JP7138846B2 - 車両制御システム及び方法 - Google Patents
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Description
従って、本発明は、原動機により後輪が駆動される車両を制御する場合であっても、ステアリング操作に対する車両の応答性又はリニア感を向上させることができる車両制御システム及び方法を提供することを目的としている。
このように構成された本発明によれば、操舵装置の操舵速度が所定値以上の場合に、増加トルクが設定されるので、ドライバに操舵の意志がない微少な操舵に対して増加トルクが設定され、制御が介入することによりドライバに違和感を与えるのを防止することができる。
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態による車両制御システムを搭載した車両について説明する。図1は、本発明の第1実施形態による車両制御システムを搭載した車両の全体構成を示すブロック図である。
車両1の車体前部には操舵輪である左右の前輪2aが設けられ、車体後部には駆動輪である左右の後輪2bが設けられている。これら車両1の前輪2a、後輪2bは、車体に対してサスペンション3により夫々支持されている。また、車両1の車体前部には、後輪2bを駆動する原動機であるエンジン4が搭載されている。本実施形態においては、エンジン4は、ガソリンエンジンであるが、原動機としてディーゼルエンジンなどの内燃エンジンや、電力により駆動されるモータを使用することもできる。また、本実施形態において、車両1は、車体前部に搭載されたエンジン4により、トランスミッション4a、プロペラシャフト4b、ディファレンシャルギア4cを介して後輪2bが駆動される所謂FR車であるが、車体後部に搭載されたエンジン4により後輪2bを駆動する所謂RR車等、原動機により後輪が駆動される任意の車両に本発明を適用することができる。
図3は、本発明の第1実施形態による車両制御システムに備えられたPCM14がエンジン4を制御するエンジン制御処理のフローチャートである。
エンジン制御処理が開始されると、図3に示すように、ステップS1において、PCM14は車両1の運転状態に関する各種センサ信号を読み込んで取得する。具体的には、PCM14は、操舵角センサ8が検出した操舵角、アクセル開度センサ10が検出したアクセル開度、車速センサ12が検出した車速、車両1の変速機に現在設定されているギヤ段等を含む、上述した各種センサが出力した検出信号を運転状態に関する情報として取得する。
例えば、エンジン4がガソリンエンジンである場合、PCM14は、ステップS5において基本トルクに増加トルクを加算することにより最終目標トルクが設定された場合、点火プラグ5cの点火時期を、基本トルクを発生させるための点火時期よりも進角させる。また、点火時期の進角に代えて、あるいはそれと共に、PCM14は、スロットル開度を大きくしたり、下死点後に設定されている吸気弁の閉時期を進角させたりすることによって、吸入空気量を増加させる。この場合、PCM14は、所定の空燃比が維持されるように、吸入空気量の増加に対応して、インジェクタ5bによる燃料噴射量を増加させる。
ステップS7の後、PCM14は、図3に示すフローチャートによる1回のエンジン制御処理を終了する。
図4は、本発明の第1実施形態においてPCM14が増加トルクを決定するトルク付加量設定処理のフローチャートであり、図5は、本発明の第1実施形態においてPCM14が決定する目標付加加速度と操舵速度との関係を示したマップである。図6は操舵装置7の操舵角に応じて増加トルクに乗じる操舵角係数の値を示す係数マップである。図7は増加トルクの単位時間当たりの増加率の上限値を規定した増加トルクの増加率上限値マップである。図8は目標付加減速度と操舵速度との関係を示したマップである。
図5における横軸は操舵速度を示し、縦軸は目標付加加速度を示す。図5に示すように、操舵速度が閾値TS1以下である場合、対応する目標付加加速度は0である。即ち、操舵速度が閾値TS1以下である場合、PCM14は、ステアリング操作に基づき車両1に加速度を付加するための制御を実行しない(増加トルクを設定せずにメインルーチンに復帰する)。
図8における横軸は操舵速度を示し、縦軸は目標付加減速度を示す。図8に示すように、操舵速度が閾値TS1以下である場合、対応する目標付加減速度は0である。即ち、操舵速度が閾値TS1以下である場合、PCM14は、ステアリング操作に基づき車両1に減速度を付加するための制御を実行しない(低減トルクを設定せずにメインルーチンに復帰する)。
