は、弾性部材160のたわみ部165が弾性変形することで、素子放熱部材140に衝撃が加わることを防ぐことが可能である。また、素子放熱部材140に対して、保持部材150が光軸方向に動く場合は、弾性部材160の第3当接部164が光軸方向に摺動することで、素子放熱部材140に衝撃が加わることを防ぐことが可能である。
よって、保持部材150と素子放熱部材140とで異なる挙動を示しても、素子放熱部材140に衝撃が加わることを防ぐことができるため、カメラに衝撃が加わっても、フランジバック長の変化を抑えた信頼性の高いカメラを提供することが可能である。
なお、弾性部材160が正常に組み込まれているかを確認する目的から保持部材150は光透過性のある材料であることが望ましい。ただし、光透過性の高い材料だと、ユーザがカメラ本体1の外部から見たときに、保持部材150を透過してカメラ本体1の内部が見えて品位が劣るため、保持部材150は光透過性を抑えた材料であることが望ましい。よって、組立の作業性を上げつつ、品位を落とさないためには、保持部材150は、半透明の材料であることが望ましい。
図16は、第1ダクトユニット82の保持部材150、放熱部材190及び導電部材180とメイン回路基板83を示す斜視図である。図17は、第1ダクトユニット82の素子放熱部材140、導電部材180、保持部材150、放熱部材190、放熱シート200及びメイン回路基板83の組立体の要部断面図である。
図16及び図17に示すように、カメラ本体1の正面側から背面側に向けて素子放熱部材140、導電部材180、保持部材150、放熱部材190、放熱シート200、メイン回路基板83の順に配置されている。メイン回路基板83の放熱部材190には、カメラ本体1の背面側に突出する凸部191が設けられている。放熱部材190は、保持部材150に固定される。導電部材180は、放熱部材190と素子放熱部材140に当接して電気的に接続している。
保持部材150には、開口部156(図13(a)参照)が形成されており、開口部156から放熱部材190が背面側に露出している。また、放熱部材190は、熱伝導率の高い金属部材で形成され、保持部材150は、放熱部材190より熱伝導率の低いプラスチック部材等で形成されている。
ここで、撮像素子の放熱ユニット101の空気の流路について説明する。送風機85により第2ダクトユニット84及び第1ダクトユニット82内の空気を流動させ、第1吸気口42から吸い込まれた外気は、第2ダクトユニット84内を通ってから送風機85に吸い込まれ、排気口65から排出される。これと同時に、吸気口154a及び吸気口154bから吸い込まれた外気は、第1ダクトユニット82内を通ってから排気口155を通って送風機85に吸い込まれ、排気口65から排出される。
このとき、吸気口154a及び吸気口154bから吸い込まれた外気が排気口155へと第1ダクトユニット82内を流れやすくなるように導電部材180を配置して第1ダクトユニット82内の流路(図16の破線矢印)を形成している。これにより、導電部材180は、メイン回路基板83の放熱部材190と素子放熱部材140を電気的に接続しつつ、第1ダクトユニット82内の流路を形成する。
このように、本実施形態では、一つの送風機85によって、第2ダクトユニット84と第1ダクトユニット82との二つのダクトユニット内の空気を流動させる。このため、複数の送風機を必要とせず、カメラ本体1の小型化が可能となる。
次に、撮像素子の放熱ユニット101の熱の伝達経路について説明する。前述したように、第2ダクトユニット84のフィン210には、メイン回路基板83の熱が伝わる。第1ダクトユニット82の熱伝達面142には、撮像素子ユニット81の撮像素子111の熱が伝わる。メイン回路基板83とセンサ回路基板115とは、複数の部材を介して接続されるため、熱伝導による熱の移動を抑えた構造となっている。
第1ダクトユニット82の吸気口154a及び吸気口154bから吸い込まれた外気が素子放熱部材140の熱伝達面142を通ることで、熱伝達により熱伝達面142が冷却される。これに伴い、素子放熱部材140の熱伝導面141に当接している素子固定部材120の熱伝導面122も冷却される。更に、素子固定部材120の素子接着面121と当接している撮像素子111の熱伝導面113が冷却される。このような熱の伝達経路で撮像素子111が冷却される。
