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JP7194334B2 - ラミネート型二次電池および該二次電池を備える組電池 - Google Patents

ラミネート型二次電池および該二次電池を備える組電池 Download PDF

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Description

本発明は、ラミネートシートからなる外装体に電池要素を収容した構造のラミネート型二次電池に関し、さらには相互に電気的に接続した複数の該ラミネート型二次電池を備える組電池に関する。
リチウムイオン二次電池等の二次電池は、軽量で高いエネルギー密度が得られることから、パソコンや携帯端末等のポータブル電源、あるいはEV(電気自動車)、HV(ハイブリッド自動車)、PHV(プラグインハイブリッド自動車)等の車両駆動用電源として広く用いられている。このような車両駆動用電源として用いられる二次電池の一形態として、正負極を有する電極体および電解質から構成される電池要素(蓄電素子)を袋状のラミネートシートからなる外装体(以下、単に「ラミネート外装体」ともいう。)で包囲した構造のいわゆるラミネート型電池が挙げられる。
かかるラミネート外装体は、一般には、ポリオレフィン樹脂等の熱融着可能なプラスチックフィルムで構成される外層とアルミニウム等の金属箔からなる内層とを備える多層構造の可撓性を有する素材で構成されており、軽量且つ密閉性(シール性)に優れる外装体である。
例えば以下の特許文献1には、この種のラミネート外装体を備えるラミネート型の二次電池が記載されている。
特開2013-69696号公報 特開2008-262804号公報
ところで、ラミネート外装体を構成するラミネートシートは、軽量で可撓性を有する一方で、外部から受ける衝撃に対する強度は金属性の電池ケースと比較すると低いといわざるを得ない。そこで、ラミネート外装体を二重構造にすることによって落下等の衝撃に対する物理的強度を向上させることが提案されている。例えば上記特許文献2には、電池要素を内部に収容する軟質のラミネート外装体(軟質外装材)と、該電池素子および軟質外装材を内部に収容する硬質のラミネート外装体(硬質外装材)とを備える電池が開示されている。
しかしながら、上記特許文献2に記載されるような二重構造のラミネート外装体を備えるラミネート型二次電池では、物理的強度が向上した一方で、電池内部の閉塞性は高まっており、異常時における電池内部からのガス放出や放熱性は、一重構造のラミネート外装体を備える通常のラミネート型二次電池よりも逆に低下する虞がある。リチウムイオン二次電池のような比較的高電圧、高容量の二次電池では、内部短絡、過充電等の異常時においては速やかに放熱もしくは電池内部で発生したガスを放出することが好ましく、上記二重構造のラミネート外装体を備えるラミネート型二次電池でも事情は同じであり、ガス放出特性や放熱性の向上が求められる。
そこで本発明は、二重構造のラミネート外装体を備えるラミネート型二次電池におけるかかる問題点を解決するべく創出されたものであり、優れたガス放出特性、放熱性を実現する二重構造のラミネート外装体を備えるラミネート型二次電池の提供を目的とする。また、かかるラミネート型二次電池を複数備えた組電池の提供を他の目的とする。
かかる目的を実現するべく、ここに開示されるラミネート型二次電池は、シート状の正極および負極がセパレータとして機能する層を介在させつつ複数積層した構造の積層電極体と、該積層電極体を内部に収容する相対的に軟質のラミネートシートから構成される軟質ラミネート外装体と、該積層電極体を内部に収容した状態の該軟質ラミネート外装体を内部に収容する相対的に硬質のラミネートシートから構成される硬質ラミネート外装体と、を備えたラミネート型二次電池である。
そして、ここに開示されるラミネート型二次電池において、上記軟質ラミネート外装体は、内部に収容された上記積層電極体の積層側面に対向する周囲において上記軟質ラミネートシート同士が接合された接合部を有しており、上記硬質ラミネート外装体は、内部に収容された上記積層電極体の積層側面に対向する周囲の一部において開口部が形成されている。ここで、上記接合部の一部は、その開口部を介して上記硬質ラミネート外装体の外方に突出していることを特徴とする。
