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JP7280182B2 - バリアントActRIIBタンパク質およびその使用 - Google Patents

バリアントActRIIBタンパク質およびその使用 Download PDF

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JP7280182B2
JP7280182B2 JP2019518302A JP2019518302A JP7280182B2 JP 7280182 B2 JP7280182 B2 JP 7280182B2 JP 2019518302 A JP2019518302 A JP 2019518302A JP 2019518302 A JP2019518302 A JP 2019518302A JP 7280182 B2 JP7280182 B2 JP 7280182B2
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エリック エム. ヴォガン,
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Description

本出願は、2016年10月5日に出願された米国仮出願第62/404,718号からの優先権の利益を主張する。前記出願の明細書は、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。
形質転換増殖因子-ベータ(TGF-ベータ)スーパーファミリーは、共通の配列エレメントおよび構造モチーフを共有する種々の増殖因子を含有する。これらのタンパク質は、脊椎動物および無脊椎動物どちらにおいても多種多様な細胞型に対して生物学的効果を発揮することが公知である。当該スーパーファミリーのメンバーは、胚発生中にパターン形成および組織特定化において重要な機能を果たし、脂肪生成、筋形成、軟骨形成、心臓発生、造血、神経発生、および上皮細胞分化を含めた種々の分化プロセスに影響を及ぼし得る。ファミリーは、2つの一般的な分枝:BMP/GDFおよびTGF-ベータ/アクチビン/BMP10分枝に分けられ、これらのメンバーは、多様な、多くの場合補完的な効果を有する。TGF-ベータファミリーのメンバーの活性を操作することにより、多くの場合、生物体において有意な生理的変化を引き起こすことが可能である。例えば、ピエモンテおよびベルジャンブルーウシ品種は、GDF8(ミオスタチンとも称される)遺伝子に、筋肉量の顕著な増加を引き起こす機能喪失型突然変異を有する。Grobetら、Nat Genet.、(1997年)17巻(1号):71~4頁。さらに、ヒトでは、GDF8の不活性対立遺伝子が筋肉量の増加、および報告によれば、例外的な強度に関連付けられている。Schuelkeら、N Engl J Med(2004年)、350巻:2682~8頁。
Grobetら、Nat Genet.、(1997年)17巻(1号):71~4頁 Schuelkeら、N Engl J Med(2004年)、350巻:2682~8頁
赤血球レベル、骨、軟骨および他の組織の変化は、適切なTGF-ベータファミリーメンバーによって媒介されるシグナル伝達を作動させるまたは拮抗することにより達成することができる。よって、TGF-ベータシグナル伝達の強力な制御因子として機能する作用剤が必要とされている。
ある特定の態様では、本開示は、バリアントActRIIBポリペプチド、特に、バリアントActRIIBホモ多量体タンパク質およびバリアントActRIIBヘテロ多量体タンパク質を提供する。例によって実証される通り、1つまたは複数のActRIIB結合リガンドに対する結合親和性の変更を呈する、いくつかのバリアントActRIIBポリペプチドが同定された。リガンド結合活性を低下および増大させるActRIIBバリアントが同定された。そのようなバリアントは、種々の適用における、対応する未修飾ActRIIBポリペプチドと比較したリガンド選択性(selectively)の増大または低下に特に有用となり得る。例えば、例は、バリアントActRIIBポリペプチドの一部が、例えば、体重量(例えば、筋量)を増大させる能力、ならびに赤血球およびヘモグロビンレベルの増大を含む、様々なin vivo効果を有することをさらに実証する。したがって、バリアントActRIIBポリペプチドは、例えば、本明細書に記載されている適用を含む種々の治療適用において有用となるはずである。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号2のアミノ酸20~29(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28または29)のいずれか1つで始まり、配列番号2のアミノ酸109~134(例えば、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133または134)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドであって、K55、F82、L79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82からなる群から選択される配列番号2の位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含むバリアントActRIIBポリペプチド、ならびに1つまたは複数のそのようなActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体複合体に関する。一部の実施形態では、ActRIIBポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸29~109と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIBポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸25~131と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIBポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸20~134と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIBポリペプチドは、配列番号53のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIBポリペプチドは、配列番号12のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ActRIIBポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のK55に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、K55Aである。一部の実施形態では、置換は、K55Eである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のL79に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、L79Dである。一部の実施形態では、置換は、L79Eである。一部の実施形態では、置換は、L79Pである。一部の実施形態では、置換は、L79Aである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のF82に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、F82Iである。一部の実施形態では、置換は、F82Kである。一部の実施形態では、置換は、F82Aである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のA24に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、A24Nである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のK74に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、K74Aである。一部の実施形態では、置換は、K74Aである。一部の実施形態では、置換は、K74Fである。一部の実施形態では、置換は、K74Aである。一部の実施形態では、置換は、K74Iである。一部の実施形態では、置換は、K74Aである。一部の実施形態では、置換は、K74Yである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のD80に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、D80Aである。一部の実施形態では、置換は、D80Fである。一部の実施形態では、置換は、D80Kである。一部の実施形態では、置換は、D80Gである。一部の実施形態では、置換は、D80Mである。一部の実施形態では、置換は、D80Iである。一部の実施形態では、置換は、D80Nである。一部の実施形態では、置換は、D80Rである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のR64に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、R64Kである。一部の実施形態では、置換は、R64Nである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のP129に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、P129Sである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のP130に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、P130Aである。一部の実施形態では、置換は、P130Rである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のE37に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、E37Aである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のR40に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、R40Aである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のD54に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、D54Aである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のR56に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、R56Aである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のW78に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、W78Aである。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のK55に対応する位置におけるアラニンを含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のK55に対応する位置におけるアラニンを含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号34のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のK55に対応する位置におけるグルタミン酸を含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号36のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のK55に対応する位置におけるグルタミン酸を含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号37のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のF82に対応する位置におけるイソロイシンを含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のF82に対応する位置におけるイソロイシンを含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のF82に対応する位置におけるリシンを含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のF82に対応する位置におけるリシンを含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号43のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のL79に対応する位置におけるグルタミン酸を含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号45のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のL79に対応する位置におけるグルタミン酸を含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号46のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のL79に対応する位置におけるグルタミン酸を含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号48のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のL79に対応する位置におけるグルタミン酸を含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号49のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のL79に対応する位置におけるグルタミン酸を含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のL79に対応する位置におけるグルタミン酸を含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のL79に対応する位置におけるグルタミン酸を含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドに関する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、配列番号2のL79に対応する位置におけるグルタミン酸を含む。
ある特定の態様では、本開示のバリアントActRIIBポリペプチドは、ホモ二量体を形成する。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、共有結合性相互作用によりヘテロ二量体を形成することができる。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、非共有結合性相互作用によりヘテロ二量体を形成することができる。一部の実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、共有結合および非共有結合性相互作用の両方によりヘテロ二量体を形成することができる。
ある特定の態様では、そのホモ多量体(例えば、ホモ二量体)を含むバリアントActRIIBポリペプチドは、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、そのホモ多量体を含むバリアントActRIIBポリペプチドは、少なくとも1×10-7MのKで、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドは、BMP6、BMP7、BMP9、BMP10、GDF3、GDF7、GDF8、GDF11、GDF15、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンE、アクチビンAB、アクチビンAC、アクチビンAE、アクチビンBCおよびアクチビンBEからなる群から選択される。
ある特定の態様では、そのホモ多量体(例えば、ホモ二量体)を含むバリアントActRIIBポリペプチドは、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドを阻害する。一部の実施形態では、そのホモ多量体を含むバリアントActRIIBポリペプチドは、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、そのホモ多量体を含むバリアントActRIIBポリペプチドは、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのSmadシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、そのホモ多量体を含むバリアントActRIIBポリペプチドは、細胞に基づくアッセイにおいて、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、そのホモ多量体を含むバリアントActRIIBポリペプチドは、BMP6、BMP7、BMP9、BMP10、GDF3、GDF7、GDF8、GDF11、GDF15、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンE、アクチビンAB、アクチビンAC、アクチビンAE、アクチビンBCおよびアクチビンBEからなる群から選択される1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドを阻害する。
ある特定の態様では、本開示は、少なくとも1つのバリアントActRIIBポリペプチド(例えば、本明細書に記載されている1つまたは複数のバリアントActRIIBポリペプチド)を含むヘテロ多量体に関する。例えば、一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体タンパク質は、第1のActRIIBポリペプチドおよび第2のActRIIBポリペプチドを含み、第1のActRIIBポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸20~29(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28または29)のいずれか1つで始まり、配列番号2のアミノ酸109~134(例えば、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133または134)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含み、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82からなる群から選択される配列番号2アミノ酸に対応する位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸20~29(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28または29)のいずれか1つで始まり、配列番号2のアミノ酸109~134(例えば、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133または134)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含み、第1のActRIIBポリペプチドは、第2のActRIIBポリペプチドと比較して異なるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸29~109と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸29~109と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸25~131と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸25~131と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸20~134と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸25~131と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号53のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、配列番号53のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号12のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、配列番号12のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のK55に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、K55Aである。一部の実施形態では、置換は、K55Eである。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のL79に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、L79Dである。一部の実施形態では、置換は、L79Eである。一部の実施形態では、置換は、L79Pである。一部の実施形態では、置換は、L79Aである。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のF82に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、F82Iである。一部の実施形態では、置換は、F82Kである。一部の実施形態では、置換は、F82Aである。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のA24に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、A24Nである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のK74に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、K74Aである。一部の実施形態では、置換は、K74Aである。一部の実施形態では、置換は、K74Fである。一部の実施形態では、置換は、K74Aである。一部の実施形態では、置換は、K74Iである。一部の実施形態では、置換は、K74Aである。一部の実施形態では、置換は、K74Yである。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のD80に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、D80Aである。一部の実施形態では、置換は、D80Fである。一部の実施形態では、置換は、D80Kである。一部の実施形態では、置換は、D80Gである。一部の実施形態では、置換は、D80Mである。一部の実施形態では、置換は、D80Iである。一部の実施形態では、置換は、D80Nである。一部の実施形態では、置換は、D80Rである。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のR64に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、R64Kである。一部の実施形態では、置換は、R64Nである。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のP129に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、P129Sである。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のP130に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、P130Aである。一部の実施形態では、置換は、P130Rである。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のE37に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、E37Aである。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のR40に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、R40Aである。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のD54に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、D54Aである。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のR56に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、R56Aである。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、配列番号2のW78に対応するアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、置換は、W78Aである。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82からなる群から選択される配列番号2の位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。例えば、一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、K55A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される配列番号2のアミノ酸配列に関する1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドは、ヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドは、ヘテロ多量体形成を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドは、ヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾およびヘテロ多量体形成を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の態様では、バリアントActRIIBポリペプチドを含む本開示のActRIIBポリペプチドは、ActRIIBポリペプチドドメインおよび1つまたは複数の異種ドメインを含む融合タンパク質である。一部の実施形態では、ActRIIBポリペプチドは、ActRIIB-Fc融合タンパク質である。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc融合タンパク質は、ActRIIBポリペプチドドメインおよび1つまたは複数の異種ドメインまたはFcドメインの間に位置するリンカードメインをさらに含む。一部の実施形態では、リンカードメインは、TGGG、TGGGG、SGGGG、GGGGS、GGG、GGGG、SGGGおよびGGGGSから選択される。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号13のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号13のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号14のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号14のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号15のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号15のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号18のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号18のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号22のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号22のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号22のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号25のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号25のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号24のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号26のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号27のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号27のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号26のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号28のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号29のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。一部の実施形態では、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、アミノ酸位置132におけるシステイン、アミノ酸位置138におけるグルタミン酸、アミノ酸位置144におけるトリプトファンおよびアミノ酸位置217におけるアスパラギン酸を含む。一部の実施形態では、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、アミノ酸位置127におけるシステイン、アミノ酸位置144におけるセリン、位置146におけるアラニン、アミノ酸位置162におけるアルギニン、アミノ酸位置179におけるアルギニンおよびアミノ酸位置185におけるバリンを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号28のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号29のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。一部の実施形態では、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、アミノ酸位置132におけるシステイン、アミノ酸位置138におけるグルタミン酸、アミノ酸位置144におけるトリプトファンおよびアミノ酸位置217におけるアスパラギン酸を含む。一部の実施形態では、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、アミノ酸位置127におけるシステイン、アミノ酸位置144におけるセリン、位置146におけるアラニン、アミノ酸位置162におけるアルギニン、アミノ酸位置179におけるアルギニンおよびアミノ酸位置185におけるバリンを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。一部の実施形態では、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、アミノ酸位置132におけるシステイン、アミノ酸位置144におけるトリプトファンおよびアミノ酸位置435におけるアルギニンを含む。一部の実施形態では、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、アミノ酸位置127におけるシステイン、アミノ酸位置144におけるセリン、アミノ酸位置146におけるアラニンおよびアミノ酸位置185におけるバリンを含む。
ある特定の態様では、本開示は、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および第2のActRIIB-Fc融合タンパク質を含むActRIIBヘテロ多量体タンパク質に関し、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質は、配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む。一部の実施形態では、第2のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、アミノ酸位置132におけるシステイン、アミノ酸位置144におけるトリプトファンおよびアミノ酸位置435におけるアルギニンを含む。一部の実施形態では、第1のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインは、アミノ酸位置127におけるシステイン、アミノ酸位置144におけるセリン、アミノ酸位置146におけるアラニンおよびアミノ酸位置185におけるバリンを含む。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第1のActRIIBポリペプチド、および配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第2のActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、第1のActRIIBポリペプチドは、第2のActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列を含まない。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の55に対応するアミノ酸位置におけるアラニンを含む。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の55に対応するアミノ酸位置におけるアラニンを含まない。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の55に対応するアミノ酸位置におけるリシンを含む。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドは、配列番号2のF82、L79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換は、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2のF82、L79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換は、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドは、ヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドは、ヘテロ多量体形成を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、ヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号36のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第1のActRIIBポリペプチド、および配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第2のActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、第1のActRIIBポリペプチドは、第2のActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列を含まない。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の55に対応するアミノ酸位置におけるグルタミン酸を含む。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の55に対応するアミノ酸位置におけるグルタミン酸を含まない。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の55に対応するアミノ酸位置におけるリシンを含む。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドは、配列番号2のF82、L79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換は、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2のF82、L79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換は、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドは、ヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドは、ヘテロ多量体形成を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、ヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第1のActRIIBポリペプチド、および配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第2のActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、第1のActRIIBポリペプチドは、第2のActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列を含まない。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の82に対応するアミノ酸位置におけるイソロイシンを含む。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の82に対応するアミノ酸位置におけるイソロイシン(isoleucine acid)を含まない。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の82に対応するアミノ酸位置におけるフェニルアラニンを含む。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドは、配列番号2のL79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78およびD80のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換は、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80NおよびD80Rからなる群から選択される。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2のL79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78およびD80のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換は、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80NおよびD80Rからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドは、ヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドは、ヘテロ多量体形成を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、ヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第1のActRIIBポリペプチド、および配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第2のActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、第1のActRIIBポリペプチドは、第2のActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列を含まない。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の82に対応するアミノ酸位置におけるリシンを含む。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の82に対応するアミノ酸位置におけるリシンを含まない。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の82に対応するアミノ酸位置におけるフェニルアラニンを含む。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドは、配列番号2のL79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78およびD80のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換は、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80NおよびD80Rからなる群から選択される。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2のL79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78およびD80のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換は、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80NおよびD80Rからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドは、ヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドは、ヘテロ多量体形成を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、ヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号45のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第1のActRIIBポリペプチド、および配列番号48のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第2のActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、第1のActRIIBポリペプチドは、第2のActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列を含まない。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の79に対応する酸性アミノ酸位置を含む。一部の実施形態では、酸性アミノ酸は、アスパラギン酸である。一部の実施形態では、酸性アミノ酸は、グルタミン酸である。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の79に対応するアミノ酸位置における酸性アミノ酸(acidic acid)(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)を含まない。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の79に対応するアミノ酸位置におけるロイシンを含む。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドは、配列番号2のF82、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換は、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2のF82、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換は、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドは、ヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドは、ヘテロ多量体形成を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む。一部の実施形態では、ヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の態様では、本開示は、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第1のActRIIBポリペプチド、および配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第2のActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、第1のActRIIBポリペプチドは、第2のActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列を含まない。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の79に対応する酸性アミノ酸位置を含む。一部の実施形態では、酸性アミノ酸は、アスパラギン酸である。一部の実施形態では、酸性アミノ酸は、グルタミン酸である。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の79に対応するアミノ酸位置における酸性アミノ酸(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)を含まない。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2の79に対応するアミノ酸位置におけるロイシンを含む。一部の実施形態では、第1のActRIIBポリペプチドは、配列番号2のF82、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換は、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される。一部の実施形態では、第2のActRIIBポリペプチドは、配列番号2のF82、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換は、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示されているActRIIBポリペプチドのいずれか、ならびにALK1、ALK2、ALK3、ALK4、ALK5、ALK6、ALK7、ActRIIA、TGFBRII、BMPRIIおよびMISRIIポリペプチドからなる群から選択される第2のポリペプチドまたはその機能的断片を含むヘテロ多量体タンパク質を提供する。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ALK1ポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ALK1ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号54と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ALK1ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号54、55、56、57、60および61のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ALK2ポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ALK2ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号64もしくは65のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ALK2ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号64、65、66、67、70および71のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ALK3ポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ALK3ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号74のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ALK3ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号74、75、76、77、80もしくは81のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ALK4ポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ALK4ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号84もしくは85のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ALK4ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号84、86、85、87、88、89、92および93のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ALK5ポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ALK5ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号96もしくは97のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ALK5ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号96、98、97、99、100、101、104および105のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ALK6ポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ALK6ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号108もしくは110のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ALK6ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号108、109、110、111、112、113、116および117のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ALK7ポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ALK7ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号120、121もしくは122のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ALK7ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号120、123、124、125、121、126、122、127、128、129、130、133および134のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ActRIIAポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ActRIIAポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号137のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ActRIIAポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号137、138、139、140、141、144および145のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、TGFBRIIポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、TGFBRIIポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号204のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、TGFBRIIポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号161、162、160、163、164、165、166、167、172、173、174および175のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、BMPRIIポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、BMPRIIポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号148もしくは149のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、BMPRIIポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号148、150、149、151、152、153、156および157のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、MISRIIポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、MISRIIポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号180、181もしくは182のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、MISRIIポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号180、183、181、184、182および185のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。
ある特定の態様では、本開示のヘテロ多量体は、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、少なくとも1×10-7MのKで、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドは、BMP6、BMP7、BMP9、BMP10、GDF3、GDF7、GDF8、GDF11、GDF15、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンE、アクチビンAB、アクチビンAC、アクチビンAE、アクチビンBCおよびアクチビンBEからなる群から選択される。
ある特定の態様では、本開示のヘテロ多量体は、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドを阻害する。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのSmadシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、細胞に基づくアッセイにおいて、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、BMP6、BMP7、BMP9、BMP10、GDF3、GDF7、GDF8、GDF11、GDF15、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンE、アクチビンAB、アクチビンAC、アクチビンAE、アクチビンBCおよびアクチビンBEからなる群から選択される1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドを阻害する。
ある特定の態様では、本開示は、グリコシル化アミノ酸、PEG化アミノ酸、ファルネシル化アミノ酸、アセチル化アミノ酸、ビオチン化アミノ酸および脂質部分とコンジュゲートしたアミノ酸からなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、バリアントActRIIBポリペプチドを含むActRIIBポリペプチドならびにこれを含むホモ多量体およびヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、本開示のActRIIBポリペプチドは、グリコシル化されており、CHO細胞におけるポリペプチドから入手可能なグリコシル化パターンを有する。