次に、メイン回路基板83側の熱の伝達経路について説明する。前述したように、メイン回路基板83は、消費電力の大きい主要素子220を第1の面88に配置し、第2ダクト201に熱伝達することで放熱している。一方、メイン回路基板83の第2の面89には消費電力の大きな素子は配置されていないが、第1の面88に配置した消費電力の大きい主要素子220の影響を受けてしまうため放熱が必要である。
そこで、メイン回路基板83の第2の面89の熱は、放熱シート200を介して放熱部材190へ伝達する。そして、放熱部材190の熱が第1ダクトユニット82内を流れる空気に熱伝達され、これにより、メイン回路基板83の撮像素子111側の面の素子が冷却される。
即ち、撮像素子111の熱は、素子放熱部材140を介して第1ダクトユニット82内を流れる空気へ伝達され、メイン回路基板83の撮像素子111側の面の素子の熱は、放熱部材190を介して第1ダクトユニット82内を流れる空気へ伝達される。このとき、素子放熱部材140と放熱部材190は、熱伝導率の低い保持部材150を介して接続されている。以上より、第1ダクトユニット82は、メイン回路基板83の熱を受け取ることなく、撮像素子111を冷却することが可能となる。
次に、図18乃至図21を参照して、送風機85を用いた第1記録メディア63(以下、メディア63という。)及び記録メディア基板87の放熱構造について説明する。なお、図18乃至図21においては、カメラ本体1の上下方向、光軸方向及び左右方向をそれぞれY方向、Z方向及びX方向とし、カメラ本体1の上面側、正面側、正面側から見て左側(第1吸気口42側)をそれぞれ+Y側、+Z側、-X側とする。
図18(a)は、メディア基板87、第3ダクトユニット86、送風機85、第2ダクト201、メイン回路基板83からなる冷却ユニットを-Z側(カメラ本体1の背面側)から見た斜視図である。図18(b)は、図18(a)に示す冷却ユニットの分解斜視図である。図19(a)は図18(a)に示す冷却ユニットを+Z側(カメラ本体1の正面側)から見た斜視図、図19(b)は図19(a)に示す冷却ユニットの分解斜視図である。図20(a)はメディア基板87、第3ダクトユニット86、送風機85を+Z側から見た図、図20(b)は図20(a)のA-A線断面図である。図21は、第3ダクトユニット86を+Z側から見た拡大斜視図である。
図18(b)、図19(b)及び図20(b)を参照して、送風機85を用いたメディア63及びメディア基板87の放熱構造について説明する。図20(b)に示すように、送風機85の吸引力により外気は第3吸気口77から図の矢印方向に第3ダクトユニット86内に流入する。第3ダクトユニット86内に流入した外気は第3ダクトユニット86内に設けられた流入部310を通過する。
第3ダクトユニット86は、メディア基板87のメディア63と反対面に設けられた接地面322(図19(b))と略同一サイズの開口部311(図18(b))を有している。外気は、この開口部311から第3ダクトユニット86内に露出した接地面322の第1接地面端323(図19(b))から第2接地面端324(図19(b))までの表面に沿って流れて、第3ダクトユニット86に設けられた流出部309を通過する。
そして、流出部309を通過した外気は、第3ダクトユニット86に設けられた第2排出口318を通過して、送風機85に吸引され、送風機85の排気口65(図19(b))から外部に排出される。
図18(b)に示すように、メディア基板87と第3ダクトユニット86との間には、第1弾性部材308が設けられ、第1弾性部材308は、第3ダクトユニット86の開口部311の周囲を塞いでシールしている。また、第3ダクトユニット86と送風機85との間には、第2弾性部材312が設けられ、第2弾性部材312は、第3ダクトユニット86の第2排出口318(図19(b))及び送風機85の第2吸入部313の周囲を塞いでシールしている。
