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JP7297475B2 - ゼオライト合成用ゾル、ゼオライト膜の製造方法、および、ゼオライト粉末の製造方法 - Google Patents

ゼオライト合成用ゾル、ゼオライト膜の製造方法、および、ゼオライト粉末の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ゼオライト合成用ゾル、ゼオライト膜の製造方法、および、ゼオライト粉末の製造方法に関する。
従来、水熱合成によりゼオライトが生成される。例えば、非特許文献1では、アルミニウム源およびリン源を含むゲルを攪拌しつつ水熱合成が行われ、アルミニウムおよびリンを含むゼオライト(アルミノフォスフェート系ゼオライト)が生成される。
なお、特許文献1では、ゼオライトの結晶化における構造規定剤(有機テンプレート)として、1-アダマンタンアミンから誘導されるカチオンが例示されており、このようなカチオンが、カルボン酸塩等のアニオンを伴うことが記載されている。また、特許文献2では、ゼオライト膜形成用の原料物質の粒子が分散したゾルにおいて粒径1nm~500nmの粒子に富むものが開示されている。非特許文献2では、ゼオライトの生成とは関係ないが、カルボン酸基を有する分散剤が記載されている。
特許第6107809号公報 特許第3757110号公報
Peng Tian、他8名、「Investigation of the Crystallization Process of SAPO-35 and Si Distribution in the Crystals」、Journal of Physical Chemistry、ACS Publications、2013、117巻、4048-4056頁 神谷 秀博、他1名、「ナノ粒子の分散挙動制御とその応用」、粉砕、 ホソカワミクロン株式会社、2012年、55巻、12-18頁
ところで、アルミニウムおよびリンを含むゼオライトを生成するため、リン源を含む溶媒中においてアルミニウム源の粒子を分散させたゼオライト合成用ゾルを調製する場合、アルミニウム源の粒子が凝集し、沈降してしまう。その結果、厚さが均一なゼオライト膜、または、粒径が均一なゼオライト粉末を製造することができなくなる。非特許文献1のように合成用ゾルを攪拌することも考えられるが、この場合、大型の支持体に対してゼオライト膜を形成することが困難となる。したがって、リン源を含む溶媒中においてアルミニウム源の粒子が適切に分散したゼオライト合成用ゾルが求められている。なお、特許文献1および2では、ゼオライト合成用ゾルにおいてリン源が含まれていないため、リン源を含む溶媒中におけるアルミニウム源の粒子の凝集という上記問題は生じない。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、リン源を含む溶媒中においてアルミニウム源の粒子が適切に分散したゼオライト合成用ゾルを提供することを目的としている。
本発明は、ゼオライト合成用ゾルに向けられている。本発明の好ましい一の形態に係るゼオライト合成用ゾルは、アルミニウム源であり、平均粒径が1050nmである粒子と、リン源、構造規定剤およびカルボン酸を含む水であり、前記粒子が分散した溶媒とを備え、前記粒子が、結晶性アルミナ、非晶質アルミナ、ベーマイト、擬ベーマイトまたは水酸化アルミニウムの粒子であり、リン/アルミニウムのモル比が、であり、カルボン酸/アルミニウムのモル比が、0.01~0.5である。
好ましくは、ゼオライト合成用ゾルのpHが4~11である。
本発明は、ゼオライト膜の製造方法にも向けられている。本発明の好ましい一の形態に係るゼオライト膜の製造方法は、上記ゼオライト合成用ゾルを準備する工程と、前記ゼオライト合成用ゾルを用いて水熱合成により支持体上にゼオライト膜を形成する工程とを備える。
本発明は、ゼオライト粉末の製造方法にも向けられている。本発明の好ましい一の形態に係るゼオライト粉末の製造方法は、上記ゼオライト合成用ゾルを準備する工程と、前記ゼオライト合成用ゾルを用いて水熱合成によりゼオライト粉末を形成する工程とを備える。
本発明によれば、リン源を含む溶媒中においてアルミニウム源の粒子が適切に分散したゼオライト合成用ゾルを提供することができる。その結果、アルミニウムおよびリンを含むとともに、厚さが均一なゼオライト膜、または、粒径が均一なゼオライト粉末を容易に製造することができる。
