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JP2011049065A - 非水電解質電池およびその製造方法 - Google Patents

非水電解質電池およびその製造方法 Download PDF

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JP2011049065A JP2009197192A JP2009197192A JP2011049065A JP 2011049065 A JP2011049065 A JP 2011049065A JP 2009197192 A JP2009197192 A JP 2009197192A JP 2009197192 A JP2009197192 A JP 2009197192A JP 2011049065 A JP2011049065 A JP 2011049065A
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永記 柏▲崎▼
Yuichi Kosugi
裕一 小杉
Hideyuki Ishii
秀幸 石井
Manabu Toyabe
学 鳥谷部
Tatsuya Shinoda
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Abstract

【課題】超音波接合時の不良が低減され、かつ高エネルギー密度である非水電解質電池を提供する。
【解決手段】容器1と、前記容器内に収納され、正極および負極を含む電極群2と、前記電極群の前記正極及び負極夫々から延出された複数の正極集電タブ3及び複数の負極集電タブ4と、前記複数の正極集電タブ及び負極集電タブと夫々電気的に接続された正極リード7及び負極リード8と、前記容器の開口部を塞ぐ蓋9と、前記蓋に設けられ、前記正極リード又は負極リードと電気的に接続された出力端子12,13とを備える非水電解質電池である。前記複数の正極集電タブ及び前記複数の負極集電タブの少なくとも一方の集電タブは挟持板5,6に挟まれ、前記挟持板は、前記少なくとも一方の集電タブを挟んで1箇所以上のかしめで固定され、前記リードと前記挟持板と前記少なくとも一方の集電タブとは、1箇所以上の超音波により接合されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非水電解質電池およびその製造方法に関するものである。
近年、電子機器の発達に伴ない、小型で軽量かつエネルギー密度が高く、さらに繰り返し充放電が可能な非水電解質二次電池としてリチウム二次電池が発達してきた。また、最近では、ハイブリッド車や電気自動車に搭載する車載用二次電池、電力平準化に使用される電力貯蔵用二次電池として好適な、急速充電および高出力放電が可能でかつサイクル性能に優れた非水電解質二次電池の開発が要望されている。このような二次電池として、負極活物質として小粒径(一次粒子の平均粒子径が1μm以下)のリチウムチタン酸化物(リチウムチタン複合酸化物)を用いた、急速充電および高出力放電が可能でかつサイクル性能に優れた非水電解質二次電池の開発がなされている。
エネルギー密度の高い二次電池の需要により、複数枚の集電タブを一つにする必要があり、例えば特許文献1には、断面略V字状の集電板を用いることが記載されている。これにおいては、複数積層された金属箔を集電板で挟み、正極集電部の稜部にレーザ光を照射することにより溶接される。レーザ溶接において、材料同士の密着性が重要で、固定が不十分で材料同士に隙間が空いている場合は、充分な溶接状態を得られないことが一般的に知られている。特許文献1においては、断面略V字状の集電板と金属箔の先端との密着性が不安定であるため、充分な溶接状態を得られない場合がある。そのため溶接箇所を複数設けて集電するなどの対策が必要であるが、部品点数が増えることは避けられない。
特許文献2には、発電要素の端面からはみ出した電極の金属箔(集電タブ)の間に電極接続部(リード)を挟み込み、この電極接続部とともに金属箔が挟持板で挟まれた構造が開示されている。
特許第4134521号 特許第4204258号
複数枚の集電タブおよび挟持板およびリードを一つに接続する手法としては、レーザ溶接のほかに超音波接合も挙げられる。超音波接合が使用されると、振動によって挟持板の位置がずれて、所定の寸法で設計された容器内に電極群を収容できない場合がある。容器の寸法に余裕をもたせると、エネルギー密度の低下につながってしまう。
