JP7290102B2 - 二次電池 - Google Patents
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Description
は、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源用途のみならず、車両駆動用電源として好ましく用いられている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)等の車両の駆動用高出力電源として好ましく、今後も需要が拡大するものと期待されている。
そして、かかる積層構造電極体では、所定の一の幅方向において、該電極体の本体部分(即ち、正負極において、対応する極の活物質層が積層された部分をいう。)の一方の端部に、正極集電体の正極活物質層非形成部分(即ち、正極集電体露出部分)が積層方向に複数重なり合うようにして正極集電体積層部が構成されており、同様に、該本体部分の上記幅方向における他方の端部に、負極集電体の負極活物質層非形成部分(即ち、負極集電体露出部分)が積層方向に複数重なり合うようにして負極集電体積層部が構成されている。さらに、当該正負極集電体積層部に、それぞれ、対応する極の集電端子の一部を配置し、該集電体積層部と該集電端子とを超音波溶接等の溶接手段により接合することで正負極の集電構造がそれぞれ形成されている。例えば、特許文献1~3には、この種の集電構造を備えた二次電池や蓄電装置、ならびに、それらの製造方法について記載されている。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材または部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
図1および図2に示されるように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、直方体形状の角型の電池ケース10と、該ケース10の開口部12を塞ぐ蓋体14とを備える。また、電池ケース10の内部には、上記開口部12より収容された扁平形状の捲回電極体20および電解質が配置されている。そして、上記蓋体14には、外部接続用の外部正極端子38と外部負極端子48とが設けられており、外部端子38、48の一部はケース内部で正極集電端子37または負極集電端子47にそれぞれ接続されている。
なお、本実施形態におけるセパレータ材50は、正極活物質層34および負極活物質層44の積層部分の幅よりも大きく、且つ、電極体20の幅よりも小さい幅を備えることを特徴としている。また、上記セパレータ材50は、正極集電体32と負極集電体42とが互いに接触して内部短絡が生じることがないように、正極活物質層34および負極活物質層44の積層部分に挟まれて配置されている。ただし、セパレータ材50の幅は特に限定されるものではなく、該電極体20と同じもしくはそれよりも大きくても良い。また、正極活物質層非形成部36および負極活物質層非形成部46からはみ出た状態でセパレータ材50が配置された構成でもよい。
例えば、正極集電体32としては、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。具体的には、アルミニウム(Al)、アルミニウムを主成分とする合金、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)等の金属からなる箔材(好ましくは、アルミニウム箔)が挙げられる。そして、本実施形態では、アルミニウム箔が用いられている。
また、正極活物質としては、従来のリチウムイオン二次電池に用いられる物質の一種又は二種以上を特に限定なく用いることができる。例えば、層状構造の酸化物系正極活物質や、スピネル構造の酸化物系正極活物質等が好ましく用いられる。具体的には、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。なお、一般式がLiMPO4(MはCo、Ni、MnおよびFeのうちの少なくとも一種以上の元素;例えばLiFePO4、LiMnPO4)で表記されるオリビン型のリチウム含有リン酸化合物でもよい。
また、負極活物質としては、従来のリチウムイオン二次電池に用いられる物質の一種又は二種以上を特に限定なく用いることができる。例えば、カーボン粒子が好ましく用いられる。さらに、少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)、いわゆる黒鉛質のもの(グラファイト)、難黒鉛化炭素質のもの(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質のもの(ソフトカーボン)、これらを組み合わせた構造を有するもののいずれの炭素材料も好ましく用いられ得る。