ゼオライト膜複合体の断面図である。 ゼオライト膜複合体の一部を拡大して示す断面図である。 ゼオライト膜複合体の製造の流れを示す図である。 ゼオライト合成用ゾルを模式的に示す図である。 分離装置を示す図である。 分離装置による混合物質の分離の流れを示す図である。 ゼオライト粉末の製造の流れを示す図である。
図1は、ゼオライト膜複合体1の断面図である。図2は、ゼオライト膜複合体1の一部を拡大して示す断面図である。ゼオライト膜複合体1は、多孔質の支持体11と、支持体11上に形成されたゼオライト膜12とを備える。ゼオライト膜とは、少なくとも、支持体11の表面にゼオライトが膜状に形成されたものであって、有機膜中にゼオライト粒子を分散させただけのものは含まない。図1では、ゼオライト膜12を太線にて描いている。図2では、ゼオライト膜12に平行斜線を付す。また、図2では、ゼオライト膜12の厚さを実際よりも厚く描いている。
支持体11はガスおよび液体を透過可能な多孔質部材である。図1に示す例では、支持体11は、一体成形された一繋がりの柱状の本体に、長手方向(すなわち、図1中の上下方向)にそれぞれ延びる複数の貫通孔111が設けられたモノリス型支持体である。図1に示す例では、支持体11は略円柱状である。各貫通孔111(すなわち、セル)の長手方向に垂直な断面は、例えば略円形である。図1では、貫通孔111の径を実際よりも大きく、貫通孔111の数を実際よりも少なく描いている。ゼオライト膜12は、貫通孔111の内側面上に形成され、貫通孔111の内側面を略全面に亘って被覆する。
支持体11の長さ(すなわち、図1中の上下方向の長さ)は、例えば10cm~200cmである。支持体11の外径は、例えば0.5cm~30cmである。隣接する貫通孔111の中心軸間の距離は、例えば0.3mm~10mmである。支持体11の表面粗さ(Ra)は、例えば0.1μm~5.0μmであり、好ましくは0.2μm~2.0μmである。なお、支持体11の形状は、例えば、ハニカム状、平板状、管状、円筒状、円柱状または多角柱状等であってもよい。支持体11の形状が管状または円筒状である場合、支持体11の厚さは、例えば0.1mm~10mmである。
支持体11の材料は、表面にゼオライト膜12を形成する工程において化学的安定性を有するのであれば、様々な物質(例えば、セラミックまたは金属)が採用可能である。本実施の形態では、支持体11はセラミック焼結体により形成される。支持体11の材料として選択されるセラミック焼結体としては、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化ケイ素、炭化ケイ素等が挙げられる。本実施の形態では、支持体11は、アルミナ、シリカおよびムライトのうち、少なくとも1種類を含む。
支持体11は、無機結合材を含んでいてもよい。無機結合材としては、チタニア、ムライト、易焼結性アルミナ、シリカ、ガラスフリット、粘土鉱物、易焼結性コージェライトのうち少なくとも1つを用いることができる。
支持体11の平均細孔径は、例えば0.01μm~70μmであり、好ましくは0.05μm~25μmである。ゼオライト膜12が形成される表面近傍における支持体11の平均細孔径は0.01μm~1μmであり、好ましくは0.05μm~0.5μmである。支持体11の表面および内部を含めた全体における細孔径の分布については、D5は例えば0.01μm~50μmであり、D50は例えば0.05μm~70μmであり、D95は例えば0.1μm~2000μmである。ゼオライト膜12が形成される表面近傍における支持体11の気孔率は、例えば25%~50%である。
支持体11は、例えば、平均細孔径が異なる複数の層が厚さ方向に積層された多層構造を有する。ゼオライト膜12が形成される表面を含む表面層における平均細孔径および焼結粒径は、表面層以外の層における平均細孔径および焼結粒径よりも小さい。支持体11の表面層の平均細孔径は、例えば0.01μm~1μmであり、好ましくは0.05μm~0.5μmである。支持体11が多層構造を有する場合、各層の材料は上記のものを用いることができる。多層構造を形成する複数の層の材料は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
ゼオライト膜12は、細孔を有する多孔膜である。ゼオライト膜12は、複数種類の物質が混合した混合物質から、分子篩作用を利用して特定の物質を分離する分離膜として利用可能である。ゼオライト膜12では、当該特定の物質に比べて他の物質が透過しにくい。換言すれば、ゼオライト膜12の当該他の物質の透過量は、上記特定の物質の透過量に比べて小さい。