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示されているActRIIBポリペプチドのいずれか、ならびにALK1、ALK2、ALK3、ALK4、ALK5、ALK6、ALK7、ActRIIA、TGFBRII、BMPRIIおよびMISRIIポリペプチドからなる群から選択される第2のポリペプチドまたはその機能的断片を含むヘテロ多量体タンパク質を提供する。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ALK1ポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ALK1ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号54と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ALK1ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号54、55、56、57、58、59、60、61、62および63のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ALK2ポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ALK2ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号64もしくは65のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ALK2ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号64、65、66、67、68、69、70、71、72および73のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ALK3ポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ALK3ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号74のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ALK3ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号74、75、76、77、80もしくは81のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ALK4ポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ALK4ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号84もしくは85のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ALK4ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号84、86、85、87、88、89、90、91、92、93、94および95のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ALK5ポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ALK5ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号96もしくは97のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ALK5ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号96、98、97、99、100、101、102、103、104、105、106および107のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ALK6ポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ALK6ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号108もしくは110のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ALK6ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118および119のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ALK7ポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ALK7ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号120、121もしくは122のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ALK7ポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号120、123、124、125、121、126、122、127、128、129、130、131、132、133、134、135および136のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ActRIIAポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、ActRIIAポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号137のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、ActRIIAポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号137、138、139、140、141、142、143、144、145、146および147のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、TGFBRIIポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、TGFBRIIポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号204のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、TGFBRIIポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号161、162、160、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178および179のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、BMPRIIポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、BMPRIIポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号148もしくは149のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、BMPRIIポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号148、150、149、151、152、153、154、155、156、157、158および159のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、MISRIIポリペプチドまたはその機能的断片である。一部の実施形態では、MISRIIポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号180、181もしくは182のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、MISRIIポリペプチドまたはその機能的断片は、配列番号180、183、181、184、182、185、186、187、188、189、190、191、192および193のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む。
ある特定の態様では、本開示は、バリアントActRIIBポリペプチドを含むActRIIBポリペプチドならびにこれを含むホモ多量体およびヘテロ多量体、薬学的に許容される担体を含む医薬調製物に関する。一部の実施形態では、1つまたは複数のActRIIBヘテロ多量体(heteromulitmer)を含む医薬調製物は、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満または約1%未満のホモ多量体を含む。
ある特定の態様では、本開示は、本明細書に記載されているActRIIBポリペプチド(複数可)の1つまたは複数のコード配列を含む単離されたおよび/または組換え核酸に関する。例えば、一部の実施形態では、本開示は、配列番号3、10、31、35、38、41、44または47のいずれか1つに対応する核酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である単離されたおよび/または組換え核酸に関する。一部の実施形態では、本開示の単離されたおよび/または組換えポリヌクレオチド配列は、本明細書に記載されているコード配列(例えば、配列番号3、10、31、35、38、41、44または47のいずれか1つに対応する核酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である核酸)に作動可能に連結したプロモーター配列を含む。一部の実施形態では、本開示は、本明細書に記載されている単離されたおよび/または組換え核酸(例えば、配列番号3、10、31、35、38、41、44または47のいずれか1つに対応する核酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である核酸)を含むベクターに関する。一部の実施形態では、本開示は、本明細書に記載されている単離されたおよび/または組換えポリヌクレオチド配列(例えば、配列番号3、10、31、35、38、41、44または47のいずれか1つに対応する核酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である核酸)を含む細胞に関する。一部の実施形態では、細胞は、CHO細胞である。一部の実施形態では、細胞は、COS細胞である。
ある特定の態様では、本開示は、本明細書に記載されているバリアントActRIIBポリペプチドを含むActRIIBポリペプチドならびにこれを含むホモ多量体およびヘテロ多量体を作製する方法に関する。そのような方法は、適した細胞(例えば、CHO細胞またはCOS細胞)において本明細書に開示されている核酸のいずれかを発現させるステップを含むことができる。そのような方法は、a)可溶性ActRIIBポリペプチドの発現に適した条件下で細胞を培養するステップを含むことができ、前記細胞は、ActRIIBポリペプチド発現構築物を含む。一部の実施形態では、本方法は、発現されたActRIIBポリペプチドを回収するステップをさらに含む。ActRIIBポリペプチドは、細胞培養物からタンパク質を得るための周知技法のいずれかを使用して、粗製画分、部分的に精製された画分または高度に精製された画分として回収され得る。
一部の実施形態では、本開示は、患者における赤血球レベルまたはヘモグロビンレベルを増大させるための方法であって、本明細書に記載されているバリアントActRIIBポリペプチドを含むActRIIBポリペプチドならびにこれを含むホモ多量体およびヘテロ多量体を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法に関する。
一部の実施形態では、本開示は、患者における貧血または貧血に関連する障害(例えば、本明細書に記載されている障害)を処置するための方法であって、本明細書に記載されているバリアントActRIIBポリペプチドを含むActRIIBポリペプチドならびにこれを含むホモ多量体およびヘテロ多量体を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法に関する。
一部の実施形態では、本開示は、患者における筋量および/または筋力を増大させるための方法であって、本明細書に記載されているバリアントActRIIBポリペプチドを含むActRIIBポリペプチドならびにこれを含むホモ多量体およびヘテロ多量体を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法に関する。
一部の実施形態では、本開示は、患者における筋肉関連障害を処置するための方法であって、本明細書に記載されているバリアントActRIIBポリペプチドを含むActRIIBならびにこれを含むホモ多量体およびヘテロ多量体を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法に関する。一部の実施形態では、障害は、望ましくなく低い筋肉成長および/または筋衰弱に関連する。そのような障害は、筋萎縮、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および筋消耗障害(例えば、カヘキシー、食欲不振、DMD症候群、BMD症候群、AIDS消耗症候群、筋ジストロフィー、神経筋疾患、運動ニューロン疾患、神経筋接合部の疾患、および炎症性ミオパチー)を含む。
一部の実施形態では、本開示は、体脂肪含量を低下または体脂肪含量の増大速度を減少させ、肥満、インスリン非依存性真性糖尿病(NIDDM)、心血管疾患、がん、高血圧、変形性関節症、脳卒中、呼吸器問題および胆嚢疾患など、望ましくない体重増加に関連する障害を処置するための方法であって、本明細書に記載されているバリアントActRIIBポリペプチドを含むActRIIBならびにこれを含むホモ多量体およびヘテロ多量体を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法に関する。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
配列番号2のアミノ酸20~29(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28または29)のいずれか1つで始まり、配列番号2のアミノ酸109~134(例えば、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133または134)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドであって、K55、F82、L79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82からなる群から選択される配列番号2の位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、バリアントActRIIBポリペプチド。
(項目2)
配列番号2のアミノ酸29~109と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目3)
配列番号2のアミノ酸25~131と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目4)
配列番号2のアミノ酸20~134と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目5)
配列番号53のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目6)
ActRIIBポリペプチドドメインおよび1つまたは複数の異種ドメインを含む融合タンパク質である、項目1から5までのいずれか一項に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目7)
ActRIIB-Fc融合タンパク質である、項目6に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目8)
前記融合タンパク質が、前記ActRIIBポリペプチドドメインおよび前記1つまたは複数の異種ドメインまたはFcドメインの間に位置するリンカードメインをさらに含む、項目6または7に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目9)
前記リンカードメインが、TGGG、TGGGG、SGGGG、GGGGS、GGG、GGGG、SGGGおよびGGGGSから選択される、項目8に記載のバリアント。
(項目10)
配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目8に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目11)
配列番号12のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目8に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目12)
A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、K55A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される配列番号2のアミノ酸配列に関する1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目1から11までのいずれか一項に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目13)
配列番号2のK55に対応する位置におけるA置換を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目14)
配列番号2のK55に対応する位置におけるE置換を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目15)
配列番号2のF82に対応する位置におけるI置換を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目16)
配列番号2のF82に対応する位置におけるK置換を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目17)
配列番号2のL79に対応する位置におけるE置換を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目18)
配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目19)
配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目20)
配列番号2のK55に対応する位置におけるA置換を含む、項目18または19に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目21)
配列番号34のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目22)
配列番号36のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目23)
配列番号2のK55に対応する位置におけるE置換を含む、項目21または22に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目24)
配列番号37のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目25)
配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目26)
配列番号2のF82に対応する位置におけるI置換を含む、項目24または25に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目27)
配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目28)
配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目29)
配列番号2のF82に対応する位置におけるK置換を含む、項目27または28に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目30)
配列番号43のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目31)
配列番号45のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目32)
配列番号2のL79に対応する位置におけるE置換を含む、項目30または31に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目33)
配列番号46のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目34)
配列番号48のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目35)
配列番号2のL79に対応する位置におけるE置換を含む、項目33または34に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目36)
配列番号49のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目37)
配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目38)
配列番号2のL79に対応する位置におけるE置換を含む、項目36または37に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目39)
配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目40)
配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目12に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目41)
配列番号2のL79に対応する位置におけるE置換を含む、項目39または40に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目42)
前記Fcドメインが、配列番号13~30のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目8または9に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目43)
ホモ二量体タンパク質である、項目1から42までのいずれか一項に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
(項目44)
第1のActRIIBポリペプチドおよび第2のActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体タンパク質であって、前記第1のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸20~29(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28または29)のいずれか1つで始まり、配列番号2のアミノ酸109~134(例えば、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133または134)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列、ならびにA24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82からなる群から選択される配列番号2の位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸20~29(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28または29)のいずれか1つで始まり、配列番号2のアミノ酸109~134(例えば、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133または134)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含み、前記第1のActRIIBポリペプチドが、前記第2のActRIIBポリペプチドと比較して異なるアミノ酸配列を含む、ヘテロ多量体タンパク質。
(項目45)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸29~109と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目44に記載のヘテロ多量体。
(項目46)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸25~131と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目44に記載のヘテロ多量体。
(項目47)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸20~134と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目44に記載のヘテロ多量体。
(項目48)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号53のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、項目44に記載のヘテロ多量体。
(項目49)
前記第1のActRIIBポリペプチドが、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、K55A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される配列番号2のアミノ酸配列に関する1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目44から48までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目50)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82からなる群から選択される配列番号2の位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目44から49までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目51)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、K55A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される配列番号2のアミノ酸配列に関する1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目49に記載のヘテロ多量体。
(項目52)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドが、ActRIIBポリペプチドドメインおよび1つまたは複数の異種ドメインを含む融合タンパク質である、項目44から51までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目53)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドが、ActRIIB-Fc融合タンパク質である、項目52に記載のヘテロ多量体。
(項目54)
前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質および/または第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、前記ActRIIBポリペプチドドメインおよび前記1つまたは複数の異種ドメインまたはFcドメインの間に位置するリンカードメインをさらに含む、項目52または53に記載のヘテロ多量体。
(項目55)
前記リンカードメインが、TGGG、TGGGG、SGGGG、GGGGS、GGG、GGGG、SGGGおよびGGGGSから選択される、項目54に記載のヘテロ多量体。
(項目56)
a.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号13のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号13のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む;
b.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号14のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号14のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む;
c.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号15のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号15のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む;
d.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む;および
e.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む
から選択されるFcドメインを含む、項目53から55までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目57)
a.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号18のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む;
b.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号18のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む
から選択されるFcドメインを含む、項目53から55までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目58)
a.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む;
b.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む
から選択されるFcドメインを含む、項目53から55までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目59)
a.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号22のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む;
b.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号22のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む
から選択されるFcドメインを含む、項目53から55までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目60)
a.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号22のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号25のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む;
b.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号25のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号24のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む
から選択されるFcドメインを含む、項目53から55までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目61)
a.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号26のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号27のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む;
b.前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号27のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号26のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む
から選択されるFcドメインを含む、項目53から55までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目62)
前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号28のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号29のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む、項目53から55までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目63)
前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、アミノ酸位置132におけるシステイン、アミノ酸位置138におけるグルタミン酸、アミノ酸位置144におけるトリプトファンおよびアミノ酸位置217におけるアスパラギン酸を含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、アミノ酸位置127におけるシステイン、アミノ酸位置144におけるセリン、位置146におけるアラニン、アミノ酸位置162におけるアルギニン、アミノ酸位置179におけるアルギニンおよびアミノ酸位置185におけるバリンを含む、項目62に記載のヘテロ多量体。
(項目64)
前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号28のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号29のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む、項目53から55までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目65)
前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、アミノ酸位置132におけるシステイン、アミノ酸位置138におけるグルタミン酸、アミノ酸位置144におけるトリプトファンおよびアミノ酸位置217におけるアスパラギン酸を含み、前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、アミノ酸位置127におけるシステイン、アミノ酸位置144におけるセリン、位置146におけるアラニン、アミノ酸位置162におけるアルギニン、アミノ酸位置179におけるアルギニンおよびアミノ酸位置185におけるバリンを含む、項目62に記載のヘテロ多量体。
(項目66)
前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む、項目53から55までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目67)
前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、アミノ酸位置132におけるシステイン、アミノ酸位置144におけるトリプトファンおよびアミノ酸位置435におけるアルギニンを含み、前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、アミノ酸位置127におけるシステイン、アミノ酸位置144におけるセリン、アミノ酸位置146におけるアラニンおよびアミノ酸位置185におけるバリンを含む、項目66に記載のヘテロ多量体。
(項目68)
前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含み、前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質が、配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるFcドメインを含む、項目53から55までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目69)
前記第2のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、アミノ酸位置132におけるシステイン、アミノ酸位置144におけるトリプトファンおよびアミノ酸位置435におけるアルギニンを含み、前記第1のActRIIB-Fc融合タンパク質Fcドメインが、アミノ酸位置127におけるシステイン、アミノ酸位置144におけるセリン、アミノ酸位置146におけるアラニンおよびアミノ酸位置185におけるバリンを含む、項目66に記載のヘテロ多量体。
(項目70)
ヘテロ二量体である、項目44から69までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目71)
配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第1のActRIIBポリペプチド、および配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第2のActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体であって、前記第1のActRIIBポリペプチドが、前記第2のActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列を含まない、ヘテロ多量体。
(項目72)
前記第1のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の55に対応するアミノ酸位置におけるアラニンを含む、項目71に記載のヘテロ多量体。
(項目73)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の55に対応するアミノ酸位置におけるアラニンを含まない、項目71または72に記載のヘテロ多量体。
(項目74)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の55に対応するアミノ酸位置におけるリシンを含む、項目73に記載のヘテロ多量体。
(項目75)
前記第1のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のF82、L79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目71から74までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目76)
前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される、項目75に記載のヘテロ多量体。
(項目77)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のF82、L79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目71から76までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目78)
前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される、項目77に記載のヘテロ多量体。
(項目79)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、ヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目71から78までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目80)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、ヘテロ多量体形成を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目71から79までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目81)
ヘテロ二量体である、項目71から80までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目82)
配列番号36のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第1のActRIIBポリペプチド、および配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第2のActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体であって、前記第1のActRIIBポリペプチドが、前記第2のActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列を含まない、ヘテロ多量体。
(項目83)
前記第1のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の55に対応するアミノ酸位置におけるグルタミン酸を含む、項目82に記載のヘテロ多量体。
(項目84)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の55に対応するアミノ酸位置におけるグルタミン酸を含まない、項目82または83に記載のヘテロ多量体。
(項目85)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の55に対応するアミノ酸位置におけるリシンを含む、項目84に記載のヘテロ多量体。
(項目86)
前記第1のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のF82、L79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目82から85までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目87)
前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される、項目86に記載のヘテロ多量体。
(項目88)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のF82、L79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目82から87までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目89)
前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される、項目88に記載のヘテロ多量体。
(項目90)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、ヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目82から89までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目91)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、ヘテロ多量体形成を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目82から90までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目92)
ヘテロ二量体である、項目82から91までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目93)
配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第1のActRIIBポリペプチド、および配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第2のActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体であって、前記第1のActRIIBポリペプチドが、前記第2のActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列を含まない、ヘテロ多量体。
(項目94)
前記第1のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の82に対応するアミノ酸位置におけるイソロイシンを含む、項目93に記載のヘテロ多量体。
(項目95)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の82に対応するアミノ酸位置におけるイソロイシンを含まない、項目93または94に記載のヘテロ多量体。
(項目96)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の82に対応するアミノ酸位置におけるフェニルアラニンを含む、項目95に記載のヘテロ多量体。
(項目97)
前記第1のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のL79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78およびD80のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目93から96までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目98)
前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80NおよびD80Rからなる群から選択される、項目97に記載のヘテロ多量体。
(項目99)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のL79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78およびD80のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目93から98までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目100)
前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80NおよびD80Rからなる群から選択される、項目99に記載のヘテロ多量体。
(項目101)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、ヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目93から100までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目102)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、ヘテロ多量体形成を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目93から101までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目103)
ヘテロ二量体である、項目93から102までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目104)
配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第1のActRIIBポリペプチド、および配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第2のActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体であって、前記第1のActRIIBポリペプチドが、前記第2のActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列を含まない、ヘテロ多量体。
(項目105)
前記第1のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の82に対応するアミノ酸位置におけるリシンを含む、項目104に記載のヘテロ多量体。
(項目106)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の82に対応するアミノ酸位置におけるリシンを含まない、項目103または104に記載のヘテロ多量体。
(項目107)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の82に対応するアミノ酸位置におけるフェニルアラニンを含む、項目106に記載のヘテロ多量体。
(項目108)
前記第1のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のL79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78およびD80のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目104から107までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目109)
前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80NおよびD80Rからなる群から選択される、項目108に記載のヘテロ多量体。
(項目110)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のL79、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78およびD80のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目104から109までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目111)
前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79A、L79D、L79E、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80NおよびD80Rからなる群から選択される、項目110に記載のヘテロ多量体。
(項目112)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、ヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目104から111までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目113)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、ヘテロ多量体形成を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目104から112までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目114)
ヘテロ二量体である、項目104から113までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目115)
配列番号45のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第1のActRIIBポリペプチド、および配列番号48のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第2のActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体であって、前記第1のActRIIBポリペプチドが、前記第2のActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列を含まない、ヘテロ多量体。
(項目116)
前記第1のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の79に対応する酸性アミノ酸位置を含む、項目115に記載のヘテロ多量体。
(項目117)
前記酸性アミノ酸が、アスパラギン酸である、項目116に記載のヘテロ多量体。
(項目118)
前記酸性アミノ酸が、グルタミン酸である、項目116に記載のヘテロ多量体。
(項目119)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の79に対応するアミノ酸位置における酸性アミノ酸(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)を含まない、項目115から117までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目120)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の79に対応するアミノ酸位置におけるロイシンを含む、項目119に記載のヘテロ多量体。
(項目121)
前記第1のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のF82、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目115から120までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目122)
前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される、項目121に記載のヘテロ多量体。
(項目123)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のF82、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目115から122までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目124)
前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される、項目123に記載のヘテロ多量体。
(項目125)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、ヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目115から124までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目126)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、ヘテロ多量体形成を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目115から125までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目127)
ヘテロ二量体である、項目115から126までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目128)
配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第1のActRIIBポリペプチド、および配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である第2のActRIIBポリペプチドを含むヘテロ多量体であって、前記第1のActRIIBポリペプチドが、前記第2のActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列を含まない、ヘテロ多量体。
(項目129)
前記第1のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の79に対応する酸性アミノ酸位置を含む、項目128に記載のヘテロ多量体。
(項目130)
前記酸性アミノ酸が、アスパラギン酸である、項目129に記載のヘテロ多量体。
(項目131)
前記酸性アミノ酸が、グルタミン酸である、項目129に記載のヘテロ多量体。
(項目132)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の79に対応するアミノ酸位置における酸性アミノ酸(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)を含まない、項目128から131までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目133)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2の79に対応するアミノ酸位置におけるロイシンを含む、項目132に記載のヘテロ多量体。
(項目134)
前記第1のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のF82、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目128から133までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目135)
前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、L79P、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される、項目134に記載のヘテロ多量体。
(項目136)
前記第2のActRIIBポリペプチドが、配列番号2のF82、A24、K74、R64、P129、P130、E37、R40、D54、R56、W78、D80およびF82のいずれか1つに対応するアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、項目128から135までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目137)
前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、A24N、K74A、R64K、R64N、K74A、P129S、P130A、P130R、E37A、R40A、D54A、R56A、K74F、K74I、K74Y、W78A、D80A、D80F、D80G、D80I、D80K、D80M、D80M、D80N、D80RおよびF82Aからなる群から選択される、項目136に記載のヘテロ多量体。
(項目138)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、ヘテロ多量体形成を促進する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目128から137までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目139)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または前記第2のActRIIBポリペプチドが、ヘテロ多量体形成を阻害する1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、項目128から138までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目140)
ヘテロ二量体である、項目128から139までのいずれか一項に記載のヘテロ多量体。
(項目141)
グリコシル化アミノ酸、PEG化アミノ酸、ファルネシル化アミノ酸、アセチル化アミノ酸、ビオチン化アミノ酸および脂質部分とコンジュゲートしたアミノ酸からなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、前記項目のいずれかに記載のActRIIBポリペプチド。
(項目142)
グリコシル化されており、CHO細胞における前記ポリペプチドから入手可能なグリコシル化パターンを有する、項目141に記載のActRIIBポリペプチド。