第1弾性部材308及び第2弾性部材312により流路とカメラ本体1の他の空間とを隔離している。また、図20(b)に示すように、メディア63の接地面322上の流路のZ方向の幅Z1は、送風機85近傍の流路のZ方向の幅Z2より狭くなっている。
上記のように、メディア基板87の接地面322を第3ダクトユニット86の開口部311から流路に露出させることで、メディア基板87及びメディア63の放熱性能を高める効果がある。また、接地面322近傍の流路の光軸方向の幅を狭くすることで、接地面322近傍の流速を速くすることができる。これにより、メディア基板87及びメディア63の放熱性能を高める効果がある。
また、第1弾性部材308及び第2弾性部材312により、第3ダクトユニット86とメディア基板87と送風機85で形成される空間をカメラ本体1の他の空間と隔離している。これにより、防塵防滴性能を高める効果がある。また、メディア基板87の第1接地面端323近傍に流入部310を設け、メディア基板87の第2接地面端324近傍に流出部309を設けることにより、接地面322全体に略一様に外気が流れ、放熱性能を高める効果がある。
次に、図18(b)及び図19(b)を参照して、送風機85を両面吸気として使用する場合について説明する。ここで送風機85の両面吸気とは、送風機85のZ方向両側に設けられた第1吸入部325(図19(b))及び第2吸入部313(図18(b))から吸気することをいう。
図18(b)に示すように、-Z側から+Z側に向けてメディア基板87、第1弾性部材308、第3ダクトユニット86、第2弾性部材312、送風機85、第3弾性部材314、第2ダクト201、メイン回路基板83の順に配置されている。ここで、第3ダクトユニット86の第3吸気口77は-Z方向を、第2ダクト201の第1吸気口42は-X方向を、送風機85の排気口65(図19(b))は+X方向を向いて開口している。
次に、図18(b)を参照して、第1吸気口42から外気を吸気して、メイン回路基板83の熱を放熱する概要について説明する。送風機85の吸引力により、外気は第の吸気口42から第2ダクト201内に流入する。このとき、メイン回路基板83と第2ダクト201が接しているので、メイン回路基板83で発せられた熱が第2ダクト201に伝わることになる。次に、外気は、第2ダクト201の第1排出口315を通り、送風機85の第1吸入部325(図19(b))に流れ込み、排気口65(図19(b))からカメラ本体1の外部に排出される。
ここで、メディア基板87の放熱構造と同様に、送風機85と第2ダクト201の間には、第1排出口315及び第1吸入部325(図19(b))の周囲を覆うように第3弾性部材314が配置されている。第2吸入部313から外気を吸気してメディア基板87の熱を放熱する構成は、前述した通りである。
上記のように、送風機85を両面吸気として利用することにより、小型な放熱構造で2つの熱源を冷却することができる効果がある。また、各ダクトの排気口を1つにまとめることで、防塵防滴性能を高める効果がある。更に、第1吸気口42と第3吸気口77を異なる面に配置したことで、例えどちらかの吸気口が塞がれてもカメラ本体1全体の放熱性能が完全には失われない効果がある。
次に、第2ダクト201と第3ダクトユニット86を流れる外気の流量について説明する。第2ダクト201の流路の断面積、第3ダクトユニット86の流路の断面積より大きくなっている。これにより、第2ダクト201には、第3ダクトユニット86よりも多くの量の外気が流れる。本実施形態では、メイン回路基板83は、画像処理用の基板であり、メディア基板87より発熱量が大きい。したがって、第2ダクト201の流量を第3ダクトユニット86の流量より多くし、メイン回路基板83を重点的に冷却している。
このように、送風機85を両面吸気で利用し、かつ熱源であるメディア基板87とメイン回路基板83を冷やす流路を第3ダクトユニット86と第2ダクト201とで独立させることで、各熱源に流れる流量を熱源の発熱量に応じて調整することが可能になる。これにより、送風機85の吸排気力を効率よく利用することが可能になる。