ゼオライト膜12の厚さは、例えば0.05μm~30μmであり、好ましくは0.1μm~20μmであり、さらに好ましくは0.5μm~10μmである。ゼオライト膜12を厚くすると分離性能が向上する。ゼオライト膜12を薄くすると透過速度が増大する。後述するゼオライト合成用ゾルを用いたゼオライト膜12の製造では、ゼオライト膜12の厚さを均一にすることが可能であるため、厚さが局所的に薄いまたは厚い部分である欠陥の発生が抑制される。ゼオライト膜12の表面粗さ(Ra)は、例えば5μm以下であり、好ましくは2μm以下であり、より好ましくは1μm以下であり、さらに好ましくは0.5μm以下である。
ゼオライト膜12の平均細孔径は、例えば1nm以下である。ゼオライト膜12の平均細孔径は、好ましくは0.2nm以上かつ0.8nm以下であり、より好ましくは、0.3nm以上かつ0.5nm以下であり、さらに好ましくは、0.3nm以上かつ0.4nm以下である。ゼオライト膜12の平均細孔径は、ゼオライト膜12が形成される表面近傍における支持体11の平均細孔径よりも小さい。
ゼオライト膜12を構成するゼオライトの最大員環数がnである場合、n員環細孔の短径と長径の算術平均を平均細孔径とする。n員環細孔とは、酸素原子がT原子と結合して環状構造をなす部分の酸素原子の数がn個である細孔である。ゼオライトが、nが等しい複数のn員環細孔を有する場合には、全てのn員環細孔の短径と長径の算術平均をゼオライトの平均細孔径とする。このように、ゼオライト膜の平均細孔径は当該ゼオライトの骨格構造によって一義的に決定され、国際ゼオライト学会の“Database of Zeolite Structures”[online]、インターネット<URL:http://www.iza-structure.org/databases/>に開示されている値から求めることができる。
ゼオライト膜12を構成するゼオライトの種類は特に限定されないが、例えば、AEI型、AEN型、AFN型、AFV型、AFX型、BEA型、CHA型、DDR型、ERI型、ETL型、FAU型(X型、Y型)、GIS型、LEV型、LTA型、MEL型、MFI型、MOR型、PAU型、RHO型、SAT型、SOD型等のゼオライトであってよい。
ゼオライト膜12は、少なくともアルミニウム(Al)およびリン(P)を含む。ゼオライト膜12を構成するゼオライトとしては、ゼオライトを構成する酸素四面体(TO)の中心に位置する原子(T原子)がAlとPとからなるAlPO型のゼオライト、T原子がケイ素(Si)とAlとPとからなるSAPO型のゼオライト、T原子がマグネシウム(Mg)とSiとAlとPとからなるMAPSO型のゼオライト、T原子が亜鉛(Zn)とSiとAlとPとからなるZnAPSO型のゼオライト等を用いることができる。T原子の一部は、他の元素に置換されていてもよい。
ゼオライト膜12におけるリン/アルミニウムのモル比(リンのモル数をアルミニウムのモル数で除して得た値である。以下同様。)は、好ましくは0.4~3であり、より好ましくは0.5~2であり、さらに好ましくは0.7~1.5である。後述するゼオライト合成用ゾル中のアルミニウム源とリン源との配合割合等を調整することにより、ゼオライト膜12におけるリン/アルミニウム比を調整することができる(他の元素の比率についても同様である。)。ゼオライト膜12は、アルカリ金属を含んでいてもよい。当該アルカリ金属は、例えば、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)である。
COの透過量増大および分離性能向上の観点から、当該ゼオライトの最大員環数は、8以下(例えば、6または8)であることが好ましい。ゼオライト膜12は、例えば、SAT型のゼオライトである。換言すれば、ゼオライト膜12は、国際ゼオライト学会が定める構造コードが「SAT」であるゼオライトにより構成されたゼオライト膜である。この場合、ゼオライト膜12を構成するゼオライトの固有細孔径は、0.30nm×0.55nmであり、平均細孔径は、0.43nmである。
20℃~400℃におけるゼオライト膜12のCOの透過量(パーミエンス)は、例えば100nmol/m・s・Pa以上である。また、20℃~400℃におけるゼオライト膜12のCOの透過量/CH漏れ量比(パーミエンス比)は、例えば100以上である。当該パーミエンスおよびパーミエンス比は、ゼオライト膜12の供給側と透過側とのCOの分圧差が1.5MPaである場合のものである。