(項目143)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドが、グリコシル化アミノ酸、PEG化アミノ酸、ファルネシル化アミノ酸、アセチル化アミノ酸、ビオチン化アミノ酸および脂質部分とコンジュゲートしたアミノ酸からなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、前記項目のいずれかに記載のヘテロ多量体。
(項目144)
前記第1のActRIIBポリペプチドおよび/または第2のActRIIBポリペプチドが、グリコシル化されており、CHO細胞における前記ポリペプチドから入手可能なグリコシル化パターンを有する、項目143に記載のヘテロ多量体。
(項目145)
1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する、前記項目のいずれかに記載のポリペプチドまたはヘテロ多量体。
(項目146)
少なくとも1×10 -7 MのK で、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する、項目145に記載のポリペプチドまたはヘテロ多量体。
(項目147)
前記1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドが、BMP6、BMP7、BMP9、BMP10、GDF3、GDF7、GDF8、GDF11、GDF15、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンE、アクチビンAB、アクチビンAC、アクチビンAE、アクチビンBCおよびアクチビンBEからなる群から選択される、項目145または146に記載のポリペプチドまたはヘテロ多量体。
(項目148)
1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドを阻害する、前記項目のいずれかに記載のポリペプチドまたはヘテロ多量体。
(項目149)
1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する、項目148に記載のポリペプチドまたはヘテロ多量体。
(項目150)
1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのSmadシグナル伝達を阻害する、項目149に記載のポリペプチドまたはヘテロ多量体。
(項目151)
細胞に基づくアッセイにおいて、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する、項目148から150までのいずれか一項に記載のポリペプチドまたはヘテロ多量体。
(項目152)
BMP6、BMP7、BMP9、BMP10、GDF3、GDF7、GDF8、GDF11、GDF15、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンE、アクチビンAB、アクチビンAC、アクチビンAE、アクチビンBCおよびアクチビンBEからなる群から選択される1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドを阻害する、項目148から151までのいずれか一項に記載のポリペプチドまたはヘテロ多量体。
(項目153)
項目1から42までのいずれか一項に記載のActRIIBポリペプチド、ならびにALK1、ALK2、ALK3、ALK4、ALK5、ALK6、ALK7、ActRIIA、TGFBRII、BMPRIIおよびMISRIIポリペプチドからなる群から選択される第2のポリペプチドまたはその機能的断片を含むヘテロ多量体タンパク質。
(項目154)
前記第2のポリペプチドが、ALK1ポリペプチドまたはその機能的断片である、項目153に記載のヘテロ多量体。
(項目155)
前記ALK1ポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号54と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目154に記載のヘテロ多量体。
(項目156)
前記ALK1ポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号54、55、56、57、58、59、60、61、62および63のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目154に記載のヘテロ多量体。
(項目157)
前記第2のポリペプチドが、ALK2ポリペプチドまたはその機能的断片である、項目153に記載のヘテロ多量体。
(項目158)
前記ALK2ポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号64もしくは65のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目157に記載のヘテロ多量体。
(項目159)
前記ALK2ポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号64、65、66、67、68、69、70、71、72および73のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目157に記載のヘテロ多量体。
(項目160)
前記第2のポリペプチドが、ALK3ポリペプチドまたはその機能的断片である、項目153に記載のヘテロ多量体。
(項目161)
前記ALK3ポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号74のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目160に記載のヘテロ多量体。
(項目162)
前記ALK3ポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号74、75、76、77、80もしくは81のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目160に記載のヘテロ多量体。
(項目163)
前記第2のポリペプチドが、ALK4ポリペプチドまたはその機能的断片である、項目153に記載のヘテロ多量体。
(項目164)
前記ALK4ポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号84もしくは85のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目163に記載のヘテロ多量体。
(項目165)
前記ALK4ポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号84、86、85、87、88、89、90、91、92、93、94および95のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目163に記載のヘテロ多量体。
(項目166)
前記第2のポリペプチドが、ALK5ポリペプチドまたはその機能的断片である、項目153に記載のヘテロ多量体。
(項目167)
前記ALK5ポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号96もしくは97のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目166に記載のヘテロ多量体。
(項目168)
前記ALK5ポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号96、98、97、99、100、101、102、103、104、105、106および107のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目166に記載のヘテロ多量体。
(項目169)
前記第2のポリペプチドが、ALK6ポリペプチドまたはその機能的断片である、項目153に記載のヘテロ多量体。
(項目170)
前記ALK6ポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号108もしくは110のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目169に記載のヘテロ多量体。
(項目171)
前記ALK6ポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118および119のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目169に記載のヘテロ多量体。
(項目172)
前記第2のポリペプチドが、ALK7ポリペプチドまたはその機能的断片である、項目153に記載のヘテロ多量体。
(項目173)
前記ALK7ポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号120、121もしくは122のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目172に記載のヘテロ多量体。
(項目174)
前記ALK7ポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号120、123、124、125、121、126、122、127、128、129、130、131、132、133、134、135および136のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目172に記載のヘテロ多量体。
(項目175)
前記第2のポリペプチドが、ActRIIAポリペプチドまたはその機能的断片である、項目153に記載のヘテロ多量体。
(項目176)
前記ActRIIAポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号137のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目175に記載のヘテロ多量体。
(項目177)
前記ActRIIAポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号137、138、139、140、141、142、143、144、145、146および147のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目175に記載のヘテロ多量体。
(項目178)
前記第2のポリペプチドが、TGFBRIIポリペプチドまたはその機能的断片である、項目153に記載のヘテロ多量体。
(項目179)
前記TGFBRIIポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号204のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目178に記載のヘテロ多量体。
(項目180)
前記TGFBRIIポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号161、162、160、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178および179のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目178に記載のヘテロ多量体。
(項目181)
前記第2のポリペプチドが、BMPRIIポリペプチドまたはその機能的断片である、項目153に記載のヘテロ多量体。
(項目182)
前記BMPRIIポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号148もしくは149のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目181に記載のヘテロ多量体。
(項目183)
前記BMPRIIポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号148、150、149、151、152、153、154、155、156、157、158および159のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目181に記載のヘテロ多量体。
(項目184)
前記第2のポリペプチドが、MISRIIポリペプチドまたはその機能的断片である、項目153に記載のヘテロ多量体。
(項目185)
前記MISRIIポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号180、181もしくは182のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目184に記載のヘテロ多量体。
(項目186)
前記MISRIIポリペプチドまたはその機能的断片が、配列番号180、183、181、184、182、185、186、187、188、189、190、191、192および193のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列またはその機能的断片を含む、項目184に記載のヘテロ多量体。
(項目187)
前記項目のいずれかに記載のActRIIBポリペプチドおよび薬学的に許容される担体を含む医薬調製物。
(項目188)
前記項目のいずれかに記載のヘテロ多量体および薬学的に許容される担体を含む医薬調製物。
(項目189)
約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満または約1%未満のホモ多量体を含む、項目188に記載の医薬調製物。
(項目190)
前記項目のいずれかに記載のActRIIBポリペプチド(複数可)の1つまたは複数のコード配列を含む、単離されたおよび/または組換え核酸。
(項目191)
配列番号3、10、31、35、38、41、44または47のいずれか1つに対応する核酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である、項目190に記載の単離されたおよび/または組換え核酸。
(項目192)
項目190または191に記載のコード配列に作動可能に連結したプロモーター配列を含む、単離されたおよび/または組換えポリヌクレオチド配列。
(項目193)
項目190から192までのいずれか一項に記載の単離されたおよび/または組換え核酸を含むベクター。
(項目194)
項目190から192までのいずれか一項に記載の単離されたおよび/または組換えポリヌクレオチド配列、または項目193に記載のベクターを含む細胞。
(項目195)
前記項目のいずれかに記載のActRIIBポリペプチドを作製するための方法であって、前記ActRIIBポリペプチドの発現に適した条件下で細胞を培養するステップを含み、前記細胞が、項目190から192までのいずれか一項に記載の核酸またはベクターを含む、方法。
(項目196)
発現されたActRIIBポリペプチドを回収するステップをさらに含む、項目195に記載の方法。
(項目197)
前記項目のいずれかに記載のヘテロ多量体を作製するための方法であって、第1のActRIIBポリペプチドおよび第2のActRIIBポリペプチドの発現に適した条件下で細胞を培養するステップを含み、前記細胞が、項目190から192までのいずれか一項に記載の第1のActRIIBポリペプチドのコード配列を含む核酸またはベクター、および項目190から192までのいずれか一項に記載の第2のActRIIBポリペプチドのコード配列を含む第2の核酸またはベクターを含む、方法。
(項目198)
発現されたヘテロ多量体ポリペプチドを回収するステップをさらに含む、項目197に記載の方法。
(項目199)
前記項目のいずれかに記載のヘテロ多量体を作製するための方法であって、
a.第1のActRIIBポリペプチドの発現に適した条件下で第1の細胞を培養するステップであって、前記細胞が、項目190から192までのいずれか一項に記載の第1のActRIIBポリペプチドのコード配列を含む核酸またはベクターを含む、ステップと;
b.前記第1のActRIIBポリペプチドを回収するステップと;
c.前記第1のActRIIBポリペプチドの発現に適した条件下で第2の細胞を培養するステップであって、前記細胞が、項目190から192までのいずれか一項に記載の第1のActRIIBポリペプチドのコード配列を含む核酸またはベクターを含む、ステップと;
d.前記第2のActRIIBポリペプチドを回収するステップと;
e.ヘテロ多量体形成に適した条件下で前記第1および第2のActRIIBポリペプチドを組み合わせるステップと
を含む方法。
(項目200)
発現されたヘテロ多量体ポリペプチドを回収するステップをさらに含む、項目199に記載の方法。
(項目201)
患者における赤血球レベルまたはヘモグロビンレベルを増大させるための方法であって、前記項目のいずれかに記載のActRIIBポリペプチドまたはヘテロ多量体を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法。
(項目202)
患者における貧血または貧血に関連する障害を処置するための方法であって、前記項目のいずれかに記載のActRIIBポリペプチドまたはヘテロ多量体を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法。
(項目203)
患者における筋量および/または筋力を増大させるための方法であって、前記項目のいずれかに記載のActRIIBポリペプチドまたはヘテロ多量体を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法。
(項目204)
患者における筋肉関連障害を処置するための方法であって、前記項目のいずれかに記載のActRIIBポリペプチドまたはヘテロ多量体を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法。
(項目205)
前記障害が、望ましくなく低い筋肉成長および/または筋衰弱に関連する、項目204に記載の方法。
図1は、第1のバリアントActRIIBポリペプチド(「X」と示される)と、第2のバリアントActRIIBポリペプチド(「Y」と示される)または未修飾ActRIIBポリペプチド(「Y」と示される)のいずれかとを含むヘテロマータンパク質複合体の概略図例を示す。例示された実施形態では、第1のバリアントActRIIBポリペプチドは、相互作用対の第1のメンバー(「C」)を含む融合ポリペプチドの一部であり、第2のバリアントActRIIBポリペプチドまたは未修飾ActRIIBポリペプチドのいずれかは、相互作用対の第2のメンバー(「C」)を含む融合ポリペプチドの一部である。好適な相互作用対としては、例えば、重鎖および/または軽鎖免疫グロブリン相互作用対、短縮、および本明細書に記載のものなどのそのバリアントが挙げられる[例えば、Spiessら(2015年) Molecular Immunology 67巻(2A号):95~106頁]。各融合ポリペプチドにおいて、リンカーは、第1のバリアントActRIIBポリペプチド、第2のバリアントActRIIBポリペプチド、または未修飾ActRIIBポリペプチドと、相互作用対の対応するメンバーとの間に配置してもよい。相互作用対の第1および第2のメンバーは、無誘導であってよく、これは、対のメンバーが互いに会合するか、または実質的な優先性なしに自己会合してもよく、それらが同じまたは異なるアミノ酸配列を有してもよいことを意味する。図1Aを参照されたい。あるいは、相互作用対は、誘導(非対称)対であってよく、これは、対のメンバーが自己会合ではなく、互いに優先的に会合することを意味する。図1Bを参照されたい。 図1は、第1のバリアントActRIIBポリペプチド(「X」と示される)と、第2のバリアントActRIIBポリペプチド(「Y」と示される)または未修飾ActRIIBポリペプチド(「Y」と示される)のいずれかとを含むヘテロマータンパク質複合体の概略図例を示す。例示された実施形態では、第1のバリアントActRIIBポリペプチドは、相互作用対の第1のメンバー(「C」)を含む融合ポリペプチドの一部であり、第2のバリアントActRIIBポリペプチドまたは未修飾ActRIIBポリペプチドのいずれかは、相互作用対の第2のメンバー(「C」)を含む融合ポリペプチドの一部である。好適な相互作用対としては、例えば、重鎖および/または軽鎖免疫グロブリン相互作用対、短縮、および本明細書に記載のものなどのそのバリアントが挙げられる[例えば、Spiessら(2015年) Molecular Immunology 67巻(2A号):95~106頁]。各融合ポリペプチドにおいて、リンカーは、第1のバリアントActRIIBポリペプチド、第2のバリアントActRIIBポリペプチド、または未修飾ActRIIBポリペプチドと、相互作用対の対応するメンバーとの間に配置してもよい。相互作用対の第1および第2のメンバーは、無誘導であってよく、これは、対のメンバーが互いに会合するか、または実質的な優先性なしに自己会合してもよく、それらが同じまたは異なるアミノ酸配列を有してもよいことを意味する。図1Aを参照されたい。あるいは、相互作用対は、誘導(非対称)対であってよく、これは、対のメンバーが自己会合ではなく、互いに優先的に会合することを意味する。図1Bを参照されたい。
図2は、複数のActRIIBおよびActRIIA結晶構造の合成分析に基づいてリガンドと直接接触すると本明細書で推定される残基を有する(囲みで示される)、ヒトActRIIAおよびヒトActRIIBの細胞外ドメインのアラインメントを示す。
図3は、その細胞内ドメインを含まない様々な脊椎動物ActRIIB前駆体タンパク質、その細胞内ドメインを含まないヒトActRIIA前駆体タンパク質、およびコンセンサスActRII前駆体タンパク質の複数の配列アラインメントを示す。
図4は、Clustal 2.1を使用したヒトIgGアイソタイプに由来するFcドメインの複数の配列アラインメントを示す。ヒンジ領域は、点線の下線で示される。二重下線は、非対称鎖対合を促進するためのIgG1(配列番号13)Fc中で工学的に作製された位置ならびに他のアイソタイプIgG4(配列番号17)、IgG2(配列番号14)、およびIgG3(配列番号15)に関する対応する位置の例を示す。
図5は、番号付けが天然のヒトActRIIB前駆体配列(配列番号2を参照されたい)に基づく、ヒトActRIIB細胞外ドメインポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号1)を示す。
図6は、ヒトActRIIB前駆体タンパク質のアミノ酸配列(配列番号2;NCBI参照配列NP_001097.2)を示す。シグナルペプチドは下線付きであり、細胞外ドメインは太字であり(配列番号1とも呼ばれる)、潜在的なN結合型グリコシル化部位は囲まれている。
図7は、ヒトActRIIB(20~134)細胞外ドメインポリペプチドをコードする核酸配列を示す。
図8は、ヒトActRIIB前駆体タンパク質をコードする核酸配列を示す。配列番号4は、NCBI参照配列NM_001106のヌクレオチド25~1560からなる。
図9は、37℃での表面プラズモン共鳴によって決定された、ActRIIBバリアントドメインまたは未修飾ActRIIBドメインを含むホモ二量体Fc融合タンパク質のリガンド結合動態の値を示す。アミノ酸の番号付けは、配列番号2に基づく。
図10は、25℃での表面プラズモン共鳴によって決定された、ActRIIBバリアントドメインまたは未修飾ActRIIBドメインを含むホモ二量体Fc融合タンパク質のリガンド結合動態の値を示す。アミノ酸の番号付けは、配列番号2に基づく。
図11は、ビヒクルまたはActRIIBバリアントドメインもしくは未修飾ActRIIBドメインを含むホモ二量体Fc融合タンパク質で処置された野生型マウスに関するベースラインからの体重の変化を示す。
図12は、ビヒクルまたはActRIIBバリアントドメインもしくは未修飾ActRIIBドメインを含むホモ二量体Fc融合タンパク質で処置された野生型マウスにおけるヘモグロビン濃度を示す。
図13は、1および15日目に9mg/kg(s.c.)のActRIIB-Fc、ActRIIA-Fc、またはActRIIB(F82I)-Fcで処置されたカニクイザルにおける赤血球計数を示す。ActRIIB(F82I)-Fc処置は、ActRIIA-Fc(陽性対照)のものと同様の量により、ActRIIB-Fc(陰性対照)と比較してRBC計数を増加させた。
1.概要
ある特定の態様では、本発明は、ActRIIBポリペプチドに関する。本明細書で使用される場合、用語「ActRIIB」は、いずれかの種に由来する、アクチビン受容体IIB型(ActRIIB)タンパク質およびActRIIB関連タンパク質のファミリーを指す。ActRIIBファミリーのメンバーは一般に全て、システインリッチ領域を有するリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測されるセリン/トレオニンキナーゼ特異性を有する細胞質ドメインで構成された膜貫通タンパク質である。ヒトActRIIB前駆体タンパク質のアミノ酸配列を図6に示す(配列番号2)。
用語「ActRIIBポリペプチド」は、ActRIIBファミリーメンバーのいずれかの天然に存在するポリペプチドを含むポリペプチド、および有用な活性を保持するそのいずれかのバリアント(突然変異体、断片、融合体およびペプチド模倣形態を含む)を指すように使用されている。例えば、ActRIIBポリペプチドは、ActRIIBポリペプチドの配列と少なくとも約80%同一である配列、好ましくは、少なくとも85%、90%、95%、97%、99%またはそれを超える同一性を有するいずれか公知のActRIIBの配列に由来するポリペプチドを含む。
特異的な実施形態では、本発明は、可溶性ActRIIBポリペプチドに関する。本明細書に記載されている通り、用語「可溶性ActRIIBポリペプチド」は一般に、ActRIIBタンパク質の細胞外ドメインを含むポリペプチドを指す。用語「可溶性ActRIIBポリペプチド」は、本明細書で使用される場合、ActRIIBタンパク質のいずれかの天然に存在する細胞外ドメイン、および有用な活性を保持するそのいずれかのバリアント(突然変異体、断片およびペプチド模倣形態を含む)を含む。例えば、ActRIIBタンパク質の細胞外ドメインは、リガンドに結合し、一般に可溶性である。可溶性ActRIIBポリペプチドの例として、図5に示すActRIIB細胞外ドメイン(配列番号1)、および配列番号53が挙げられる。可溶性ActRIIBポリペプチドの他の例は、ActRIIBタンパク質の細胞外ドメインに加えてシグナル配列を含む(実施例1を参照)。シグナル配列は、ActRIIBのネイティブシグナル配列、または組織プラスミノーゲンアクチベーター(TPA)シグナル配列もしくはミツバチメリチン(honey bee melatin)シグナル配列など、別のタンパク質由来のシグナル配列となり得る。
TGF-βシグナルは、リガンド刺激後に下流Smadタンパク質をリン酸化および活性化する、I型およびII型セリン/トレオニンキナーゼ受容体のヘテロマー複合体によって媒介される(Massague、2000年、Nat. Rev. Mol. Cell Biol.1巻:169~178頁)。このようなI型およびII型受容体は全て、システインリッチ領域を有するリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測されるセリン/トレオニン特異性を有する細胞質ドメインで構成された膜貫通タンパク質である。I型受容体は、シグナル伝達に必須であり、II型受容体は、リガンドの結合に要求される。I型およびII型アクチビン受容体は、リガンド結合後に安定な複合体を形成し、II型受容体によるI型受容体のリン酸化をもたらす。
2種の関連するII型受容体であるActRIIAおよびActRIIBが、アクチビンのII型受容体として同定された(MathewsおよびVale、1991年、Cell 65巻:973~982頁;Attisanoら、1992年、Cell 68巻:97~108頁)。アクチビンに加えて、ActRIIAおよびActRIIBは、BMP7、ノーダル、GDF8およびGDF11を含む、いくつかの他のTGF-βファミリータンパク質と生化学的に相互作用することができる(Yamashitaら、1995年、J. Cell Biol.130巻:217~226頁;LeeおよびMcPherron、2001年、Proc. Natl. Acad. Sci.98巻:9306~9311頁;YeoおよびWhitman、2001年、Mol. Cell 7巻:949~957頁;Ohら、2002年、Genes Dev.16巻:2749~54頁)。出願人らは、可溶性ActRIIA-Fc融合タンパク質およびActRIIB-Fc融合タンパク質が、in vivoで実質的に異なる効果を有し、ActRIIA-Fcが、骨に主要効果を有し、ActRIIB-Fcが、骨格筋に主要効果を有することを見出した。
ある特定の実施形態では、本発明は、対象ActRIIBポリペプチド(例えば、可溶性ActRIIBポリペプチド)による、ActRIIB受容体のリガンド(ActRIIBリガンドとも称される)の拮抗に関する。よって、本発明の組成物および方法は、ActRIIB受容体の1つまたは複数のリガンドの異常な活性に関連する障害の処置に有用である。ActRIIB受容体の例示的なリガンドは、アクチビン、ノーダル、GDF8、GDF11およびBMP7など、いくつかのTGF-βファミリーメンバーを含む。
アクチビンは、二量体ポリペプチド増殖因子であり、TGF-ベータスーパーファミリーに属する。2種の近縁のβサブユニットのホモ/ヘテロ二量体(ββ、ββおよびββ)である、3種のアクチビン(A、BおよびAB)が存在する。TGF-ベータスーパーファミリーにおいて、アクチビンは、卵巣および胎盤細胞におけるホルモン産生を刺激し、神経細胞生存を支持し、細胞型に応じて正にまたは負に細胞周期進行に影響し、少なくとも両生類胚における中胚葉分化を誘導することができる、特有かつ多機能性の因子である(DePaoloら、1991年、Proc SocEp Biol Med.198巻:500~512頁;Dysonら、1997年、Curr Biol.7巻:81~84頁;Woodruff、1998年、Biochem Pharmacol.55巻:953~963頁)。さらに、刺激されたヒト単球性白血病性細胞から単離された赤血球系分化因子(EDF)は、アクチビンAと同一であることが判明した(Murataら、1988年、PNAS、85巻:2434頁)。アクチビンAが、骨髄における赤血球生成の天然の制御因子として作用することが示唆された。いくつかの組織において、アクチビンシグナル伝達は、その関連するヘテロ二量体のインヒビンによって拮抗される。例えば、下垂体からの卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出の際に、アクチビンは、FSH分泌および合成を促進する一方、インヒビンは、FSH分泌および合成を防止する。アクチビン生物活性を制御することおよび/またはアクチビンに結合することができる他のタンパク質は、フォリスタチン(FS)、フォリスタチン関連タンパク質(FSRP)、α-マクログロブリン、ケルベロスおよびエンドグリンを含む。
ノーダルタンパク質は、中胚葉および内胚葉誘導および形成、ならびに初期胚発生における心臓および胃などの軸構造のその後の組織化における機能を有する。発生中の脊椎動物胚における背側組織が、脊索および脊索前板の軸構造に主に寄与する一方、これが、周囲の細胞を動員して、非軸胚性構造を形成することが実証された。ノーダルは、I型およびII型受容体の両方ならびにSmadタンパク質として公知の細胞内エフェクターを介してシグナル伝達すると思われる。近年の研究は、ActRIIAおよびActRIIBが、ノーダルのII型受容体として機能するという考えを支持する(Sakumaら、Genes Cells.2002年、7巻:401~12頁)。ノーダルリガンドが、その補因子(例えば、cripto)と相互作用して、Smad2をリン酸化するアクチビンI型およびII型受容体を活性化することが示唆される。ノーダルタンパク質は、中胚葉形成、前側パターン形成および左右軸指定を含む、初期脊椎動物胚に決定的な多くの事象に関係付けられる。実験的証拠は、ノーダルシグナル伝達が、アクチビンおよびTGF-ベータに特異的に応答することが以前に示されたルシフェラーゼレポーターであるpAR3-Luxを活性化することを実証した。しかし、ノーダルは、骨形成タンパク質に特異的に応答性であるレポーターであるpTlx2-Luxを誘導することができない。近年の結果は、ノーダルシグナル伝達が、アクチビン-TGF-ベータ経路SmadのSmad2およびSmad3の両方によって媒介されることの直接的な生化学的証拠を提供する。さらなる証拠は、細胞外criptoタンパク質が、ノーダルシグナル伝達に要求されることを示し、これを、アクチビンまたはTGF-ベータシグナル伝達とは別個のものとする。
増殖分化因子-8(GDF8)は、ミオスタチンとしても公知である。GDF8は、骨格筋量の負の制御因子である。GDF8は、発生中および成体の骨格筋において高度に発現される。トランスジェニックマウスにおけるGDF8ヌル突然変異は、骨格筋の顕著な肥大および過形成によって特徴付けられる(McPherronら、Nature、1997年、387巻:83~90頁)。骨格筋量の同様の増大は、ウシ(Ashmoreら、1974年、Growth、38巻:501~507頁;SwatlandおよびKieffer、J. Anim. Sci.、1994年、38巻:752~757頁;McPherronおよびLee、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、1997年、94巻:12457~12461頁;ならびにKambadurら、Genome Res.、1997年、7巻:910~915頁)および際だったことにヒト(Schuelkeら、N Engl J Med 2004年;350巻:2682~8頁)におけるGDF8の天然に存在する突然変異において明らかである。研究は、ヒトにおけるHIV感染に関連する筋消耗が、GDF8タンパク質発現の増大を伴うことも示した(Gonzalez-Cadavidら、PNAS、1998年、95巻:14938~43頁)。加えて、GDF8は、筋肉特異的酵素(例えば、クレアチンキナーゼ)の産生をモジュレートし、筋芽細胞の細胞増殖をモジュレートすることができる(WO00/43781)。GDF8プロペプチドは、成熟GDF8ドメイン二量体に非共有結合で結合し、その生物活性を不活性化することができる(Miyazonoら(1988年)J. Biol. Chem.、263巻:6407~6415頁;Wakefieldら(1988年)J. Biol. Chem.、263巻;7646~7654頁;およびBrownら(1990年)Growth Factors、3巻:35~43頁)。GDF8または構造的に関連するタンパク質に結合し、その生物活性を阻害する他のタンパク質は、フォリスタチンおよび潜在的にフォリスタチン関連タンパク質を含む(Gamerら(1999年)Dev. Biol.、208巻:222~232頁)。
BMP11としても公知の増殖分化因子-11(GDF11)は、分泌タンパク質である(McPherronら、1999年、Nat. Genet.22巻:260~264頁)。GDF11は、マウス発生の際に尾芽、肢芽、上顎および下顎弓、ならびに後根神経節において発現される(Nakashimaら、1999年、Mech. Dev.80巻:185~189頁)。GDF11は、中胚葉および神経組織の両方のパターン形成における特有の役割を果たす(Gamerら、1999年、Dev Biol.、208巻:222~32頁)。GDF11は、発生中のニワトリ肢における軟骨形成および筋形成の負の制御因子であることが示された(Gamerら、2001年、Dev Biol.229巻:407~20頁)。筋肉におけるGDF11の発現は、GDF8と同様の仕方での筋肉成長の制御におけるその役割も示唆する。加えて、脳におけるGDF11の発現は、GDF11が、神経系の機能に関する活性を保有することもできることを示唆する。興味深いことに、GDF11は、嗅上皮における神経発生を阻害することが判明した(Wuら、2003年、Neuron.37巻:197~207頁)。したがって、GDF11は、筋肉疾患および神経変性疾患(例えば、筋萎縮性側索硬化症)など、疾患の処置におけるin vitroおよびin vivo適用を有することができる。
骨原性タンパク質-1(OP-1)とも呼ばれる骨形成タンパク質(BMP7)は、軟骨および骨の形成を誘導することが周知である。加えて、BMP7は、多種多様な生理学的過程を制御する。例えば、BMP7は、上皮骨形成の現象の原因となる骨誘導因子となり得る。BMP7が、カルシウム制御および骨恒常性における役割を果たすことも判明した。アクチビンと同様に、BMP7は、II型受容体、ActRIIAおよびIIBに結合する。しかし、BMP7およびアクチビンは、別個のI型受容体をヘテロマー受容体複合体へと動員する。観察される主要なBMP7 I型受容体がALK2であった一方、アクチビンは、ALK4(ActRIIB)に排他的に結合した。BMP7およびアクチビンは、別個の生物学的応答を誘発し、異なるSmad経路を活性化した(Macias-Silvaら、1998年、J Biol Chem.273巻:25628~36頁)。
ある特定の態様では、本発明は、ActRIIB活性に関連するいずれかの過程において、一般にActRIIBリガンドのシグナル伝達に拮抗するための、ある特定のActRIIBポリペプチド(例えば、可溶性ActRIIBポリペプチド)の使用に関する。任意選択で、本発明のActRIIBポリペプチドは、アクチビン、ノーダル、GDF8およびGDF11など、ActRIIB受容体の1つまたは複数のリガンドに拮抗することができ、したがって、追加的な障害の処置において有用となり得る。
したがって、本発明は、ActRIIBまたはActRIIBリガンドの異常な活性に関連する疾患または状態の処置または予防におけるActRIIBポリペプチドの使用を企図する。ActRIIBまたはActRIIBリガンドは、多くの決定的な生物学的過程の制御に関与する。このような過程におけるそれらの重要な機能のため、ActRIIBまたはActRIIBリガンドは、治療介入のための望ましい標的となり得る。例えば、ActRIIBポリペプチド(例えば、可溶性ActRIIBポリペプチド)を使用して、ヒトまたは動物の障害または状態を処置することができる。そのような障害または状態の例として、2型糖尿病、耐糖能障害、メタボリックシンドローム(例えば、シンドロームX)および外傷(例えば、熱傷または窒素不均衡)によって誘導されるインスリン抵抗性などの代謝性障害;脂肪組織障害(例えば、肥満);筋ジストロフィー(デュシェンヌ型筋ジストロフィーを含む)などの筋肉および神経筋障害;筋萎縮性側索硬化症(ALS);筋萎縮;臓器萎縮;フレイルティ;手根管症候群;うっ血性閉塞性肺疾患;ならびにサルコペニア、カヘキシーおよび他の筋消耗症候群が挙げられるがこれらに限定されない。他の例として、特に、高齢者および/または閉経後女性における骨粗鬆症;グルココルチコイド誘導性骨粗鬆症;オステオペニア;変形性関節症;ならびに骨粗鬆症関連骨折が挙げられる。さらにまた別の例として、慢性グルココルチコイド療法による低い骨量、早発性性腺機能不全、アンドロゲン抑制、ビタミンD欠乏、続発性副甲状腺機能亢進、栄養的欠乏および神経性食欲不振症が挙げられる。これらの障害および状態は、下の「例示的な治療使用」にて記述されている。
本明細書で使用されている用語は一般に、本発明の文脈内で、また、各用語が使用されている特異的な文脈において、当技術分野におけるその通常の意義を有する。ある特定の用語は、下にまたは本明細書の他の箇所に記述されて、実務担当者に、本発明の組成物および方法ならびにこれらを作製および使用する仕方の説明に関する追加的なガイダンスを提供する。用語のいずれかの使用の範囲または意義は、当該用語が使用されている特異的な文脈から明らかとなるであろう。
「約」および「およそ」は一般に、測定の性質または精度を考慮して、測定される含量に関する許容される程度の誤差を意味するものとする。典型的には、例示的な程度の誤差は、所与の値または値の範囲の20パーセント(%)以内、好ましくは、10%以内、より好ましくは、5%以内である。
あるいは、そして特に生物システムにおいて、用語「約」および「およそ」は、所与の値の1桁以内、好ましくは、5倍以内、より好ましくは、2倍以内の値を意味することができる。本明細書に示されている数的含量は、他に断りがなければ近似値であり、明確に記述されていない場合に、用語「約」または「およそ」が推測され得ることを意味する。
本発明の方法は、1つまたは複数の突然変異体(配列バリアント)に対する未修飾(野生型)配列を含む配列を互いに比較するステップを含むことができる。そのような比較は典型的に、例えば、当技術分野で周知の配列アラインメントプログラムおよび/またはアルゴリズム(例えば、数例を挙げると、BLAST、FASTAおよびMEGALIGN)を使用した、ポリマー配列のアラインメントを含む。当業者であれば、突然変異が残基挿入または欠失を含有するそのようなアラインメントにおいて、配列アラインメントが、挿入または欠失された残基を含有しないポリマー配列において「ギャップ」(ダッシュ記号または「A」によって典型的に表される)を導入するであろうことを容易に認めることができる。
「相同」は、そのあらゆる文法上の形態およびスペル上の変形形態において、同じ種の生物におけるスーパーファミリー由来のタンパク質、および異なる種の生物由来の相同タンパク質を含む、「共通の進化的起源」を保有する2種のタンパク質の間の関係性を指す。そのようなタンパク質(およびそのコード核酸)は、パーセント同一性の観点からであれ、特異的残基またはモチーフおよび保存された位置の存在によるものであれ、その配列類似性によって反映される配列相同性を有する。
用語「配列類似性」は、そのあらゆる文法上の形態において、共通の進化的起源を共有しても共有しなくてもよい、核酸またはアミノ酸配列の間の同一性または一致の程度を指す。
しかし、一般的な用法および本願において、用語「相同」は、「高度に」などの副詞で修飾される場合、配列類似性を指すことができ、共通の進化的起源に関係しても関係しなくてもよい。
「作動させる」は、そのあらゆる文法上の形態において、タンパク質および/または遺伝子を活性化する(例えば、当該タンパク質の遺伝子発現を活性化もしくは増幅することにより、または活性状態に進むように不活性タンパク質を誘導することにより)、またはタンパク質および/または遺伝子の活性を増大させる過程を指す。
「拮抗する」は、そのあらゆる文法上の形態において、タンパク質および/または遺伝子を阻害する(例えば、当該タンパク質の遺伝子発現を阻害もしくは低下させることにより、または不活性状態に進むように活性タンパク質を誘導することにより)、またはタンパク質および/または遺伝子の活性を低下させる過程を指す。
用語「約」および「およそ」は、本明細書および特許請求の範囲を通して、数値に関連して使用される場合、当業者にとって馴染みがあり許容される、正確性の区間を表示する。一般に、そのような正確性の区間は、±10%であり、あるいは、そして特に生物システムにおいて、用語「約」および「およそ」は、所与の値の1桁以内、好ましくは≦5倍、より好ましくは≦2倍の値を意味することができる。
本明細書に開示されている数的範囲は、その範囲を定義する数を包括する。
当該用語が使用されている文脈がそれ以外を明らかに指示しない限り、用語「1つの(a)」および「1つの(an)」は、複数形の指示対象を含む。用語「1つの(a)」(または「1つの(an)」)ならびに用語「1つまたは複数の」および「少なくとも1つの」は、本明細書において互換的に使用することができる。さらに、「および/または」は、本明細書で使用される場合、それ以外を伴うまたは伴わない、2つまたはそれよりも多い指定の特色または構成成分のそれぞれの特異的開示として解釈されるべきである。よって、用語「および/または」は、本明細書において「Aおよび/またはB」などの語句において使用される場合、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)ならびに「B」(単独)を含むことが意図される。同様に、用語「および/または」は、「A、Bおよび/またはC」などの語句において使用される場合、次の態様のそれぞれを包含することが意図される:A、BおよびC;A、BまたはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)。
2.ActRIIBポリペプチド
ある特定の態様では、本発明は、ActRIIBバリアントポリペプチド(例えば、可溶性ActRIIBポリペプチド)に関する。任意選択で、断片、機能的バリアントおよび修飾形態は、それらの対応する野生型ActRIIBポリペプチドと同様または同じ生物活性を有する。例えば、本発明のActRIIBバリアントは、ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンAB、アクチビンB、ノーダル、GDF8、GDF11またはBMP7)に結合し、その機能を阻害することができる。任意選択で、ActRIIBポリペプチドは、骨、軟骨、筋肉または脂肪などの組織の成長をモジュレートする。ActRIIBポリペプチドの例として、ヒトActRIIB前駆体ポリペプチド(配列番号2)および可溶性ヒトActRIIBポリペプチド(例えば、配列番号1、5、6および12)が挙げられる。
本開示は、ActRIIBの機能的に活性な部分およびバリアントを同定する。出願人らは、配列番号2のアミノ酸64に対応する位置におけるアラニン(A64)を有する、Hildenら(Blood.、1994年4月15日;83巻(8号):2163~70頁)によって開示されている配列を有するFc融合タンパク質が、アクチビンおよびGDF11に対し相対的に低い親和性を有することを確認した。対照的に、位置64におけるアルギニン(R64)を有する同じFc融合タンパク質は、低ナノモル濃度~高ピコモル濃度範囲内でアクチビンおよびGDF-11に対する親和性を有する。したがって、R64を有する配列は、本開示におけるヒトActRIIBの野生型参照配列として使用される。
Attisanoら(Cell.、1992年1月10日;68巻(1号):97~108頁)は、ActRIIBの細胞外ドメインのC末端におけるプロリンノットの欠失が、アクチビンに対する受容体の親和性を減少させたことを示した。WO2008097541に開示されているデータは、配列番号2のアミノ酸20~119を含有するActRIIB-Fc融合タンパク質「ActRIIB(20~119)-Fc」が、プロリンノット領域および完全膜近傍ドメインを含むActRIIB(20~134)-Fcと比べて、GDF11およびアクチビンへの結合を減少させたことを示す。しかし、ActRIIB(20~129)-Fcタンパク質は、プロリンノット領域が破壊されているとしても、野生型と比べて同様の、ただし若干減少した活性を保持する。よって、アミノ酸134、133、132、131、130および129で停止するActRIIB細胞外ドメインは全て、活性があると予想されるが、134または133で停止する構築物が、最も活性となり得る。同様に、残基129~134のいずれかにおける突然変異は、リガンド結合親和性を大幅に変更するとは予想されない。これを支持して、P129およびP130の突然変異は、リガンド結合を実質的に低下させない。したがって、ActRIIB-Fc融合タンパク質は、アミノ酸109(最終システイン)もの早さで終わることができるが、109および119でまたはその間で終わる形態は、減少したリガンド結合を有することが予想される。アミノ酸119は不十分に保存されているため、容易に変更または短縮される。128またはそれ以後で終わる形態は、リガンド結合活性を保持する。119および127でまたはその間で終わる形態は、中等度結合能力を有するであろう。これらの形態のいずれかが、臨床または実験設定に応じて、使用に望ましくなり得る。
ActRIIBのN末端において、アミノ酸29またはそれ以前から始まるタンパク質が、リガンド結合活性を保持することが予想される。アミノ酸29は、最初のシステインを表す。位置24におけるアラニンからアスパラギンへの突然変異は、リガンド結合に実質的に影響を与えることなく、N結合型グリコシル化配列を導入する。このことから、アミノ酸20~29に対応するシグナル切断ペプチドおよびシステイン架橋領域の間の領域における突然変異がよく許容されることが確認される。特に、位置20、21、22、23および24から始まる構築物が活性を保持し、位置25、26、27、28および29から始まる構築物も活性を保持することが予想される。WO2008097541にデータが示されており、驚いたことに、22、23、24または25から始まる構築物が、最も活性を有するであろうことを実証する。
まとめると、ActRIIBの活性部分は、配列番号2のアミノ酸29~109を含み、構築物は、例えば、アミノ酸20~29に対応する残基から始まり、アミノ酸109~134に対応する位置で終わることができる。他の例として、20~29または21~29の位置から始まり、119~134、119~133または129~134、129~133の位置で終わる構築物が挙げられる。他の例として、20~24(または21~24もしくは22~25)の位置から始まり、109~134(または109~133)、119~134(または119~133)または129~134(または129~133)の位置で終わる構築物が挙げられる。これらの範囲内のバリアント、特に、配列番号4の対応する部分と少なくとも80%、85%、90%、95%または99%同一性を有するバリアントも企図される。
本開示は、図2に示す複合性ActRIIB構造の解析結果を含み、これは、リガンド結合ポケットが、残基Y31、N33、N35、L38からT41、E47、E50、Q53からK55、L57、H58、Y60、S62、K74、W78からN83、Y85、R87、A92およびE94からF101によって定義されることを実証する。これらの位置において、保存的突然変異が許容されるであろうが、R40A、K55A、F82Aおよび位置L79における突然変異と同様に、K74A突然変異がよく許容されることが予想される。R40は、XenopusではKであり、この位置における塩基性アミノ酸が許容されるであろうことを示す。Q53は、ウシActRIIBではRであり、Xenopus ActRIIBではKであり、したがって、R、K、Q、NおよびHを含むアミノ酸は、この位置において許容されるであろう。よって、活性ActRIIBバリアントタンパク質の一般式は、アミノ酸29~109を含むが、任意選択で、20~24または22~25に及ぶ位置から始まり、129~134に及ぶ位置で終わり、リガンド結合ポケットにおける1、2、5、10または15個以下の保存的アミノ酸変化、ならびにリガンド結合ポケットにおける位置40、53、55、74、79および/または82におけるゼロ個、1個または複数の非保存的変更を含む、一般式である。そのようなタンパク質は、配列番号2のアミノ酸29~109の配列と80%、90%、95%または99%を超える配列同一性を保持することができる。可変性が特に許容され得る、結合ポケットの外側の部位は、細胞外ドメイン(上に記す通り)のアミノおよびカルボキシ末端、ならびに位置42~46および65~73を含む。位置65におけるアスパラギンからアラニンへの変更(N65A)は、A64バックグラウンドにおけるリガンド結合を実際に改善するため、R64バックグラウンドにおけるリガンド結合に有害効果がないことが予想される。この変化はおそらく、A64バックグラウンドのN65におけるグリコシル化を排除し、これにより、この領域における有意な変化が許容され得る可能性が高いことを実証する。R64A変化は許容されにくいが、R64Kはよく許容されるため、Hなどの別の塩基性残基が位置64において許容され得る。
ActRIIBは、ほぼ全ての脊椎動物にわたって十分に保存されており、大型のひと続きの細胞外ドメインが、完全に保存されている。図3を参照されたい。ActRIIBに結合するリガンドの多くも高度に保存されている。したがって、様々な脊椎動物生物由来のActRIIB配列の比較は、変更され得る残基への洞察を提供する。したがって、活性ヒトActRIIBバリアントは、別の脊椎動物ActRIIBの配列に由来する対応する位置における1個または複数のアミノ酸を含むことができる、またはヒトまたは他の脊椎動物配列におけるものと同様の残基を含むことができる。次の例は、活性ActRIIBバリアントを定義するこのアプローチを例証する。L46は、Xenopus ActRIIBではバリンであるため、この位置は変更することができ、任意選択で、V、IもしくはFなどの別の疎水性残基、またはAなどの非極性残基へと変更することができる。E52は、XenopusではKであり、この部位は、E、D、K、R、H、S、T、P、G、YおよびおそらくAなど、極性残基を含む、多種多様な変化に寛容性となり得ることを示す。T93は、XenopusではKであり、広い構造的変形形態がこの位置において許容され、S、K、R、E、D、H、G、P、GおよびYなど、極性残基が好ましいことを示す。F108は、XenopusではYであり、したがって、Y、またはI、VもしくはLなどの他の疎水性基が許容されるはずである。E111は、XenopusではKであり、D、R、KおよびHならびにQおよびNを含む荷電残基が、この位置において許容されるであろうことを示す。R112は、XenopusではKであり、RおよびHを含む塩基性残基が、この位置において許容されることを示す。位置119におけるAは、相対的に不十分に保存されており、齧歯類ではPとして、XenopusではVとして出現するため、本質的にいかなるアミノ酸もこの位置において許容されるはずである。
WO2008097541に開示されているデータは、さらなるN結合型グリコシル化部位(N-X-S/T)の付加が、ActRIIB(R64)-Fc形態と比べて、ActRIIB-Fc融合タンパク質の活性に影響を与えないことを実証する。他のNX(T/S)配列は、42~44(NQS)および65~67(NSS)において見出されるが、後者は、位置64におけるRにより効率的にグリコシル化されない場合がある。N-X-S/T配列は一般に、図2に定義されるリガンド結合ポケットの外側の位置に導入され得る。非内在性N-X-S/T配列の導入に特に適した部位は、アミノ酸20~29、20~24、22~25、109~134、120~134または129~134を含む。ActRIIB配列およびFcまたは他の融合構成成分の間のリンカーに、N-X-S/T配列を導入することもできる。既存のSもしくはTに関して正しい位置にNを導入することにより、または既存のNに対応する位置にSもしくはTを導入することにより、そのような部位を最小の労力で導入することができる。よって、N結合型グリコシル化部位を作出するであろう望ましい変更を次に示す:A24N、R64N、S67N(おそらくN65A変更と組み合わせた)、E106N、R112N、G120N、E123N、P129N、A132N、R112SおよびR112T。グリコシル化されることが予測されるいずれかのSは、グリコシル化によって提供される保護のため、免疫原性部位を作製することなく、Tに変更することができる。同様に、グリコシル化されることが予測されるいずれかのTは、Sに変更することができる。よって、変更S67TおよびS44Tが企図される。同様に、A24Nバリアントにおいて、S26T変更を使用することができる。したがって、ActRIIBバリアントは、1つまたは複数の追加的な非内在性N結合型グリコシル化コンセンサス配列を含むことができる。
位置L79は、変更されたアクチビン-ミオスタチン(GDF-11)結合特性を付与するように変更することができる。L79AまたはL79Pは、アクチビン結合よりも大きい程度までGDF-11結合を減少させる。L79EまたはL79Dは、GDF-11結合を保持する。注目すべきことに、L79EおよびL79Dバリアントは、大幅に減少されたアクチビン結合を有する。in vivo実験は、これらの非アクチビン受容体が、筋量を増大させる有意な能力を保持するが、他の組織における効果低下を示すことを示す。これらのデータは、アクチビンにおける効果が減少したポリペプチドを得るための望ましさおよび実現可能性を実証する。
記載されている変形形態は、様々な仕方で組み合わせることができる。その上、本明細書に記載されている突然変異誘発プログラムの結果は、保存することが有益な場合が多いActRIIBにおけるアミノ酸位置が存在することを示す。これらには、位置64(塩基性アミノ酸)、位置80(酸性または疎水性アミノ酸)、位置78(疎水性、特にトリプトファン)、位置37(酸性、特にアスパラギン酸またはグルタミン酸)、位置56(塩基性アミノ酸)、位置60(疎水性アミノ酸、特にフェニルアラニンまたはチロシン)が挙げられる。よって、本明細書に開示されているバリアントのそれぞれにおいて、本開示は、保存され得るアミノ酸のフレームワークを提供する。保存が望ましくなり得る他の位置を次に示す:位置52(酸性アミノ酸)、位置55(塩基性アミノ酸)、位置81(酸性)、98(極性または荷電、特にE、D、RまたはK)。
ある特定の実施形態では、ActRIIBポリペプチドの単離された断片は、ActRIIBポリペプチドをコードする核酸(例えば、配列番号3および4)の対応する断片から組換えにより産生されたポリペプチドをスクリーニングすることにより得ることができる。加えて、断片は、従来のメリフィールド(Merrifield)固相f-Mocまたはt-Boc化学など、当技術分野で公知の技法を使用して化学合成することができる。断片を産生(組換えによりまたは化学合成によって)し、検査して、例えば、ActRIIBタンパク質またはActRIIBリガンドのアンタゴニスト(阻害剤)またはアゴニスト(活性化剤)として機能することができるペプチジル断片を同定することができる。
ある特定の実施形態では、ActRIIBポリペプチドの機能的バリアントは、配列番号1、2および53から選択されるアミノ酸配列と少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を有する。ある特定の事例では、機能的バリアントは、配列番号1、2および53から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を有する。
ある特定の実施形態では、本発明は、治療有効性または安定性(例えば、ex vivo有効期間およびin vivoでのタンパク質分解性の分解に対する抵抗性)の増強などの目的で、ActRIIBポリペプチドの構造を修飾することによる、機能的バリアントの作製を企図する。修飾されたActRIIBポリペプチドは、例えば、アミノ酸置換、欠失または付加によって産生することもできる。例えば、イソロイシンもしくはバリンによるロイシンの、グルタミン酸によるアスパラギン酸の、セリンによるトレオニンの単離された置き換え、または構造的に関連するアミノ酸によるアミノ酸の同様の置き換え(例えば、保存的突然変異)が、その結果得られる分子の生物活性に主要な効果がないことを予想することは合理的である。保存的置き換えは、その側鎖が関連するアミノ酸ファミリー内で起こる置き換えである。ActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列の変化が、機能的ホモログをもたらすか否かは、野生型ActRIIBポリペプチドと同様の様式で細胞における応答を産生する、または野生型と同様の様式でアクチビン、GDF11もしくはGDF8などの1つもしくは複数のリガンドに結合する、バリアントActRIIBポリペプチドの能力を評価することにより容易に決定することができる。
ある特定の特異的な実施形態では、本発明は、バリアント(または突然変異体)ActRIIBポリペプチドが、変更されたリガンド結合活性(例えば、結合親和性または結合選択性)を有するような、ActRIIBポリペプチドの細胞外ドメイン(リガンド結合ドメインとも称される)における突然変異の作製を企図する。ある特定の事例では、そのようなバリアントActRIIBポリペプチドは、特異的なリガンドに対して変更された(上昇または減少された)結合親和性を有する。他の事例では、バリアントActRIIBポリペプチドは、そのリガンドに対して変更された結合選択性を有する。