本発明の目的は、超音波接合時の不良が低減され、かつ高エネルギー密度である非水電解質電池およびその製造方法を提供することにある。
本発明の非水電解質電池は、容器と、
前記容器内に収納され、正極および負極を含む電極群と、
前記電極群の前記正極および負極それぞれから延出された複数の正極集電タブおよび複数の負極集電タブと、
前記複数の正極集電タブおよび負極集電タブとそれぞれ電気的に接続された正極リードおよび負極リードと、
前記容器の開口部を塞ぐ蓋と、
前記蓋に設けられ、前記正極リードまたは負極リードと電気的に接続された出力端子と
を備える非水電解質電池であって、
前記複数の正極集電タブおよび前記複数の負極集電タブの少なくとも一方の集電タブは挟持板に挟まれ、
前記挟持板は、前記少なくとも一方の集電タブを挟んで1箇所以上のかしめで固定され、
前記リードと前記挟持板と前記少なくとも一方の集電タブとは、1箇所以上の超音波により接合されていることを特徴とする。
また、本発明の非水電解質電池の製造方法は、前述の非水電解質電池の製造方法であって、前記少なくとも一方の集電タブを挟んだ挟持板をかしめにより固定した後、前記リードと前記少なくとも一方の集電タブとの超音波接合を行なうことを特徴とする。
本発明によれば、超音波接合時の不良が低減され、かつ高エネルギー密度である非水電解質電池およびその製造方法を提供することができる。
一実施形態に係る非水電解質電池を示す分解斜視図。 集電タブと挟持板との接続の一例を示す平面図。 集電タブと挟持板とをかしめる工程を示す概略図。 集電タブ、挟持板、およびリードの接続の一例を示す平面図。 集電タブ、挟持板、およびリードを超音波接合する工程を示す概略図。 集電タブ、挟持板、およびリードの接続の他の例を示す平面図。 集電タブ、挟持板、およびリードの接続の他の例を示す平面図。 集電タブ、挟持板、およびリードの接続の他の例を示す平面図。 他の実施形態に係る非水電解質電池を示す分解斜視図。 集電タブと挟持板とをかしめる工程を示す概略図。 集電タブ、挟持板、およびリードを超音波接合する工程を示す概略図。 他の実施形態に係る非水電解質電池を示す分解斜視図。 他の実施形態に係る非水電解質電池を示す分解斜視図。 集電タブと挟持板との接続の他の例を示す平面図。 集電タブ、挟持板、およびリードの接続の他の例を示す平面図。 他の実施形態に係る非水電解質電池を示す分解斜視図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
一実施形態にかかる非水電解質電池は、図1に示すように、有底矩形筒状をなす容器1を具備する。容器1は、例えば、アルミニウム板もしくはアルミニウム合金板に深絞り加工を施すことにより成形されたものである。電極群2は、例えば、シート状の正極と、シート状の負極とをセパレータを間にして渦巻状に捲回した後、全体を容器の横断面形状に合致した断面四角形状に押し潰し変形することにより作製される。
正極は、例えば、正極活物質を含むスラリーをアルミニウム箔もしくはアルミニウム合金箔からなる集電体に塗布することにより作製される。正極活物質としては、リチウムを吸蔵放出できる酸化物や硫化物、ポリマーなどが使用できる。好ましい活物質としては、高い正極電位が得られるリチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウム燐酸鉄等が挙げられる。
また、負極は、負極活物質を含むスラリーをアルミニウム箔もしくはアルミニウム合金箔からなる集電体に塗布することにより作製される。負極活物質としては、リチウムを吸蔵放出できる金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、合金等が使用でき、好ましくは、リチウムイオンの吸蔵放出電位が金属リチウム電位に対して0.4V以上貴となる物質である。このようなリチウムイオン吸蔵放出電位を有する負極活物質は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金とリチウムとの合金反応を抑えられることから、負極集電体および負極関連構成部材へのアルミニウムもしくはアルミニウム合金の使用を可能とする。例えば、チタン酸化物、リチウムチタン酸化物、タングステン酸化物、アモルファススズ酸化物、スズ珪素酸化物、および酸化珪素などがあり、中でもリチウムチタン複合酸化物が好ましい。セパレータとしては、微多孔性の膜、織布、不織布、これらのうち同一材または異種材の積層物等を用いることができる。セパレータを形成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−ブテン共重合ポリマー等を挙げることができる。