次に、図3を参照しつつ、ゼオライト膜複合体1の製造の流れの一例について説明する。図3のゼオライト膜複合体1の製造は、ゼオライト膜12の製造でもある。ゼオライト膜複合体1が製造される際には、まず、ゼオライト膜12の製造に利用される種結晶が準備される。種結晶は、例えば、水熱合成にてSAT型のゼオライトの粉末が生成され、当該ゼオライトの粉末から取得される。当該ゼオライトの粉末はそのまま種結晶として用いられてもよく、当該粉末を粉砕等によって加工することにより種結晶が取得されてもよい。
続いて、種結晶を分散させた溶液に多孔質の支持体11を浸漬し、種結晶を支持体11に付着させる(ステップS11)。あるいは、種結晶を分散させた溶液を、支持体11上のゼオライト膜12を形成させたい部分に接触させることにより、種結晶を支持体11に付着させる。これにより、種結晶付着支持体が作製される。種結晶は、他の手法により支持体11に付着されてもよい。
また、図4に模式的に示すゼオライト合成用ゾル8が準備される(ステップS12)。ゼオライト合成用ゾル8は、原料溶液であり、アルミニウム源の粒子81と、粒子81が分散した溶媒82とを備える。粒子81の平均粒径は、5nm~500nmである。アルミニウム源の粒子81の取り扱いを容易にするという観点では、粒子81の平均粒径は、好ましくは5nm以上であり、より好ましくは10nm以上である。また、ゼオライト合成用ゾル8の反応性を向上するには、粒子81の平均粒径は、好ましくは200nm以下であり、より好ましくは100nm以下である。粒子81の平均粒径は、レーザー散乱法により求めた粒径分布におけるメディアン径(D50)である。アルミニウム源の粒子81として、例えば結晶性アルミナ、無定形(非晶質)アルミナ、ベーマイト、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム等の粒子を用いることができる。
分散媒である溶媒82は、リン源、構造規定剤(Structure-Directing Agent、以下「SDA」とも呼ぶ。)およびカルボン酸を含む水である。ゼオライト合成用ゾル8では、リン源、SDAおよびカルボン酸が水に溶解している。リン源として、例えばリン酸、リン酸アルミニウム等を用いることができる。SDAとしては通常、アミン類、4級アンモニウム塩が用いられる。SDAとして、例えばSAT型ゼオライトの場合、水酸化1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン-C4-ジクアット、AEI型ゼオライトの場合、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)、AFX型ゼオライトの場合N,N,N’,N’-テトラメチル-1,6-ジアミノヘキサン(TMHD)等を用いることができる。カルボン酸として、例えば乳酸、リンゴ酸、クエン酸等を用いることができる。カルボン酸を含むゼオライト合成用ゾル8では、リン源を含む溶媒82中において、平均粒径500nm以下のアルミニウム源の粒子81を適切に分散させて、粒子81の沈降を抑制することが可能である。また、ゼオライト合成用ゾル8がゲル化することも抑制される。ゼオライト合成用ゾル8のpHは、好ましくは4~11であり、より好ましくは5~10であり、さらに好ましくは6~9である。
ゼオライト合成用ゾル8では、加熱によりゲル化が引き起こされる場合があるが、このようなゲル化を抑制する(すなわち、分散性を維持する)には、リン/アルミニウムのモル比は、好ましくは0.8~4であり、より好ましくは0.9~3.5であり、さらに好ましくは1~3である。リン/アルミニウムのモル比の上記範囲においてゲル化が抑制される理由は明確ではないが、ゼオライト合成用ゾル8における当該モル比が、高分散ゾルである第一リン酸アルミニウム(Al(HPO)におけるリン/アルミニウムのモル比に近い場合に、加熱によるゲル化が抑制されやすくなると考えられる。
ゼオライト合成用ゾル8におけるカルボン酸/アルミニウムのモル比は、好ましくは0.01~3であり、より好ましくは0.1~2であり、さらに好ましくは0.2~1である。これにより、アルミニウム源の粒子81の分散性をより確実に向上することが可能となる。ゼオライト合成用ゾル8の組成は、例えば、1Al:1P:0.8SDA:200HO:0.1Cである。ゼオライト合成用ゾル8は、ケイ素源、マグネシウム源、亜鉛源等を含んでもよい。
種結晶が付着された支持体11は、ゼオライト合成用ゾル8に浸漬される。そして、水熱合成により当該種結晶を核としてゼオライトを成長させることにより、支持体11上にゼオライト膜12が形成される(ステップS13)。ゼオライト膜12は、例えばSAT型のゼオライトにより構成される。水熱合成時の温度は、例えば120~200℃である。水熱合成時間は、例えば5~50時間である。既述のように、ゼオライト合成用ゾル8では、アルミニウム源の粒子81が溶媒82中において良好に分散しており、支持体11に付着したおよそ全ての種結晶においてゼオライトが均一に成長する。