ある特定の実施形態では、本発明は、ポリペプチドのグリコシル化を変更することができるような、ActRIIBポリペプチドの特異的な突然変異を企図する。ActRIIBポリペプチドにおける例示的なグリコシル化部位は、図6に例証されている。そのような突然変異は、O結合型またはN結合型グリコシル化部位など、1個または複数のグリコシル化部位を導入または排除することができるように選択することができる。アスパラギン結合型グリコシル化認識部位は一般に、適切な細胞グリコシル化酵素によって特異的に認識される、トリペプチド配列のアスパラギン-X-トレオニン(式中、「X」はいずれかのアミノ酸である)を含む。変更は、野生型ActRIIBポリペプチドの配列に対する1個または複数のセリンまたはトレオニン残基の付加またはこれによる置換によって為すこともできる(O結合型グリコシル化部位のための)。グリコシル化認識部位の第1または第3のアミノ酸位置の一方または両方における種々のアミノ酸置換または欠失(および/または第2の位置におけるアミノ酸欠失)は、修飾されたトリペプチド配列における非グリコシル化をもたらす。ActRIIBポリペプチドにおける炭水化物部分の数を増大させる別の手段は、ActRIIBポリペプチドへのグリコシドの化学的または酵素的カップリングによる。使用したカップリングモードに応じて、糖(複数可)は、(a)アルギニンおよびヒスチジン;(b)遊離カルボキシル基;(c)システイン内などの遊離スルフヒドリル基;(d)セリン、トレオニンもしくはヒドロキシプロリン内などの遊離ヒドロキシル基;(e)フェニルアラニン、チロシンもしくはトリプトファン内などの芳香族残基;または(f)グルタミンのアミド基に結合させることができる。これらの方法は、参照により本明細書に組み込まれる、1987年9月11日に公開されたWO87/05330ならびにAplinおよびWriston(1981年)CRC Crit. Rev. Biochem.、259~306頁に記載されている。ActRIIBポリペプチドに存在する1個または複数の炭水化物部分の除去は、化学的におよび/または酵素的に達成することができる。化学的脱グリコシルは、例えば、化合物トリフルオロメタンスルホン酸または等価な化合物へのActRIIBポリペプチドの曝露が関与することができる。この処置は、アミノ酸配列をインタクトに保ちつつ、連結糖(N-アセチルグルコサミンまたはN-アセチルガラクトサミン)を除いた大部分のまたは全ての糖の切断をもたらす。化学的脱グリコシルは、Hakimuddinら(1987年)Arch. Biochem. Biophys.、259巻:52頁およびEdgeら(1981年)Anal. Biochem.、118巻:131頁によってさらに記載されている。ActRIIBポリペプチドにおける炭水化物部分の酵素による切断は、Thotakuraら(1987年)Meth. Enzymol.、138巻:350頁によって記載されている種々のエンドおよびエキソグリコシダーゼの使用によって達成することができる。哺乳動物、酵母、昆虫および植物細胞は全て、ペプチドのアミノ酸配列によって影響され得る異なるグリコシル化パターンを導入することができるため、ActRIIBポリペプチドの配列は、使用される発現系の種類に応じて適宜調整することができる。一般に、ヒトにおける使用のためのActRIIBタンパク質は、HEK293またはCHO細胞系など、適正なグリコシル化をもたらす哺乳動物細胞系において発現されるであろうが、他の哺乳動物発現細胞系も同様に有用であることが予想される。
本開示は、任意選択で短縮バリアントを含む、ActRIIBポリペプチドのバリアント、特に、コンビナトリアルバリアントのセットを生成する方法をさらに企図する;コンビナトリアル突然変異体のプールが、機能的バリアント配列を同定するために特に有用である。そのようなコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングする目的は、例えば、変更された薬物動態または変更されたリガンド結合など、変更された特性を有するActRIIBポリペプチドバリアントを生成することとなり得る。種々のスクリーニングアッセイが下に提示されており、そのようなアッセイを使用して、バリアントを評価することができる。例えば、ActRIIBポリペプチドバリアントは、ActRIIBポリペプチドに結合して、ActRIIBポリペプチドへのActRIIBリガンドの結合を防止する能力に関してスクリーニングすることができる。
ActRIIBポリペプチドまたはそのバリアントの活性は、細胞に基づくまたはin vivoアッセイにおいて検査することもできる。例えば、骨芽細胞または前駆体における骨産生に関与する遺伝子の発現におけるActRIIBポリペプチドバリアントの効果を評価することができる。これは、必要に応じて、1つまたは複数の組換えActRIIBリガンドタンパク質(例えば、BMP7)の存在下で行うことができ、細胞は、ActRIIBポリペプチドおよび/またはそのバリアント、ならびに任意選択でActRIIBリガンドを産生することができるようにトランスフェクトすることができる。同様に、ActRIIBポリペプチドは、マウスまたは他の動物に投与することができ、密度または体積などの1つまたは複数の骨特性を評価することができる。骨折の治癒速度を評価することもできる。同様に、ActRIIBポリペプチドまたはそのバリアントの活性は、例えば、後述する通りのアッセイによって、筋肉細胞、脂肪細胞および神経細胞において、これらの細胞の成長におけるいずれかの効果に関して検査することができる。そのようなアッセイは、当技術分野で周知かつルーチンである。そのような細胞系においてSMAD応答性レポーター遺伝子を使用して、下流シグナル伝達における効果をモニターすることができる。
天然に存在するActRIIBポリペプチドと比べて選択的な効力を有する、コンビナトリアル手法に由来するバリアントを生成することができる。そのようなバリアントタンパク質は、組換えDNA構築物から発現されると、遺伝子療法プロトコールにおいて使用することができる。同様に、突然変異誘発は、対応する野生型ActRIIBポリペプチドとは劇的に異なる細胞内半減期を有するバリアントを生じることができる。例えば、変更されたタンパク質は、タンパク質分解性の分解、またはネイティブActRIIBポリペプチドの破壊さもなければ不活性化をもたらす他の過程に対してより高い安定性またはより低い安定性のいずれかになり得る。そのようなバリアントおよびこれをコードする遺伝子を利用して、ActRIIBポリペプチドの半減期をモジュレートすることにより、ActRIIBポリペプチドレベルを変更することができる。例えば、短い半減期は、より一過性の生物学的効果を生じることができ、誘導性発現系の一部の場合、細胞内における組換えActRIIBポリペプチドレベルのより厳格な調節を可能にし得る。
ある特定の実施形態では、本発明のActRIIBポリペプチドは、ActRIIBポリペプチドに天然に存在するいずれかに加えて、翻訳後修飾をさらに含むことができる。そのような修飾として、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化およびアシル化が挙げられるがこれらに限定されない。結果として、修飾されたActRIIBポリペプチドは、ポリエチレングリコール、脂質、多糖または単糖およびリン酸塩など、非アミノ酸エレメントを含有することができる。ActRIIBポリペプチドの機能性におけるそのような非アミノ酸エレメントの効果は、他のActRIIBポリペプチドバリアントに関して本明細書に記載されている通りに検査することができる。ActRIIBポリペプチドが、新生形態のActRIIBポリペプチドの切断によって細胞において産生される場合、翻訳後プロセシングも、タンパク質の正しいフォールディングおよび/または機能に重要となり得る。異なる細胞(CHO、HeLa、MDCK、293、WI38、NIH-3T3またはHEK293など)は、そのような翻訳後活性のための特異的な細胞機構および特徴的な機序を有し、ActRIIBポリペプチドの正しい修飾およびプロセシングを確実にするように選択することができる。
ある特定の態様では、ActRIIBポリペプチドの機能的バリアントまたは修飾形態は、ActRIIBポリペプチドの少なくとも部分および1つまたは複数の融合ドメインを有する融合タンパク質を含む。そのような融合ドメインの周知の例として、ポリヒスチジン、Glu-Glu、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン、プロテインA、プロテインG、免疫グロブリン重鎖定常領域(例えば、Fc)、マルトース結合タンパク質(MBP)またはヒト血清アルブミンが挙げられるがこれらに限定されない。融合ドメインは、所望の特性を付与することができるように選択することができる。例えば、一部の融合ドメインは、親和性クロマトグラフィーによる融合タンパク質の単離に特に有用である。親和性精製の目的のため、グルタチオン、アミラーゼおよびニッケルまたはコバルトコンジュゲートされた樹脂など、親和性クロマトグラフィーのための関連するマトリックスが使用される。そのようなマトリックスの多くは、(HIS)融合パートナーと共に有用なPharmacia GST精製システムおよびQIAexpress(商標)システム(Qiagen)など、「キット」形態で利用することができる。別の例として、融合ドメインは、ActRIIBポリペプチドの検出を容易にすることができるように選択することができる。そのような検出ドメインの例として、様々な蛍光タンパク質(例えば、GFP)と共に、通常、特異的抗体を利用できる短いペプチド配列である「エピトープタグ」が挙げられる。特異的モノクローナル抗体を容易に利用できる周知エピトープタグは、FLAG、インフルエンザウイルス赤血球凝集素(HA)およびc-mycタグを含む。一部の事例では、融合ドメインは、第Xa因子またはトロンビンに対するものなど、プロテアーゼ切断部位を有し、これにより、関連するプロテアーゼが、融合タンパク質を部分的に消化し、これにより、そこから組換えタンパク質を遊離させることを可能にする。次いで、遊離されたタンパク質は、その後のクロマトグラフィー分離によって、融合ドメインから単離することができる。ある特定の好ましい実施形態では、ActRIIBポリペプチドは、in vivoでActRIIBポリペプチドを安定化するドメイン(「安定剤」ドメイン)と融合される。「安定化」とは、それが、低下した破壊、低下した腎臓クリアランスまたは他の薬物動態効果によるものであるか否かに関係なく、血清半減期を増大させる何らかのことを意味する。免疫グロブリンのFc部分との融合は、広範囲のタンパク質に望ましい薬物動態特性を付与することが公知である。同様に、ヒト血清アルブミンへの融合は、望ましい特性を付与することができる。選択され得る他の種類の融合ドメインは、多量体化(例えば、二量体化、四量体化)ドメインおよび機能的ドメイン(筋肉成長のさらなる刺激など、追加的な生物学的機能を付与する)を含む。
ある特定の態様では、本明細書に開示されているポリペプチドは、タンパク質複合体における各融合ポリペプチド鎖が、複合体における他のいずれかのそのような鎖と同じActRIIBバリアントを含むことを意味する、ホモマーバリアントActRIIBポリペプチドを形成することができる。ある特定の態様では、本明細書に開示されているポリペプチドは、少なくとも1つの未修飾ActRIIBポリペプチドまたは第1のActRIIBバリアントとは異なる少なくとも1つのバリアントActRIIBポリペプチドと共有結合または非共有結合で会合した少なくとも1つのバリアントActRIIBポリペプチドを含む、ヘテロ多量体を形成することができる。ある特定の態様では、本明細書に開示されているポリペプチドは、その断片およびバリアントを含む少なくとも1つのTGF-ベータスーパーファミリーI型セリン/トレオニンキナーゼ受容体ポリペプチド(例えば、ALK1、ALK2、ALK3、ALK4、ALK5、ALK6およびALK7ポリペプチド)と共有結合または非共有結合で会合した少なくとも1つのバリアントActRIIBポリペプチドを含む、ヘテロ多量体を形成することができる。ある特定の態様では、本明細書に開示されているポリペプチドは、その断片およびバリアントを含む少なくとも1つのTGF-ベータスーパーファミリーII型セリン/トレオニンキナーゼ受容体ポリペプチド(例えば、ActRIIA、TGFBRII、BMPRIIおよびMISRII)と共有結合または非共有結合で会合した少なくとも1つのバリアントActRIIBポリペプチドを含む、ヘテロ多量体を形成することができる。好ましくは、本明細書に開示されているヘテロマーポリペプチドは、ヘテロ二量体を形成するが、ヘテロ三量体、ヘテロ四量体およびさらなるオリゴマー構造などが挙げられるがこれらに限定されない、より高次のヘテロ多量体も含まれている。一部の実施形態では、本開示のバリアントActRIIBポリペプチドは、少なくとも1つの多量体化ドメインを含む。本明細書に開示されている通り、用語「多量体化ドメイン」は、少なくとも第1のポリペプチドおよび少なくとも第2のポリペプチドの間の共有結合または非共有結合性相互作用を促進するアミノ酸またはアミノ酸の配列を指す。本明細書に開示されているバリアントActRIIBポリペプチドは、多量体化ドメインへと共有結合または非共有結合で連接することができる。好ましくは、多量体化ドメインは、第1のポリペプチド(例えば、バリアントActRIIBポリペプチド)および第2のポリペプチド(例えば、未修飾ActRIIBポリペプチドまたは第1のポリペプチドに存在するものとは異なるバリアントActRIIBポリペプチド)の間の相互作用を促進して、ヘテロ多量体形成(例えば、ヘテロ二量体形成)を促進し、任意選択で、ホモ多量体形成(例えば、ホモ二量体形成)を邪魔する、さもなければこれを支持せず、これにより、所望のヘテロ多量体の収量を増大させる(例えば、図1を参照)。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK1-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK1-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、ALK1-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK1-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK2-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK2-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、ALK2-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK2-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK3-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK3-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、ALK3-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK3-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK4-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK5-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK5-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、ALK5-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK5-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK6-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK6-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、ALK6-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK6-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK7-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK7-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、ALK7-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ALK7-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのActRIIA-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc:ActRIIA-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載されているものなど、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc:ActRIIA-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載されているものなど、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc:ActRIIA-Fcヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのBMPRII-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc:BMPRII-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載されているものなど、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc:BMPRII-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載されているものなど、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc:BMPRII-Fcヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのTGFBRII-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc:TGFBRII-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載されているものなど、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc:TGFBRII-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載されているものなど、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc:TGFBRII-Fcヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのActRIIB-Fc融合タンパク質および少なくとも1つのMISRII-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc:MISRII-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載されているものなど、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc:MISRII-Fcヘテロ多量体は、本明細書に記載されているものなど、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する。一部の実施形態では、ActRIIB-Fc:MISRII-Fcヘテロ多量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の態様では、本開示は、ALK1-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK1-Fc融合タンパク質は、配列番号54のアミノ酸22~34(例えば、アミノ酸残基22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、および34)のいずれか1つで始まり、配列番号54のアミノ酸95~118(例えば、アミノ酸残基95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、および118)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK1ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK1-Fc融合タンパク質は、配列番号54のアミノ酸22~118と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK1ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK1-Fc融合タンパク質は、配列番号54のアミノ酸34~95と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK1ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK1-Fc融合タンパク質は、配列番号54、55、56、57、58、59、60、61、62および63のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK1ドメインを含む。
代表的ALK1-Fc融合ポリペプチド(配列番号60)を次に示す:
Figure 0007280182000001
Figure 0007280182000002
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。
成熟ALK1-Fc融合タンパク質配列(配列番号61)を次に示し、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000003
一部の実施形態では、ALK1-Fc融合ポリペプチド(配列番号56)を次に示す:
Figure 0007280182000004
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。本明細書に開示されているある特定のFc融合ポリペプチドによるヘテロ二量体形成を誘導するために、上に二重下線で示す通り、2個のアミノ酸置換(リシンをアスパラギン酸で置き換える)を、ALK1-Fc融合ポリペプチドのFcドメインに導入することができる。配列番号56のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
このALK1-Fc融合タンパク質は、次の核酸(配列番号258)によってコードされる:
Figure 0007280182000005
Figure 0007280182000006
成熟ALK1-Fc融合タンパク質配列(配列番号57)を次に示し、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
Figure 0007280182000007
ある特定の態様では、本開示は、ALK2ポリペプチドを含むタンパク質複合体に関する。本明細書で使用される場合、用語「ALK2」は、いずれかの種由来のアクチビン受容体様キナーゼ-2タンパク質、および突然変異誘発または他の修飾によるそのようなALK2タンパク質に由来するバリアントのファミリーを指す。本明細書におけるALK2の参照は、現在同定されている形態のいずれか1つの参照であることが理解されている。ALK2ファミリーのメンバーは一般に、システインリッチ領域を有するリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測されるセリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質ドメインで構成された膜貫通タンパク質である。
「ALK2ポリペプチド」という用語は、ALK2ファミリーメンバーの任意の天然に存在するポリペプチドを含むポリペプチドはもちろん、有用な活性を保持するそれらの任意のバリアント(突然変異体、断片、融合体、およびペプチド模倣形態を含む)も含む。
ヒトALK2前駆体タンパク質配列(NCBI参照配列NP_001096.1)は、次の通りである:
Figure 0007280182000008
シグナルペプチドは、一重下線により示され、細胞外ドメインは、太字フォントで示されている。
プロセシングされた細胞外ALK2ポリペプチド配列を次に示す:
Figure 0007280182000009
ヒトALK2前駆体タンパク質をコードする核酸配列を配列番号217に示し、これは、Genbank参照配列NM_001105.4のヌクレオチド431~1957に対応する。細胞外ALK2ポリペプチドをコードする核酸配列は、配列番号218に示す通りである。
ある特定の実施形態では、本開示は、その断片、機能的バリアントおよび修飾形態を含む少なくとも1つのALK2ポリペプチドを含むヘテロ多量体に関する。好ましくは、本開示の発明に従った使用のためのALK2ポリペプチド(例えば、ALK2ポリペプチドを含むヘテロ多量体およびその使用)は、可溶性である(例えば、ALK2の細胞外ドメイン)。他の好ましい実施形態では、本開示の発明に従った使用のためのALK2ポリペプチドは、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する、および/またはその活性(例えば、Smad2/3および/またはSmad1/5/8シグナル伝達の誘導)を阻害する(に拮抗する)。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号64または65のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である少なくとも1つのALK2ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体複合体は、配列番号64または65のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である少なくとも1つのALK2ポリペプチドからなるまたはそれから本質的になる。
ある特定の態様では、本開示は、ALK2-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK2-Fc融合タンパク質は、配列番号64のアミノ酸21~35(例えば、アミノ酸残基21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34および35)のいずれか1つで始まり、配列番号64のアミノ酸99~123(例えば、アミノ酸残基99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122および123)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK2ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK2-Fc融合タンパク質は、配列番号64のアミノ酸35~99と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK2ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK2-Fc融合タンパク質は、配列番号64のアミノ酸21~123と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK2ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK2-Fc融合タンパク質は、配列番号64、65、66、67、68、69、70、71、72および73のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK2ドメインを含む。
一部の実施形態では、ALK2-Fc融合タンパク質は、TPAリーダーを用い、これを次に示す(配列番号66):
Figure 0007280182000010
Figure 0007280182000011
シグナル配列およびリンカー配列に下線が引かれている。本明細書に開示されているある特定の他のFc融合体によるヘテロ二量体の形成を促進するために、上に二重下線で示す通り、2個のアミノ酸置換(リシンをアスパラギン酸で置き換える)を、融合タンパク質のFcドメインに導入することができる。配列番号66のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
このALK2-Fc融合タンパク質は、次の核酸(配列番号244)によってコードされる:
Figure 0007280182000012
成熟ALK2-Fc融合タンパク質配列(配列番号67)を次に示し、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
Figure 0007280182000013
Figure 0007280182000014
非対称Fc融合タンパク質を使用してヘテロ多量体複合体の形成を促進する別のアプローチにおいて、Fcドメインは、相補的な疎水性相互作用および追加的な分子間ジスルフィド結合を導入するように変更される。
一部の実施形態では、ALK2-Fc融合ポリペプチド(配列番号70)を次に示す:
Figure 0007280182000015
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。本明細書に開示されているある特定のFc融合ポリペプチドによるヘテロ二量体形成を誘導するために、上に二重下線で示す通り、4個のアミノ酸置換を、ALK2融合ポリペプチドのFcドメインに導入することができる。さらに、FcドメインのC末端リシン残基は、欠失される場合がある。配列番号70のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
成熟ALK2-Fc融合タンパク質配列(配列番号71)を次に示し、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000016
Figure 0007280182000017
ある特定の態様では、本開示は、ALK2ポリペプチドを含むタンパク質複合体に関する。本明細書で使用される場合、「ALK2」という用語は、任意の種からのアクチビン受容体様キナーゼ-2タンパク質のファミリー、およびそのようなALK2タンパク質から突然変異誘発または他の修飾により誘導されたバリアントを指す。本明細書でのALK2への言及は、現在同定されている形態のいずれか1つへの言及であると解される。ALK2ファミリーのメンバーは、一般に、システインリッチ領域を有するリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測セリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質ドメインで構成されている膜貫通タンパク質である。
用語「ALK2ポリペプチド」は、ALK2ファミリーメンバーのいずれかの天然に存在するポリペプチド、および有用な活性を保持するそのいずれかのバリアント(突然変異体、断片、融合体およびペプチド模倣形態を含む)を含むポリペプチドを含む。
代表的ヒトALK2前駆体タンパク質配列(NCBI Ref Seq NP_001096.1)を次に示す:
Figure 0007280182000018
シグナルペプチドは、1本の下線で示し、細胞外ドメインは、太字フォントで示す。
プロセシングされた細胞外ALK2ポリペプチド配列を次に示す:
Figure 0007280182000019
ヒトALK2前駆体タンパク質をコードする核酸配列を配列番号217に示し、これは、Genbank参照配列NM_001105.4のヌクレオチド431~1957に対応する。細胞外ALK2ポリペプチドをコードする核酸配列は、配列番号218に示す通りである。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK2ポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、ポリペプチドは、その断片、機能的バリアントおよび修飾形態を含む。好ましくは、本開示の発明(例えば、ALK2ポリペプチドを含むヘテロ多量体およびそれらの使用)に従って使用するためのALK2ポリペプチドは、可溶性(例えば、ALK2の細胞外ドメイン)である。他の好ましい実施形態では、本開示の発明に従って使用するためのALK2ポリペプチドは、1つもしくは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合し、および/またはそのようなリガンドの活性(例えば、Smad2/3および/またはSmad1/5/8シグナル伝達の誘導)を阻害する(そのような活性に拮抗する)。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号64または65のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である、少なくとも1つのALK2ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体複合体は、配列番号64または65のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である、少なくとも1つのALK2ポリペプチドからなるまたはそれから本質的になる。
ある特定の態様では、本開示は、ALK3ポリペプチドを含むタンパク質複合体に関する。本明細書で使用される場合、「ALK3」という用語は、任意の種からのアクチビン受容体様キナーゼ-3タンパク質のファミリー、およびそのようなALK3タンパク質から突然変異誘発または他の修飾により誘導されたバリアントを指す。本明細書でのALK3への言及は、現在同定されている形態のいずれか1つへの言及であると解される。ALK3ファミリーのメンバーは、一般に、システインリッチ領域を有するリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測セリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質ドメインで構成されている膜貫通タンパク質である。
「ALK3ポリペプチド」という用語は、ALK3ファミリーメンバーの任意の天然に存在するポリペプチドを含むポリペプチドはもちろん、有用な活性を保持するそれらの任意のバリアント(突然変異体、断片、融合体、およびペプチド模倣形態を含む)も含む。
ヒトALK3前駆体タンパク質配列(NCBI参照配列NP_004320.2)は、次の通りである:
Figure 0007280182000020
Figure 0007280182000021
シグナルペプチドは、一重下線により示され、細胞外ドメインは、太字フォントで示されている。
プロセシングされた細胞外ALK3ポリペプチド配列は、次の通りである:
Figure 0007280182000022
ヒトALK3前駆体タンパク質をコードする核酸配列を配列番号219に示し、これは、Genbank参照配列NM_004329.2のヌクレオチド549~2144に対応する。シグナル配列に下線が引かれ、細胞外ドメインは、太字フォントで示す。細胞外ヒトALK3ポリペプチドをコードする核酸配列を配列番号220に示す。
活性(例えば、リガンド結合性)ALK3ポリペプチドの一般式は、配列番号74のいずれかのアミノ酸位置25~31(すなわち、位置25、26、27、28、29、30または31)から始まり、配列番号74のいずれかのアミノ酸位置140~152(すなわち、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151または152)で終わるポリペプチドを含む一般式である。その教示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,338,377号を参照されたい。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK3ポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、ポリペプチドは、その断片、機能的バリアントおよび修飾形態を含む。好ましくは、本開示の発明(例えば、ALK3ポリペプチドを含むヘテロ多量体およびそれらの使用)に従って使用するためのALK3ポリペプチドは、可溶性(例えば、ALK3の細胞外ドメイン)である。他の好ましい実施形態では、本開示の発明に従って使用するためのALK3ポリペプチドは、1つもしくは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合し、および/またはそのようなリガンドの活性(例えば、Smad2/3および/またはSmad1/5/8シグナル伝達の誘導)を阻害する(そのような活性に拮抗する)。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号74のいずれかのアミノ酸位置25~31(すなわち、位置25、26、27、28、29、30または31)から始まり、配列番号74のいずれかのアミノ酸位置140~153(すなわち、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151または152)で終わるアミノ酸を含む少なくとも1つのALK3ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体複合体は、配列番号74、75、76、77、80または81のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である少なくとも1つのALK3ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体複合体は、配列番号74、75、76、77、80または81のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%同一である少なくとも1つのALK3ポリペプチドからなるまたはそれから本質的になる。
ある特定の態様では、本開示は、ALK3-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK3-Fc融合タンパク質は、配列番号74のアミノ酸24~61(例えば、アミノ酸残基24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60および61)のいずれか1つで始まり、配列番号74のアミノ酸130~152(例えば、アミノ酸残基130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151および152)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK3ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK3-Fc融合タンパク質は、配列番号74のアミノ酸61~130と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK3ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK3-Fc融合タンパク質は、配列番号74のアミノ酸24~152と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK3ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK3-Fc融合タンパク質は、配列番号74、75、76、77、78、79、80、81、82および83のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK3ドメインを含む。
一部の実施形態では、ALK3-Fc融合タンパク質は、TPAリーダーを用い、次の通りである:
Figure 0007280182000023
Figure 0007280182000024
リーダーおよびリンカー配列は下線付きである。考えられるホモ二量体複合体のいずれかではなくActRIIB-Fc:ALK3-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、2つのアミノ酸置換(リシンをアスパラギン酸で置き換える)を、上に二重下線により示された融合タンパク質のFcドメイン中に導入することができる。配列番号76のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
このALK3-Fc融合タンパク質は、次の核酸(配列番号245)によってコードされる。
Figure 0007280182000025
成熟ALK3-Fc融合タンパク質配列を次に示し(配列番号77)、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
Figure 0007280182000026
ALK3-Fc融合ポリペプチド(配列番号80)の相補的形態を次に示す:
Figure 0007280182000027
リーダー配列およびリンカーに下線が引かれている。本明細書に開示されているある特定のFc融合ポリペプチドによるヘテロ二量体形成を誘導するために、上に二重下線で示す通り、4個のアミノ酸置換を、ALK3融合ポリペプチドのFcドメインに導入することができる。配列番号80のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
成熟ALK3-Fc融合タンパク質配列(配列番号81)を次に示し、任意選択で、C末端からリシン(K)を除去して提供することができる。
Figure 0007280182000028
Figure 0007280182000029
ある特定の態様では、本開示は、ALK4ポリペプチドを含むタンパク質複合体に関する。本明細書で使用される場合、「ALK4」という用語は、任意の種からのアクチビン受容体様キナーゼ-4タンパク質のファミリー、およびそのようなALK4タンパク質から突然変異誘発または他の修飾により誘導されたバリアントを指す。本明細書でのALK4への言及は、現在同定されている形態のいずれか1つへの言及であると解される。ALK4ファミリーのメンバーは、一般に、システインリッチ領域を有するリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測セリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質ドメインで構成されている膜貫通タンパク質である。
「ALK4ポリペプチド」という用語は、ALK4ファミリーメンバーの任意の天然に存在するポリペプチドを含むポリペプチドはもちろん、有用な活性を保持するそれらの任意のバリアント(突然変異体、断片、融合体、およびペプチド模倣形態を含む)も含む。
ヒトALK4前駆体タンパク質配列(NCBI参照配列NP_004293)は、次の通りである:
Figure 0007280182000030
シグナルペプチドは、一重下線により示され、細胞外ドメインは、太字フォントで示されている。
プロセシングされた細胞外ヒトALK4ポリペプチド配列は、次の通りである:
Figure 0007280182000031
ALK4前駆体タンパク質をコードする核酸配列を配列番号221に示し、これは、Genbank参照配列NM_004302.4のヌクレオチド78~1592に対応する。細胞外ALK4ポリペプチドをコードする核酸配列を配列番号222に示す。
ヒトALK4前駆体タンパク質配列の代替アイソフォームである、アイソフォームC(NCBI Ref Seq NP_064733.3)を次に示す:
Figure 0007280182000032
シグナルペプチドは、一重下線により示され、細胞外ドメインは、太字フォントで示されている。
プロセシングされた細胞外ALK4ポリペプチド配列(アイソフォームC)は、次の通りである:
Figure 0007280182000033
ALK4前駆体タンパク質(アイソフォームC)をコードする核酸配列を配列番号223に示し、これは、Genbank参照配列NM_020328.3のヌクレオチド78~1715に対応する。細胞外ALK4ポリペプチド(アイソフォームC)をコードする核酸配列を配列番号224に示す。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK4ポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、ポリペプチドは、その断片、機能的バリアントおよび修飾形態を含む。好ましくは、本開示の発明(例えば、ALK4ポリペプチドを含むヘテロ多量体およびそれらの使用)に従って使用するためのALK4ポリペプチドは、可溶性(例えば、ALK4の細胞外ドメイン)である。他の好ましい実施形態では、本開示の発明に従って使用するためのALK4ポリペプチドは、1つもしくは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合し、および/またはそのようなリガンドの活性(例えば、Smad2/3および/またはSmad1/5/8シグナル伝達の誘導)を阻害する(そのような活性に拮抗する)。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号84、86、85、87、88、89、92または93のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である、少なくとも1つのALK4ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号84、86、85、87、88、89、92または93のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である、少なくとも1つのALK4ポリペプチドからなるまたはそれから本質的になる。
ある特定の態様では、本開示は、ALK4-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質は、配列番号84または85のアミノ酸23~34(例えば、アミノ酸残基23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34)のいずれか1つで始まり、配列番号84または85のアミノ酸101~126(例えば、アミノ酸残基101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125および126)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK4ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質は、配列番号84または85のアミノ酸34~101と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK4ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質は、配列番号84または85のアミノ酸23~126と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK4ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK4-Fc融合タンパク質は、配列番号84、86、85、87、88、89、90、91、92、93、94および95のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK4ドメインを含む。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、次のALK4-Fc融合ポリペプチド(配列番号88)を含む:
Figure 0007280182000034
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。本開示のある特定のFc融合ポリペプチドによるヘテロ二量体形成を誘導するために、上に二重下線で示す通り、2個のアミノ酸置換(リシンをアスパラギン酸で置き換える)を、ALK4-Fc融合ポリペプチドのFcドメインに導入することができる。配列番号88のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
このALK4-Fc融合タンパク質は、次の核酸(配列番号243)によってコードされる:
Figure 0007280182000035
成熟ALK4-Fc融合タンパク質配列(配列番号89)を次に示し、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
Figure 0007280182000036
一部の実施形態では、ALK4-Fc融合ポリペプチド(または本明細書に開示されているいずれかのFc融合ポリペプチド)は、組織プラスミノーゲンアクチベーター(TPA)リーダーを用いる:
Figure 0007280182000037
一部の実施形態では、ALK4-Fc融合ポリペプチド(配列番号92)を次に示し、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000038
リーダー配列およびリンカーに下線が引かれている。本明細書に開示されているある特定のFc融合ポリペプチドによるヘテロ二量体形成を誘導するために、上に二重下線で示す通り、4個のアミノ酸置換を、ALK4融合ポリペプチドのFcドメインに導入することができる。配列番号92のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
成熟ALK4-Fc融合タンパク質配列は以下の通りであり、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000039
様々なActRIIB-Fc:ALK4-Fc複合体の精製は、例えば、次のうち3種またはそれよりも多くをいずれかの順序で含む、一連のカラムクロマトグラフィーステップによって達成することができる:プロテインAクロマトグラフィー、Qセファロースクロマトグラフィー、フェニルセファロースクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーおよびカチオン交換クロマトグラフィー。精製は、ウイルス濾過および緩衝液交換により完了することができる。
一部の実施形態では、ALK4-Fc融合ポリペプチド(配列番号247)を次に示し、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000040
リーダー配列およびリンカーに下線が引かれている。本明細書に開示されているある特定のFc融合ポリペプチドによるヘテロ二量体形成を誘導するために、上に二重下線で示す通り、4個のアミノ酸置換(チロシンをシステインで、トレオニンをセリンで、ロイシンをアラニンで、チロシンをバリンで置き換える)を、ALK4融合ポリペプチドのFcドメインに導入することができる。ALK4-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の精製を容易にするために、2つのアミノ酸置換(アスパラギンをアルギニンで、アスパラギン酸をアルギニンで置き換える)を、上に二重下線により示されたALK4-Fc融合ポリペプチドのFcドメイン中に導入することもできる。配列番号247のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
このALK4-Fc融合ポリペプチドは、次の核酸(配列番号248)によってコードされる:
Figure 0007280182000041
Figure 0007280182000042
成熟ALK4-Fc融合ポリペプチド配列を次に示し(配列番号249)、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000043
このALK4-Fc融合ポリペプチドは、次の核酸(配列番号250)によってコードされる:
Figure 0007280182000044
Figure 0007280182000045
ある特定の実施形態では、ALK4-Fc融合ポリペプチドは、本明細書に開示されているある特定のFc融合ポリペプチドのヘテロ二量体形成を誘導するための、4個のアミノ酸置換を含有する配列番号92(上に示す)であり、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
このALK4-Fc融合ポリペプチドは、次の核酸(配列番号251)によってコードされる:
Figure 0007280182000046
Figure 0007280182000047
成熟ALK4-Fc融合ポリペプチド配列は、配列番号93(上に示す)であり、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
このALK4-Fc融合ポリペプチドは、次の核酸(配列番号252)によってコードされる:
Figure 0007280182000048
様々なALK4-Fc:ActRIIB-Fc複合体の精製を、例えば、任意の順序の、以下:プロテインAクロマトグラフィー、Qセファロースクロマトグラフィー、フェニルセファロースクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、およびエピトープに基づく親和性クロマトグラフィー(例えば、ALK4またはActRIIB上のエピトープに対する抗体または機能的に等価なリガンドを用いる)、ならびにマルチモーダルクロマトグラフィー(静電気的および疎水性リガンドの両方を含有する樹脂を用いる)のうちの3つまたはそれより多くを含む、一連のカラムクロマトグラフィーステップによって達成することができる。精製を、ウイルス濾過および緩衝液交換を用いて完了させることができる。
ある特定の態様では、本開示は、ALK5ポリペプチドを含むタンパク質複合体に関する。本明細書で使用される場合、「ALK5」という用語は、任意の種からのアクチビン受容体様キナーゼ-5タンパク質のファミリー、およびそのようなALK4タンパク質から突然変異誘発または他の修飾により誘導されたバリアントを指す。本明細書でのALK5への言及は、現在同定されている形態のいずれか1つへの言及であると解される。ALK5ファミリーのメンバーは、一般に、システインリッチ領域を有するリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測セリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質ドメインで構成されている膜貫通タンパク質である。
「ALK5ポリペプチド」という用語は、ALK5ファミリーメンバーの任意の天然に存在するポリペプチドを含むポリペプチドはもちろん、有用な活性を保持するそれらの任意のバリアント(突然変異体、断片、融合体、およびペプチド模倣形態を含む)も含む。
ヒトALK5前駆体タンパク質配列(NCBI参照配列NP_004603.1)は、次の通りである:
Figure 0007280182000049
シグナルペプチドは、1本の下線で示し、細胞外ドメインは、太字フォントで示す。
プロセシングされた細胞外ALK5ポリペプチド配列を次に示す:
Figure 0007280182000050
ALK5前駆体タンパク質をコードする核酸配列を配列番号225に示し、これは、Genbank参照配列NM_004612.2のヌクレオチド77~1585に対応する。細胞外ヒトALK5ポリペプチドをコードする核酸配列を配列番号226に示す。
ヒトALK5前駆体タンパク質配列の代替アイソフォームであるアイソフォーム2(NCBI参照配列XP_005252207.1)は、次の通りである:
Figure 0007280182000051
シグナルペプチドは、一重下線により示され、細胞外ドメインは、太字フォントで示されている。
プロセシングされた細胞外ALK5ポリペプチド配列(アイソフォーム2)を次に示す:
Figure 0007280182000052
ヒトALK5前駆体タンパク質(アイソフォーム2)をコードする核酸配列を配列番号227に示し、これは、Genbank参照配列XM_005252150.1のヌクレオチド77~1597に対応する。プロセシングされた細胞外ALK5ポリペプチドをコードする核酸配列を配列番号228に示す。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK5ポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、ポリペプチドは、その断片、機能的バリアントおよび修飾形態を含む。好ましくは、本開示の発明(例えば、ALK5ポリペプチドを含むヘテロ多量体およびそれらの使用)に従って使用するためのALK5ポリペプチドは、可溶性(例えば、ALK5の細胞外ドメイン)である。他の好ましい実施形態では、本開示の発明に従って使用するためのALK5ポリペプチドは、1つもしくは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合し、および/またはそのようなリガンドの活性(例えば、Smad2/3および/またはSmad1/5/8シグナル伝達の誘導)を阻害する(そのような活性に拮抗する)。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号96、98、97または99のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である少なくとも1つのALK5ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体複合体は、配列番号96、98、97または99のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である少なくとも1つのALK5ポリペプチドからなるまたはそれから本質的になる。
ある特定の態様では、本開示は、ALK5-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK5-Fc融合タンパク質は、配列番号96または97のアミノ酸25~36(例えば、アミノ酸残基25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35および36)のいずれか1つで始まり、配列番号96または97のアミノ酸106~126(例えば、アミノ酸残基106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125および126)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK5ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK5-Fc融合タンパク質は、配列番号96または97のアミノ酸36~106と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK5ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK5-Fc融合タンパク質は、配列番号96または97のアミノ酸25~126と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK5ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK5-Fc融合タンパク質は、配列番号96、97、98、99、100、101、102、103、104、105および106のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK5ドメインを含む。
相補的ALK5-Fc融合タンパク質は、TPAリーダーを用い、これを次に示す(配列番号100):
Figure 0007280182000053
シグナル配列およびリンカー配列は下線付きである。考えられるホモ二量体複合体のいずれかではなくActRIIB-Fc:ALK5-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、2つのアミノ酸置換(リシンをアスパラギン酸で置き換える)を、上に二重下線により示された融合タンパク質のFcドメイン中に導入することができる。配列番号100のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
このALK5-Fc融合タンパク質は、次の核酸(配列番号253)によってコードされる:
Figure 0007280182000054
成熟ALK5-Fc融合タンパク質配列(配列番号101)を次に示し、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
Figure 0007280182000055
Figure 0007280182000056
非対称Fc融合タンパク質を使用してヘテロ多量体複合体の形成を促進する別のアプローチにおいて、Fcドメインは、相補的な疎水性相互作用および追加的な分子間ジスルフィド結合を導入するように変更される。
一部の実施形態では、ALK5-Fc融合ポリペプチド(配列番号104)を次に示す:
Figure 0007280182000057
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。本明細書に開示されているある特定のFc融合ポリペプチドによるヘテロ二量体形成を誘導するために、上に二重下線で示す通り、4個のアミノ酸置換を、ALK5融合ポリペプチドのFcドメインに導入することができる。さらに、FcドメインのC末端リシン残基は、欠失される場合がある。配列番号104のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
成熟ALK5-Fc融合タンパク質配列(配列番号105)を次に示し、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000058
Figure 0007280182000059