非水電解液(図示しない)は容器1内に収容されており、電極群2に含浸されている。非水電解液は、非水溶媒に電解質(例えば、リチウム塩)を溶解させることにより調製される。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることができる。非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)等のリチウム塩を挙げることができる。電解質は単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。電解質の非水溶媒に対する溶解量は、0.2mol/L〜3mol/Lとすることが望ましい。
電極群2の一方の端面には、スラリーが塗布されていない正極集電体が露出している。露出した正極集電体は、電極群2の厚さ方向に積層されており、これが複数の正極集電タブ3として機能する。一方、電極群2の他方の端面には、スラリーが塗布されていない負極集電体が露出している。露出した負極集電体は、電極群2の厚さ方向に積層されており、これが複数の負極集電タブ4として機能する。
正極集電タブ3には、例えば図1のように、正極の集電体を延出させたものを使用することができるが、正極と別体であってもよい。また、負極集電タブ4には、例えば図1のように、負極の集電体を延出させたものを使用することができるが、負極と別体であってもよい。
正極集電タブ3および負極集電タブ4は、挟持板5および挟持板6でそれぞれ挟まれている。シート状の正極とシート状の負極とを捲回して電極群が構成されるので、挟持板は、集電タブの湾曲している両端部を除いたストレート部分のみを挟んで配置される。負極集電タブ4を挟んだ挟持板6は、図2に示すように、かしめにより固定されている。かしめによる接続部は、参照符号17として図に示されている。
ここで、かしめとは、集電タブ4と挟持板6とを圧着により接続することをさす。かしめによる接続部17は、集電タブ4を挟んだ挟持板6の一方の面に凹部が形成され、挟持板の他方の面においては、この凹部と対応する箇所に凸部が形成された形状を有する。
こうした挟持板6と集電タブ4との固定は、例えば図3に示されるように、集電タブ4を挟んだ挟持板6を台座18上に載置し、かしめ用ポンチ19を用いてかしめることによって行なわれる。正極集電タブ3を挟んだ挟持板5も同様に、かしめにより固定されていることが好ましい。
かしめによって、挟持板6は集電タブ4に仮止めされることになる。その結果、後の工程でリードを挟持板に超音波により接合する際、位置ずれを軽減することができる。
ところで、容器1の開口部は封口部材によって封止される。図1に示すように、封口部材は、容器1の開口部を塞ぐ蓋9と、蓋9の外面(上面)にガスケット10および11を介してそれぞれかしめ固定された正極出力端子12および負極出力端子13を備える。蓋9は、アルミニウムまたはアルミニウム合金板材等の金属を素材にしたプレス成形品からなる。図示していないが、蓋9には、電解液注入孔および安全弁が設けられている。電解液注入後、電解液注入孔は封止栓(図示しない)で閉止され、この封止栓は、蓋9に溶接される。
蓋9の内面(下面)には、負極リード8が絶縁体15を介して配置されるとともに、正極リード7が絶縁体14を介して配置される。負極リード8は、接続プレート81と、接続プレート81に開口された貫通孔82と、接続プレート81から下方に延びた集電部83とを有する。絶縁体15は、貫通孔151が開口された矩形プレートからなる。負極出力端子13は、リベットで、蓋9上に配置された頭部13aと、頭部13aから下方に延出された軸部(図示しない)とを有する。負極出力端子13の軸部が、絶縁体15の貫通孔151と負極リード8の貫通孔82に挿入されてかしめ固定される、つまり、負極出力端子13は蓋9にかしめ固定され、さらに負極リード8にもかしめ固定される。こうして、負極リード8が負極出力端子13と電気的に接続される。