図4は、超音波溶接に際して正極集電体積層部64と正極集電端子62とを挟み込ませるようにして配置されるホーン60およびアンビル63を示す模式図である。図4に示されるように、超音波溶接により正極集電体積層部64と正極集電端子62とを接合する際には、正極集電体積層部64の接合予定部位に正極集電端子62を配置し、該接合予定部位が該ホーン60側になるように該接合予定部位および当該部位に配置された集電端子部分とを該ホーン60と該アンビル63とで挟み込むことにより、溶接を行う。なお、超音波溶接においては一般的に、図4に示されるように、集電端子62の幅方向における中心とホーン60の該幅方向における中心とを合わせた状態で溶接が行われる。そして、図5は、図4に示される超音波溶接に際して形成される正極集電体積層部64における溶接痕の位置を示す平面図である。正極集電端子72の幅方向の中心とホーン60の該幅方向の中心とを合わせた状態で溶接を行うため、幅方向において溶接痕70の中心Mと正極集電端子72の中心とが一致している。また、正極集電端子72の幅方向の長さをL1、該幅方向における該集電端子72の電極体側の端部から該溶接痕70までの長さをL2とすると、L2/L1=0.162(>0.16)となる。この場合、対応する図4に示されるように、積層された集電体のうち最外部にある集電体の幅方向の長さが、ホーンの凸部61のうち電極体側から最も離れた凸部の先端に対して大きく不足する。
図6は、超音波溶接に際して正極集電体積層部84と正極集電端子82とを挟み込ませるようにして配置されるホーン80およびアンビル83を示す模式図である。図6に示されるように、超音波溶接により正極集電体積層部84と正極集電端子82とを接合する際には、正極集電体積層部84の接合予定部位に正極集電端子82を配置し、該接合予定部位が該ホーン80側になるように該接合予定部位および当該部位に配置された集電端子部分とを該ホーン80と該アンビル83とで挟み込むことにより、溶接を行う。なお、本実施形態においては、図6に示されるように、幅方向においてホーン80の中心を集電端子82の中心から電極体側にずらした位置に合わせた状態で溶接が行われる。ここで、ホーン80の中心の位置を上記のとおりに調整する方法としては、集電端子82の幅方向の長さを小さくする、あるいは、集電端子82を幅方向において電極体側とは反対の方向に移動させる等が思料される。また、図7は、図6に示される超音波溶接に際して形成される正極集電体積層部84における溶接痕の位置を示す平面図である。この場合、幅方向においてホーンの中心を集電端子の中心から電極体側にずらした位置に合わせた状態で溶接を行うため、溶接痕90の中心Mが幅方向において電極体側にずれた位置に存在する。また、正極集電端子92の幅方向の長さをL1、該幅方向における該集電端子92の電極体側の端部から該溶接痕90までの長さをL2とすると、L2/L1=0.092(<0.16)となる。この場合、対応する図6に示されるように積層された集電体のうち最外部にある集電体の幅方向の長さは、ホーンの凸部81のうち電極体側から最も離れた凸部の先端に対してほぼ一致する。即ち、本実施形態においては、図4に示される従来の超音波溶接と比較して、ホーンの凸部の先端に対する積層された集電体のうち最外部にある集電体の幅方向の長さの不足具合が大幅に緩和される。
12 開口部
14 蓋体
20 捲回電極体
30 正極シート
32 正極集電体
34 正極活物質層
35, 64, 84 正極集電体積層部
36 正極活物質層非形成部
37, 62, 72, 82, 92 正極集電端子
38 外部正極集電端子
40 負極シート
42 負極集電体
44 負極活物質層
45 負極集電体積層部
46 負極活物質層非形成部
47 負極集電端子
48 外部負極集電端子
50 セパレータ材
60, 80 ホーン
61, 81 ホーンの凸部
63, 83 アンビル
70, 90 溶接痕
100 リチウムイオン二次電池
R 捲回軸方向
Claims (1)
- シート状の正極集電体の表面に正極活物質層が形成された正極と、シート状の負極集電体の表面に負極活物質層が形成された負極とが、セパレータとして機能する材料を介在させつつ相互に複数重なり合った積層構造を有する電極体と、
該電極体に接合された正負極それぞれに対応する集電端子と
を備える二次電池であって、
前記電極体における所定の一の幅方向の両端部のうちの一方の端部は、前記正極活物質層の形成されていない正極集電体露出部分が負極からはみ出た状態で積層された正極集電体積層部を構成しており、且つ、該両端部のうちの他方の端部は前記負極活物質層の形成されていない負極集電体露出部分が正極からはみ出た状態で積層された負極集電体積層部を構成しており、
前記正負極それぞれの集電体積層部のうち少なくとも一方の極の集電体積層部は、超音波溶接により対応する極側の前記集電端子と接合されており、
前記超音波溶接により形成された溶接痕は、前記幅方向において、該集電端子の中心から前記電極体側にずれた位置に形成され、かつ、
前記溶接痕は、前記一方の極の集電体積層部の、前記幅方向における前記一方の極の活物質層側の端部から他の端部に至るまでの間に存在しており、
前記集電端子の前記幅方向の長さをL1とし、該幅方向における該集電端子の前記電極体側の端部から前記溶接痕までの長さをL2としたとき、L2/L1<0.16の範囲を満たすことを特徴とする二次電池。
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