ある特定の態様では、本開示は、ALK6ポリペプチドを含むタンパク質複合体に関する。本明細書で使用される場合、「ALK6」という用語は、任意の種からのアクチビン受容体様キナーゼ-6タンパク質のファミリー、およびそのようなALK6タンパク質から突然変異誘発または他の修飾により誘導されたバリアントを指す。本明細書でのALK6への言及は、現在同定されている形態のいずれか1つへの言及であると解される。ALK6ファミリーのメンバーは、一般に、システインリッチ領域を有するリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測セリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質ドメインで構成されている膜貫通タンパク質である。
「ALK6ポリペプチド」という用語は、ALK6ファミリーメンバーの任意の天然に存在するポリペプチドを含むポリペプチドはもちろん、有用な活性を保持するそれらの任意のバリアント(突然変異体、断片、融合体、およびペプチド模倣形態を含む)も含む。
ヒトALK6前駆体タンパク質配列(NCBI参照配列NP_001194.1)は、次の通りである:
Figure 0007280182000060
シグナルペプチドは、一重下線により示されており、細胞外ドメインは、太字フォントで示されている。
プロセシングされた細胞外ALK6ポリペプチド配列を次に示す:
Figure 0007280182000061
ALK6前駆体タンパク質をコードする核酸配列を配列番号229に示し、これは、Genbank参照配列NM_001203.2のヌクレオチド275~1780に対応する。プロセシングされた細胞外ALK6ポリペプチドをコードする核酸配列を配列番号230に示す。
ヒトALK6前駆体タンパク質配列の代替アイソフォームであるアイソフォーム2(NCBI参照配列NP_001243722.1)は、次の通りである:
Figure 0007280182000062
シグナルペプチドは、一重下線により示され、細胞外ドメインは、太字フォントで示されている。
プロセシングされた細胞外ALK6ポリペプチド配列(アイソフォーム2)を次に示す:
Figure 0007280182000063
ヒトALK6前駆体タンパク質(アイソフォーム2)をコードする核酸配列を配列番号231に示し、これは、Genbank参照配列NM_001256793.1のヌクレオチド22~1617に対応する。プロセシングされた細胞外ALK6ポリペプチドをコードする核酸配列を配列番号232に示す。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK6ポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、ポリペプチドは、その断片、機能的バリアントおよび修飾形態を含む。好ましくは、本開示の発明(例えば、ALK6ポリペプチドを含むヘテロ多量体およびそれらの使用)に従って使用するためのALK6ポリペプチドは、可溶性(例えば、ALK6の細胞外ドメイン)である。他の好ましい実施形態では、本開示の発明に従って使用するためのALK6ポリペプチドは、1つもしくは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合し、および/またはそのようなリガンドの活性(例えば、Smad2/3および/またはSmad1/5/8シグナル伝達の誘導)を阻害する(そのような活性に拮抗する)。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号108、109、110または111のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である少なくとも1つのALK6ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号108、109、110または111のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である少なくとも1つのALK6ポリペプチドからなるまたはそれから本質的になる。
ある特定の態様では、本開示は、ALK6-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK6-Fc融合タンパク質は、配列番号108のアミノ酸14~32(例えば、アミノ酸残基14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、および32)のいずれか1つで始まり、配列番号108のアミノ酸102~126(例えば、アミノ酸残基102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、および126)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK6ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK6-Fc融合タンパク質は、配列番号108のアミノ酸32~102と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK6ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK6-Fc融合タンパク質は、配列番号108のアミノ酸14~126と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK6ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK6-Fc融合タンパク質は、配列番号108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118および119のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK6ドメインを含む。
一部の実施形態では、ALK6-Fc融合タンパク質は、配列番号110のアミノ酸26~62(例えば、アミノ酸残基26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、および62)のいずれか1つで始まり、配列番号110のアミノ酸132~156(例えば、アミノ酸残基132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、および156)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK6ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK6-Fc融合タンパク質は、配列番号110のアミノ酸62~132と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK6ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK6-Fc融合タンパク質は、配列番号110のアミノ酸26~156と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK6ドメインを含む。
相補的ALK6-Fc融合タンパク質は、TPAリーダーを用い、これを次に示す(配列番号112):
Figure 0007280182000064
シグナル配列およびリンカー配列に下線が引かれている。可能なホモ二量体複合体のいずれかではなく、ActRIIB-Fc:ALK6-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、上に二重下線で示す通り、2個のアミノ酸置換(リシンをアスパラギン酸で置き換える)を、融合タンパク質のFcドメインに導入することができる。配列番号112のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
このALK6-Fc融合タンパク質は、次の核酸(配列番号254)によってコードされる:
Figure 0007280182000065
Figure 0007280182000066
成熟ALK6-Fc融合タンパク質配列(配列番号113)を次に示し、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
Figure 0007280182000067
非対称Fc融合タンパク質を使用してヘテロ多量体複合体の形成を促進する別のアプローチにおいて、Fcドメインは、相補的な疎水性相互作用および追加的な分子間ジスルフィド結合を導入するように変更することができる。
相補的形態のALK6-Fc融合ポリペプチド(配列番号116)を次に示す:
Figure 0007280182000068
Figure 0007280182000069
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。本明細書に開示されているある特定のFc融合ポリペプチドによるヘテロ二量体形成を誘導するために、上に二重下線で示す通り、4個のアミノ酸置換を、ALK6融合ポリペプチドのFcドメインに導入することができる。さらに、FcドメインのC末端リシン残基は、欠失される場合がある。配列番号116のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
成熟ALK6-Fc融合タンパク質配列(配列番号117)は、次の通りになり得、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000070
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK6ポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、ポリペプチドは、その断片、機能的バリアントおよび修飾形態を含む。好ましくは、本開示の発明(例えば、ALK6ポリペプチドを含むヘテロ多量体およびそれらの使用)に従って使用するためのALK6ポリペプチドは、可溶性(例えば、ALK6の細胞外ドメイン)である。他の好ましい実施形態では、本開示の発明に従って使用するためのALK6ポリペプチドは、1つもしくは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合し、および/またはそのようなリガンドの活性(例えば、Smad2/3および/またはSmad1/5/8シグナル伝達の誘導)を阻害する(そのような活性に拮抗する)。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号34、35、91または92のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一である少なくとも1つのALK6ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号34、35、91もしくは92のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、もしくは100%同一である少なくとも1つのALK6ポリペプチドからなるか、またはそのようなポリペプチドから本質的になる。
ある特定の態様では、本開示は、ALK7ポリペプチドを含むタンパク質複合体に関する。本明細書で使用される場合、「ALK7」という用語は、任意の種からのアクチビン受容体様キナーゼ-7タンパク質のファミリー、およびそのようなALK7タンパク質から突然変異誘発または他の修飾により誘導されたバリアントを指す。本明細書でのALK7への言及は、現在同定されている形態のいずれか1つへの言及であると解される。ALK7ファミリーのメンバーは、一般に、システインリッチ領域を有するリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測セリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質ドメインで構成されている膜貫通タンパク質である。
「ALK7ポリペプチド」という用語は、ALK7ファミリーメンバーの任意の天然に存在するポリペプチドを含むポリペプチドはもちろん、有用な活性を保持するそれらの任意のバリアント(突然変異体、断片、融合体、およびペプチド模倣形態を含む)も含む。
ヒトALK7についての4つの天然に存在するアイソフォームが記載されている。ヒトALK7アイソフォーム1前駆体タンパク質の配列(NCBI参照配列NP_660302.2)は、次の通りである:
Figure 0007280182000071
シグナルペプチドは、1本の下線で示し、細胞外ドメインは、太字フォントで示す。
プロセシングされた細胞外ALK7アイソフォーム1ポリペプチド配列を次に示す:
Figure 0007280182000072
ヒトALK7アイソフォーム1前駆体タンパク質をコードする核酸配列を下の配列番号233に示し、これは、Genbank参照配列NM_145259.2のヌクレオチド244~1722に対応する。プロセシングされた細胞外ALK7ポリペプチド(アイソフォーム1)をコードする核酸配列を配列番号234に示す。
ヒトALK7、アイソフォーム2の代替アイソフォームのアミノ酸配列(NCBI Ref Seq NP_001104501.1)は、次の通りにそのプロセシング形態で示し(配列番号124)、配列中、細胞外ドメインは、太字フォントで示す。
Figure 0007280182000073
細胞外ALK7ポリペプチド(アイソフォーム2)のアミノ酸配列を次に示す:
Figure 0007280182000074
プロセシングされたALK7ポリペプチド(アイソフォーム2)をコードする核酸配列を下の配列番号235に示し、これは、NCBI参照配列NM_001111031.1のヌクレオチド279~1607に対応する。
細胞外ALK7ポリペプチド(アイソフォーム2)をコードする核酸配列を配列番号236に示す。
代替ヒトALK7前駆体タンパク質、アイソフォーム3(NCBI Ref Seq NP_001104502.1)のアミノ酸配列を次に示し(配列番号121)、配列中、シグナルペプチドは、1本の下線で示す。
Figure 0007280182000075
プロセシングされたALK7ポリペプチド(アイソフォーム3)のアミノ酸配列を次に示す(配列番号126)。このアイソフォームは、膜貫通ドメインを欠き、したがって、その全体が可溶性であることが提案される(Robertsら、2003年、Biol Reprod 68巻:1719~1726頁)。配列番号126のN末端バリアントは、後述する通りに予測される。
Figure 0007280182000076
プロセシングされていないALK7ポリペプチド前駆体タンパク質(アイソフォーム3)をコードする核酸配列を配列番号237に示し、これは、NCBI参照配列NM_001111032.1のヌクレオチド244~1482に対応する。プロセシングされたALK7ポリペプチド(アイソフォーム3)をコードする核酸配列は、配列番号238に示す。
代替ヒトALK7前駆体タンパク質、アイソフォーム4のアミノ酸配列(NCBI Ref Seq NP_001104503.1)を次に示し(配列番号122)、配列中、シグナルペプチドは、1本の下線で示す。
Figure 0007280182000077
プロセシングされたALK7ポリペプチド(アイソフォーム4)のアミノ酸配列を次に示す(配列番号127)。ALK7アイソフォーム3と同様に、アイソフォーム4は、膜貫通ドメインを欠き、したがって、その全体が可溶性であることが提案される(Robertsら、2003年、Biol Reprod 68巻:1719~1726頁)。配列番号127のN末端バリアントは、後述する通りに予測される。
Figure 0007280182000078
プロセシングされていないALK7ポリペプチド前駆体タンパク質(アイソフォーム4)をコードする核酸配列を配列番号239に示し、これは、NCBI参照配列NM_001111033.1のヌクレオチド244~1244に対応する。プロセシングされたALK7ポリペプチド(アイソフォーム4)をコードする核酸配列は、配列番号240に示す。
ラットにおける全長ALK7(アイソフォーム1)のシグナル配列(NCBI参照配列NP_620790.1を参照)、ならびにヒトおよびラットALK7の間の高い程度の配列同一性に基づき、プロセシング形態のヒトALK7アイソフォーム1が次の通りであることが予測される(配列番号128)。
Figure 0007280182000079
配列番号123が、N末端において1、2、3、4、5、6または7アミノ酸が短縮された、また、配列番号128が、N末端において1または2アミノ酸が短縮された、プロセシングされたALK7アイソフォーム1の活性バリアントが予測される。配列番号128と一貫して、ロイシンが、プロセシング形態のヒトALK7アイソフォーム3(配列番号126)およびヒトALK7アイソフォーム4(配列番号127)におけるN末端アミノ酸であることがさらに予想される。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのALK7ポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、ポリペプチドは、その断片、機能的バリアントおよび修飾形態を含む。好ましくは、本開示の発明(例えば、ALK7ポリペプチドを含むヘテロ多量体およびそれらの使用)に従って使用するためのALK7ポリペプチドは、可溶性(例えば、ALK7の細胞外ドメイン)である。他の好ましい実施形態では、本開示の発明に従って使用するためのALK7ポリペプチドは、1つもしくは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合し、および/またはそのようなリガンドの活性(例えば、Smad2/3および/またはSmad1/5/8シグナル伝達の誘導)を阻害する(そのような活性に拮抗する)一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号120、123、129、130、124、125、121、126、122、127、128、133または134のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である少なくとも1つのALK7ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号120、123、129、130、124、125、121、126、122、127、128、133または134のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である少なくとも1つのALK7ポリペプチドからなるまたはそれから本質的になる。
ある特定の態様では、本開示は、ALK7-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ALK7-Fc融合タンパク質は、配列番号120、121または122のアミノ酸21~28(例えば、アミノ酸残基21、22、23、24、25、26、27および28)のいずれか1つで始まり、配列番号120、121または122のアミノ酸92~113(例えば、アミノ酸残基92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112および113)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK7ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK7-Fc融合タンパク質は、配列番号120、121または122のアミノ酸28~92と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK7ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK7-Fc融合タンパク質は、配列番号120、121または122のアミノ酸21~113と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK7ドメインを含む。一部の実施形態では、ALK7-Fc融合タンパク質は、配列番号120、123、124、125、121、126、122、127、128、129、130、131、132、133、134、135および136のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むALK7ドメインを含む。
一部の実施形態では、ALK7-Fc融合タンパク質は、TPAリーダーを用い、これを次に示す(配列番号129):
Figure 0007280182000080
シグナル配列およびリンカー配列に下線が引かれている。可能なホモ二量体複合体のいずれかではなく、ActRIIB-Fc:ALK7-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、上に二重下線で示す通り、2個のアミノ酸置換(リシンをアスパラギン酸で置き換える)を、融合タンパク質のFcドメインに導入することができる。配列番号129のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
このALK7-Fc融合タンパク質は、次の核酸(配列番号255)によってコードされる:
Figure 0007280182000081
Figure 0007280182000082
成熟ALK7-Fc融合タンパク質配列(配列番号130)は、次の通りであることが予想され、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
Figure 0007280182000083
相補的形態のALK7-Fc融合ポリペプチド(配列番号133)を次に示す:
Figure 0007280182000084
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。本明細書に開示されているある特定のFc融合ポリペプチドによるヘテロ二量体形成を誘導するために、上に二重下線で示す通り、4個のアミノ酸置換を、ALK7融合ポリペプチドのFcドメインに導入することができる。さらに、FcドメインのC末端リシン残基は、欠失される場合がある。配列番号133のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
成熟ALK7-Fc融合タンパク質配列(配列番号134)は、次の通りであることが予想され、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000085
ある特定の実施形態では、本開示は、ActRIIAポリペプチドを含むタンパク質複合体に関する。本明細書で使用される場合、「ActRIIA」という用語は、任意の種からのアクチビン受容体IIA型(ActRIIA)タンパク質のファミリー、およびそのようなActRIIAタンパク質から突然変異誘発または他の修飾により誘導されたバリアントを指す。本明細書でのActRIIAへの言及は、現在同定されている形態のいずれか1つへの言及であると解される。ActRIIAファミリーのメンバーは、一般に、システインリッチ領域を含むリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測セリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質ドメインで構成されている膜貫通タンパク質である。
「ActRIIAポリペプチド」という用語は、ActRIIAファミリーメンバーの任意の天然に存在するポリペプチドを含むポリペプチドはもちろん、有用な活性を保持するそれらの任意のバリアント(突然変異体、断片、融合体、およびペプチド模倣形態を含む)も含む。そのようなバリアントActRIIAポリペプチドの例は、本開示の至る所で、ならびに国際特許出願公開番号WO2006/012627に提供されており、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ヒトActRIIA前駆体タンパク質配列は、次の通りである:
Figure 0007280182000086
Figure 0007280182000087
シグナルペプチドは、一重下線により示され;細胞外ドメインは、太字フォントで示され;可能性のある内在性N連結グリコシル化部位は、二重下線により示されている。
プロセシングされた細胞外ヒトActRIIAポリペプチド配列を次に示す:
Figure 0007280182000088
細胞外ドメインのC末端「テイル」は、1本の下線で示す。「テイル」が欠失された配列(Δ15配列)を次に示す:
Figure 0007280182000089
ヒトActRIIA前駆体タンパク質をコードする核酸配列を配列番号241に示し、これは、Genbank参照配列NM_001616.4のヌクレオチド159~1700に対応する。プロセシングされた細胞外ActRIIAポリペプチドをコードする核酸配列を配列番号242に示す。
活性(例えば、リガンド結合性)ActRIIAポリペプチドの一般式は、配列番号137のアミノ酸30から始まり、アミノ酸110で終わるポリペプチドを含む一般式である。したがって、本開示のActRIIAポリペプチドは、配列番号137のアミノ酸30~110と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるポリペプチドを含むことができる。任意選択で、本開示のActRIIAポリペプチドは、任意選択で、それぞれ1~5(例えば、1、2、3、4または5)または3~5(例えば、3、4または5)に及ぶ位置から始まり、110~116(例えば、110、111、112、113、114、115または116)または110~115(例えば、110、111、112、113、114または115)に及ぶ位置で終わり、配列番号137に関して、リガンド結合ポケットにおける1、2、5、10または15個以下の保存的アミノ酸変化、ならびにリガンド結合ポケットにおける位置40、53、55、74、79および/または82におけるゼロ個、1個または複数の非保存的変更を含む、配列番号137のアミノ酸12~82と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるポリペプチドを含む。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのActRIIAポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、ポリペプチドは、その断片、機能的バリアントおよび修飾形態を含む。好ましくは、本開示の発明(例えば、ActRIIAポリペプチドを含むヘテロ多量体およびそれらの使用)に従って使用するためのActRIIAポリペプチドは、可溶性(例えば、ActRIIAの細胞外ドメイン)である。他の好ましい実施形態では、本開示の発明に従って使用するためのActRIIAポリペプチドは、1つもしくは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合し、および/またはそのようなリガンドの活性(例えば、Smad2/3および/またはSmad1/5/8シグナル伝達の誘導)を阻害する(そのような活性に拮抗する)。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号137、138、139、140、141、144または145のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である少なくとも1つのActRIIAポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号137、138、139、140、141、144または145のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である少なくとも1つのActRIIAポリペプチドを含む。
ある特定の態様では、本開示は、ActRIIA-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、ActRIIA-Fc融合タンパク質は、配列番号137のアミノ酸21~30(例えば、アミノ酸残基21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30)のいずれか1つで始まり、配列番号137のアミノ酸110~135(例えば、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134または135)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むActRIIAドメインを含む。一部の実施形態では、ActRIIA-Fc融合タンパク質は、配列番号137のアミノ酸30~110と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むActRIIAドメインを含む。一部の実施形態では、ActRIIA-Fc融合タンパク質は、配列番号137のアミノ酸21~135と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むActRIIAドメインを含む。一部の実施形態では、ActRIIA-Fc融合タンパク質は、配列番号137、138、139、140、141、142、143、144、145、146および147のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むActRIIAドメインを含む。
ActRIIA-Fcポリペプチド配列(配列番号140)を下に示す:
Figure 0007280182000090
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。可能なホモ二量体複合体のいずれかではなく、ActRIIA-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、上に二重下線で示す通り、2個のアミノ酸置換(酸性アミノ酸をリシンで置き換える)を、ActRIIA融合タンパク質のFcドメインに導入することができる。配列番号140のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
このActRIIA-Fc融合タンパク質は、次の核酸配列(配列番号256)によってコードされる:
Figure 0007280182000091
Figure 0007280182000092
成熟ActRIIA-Fc融合ポリペプチド(配列番号141)を次に示し、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000093
ActRIIA-Fcポリペプチド配列(配列番号144)を下に示す:
Figure 0007280182000094
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。可能なホモ二量体複合体のいずれかではなく、ActRIIA-Fc:ALK4-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、上に二重下線で示す通り、2個のアミノ酸置換(セリンをシステインで、トレオニンをトリプトファン(trytophan)で置き換える)を、融合タンパク質のFcドメインに導入することができる。配列番号144のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
成熟ActRIIA-Fc融合ポリペプチド(配列番号145)を次に示し、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000095
ある特定の態様では、本開示は、BMPRIIポリペプチドを含むタンパク質複合体に関する。本明細書で使用される場合、用語「BMPRII」は、いずれかの種由来の骨形成タンパク質受容体II型(BMPRII)タンパク質、および突然変異誘発または他の修飾によるそのようなBMPRIIタンパク質に由来するバリアントのファミリーを指す。本明細書におけるBMPRIIの参照は、現在同定されている形態のいずれか1つの参照であることが理解されている。BMPRIIファミリーのメンバーは一般に、システインリッチ領域を有するリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測されるセリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質ドメインで構成された膜貫通タンパク質である。
「BMPRIIポリペプチド」という用語は、BMPRIIファミリーメンバーの任意の天然に存在するポリペプチドを含むポリペプチドはもちろん、有用な活性を保持するそれらの任意のバリアント(突然変異体、断片、融合体、およびペプチド模倣形態を含む)も含む。
ヒトBMPRII前駆体タンパク質配列(NCBI参照配列NP_001195.2)は、次の通りである:
Figure 0007280182000096
Figure 0007280182000097
シグナルペプチドは、1本の下線で示し、細胞外ドメインは、太字フォントで示す。
プロセシングされた細胞外BMPRIIポリペプチド配列を次に示す:
Figure 0007280182000098
BMPRII前駆体タンパク質をコードする核酸配列は、Genbank参照配列NM_001204.6のヌクレオチド1149~4262に従った、配列番号205に示す。細胞外BMPRIIポリペプチドをコードする核酸配列は、配列番号206に示す。
BMPRII、アイソフォーム2の代替アイソフォーム(GenBank:AAA86519.1)を次に示す:
Figure 0007280182000099
Figure 0007280182000100
シグナルペプチドは、一重下線により示され、細胞外ドメインは、太字フォントで示されている。
プロセシングされた細胞外BMPRIIポリペプチド配列(アイソフォーム2)を次に示す:
Figure 0007280182000101
ヒトBMPRII前駆体タンパク質(アイソフォーム2)をコードする核酸配列を配列番号207に示し、これは、Genbank参照配列U25110.1のヌクレオチド163~1752に対応する。シグナル配列に下線が引かれている。細胞外BMPRIIポリペプチド(アイソフォーム2)をコードする核酸配列を配列番号208に示す。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのBMPRIIポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、ポリペプチドは、その断片、機能的バリアントおよび修飾形態を含む。好ましくは、本開示の発明(例えば、BMPRIIポリペプチドを含むヘテロ多量体およびそれらの使用)に従って使用するためのBMPRIIポリペプチドは、可溶性(例えば、BMPRIIの細胞外ドメイン)である。他の好ましい実施形態では、本開示の発明に従った使用のためのBMPRIIポリペプチドは、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する、および/またはその活性(例えば、Smad2/3および/またはSmad1/5/8シグナル伝達の誘導)を阻害する(に拮抗する)。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号148、150、149、151、152、153、156または157のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である少なくとも1つのBMPRIIポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体複合体は、配列番号148、150、149、151、152、153、156または157のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である少なくとも1つのBMPRIIポリペプチドからなるまたはそれから本質的になる。
ある特定の態様では、本開示は、BMPRII-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、BMPRII-Fc融合タンパク質は、配列番号148または149のアミノ酸27~34(例えば、アミノ酸残基27、28、29、30、31、32、33、および34)のいずれか1つで始まり、配列番号148または149のアミノ酸123~150(例えば、アミノ酸残基123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、および150)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むBMPRIIドメインを含む。一部の実施形態では、BMPRII-Fc融合タンパク質は、配列番号148または149のアミノ酸34~123と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むBMPRIIドメインを含む。一部の実施形態では、BMPRII-Fc融合タンパク質は、配列番号148または149のアミノ酸27~150と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むBMPRIIドメインを含む。一部の実施形態では、BMPRII-Fc融合タンパク質は、配列番号148、150、149、151、152、153、154、155、156、157、158および159のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むBMPRIIドメインを含む。
BMPRII-Fcポリペプチド配列(配列番号152)を下に示す:
Figure 0007280182000102
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。可能なホモ二量体複合体のいずれかではなく、BMPRII-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、上に二重下線で示す通り、2個のアミノ酸置換(酸性アミノ酸をリシンで置き換える)を、BMPRII-Fc融合タンパク質のFcドメインに導入することができる。配列番号152のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
このBMPRII-Fc融合タンパク質は、次の核酸配列(配列番号257)によってコードされる:
Figure 0007280182000103
成熟BMPRII-Fc融合ポリペプチド(配列番号153)を次に示し、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000104
Figure 0007280182000105
BMPRII-Fcポリペプチド配列(配列番号156)を下に示す:
Figure 0007280182000106
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。可能なホモ二量体複合体のいずれかではなく、BMPRII-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、上に二重下線で示す通り、2個のアミノ酸置換(セリンをシステインで、トレオニンをトリプトファンで置き換える)を、融合タンパク質のFcドメインに導入することができる。配列番号156のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
成熟BMPRII-Fc融合ポリペプチド(配列番号157)を次に示し、任意選択で、C末端からリシン(K)を除去して提供することができる。
Figure 0007280182000107
ある特定の態様では、本開示は、TGFBRIIポリペプチドを含むタンパク質複合体に関する。本明細書で使用される場合、「TGFBRII」という用語は、任意の種からの形質転換増殖因子-ベータ受容体II(TGFBRII)タンパク質のファミリー、およびそのようなタンパク質から突然変異誘発または他の修飾により誘導されたバリアントを指す。本明細書でのTGFBRIIへの言及は、現在同定されている形態のいずれか1つへの言及であると解される。TGFBRIIファミリーのメンバーは、一般に、システインリッチ領域を有するリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測セリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質ドメインで構成されている膜貫通タンパク質である。
「TGFBRIIポリペプチド」という用語は、TGFBRIIファミリーメンバーの任意の天然に存在するポリペプチドを含むポリペプチドはもちろん、有用な活性を保持するそれらの任意のバリアント(突然変異体、断片、融合体、およびペプチド模倣形態を含む)も含む。
ヒトTGFBRII前駆体タンパク質配列(NCBI参照配列NP_003233.4)は、以下の通りである:
Figure 0007280182000108
シグナルペプチドは、1本の下線で示し、細胞外ドメインは、太字フォントで示す。
プロセシングされた細胞外TGFBRIIポリペプチド配列は、次の通りである:
Figure 0007280182000109
ヒトTGFBRII前駆体タンパク質をコードする核酸配列は、配列番号196で示され、これは、Genbank参照配列NM_003242.5のヌクレオチド383~2083に対応する。プロセシングされた細胞外TGFBRIIポリペプチドをコードする核酸配列は、配列番号197で示される。
TGFBRIIの代替アイソフォームであるアイソフォームA(NP_001020018.1)は、次の通りである:
Figure 0007280182000110
シグナルペプチドは、一重下線により示され、細胞外ドメインは、太字フォントで示されている。
プロセシングされた細胞外TGFBRIIポリペプチド配列(アイソフォームA)は、次の通りである:
Figure 0007280182000111
TGFBRII前駆体タンパク質(アイソフォームA)をコードする核酸配列は、配列番号202で示され、これは、Genbank参照配列NM_001024847.2のヌクレオチド383~2158に対応する。プロセシングされた細胞外TGFBRIIポリペプチド(アイソフォームA)をコードする核酸配列は、配列番号203で示される。
上述のTGFβRIIアイソフォーム(配列番号194、195、198および199)のいずれも、TGFβRIIアイソフォームCにおいて天然に起こる(Konradら、BMC Genomics 8巻:318頁、2007年)ように、36アミノ酸(配列番号204)の挿入物を、TGFβRII ECDのC末端付近に位置するグルタミン酸残基対(配列番号194の151位と152位;配列番号195の129位と130位;配列番号198の176位と177位;または配列番号199の154位と155位)の間に組み込むことができるだろう。
Figure 0007280182000112
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのTGFBRIIポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、ポリペプチドは、その断片、機能的バリアントおよび修飾形態を含む。好ましくは、本開示の発明(例えば、TGFBRIIポリペプチドを含むヘテロ多量体およびそれらの使用)に従って使用するためのTGFBRIIポリペプチドは、可溶性(例えば、TGFBRIIの細胞外ドメイン)である。他の好ましい実施形態では、本開示の発明に従って使用するためのTGFBRIIポリペプチドは、1つもしくは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合し、および/またはそのようなリガンドの活性(例えば、Smad2/3および/またはSmad1/5/8シグナル伝達の誘導)を阻害する(そのような活性に拮抗する)。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、上記のような配列番号204の挿入を伴うまたは伴わない、配列番号194、195、198もしくは199のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一である少なくとも1つのTGFBRIIポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体複合体は、配列番号204の挿入を伴うまたは伴わない、配列番号194、195、198もしくは199のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、もしくは100%同一である少なくとも1つのTGFBRIIポリペプチドからなるか、またはそのようなポリペプチドから本質的になる。
ある特定の態様では、本開示は、TGFBII-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、TGFBII-Fc融合タンパク質は、配列番号160のアミノ酸23~44(例えば、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43または44)のいずれか1つで始まり、配列番号160のアミノ酸168~191(例えば、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190または191)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むTGFBRIIドメインを含む。一部の実施形態では、TGFBRII-Fc融合タンパク質は、配列番号160のアミノ酸44~168と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むTGFBRIIドメインを含む。一部の実施形態では、TGFBRII-Fc融合タンパク質は、配列番号160のアミノ酸23~191と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むTGFBRIIドメインを含む。一部の実施形態では、TGFBRII-Fc融合タンパク質は、配列番号161、162、160、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178および179のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むTGFBRIIドメインを含む。一部の実施形態では、TGFBII-Fc融合タンパク質は、配列番号161のアミノ酸23~51(例えば、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50および51)のいずれか1つで始まり、配列番号161のアミノ酸143~166(例えば、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165および166)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むTGFBRIIドメインを含む。一部の実施形態では、TGFBRII-Fc融合タンパク質は、配列番号161のアミノ酸51~143と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むTGFBRIIドメインを含む。一部の実施形態では、TGFBRII-Fc融合タンパク質は、配列番号161のアミノ酸23~166と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むTGFBRIIドメインを含む。
ヒトTGFBRII前駆体タンパク質配列(NCBI Ref Seq NP_003233.4)を次に示す:
Figure 0007280182000113
シグナルペプチドは、1本の下線で示し、細胞外ドメインは、太字フォントで示す。
プロセシングされた細胞外TGFBRIIポリペプチド配列を次に示す:
Figure 0007280182000114
TGFBRIIの代替アイソフォーム、アイソフォームA(NP_001020018.1)を次に示す:
Figure 0007280182000115
シグナルペプチドは、1本の下線で示し、細胞外ドメインは、太字フォントで示す。
プロセシングされた細胞外TGFBRIIポリペプチド配列(アイソフォームA)を次に示す:
Figure 0007280182000116
TGFβRIISHORT-Fcポリペプチド配列(配列番号164)を下に示す:
Figure 0007280182000117
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。可能なホモ二量体複合体のいずれかではなく、TGFβRIISHORT-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、上に二重下線で示す通り、2個のアミノ酸置換(酸性アミノ酸をリシンで置き換える)を、TGFβRIISHORT-Fc融合タンパク質のFcドメインに導入することができる。配列番号164のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
このTGFβRIISHORT-Fc融合タンパク質は、次の核酸配列(配列番号259)によってコードされる:
Figure 0007280182000118
成熟TGFβRIISHORT-Fc融合ポリペプチド(配列番号165)を次に示し、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000119
TGFβRIILONG-Fcポリペプチド配列(配列番号166)を下に示す:
Figure 0007280182000120
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。可能なホモ二量体複合体のいずれかではなく、TGFβRIILONG-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、上に二重下線で示す通り、2個のアミノ酸置換(酸性アミノ酸をリシンで置き換える)を、TGFβRIILONG-Fc融合タンパク質のFcドメインに導入することができる。配列番号166のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
このTGFβRIILONG-Fc融合タンパク質は、次の核酸配列(配列番号260)によってコードされる:
Figure 0007280182000121
Figure 0007280182000122
成熟TGFβRIILONG-Fc融合ポリペプチド(配列番号167)を次に示し、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000123
非対称Fc融合タンパク質を使用してヘテロ多量体複合体の形成を促進する第2のアプローチにおいて、Fcドメインは、相補的な疎水性相互作用および追加的な分子間ジスルフィド結合を導入するように変更される。
TGFβRIISHORT-Fcポリペプチド配列(配列番号172)を下に示す:
Figure 0007280182000124
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。可能なホモ二量体複合体のいずれかではなく、TGFβRIISHORT-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、上に二重下線で示す通り、2個のアミノ酸置換(セリンをシステインで、トレオニンをトリプトファンで置き換える)を、融合タンパク質のFcドメインに導入することができる。配列番号172のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
成熟TGFβRIISHORT-Fc融合ポリペプチド(配列番号173)を次に示し、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000125
本明細書に開示されているある特定のFc融合ポリペプチドによるヘテロ二量体形成を誘導するために、4個のアミノ酸置換を、ALK1融合ポリペプチドのFcドメインに導入することができる。
一部の実施形態では、TGFβRIILONG-Fcポリペプチド配列(配列番号174)は下に示す通りである:
Figure 0007280182000126
リーダー配列およびリンカー配列に下線が引かれている。可能なホモ二量体複合体のいずれかではなく、TGFβRIILONG-Fc:ActRIIB-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、上に二重下線で示す通り、2個のアミノ酸置換(セリンをシステインで、トレオニンをトリプトファンで置き換える)を、融合タンパク質のFcドメインに導入することができる。配列番号174のアミノ酸配列は、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
成熟TGFβRIILONG-Fc融合ポリペプチド(配列番号175)を次に示し、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000127
ある特定の態様では、本開示は、MISRIIポリペプチドを含むタンパク質複合体に関する。本明細書で使用される場合、「MISRII」という用語は、任意の種からのミュラー管阻害因子受容体II型(MISRII)タンパク質のファミリー、およびそのようなMISRIIタンパク質から突然変異誘発または他の修飾により誘導されたバリアントを指す。本明細書でのMISRIIへの言及は、現在同定されている形態のいずれか1つへの言及であると解される。MISRIIファミリーのメンバーは、一般に、システインリッチ領域を有するリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および予測セリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質ドメインで構成されている膜貫通タンパク質である。
「MISRIIポリペプチド」という用語は、MISRIIファミリーメンバーの任意の天然に存在するポリペプチドを含むポリペプチドはもちろん、有用な活性を保持するそれらの任意のバリアント(突然変異体、断片、融合体、およびペプチド模倣形態を含む)も含む。
ヒトMISRII前駆体タンパク質配列(NCBI参照配列NP_065434.1)は、次の通りである:
Figure 0007280182000128
シグナルペプチドは、一重下線により示され、細胞外ドメインは、太字フォントで示されている。
プロセシングされた細胞外MISRIIポリペプチド配列は、次の通りである:
Figure 0007280182000129
MISRII前駆体タンパク質をコードする核酸配列は、配列番号209で示され、これは、Genbank参照配列NM_020547.2のヌクレオチド81~1799に対応する。細胞外ヒトMISRIIポリペプチドをコードする核酸配列は、配列番号210で示される。
ヒトMISRII前駆体タンパク質配列の代替アイソフォームであるアイソフォーム2(NCBI参照配列NP_001158162.1)は、次の通りである:
Figure 0007280182000130
シグナルペプチドは、1本の下線で示し、細胞外ドメインは、太字フォントで示す。
プロセシングされた細胞外MISRIIポリペプチド配列(アイソフォーム2)は、次の通りである:
Figure 0007280182000131
MISRII前駆体タンパク質(アイソフォーム2)をコードする核酸配列は、配列番号211で示され、これは、Genbank参照配列NM_001164690.1のヌクレオチド81~1514に対応する。プロセシングされた可溶性(細胞外)ヒトMISRIIポリペプチド(アイソフォーム2)をコードする核酸配列は、配列番号212で示される。
ヒトMISRII前駆体タンパク質配列の代替アイソフォームであるアイソフォーム3(NCBI参照配列NP_001158163.1)は、次の通りである:
Figure 0007280182000132
シグナルペプチドは、1本の下線で示し、細胞外ドメインは、太字フォントで示す。
プロセシングされた細胞外MISRIIポリペプチド配列(アイソフォーム3)を次に示す:
Figure 0007280182000133
ヒトMISRII前駆体タンパク質(アイソフォーム3)をコードする核酸配列は、配列番号213で示され、これは、Genbank参照配列NM_001164691.1のヌクレオチド81~1514に対応する。プロセシングされた可溶性(細胞外)ヒトMISRIIポリペプチド(アイソフォーム3)をコードする核酸配列は、配列番号214で示される。
ある特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つのMISRIIポリペプチドを含むヘテロ多量体に関し、ポリペプチドは、その断片、機能的バリアントおよび修飾形態を含む。好ましくは、本開示の発明(例えば、MISRIIポリペプチドを含むヘテロ多量体およびそれらの使用)に従って使用するためのMISRIIポリペプチドは、可溶性(例えば、MISRIIの細胞外ドメイン)である。他の好ましい実施形態では、本開示の発明に従って使用するためのMISRIIポリペプチドは、1つもしくは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合し、および/またはそのようなリガンドの活性(例えば、Smad2/3および/またはSmad1/5/8シグナル伝達の誘導)を阻害する(そのような活性に拮抗する)。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号180、183、184、182もしくは185のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一である少なくとも1つのMISRIIポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本開示のヘテロ多量体は、配列番号180、183、184、182もしくは185のアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、もしくは100%同一である少なくとも1つのMISRIIポリペプチドからなるか、またはそのようなポリペプチドから本質的になる。
ある特定の態様では、本開示は、MISRII-Fc融合タンパク質を含むヘテロ多量体に関する。一部の実施形態では、MISRII-Fc融合タンパク質は、配列番号180、181または182のアミノ酸17~24(例えば、アミノ酸残基17、18、19、20、21、22、23および24)のいずれか1つで始まり、配列番号180、181または182のアミノ酸116~149(例えば、アミノ酸残基116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148および149)のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むMISRIIドメインを含む。一部の実施形態では、MISRII-Fc融合タンパク質は、配列番号180、181または182のアミノ酸24~116と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むMISRIIドメインを含む。一部の実施形態では、MISRII-Fc融合タンパク質は、配列番号180、181または182のアミノ酸17~149と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むMISRIIドメインを含む。一部の実施形態では、MISRII-Fc融合タンパク質は、配列番号180、183、181、184、182、185、186、187、188、189、190、191、192および193のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むMISRIIドメインを含む。
一部の実施形態では、本開示は、治療有効性または安定性(例えば、有効期間およびin vivoでの耐タンパク質分解性)を増強するというような目的で、TGF-ベータスーパーファミリーI型受容体ポリペプチド(例えば、ALK1、ALK2、ALK3、ALK4、ALK5、ALK6、およびALK7)および/またはTGF-ベータスーパーファミリーII型受容体ポリペプチド(例えば、ActRIIA、ActRIIB、TGFBRII、BMPRII、およびMISRII)の構造を修飾することにより機能的バリアントを作製することを企図している。バリアントを、アミノ酸置換、欠失、付加、またはこれらの組合せにより産生することができる。例えば、ロイシンのイソロイシンまたはバリンでの、アスパラギン酸塩のグルタミン酸塩での、トレオニンのセリンでの孤立した置き換え、またはアミノ酸の構造的に関連性があるアミノ酸での同様の置き換え(例えば、保存的突然変異)が、結果として得られる分子の生物活性に大きな影響を与えないと予想することは理にかなっている。保存的置き換えは、側鎖に関連性があるアミノ酸のファミリー内で起こるものである。本開示のポリペプチドのアミノ酸配列の変化が、機能的ホモログを生じさせるかどうかは、細胞において野生型ポリペプチドと同様の方法で応答を生じさせるバリアントポリペプチドの能力、または例えば、BMP2、BMP2/7、BMP3、BMP4、BMP4/7、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b、BMP9、BMP10、GDF3、GDF5、GDF6/BMP13、GDF7、GDF8、GDF9b/BMP15、GDF11/BMP11、GDF15/MIC1、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンE、アクチビンAB、アクチビンAC、アクチビンAE、アクチビンBC、アクチビンBE、ノーダル、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、アルテミン、パーセフィン、MIS、およびレフティーを含む、1つもしくは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドに結合する、バリアントポリペプチドの能力を評定することによって、容易に判定することができる。