次に、図21を参照して、第3ダクトユニット86と送風機85(図19(b))とを第2弾性部材312(図19(b))を用いて略密閉する構造について説明する。
第3ダクトユニット86の第2弾性部材312と接する面は、+Z方向に高い順に第2の面320、第1の面319、第3の面321を有する。第1の面319は、Z方向投影上で排気口65(図19(b))近傍に位置して配置されている。また、第3の面321は、送風機85の不図示のワイヤーが通過する面となっている。このように、第3ダクトユニット86の第2弾性部材312と接する面の高さを変えることで、送風機85を第2弾性部材312が押す力を調整することが可能になる。
本実施形態で用いる送風機85は、排気口65周辺の剛性が、その他の部分より小さい。そこで、第3ダクトユニット86の第1の面319をZ方向に低くすることで、第2弾性部材312が送風機85の排気口65周辺を押す力を弱くしている。第2弾性部材312の圧縮量を小さくしている。これにより、送風機85の外装が変形して送風機85の不図示の羽根に当たる等して送風機85の回転力が低下するのを防ぐ効果がある。
以上説明したように、本実施形態では、メイン回路基板83(第2熱源)と撮像素子ユニット81(第1熱源)との間に第1ダクトユニット82を配置している。また、メイン回路基板83(第2熱源)と記録メディア基板87(第3熱源)との間に第2ダクトユニット84を配置し、第2ダクトユニット84と記録メディア基板87との間に第3ダクトユニット86を配置している。このため、3つの熱源83,81,87で発生する熱を3つのダクトユニット84,82,86で分断して放熱することができる。これにより、各熱源83,81,87で発生する熱を効率よく放熱して各熱源83,81,87で発生する熱による他の熱源への影響を軽減することができる。
(第2の実施形態)
次に、図22乃至図38を参照して、本発明の電子機器の第2の実施形態であるレンズ交換式のデジタルビデオカメラについて説明する。図22(a)は本発明の電子機器の第2の実施形態であるレンズ交換式のデジタルビデオカメラを正面側から見た斜視図、図22(b)は図22(a)に示すデジタルビデオカメラを背面側から見た斜視図である。なお、本実施形態では、本発明の電子機器として、撮像装置の一例であるデジタルビデオカメラを例示するが、これに限定されない。
本実施形態のデジタルビデオカメラ(以下、カメラという。)は、図22に示すように、カメラ本体501の正面側に、交換レンズ部510及び交換レンズ部510を着脱するためのマウント部520が設けられている。カメラ本体501の正面側から見て左側の側部には、左側カバーユニット504が設けられている。
左側カバーユニット504には、後述する第1ダクトユニット700(図27参照)に外気を取り込むための第1吸気口541と第2ダクトユニット710(図27参照)に外気を取り込むための第2吸気口542が設けられている。また、左側カバーユニット504には、カメラ本体501を撮影時に把持するための不図示のグリップユニットが着脱可能に取り付けられるグリップ取り付け部を設けることもできる。このグリップユニットには、撮影のスタート/ストップを行うキーや、カメラ本体501を作動させるためのバッテリ等が配置され、カメラ本体501と電気的に接続することで上記操作を行うことができる。
カメラ本体501の正面側から見て右側の側部には、右側カバーユニット505が設けられており、右側カバーユニット505には、右側面操作キー565及び電源ダイアル560が配置されている。
右側面操作キー565は、撮影時、再生時に使用する釦であり、それぞれに機能割り振りが可能となっている。例えば、撮影のスタート/ストップ、ピーキング、撮影画角の部分拡大、NDユニットのフィルタ濃度の切り替え、送風機の回転数の変更等の釦である。
電源ダイアル560は、回動操作により、カメラの電源のオン/オフや再生モードへの切り替えが可能である。また、右側カバーユニット505には、後述する送風機650(図27参照)により空気を外部へ排出するための排気口550が設けられている。