図9は、本実施形態による車両制御システムの作用の一例を示すタイムチャートであり、上段から順に、操舵装置の操舵角[deg]、操舵速度[deg/sec]、基本トルク[N・m]、付加加減速度[m/sec2]、(補正後の)増加/低減トルク[N・m]、点火時期を示している。
さらに、図9の時刻t15においてドライバがステアリング6の切り戻しを開始すると、操舵角(の絶対値)が減少し始め、図4のフローチャートにおいては、ステップS21→S22→S29→S30→S31→リターンの処理が繰り返されるようになる。この状態においては、操舵角の減少に伴い、ステップS30において付加減速度が設定される。このため、時刻t15~t16においては、ステップS30において設定された付加減速度を実現するための低減トルクが設定される。また、基本トルクから低減トルクが減算された最終目標トルクを生成するために、図3のステップS6において設定されたアクチュエータ制御量が使用される。具体的には、本実施形態においては、図9の最下段に示すように、点火プラグ5cの点火時期が、基本トルクを発生させるための点火時期よりも遅角される。
本実施形態の車両制御システム及び方法は、第1実施形態における図4のフローチャートのステップS27において使用される操舵角係数(図6)が、第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第2実施形態の、第1実施形態とは異なる部分のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
2a 前輪(操舵輪)
2b 後輪(駆動輪)
3 サスペンション
4 エンジン(原動機)
6 ステアリングホイール
7 操舵装置
8 操舵角センサ
10 アクセル開度センサ(運転状態センサ)
12 車速センサ
14 PCM(制御器)
16 基本トルク設定部
18 増加トルク設定部
20 減少トルク設定部
22 エンジン制御部
Claims (6)
- 原動機により後輪が駆動される車両を制御する方法であって、
上記車両の運転状態に基づいて、上記原動機が発生すべき基本トルクを設定する基本トルク設定工程と、
上記車両に搭載された操舵装置の操舵速度の増加に基づいて、上記基本トルクを増加させるように、増加トルクを設定する増加トルク設定工程と、
上記基本トルクに上記増加トルクを加算したトルクが発生するように、上記原動機を制御するトルク発生工程と、
を有し、
上記増加トルク設定工程において、上記操舵装置の操舵角が大きい場合には、上記操舵装置の操舵角が小さい場合よりも上記増加トルクが小さく設定されることを特徴とする車両制御方法。 - さらに、上記操舵装置による操舵輪の切り足し操舵を判定する切り足し判定工程を有し、この切り足し判定工程において切り足し操舵が行われたと判定された場合には、上記増加トルク設定工程において上記増加トルクが小さく設定される請求項1記載の車両制御方法。
- 上記切り足し判定工程は、上記操舵装置による操舵角の増加が検出された後、操舵角がほぼ一定に維持され、その後再び操舵角の増加が検出された場合に、切り足し操舵が行われたと判定する請求項2記載の車両制御方法。
- 上記増加トルク設定工程においては、上記操舵装置の操舵速度が所定値以上の場合に、上記増加トルクを設定する請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両制御方法。
- 上記増加トルク設定工程において、上記操舵装置の操舵角が大きい場合には、上記操舵装置の操舵角が小さい場合よりも、上記増加トルクの単位時間当たりの増加率の上限値が低く設定される請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両制御方法。
- 原動機により後輪が駆動される車両を制御する車両制御システムであって、
上記車両の運転状態を検出する運転状態センサと、
上記車両に搭載された操舵装置の操舵角を検出する操舵角センサと、
上記運転状態センサの検出信号及び上記操舵角センサの検出信号に基づいて上記原動機を制御する制御器と、を有し、
上記制御器は、
上記運転状態センサの検出信号に基づいて、上記原動機が発生すべき基本トルクを設定し、
上記操舵角センサにより検出された操舵速度が所定値以上になると、上記基本トルクを増加させるように、増加トルクを設定し、
上記基本トルクに上記増加トルクを加算したトルクが発生するように、上記原動機を制御するように構成され、
上記制御器は、上記操舵装置の操舵角が大きい場合には、上記操舵装置の操舵角が小さい場合よりも上記増加トルクを小さく設定することを特徴とする車両制御システム。
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