一部の実施形態では、本開示は、治療有効性または安定性を増強する(例えば、有効期間延長、および/または耐タンパク質分解性増大)というような目的で、TGF-ベータスーパーファミリーI型受容体ポリペプチドおよび/またはTGF-ベータスーパーファミリーII型受容体ポリペプチドの構造を修飾することにより機能的バリアントを作製することを企図している。
ある特定の実施形態では、本開示は、ポリペプチドのグリコシル化を変化させるための、本開示のTGF-ベータスーパーファミリーI型受容体ポリペプチド(例えば、ALK1、ALK2、ALK3、ALK4、ALK5、ALK6、およびALK7)および/またはTGF-ベータスーパーファミリーII型受容体ポリペプチド(例えば、ActRIIA、ActRIIB、TGFBRII、BMPRII、およびMISRII)受容体の特異的突然変異を企図している。そのような突然変異は、O連結またはN連結グリコシル化部位などの、1つまたは複数のグリコシル化部位を導入するために、または消失させるために、選択され得る。アスパラギン連結グリコシル化認識部位は、適切な細胞グリコシル化酵素により特異的に認識されるトリペプチド配列である、アスパラギン-X-トレオニンまたはアスパラギン-X-セリン(ここでの「X」は任意のアミノ酸である)を、一般に含む。ポリペプチドの配列への(O連結グリコシル化部位に対する)1つもしくは複数のセリンもしくはトレオニン残基の付加により、またはそのような残基による置換により、変更を加えることもできる。グリコシル化認識部位の第1もしくは第3のアミノ酸位置の一方もしくは両方における様々なアミノ酸の置換もしくは欠失(および/または第2位におけるアミノ酸欠失)は、修飾トリペプチド配列における非グリコシル化をもたらす。ポリペプチド上の糖鎖部分の数を増加させる別の手段は、グリコシドとポリペプチドとの化学的または酵素的カップリングによるものである。使用されるカップリング方法に依存して、糖を、(a)アルギニンおよびヒスチジン;(b)遊離カルボキシル基;(c)システインのものなどの遊離スルフヒドリル基;(d)セリン、トレオニンもしくはヒドロキシプロリンのものなどの遊離ヒドロキシル基;(e)フェニルアラニン、チロシンもしくはトリプトファンのものなどの芳香族残基;または(f)グルタミンのアミド基に結合させることができる。ポリペプチド上に存在する1つまたは複数の糖鎖部分の除去は、化学的におよび/または酵素的に遂行することができる。化学的脱グリコシル化は、例えば、化合物トリフルオロメタンスルホン酸または同等の化合物へのポリペプチドの曝露を含み得る。この処置は、アミノ酸配列を原形のまま残しつつ、連結している糖(N-アセチルグルコサミンまたはN-アセチルガラクトサミン)を除いてほとんどのまたはすべての糖を切断する結果となる。ポリペプチド上の糖鎖部分の酵素的切断は、Thotakuraら[Meth. Enzymol.(1987年)138巻:350頁]によって記載されたような様々なエンドおよびエキソグリコシダーゼの使用により果すことができる。哺乳動物、酵母、昆虫および植物細胞は、すべて、ペプチドのアミノ酸配列による影響を受け得る異なるグリコシル化パターンを導入することができるので、使用する発現系のタイプに依存して、必要に応じてポリペプチドの配列を調整することができる。一般に、ヒトにおける使用のための本開示のTGF-ベータスーパーファミリーI型およびII型受容体複合体は、適切なグリコシル化をもたらす哺乳動物細胞系、例えば、HEK293またはCHO細胞系において発現させることができるが、他の哺乳動物発現細胞系も有用であると予想される。
本開示は、突然変異体、特に、本明細書で開示されるTGF-ベータスーパーファミリーI型受容体ポリペプチド(例えば、ALK1、ALK2、ALK3、ALK4、ALK5、ALK6、およびALK7)および/またはTGF-ベータスーパーファミリーII型受容体ポリペプチド(例えば、ActRIIA、ActRIIB、TGFBRII、BMPRII、およびMISRII)のコンビナトリアル突然変異体のセット、ならびに短縮突然変異体を作製する方法をさらに企図している。コンビナトリアル突然変異体のプールは、機能的に活性な(例えば、リガンド結合)TGF-ベータスーパーファミリーI型および/またはTGF-ベータスーパーファミリーII型受容体配列の同定に、特に有用である。そのようなコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングする目的は、例えば、薬物動態の変化またはリガンド結合の変化などの特性の変化を有するポリペプチドバリアントを生成することであり得る。様々なスクリーニングアッセイが下記で提供され、そのようなアッセイを使用してバリアントを評価することができる。例えば、TGF-ベータスーパーファミリーIおよびII型受容体複合体バリアントを、TGF-ベータスーパーファミリーリガンド(例えば、BMP2、BMP2/7、BMP3、BMP4、BMP4/7、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b、BMP9、BMP10、GDF3、GDF5、GDF6/BMP13、GDF7、GDF8、GDF9b/BMP15、GDF11/BMP11、GDF15/MIC1、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンE、アクチビンAB、アクチビンAC、アクチビンAE、アクチビンBC、アクチビンBE、ノーダル、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、アルテミン、パーセフィン、MIS、およびレフティー)に結合する能力、TGF-ベータスーパーファミリーリガンドのTGF-ベータスーパーファミリー受容体への結合を防止する能力、および/またはTGF-ベータスーパーファミリーリガンドによって引き起こされるシグナル伝達に干渉する能力について、スクリーニングすることができる。
本開示のTGF-ベータスーパーファミリーヘテロ多量体の活性を、例えば、細胞に基づくin vivoアッセイで、試験することもできる。例えば、遺伝子の発現、または筋肉細胞での筋肉産生に関与するタンパク質の活性に対する、ヘテロ多量体複合体の効果を評定することができる。これを、必要に応じて、1つまたは複数の組換えTGF-ベータスーパーファミリーリガンドタンパク質(例えば、BMP2、BMP2/7、BMP3、BMP4、BMP4/7、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b、BMP9、BMP10、GDF3、GDF5、GDF6/BMP13、GDF7、GDF8、GDF9b/BMP15、GDF11/BMP11、GDF15/MIC1、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンE、アクチビンAB、アクチビンAC、アクチビンAE、アクチビンBC、アクチビンBE、ノーダル、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、アルテミン、パーセフィン、MIS、およびレフティー)の存在下で行うことができ、細胞に、TGF-ベータスーパーファミリーIおよびII型受容体複合体ならびに任意選択でTGF-ベータスーパーファミリーリガンドを産生するように、トランスフェクトすることができる。同様に、本開示のヘテロ多量体複合体をマウスまたは他の動物に投与することができ、当技術分野で認知されている方法を使用して、筋肉形成および強度などの1つまたは複数の測定値を評定することができる。同様に、ヘテロ多量体またはそのバリアントの活性を、骨芽細胞、脂肪細胞および/または神経細胞において、これらの細胞の増殖に対する任意の効果について、例えば、本明細書に記載のアッセイおよび当技術分野において常識のアッセイにより、試験することができる。SMAD反応性レポーター遺伝子をそのような細胞系において使用して、下流のシグナル伝達に対する効果をモニターすることができる。
参照TGF-ベータスーパーファミリーヘテロ多量体と比較して選択性の増加または一般に効力の増大を有する、コンビナトリアル由来バリアントを生成することができる。そのようなバリアントは、組換えDNA構築物から発現された場合、遺伝子療法プロトコールで使用することができる。同様に、突然変異誘発は、対応する未修飾TGF-ベータスーパーファミリーヘテロ多量体とは劇的に異なる細胞内半減期を有するバリアントを生じさせることができる。例えば、変化したタンパク質を、タンパク質分解に対して、または未修飾ポリペプチドの崩壊もしくは別様の不活性化を生じさせる他の細胞過程に対して、より安定にまたはより不安定にさせることができる。そのようなバリアント、およびそれらをコードする遺伝子を利用して、ポリペプチドの半減期をモジュレートすることによりポリペプチド複合体レベルを変更することができる。例えば、短い半減期は、より短期的な生物学的効果を生じさせることができ、誘導性発現系の部分の場合、細胞内の組換えポリペプチド複合体レベルのより厳格な調節を可能にすることができる。Fc融合タンパク質では、リンカー(存在する場合)および/またはFc部分において突然変異を生じさせて、例えば免疫原性、半減期および可溶性を含む、TGF-ベータスーパーファミリーヘテロ多量体複合体の1つまたは複数の活性を変化させることができる。
当技術分野で公知の多くの方法を使用して、本開示のヘテロ多量体を生成することができる。例えば、第1および第2のポリペプチドの間にジスルフィド結合が形成されるように、遊離チオールが、第2のポリペプチド(例えば、未修飾ActRIIBポリペプチドまたは第1のポリペプチドに存在するものとは異なるバリアントActRIIBポリペプチド)における別の遊離チオール含有残基と相互作用するように、第1のポリペプチド(例えば、バリアントActRIIBポリペプチド)において、天然に存在するアミノ酸を、システインなどの遊離チオール含有残基で置き換えることにより、天然に存在しないジスルフィド結合を構築することができる。ヘテロ多量体形成を促進するための相互作用のさらなる例は、Kjaergaardら、WO2007147901に記載されているものなどのイオン性相互作用;Kannanら、U.S.8,592,562に記載されているものなどの静電ステアリング効果;Christensenら、U.S.20120302737に記載されているものなどのコイルドコイル相互作用;PackおよびPlueckthun、(1992年)Biochemistry 31巻:1579~1584頁に記載されているものなどのロイシンジッパー;およびPackら(1993年)Bio/Technology 11巻:1271~1277頁に記載されているものなどのヘリックス・ターン・ヘリックスモチーフを含むが、これらに限定されない。様々なセグメントの連結は、例えば、化学的架橋、ペプチドリンカー、ジスルフィドブリッジなどによるような共有結合によって、またはアビジン-ビオチンもしくはロイシンジッパー技術によるような親和性相互作用によって、達成することができる。
ある特定の態様では、多量体化ドメインは、相互作用対の一方の構成成分を含むことができる。一部の実施形態では、本明細書に開示されているポリペプチドは、第2のポリペプチドと共有結合または非共有結合により会合された第1のポリペプチドを含むタンパク質複合体を形成することができ、第1のポリペプチドは、バリアントActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列および相互作用対の第1のメンバーのアミノ酸配列を含み;第2のポリペプチドは、未修飾ActRIIBポリペプチドまたは第1のポリペプチドに存在するものとは異なるバリアントActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列、および相互作用対の第2のメンバーのアミノ酸配列を含む。相互作用対は、相互作用して、複合体、特にヘテロ二量体複合体を形成する、いずれか2つのポリペプチド配列となり得るが、効力のある実施形態は、ホモ二量体複合体を形成することができる相互作用対を用いることもできる。相互作用対を、血清半減期の延長などの特性/活性の向上を付与するように選択してもよく、または特性/活性の向上をもたらすために別の部分を結合させるアダプターとして作用するように選択してもよい。例えば、ポリエチレングリコール部分を、血清半減期の延長などの特性/活性の向上をもたらすために相互作用対の一方または両方の成分に結合させてもよい。
相互作用対の第1および第2のメンバーは、非対称対であってもよく、これは、対のメンバーが、自己会合するのではなく優先的に互いに会合することを意味する。したがって、非対称の相互作用対の第1および第2のメンバーは、ヘテロ二量体複合体(例えば、図1Bを参照されたい)を形成するように会合し得る。あるいは、相互作用対は、無誘導であってもよく、これは、対のメンバーが、実質的な優先性なく、互いに会合することもあり、または自己会合することもあり、したがって、同じアミノ酸配列を有することもあり、または異なるアミノ酸配列を有することもあることを意味する(例えば、図1Aを参照されたい)。したがって、無誘導相互作用対の第1および第2のメンバーは、ホモ二量体複合体を形成するように会合することもあり、またはヘテロ二量体複合体を形成するように会合することもある。任意選択で、相互作用対(例えば、非対称対または無誘導相互作用対)の第1のメンバーは、相互作用対の第2のメンバーと共有結合で会合する。任意選択で、相互作用対(例えば、非対称対または無誘導相互作用対)の第1のメンバーは、相互作用対の第2のメンバーと非共有結合で会合する。
具体例として、本開示は、免疫グロブリンまたはFcドメインのCH1、CH2またはCH3ドメインなど、免疫グロブリンの定常ドメインを含むポリペプチドに融合された、バリアントActRIIBポリペプチドまたは未修飾ActRIIBポリペプチドを含む融合タンパク質を提供する。ヒトIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4に由来するFcドメインは、本明細書で提供される。CDCまたはADCC活性のどちらかを低下させる他の突然変異は公知であり、まとめて、これらのバリアントのいずれもが本開示に含まれ、本開示のヘテロ多量体の有利な成分として使用され得る。任意選択で、配列番号13のIgG1 Fcドメインは、Asp-265、Lys-322およびAsn-434(対応する完全長IgG1に従って番号付けされた)などの残基における1つまたは複数の突然変異を有する。ある特定の場合、これらの突然変異の1つまたは複数(例えば、Asp-265突然変異)を有するバリアントFcドメインは、野生型Fcドメインと比較してFcγ受容体に結合する能力が低下している。他の場合、これらの突然変異の1つまたは複数(例えば、Asn-434突然変異)を有するバリアントFcドメインは、野生型Fcドメインと比較してMHCクラスI関連Fc受容体(FcRN)に結合する能力が増大している。
ヒトIgG1のFc部分(G1Fc)に使用され得る天然アミノ酸配列の例は、下記で示される(配列番号13)。点線下線は、ヒンジ領域を示し、実線下線は、天然に存在するバリアントを有する位置を示す。一部には、本開示は、配列番号13に対して70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、そのようなアミノ酸配列からなるか、またはそのようなアミノ酸配列から本質的になるポリペプチドを提供する。G1Fcにおける天然に存在するバリアントは、配列番号13で使用された番号付けシステム(Uniprot P01857を参照されたい)に従ってE134DおよびM136Lを含むであろう。
Figure 0007280182000134
ヒトIgG2のFc部分(G2Fc)に使用され得る天然アミノ酸配列の例は、下記で示される(配列番号14)。点線下線は、ヒンジ領域を示し、二重下線は、配列にデータベースコンフリクトがある位置を示す(UniProt P01859に従う)。一部には、本開示は、配列番号14に対して70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、そのようなアミノ酸配列からなるか、またはそのようなアミノ酸配列から本質的になるポリペプチドを提供する。
Figure 0007280182000135
ヒトIgG3のFc部分(G3Fc)に使用され得るアミノ酸配列の2つの例は、下記で示される。G3Fcにおけるヒンジ領域は、他のFc鎖における場合の4倍以下の長さであることができ、3つの同一の15残基セグメントを含有し、その前に同様の17残基セグメントがある。下記で示される第1のG3Fc配列(配列番号15)は、単一の15残基セグメントからなる短いヒンジ領域を含有するが、第2のG3Fc配列(配列番号16)は、完全長ヒンジ領域を含有する。各々の場合、UniProt P01859に従って、点線下線は、ヒンジ領域を示し、実線下線は、天然に存在するバリアントを有する位置を示す。一部には、本開示は、配列番号15および16に対して70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、そのようなアミノ酸配列からなるか、またはそのようなアミノ酸配列から本質的になるポリペプチドを提供する。
Figure 0007280182000136
G3Fcにおける天然に存在するバリアント(例えば、Uniprot P01860を参照されたい)は、配列番号15に使用された番号付けシステムに変換した場合、E68Q、P76L、E79Q、Y81F、D97N、N100D、T124A、S169N、S169del、F221Yを含み、本開示は、これらの変異の1つまたは複数を含有するG3Fcドメインを含む融合タンパク質を提供する。加えて、ヒト免疫グロブリンIgG3遺伝子(IGHG3)は、異なるヒンジ長を特徴とする構造的多型を示す[Uniprot P01859を参照されたい]。具体的には、バリアントWISは、V領域の大部分およびCH1領域のすべてを欠いている。バリアントWISは、ヒンジ領域に通常は存在する11個に加えて7位に追加の鎖間ジスルフィド結合を有する。バリアントZUCは、V領域の大部分、CH1領域のすべて、およびヒンジの一部を欠く。バリアントOMMは、対立遺伝子形を表すこともあり、または別のガンマ鎖サブクラスを表すこともある。本開示は、これらのバリアントの1つまたは複数を含有するG3Fcドメインを含むさらなる融合タンパク質を提供する。
ヒトIgG4のFc部分(G4Fc)に使用され得る天然アミノ酸配列の例は、下記で示される(配列番号17)。点線下線は、ヒンジ領域を示す。一部には、本開示は、配列番号17に対して70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、そのようなアミノ酸配列からなるか、またはそのようなアミノ酸配列から本質的になるポリペプチドを提供する。
Figure 0007280182000137
Fcドメインにおける種々の工学的に作製された突然変異が、G1Fc配列(配列番号13)に関して本明細書で提示され、G2Fc、G3FcおよびG4Fcにおける類似の突然変異を図4におけるG1Fcとのそれらのアラインメントから導出することができる。等しくないヒンジ長のため、アイソタイプアラインメント(図4)に基づく類似のFc位置は、配列番号13、14、15および17において異なるアミノ酸番号を有する。ヒンジ、C2およびC3領域からなる免疫グロブリン配列(例えば、配列番号13、14、15または17)における所与のアミノ酸位置が、番号付けが、Uniprotデータベースの場合のように(C1、ヒンジ、C2およびC3領域からなる)IgG1重鎖定常ドメイン全体を包含するときの同じ位置とは異なる番号によって特定されることになることも理解され得る。例えば、ヒトG1Fc配列(配列番号13)、ヒトIgG1重鎖定常ドメイン(Uniprot P01857)およびヒトIgG1重鎖における選択されたC3位置間の対応は、次の通りである。
Figure 0007280182000138
Figure 0007280182000139
単一の細胞系からの非対称の免疫グロブリンに基づくタンパク質の大規模産生の際に生じる問題は、「鎖会合課題」として公知である。二特異性抗体の産生の際に主として直面するように、鎖会合問題は、異なる重鎖および/または軽鎖が単一の細胞系において産生される場合に本質的に生じる複数の組合せの中から所望の多鎖タンパク質を効率的に産生させるという難題に関する[例えば、Kleinら(2012年)mAbs 4巻:653~663頁を参照されたい]。この問題は、2つの異なる重鎖および2つの異なる軽鎖が同じ細胞において産生される場合、最も深刻であり、この場合、1つだけが概して所望されるときに可能性のある鎖の組合せが(これらの一部は同一であるが)合計16存在する。それにもかかわらず、同じ原理により、異なる(非対称)重鎖を2つだけ組み込む所望の多鎖融合タンパク質の収量減少が説明される。
好ましい非対称の融合タンパク質を許容可能な収量で産生するために単一の細胞系においてFc含有融合ポリペプチド鎖の所望の対合を増加させる様々な方法が、当技術分野において公知である[例えば、Kleinら(2012年)mAbs 4巻:653~663頁;およびSpiessら(2015年)Molecular Immunology 67巻(2A号):95~106頁を参照されたい]。Fc含有鎖の所望の対合を達成するための方法は、電荷に基づく対合(静電ステアリング)、「ノブ-イントゥ-ホール」立体的対合、SEEDbody対合、およびロイシンジッパーに基づく対合を含むが、これらに限定されない。例えば、Ridgwayら(1996年)Protein Eng 9巻:617~621頁;Merchantら(1998年)Nat Biotech 16巻:677~681頁;Davisら(2010年)Protein Eng Des Sel 23巻:195~202頁;Gunasekaranら(2010年);285巻:19637~19646頁;Wranikら(2012年)J Biol Chem 287巻:43331~43339頁;US5932448;WO1993/011162;WO2009/089004、およびWO2011/034605を参照されたい。本明細書に記載されている通り、これらの方法を使用して、バリアントActRIIBポリペプチド、および別の、任意選択で異なる、バリアントActRIIBポリペプチドまたは未修飾ActRIIBポリペプチドを含むヘテロ二量体を生成することができる。
例えば、特定のポリペプチド間の相互作用を促進することができる1つの手段は、Arathoonら、U.S.7,183,076およびCarterら、U.S.5,731,168に記載されているものなどの、突出-イントゥ-空洞(protuberance-into-cavity)(ノブ-イントゥ-ホール)相補領域を工学的に作製することによるものである。「突出」は、第1のポリペプチド(例えば、第1の相互作用対)の境界面からの小さいアミノ酸側鎖を、より大きい側鎖(例えば、チロシンまたはトリプトファン)で置き換えることによって構築される。突出と同一のまたは同様のサイズの相補的「空洞」が、大きいアミノ酸側鎖をより小さいアミノ酸側鎖(例えば、アラニンまたはトレオニン)で置き換えることによって、第2のポリペプチド(例えば、第2の相互作用対)の境界面に任意選択で作出される。適切な位置にあり、適切な寸法を有する突出または空洞が、第1または第2のポリペプチドのどちらかの境界面に存在する場合、対応する空洞または突出を、それぞれ、隣接する境界面に工学的に作製するだけでよい。
中性pH(7.0)では、アスパラギン酸およびグルタミン酸は、負に荷電しており、リシン、アルギニンおよびヒスチジンは、正に荷電している。これらの荷電残基を使用して、ヘテロ二量体形成を促進すること、および同時にホモ二量体形成を妨げることができる。引力相互作用が、反対の電荷間で起こり、反発相互作用が、同じ電荷間で起こる。一部には、本明細書で開示されるタンパク質複合体は、荷電境界面残基の部位特異的突然変異誘発を行うことにより、ヘテロ多量体形成(例えば、ヘテロ二量体形成)を促進するために引力相互作用を、および任意選択で、ホモ二量体形成(例えば、ホモ二量体形成)を妨げるために反発相互作用を使用する。
例えば、IgG1 CH3ドメイン境界面は、ドメイン-ドメイン相互作用に関与する4種の特有の荷電残基(charge residue)対:Asp356-Lys439’、Glu357-Lys370’、Lys392-Asp399’、およびAsp399-Lys409’[第2の鎖における残基番号付けが(’)により示されている]を含む。IgG1 CH3ドメインにおける残基を指定するためにここで使用される番号付けスキームが、KabatのEU番号付けスキームに準拠することに留意されたい。CH3-CH3ドメイン相互作用に存在する2回対称性のため、各々の特有の相互作用は、構造に2回示されることになる(例えば、Asp-399-Lys409’およびLys409-Asp399’)。野生型配列では、K409-D399’は、ヘテロ二量体形成とホモ二量体形成の両方に有利である。第1の鎖における電荷極性を切り替える単一の突然変異(例えば、K409E;正電荷から負電荷へ)は、第1の鎖のホモ二量体の形成に不利な相互作用をもたらす。不利な相互作用は、同じ電荷(負-負;K409E-D399’およびD399-K409E’)間で起こる反発相互作用に起因して生じる。第2の鎖における電荷極性を切り替える同様の突然変異(D399K’;負から正へ)は、第2の鎖のホモ二量体形成に不利な相互作用(K409’-D399K’およびD399K-K409’)をもたらす。しかし、同時に、これら2つの突然変異(K409EおよびD399K’)は、ヘテロ二量体形成に有利な相互作用(K409E-D399K’およびD399-K409’)をもたらす。
ヘテロ二量体形成およびホモ二量体防止に対する静電ステアリング効果を、例えばArg355およびLys360を含む第2の鎖における反対荷電残基と対合することもあり、またはしないこともある、さらなる荷電残基の突然変異によって、さらに増強することができる。下記の表は、本明細書で開示されるヘテロ多量体のヘテロ多量体形成を増進するために単独でまたは組み合わせて使用することができる、可能性のある電荷変化突然変異を収載する。
Figure 0007280182000140
一部の実施形態では、本願の融合タンパク質におけるCH3-CH3境界面を構成する1つまたは複数の残基は、相互作用が静電的に不利になるような荷電アミノ酸で置き換えられる。例えば、境界面における正荷電アミノ酸(例えば、リシン、アルギニンまたはヒスチジン)は、負荷電アミノ酸(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)で置き換えられる。あるいは、または前述の置換と組み合わせて、境界面における負荷電アミノ酸は、正荷電アミノ酸で置き換えられる。ある特定の実施形態では、アミノ酸は、所望の電荷特性を有する天然に存在しないアミノ酸で置き換えられる。負荷電残基(AspまたはGlu)のHisへの突然変異が、立体的課題の原因になり得る、側鎖体積の増加につながることになることに留意されたい。さらに、Hisプロトン供与体および受容体形態は、局在環境に依存する。これらの課題を設計戦略とともに考慮するべきである。境界面残基は、ヒトおよびマウスIgGサブクラスにおいて高度に保存されるため、本明細書で開示される静電ステアリング効果をヒトおよびマウスIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4に適用することができる。この戦略をCH3ドメイン境界面における非荷電残基の荷電残基への修飾に拡大することもできる。
一部には、本開示は、電荷対合(静電ステアリング)に基づいて相補性になるように工学的に作製されたFc配列を使用する、非対称のFc含有ポリペプチド鎖の所望の対合を提供する。静電相補性によるFc配列の対の一方を、任意選択のリンカーありまたはなしで、構築物の第1のバリアントActRIIBポリペプチド、第2のバリアントActRIIBポリペプチドまたは未修飾ActRIIBポリペプチドに任意で融合して、バリアントActRIIB-Fcまたは未修飾ActRIIB-Fc融合ポリペプチドを生成することができる。この単鎖を、最適な細胞内で第1のFc配列と相補的なFc配列と共に同時発現させて、所望の多重鎖構築物(例えば、バリアントActRIIB-Fcヘテロ多量体)の生成を支持することができる。静電ステアリングに基づくこの例において、配列番号200[ヒトG1Fc(E134K/D177K)]および配列番号201[ヒトG1Fc(K170D/K187D)]は、工学的に作製されたアミノ酸置換に二重下線が引かれている相補的Fc配列の例であり、構築物の第1のバリアントActRIIBポリペプチド、第2のバリアントActRIIBポリペプチドまたは未修飾ActRIIBポリペプチドは、配列番号18または配列番号19のいずれかに融合することができるが、その両方には融合できない。ネイティブhG1Fc、ネイティブhG2Fc、ネイティブhG3FcおよびネイティブhG4Fcの間の高い程度のアミノ酸配列同一性を仮定すると、hG2Fc、hG3FcまたはhG4Fcの対応する位置におけるアミノ酸置換(図4を参照)が、下の相補的hG1Fc対(配列番号18および19)の代わりに使用することができる相補的Fc対を生成するであろうことを認めることができる。
Figure 0007280182000141
一部には、本開示は、立体的相補性のために工学的に作製されたFc配列を使用する、非対称のFc含有ポリペプチド鎖の所望の対合を提供する。一部には、本開示は、ノブ-イントゥ-ホール対合を立体的相補性の例として提供する。立体的相補性によるFc配列の対の一方を、任意選択のリンカーありまたはなしで、構築物の第1のバリアントActRIIBポリペプチド、第2のバリアントActRIIBポリペプチドまたは未修飾ActRIIBポリペプチドに任意で融合して、バリアントActRIIB-Fcまたは未修飾ActRIIB-Fc融合ポリペプチドを生成することができる。この単鎖を、最適な細胞内で第1のFc配列と相補的なFc配列と共に同時発現させて、所望の多重鎖構築物の生成を支持することができる。ノブ・イントゥ・ホール対合に基づくこの例において、配列番号20[ヒトG1Fc(T144Y)]および配列番号21[ヒトG1Fc(Y185T)]は、工学的に作製されたアミノ酸置換に二重下線が引かれている相補的Fc配列の例であり、構築物の第1のバリアントActRIIBポリペプチド、第2のバリアントActRIIBポリペプチドまたは未修飾ActRIIBポリペプチドは、配列番号20または配列番号21のいずれかに融合することができるが、その両方には融合できない。天然hG1Fcと天然hG2Fcと天然hG3Fcと天然hG4Fcの間の高いアミノ酸配列同一性度を考えると、hG2Fc、hG3FcまたはhG4Fc(図4を参照されたい)における対応する位置でのアミノ酸置換が、下記の相補的hG1Fc対(配列番号20および21)の代わりに使用することができる相補的Fc対を生成することになることは理解され得る。
Figure 0007280182000142
Figure 0007280182000143
工学的に作製されたジスルフィド結合と組み合わせたノブ・イントゥ・ホール対合に基づくFc相補性の例は、配列番号22[hG1Fc(S132C/T144W)]および配列番号23[hG1Fc(Y127C/T144S/L146A/Y185V)]に開示されている。これらの配列における工学的に作製されたアミノ酸置換には二重下線が引かれており、構築物の第1のバリアントActRIIBポリペプチド、第2のバリアントActRIIBポリペプチドまたは未修飾ActRIIBポリペプチドは、配列番号22または配列番号23のいずれかに融合することができるが、その両方には融合できない。天然hG1Fcと天然hG2Fcと天然hG3Fcと天然hG4Fcの間の高いアミノ酸配列同一性度を考えると、hG2Fc、hG3FcまたはhG4Fc(図4を参照されたい)における対応する位置でのアミノ酸置換が、下記の相補的hG1Fc対(配列番号22および23)の代わりに使用することができる相補的Fc対を生成することになることは理解され得る。
Figure 0007280182000144
一部には、本開示は、ヒトIgGおよびIgA C3ドメインの指状嵌入β鎖セグメントを生成するように工学的に作製されたFc配列を使用する、非対称のFc含有ポリペプチド鎖の所望の対合を提供する。このような方法は、SEEDbody融合タンパク質の形成を可能にする鎖交換工学的作製ドメイン(SEED)C3ヘテロ二量体の使用を含む[例えば、Davisら(2010年)Protein Eng Design Sel 23巻:195~202頁を参照されたい]。SEEDbody相補性によるFc配列の対の一方を、任意選択のリンカーありまたはなしで、構築物の第1のバリアントActRIIBポリペプチド、第2のバリアントActRIIBポリペプチドまたは未修飾ActRIIBポリペプチドに任意で融合して、バリアントActRIIB-Fcまたは未修飾ActRIIB-Fc融合ポリペプチドを生成することができる。この単鎖を、最適な細胞内で第1のFc配列と相補的なFc配列と共に同時発現させて、所望の多重鎖構築物の生成を支持することができる。SEEDbody(Sb)対合に基づくこの例において、配列番号24[hG1Fc(SbAG)]および配列番号25[hG1Fc(SbGA)]は、IgA Fc由来の工学的に作製されたアミノ酸置換に二重下線が引かれている相補的IgG Fc配列の例であり、構築物の第1のバリアントActRIIBポリペプチド、第2のバリアントActRIIBポリペプチドまたは未修飾ActRIIBポリペプチドは、配列番号24または配列番号25のいずれかに融合することができるが、その両方には融合できない。天然hG1Fcと天然hG2Fcと天然hG3Fcと天然hG4Fcの間の高いアミノ酸配列同一性度を考えると、hG1Fc、hG2Fc、hG3FcまたはhG4Fc(図4を参照されたい)における対応する位置でのアミノ酸置換が、下記の相補的IgG-IgA対(配列番号24および25)において使用することができるFc単量体を生成することになることは理解され得る。
Figure 0007280182000145
一部には、本開示は、Fc C3ドメインのC末端に結合された切断可能ロイシンジッパードメインを用いる非対称のFc含有ポリペプチド鎖の所望の対合を提供する。ロイシンジッパーの結合は、ヘテロ二量体抗体重鎖の優先的構築を生じさせるのに十分である。例えば、Wranikら(2012年)J Biol Chem 287巻:43331~43339頁を参照されたい。本明細書に開示されている通り、ロイシンジッパー形成鎖に結合したFc配列の対の一方を、任意選択のリンカーありまたはなしで、構築物の第1のバリアントActRIIBポリペプチド、第2のバリアントActRIIBポリペプチドまたは未修飾ActRIIBポリペプチドに任意で融合して、バリアントActRIIB-Fcまたは未修飾ActRIIB-Fc融合ポリペプチドを生成することができる。この単鎖を、選ばれた細胞において、所望の多鎖構築物の生成に有利であるように、相補的ロイシンジッパー形成鎖に結合されたFc配列とともに共発現させることができる。精製後の細菌エンドプロテイナーゼLys-Cでの構築物のタンパク質消化は、ロイシンジッパードメインを放出して、構造が天然Fcの構造と同一であるFc構築物をもたらすことができる。ロイシンジッパー対合に基づくこの例において、配列番号26[hG1Fc-Ap1(酸性)]および配列番号27[hG1Fc-Bp1(塩基性)]は、工学的に作製された相補的(complimentary)ロイシンジッパー配列に下線が引かれている相補的IgG Fc配列の例であり、構築物の第1のバリアントActRIIBポリペプチド、第2のバリアントActRIIBポリペプチドまたは野生型ActRIIBポリペプチドは、配列番号26または配列番号27のいずれかに融合することができるが、その両方には融合できない。天然hG1Fcと天然hG2Fcと天然hG3Fcと天然hG4Fcの間の高いアミノ酸配列同一性度を考えると、任意選択のリンカーを用いてまたは用いずにhG1Fc、hG2Fc、hG3FcまたはhG4Fc(図4を参照されたい)に結合されたロイシンジッパー形成配列が、下記の相補的ロイシンジッパー形成対(配列番号26および27)において使用することができるFc単量体を生成することになることは理解され得る。
Figure 0007280182000146
一部には、本開示は、所望のヘテロマー種の精製を助長するFcドメインにおけるさらなる突然変異と組み合わせての上記の方法により、非対称のFc含有ポリペプチド鎖の所望の対合を提供する。例は、一方のFc含有ポリペプチド鎖中の2つの負荷電アミノ酸(アスパラギン酸またはグルタミン酸)および相補的Fc含有ポリペプチド鎖中の2つの正荷電アミノ酸(例えば、アルギニン)(配列番号28~29)のさらなる置換を加えた、配列番号22および23で開示されているような、工学的に作製されたジスルフィド結合と組み合わされたノブ-イントゥ-ホール対合に基づくFcドメインの相補性を用いる。これら4個のアミノ酸置換は、等電点または正味の分子電荷における差に基づく、不均一ポリペプチド混合物からの所望のヘテロマー融合タンパク質の選択的精製を容易にする。これらの配列における工学的に作製されたアミノ酸置換には、下に二重下線が引かれており、構築物の第1のバリアントActRIIBポリペプチド、第2のバリアントActRIIBポリペプチドまたは未修飾ActRIIBポリペプチドは、配列番号28または配列番号29のいずれかに融合することができるが、その両方には融合できない。天然hG1Fcと天然hG2Fcと天然hG3Fcと天然hG4Fcの間の高いアミノ酸配列同一性度を考えると、hG2Fc、hG3FcまたはhG4Fc(図4を参照されたい)における対応する位置でのアミノ酸置換が、下記の相補的hG1Fc対(配列番号28および29)の代わりに使用することができる相補的Fc対を生成することになることは理解され得る。
Figure 0007280182000147
別の例は、一方のFc含有ポリペプチド鎖(配列番号30)の213位におけるヒスチジンのアルギニンへの置換を加えた、配列番号22~23で開示されているような、工学的に作製されたジスルフィド結合と組み合わされたノブ-イントゥ-ホール対合に基づくFcドメインの相補性を含む。この置換(Kabatらの番号付けシステムでH435Rと表示)は、プロテインAに対する親和性における差に基づき、望ましくないホモ二量体からの所望のヘテロマーの分離を容易にする。工学的に作製されたアミノ酸置換は、二重下線で示し、構築物の第1のバリアントActRIIBポリペプチド、第2のバリアントActRIIBポリペプチドまたは未修飾ActRIIBポリペプチドは、配列番号30または配列番号23のいずれかに融合することができるが、その両方には融合できない。天然hG1Fcと天然hG2Fcと天然hG3Fcと天然hG4Fcの間の高いアミノ酸配列同一性度を考えると、hG2Fc、hG3FcまたはhG4Fc(図4を参照されたい)における対応する位置でのアミノ酸置換が、配列番号30(下記)および配列番号23の相補的hG1Fc対の代わりに使用することができる相補的Fc対を生成することになることは理解され得る。
Figure 0007280182000148
Fcドメインにおける種々の工学的に作製された突然変異が、G1Fc配列(配列番号13)に関して上記で提示されている。G2Fc、G3FcおよびG4Fcにおける類似の突然変異を、図4中のG1Fcとのそれらのアラインメントから導出することができる。等しくないヒンジ長のため、アイソタイプアラインメント(図4)に基づく類似のFc位置は、次の表で要約される通り、配列番号13、14、15、16および17において異なるアミノ酸番号を有する。
Figure 0007280182000149
融合タンパク質(例えば、免疫グロブリンFc融合タンパク質)の異なるエレメントを、所望の機能性と一貫したいずれかの様式で配置することができることが理解される。例えば、ActRIIBポリペプチドドメインは、異種ドメインに対してC末端に設置することができる、あるいは、異種ドメインは、ActRIIBポリペプチドドメインに対してC末端に設置することができる。ActRIIBポリペプチドドメインおよび異種ドメインは、融合タンパク質において隣接している必要はなく、追加的なドメインまたはアミノ酸配列が、いずれかのドメインに対してCもしくはN末端に、またはドメインの間に含まれていてよい。
例えば、ActRIIBポリペプチドは、式A-B-Cに表示されるアミノ酸配列を含むことができる。B部分は、ActRIIBポリペプチドドメインに対応する。AおよびC部分は、独立して、0、1、または1より多くのアミノ酸であってもよく、A部分とC部分の両方は、存在する場合、Bに対して異種である。Aおよび/またはC部分は、リンカー配列を介してB部分に結合されていてもよい。リンカーは、グリシン残基を多く含むことがあり(例えば、2~10、2~5、2~4、2~3個のグリシン残基)、またはグリシンおよびプロリン残基を多く含むこともあり、例えば、トレオニン/セリンおよびグリシンの単一の配列、またはトレオニン/セリンおよび/もしくはグリシンの反復配列、例えば、GGG(配列番号261)、GGGG(配列番号262))、TGGGG(配列番号263)、SGGGG(配列番号264)、TGGG(配列番号265)またはSGGG(配列番号266)シングレットまたはリピートを含有することもある。ある特定の実施形態では、ActRIIB融合タンパク質は、式A-B-Cに表示されるアミノ酸配列を含み、式中、Aは、リーダー(シグナル)配列であり、Bは、ActRIIBポリペプチドドメインからなり、Cは、in vivo安定性、in vivo半減期、取り込み/投与、組織局在性もしくは分布、タンパク質複合体の形成、および/または精製のうち1つまたは複数を増強するポリペプチド部分である。ある特定の実施形態では、ActRIIB融合タンパク質は、式A-B-Cに表示されるアミノ酸配列を含み、式中、Aは、TPAリーダー配列であり、Bは、ActRIIBポリペプチドドメインからなり、Cは、免疫グロブリンFcドメインである。
ある特定の実施形態では、本発明のバリアントActRIIBポリペプチドは、バリアントActRIIBポリペプチドを安定化することができる1個または複数の修飾を含有する。例えば、そのような修飾は、バリアントActRIIBポリペプチドのin vitro半減期を増強する、バリアントActRIIBポリペプチドの循環半減期を増強する、またはバリアントActRIIBポリペプチドのタンパク質分解性の分解を減少させる。そのような安定化修飾として、融合タンパク質(例えば、バリアントActRIIBポリペプチドおよび安定剤ドメインを含む融合タンパク質を含む)、グリコシル化部位の修飾(例えば、バリアントActRIIBポリペプチドへのグリコシル化部位の付加を含む)および炭水化物部分の修飾(例えば、バリアントActRIIBポリペプチドからの炭水化物部分の除去を含む)が挙げられるがこれらに限定されない。融合タンパク質の場合、バリアントActRIIBポリペプチドは、IgG分子(例えば、Fcドメイン)などの安定剤ドメインに融合される。本明細書で使用される場合、用語「安定剤ドメイン」は、融合タンパク質の場合と同様に融合ドメイン(例えば、Fc)を指すだけではなく、炭水化物部分などの非タンパク質性修飾、またはポリエチレングリコールなどの非タンパク質性ポリマーも含む。
ある特定の実施形態では、本発明は、他のタンパク質から単離された、さもなければそれを実質的に含まない、単離および/または精製形態のバリアントActRIIBポリペプチドを利用できるようにする。
ある特定の実施形態では、本発明のActRIIBポリペプチド(未修飾または修飾)は、種々の当技術分野で公知の技法によって産生することができる。例えば、そのようなActRIIBポリペプチドは、Bodansky, M.、Principles of Peptide Synthesis、Springer Verlag、Berlin(1993年)およびGrant G. A.(編)、Synthetic Peptides: A User’s Guide、W. H. Freeman and Company、New York(1992年)に記載されている技法など、標準タンパク質化学技法を使用して合成することができる。加えて、自動ペプチド合成機が市販されている(例えば、Advanced ChemTech Model 396;Milligen/Biosearch 9600)。あるいは、ActRIIBポリペプチド、その断片またはバリアントは、当技術分野で周知の通り(後述も参照)、様々な発現系(例えば、E.coli、チャイニーズハムスター卵巣細胞、COS細胞、バキュロウイルス)を使用して組換えにより産生することができる。さらなる実施形態では、修飾または未修飾ActRIIBポリペプチドは、例えば、プロテアーゼ、例えば、トリプシン、サーモリシン、キモトリプシン、ペプシンまたは対合塩基性アミノ酸変換酵素(PACE)を使用することにより、天然に存在するまたは組換えにより産生された全長ActRIIBポリペプチドの消化によって産生することができる。コンピュータ解析(市販のソフトウェア、例えば、MacVector、Omega、PCGene、Molecular Simulation、Inc.を使用)を使用して、タンパク質分解性切断部位を同定することができる。あるいは、そのようなActRIIBポリペプチドは、化学的切断(例えば、臭化シアン、ヒドロキシルアミン)など、当技術分野で公知の標準技法により、天然に存在するまたは組換えにより産生された全長ActRIIBポリペプチドから産生することができる。
3.ActRIIBポリペプチドをコードする核酸
ある特定の態様では、本発明は、本明細書に開示されているバリアントのいずれかを含む、ActRIIBポリペプチド(例えば、可溶性ActRIIBポリペプチド)のいずれかをコードする単離されたおよび/または組換え核酸を提供する。例えば、配列番号4は、天然に存在するActRIIB前駆体ポリペプチドをコードする一方、配列番号3は、可溶性ActRIIBポリペプチドをコードする。対象核酸は、一本鎖または二本鎖となり得る。そのような核酸は、DNAまたはRNA分子となり得る。このような核酸は、例えば、ActRIIBポリペプチドを作製するための方法において、または直接的治療剤として(例えば、遺伝子療法アプローチにおいて)使用することができる。
ある特定の態様では、ActRIIBポリペプチドをコードする対象核酸は、配列番号3のバリアントである核酸を含むことがさらに理解される。バリアントヌクレオチド配列は、対立遺伝子バリアントなど、1個または複数のヌクレオチド置換、付加または欠失によって異なる配列を含み;したがって、配列番号4に指定されるコード配列のヌクレオチド配列とは異なるコード配列を含むであろう。
ある特定の実施形態では、本発明は、配列番号3と少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一である単離されたまたは組換え核酸配列を提供する。当業者であれば、配列番号3と相補的な核酸配列および配列番号3のバリアントも本発明の範囲内にあることを認めるであろう。さらなる実施形態では、本発明の核酸配列は、単離することができる、組換えとなり得る、および/または異種ヌクレオチド配列ともしくはDNAライブラリーにおいて融合することができる。
他の実施形態では、本発明の核酸は、高度にストリンジェントな条件下で、配列番号3に指定されたヌクレオチド配列、配列番号3の相補体配列、またはそれらの断片にハイブリダイズするヌクレオチド配列も含む。上に記述される通り、当業者であれば、DNAハイブリダイゼーションを促進する適切なストリンジェンシー条件が変動し得ることを容易に理解するであろう。当業者は、DNAハイブリダイゼーションを促進する適切なストリンジェンシー条件を変えることができることを容易に理解するであろう。例えば、約45℃で6.0×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)でのハイブリダイゼーション、続いて50℃での2.0×SSCの洗浄を行うことができるだろう。例えば、洗浄ステップにおける塩濃度を、50℃で約2.0×SSCの低ストリンジェンシーから50℃で約0.2×SSCの高ストリンジェンシーより選択することができる。加えて、洗浄ステップにおける温度を、室温、約22℃での低ストリンジェンシー条件から、約65℃での高ストリンジェンシー条件へと増大させることができる。温度と塩の両方を変えてもよく、または温度もしくは塩濃度を、他方の変数は変化させて、一定に保持してもよい。一実施形態では、本発明は、室温で6×SSC、続いて室温で2×SSCでの洗浄という、低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸を提供する。
遺伝暗号における縮重のために、配列番号3に表示されている核酸とは異なる単離された核酸も、本発明の範囲内にある。例えば、いくつかのアミノ酸が、1つより多くのトリップレットにより指定される。同じアミノ酸を規定するコドン、または同義コドン(例えば、CAUおよびCACは、ヒスチジンの同義コドンである)は、タンパク質のアミノ酸配列に影響を与えない「サイレント」突然変異をもたらし得る。しかし、対象タンパク質のアミノ酸配列の変化につながるDNA配列多型が、哺乳動物細胞間に存在すると予想される。特定のタンパク質をコードする核酸の1つまたは複数のヌクレオチド(ヌクレオチドの約3~5%以下)におけるこれらのバリエーションが、自然の対立遺伝子のバリエーションのために所与の種の個体間に存在し得ることを、当業者は理解するであろう。任意のおよびすべてのそのようなヌクレオチドのバリエーションならびに結果として生じるアミノ酸多型は、本発明の範囲内である。
ある特定の実施形態では、本発明の組換え核酸を、発現構築物中の1つまたは複数の制御ヌクレオチド配列に作動可能に連結させることができる。制御ヌクレオチド配列は、一般に、発現に使用される宿主細胞に適しているであろう。非常に多くのタイプの適切な発現ベクターおよび好適な制御配列が、様々な宿主細胞について当技術分野では公知である。典型的には、前記1つまたは複数の制御ヌクレオチド配列は、プロモーター配列、リーダーまたはシグナル配列、リボソーム結合部位、転写開始および終結配列、翻訳開始および終結配列、ならびにエンハンサーまたはアクチベーター配列を含み得るが、これらに限定されない。当技術分野において公知であるような構成的または誘導性プロモーターが、本発明により企図される。プロモーターは、天然に存在するプロモーターであってもよく、または1つより多くのプロモーターのエレメントを併せ持つハイブリッドプロモーターであってもよい。発現構築物は、細胞内のプラスミドなどのエピソーム上に存在することもあり、または発現構築物は染色体内に挿入されることもある。好ましい実施形態では、発現ベクターは、形質転換された宿主細胞の選択を可能にするために選択マーカー遺伝子を含有する。選択マーカー遺伝子は、当技術分野において周知であり、使用される宿主細胞によって変わることになる。
本発明のある特定の態様では、対象核酸は、少なくとも1つの制御配列に作動可能に連結した、ActRIIBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクター中に提供される。制御配列は、当技術分野で認識されており、バリアントActRIIBポリペプチドの発現を方向付けるように選択される。したがって、制御配列という用語は、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現調節エレメントを含む。例示的な制御配列は、Goeddel;Gene Expression Technology:Methods in Enzymology、Academic Press、San Diego, CA(1990年)に記載されている。例えば、それに作動的に連結されるとDNA配列の発現を調節する多種多様な発現調節配列のいずれかを、このようなベクターにおいて使用して、バリアントActRIIBポリペプチドをコードするDNA配列を発現することができる。そのような有用な発現調節配列は、例えば、SV40の初期および後期プロモーター、tetプロモーター、アデノウイルスまたはサイトメガロウイルス最初期プロモーター、RSVプロモーター、lac系、trp系、TACまたはTRC系、発現がT7 RNAポリメラーゼにより指示されるT7プロモーター、ファージラムダの主要オペレーターおよびプロモーター領域、fdコートタンパク質の調節領域、3-ホスホグリセリン酸キナーゼまたは他の糖分解酵素のプロモーター、酸ホスファターゼのプロモーター、例えばPho5、酵母α-接合因子のプロモーター、バキュロウイルス系の多角体プロモーター、ならびに原核もしくは真核細胞またはそれらのウイルスの遺伝子の発現を調節することが公知の他の配列、ならびにそれらの様々な組合せを含む。発現ベクターの設計が、形質転換される宿主細胞の選択および/または発現されることが所望されるタンパク質のタイプなどの因子に依存し得ることは理解されるはずである。さらに、ベクターのコピー数、そのコピー数を調節する能力、およびベクターによりコードされている任意の他のタンパク質、例えば抗生物質マーカーの発現も考慮するべきである。
本発明の組換え核酸は、クローニングされた遺伝子またはその一部分を、原核細胞、真核細胞(酵母、トリ、昆虫または哺乳動物細胞)のどちらかまたは両方における発現に好適なベクターにライゲーションすることにより、産生させることができる。組換えバリアントActRIIBポリペプチドの産生のための発現ビヒクルは、プラスミドおよび他のベクターを含む。例えば、好適なベクターは、次のタイプのプラスミドを含む:E.coliなどの原核細胞における発現のための、pBR322由来プラスミド、pEMBL由来プラスミド、pEX由来プラスミド、pBTac由来プラスミドおよびpUC由来プラスミド。
一部の哺乳動物発現ベクターは、細菌におけるベクターの伝播を助長するための原核生物配列と、真核細胞において発現される1つまたは複数の真核生物転写ユニットの両方を含有する。pcDNAI/amp、pcDNAI/neo、pRc/CMV、pSV2gpt、pSV2neo、pSV2-dhfr、pTk2、pRSVneo、pMSG、pSVT7、pko-neoおよびpHyg由来ベクターは、真核細胞のトランスフェクションに好適な哺乳動物発現ベクターの例である。これらのベクターの一部は、原核細胞と真核細胞の両方における複製および薬物耐性選択を助長するために、pBR322などの細菌プラスミドからの配列で修飾される。あるいは、ウシパピローマウイルス(BPV-1)またはエプスタイン・バーウイルス(pHEBo、pREP由来およびp205)などのウイルスの誘導体を、真核細胞におけるタンパク質の一過性発現に使用することができる。他のウイルス(レトロウイルスを含む)発現系の例は、下記の遺伝子療法送達系の説明の中で見つけることができる。プラスミドの調製の際および宿主生物の形質転換の際に利用される様々な方法が、当技術分野において周知である。原核細胞および真核細胞の両方についての他の好適な発現系、ならびに一般的な組換え手順については、例えば、Molecular Cloning A Laboratory Manual、第2版、Sambrook、FritschおよびManiatis編(Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989年)、16章および17章を参照されたい。一部の事例では、バキュロウイルス発現系の使用により組換えポリペプチドを発現させることが望ましいことがある。そのようなバキュロウイルス発現系の例は、pVL由来ベクター(例えば、pVL1392、pVL1393およびpVL941)、pAcUW由来ベクター(例えば、pAcUW1)、およびpBlueBac由来ベクター(例えば、β-gal含有pBlueBac III)を含む。
好ましい実施形態では、ベクター、例えば、Pcmv-Scriptベクター(Stratagene、La Jolla、Calif.)、pcDNA4ベクター(Invitrogen、Carlsbad、Calif.)およびpCI-neoベクター(Promega、Madison、Wisc.)は、CHO細胞における対象バリアントActRIIBポリペプチドの産生用に設計されることになる。明らかであろうが、対象遺伝子構築物を使用して、精製のために、培養で繁殖された細胞において対象バリアントActRIIBポリペプチドの発現を生じさせて、例えば、融合タンパク質またはバリアントタンパク質を含む、タンパク質を産生させることができる。
本発明はまた、対象バリアントActRIIBポリペプチドのうち1つまたは複数のコード配列(例えば、配列番号4)を含む組換え遺伝子をトランスフェクトした宿主細胞に関係する。宿主細胞は、いずれかの原核または真核細胞となり得る。例えば、本発明のバリアントActRIIBポリペプチドは、E.coliなどの細菌細胞、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス発現系を使用)、酵母または哺乳動物細胞において発現させることができる。他の適した宿主細胞は、当業者にとって公知である。
したがって、本発明はさらに、対象バリアントActRIIBポリペプチドを産生する方法に関係する。例えば、ActRIIBポリペプチドをコードする発現ベクターをトランスフェクトした宿主細胞は、ActRIIBポリペプチドの発現が起こることを可能にする適切な条件下で培養することができる。ActRIIBポリペプチドを分泌させ、ActRIIBポリペプチドを含有する細胞および培地の混合物から単離することができる。あるいは、ActRIIBポリペプチドは、細胞質にまたは膜画分に保持され得、細胞を収集し、溶解し、タンパク質を単離することができる。細胞培養物は、宿主細胞、培地および他の副産物を含む。細胞培養に適した培地は、当技術分野で周知である。対象ActRIIBポリペプチドは、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外濾過、電気泳動、およびActRIIBポリペプチドの特定のエピトープに特異的な抗体による免疫親和性精製を含む、タンパク質を精製するための当技術分野で公知の技法を使用して、細胞培養培地、宿主細胞またはその両方から単離することができる。好ましい実施形態では、バリアントActRIIBポリペプチドは、その精製を容易にするドメインを含有する融合タンパク質である。
別の実施形態では、組換バリアントActRIIBポリペプチドの所望の部分のN末端におけるポリ-(His)/エンテロキナーゼ切断部位配列などの精製リーダー配列をコードする融合遺伝子は、Ni2+金属樹脂を使用する親和性クロマトグラフィーによる発現された融合タンパク質の精製を可能にし得る。その場合、精製リーダー配列を、その後、エンテロキナーゼでの処置により除去して、精製されたバリアントActRIIBポリペプチドを得ることができる。例えば、Hochuliら(1987年)J. Chromatography 411巻:177頁;およびJanknechtらPNAS USA 88巻:8972頁を参照されたい。
融合遺伝子を作製する技術は、周知である。本質的には、異なるポリペプチド配列をコードする様々なDNA断片の連結は、従来の技術に従って、ライゲーションのために平滑末端または付着末端を利用して、適切な末端をもたらすために制限酵素消化を利用して、付着末端の埋め込みを適宜利用して、望ましくない連結を回避するためにアルカリホスファターゼ処置を利用して、および酵素的ライゲーションを利用して行われる。別の実施形態では、自動DNA合成装置を含む従来の技術により、融合遺伝子を合成することができる。あるいは、2つの連続した遺伝子断片間に相補的オーバーハングを生じさせるアンカープライマーを使用して、遺伝子断片のPCR増幅を行うことができ、その後、2つの連続した遺伝子断片をアニールして、キメラ遺伝子配列を生成することができる。例えば、Current Protocols in Molecular Biology、Ausubelら編、John Wiley & Sons:1992年を参照されたい。
4.スクリーニングアッセイ
ある特定の態様では、本発明は、バリアントActRIIBポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストである化合物(薬剤)を同定するための対象バリアントActRIIBポリペプチド(例えば、可溶性ActRIIBポリペプチド)の使用に関する。このスクリーニングにより同定された化合物は、骨、軟骨、筋肉、脂肪および/またはニューロンなどの組織において検査して、in vitroで組織成長をモジュレートするその能力を評価することができる。任意選択で、これらの化合物は、動物モデルにおいてさらに検査して、in vivoで組織成長をモジュレートするその能力を評価することができる。
バリアントActRIIBポリペプチドを標的化することにより組織成長をモジュレートするための治療剤に関するスクリーニングのための多数のアプローチが存在する。ある特定の実施形態では、化合物のハイスループットスクリーニングを実行して、骨、軟骨、筋肉、脂肪および/またはニューロンの成長におけるActRIIB媒介性効果を撹乱する薬剤を同定することができる。ある特定の実施形態では、アッセイが実行されて、ActRIIBリガンド(例えば、アクチビン、ノーダル、GDF8、GDF11またはBMP7)など、その結合パートナーへのActRIIBポリペプチドの結合を特異的に阻害または減少させる化合物をスクリーニングおよび同定する。あるいは、アッセイを使用して、ActRIIBリガンドなどのその結合タンパク質へのActRIIBポリペプチドの結合を増強する化合物を同定することができる。さらなる実施形態では、化合物は、ActRIIBポリペプチドと相互作用するその能力によって同定することができる。