カメラ本体501の背面側には、背面カバーユニット507が設けられている。背面カバーユニット507の下側には、カメラ本体501で撮影したデータを記録可能な第1記録メディア622及び第2記録メディア642(図36参照)を保護する記録メディア蓋590が設けられている。第1記録メディア622及び第2記録メディア642にデータを同時記録することも可能であり、記録メディアを選択して選択した記録メディアにデータを記録することができる。第1記録メディア622は第2記録メディア642に比べ、より高速にデータを記録することができ、かつ消費電力も高い。
また、背面カバーユニット507の中央には、表示パネル部530が設けられている。表示パネル部530は、背面カバーユニット507の右側カバーユニット505側に設けられたパネルヒンジ部531を介してカメラ本体501に対して開閉方向に回動可能にかつ開状態で回転可能に支持されている。これにより、表示パネル部530を反転収納してカメラ本体501の背面上で画像を確認することも可能である。
また、背面カバーユニット507には、後述する第3ダクトユニット720(図27参照)に外気を取り込むための第3吸気口580が記録メディア蓋590の近傍に配置されている。更に、表示パネル部530の背面の左側カバーユニット504側には外部インターフェイス部570が配置されている。外部インターフェイス部570とは、例えばSDI信号を出力するためのBNCコネクタ、映像出力するためのHDMI(登録商標)コネクタ、電源供給用の電源コネクタ、音声出力用のヘッドフォンコネクタ等である。
図23は、表示パネル部530が開いた状態でのカメラ本体501を背面側から見た斜視図である。図23に示すように、カメラ本体501の背面中央には、メニュー表示及びその操作や入力音声の選択や音量レベルを設定するための背面操作キー582が配置されている。
図24は、カメラ本体501の外部インターフェイス部570に外部接続ケーブルの外部インターフェイス端子900を接続した状態をカメラ本体501の背面側から見た斜視図である。図24に示すように、外部インターフェイス部570に外部インターフェイス端子900が接続された状態では、カメラ本体501の背面の左側カバーユニット504側から指を入れる等で表示パネル部530を図23のように開くことができない。
そこで、本実施形態では、図23及び図24に示すように、背面カバーユニット507の表示パネル部(表示ユニット)530の下側に凹形状の背面指かけ部585を設けている。また、外部インターフェイス部570は、表示パネル部530を間に挟んでパネルヒンジ部531の反対側に設けられている。
図24は、カメラ本体501の背面指かけ部585近傍の要部断面図である。図25に示すように、背面指かけ部585は、表示パネル部530が図24及び図25に示すようにカメラ本体(機器本体)501の背面に収納された状態でその一部が背面投影上重なるような位置関係になっている。
また、収納状態の表示パネル部530の中心に対し背面カバーユニット507の左側カバーユニット504側、すなわち表示パネル部530の中心に対しパネルヒンジ部531から遠い側に背面指かけ部585が配置されている。これらの配置及び形状により、図26に示すように、下側から撮影者が指をかけて表示パネル部530を簡易に開くことができるようになっている。
また、背面指かけ部585に第3吸気口580を設けることにより、別途に吸気用の開口スペースを設ける必要がなく、小型化に貢献できる上、表示パネル部530を収納した状態でも安定して空気を取り込むことが可能である。また、表示パネル部530を放熱する効果もある上に、上方からの水滴等の吹き込み、流れ込み等に対しても起こりにくい構造となっている。
次に、図27を参照して、カメラ本体501の内部構造について説明する。図27は、カメラ本体501の分解斜視図である。なお、図27では、外観カバーユニットの図示は省略している。
カメラ本体501は、正面側から背面側に向けてマウント固定部材670、撮像素子基板ユニット610、第2ダクトユニット710、メイン回路基板600、第1ダクトユニット700、送風機650、及び背面カバーユニット507が順番に配置されている。メイン回路基板600、第1ダクトユニット700及び送風機650を一体化した状態をメインユニットとする。