水熱合成が終了すると、支持体11およびゼオライト膜12が純水で洗浄される。洗浄後の支持体11およびゼオライト膜12は、例えば100℃にて乾燥される。支持体11およびゼオライト膜12を乾燥した後に、ゼオライト膜12を酸化性ガス雰囲気下で加熱処理することによって、ゼオライト膜12中のSDAが燃焼除去される(ステップS14)。これにより、ゼオライト膜12内の微細孔が貫通する。好ましくは、SDAはおよそ完全に除去される。SDAの除去における加熱温度は、例えば300~700℃である。加熱時間は、例えば5~200時間である。酸化性ガス雰囲気は、酸素を含む雰囲気であり、例えば大気中である。
以上の処理により、ゼオライト膜複合体1が得られる。ゼオライト合成用ゾル8を用いたゼオライト膜12の製造では、アルミニウムおよびリンを含むとともに、厚さが均一なゼオライト膜12を容易に得ることができる。したがって、ゼオライト膜12の薄型化を図る場合でも、欠陥の発生を抑制することが可能となる。また、ゼオライト合成用ゾル8では、攪拌することなく、アルミニウム源の粒子81を良好に分散させることが可能であるため、大型の支持体11にゼオライト膜12を形成することも容易に実現される。
次に、ゼオライト合成用ゾル8およびゼオライト膜12の製造の実施例について説明する。
<実施例1:SAT型ゼオライト合成用ゾル>
アルミニウム源、リン源、SDA(構造規定剤)、カルボン酸として、それぞれ無定形アルミナゾル、85%リン酸、水酸化1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン-C4-ジクアット、クエン酸を純水に溶解させ(または混合し)、組成が1Al:1P:0.8SDA:200HO:0.1Cのゼオライト合成用ゾル(原料溶液)を作製した。レーザー散乱法により測定した、ゼオライト合成用ゾルに含まれる粒子の平均粒径は50nmであった。
<実施例2:AEI型ゼオライト合成用ゾル>
アルミニウム源、リン源、SDA(構造規定剤)、カルボン酸として、それぞれ無定形アルミナゾル、85%リン酸、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)、リンゴ酸を純水に溶解させ(または混合し)、組成が1Al:3P:0.8SDA:300HO:0.01Cのゼオライト合成用ゾル(原料溶液)を作製した。レーザー散乱法により測定した、ゼオライト合成用ゾルに含まれる粒子の平均粒径は10nmであった。
<実施例3:AFX型ゼオライト合成用ゾル>
アルミニウム源、リン源、ケイ素源、SDA(構造規定剤)、カルボン酸として、それぞれ無定形アルミナゾル、85%リン酸、シリカゾル、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,6-ジアミノヘキサン(TMHD)、乳酸を純水に溶解させ(または混合し)、組成が1Al:2P:0.3SiO:0.8SDA:100HO:1Cのゼオライト合成用ゾル(原料溶液)を作製した。レーザー散乱法により測定した、ゼオライト合成用ゾルに含まれる粒子の平均粒径は20nmであった。
上記ゼオライト合成用ゾルに、あらかじめ種結晶を付着させた多孔質の支持体を浸漬し、170℃にて50時間水熱合成した。その後、純水にて十分に洗浄した後、100℃で完全に乾燥させた。N透過量測定の結果、いずれの実施例においても、N透過量が0.001L/min・m・kPa以下の緻密なゼオライト膜が得られた。また、SEM観察で膜厚を測定し、10点の値が平均値の±20%以内となる均一な膜が得られた。
次に、図5および図6を参照しつつ、ゼオライト膜複合体1を利用した混合物質の分離について説明する。図5は、分離装置2を示す図である。図6は、分離装置2による混合物質の分離の流れを示す図である。
分離装置2では、複数種類の流体(すなわち、ガスまたは液体)を含む混合物質をゼオライト膜複合体1に供給し、混合物質中の透過性が高い物質を、ゼオライト膜複合体1を透過させることにより混合物質から分離させる。分離装置2における分離は、例えば、透過性が高い物質を混合物質から抽出する目的で行われてもよく、透過性が低い物質を濃縮する目的で行われてもよい。
当該混合物質(すなわち、混合流体)は、複数種類のガスを含む混合ガスであってもよく、複数種類の液体を含む混合液であってもよく、ガスおよび液体の双方を含む気液二相流体であってもよい。