正極リード7は、接続プレート71と、接続プレート71に開口された貫通孔72と、接続プレート71から下方に延びた集電部73とを有する。絶縁体14は、貫通孔141が開口された矩形プレートからなる。正極出力端子12は、リベットで、蓋9上に配置された頭部12aと、頭部12aから下方に延出された軸部(図示しない)とを有する。正極出力端子12の軸部が、絶縁体14の貫通孔141と正極リード7の貫通孔72に挿入されてかしめ固定される、つまり、正極出力端子12は蓋9にかしめ固定され、さらに正極リード7にもかしめ固定される。こうして、正極リード7が正極出力端子12と電気的に接続される。
負極出力端子13および負極リード8の材質は、活物質の材質に合わせて変更することができる。例えば負極活物質としてチタン酸リチウムが用いられる場合には、アルミニウムもしくはアルミニウム合金を使用することができる。一方、正極出力端子12および正極リード7は、例えば、アルミニウムあるいはアルミニウム合金を使用することができる。
負極リード8は、負極集電タブ4と接続される。具体的には、負極リード8の集電部83は、図4に示すように、かしめにより負極集電タブ4に固定された挟持板6と、超音波により接合される。超音波による接合部は、参照符号20として図中に示されている。負極集電タブ4を挟んだ挟持板6と負極リードの集電部83とは、例えば、図5に示されるようにアンビル21とホーン22とを用いて超音波により接合することができる。これにより、負極集電タブ4が、負極の挟持板6および負極リード8を介して負極出力端子13と電気的に接続される。なお、超音波による接合部20の所望される寸法や位置などに応じて、アンビルおよびホーンは適切に選択すればよい。
すでに説明したように、集電タブ4と挟持板6とはかしめにより固定されているので、リード8を超音波により接合する際に振動を受けても、位置ずれが生じることは避けられる。
正極の挟持板5も同様に、正極リード7の集電部73に超音波により接合されることが好ましい。これにより、正極集電タブ3が、正極の挟持板5および正極リード7を介して正極出力端子12と電気的に接続される。
また、前述した図では、正極出力端子および負極出力端子をいずれもリベットとしたが、負極出力端子のみをリベットとし、蓋9の外面に凸状に張り出した部分により正極出力端子を構成してもよい。あるいは、正極出力端子のみをリベットとして、蓋9の外面に凸状に張り出した部分を負極出力端子とすることもできる。
挟持板とリードとの接続の形態は、種々の変更が可能である。例えば、図6に示されるように、リード8の集電部83と挟持板6との超音波による接合部20を2箇所に設けてもよい。この場合には、かしめによる接続部17を間にして、2箇所の超音波による接合部20が挟持板6の長手方向に沿って配置される。図4の例と比較すると、挟持板の幅、すなわち集電タブの幅を小さくできるので、電極群の幅をより広く確保できるといった利点がある。
また、挟持板と集電タブとをかしめにより固定する接続部17が、2箇所以上に設けられた場合には、これらの固定はより確実なものとなる。かしめによる接続部17の位置は、図7に示すような挟持板6の長辺の両端、あるいは、図8に示すような挟持板6の短辺の両端のいずれとしてもよい。図示していないが、挟持板6の対角線上の2箇所に、かしめによる接続部17を設けることもでき、超音波による接合部20と組み合わせて種々の変更が可能である。
なお、かしめによる接続部および超音波による接合部は、いずれも、複数枚の集電タブを一つに束ねたもの毎に数える。一つに束ねられた複数枚の集電タブと挟持板とは、少なくとも1箇所のかしめにより固定され、こうした挟持板とリードとは、少なくとも1箇所の超音波により接合される。
以下、他の実施形態にかかる種々の構成の非水電解質電池を示すが、いずれにおいても、上述したような挟持板における接続形態の変更は適用することができる。
図9に示す非水電解質電池は、集電タブ、挟持板、およびこれに接続されるリードの構造が異なる以外は、図1に示したものと同様の構成である。具体的には、正極集電タブ3aおよび負極集電タブ4aは、それぞれ二つに分けられて挟持板5aおよび挟持板6aで挟まれている。ここで用いられる挟持板5a,6aは、それぞれ二箇所のU字状部分を有している。各集電タブにおいては、挟持板により束ねられた箇所がニ箇所となるので、これに対応して、正極リード7aの集電部73および負極リード8aの集電部83も二又で構成される。