撮像素子基板ユニット610は、撮影時に発熱する第2熱源である。第2ダクトユニット710には、通風路が設けられており、前述した第2吸気口542と排気口550を接続している。撮像素子基板ユニット610で発生した熱を第2ダクトユニット710に伝熱することで撮像素子基板ユニット610を冷却している。
メイン回路基板600(第1熱源)は、カメラ本体501の制御、及び接続されるアクセサリ等を制御するための基板であり、基板上に複数の発熱源を有し、本実施形態において最も電力を消費し、発熱する基板である。メイン回路基板600の背面には、第1ダクトユニット700が配置されている。第1ダクトユニット700には、通風路が設けられており、前述した第1吸気口541と排気口550を接続している。また、メイン回路基板600で発生した熱を第1ダクトユニット700に伝熱することでメイン回路基板600を冷却している。
送風機650の下方には、第3ダクトユニット720が配置され、第3ダクトユニット720の下方には、第1記録メディア622(図36参照)を搭載可能な第1記録メディアユニット620(第3熱源)が配置されている。第3ダクトユニット720には、通風路が設けられており、前述した第3吸気口580と排気口550を接続している。
第1記録メディア622は、データを記録する際に発熱する。このため、第1記録メディア622は、第3ダクトユニット720により冷却される。また、第1記録メディアユニット620の下方には、第2記録メディア642を搭載可能な第2記録メディアユニット640が配置されている。第1記録メディアユニット620及び第二の記録メディアユニット640は、保持部材660により保持されている。
次に、図28及び図29を参照して、送風機650により発生する空気の流れについて説明する。図28は、カメラ本体501の背面側から見た光軸と直交する方向に沿う断面図である。図29は、カメラ本体501の上面側から見た光軸方向に沿う断面図である。なお、図28及び図29に示す矢印は、送風機650により発生する空気の流れを示している。
図28及び図29に示すように、第1吸気口541から外部の空気が吸気され、吸気された空気は、第1ダクトユニット700を通り送風機650に取り込まれる。同時に、第2吸気口542(図22(b)参照)からも外部の空気が吸気され、吸気された空気は、第2ダクトユニット710を通り、第1ダクトユニット700に設けられた第2ダクト接続口706を通過して送風機650に取り込まれる。
また同時に、第3吸気口580(図22(b)参照)からも外部の空気が吸気され、吸気された空気は、第3ダクトユニット720を通り、第1ダクトユニット700に設けられた第3ダクト接続口707を通過して送風機650に取り込まれる。そして、3つの吸気口541,542,580から取り込まれた空気が送風機650により排気口550を通じで外部に排出される。
このように、第1熱源であるメイン回路基板600は第1ダクトユニット700により放熱され、第2熱源である撮像素子基板ユニット610は、第2ダクトユニット710により放熱される。また、第3熱源である第1記録メディアユニット620は、第3ダクトユニット720により放熱される。
更に、メイン回路基板600と撮像素子基板ユニット610の間に第2ダクトユニット710が配置されている。これにより、発熱量の大きいメイン回路基板600で発生した熱が撮像素子基板ユニット610に伝わることを防ぐことができる。また、メイン回路基板600と第1記録メディアユニット620の間に第3ダクトユニット720が配置されている。これにより、発熱量の大きいメイン回路基板600で発生した熱が第1記録メディアユニット620及び第1記録メディア622に伝わることを防ぐことができる。
加えて、図28に示すように、第2ダクトユニット710及び第3ダクトユニット720を流れる空気は、第1ダクトユニット700の空気の流れ、及び互いの流れを遮らないよう送風機650の投影上略対角となる位置から第1ダクトユニット700に流入する。そして、流入した空気が送風機650に取り込まれる構成となっている。このため、送風機650を片面吸気のタイプにすることができ、送風機650の背面カバーユニット507側にダクトユニットを配置する必要がなくなる。これにより、カメラ本体501の光軸方向の厚みを薄くし、小型化を達成することが可能になる。