混合物質は、例えば、水素(H)、ヘリウム(He)、窒素(N)、酸素(O)、水(HO)、水蒸気(HO)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、窒素酸化物、アンモニア(NH)、硫黄酸化物、硫化水素(HS)、フッ化硫黄、水銀(Hg)、アルシン(AsH)、シアン化水素(HCN)、硫化カルボニル(COS)、C1~C8の炭化水素、有機酸、アルコール、メルカプタン類、エステル、エーテル、ケトンおよびアルデヒドのうち、1種類以上の物質を含む。
窒素酸化物とは、窒素と酸素の化合物である。上述の窒素酸化物は、例えば、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)、亜酸化窒素(一酸化二窒素ともいう。)(NO)、三酸化二窒素(N)、四酸化二窒素(N)、五酸化二窒素(N)等のNO(ノックス)と呼ばれるガスである。
硫黄酸化物とは、硫黄と酸素の化合物である。上述の硫黄酸化物は、例えば、二酸化硫黄(SO)、三酸化硫黄(SO)等のSO(ソックス)と呼ばれるガスである。
フッ化硫黄とは、フッ素と硫黄の化合物である。上述のフッ化硫黄は、例えば、二フッ化二硫黄(F-S-S-F,S=SF)、二フッ化硫黄(SF)、四フッ化硫黄(SF)、六フッ化硫黄(SF)または十フッ化二硫黄(S10)等である。
C1~C8の炭化水素とは、炭素が1個以上かつ8個以下の炭化水素である。C3~C8の炭化水素は、直鎖化合物、側鎖化合物および環式化合物のうちいずれであってもよい。また、C3~C8の炭化水素は、飽和炭化水素(すなわち、2重結合および3重結合が分子中に存在しないもの)、不飽和炭化水素(すなわち、2重結合および/または3重結合が分子中に存在するもの)のどちらであってもよい。C1~C4の炭化水素は、例えば、メタン(CH)、エタン(C)、エチレン(C)、プロパン(C)、プロピレン(C)、ノルマルブタン(CH(CHCH)、イソブタン(CH(CH)、1-ブテン(CH=CHCHCH)、2-ブテン(CHCH=CHCH)またはイソブテン(CH=C(CH)である。
上述の有機酸は、カルボン酸またはスルホン酸等である。カルボン酸は、例えば、ギ酸(CH)、酢酸(C)、シュウ酸(C)、アクリル酸(C)または安息香酸(CCOOH)等である。スルホン酸は、例えばエタンスルホン酸(CS)等である。当該有機酸は、鎖式化合物であってもよく、環式化合物であってもよい。
上述のアルコールは、例えば、メタノール(CHOH)、エタノール(COH)、イソプロパノール(2-プロパノール)(CHCH(OH)CH)、エチレングリコール(CH(OH)CH(OH))またはブタノール(COH)等である。
メルカプタン類とは、水素化された硫黄(SH)を末端に持つ有機化合物であり、チオール、または、チオアルコールとも呼ばれる物質である。上述のメルカプタン類は、例えば、メチルメルカプタン(CHSH)、エチルメルカプタン(CSH)または1-プロパンチオール(CSH)等である。
上述のエステルは、例えば、ギ酸エステルまたは酢酸エステル等である。
上述のエーテルは、例えば、ジメチルエーテル((CHO)、メチルエチルエーテル(COCH)またはジエチルエーテル((CO)等である。
上述のケトンは、例えば、アセトン((CHCO)、メチルエチルケトン(CCOCH)またはジエチルケトン((CCO)等である。
上述のアルデヒドは、例えば、アセトアルデヒド(CHCHO)、プロピオンアルデヒド(CCHO)またはブタナール(ブチルアルデヒド)(CCHO)等である。
以下の説明では、分離装置2により分離される混合物質は、複数種類のガスを含む混合ガスであるものとして説明する。
分離装置2は、ゼオライト膜複合体1と、封止部21と、外筒22と、2つのシール部材23と、供給部26と、第1回収部27と、第2回収部28とを備える。ゼオライト膜複合体1、封止部21およびシール部材23は、外筒22内に収容される。供給部26、第1回収部27および第2回収部28は、外筒22の外部に配置されて外筒22に接続される。
封止部21は、支持体11の長手方向(すなわち、図5中の左右方向)の両端部に取り付けられ、支持体11の長手方向両端面、および、当該両端面近傍の外側面を被覆して封止する部材である。封止部21は、支持体11の当該両端面からのガスの流入および流出を防止する。封止部21は、例えば、ガラスまたは樹脂により形成された板状部材である。封止部21の材料および形状は、適宜変更されてよい。なお、封止部21には、支持体11の複数の貫通孔111と重なる複数の開口が設けられているため、支持体11の各貫通孔111の長手方向両端は、封止部21により被覆されていない。したがって、当該両端から貫通孔111へのガス等の流入および流出は可能である。