かかる構成のラミネート型二次電池では、上記軟質ラミネート外装体と硬質ラミネート外装体とからなる二重構造ラミネート外装体のうち、硬質ラミネート外装体において、上記積層電極体の積層側面(即ち、正負極の積層構造が表れている側面をいう。)に対向する周囲の一部において開口部が形成されている。さらに、該開口部を介して上記軟質ラミネート外装体の接合部の一部が硬質ラミネート外装体の外方に突出している。このことによって、当該開口部から、特に該開口部から外方に突出している接合部の一部から、内部短絡、過充電等の異常時におけるガスの放出ならびに放熱を効果的に行うことができる。
このため、ここに開示されるラミネート型二次電池によると、軟質および硬質の二重構造のラミネート外装体を備えていても、好適なガス放出特性および放熱性を実現することができる。
また、本発明は、ここに開示されるラミネート型二次電池を複数備える組電池であって、上記積層電極体の正負極積層方向に沿って複数のラミネート型二次電池を積層した構成の組電池を提供する。かかる構成の組電池では、該組電池を構成するそれぞれのラミネート型二次電池(単電池ともいう。)が上記のとおり好適なガス放出特性ならびに放熱性を具備するため、組電池に含まれる何れかの単電池において不具合が発生した場合であっても、隣接する他の単電池に高熱が伝導することを防止することができ、高い安定性を実現することができる。
一実施形態に係るラミネート型二次電池を模式的に示す斜視図である。 一実施形態に係るラミネート型二次電池の構築ステップの概略を示す模式図である。(A)には、積層電極体を軟質ラミネート外装体の内部に収容する前の状態が示されている。(B)には、軟質ラミネート外装体の全周囲を接合した後の状態が示されている。(C)には、硬質ラミネート外装体の内部に、積層電極体を収容した軟質ラミネート外装体を収容した様子が示されている。
以下、図面を参照しながら、本発明による一実施形態を説明する。なお、以下に説明する各図面において、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。さらに、本明細書において数値範囲:A~B(ここでAとBは、A<Bの関係にある任意の数値)と記載している場合は、A以上B以下を意味しており、Aを上回る場合(Aを含まずにそれ以上の場合)、Bを下回る場合(Bを含まずにそれ以下の場合)も包含される数値範囲である。
本明細書において「二次電池」とは、充放電可能で所定の電気エネルギーを繰り返し取り出し得る蓄電装置をいう。例えば、電解質中のアルカリ金属イオンが電荷の移動を担うリチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池等は、ここでいう二次電池に包含される典型例である。「ラミネート型二次電池」とは、ラミネートシートからなる外装体の内部に、電極体(例えば、積層電極体)および電解質を収容した構成の二次電池をいう。
以下、ここで開示されるラミネート型二次電池の一実施形態として、扁平な矩形状の積層電極体をラミネート外装体に収容した形態のラミネート型二次電池を例として、本発明について詳細に説明する。なお、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。
<ラミネート型二次電池の全体構造>
まず初めに、ここで開示されるラミネート型二次電池の大まかな全体構造を、図1を参照しつつ説明する。図1は、一実施形態に係るラミネート型二次電池の全体構造を模式的に示す斜視図である。
図1に示されるように、ラミネート型二次電池100は、積層電極体20と、軟質ラミネート外装体40と、硬質ラミネート外装体50を備えている。
図示されるように、軟質ラミネート外装体40は、積層電極体20を内部に収容している。また、硬質ラミネート外装体50は、積層電極体20を内部に収容した状態の軟質ラミネート外装体40を内部に収容している。そして、硬質ラミネート外装体50のシールされた周縁の一部は、シールされずに開口した開口部52を形成しており、軟質ラミネート外装体40の一部は、当該開口部52を介して硬質ラミネート外装体50の外方に突出している。また、積層電極体20に付設される正極集電タブ12および負極集電タブ14の先端寄りの一部は、軟質ラミネート外装体40および硬質ラミネート外装体50の両方から引き出され、外方に突出している。
次に、ラミネート型二次電池100の構成および各構成要素について詳細に説明する。
<積層電極体>
積層電極体20としては、この種のラミネート型二次電池に使用される積層電極体を特に制限なく使用することができる。具体的には、例えば、積層電極体20は矩形シート状の正極と、矩形シート状の負極とが、図示されないセパレータとして機能する層を介在させつつ、相互に絶縁された状態で複数積層している。
-正極-