このように、本実施形態では、3つの熱源600,610,620をそれぞれダクト700,710,720で分断することにより、各熱源600,610,620を互いに熱の影響を与えないようにしながらカメラの小型化を達成することができる。
図30乃至図32を参照して、第1ダクトユニット700の構造について説明する。図30は、第1ダクトユニット700、メイン回路基板600及び送風機650を一体化したメインユニットの斜視図である。図31は、図30に示すメインユニットを背面側から見た斜視図である。図32は、図30に示すメインユニットの分解斜視図である。なお、図30及び図31に示す矢印は、送風機650により発生する空気の流れを示している。
第1ダクトユニット700を構成する第1ダクト701は、熱伝導率の良い金属等の部材からなり、第1ダクト蓋702により蓋がされ、空気が漏れないよう通風路を形成している。また、第1ダクト701の第1吸気口541(図22(b)参照)に接する部分には、クッション材としての役割も持つ弾性部材730を介して第1ダクト吸気口705がつながっており、空気が他の部分に漏れないように構成されている。
メイン回路基板600に実装されている主要素子と放熱用の第1ダクト701が接するように光軸方向に重ねて配置することで、主要素子の熱を金属等の第1ダクト701へ熱伝達することができる。なお、主要素子と第1ダクト701の間に放熱ゴム等を設けて第1ダクト701へ効率良く熱を伝達できるようにしてもよい。
また、第1ダクトユニット700には、第2ダクトユニット710(図28参照)とつながる第2ダクト接続口706及び第3ダクトユニット720(図28参照)とつながる第3ダクト接続口707が設けられ、それぞれから空気が流入する構造となっている。
また、第1ダクト蓋702と送風機650の吸気部との間には、弾性部材732が設けられ、効率よく空気を流しながら空気が漏れない構成となっている。また、送風機650の排気側には、排気口550との隙間を埋める弾性部材731が設けられている。
図33は、第1ダクト701の斜視図である。図33に示すように、第1ダクト701の内部には、多数の第1ダクトフィン703が立設されている。本実施形態では、第1ダクトフィン703は、第1ダクト701と一体に成形しているが、第1ダクトフィン703をヒートシンクとして別体とし、第1ダクト701に固定してもよい。第1ダクトフィン703が立設していることで、第1ダクトユニット700の内部に空気が流れる際、空気に触れる表面積を拡大できるため、より効率的に空気へ熱伝達でき放熱できる。
この際、第1ダクト701及び第1ダクト蓋702により第1ダクトユニット700内を流れる空気の流路を限定することにより、前述したように空気を効率的に流すことができ、放熱効果が高められる。また、第1ダクト吸気口705、第2ダクト接続口706、及び第3ダクト接続口707のそれぞれが互いの空気の流れを遮らないよう、送風機650の吸気部の投影上略対角となる位置に各接続口706,707が配置される。これにより、効率的かつ熱の混流を防いでいる。
なお、第1ダクト吸気口705、第2ダクト接続口706及び第3ダクト接続口707の位置は、必ずしも送風機650の吸気部の投影上略対角になる位置に限定されず、互いの流れを遮らないような構成であればそれぞれの接続口はどの位置にあってもよい。
次に、図34及び図35を参照して、第2ダクトユニット710及び撮像素子基板ユニット610の構造について説明する。図34は、第2ダクトユニット710及び撮像素子基板ユニット610のカメラ本体501の背面側から見た斜視図である。図35は、第2ダクトユニット710及び撮像素子基板ユニット610のカメラ本体501の正面側から見た分解斜視図である。なお、図34に示す矢印は、送風機650により発生する空気の流れを示している。