外筒22は、略円筒状の筒状部材である。外筒22は、例えばステンレス鋼または炭素鋼により形成される。外筒22の長手方向は、ゼオライト膜複合体1の長手方向に略平行である。外筒22の長手方向の一方の端部(すなわち、図5中の左側の端部)には供給ポート221が設けられ、他方の端部には第1排出ポート222が設けられる。外筒22の側面には、第2排出ポート223が設けられる。供給ポート221には、供給部26が接続される。第1排出ポート222には、第1回収部27が接続される。第2排出ポート223には、第2回収部28が接続される。外筒22の内部空間は、外筒22の周囲の空間から隔離された密閉空間である。
2つのシール部材23は、ゼオライト膜複合体1の長手方向両端部近傍において、ゼオライト膜複合体1の外側面と外筒22の内側面との間に、全周に亘って配置される。各シール部材23は、ガスが透過不能な材料により形成された略円環状の部材である。シール部材23は、例えば、可撓性を有する樹脂により形成されたOリングである。シール部材23は、ゼオライト膜複合体1の外側面および外筒22の内側面に全周に亘って密着する。図5に示す例では、シール部材23は、封止部21の外側面に密着し、封止部21を介してゼオライト膜複合体1の外側面に間接的に密着する。シール部材23とゼオライト膜複合体1の外側面との間、および、シール部材23と外筒22の内側面との間は、シールされており、ガスの通過はほとんど、または、全く不能である。
供給部26は、混合ガスを、供給ポート221を介して外筒22の内部空間に供給する。供給部26は、例えば、外筒22に向けて混合ガスを圧送するブロワーまたはポンプである。当該ブロワーまたはポンプは、外筒22に供給する混合ガスの圧力を調節する圧力調節部を備える。第1回収部27および第2回収部28は、例えば、外筒22から導出されたガスを貯留する貯留容器、または、当該ガスを移送するブロワーもしくはポンプである。
混合ガスの分離が行われる際には、上述の分離装置2が用意されることにより、ゼオライト膜複合体1が準備される(ステップS21)。続いて、供給部26により、ゼオライト膜12に対する透過性が異なる複数種類のガスを含む混合ガスが、外筒22の内部空間に供給される。例えば、混合ガスの主成分は、COおよびCHである。混合ガスには、COおよびCH以外のガスが含まれていてもよい。供給部26から外筒22の内部空間に供給される混合ガスの圧力(すなわち、導入圧)は、例えば、0.1MPa~20.0MPaである。混合ガスの分離が行われる温度は、例えば、10℃~150℃である。
供給部26から外筒22に供給された混合ガスは、矢印251にて示すように、ゼオライト膜複合体1の図中の左端から、支持体11の各貫通孔111内に導入される。混合ガス中の透過性が高いガス(例えば、COであり、以下、「高透過性物質」と呼ぶ。)は、各貫通孔111の内側面上に設けられたゼオライト膜12、および、支持体11を透過して支持体11の外側面から導出される。これにより、高透過性物質が、混合ガス中の透過性が低いガス(例えば、CHであり、以下、「低透過性物質」と呼ぶ。)から分離される(ステップS22)。支持体11の外側面から導出されたガス(以下、「透過物質」と呼ぶ。)は、矢印253にて示すように、第2排出ポート223を介して第2回収部28により回収される。第2排出ポート223を介して第2回収部28により回収されるガスの圧力(すなわち、透過圧)は、例えば、約1気圧(0.101MPa)である。
また、混合ガスのうち、ゼオライト膜12および支持体11を透過したガスを除くガス(以下、「不透過物質」と呼ぶ。)は、支持体11の各貫通孔111を図中の左側から右側へと通過し、矢印252にて示すように、第1排出ポート222を介して第1回収部27により回収される。第1排出ポート222を介して第1回収部27により回収されるガスの圧力は、例えば、導入圧と略同じ圧力である。不透過物質には、上述の低透過性物質以外に、ゼオライト膜12を透過しなかった高透過性物質が含まれていてもよい。
次に、上記ゼオライト合成用ゾル8を用いたゼオライト粉末の製造について説明する。図7は、ゼオライト粉末の製造の流れを示す図である。まず、図3の上記ステップS12と同様にして、ゼオライト合成用ゾル8が準備される(ステップS31)。既述のように、ゼオライト合成用ゾル8は、アルミニウム源の粒子81と、粒子81が分散した溶媒82とを備える。粒子81の平均粒径は、5~500nmである。溶媒82は、リン源、SDAおよびカルボン酸を含む水である。