種々のアッセイ形式は十分であり、本開示を踏まえて、本明細書に明確に記載されていないアッセイ形式は、そうであるにもかかわらず、当業者によって理解されるであろう。本明細書に記載されている通り、本発明の被験化合物(薬剤)は、いずれかのコンビナトリアル化学的方法によって作出することができる。あるいは、対象化合物は、in vivoまたはin vitroで合成された天然に存在する生体分子となり得る。組織成長のモジュレーターとして作用するその能力に関して検査されるべき化合物(薬剤)は、例えば、細菌、酵母、植物または他の生物によって産生することができる(例えば、天然産物)、化学的に産生することができる(例えば、ペプチド模倣物を含む小分子)、または組換えにより産生することができる。本発明によって企図される被験化合物は、非ペプチジル有機分子、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣物、糖、ホルモンおよび核酸分子を含む。特異的な実施形態では、被験薬剤は、約2,000ダルトン未満の分子量を有する有機小分子である。
本発明の試験化合物を、単一の、個別の実体として提供することができ、またはコンビナトリアルケミストリーにより作製されたものなどの、複雑度がより大きいライブラリーで提供することができる。これらのライブラリーは、例えば、アルコール、ハロゲン化アルキル、アミン、アミド、エステル、アルデヒド、エーテルおよび他のクラスの有機化合物を含むことができる。試験系に対する試験化合物の提示は、単離された形態での提示であってもよく、または特に初期スクリーニングステップでは、化合物の混合物としての提示であってもよい。任意選択で、化合物は、他の化合物と任意選択で誘導体化されることがあり、化合物の単離を助長する誘導体化基を有することがある。誘導体化基の非限定的な例は、ビオチン、フルオレセイン、ジゴキシゲニン、緑色蛍光タンパク質、同位体、ポリヒスチジン、磁気ビーズ、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、光活性化可能な架橋剤、またはこれらの任意の組合せを含む。
化合物および天然抽出物のライブラリーを試験する多くの薬物スクリーニングプログラムにおいて、ハイスループットアッセイは、所与の期間内に調査される化合物の数を最大化するために望ましい。精製または半精製タンパク質を用いて誘導され得るものなどの、無細胞系において行われるアッセイは、試験化合物により媒介される分子標的の変化の迅速な発生および比較的容易な検出を可能にするようにそれらを生成することができるという点で、「一次」スクリーンとして好ましいことが多い。さらに、被験化合物の細胞毒性またはバイオアベイラビリティの効果は一般に、in vitro系では無視することができ、アッセイは、その代わりに、ActRIIBポリペプチドおよびその結合タンパク質(例えば、ActRIIBリガンド)の間の結合親和性の変更において顕在化され得る、分子標的における薬物の効果に主に焦点を合わされる。
単に例証するために、本発明の例示的なスクリーニングアッセイにおいて、アッセイの意図の必要に応じて、目的の化合物は、通常、ActRIIBリガンドに結合することができる、単離および精製されたActRIIBポリペプチドと接触される。次に、化合物およびActRIIBポリペプチドの混合物に、ActRIIBリガンドを含有する組成物が添加される。ActRIIB/ActRIIBリガンド複合体の検出および定量化は、ActRIIBポリペプチドおよびその結合タンパク質の間の複合体形成の阻害(または強化)における化合物の有効性を決定するための手段を提供する。化合物の有効性は、様々な濃度の被験化合物を使用して得られるデータから用量応答曲線を作成することにより評価することができる。さらに、対照アッセイを行って、比較のためのベースラインを提供することもできる。例えば、対照アッセイにおいて、単離および精製されたActRIIBリガンドは、ActRIIBポリペプチドを含有する組成物に添加され、ActRIIB/ActRIIBリガンド複合体の形成が、被験化合物の非存在下で定量化される。一般に、反応物が混合され得る順序が変動し得ること、また、同時に混合してよいことが理解されるであろう。さらに、精製されたタンパク質の代わりに、細胞抽出物およびライセートを使用して、適した無細胞アッセイ系を用意することができる。
ActRIIBポリペプチドおよびその結合タンパク質の間の複合体形成は、種々の技法によって検出することができる。例えば、複合体の形成のモジュレーションは、例えば、放射標識(例えば、32P、35S、14CまたはH)、蛍光標識(例えば、FITC)または酵素標識されたActRIIBポリペプチドまたはその結合タンパク質など、検出可能に標識されたタンパク質を使用して、イムノアッセイまたはクロマトグラフィー検出により定量化することができる。
ある特定の実施形態では、本発明は、直接的または間接的のいずれかでの、ActRIIBポリペプチドおよびその結合タンパク質の間の相互作用の程度の測定において、蛍光偏光アッセイおよび蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイの使用を企図する。さらに、光導波路(PCT公開WO96/26432および米国特許第5,677,196号)、表面プラズモン共鳴(SPR)、表面電荷センサーおよび面積力センサーに基づく検出モードなど、他の検出モードが、本発明の多くの実施形態と適合性である。
さらに、本発明は、ActRIIBポリペプチドおよびその結合タンパク質の間の相互作用を破壊または強化する薬剤を同定するために、「ツーハイブリッドアッセイ」としても公知の相互作用トラップアッセイの使用を企図する。例えば、米国特許第5,283,317号;Zervosら(1993年)Cell 72巻:223~232頁;Maduraら(1993年)J Biol Chem 268巻:12046~12054頁;Bartelら(1993年)Biotechniques 14巻:920~924頁;およびIwabuchiら(1993年)Oncogene 8巻:1693~1696頁)を参照されたい。特異的な実施形態では、本発明は、ActRIIBポリペプチドおよびその結合タンパク質の間の相互作用を解離する化合物(例えば、小分子またはペプチド)を同定するためのリバースツーハイブリッド系の使用を企図する。例えば、VidalおよびLegrain(1999年)Nucleic Acids Res 27巻:919~29頁;VidalおよびLegrain(1999年)Trends Biotechnol 17巻:374~81頁;ならびに米国特許第5,525,490号;同第5,955,280号;および同第5,965,368号を参照されたい。
ある特定の実施形態では、対象化合物は、本発明のバリアントActRIIBポリペプチドと相互作用するその能力によって同定される。化合物およびバリアントActRIIBポリペプチドの間の相互作用は、共有結合または非共有結合となり得る。例えば、そのような相互作用は、光架橋、放射標識リガンド結合および親和性クロマトグラフィーを含むin vitro生化学的方法を使用して、タンパク質レベルで同定することができる(Jakoby WBら、1974年、Methods in Enzymology 46巻:1頁)。ある特定の事例では、化合物は、バリアントActRIIBポリペプチドに結合する化合物を検出するためのアッセイなど、機序に基づくアッセイにおいてスクリーニングすることができる。これは、固相または流動相結合事象を含むことができる。あるいは、バリアントActRIIBポリペプチドをコードする遺伝子を、レポーター系(例えば、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼまたは緑色蛍光タンパク質)と共に、細胞へとトランスフェクトし、好ましくは、ハイスループットスクリーニングによって、またはライブラリーの個々のメンバーにより、ライブラリーに対してスクリーニングすることができる。他の機序に基づく結合アッセイ、例えば、自由エネルギーの変化を検出する結合アッセイを使用することができる。結合アッセイは、ウェル、ビーズもしくはチップに固定された、または固定化抗体によって捕捉された、またはキャピラリー電気泳動によって分離された標的により行うことができる。結合された化合物は、通常、比色分析または蛍光または表面プラズモン共鳴を使用して検出することができる。
ある特定の態様では、本発明は、例えば、ActRIIBポリペプチドおよび/またはActRIIBリガンドの機能をアンタゴナイズすることにより、筋肉成長を刺激し、筋量を増大させるための方法および薬剤を提供する。したがって、同定されたいずれかの化合物を、細胞全体または組織において、in vitroまたはin vivoで検査して、筋肉成長をモジュレートするその能力を確認することができる。この目的のため、当技術分野で公知の様々な方法を利用することができる。例えば、本発明の方法は、ActRIIBリガンド(例えば、GDF8)への結合によって活性化されたActRIIBタンパク質を介したシグナルトランスダクションが、減少または阻害されるように行われる。ActRIIBタンパク質を介したシグナルトランスダクションがこのように起こらなかった対応する生物(または生物集団)の筋量と比較して、生物における筋肉組織の成長が、生物における筋量増大をもたらすことが認識されるであろう。
例えば、筋肉細胞成長/増殖におけるバリアントActRIIBポリペプチドまたは被験化合物の効果は、筋原細胞の増殖に関連するPax-3およびMyf-5の遺伝子発現、ならびに筋肉分化に関連するMyoDの遺伝子発現を測定することにより決定することができる(例えば、Amthorら、Dev Biol.2002年、251巻:241~57頁)。GDF8が、Pax-3およびMyf-5の遺伝子発現を下方制御し、MyoDの遺伝子発現を防止することが公知である。バリアントActRIIBポリペプチドまたは被験化合物は、GDF8のこの活性をアンタゴナイズすることが予想される。細胞に基づくアッセイの別の例として、ActRIIBポリペプチドまたは被験化合物の存在下でのC(2)C(12)筋芽細胞などの筋芽細胞の増殖の測定が挙げられる(例えば、Thomasら、J Biol Chem.2000年、275巻:40235~43頁)。
本発明はまた、筋量および筋力を測定するためのin vivoアッセイを企図する。例えば、Whittemoreら(Biochem Biophys Res Commun.2003年、300巻:965~71頁)は、マウスにおける骨格筋量増大および握力増大を測定する方法を開示する。任意選択で、この方法を使用して、筋肉疾患または状態、例えば、筋量が制限的な疾患における被験化合物(例えば、バリアントActRIIBポリペプチド)の治療効果を決定することができる。
ある特定の態様では、本発明は、骨形成をモジュレート(刺激または阻害)し、骨量を増大させるための方法および薬剤を提供する。したがって、同定されたいずれかの化合物を、細胞全体または組織において、in vitroまたはin vivoで検査して、骨または軟骨成長をモジュレートするその能力を確認することができる。この目的のため、当技術分野で公知の様々な方法を利用することができる。
例えば、骨または軟骨成長におけるバリアントActRIIBポリペプチドまたは被験化合物の効果は、細胞に基づくアッセイにおいてMsx2の誘導または骨細胞前駆細胞から骨芽細胞への分化を測定することにより決定することができる(例えば、Daluiskiら、Nat Genet.2001年、27巻(1号):84~8頁;Hinoら、Front Biosci.2004年、9巻:1520~9頁を参照)。細胞に基づくアッセイの別の例として、間葉系前駆細胞および造骨性細胞における対象ActRIIBポリペプチドおよび被験化合物の骨原性活性の分析が挙げられる。例証するために、ActRIIBポリペプチドを発現する組換えアデノウイルスを構築して、多能性間葉系前駆細胞C3H10T1/2細胞、前造骨性C2C12細胞および造骨性TE-85細胞に感染させた。次に、アルカリホスファターゼ、オステオカルシンおよびマトリックスミネラル化の誘導を測定することにより、骨原性活性が決定される(例えば、Chengら、J bone Joint Surg Am.2003年、85-A巻(8号):1544~52頁を参照)。
本発明はまた、骨または軟骨成長を測定するためのin vivoアッセイを企図する。例えば、Namkung-Matthaiら、Bone、28巻:80~86頁(2001年)は、骨折後初期期間における骨修復が研究されるラット骨粗鬆症モデルを開示する。Kuboら、Steroid Biochemistry & Molecular Biology、68巻:197~202頁(1999年)も、骨折後後期期間における骨修復が研究されるラット骨粗鬆症モデルを開示する。これらの参考文献は、骨粗鬆症性骨折に関する研究のためのラットモデルのそれらの開示に関して、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の態様では、本発明は、当技術分野で公知の骨折治癒アッセイを活用する。これらのアッセイは、骨折技法、組織学的分析および生体力学分析を含み、これらは、例えば、骨折を引き起こし、骨折の程度および修復過程を測定するための実験プロトコールのその開示に関して、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,521,750号に記載されている。
ある特定の態様では、本発明は、体重増加および肥満を調節するための方法および薬剤を提供する。細胞レベルでは、肥満の発症において脂肪細胞増殖および分化が決定的であり、これは、追加的な脂肪性細胞(脂肪細胞)の生成をもたらす。したがって、同定されたいずれかの化合物を、細胞全体または組織において、in vitroまたはin vivoで検査して、脂肪細胞増殖または分化を測定することにより、脂肪生成をモジュレートするその能力を確認することができる。この目的のため、当技術分野で公知の様々な方法を利用することができる。例えば、脂肪生成におけるバリアントActRIIBポリペプチド(例えば、可溶性ActRIIBポリペプチド)または被験化合物の効果は、オイルレッドO染色小胞におけるトリアシルグリセロールの蓄積の観察による、ならびにFABP(aP2/422)およびPPARγ2などのある特定の脂肪細胞マーカーの出現によるなど、細胞に基づくアッセイにおいて3T3-L1前脂肪細胞から成熟脂肪細胞への分化を測定することにより決定することができる。例えば、Reuschら、2000年、Mol Cell Biol.20巻:1008~20頁;Dengら、2000年、Endocrinology.141巻:2370~6頁;Bellら、2000年、Obes Res.8巻:249~54頁を参照されたい。細胞に基づくアッセイの別の例として、ブロモデオキシウリジン(BrdU)陽性細胞のモニタリングによるなど、脂肪細胞または脂肪細胞前駆体細胞(例えば、3T3-L1細胞)の増殖におけるバリアントActRIIBポリペプチドおよび被験化合物の役割の分析が挙げられる。例えば、Picoら、1998年、Mol Cell Biochem.189巻:1~7頁;Masunoら、2003年、Toxicol Sci.75巻:314~20頁を参照されたい。
本発明のスクリーニングアッセイが、対象ActRIIBポリペプチドおよびActRIIBポリペプチドのバリアントのみならず、ActRIIBポリペプチドのアゴニストおよびアンタゴニストを含むいずれかの被験化合物にも適用されることが理解される。さらに、このようなスクリーニングアッセイは、薬物標的検証および品質管理目的に有用である。
6.例示的な治療使用
ある特定の実施形態では、本発明の組成物(例えば、ホモマーまたはヘテロマー形態のいずれかにおけるバリアントActRIIBタンパク質)は、ActRIIBおよび/またはActRIIBリガンド(例えば、GDF8またはGDF11)の異常な活性に関連する疾患または状態を処置または予防するために使用することができる。このような疾患、障害または状態は、本明細書において概して、「ActRIIB関連状態」と称される。ある特定の実施形態では、本発明は、上述の治療有効量のバリアントActRIIBタンパク質の個体への投与により、それを必要とする個体を処置または予防する方法を提供する。このような方法は特に、動物、より具体的には、ヒトの治療的および予防的処置を目標とする。用語「対象」、「個体」または「患者」は、本明細書を通して互換的であり、一般に哺乳動物を指す。哺乳動物として、飼い慣らされた動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌおよびウマ)、霊長類(例えば、ヒトおよびサルなどの非ヒト霊長類)、ウサギおよび齧歯類(例えば、マウスおよびラット)が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される場合、障害または状態を「予防」する治療薬は、統計学的試料において、無処置対照試料と比べて処置された試料における障害もしくは状態の発生率を減少させる、または無処置対照試料と比べて障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状の開始を遅延もしくはその重症度を減少させる化合物を指す。用語「処置する」は、本明細書で使用される場合、指名された状態の予防法、または確立された後の状態の寛解もしくは排除を含む。
ActRIIBおよびActRIIBリガンドの間の内在性複合体は、組織成長と共に、様々な構造の正しい形成などの初期発生過程、または性発達、下垂体ホルモン産生ならびに骨および軟骨の作出を含む1つもしくは複数の発生後能力における必須の役割を果たす。よって、ActRIIB関連状態は、異常な組織成長および発生欠損を含む。加えて、ActRIIB関連状態として、炎症、アレルギー、自己免疫性疾患、感染性疾患および腫瘍など、細胞成長および分化の障害が挙げられるがこれらに限定されない。
例示的なActRIIB関連状態は、神経筋障害(例えば、筋ジストロフィーおよび筋萎縮)、うっ血性閉塞性肺疾患(およびCOPDを伴う筋消耗)、筋消耗症候群、サルコペニア、カヘキシー、脂肪組織障害(例えば、肥満)、2型糖尿病および骨変性疾患(例えば、骨粗鬆症)を含む。他の例示的なActRIIB関連状態は、貧血、筋変性および神経筋障害、組織修復(例えば、創傷治癒)、神経変性疾患(例えば、筋萎縮性側索硬化症)、免疫性障害(例えば、リンパ球の異常増殖または機能に関する障害)、ならびに肥満または脂肪細胞の異常増殖に関する障害を含む。
ある特定の実施形態では、本発明の組成物(例えば、バリアントActRIIBタンパク質)は、筋ジストロフィーの処置の一部として使用される。「筋ジストロフィー」という用語は、骨格筋ならびに時には心筋および呼吸筋の漸進的衰弱および低下を特徴とする変性筋疾患群を指す。筋ジストロフィーは、筋肉の微視的変化で始まる進行性筋消耗および筋力低下を特徴とする遺伝性障害である。筋肉が徐々に変性するにつれて、その人の筋力が低下する。対象TGF-ベータスーパーファミリーヘテロ多量体複合体を含むレジメンで処置することができる例示的な筋ジストロフィーは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)、エミリー・ドレイフス型筋ジストロフィー(EDMD)、肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHまたはFSHD)(ランドゥジー・デジュリン型としても公知)、筋強直性ジストロフィー(MMD;スタイナート病としても公知)、眼咽頭型筋ジストロフィー(OPMD)、遠位型筋ジストロフィー(DD)、先天性筋ジストロフィー(CMD)を含む。
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、1860年代にフランス人神経学者Guillaume Benjamin Amand Duchenneによって最初に記載された。ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)は、1950年代にDMDのこのバリアントを最初に記載したドイツ人医師Peter Emil Beckerにちなんで名付けられたものである。DMDは、男性における最も頻度の高い遺伝性疾患の1つであり、男児3,500名に1名が発症する。DMDは、X染色体の短腕上に位置するジストロフィン遺伝子が壊れている場合に起こる。男性は、X染色体のコピーを1つしか保有しないので、ジストロフィンのコピーを1つしか有さない。ジストロフィンタンパク質がないと、筋肉は、収縮および弛緩のサイクル中に容易に損傷される。この疾患の早期の間は、筋肉は再生により代償するが、後になると、筋肉前駆細胞は進行中の損傷についていくことができず、健常な筋肉は非機能性線維脂肪組織に置き換えられる。
BMDは、ジストロフィン遺伝子における異なる突然変異に起因する。BMD患者は、ある程度のジストロフィンを有するが、これは、含量が不十分または品質が不良のいずれかである。ある程度のジストロフィンを有することは、DMD患者と同じほど悪いまたは速い変性からBMD患者の筋肉を保護する。
例えば、研究は、in vivoでのGDF8の機能の遮断または排除が、DMDおよびBMD患者における少なくともある特定の症状を有効に処置することができることを実証する。よって、対象バリアントActRIIBタンパク質は、GDF8阻害剤(アンタゴニスト)として作用することができ、DMDおよびBMD患者におけるin vivoでのGDF8および/またはActRIIBの機能の遮断の代替手段を構成する。
同様に、対象バリアントActRIIBタンパク質は、筋肉成長を必要とする他の疾患状態における筋量を増大させるための有効な手段を提供する。例えば、ルー・ゲーリック病(運動ニューロン疾患)とも呼ばれるALSは、脳を骨格筋に接続するCNSの構成成分である運動ニューロンを攻撃する、慢性で不治の止められないCNS障害である。ALSにおいて、運動ニューロンは増悪し、最終的に死に、その者の脳は通常、十分に機能を保ち覚醒しているが、運動指令は筋肉に到達しない。ALSの罹患年齢は、大部分が40~70歳の間である。衰弱する最初の運動ニューロンは、腕または脚に繋がる運動ニューロンである。ALS患者は、歩行に困難を抱える場合があり、物を落とし、転倒し、不明瞭発語となり、こらえきれずに笑うまたは泣く場合がある。最終的に、肢における筋肉は、廃用性により萎縮し始める。この筋衰弱は、衰弱となり、患者は、車椅子を必要とする、またはベッドから起き上がって機能することができなくなるであろう。大部分のALS患者は、疾患開始から3~5年間に、呼吸器不全または肺炎のような換気補助の合併症により死ぬ。
バリアントActRIIBタンパク質誘導性筋量増大は、筋消耗疾患患者に利益をもたらすこともできる。Gonzalez-Cadavidら(上記参照)は、GDF8発現が、ヒトにおける除脂肪体重と逆相関すること、GDF8遺伝子の発現増大が、AIDS消耗症候群の男性における体重減少に関連することを報告した。AIDS患者におけるGDF8の機能を阻害することにより、AIDSの少なくともある特定の症状が、完全には排除されないとしても軽減され得るため、AIDS患者における生活の質を有意に改善する。
GDF8機能の損失は、栄養摂取の低減を伴わない脂肪損失にも関連するため(Zimmersら、上記参照;McPherronおよびLee、上記参照)、対象バリアントActRIIBタンパク質は、肥満および2型糖尿病の発症を減速または予防するための治療剤としてさらに使用することができる。
がん食欲不振-カヘキシー症候群は、最も衰弱性かつ生命を脅かす態様のがんの1つである。がん食欲不振-カヘキシー症候群における進行性体重減少は、多くの種類のがんの共通の特色であり、生活の質の不良および化学療法に対する応答不良のみならず、体重減少がない匹敵する腫瘍を有する患者に見られるものよりも短い生存時間の原因ともなる。食欲不振、脂肪および筋肉組織消耗、心理的窮迫、ならびにより低い生活の質に関連して、カヘキシーが、がんおよび宿主の間の複雑な相互作用から生じる。これは、がん患者の間で最も一般的な死亡原因の1つであり、死亡時に80%で見られる。これは、タンパク質、炭水化物および脂肪代謝をもたらす代謝性カオスの複雑な例である。腫瘍は、食欲不振および体重減少をもたらす直接的および間接的異常の両方を産生する。現在、この過程を制御または反転する処置はない。がん食欲不振-カヘキシー症候群は、サイトカイン産生、脂質動員およびタンパク質分解誘導因子の放出、ならびに中間代謝の変更に影響を与える。食欲不振が一般的であるが、食物摂取低下単独は、がん患者に見られる体組成の変化を説明することができず、栄養摂取の増大は、消耗症候群を反転することができない。発病前体重の5パーセントを超える不随意性体重減少が、6カ月間の期間内に起こる場合、カヘキシーが、がん患者において疑われるべきである。
成体マウスにおけるGDF8の全身性過剰発現は、ヒトカヘキシー症候群に見られるにものに類似して著明な筋肉および脂肪損失を誘導することが見出されたため(Zimmersら、上記参照)、医薬組成物としての対象バリアントActRIIBタンパク質を有益に使用して、筋肉成長が所望されるカヘキシー症候群の症状を予防、処置または軽減することができる。
他の実施形態では、本発明は、骨および/または軟骨形成を誘導する、骨損失を予防する、骨ミネラル化を増大させる、または骨の脱ミネラル化を予防する方法を提供する。例えば、対象バリアントActRIIBタンパク質は、ヒトおよび他の動物における骨粗鬆症の処置ならびに骨折および軟骨欠損の治癒における適用を有する。バリアントActRIIBタンパク質は、骨粗鬆症の発症に対する保護的方策として、無症状性低骨密度と診断された患者において有用となり得る。
特異的な一実施形態では、本発明の方法および組成物は、ヒトおよび他の動物における骨折および軟骨欠損の治癒における医学的有用性を見出すことができる。対象方法および組成物は、閉鎖性および開放性骨折減少ならびに同様に人工関節の固定改善における予防的使用を有することもできる。骨原性薬剤によって誘導されたde novo骨形成は、先天性、外傷誘導性または腫瘍学切除誘導性頭蓋顔面欠損の修復に寄与し、また、美容整形外科において有用である。さらに、本発明の方法および組成物は、歯周疾患の処置および他の歯修復過程において使用することができる。ある特定の事例では、対象バリアントActRIIBタンパク質は、骨形成細胞を誘引する、骨形成細胞の成長を刺激する、または骨形成細胞の前駆細胞の分化を誘導する環境を提供することができる。本発明のバリアントActRIIBタンパク質は、骨粗鬆症の処置において有用となることもできる。さらに、バリアントActRIIBタンパク質は、軟骨欠損修復および変形性関節症の予防/反転において使用することができる。
別の特定の実施形態では、本発明は、骨折あるいは軟骨および/もしくは骨欠損または歯周病に関連する他の状態を修復するための治療方法および組成物を提供する。本発明は、さらに、創傷治癒および組織修復のための治療方法および組成物を提供する。創傷のタイプは、熱傷、切創および潰瘍を含むが、これらに限定されない。例えば、PCT公開番号WO84/01106を参照されたい。そのような組成物は、薬学的に許容される媒体、担体またはマトリックスとの混合物における、本発明のバリアントActRIIBタンパク質のうち少なくとも1つの治療有効量を含む。
別の特異的な実施形態では、本発明の方法およびバリアントActRIIBタンパク質は、骨粗鬆症、副甲状腺機能亢進、クッシング病、甲状腺中毒症、慢性下痢性状態または吸収障害、腎尿細管性アシドーシス、または神経性食欲不振症など、骨損失を引き起こす状態に適用することができる。多くの人々は、女性であること、低体重であること、およびセデンタリー・ライフスタイルを送ることが、骨粗鬆症(骨折リスクをもたらす骨塩密度の損失)のリスク因子であることを知っている。しかし、骨粗鬆症は、ある特定の薬物療法の長期使用に起因する場合もある。薬物または別の医学的状態に起因する骨粗鬆症は、続発性骨粗鬆症として公知である。クッシング病として公知の状態において、身体によって産生された過剰量のコルチゾールは、骨粗鬆症および骨折をもたらす。続発性骨粗鬆症に関連する最も一般的な薬物療法は、副腎によって天然に産生されるホルモンであるコルチゾールのように作用する薬物クラスの、コルチコステロイドである。適切なレベルの甲状腺ホルモン(甲状腺によって産生される)が、骨格の発達に必要とされるが、過剰な甲状腺ホルモンは、経時的に骨量を低下し得る。アルミニウムを含有する制酸薬は、腎臓の問題を有する人々、特に、透析を受けている人々が高用量で摂取すると、骨量減少につながり得る。二次性骨粗鬆症を引き起こすことがある他の医薬は、てんかん発作を予防するために使用される、フェニトイン(Dilantin)およびバルビツレート;一部の型の関節炎、がんおよび免疫障害のための薬物であるメトトレキサート(Rheumatrex、Immunex、Folex PFS);一部の自己免疫疾患を処置するために、および臓器移植患者において免疫系を抑制するために使用される薬物であるシクロスポリン(Sandimmune、Neoral);前立腺がんおよび子宮内膜症を処置するために使用される黄体ホルモン放出ホルモンアゴニスト(Lupron、Zoladex);抗凝固薬であるヘパリン(Calciparine、Liquaemin);ならびに高コレステロールを処置するために使用される、コレスチラミン(Questran)およびコレスチポール(Colestid)を含む。我々の口内のこのような有害細菌は、我々の身体に、有害細菌から防御させるため、歯肉疾患は、骨損失を引き起こす。細菌は、歯肉線下で毒素および酵素を産生し、慢性感染を引き起こす。
さらなる実施形態では、本発明のバリアントActRIIBタンパク質は、異常なまたは望まれない骨成長に関連する疾患または障害を処置するための方法および治療剤を提供する。例えば、進行性骨化性線維異形成症(FOP)として公知の疾患を有する患者は、いかなる運動も防止する異常な「第2の骨格」を成長させる。加えて、異常な骨成長は、人工股関節置換術後に起こることがあり、したがって、手術結果を損なわせ得る。これは、病的骨成長、ならびに対象方法および組成物が治療的に有用であり得る状況の、より一般的な例である。同方法および組成物は、他の形態の異常な骨成長(例えば、外傷、熱傷または脊髄傷害後の骨の病的成長)を処置するのに、および転移性前立腺がんまたは骨肉腫に関連して見られる異常な骨成長に関連する望ましくない状態を処置または予防するのにも有用であり得る。
他の実施形態では、本発明のバリアントActRIIBタンパク質は、動物における体脂肪含量を制御するため、およびそれに関係する状態、特に、それに関係する健康を損なう状態を処置または予防するための組成物および方法を提供する。本発明において、体重を制御(調節)することは、体重の減少もしくは増大、体重増加速度の減少もしくは増大、または体重減少速度の増大もしくは減少を指すことができ、体重を能動的に維持すること、または有意に変化させないことも含む(例えば、さもなければ体重を増大または低下し得る外部または内部影響に対して)。本発明の一実施形態は、それを必要とする動物(例えば、ヒト)にバリアントActRIIBタンパク質を投与することによる体重の制御に関する。
特異的な一実施形態では、本発明は、動物における体重を減少および/または体重増加を減少させるため、より具体的には、肥満のリスクがあるまたは肥満を患う患者における肥満を処置または寛解するための方法および化合物に関する。別の特異的な実施形態では、本発明は、体重を増加または保持することができない動物(例えば、消耗症候群を有する動物)を処置するための方法および化合物を対象にする。そのような方法は、体重および/または質量の増大、または体重および/または質量損失の減少、または望ましくなく低い(例えば、不健康な)体重および/または質量に関連するまたはこれに起因する状態の改善に有効である。
ある特定の態様では、バリアントActRIIBタンパク質を使用して、それを必要とする対象における赤血球レベルを増大させる、貧血を処置もしくは予防する、および/または無効赤血球生成を処置もしくは予防することができる。ある特定の態様では、本開示のバリアントActRIIBタンパク質は、赤血球レベルを増大させるための従来の治療アプローチ、特に、多因子起源の貧血の処置に使用されるアプローチと組み合わせて使用することができる。赤血球レベルを増大させるための従来の治療アプローチは、例えば、赤血球輸血、1つまたは複数のEPO受容体活性化剤の投与、造血幹細胞移植、免疫抑制性生物製剤および薬物(例えば、コルチコステロイド)を含む。ある特定の実施形態では、本開示のバリアントActRIIBタンパク質を使用して、それを必要とする対象における貧血を処置または予防することができる。ある特定の実施形態では、本開示のバリアントActRIIBタンパク質を使用して、それを必要とする対象における無効赤血球生成および/または無効赤血球生成に関連する障害を処置または予防することができる。ある特定の態様では、本開示のバリアントActRIIBタンパク質は、貧血または無効赤血球生成障害を処置または予防するための従来の治療アプローチ、特に、多因子起源の貧血の処置に使用されるアプローチと組み合わせて使用することができる。
本明細書で使用される場合、障害または状態を「予防する」治療薬は、統計学的試料において、未処置対照試料と比較して処置試料において障害または状態の発生率を低下させる、あるいは未処置対照試料と比較して障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状の発症を遅延させるか、または症状の重症度を低下させる化合物を指す。
用語「処置」は、本明細書で使用される場合、確立された後の状態の寛解または排除を含む。
いずれにせよ、予防または処置は、医師または他の医療提供者により提供される診断、および治療剤の投与についての意図した結果で識別され得る。
一般に、本開示に記載されている疾患または状態の処置または予防は、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質を「有効量」で投与することにより達成される。薬剤の有効量は、必要な投薬量で必要な期間にわたって所望の治療または予防結果を達成するのに有効な量を指す。本開示の薬剤の「治療有効量」は、個体の病状、年齢、性別および体重、ならびに個体において所望の応答を惹起するその薬剤の能力によって変わり得る。「予防有効量」は、必要な投薬量で必要な期間にわたって所望の予防結果を達成するのに有効な量を指す。
ある特定の実施形態では、EPO受容体活性化剤と任意選択で組み合わせた、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質を使用して、健康個体および選択された患者集団における赤血球、ヘモグロビンまたは網状赤血球レベルを増大させることができる。適切な患者集団の例として、貧血を有する患者など、望ましくなく低い赤血球またはヘモグロビンレベルを有する患者集団、および大規模失血を生じ得る大手術または他の手技を受けようとしている患者など、望ましくなく低い赤血球またはヘモグロビンレベルの発症リスクがある患者集団が挙げられる。一実施形態では、適切な赤血球レベルを有する患者は、1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質で処置されて、赤血球レベルを増大させ、次いで輸血における後の使用のために血液が採取および貯蔵される。
EPO受容体活性化剤と任意選択で組み合わされた、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、貧血を有する患者における赤血球レベル、ヘモグロビンレベル、および/またはヘマトクリットレベルを増加させるために使用され得る。ヒトにおけるヘモグロビンおよび/またはヘマトクリットレベルを観察する場合、個体のバリエーションを考慮に入れるとはいえ、ふさわしい年齢および性別カテゴリーについての正常未満のレベルは、貧血を示し得る。例えば、10~12.5g/dl、および典型的には約11.0g/dlのヘモグロビンレベルは、健常成人における正常範囲内であると見なされるが、治療の観点から見ると、標的レベルが低いほど、引き起こされる心血管系副作用は少ないだろう[例えば、Jacobsら(2000年)Nephrol Dial Transplant 15巻、15~19頁を参照されたい]。あるいは、ヘマトクリットレベル(細胞により占有される血液試料の体積のパーセンテージ)を貧血の尺度として使用することができる。健常個体のヘマトクリットレベルは、成人男性については約41~51%、成人女性については35~45%の範囲である。ある特定の実施形態では、患者は、赤血球、ヘモグロビンおよび/またはヘマトクリットの標的レベルに患者を回復させることを目的とする投薬レジメンで処置され得る。ヘモグロビンおよびヘマトクリットレベルは、人によって異なるので、最適には、標的ヘモグロビンおよび/またはヘマトクリットレベルは、患者ごとに個別化され得る。
貧血は、組織傷害、感染症および/または慢性疾患、特にがんを有する患者において観察されることが多い。一部の対象では、貧血は、骨髄における低いエリスロポエチンレベルおよび/またはエリスロポエチンに対する不十分な応答により識別される[例えば、Adamson(2008年)Harrison’s Principles of Internal Medicine、第17版;McGraw Hill、New York、628~634頁を参照されたい]。貧血の潜在的原因は、例えば、失血、栄養不良(例えば、タンパク質の食事摂取量の低減)、投薬反応、骨髄に関連する様々な問題、および多くの疾患を含む。より詳細には、貧血は、例えば、骨髄移植;固形腫瘍(例えば、乳がん、肺がん、および結腸がん);リンパ系の腫瘍(例えば、慢性リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫、およびホジキンリンパ腫);造血系の腫瘍(例えば、白血病、骨髄異形成症候群および多発性骨髄腫);放射線療法;化学療法(例えば、白金含有レジメン);これらに限定されないが、関節リウマチ、他の炎症性関節炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、急性または慢性皮膚疾患(例えば、乾癬)、炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎)を含む、炎症性および自己免疫疾患;特発性または先天性の状態を含む急性または慢性腎疾患または不全;急性または慢性肝疾患;急性または慢性出血;患者非自己もしくは自己抗体に起因しておよび/または宗教的理由(例えば、一部のエホバの証人)のために赤血球の輸血が不可能である状況;感染症(例えば、マラリアおよび骨髄炎);例えば、鎌状赤血球症(貧血)、サラセミアを含む、ヘモグロビン異常症;薬物使用または乱用(例えば、アルコール誤用);輸血を避ける何らかの理由から貧血を有する小児患者;ならびに循環過負荷への懸念のために輸血を受けることができない、高齢患者または貧血を伴う基礎心肺疾患を有する患者を含む、様々な障害および状態に関連付けられている[例えば、Adamson(2008年)Harrison’s Principles of Internal Medicine、第17版;McGraw Hill、New York、628~634頁を参照されたい]。一部の実施形態では、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質体は、本明細書で開示される障害または状態の1つまたは複数に関連する貧血を処置または予防するために使用することができるだろう。
多くの因子が、がん関連貧血の一因となり得る。一部は、疾患過程自体に、ならびにインターロイキン-1、インターフェロン-ガンマおよび腫瘍壊死因子などの炎症性サイトカインに関連する[Bronら(2001年)Semin Oncol 28巻(補遺8号):1~6頁]。その効果の中でも、炎症は、肝要な鉄制御ペプチドであるヘプシジンを誘導することによって、マクロファージからの鉄排出を阻害し、一般に、赤血球生成への鉄利用能を制限する[例えば、Ganz(2007年)J Am Soc Nephrol 18巻:394~400頁を参照されたい]。様々な経路による失血も、がん関連貧血の一因となり得る。がん進行に起因する貧血の有病率は、がんのタイプによって変わり、前立腺がんにおける5%から多発性骨髄腫における90%まで様々である。がん関連貧血は、疲労、および生活の質の低下、処置有効性の低下、および死亡率の増加を含む、患者にとって深刻な結果をもたらす。一部の実施形態では、EPO受容体活性化剤と任意選択で組み合わされた、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質体は、がん関連貧血を処置するために使用することができるだろう。
低増殖性貧血は、骨髄の原発性機能不全または不全の結果として生じ得る。低増殖性貧血は、慢性疾患の貧血、腎臓疾患の貧血、低代謝状態に関連する貧血、およびがんに関連する貧血を含む。これらのタイプの各々において、内因性エリスロポエチンレベルは、観察される貧血の程度に対して不相応に低い。他の低増殖性貧血は、早期鉄欠乏性貧血、および骨髄の損傷により引き起こされる貧血を含む。これらのタイプでは、内因性エリスロポエチンレベルは、観察される貧血の程度に対して相応に上昇する。顕著な例は、抗がん薬および/または化学療法薬またはがん放射線療法により引き起こされる骨髄抑制であろう。臨床試験の広範な再調査により、軽度貧血が化学療法後の患者の100%に起こり得る一方で、より重度の貧血がそのような患者の80%以下に起こり得ることが判明した[例えば、Groopmanら(1999年)J Natl Cancer Inst 91巻:1616~1634頁を参照されたい]。骨髄抑制薬は、例えば、1)アルキル化剤、例えば、ナイトロジェンマスタード(例えば、メルファラン)およびニトロソウレア(例えば、ストレプトゾシン);2)代謝拮抗薬、例えば、葉酸アンタゴニスト(例えば、メトトレキサート)、プリンアナログ(例えば、チオグアニン)、およびピリミジンアナログ(例えば、ゲムシタビン);3)細胞傷害性抗生物質、例えば、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン);4)キナーゼ阻害剤(例えば、ゲフィチニブ);5)有糸分裂阻害剤、例えば、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびビンカアルカロイド(例えば、ビノレルビン);6)モノクローナル抗体(例えば、リツキシマブ);および7)トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、トポテカンおよびエトポシド)を含む。加えて、低代謝率をもたらす状態は、軽度から中等度の低増殖性貧血を生じさせ得る。そのような状態には、内分泌不全状態がある。例えば、貧血は、アジソン病、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症、または去勢されているもしくはエストロゲンで処置されている男性において起こり得る。一部の実施形態では、EPO受容体活性化剤と任意選択で組み合わされた、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、過剰増殖性貧血を処置するために使用することができるだろう。
慢性腎臓疾患が低増殖性貧血と関連することがあり、貧血の程度は、腎機能低下レベルによって重症度が変わる。そのような貧血は、エリスロポエチンの不十分な産生および赤血球の生存率低下に主として起因する。慢性腎臓疾患は、通常は、何年もまたは何十年もの期間をかけて末期(ステージ5)疾患へと徐々に進行し、進行した時点で、患者生存のために透析または腎臓移植が必要とされる。貧血は、多く場合、この過程の早期に発症し、疾患が進行するにつれて悪化する。腎臓疾患の貧血の臨床的帰結は、十分に文書で裏付けられており、左室肥大、認知機能の障害、生活の質の低下、および免疫機能の変化の発生を含む[例えば、Levinら(1999年)Am J Kidney Dis 27巻:347~354頁;Nissenson(1992年)Am J Kidney Dis 20巻(補遺1号):21~24頁;Revickiら(1995年)Am J Kidney Dis 25巻:548~554頁;Gafterら(1994年)Kidney Int 45巻:224~231頁を参照されたい]。一部の実施形態では、EPO受容体活性化剤と任意選択で組み合わされた、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、急性または慢性腎疾患または不全を処置するために使用することができるだろう。
外傷または分娩後出血からなどの、十分な体積の急性失血の結果として生じる貧血は、急性出血後貧血として公知である。RBCが他の血液成分とともに比例的に枯渇するので、急性失血は、最初は、貧血を伴わない血液量減少を引き起こす。しかし、血液量減少が流体を血管外コンパートメントから血管コンパートメントに移す生理的メカニズムを迅速に作動させることになり、その結果として、血液希釈が生じ、貧血になる。慢性の場合、失血は、体内鉄貯蔵量を徐々に枯渇させ、最終的に鉄欠乏症に至る。一部の実施形態では、EPO受容体活性化剤と任意選択で組み合わされた、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、急性失血の結果として生じる貧血を処置するために使用することができるだろう。
鉄欠乏性貧血は、中間段階として負の鉄バランスおよび鉄欠乏性赤血球生成を含む、鉄欠乏増加の段階的進行の最終段階である。鉄欠乏症は、妊娠、不十分な食事、腸管吸収不良、急性または慢性炎症および急性または慢性失血などの状態において例示されるように、鉄要求量増加、鉄摂取量減少、または鉄喪失量増加の結果として生じ得る。このタイプの軽度から中等度の貧血に関して、骨髄は、低増殖性のままであり、RBC形態は、概して正常であるが、軽度の貧血であっても、多少の小球性低色素性RBCをもたらすことがあり、重度鉄欠乏性貧血への移行に不随して、骨髄の過剰増殖が起こり、小球性および低色素性RBCの出現頻度が次第に高くなる[例えば、Adamson(2008年)Harrison’s Principles of Internal Medicine、第17版;McGraw Hill、New York、628~634頁を参照されたい]。鉄欠乏性貧血の適切な治療は、その原因および重症度に依存し、主な従来の選択肢として経口鉄剤、非経口鉄製剤、およびRBC輸血がある。一部の実施形態では、EPO受容体活性化剤と任意選択で組み合わされた、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、慢性鉄欠乏症を処置するために使用することができるだろう。
骨髄異形成症候群(MDS)は、骨髄血球の無効な産生、および急性骨髄性白血病への転換のリスクを特徴とする、多様な一連の血液学液状態である。MDS患者では、血液幹細胞が成熟して健常な赤血球、白血球または血小板にならない。MDS障害は、例えば、不応性貧血、環状鉄芽球を伴う不応性貧血、過剰芽球を伴う不応性貧血、移行期の過剰芽球を伴う不応性貧血、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症、および5q単独の染色体異常を伴う骨髄異形成症候群を含む。これらの障害は、造血細胞の量と質の両方の不可逆的異常として顕在化するので、ほとんどのMDS患者が慢性貧血に罹患している。したがって、MDS患者は、赤血球レベルを増大させるために、輸血、および/または増殖因子(例えば、エリスロポエチンもしくはG-CSF)での処置を、最終的に必要とする。しかし、多くのMDS患者は、そのような治療の頻度に起因して副作用を発症する。例えば、頻繁に赤血球輸血を受ける患者は、余分な鉄の蓄積から組織および臓器損傷を示し得る。したがって、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、MDSを有する患者を処置するために使用され得る。ある特定の実施形態では、EPO受容体活性化剤と任意選択で組み合わせて、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質を使用して、MDSに罹患している患者を処置することができる。他の実施形態では、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質と、例えば、サリドマイド、レナリドミド、アザシチジン(azacitadine)、デシタビン、エリスロポエチン、デフェロキサミン、抗胸腺細胞グロブリンおよびフィルグラスチム(filgrastrim)(G-CSF)を含む、MDSを処置するための1つまたは複数のさらなる治療剤との組合せを使用して、MDSに罹患している患者を処置することができる。
鉄動態研究に基づいて再生不良性貧血、出血、または末梢溶血とは元来区別され[例えば、Rickettsら(1978年)Clin Nucl Med 3巻:159~164頁を参照されたい]、無効赤血球生成によって、成熟RBCの産生が、骨髄中に存在する赤血球前駆体(赤芽球)の数を前提として予想されるものより少ない、多様な貧血群が説明される[Tannoら(2010年)Adv Hematol 2010:358283]。そのような貧血では、エリスロポエチンレベルを上昇させたとしても、成熟RBCの無効な産生に起因して組織低酸素状態が続く。エリスロポエチンレベル上昇が赤芽球の大規模な拡大増殖を駆動し、その結果、髄外赤血球生成に起因して脾腫(脾臓の腫大)に至る[例えば、Aizawaら(2003年)Am J Hematol 74巻:68~72頁を参照されたい]、赤芽球誘導性骨病態に至る[例えば、Di Matteoら(2008年)J Biol Regul Homeost Agents 22巻:211~216頁を参照されたい]、および治療的RBC輸血の非存在下であっても組織鉄過剰に至る[例えば、Pippardら(1979年)Lancet 2巻:819~821頁を参照されたい]可能性がある悪循環が、最終的には発生する。したがって、赤血球生成の有効性を後押しすることにより、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、前述の循環を打破し、こうして、根底にある貧血ばかりでなく、エリスロポエチンレベル上昇、脾腫、骨病態、および組織鉄過剰といった関連する合併症も緩和することができる。一部の実施形態では、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、貧血およびEPOレベル上昇はもちろん、合併症、例えば、脾腫、赤芽球誘導性骨病態、鉄過剰、およびそれらに付随する病態も含む、無効赤血球生成を処置または予防するために使用することができる。脾腫に関して、そのような病態は、胸痛または腹痛および網内系過形成を含む。髄外造血は、脾臓内ばかりでなく、ことによると他の組織内でも、髄外造血性偽腫瘍の形態で生じ得る[例えば、Musallamら(2012年)Cold Spring Harb Perspect Med 2巻:a013482頁を参照されたい]。赤芽球誘導性骨病態に関して、付随する病態は、低骨塩密度、骨粗鬆症、および骨痛を含む[例えば、Haidarら(2011年)Bone 48巻:425~432頁を参照されたい]。鉄過剰に関して、付随する病態は、ヘプシジン抑制および食事に含まれる鉄の過剰吸収[例えば、Musallamら(2012年)Blood Rev 26巻(補遺1号):S16~S19頁を参照されたい]、複数の内分泌疾患および肝線維症/肝硬変[例えば、Galanelloら(2010年)Orphanet J Rare Dis 5巻:11頁を参照されたい]、ならびに鉄過剰性心筋症[Lekawanvijitら、2009年、Can J Cardiol 25巻:213~218頁]を含む。
無効赤血球生成の最も一般的な原因は、無傷のアルファ-およびベータ-ヘモグロビン鎖の産生の不均衡が赤芽球成熟中にアポトーシス増加をもたらす遺伝性ヘモグロビン異常症である、サラセミア症候群である[例えば、Schrier(2002年)Curr Opin Hematol 9巻:123~126頁を参照されたい]。集合的にサラセミアは、世界中で最も出現頻度が高い遺伝子障害の1つであり、米国においても全世界においても深刻さを増す公衆衛生問題の一因となると予測される疫学的パターンの変化を伴う[Vichinsky(2005年)Ann NY Acad Sci 1054巻:18~24頁]。サラセミア症候群は、それらの重症度に応じて命名される。したがって、α-サラセミアは、軽症型α-サラセミア(α-サラセミア形質としても公知;罹患α-グロビン遺伝子2個)、ヘモグロビンH症(罹患α-グロビン遺伝子3個)、および重症型α-サラセミア(胎児水腫としても公知;罹患α-グロビン遺伝子4個)を含む。β-サラセミアは、軽症型β-サラセミア(β-サラセミア形質としても公知;罹患β-グロビン遺伝子1個)、中間型β-サラセミア(罹患β-グロビン遺伝子2個)、ヘモグロビンEサラセミア(罹患β-グロビン遺伝子2個)、および重症型β-サラセミア(クーリー貧血としても公知;罹患β-グロビン遺伝子2個、その結果、β-グロビンタンパク質が完全に非存在となる)を含む。β-サラセミアは、複数の臓器に影響を及ぼし、相当高い罹患率および死亡率を伴い、現在のところ生涯にわたるケアを必要とする。β-サラセミアを有する患者の平均余命は、近年、鉄キレート化と組み合わせて定期的に輸血を使用することから延びてきたが、輸血および消化管による鉄の過剰吸収の両方の結果として生じる鉄過剰は、心疾患、血栓症、性腺機能低下症、甲状腺機能低下症、糖尿病、骨粗鬆症および骨減少など、重篤な合併症を引き起こし得る[例えば、Rundら(2005年)N Engl J Med 353巻:1135~1146頁を参照されたい]。ある特定の実施形態では、EPO受容体活性化剤と任意選択で組み合わされた、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、サラセミア症候群を処置または予防するために使用することができる。
一部の実施形態では、EPO受容体活性化剤と任意選択で組み合わされた、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、サラセミア症候群に加えて無効赤血球生成の障害を処置するために使用することができる。そのような障害は、鉄芽球性(siderblastic)貧血(遺伝性または後天性);赤血球異形成貧血(I型およびII型);鎌状赤血球貧血;遺伝性球状赤血球症;ピルビン酸キナーゼ欠損症;葉酸欠損症(先天性疾患、摂取量の減少、または要求量の増加に起因する)、コバラミン欠損症(先天性疾患、悪性貧血、吸収障害、膵臓機能不全、または摂取量の減少に起因する)などの状態、ある特定の薬物、または未解明の原因により引き起こされる可能性がある、巨赤芽球性貧血(先天性赤血球形成異常性貧血、不応性巨赤芽球性貧血、または赤白血病);例えば骨髄線維症(骨髄化生)および骨髄癆を含む骨髄癆性貧血;先天性赤血球生成性ポルフィリン症;ならびに鉛中毒を含む。
ある特定の実施形態では、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、無効赤血球生成のための支持療法と組み合わせて使用され得る。そのような療法は、貧血を処置するための、赤血球または全血どちらかの輸血を含む。慢性または遺伝性貧血では、鉄恒常性の正常なメカニズムが、繰り返される輸血により圧倒され、最終的には、心臓、肝臓および内分泌腺などの主要組織内への鉄の毒性であり、ことによると致死性である蓄積に至る。したがって、無効赤血球生成を慢性的に患っている患者のための支持療法は、1つまたは複数の鉄キレート化分子での処置であって、尿および/または糞便での鉄排泄を促進し、それによって組織鉄過剰を予防するかまたは好転させるための処置も含む[例えば、Hershko(2006年)Haematologica 91巻:1307~1312頁;Caoら(2011年)Pediatr Rep 3巻(2号):e17頁を参照されたい]。有効な鉄キレート剤は、ヒドロキシルラジカルおよび酸化生成物の触媒生成による、大部分の鉄毒性の主要因である可能性が高い、酸化形態の非トランスフェリン結合鉄である第二鉄に、選択的に結合し、それを中和することができなければならない[例えば、Espositoら(2003年)Blood、102巻:2670~2677頁を参照されたい]。これらの薬剤は、構造的に多様であるが、すべてが、1:1(六座の薬剤)、2:1(三座)、または3:1(二座)の化学量論比で個々の鉄原子と中和八面体配位錯体を形成することができる、酸素または窒素供与原子を保有する[Kalinowskiら(2005年)Pharmacol Rev、57巻:547~583頁]。一般に、有効な鉄キレート剤はまた、比較的低分子量(例えば、700ダルトン未満)であり、罹患組織への接近を可能にするために水溶性でもあり脂溶性でもある。鉄キレート分子の具体的な例は、連日非経口投与を必要とする細菌由来の六座の薬剤であるデフェロキサミン、ならびに経口活性の合成薬剤であるデフェリプロン(二座)およびデフェラシロクス(三座)を含む。2つの鉄キレート剤の同日投与からなる併用療法は、キレート剤単剤療法に応答しない患者において有望であり、単独でのデフェロキサミン(dereroxamine)に関する患者コンプライアンス不良の課題を克服する上でも有望である[Caoら(2011年)Pediatr Rep 3巻(2号):e17頁;Galanelloら(2010年)Ann NY Acad Sci、1202巻:79~86頁]。
本明細書で使用される場合、「~と組み合わせて」または「併せての投与」は、第2の治療が、体内でまだ有効である(例えば、2つの化合物が患者において同時に有効であり、これは、2つの化合物の相乗効果を含み得る)ような、任意の投与形態を指す。有効性は、血液、血清または血漿中の薬剤の測定可能な濃度と相関しないことがある。例えば、異なる治療用化合物を、同じ製剤でまたは別々の製剤で、同時にまたは逐次的に、および異なるスケジュールで投与することができる。したがって、そのような処置を受ける個体は、異なる治療の組み合わされた効果からの恩恵を受けることができる。本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質を、1つもしくは複数の他のさらなる薬剤もしくは支持療法と同時に、その前に、またはその後に投与することができる。一般に、各治療剤は、その個々の薬剤について決められた用量および/またはタイムスケジュールで投与されることになる。レジメンに用いられる特定の組合せは、本開示のアンタゴニストと治療の適合性、および/または達成すべき所望の治療効果を考慮に入れることになる。
ある特定の実施形態では、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、無効赤血球生成のためのヘプシジンまたはヘプシジンアゴニストと組み合わせて使用され得る。主として肝臓で産生される循環ポリペプチドであるヘプシジンは、吸収腸細胞、肝細胞およびマクロファージ上に局在する鉄排出タンパク質であるフェロポルチンの分解を誘導するその能力のため、鉄代謝の主要制御因子と考えられる。大まかに言うと、ヘプシジンは、細胞外鉄の利用能を低下させるため、ヘプシジンアゴニストは、無効赤血球生成の処置に有益であり得る[例えば、Nemeth(2010年)Adv Hematol、2010:750643を参照されたい]。この見解は、β-サラセミアのマウスモデルにおけるヘプシジン発現増加という有益な効果により裏付けられる[Gardenghiら(2010年)J Clin Invest 120巻:4466~4477頁]。
EPO受容体活性化剤と任意選択で組み合わされた、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、小型の(小球性)、特大の(大球性)、奇形の、または異常な色の(低色素性)RBCを一部には特徴とする、RBC成熟異常の貧血を処置するのにも適しているであろう。
ある特定の実施形態では、本開示は、個体に治療有効量の本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質およびEPO受容体活性化剤を投与することにより、それを必要とする個体における貧血を処置または予防する方法を提供する。ある特定の実施形態では、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質を、EPO受容体活性化剤と組み合わせて使用して、EPOの有害効果を受けやすい患者におけるこれらの活性化剤の必要用量を低減させることができる。これらの方法を患者の治療的および予防的処置に使用することができる。
本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質をEPO受容体活性化剤と組み合わせて使用して、赤血球の増加を、特に、EPO受容体活性化剤のより低い用量範囲で達成することができる。これは、高用量のEPO受容体活性化剤に関連する公知のオフターゲット効果およびリスクを低減させる点で有益であり得る。EPOの主要な有害効果は、例えば、ヘマトクリットまたはヘモグロビンレベルの過剰な増大、および赤血球増加症を含む。ヘマトクリットレベル上昇は、高血圧症(より詳細には、高血圧症の増悪)および血管血栓症に至ることがある。一部は高血圧症に関連する、報告されているEPOの他の有害効果は、頭痛、インフルエンザ様症候群、シャントの閉塞、心筋梗塞、ならびに血栓症、高血圧性脳症および赤血球無形成(red cell blood cell aplasia)に起因する脳性痙攣である。例えば、Singibarti(1994年)J. Clin Investig 72巻(補遺6号)、S36~S43頁;Horlら(2000年)Nephrol Dial Transplant 15巻(補遺4号)、51~56頁;Delantyら(1997年)Neurology 49巻、686~689頁;およびBunn(2002年)N Engl J Med 346巻(7号)、522~523頁を参照されたい。