正極は、典型的には、矩形シート状の正極集電体と、該正極集電体の表面(片面もしくは両面)に形成された正極活物質層とを備えている。正極活物質層は、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極活物質(例えば、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物)を含んでいる。また、正極集電体としては、例えば、アルミニウム製の正極集電体が使用される。そして、正極集電体には正極集電タブ12が付設されており、外部接続用の正極端子として機能する。
-負極-
負極は、典型的には、矩形シート状の負極集電体と、該負極集電体の表面(片面もしくは両面)に形成された負極活物質層とを備えている。負極活物質層は、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な負極活物質(例えば、黒鉛等の炭素系材料)を含んでいる。また、負極集電体としては、例えば、銅製の負極集電体が使用される。そして、図示されるように、負極集電体には負極集電タブ14が付設されており、外部接続用の負極端子として機能する。
-セパレータ-
上述するように、積層電極体20は、正極および負極間を絶縁するセパレータとして機能する層を備えている。セパレータとして機能する層の種類は、大まかにいって、ラミネート型二次電池100が備える電解質によって異なる。具体的には、例えば、ラミネート型二次電池100が固体電解質を備えるいわゆる全固体電池である場合、固体電解質層が、セパレータとして機能する層に該当する。当該固体電解質層に含まれる固体電解質としては、硫化物系固体電解質あるいは酸化物系固体電解質が挙げられる。また、ラミネート型二次電池100が電解液を備えるタイプの二次電池である場合、セパレータシートが、セパレータとして機能する層に該当する。セパレータシートとしては、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン等の樹脂製シートが挙げられる。
<ラミネート外装体>
軟質ラミネート外装体40は、表層を構成する絶縁性のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等からなる樹脂フィルム層と内部層を構成するアルミニウム、ステンレス等からなる金属層との積層構造、例えば、ポリアミド層と、金属層と、ポリオレフィン層とが、この順に積層された三層構造のラミネートシートで構成され得る。各層の厚みについては特に限定されないが、例えば、ポリアミド層は10~100μm、アルミニウム層は30~150μm(好ましくは100μm、さらに好ましくは、50μm以下)、ポリオレフィン層は10~100μmであり得る。
硬質ラミネート外装体50は、軟質ラミネート外装体40と同様、典型的には樹脂フィルム層と金属層との積層構造であり得る。例えば、ポリアミド層と、金属層と、ポリオレフィン層とが、この順に積層された構造のラミネートシートで構成される。各層の厚みについては、例えば、ポリアミド層は10~100μm、金属層は100~500μm(好ましくは200~400μm、さらに好ましくは、250~350μm)、ポリオレフィン層は10~100μmであり得る。
軟質ラミネート外装体40および硬質ラミネート外装体50の構成材料であるラミネートシートが上述のような構成であることによって、即ち、ラミネートシートを構成するアルミニウム等の金属層の厚みに違いを持たせることによって、ラミネート外装体の曲げ特性や機械的な硬さを調節することができる。軟質ラミネート外装体40は、硬質ラミネート外装体50と比較して相対的に軟質のラミネートシートから構成されることとなる。一方、硬質ラミネート外装体50は、軟質ラミネート外装体40と比較して相対的に硬質のラミネートシートから構成されることとなる。
<ラミネート型二次電池の構築>
次に、ラミネート型二次電池100の構築について、図2を参照しつつ説明する。図2には、一実施形態に係るラミネート型二次電池の構築ステップの概略が模式的に示されている。(A)には、積層電極体20を軟質ラミネート外装体40の内部に収容する前の状態が示されている。(B)には、軟質ラミネート外装体40の全周囲を接合した後の状態が示されている。(C)には、硬質ラミネート外装体50の内部に、積層電極体20を収容した軟質ラミネート外装体40を収容した様子が示されている。
-電極体の構築および軟質ラミネート外装体への収容-