続いて、ゼオライト合成用ゾル8の水熱合成が行われる。水熱合成時の温度は、例えば120~200℃である。水熱合成時間は、例えば5~240時間である。既述のように、ゼオライト合成用ゾル8では、アルミニウム源の粒子81が溶媒82中において良好に分散している。水熱合成では、溶媒82中においてゼオライトの結晶化が均一に生じ、ゼオライト粉末が形成される(ステップS32)。水熱合成が完了すると、得られた結晶が純水で洗浄される。そして、洗浄後の結晶を例えば100℃にて乾燥させることにより、ゼオライト粉末が生成される。ゼオライト合成用ゾル8中のアルミニウム源とリン源との配合割合等を調整することにより、ゼオライト粉末の組成を調整することができる。
その後、ゼオライト粉末を酸化性ガス雰囲気下で加熱処理することにより、粉末中のSDAが燃焼除去される(ステップS33)。好ましくは、SDAはおよそ完全に除去される。SDAの除去における加熱温度は、例えば300~700℃である。加熱時間は、例えば5~200時間である。
以上の処理により、ゼオライト粉末が得られる。ゼオライト合成用ゾル8を用いたゼオライト粉末の製造では、アルミニウムおよびリンを含むとともに、粒径が均一な(シャープな粒径分布を有する)ゼオライト粉末を容易に得ることができる。
上述のゼオライト合成用ゾル8、ゼオライト膜12、ゼオライト膜複合体1およびゼオライト粉末では、様々な変更が可能である。
ゼオライト合成用ゾル8では、アルミニウム源の粒子81以外の粒子が含まれていてもよい。粒子81には、アルミニウム源以外の物質が含まれていてもよい。また、溶媒82において、リン源、SDAおよびカルボン酸以外の物質が含まれていてもよい。
ゼオライト膜12およびゼオライト粉末の用途によっては、ゼオライト膜12およびゼオライト粉末が、SDAを含んでもよい。すなわち、ゼオライト膜12およびゼオライト粉末の製造において、SDAを除去する工程(ステップS14,S33)が省略されてもよい。
ゼオライト膜複合体1は、支持体11およびゼオライト膜12に加えて、ゼオライト膜12上に積層された機能膜や保護膜をさらに備えていてもよい。このような機能膜や保護膜は、ゼオライト膜、シリカ膜または炭素膜等の無機膜であってもよく、ポリイミド膜またはシリコーン膜等の有機膜であってもよい。また、ゼオライト膜12上に積層された機能膜や保護膜には、CO等の特定の分子を吸着しやすい物質が添加されていてもよい。
ゼオライト膜複合体1を含む分離装置2では、上記説明にて例示した物質以外の物質が、混合物質から分離されてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
本発明のゼオライト合成用ゾルは、様々な種類のゼオライトの合成に利用可能である。ゼオライト膜は、例えば、ガス分離膜として利用可能であり、さらには、ガス以外の分離膜や様々な物質の吸着膜等として様々な分野で利用可能である。ゼオライト粉末も、様々な用途に利用可能である。
8 ゼオライト合成用ゾル
11 支持体
12 ゼオライト膜
81 粒子
82 溶媒
S11~S14,S21,S22,S31~S33 ステップ

Claims (4)

  1. ゼオライト合成用ゾルであって、
    アルミニウム源であり、平均粒径が1050nmである粒子と、
    リン源、構造規定剤およびカルボン酸を含む水であり、前記粒子が分散した溶媒と、
    を備え、
    前記粒子が、結晶性アルミナ、非晶質アルミナ、ベーマイト、擬ベーマイトまたは水酸化アルミニウムの粒子であり、
    リン/アルミニウムのモル比が、であり、
    カルボン酸/アルミニウムのモル比が、0.01~0.5であることを特徴とするゼオライト合成用ゾル。
  2. 請求項1に記載のゼオライト合成用ゾルであって、
    pHが4~11であることを特徴とするゼオライト合成用ゾル。
  3. ゼオライト膜の製造方法であって、
    請求項1または2に記載のゼオライト合成用ゾルを準備する工程と、
    前記ゼオライト合成用ゾルを用いて水熱合成により支持体上にゼオライト膜を形成する工程と、
    を備えることを特徴とするゼオライト膜の製造方法。
  4. ゼオライト粉末の製造方法であって、
    請求項1または2に記載のゼオライト合成用ゾルを準備する工程と、
    前記ゼオライト合成用ゾルを用いて水熱合成によりゼオライト粉末を形成する工程と、
    を備えることを特徴とするゼオライト粉末の製造方法。
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