挟持板と集電タブとの固定にあたっては、例えば図10に示されるように、集電タブ4aの厚みを二分して挟持板6aで挟んで台座24を配置し、かしめ用ポンチ25を用いてかしめする。
かしめによって負極集電タブ4aに固定された挟持板6aは、超音波によりリード8aの集電部83と接合される。超音波による接合は、例えば図11に示すように、アンビル26とホーン27とを用いて行なうことができる。
集電タブが二つに分けて挟持板で挟まれるので、束ねられる集電タブの積層枚数が低減される。こうした状態でかしめが行なわれることにより、挟持板と集電タブとの固定を、より確実なものとすることができる。
図12に示す非水電解質電池は、シート状の正極とシート状の負極とをセパレータを間に挟んで交互に積層することにより作製された電極群2bを有する。複数の正極集電タブ3bは、正極の複数個所と電気的に接続されており、それぞれが積層型電極面の一方の側面から横向きに導出されている。複数の負極静電タブ4bは、負極の複数個所と電気的に接続されており、それぞれが積層型電極の対向する他方の側面から横向きに導出されている。
正極集電タブ3bとしては、例えば正極の集電体を部分的に延出されたものを使用することができるが、正極と別体であってもよい。また、負極集電タブ4bとしては、例えば、負極の集電体を部分的に延出されたものを用いることができるが、負極と別体であってもよい。
積層型電極群2bであるので、挟持板6bは、負極集電タブ4bの幅全体を挟むことができる。正極集電タブ3bについても、その幅全体が挟持板5bで挟まれる。
こうした点が異なる以外は、図示する電池は図1に示した非水電解質電池と同様の構成であり、集電タブと挟持板とは同様にかしめされる。また、集電タブと挟持板とリードとは、前述と同様に超音波により接合される。
以上においては、電極群の両側から複数の集電タブがそれぞれ引き出された両出し型の非水電解質電池の例を示した。こうした構成の電池は、容器内に収容する際の位置ずれの影響が特に大きい。本発明においては、複数の集電タブの少なくとも一方を挟持板で挟んでかしめにより固定し、超音波により挟持板とリードとが接合されるので、位置ずれを大幅に低減することが可能となった。その結果、高エネルギー密度の非水電解質電池を提供することができる。
両出し型のみならず、複数の集電タブが電極群の一方の側から引き出された片出し型の非水電解質電池にも本発明は有効である。
図13は、捲回片出し型の非水電解質電池の例であり、容器31内に電極群32が収容される。電極群32は、シート状の正極と、シート状の負極とをセパレータを間にして渦巻状に捲回した後、全体を容器の横断面形状に合致した断面四角形状に押し潰し変形することにより作製される。
複数の正極集電タブ34は、正極の複数個所と電気的に接続されており、それぞれが電極群32の上端面32aから上向きに導出されている。一方、複数の負極集電タブ35は、負極の複数個所と電気的に接続されており、それぞれが電極群32の上端面32aから上向きに導出されている。
正極集電タブ34としては、例えば正極の集電体を部分的に延出されたものを使用することができるが、正極と別体であってもよい。また、負極集電タブ35としては、例えば、負極の集電体を部分的に延出されたものを用いることができるが、負極と別体であってもよい。
正極集電タブ34および負極集電タブ35は、それぞれ挟持板36および挟持板37で挟まれ、上述したようにかしめされる。例えば図14に示すように、負極集電タブ35を挟んだ挟持板37は、かしめにより固定される。かしめによる接続部は、参照符号58として示されている。
容器31の開口部は、封口部材によって封止される。封口部材は、容器31の開口部を塞ぐ蓋38と、蓋38の外面(上面)にガスケット39を介して取り付けられた負極出力端子(リベット)40と、蓋38の外面(上面)側に凸状に張り出した正極出力端子43とを備える。図示していないが、蓋38には、電解液注入口および安全弁が設けられている。負極リード41は、上面と側面とを有するL字型であり、絶縁部材(図示しない)を介して蓋38の内面(下面)に配置される。負極リード41の上面は、負極出力端子40にかしめ固定されることにより、負極出力端子40と電気的に接続される。一方、正極リード42は、蓋38の内面(下面)に直接配置されることで正極出力端子43と電気的に接続される。なお、電解液注入孔(図示しない)より、電解液(図示しない)を注入後、封止栓(図示しない)で閉止される。この封止栓は、蓋38に溶接される。