まず、上述する材料を用いて積層電極体20を構築する。次に、図2(A)に示されるように、積層電極体20を2枚の矩形シート状の軟質ラミネート外装体40を構成する軟質ラミネートシート(図2(A)中では、ラミネート外装体40の符号で示している。)の間に挟み込んで収容する。そして、図2(B)に示されるように、内部に収容された積層電極体20の積層側面に対向する周囲において、軟質ラミネートシート同士を、例えば熱溶着により接合する。図示されるように、軟質ラミネート外装体40は、接合部40a、40b、40c、および、40dを有している。ここで、軟質ラミネート外装体40は正極集電タブ12および負極集電タブ14の一部を内部に収容するが、その他の一部は収容せず、それらは接合部40aから外方に突出している。
-硬質ラミネート外装体への収容-
次に、積層電極体20を内部に収容した状態の軟質ラミネート外装体40(図2(B))を、例えば2枚の矩形シート状の硬質ラミネート外装体50を構成する硬質ラミネートシートの間に挟み込んで収容する(図示なし)。そして、内部に収容された積層電極体20の積層側面に対向する周囲を熱溶着により接合するが、一部は接合せずに開口部を形成させる。具体的には、例えば図2(C)に示されるように、硬質ラミネート外装体50において、接合部40a、40b、および、40dに対向する部分については接合する。しかしながら、上記一部である接合部40cに対向する部分は接合しないため、開口部52が形成されている。開口部52が形成される部位としては、例えば、矩形状のラミネートシートにおいて短辺部分を開口部52の形成部位とすることが好ましく、典型的には、正負極集電タブ形成部位と対向する部位が挙げられる。ここで、図示されるように、接合部40cの一部は、開口部52を介して硬質ラミネート外装体50の外方に突出していることが好ましい(図1も参照)。このことにより、開口部52から、特に開口部52から外方に突出している接合部40cの一部から、内部短絡、過充電等の異常時におけるガスの放出ならびに放熱を効果的に行うことができる。
なお、正極集電タブ12および負極集電タブ14は、接合部40aに対向した硬質ラミネート外装体50の接合部から外方に突出し、外部接続可能となっている。
上述のように構築されたラミネート型二次電池100では、軟質ラミネート外装体と硬質ラミネート外装体50とからなる二重構造ラミネート外装体を備える。そのうち、硬質ラミネート外装体50において、積層電極体20の積層側面に対向する周囲の一部において開口部52が形成され、これを介して軟質ラミネート外装体40の接合部40cの一部が硬質ラミネート外装体50の外方に突出している。ここから内部短絡、過充電等の異常時におけるガスの放出ならびに放熱を効果的に行うことができ、二重構造のラミネート外装体を備えていても、好適なガス放出特性および放熱性を実現することができる。
<組電池>
ラミネート型二次電池100を単電池として使用し、組電池を作製することができる。詳細な図示は省略するが、具体的には、例えば、複数(2~50個程度)のラミネート型二次電池100を、積層電極体20の正負極積層方向に沿って積層する。例えば、単電池としてのラミネート型二次電池100を複数並列接続する場合、それぞれの正極集電タブ12および負極集電タブ14が重ねられるようにして、ラミネート型二次電池100を積層する。
上述するように、該組電池の単電池としてのラミネート型二次電池100が良好なガス放出特性ならびに放熱性を有するため、組電池に含まれる何れかの単電池において不具合が発生した場合であっても、隣接する他の単電池に高熱が伝導することを防止することができ、高い安定性を実現することができる。
<変形例1>
ラミネート型二次電池100が電解液を備えるタイプの二次電池である場合、軟質ラミネート外装体40を完全に封止する前に、内部に電解液を収容する。具体的には、例えば、軟質ラミネートシートを接合して接合部40a、40b、および、40dを形成させた後、ラミネート外装体40の内部に電解液を収容する。その後、残りの軟質ラミネートシートの開口部を接合して接合部40cを形成させる。
<変形例2>
上記実施形態では、2枚のラミネートシートを使用しているが(図2(A))、軟質ラミネート外装体40および硬質ラミネート外装体50はいずれも1枚のラミネートシートのみで構成されていてもよい。この場合、該1枚のラミネートシートを折り返し、折り返した部分の周縁を接合することにより、ラミネート外装体として使用することができる。
以下、ここで開示されるラミネート型二次電池に関して試験例を説明するが、本発明をかかる試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
[試験例1:ラミネート型二次電池および組電池の作製]
以下に説明するプロセスにより、実施例および比較例におけるラミネート型二次電池を作製した。
-実施例-