本開示のバリアントActRIIBタンパク質が、EPOとは異なるメカニズムにより作用するという条件で、これらのアンタゴニストは、EPOに対してあまり応答しない患者において赤血球およびヘモグロビンレベルを増大させるのに有用であり得る。例えば、本開示のアンタゴニストは、EPOの通常用量から増加用量(>300IU/kg/週)の投与がヘモグロビンレベルを標的のレベルまで増大させる結果とならない患者に有益であり得る。EPO応答が不十分である患者はすべてのタイプの貧血に見られるが、がんを有する患者および末期腎疾患を有する患者において、より多くの非応答者数が特に頻繁に観察されている。EPOに対する不十分な応答は、構成的である(EPOでの初回処置時に観察される)こともあり、または後天的である(EPOでの反復処置時に観察される)こともある。
ある特定の実施形態では、本開示は、本開示の1つもしくは複数のバリアントActRIIBタンパク質で処置されている患者、または処置される候補者である患者を、患者における1つまたは複数の血液学的パラメーターを測定することにより管理するための方法を提供する。血液学的パラメーターは、本開示のアンタゴニストで処置される候補者である患者に対する適切な投薬を評価するために、処置中に血液学的パラメーターをモニターするために、本開示の1つもしくは複数のアンタゴニストでの処置中に投薬量を調整するかどうかを評価するために、および/または本開示の1つもしくは複数のアンタゴニストの適切な維持用量を評価するために使用することができる。血液学的パラメーターの1つまたは複数が正常レベル外である場合、本開示の1つもしくは複数のバリアントActRIIBタンパク質の投薬を低減させてもよく、遅らせてもよく、または終了してもよい。
本明細書で提供される方法に従って測定することができる血液学的パラメーターは、例えば、赤血球レベル、血圧、鉄貯蔵量、および当技術分野で認知されている方法を使用して、赤血球レベル増大と相関する、体液中で見出される他の作用因子を含む。そのようなパラメーターを、患者からの血液試料を使用して判定することができる。赤血球レベル、ヘモグロビンレベルおよび/またはヘマトクリットレベルの増大は、血圧の増大を引き起こし得る。
一実施形態では、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質で処置される候補者である患者において、1つまたは複数の血液学的パラメーターが、正常範囲外であるか、または高めの正常値である場合には、血液学的パラメーターが自然にまたは治療的介入によって正常または許容されるレベルに戻るまで、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質の投与の開始を遅らせることができる。例えば、候補患者が高血圧または前高血圧である場合には、患者の血圧を下げるために患者を降圧剤で処置することができる。例えば、利尿薬、アドレナリン阻害剤(アルファブロッカーおよびベータブロッカーを含む)、血管拡張薬、カルシウムチャネル遮断薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、またはアンジオテンシンII受容体遮断薬を含む、個々の患者の状態に適する任意の降圧剤を使用することができる。あるいは、食事および運動レジメンを使用して、血圧を処置することができる。同様に、候補患者が、正常よりも低いか、または低めの正常値である鉄貯蔵量を有する場合には、患者の鉄貯蔵量が正常または許容されるレベルに戻るまで、食事および/または鉄サプリメントの適切なレジメンで患者を処置することができる。正常より高い赤血球レベルおよび/またはヘモグロビンレベルを有する高い患者については、レベルが正常または許容されるレベルに戻るまで、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質の投与を遅らせることができる。
ある特定の実施形態では、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質で処置される候補者である患者において、1つまたは複数の血液学的パラメーターが、正常範囲外であるか、または高めの正常値である場合には、投与の開始を遅らせないことがある。しかし、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質の投薬の投薬量または頻度を、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質の投与時に生じる血液学的パラメーターの許容され難い増大のリスクを低下させることになる量に設定することができる。あるいは、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質と、血液学的パラメーターの望ましくないレベルに対処する治療剤とを組み合わせる治療レジメンを、患者のために開発することができる。例えば、患者が高血圧を有する場合には、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質および降圧剤の投与を含む治療レジメンを設計することができる。所望の鉄貯蔵量より低い鉄貯蔵量を有する患者については、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質および鉄補充の治療レジメンを開発することができる。
一実施形態では、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質で処置される候補者である患者のために、1つまたは複数の血液学的パラメーターについてのベースラインパラメーターを確立することができ、ベースライン値に基づいて、その患者に適した投薬レジメンを確立することができる。あるいは、患者の病歴に基づいて確立されたベースラインパラメーターを使用して、患者に適したアンタゴニスト投薬レジメンの情報を得ることができる。例えば、健常患者が被定義正常範囲より高い確立されたベースライン血圧測定値を有する場合、本開示の1つまたは複数のアンタゴニストでの処置の前に、患者の血圧を、一般集団について正常と見なされる範囲内に至らせる必要がないことがある。本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質での処置前の1つまたは複数の血液学的パラメーターについての患者のベースライン値は、本開示の1つまたは複数のアンタゴニストでの処置中の血液学的パラメーターに対する何らかの変化をモニターするための関連比較値として使用することもできる。
ある特定の実施形態では、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質で処置されている患者において、1つまたは複数の血液学的パラメーターが測定される。血液学的パラメーターを使用して、処置中に患者をモニターし、本開示の1つもしくは複数のアンタゴニストの投薬または別の治療剤のさらなる投薬の調整または終了を可能にすることができる。例えば、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質の投与が、血圧、赤血球レベルもしくはヘモグロビンレベルの増大、または鉄貯蔵量の低減をもたらす場合には、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質の投薬は、1つまたは複数の血液学的パラメーターに対する本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質の影響を低下させるために、量または頻度が低減され得る。本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質の投与が、患者に有害である1つまたは複数の血液学的パラメーターの変化をもたらす場合には、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質の投薬を、血液学的パラメーターが許容されるレベルに戻るまで一時的に終了してもよく、または永久に終了してもよい。同様に、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質の投与の用量または頻度を低減させた後に1つまたは複数の血液学的パラメーターが許容される範囲内に至らない場合には、投薬を終了することができる。本開示の1つもしく複数のバリアントActRIIBタンパク質の投薬の低減もしくは終了の代替として、またはそれに加えて、血液学的パラメーターの望ましくないレベルに対処するさらなる治療剤、例えば、降圧剤または鉄サプリメントを、患者に投薬することができる。例えば、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質で処置されている患者が高血圧を有する場合には、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質の投薬を同じレベルで継続することができ、降圧剤が処置レジメンに追加されるか、本開示の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質の投薬を(例えば、量および/または頻度に関して)低減させることができ、降圧剤が処置レジメンに追加されるか、または本開示の1つもしくは複数のバリアントActRIIBタンパク質の投薬を終了することができ、そして患者を降圧剤で処置することができる。
7.医薬組成物
ある特定の実施形態では、本発明の化合物(例えば、ホモマーまたはヘテロマー形態のいずれかにおけるバリアントActRIIBタンパク質)は、薬学的に許容される担体と共に製剤化される。例えば、バリアントActRIIBタンパク質は、単独で、または医薬製剤(治療組成物)の構成成分として投与することができる。対象化合物は、ヒトの医学または獣医学における使用のためのいずれか簡便な仕方で投与のために製剤化することができる。
ある特定の実施形態では、本発明の治療方法は、インプラントまたはデバイスとして、外用に、全身性にまたは局所的に組成物を投与するステップを含む。投与される場合、本発明における使用のための治療組成物は、当然ながら、パイロジェン不含の生理学的に許容される形態である。さらに、組成物は、望ましくは、標的組織部位(例えば、骨、軟骨、筋肉、脂肪またはニューロン)、例えば、組織損傷を有する部位への送達のために被包または粘稠性形態で注射され得る。外用投与は、創傷治癒および組織修復に適する場合がある。上述の組成物中に同様に任意選択で含まれ得るバリアントActRIIBタンパク質以外の治療上有用な薬剤は、それに代えてまたはその上、本発明の方法において対象化合物(例えば、バリアントActRIIBタンパク質)と同時にまたは逐次に投与することができる。
ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、標的組織部位に1つまたは複数の治療化合物(例えば、バリアントActRIIBタンパク質)を送達し、発達中の組織のための構造を提供することができ、最適には、身体内に再吸収され得る、マトリックスを含むことができる。例えば、マトリックスは、バリアントActRIIBタンパク質の緩徐放出を提供することができる。そのようなマトリックスは、他の植え込み型の医学的適用のために現在使用されている材料でできていてよい。
マトリックス材料の選択は、生体適合性、生分解性、機械的特性、美容上の外観および界面特性に基づく。対象組成物の特定の適用は、適切な製剤を定義するであろう。組成物のための潜在的マトリックスは、生分解性および化学的に定義された硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ポリ乳酸およびポリ酸無水物となり得る。他の潜在的材料は、骨または真皮コラーゲンなど、生分解性であり、生物学的に十分に定義されている。さらなるマトリックスは、純粋タンパク質または細胞外基質構成成分で構成されている。他の潜在的マトリックスは、焼結ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、アルミン酸塩または他のセラミックスなど、非生分解性であり、化学的に定義されている。マトリックスは、ポリ乳酸およびヒドロキシアパタイトまたはコラーゲンおよびリン酸三カルシウムなど、前述の種類の材料のいずれかの組合せで構成されていてよい。バイオセラミックスは、アルミン酸リン酸カルシウム(calcium-aluminate-phosphate)など、組成が変更されていてよく、ポアサイズ、粒子径、粒子形状および生分解性を変更するように加工する。
ある特定の実施形態では、本発明のバリアントActRIIBタンパク質は、経口で、例えば、活性成分として所定量の薬剤をそれぞれ含有する、カプセル、カシェー、丸剤、錠剤、薬用キャンディー(風味付け基剤、通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガントを使用)、粉末、顆粒の形態で、または水性もしくは非水性液体における溶液もしくは懸濁液として、または水中油型もしくは油中水型液体エマルションとして、またはエリキシル剤もしくはシロップとして、または芳香錠(ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなどの不活性基剤を使用)として、および/または口腔洗浄薬その他として投与することができる。薬剤は、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与することもできる。
経口投与のための固体剤形(カプセル、錠剤、丸剤、ドラジェ、粉末、顆粒、その他)において、本発明の1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムおよび/または次のうちいずれかなど、1つまたは複数の薬学的に許容される担体と混合することができる:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸など、フィラーまたは増量剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアなど、結合剤;(3)グリセロールなど、保水剤;(4)寒天-寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなど、崩壊剤;(5)パラフィンなど、溶解遅延剤;(6)四級アンモニウム化合物など、吸収促進物質;(7)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなど、湿潤剤;(8)カオリンおよびベントナイト粘土など、吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物など、潤滑剤;ならびに(10)着色剤。カプセル、錠剤および丸剤の場合、医薬組成物は、緩衝剤を含むこともできる。同様の種類の固体組成物が、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールその他などの賦形剤を使用して、軟および硬充填ゼラチンカプセルにおけるフィラーとして用いられてもよい。
経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤を含む。活性成分に加えて、液体剤形は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実、ラッカセイ、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシおよびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物など、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤など、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含有することができる。不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味料、調味料、着色料、香料および保存剤など、アジュバントを含むこともできる。
懸濁液は、活性化合物に加えて、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド(aluminum metahydroxide)、ベントナイト、寒天-寒天およびトラガント、ならびにこれらの混合物など、懸濁剤を含有することができる。
本明細書に開示されているある特定の組成物は、皮膚または粘膜のいずれかに、外用投与することができる。外用製剤は、皮膚または角質層浸透エンハンサーとして有効であることが公知の多種多様な薬剤のうち1つまたは複数をさらに含むことができる。それらの例は、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、プロピレングリコール、メチルまたはイソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシドおよびアゾンである。追加的な薬剤がさらに含まれて、製剤を化粧品的に許容されるようにすることができる。それらの例は、脂肪、ワックス、油、色素、芳香剤、保存剤、安定剤および界面活性剤である。当技術分野で公知のものなど、角質溶解剤が含まれてもよい。その例は、サリチル酸および硫黄である。
外用または経皮投与のための剤形は、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入薬を含む。活性化合物は、無菌条件下で、薬学的に許容される担体と、また、要求され得るいずれかの保存剤、緩衝剤または噴霧剤と混合されてよい。軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の対象化合物(例えば、バリアントActRIIBタンパク質)に加えて、動物および植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはこれらの混合物などの賦形剤を含有することができる。
粉末およびスプレーは、対象化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有することができる。スプレーはその上、クロロフルオロヒドロカーボンなどの習慣的な噴霧剤、ならびにブタンおよびプロパンなどの揮発性未置換炭化水素を含有することができる。
ある特定の実施形態では、非経口的投与に適した医薬組成物は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、製剤を意図されるレシピエントの血液と等張性にする溶質、または懸濁もしくは増粘剤を含有することができる、1つまたは複数の薬学的に許容される無菌等張性水性または非水性溶液、分散、懸濁液またはエマルション、または使用直前に無菌注射用溶液もしくは分散へと再構成され得る無菌粉末と組み合わせて、1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質を含むことができる。本発明の医薬組成物中に用いられてよい適した水性および非水性担体の例として、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、その他など)およびこれらの適した混合物、オリーブ油などの植物油、ならびにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが挙げられる。適正な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散の場合は要求される粒子径の維持によって、また、界面活性物質の使用によって維持することができる。
本発明の組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤など、アジュバントを含有することもできる。微生物の作用の予防は、様々な抗細菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸、その他の包含によって確実となり得る。糖、塩化ナトリウム、その他など、等張性薬剤を組成物中に含むことが望ましい場合もある。加えて、注射用医薬品形態の延長された吸収が、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなど、吸収を遅延させる薬剤の包含によってもたらされてもよい。
投薬量レジメンが、本発明の対象化合物(例えば、バリアントActRIIBタンパク質)の作用を修飾する様々な因子を考慮して、担当医によって決定されるであろうことが理解される。様々な因子は、処置されるべき疾患に依存するであろう。筋肉障害の場合、因子として、形成されることが望まれる筋量の量、疾患によって最も影響を受ける筋肉、増悪した筋肉の状態、患者の年齢、性別および食事、投与の時間、ならびに他の臨床因子を挙げることができるがこれらに限定されない。最終組成物への他の公知増殖因子の添加も、投薬量に影響を与え得る。進行は、筋肉成長および/または修復の定期的評価によって、例えば、筋力検査、筋肉サイズのMRI評価、および筋肉生検の分析によってモニターすることができる。
本発明のある特定の実施形態では、1つまたは複数のバリアントActRIIBタンパク質は、一緒に(同時に)、または異なる時点で(逐次または重複して)投与することができる。加えて、バリアントActRIIBタンパク質は、別の種類の治療剤、例えば、軟骨誘導剤、骨誘導剤、筋肉誘導剤、脂肪減少またはニューロン誘導剤と共に投与することができる。2種類の化合物を、同時にまたは異なる時点で投与することができる。本発明のバリアントActRIIBタンパク質が、別の治療剤と協調してまたはおそらく相乗的に作用し得ることが予想される。
具体例では、種々の骨原性、軟骨誘導および骨誘導因子、特に、ビスホスホネートについて記載されている。例えば、欧州特許出願第148,155号および同第169,016号を参照されたい。例えば、対象バリアントActRIIBタンパク質と組み合わせることができる他の因子は、上皮増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF-αおよびTGF-β)およびインスリン様増殖因子(IGF)など、様々な増殖因子を含む。
ある特定の実施形態では、本発明はまた、バリアントActRIIBタンパク質のin vivo産生のための遺伝子療法を提供する。そのような治療法は、上に収載されている障害を有する細胞または組織へのバリアントActRIIBポリヌクレオチド配列の導入によってその治療効果を達成するであろう。バリアントActRIIBポリヌクレオチド配列の送達は、キメラウイルスなどの組換え発現ベクターまたはコロイド分散系を使用して達成することができる。バリアントActRIIBポリヌクレオチド配列の治療送達に好ましいのは、標的化リポソームの使用である。
本明細書に教示されている遺伝子療法に利用することができる様々なウイルスベクターは、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアまたは好ましくは、レトロウイルスなどのRNAウイルスを含む。好ましくは、レトロウイルスベクターは、マウスまたはトリレトロウイルスの誘導体である。単一の外来遺伝子が挿入され得るレトロウイルスベクターの例として、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLV)、ハーベイマウス肉腫ウイルス(HaMuSV)、マウス乳房腫瘍ウイルス(MuMTV)およびラウス肉腫ウイルス(RSV)が挙げられるがこれらに限定されない。多数の追加的なレトロウイルスベクターは、複数の遺伝子を取り込むことができる。これらのベクターは全て、形質導入された細胞を同定および生成することができるように、選択可能マーカーのための遺伝子を移入または取り込むことができる。レトロウイルスベクターは、例えば、糖、糖脂質またはタンパク質を結合させることにより、標的特異的とすることができる。好ましい標的化は、抗体を使用することにより達成される。当業者であれば、特異的ポリヌクレオチド配列をレトロウイルスゲノム内に挿入して、またはウイルスエンベロープに結合させて、バリアントActRIIBポリヌクレオチドを含有するレトロウイルスベクターの標的特異的送達を可能にすることができることを認識するであろう。好ましい一実施形態では、ベクターは、骨、軟骨、筋肉または神経細胞/組織に標的化される。
あるいは、従来のリン酸カルシウムトランスフェクションにより、レトロウイルス構造遺伝子(gag、polおよびenv)をコードするプラスミドを組織培養細胞に直接トランスフェクトすることができる。次いで、これらの細胞に、目的の遺伝子を含有するベクタープラスミドがトランスフェクトされる。得られた細胞は、レトロウイルスベクターを培養培地に放出する。
バリアントActRIIBポリヌクレオチドのための別の標的化送達系は、コロイド分散系である。コロイド分散系は、巨大分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、ならびに水中油型エマルション、ミセル、混合型ミセルおよびリポソームを含む脂質に基づく系を含む。本発明の好ましいコロイド系は、リポソームである。リポソームは、in vitroおよびin vivoでの送達媒体として有用な人工膜小胞である。RNA、DNAおよびインタクトビリオンは、水性内部の内に被包され、生物学的活性形態で細胞に送達され得る(例えば、Fraleyら、Trends Biochem. Sci.、6巻:77頁、1981年を参照)。リポソーム媒体を使用した効率的遺伝子移入のための方法は、当技術分野で公知であり、例えば、Manninoら、Biotechniques、6巻:682頁、1988年を参照されたい。通常、リポソームの組成は、通常、ステロイド、特にコレステロールと組み合わせた、リン脂質の組合せである。他のリン脂質または他の脂質を使用することもできる。リポソームの物理的特徴は、pH、イオン強度、および二価カチオンの存在に依存する。
リポソーム産生において有用な脂質の例として、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴ脂質、セレブロシドおよびガングリオシドなどのホスファチジル化合物が挙げられる。例証的なリン脂質は、例えば、ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリンおよびジステアロイルホスファチジルコリンを含む。例えば、臓器特異性、細胞特異性およびオルガネラ特異性に基づくリポソームの標的化も可能であり、当技術分野で公知である。
ここで、本発明を一般的に記載し、単に、ある特定の実施形態および本発明の実施形態の例示のために含まれ、本発明を限定することを意図するものではない、以下の実施例を参照することによって、本発明はより容易に理解されるであろう。
(実施例1)
ActRIIB-Fc融合タンパク質の生成
出願人は、最小リンカー(3個のグリシンアミノ酸)を間に有するヒトG1Fcドメインに融合されたヒトActRIIBの細胞外ドメインを有する可溶性ActRIIB融合タンパク質を構築した。構築物は、ActRIIB-G1Fcと呼ばれる。
ActRIIB-G1Fcは、CHO細胞系から精製された、以下の配列番号5中に示される(リンカーは下線付きである):
Figure 0007280182000150
ActRIIB-G1Fcタンパク質を、CHO細胞系中で発現させた。3つの異なるリーダー配列を考慮した:
(i)ミツバチメリチン(HBML):MKFLVNVALVFMVVYISYIYA(配列番号7)
(ii)組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA):MDAMKRGLCCVLLLCGAVFVSP(配列番号8)
(iii)天然:MTAPWVALALLWGSLCAG(配列番号9)
選択された形態は、TPAリーダーを用い、以下のプロセシングされていないアミノ酸配列を有する:
Figure 0007280182000151
Figure 0007280182000152
(配列番号6)
このポリペプチドは、以下の核酸配列(配列番号10)によってコードされる:
Figure 0007280182000153
CHO細胞により産生された材料のN末端配列決定により、-GRGEAE(配列番号11)の主要な配列が明らかになった。注目すべきことに、文献中で報告された他の構築物は、-SGR...配列で始まる。
精製を、例えば、任意の順序の、以下:プロテインAクロマトグラフィー、Qセファロースクロマトグラフィー、フェニルセファロースクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、およびカチオン交換クロマトグラフィーのうちの3つまたはそれより多くを含む、一連のカラムクロマトグラフィーステップによって達成することができる。精製を、ウイルス濾過および緩衝液交換を用いて完了させることができる。
ActRIIB-Fc融合タンパク質も、HEK293細胞およびCOS細胞中で発現させた。全ての細胞系に由来する材料および合理的な培養条件は、タンパク質に、in vivoでの筋肉構築活性を提供したが、おそらく、細胞系の選択および/または培養条件と関連する効力の変動性が観察された。
(実施例2)
ActRIIB-Fcバリアントタンパク質の生成
出願人は、ActRIIBの細胞外ドメイン中に一連の突然変異(配列変形形態)を生成し、任意選択のリンカーによって接合されたActRIIBバリアント細胞外ドメインとFcドメインとを含む可溶性ホモ二量体融合タンパク質としてこれらのバリアントポリペプチドを産生した。バックグラウンドActRIIB-Fc融合物は、配列番号5に示されるActRIIB-G1Fcであった。
様々な置換突然変異を、バックグラウンドActRIIB-Fcタンパク質中に導入した。実施例1に提示されたデータに基づくと、これらの構築物が、TPAリーダーと共に発現された場合、N末端セリンを欠くであろうことが予想される。突然変異は、PCR突然変異誘発によってActRIIB細胞外ドメイン中で生成した。PCR後、Qiagenカラムを介して断片を精製し、SfoIおよびAgeIで消化し、ゲル精製した。これらの断片を、ライゲーションの際に、それがヒトIgG1との融合キメラを作出するように、発現ベクターpAID4(WO2006/012627を参照されたい)中にライゲーションした。E.coli DH5アルファ中への形質転換の際に、コロニーを選び取り、DNAを単離した。マウス構築物(mFc)については、マウスIgG2aをヒトIgG1に置換した。全ての突然変異体を、配列検証した。
プロセシングされていないActRIIB(K55A)-G1Fcのアミノ酸配列を、以下に示す(配列番号31)。シグナル配列およびリンカー配列は、実線の下線により示され、K55A置換は、二重下線により示される。配列番号31のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000154
このActRIIB(K55A)-G1Fc融合ポリペプチドは、以下の核酸配列(配列番号32)によってコードされる:
Figure 0007280182000155
Figure 0007280182000156
成熟ActRIIB(K55A)-G1Fc融合ポリペプチド(配列番号33)は、以下の通りであり、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000157
プロセシングされていないActRIIB(K55E)-G1Fcのアミノ酸配列を、以下に示す(配列番号34)。シグナル配列およびリンカー配列は、実線の下線により示され、K55E置換は二重下線により示される。配列番号34のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000158
Figure 0007280182000159
このActRIIB(K55E)-G1Fc融合ポリペプチドは、以下の核酸配列(配列番号35)によってコードされる:
Figure 0007280182000160
成熟ActRIIB(K55E)-G1Fc融合ポリペプチド(配列番号36)は、以下の通りであり、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000161
Figure 0007280182000162
プロセシングされていないActRIIB(F82I)-G1Fcのアミノ酸配列を、以下に示す(配列番号37)。シグナル配列およびリンカー配列は、実線の下線により示され、F82I置換は二重下線により示される。配列番号37のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000163
このActRIIB(F82I)-G1Fc融合ポリペプチドは、以下の核酸配列(配列番号38)によってコードされる:
Figure 0007280182000164
Figure 0007280182000165
成熟ActRIIB(F82I)-G1Fc融合ポリペプチド(配列番号39)は、以下の通りであり、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000166
プロセシングされていないActRIIB(F82K)-G1Fcのアミノ酸配列を、以下に示す(配列番号40)。シグナル配列およびリンカー配列は、実線の下線により示され、F82K置換は二重下線により示される。配列番号40のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000167
このActRIIB(F82K)-G1Fc融合ポリペプチドは、以下の核酸配列(配列番号41)によってコードされる:
Figure 0007280182000168
Figure 0007280182000169
成熟ActRIIB(F82K)-G1Fc融合ポリペプチド(配列番号42)は、以下の通りであり、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000170
構築物を、COSまたはCHO細胞中で発現させ、濾過およびプロテインAクロマトグラフィーによって精製した。一部の例では、アッセイを、精製タンパク質ではなく馴化培地を用いて実施した。レポーター遺伝子アッセイのための試料の純度を、SDS-PAGEおよびウェスタンブロット解析によって評価した。
突然変異体を、以下に記載される結合アッセイおよび/またはバイオアッセイにおいて試験した。
あるいは、同様の突然変異を、以下に示されるように、5個のアミノ酸のN末端短縮および3個のアミノ酸のC末端短縮を有するActRIIB細胞外ドメイン中に導入することができる(配列番号53)。この短縮されたActRIIB細胞外ドメインは、配列番号2中の番号付けに基づいてActRIIB(25~131)と命名される。
Figure 0007280182000171
対応するバックグラウンド融合ポリペプチド、ActRIIB(25~131)-G1Fcを、以下に示す(配列番号12)。
Figure 0007280182000172
(実施例3)
細胞に基づくアッセイにおけるActRIIB-Fcバリアントタンパク質の活性
A204細胞に基づくアッセイを使用して、アクチビンA、GDF11、およびBMP9によるシグナル伝達に対するActRIIB-Fcバリアントタンパク質間の効果を比較した。簡単に述べると、このアッセイは、筋肉に由来するヒトA204横紋筋肉腫細胞系(ATCC(登録商標):HTB-82(商標))およびレポーターベクターpGL3(CAGA)12(Dennlerら、1998年、EMBO 17巻:3091~3100頁)ならびにトランスフェクション効率について制御するためのウミシイタケレポータープラスミド(pRLCMV)を使用する。CAGA12モチーフは、TGF-β応答遺伝子(例えば、PAI-1遺伝子)中に存在し、したがって、このベクターは、アクチビンA、GDF11、およびBMP9を含む、Smad2/3を介してシグナルを発することができるリガンドに対して一般に使用されているものである。
1日目に、A-204細胞を、1つまたは複数の48ウェルプレート中に移した。2日目に、これらの細胞に、10μgのpGL3(CAGA)12またはpGL3(CAGA)12(10μg)+pRLCMV(1μg)およびFugeneをトランスフェクトした。3日目に、0.1%BSAを含有する培地中に希釈したリガンドを、細胞への添加前に1時間、ActRIIB-Fcタンパク質と共に予備インキュベートした。約6時間後、細胞をPBSですすぎ、溶解した。細胞溶解物をルシフェラーゼアッセイにおいて分析して、Smad活性化の程度を決定した。
このアッセイを使用して、アクチビンA、GDF11、およびBMP9による細胞シグナル伝達に対する阻害効果についてActRIIB-Fcバリアントタンパク質をスクリーニングした。ヒトActRIIB細胞外ドメイン中にアミノ酸置換を組み入れたホモ二量体Fc融合タンパク質の効力を、未修飾ヒトActRIIB細胞外ドメインを含むFc融合タンパク質のものと比較した。
Figure 0007280182000173
Figure 0007280182000174
上記の表に示されたように、ActRIIB細胞外ドメイン中の単一のアミノ酸置換は、細胞に基づくレポーター遺伝子アッセイにおいて、アクチビンAまたはGDF11の阻害と、BMP9の阻害との間の均衡を変更し得る。未修飾ActRIIB細胞外ドメインを含有する融合タンパク質と比較して、ActRIIB(K55A)-Fc、ActRIIB(K55E)-Fc、ActRIIB(F82I)-Fc、およびActRIIB(F82K)-Fcバリアントは、アクチビンAおよびGDF11の本質的に減少していない阻害を維持しながら、BMP9のあまり強力でない阻害(IC50値の増大)を示した。
これらの結果は、ActRIIB(K55A)-Fc、ActRIIB(K55E)-Fc、ActRIIB(F82I)-Fc、およびActRIIB(F82K)-FcなどのActRIIB-Fcバリアントタンパク質が、未修飾ActRIIB細胞外ドメインを含むFc融合タンパク質と比較して、アクチビンAおよびGDF11のより選択的なアンタゴニストであることを示している。したがって、これらのバリアントは、そのような拮抗作用が有利である、ある特定の適用では、ActRIIB-Fcよりも有用であり得る。例としては、BMP9、潜在的には、BMP10の拮抗作用を低下させながら、アクチビンA、GDF8、およびGDF11のうちの1つまたは複数の拮抗作用を保持することが望ましい治療適用が挙げられる。
(実施例4)
ActRIIB-Fcバリアントホモ二量体のリガンド結合プロファイル
Biacore(商標)に基づく結合アッセイを使用して、実施例3でスクリーニングされたある特定のActRIIB-Fcバリアントタンパク質ならびに以前に評価されていない他のActRIIB-Fcバリアントタンパク質のリガンド結合動態を比較した。試験しようとするActRIIB-Fcタンパク質を、抗Fc抗体を使用するシステム上に独立に捕捉した。次いで、リガンドを注入し、捕捉された受容体タンパク質上に流動させた。37℃で分析されたActRIIB-Fcバリアントタンパク質の結果を、図8に示す。未修飾ActRIIB細胞外ドメインを含むFc融合タンパク質と比較して、ActRIIB(K55A)-Fc、ActRIIB(K55E)-Fc、ActRIIB(F82I)-Fc、およびActRIIB(F82K)-Fcバリアントタンパク質は、GDF11に対するよりもBMP9に対するその親和性のより大きな減少を示した。25℃で分析されたさらなるActRIIB-Fcバリアントタンパク質の結果を、図9に示す。
これらの結果により、K55A、K55E、F82I、およびF82Kが、アクチビンAまたはGDF11に対するActRIIBの親和性を低下させるよりも、BMP9に対するActRIIBの結合親和性を低下させる置換として、確認される。したがって、これらのActRIIB-Fcバリアントタンパク質は、そのような選択的拮抗作用が有利である、ある特定の適用では未修飾ActRIIB-Fcタンパク質よりも有用であり得る。例としては、BMP9の拮抗作用を低下させながら、アクチビンA、アクチビンB、GDF8、およびGDF11のうちの1つまたは複数の拮抗作用を保持することが望ましい治療適用が挙げられる。
(実施例5)
マウスにおけるActRIIB-Fcバリアントホモ二量体の活性
選択されたActRIIB-G1Fcバリアントホモ二量体をマウスにおいて試験して、in vivoでのその活性プロファイルの差異を調査した。成体野生型C57BL/6マウスに、10mg/kg(i.p.)のActRIIB(K55A)-Fc、ActRIIB(K55E)-Fc、ActRIIB(F82I)-Fc、ActRIIB(F82K)-Fc、未修飾ActRIIB-Fc、またはビヒクルを、週2回、4週間投薬した(n=群あたり8匹のマウス)。研究評価項目は、ベースラインおよび研究完了時に核磁気共鳴(NMR)によって決定された、体重、CBC、および全身除脂肪量および全身脂肪量を含んでいた。
未修飾ActRIIB-Fcによるマウスの処置は、ビヒクル処置対照と比較して、研究の経過にわたって体重増加を3倍よりも多くした。ActRIIB(F82I)-Fcにより引き起こされた体重増加(25%)は、未修飾ActRIIB-Fcにより引き起こされたもの(29%)とほぼ同じ大きさであったが、他のActRIIB-Fcバリアントタンパク質は、12~17%の範囲の体重増加をもたらした(図10)。NMR分析により、ActRIIB(F82I)-Fc処置が、以下の表に示されるように、ビヒクルと比較して、大幅に全身除脂肪量を増加させ全身体脂肪量を減少させたことが明らかになった。
Figure 0007280182000175
ActRIIB(F82I)-Fcは、ActRIIB-Fcによってもたらされたもののおよそ半分の規模の除脂肪量および体脂肪量の変化をもたらした。除脂肪組織および脂肪組織の正規化された(パーセンテージに基づく)変化は、除脂肪量(典型的には、マウスでは体重の約70%)は脂肪量(典型的には、体重の約10%)よりもはるかに大きいため、絶対的な変化に対するその一致において異なることが認識されるべきである。腓腹筋、大腿直筋、および胸筋を含む、検査した個々の骨格筋は、全てビヒクルと比較してActRIIB(F82I)-Fcによる処置の経過にわたって重量を大幅に増加させた。
評価した5つ全てのActRIIB-Fc融合タンパク質が、ビヒクルがもたらすよりも大幅に高い赤血球パラメーター(RBC計数、ヘマトクリット、およびヘモグロビン濃度)の値をもたらし、これらのパラメーターに対するActRIIB(F82I)-Fcの刺激効果は、未修飾ActRIIB-Fcのものを超えていた(図11)。
したがって、ActRIIBバリアント細胞外ドメインを含むFc融合タンパク質ホモ二量体は、赤血球および骨格筋に対する有益な同化効果ならびに未修飾ActRIIB-Fcホモ二量体のものと類似する脂肪組織に対する異化効果を発揮することができる。しかしながら、ActRIIB-Fcバリアントホモ二量体は、未修飾ActRIIB-Fcと比較してBMP9に対して低い親和性で結合し、したがって、血管新生などの、そのリガンドによって媒介されるプロセスの減少した阻害を発揮する。この新規の選択性は、例えば、赤血球および筋肉に対する刺激効果ならびに脂肪に対する阻害効果を必要とするが、血管新生の変更を必要としない患者の処置において有用である。
(実施例6)
非ヒト霊長類におけるActRIIB(F82I)-Fcホモ二量体の活性
次いで、出願人は、ActRIIB(F82I)-Fcホモ二量体が非ヒト霊長類におけるRBCパラメーターを変更するかどうかを調査した。カニクイザル(M.fascicularis)を、29日の研究の1および15日目に、9mg/kg(s.c.)のActRIIB(F82I)-G1Fc、未修飾ActRIIB-G1Fc、または未修飾ActRIIA-G1Fcで処置した(n=群あたり4匹のサル)。図12に示されるように、ActRIIB(F82I)-Fc処置は、ActRIIA-Fc(陽性対照)のものと同様の量によりActRIIB-Fc(霊長類における陰性対照)と比較してRBC計数を増加させた。同等の結果が、ヘモグロビン濃度およびヘマトクリットについて得られた(データは示さない)。これらのデータにより、ActRIIB(F82I)-Fcホモ二量体が、未修飾ActRIIB-Fcホモ二量体のものとは異なるin vivoでの活性を有することが確認される。
(実施例7)
ActRIIB-Fc:ActRIIB(L79E)-Fcヘテロ二量体の生成
出願人は、それぞれ、細胞外ドメインとG1Fcドメインとの間に配置されたリンカーを用いてG1Fcドメインに別々に融合された、未修飾ヒトActRIIBおよび79位にロイシンからグルタミン酸への置換を有するヒトActRIIBの細胞外ドメインを含む可溶性ActRIIB-Fc:ActRIIB(L79E)-Fcヘテロマー複合体の生成を想定する。個々の構築物は、それぞれ、ActRIIB-Fc融合ポリペプチドおよびActRIIB(L79E)-Fc融合ポリペプチドと呼ばれ、それぞれの配列は以下に提供される。
ActRIIB-FcまたはActRIIB(L79E)-Fcホモ二量体複合体とは反対に、ActRIIB-Fc:ActRIIB(L79E)-Fcヘテロマー複合体の形成を促進するための方法論は、Fcドメインのアミノ酸配列中に変更を導入して、非対称ヘテロマー複合体の形成を誘導することである。Fcドメインを使用して非対称相互作用対を作製するための多くの異なる手法が、本開示に記載される。
それぞれ、配列番号43~45および46~48のActRIIB(L79E)-FcおよびActRIIB-Fcポリペプチド配列に例示される、1つの手法では、一方のFcドメインを変更して、相互作用面にカチオン性アミノ酸を導入することができるが、他方のFcドメインを変更して、相互作用面にアニオン性アミノ酸を導入することができる。ActRIIB(L79E)-Fc融合ポリペプチドおよびActRIIB-Fc融合ポリペプチドはそれぞれ、TPAリーダーを用いることができる(配列番号8)。
ActRIIB(L79E)-Fcポリペプチド配列(配列番号43)を、以下に示す:
Figure 0007280182000176
リーダー(シグナル)配列およびリンカーは下線付きであり、L79E置換は二重下線により示される。考えられるホモ二量体複合体のいずれかではなくActRIIB-Fc:ActRIIB(L79E)-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、2つのアミノ酸置換(リシンを酸性アミノ酸で置き換える)を、上に二重下線により示されたようにActRIIB融合タンパク質のFcドメイン中に導入することができる。配列番号43のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
このActRIIB(L79E)-Fc融合タンパク質は、以下の核酸配列(配列番号44)によってコードされ得る:
Figure 0007280182000177
Figure 0007280182000178
成熟ActRIIB(L79E)-Fc融合ポリペプチド(配列番号45)は、以下の通りであり、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
Figure 0007280182000179
ActRIIB-Fc融合ポリペプチドの相補形態(配列番号46)は、以下の通りである:
Figure 0007280182000180
リーダー配列およびリンカー配列は下線付きである。上記の配列番号43および45のActRIIB(L79E)-Fc融合ポリペプチドとのヘテロ二量体形成を誘導するために、2つのアミノ酸置換(グルタミン酸およびアスパラギン酸をリシンで置き換える)を、上に二重下線により示されたActRIIB-Fc融合ポリペプチドのFcドメイン中に導入することができる。配列番号46のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
このActRIIB-Fc融合タンパク質は、以下の核酸(配列番号47)によってコードされ得る:
Figure 0007280182000181
成熟ActRIIB-Fc融合タンパク質配列(配列番号48)は、以下の通りであり、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000182
それぞれ、配列番号45および配列番号48のActRIIB(L79E)-FcおよびActRIIB-Fcポリペプチドを同時発現させ、CHO細胞系から精製して、ActRIIB-Fc:ActRIIB(L79E)-Fcを含むヘテロマータンパク質複合体を生じさせることができる。
非対称Fc融合タンパク質を使用してヘテロ多量体複合体の形成を促進するための別の手法では、Fcドメインを変更して、それぞれ、配列番号49~50および51~52のActRIIB(L79E)-FcおよびActRIIB-Fcポリペプチド配列に示されるような相補的疎水性相互作用およびさらなる分子間ジスルフィド結合を導入することができる。ActRIIB(L79E)-Fc融合ポリペプチドおよびActRIIB-Fc融合ポリペプチドはそれぞれ、TPAリーダー(配列番号8)を用いることができる。
ActRIIB(L79E)-Fcポリペプチド配列(配列番号49)を、以下に示す:
Figure 0007280182000183
シグナル配列およびリンカー配列は下線付きであり、L79E置換は二重下線により示される。考えられるホモ二量体複合体のいずれかではなくActRIIB-Fc:ActRIIB(L79E)-Fcヘテロ二量体の形成を促進するために、2つのアミノ酸置換(セリンをシステインで、トレオニンをトリプトファンで置き換える)を、上に二重下線により示された融合タンパク質のFcドメイン中に導入することができる。配列番号49のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端にリシンを付加して提供することができる。
成熟ActRIIB(L79E)-Fc融合ポリペプチド(配列番号50)は、以下の通りである:
Figure 0007280182000184
ActRIIB-Fc融合ポリペプチドの相補形態(配列番号51)は、以下の通りであり、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000185
リーダー配列およびリンカーは下線付きである。上記の配列番号49~50のActRIIB(L79E)-Fc融合ポリペプチドとのヘテロ二量体形成を誘導するために、4つのアミノ酸置換(チロシンをシステインで、トレオニンをセリンで、ロイシンをアラニンで、チロシンをバリンで置き換える)を、上に二重下線により示されたActRIIB-Fc融合ポリペプチドのFcドメイン中に導入することができる。配列番号51のアミノ酸配列を、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
成熟ActRIIB-Fc融合タンパク質配列は、以下の通りであり、任意選択で、C末端からリシンを除去して提供することができる。
Figure 0007280182000186
それぞれ、配列番号50および配列番号52のActRIIB(L79E)-FcおよびActRIIB-Fcポリペプチドを同時発現させ、CHO細胞系から精製して、ActRIIB-Fc:ActRIIB(L79E)-Fcを含むヘテロマータンパク質複合体を生じさせることができる。
様々なActRIIB-Fc:ActRIIB(L79E)-Fc複合体の精製を、例えば、任意の順序の、以下のもの:プロテインAクロマトグラフィー、Qセファロースクロマトグラフィー、フェニルセファロースクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、マルチモーダルクロマトグラフィー(例えば、静電気的および疎水性リガンドの両方を含有する樹脂を用いる)、およびエピトープに基づく親和性クロマトグラフィー(例えば、ActRIIBのエピトープに対する抗体または機能的に等価なリガンドを用いる)のうちの3つまたはそれより多くを含む、一連のカラムクロマトグラフィーステップによって達成することができる。精製を、ウイルス濾過および緩衝液交換を用いて完了させることができる。
(実施例8)
ActRIIB-Fc:ActRIIB(L79E)-Fcヘテロマーのリガンド結合プロファイル
Biacore(商標)に基づく結合アッセイを使用して、ActRIIB-Fc:ActRIIB(L79E)-Fcヘテロ二量体のリガンド結合動態を、未修飾ActRIIB-Fcホモ二量体のリガンド結合動態と比較した。融合タンパク質を、抗Fc抗体を使用するシステム上で捕捉した。次いで、リガンドを注入し、37℃で捕捉された受容体タンパク質上に流動させた。結果を以下の表にまとめるが、有効なリガンドトラップを最も示すリガンド解離速度(k)は、灰色の影付きで示す。
Figure 0007280182000187
本実施例では、2つのActRIIBポリペプチド鎖のうちの一方における単一のアミノ酸置換は、未修飾ActRIIB-Fcホモ二量体と比べてFc融合タンパク質のリガンド結合選択性を変更させた。ActRIIB-Fcホモ二量体と比較して、ActRIIB(L79E)-Fcヘテロ二量体は、アクチビンB、GDF8、GDF11、およびBMP6に対する高親和性結合を大きく保持していたが、アクチビンAおよびBMP10については約10倍速い解離速度を示し、BMP9への結合強度のさらにより大きな低下を示した。したがって、ActRIIB-Fcバリアントヘテロマーは、そのような選択的拮抗作用が有利である、ある特定の適用では未修飾ActRIIB-Fcホモ二量体よりも有用であり得る。例としては、アクチビンA、BMP9、またはBMP10の拮抗作用を減少させながら、アクチビンB、GDF8、GDF11、およびBMP6のうちの1つまたは複数の拮抗作用を保持することが望ましい治療適用が挙げられる。
参照による組込み
本明細書に記載の全ての刊行物および特許は、あたかもそれぞれ個々の刊行物または特許が具体的かつ個別的に参照により組み込まれると示されたかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
主題の具体的な実施形態が考察されてきたが、上記明細書は、例示的であり、制限的ではない。多くの変形形態が、本明細書および以下の特許請求の範囲を見る際に当業者には明らかとなるであろう。本発明の完全な範囲は、特許請求の範囲を、その等価物の完全な範囲と共に、また、本明細書を、そのような変形形態と共に参照することにより決定されるべきである。
Figure 0007280182000188
Figure 0007280182000189
Figure 0007280182000190
Figure 0007280182000191
Figure 0007280182000192
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Figure 0007280182000194
Figure 0007280182000195
Figure 0007280182000196
Figure 0007280182000197
Figure 0007280182000198
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Figure 0007280182000200
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Figure 0007280182000202
Figure 0007280182000203
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Figure 0007280182000207
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Figure 0007280182000209
Figure 0007280182000210
Figure 0007280182000211
Figure 0007280182000212
Figure 0007280182000213
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Figure 0007280182000229
Figure 0007280182000230

Claims (22)

  1. 配列番号2のアミノ酸20~29のいずれか1つで始まり、配列番号2のアミノ酸109~134のいずれか1つで終わるアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むバリアントActRIIBポリペプチドであって、前記バリアントActRIIBポリペプチドは、アクチビンAおよびGDF11害し、かつ野生型ActRIIBポリペプチドと比較してBMP9の弱い阻害を示し、F82KおよびK55Eからなる群から選択される配列番号2の位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、バリアントActRIIBポリペプチド。
  2. 前記バリアントポリペプチドは、F82KおよびK55Eからなる群から選択される配列番号2の位置における1つまたは複数のアミノ酸置換からなる、請求項に記載のバリアントActRIIBポリペプチド。
  3. 前記ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸29~109と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1または2に記載のポリペプチド。
  4. 前記ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸25~131と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1または2に記載のポリペプチド。
  5. 前記ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸20~134と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1または2に記載のポリペプチド。
  6. 前記ポリペプチドが、配列番号53と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1または2に記載のポリペプチド。
  7. 前記ポリペプチドが、1つまたは複数の異種ドメインをさらに含む融合タンパク質である、請求項1からのいずれか一項に記載のポリペプチド。
  8. 前記ポリペプチドがActRIIB-Fc融合タンパク質である、請求項に記載のポリペプチド。
  9. 前記融合タンパク質が、前記ポリペプチドドおよび前記1つまたは複数の異種ドメインまたはFcドメインの間に位置するリンカードメインをさらに含む、請求項またはに記載のポリペプチド。
  10. 前記リンカードメインが、TGGG、TGGGG、SGGGG、GGGGS、GGG、GGGG、SGGGおよびGGGGSから選択される、請求項に記載のポリペプチド。
  11. 前記ポリペプチドが、配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項またはに記載のポリペプチド。
  12. 前記ポリペプチドが、配列番号12のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項またはに記載のポリペプチド。
  13. 前記ポリペプチドが、配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  14. 前記ポリペプチドが、配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  15. 前記ポリペプチドが、配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  16. 前記Fcドメインが、配列番号13~30のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項またはに記載のポリペプチド。
  17. 前記ポリペプチドがホモ二量体タンパク質を形成する、請求項1から16のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  18. 前記ポリペプチドが、グリコシル化アミノ酸、PEG化アミノ酸、ファルネシル化アミノ酸、アセチル化アミノ酸、ビオチン化アミノ酸および脂質部分とコンジュゲートしたアミノ酸からなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸修飾を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  19. 前記ポリペプチドがグリコシル化されており、CHO細胞における前記ポリペプチドから入手可能なグリコシル化パターンを有する、請求項18に記載のポリペプチド。
  20. 前記融合タンパク質が、細胞に基づくアッセイにおいて、1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドのシグナル伝達を阻害する、請求項から12、および16のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  21. 前記融合タンパク質が、BMP6、BMP7、BMP10、GDF3、GDF7、GDF8、GDF15、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンE、アクチビンAB、アクチビンAC、アクチビンAE、アクチビンBCおよびアクチビンBEからなる群から選択される1つまたは複数のTGF-ベータスーパーファミリーリガンドを阻害する、請求項から12、16および20のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  22. 請求項1から21のいずれかに記載のポリペプチドおよび薬学的に許容される担体を含む医薬調製物。
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