L字型の負極リード41は、負極集電タブ35と接続される。具体的には、負極リード41の側面は、図15に示すように、かしめによる接続部58によって負極集電タブ35に固定された挟持板37と、超音波により接合される。超音波による接合部は、参照符号59として示されている。
さらに、蓋38の内面(下面)と電極群32の正極集電タブ34および負極集電タブ35が突出している上端面32aとの間に設けられる空間を囲むように、スペーサ51a,51bが配置される。スペーサ51aは、四角形のプレートの両方の短辺と、長辺方向の中間地点とに、仕切り板52a〜52cが設けられたものである。仕切り板52a〜52cの端面には、突起53が設けられている。
一方、スペーサ51bは、四角形のプレートの両方の短辺と、長辺方向の中間地点とに、仕切り板54a〜54cが設けられたものである。仕切り板54a〜54cの端面には、スペーサ51aの突起53を嵌め込むための凹部55が設けられている。スペーサ51aの仕切り板52a〜52cの突起53を、スペーサ51bの仕切り板54a〜54cの凹部55に嵌め込むと、スペーサ51aの仕切り板52a,52bとスペーサ51bの仕切り板54a,54bとで囲まれた空間内に正極集電タブ34と挟持板36と正極リード42とが位置し、スペーサ51aの仕切り板52b,52cとスペーサ51bの仕切り板54b,54cとで囲まれた空間内に負極集電タブ35と挟持板37と負極リード41とが位置する。これにより、正極集電タブ34と負極集電タブ35との絶縁、挟持板36と挟持板37との絶縁、正極リード42と負極リード41との絶縁、これら部材と容器31との絶縁が達成される。
また、こうしたスペーサ51a,51bは、電池に振動や衝撃が加わった際の電極群2の移動を防止することができる。さらに、電解液注入孔から注入された電解液が電極群32の上部に溜まるため、電極群32の上端面から電解液が浸透し易くなり、電極群32に電解液を均一に含浸させることができる。スペーサ51a,51bの4隅には、容器31と電極群32の空隙に電解液を浸透させるために穴56が設けられている。スペーサ51a,51bの材質としては、PP、PFAなどが挙げられる。
上述した構成の非水電解質電池は、図16に示すような積層片出し型の構成に適用することもできる。図示する非水電解質電池は、シート状の正極とシート状の負極とをセパレータを挟んで交互に積層することにより作製された電極群33を有する。
こうした点が異なる以外は、図示する電池は図13に示した非水電解質電池と同様の構成であり、集電タブと挟持板とは同様にかしめられる。また、集電タブと挟持板とリードとは、前述と同様に超音波により接合される。
電極群の片側から複数の集電タブが引き出された非水電解質電池においても、容器内に収容する際の位置ずれは回避されることが望まれる。本発明においては、複数の集電タブの少なくとも一方を挟持板で挟んでかしめにより固定し、この挟持板とリードとが超音波により接合されるので、位置ずれを大幅に低減することが可能となった。その結果、高エネルギー密度の非水電解質電池を提供することができる。
[実施例]
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
正極には、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)と、導電剤として黒鉛粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを含む活物質含有層が、アルミニウムもしくはアルミニウム合金箔からなる集電体の両面に形成されたシート状のものを使用した。一方、負極には、リチウム金属の開回路電位に対して開回路電位0.4V以上のリチウム吸蔵電位を有する負極活物質粉末と導電剤として炭素粉末と結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを含む活物質含有層が、アルミニウムもしくはアルミニウム合金箔からなる集電体の両面に形成されたシート状のものを使用した。
電極群2は、正極と負極との間にセパレータを介在させながら、これらを渦巻状に捲回した後、全体を金属製容器1の断面形状に合致した断面四角形状に押し潰し変形することにより作製された図1に示した構造を有するものを使用した。