従来公知の方法により積層電極体を作製して、アルミニウム層が40μm厚の軟質ラミネート外装体の内部に収容し、該ラミネート外装体の全周囲を熱溶着により接合した。次いで、これをアルミニウム層が300μm厚の硬質ラミネート外装体の内部に収容し、該硬質ラミネート外装体の周囲を熱溶着により接合した。ここで、当該外装体の周囲の一部であって、正負極集電タブが突出していない短辺については接合せず、内部の軟質ラミネート外装体の、当該部分における接合部が、硬質ラミネート外装体から突出するようにした。そして、このようにして作製されたラミネート型二次電池を3つ重ねて実施例に係る組電池を作製した。
-比較例-
ラミネート型二次電池において、軟質ラミネート外装体の全ての接合部が硬質ラミネート外装体の内部に収容されるように、硬質ラミネート外装体の全周囲を接合したこと以外は実施例と同じようにして、比較例に係る組電池を作製した。
[試験例2:過充電試験]
上記で作製した実施例および比較例に係る組電池を構成する一のラミネート型二次電池に適当なコンディショニング処理を行った。次に、室温(25℃)の条件下で定電流充電を行った。さらに、該ラミネート型二次電池の充電が完了した後も定電流充電を続け、当該ラミネート型二次電池を過充電状態に強制的に陥らせた。そして、隣接する他のラミネート型二次電池で発煙(即ち、高熱の伝導による連鎖発煙)が起こるか否かを観察した。
結果を表1に示す。
Figure 0007194334000001
表1に示されるように、硬質ラミネート外装体の一部に開口部があり、軟質ラミネート外装体の接合部の一部が外方に突出した構造のラミネート型二次電池は放熱性が向上しているため、これを単電池として有する実施例に係る組電池においては過充電による連鎖発煙が起こらなかった。一方、硬質ラミネート外装体の全周囲を接合し、開口部を有さないラミネート型二次電池は放熱性が低く、このような電池を単電池として有する比較例に係る組電池においては過充電による連鎖発煙が起こった。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態は例示に過ぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、ラミネート型二次電池100は、リチウムイオン二次電池以外の二次電池、例えばナトリウムイオン二次電池であってもよい。この場合においても、本発明において上記と同様の効果を得ることができる。
12 正極集電タブ
14 負極集電タブ
20 積層電極体
40 軟質ラミネート外装体
40a 接合部
40b 接合部
40c 接合部
40d 接合部
50 硬質ラミネート外装体
52 開口部
100 ラミネート型二次電池

Claims (1)

  1. 矩形シート状の正極および負極がセパレータとして機能する層を介在させつつ複数積層した構造の積層電極体と、
    前記積層電極体を内部に収容する相対的に軟質のラミネートシートから構成される平面矩形状の軟質ラミネート外装体と、
    前記積層電極体を内部に収容した状態の前記軟質ラミネート外装体を内部に収容する相対的に硬質のラミネートシートから構成される平面矩形状の硬質ラミネート外装体と、
    前記積層電極体に付設され、前記軟質ラミネート外装体と前記硬質ラミネート外装体とから外方に突出した正極集電タブおよび負極集電タブと、
    を備えたラミネート型二次電池であって、
    前記軟質ラミネート外装体は、内部に収容された前記積層電極体の積層側面に対向する周囲において前記軟質ラミネートシート同士が接合された接合部を有しており、
    前記硬質ラミネート外装体は、内部に収容された前記積層電極体の積層側面に対向する周囲において開口部と、前記硬質ラミネート外装体同士が接合された部位とが形成されており、
    前記軟質ラミネート外装体は、厚みが30~150μmのアルミニウム層を備えており、前記硬質ラミネート外装体は、厚みが200~400μmのアルミニウム層を備えており、
    前記正極集電タブおよび前記負極集電タブは、前記積層電極体の同一積層側面に付設されており、
    ここで、前記硬質ラミネート外装体において、
    前記正極集電タブおよび前記負極集電タブが付設された前記積層電極体の積層側面に対向する部位では、該硬質ラミネート外装体同士が接合されており、
    当該硬質ラミネート外装体同士が接合された部位と反対側の部位では、前記開口部が形成されており、
    前記軟質ラミネート外装体における前記接合部の一部は、前記開口部を介して前記硬質ラミネート外装体の外方に突出していることを特徴とする、ラミネート型二次電池。
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