第2ダクトユニット710は、撮像素子伝熱部材712と放熱用の第2ダクト711とから構成される。第2ダクト711は、撮像素子伝熱部材712及び第2ダクトシール材714により蓋がされ、空気が漏れないよう通風路を形成している。撮像素子伝熱部材712は、熱伝導率の高い材料で構成され、撮像素子基板ユニット610の撮像素子611と熱伝導面713が当接し固定される。これにより、撮像素子611の熱が、熱伝導面713を介して撮像素子伝熱部材712に伝わる。熱伝導面713は、撮像素子611の撮像面側と反対の面に設けられている。
そして、第2吸気口542(図22(b)参照)とつながる第2ダクト吸気口715から流入した空気は、第2ダクト711、撮像素子伝熱部材712及び第2ダクトシール材714により構成された通風路を通り、第2ダクト排気口717へと排出される。このとき、第2吸気口542と第2ダクト吸気口715の間には、弾性部材735が配置され、空気が他の部分に漏れないように構成されている。第2ダクト排気口717は、第2ダクト接続口706とつながっており、送風機650に取り込まれた空気は排気口550より外部に排出される。
また、第2ダクト吸気口715と第2ダクト排気口717を撮像素子611及び熱伝導面713の対角に配置することにより、撮像素子伝熱部材712の表面に最大限多くの空気を流すことができる。これにより、空気に触れる表面積を拡大できるため、より効率的に空気へ熱伝達でき放熱できる。
図36乃至図38を参照して、第3ダクトユニット720及び第1記録メディアユニット620周辺の構造について説明する。図36は、第3ダクトユニット720、第1記録メディアユニット620及び第2記録メディアユニット640周りの斜視図である。図37は、第3ダクトユニット720、第1記録メディアユニット620及び第2記録メディアユニット640周りの分解斜視図である。図38は、第3ダクトユニット720まわりの放熱構造を示す要部断面図である。なお、図36及び図38に示す矢印は、送風機650により発生する空気の流れを示している。
第1記録メディアユニット620は、第1メディア基板621、及び第1メディア基板621上にはんだ付け等で電気的及び熱的に接続され、第1記録メディア622を保持する保持ケース部(保持部材)625等から構成されている。また、保持ケース部625の上面(平面部)626は、例えば矩形状をなし、第1メディア基板621と略平行に配置されている。第1記録メディア622より発生する熱は、第1メディア基板621及び保持ケース部625の上面626まで伝わる。
また、第3ダクトユニット720は、保持ケース部625の上面626、及び弾性部材737により蓋をされて封止され、空気が漏れないよう通風路を構成している。
そして、第3吸気口580(図22(b)参照)とつながる第3ダクト吸気口721から流入した空気は、第3ダクトユニット720、保持ケース部625の上面626及び弾性部材737により構成された通風路を通り、第3ダクト排気口722へと排出される。このとき、第3吸気口580と第3ダクト吸気口721の間には、弾性部材736が配置され、空気が他の部分に漏れないように構成されている。
図38に示すように、第3ダクト吸気口721側と第3ダクト排気口722側を保持ケース部625の上面626の略対角に配置することにより、上面626の表面に最大限多くの空気を流すことができ、空気に触れる表面積を拡大することができる。このため、第1記録メディア622から発生する熱をより効率的に空気へ熱伝達でき放熱できる。
また、第1メディア基板621の第1記録メディア622及び保持ケース部625側、すなわち電子部品実装上デッドスペースとなる側に第3ダクトユニット720を配置している。これにより、第1メディア基板621の保持ケース部625の反対面に様々な電子部品を実装することができ、カメラ本体501の小型化を実現することができる。また、第1メディア基板621の保持ケース部625の反対面に第2記録メディア642を含む第2記録メディアユニット640等を配置することによっても小型化を実現することができる。
なお、本発明の構成は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。