正極集電タブ3には、正極集電体を渦巻状に延出させたものを使用した。また、負極集電タブ4には、負極集電体を渦巻状に延出させたものを使用した。図1に示すように、正極集電タブ3および負極集電タブ4それぞれについて、所定枚数で積層して集電タブの先端部を重ね合わせ、集電タブを挟み込むように挟持板5および6を配置した。
図3に示したように、挟持板の下側にブロック状の台座を配置した状態で、挟持板の上からポンチを使ってかしめを施した。かしめ後の集電タブおよび挟持板とリードとを超音波により接合した。
超音波による接合には、日本エマソン株式会社製の超音波溶接機を使った。超音波溶接機のホーンの先端角度は90°とし、ホーンのパターン深さは、集電タブ群と挟持板の厚さと同等とした。こうして得られた電池を実施例1とした。実施例1の電池における集電タブと挟持板とリードとの接続の状態は、図6に示されるものとした。
また、挟持板を固定するかしめの数、または挟持板で挟まれる集電タブの積層枚数を変更して、実施例2,3の電池を作製した。実施例2の電池は、2箇所にかしめを行なって集電タブと挟持板とを固定し、集電タブと挟持板とリードとを図7に示すように接続した以外は実施例1と同様に作製した。実施例3の電池は、集電タブの積層枚数を増加した以外は実施例1と同様に作製した。
さらに、集電タブと挟持板とのかしめを行なわないで比較例1,2の電池を作製した。比較例においては、超音波による接合時に挟持板の位置ずれが発生して、電極群を容器内に挿入できないため、予め位置ズレ量を見込んだ電極群の寸法とした。よって実施例と比較例に使用した容器は同じサイズであるが、電極群の寸法が異なる。
比較例1のエネルギー密度を100%とし、実施例1〜3、および比較例2の電池のエネルギー密度を相対値として求めた。それぞれの電池の体積エネルギー密度を、挟持板で挟まれる集電タブ積層枚数、および挟持板を固定するかしめの数とともに、下記表1にまとめる。
Figure 2011049065
比較例1の電池と比較すると、実施例1、2の電池は、体積エネルギー密度が5%向上している。挟持板で挟まれる集電タブの積層枚数が増えた場合でも、集電タブと挟持板とのかしめが行なわれていれば、実施例3に示されるように同等の体積エネルギー密度を得ることができる。
これに対して、かしめが行なわれない場合には、集電タブの積層枚数が増加すると超音波接合時の位置ズレも大きくなる。同等の寸法の容器内に収容するには、電極群の寸法を縮小しなければならない。そのため、体積エネルギー密度が低下することが、比較例2の結果に示されている。
すなわち、集電タブと挟持板とをかしめにより固定することによって、これらは仮止めされるので超音波接合時の位置ズレが軽減され、歩留まりを低下させることがない。しかも、容器に対して無駄のない適切な寸法で電極群を作製することができ、エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池が得られる。
次に、積層型の電池を作製した。具体的には、実施例1の場合と同様の正極と負極とセパレータとを用い、正極と負極とをその間にセパレータを介在させながら交互に積層することにより積層型電極群を作製した。
正極集電タブには、正極集電体を帯状に延出させたものを使用した。また、負極集電タブには、負極集電体を帯状に延出させたものを使用した。図12に示したように、正極集電タブ3bおよび負極集電タブ4bそれぞれについて、所定枚数で積層して集電タブの先端部を重ね合わせ、集電タブを挟み込むように挟持板5bおよび6bを配置した。
前述と同様の手法により、集電タブと挟持板とをかしめにより固定し、次いで、集電タブおよび挟持板とリードとを超音波により接合した。こうして得られた電池を実施例4とした。
また、挟持板を固定するかしめの数、または挟持板で挟まれる集電タブの積層枚数を変更した以外は前述と同様の手法により、実施例5,6の電池を作製した。実施例5の電池は、2箇所にかしめを行なって集電タブと挟持板とを固定し、集電タブと挟持板とリードとを図15に示すように接続した。なお、実施例4,6では、図15におけるかしめによる接続部58を1箇所のみとした。
さらに、集電タブと挟持板とのかしめを行なわないで比較例3,4の電池を作製した。比較例においては、超音波による接合時に挟持板の位置ずれが発生して、電極群を容器内に挿入できないため、予め位置ズレ量を見込んだ電極群の寸法とした。よって実施例と比較例に使用した容器は同じサイズであるが、電極群の寸法が異なる。
比較例3のエネルギー密度を100%とし、実施例4〜6、および比較例4の電池のエネルギー密度を相対値として求めた。それぞれの電池の体積エネルギー密度を、挟持板で挟まれる集電タブ積層枚数、および挟持板を固定するかしめの数とともに、下記表2にまとめる。
Figure 2011049065
比較例3の電池と比較すると、実施例4、5の電池は、体積エネルギー密度が5%向上している。挟持板で挟まれる集電タブの積層枚数が増えた場合でも、集電タブと挟持板とのかしめが行なわれていれば、実施例6に示されるように同等の体積エネルギー密度が得ることができる。
これに対して、かしめが行なわれない場合には、集電タブの積層枚数が増加すると超音波接合時の位置ズレも大きくなる。同等の寸法の容器内に収容するには、電極群の寸法を縮小しなければならない。そのため、体積エネルギー密度が低下することが、比較例4の結果に示されている。
すなわち、集電タブと挟持板とをかしめにより固定することによって、これらは仮止めされるので超音波接合時の位置ズレが軽減され、歩留まりを低下させることがない。しかも、容器に対して無駄のない適切な寸法で電極群を作製することができ、エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池が得られる。
前述した実施例では非水電解液を用いた電池を例えに説明したが、非水電解液の代わりに固体電解質やポリマー電解質、または水溶液電解質を用いた電池についても当然適応可能である。さらに正負極活物質に関してもこの限りでなく、他の活物質を用いることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…容器; 2,2b…電極群; 3,3a,3b…正極集電タブ
4,4a,4b…負極集電タブ; 5,5a,5b…挟持板
6,6a,6b…挟持板; 7,7a…正極リード; 8,8a…負極リード
1,81…接続プレート; 72,82…貫通孔; 73,83…集電部; 9…蓋
10…ガスケット; 11…ガスケット; 12…正極出力端子
13…負極出力端子; 14,15…絶縁体;141,151…貫通孔
17…かしめによる接続部; 18,24…台座; 19,25…かしめ用ポンチ
20…超音波による接合部; 21,26…アンビル; 22,27…ホーン
31…容器; 32,33…電極群; 32a,33a…上端面
34…正極集電タブ; 35…負極集電タブ; 36,37…挟持板; 38…蓋
39…ガスケット; 40…負極出力端子; 41…負極リード; 42…正極リード
43…正極出力端子; 51a,51b…スペーサ; 52a〜52c…仕切り板
53…突起; 54a〜54c…仕切り板; 55…凹部; 56…穴
58…かしめによる接続部; 59…超音波による接合部。

Claims (3)

  1. 容器と、
    前記容器内に収納され、正極および負極を含む電極群と、
    前記電極群の前記正極および負極それぞれから延出された複数の正極集電タブおよび複数の負極集電タブと、
    前記複数の正極集電タブおよび負極集電タブとそれぞれ電気的に接続された正極リードおよび負極リードと、
    前記容器の開口部を塞ぐ蓋と、
    前記蓋に設けられ、前記正極リードまたは負極リードと電気的に接続された出力端子と
    を備える非水電解質電池であって、
    前記複数の正極集電タブおよび前記複数の負極集電タブの少なくとも一方の集電タブは挟持板に挟まれ、
    前記挟持板は、前記少なくとも一方の集電タブを挟んで1箇所以上のかしめで固定され、
    前記リードと前記挟持板と前記少なくとも一方の集電タブとは、1箇所以上の超音波接合により形成されていることを特徴とする非水電解質電池。
  2. 前記複数の正極集電タブおよび前記複数の負極集電タブは、いずれも挟持板で挟まれていることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池。
  3. 請求項1または2に記載の非水電解質電池の製造方法であって、前記少なくとも一方の集電タブを挟んだ挟持板をかしめにより固定した後、前記リードと前記少なくとも一方の集電タブを挟んだ狭持板とを超音波接合することを特徴とする方法。
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